JPH10502667A - 活性薬剤の制御放出に用いる多小胞リポソームの調製 - Google Patents

活性薬剤の制御放出に用いる多小胞リポソームの調製

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JPH10502667A JP8510312A JP51031296A JPH10502667A JP H10502667 A JPH10502667 A JP H10502667A JP 8510312 A JP8510312 A JP 8510312A JP 51031296 A JP51031296 A JP 51031296A JP H10502667 A JPH10502667 A JP H10502667A
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Abstract

(57)【要約】 生物学的活性物質を含む多小胞リポソーム(MVL)を開示し、前記多小胞リポソームは、一定のサイズ分布、調整可能な平均サイズ、調整可能な内部隔室サイズと数、及び生物学的活性物質の制御されかつ変更可能な放出速度をもつ。これを製造する方法は、少なくとも1つの生物学的活性物質と場合により浸透圧スペーサーとを、リポソーム中に封入される第1水性成分中に封入することを含む。リポソームが導入される周囲環境中への活性物質の放出速度は、第1水性成分の浸透圧を増加することにより低下し、浸透圧を減少することにより上昇する。

Description

【発明の詳細な説明】 活性薬剤の制御放出に用いる多小胞リポソームの調製 技術分野 本発明は、生物学的活性物質を封入するリポソームの多小胞(multivesicular )リポソーム組成物に関する。さらに特定すると、本発明は、封入した物質の放 出速度が制御可能な多小胞リポソームの製造法及び使用に関する。背景技術 多くの医薬を用いて最適の治療を行うには、医薬濃度が長期間にわたって維持 されることが必要であることが多い。例えば、細胞周期特異的代謝拮抗物質を用 いて最適の抗癌治療を行うには、長期間にわたって細胞毒性薬の濃度を維持する ことが必要である。シタラビンは極めて時期依存性の抗癌剤である。この医薬は DNA合成時にのみ細胞を殺すので、細胞を最適に殺すには治療的濃度の医薬に 長期間暴露することが必要である。このような薬剤は静脈内又は皮下投与後の半 減期が数時間と短いという事実のために、薬剤の治療有効性はさらに複雑になる ことが多い。シタラビンのような細胞周期特異的医薬を用いて癌細胞を最適に殺 すには、次の2つの主要な要求を満たさなければならない:まず第1に、宿主に 不可逆的な有意な害を与えることなく、高濃度の医薬に癌細胞を暴露しなければ ならない;そして第2には、細胞増殖のうちで感受性なDNA合成期にある癌細 胞の数を最大にするために腫瘍を長期間医薬に暴露しなければならない。 時期依存性である別のクラスの医薬の例としては、アミノグリコシドクラスの 抗生物質が挙げられる。例えば、アミカシンはグラム陽性及びグラム陰性細菌に 対して臨床的に重要な活性をもつアミノグリコシド抗生物質である。従来の治療 法では、この医薬は通常1日1回又は2回、静脈内又は筋肉内経路で投与される 。最も普通に用いられる臨床用量は、1日1gの最大推奨日用量と同等な15m g/Kg/日である。しかしながら、この方法では患者に全身投与することにな り、医薬によっては毒性の副作用の危険が増加する。従って、柔組織又は骨の局 所領域に限定されるような感染治療用の局所デポ除放性製剤が、治療的な全身用 量と比較して医薬の局所組織濃度増加に有利であり、一方遊離医薬の全身性毒性 を減 少又は回避する。 特に、数時間、数日又は数週間にさえ及ぶ長期間にわたって治療的濃度の医薬 を送達するのに使用できる制御放出製剤が有用である。 医薬送達のための制御放出組成物を提供するのに用いられてきた1つのアプロ ーチはリポソーム封入である。多くのリポソーム型のうち、多重小胞(multives icular)リポソーム(Kim,et al.,Biochim.Biophys.Acta; 728:339-348,19 83)は、単ラメラ(unilamellar)リポソーム(Huang,Biochemistry,8:334-35 2,1969; Kim,et al.,Biochim.Biophys.Acta; 646:1-10,1981)、多重ラメ ラ(multilamellar)リポソーム(Bangham,et al.,J.Mol.Bio.,13:238-252 ,1965)、及び安定な多ラメラ(plurilamellar)リポソーム(米国特許第4, 522,803号)とは異なってユニークである。単ラメラリポソームとは対照 的に、多小胞リポソームは複数の水性隔室(chamber)を含む。多重ラメラリポ ソームとは対照的に、多小胞リポソームの複数の水性隔室は同心円状でない(no n-concentric)。各種の型の単ラメラ及び多重ラメラリポソームを製造する多数 の方法が文献に記載されている:例えば、Lenkに付与された米国特許第4,52 2,803号;Baldeschwielerに付与された米国特許第4,310,506号; Papahadjopoulosに付与された米国特許第4,235,871号;Schneiderに付 与された米国特許第4,224,179号;Papahadjopoulosに付与された米国 特許第4,078,052号;Taylorに付与された米国特許第4,394,37 2号;Marchettiに付与された米国特許第4,308,166号;Mezeiに付与さ れた米国特許第4,485,054号;及びRedziniakに付与された米国特許第 4,508,703号;Szoka,et al.,1980,Ann.Rev.Biophys.Bioeng.,9 :465-508; Liposomes,Marc J.Ostro編集,Marcel-Dekker,Inc.,New York,1 983,Chapter 1; Poznansky and Juliano,Pharmacol.Rev.,36:277-236,1984 )。先行技術はさらに多小胞リポソームの製造法を記載する(Kim,et al.,Bio chim.Biophys.Acta,728:339-348,1983)。 Kim らの方法(Biochim.Biophys.Acta,728:339-348,1983)では、シタラ ビン又はAra−Cとしても知られるシトシンアラビノシドのようないくつかの 小さい分子の封入効率は比較的低く、生物学的流体中への封入分子の放出速度は 高かった。従って、生物学的流体への封入分子の放出速度を遅くするために塩酸 塩を用いる組成物が開発された(Kimにより1993年2月21日出願の米国特 許出願第08/020,483号の一部継続出願)。 さらなる研究の結果、ヒト血漿中における多小胞リポソームからの物質の放出 速度は、多小胞リポソーム形成前に物質を溶解する酸溶液の性質を変更すること によって制御できることが示された(Sankaram及びKimにより1993年11月 16日出願の米国特許出願第08/153,657号)。これらの研究では、塩 酸、硝酸及び過塩素酸のようなある種の鉱酸が最も遅い放出速度をもたらし、一 方その他の酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、及びトリクロロ酢酸などは即時 の放出速度をもたらした。最も速い放出速度は硫酸及びリン酸などの二−又は三 −プロトン酸によって得られた。この方法で製造されたリポソームの組成物は、 所望の医薬放出動力学をもつ多小胞リポソームを製造するのに酸を使用する必要 があるという欠点をもつ。さらに、多小胞リポソームからの所望の医薬放出速度 を提供する酸のいくつかは、製造に用いる金属容器及び部品の腐食のような薬動 力学的プロセスにおける問題を生じる。また、もしもin vivo環境で実用に供さ れる多小胞リポソームを酸を用いないで製造する場合には、酸不安定物質の安定 性についての問題点が回避されるであろう。 水性環境中へのリポソームからの封入された生物学的物質の放出速度は、リポ ソーム中にプロトノファア又はイオノフォアを導入して膜ポテンシャルを作り出 すことによって調節できることが示された(米国特許第5,077,056号) 。さらに、小胞組成物からの医薬の放出速度を制御する方法がヨーロッパ特許出 願第0126580号に開示されている。この後者の方法では、一定の浸透圧を 与えるために十分な溶質を含む溶液中に懸濁した小胞中に封入された治療薬の溶 液を含む組成物を提供する。この浸透圧は小胞内の溶液の浸透圧に関して少なく とも実質的に等張であり、またこの小胞内の溶液の浸透圧は生理的食塩水よりも 大きい浸透圧をもつ。小胞内の溶液の浸透圧は一定に保たれ、一方小胞が懸濁さ れる溶液の浸透圧は変化する。このような条件下では、懸濁媒質が小胞内の溶液 に関して等張又は高張な関係に達するにつれて、放出速度が低下する。しかしな がら、この方法の欠点は、放出速度を制御するために、その中に治療薬を放出す る 媒体の浸透圧が変化しなければならない点である。その結果、医薬送達システム の投与部位における生物学的流体の浸透圧は実質的に固定しており変更できない ので、これらの組成物は医薬用途などの実際の使用に関しては厳しく限定されて しまう。例えば、血漿などの生物学的流体は生理食塩水(normal saline:水中0 .9重量%NaCl)に関して等張に近く、これは310mOsmの浸透圧をも つ。従って、懸濁媒体の浸透圧は理想的には310mOsm近くであるべきであ る。 従来のリポソーム組成物及びその製造法についての公知の限定に鑑み、酸を用 いることなく安定な多小胞リポソームを製造する技術が求められている。本発明 はこのような需要に答えるものである。発明の要約 本発明は、生物学的活性物質の制御放出のできる多小胞リポソーム(MVL) を提供する。生理的環境、例えばin vivoでのヒト組織中への生物学的活性物質 の放出速度は、リポソーム中に封入される第1水性成分の浸透圧を変えることに よって制御される。こうすることによって、本発明のMVLは、in vivo部位に 導入されたときに薬物の治療的放出を維持することによって大きな改良された結 果をもたらす。予期せぬことに、リポソーム中に封入される第1水性成分の浸透 圧が増加するにつれて、放出速度が低下する。 第1水性成分の浸透圧は、生物学的活性物質の濃度を増加するか、あるいは浸 透圧スペーサーを加えることによって増加できる。 本発明はまた、長期間のin vivo治療用途を提供する制御放出性をもつ多小胞 リポソームを製造するための酸を用いない(non-acidic)方法を提供する。本発 明の多小胞リポソームは、高い封入効率、封入物質の制御された放出速度、一定 の再生可能なサイズ分布、球形状、容易に調節可能な平均サイズ及び調節可能な 内部隔室サイズ及び数をもつ。 多重小胞性脂質小胞又は多小胞リポソームを製造する本発明の方法は、(a) 1以上の有機溶媒中に少なくとも1つの両親媒性脂質及び1つの中性脂質を含む 脂質成分を溶解し、(b)前記脂質成分を、封入すべき1以上の生物学的活性物 質を含む非混和性の第1水性成分と混合し、(c)前記2つの非混和性成分から 油中水型エマルジョンを形成し、(d)前記油中水型エマルジョンを、第2の非 混和性の水性成分中に移して浸漬して溶媒小球を形成し、そして(e)前記溶媒 小球から蒸留などによって有機溶媒を除去することを含む。両親媒性脂質は正味 の負電荷をもつ両親媒性脂質;ステロール;及び双性イオン脂質から選択できる 。生物学的流体及びin vivoへの封入分子の放出速度は、生物学的活性物質の濃 度を増加するか、あるいは浸透圧スペーサーを用いるか、又は物質の増加と浸透 圧スペーサーの使用を組み合わせることによって、低下することができる。発明を実施するための好ましい態様 本発明は、生物学的流体中における治療的活性物質の制御された放出を可能に する多小胞リポソーム(MVL)組成物に関する。これらの組成物では、塩酸塩 又は酸の不在下に、封入された治療的活性物質の維持された放出を達成するため に、封入された水性相の浸透圧を新規な方法で操作する。本発明の方法を行うこ とによって、当業者は物質の広範な放出速度をもつMVLを選択的に製造するこ とができる。 ”多小胞リポソーム”の語は、複数の同心円状でない水性隔室を囲む人工の顕 微的脂質小胞を意味する。これとは対照的に、従来のその他のリポソームでは、 例えば単ラメラリポソームでは1つの水性隔室をもち、多重ラメラ及び多ラメラ リポソームは、水性成分を含むスペースをそのあいだにもつ複数の同心円状の” タマネギの皮”様の膜をもつ。 ”溶媒小球”は、有機溶媒の顕微的球状小滴を意味し、その中に生物学的活性 薬剤を含む、水性成分の複数のより小さい小滴が存在する。溶媒小球は第2水性 成分中に懸濁され完全に浸漬している。 ”中性脂質”の語は、それ自体が小胞形成能をもたず、荷電した又は親水性の ”頭部”基をもたない油脂又は脂肪を意味する。中性脂質の例としては、荷電し た又は親水性の”頭部”基をもたないグリセロールエステル、グリコールエステ ル、トコフェロールエステル、ステロールエステル、ならびにアルカン及びスク アレンを含むが、これに限定されない。 ”両親媒性脂質”の語は、親水性の”頭部”基と疎水性の”尾部”基をもち、 膜形成能をもつ分子を意味する。本明細書では、両親媒性脂質には、正味の負電 荷、正味の正電荷をもつ両親媒性脂質、双性イオン脂質、及びステロールを含む 。 ”双性イオン脂質”の語は、等電点でゼロの正味電荷をもつ両親媒性脂質を意 味する。 本明細書では、多小胞リポソームの隔室中に存在する物質を記載するときに用 いる”生物学的活性”の語は、小胞中に存在する形で生物学的活性を有する物質 、ならびに小胞隔室から放出された後に活性となる物質(すなわち、”静止状態 の”生物学的活性を有する)、例えば酵素との相互作用によって治療活性をもつ 活性成分に変換されるプロドラッグのような物質を含む。 さらに、導入される生物学的活性物質には間接的に作用する物質を含む。ある いは、このような物質は本明細書で記載する浸透圧スペーサーとして作用する。 例えば、各種賦形剤及び安定化剤が存在する。このような物質は、例えば特定医 薬の保存寿命又は生物学的適合性を増加する作用をする。あるいは、一般に賦形 剤として分類される物質の多くは、ごくわずかなものからかなり重要なものまで 直接的生物学的活性を実際にもっている。例えば、よく使う賦形剤であるマンニ トールは利尿剤としても生物学的に作用するし、水でさえも生物学的に作用して 脱水に影響する。このような間接的に活性な物質には水性又は非水性の溶液、懸 濁液、及びエマルジョンを含む。非水性溶液の例としては、プロピレングリコー ル、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エステ ルなどの注射可能な有機エステルを含む。水性担体には、食塩水及び緩衝化媒体 を含む水、アルコール−水溶液、エマルジョン又は懸濁液を含む。非経口的ビヒ クルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲル・デキストロース、デキストロース、 及び乳酸加リンゲル液を含む。静脈内ビヒクルには、液体及び栄養補充物、電解 質補充物(リンゲル・デキストロースに基づくものなど)などを含む。保存剤及 びその他の添加物、例えば抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガスなど (Remingtons Pharmaceutical Sciences,16th Ed.,A.Olso,編集,Mark,East on,PA,1980参照)が存在していてもよい。当業者は過度の実験を行うことなく 、本発明の小胞に用いることのできる化合物の各種組み合わせを容易に確認し想 到することができる。 浸透圧は水性溶液中に存在する溶質のモル濃度の合計として定義される。もし も溶質が解離、イオン化又は凝集した形で存在するならば、浸透圧は解離、イオ ン化又は凝集した形のモル濃度の合計として定義される。溶質には、生物学的活 性薬剤及び浸透圧スペーサーを含むが、これに限定されない。 ”浸透圧スペーサー”の語は、生物学的活性物質でない、水溶液中の全ての生 物学的に適合性の溶質分子を意味する。電解質及び非電解質の両方が浸透圧スペ ーサーとして機能する。特定の分子が浸透圧スペーサーとして機能するかどうか を決定するにあたって、あるいは多小胞リポソーム中に封入する浸透圧スペーサ ーの濃度を決定するにあたっては、多小胞リポソーム内の条件(例えばpH)下 で、その分子が完全に又は部分的にイオン化しているかどうか、そしてこのよう なイオンが脂質膜を透過するかどうかを考慮に入れなければならない(The Bimo lecular Lipid Bilayer Membrane,Mahendra K.Jain,van Nostrand Reinhold Co.,1972,470pp.)。当業者であれば、本発明の使用にあたって、本発明のM VLの使用による治療を受ける被験者に毒性又は有害なことが証明されている物 質を避けて浸透圧スペーサーを選ばなければならないことが理解されよう。当業 者は過度の実験を行うことなく、本発明で使用する特定の浸透圧スペーサーが適 当なものであるかを容易に評価できる。 ”第1水性成分”の語は、多小胞リポソームを製造する工程で使用する、場合 により浸透圧スペーサーの存在下に生物学的活性物質を含む水性相を意味する。 ”第1水性成分の浸透圧”の語は、多小胞リポソームを製造する工程で使用す る生物学的活性物質を含む水性成分の浸透圧を意味する。 ”生理学的に関連のある水性環境”の語は、血漿、血清、脳脊髄、筋肉内、皮 下、腹膜、眼内、又は滑膜液などの生物学的流体、ならびに生物学的流体とほぼ 等張な0.9%食塩水又は緩衝塩溶液などの貯蔵媒質を意味する。 水性環境中への封入された生物学的物質の放出速度を制御する従来の方法は、 1)リポソーム内の酸溶液の性質、又は2)リポソーム内の水性成分の浸透圧に ついて、リポソームがその中に導入される外部水性環境の浸透圧を増加すること に依っていた。後の方法の論理的結論として、リポソームがその中に導入される 水性媒体の浸透圧を一定に保ちながら、第1水性成分の浸透圧が増加するにつれ て封入される物質の放出速度が増加しなければならないことになる。しかしなが ら、本発明による知見は驚くべきことに従来法の教示に基づいて予想されること とは反対であった。すなわち、たとえ外部の水性媒体の浸透圧が一定に保たれて いても、MVL内の内部水性成分の浸透圧が増加するにつれて封入される物質の 放出速度は実際には低下する。従って、本発明の方法は多小胞リポソーム内に封 入される第1水性成分の浸透圧を用いて放出を制御し、このとき外部媒質の浸透 圧強度はほぼ生理的である。 さらに、一定濃度の生物学的活性物質で、浸透圧スペーサーを含むMVLを製 造するときは、浸透圧スペーサーの濃度が増加すると、予期せぬことに物質の放 出速度が低下する。第1水性成分の浸透圧増加を伴う放出速度の低下は、治療薬 剤の長期間放出によって恩恵を受ける全ての型の治療に多小胞リポソームを用い る機会を多くする。 本発明の多小胞リポソームからの封入された治療薬又はその他の活性薬剤の放 出速度を低下させるには、活性物質の濃度を増加するか、あるいは浸透圧スペー サーの使用により、MVL内の第1水性成分の浸透圧を、MVLが貯蔵される( 0.9重量%食塩水など)又はその中にMVLを導入する(in vitro及びin viv oの両方で)生理学的に関連のある水性環境の浸透圧と比較して増加させる。逆 に、活性物質の濃度を減少するか、あるいは浸透圧スペーサーの濃度を減少する か又はその使用を除去することにより放出速度は増加できる。第1水性成分の浸 透圧は、リポソームからの生物学的活性物質の放出速度を最適に低下させるため に生理学的に関連のある水性環境に関して高張にすることもでき、これによって 等張条件下よりも封入工程の収率が高くなる。従って、本発明では、第1水性成 分を、貯蔵媒体又は生物学的活性薬剤がその中に放出される水性環境に関して低 張、等張又は高張にすることを含む。その結果、当業者は、特定の治療に最適な 生物学的活性物質の予め選択した放出速度をもつMVLを日常的に製造すること ができる。 生理食塩水の浸透圧はヒト血漿及び脳脊髄液、滑膜液、ならびに皮下や筋肉内 空間などのその他のin vivo環境の浸透圧とほぼ同じであるので、このような環 境中のMVL医薬放出の予測されるモデルとして食塩水を用いることができる。 本発明のMVLの好ましい使用は、in vivo注射又は組織や体空洞への移植用( 例えば、デポ剤として)のものであり、これらは生理食塩水、リン酸緩衝化塩 溶液などの媒体、又はその他の浸透圧的に同様の媒体中に貯蔵するのが好ましい 。 簡単に述べると、本発明に含まれる方法においては、MVLはまず両親媒性脂 質及び中性脂質を前記脂質成分のための揮発性有機溶媒中に溶解し、前記脂質成 分に、封入すべき生物学的活性物質を含む非混和性の第1水性成分を加え、次い で例えば混合、震盪、超音波処理により、超音波エネルギー、ノズル霧状化によ り、又はこれらの組み合わせにより作られる撹流によって混合物を乳化する。次 いで全エマルジョンを第2水性成分中に浸漬し、上述したようにして機械的に撹 拌して、第2水性成分中に懸濁した溶媒小球を形成する。得られる溶媒小球は、 その中に生物学的活性物質が含まれる多数の水性小滴からなる(水中油中水の二 重エマルジョン)。 例えば、水蒸気又はガスを懸濁液の上又は中を通すことによって溶媒を蒸発さ せて揮発性の有機溶媒を小球から除去する。溶媒が完全に蒸発したとき多小胞リ ポソームが形成される。溶媒を蒸発させるのに使用できるガスの代表としては、 窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、水素及び二酸化炭素を含む。あるいは、例え ば上記のガスのスパージング、減圧下での蒸発、及びスプレードライなど一般に 使用される溶媒除去システムによって有機溶媒を除去してもよい。 これに限定するものではないが、グルコース、スクロース、トレハロース、コ ハク酸塩、シクロデキストリン、アルギニン、ガラクトース、マンノース、マル トース、マンニトール、グリシン、リシン、クエン酸塩、ソルビトール、デキス トラン及びその組み合わせを含む浸透圧スペーサーを用いて多小胞リポソームを 形成し、多小胞リポソームからの封入された物質の放出速度を制御することがで きる。封入された生物学的活性物質の濃度は、約数ピコモルから約数百ミリモル までの範囲で変更しうる。生物学的活性物質の濃度は、治療すべき疾患の性質、 患者の年齢や症状、ならびにその物質の特定の性質によって変更される。物質が 毒性などの副作用を通常もつ場合には、低濃度の物質をもつMVLを製造し、ま た高濃度の浸透圧スペーサーを用いるのが望ましい。一定のMVL組成物を選択 し製造するにあたって、当業者はこれらの各種パラメーターの相互関係を過度の 実験を行うことなく容易に評価することができる。 多数の異なる種類のエーテルなどの揮発性の疎水性溶媒、炭化水素、ハロゲン 化炭化水素、CO2、NH3、フレオンを含む(ただしこれに限定されない)超臨 界流体を脂質相溶媒として使用できる。例えば、ジエチルエーテル、イソプロピ ルエーテル及びその他のエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒド ロフラン、ハロゲン化エーテル、エステル及びその組み合わせが満足のいくもの である。 少なくとも1つの中性脂質及び少なくとも1つの両親媒性脂質が含まれる限り 、各種の型の脂質を多小胞リポソームの製造に使用できる。両親媒性脂質は(1 )正味の負電荷をもつ両親媒性脂質;(2)ステロール、及び(3)双性イオン 脂質からなる群より選択できる。例えば、脂質成分は中性脂質と正味の負電荷を もつ両親媒性脂質からなる。別の態様では、脂質にはさらにステロールを含んで いてよい。さらに別の態様では、脂質にはさらにステロールとと双性イオン脂質 の両方を含んでもよい。 双性イオン脂質の例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノ ールアミン、スフィンゴミエリン、及びその組み合わせが挙げられる。中性脂質 の例としては、トリオレイン、トリカプリリンなどのトリグリセリド、ダイズ油 などの植物油、ラード、牛脂、トコフェロール、スクワレン及びその組み合わせ が挙げられる。正味の負電荷をもつ両親媒性脂質の例としては、カルジオリピン 、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシ トール及びホスファチジン酸が挙げられる。正味の正電荷をもつ両親媒性脂質の 例としては、ジアシルトリメチルアンモニウムプロパン、ジアシルジメチルアン モニウムプロパン及びステアリルアミンが挙げられる。 多小胞リポソーム中には封入によって各種の生物学的活性物質を導入できる。 これらの物質には、医薬、ならびにDNA、RNA、各種の型のタンパク質、タ ンパク質ホルモン、例えばインスリン、成長因子、サイトカイン、モノカイン、 リンホカイン、及び予防接種の免疫源として作用するタンパク質や炭水化物など の医薬材料を含む。 化粧用途に用いるのに有効な生物学的活性物質も多小胞リポソーム中に封入に よって導入できる。これには湿潤剤、ビタミン、酵素及び香料を含む。さらに、 除草剤、殺虫剤、殺菌剤などは多小胞リポソーム中に封入できる農業用途をもつ 生物学的活性物質の例である。 表1は、本発明の多小胞リポソーム中に封入できる生物学的活性物質の代表的 クラスを含む。 本発明の多小胞リポソーム中の生物学的活性物質のヒトにおけるin vivo使用 のための適当な投与量範囲は、0.001−6000mg/m2体表面積を含む 。上記の範囲外の投与量を与えてもよいが、この範囲は実質的に全ての生物学的 活性物質に使用できる広さを包含する。しかしながら、特定の治療剤には上述し たように好ましい濃度を容易に確かめることができる。 多小胞リポソームはあらゆる所望の経路で投与することができ、例えば、腫瘍 内、体節内(関節内)、筋肉内、莢膜内、腹腔内、皮下、静脈内、リンパ内、経 口及び粘膜下で投与できる。多小胞リポソームは、器官又は細胞標的特異性を与 えるために、スペーサー分子又はペプチド、標的特異的リガンド、例えば抗体及 びその他の受容体特異的タンパク質リガンドなどを当業者に公知の方法で直接又 は間接に結合して修飾することができる(Malone et al.,Proc.Natl.Acad.S ci.USA,86:6077,1989; Gregoriadis,Immunology Today,11(3):89,1990;こ れらを参照として包含する)。 以下の実施例は本発明を実施する方法を説明する。しかしながら、実施例は説 明のためのものであり、本発明は実施例の特定の材料又は条件のいずれによって も限定されるものではない。 実施例1 A.多小胞リポソームの製造 工程1)清浄なガラス円筒(内径2.5cmx高さ10.0cm)中に、クロロ ホルム中にジオレオイルホスファチジルコリン(Avanti Polar Lipids,Birming ham,AL)46.5μモル、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(Avant i Polar Lipids,Birmingham,AL)10.5μモル、コレステロール(Sigma Ch emical Co.,St.Louis,MO)75μモル、トリオレイン(Avanti Polar Lipids ,Birmingham,AL)9.0μモルを含む溶液5mLを入れた。この溶液を脂質成 分と呼ぶ。 工程2)シタラビン(Upjohn,Kalamazoo,MI)又は硫酸アミカシン(Bristol M yers Squibb,Syracuse,NY)を水に溶解したいずれかの第1水性成分5mLを 、脂質成分を含む上記のガラス円筒中に加えた。シタラビンの場合、濃度は41 mM、82mM、164mM、246mM、369mM及び410mMを用いた 。硫酸アミカシンの場合、濃度は13mM、26mM、52mM及び88mMを 用いた。硫酸アミカシンはアミカシン1分子当たり1.8硫酸イオンを含む。従 って、濃度を2.8倍すると浸透圧が得られる。 工程3)油中水型エマルジョンを作るために、工程2の混合物をホモジェナイザ ー(AutoHomoMixer,Model M.Tokushu Kika,Osaka,Japan)で9000rpm の速度で8分撹拌した。 工程4)水中に懸濁したクロロホルム小球を作るために、4%デキストロース及 び40mMリシンを含む溶液20mLを、油中水型エマルジョンの上に層として のせ、4000rpmの速度で60秒混合してクロロホルム小球を形成した。 工程5)多小胞リポソームを得るために、ガラス円筒中のクロロホルム小球懸濁 液を、水30mL、グルコース(3.5g/100mL)及び遊離−塩基性リシ ン(40mM)を含む1000mLのエーレンマイヤーフラスコ中に注いだ。フ ラスコ中の懸濁液に窒素ガスを7L/分を通して、37℃で20分かけてゆっく りとクロロホクムを蒸発させた。生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム)60m Lをフラスコに加えた。次に600xgで10分遠心することによりリポソーム を分離し、上清を捨てて、ペレットを生理食塩水50mL中に再懸濁した。60 0xgで10分遠心することによりリポソームを分離した。上清を捨てて、ペレ ットを食塩水中に再懸濁した。 B.多小胞リポソームの平均直径の測定 上述したようにして製造した多小胞リポソームの平均直径を、Horiba,Inc. (Irvine,CA)から販売されているモデルLA−500粒子サイズ分析計を用い るレーザー光回折法によって測定した。得られるリポソームの平均直径は5〜2 0μmの範囲であった。 C.シタラビンの血漿放出アッセイ この実施例では、37℃でヒト細胞質中におけるシタラビン及びアミカシンの 放出速度が、第1水性成分中の医薬濃度の増加につれて低下することを示す。 シタラビンを含む多小胞リポソーム懸濁液500μLを、O型のスクリーニン グしたヒト血漿1.2mLに加えた。混合物を37℃でインキュベートした。所 望の間隔で少量を取り出し、600xgで遠心して多小胞リポソームをペレット として分離し、ペレットをイソプロピルアルコール中に溶解し、ペレット分画中 のシタラビンの量を高圧液体クロマトグラフィー(例えば、U.S.Pharmacopeia ,XXII,p.376,1990)によってアッセイした。 D.アミカシンの血漿放出アッセイ アミカシンを含む多小胞リポソーム懸濁液500μLを、O型のスクリーニン グしたヒト血漿1.2mLに加えた。混合物を37℃でインキュベートし、所望 の間隔で少量を取り出した。600xgで遠心して多小胞リポソームをペレット として分離した。ペレットをイソプロピルアルコール中に溶解し、ペレット分画 中のアミカシンの量をポリスチレンビーズを用いる蛍光免疫アッセイによってア ッセイした(Varma-Nelson et al.,Therapeutic Drug Monitoring,13:260-262 ,1991)。保持されたアミカシンの割合を、この方法で得られた量から計算した 。 表2に示すように、種々の当初濃度又は浸透圧で第1水性成分中に用いた全薬 剤の%として表す封入率は、半減期として示すヒト血漿中への多小胞リポソーム からの放出速度に顕著な影響を及ぼした。薬剤放出の半減期は単純な指数関数減 衰モデルを推定して計算した。表2のデータは3つの実験の平均及び標準偏差を 示す。シタラビンのヒト血漿への放出の半減期は、等張条件と比較しての高張条 件下で本質的に変化しなかった。このデータはまた、製造中の多小胞リポソーム 中に封入される生物学的活性物質の濃度(mOsmとして示す)を約246mO smまで増加すると、シタラビン及びアミカシンの半減期値が増加することを示 す。多重小胞性小胞内に封入される第1水性成分の浸透圧を増加すると、予期せ ぬことに、ヒト血漿に長期間わたって薬剤を徐放するのに増強された用途をもつ リポソームを製造することができた。 実施例2 本実施例は、血漿中でのシタラビンの放出速度が、生物学的活性物質の濃度を 固定した場合に、第1水性成分の浸透圧が増加するにつれ低下することを示す。 多小胞リポソームは実施例1の工程1から工程5で記載したようにして製造した が、工程2は以下のように改変した。 工程2)水、又は3重量%グルコース、又は5重量%グルコースのいずれかに8 2mM濃度で溶解した第1水性成分であるシタラビン(Upjohn,Kalamazoo,MI )5mLを、脂質成分を含む上記のガラス円筒中に加えた。得られる溶液の計算 した浸透圧は、それぞれ82、220及び335mOsmである。種々のグルコ ース濃度におけるヒト血漿中、37℃でインキュベーションした後の多小胞リポ ソーム中に保持されるシタラビンの%を、インキュベーション時間の関数として 測定した。表3は、0、3及び5重量%グルコースを含む組成物について、平均 直径、シタラビンの封入率、及び37℃におけるヒト血漿への放出の半減期を示 す。各場合につき3回の実験の平均及び標準偏差を示す。生物学的活性物質を固 定濃度に維持しておいて、浸透圧スペーサーであるグルコースを種々の濃度で導 入すると、ヒト血漿中でインキュベートした多小胞リポソームからの放出速度に 顕著な影響を与えた。表3のデータが示すように、ヒト血漿への多小胞リポソー ムからのシタラビンの放出半減期は、第1水性成分の浸透圧が増加するにつれ増 加する。約248mOsmまでは第1水性成分の浸透圧の増加につれ封入率も増 加する。 実施例3 この実施例では、生理食塩水溶液を第2水性成分として用いて多小胞リポソー ムが製造できることを示す。多小胞リポソームは以下のようにして製造した。 工程1)清浄なガラス円筒(内径2.5cmx高さ10.0cm)中に、クロロ ホルム中にジオレオイルホスファチジルコリン(Avanti Polar Lipids,Birming ham,AL)46.5μモル、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(Avant i Polar Lipids,Birmingham,AL)10.5μモル、コレステロール(Sigma Ch emical Co.,St.Louis,MO)75μモル、トリオレイン(Avanti Polar Lipids ,Birmingham,AL)9.0μモルを含む溶液5mLを入れた。この溶液を標準脂 質成分と呼ぶ。 工程2)シタラビン(Upjohn,Kalamazoo,MI)を水に246mMの濃度で溶解 した第1水性成分5mLを、標準脂質成分を含む上記のガラス円筒中に加えた。 工程3)油中水型エマルジョンを作るために、ホモジェナイザー(AotoHomoMixe r,Model M,Tokushu Kika,Osaka,Japan)を用いて9000rpmの速度で8 分混合した。 工程4)水中に懸濁したクロロホルム小球を作るために、生理食塩水(0.9% 塩化ナトリウム)20mLを、油中水型エマルジョンの上に層としてのせ、40 00rpmの速度で60秒混合してクロロホクム小球を形成した。これによって 水中油中水の二重エマルジョンが構成される。 工程5)ガラス円筒中のクロロホルム小球懸濁液を、生理食塩水(0.9%塩化 ナトリウム)30mLを含む100mLのエーレンマイヤーフラスコ中に注いだ 。フラスコ中の懸濁液に窒素ガスを7L/分を通して、37℃で20分かけてゆ っくりとクロロホルムを蒸発させた。50μmのフィルターを通してリポソーム を濾過した。600xgで10分遠心することにより懸濁液からリポソームを分 離した。上清を捨てて、ペレットを食塩水中に再懸濁した。 水中の246mMシタラビン溶液、及び第2水性成分として生理食塩水を用い て製造される多小胞リポソームからのシタラビンの放出の半減期は、15.7± 4.8日であった。この値は、水中の246mOsmシタラビン溶液、及び第2 水性成分としてグルコース−リシン溶液を用いて製造される多小胞リポソームか らの放出の半減期と同様であった(14.1±1.5日、表2参照)。 実施例4 本発明の多小胞リポソームのin vivoでの徐放性を試験するために薬動力学的 研究をマウスで行った。 実施例1に記載するようにして多小胞リポソームを製造した。第1水性成分と して82mM又は246mM濃度の水中シタラビン溶液を用いた。得られた多小 胞リポソームを生理食塩水で2回洗浄し、600xgで10分遠心し、生理食塩 水中に懸濁液1mL当たり10mgシタラビン濃度で保存した。 2.55±0.25mgシタラビンを含む多小胞リポソームをマウス(CDl ICR、異系交配、雌)に腹腔内注射した。注射前に、注射しようとするシタラ ビンと同じ量を含む多小胞リポソームの懸濁液の少量をゼロ時サンプルとして取 り出した。 注射の108時間後までの種々の時点で、マウスを頸部脱きゅうによって殺し た。生理食塩水200μLを含む試験管中に、未希釈腹腔液20μLを腹腔から 回収した。試験管をEppendorf Microfuge(Brinkman Instruments,Westbury,NY )中で、最大速度で1分遠心した。上清とペレットを分離した。上述のようにし て腹腔液20μLを回収した後、腹腔を2〜3mlの0.9%NaCl溶液で入 念に洗浄した。全てのサンプルを分析まで−20℃に保存した。 ペレットと上清分画、及び洗浄分画をイソプロピルアルコールで可溶化した。 可溶化分画中のシタラビンの量を高圧液体クロマトグラフィーでアッセイした( U.S.Pharmacopeia,XXII:376,1990参照)。ペレット分画中のシタラビン濃度 (μg/mL)を表4に示す。同じく表4に示す腹腔中にあるシタラビンの全量 (μg)は、未希釈腹腔液サンプル20μLのペレット及び上清分画中の量、及 び腹腔洗浄分画中の量を加えて得られた。 薬動力学的データ、すなわちペレット及び上清分画中、ならびに全量中のシタ ラビン濃度の時間依存的減少を、シングルコンパートメントモデル及び重みゼロ を用いるRSTRIPプログラム(MicroMath Scientific Software,Salt Lake City,Utah)で分析した。減衰半減期を表4に示す。 表4に示すデータの82mM(初期シタラビン濃度)製剤と、246mM(初 期シタラビン濃度)製剤とを比較すると、246mM製剤よりも82mM製剤の 方がシタラビンの全量が迅速に減少していた。ペレット分画中の濃度も246m M製剤よりも82mM製剤の方が迅速に減少する。従って、この研究では、生理 学的関連環境、すなわち実施例1で示すようなヒト血漿においてのみでなく、in vivoにおいても、シタラビン放出速度は、第1水性成分の浸透圧が増加するに つれて低下することを示す。 本発明の現時点における好ましい態様を開示目的のために記載したが、付属の 請求の範囲で定義される本発明の精神の範囲内で変更が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の工程を含む多小胞リポソームの製造方法: (a)少なくとも1つの有機溶媒、少なくとも1つの両親媒性脂質及び中性脂質 を含む脂質成分と、少なくとも1つの生物学的活性物質を含む第1水性成分との 2つの非混和性成分から油中水型エマルジョンを形成し; (b)前記油中水エマルジョン型を第2水性成分中に分散させて溶媒小球を形成 し; (c)前記溶媒小球から有機溶媒を除去して多小胞リポソームを形成し; ここで、第1水性成分の浸透圧は、多小胞リポソームから生理学的に関連のある 水性環境への放出速度を調節するように選択される、前記製造方法。 2.両親媒性脂質が正味の負電荷をもつ両親媒性脂質である請求項1記載の方 法。 3.両親媒性脂質がカルジオリピン、ホスファチジルセリン、ホスファチジル グリセロール、ホスファチジルイノシトール及びホスファチジン酸からなる群よ り選択される請求項2記載の方法。 4.脂質成分がステロールをさらに含む請求項2記載の方法。 5.脂質成分が双性イオン脂質をさらに含む請求項4記載の方法。 6.両親媒性脂質が双性イオン脂質である請求項1記載の方法。 7.双性イオン脂質がホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ ン、スフィンゴミエリン及びリソホスファチジルコリンからなる群より選択され る請求項5記載の方法。 8.両親媒性脂質が正味の正電荷をもつ請求項1記載の方法。 9.両親媒性脂質がジアシルトリメチルアンモニウムプロパン、ジアシルジメ チルアンモニウムプロパン及びステアリルアミンからなる群より選択される請求 項8記載の方法。 10.第1水性成分が、第1水性成分の浸透圧を増加するための浸透圧スペーサ ーをさらに含む請求項1、2、4、6又は8記載の方法。 11.脂質成分がリン脂質及びリン脂質混合物からなる群より選択される請求項 1、2、4、6又は8記載の方法。 12.生理学的に関連のある水性環境が貯蔵媒体である請求項1又は6記載の方 法。 13.生理学的に関連のある水性環境が、生理食塩水、緩衝塩溶液、ヒト血漿、 血清、脳脊髄液、皮下液、滑膜液、眼内液、腹腔内液、筋肉内液、又はその組み 合わせを含むがこれに限定されない群より選択される請求項1又は6記載の方法 。 14.少なくとも1つの両親媒性脂質が正味の負電荷をもつ請求項1記載の方法 。 15.両親媒性脂質をコレステロールとの混合物として提供する請求項1記載の 方法。 16.親油性の生物学的活性物質を脂質成分との混合物として提供する請求項1 記載の方法。 17.中性脂質がトリオレイン、トリカプリリン、ダイズ油、ラード、牛脂、ト コフェロール、スクワレン及びその組み合わせからなる群より選択される請求項 11記載の方法。 18.有機溶媒がエーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化エーテ ル、エステル、CO2、NH3、フレオン及びその組み合わせからなる群より選択 される請求項1記載の方法。 19.生物学的活性物質が親水性である請求項1記載の方法。 20.前記2つの成分の乳化を機械的撹拌、超音波エネルギー及びノズル霧状化 からなる群より選択される方法を用いて行う請求1記載の方法。 21.小胞内の水性隔室の平均サイズ及び数を、選択した乳化方法の時間及び持 続によって決定する請求項20記載の方法。 22.第1水性成分が実質的に水と生物学的活性物質とからなる請求項1記載の 方法。 23.第2水性成分が遊離−塩基性リシン、遊離−塩基性グリシン及び遊離−塩 基性ヒスチジン及びその組み合わせからなる群より選択される物質と;グルコー ス、スクロース、トレハロース、コハク酸塩、シクロデキストリン、アルギニン 、ガラクトース、マンノース、マルトース、マンニトール、グリシン、リシン、 クエン酸塩、ソルビトール、デキストラン、塩化ナトリウム及びその組み合わせ か らなる群より選択される物質とを含む請求項1記載の方法。 24.第2水性成分が単糖、二糖、多糖及びその他のポリマーからなる群より選 択される物質を含む請求項1記載の方法。 25.有機溶媒の除去を、スパージング、蒸発、溶媒小球上へのガス通気、スプ レードライ及びその組み合わせからなる群より選択される溶媒除去システムによ って行う請求項1記載の方法。 26.生物学的活性物質が抗アンギナ剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、抗新生物 剤、モノクローナル抗体、放射線核種、トランキライザー、抗不整脈剤、抗糖尿 病剤、抗高血圧剤、抗ウイルス剤、ホルモン、神経伝達物質、抗喘息剤、抗真菌 剤、抗寄生虫剤、グリコシド心臓剤、免疫調節剤、核酸及び類似体、放射線造影 剤、ステロイド、血圧上昇剤、ワクチン、鎮静剤及び鎮痛薬並びにその組み合わ せからなる治療カテゴリーから選択される請求項1又は6記載の方法。 27.生物学的活性物質がシタラビンである請求項1又は6記載の方法。 28.生物学的活性物質がアミカシンである請求項1又は6記載の方法。 29.生物学的活性物質が治療的タンパク質及びペプチドからなる群より選択さ れる請求項1又は6記載の方法。 30.生物学的活性物質が除草剤、殺虫剤、殺菌剤、殺昆虫剤及びその組み合わ せからなる群より選択される請求項1又は6記載の方法。 31.生物学的活性物質が核酸からなる群より選択される請求項1又は6記載の 方法。 32.生物学的活性物質が化粧品、香料、湿潤剤及びその組み合わせからなる群 より選択される請求項1又は6記載の方法。 33.結合された標的特異的リガンド又は親水性コーティングをもつ請求項1又 は6記載の多小胞リポソーム。 34.請求項1又は2記載の多小胞リポソーム中に封入された生物学的活性化合 物を患者に投与することを含む、生物学的活性化合物で患者を治療する方法。 35.請求項25、26、29又は30記載の多小胞リポソームを患者に投与す ることを含む、生物学的活性化合物で患者を治療する方法。 36.持続した放出のためにその中に封入された生物学的活性物質を含む第1水 性成分をもつ多小胞リポソームであって、前記多小胞リポソームは生理学的に関 連のある水性環境中にあり、また活性物質を生理学的に関連のある環境中に放出 させる速度を低下させるために第1水性成分の浸透圧を増加するか、あるいは前 記放出速度を上昇させるために第1水性成分の浸透圧を減少する、前記多小胞リ ポソーム。 37.第1水性成分が所望の浸透圧を得るために十分な生物学的活性物質を含む 請求項34記載の多小胞リポソーム。 38.第1水性成分が所望の浸透圧を得るために十分な浸透圧スペーサーをさら に含む請求項35記載の多小胞リポソーム。 39.生理学的に関連のある水性環境中への多小胞リポソームからの活性薬剤の 放出速度を制御する方法であって、リポソームからの活性薬剤の放出速度を低下 させるために第1水性成分の浸透圧を調節することを含み、浸透圧の増加は放出 速度の低下をもたらす前記方法。 40.第1水性成分の浸透圧を変更するために第1水性成分中に浸透圧スペーサ ーを導入する請求項39記載の方法。
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