【発明の詳細な説明】
鳥類骨髄単球性成長因子を用いる鳥類の処置方法
関連出願
本出願は、Paul Johnsonらによって1994年8月19日に出願された「鳥類
骨髄単球性成長因子を用いる鳥類の処置方法」についての米国出願第08/292,854
号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、ニワトリ骨髄単球性成長因子(chicken myelomonocytic growth fa
ctor,cMGF)のような鳥類骨髄単球性成長因子を卵内(in ovo)投与するこ
とによる鳥類の処置に関する。
発明の背景
ニワトリ骨髄単球性成長因子(cMGF)は、骨髄細胞を刺激して増殖させ、
単球/マクロファージ系列の細胞を産生する鳥類の造血性サイトカインである。
cMGFは、レクチン刺激脾臓培養物で初めて同定され、Leutz et al.,ENBO J.
3,3191-3197(1984)によるLPS刺激ニワトリマクロファージ細胞系(HD11
)によって生成されたコンディションドメディウム(conditioned medium)から精
製された。cMGFは、in vitroで、ウイルスにより形質転換されたニワトリの
骨髄性細胞系の成長、並びに正常骨髄培養物中でのマクロファージ及び顆粒球コ
ロニーの形成を刺激する糖タンパク質である(Leutz et al.前出)。cMGF
はLeutz et al.(ENBO J 8)によってクローニングされているが、天然のもの
であろうと組換え体であろうと、十分に純粋なcMGFがそれらの可能性のある
用途の特徴付けに利用できるようにはなっていない。
Fredericksenの米国特許第5,028,421号は、卵にT細胞成長因子を導入して1
8日間孵卵することによる、孵化後の処置鳥類の体重を増加させる方法を開示し
ている。1992年9月17日に出願された米国特許出願07/947,035号は、卵に
イ
ンシュリン様成長因子を導入することによる、処置された鳥類の成長を増強する
方法を開示している。鳥類の処置に骨髄単球性成長因子を使用することは開示も
示唆もされていない。
発明の要約
鳥類の処置方法が本明細書に開示される。この方法は、生物学的に活性な量の
鳥類骨髄単球性成長因子(MGF)を鳥に卵内投与することにより行われる。
本発明の第2の態様は、精製組換え鳥類骨髄単球性成長因子の製造方法である
。この方法は、MGFをコードする組換えDNA構成物を含み、かつそれを発現
する宿主細胞(例えば、大腸菌(Escherichia coli)、ピキア・パストリス(Pich
ia pastorisなど)を培養培地で培養し、該宿主細胞からの組換えMGFを含む
培養培地を集め、かつ該培養培地からMGFを単離することを含む。
本発明の第3の態様は、鳥類の成長を高める方法である。この方法は、孵化後
の鳥の成長を高めるのに有効な量の鳥類MGFを鳥に卵内投与することにより実
施される。
本発明の第4の態様は、鳥類における骨髄増殖を高める方法である。この方法
は、鳥類において骨髄増殖を高めるのに有効な量の鳥類MGFを鳥に卵内投与す
ることにより行われる。
本発明の第5の態様は、鳥における、大腸菌感染又はサルモネラ感染のような
細菌感染の進行を阻害する方法である。この方法は、細菌感染の進行を阻害する
のに有効な量の鳥類骨髄単球性成長因子(MGF)を該鳥に卵内投与することを
含む。
本発明の第6の態様は、ウイルス、真菌、又は原虫感染の進行を阻害するのに
有効な量の鳥類骨髄単球性成長因子(MGF)を鳥に卵内投与することによる、
鳥におけるウイルス、真菌、又は原虫感染の進行を阻害する方法である。
本発明の前述の、及び他の目的及び態様を、本明細書において以下に詳細に説
明する。
図面の詳細な説明
図1は、12%SDS−PAGEによって分離され、分析された、IPTGに
誘導される又は誘導されない形質転換BL21(DE3)大腸菌ライセートのク
ーマシーブルー染色タンパク質の図である。
図2は、非還元SDS−PAGEゲルから溶離されたcMGFによって誘導さ
れた骨髄増殖のグラフである。
図3は、pPIC9−cMGF及びpHIL−SI−cMGFで形質転換され
たピキア・パストリスの成長培地によって誘導された骨髄増殖対GS115/H
is+Mut-アルブミン分泌染色のグラフである。
図4は、±20μg/mlのcMGFで培養された骨髄細胞による、ウサギ抗
SRBC IgGでオプソニン化されたヒツジ赤血球のFc受容体を介した食作
用のグラフである。
図5は、±20μg/mlのcMGFで培養された骨髄細胞による、ISで誘
導された亜硝酸生成のグラフである。
図6は、±20μg/mlのcMGFで培養された骨髄細胞による、ホルボー
ルエステルで誘導されたスーパーオキシド生成のグラフである。
図7は、示されている用量のcMGFで48時間培養された骨髄細胞による、
ウサギ抗SRBC IgGでオプソニン化されたヒツジ赤血球のFc受容体食作
用のグラフである。
図8は、示されている用量のcMGFで48時間培養された骨髄細胞による、
IS(PA−14A、2.5μg/ml)で誘導された亜硝酸生成のグラフであ
る。
図9は、2.5μg/卵の酵母に発現されるアルブミン又は2.5μg/卵、
0.25μg/卵及び0.025μg/卵のピキア・パストリスに発現されたc
MGFを第18日に注入された卵の孵化後4日に採血された雛のプールされた血
から単離された付着精製抹消血単核白血球による、PMA誘導性スーパーオキシ
ド生成のグラフである。
図10は、0.1UのIS、0.25μgの酵母に発現されるアルブミン、及
び0.25μg又は0.05μgのcMGFのいずれかが注入された卵から孵化
した日齢雛から取り出された12本の大腿骨から得られた全プール骨髄細胞総数
のグラフである。
図11は、0.1UのIS、0.25μgの酵母に発現されるアルブミン、及
び0.25μg又は0.05μgのcMGFのいずれかが注入された卵から孵化
した日齢雛から取り出された12本の大腿骨から得られた付着精製骨髄細胞によ
る、ホルボールエステルに誘導されたスーパーオキシド生成のグラフである。
発明の詳細な説明
本明細書において用いられる「卵内(in ovo)」という用語は、孵化前の卵に入
っている鳥類を指す。したがって、本発明は、卵の処置方法及び鳥類の処置方法
の両者として考えることができる。本発明は、ニワトリ、七面鳥、アヒル、ガチ
ョウ、ウズラ、及びキジの卵を含むあらゆる鳥の卵で実施することができる。ニ
ワトリの卵が好ましい。本発明の方法によって処置される卵は受精卵である。卵
は孵卵期間のいかなる時点で処置することも可能であるが、孵卵の第4四半期に
処置することが好ましく、孵卵第18日目(すなわち、胚発生の第18日目)付
近で処置することが最も好ましい。
「鳥類MGF」という用語は、あらゆる鳥類種によって生成されるMGFに対
応するMGFに用いられる。「鳥類」という用語は、ニワトリ、七面鳥、アヒル
、ガチョウ、ウズラ、及びキジを含むが、これらに限定されるものではない全て
の鳥類種を包含することが意図されている。様々な種の鳥類MGFが公知である
。また、この用語は、それらの活性断片及び類似体を含むことも意図されている
。
MGFはあらゆる適切な薬学的に許容し得る担体中に供与することができるが
、リン酸緩衝生理食塩液のような水性担体中に供与することが好ましい。
MGFの卵内投与は、様々な有用な結果を提供する。例えば、MGFの卵内投
与は、孵化した雛の成長を高めることに用いることができる。加えて、MGFの
卵内投与は骨髄細胞の増殖を高めることに用いることが可能であり、これは初期
段階で免疫系をより十分に発達させる(すなわち、その鳥の免疫能の発現を促進
する)。上述のように、MGFの卵内投与は、大腸菌感染(すなわち、鳥類大腸
敗血症)またはサルモネラ感染のような鳥における細菌感染の進行を阻害する方
法を提供する。同じく上述されるように、MGFの卵内投与は、鳥におけるウイ
ルス感染(例えば、感染性嚢性疾患ウイルス感染、ニューキャッスル病ウイルス
、マレック病ウイルス等)の進行を阻害する方法、真菌感染の進行を阻害を方法
、及び原虫感染(例えば、鳥類コクシジウム症におけるアイメリア・テネラ(Ei
meria tenella)のようなアイメリア種)を阻害する方法を提供する。MGFは
、前述の感染に対して鳥を保護するのに有効なワクチン(例えば、生ワクチン又
は複製しない免疫原)と共に投与することができる。
MGFは、殻を通して化合物を運ぶいかなる手段によっても卵に投与すること
ができる。しかしながら、好ましい投与方法は注入によるものである。MGFは
卵のいかなる部位にも注入することができる。好ましくは、注入部位は、羊水及
び胚それ自体を含む卵黄嚢内の羊膜によって決定される領域、又は気室のいずれ
かの内部である。孵卵の第4四半期の初めには、羊膜が十分広がっていて、その
卵の大きい端部の中心からその長軸に沿って注入を行うほとんど全ての時に、羊
膜を確実に通過することができる。
本明細書に記述される方法を実施するのに用いられるMGFの投与量は重要で
はなく、慣例的な方法で決定することができる。一般に、投与量は処置している
鳥の種、投与時期及び部位、並びに所望の効果に応じて変化する。投与量の上限
は慣例的に決定することができるが、一般には、被験体当たり(すなわち、卵内
注入当たり、つまり卵当たり)10μg以上もしくは100μg以上である。投
与量の下限も同様に慣例的に決定することができるが、被験体当たり1000n
g以下もしくは1ng以下でよい。
注入の機構も重要ではない。使用される方法は、その処置が孵化率を下げるこ
とがないように、胚又はそれを包む胚体外膜の組織及び器官を過度に傷つけない
ことが好ましい。約18〜22ゲージの針を付けた皮下注射器が適切である。気
室に注入するには、卵に針を約2mmだけ挿入することが必要である。卵の大き
な端部の中心から十分に挿入した場合、1インチ針は殻、気室を包む外卵殻膜及
び内卵殻膜、並びに羊膜を突き抜ける。発育の正確な段階及び胚の位置に応じて
、この長さの針は雛の上部の液体中又は雛自体の内部のいずれかで止まる。針に
よる損傷又は針先の切れ味が悪くなるのを防ぐために、針を挿入する前に殻を通
して先導孔を押し抜くか穿孔することができる。所望であれば、ワックスのよう
な十分に細菌を通さないシーリング材で卵を密封して不所望の細菌が続いて侵入
することを防ぐことができる。
鳥類の胚用の高速自動化注入システムが本発明の実施に特に適していることが
想像される。例としてはHebrankの米国特許4,903,635号及び4,681,063号、Lewis
の米国特許5,056,464号、並びにMillerの米国特許4,040,388号、4,469,047号及
び4,593,646号に開示されるものである、多くのそのような装置が利用可能であ
り、これらの引例は、参照することによりその全体を本明細書にそのまま組込む
ものとする。このような装置の全ては、本発明を実施する際には、本明細書に記
述される鳥類MGFを収容し、その装置によって運ばれる卵に鳥類MGFを注入
する位置におかれたインジェクターを含む。この装置の他の特徴は上記に論じら
れている。加えて、所望であれば、注入後の卵の穴を密封するためにその注入装
置と作動可能に連動する密封装置を備えていてもよい。
本発明の実施に好ましい装置は、Hebrankの米国特許4,903,635及びLewisの米
国特許5,056,464号に開示されており、これらの引例は、参照することによりそ
の全体をそのまま本明細書に組み込むものとする。これらの装置は、液状物質を
複数の卵に分配するための注入装置及びその注入装置に対して卵を並べるための
装置を有する。これらの装置の特徴は、本発明を実施するための上述の装置の特
徴と合わせることができる。本発明の実施においては、注入された卵を孵卵して
孵化させ、その鳥を少なくとも2週齢まで成長させる。
ニワトリ骨髄単球性成長因子(cMGF)及びそれをコードするDNAが公知
である(Leutz et al.,ENBO J 3,3191-3197(1984)、Leutz et al.,ENBO J 8,1
75-181(1989))。したがって、本発明の実施に用いられるMGFタンパク質は、
当該技術分野において周知の技術で、又は当業者には容易に理解されるそれらの
変法によって作製することができる。遺伝子工学的手法による組換えDNA、ベ
クター、宿主細胞、及びタンパク質の生成は公知である。例えば、Bellらの米国
特許4,761,371号の第6欄第3行から第9欄第65行、Clark et al.の米国特許
4,877,729号の第4欄第38行から第7欄第6行、Schillingの米国特許4,912,03
8号の第3欄第26行から第14欄第12行、及びWallnerの米国特許4,879,224
号の第6欄第8行から第8欄第59行を参照のこと。
MGFタンパク質をコードするDNA配列は、当該技術分野において周知のよ
うに、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法及び重複伸長によるスプライシング(
SOE)を用いることにより回収することができる。Mullis et al.の米国特許
4,683,195号及びMullisの米国特許4,683,202号を参照のこと。
MGFタンパク質は、そのMGFタンパク質をコードするDNAを有するベク
ターで形質転換された宿主細胞において合成することができる。ベクターは複製
可能なDNA構成物である。ベクターは、ここでは、MGFタンパク質をコード
するDNAの増幅及び/又はMGFタンパク質をコードするDNAの発現に用い
られる。発現ベクターは複製可能なDNA構成物であって、この構成物では、M
GFタンパク質をコードするDNAが適切な宿主中でそのMGFタンパク質の発
現を起こすことが可能な適切な制御配列に作動可能であるように結合している。
このような制御配列に対する要求は、選択された宿主及び選択された形質転換法
に応じて変化する。一般に、制御配列には、転写プロモーター、転写を制御する
任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列
、並びに転写及び翻訳の終了を制御する配列が含まれる。増幅ベクターは、発現
制御ドメインを必要としない。通常、複製起点によって与えられる宿主での複製
能力、及び形質転換体の識別を容易にする選択遺伝子が、必要なものの全てであ
る。
本発明の実施に有用なベクターには、プラスミド、ウイルス(ファージを含む
)、レトロウイルス、及び組込み可能なDNA断片(すなわち、相同組換えによ
り宿主のゲノムに組込むことが可能な断片)が含まれる。ベクターは宿主のゲノ
ムとは無関係に複製して機能し、又は、時には、ゲノム自体に組込まれる。適切
なベクターは、目的とする発現宿主に適合する種に由来するレプリコン及び制御
配列を有する。形質転換された宿主細胞は、組換えDNA手法を用いて構築され
たMGFタンパク質ベクターで形質転換又はトランスフェクトされている細胞で
ある。形質転換された宿主細胞は、通常、MGFタンパク質を発現するが、MG
Fタンパク質DNAのクローニング又は増幅のために形質転換された宿主細胞は
MGFタンパク質を発現する必要はない。
DNA領域は、それらが機能的に関連する場合には、互いに作動可能であるよ
うに結合している。例えば、プロモーターは、それがコード配列の転写を制御す
る場合には、その配列に作動可能であるように結合し、リボソーム結合部位はそ
れが翻訳されるように位置する場合には、コード配列に作動可能に結合する。一
般には、作動可能であるように結合するというのは、隣接していることを意味し
、リーダー配列の場合には、隣接し、かつ読み枠内にあることを意味する。
適切な宿主細胞には、原核細胞、酵母細胞、又は高等な真核細胞が含まれる。
原核細胞には、グラム陰性微生物又はグラム陽性微生物、例えば、大腸菌(E.co
li)又はバチルスが含まれる。高等な真核細胞には、以下に記述される哺乳動物
起源の確立された細胞系が含まれる。宿主細胞の例は、大腸菌 W3110(ATCC 27,3
25)、大腸菌 B、大腸菌 X1776(ATCC 31,537)、及び大腸菌 294(ATCC 31,446)で
ある。シュードモナス種、バチルス種、及びレイ菌も適切である。
適切な微生物ベクターの様々なものが利用可能である。一般には、微生物ベク
ターは、目的とする宿主によって識別される複製起点、その宿主内で機能するプ
ロモーター、及び耐抗生物質性を提供し、又は栄養要求性を付与するタンパク質
をコードする遺伝子のような表現型選択遺伝子を有する。他の宿主に対しては、
類似の構成物が作製される。大腸菌は、典型的には、pBR322を用いて形質
転換される。Bolivar et al.,Gene 2,95(1977)を参照のこと。pBR322は
アンピシリン及びテトラサイクリン耐性の遺伝子を有し、したがって、形質転換
細胞を同定する簡便な手段を提供する。
発現ベクターは、宿主生物によって識別されるプロモーターを有する必要があ
る。これは、一般には、目的とする宿主から得られるプロモーターを意味する。
組換え微生物発現ベクターにおいて最も一般的に用いられるプロモーターは、β
ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)及びラクトースプロモーター系(Chang et al.
, Nature 275,615(1978)、及びGoeddel et al.,Nature 281,544(1979))、トリ
プトファン(trp)プロモーター系(Goeddel et al.,Nucleic Acids Res.8
,4057(1980)及びEPO出願公開36,776号)並びにtacプロモーター(H.DeBoe
r et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80,21(1983))を有する。通常はこれらが用
いられるが、他の微生物プロモーターも適切である。多くのヌクレオチド配列に
関する詳細が公開されており、これが、熟練研究者がそれらをプラスミドまたは
ウイルスベクター内でMGFタンパク質をコードするDNAに作動可能であるよ
うに結合することを可能にしている(Siebenlist et al.,Cell 20,269(1980))
。プロモーター及びシャイン・ダルガノ配列(原核宿主の発現用)は、MGFタ
ンパク質をコードするDNAに作動可能であるように結合する。すなわち、それ
らは、DNAからMGFタンパク質の伝令RNAの転写を促進するように位置す
る。
酵母培養物のような真核微生物は、適切なMGFタンパク質をコードしている
ベクターで形質転換することができる。例えば、米国特許4,745,057号を参照の
こと。多くの他の株が通常利用可能ではあるものの、下等真核宿主微生物の中で
酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)が最も一般的に用いられる。酵母ベクター
は、2ミクロン酵母プラスミド又は自律複製配列(ARS)に由来する複製起点
、プロモーター、MGFタンパク質をコードするDNA、ポリアデニル化及び転
写終了のための配列、並びに選択遺伝子を有することができる。プラスミドの例
は、YRp7(Stinchcomb et al.,Nature 289,39(1979)、Kingsman et al.,G
ene 7,141(1979)、Tschemper et al.,Gene 10,157(1980)である。このプラスミ
ドは、トリプトファン中での成長能力を欠く酵母の変異株、例えばATCC 44076、
すなわちPEP4−1(Jones,Genetics 85,12(1977))、に対する選択マーカ
ーを提供するtrp1遺伝子を有する。酵母宿主細胞ゲノム内のtrp1に損傷
があると、トリプトファンの非存在下における成長によって形質転換の検出に効
果的な環境が提供される。酵母ベクターにおける適切なプロモーター配列には、
メタロチオネイン、3−ホスホグリセレートキナーゼ(Hitzeman et al.,J.Bio
l.Chem.255,2073(1980))又は、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフ
ェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホ
スホフルクトキナーゼ、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ、3−ホス
ホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースホスフェートイソメ
ラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼのような他の解糖
酵素(Hess et al.,J.Adv.Enzyme Reg.7,149(1968)及びHolland et al.,Bioc
h
emistry 17,4900(1978))のプロモーターが含まれる。酵母の発現に置いて用い
られる適切なベクター及びプロモーターは、R.Hitzeman et al.、EPO公開73,
657号にさらに説明されている。
特に好ましい酵母宿主細胞はピキア・パストリスであり、これは適切な形質転
換ベクターと一緒に米国特許4,683,293号、4,808,537号、4,812,405号、4,818,7
00号、4,837,148号、4,855,231号、4,857,467号、4,879,231号、4,882,279号、4
,885,242号、4,895,800号、4,929,555号、5,002,876号、5,004,688号、5,032,51
6号、5,122,465号、5,135,868号、及び5,166,329号に記述されている。これらの
出願は引用することにより本明細書にそのまま組込むことを特に意図している。
多細胞生物に由来する細胞の培養物は、MGFタンパク質合成の望ましい宿主
である。原理的には、脊椎動物の培養物に由来するものであろうと、昆虫細胞を
含む非脊椎動物の培養物に由来するものであろうと、あらゆる高等真核細胞培養
物が使用可能である。しかしながら、実施例で説明されるように、哺乳動物細胞
が好ましい。このような細胞の細胞培養における増殖は慣例的な手順になってい
る。Tissue Culture,Academic Press,Kruse and Patterson,editors(1973)を
参照のこと。有用な宿主細胞系の例は、VERO及びHeLa細胞、チャイニー
ズハムスター卵巣(CHO)細胞系、並びにWI138、BHK、COS−7、
CV、及びMDCK細胞系である。このような細胞に対する発現ベクターは、通
常、(必要であれば)複製起点、発現させようとする遺伝子の上流に位置するプ
ロモーターを、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位(イントロンを含む
ゲノムDNAが用いられる場合)、ポリアデニル化部位、及び転写終了配列と共
に有する。
脊椎動物細胞の形質転換に用いられる発現ベクター内の転写配列及び転写制御
配列は、しばしばウイルス源から得られる。例えば、通常用いられるプロモータ
ーは、ポリオーマ、アデノウイルス2、及びシミアンウイルス40(SV40)
から誘導される。例えば、米国特許4,599,308号を参照のこと。初期及び後期プ
ロモーターは、この両者がSV40ウイルス性複製起点をも有する断片としてウ
イルスから容易に得ることができるため有用である。Fiers et al.,Nature 273
,113(1978)を参照のこと。実施例に記述されるように、ワクチニアウイルスを用
いることが可能である。さらに、MGFタンパク質プロモーター、制御及び/又
はシグナル配列も、このような制御配列が選択された宿主細胞に適合する限り、
用いることができる。
複製起点は、SV40または他の源(例えば、ポリオーマ、アデノウイルス、
VSV、もしくはBPV)から派生され得るような外来性の起点を含めるように
ベクターを構成することにより、あるいは宿主細胞の染色体複製機構により、備
えることができる。ベクターが宿主細胞の染色体に組込まれる場合には、後者で
十分である。
ウイルス性複製起点を有するベクターを用いるのではなく、選択可能なマーカ
ー及びMGFタンパク質DNAを用いる同時形質転換法により哺乳動物細胞を形
質転換することができる。適切な選択可能なマーカーの例は、ジヒドロホレート
レダクターゼ(DHFR)又はチミジンキナーゼである。米国特許4,399,216号
を参照のこと。このようなマーカーは、形質転換体細胞、すなわち外来性DNA
を取り込むのに適当な細胞の同定を可能にするタンパク質、一般には酵素である
。一般には、同定は、毒性であるか、あるいはマーカータンパク質を取り込むこ
となくしては細胞を得ることができない臨界栄養の培養培地中において、形質転
換体が生存するかどうかに基づく。
Smith et al.の米国特許4,745,051号及び4,879,236号に記述されるように、
昆虫細胞(例えば、培養されたスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugi
perda)細胞)のような宿主細胞及びバキュロウイルス発現ベクター(例えば、
オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)MNPV、トリコ
プル
シア・ニ(Trichoplusia ni)MNPV、ラキプルシア・オウ(Rachiplusia ou
)MNPV、もしくはガレリア・オウ(Galleria ou)MNPVから誘導される
ベクター)のような発現ベクターを本発明の実施において用いることができる。
一般には、バキュロウイルス発現ベクターは、多角体の多角体転写開始シグナル
からATG開始部位の範囲で、バキュロウイルス多角体プロモーターの転写制御
下にある位置に挿入されている発現させようとする遺伝子を含むバキュロウイル
スゲノムを有する。
次の例は本発明を説明するために提示されており、それらを限定することを意
図するものではない。これらの例において、bpは塩基対を、hrは時間を、k
Daはキロダルトンを、Mはモル濃度を、μgはマイクログラムを、mlはミリ
リットルを、SDSはドデシル硫酸ナトリウムを、IPTGはイソプロピル−β
−D−チオピラノシドを、RPMIはローズウェルパーク記念研究所(Rosewell
Park Memorial Institute)を、FBSは仔ウシ血清を、HPLCは高速液体クロ
マトグラフィーを、RP−HPLCは逆相高速液体クロマトグラフィーを、ng
はナノグラムを、YEAは酵母により発現されたアルブミンを、Uは単位を、I
Mは筋肉内を、μLはマイクロリットルを、mgはミリグラムを、cfuはコロ
ニー形成単位を、及び°Fは華氏を意味する。
例1
ニワトリ骨髄単球性成長因子のクローニング
この例では、ヌクレオチド114にLeutzによって報告されたTではなくCが
見出されたことを除いては、Leutz et al.,ENBO J 8,175-181(1989)に記述され
たcMGFをコードするDNAの単離が記述される。
グアナジニウムイソチオシアネートで溶解したコンカナバリンA(Con A
)で刺激した、6週齢のレグホンから単離された脾臓細胞から全RNAを調製し
た。このように調製された全RNAをcMGF特異的オリゴヌクレオチドプライ
マー
を用いて逆転写及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅することにより、〜5
60bpの期待されるサイズのバンド及び〜800bpを超えるバンドが得られ
た。両バンドはCon Aで48時間刺激した脾臓細胞に特異的であり、対照実
験に又は24時間だけ刺激した脾臓細胞では増幅しなかった。内部cMGFプラ
イマー4をcMGFプライマー6と共に用いる560bpバンドの第2段階のP
CR増幅により、期待されるサイズの生成物が得られた。この560bpバンド
をインビトロジェンpCRIIベクターにサブクローニングした。560bpの
PCR生成物を含む3つのクローンのDNA配列解析により、真のcMGFのc
DNAがクローニングされていることが確認された。この配列は公開された配列
とは1塩基対異なっている(上述のT→Cの変化)。これはアミノ酸レベルの変
化を生じることはなく、おそらくはニワトリの系列の間の自然発生的な遺伝的多
型であることを示している。
例2
大腸菌におけるニワトリMGFの発現
成熟cMGFタンパク質のcDNAをコードする560塩基対PCR生成物を
、大腸菌(E.coli)発現ベクターpET3A、B&Cにサブクローニングした。
BL21(DE3)大腸菌宿主株の成長培養物にイソプロピル−β−D−チオピ
ラノシド(IPTG)を添加してT7ポリメラーゼを誘導した。このT7ポリメ
ラーゼは、次に、プラスミド中の標的DNAを転写する。Ndel及びBamH
I部位を用いてpET3A、B&CにクローニングされたcMGF組換え体は、
いかなるIPTG誘導性cMGF発現も表さなかった。BamHI部位を用いる
ことにより、遺伝子10のタンパク質の最初の11アミノ酸と融合した形でcM
GFタンパク質の翻訳が可能となる。これによってより効率的な翻訳が可能であ
り、発現されたタンパク質に安定性をもたらす。cMGFクローンをcMGFプ
ライマー1+6で再増幅してBamHI部位を加工し、それをpCRIIにサブ
クロ
ーニングした。cMGFのcDNAをpET3AベクターのBamHI部位にサ
ブクローニングした。次に、正しい向きにある組換え体を、Aval消化により
同定した。このpET3A−cMGF−BamHIプラスミドで形質転換された
BL21(DE3)細胞においてIPTG誘導性の〜21kDaのバンドが観察
された。これら3種類のクローンの対数増殖期にある培養物をIPTGの添加に
より誘導し、pET3AベクターのBamHI部位にクローニングされているポ
ジティブコントロールであるタンパク質gCap41の発現に適していることが
従来見出されている条件下で3時間増殖させた。これらの大腸菌をペレット化し
、SDSサンプルバッファー中で可溶化して、タンパク質をSDS−PAGEで
分析した(図1)。
完全なcMGFコード配列から誘導されたmRNAのin vitroでの翻訳の間に
、23アミノ酸シグナル配列が切り出されている26.5kDaの前駆体が合成
され、膜の存在下において、cMGFが2つのNグリコシル化部位でグリコシル
化されて28kDaの成熟cMGFが生じる。成熟cMGFタンパク質の計算上
の分子量は〜20.014kDaであり、これはSDS−PAGEによって決定
されるものよりも約4kDa小さい。
超音波処理またはデオキシコレートでの穏やかな界面活性剤による溶解により
細胞を破壊し、次いで遠心して可溶性画分及び不溶性画分を分離した。その後、
サンプルをSDS−PAGEで分析して、推定cMGFタンパク質が可溶性画分
又は不溶性画分のいずれに発現しているのかを決定した。両細胞溶解法からの結
果は、cMGFが不溶性画分、おそらく封入体に優先的に含まれることを示した
。非還元SDS−PAGEゲルから溶離された天然cMGF及びrcMGF−t
rpEはニワトリ骨髄細胞における造血性コロニーの増殖を刺激し、これは生物
学的活性がSDSによっては破壊されないことを示す。しかしながら、その生物
学的活性は、還元剤に曝すことに対しては感受性であることが見出された。
封入体に向けられたrcMGF−g10は、封入体を50%グリセロールで洗
浄し、5%SDS中でその封入体を可溶化することにより回収した。HPLC及
びPierce(Rockford,Illinois,USA)からのDETOXI−GELTMカラ
ムによるSDS及び汚染細菌LPSの除去の後の推定cMGF−g10タンパク
質の再折り畳みに、幾つかの方法が試みられた。21kDaの推定cMGFバン
ドの存在がSDS−PAGEゲルにより各方法について確認されたが、骨髄増殖
検定において活性を示すサンプルはなかった。
しかしながら、RPMI1640培地+ゲンタマイシン中で2〜3mm2のゲ
ルスライスを一晩インキュベートすることによる、非還元SDS−PAGEゲル
からの21kDa推定cMGFバンドの溶出は、骨髄増殖検定において活性を示
した。これに対して同じゲルからの41kDaのgCAPバンドは活性を示さな
かった。
図2を参照のこと。21kDaのcMGFタンパク質を含む、0.1%トリトン
X−100で洗浄した封入体を5%のSDS、8Mの尿素及び6Mのグアニジニ
ウム−HCl中で可溶化し、RP−HPLCで分析した。全ての可溶化法に対し
て等しいクロマトグラフィープロフィールが得られ、21kDaのcMGFタン
パク質がSDS−PAGEで同定された。乾燥したRP−HPLC精製cMGF
タンパク質を、SDS、トリトンX−100、リン酸二カリウム及びオクチル−
β−グルコシドを含む異なる手法で可溶化した。界面活性剤が可溶化の最も有効
な方法であるものと決定された。可溶化cMGF・封入体のサイズ排除分析によ
り、そのタンパク質が大きな凝集体として溶出するが、そのカラムの移動相に1
0%エタノールを添加すると、cMGFの溶出プロフィールをよりモノマーに近
いものに大きく変化することが示された。
例3
ピキア・パストリスにおけるニワトリMGFの発現
ピキア・パストリスはメタノール栄養性(metylotropic)であり、したがってメ
タノールを単独の炭素源として代謝することが可能であり、かつ哺乳動物系と同
様のグリコシル化を伴ってタンパク質産物を生成する。タンパク質産物を細胞内
に生産し、又は分泌させるプラスミドを利用することができる。この系における
異種タンパク質発現は厳しく制御されており、成長培地にメタノールを添加する
ことにより非常に高いレベルで誘導される。INVITROGENRから入手可
能なピキア・パストリス発現キットを用いた(電話番号602-748-4400)。
cMGFクローンをプライマ7+6で再増幅してBamHI及びEcoRI部
位を加工し、2つのピキア発現ベクター、pPIC9及びpHIL−S1にサブ
クローニングした。これら両者は、それぞれ、α交配因子又は酸ホスファターゼ
遺伝子からのシグナルペプチドを伴う分泌型融合タンパク質産物を生成する。最
初に、そのPCR産物をpCRTMIIベクターにサブクローニングした。Ec
oRI/BamHI又はEcoRI単独での消化により、正しいサイズの挿入断
片が生じた。このcMGF挿入断片をフェノール/クロロホルム法を用いて低融
点アガロースゲルから単離し、pPIC9ベクターのEcoRI部位又はpHI
L−SIのEcoRI/BamHIにライゲートした。このライゲーションをD
H5αf’に形質転換し、選択培地上に塗布した。DNAを制限消化することに
より、潜在的なcMGFサブクローンを確認した。各タイプのクローンの1つを
さらに分析するために選択した。pPIC9−cMGF及びpHIL−SI−c
MGFにおける正しい向きのcMGFを、酵素Aval及びBglIIで消化す
ることによりチェックした。これらのクローンの5’末端のDNA配列決定によ
り、これらのクローンが正確にサブクローニングされ、cMGFのcDNAが分
泌のためのピキアベクターのシグナル配列を伴って読み枠内にあることが確認さ
れた。
チモラーゼで処理することにより、GS115(His-)株からスフェロプ
ラ
ストを調製した。このピキア・スフェロプレートを、pPIC9及びpHILS
1にサブクローニングされたcMGFのBglII消化物で形質転換した。この
形質転換された酵母を、Invitrogenから提供された形質転換及び分泌
の陽性対照と共に選択培地上に塗布した。ピキアGS115(His-)は、遺
伝子HIS4でコードされるヒスチジナールデヒドロゲナーゼ活性を欠如してい
た。この欠如は、この株を、ヒスチジンが補足されている複合培地又は無機質培
地で成長することを可能にした。GS115(His-)がHIS4遺伝子を有
するプラスミドで形質転換される場合には、この形質転換体は、ヒスチジンが補
足されていない無機質培地で成長するそれらの能力により選択される。次に、形
質転換体を選択培地に塗布した。これにより、cMGF遺伝子が酵母のゲノムに
安定に組込まれている組換え体が同定できた。
pHILS1−cMGF及びpPIC9−cMGFベクターでの形質転換から
、幾つかの潜在的なcMGF組換えクローンが選択された。これらのクローンを
メタノールの存在下において液体培地中で成長させ、発現と培地中への組換えタ
ンパク質の分泌を誘導した。各組換えクローンからの培養培地の上清を集め、S
DS−PAGEで分析した。それらの結果により、〜25及び29kDa(未変
性cMGFのグリコシル化形態のサイズ)の2種類の優勢タンパク質を発現する
5種類の潜在的なcMGFクローンが明らかになった。
この5種類の潜在的な陽性サンプルを骨髄増殖検定においてin vitroでの活性
について試験し、生物学的に活性であることが見出された。タンパク質の発現を
、前に同定された5種類のcMGF発現クローンのうちの4種類及びネガティブ
コントロールとして含められたアルブミン発現形質転換体を用いる40mL、2
日間の誘導培養にスケールアップした。この酵母メタノール成長培地は骨髄細胞
の増殖を阻害するため、サンプルをAMICONTMの10k及び100kのCE
NTRIPREPTM限外濾過器で処理して酵母培地をRPMI培地に交換し、
サ
ンプルを濃縮した。この骨髄増殖検定の結果が図3に報告されている。
cMGFで形質転換された全ての酵母サンプルは、骨髄増殖検定における活性
を示した。これに対して、アルブミン対照は増殖応答を示さなかった。最初の2
日間の誘導期間の後に活性を示した4種類のクローンをさらに2日間誘導し、そ
の上清を上述のように超音波処理した。第2〜第4日に誘導されたものと比較し
て、最初の2日間誘導したサンプルに活性の相違は観察されなかった。加えて、
100k残留物及び10k濾過画分をSDS−PAGE及び骨髄増殖検定で分析
した。形質転換された酵母成長培地から生物学的に活性な分泌cMGFを回収す
るため、100k濾過を省き、かつ早期洗浄工程で10%エタノールを使用して
、バッファ交換及び濃縮手順を変更した。この新しい手順により、SDS−PA
GEで分析した場合に25及び29kDaの推定cMGFバンドを有し、RP−
HPLCで分解することが可能な物質が生成した。RP−HPLCの後に集めら
れた画分のうちの1つは骨髄増殖検定で活性であり、2つのcMGFバンドを有
していた。
このピキア発現系において、酵母の染色体に組込まれている遺伝子の複数のコ
ピーは、しばしば高レベルのタンパク質発現を生じる結果となる。したがって、
各陽性クローンにおけるcMGF遺伝子のコピー数を決定するのに、サザンブロ
ッティング法を用いた。これらの結果は、全てのcMGF発現クローンが遺伝子
カセットの1コピーを有することを示した。細胞培養条件をcMGF産物の生成
の増加に最適化することにも焦点が当てられ、1つのpPIC9−cMGF発現
クローンが40.0L培養へのスケールアップのために選択された。細菌汚染を
防ぐためにゲンタマイシンを添加した。得られた結果は、2日間のメタノール誘
導が最適であることを示すように思われた。
例4培養された骨髄細胞におけるcMGFが誘導するマクロファージの機能的応答の
増強
ニワトリ骨髄細胞をRPMI1640培地+5%FBS±20μg/ml c
MGFで培養し、時間0並びに培養の1日後、2日後、3日後、及び4日後のF
c受容体介在食作用、IS誘導亜硝酸塩生成及びホルボールエステル誘導スーパ
ーオキシド生成を行うそれらの能力について検定した。それらの結果は図4に報
告されている。
培養培地中にcMGFが存在することにより、Fc受容体介在食作用及びIS
誘導亜硝酸塩生成の獲得が大きく促進され、高められている。図4及び5を参照
のこと。しかしながら、ホルボールエステル誘導スーパーオキシド生成は、cM
GFの存在には影響を受けない。図6を参照のこと。これらの結果は、ピキア・
パストリスが生成する組換えcMGFが、骨髄細胞の増殖及びマクロファージの
機能的応答の獲得の両者を刺激することを示している。
例5
in vivo 及び卵内(in ovo)で使用するためのcMGFの回収
消費された形質転換酵母成長培地からピキア・パストリスが発現した生物学的
に活性なcMGFを回収するため、サンプルをCENTRIPREPTM10k濾
過器(Amicon)を用いて処理して酵母培地を交換し、その中のタンパク質
を濃縮した。早期洗浄工程において10%エタノールを含むリン酸緩衝生理食塩
水(PBS)を、次いで最終洗浄においてPBSのみを用いる限外濾過により酵
母培地を交換した。得られた生成物を、以下に記述されるin vivo及び卵内での
実験において、その調製品中の全タンパク質の量を示す量で用いた。
例6
in vitro でのcMGFの活性
以前のデータはcMGFのクローニング及び発現を記述し、ピキア・パストリ
スに発現されるcMGFを用いるin vitroでの骨髄細胞の処理の効果に対する初
期実験を記述していた。この初期実験は、これらの細胞の増殖及び成熟マクロフ
ァージの機能的応答の獲得を示した。これらの研究を拡張し、幾つかの予備的な
in vivoでのデータを集めた。
培地中でのマイクログラム量のcMGF(20μg/ml)の存在により、B
M細胞培養の最初の2日間にわたり、Fc受容体介在食作用及びIS誘導亜硝酸
塩生成の獲得が大きく促進され、高められた。ホルボールエステル誘導スーパー
オキシド生成に対するcMGFの効果はより複雑であるように思われ、依然とし
て評価の対象である。BM培養におけるcMGFが誘導する成熟マクロファージ
の機能的応答の獲得についての用量応答を決定するため、細胞をRPMI164
0培地+5%FBS及び示されている用量のcMGFで48時間培養し、Fc受
容体介在食作用(図7)、IS誘導亜硝酸塩生成(図8)及びホルボールエステ
ル誘導スーパーオキシド生成(データは示さず)を行うそれらの能力について検
定した。
BM細胞における培養48時間後の、cMGFが誘導するFc受容体介在食作
用及びIS誘導亜硝酸塩生成の獲得は用量依存性であり、これはcMGF濃度の
10〜100ng/mlの範囲から始まり、1〜2μg/mlの範囲で最大刺激
に到達する。培養したBM細胞のPMA誘導スーパーオキシド産性に対するcM
GFの効果は、10〜100ng/mlの範囲で刺激し、500ng/ml以上
の用量で阻害するという、やはり複雑なものであった。cMGFが誘導するBM
細胞の増殖もナノグラムの範囲で開始された(データは示さず)。
したがって、ピキア・パストリスが生成する組換えcMGFは、骨髄細胞の増
殖及び成熟マクロファージの機能的応答の獲得の両者を刺激する。他のサイトカ
イン類に加えてcMGFを含有するコンカナバリンAで刺激された脾臓細胞のコ
ンディションドメディウム(IS)も骨髄細胞の増殖を刺激する。培地単独又は
培地+IS、cMGFもしくは酵母に発現されるアルブミンのいずれか2.5μ
g/mlにおけるBM細胞の48時間培養の効果の比較は、培地単独と比較した
場合cMGF及びISの両者が増殖を誘導するが、高用量のアルブミンも幾らか
の増殖を誘導することを示した(データは示さず)。BM培養における成熟マク
ロファージの機能的応答の獲得に対するcMGF、IS、及び酵母に発現される
アルブミンの効果の比較を行った。Fc受容体介在食作用の増強がアルブミンで
16%、培地単独で5%及びISで2.5%であるのに対して、cMGFは37
%で最も効率的であった(データは示さず)。cMGF及びIS処理の両者は、
アルブミン及び培地培養細胞に対して、IS誘導亜硝酸塩生成を大きく刺激した
(データは示さず)。cMGF、IS、及びアルブミン処理は、培地培養細胞に
対して、全てPMAに誘導されたスーパーオキシド応答を高めた(データは示さ
ず)。
したがって、ピキア・パストリスが生成する組換えcMGFは、骨髄細胞の増
殖及び成熟マクロファージの機能的応答の獲得の両者を刺激する。他のサイトカ
イン類(IL−2及びIFNなど)に加えてcMGFを含むISも、骨髄細胞の
増殖及び成熟マクロファージの機能的応答の獲得の両者を刺激する。しかしなが
ら、ISでのBMの処理は、ISで培養された腹腔に誘導されたマクロファージ
で以前になされた観察と同様に、Fc受容体介在食作用に対して効果がないか、
もしくはこれを阻害した。したがって、cMGFの卵内に送達することにより、
雛がより多数の機能的に活性化されたマクロファージを備えて孵化する結果を生
じるものと思われる。このより多数の機能的に活性化されたマクロファージは、
細菌感染により良好に対処することが可能であり、その免疫応答の調節における
中心的な役割を果たす。
例7
卵内でのcMGF:孵化後の末梢血単核白血球に対する効果
孵卵の18日目に酵母に発現されるアルブミンを2.5μg/卵、又は酵母に
発現されるcMGFを0.025μg/卵、0.25μg/卵、もしくは2.5
μg/卵のいずれかを卵に注入し、これらの卵から孵化した雛を飼育して、各処
理群からの5羽の雛から孵化後1、4、及び7に採血した。
血液塗抹標本を調製して、白血球の分化総数を評価した。その結果を以下の表
1に示す。
孵化後第1日に、担体(アルブミン2.5μg)、cMGF0.25μg及び
cMGF2.5μg処置の5羽の雛のうちの1羽並びにcMGF0.025μg
処置の5羽のうちの5羽において、異常な白血球比が明白であった。卵内でのc
MGF0.025で顆粒球が増加し、これが赤芽球のレベルを高めた。孵化後第
4及び第7日には白血球分化総数に対する効果はないことが明らかであった。
処置群当たり5羽の雛について、パーコール勾配上で遠心することにより、プ
ールされた血から末梢血単核白血球(PBL)を調製し、得られたPBLを組織
培養物中に入れて2時間付着させた。激しく洗浄することにより付着していない
細胞を除去し、得られた白血球の付着集団をFc受容体介在食作用、IS誘導亜
硝酸塩産性及びホルボールエステル誘導スーパーオキシド生成を行うそれらの能
力について検定した。試験したあらゆる時点で、ISもしくはLPS誘導亜硝酸
塩生成及びFc受容体介在食作用(オプソニン化SRBC)は検出できなかった
。興味深いことに、白血球は非オプソニン化SRBCを食細胞することが可能で
あった。これは、血液単球の正常なホメオスタシス機能、すなわち、老化し、損
傷を受け、もしくは外来のRBC又は他の細胞の認識及び食作用の反映である可
能
性がある。孵化後第1、第4及び第7日に付着精製白血球は多量のPMA誘導ス
ーパーオキシドを生成し、孵化後第4日にcMGF注入群から単離されたものは
アルブミン対照群からのものより多く生成した(図9)。
第1、第4、及び第7日に、0.25μgcMGF/卵、及び0.025μg
cMGF/卵の群からのPBLは、PMAに応答してアルブミン対照よりも多く
のO2を生成した。cMGF2.5μg/卵の群からのPBLは、孵化後第4日
に、PMAに応答してアルブミン対照よりも多くのO2を生成したが、第1日ま
たは第7日には多くを生成しなかった。
同様の実験において、骨髄細胞を、酵母に発現されるcMGF又はアルブミン
及びISを注入した卵から孵化した日齢雛の大腿骨から単離した。単離された細
胞の数(図10)及び付着精製骨髄細胞のPMA誘導スーパーオキシド産性を示
す(図11)。
卵内でのcMGFは、日齢雛の大腿骨から単離された骨髄細胞の数を大いに増
加させた。PBLの機能的応答に対する卵内でのcMGFの効果と同様に、cM
GF処置群からの骨髄細胞はPMAでの刺激に応答してより多くのスーパーオキ
シドを生成した。
したがって、卵内でのcMGF注入は利用可能な骨髄細胞の数および機能的活
性化を高め、これが、これらの卵から孵化した雛から単離された血液白血球によ
る白血球血液分化総数(初期の)及びPMA誘導スーパーオキシド生成に影響を
及ぼす。スーパーオキシド産性物及びその反応性酸素中間誘導体は、抗体及び補
体と共に細菌病原体に対する最初の防御列を形成する単球/マクロファージ及び
顆粒球の主要な抗微生物産性物なので、cMGFを注入された卵から孵化した雛
は罹病性が高いこの期間に細菌感染をほとんど受けない。in vivoでの大腸菌抗
原投与モデルにおける卵内でのcMGF投与の効力は調査中である。
例8
孵化率の研究
商用孵化場(Rose Hill)で孵卵され、そこから入手した卵を、明か
りに透かして生きている胚を検出した。孵卵の18日目に、生育可能な卵に様々
な試験物品を卵内注入し、孵化籠に入れて孵卵器に戻した。21日目に得られた
孵化率を記録した(表2)。
汚染された可能性があるcMGFの2.5μg用量を除いて、これらの試験物
品の卵内注入は孵化率に大きな影響を及ぼさない。
例9
孵化場汚染大腸菌抗原添加スクリーニングモデル
孵化場汚染モデルは、気室にVPI 大腸菌株(典型的には104CFU)を
注入されている卵(典型的には36個の卵)を孵化場の最上部トレイに配置する
ことを含む。これらの感染卵から孵化した雛は、次に、同じ孵化場で孵卵された
卵から孵化した実験雛に病原体を移す。様々な処置群をその孵化場の2つの別々
の場所で標本とし、その場所を試験ごとに無作為に変える。孵化当日に雛を引き
抜き、羽に識別片を付け、他と混ぜ、平面囲いに入れ、死亡率について1日に2
回2週間観察する。2週間目に、雛を計量及び計数する。
一連の3つの別々の大腸菌孵化場汚染抗原投与モデルを実施した(表3)。
これらのモデルは、卵内注入されたゲンタマイシン0.2mg、YEA(酵母
に発現されるアルブミン)、及びrcMGF800Uでの効力を示した。rcM
GF800Uでの処置及びゲンタマシン0.2mgは、PBSと比較した場合に
は効果があったが、YEA対照との比較では効果がなかった。80単位のcMG
Fは試験1では有効であったが、試験2及び3では効果がなかった。なぜYEA
が800単位のcMGFに匹敵する効力を発揮するのかは不明である。卵内での
cMGFは、YEAを注入した対照と比較した場合、孵化時の雛の大腿骨におけ
る骨髄細胞数及び第4日の雛から集めた末梢血リンパ球に由来するPMA誘導ス
ーパーオキシド生成の両者におけるより高い増加を一貫して生じる。加えて、Y
EAは、in vitroで骨髄細胞を刺激して増殖させることはない。YEAは800
単位のcMGFの投与と等しいタンパク質濃度で投与される。
ゲンタマイシンを伴う、又は伴わないcMGF及び10UのIMの効力を評価
するため、2つのさらなる大腸菌孵化場汚染抗原投与試験を行った。その結果を
表4に示す。
前の試験と比較した場合、両試験における死亡率は低かった。しかしながら、
ポジティブコントロール(ゲンタマイシン.05mg)とネガティブコントロー
ル(PBS)とは、おそらく、互いに大きく異なっていた。数値上死亡率を下げ
た処置は、200Uおよび800UのcMGF、10UのIM並びに40U、2
00Uもしくは800UのcMGFと0.05mgのゲンタマイシンの組み合わ
せであった。40UのcMGFは有効ではなかった。前の試験と比較して(おそ
らく、卵の源として異なる群を用い、異なる飼育施設に雛を入れたことにより)
死亡率のレベルは低かったが、これらのデータはcMGFが投与量に応答するこ
とを示した前のデータと一致する。
孵化場汚染大腸菌抗原投与モデルにおけるYEAの効力をさらに評価するため
、YEA投与量応答試験を行った(表5)。
ポジティブコントロールとして用いられたゲンタマイシン処置は、我々の前の
データ(上記表3及び4)とは対照的に、死亡率をPBSを注入した対照より下
げることができなかった。この理由は不明であるが、様々なYEA投与量の効力
の間の差異をより良好に識別できるように初期の雛の死亡率を高める試みの下で
、雛をその孵化場に更なる日数置いた。この更なるストレスが試験物品の効力を
打
ち負かした可能性がある。
rcMGFとYEAとの相対効力を正確に識別するためには、まずこれらのタ
ンパク質を、酵母培地の成分として存在し、又は生成の間に酵母によって生成さ
れる潜在的な汚染物質から精製することが必要であろう。
例10
筋肉内大腸菌抗原投与スクリーニングモデル
孵化後第3日及び第7日の、大腸菌筋肉内抗原投与に対するIM及びcMGF
の卵内での投与の効力を評価した(表6及び7)。これは、皮膚、腸及び肺上皮
の保護防御並びにGALT又はBALTにより付与される保護を回避する、全身
性感染に対するサイトカインの効力を評価する新しいモデルである。また、鳥が
孵化後第3日又は第7日まで抗原投与されない場合の効力の持続の評価も始めた
。第3日に抗原投与する実験では、孵化当日のサイトカイン類の卵内注入と筋肉
内での注射との効力を比較した。
18日目に卵内、又は孵化当日に筋肉(左肢)内で試験物品を鳥に注射した。
雛の羽に識別片を付け、他のものと混ぜて平面囲いに入れた。第3日又は第7日
に、適当な投与量の大腸菌CQR株を右肢に筋肉内注射した。雛を再び平面囲い
に入れ、抗原投与後7日間死亡率を観察した。
第3日に抗原投与するモデルの結果は一貫性がなかった(表6)。最初の試験
では、40UのcMGFは、卵内及び孵化当日での注入並びに105CFUでの
抗原投与による死亡率を下げた。しかしながら、この発見はより低い抗原投与レ
ベル(104CFU)では繰り返されなかった。2回目の試験では、40Uのc
MGFは卵内注入された場合には105抗原投与による死亡率を下げたが、孵化
後に注
射された場合は下げなかった。
最初の試験においては、選択された抗原投与レベル、104及び105CFU、
では死亡率の増大が起こらなかった(データは示さず)。2回目の試験では、1
06CFUの抗原投与量だけが高レベルの死亡率を生じ、そこではゲンタマイシ
ン、10UのIM並びに40U及び800UのcMGFの両者が数字の上で死亡
率を下げた。
例11
経口強制送胃大腸菌抗原投与スクリーニングモデル
このモデルでは、孵化当日の平面囲いに入れる直前に、雛に約109CFUの
大腸菌VPI株を経口強制送胃する。抗原投与培養物は、抗原投与の間氷上に保
持する。各処置群からの羽に識別片を付けた同数の雛を他のものと混ぜ、平面囲
いに入れる前に100μLの抗原投与培養物を無作為に強制送胃する。1日に2
回10日間、雛の死亡率を観察する。
孵化当日の経口による大腸菌抗原投与に対する、ゲンタマイシンを伴う、もし
くは伴わない、卵内でのcMGF及びIM投与の効力を評価する2回の試験の結
果を以下に示す(表8)。この試験は、10UのIM投与量及びcMGFの効力
を評価し、サイトカイン類を0.05mgのゲンタマイシンと共に注入したとき
に利益が付け加わるかどうかを決定するように設計された。
8つの囲いのうち2つの囲いは、2回の試験から削除した。この囲いは死亡率
が50%を越えていた。
このモデルでは、10UのIM及び0.05mgのゲンタマイシンが大腸菌に
対する効力を明白に示した。40Uもしくは200UのcMGFは効力を示さな
かったが、800Uでは数字の上で死亡率を下げた。IMがゲンタマイシンに加
えられたときには更なる効果はなかった。これらの2回の試験は、試験1の抗原
投与していない対照が驚くほど高レベルの死亡率であったことを除いて、結果が
似ていた。試験1の抗原投与していない対照の高レベルの死亡率は、おそらく、
処置群を混ぜて等しく標本化したことによる囲いの内部での水平伝染のためであ
る。
他の大腸菌孵化場汚染抗原投与試験(上記例9を参照)では、cMGFの効力
の試験に酵母に発現されるアルブミン(YEA)が用いられている。しかしなが
ら、YEAは骨髄及び免疫細胞集団に対するin vitro又はin vivoでのcMGF
の他の効果のいかなるものも発揮することができないが、それが800UのcM
GFと等しいタンパク質ベースで投与された場合には孵化場汚染モデルで一貫し
て効力を示している。YEAの効力をさらに評価し、かつcMGFと比較し、さ
らにその防御をタンパク質(BSA)又は酵母発現系によって生成された生成物
(YEMは、細胞内βガラクトシダーゼを発現する形質転換されたピキア・パス
トリス株に由来する培地である)の卵内での分配に帰することができるかどうか
を決定するため、2種類の調製品を経口抗原投与モデルで試験した。その結果を
表9に示す。
YEM、cMGF、YEA、0.05mgのゲンタマイシン及びBSAの全て
が死亡率を下げたが、YEAが最も効果的であった。鳥の等しい体重は、処置群
において死亡しなかった鳥が罹患せず、又は成長が抑制されていないことを示唆
している。
例12
食餌ストレス・大腸菌抗原投与モデル
このモデルは、ストレス(具体的には、36時間の食料及び水の剥奪)により
若七面鳥の肝臓、腎臓及び血液での大腸菌のコロニー形成を生じるというLeitne
r及びHellerの発見(1992: Avian Diseases 36: 211-220)に基づいている。孵化
当日に七面鳥に大腸菌を経口強制送胃して5日後食餌を抜き、臓器を取り出して
3
6時間後のコロニー形成を評価した。最初の実験では、ブロイラーの雛にPBS
、YEA(酵母に発現されるアルブミン)、5、50U、又は500UのcMG
Fのいずれかを卵内投与し、前化時に108CFUの大腸菌(VPI1990株
)を経口強制送胃し、孵化後第4日から36時間食料及び水を除いて、組織(肝
臓及び血液)のコロニー形成又は第12日の死亡率のいずれかについて評価した
。それらの結果を表10に示す。
臓器侵入はほとんどなく、これが卵内でのcMGF投与による効果の判別を困
難にした。高投与量のcMGF及び等量のYEAタンパク質の両者は死亡率を下
げた。このモデルにおける卵内でのcMGF投与の効力を評価するため、第2の
研究を行った。両試験の結果を表11に示す。
PBSを注入した対照における臓器侵入の証拠はなかった。最初の試験では、
食料及び水を孵化後第4日から36時間剥奪し、雛に100μLの109cfu
/mLの大腸菌培養物を経口強制送胃した。この抗原投与処方では、PBSを注
入した雛の肝臓又は血液にコロニー形成は生じなかった。第2の試験では、食料
及び水を剥奪する期間を48時間に増やし、雛に200μlの109cfu/m
L大腸菌培養物を経口強制送胃した。しかしながら、依然としてPBSを注入し
た雛に臓器侵入の証拠はなかった。YEAを0.2g投与された雛も臓器コロニ
ー形成を示さなかった。しかしながら、興味深いことに、cMGFを卵内投与さ
れた雛は臓器侵入を示した。この結果は、500Uの投与量ではほとんど見られ
ないが、両試験である程度一致した。おそらく、cMGFは細菌を食菌し、かつ
内部に保持することができる単球/マクロファージ系列の細胞数を増大させるが
、
これらの細胞は殺菌性であるほど十分に活性化されておらず、組織マクロファー
ジの形態で細菌の貯蔵庫として役立っているためであろう。完全な活性化及び細
胞内細菌の破壊には、cINFのような第2のシグナルが必要であろう。
第2の試験では、抗原投与量の増加、食料及び水の剥奪期間の増加、又はその
両者により、12日間の死亡率が増大した。食料及び水の剥奪は、孵化場汚染及
び経口強制送胃モデルに通常見られるレベルより2週間の死亡率を増大させた。
この2つの試験の間にも死亡率データに多くの変動が存在したが、cMGFは効
果がないように思われた。PBS及びYEA群の両者には検出可能な臓器コロニ
ー形成はないが死亡率のレベルに大きな相違があるため、臓器コロニー形成と死
亡率が相関し得るかどうかは不明である。
例13
第0日cMGF卵内注入及び第13日大腸菌抗原卵内投与モデル
孵卵第0日のcMGF卵内注入を、それが卵の孵卵の第2週から始まる細菌性
病原体を防御する胚の食作用の機能的応答性の数を増大させるかどうかを決定す
るために評価した。Klasing(1991)は、オプソニン介在食作用が、孵卵の第2週
に胚を細菌性病原体から防御し得ると推測した。食菌性細胞は、殻上の病原体が
胚へ伝播しうる、漿尿膜が殻膜と融合した後の重大な時期に胚を保護する。孵卵
の第0日に、cMGFを0.25U、2.5U、25U又は250Uのいずれか
でアルブミンに注入した。孵卵の第13日に、孵卵器(99°F)から卵を直接
取り出し、40°Fで4分間、大腸菌ブロスに浸漬した。この温度では、殻及び
殻膜を横切って細菌が移動することが促進される。孵卵第18日での同様の大腸
菌抗原投与は、孵化率を7%減少させ、2週間の死亡率を7%増加させた(Reide
t al.1961)。cMGFを注入した卵の別の群は、孵化率に対する第0日のcM
GF注入の効果を評価するため、大腸菌には晒さなかった。これらの結果を表1
2及び13に示す。
各処置群について68個の卵の1回の繰り返しのみを評価したためデータは変
動しているが、孵化率は第0日のcMGF投与によっては一貫して影響を受けな
かった(表12)。
孵卵の間の細菌性抗原投与の評価に用いられたこのモデルは良好に機能した。
抗原投与時に生きていた卵の孵化率は、抗原投与されなかった卵の94.5%と
比較して、87.3%であった。後期の胚の死亡率及び死亡した雛のパーセント
は、正常な抗原投与されていない卵を大きく上回った。第0日のcMGF投与は
、数字の上で胚の死亡率を増加させ、このモデルでは効力を示さなかった。
例14ネズミチフス菌孵化場汚染及び孵化後シーダースクリーニング抗原投与モデル
この孵化場汚染モデルは、汚染された卵(典型的には15個の卵)を孵化場の
最上部の籠に置き、ネズミチフス菌を抗原投与として送達することを除けば、前
述の大腸菌孵化場汚染モデル(上記例9を参照)と非常に似ている。この孵化後
シーダー抗原投与モデルは、サルモネラ属菌に晒した鳥と晒していない鳥とを平
面囲いで混ぜ合わせることを含み、これは雛から雛への病原体の水平伝染をシミ
ュレートする。ネズミチフス菌孵化場汚染モデル及び孵化後シーダーモデルの両
者において、cNGF及びIMを全て試験した。これらのモデルは、現実には細
胞内にある異なる細菌性病原体に対するこれらのサイトカイン産性物の効力を評
価するために行った。ネズミチフス菌孵化場汚染モデル及び孵化後シーダーモデ
ルの第10日の死亡率の結果を以下に示す(表14)。結果は対照に対するパー
セントとして表されている。
この抗原投与は非常に強力であり、これらのモデルに対して前に行われた試験
よりも高レベルの死亡率を生じた。効力を示した処置は、孵化場汚染モデルにお
ける0.5mgのベイトリル(Baytril)だけであり、これでさえ前の試
験よりも低いレベルの効力であった。このレベルの抗原投与は試験された生成物
の効力を打ち負かし得るようである。
例15
コクシジウム症抗原投与スクリーニングモデル
コクシジウム症E.テネラ(E.tenella)卵母細胞抗原投与モデルにおいて、c
MGF及びIMの効力を評価した(表15)。このモデルは、低レベルの経口抗
原投与の後の糞便への卵母細胞の排出を測定し、宿主に感染もしくはそこで増殖
する寄生虫の能力を評価する。放出される卵母細胞の数の減少によって測定され
る効力は、寄生虫が盲腸の上皮下層内の細胞に侵入もしくは感染することができ
なかったか、又は寄生虫が細胞の内部で増殖することができなかったか、あるい
は
有性生殖もしくは卵母細胞の生成が阻害されたことを示唆する。孵化後第1日又
は第7日に雛に1000個の卵母細胞を経口抗原投与し、抗原投与後72時間の
間排出された糞便を集めて放出される卵母細胞の数を数えた(表15)。
孵化後第1日又は第7日のいずれかに鳥に抗原投与した。孵化後第1日での抗
原投与に続く卵母細胞の排出は、cMGF又はIMの卵内投与によっては影響を
受けなかった。40UのcMGFについては、平均卵母細胞生成は数字上は減少
したが大きなものではなく、IMは生成される卵母細胞数を実際に増加させた。
孵化後第7日での抗原投与に続く卵母細胞の排出は、40UのcMGFの卵内投
与により大きく減少した。800UのcMGFは数字上は卵母細胞の排出を減少
させたが、IMは数字上は卵母細胞の排出を増大させた。
コクシジウム症に対するcMGF卵内投与の効力を、第2のアイメリア・テネ
ラ卵母細胞生成抗原投与モデルにおいて評価した。孵卵の第19日に卵にPBS
、YEA、5U、10U、50U、100U、200U又は800UのcMGF
のいずれかを注入した。その後、孵化後第7日に、ブロイラーの雛に1000個
のアイメリア・テネラの卵母細胞を抗原投与し、抗原投与後72時間の間排出さ
れた糞便を集めて放出された卵母細胞の数を数えた(表16)。
卵内にcMGFを5U、10U、50U、100Uおよび200U投与した後
には、アイメリア・テネラの卵母細胞生成は数字上減少した。800UのcMG
Fは無効であった。これらの結果は、卵母細胞生成抗原投与試験において40U
のcMGFの効力は示されたが、800UのcMGFの効力は示されなかった前
の研究に一致する。さらなる研究で、防御cMGF投与量と等しいタンパク質レ
ベルのYEA、cMGFの動力学及び投与量応答並びに他のコクシジア株に対す
る効力を評価する必要がある。
例8〜15に記述される抗原投与モデルはこのcMGFの評価のために始めら
れたものであり、これらのモデルのさらなる開発によってより一貫したデータが
得られるものと思われることに注意するべきである。例えば、第1の第7日筋肉
内抗原投与モデルにおいて、死亡率を得るのに用いられる大腸菌は有効とするに
は低すぎ、ネズミチフス菌抗原投与物はあらゆる効力が不明瞭になるほど強力で
あったかもしれない。それにもかかわらず、これらの予備的な抗原投与モデルか
らのデータは、cMGFが孵化場汚染大腸菌抗原投与に対する投与量依存性の効
力を一貫して示し、コクシジウムE.テネラ卵母細胞抗原投与に対する投与量依
存性の効力をも発揮することを示している。試験された他のモデルからのデータ
はほとんど一貫性がなく、そこでは、様々な投与量のcMGFが個々の試験で効
力を示しているにもかかわらず、そのデータは第2の実験では常には再現される
ことがない。しかしながら、全体として、これらのデータは、組換えcMGFの
卵内投与が、孵化後の最初の数週間に、孵化する雛を感染性病原体に対してほと
んど感受性にしないという利益を孵化する雛に付与するという仮説に一致する。
800UのcMGFと等しいタンパク質濃度の、酵母に発現されるアルブミン
(YEA)は、800単位のcMGFに匹敵する効力を発揮する。cMGF卵内
投与は、YEAを注入した対照と比較して、孵化時の雛の大腿骨中の骨髄細胞の
数及び第4日の雛から集められた末梢血白血球からのPMA誘導スーパーオキシ
ド生成の両者を増大させる。加えて、YEAは、in vitroで骨髄細胞を刺激して
増殖させることがない。したがって、大腸菌孵化場汚染モデルにおけるYEAの
効力は、いまだに不明である何らかの代替機構によるものであると思われる。
先の記述は本発明を説明するものであり、それらを限定するものであると解釈
されるものではない。本発明は以下の請求の範囲によって定義され、この請求の
範囲には、この請求の範囲に包含されるその等価物が伴う。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12N 1/21 C12P 21/02 H
C12P 21/02 A61K 37/02 AFH
//(C12N 1/19
C12R 1:84)
(C12N 1/21
C12R 1:19)
(C12P 21/02
C12R 1:19)
(C12P 21/02
C12R 1:84)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TT,UA,
US,UZ,VN
(72)発明者 ケンパー,エイプリル・イー
アメリカ合衆国、 27312 ノース・キャ
ロライナ、ピッツボロ、マンティス・ロー
ド 50
(72)発明者 リュー,ホン
アメリカ合衆国、 27511 ノース・キャ
ロライナ、キャリー、デュアリントン・プ
レイス 208
(72)発明者 ティスコウスキー,ジュリアス・ケイ
アメリカ合衆国、 27511 ノース・キャ
ロライナ、キャリー、ウッドラフ・コート
111
(72)発明者 ハーディング,ティモシー・ダブリュー
アメリカ合衆国、 27514 ノース・キャ
ロライナ、ローリー、ボーリンウッド・ド
ライヴ 700、#28ディー