JPH10504965A - Fc受容体を使用する診断試験 - Google Patents
Fc受容体を使用する診断試験Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、患者のDNAによってコードされるFcγ受容体対立遺伝子パターンを同定することと、このパターンと自己免疫疾患のない個体群、軽い自己免疫疾患に羅患した個体群および重症の自己免疫疾患に羅患した個体群における対応のFcγ受容体対立遺伝子のパターンとを比較するステップと、対応のパターンのうちのどれが患者の対立遺伝子パターンと最も類似しているかを判断するステップとによって、患者における重症の自己免疫疾患に対する素因を判断するための診断方法である。特に、本方法は、FcγIIIB対立遺伝子パターンを同定することによって重症のヴェーゲナー疾患に対する素因を検出するためのものである。
Description
【発明の詳細な説明】
FC受容体を使用する診断試験
本発明は、1994年8月30日にファイルされた米国特許出願第08/298,077号の一
部継続出願である。発明の技術分野
本発明は、自己免疫疾患一般、または重症の特定の自己免疫疾患およびある種
の被包性バクテリアによる感染症に対するヒト患者個体群の相対感受性を評価す
るための方法に関する。発明の背景
FC受容体は、主な機能が免疫グロブリンおよび免疫複合体を結合および内部移
行することである好中球、マクロファージおよびその他の細胞型の表面に存在す
る膜糖タンパク質である。免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインに対するヒト受容
体の3種類のファミリが、モノクローナル抗体との反応性、細胞分布およびcDNA
配列に基づいて同定されている。すなわち、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIで
ある。これら3種類のFcγ受容体ファミリ内で、異なる遺伝子および別の選択的
スプライス変異体によって、細胞外領域、貫膜領域および細胞内領域において顕
著に異なる一連の受容体イソ型が形成される。Fcγ受容体の周知のクラスの顕著
な特徴を表1にまとめておく。
異なる遺伝子およびそのスプライス変異体に基づく多様性に加え、様々なイソ
型が対立遺伝子多型性を呈することもある。いくつかの事例において、異なる対
立遺伝子がDNA配列レベルで定義され、対立遺伝子型同士の機能面での違いが挙
げられている。例えば、FcγRIIIBの既に認識されている2つの対立遺伝子型すな
わちNA1およびNA2は、いくつかのアミノ酸およびN-結合糖鎖形成部位が異なって
いるが、食作用を媒介する能力の点でも異なっている。FcγRIIAの場合、周知の
対立遺伝子変異体すなわちHR(「高免疫応答個体」)およびLR(「低免疫応答個
体」)は、アミノ酸位置131が異なっている他、IgG2(Salmon et al.,1992,J.
Clin.Invest.,89:1274)を結合および内部移行する能力の点でも実質的に異な
る。(事実、FcγRIIA-LRは、IgG2を効果的に認識する唯一のヒトFcγRである。)
最後に、FcγRIの対立遺伝子変異体も見いだされているが、これらの配列の変異
が機能面でどのような意味を持つ可能性があるのかについては、いまだに明らか
にされていない。各Fcγ受容体遺伝子について2個以上の対立遺伝子型が存在す
る可能性もある。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫複合体、特に抗DNA/DNA複合体が病原性
に重要な役割を果たすプロトタイプの免疫複合体疾患である。SLEに関連した腎
炎の特徴は、主にIgG2サブクラスのものである抗Clq自己抗体濃度が高くなるこ
とである。SLEおよびその他の自己免疫疾患は、単核食食細胞系によってFc受容
体媒介クリアランスが顕著に減少することを特徴とし、その重症度は疾患活性と
相関している。SLEでは、IgG感受性自家赤血球(EA)のFc受容体媒介クリアランス
が損なわれる(Frank et al.,1979,N.Engl.J.Med.,300:518)。異常なFcγR
IIA機能は、SLEにおける疾患関連欠損およびIgG2含有免疫複合体の異常な取扱の
一つの原因となる可能性がある。
ヴェーゲナー肉芽腫症は、特に上気道および下気道の炎症病変を特徴とする多
システム疾患である。この疾患は、ANCA(抗好中球細胞質抗体)と呼ばれる、好中
球および単球の細胞質成分に対するIgG抗体が存在することに関連している。ANC
Aは、免疫細胞のFcγ受容体媒介活性化を引き起こすことができるものであり、
この現象が疾患の病原性に何らかの役割を果たしているものと思われる。
患者がSLEまたはヴェーゲナー肉芽腫症などの自己免疫疾患に羅患していると
診断された場合、疾患の将来の重症度を予測する予後インジケータを用いること
で適当な治療処置がかなり楽になることがある。しかしながら、今日までのとこ
ろ、いくつかの客観的な診断基準に基づいた精度でそのような予測をすることは
不可能である。このため、従来技術においては、自己免疫疾患が重症の形に発展
する確率の高い患者を確認するための信頼できる診断方法が必要とされている。
ヒトがHaemophilus influenzaeおよびNeisseria meningitidisなどの被包性バ
クテリアに感染すると、体液性免疫応答によってまず特異的なIgG2抗体が産生さ
れる。興味深いことに、FcγRIIA-LRの発生頻度の高いアジア人種では、H.infl
uenzae感染症の発生率は極めて低い。これとは逆に、後期補体成分欠損症のある
個体間では、FcγRIIA-HRおよびFcγRIIIB-NA2対立遺伝子にとってのホモ接合は
N.meningitidis感染歴を持っていることが最も多い(Fijen et al.,1993,Ann.
Int.Med.,119:636)。これらの知見から、FcγRIIAおよびFcγRIIIB表現型を分
析することによって一定の細菌感染が発生する危険性の高い個体を確認すること
ができると思われる。発明の開示
本発明は、患者における重症の自己免疫疾患の素因を判断するための診断方法
において、患者のDNAによってコードされたFcγ受容体対立遺伝子パターンを同
定するステップと;このパターンと、自己免疫疾患のない個体群、軽い自己免疫
疾患に羅患した個体群および重症の自己免疫疾患に羅患した個体群における対応
のFcγ受容体対立遺伝子のパターンとを比較するステップと、対応のパターンの
うちのどれが患者の対立遺伝子パターンと最も類似しているかを判断するステッ
プと、を含む方法を提供するものである。本発明は一実施態様において重症のヴ
ェーゲナー肉芽腫症の素因を判断するための診断方法において、ヴェーゲナー肉
芽腫症に羅患した患者のFcγRIIIB対立遺伝子パターンを同定するステップを含
む方法を提供するものである。他の実施態様において、ヴェーゲナー肉芽腫症を
患っている患者をRIIIBおよびRIIA遺伝子型についてスクリーニングする。受容
体対立遺伝子については、自己の細胞表面で特定のFcγ受容体を発現する血液細
胞を単離し、これらの細胞と受容体の様々な対立遺伝子型を区別する抗体とを接
触させることによって免疫学的に同定することができる。あるいは、患者からDN
Aを単離し、遺伝子増幅、これに続くDNA配列決定、対立遺伝子特異的オリゴヌク
レオチドとのハイブリッド形成または一本鎖立体配座多型性分析を使用して特定
のFcγ受容体対立遺伝子が存在することを判断する。
また、本発明は、Haemophilus influenzae,,Neisseria meningitidisおよびS
treptococcus pneumoniaeを含む被包性バクテリアによる感染症に対する素因を
判断するための診断方法において、患者のDNAにおいてコードされたFcγRIIAお
よび
FcγRIIIB対立遺伝子パターンを同定するステップを含む方法を提供するもので
ある。発明の詳細な説明
本願明細書に引用されている全出願、特許および文献引例はいずれも、全体が
そのまま本願明細書に引用されたものとする。不一致が生じた場合には、定義を
含む本願明細書中の記載が優先されるものとする。
定義:
1. 本願明細書において用いられる「対立遺伝子」は、同一の機能性タンパク
質をコードする遺伝子のうち、これと同一の遺伝子の他のバージョンと比較して
ヌクレオチド配列が異なっている遺伝子バージョンを示す。
2. 本願明細書において用いられる「対立遺伝子多型性」は、1個の遺伝子内
のヌクレオチド配列の変異を示す。ここで、一般個体群における個体はそれぞれ
異なる遺伝子変異体を発現する場合がある。
3. 本願明細書において用いられる「対立遺伝子パターン」は、患者の特定の
遺伝子をコードする2個の対立遺伝子すなわち特定の対立遺伝子に対するホモ接
合性または2個の対立遺伝子を包括的に含むヘテロ接合性を示す。「対立遺伝子
パターン」という用語は、「遺伝子型」と入れかえて用いられることもある。
4. 本願明細書において用いられる「重症の」自己免疫疾患は、精力的な治療
を必要とする上に早死にとも関連している可能性のある腎炎、脈管炎または肺疾
患またはこれらの組み合わせなどの臨床上の徴候を包括的に含む自己免疫疾患と
して定義される。
5. 本願明細書において用いられるDNAの「増幅」は、ポリメラーゼ連鎖反応(
PCR)を使用して、DNA配列混合物中の特定のDNA配列の濃度を高めることを示す。
PCRの説明については、Saiki et al.,1988,Science,239:487を参照のこと。
6. 本願明細書において用いられるDNAの「化学的配列決定」は、個々の塩基
特異性反応を使用してDNAをランダムに切断するマクサム・ギルバート法(Maxam-
Gilbert sequencing,MaxamおよびGilbert,1977,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
,74:560)の配列決定などの方法を示す。
7. DNAの「酵素的配列決定」は、DNAポリメラーゼを使用して一本鎖DNAを複
写し、これをランダムに終端させるSanger法(Sanger et al.,1977,Proc.Natl
.Acad.Sci.USA,74:5463)の配列決定などの方法を示す。
本発明は、患者個体群をスクリーニングし、自己免疫疾患一般、重症の特定自
己免疫疾患およびある種の被包性バクテリアによって引き起こされる感染症が発
生する危険性のある個体を確認するための診断方法を提供するものである。この
方法は、Fcγ受容体遺伝子の様々なクラスの別の対立遺伝子が存在するか否かに
ついて個々の患者から採取された血液細胞またはDNAを試験し、1つまたは複数の
Fcγ受容体遺伝子の特徴的な対立遺伝子パターンすなわち遺伝子型を確認するこ
とを含む。一般に、個体のFcγ受容体対立遺伝子パターンと別の被験個体群の対
立遺伝子パターンの分布とを比較する。どのFcγ受容体型が分析対象になるかに
よって、このスクリーニングを後に詳細に説明するような様々な診断的用途に役
立てることができる。
また、本発明は、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを含むFcγ受容体遺伝子の
新たな対立遺伝子型を同定することも包含している。さらに、本発明は、Fcγ受
容体の異なる対立遺伝子型(および様々な対立遺伝子の組み合わせによって形成
される対立遺伝子パターン)と、数、重症度および症状が継続している期間、投
薬またはその他の寛解性治療の必要性などの特定の自己免疫疾患の定性的または
定量的な態様との間の統計的に有意な相関を確立することも包含している。
本発明の方法を適用することのできる自己免疫疾患には、全身性エリテマトー
デス(SLE);ヴェーゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎およびクリオグロブリン
脈管炎などの全身性脈管炎;シェーグレン症候群;混合結合組織疾患;慢性関節
リウマチ;および糸球体腎炎などの腎疾患が含まれるが、これに限定されるもの
ではない。これらの疾患の臨床的な徴候は軽いものから重症のものにまでわたっ
ている。
本発明では、Fcγ受容体遺伝子型は感受性個体群において判断することができ
る。あるいは、自己免疫疾患を最初に診断した後に上記のような試験を実施する
こともできる。このように、長期にわたって最適な利益が得られるよう様々な治
療処置を選択することができる。スクリーニング対象である開始時の患者個体群
および適当な統計的データベースが得られる被験個体群についてスクリーニング
される特定のFcγ受容体対立遺伝子は、個々の疾患または症候ごとに異なってい
ることは理解できよう。一例として、与えられたFcγ受容体対立遺伝子は希なも
のであるが特定の症状と大いに関係があることが分かったような場合、早期に治
療処置を施すことで以後の症状の発生を減らすまたは緩和することができるので
あれば、大規模なスクリーニングを行う方がよいこともある。例えば、ある患者
が腎疾患の危険性の増加と関連しているFc受容体を発現することが分かったよう
な場合、実質的な腎障害が重なる前にシクロホスファミドを使用して患者に予防
的な治療を施した方がよいことがある。あるいは、与えられたFcγ受容体対立遺
伝子は一般個体群では普通に見られるものであってランダムなスクリーニングに
は適していないこともある。しかしながら、これと同一の対立遺伝子が特定の疾
患または症状を患っている患者で認められた場合、この対立遺伝子はその疾患が
さらに重い徴候として実質的に発生することと相関している。この場合、本発明
による患者のFcγ受容体遺伝子型の同定は、疾患の初期診断後に実施される。
被包性バクテリアによる感染症に対する感受性は、個体のFcγ受容体レパート
リー、特にFcγRIIAの特定の対立遺伝子型の存在に影響されることが分かってい
る。本発明による方法を適用することのできる感染性因子には、Haemophilus in
fluenzae、Neisseria meningitidis、Streptococcus pneumoniaeおよびその他の
被包性バクテリアが含まれるが、これに限定されるものではない。FcγRIIA-HR
に対する個体のホモ接合を同定することで、これらの感染症に対して個体を標的
して免疫化することも考慮されている。さらに、追加免疫化用にこれらの個体を
標的し、上記微生物に対する感染防御抗体の濃度を高めてこれを確実に維持でき
るようにすることもできる。
本発明を実施するにあたり、個々の患者に様々なFcγ受容体対立遺伝子が存在
するか否かは、1)適当な免疫細胞の表面に存在するFcγ受容体イソ型自体の免疫
学的検出(「表現型特徴付け」)または2)配列決定を用いてあるいは用いずに核
酸プローブを使用して、Fcγ受容体イソ型をコードするDNAまたはRNAの分子を検
出すること(「遺伝子型特徴付け」)によって判断される。第一の実施態様では
、例えば勾配遠心沈降または免疫吸着(下記の実施例1を参照のこと)などの標
準的か
つ従来技術において周知な方法を使用して、感染症に対する感受性または疾患の
重症度について試験を行う対象となる患者から白血球細胞を単離する。次に、単
離した細胞に特定のFcγ受容体の異なる対立遺伝子型を区別することのできる抗
体を加え、各対立遺伝子型の存在および相対量を判断する。この抗体は、ポリク
ローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよいが、モノクローナル
抗体が好ましい。細胞に対する特異抗体結合については、例えば定量フローサイ
トメトリーまたは酵素結合イムノアッセイまたは蛍光結合イムノアッセイなどの
周知の適当な方法を用いて測定することができる。Fc-γRIIA遺伝子型の分析に
ついて詳細に後述するように、既知の遺伝子型の個体群患者から求められた基準
を用いて患者から得られる値を比較することによって、特定の対立遺伝子ならび
に対立遺伝子パターンの有無(すなわち、ホモ接合性vs.ヘテロ接合性)を判断
する。
他の実施態様では、患者からDNAを得て、特定のFcγ受容体対立遺伝子に対応
しているDNA配列が存在するか否かを判断する。このDNAは、いかなる細胞源また
は体液からも得ることができる。臨床治療で利用できる細胞源の例としては、血
液細胞、頬側細胞、頸膣部細胞、尿からの全皮細胞、胎児細胞、または生検によ
って得られる組織に存在する他のあらゆる細胞が挙げられるが、これに限定され
るものではない。体液には、血液、尿、脳脊髄液および感染または炎症が起こっ
ている部位の組織浸出液が含まれる。DNAは、従来技術において標準的な多数の
方法のうちのいずれかを使用して細胞源または体液から抽出される。DNAを抽出
するために使用される個々の方法は、細胞源または体液の性質によって異なるこ
とは理解できよう。本発明で使用するために抽出されるDNAの最低量は、約25pg(
4×109塩基対のゲノムサイズの約5細胞当量に相当)である。
一旦抽出してしまえば、さらに操作を施さずにこのDNAを本発明において使用
することができる。あるいは、Fcγ受容体遺伝子全てまたはこの遺伝子の一部に
相当するDNA領域をPCRによって増幅してもよい。この場合、プライマーとして使
用する特定の側方配列を選択することによって、増幅後の領域を特異化する。こ
の時点で増幅を行うことで、Fcγ受容体DNA配列の濃度を高めることができると
いう利点が得られる。増幅可能なDNA配列の長さは、80bp〜最長30kbp(Saiki et
al.,1988,Scjence,239:487)におよぶ。好ましくは、受容体の様々な対立遺伝
子型間で異なる配列を含む比較的短いセグメントを定義するプライマーを使用す
る。
Fcγ受容体対立遺伝子特異的DNA配列が存在するか否かについては、直接DNA配
列決定、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドとのハイブリッド形成および一本
鎖立体配座多型性(SSCP)を含むがこれに限定されるものではない周知の何らかの
方法によって判断することができる。直接配列決定は、マクサム・ギルバート法
を使用する化学的配列決定またはSanger法を使用する酵素的配列決定によって達
成することのできるものである。後者の場合では、標準的な方法を使用して特異
的なオリゴヌクレオチドを合成し、ジデオキシヌクレオチド配列決定反応用のプ
ライマーとして利用する。
好ましくは、特異的増幅プライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に
よって患者から得られたDNAを増幅した後、これを対立遺伝子特異的オリゴヌク
レオチドとハイブリッド形成させる。あるいは、増幅後のDNA領域のSSCP分析を
使用して対立遺伝子パターンを求めてもよい。
他の実施態様では、グアニジウムチオシアネート-フェノール-クロロフォルム
抽出(Chomocyznski et al.,1987,Anal.Biochem.,162:156)などの当業者間で
周知の標準的な方法を使用して、血液細胞からRNAを単離する。次に、特異的オ
リゴヌクレオチドプライマーを使用して、単離後のRNAをポリメラーゼ連鎖反応
によって共役逆転写および増幅(RT-PCR)する。特異的な逆転写および増幅を確実
に行うことができるようにプライマーのアニーリング条件を選択する。このため
、増幅生成物が現れれば対立遺伝子のうちの一方または両方が存在すると診断す
ることができる。他の実施態様において、Fcγ受容体をコードするRNAを逆転写
して増幅した後、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成させ
ることによって、増幅されたFcγ受容体コードcDNAを同定する。
また、自己免疫疾患およびIgG2含有免疫複合体代謝のその他の欠陥と関連して
いる可能性のあるFcγ受容体遺伝子の新たな対立遺伝子同定および分析すること
も本発明に包含される。この実施態様では、上述したようにしてFcγ受容体をコ
ードするRNAを選択的に逆転写して増幅する。次に、DNA生成物の配列を直接的に
決定し、この配列と問題の遺伝子についての既知の対立遺伝子の配列とを比較す
る。新たな対立遺伝子が同定されれば、この新たな対立遺伝子によってコードさ
れたタンパク質に特異なモノクローナル抗体を標準的な方法によって調製するこ
とができる。このようにすることで、これらの抗体を使用して上述したように患
者個体群をスクリーニングすることができる。
本発明を実施するにあたり、特定の自己免疫疾患に羅患した多数(数百)の患者
におけるFc受容体対立遺伝子パターンの分布を、上述した方法のいずれかを使用
して求め、年齢および民族的な起源の一致する対照群の(すなわち、健常な)患者
におけるFc受容体対立遺伝子パターンの分布と比較する。次に、2×3カイ二乗検
定などの統計的な方法を使用して、疾患グループおよび健常なグループにおける
対立遺伝子頻度が同一であるか異なっているかを判断する。SELの場合、FcγRII
AのHR対立遺伝子およびLR対立遺伝子ならびにFcγRIIIBのNA1対立遺伝子およびN
A2対立遺伝子を、SLE患者および健常な個体群において試験する。同一の患者同
齢集団において、患者個体群を臨床徴候毎に層別化する。例えば、腎炎に羅患し
たSLE患者と腎炎に羅患していないSLE患者とを対立遺伝子頻度について比較する
。最後に、多発性SLEファミリ(すなわち、SLEに羅患した構成員が2以上含まれ
るファミリ)を研究し、臨床マーカー(すなわち、SLEの存在)が特定のFcγ受
容体対立遺伝子と共に分離されるか否かを判断する。
このようにして、与えられた病理症候群と予め知られているかあるいは新規な
Fcγ受容体対立遺伝子との間の統計的に有意な相関を得ることができる。特定の
Fcγ受容体遺伝子型と特定の疾患との間の相関は、疾患感受性および臨床的な結
果についての重要な予後判定手段となることが考えられる。例えば、アフリカ系
アメリカ人におけるFcγRIIA-HRホモ接合性とSLEの発生率との間には統計的に有
意な相関がある(下記の表4を参照のこと)。同様に、白人SLE患者におけるFcγR
IIA-HRと腎疾患との間には統計的に有意な相関がある。これと同じように、その
他のFcγ受容体遺伝子をSLEまたはその他の自己免疫疾患に対する予測診断イン
ジケータとして使用することができる。
本発明の一実施態様では、FcγRIIAをコードする遺伝子のLR対立遺伝子および
HR対立遺伝子が存在するか否かについて、SLEに羅患した患者のDNAを試験する。
一つの方法において、例えば好中球および単球などの白血球細胞に対して、例え
ばヒトFcγRIIAのHR対立遺伝子を認識するモノクローナル抗体(Mab)41H.16およ
びHR対立遺伝子とLR対立遺伝子の両方を認識するモノクローナル抗体Mab IV.3を
使用して定量フローサイトメトリーを施す(後述の実施例1を参照のこと)。Mab
41H.16およびMab IV.3の蛍光強度比を測定し、周知のFcγRIIA表現型(Salmon et
al.,1992,J.Clin.Invest.,89:1274)を有する患者の正規化されたグループ
から得られる値と比較する。
本発明を実施するにあたって、HR-またはLR-特異的なモノクローナル抗体また
はポリクローナル抗体の如何なるものでも、またFcγRIIAのHR対立遺伝子型とLR
対立遺伝子型の両方を認識する抗体の如何なるものでも使用することができる。
後述の実施例1において説明するように、まずは既知のFcγRIIA表現型を有する
患者のグループにおいて特定の抗体の血液細胞に対する特異結合を試験し、各抗
体についての結合値の範囲および/または異なる抗体の結合値の比を求めること
ができるようにする。これは、HRホモ接合性、LRホモ接合性またはHR/LRヘテロ
接合性に対応するものである。当業者であれば、結合値および結合値の比は、結
合を検出するために使用する方法によって異なるため、正規化する必要があるこ
とは理解できよう。
他の方法において、SLEを患っている患者からDNAを得て、FcγRIIAのHRおよび
LR対立遺伝子に対応するDNA配列が存在するか否かを判断する。好ましくは、プ
ライマーを使用して、FcγRIIAタンパク質配列のアミノ酸残基121〜170に対応し
ている配列を特異的に増幅する。次に、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドと
のハイブリッド形成、直接DNA配列決定またはSSCPを増幅生成物に対して施す(後
述の実施例2および3を参照のこと)。
本発明の好ましい実施態様において、FcγRIIIBをコードする遺伝子のNA1対立
遺伝子およびNA2対立遺伝子が存在するか否かについて、ヴェーゲナー肉芽腫症
に羅患した患者のDNAを試験する。最も好ましくは、オリゴヌクレオチドプライ
マーを使用して、RIIBゲノム配列のエキソン3に多形性部位を含有している配列
を特異的に増幅する。次に、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドとのハイブリ
ッド形成、直接DNA配列決定またはSSCPを増幅生成物に対して施す(後述の実施例
6を参照のこと)。
以下の操作実施例は、本発明の非限定的な例として提供することを意図したも
のである。実施例1: フローサイトメトリーによるFcγRIIA表現型の判定
非連続的な二段Ficoll-Hypaqueグラジエント(Salmon et al.,1990,J.Clin
.Invest.,85:1287)を用いた遠心分離によって抗凝血化した新鮮なヒト末梢血
液を分離した。下側のインタフェースから多形核白血球(PMN)を単離し、HBSS(Gi
bco Laboratories,Grand Island,NY)で洗浄した。汚染赤血球を低張塩水(0.02
% NaCl)で20秒間溶解した後0.16% NaClで溶解し、最後にHBSSで洗浄した。上側
インタフェースから単核細胞を単離し、HBSSで洗浄した。
フローサイトメトリー: 5×105細胞/mlの濃度で、0.1%(v/v)ウシ胎仔血清を
含有しているリン酸緩衝塩水(PBS)中に新鮮な血液細胞を懸濁させ、ヒトFcγRII
AのHR対立遺伝子を認識するマウスモノクローナル抗体(Mab)41H.16およびHR対立
遺伝子とLR対立遺伝子とを認識するMab IV.3(Gosselin et al.,1990,J.Immun
ol.,144:1817)の飽和量とともに保温した。最初の抗体と一緒の保温は4℃で30
分間とした。1%(v/v)ウシ胎仔血清を含有している冷たいPBSで2回洗浄した後、
飽和量のフィコエリトリン(PE)抱合ヤギ抗マウスIgG F(ab')2(Tago,Inc.,Burl
ingame,CA)と共に4℃で30分間細胞を保温した後、1%ウシ胎仔血清を含有してい
る冷たいPBSで2回洗浄した。染色後、Cytofluorograph IIS(Becton Dickinson
Immunocytometry Systems,Mountain View,CA)を使用して細胞関連免疫蛍光を
定量化した。各実験について、FITC抱合仔ウシ胸腺核(Fluorotrol-GF,Becton,
Dickinson and Co.,Mountain View,CA)および定量PEマイクロビード標準(Flow
Cytometry Standards Corp.,Research Triangle Park,NC)によって機器を較
正し、免疫蛍光の絶対レベルと相対レベルの両方を評価できるようにした。
有系分裂誘発アッセイ: 上述したようにして単離された血液細胞を、10%(v/v
)ウシ胎仔血清、グルタミン、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補足したR
PMI 1640培地に1×106細胞/mlの濃度で懸濁させ、各穴に1×105個の細胞が入る
ように96穴のマイクロタイタープレートに分割した。三組の穴に以下のものを加
えた。抗体OKT3(IgG2a抗CD3、最終濃度5μg/ml)、抗体LEU4(IgG1抗CD3、最終濃
度5μg/ml)、非特異的対照抗体または培地のみである。プレートを37℃で4日間
保温した。保温終了8時間前に、各穴に3Hチミジン(Amersham,Arlington Height
s,IL)2μCiを加え、保温を継続した。最後に、各穴の細胞を収集し、洗浄し、
液体シンチレーションカウンティングを行った。
結果: 単球およびPMNの両方における蛍光強度比を使用して、41H.16/IV.3比
が0.88〜1.1(n=8)の患者をホモ接合性HR表現型と割り当て、この比が0.42〜0.59
(n=11)の患者をヘテロ接合性(すなわちHR/LR)表現型と割り当て、同じくこの比
が0.13(n=13)未満の患者をホモ接合性LR表現型と割り当てた。これらの割り当て
を、マウスIgG1イソ型およびIgG2aイソ型の両方の抗CD3モノクローナル抗体を用
いた増幅アッセイによって実証した。いずれの場合でも、有糸分裂誘発アッセイ
の結果はヒトFc-YRIIAのサイトメトリー割り当てと一致した。実施例2: DNA増幅および配列決定によるFcγRIIA表現型の判定
DNA単離: 実施例1において述べたようにして末梢血液から白血球細胞を単離
した。自動核酸抽出装置(Applied Biosystems,Foster City,CA)を使用して、
これらの細胞からゲノムPNAを単離した。
FcγRIIA多型性を持つDNA領域のPCR増幅: FcγRIIAとホモ接合性の高いFcγR
IIBおよびFcγRIIC遺伝子とを区別するオリゴヌクレオチドプライマーを選択し
た。配列:5’-CAAGCCTCTGGTCAAGGTC-3'を有する第2細胞外ドメインから得られる
センスプライマーを、FcγRIIA、RIIBおよびRIICの配列が異なっている下流イン
トロンに対して相補的であって配列:5'-GAAGAGCTGCCCATGCTG-3'を有するアンチ
センスプライマーと組み合わせて使用した。このため、PCR生成物(278塩基対)は
遠位の第2細胞外FcγRIIAドメイン、スプライス接合部および近位の下流イント
ロンのコドン121〜170の配列を持っている。
一般に、PCR反応緩衝液(50mM KCl、10mM Tris-HCl pH8.3; 0.001%(W/v)ゼラチ
ン; 1.5mM MgCl2)中にて各プライマー200pmol、各デオキシヌクレオチド三リン
酸40nmolおよびTaq DNAポリメラーゼ1.7単位を含有している反応物100μlにゲノ
ムDNA 300ngを取り入れる。DNAT hermal Cycler(Perkin-Elmer Cetus,Norwalk
,CT)において、各サイクルごとに以下のプロトコルを使用して30サイクルの増
幅
を実施する。すなわち、94℃で1分間、55℃で2分間、72℃で3分間である。次に
、このようにして得られる増幅生成物を1.5%アガロースゲル中での電気泳動によ
って分析した後、標準的な手順に従って臭化エチジウムで染色する。
DNA配列決定: GeneClean II(Bio 101,La Jolla,CA)を使用して上述したPCR
生成物をアガロースゲルから単離し、染料標識ジデオキシヌクレオチド鎖終結因
子(Applied Biosystems,Foster City,CA)を使用して自動DNA配列決定を行う。
センスプライマーまたはアンチセンスプライマーを使用して、両方の鎖からルー
チン的にDNA配列を求め、レーザーベースの蛍光放出DNA配列決定装置(373A,App
lied Biosystems)において反応を分析する。実施例3: SSCPによるFcγRIIA表現型の判定
上述したようにして白血球細胞からゲノムDNAを単離する。SSCP分析を行うた
めに、このDNA 100ngを以下の部分を変更して上述したように増幅する。上述し
た緩衝液中に各プライマー5pmolおよび各デオキシヌクレオチド三リン酸25nmol
を含有している反応混合物100μl中にてDNA 100ngを増幅する。38サイクルの増
幅を実施する。各サイクルは、96℃で15秒、50℃で30秒および72℃で1分間であ
る。
PCR生成物(一般に5.4〜6.3μl存在する)0.65μをゲル添加緩衝液(95%(v/v)フ
ォルムアミド、0.05%(w/v)キシレンシアノール、20mM EDTA)10μlと混合し、10
分間かけて100℃まで加熱し、速やかに湿った氷上に置く。以後の工程はいずれ
も4℃の寒い部屋の中で行われる。
TBE(92mM Tris、95mMホウ酸塩、2.5mM EDTA)(18×24cm、Hoefer SE 600,San
Francisco,CA)にて、アクリルアミド:ビスアクリルアミドの比を37.5:1として
未変性の8%(w/v)ポリアクリルアミドゲル上に試料を仕込む。Hoefer SE 6160熱
交換器によって、電気泳動チャンバを囲んで冷水を連続的に流しながらゲル装置
をさらに冷却する。不連続緩衝液(925mM Tris、192mMグリシン)中にて200Vで6時
間かけて電気泳動を実施する。電気泳動に続いて、ゲルの銀染色(BioRad)によっ
てDNAを検出した。
FcγRIIA表現型を判定するために、ポリアクリルアミドゲル中における個々の
対立遺伝子の相対的な移動度の違いによって、これらの対立遺伝子を区別する。実施例4: FcγRIIAはアフリカ系アメリカ人におけるSLEの遺伝性危険因子であ る
健常人およびSLE患者からゲノムDNAを得、実施例2において述べたようにFcγR
OIIA特異的DNA増幅を実施した。次に、1%アガロースゲル上にて増幅DNAを分離し
、Hybond-N膜(Amersham)に移した。この膜と、3HR対立遺伝子およびLR対立遺伝
子に対して特異なオリゴヌクレオチドすなわち5'-ATTCTCCCGTTTGGATC-3'(HRにつ
いて)および5'-ATTCCTCCCATTTGGATC-3'(LRについて)とをハイブリッド形成させ
た。これらのオリゴヌクレオチドについては、事前にジゴキシゲニン11-ddUTP(B
oehringer Mannheim Biochemicals)を用いて3'末端標識しておいたものである。
5×SSC、0.1% N-lauroylsarcosine、0.02% SDS、1% Blocking Reagent(Boehring
er Mannheim)において、41℃(HR)または47℃(LR)で2時間かけてブロットをプレ
ハイブリッド形成させた後、同一の温度で1時間、濃度2pmol/mlまでのプレハイ
ブリッド形成溶液中にてプローブ希釈液とハイブリッド形成させた。ブロットを
室温にて2回洗浄し、42℃で2回洗浄した。アルカリホスファターゼ抱合抗ジゴキ
シゲニン抗体を使用してハイブリッド形成されたオリゴヌクレオチドを検出し、
ニトロブルーテトラゾリウム塩(NBT)および5-ブロモ-4-クロロ-3-インドイルホ
スフェート(Boehringer Mannheim)からなる比色基質系を使用してこれを可視化
した。
表2において示されるように、白人SLE患者におけるFcγRIIA対立遺伝子の分布
は対照例と区別できなかった。しかしながら、アフリカ系アメリカ人のSLE患者
では特にHRホモ接合性が有意に高まっている(x2=9.7,p<0.009(2×3表);非LRホ
モ接合性におけるSLEについてのオッズ比=2.26(95% CL; 1.27および4.01))こと
が明らかになった。このようにホモ接合性が高まることから、HR対立遺伝子の存
在は、アフリカ系アメリカ人におけるSLE疾患に関与する新規な危険因子である
と考えられる。実施例5: FcγRIIA-HRは腎疾患のある患者において増加する
実施例2において述べたようにしてゲノムDNAを単離して増幅し、実施例4のよ
うにHR-およびLR-特異的オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成させた。下記の
表3において示されるように、腎炎に羅患したアフリカ系アメリカ人のSLE患者は
、対応対照例と比べて有意に高い割合でHR/HRホモ接合性を呈する。
実施例6: FcγRIIIB対立遺伝子はヴェーゲナー肉芽腫症において有意にゆがむ
健常な個体およびヴェーゲナー肉芽腫症に羅患した個体からゲノムDNAを得た
。主に上述した実施例2のようにして、以下のオリゴヌクレオチドすなわち5'-GT
GTTCCTGGAGCCTCAATG-3'(「センス」プライマー)および5'-ATGGACTTCTAGCTGCAC
C-3'(「アンチセンス」プライマー)をプライマーとしてFcγRIIIB DNAの増幅
を実施した。あるいは、5'-GTGTTCCTGGAGCCTCAATG-3'を「センス」プライマーと
して使用し、5'-GGACCACACATCATCTCATC-3'を「アンチセンス」プライマープライ
マーとして使用して増幅を実施してもよい。
次に、増幅後のDNAを5つのアリコートに分け、それぞれ「ドットブロット」構
成でHybond-N膜(Amersham)に結合させる。次に、これらの膜を、使用前にジゴキ
シゲニン11-ddUTP(Boehringer Mannheim Biochemicals)を用いて3'末端標識して
おいたNA1対立遺伝子およびNA2対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドとハイ
ブリッド形成させた。ハイブリッド形成は、実施例4において上述したようにし
て実施した。プローブは以下の通りとした。
プローブNo.1: 5'-ATGGTACAGCGTGCTTGAGA-3'
プローブNo.2: 5'-CACAATGAGAACCTCATCTC-3'
プローブNo.3: 5'-CTGCCACAGTCAACGACAGT-3'
プローブNo.4: 5'-AGAAGTCCATGTCGGTGAGT-3'
プローブNo.5: 5'-AGTGTGACTCTGAAGTGCCA-3'
プローブNo.1およびNo.3はNA2対立遺伝子に対して特異であり、プローブNo
.2およびNo.4はNA1対立遺伝子に対して特異である。(プローブNo.5は、FcγR
IIIB遺伝子型とは無関係にヒトDNAと反応する。)このように、プローブNo.1お
よびNo.3のみを用いた時に陽性のシグナルが得られれば、その個体はNA1ホモ接
合体であると考えられた。同様に、プローブNo.2およびNo.4のみを用いた時に
陽性のシグナルが得られれば、その個体はNA2ホモ接合体であると考えられる。
プローブNo.1〜4とハイブリッド形成されれば、その個体はNA1およびNA2に対し
てヘテロ接合性であった。
表4において示されるように、FcγRIIIB対立遺伝子の分布はヴェーゲナー肉芽
腫症の群においてゆがめられている。NA1対立遺伝子の増加(総機能が高い状態)
およびNA2対立遺伝子のアンダー表現は、健常な群に対してWG群では明らかに認
められる(2×3カイ二乗: p<0.003; 対立遺伝子頻度についての2×2カイ二乗: p<
0.006)。
これらの結果から、FcγRIIIBは、ヴェーゲナー肉芽腫症における組織損傷で
多形核白血球(PMN)を引き起こすのに重要な役割を果たしている可能性があると
思われる。理論に結びつけられることを望まなければ、ヴェーゲナー肉芽腫症の
患者をFcγRIIIB表現型についてスクリーニングし、ANCA力価のモニタリングと
組み合わせて、疾患症状の初発性フレアアップの感受性予後判定手段を提供する
ことが計画できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),CA,JP
(72)発明者 サーモン ジェーン イー.
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10128
ニューヨーク、イースト エンド アベ
ニュー 180
(72)発明者 エドバーグ ジェフリー ジー.
アメリカ合衆国 ニュージャージー州
07631 エングルウッド、イーグルス、ノ
ッチ ドライブ 61
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.患者における重症の自己免疫疾患に対する素因を判断するための診断方法に おいて、 (i) 前記患者のFcγ受容体対立遺伝子パターンを同定するステップと、 (ii) 前記対立遺伝子のパターンと、自己免疫疾患のないヒト、軽い自己免疫 疾患に羅患したヒトおよび重症の自己免疫疾患に羅患したヒトにおける対応の対 立遺伝子のパターンとを比較するステップと、 (iii) 前記対応のパターンのうちのどれが前記患者の対立遺伝子パターンと 最も類似しているかを判断するステップと、を含む方法。 2.前記自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデス、全身性脈管炎、シェーグレ ン症候群、混合結合組織疾患、慢性関節リウマチおよび糸球体腎炎からなる群か ら選択されるメンバーである請求の範囲第1項に記載の方法。 3.前記重症の自己免疫疾患は、腎炎、脈管炎および肺疾患からなる群から選択 される症状によって特徴付けられる請求の範囲第1項に記載の方法。 4.前記患者のFcγRIIAの対立遺伝子を同定するステップを含む請求の範囲第1 項に記載の方法。 5.前記FcγRIIA対立遺伝子は、HR対立遺伝子およびLR対立遺伝子を含む請求の 範囲第4項に記載の方法。 6.前記同定するステップは、 (a) 前記ヒトから白血球細胞を得るステップと、 (b) 前記細胞と、Fcγ受容体タンパク質の別の対立遺伝子型に対して特異な 抗体とを接触させるステップと、 (c) 前記抗体のうちのどれが前記細胞と特異的に結合しているかを判断する ステップと、 を含む請求の範囲第1項に記載の方法。 7.前記判断するステップは、定量フローサイトメトリーを含む請求の範囲第6 項に記載の方法。 8.前記判断するステップは、酵素結合イムノアッセイを含む請求の範囲第6項 に記載の方法。 9.前記同定するステップは、 (a) 前記ヒトからDNAを得るステップと、 (b) 前記DNA内に含まれるFcγ受容体をコードする遺伝子の多型性領域の配列 を決定するステップと、 を含む請求の範囲第1項に記載の方法。 10.前記配列決定を行うステップを、前記FcγRIIA遺伝子を増幅するステップに 先立って行なうことを含む請求の範囲第9項に記載の方法。 11.前記同定するステップは、前記DNAと特異的にハイブリッド形成されるオリ ゴヌクレオチドを同定する下記のステップを含む請求の範囲第1項に記載の方法 。 (a) 前記ヒトからDNAを得るステップと、 (b) 前記Fcγ受容体遺伝子またはそのフラグメントを含有する前記DNAの領域 を増幅するステップと、 (c) 1個または複数の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドと前記増幅された DNAとをハイブリッド形成させるステップと、 (d) 前記DNAと特異的にハイブリッド形成されるオリゴヌクレオチドを同定す るステップ。 12.前記同定するステップは、 (a) 前記ヒトから白血球細胞を得るステップと、 (b) 前記細胞からRNAを単離するステップと、 (c) 前記RNAに、Fcγ受容体対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマー によって特異化される共役逆転写および増幅を施し、Fcγ受容体コードDNAを生 成するステップと、 (d) 前記DNAの配列を決定するステップと、 を含む請求の範囲第1項に記載の方法。 13.全身性エリテマトーデス(SLE)に羅患した患者における重症のSLEに対する素 因を判断するための診断方法において、 (i) 前記患者からDNA試料を得るステップと、 (ii) 前記DNA試料のFcγIIA遺伝子を含有している領域を増幅するステップと 、 (iii) 前記増幅したDNAの平行試料と、前記FcγRIIA遺伝子のHRおよびLR対立 遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドとを個々にハイブリッド形成させる ステップと、 (iv) 前記DNA試料から前記FcγRIIA HR遺伝子に対してホモ接合性のものを同 定するステップと、 を含む方法。 14.被包性バクテリアによる感染症に対するヒトの素因を判断するための診断方 法において、前記ヒトのDNAに存在するFcγRIIAをコードする遺伝子の対立遺伝 子を同定するステップを含む方法。 15.前記バクテリアは、Haemophilus Influcnzae、Neisseria meningitidisおよ びStreptococcus pneumoniaeからなる群から選択される請求の範囲第14項に記載 の方法。 16.前記全身性脈管炎は、ヴェーゲナー肉芽腫症を含む請求の範囲第2項に記載 の方法。 17.前記FcγRIIB対立遺伝子は、NA1対立遺伝子およびNA2対立遺伝子を含む請求 の範囲第4項に記載の方法。 18.ヴェーゲナー肉芽腫症に羅患した患者における重症のヴェーゲナー肉芽腫症 に対する素因を判断するための診断方法において、 (i) 前記患者からDNA試料を得るステップと、 (ii) 前記DNA試料のFcγIIB遺伝子を含有している領域を増幅するステップと 、 (iii) 前記増幅したDNAの平行試料と、前記FcγRIIB遺伝子のNA1対立遺伝子 およびNA2対立遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドとを個々にハイブリ ッド形成させるステップと、 (iv) 前記DNA試料から前記FcγRIIB NA1遺伝子に対してホモ接合性のものを 同定するステップと、 を含む方法。 19.前記患者における抗好中球細胞質抗体の力価をモニタリングするステップを 含む請求の範囲第12項に記載の方法。 20.前記患者のFcγRIIAの対立遺伝子を同定するステップを含む請求の範囲第12 項に記載の方法。
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