JPH10505669A - 地震データのプリスタックインバージョンから貯留層岩質及び流体内容を導出する方法 - Google Patents
地震データのプリスタックインバージョンから貯留層岩質及び流体内容を導出する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
プリスタック地震反射データベース(110)から目標位置(400)の貯留層岩質及び流体内容を導出する方法。本方法は、目標位置、及び既知の地下岩質及び流体内容を有する較正位置(110)の両者のプリスタック地震反射データのインバージョン(200)を使用して目標位置(400)における地下岩質及び流体内容を導出する。インバージョンプロセス(200)は、地震波伝播の摩擦効果を考慮して完全に粘弾性インバージョンである。インバージョンプロセスの結果は、目標及び較正両位置に関する1組の地下弾性パラメーターである。これらの地下弾性パラメーターの相対的な大きさを、較正位置における既知の地下岩質及び流体内容(146)と共に比較し(399)目標位置(400)における地下岩質及び流体内容を導出する。
Description
【発明の詳細な説明】
地震データのプリスタックインバージョンから貯留層岩質
及び流体内容を導出する方法
発明の分野
本発明は、一般的には地震探査の分野に関し、詳しく述べれば地震データのプ
リスタックインバージョン(pre-stack inversion)から貯留層の岩質及び流体
内容を導出する方法に関する。
発明の背景
石油及びガス産業においては、地下の炭化水素堆積物の探索及び評価の援助と
して、地震探査技術が広く使用されている。要約すれば、地震エネルギ源を使用
して発生させた地震信号を地球内へ伝播させ、地下の地震反射体(即ち、異る弾
性特性を有する地下累層間の境界面)によって少なくとも部分的に反射させる。
反射は地表またはその付近に、水中に、または試錐内の既知の深さに配置された
地震検出器によって記録され、得られた地震データが処理されて地質構造及び地
下累層の特性に関する情報が求められる。
全ての地震データ処理の目的は、データから地下累層に関する情報をできる限
り多く抽出することである。典型的に地下累層の地質構造を高精度で決定できる
データ処理技術が開発されている。しかしながら、今日までに、地下累層の地質
構造を導出する技術を開発する努力は、殆ど成功を見なかった。明らかに、これ
らの地下の地質特性を知ることは、特定の位置に坑井を試錐するか否かを決定す
る上で極めて価値がある。
地震探査の分野においては、地下累層内に炭化水素が集積していると、その累
層を通る圧縮波(P波)の伝播速度に重大な効果が現れることは公知である。こ
の効果は、地震断面上に異常に高い反射振幅を出現させ、それが累層内の炭化水
素、特に天然ガスの集積の存在を表す、いわゆる「ブライトスポット(brightsp
ot)」現象の根拠にされている。不幸なことに、地震振幅の異常が、炭化水素
の集積によらないか、または合計飽和率が低く不経済であることが多い炭化水素
集積によってもたらされることが多いので、ブライトスポット現象は誤りを生じ
易い。この理由から、これらのブライトスポットの所に坑井を試錐しても結局は
貯留層砂(reservoir sands)(従って、炭化水素)に遭遇しないか、または砂が
存在していても炭化水素が存在しないか、低飽和率の炭化水素であるのか何れか
である。従って、貯留層砂と他の岩質(例えば、石炭または頁岩)とを、及び炭
化水素の低飽和率と完全飽和率とを区別するのに使用できる技術に対するニーズ
が存在している。
この目的に有用な一つの技術は、オフセットを用いる振幅変化(amplitude
variation with offset:“AVO”)分析である。AVO分析では、異なる入
射角を用いてP波反射振幅を測定し、圧縮波(P波)速度、ねじれ波(S波)速
度、密度、及び天然ガスを含むことが推測される地下の各層毎のポアソン比が決
定される。これらの地下弾性特性の知識は、天然ガス集積の存否を予測するのに
使用できる。AVO分析に関しては、例えばOstrander,W.J.,“Plane-waveref
lection coefficients for gas sands at nonnormal angles of incidence,”Ge
ophysics,v.49,pp.1637-1648,1984を参照されたい。Ostranderはガスが関
係する振幅異常と、ガスが関係していない振幅異常とを区別するのにAVO分析
を使用する方法を提唱している。しかしながらOstranderは、低ガス飽和率と完
全飽和率とを区別することが極めて困難であることも認めている。
AVO技術は、多くの先行特許に開示されている。例えば、Goinsの米国特許
第4,858,200号は、P波及びS波反射データの比較評価によって地下の地質累層
内の炭化水素の存在を決定する方法を記述している。S波反射データは、震源と
受振器とをオフセットさせて集めたP波データの振幅の変化を使用して推定する
。2つの関連特許、即ちGoinsらの米国特許第4,858,201号、及びFitchらの米国
特許第4,858,202号には、共通深さ点で集めたP波トレースからS波データを入
手するのに使用できる2つの異なる方法が開示されている。
Smithの米国特許第4,817,060号には、地震データから炭化水素の存在を直接検
出する方法が開示されている。先ず、トレース毎にP波及びS波反射率をデータ
から抽出する。次いで、S波反射率の関数としてP波反射率を決定し、その結
果を、抽出されたP波反射率から減算して炭化水素の存在を表す流体ファクタを
限定する。
Mastersの米国特許第5,001,677号には、潜在的な炭化水素を担持する層を強調
するように地震データを処理し、表示する方法が開示されている。これらの方法
は、地震データからの測定属性をあるベクトルの成分として処理し、関心がない
地質学的挙動を呈するバックグラウンドベクトルを推定し、そしてこの関心がな
い挙動からの逸脱を定量化する少なくとも1つの新しい属性を形成する。
これらの従来技術AVOプロセスの最終結果は、通常は目標位置のP波及びS
波反射率を決定することである。これらの従来技術プロセスの若干は、密度反射
率(例えば、上記Smith及びMastersの特許参照)を決定するのにも望ましいこと
が認められているが、成功裏にそれを行う方法は開示されていない。
異なる岩質と流体飽和率とを区別するのに有用な別の技術は、地球の地下の一
次元(1D)または二次元(2D)モデルの何れかに基づくプリスタックインバ
ージョンである。例えばSymes,W.W.and Carazzone,J.J.,“Velocity invers
ion by differential semblance optimization,”Geophysics,v.56,pp.654-
663,1991及びMartinez,R.D.及びMcMechan,G.A.,“τ-p seismic data forv
iscoelastic media--part 1:modelling,”Geophysical Procpecting,v. 39
,pp.141-156,1991を参照されたい。
当分野においては公知のように、地震インバージョンは、地震反射データから
地下モデルを導出するプロセスである。プロセスは先ず、データから地下の弾性
特性に関する情報を抽出する。次にこの情報を使用して、地下の数学的または物
理的モデルを作成し、このモデルに基づいて合成地震記録を生成する。もし合成
地震記録がデータと都合よく一致しなければモデルを適切に調整し、新しい合成
地震記録を生成してデータと比較する。このプロセスは、モデルから生成された
合成地震記録が実際のデータを近似するようになるまで繰り返される。これによ
って、このモデルが正確であるものとして受入れられる。
プリスタックインバージョンプロセスは、典型的にはバックグラウンドP波速
度モデル、及び種々の弾性パラメーター(P波速度、S波速度、及び密度)のコ
ントラストの両者を推定するものであり、従ってこれらのプロセスは非線形であ
る。従って、これらの技術は極めて複雑であり、今日まで、これらは地下岩質及
び流体内容を導出するのに成功してはいない。
従って、プリスタック地震データから地下の岩質及び流体内容を導出すること
ができる方法に対するニーズが存在している。
発明の概要
本発明は、地下目標位置、及び既知の岩質及び流体内容を有する地下較正位置
の両方から入手したプリスタック地震反射データから、地下目標位置における岩
質及び流体内容を導出する方法を提供する。本発明の一実施例は(a)地下目標
及び較正位置のモデルを作成する段階と、(b)その地下較正位置における岩質
及び流体内容を表す1組の弾性パラメーターを選択する段階と、(c)プリスタ
ック地震反射データのインバージョンを遂行し、地下目標及び較正位置のモデル
内の複数の点の各々における選択された組の弾性パラメーターを決定する段階と
、(d)地下目標及び較正位置の弾性パラメーターの相対的な大きさを比較する
段階と、(e)比較の結果、及びその地下較正位置における既知の岩質及び流体
内容を使用して、その地下目標位置における岩質及び流体内容を導出する段階と
を備えている。弾性パラメーターは、P波速度、S波速度、密度、P波インピー
ダンス、S波インピーダンス、及びP波速度とS波速度との比に関する弾性反射
ファクタ(以下にこのように定義する)からなる群から選択することが好ましい
。また本発明は、典型的に、プリスタック地震データの質及び一貫性を改善する
ために設計された前処理段階をも含む。しかしながら、もし取得した地震データ
がプリスタックインバージョンに適するものであれば、この前処理段階は省略す
ることができる。
本発明に使用されるインバージョンプロセスは、地震波伝播の摩擦減衰の効果
を斟酌することができるように、粘弾性インバージョンであることが好ましい。
適用可能である場合には、計算上の有利さからp−τドメイン内のインバージョ
ンが好ましい。インバージョンから得られた弾性パラメーターの比較は弾性パラ
メーターの比によって行われるので、この比較は元の地震データスケーリングに
は無関係である。当業者には、本発明のこれらの及び他の特色は、以下の詳細な
説明から明白になるであろう。
図面の簡単な説明
本発明は、以下の詳細な説明及び添付図面からより一層理解されよう。
図1は、本発明の好ましい実施例の概要を示す流れ図である。
図2は、本発明の前処理段階の好ましい実施例に使用される諸段階を示す流れ
図である。
図3は、本発明の好ましい実施例に使用されるp−τ変換の諸段階を示す流れ
図である。
図4、5、及び6は、本発明のプリスタックインバージョン段階の好ましい実
施例に使用される諸段階を示す流れ図である。
図7は、目標反射体の最大P波速度反射率値がほぼ32,760になるようにスケー
ルされた例のライン1のP波速度反射率対P波2ウェイ直角入射走時のカラープ
ロットを示す図である。
図8は、目標反射体の最大P波速度反射率値がほぼ32,760になるようにスケー
ルされた例のライン2のP波速度反射率対P波2ウェイ直角入射走時のカラープ
ロットを示す図である。
図9は、図7と同一のファクタでスケールされた例のライン1の密度反射率対
P波2ウェイ直角入射走時のカラープロットを示す図である。
図10は、図8と同一のファクタでスケールされた例のライン2の密度反射率
対P波2ウェイ直角入射走時のカラープロットを示す図である。
図11は、ライン1上の選択された中間点位置の目標層準に沿うP波速度反射
率(実線)及び密度反射率(破線)を示す図である。
図12は、ライン2上の選択された中間点位置の目標層準に沿うP波速度反射
率(実線)及び密度反射率(破線)を示す図である。
図13は、ライン1(実線)及びライン2(破線)の目標層準の密度反射率値
とP波反射率値との比を示す図である。
図14は、一貫した流体の型を有するものと考えられる中間点位置のみを使用
する例のライン1(実線)、ライン2(破線)、及びライン3(点線)の目標層
準の密度反射率値とP波反射率値との比を示す図である。
以下に本発明を好ましい実施例について説明するが、本発明はこの実施例に不
当に限定されるものではないことは理解されよう。そうではなく、本発明は、請
求の範囲によって限定される本発明の思想及び範囲に含まれるこれらの全ての代
替、変更、及び同等をカバーすることを意図するものである。
好ましい実施例の詳細な説明
以下の説明には多数の数学的記号を使用するが、それらの大部分はそれが明細
書に出現した時に定義することにする。また完全を期すために、使用する記号の
定義を含む記号表を、詳細な説明の後に添付する。
概要
本発明は、地中の累層の岩質及び流体内容を導出する方法に関する。本方法は
プリスタック地震反射データ内の角度依存(オフセット依存とも呼ばれる)地震
振幅情報を分析するためにプリスタックインバージョンを使用する。インバージ
ョン出力は、P波速度(Rvp)、S波速度(Rvs)、密度(Rdn)、P波インピ
ーダンス(Rzp)、S波インピーダンス(Rzs)、及びP波速度とS波速度との
比(Rvp/vs)に対応する帯域制限された弾性反射ファクタを示す6つまでの断
面(プロファイル、即ち、振幅対水平位置及びP波垂直到着時間のプロット)を
生成するのに使用される。これらの弾性反射ファクタに関しては、以下に当分野
においては周知の直角入射弾性反射係数(単一の境界面の場合)に類似して定義
する。次いで関心位置(即ち、目標位置)についてのインバージョンの結果と、
既知の地下岩質及び流体内容を有する1またはそれ以上の較正位置についてのイ
ンバージョンの結果とを比較し、目標位置における岩質及び流体内容の両者を予
測し、これらの予測の信頼度を推定する。
較正位置は、目標位置の近傍に配置することが好ましい。しかしながら、目標
位置の予測される地質構造及び岩質特性に類似の地下岩質及び流体内容、及び既
知の地質構造及び岩質特性を有するどのような位置も較正位置として使用するこ
とができる。
本発明に使用するインバージョンプロセスは、粘弾性(viscoelastic)インバ
ージョンであることが好ましい。粘弾性インバージョンは、波動方程式モデルと
、(i)P波速度、S波速度、及び密度の変化を考慮し、(ii)P波及びS波質ファ
クタを介して伝播するP波及びS波からの摩擦エネルギ損失を勘酌するインバー
ジョン手順とを使用する。波動伝播の記述にP波及びS波質ファクタが含まれて
いることは、時間的な周波数、及び伝播の距離の両方の増加に対してエネルギの
損失が指数的に発生することを意味する。摩擦損失の重要度は位置によって変化
し、与えられた位置におけるその重要度は目標深さと共に増加する。例えば、メ
キシコ湾内の深い目標に対して本発明を適用して成功させるためには、摩擦損失
を考慮に入れる必要がある。
6つの反射ファクタRvp、Rvs、Rdn、Rzp、Rzs、及びRvp/vsは、概念的
には結合された接触内の2つの均一な、且つ半無限弾性物質の界面内に定義され
る。例えば、P波速度の反射ファクタRvpは、この状況では
によって定義される。ここに、Vp(L)は下側物質内の圧縮波即ちP波速度であ
り、Vp(U)は上側物質内の圧縮波即ちP波速度である。同様に、S波速度の反
射ファクタRvs、及び密度反射ファクタRdnは、式(1)に類似の式を使用して
決定される。
ここに、Vs(L)は下側物質内のねじれ波、即ちS波速度であり、Vs(U)は上
側物質内のねじれ波、即ちS波速度であり、ρ(L)は下側層内の密度であり、そ
してρ(U)は上側層内の密度である。
他の3つの反射ファクタRzp、Rzs、及びRvp/vsは、最初の3つから導出さ
れる。P波インピーダンスZpは、
として定義される。ここにρは密度であり、Vpは圧縮波即ちP波速度である。
そこで、P波インピーダンス反射ファクタRzpは、
である。ここに、Zp(L)は下側層内のP波インピーダンスであり、Zp(U)は
上側層内のP波インピーダンスである。Rzp反射ファクタは、実際には、P波反
射の物理的直角入射反射係数である。同様に、S波インピーダンスZpは、
として定義され、S波インピーダンス反射ファクタRzsは、
である。ここにρは密度であり、Vsはねじれ波、即ちS波速度であり、Zs(L)
は下側層内のS波インピーダンスであり、そしてZs(U)は上側層内のS波イン
ピーダンスである。最後に、P波速度とS波速度との比の反射ファクタRvp/vs
は、単に、
である。ここに、Vp(L)/Vs(L)は下側層内のP波速度と下側層内のS波速
度との比であり、Vp(U)/Vs(U)は上側層内のP波速度と上側層内のS波速
度との比である。
しかし、上述した単一の境界面概念は、岩石特性が連続的に変化するような実
際の地下物質にとっては限定的であり過ぎる。従って、0位相の適切な帯域幅の
帯域制限されたパルスを用いてたたみ込まれた、薄い層状の地球モデルの各界面
毎の一連の反射ファクタとして「反射率トレース(reflectivity trace)」を定
義するのが一般的である。このようにするとインバージョンの出力は、各関心位
置毎に1組6つまでの反射率トレースになる。二次元または三次元の重大な反射
体傾斜(ディップ(dip))を斟酌する一般的な地球モデルの場合には、層状モデ
ルの概念が非層状構造を有するモデルに一般化される。
典型的には目標及び較正の両位置におけるインバージョンの結果は、反射ファ
クタの比によって比較される。例えば、密度反射ファクタとP波速度反射ファク
タとの比Rdn/Rvpを、目標位置及び較正位置の両位置において(較正位置にお
ける実際の地下の岩質及び流体内容の知識と共に)比較し、目標位置における地
下の岩質及び流体内容に関する有用な情報を生成することができる。有用である
他の比は、限定するものではないが、Rvp/vs/Rzp及びRzs/Rvpを含む。
どのような特定状況でも、比較される関連比(1または複数)の選択は、期待
される炭化水素シグニチャ(signature)の理解に依存する。多くの状況におい
ては、関心炭化水素シグニチャは、ねじれ波、即ちS波速度コントラストを含ま
ない。この場合、密度反射ファクタRdnは、S波インピーダンス反射ファクタRzs
と等価である。これは式(7)のZs(L)及びZs(U)をそれぞれZs(L)=
ρ(L)Vs(L)及びZs(U)=ρ(L)Vs(U)とおくことによって示される。
次いで、Vs(L)=Vs(U)(即ち、S波速度コントラストが含まれていない)
とすれば、式(7b)は、
に簡略化される。以上のように、ねじれ波、即ちS波速度コントラストが含まれ
ていない場合は、密度反射ファクタはS波インピーダンスの変化から決定するこ
とができる。若干の環境の下では、S波インピーダンスの変化は、密度の変化よ
りも容易に地震データから抽出することができる。
本発明においてはインバージョン出力の比を使用しているが、これは新規且つ
重要なことである。それらを予測するような手法でインバージョン出力を比較す
ることができるので、このアイディアは重要である。比を使用することによって
地震データのスケーリング(源の強さの差、または較正位置と目標位置との間の
伝送効果のために必要である)への依存性が除去できることから、これらの比の
予測値の一部を用いるのである。更に、これらの比の平均値及び分散は、累積す
るデータベースに直接貢献する。このデータベースは、地質環境に関して適当に
補正した後に、較正及び予測の表として利用することができる。このデータベー
スは、適当な較正坑井が利用できないような状況において、岩質及び流体内容の
予測に使用することができる。
歴史的に、プリスタックインバージョン技術(scheme)は、それらが予測表示
能力を有していないことから炭化水素探査には殆ど成功していなかった。これに
はいろいろな理由がある。例えば、従来のインバージョン技術は典型的に、地震
データの振幅及び走時に影響を与える全ての重要なファクタを十分に考慮してい
なかった。更に、これらの従来のインバージョン技術は、典型的に、本発明に使
用されているインバージョン技術よりも目的が明確でないインバージョン手順を
使用しており、インバージョン結果を適切に正規化することができなかった。
これらの問題は(少なくとも有利な条件の下で)本発明によって解消され、本
方法は、天然ガス及び多分油飽和率を直接予測するためには地震データのプリス
タックインバージョンをどのように使用するかを明確に示している。有利な条件
には、
1.目標位置における有用な反射角またはオフセットの範囲が広いこと、
2.多重反射からの干渉が少ないこと、
3.目標へ入射する地震信号の強さの横方向変化が小さいこと、
4.震源と受振器との結合の変化が小さいこと、
5.震源、関心反射点、及び検出器間の反射体傾斜が少ないこと、
6.有用周波数内容(即ち、高い信号対雑音比)の範囲が広いこと、
7.オフセット及び中間点ドメインにおける空間サンプリングが良好であるこ
と、
8.較正位置及び目標位置における岩質特性が一致していること、及び
9.目標の厚みが十分であること、
が含まれる。
炭化水素の探査に有用なスケールで地下速度及び密度の変化を分解するために
は、地震データは十分な時間的情報を含まなければならないので、有用信号周波
数の範囲が広いことが重要である。地震分解能は、2つの特色を弁別する能力と
して定義される。
本発明の方法は、広い意味で3つの段階(もしくは、相)、即ち、前処理段階
、プリスタックインバージョン段階、及び較正・解釈段階を有するものと考える
ことができる。本発明のプリスタックインバージョン段階は、オフセット・時間
(x−t)ドメイン、または遅さ・遮り(slowness-intercept)時間(p−τ)
ドメインにおいて遂行することが好ましいが、もし望むならば他のどのようなド
メインを使用しても差し支えない。当分野では公知のように、それが適用可能で
あれば、p−τドメインにおける処理は若干の計算上の有利さを有している。概
述すればp−τインバージョンは1Dモデリング(即ち、面平行層の地球モデル)
を適用できる低傾斜(即ち約10°より少ない傾斜)の場合に適用可能である。以
下の説明は、このような場合(以下に、好ましい実施例という)を中心に進める
こととし、他の実施例(例えば、x−tドメインにおけるインバージョン、及び
高傾斜の構造地質状況への拡大)に関しては必要に応じて説明する。
概述すれば、目標及びその表土の地質構造の性質によって必要な地震データの
型及びインバージョン方法が選択される。2D地下構造を分析するには単一傾斜
線(2D)を使用することができる。複雑な3D地下構造には3D地震調査が必
要である。調査に使用されるイン・ライン及びクロス・ライン間隔が、インバー
ジョンプロセスから得ることができる分解能を制限する。
高傾斜の場合には膨大な計算が必要であるために、本願出願日現在、本発明が
成功を見た応用は、好ましい実施例(低傾斜及びp−τドメインにおけるインバ
ージョン)に限定されていた。更に、本発明のこれらの成功を見た応用は、概ね
沖合の位置を含んでいた(通常、海洋地震データは陸上データよりも質が高い)。
それでも本発明は陸上位置、及びより複雑な実施例にも等しく適用可能である。
多成分地震測定を使用することにより、本発明はモード変換反射体を含むように
延長することができる。例えば、陸上応用において、本発明はS波地震源並びに
P波地震源を使用して集めた地震データを使用することができる。よりパワフル
なコンピュータが利用可能になるにつれて、当業者は、本発明の説明に基づいて
本発明を陸上データに、及びより複雑な実施例に成功裏に適用できるようになろ
う。従って、以下の説明は特定の実施例、または特定の用途に特定されてはいる
が、これは単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の好ましい実施例の概要を示す流れ図である。前処理段階(参
照番号100)は、典型的には2つの異なる型の入力、即ち、較正位置における
坑井孔測定Vp、Vs、及びρ(参照番号102)と、目標及び較正の両位置の2
Dまたは3Dプリスタック地震反射データ(参照番号110)の測定とを必要と
し、3つの出力、即ち、目標及び較正の両位置の最終プリスタック時間または深
さを移動させた(migrated)地震データ(参照番号142)、目標及び較正の両
位置の直角ムーブアウト(normal moveout)速度モデル(参照番号144)、及
び較正位置における編集され、修正された坑井孔測定(参照番号146)を生成
する。移動された地震データ及びムーブアウト速度モデルはp−τ変換(参照番
号150)への入力として使用され、変換されたデータは本発明のプリスタック
インバージョン段階(参照番号200)への入力である。編集され、修正された
坑井孔測定及びプリスタックインバージョンの結果は、較正・解釈段階(参照番
号300)において使用される。このプロセスの結果が、目標位置における岩質
及び流体内容の予測である(参照番号400)。
当業者ならば、本発明が計算的に強化されていることは容易に理解されよう。
従って、コンピュータ、好ましくは高速ディジタルコンピュータを使用して本発
明を実行することが事実上必要である。本発明のさまざまな部分(例えば、プリ
スタック時間または深さマイグレーション(migration)、またはp−τ変換)
のためのコンピュータソフトウェアは市販されている。当業者ならば、本発明の
他の部分のためのコンピュータソフトウェアは本明細書から容易に開発すること
が可能であろう。
前処理段階
前処理段階の主目的は、プリスタックインバージョン段階のために地震反射デ
ータを準備すること、及び、可能な限り十分に、較正・解釈段階において使用す
る較正サイトにおける地下の実際の岩質及び流体内容を決定することである。前
処理段階の好ましい実施例の流れ図を、図2に示す。上述したように、典型的に
は2つの異なる型の入力測定、即ち、較正位置におけるVp、Vs、及びρの坑井
孔測定(参照番号102)、及び目標及び較正の両位置の2Dまたは3D地震反
射データ(参照番号110)が必要である。
先ず較正位置における坑井孔測定を考える。これらの測定は、較正位置におけ
る地震反射データの分析のための十分な基礎を提供しなければならず、また期待
される炭化水素シグニチャを理解するための基礎を提供しなければならない。典
型的な坑井測定は、多数の坑井検層ツール(well-logging tool)によって集め
られた情報からなる。検層図解釈に精通する人はこれらの情報を使用して、使用
された検層ツールに適切な間隔でP波速度及び密度の信頼できる推定を入手する
。これらの間隔は、検層される深さ間隔に沿って半フィートのように小さくする
ことができる。検層測定を確認または修正するために、岩石コアサンプルを使用
することができる。坑井測定に1Dモデリング(即ち、面平行層の地球モデル)
を適用するためには、坑井測定が、炭化水素を含む深さ位置だけではなく、関心
ゾーン上の深さ間隔をもカバーする必要がある。多くの状況においては、これは
数千フィートにわたって坑井孔を検層しなければならないことを意味している。
坑井孔測定に基づく期待される地震応答のモデリング、及びその坑井位置にお
ける実際の地震反射データとの比較は、以下に詳細を説明するように、P波質フ
ァクタの決定を援助することができる。垂直地震断面(VSP)を使用するよう
な他のP波質ファクタの決定方法が当分野においては公知である。概述すれば、
VSPは、地表またはその付近で地震源を作動させた時、坑井孔内に配置された
複数の検出器(通常は、ハイドロホン)によって記録された1組の地震トレース
である。これらのトレースを公知技術を使用して分析し、震源から検出器までの
P波走時及びP波質ファクタの両者を決定することができる。
若干の状況においては、坑井孔測定は、S波速度を直接推定できる検層ツール
を用いて行われる。もしS波速度を坑井測定から直接入手できなければ、泥岩(
mudrock)関係を使用してP波速度から十分な精度でS波速度を推定できること
が多い。Castagna et al.,“Relationship between compressional-wave and s
hear-wave velocities in clastic silicate rocks,”Geophysics,v.50,pp.5
71-581,1985を参照されたい。
多くの場合、速度調査(参照番号104)は較正坑井においても遂行すること
が可能であった。速度調査(「チェックショット調査(check shot survey)」
とも呼ばれる)は、地震源が坑井孔の付近に配置され、従ってほぼ直角のレイ(
ray)経路が達成されるような地震断面の型である。坑井孔の全長に沿った数十
乃至数百の深さ位置における第1のブレークトランシット時間が記録される。速
度調査から得られた情報は坑井孔測定を検証するのに、またはもし必要ならば、
修正するのに使用することができる。
当分野においては公知のように、坑井孔測定は、これらの測定を実際の地下特
性に有用に関連付けることができるようにする前に、正しく評価されなければな
らない。坑井記録編集及び修正手順(参照番号106)は、十分に確立されてい
る。音響検層走時(sonic log transit time)は、坑井孔洗浄またはガス効果に
よってもたらされるサイクルスキッピング(cycle skipping)のために、または
穿孔流体の侵食効果のために、不正確であるかも知れない。音響走時の坑井孔測
定は、適切な状態の下では、ガスマンの式(Gassmann,“Elastic wavesthrough
a packing of spheres,”Geophysics,v.16,pp.673-685,1951、及びその中
に記載されているガスマンの従来の作業を参照されたい)を適用することによっ
て、及び速度調査及び/または垂直地震断面(VSP)測定を使用することによ
って、修正することができる。密度の坑井孔測定は通常は泥侵食の影響に対して
修正され、また坑井孔洗浄(borehole washout)に起因する誤差に対して編集し
なければならない。もし集められれば側壁コアサンプルを使用して坑井孔測定を
、及び地層特性とのそれらの関係を、確認することができる。
本発明の好ましい実施例に必要な第2の型の入力測定は、2Dまたは3D地震
反射データ(参照番号110)である。データは、目標及び較正の両位置上の必
要角度依存情報を伝達する有用な反射を含んでいなければならない。このデータ
は前述した有利な条件にできる限り近く適合すべきである。最小波長の少なくと
も1/4の厚みまでないか、または均一性に欠ける貯留層/目標は分解することが
困難であるので、貯留層/目標の厚み及び横方向の均一性は重要な地質ファクタ
である。
地震反射データは、単一の地震反射断面ライン(2Dデータ)、または通常は
規則的な格子上の幾つかの断面ライン(3Dデータ)からなることができる。各
地震反射断面ラインは、多分数百の、または数千にも達する地震エネルギを生成
する(例えば、エアガン爆発のアレイによって)位置からなる。各震源アレイ爆
轟は、機械波(圧縮波、即ちP波、及びねじれ波、即ちS波)を発生し、これら
は地球内へ伝播される。各源爆轟から送信され、反射された地震エネルギは、多
分数百の、または数千にも達する検出器デバイス(例えば、1またはそれ以上の
方向の局所的地震速度を記録する受振器(ジオホン)、または静水圧の局所的変
化を記録するハイドロホン)によって記録される。殆どの場合、源爆轟は、「爆
破点間隔」と呼ばれる断面ラインに沿う、またはその付近の固定間隔において発
生される。源爆轟に伴う地震エネルギは、典型的には断面ラインに沿う、または
その付近の、震源に対してほぼ固定された間隔に位置定めされた検出器のアレイ
によって記録される。通常、検出器は数百フィート乃至数万フィートの範囲の爆
破点・検出器位置に位置定めされている。
各関心反射点毎の、記録される最大爆破点・検出器オフセットが反射体深さを
大幅に超えるようにして、データが必要な角度依存情報を含むようにすべきであ
る。例えば、目標位置が約1万フィートの深さである場合は、2万フィートまで
、またはそれ以上の最大爆破点・検出器オフセットが有用である。特定の状況に
有用な記録されるオフセットの正確な範囲は、P波速度及びデータ内に存在する
雑音に依存する。一般的にいえば、(関心目標の深さにおいて達成することは難
しいが)60°までの反射角が望ましい。均一な地震速度を有する媒質では60°の
反射角を得るには、反射体の深さのほぼ3.5倍のオフセットが必要である。地震
速度は、典型的には深さと共に増加するが(深さは、60°の反射角に必要な最大
オフセットを減少させる)、それでも、特に深い目標の場合にはこれらの大きい
反射角を達成することは困難である。
プリスタック時間または深さマイグレーション(参照番号122)、及び速度
モデルの横方向平滑化(参照番号116、118、120)に共通するアーチフ
ァクト(artifact)は、「エッジ効果」である。関心領域内のデータに影響する
すエッジ効果を減少させるために、地震データを典型的に大きい領域から収集し
、処理する。付加的なデータ(「データマージン」と呼ばれる)は、通常は最大
爆
破点・検出器オフセットの0.5乃至1倍である。例えば、ほぼ12,500フィートの
2D地震断面ラインに本発明を適用する場合、記録されたデータの各側に付加的
な12,300フィート、合計37,100フィートに前処理段階が適用される。これはほぼ
20,000フィートの最大オフセットの約0.6倍のデータマージンに対応する。
地震データを操作する際に数学的処理が屡々適用されるが、これはデータ記録
プロセスに使用される最大空間間隔を制限する。一般に「エイリアシング」と呼
ばれるこれらの課題は当分野においては公知であり、本発明においては、空間サ
ンプリング条件がデータ記録手順によって満たされているか、または、もし空間
サンプリング条件が完全に満足されていなければ、記録されたデータの有用な補
間を遂行してこれらの空間サンプリング条件を充填する十分な情報が存在してい
るの何れかであるとしている。
典型的には、地震反射データは、種々の望ましくない雑音を含んでいる。参照
番号112に示すように、これらの雑音を除去及び/または修正するためにデー
タを編集すべきである。地震記録内の雑音の発生及び抑圧は、当分野においては
公知である。
陸上または海中の何れかのデータの場合には、断面の(1または複数の)ライ
ンに沿う(またはラインの間の)地震媒質への震源及び/または受振器の結合の
変化が、プリスタック時間または深さマイグレーション及びp−τ変換に重大な
問題をもたらす。従って、本発明の前処理段階は、以下のような震源及び/また
は受振器結合修正手順(参照番号114)を含むことが好ましい。
1.各震源位置毎に、多分関心目標反射体付近の時間窓内で、全ての検出器記
録の平均絶対振幅、またはRMS(二乗平均平方根)振幅を計算し、
2.調査中の各検出器チャネル(即ち、固定した爆破点・検出器距離)毎に、
この場合も関心反射体付近の時間窓内で、平均絶対振幅、またはRMS振幅を計
算し、
3.これらの平均の急速な組織的変化が、震源結合の変化または受振器結合の
変化に由来する(検出器の平均が震源結合の変化を表し、震源の平均が検出器結
合の変化を表す)ものとし、
4.観測された変化を(できる限り完全に)除去するために補償用スケーリン
グファクタを適用する(大き過ぎる補償を必要とする源または検出器を排除する
ことができ、失われるデータは補間によって供給する)。
平均を計算する前に、幾何学的発散修正を適用することができる。公知のように
幾何学的発散修正とは、走行した距離の増加に伴う反射振幅の予測される減少に
ついて、記録された地震データを補償するような修正のことである。
好ましい実施例の次の段階は、データの初期直角ムーブアウト速度分析(参照
番号116)である。低傾斜(即ち、約10°より小さい)領域においては、また
小さいオフセットでの全ての傾斜の場合には、地震反射データは公知の直角ムー
ブアウト方程式に精密に従う反射時間対オフセットのパターンを表す。この方程
式は、直角ムーブアウト速度Vnmoとして知られる速度を定義する。この直角ム
ーブアウト速度は地震データ処理に重要な役割を果たす。直角ムーブアウト速度
は、(得られた値が坑井測定のRMSにかなり一致することが期待されるが)地
震データ自体から推定される。低傾斜の領域では、直角ムーブアウト速度は、実
際のP波速度の連続RMS(区間速度と呼ぶ)にほぼ対応する。プリスタック地
震反射データから直角ムーブアウト速度を推定することは当分野においては公知
である。好ましい実施例では、直角ムーブアウト速度が、(1または複数の)関
心反射事象と地表震源/検出システムとの間の主要一次反射の受入れ可能なスタ
ックを発生するのに十分な精度で推定されているものとしている。関心反射事象
より実質的に下の反射事象は無視することができる。
直角ムーブアウト速度分析(参照番号116)は、通常はデータの一部だけ(
例えば、典型的なデータ取得パラメーターのための全20中間点位置の中の1つ
)について遂行される。このプロセスから得られた情報は、関心地震断面ライン
(1または複数)を横切るVnmoのモデルを発生するために使用される(参照番
号118)。次いで、当分野においては公知のように、2Dまたは3Dにおける
補間手順を使用して地下の全ての関心位置におけるVnmoの推定を生成する。
プリスタック時間または深さマイグレーションを実際に遂行する前にマイグレ
ーション速度モデルを生成しなければならない(参照番号120)。プリスタッ
ク時間または深さマイグレーション手順には、伝播効果に適切な距離スケールで
の地下P波速度の知識が必要である。この近似速度は、バックグラウンドまたは
マイグレーション速度Vmigと呼ばれる。概念的には、Vmigは、実際のP波速度
の平滑化バージョン(通常、区間速度Vintと呼ばれる)である。この平滑化は
、各方向に数百フィート(例えば、500フィート)の距離にわたる平均化プロセ
スである。実際には、実際の地下速度Vintが知られることはなく、通常それは
、時間マイグレーションが適切である場合にVnmoモデルから近似させなければ
ならない。通常の手順は、VnmoモデルがVintのRMS連続平均であると仮定す
ることである。これはディックス(Dix)近似として知られている。原理的にマ
イグレーション速度モデルは、ディックスによって導出された公式を使用してム
ーブアウト速度から直接求めることができる。しかしながら、ディックス速度DDix
と呼ばれる結果が、Vnmo内の誤差の拡大に起因する好ましくない大きい変化
を含むことが極めて多い。
時間マイグレーションの好ましい方法は、初期Vnmoモデルの横方向平均を使
用し、次いで、格子になっている若干の位置においてだけ(普通は、2ウェイ走
時の0.200秒おき)横方向に平均されたVnmoモデルと一致するように設計された
Vmigを適当に平滑する(そして横方向に一定に)。換言すれば、VmigのRMS
連続平均は、ほぼ0.200秒おきの格子状になっている位置のVnmoの横方向平均と
ほぼ一致するだけである。レイ・トレーシング方法を使用することによって、こ
の配列を強化することが好ましい。
深さマイグレーションが要求される場合は、マイグレーション速度モデルは、
1またはそれ以上の断面ラインの使用に依存して(垂直変化に加えて)1または
2方向に横方向に変化する。関心目標位置を適当にイメージするマイグレーショ
ン速度モデルを得るには、フルブロウン(full blown)プリスタックレイ・トレ
ーシングが必要である。2D(即ち、1断面ライン)では、科学ワークステーシ
ョン上で動作する市販のソフトウェア製品(例えば、Paradigm Geophysical Cor
porationから市販されているGeodepth)がこの目的のために有用である。マイグ
レーション速度分析から直接推定されるマイグレーション速度モデルは、好まし
くない変化を含むらしい。大きい横方向変化を除去するために横方向平滑を適用
すると、滑らかで地質学的により尤もらしいモデルが得られる。
当分野では公知のように、典型的に地震反射データは、マイグレーションとし
て知られるプロセスによって修正しなければならない。2つの型のマイグレーシ
ョン、即ち時間マイグレーション及び深さマイグレーションを使用することがで
きる。時間マイグレーションは、P波速度の横方向変化を無視できる場合に有効
な波動方程式に基づく地震処理手順である。P波速度の横方向変化が無視できな
い場合、同一手順のより正確な(従って、より困難且つより高価な)バージョン
を、深さマイグレーションという。地震マイグレーションの検討、及び異なるマ
イグレーション手順の詳細に関しては、例えばYilmaz,O.,Seismic Data Proce
ssing,Chapter 4,pp.241-353,published by the Society of Exploration G
eophysicists,Tulsa,Oklahoma,1987を参照されたい。概念的にはマイグレー
ションプロセスは、データを、記録された空間位置から、反射を実際に発した位
置まで移動させる。
本発明の好ましい実施例では、少なくとも2つの目的、即ち回折双曲線の除去
と、傾斜反射体の正確な位置定めとのために、プリスタック時間または深さマイ
グレーション(参照番号122)を使用する。当分野において公知のように、プ
リスタック時間または深さマイグレーションは、回折双曲線を点反射へ戻すよう
に収縮させることによってそれらを抑制する。また傾斜が0ではない場合には、
共通中央表面点集合は、ある範囲の反射点からのデータ(「反射点スミア(refl
ection-point smear)」と呼ばれる)を含む。スミアの程度は反射体の傾斜と共
に増加する。プリスタック時間または深さマイグレーションは、データを真の共
通反射点集合に分類するのに使用することができる。公知のどのマイグレーショ
ン方法(例えば、キルヒホッフマイグレーション、傾斜ムーブアウトとそれに続
く0オフセットマイグレーション、等)も使用することができる。
プリスタックインバージョンプロセスの成否は、プリスタック時間または深さ
マイグレーションによる地震反射振幅の適切な処理に臨界的に依存する。詳述す
れば、プリスタック時間または深さマイグレーションプロセスは、反射振幅を、
反射角、及び源・反射点距離及び反射点・検出器距離に正確に依存させなければ
ならない。プリスタックマイグレーションプロセスが反射振幅を適切に処理して
いることを検証する較正試験は、限定するものではないが、
1.マイグレーション修正を必要としない場合、反射振幅が保存されているこ
とを確認するために、層状弾性モデルを使用して生成した合成データのマイグレ
ーション。密度だけの小さい変化を用いた音響モデルのマイグレーションは、反
射係数が角度に無関係であるので、有用な試験である。
2.反射点スミアの修正を試験するために、単一の傾斜界面で生成した合成デ
ータのマイグレーション。
3.回折のマイグレーションを評価し、且つ振幅情報の改善を検証するための
実際の地震データのマイグレーション。
を含む。当分野においては、振幅保存(または一貫性)マイグレーションプロセ
スが必要であることは公知である。その理論は、例えば、Beylkin,G.,“Imagi
ng of descontinuities in the inverse scattering problem by inversion of
a causal generalized Radon transform,”J.Math.Phys.,v.2s,pp.99-108
,1985に数学的にかなり詳細に示されている。
地質構造のより一般的な状況(高い反射体傾斜及び重大な横方向速度の変化を
考慮に入れる)まで本発明を拡張する場合、層状地球モデル及びp−τドメイン
におけるインバージョンを使用することは正しくない。この状況では、地震デー
タは、任意の地球構造を考えたより一般波動方程式モデルを使用してインバージ
ョンされる。従って、この場合には、データと層状地球モデルとの間の一貫性を
改善するための予備的な時間または深さマイグレーション(参照番号122)は
必要ではない。一般波動方程式モデルのためのインバージョンプロセスは、それ
自体の「ビルト・イン」深さマイグレーションを含むものと見ることができる。
時間マイクルーションプロセスはマイグレーション速度誤差に対して感受性が
低いので、プリスタック深さマイグレーションよりはプリスタック時間マイグレ
ーションの方(適用可能ならば)が好ましい。時間マイグレーション手順の場合
は、プリスタック速度Vnmoの横方向平均で十分である。前処理段階、またはイ
ンバージョンプロセス自体の一部の何れかとして使用される深さマイグレーショ
ンは、バックグラウンドP波速度Vnigの選択に極めて感じ易い。
時間または深さマイグレーションの出力は、(i)時間マイグレーションの場合
は、垂直到着時間へ移動されたプリスタック地震データ、または(ii)深さマイグ
レーションの場合は、その深さ位置へ移動されたプリスタック地震データの何れ
かである。何れも、これらの結果はマイグレーション速度モデルに依存する。一
般にマイグレーション速度モデルは完全に修正されることはなく、これは、異な
るオフセットから(理論的に)同一の共通深さ点集合まで移動された反射事象の
0オフセット時間または深さ位置が少なくとも小さい不一致を呈すること自体か
ら証明される。このような移動されたデータを「残差」ムーブアウトを表すとい
う。この問題は、Vmigに適切な逆ムーブアウト修正を適用する(参照番号12
4)ことによって修正される。その結果が、直角双曲線ムーブアウトを(少なく
とも近似的に)表すプリスタック地震データである。横方向速度変化が小さく、
時間マイグレーションが適切であるような状況では、逆ムーブアウト修正は公知
の直角ムーブアウト方程式
ここに、t(x)は爆破点・検出器点オフセットxにおける2ウェイ反射時間であ
り、t0は0オフセット反射時間であり、Vnmoはマイグレーションプロセスに使
用されるVmigから求めた直角ムーブアウト速度である(換言すれば、VnmoはVmig
のRMS連続平均である)。
横方向速度変化が大きく、深さマイグレーションを必要とする場合には、逆ム
ーブアウト修正にはレイ・トレーシングのインバージョンが必要である。レイ・
トレーシングは、全ての震源・受振器対毎の到着時間と反射点(深さ)との間の
マップを発生する。レイ・トレーシングマッピングのインバージョンは、深さと
到着時間との間のマップに対応する。
逆ムーブアウト修正が施されたプリスタック時間または深さ移動されたデータ
は、通常は(少なくとも近似的に)直角一次反射事象に関連する双曲線ムーブア
ウトを含む。マイグレーションプロセス(参照番号122)は、一般的には、も
し反射体が傾斜していれば反射ジオメトリを変更し、回折雑音を収縮させること
によって一次反射の連続性を改善する。事後マイグレーションVnmo分析(参照
番号126)によって新しい、且つより良好なVnmoモデルが得られ、このモデ
ルは移動されたプリスタック地震データをムーブアウト修正するのに使用するこ
とができる。これらの段階を遂行するのに使用される手順は、初期Vnmo分析(
番号116及び118に関して説明済み)に使用した手順と同一である。
当分野では公知のように、ムーブアウト修正されたデータにミュート(mute)
・スタック手順(参照番号128)を適用すべきである。ミュート・スタック動
作の結果は直角入射パルス推定(参照番号130)に使用される。地震画像の質
は、修正された坑井測定(「合成地震記録」、または単に「合成」として知られ
ている)を使用した数学的計算と、実際のスタックされた地震データとを比較す
ることによって(少なくとも部分的に)判定されることが多い。これらの合成を
開発する手順(参照番号132)は、典型的には一次P波・P波反射の1D直角
入射モデリングである。合成は、P波速度及び密度の修正された坑井測定(参照
番号106)と、推定された直角入射地震パルス(地震ウェーブレットとも呼ば
れる)とを使用して行われる。この、及び他のウェーブレット推定手順は公知で
ある。
参照番号134において、プリスタック移動され、スタックされた断面図(se
ction)の質が、
1.スタックと、坑井位置における坑井合成との比較、
2.スタックからの回折事象の除去、
3.垂直及び横方向分解能の改善。
を含む複数の課題について判定される。本発明の前処理段階の成否はデータに強
く依存し、経験の問題である。もし最終スタックが十分に良好であると判定され
れば、本発明の前処理段階(参照番号100)は完了する。もし最終スタックが
十分良好でなければ、付加的な雑音抑制(参照番号136)を必要とする(例え
ば、多重反射を前処理のこの段階における1つの問題として見ることができる)
か、以下に述べるようにVnmo及びVmig速度モデルを調整する(それぞれ、参照
番号138及び140)ことができる。
初期または事後マイグレーションVnmoモデルの更新は、回折事象のマイグレ
ーション不足、または過マイグレーションに対処するのに使用できる。速度調整
は、面外(out-of-plane)反射事象(2Dの場合だけ)の対処にも使用すること
ができる。速度更新は極めてデータ依存的である。しかしながら、プリスタック
時間及び深さマイグレーション手順の質を改善するために行われる速度調整は、
地震データ処理の分野においては公知である。
Vnmoモデルに対してなされる調整は、プリスタック時間または深さマイグレ
ーション(参照番号122)における別のパスの前に、Vmigモデルを更新また
は修正する(参照番号140)のに使用される。このマイグレーションプロセス
は、元の(移動されていない)プリスタック地震データから開始される新しい速
度モデルで繰り返される(多分、付加的な雑音抑制を伴う)。
前述したように、本発明の前処理段階からは、プリスタック時間または深さ移
動された地震データ(参照番号142)、ムーブアウト速度モデル(参照番号1
44)、及び較正坑井における編集された、または修正された坑井孔測定(参照
番号146)の3つが出力される。
p−τ変換
本発明の好ましい実施例は、1Dモデリング及びp−τドメインにおけるイン
バージョンを適用できる低傾斜の場合である。従って好ましい実施例の場合には
、前処理段階の後に、時間・オフセット(x−t)ドメインからのプリスタック
移動され、逆ムーブアウト修正された地震データを、遅さ・遮り時間(p−τ)
ドメインへ変換する(図1の参照番号150)。本発明の代替実施例では、以下
に詳細に説明するように、レイ・トレーシングを使用するx−tドメインにおい
てインバージョンを適用することができる。
p−τ変換は各共通深さ点(CDP)集合毎に遂行される。従って、x−tに
おけるCDP集合は、p−τにおけるCDP集合に変換される。図3は、p−τ
変換及び傾斜スタック区間速度分析のためのデータ処理段階の一実施例を示す流
れ図である。このプロセスへの入力は以下のものである。
1.時間または深さマイグレーション、及び逆ムーブアウト修正の後のx−t
におけるプリスタック地震データ(参照番号142)、
2.Vnmoモデル(参照番号144)。
変換プロセスへの地震データ入力は、上述した前処理段階から得られた「真の
振幅」(即ち、幾何学的発散に対する修正がなされていない)地震反射データか
らなる。変転手順は、最終的には、このデータの反射振幅と、3D粘弾性波動方
程式(平面平行層に特殊化された)によってなされた予測とを比較する。入力デ
ータに幾何学的発散修正を適用すると、本発明に使用されているp−τ変換が幾
何学的発散に対する修正を自動的に達成するので、劇的に悪い結果を発生するこ
とになる。
好ましい実施例は低傾斜の場合であるから、時間または深さマイグレーション
手順からのデータ出力は共通中央表面点ビンに分類される(参照番号152)。
この段階は高傾斜の場合には遂行されない。高傾斜の場合、データは爆破順に処
理される。共通中央表面点ビンへの分類は、同一矩形領域に入る中間点位置Y=
(Yx,Yy)を共通データ集合内へ配置する。ここにYx及びYyは、
によって定義される。但しS=(Sx,Sy)は源の水平位置ベクトルであり、P
=(Px,Py)は検出器の水平位置ベクトルである。このビンニング(binning
)手順はビン寸法を限定することを含む。例えば、単一の2D断面ラインの場合
20.5フィートのビン(bin)寸法が使用されている。これらの手順は、当分野に
おいては公知である。
2D地震データを用いる場合には、Sy及びPyは0にすべきである。しかしな
がら、公知のように、もし震源または検出器の何れかが正確に断面ラインに沿っ
て配置されていなければ、Sy及びPyの値を0でなくすることができる。例えば
、海中地震予測では、受振器ケーブルは横流のために断面ラインから離れて押し
流され得る(「ケーブルフェザリング」として知られている)。ケーブルフェザ
リング及び他の類似問題の修正法は公知である。
参照番号154において、中間点分類から、それらの反射点が較正位置及び関
心目標位置をカバーしている中間点集合を選択する。前述したように、区間速度
平滑における「エッジ」効果を最小にするために、選択されたデータは関心領域
外へ広がっているべきである。各関心位置毎に100乃至1000の集合を選択するこ
とが多い。
正確に言えば、1Dモデルは、全ての中間点集合を完全に同一にすべきである
ことを暗示している。当業者ならば理解できるように、全ての実際のデータはあ
る程度この仮定を破ってている。しかしながら、重要な実際的な関心事について
は、多くの場合、中間点集合をほぼ100フィートの距離にわたって有用に組合せ
ることができる。中間点集合を適切に混合する(参照番号156)利点は、
1.混合によって1Dモデルとの一致が改善される。
2.殆どのデータ収集ジオメトリの場合、集合を混合すると共通中間点集合内
のオフセットの空間サンプリングが改善される。任意の中間点集合内に含まれる
オフセットの正確な配列は、爆破点間隔に依存し、検出器間隔に依存する。空間
サンプリングはp−τ変換にとって重要な問題である。
3.混合によって地下の所与の位置を分析するのに使用されるトレースの数が
増加するので、ランダム雑音を減少させることができる。
である。説明中の混合プロセスは、ローリング(rolling)混合と呼ばれるもの
である。これは、周囲中間点集合からのデータが各入力中間点位置に割当てられ
ることを暗示している。公知のように、この手順では、(データが大きい中間点
間隔でビンされる場合のように)どの中間点位置も排除されることはない。
多くの場合、混合された中間点集合であっても、p−τ変換によって要求され
るオフセットドメイン内の空間サンプリングに対する要求を満たさない。この問
題点は、補間(参照番号158)を遂行することによって解消される。これは、
前処理段階から得られたVnmoモデル(参照番号144)を使用して実際の記録
されたオフセットトレースの間に補間されたトレースを配置する。これらの手順
は地震データ処理の分野では公知である。
実際のp−τ変換(参照番号160)は、中間点集合データのテーパー付けバ
ージョンに適用される。記録された最大オフセット位置の後に記録される振幅は
急激に0に低下するので、このテーパーが必要なのである。テーパーは、最大オ
フセットにおける入力データが滑らかに0まで降下するように適用される。テー
パーを適用しないと、変換された結果に望ましくない「険しいエッジ」効果が現
れる恐れがある。テーパーは、最大オフセット値の指定された割合(通常は80%
)から始まって最大オフセットにおいて0に到達するように、オフセットした入
力データを0までロールダウンさせるように設計される。このテーパリング動作
の効果は、初期オフセット範囲の極く一部(約5%以下)だけが実際に失われる
ように、インバージョンプロセス内に組み入れられる。
好ましい実施例に適用される変換は、周波数ドメインにおいて実施される「放
射状の、離散した、1ウェイ波、傾斜スタック変換」として知られている。この
変換の理論に関しては、Beylkin,G.,Discrete Radon Transform,IEEE Transa
ctions on Acoustics,Speech,and Signal Processing,v.35,pp.162-172,
1987に記載されており、またこの型の変換を遂行することができるコンピュータ
ソフトウェアが市販されている(例えば、Advance Geophysical Corp.から市販
されているProMax)。変換されたデータは粘弾性波動方程式の平面波バージョン
に従う。平面波動方程式上で遂行されるモデリング及びインバージョン計算は、
対応するオフセットドメイン方程式よりも簡易である。例えば、平面平行層につ
いてのP波区間速度の推定は、以下に詳細説明するように、このドメインの特別
な特性を活用する層ストリッピング手順によって達成することができる。p−τ
変換からの共通中間点集合出力(参照番号162)は、本発明のプリスタックイン
バージョン段階、及び区間速度推定プロセス(参照番号164、166、168
、170、及び172)への入力として使用される。
本発明のプリスタックインバージョン段階は、一次反射をできる限り「平らに
する」P波区間速度モデルの知識が必要である。処理シーケンスのこの段階まで
は、Vnmoモデル及び近似Vintモデル(プリスタック時間または深さマイグレー
ションのために使用される)だけが必要である。粘弾性インバージョンを成功さ
せるには、(一次反射を平らにする程度として測定した)精度が5%よりも良好
なVintモデルが必要である。記録されたオフセットまたは反射角の最大範囲(
殆どの好都合な場合は約50°まで)を使用するには、極めて正確な速度推定を必
要とすることは明白である。この程度の精密さの速度推定を得るには、通常は前
処理段階(上述)及びp−τ変換に続いて、速度推定に付加的な努力を払う必要
がある。本発明に使用されている方法は(以下に詳細を説明するように)新
規ではないが、p−τドメインにおける層準をベースとする区間速度推定を、可
能な限り高い精度を達成するように洗練させたものである。
当分野では公知のように、x−tドメインにおけるCDP集合上の双曲線は、
対応するp−τ集合上の楕円上に写像される。例えば、Yilmaz,O.,Seismic Da
ta Processing,Chapter 7,pp.428-453,published by the Society of Explo
ration Geophysicists,Tulsa,Oklahoma,1987を参照されたい。従って、平面
平行反射体(即ち、1D層状地球モデル)のレイ経路曲がりを考慮すると、変換
された中間点集合における一次反射は、p−τドメインにおいては「ネストされ
た楕円」ムーブアウトとして現れる。
深い海中では、一般的に第1の可視一次反射体は水底である。第1の反射事象
の場合のx−tドメインの双曲線ムーブアウトは、p−τドメインにおいては楕
円ムーブアウトによって置換される。即ち、
ここに、τ1(p)は遅さpにおける第1の反射体(水底)の一次反射遮り時間であ
り、τ1(0)は0遅さにおける一次反射遮り時間であり、そしてVwは水層のP波
区間速度である。次の反射層準はτ1(p)に対して、以下のような楕円ムーブアウ
ト時間を呈する。
ここに、τ2(p)は遅さpにおける第2の反射体の一次反射遮り時間、τ2(0)は0
遅さにおける第2の反射体の一次反射遮り時間、そしてV2は水底の下の第1の
層のP波区間速度である。このモデルは、層間のP波速度が一定であるとしてい
る。もし可視反射界面間の速度が実際に一定でなけれは、区間速度は層内の区間
速度のRMS平均によって(近似的に)置換される。一般的に言えば、n番目の
反射層準(reflection horizon)は(n−1)番目の反射層準に対して、
に従う楕円ムーブアウトを呈する。
x−tドメインからp−τドメインへの変換(参照番号160)に続いて、変
換されたデータは、
に従ってムーブアウト修正され、ミュート・スタックされる(参照番号164)
。p−τスタックはx−tに酷似しているが、中間点混合及び周波数ドメイン処
理のために微妙な差が見られる。
参照番号166において、p−τスタックを使用して岩質の解釈が行われ(参
照番号164)、主要一次反射層準が同定される。解釈プロセスは、直角入射合
成を使用して(参照番号132)層準同定を検証する。同定された主要一次反射
層準は、上述したp−τドメイン内のデータのムーブアウト特性を活用するSchu
ltz,P.S.,“A method for direct estimation of interval velocities,”Geo
physics,v.47,pp.1657-1671,1982に記載の手順に続いて、P波区間速度を
推定するのに使用される。p−τスタックから選択された一次反射層準は、関心
地下領域内のP波速度構造の主要変化に順応すべきである。前述したように海中
データの第1の反射層準は、通常は水底反射である。次の層準は、通常は(平均
で)約0.100乃至0.200秒よりも接近すべきではなく、通常は約0.250乃至0.500秒
よりは離れていない。反射体傾斜が低い状況では、選択された反射層準は、互い
にほぼ平行である(ほぼ平面平行層状モデルを形成している)。典型的には、P
波区間速度モデルを開発するのに5層乃至7層を使用する。選択された反射層準
は断層境界において急峻なブレークを呈すべきである。選択された層準は、それ
が断層を横切る際にシフトを呈する(実際の岩石構造と一致)。
一次反射層準が選択されると、上記Schultzの論文に記述されている層ストリ
ッピング手順(参照番号168)を使用して区間速度が決定される。層ストリッ
ピング手順は、最浅反射体から最深反射体まで進められる。楕円適合(ellipsef
itting)を使用して表面と第1反射層準との間の区間速度を推定する。第1層の
区間速度を見出した後に、第1層準と第2層準との間のムーブアウト時間に対し
て楕円適合を適用することによって第2層の区間速度が決定される。最良適合楕
円が、第2層の区間速度を決定する。関心最深反射層準上のデータの全ての部分
について区間速度が決定されるまで、このプロセスは継続する。慣習によって、
ある単一の速度(「ベースメント」速度と呼ばれる)を最深反射層準の下の領域
に割当てる。推定された速度に誤差を導入する多重反射を回避する注意を払わな
ければならない。典型的には科学ワークステーションを使用して楕円適合を遂行
し、ムーブアウト修正された結果を迅速に表示させる。
区間速度構造の良好な初期推定が求められると、変換されたデータ内の各中間
点位置において層ストリッピングプロセスを繰り返すことができる。当然、得ら
れた層区間速度の推定は中間点位置間の変化を表しており、これらの変化は実際
の岩石速度の地質変化、及び地震データ内の雑音の両方を反映している。各層内
の推定された区間速度の横方向平滑(参照番号170)により、雑音成分が抑制
される。通常この平滑は数百フィートの横方向距離にわたって遂行されるが、断
層境界を横切って遂行されるべきではない。エッジ効果(最終の平滑されたモデ
ル内の)は、インバージョンを最終的に適用する領域を超えて速度分析を拡張す
ることによって抑制される。最終区間速度モデル(参照番号172)は、各層内
に徐々の横方向変化だけを呈するようにすべきであり、岩質解釈に順応すべきで
あり、坑井位置における坑井戸測定に精密に一致すべきであり、そして上述した
ネストされた楕円規則を使用してムーブアウト修正が遂行された時に平らなムー
ブアウト修正された集合を生成すべきである。修正区間速度モデルによって一次
反射(層状モデルと一致)だけが平らにされる。多重反射及び面外反射(2Dデ
ータにおける)は、平らではないムーブアウトを呈する。もし望むならば、最終
速度モデルはVnmoモデルを構成するのに使用することができる(参照番号17
4)。
最小自乗インバージョン
本発明のプリスタックインバージョン段階(図1の参照番号200)を説明す
る前に、波動伝播モデルの物理的及び数学的詳細、及び最小自乗インバージョン
に使用される数学的方法に関する背景情報を説明しておく。また、本発明におい
て使用される若干の洗練化に関しても説明する。たたみ込みモデル
物理的に言えば、本発明の好ましい実施例は、岩石層間の全ての弾性特性内の
小さいコントラストに関して有効な一次P波反射の波動伝播モデルを使用する。
モデルは更に、地震通過帯域に対応する周波数制限された範囲(即ち、地震源に
よって生成することができ、大きい減衰を受けることなく地球を通過する周波数
の範囲)だけに有効であるように特殊化される。実際には、モデルは5Hzのよ
うなある低めの値より高い周波数にほぼ有効である。上限は調整可能であり、目
標ゾーンにおける最小波長当たり5乃至10層を使用する固定された層厚によって
セットされる。例えば、地震速度が8000フィート/秒であり、最低周波数が100
Hzであるとすれば、最小波長は80フィートである。従って、典型的にはモデル
の目標ゾーンにおける固定された層厚は、8乃至16フィートである。摩擦(減衰
)及び層間多重反射(マルチプル)に起因するエネルギ損失は、P波質ファクタ
によって近似的に斟酌される。この波動伝播モデルは地球物理学の論文によって
「たたみ込みモデル」として公知であり、ファクタの積によってコンパクトに表
すことができる。海中では、前処理されたp−τ集合は、海中エアガンのアレイ
によって生成される地震エネルギに対するハイドロホンのアレイの応答を近似す
る。ハイドロホン及びエアガンは、粘弾性媒体(地中岩石層)上の音響媒質(水
層)内に配置されているものとする。周波数ドメイン
減衰が含まれているから、このモデルは、時間ドメインからのフーリエ変換に
よって得られる周波数ドメインにおいて最もコンパクトに表される。P(p,τ
,Y)が、遅さp及び遮り時間τの中間点位置Yにおけるある変換されたCPM
集合のp−τ振幅を表しているものとする。複素量P(p,ω,Y)はP(p,
τ,Y)の離散フーリエ変換であり、ωは周波数(ラジアン/秒)である。公知
のように指定された時間間隔にわたって、及び指定された時間サンプリングレー
トで収集されたディジタルデータの離散フーリエ変換は、ある周波数値(0穴埋
め及び補間によって変更することができる)だけによって定義される。これらの
課題は当分野に精通している人には十分に理解されており、本明細書では離散フ
ーリエ変換と連続フーリエ変換との差は無視することにする。周波数ドメイン変
換(「順方向変換」)は、
である。ここに、下添字iは点τjにおける均一に離間した時間サンプル値Ntを
表すNf周波数ωiにわたる範囲である。時間サンプルレートはΔτ(通常、0.00
2または0.004秒)である。そこで、逆フーリエ変換は、
である。(記号iは、下添字として使用された場合には層指標またはカウンタで
あり、それ以外の場合には複素虚数(i2=−1)である。モデルをバックグラウンド部分と高周波数部分とに分離
本発明の好ましい実施例に使用されるたたみ込みモデルは、低周波数(密度及
び速度の地下パラメーターのバックグラウンド変化)と、高周波数変化とを区別
することによって数学的に表される。この分割が、地震周波数範囲の低周波数端
であるほぼ5Hzにおいて行われるものとする。Vp(z)を深さ依存地下P波速
度とする。海洋表面下の深さをZとし、暫時横方向変化を無視するものとする。
Vp(z)は常に2つの部分、即ち5Hz以下の変化を含むVp background(z)部分
と、ΔVp(z)と呼ぶ残余の部分とに分離できる。部分ΔVp(z)は5Hzより
上の変化を含む。実際のP波速度はこれら2つの部分の和である。
同じようにして密度及びS波速度を分解することができる。反射係数の近似式
圧縮平面波(P波)の粘弾性材料内の圧縮平面波への反射は、かなり複雑な方
程式のシステムによって支配され、これらは反射波の予測される強さにある程度
複雑な式をもたらす。公知のボルトフェルトの近似(Bortfeld,R.,“Approxi
mation to the reflection and transmission coefficients of plane longitud
inal and transverse waves,”Geophysical Prospecting,v.9,pp.485-502,
1961参照)は、最も重要な部分だけを保持する。ボルトフェルトの式は、ある操
作の後に、深さz、遅さp、及び中間点位置Yの関数として表されるP波反射を
与える。
yppは通常の反射因子の時間積分である。Vp(z,Y)、Vs(z,Y)、及び
ρ(z,Y)は、深さ及び中間点位置の関数として表されたバックグラウンドま
たは長時間P波速度、S波速度、及び密度である。関数ΔVp(z,Y)、ΔVs
(z,Y)、及びΔρ(z,Y)は、速度及び密度の高周波数部分である。記録された海中データの近似式
海中記録のためのたたみ込みモデルは、中間点依存P波及びS波バックグラウ
ンド速度と、P波質ファクタとを含む式によって数学的に表される。速度及び密
度の高周波数変化は、積分された反射係数因子内に現れる。この式(正の周波数
ωについて有効)は、
及び受振器位置における諸効果を表し、空気銃アレイ、震源ゴースト、受振器ア
レイ、及び受信器ゴーストの空気・水からの音響エネルギの反射と称する。(ゴ
ースティング効果境界面。)他の実例については適宜説明する。
各層におけるP波到着時間は、
によって定義される量τpp(p,zk,Y)である。ここにhwは表面位置Yにお
ける水層の厚みであり、dlayerは薄層モデル(8乃至16フィート)の均一な層
の厚みである。
負ではない関数Taperxpp(p,zi,Y)は、深さziから反射し、遅さpで
オフセットxppに到着するP波に適切なオフセットテーパリングである。
粘弾性モデルは、ファクタ
内の複素項によって与えられる減衰による最小・位相前進を暗示している。上式
において、ω0はバックグラウンド速度の正規化点(5Hz)であり、ln(x)
はeを底とする対数である。ファクタQpp(p,zk,Y)は減衰ファクタに依
存する角度である。
これらの式は、
及び、水底反射到着である
によって定義される多数の角度依存対象を含んでいる。水底を通して弾性物質下
へのP波伝播の伝達ファクタは、
であり、同一のファクタTsf=Tfsが、下から水底を通って上昇する反射P波の
伝播についても現れるから、Pについての式(式(20))がTfs 2を含んでい
るのである。伝達ファクタは、より角度依存性の対象を含む。
負の周波数のためのたたみ込みモデルは、フーリエ変換P(p,τj,Y)が実
数であるように定義される。震源表現
上記モデル内の震源ファクタは震源及び検出器アレイによって生ずる方向性効
果、並びに表面ゴーストの方向性効果を含み、中間点依存の可能性を勘酌してい
る。震源表現は、二重加算を使用する一連の項として表すことができる。内側加
算(inner sammation:ここでは、1について)内の高次項は方向性変化の高い
方の程度を表す。外側加算(outer summation:ここでは、iについて)は、中
間点位置についてのローリング平滑を表す。
外側加算は、重み関数wt(…)に加算される中間点位置にわたって走る。一体
の重み関数は、横方向に均一である震源モデルを暗示している。YとYiとがス
タッキングビンインクリメントより大きく異なっている時に0である重み関数は
、完全にローカル源モデルである。(震源モデルは、各中間点位置において変化
することができる。)
ける震源水底を表している。係数1/lεは、整数1のε乗を含んでいる。後述
するようにこの係数は、データが要求した時に、内側加算だけを震源インバージ
ョンに貢献させるようにするものである。例えば、Nl=30を使用すると、極め
て一般的な震源モデルが与えられる。関数P1(P/Pmax)は、比p/pmaxに
おいて評価されたルジャンドル関数である。(ルジャンドル関数は方向的に依存
する関数の展開に使用されることが多い。P0(x)=1、P1(x)=x、P2(x)=1/
2(3x2−1)、…)分母値pmaxは、p/pmax<1にするような考慮中の遅さの
中の最大の遅さ値である。この式は時間ドメインでも表すことができる。
実係数s1(τ,[S…],[R…],Yi)は、時間ドメイン内で短い持続時
間を有している。これは、約0.200秒より大きいか、または約−0.200秒よりも小
さいτに対して、係数s1(τ,[S…],[R…],Yi)が0であることを意
味している。線形化したインバージョン問題の式
上式は、好ましい実施例のために規定した都合のよい条件の下で有用であると
期待される測定地震データD(p,τ,Y)(前処理及びp−τドメインへの変
換後)への近似を定義する。実際のデータの数学的近似は、水速度、バックグラ
ウンドP波速度、バックグラウンドS波速度、P波減衰、水底深さ、速度及び密
=ΔVp/Vp、lvs=ΔVs/Vs、及びlρ=Δρ/ρに依存するモデルである
。これらの弾性比に関しては、式(1)、(2)、(3)、(5)、(7)、及
び(8)の反射係数に関連して後述する。これらの量は全て、中間位置Yに依存
する。バックグラウンドパラメーター、及びlvp、lvs、及びlρも深さに依存
する。水のP波速度は既知である。バックグラウンド速度は、VpとVsとの間の
仮定した関係と共に、層ストリッピング速度分析プロセス(または他の方法)に
よって求めることができる。泥値Vp(hw,Y)、Vs(hw,Y)、及びρ(hw
,Y)は普通に仮定されている。P波減衰は、VSP分析から、またはモデリ
ングプロセス及びデータ比較によって見出される。残るのは源係数s1、及び3
つの弾性比lvp、lvs、及びlρである。
データを最良整合させるモデル成分を決定するのに使用されるプロセスを、ダ
ンプされた最小自乗インバージョンと呼ぶ。これは、プロセスが、実際のデータ
と計算されたモデルとの間の自乗差を最小まで減少させ、モデルパラメーターを
更新するペナルティ項をできる限り小さくしようと努めることを意味する。誤差
の大きさ及びペナルティ項をまとめて「目的(object)」関数と呼び、通常Jで表
される。
更新δs、δlvp、δlvs、δlρはJを最小に減少させるべきである。ベクト
ルδX内に一緒に集められるモデル更新に関しては後述する。正の実数W(pj
τk,Yi)は、式(59)に関連して後述する重みである。正の数dは、非0更
新に対するペナルティをモデルに配置するダンピングである。ダンプされたイン
バージョン問題においては、インバージョンされたモデル成分に対するこれらの
更新は、データに近似的に適合させながら、可能な限り0に接近させ続ける。こ
れに関しては後述する。
δXkとしてまとめられるモデルパラメーターの変化が十分に小さい場合には
、ベクトルδXkは震源係数に対する全ての修正、及び全ての中間点及び深さ点
における比lvp、lvs、及びlρに対する全ての修正を含む。
加算におけるδXjの係数は、初期解の位置におけるモデルパラメーターに対す
るモデリング式のフレッシェ導関数である。フレッシェ導関数は、震源係数の動
揺値及び弾性比をP(p,τ,X)のための式内に記号的に挿入することによっ
て計算され、
δst、δlvp、δlvs、及びδlρの第1の幕の係数だけを数学的に保持する
。
線形化された式は、通常は行列式として書かれる。1つの中間点の場合から始
めよう。
ここに、
指標を消去すると、これは次のように書かれる。
ここに、P(p,X)は、式(44)の値を有するNτ×NY成分のベクトルで
ある(この点における例として1つの中間点を使用しているから、NY=1)。
記号δXはNX成分のベクトルであり、
最後に、A(p,X0)は(Nτ×NY)×NX成分Aij(p,Y,X0)の行列
である。このデータは、式(46)の値を有するNτ×NY成分のベクトルD(p
)である。
多重中間点の場合は、各固定された遅さ毎に複数のτベクトルが存在すること
を意味する。時間点の数×中間点位置の数の積は、
である。
既知の解X0から開始して改善された解X0+δXを見出すための最小自乗解は
、更新δXのための正規方程式の解によって求められる。
但し、上添字Tは行列の転置Aij T=Ajiを表し、Wは重みのNτY×NτY
対角行列(式(59)に関して後述)であり、dはダンピングファクタであり、
そしてIはNX×NX単位行列(主要対角線が1、その他は0)である。正規方
程式は、均一の間隔Δpを有するNp個の遅さ値の状況について表されている。
ダンピングファクタdは再重み付けされた地震データの大きさに比例する。線形化されたインバージョン問題の検討
モデル成分(源係数、弾性比、バックグラウンド速度等)からモデル地震記録
を計算するプロセスを「順方向マップ(forward map)」と呼ぶ。順方向マッププ
ロセスは、モデル空間からデータ空間内へ写像する。行列A(p,X0)は、「
線形化された順方向マップ」である。これもモデル空間からデータ空間へ入れら
れる。転置(transpose)行列AT(p,X0)は、地震処理においては「プリス
タックマイグレーション」として知られる「随伴行列(ajoint)マップ」である
。随伴行列マップは、データ空間からモデル空間内へ入れられる(即ち、深さマ
イグレーション)。線形化されたインバージョン問題の解は、線形化されたマッ
プ及び関連随伴行列マップまたはNX未知モデル更新のためのプリスタック深さ
マイグレーションプロセスから構成された1組のNX一次方程式の解を必要とす
る。正規方程式の右辺は、データ残差、即ち初期モデルと実際のデータとの差に
適用される随伴行列マップを含む。もし残差が0であれば、計算された更新は0
である。ダンピング項d2Iは、解を可能な限り小さくさせ、しかもデータに近
似的に適合させる調整可能なコントロールとして含まれている。NX×NX
行列は、
を「正規マップ(normal map)」と呼ぶ。正規マップ手順は、モデル空間をモデ
ル空間内へ写像する。最小自乗正規方程式は、プリスタック深さマイグレーショ
ン段階に続く遅さ値の加算またはスタックを含む。この加算は、異なる遅さにお
ける貢献度を平均化する傾向にあるので、正確なバックグラウンド速度をモデリ
ング及び随伴行列プロセスに使用しない限り正確な解に収束する正規方程式の能
力を駆逐する。もしモデリングを、次いでプリスタック深さマイグレーションを
、そして次に最小自乗解へのスタッキングを適用すれば、結果は、スタックされ
、プリスタック深さ移動されたデータ残差(即ち、データと現行モデルとの差)
に等しくなることを正規方程式は教えている。線形化されたインバージョン問題の解
望ましい解はNx=bの形状の一次方程式のシステムに従うので、大きい線形
システムを解く良好な方法が要求される。典型的な方法は、各中間点位置毎に10
00の層+各中間点毎に約30の震源係数(それぞれが100または200τ点からなる)
を有していることが多い。3つの弾性パラメーターを推定するから、各中間点位
置に関連して6000までの未知数が存在する。以下に示す例は各々約100中間点を
処理するから、約10,000,000データ点(100中間点、各50遅さ値、2000点/トレ
ース)から抽出される約600,000の未知数が存在する。各中間点インバージョン
は震源モデルによって暗示される結合を除いて、他には無関係である。一次シス
テムNx=bを解くために繰り返し解が使用される。これらの解は、ベクトルb
、Nb、N2b、…から所望の解xを作成する。これは、行列Nを作成する必要
は決してないが、任意ベクトルy=Nzに対するNの作用だけが必要であること
を意味している。繰り返し解は、別の極めて魅力的な特色を有している。即ち、
第1の繰り返しが最大固有値(解に対する最も重要な貢献度)を回復し、次の繰
り返しが次の最大固有値(解に対する次に最も重要な貢献度)を回復する等々で
ある。
一般的に言えば、Nx=bに対する正確な解は必要ではない。何故ならば、こ
れはデータ内の雑音を無用に強めるからである。この問題は、シミュレートされ
たデータに、モデルの若干の部分が他の部分よりも遙かに多く影響するから生ず
るのである。震源スペクトルの端点付近の周波数に関連するモデル成分が1つの
例である。NX繰り返しの後、Nx=bに対する完了解が構築されるが、このよ
うな大きい一次システムの場合には、経験的に10乃至100回の繰り返しだけで解
に対する全ての有用な貢献度が得られることが分かっている。この事実から、必
要な計算の数を減少させても最良の解が得られる。事実、繰り返しプロセス中に
ダンピングを減少させた時に最良の結果が得られる。ダンピング手順、インバージョン変数の選択、及び弾性リセット
「内側ループ」と呼ぶ繰り返し方法による一次システムの解は、インバージョ
ンプロセスの中枢手順である。実データ及び合成データを用いた多数回の試験に
よって、インバージョンパラメーターのための最良結果を生成すると思われる手
順が得られた。推奨される手順は、多重インバージョン段階においてダンピング
重みdを減少させることを含む。各インバージョン段階は、固定されたダンピン
グ重みでの複数の内側ループ繰り返しからなる。各段階は、その段階のための入
力モデルから開始して、対象Jを減少させるモデルパラメーター内の更新の探索
を表している。典型的には、段階の数(例えば、5乃至8)及びダンピングプロ
グラムは、較正坑井の研究に基づいて選択される。反射率インバージョンは、典
型的に、最初の段階における5乃至10%のダンピングから開始され、最後の段階
における0まで減少される。ウェーブレットインバージョンは、0.5乃至1%の
ダンピングから開始され、最後の段階において0まで減少させることが多い。各
段階は、10乃至20回の内側ループ繰り返しを含む。繰り返しの度にダンピングの
程度を減少させるのは、数値最適化における公知の方法である。
ダンピンクプログラムの選択に精密に関連しているのは、インバージョン変数
の選択である。変数選択とダンピングとは、それらが目的J内に一緒に現れるの
で関係があるのである。究極的には、適切な変数の選択は較正坑井における経験
によって決定される。多くの選択が研究されてきた。
当業者ならば、他の選択を容易に開発できよう。更新δlp1、δlp2、δlp3に
は同一のセットの定義が用いられる。例えば、式(51)に対応する更新は、
である。式(50)及び(52)−(56)に対応する更新のための同じような
式を容易に開発することができる。これらの選択は(単一の反射体の場合には)
最良に決定された弾性パラメーターはP波インピーダンスZp=ρVpであるベき
こと、次に最良のパラメーターはS波インピーダンスZs=ρVsであるべきこと
、そして第3の最良に決定されたパラメーターは残されたものであるべきことを
指示している分析から誘導される。最後のオプション(式(56))は最良を遂
行するものと思われる。このオプションは、インバージョンパラメーター
を、別のパラメーターとして、近似的な直交パラメーター
と共に、インバージョンパラメーターの1つとしてZpの線形化されたバージョ
ン(即ちP波インピーダンスのバックグラウンド値で除したP波インピーダンス
の高周波部分)を使用している。残余のパラメーターはS波速度貢献度である。
この選択は計算的に有利である。内側ループ繰り返しの早期段階中のP波速度及
び密度に対する更新は殆ど等しく維持され、S波速度成分も小さく維持される。
従ってδlp1だけが0から変化する。(1段の段階では、全ての反射率変数は0
から開始される。)lp1の式内の(lp3内には存在しない)1/2というファクタ
は(相関した密度更新及びP波速度更新を偏重する)ダンピングプロセスに導く
ものである。
多段階アプローチは、反射率インバージョンの収束を加速させようとする計画
に役立つ。P波インピーダンス変化そのものは、反射地震エネルギの主要部分を
説明している。(例えば、メキシコ湾の坑井から計算された合成地震記録では、
P波インピーダンス変化が反射エネルギの約90%まで貢献し、密度及びS波速度
変化は一緒になって残余に貢献している。)従って、P波インピーダンス変化は
、密度変化またはS波速度変換単独よりも急速に収束する。インバージョン段階
の終わりに得られるインバージョンしたP波インピーダンス変化は、次のインバ
ージョン段階を開始させるのに使用される密度及びS波速度変化のための新しい
推測を初期化するのに使用することができる。勿論、他のオプションは、3つの
弾性パラメーターの全てのための先行段階の結果を用いて内側ループ繰り返しの
次の段階を開始させることである。密度及びS波速度変化の初期推定を発生させ
るガードナーの関係(P波速度から密度を予測するガードナーの関係に関しては
後述する)及び前記泥岩関係を使用するプロセスを、「弾性パラメーターリセッ
ト(elastic parameter reset)」と呼ぶ。多数回の内側インバージョンを累積さ
せると、密度及びS波成分(雑音に対する感受性がより高い)内に雑音が徐々に
現れる傾向があるので、インバージョン段階の間のリセットは実際のデータイン
バージョンに有用である。最後の1または2インバージョン段階中だけ密度及び
S波成分を適合させることによって、リセットはこれらの雑音を排除するのを援
助する。ダンピング及びインバージョン変数の選択と同様に、インバージョン段
階の間にどのようにリセットを選択するかは、通常は較正坑井におけるインバ
ージョン結果の検討によって解消されるデータ依存の課題である。コンピュータ実施
繰り返し解方法の使用は、適切なモデルまたはデータ空間の汎用ベクトル上に
順方向マップ、線形化された順方向マップ、随伴行列マップ、及び正規マップの
動作を発生させるサブプログラムを準備することによって、線形化されたインバ
ージョン問題のコンピュータ解を構成できることを意味している。上述したモデ
リング方程式を実現するために、(ユーザによって)書かれたモデル特定サブプ
ログラムを呼び出すことにより、要求されたマッピングプロセス及び/または繰
り返し解プロセスを実現する、ライス大学インバージョンプロジェクト(Rice U
niversity Inversion Project:TRIP)によって開発され提供されているソ
フトウェアパッケージが利用可能である。このパッケージは、バックグラウンド
P波速度のためのインバージョンに適用できる上述した差分類似(differential
semblance)インバージョン概念をも実現する。
TRIPインバージョンソフトウェアは、3つの異なる内側ループ繰り返し方
法、即ち、共役残差、共役勾配、及びチェビシェフ加速を用いる後方投射を使用
するように準備されている。(Symes,W.W.,DSO User Manual and Reference G
uide,Version 1.1,June 1993,The Rice Inversion Project,Department of
Computational and Applied Mathematics,Rice University,Houston,Texas.
参照。)共役残差は、本発明に使用するのに最も効率的な方法であると思われる
。より一般的な実施例
以下に説明する計画は、好ましい実施例(p−τドメイン内の入力地震データ
を有するIDモデルを使用するインバージョン)よりも一般的である。この、よ
り一般的な場合は、p−τドメインは使用しない。データは、共通遅さ集合の代
わりに爆破順序を使用してオフセットドメイン内で直接処理される。従って、遅
さ指標pは爆破指標に置換される。各共通遅さ集合内の中間点指標は、爆破集合
内の検出器指標に置換される。この一般的な場合には、順方向マップは最早特定
の式によって表されることはない。順方向マップは、モデル減衰に対するメモリ
変数を使用する波動方程式の有限差解(finite difference solution)、または
到着時間を計算するのにレイ・トレーシング手順を使用するキルヒホッフ積分表
現(完全波動方程式に対する漸近一次だけの近似解)の何れかによって求められ
る。キルヒホッフアプローチは、上述したp−τたたみ込みモデルに最接近する
一般的な方法である(何故なら、これは10°よりも高い傾斜に適用できるからで
ある)。この概念及びこの言語は、最も一般的な状況にさえも適用される。
説明しなかった別の一般化計画は、インバージョンプロセスに他のモデルパラ
メーターを含めることである。インバージョン手順によって合理的に更新できる
他のパラメーターは、水底速度及び密度(Vp(hw,Y)、Vs(hw,Y)、及
びρ(hw,Y))、及びP波減衰質ファクタQp(z,Y)である。インバージ
ョンプロセスにこれらのパラメーターを含めると、適切なフレッシェ導関数の計
算が必要である。最小自乗インバージョンプロセスによるバックグラウンドパラ
メーターの処理は、正規方程式によって暗示されるスタッキングプロセスが(バ
ックグラウンド速度を殆ど完璧に修正しない限り)有用更新を行うのに必要な情
報を駆逐してしまうので良いアイディアではない。この問題の解決法は、最小自
乗インバージョンを差分類似最適化に変更することである。このアイディアはSy
mes,W.W.and Carazzone,J.J.,“Velocity Inversion by Coherency Optimiz
ation,”(proceedings of the Geophysical Inversion Workshop,September 2
7-29,1989,Houston,Tx.)published in Geohpysical Inversion,edited by
J.Bee Bednar,Society for Industrial and Applied Mathematics,Philadel
phia,Pa.,1992に記載されている。差分類似インバージョンを含ませるような
最小自乗インバージョンの延長は、バックグラウンドP波速度及びそれらの随伴
行列に関してフレッシェ導関数の計算を含めることによって、TRIPソフトウ
ェア内に組み入れられている。この特色は、バックグラウンド速度を更新するた
めのメカニズムを与える。
説明しなかった更に別の一般化計画は、弾性モード変換(P波をS波に変換、
及びその逆)を含めることである。この状況は、S波到着ムーブアウトを考慮に
入れるために、S波質ファクタと高度に正確なS波バックグラウンド速度とを必
要とする。メキシコ湾内の多くの場所での海中データでは、柔らかい水底物質が
このモード変換された到着を殆ど検出困難にしているように思われる。(水底に
おけるモード変換の強さは、水底におけるS波速度の1.5乗に比例する。通常は
、水底におけるS波速度はP波速度の数%でしかないと仮定している。)陸上地
震測定は、垂直及び水平の両運動の記録を含むことができるから、インバージョ
ンの別の一般化計画は記録されたS波を含めることである。重み関数
この計画は、システムNx=bの繰り返し解の収束を加速させるように定義す
ることができる重み関数W(p,τ,Y)を含んている。収束を遅くする最も重
要な原因は、摩擦に起因する伝播P波の減衰によってもたらされるミススケーリ
ングである。重み関数を適切に選択すると、この状況がかなり改善される。好ま
しい実施例に使用される重み関数は、各深さ位置において各遅さ及び各中間点に
関して地震ウェーブレットに適用される指数減衰比
を計算し、そして
の補償ファクタを適用することによって導出される。ここに、αは対応する到着
時間τpp(p,z,Y)における大きめの遅さ値に与えられる重みを変更するユ
ーザが調整可能なオプションである(αは0より大きいか、または等しい)。式
(59)において、垂直のバーは複素絶対値
を表している。この重みファクタは自動的に滑らかであり、水底における1から
ベースメントにおける約10または20までの範囲である。
プリスタックインバージョン段階
本発明の次の段階はプリスタックインバージョン段階(図1の参照番号200)
である。以下に好ましい実施例において使用される実際のインバージョン段階に
ついて、前記最小自乗インバージョンツール(順方向マップ、随伴行列マップ、
線形化された順方向マップ、及び正規マップ+最小自乗正規方程式の繰り返し解
の概念)に関連して説明する。図4、5、及び6は、インバージョンプロセスを
示す流れ図である。好ましい実施例では、前記TRIPインバージョンソフトウ
ェアを使用してインバージョンプロセスを実現している。しかしながら、当業者
ならば以下の説明に基づいて最小自乗インバージョンを実現する他のコンピュー
タプログラムを容易に開発できよう。インバージョンプログラムの基本的段階は
、
1.初期ウェーブレット推定を求め、
2.P波質ファクタの初期推定を求め、
3.インバージョンを使用して初期ウェーブレット推定を洗練させ、そして
4.更新されウェーブレット推定を使用し、インバージョンを使用して較正位
置及び目標位置上の関心中間点位置における弾性反射係数(反射率)を推定する
、
ことである。初期ウェーブレット推定は、以下に説明するようなデータ収集プロ
セスの既知パラメーターを使用する計算から、または出力源シグニチャの実際の
物理的記録によって、の何れかから求めることができる。初期ウェーブレット推定及びP波質ファクタの決定
図4に、好ましい実施例における初期ウェーブレットモデルの作成及び減衰モ
デルの決定のための流れ図を示す。
地震調査をどのように行うかについての技術的項目は、このプロセスへの重要
な入力(参照番号202)である。これらの項目は調査操作員の報告から入手す
る。海中の場合の実効地震ウェーブレットをモデリングする際の重要項目は、
1.震源アレイの構成、
2.エアガンの設計、容積、及びファーフィールドシグニチャ、
3.源爆轟間隔、
4.流し(ストリーマ)ケーブルの構成、
5.ハイドロホンアレイの構成、
6.適用するディジタル及びアナログフィルタ、
7.震源及び記録用ケーブルの曳航の深さ、
である。陸上記録の状況では、別の項目が必要である。
1.起震器または他の震源アレイの構成、
2.起震器の帰引または爆発物の重量、
3.震源間隔、
4.受振器またはハイドロホン記録ケーブルの構成、
5.受振器またはハイドロホンアレイの構成、
6.適用するディジタル及びアナログフィルタ、
7.表面土壌状態、
8.風化した層の厚み及び地震速度、
9.ダウンホール(downhole)源の爆轟の深さ。
この調査情報は、データ収集システムによって発生され、記録された実効ウェ
ーブレットをモデル化するのに使用される(参照番号204)。この実効ウェー
ブレットは、均一物質(例えば、海水)内の源から離れて(例えば、10,000フィ
ートにおいて)観測される方向依存性ウェーブレットである。これを「ファーフ
ィールドウェーブレット」と呼ぶ。一般的な3Dの場合は、ファーフィールドウ
ェーブレットS(φ,θ,t)は2つの角度の関数である。
1.水平面φ(0°乃至360°)内の角度、及び
2.垂直面θ(−90°乃至+90°)内の角度。
2Dの場合は面外反射は無視されるから、地震断面平面S(θ,t)内のウェー
ブレットだけが必要である。海中の場合、ウェーブレットのモデリングには実際
のデータ収集に使用されるエアガンのファーフィールドシグニチャが必要である
。所要のファーフィールドシグニチャを発生する科学ワークステーション上で走
るコンピュータプログラムを使用して、海中地震調査を設計する。例えばSeismi
c Research and Development A/Sから市販されているMODGUNシミュレーシ
ョンソフトウェアを使用して、角度の関数として出て行く(震源及び検出器ゴー
ストされた)ファーフィールドウェーブレットの推定を発生させることができる
。陸上の場合には、近表面物質の減衰及び非線形特性を考慮しなければならない
か
ら、ウェーブレットモデリングは相応してより困難な手順になる。
低反射体傾斜の場合には、震源から去って検出器に向かって伝播するエネルギ
だけが検出器において反射する。モデル化された地震ウェーブレットS(φ,θ
,t)は角度に関して滑らかに変化するから、MODGUNを使用する好ましい
実施例は入力としての0°乃至80°の範囲を5°間隔で推定する。0°の角度は
垂直に下向きに進むエネルギに対応する。90°の角度は水平伝播に対応する。任
意の角度におけるモデル化されたウェーブレットを発生させるために補間を使用
する(参照番号206)。
モデル化された地震ウェーブレットは、(理想的には)震源及び検出器アレイ
の効果、及び震源及び受振器ゴーストを考慮に入れる。(震源ゴーストは、震源
エネルギが空気・水の境界面において反射することによって発生し、検出器ゴー
ストは、上向きに進むエネルギが空気・水の境界面において反射して下向きに進
み、検出器に戻るために発生する。震源または検出器が空気・陸地の境界面に位
置していない場合には、陸上地震データにもゴーストが現れる。陸上データ内の
ゴーストモデリングは海中の場合におけるよりも困難であり、表面及び近表面状
態に関する情報を必要とする。)モデル化された地震ウェーブレットは、モデル
化された地震ウェーブレットから作られた合成集合に傾斜スタック変換を適用す
ることによってp−τドメインに変換される(参照番号208)。この合成は、
適切な反射角におけるウェーブレットを、1秒の直角入射2ウェイ到着時間を有
する反射事象に対応する予測された双曲線到着時間へシフトさせ、幾何学的発散
ファクタを適用することによってなされる。これは、海水のような均一速度物質
(その中では、反射係数が角度と共に変化することはない)内の物理的反射プロ
セスに対応する。推定された震源係数にテーパリング(tapering)効果が入り込
まないように最大オフセットを2倍にしたことを除いて、実際の地震データのた
めに使用したものと同一のp−τ変換を合成震源集合に適用する。(p−τ変換
内のエッジ効果を防ぐために使用するテーパリングは、実際のモデルリングに際
しては初期震源推定内に累積されないように考慮する。)単一中間点の場合には
得られるp−τ地震記録を震源モデルに適合させ、
係数s1(τ,[S…],[R…])に関する初期推定を求める。この適合プロセスは震
源モデルとp−τ地震記録との間の最小自乗適合を含む。震源インバージョン段
階(図6の参照番号232)中の震源の指向性の若干の変化を考慮するために、
εをほぼ0.5にセットすることが好ましい。
初期ウェーブレット推定(参照番号210)は、データ内の各中間点位置Yi
に割当てられるNl係数、即ち、s1(τ,[S…],[R…])の形状を取る。従って
、初期ウェーブレット推定は、合計でNτsource×Nl×NY点からなる。係数
s1は、0時間を中心とする対称な均一にサンプルされたベクトルとして表され
る。通常の震源モデルは−0.200から+0.200秒まで走る。(これは、主要震源エ
ネルギが0時間に到着する0位相震源モデル、及び主要震源エネルギが十分に0
時間の後に到着する最小位相震源モデルの両方を考慮している。混合位相震源モ
デルも含まれる。)
震源モデルの説明は、異なる中間点における震源モデルが最早同一ではない場
合に発生する中間点の滑らかさの程度を制御する重み関数wt(Y−Yi)を説
明することによって完了する。一定の重み(震源モデルの中間点変化が許容され
ない)及び10乃至50スタッキングビンにわたって中間点を混合する重みが使用さ
れている。データ内の雑音の程度が大きい程、混合をより多くすることができる
。データの質を高め、地下パラメーターマッピングを詳細にしようとする場合に
は、混合は少なくする(もしくは、全く混合しない)必要がある。制御ファクタ
は、水底付近の地下物質内に潜在的に存在する変化の広がりを含む(水底付近の
低または高速度ゾーンは、目標ゾーンにより大きい、またはより小さい地震照度
が交互するパターンを発生させ得る。若干の環境の下では、震源モデルを適切に
選択すれば最終インバージョンモデルから変化する照度強さの効果を緩和させる
ことができる)。
初期ウェーブレット推定を求めるのに使用される方法の他の変化は、検出器ゴ
ーストまたは検出器アレイの効果を生ずることなくMODGUNシミュレーショ
ンを使用することを含む。この場合、検出器ゴーストまたはアレイの効果は、そ
のウェーブレットのp−τ変換に使用される合成集合内に挿入される。別の変化
は、初期推測として等方性(方向に無関係な)ウェーブレットを使用することで
ある。ウェーブレットを初期化する他の方法は当分野において公知である。
バックグラウンドP波の初期推定の質ファクタQpが作成される(参照番号2
12)。Qpは、P波速度の実数部分と虚数部分との間の無次元の比である。初
期モデルは定Qpモデルである(即ち全ての横方向位置、及び水底下の全ての深
さ位置についてのP波質ファクタが同一の数値を有している)ことが好ましい。
メキシコ湾では、100の推定が良好な第1の推測であると思われる。世界の他の
地域では、より高いか、またはより低い値を必要とするかも知れない。
参照番号214においては、順方向マッピングまたは地震モデリングプロセス
を使用し、実際のp−τ地震データ(坑井位置における)内に現れるものと同一
の遅さ値で合成p−τ地震集合を発生させる。このプロセスへの入力は、初期ウ
ェーブレット推定(参照番号210)、初期Qp推定(参照番号212)、及び
編集され修正された坑井孔測定及び地震データから得たVintモデル(それぞれ
、参照番号146及び172)である。編集され修正された坑井孔測定(参照番
号146)は300乃至500フィートの距離にわたって平滑され、バックグラウンド
P波速度、バックグラウンドS波速度、及びバックグラウンド密度のモデルが作
られる。高周波数残差(平滑された値と元の測定された値との差)を使用して、
前記3つの弾性比lvp、lvp、及びlρを生成する。坑井測定は垂直地球柱の一
部をサンプルするだけであるから、Vpの失われた値(第1の検層された深さよ
り上)は、地震から導出されたVintモデル(参照番号172)から取られる。
失われた密度値はガードナーの関係によって供給され、失われたSは速度値は泥
岩関係によって供給される。弾性パラメーターの最下部推定は検層された値の下
に挿入される。
参照番号218において、計算された合成地震集合(参照番号214)と、坑
井位置における実際の地震データ(参照番号216)との間で、モデリング比較
が行われる。この比較の目的は、P波質ファクタのモデルを発生させることであ
る(参照番号220)。計算されたモデル(1または複数)と、プリスタック地
震集合(1または複数)との間で視覚的な比較が行われる。反射深さに伴う振幅
と周波数内容減衰としてのこれらの項目を比較することによって、どの減衰モデ
ルが実際の地震データと最良整合するかを判断することができる。最も有用な標
識は検層された間隔にわたる振幅及び周波数内容の損失である。これは、何れか
の潜在的な較正坑井に使用される検層プログラムを定める際に、十分な深さ間隔
を与えることの重要さを確認する。経験によれば、Qpモデルが概ね10%まで異
なると、振幅及び周波数内容減衰が異なって見える。
この手順によって決定されたQpの最良適合値は、他の手段によって決定され
た物理的Qpと概ね一致すべきである。しかしながら、地震データ処理(プリス
タックマイグレーション及び雑音抑制段階)は、結果に穏やかに影響を与えるこ
とができる。
最良適合バックグラウンドQpを決定する別の方法は、異なるQp値を用いて多
数のインバージョンを遂行することである。元の(重み付けされていない)デー
タと最良整合を発生するQp値が、最適Qp値であるべきである。重みはQp依存
性であるから、重み付けされていないデータを使用して最良Qpを決定すべきで
ある。Qpを得る別の方法は、もし使用可能であれば、VSPデータからである
。区間速度モデルを微細に調整するために随伴行列マップの使用
層ストリッピング区間速度分析(図3の参照番号172)、または他の手段に
よって生成した区間速度モデルは、最小自乗インバージョンの背景説明で述べた
随伴行列マップによって定義される深さ一貫反射を発生しなければならない。初
期ウェーブレット推定(参照番号210)の方向依存性、及び最小位相減衰モデ
ルは共にバックグラウンドP波速度モデルの地震「平坦化(flattening)フラッ
タリング」能力に影響し得るから、区間P波速度の微細調整の別のパスを遂行す
べきである。(ウェーブレットモデル及び減衰モデルの両者は、随伴行列モデル
が深さ及び遅さの関数としてp−τ地震データに影響を与えるように影響する。
前述したように、正規方程式を解く際に地震事象を平らにするのに使用しなけれ
ばならないのが随伴行列モデルである。)
図5に随伴行列マップ調整のための流れ図を示す。このプロセスへの入力は、
前記「最良適合」P波減衰モデル(参照番号220)、Vintモデル(参照番号
172)、及び初期ウェーブレット推定(参照番号210)である。P波減衰モ
デルは、較正坑井位置において見出された平均減衰と同一の一定値が、他の場所
で使用するのに正しい値であるとしている。
参照番号222では区間P波速度モデル(参照番号172)を使用し、インバ
ージョンプロセスに使用されるVp(z,Y)、Vs(z,Y)、ρ(z,Y)の
バックグラウンドモデルを作成する。バックグラウンドVpは、滑らかにされた
Vintモデルと同一である。バックグラウンドVsモデルは、泥岩関係を使用する
Vpモデルから計算することが好ましい。バックグラウンドVsモデルを決定する
他の方法は、当分野においては公知である。バックグラウンドρモデルは、ガー
ドナーの関係を使用してVpから計算される。
参照番号224において、p−τドメイン内のプリスタック地震データが随伴
行列マップ内へ入力される。関心中間点位置におけるデータだけが必要である。
通常、P波バックグラウンド速度に対するこれらの最終調整は20中間点位置の中
の1つだけにおいて行われる。TRIPインバージョンソフトウェアは、入力p
−τデータを共通遅さ集合内へ分類することを要求する。随伴行列マップの出力
は、最終出力の検査の前に共通中間点集合に分類され直される。
参照番号226において、プリスタック地震データに随伴行列マップを適用し
てプリスタック出力を生成する。随伴行列マップを適用する前に、重み関数W(
p,τ,Y)をデータに適用してデータスケーリングを改善する。3つの随伴行
列出力が生成される。即ち、lp1に対する随伴行列、lp2に対する随伴行列、及
びlp3に対する随伴行列である。各随伴行列はプリスタック深さマイグレーショ
ン(層状にされたモデルの場合)に精密に対応し、深さ、中間点、及び遅さとラ
ベル付けされる。随伴行列は、最も頑健なパラメーターであるべき線形化された
P波インピーダンスに対応する随伴行列を生成するように組合わせることができ
る。(後述するように、P波インピーダンスは正規方程式の解によって抽出され
た情報の主要部分に対応する地下特性である。)随伴行列マッピングによって目
標反射事象(1または複数)が可能最大限度まで平らになるように、バックグラ
ウンドP波速度を検査すべきである。
通常は、最大可能事象の「平坦さ」を得るために、バックグラウンドP波速度
モデルは調整する必要がある(参照番号228)。通常これは最良の結果を得る
ために、各中間点位置におけるバックグラウンドモデルに1.000に極めて近いス
ケールファクタを適用することによって行うことができる。典型的には、この段
階における速度修正は、目標の深さ及び最大オフセットに依存して1%程度であ
る。
試行錯誤プロセスの後、最終バックグラウンドモデル(参照番号230)が得
られる。随伴行列マップ試験から得られた最終バックグラウンドP波速度モデル
は、泥岩(または他の)関係を使用して最終S波速度モデルを生成するために、
ガードナーの関係を使用して最終密度モデルを生成するために使用される。ウェーブレット及び反射率インバージョン
較正坑井におけるモデリング及び比較によって得られたP波減衰モデル、初期
ウェーブレット推定、バックグラウンド速度及び密度モデル、及びプリスタック
p−τ地震データは、最小自乗正規方程式を解くのに使用される。これは第1に
、以下に説明する変更プロセスを含む初期ウェーブレットモデルに対する更新の
ためであり、そして第2に、本発明の較正・予測段階に使用する最終結果を生成
することを意図する弾性反射率インバージョン(固定されたウェーブレットにお
ける)のためである。
図6にインバージョン手順の流れ図を示す。この手順への入力は、初期ウェー
ブレット推定(参照番号210)、P波減衰モデル(参照番号220)、及びP
波速度、S波速度、及び密度のバックグラウンドモデル(参照番号230)であ
る。
p−τ変換から得られたp−τ地震データ(図3の参照番号162)は、ウェ
ーブレット更新に使用される各中間点位置におけるウェーブレットインバージョ
ンプロセスが必要とするものである。選択されたウェーブレット平滑関数に依存
して、最終的な弾性インバージョンを行う各中間点位置においてウェーブレット
インバージョンを必要としたり、必要としなかったりする。極めて狭いウェーブ
レット平滑関数は、弾性インバージョンがなされる全ての中間点位置におけるウ
ェーブレット更新を必要とする。極めて広い(または一定の)ウェーブレット平
滑関数は、数中間点位置においてのみウェーブレット更新を行うことを可能にす
る。狭いウェーブレット平滑を使用すると、中間点位置と共に急速に変化するこ
とが潜在的に許されるウェーブレットモデルが生成される。若干の条件の下では
、このアプローチはデータ内の若干の雑音を減少させるのに使用することができ
る。TRIPインバージョンソフトウェアは、入力p−τデータを共通遅さ集合
内に分類することを要求する。
ウェーブレットインバージョン更新は、実際の地震データに対する最良最終適
合を達成する上で重要である。ウェーブレットインバージョン更新を行わなけれ
ば、反射率インバージョン(図6の参照番号238)の安定性が低くなる。正し
くないウェーブレットを使用した結果として得られるこの不安定性が「反物理的
」弾性インバージョン結果をもたらしかねない。反物理的結果の例は、インバー
ジョンされたP波速度変化が密度変化のほぼ正確な否定であるようなインバージ
ョンされた断面である。これを「反相関(anti-correlation)」と呼ぶ。勿論、
P波速度変化と密度変化との間の反相関は、深さ断面の小さい部分においては完
全に修正することができる。しかしながら、P波速度変化と密度変化とがほぼ何
処ででも反相関する場合には、これらの結果は、かなり相関しているP波速度及
び密度変化を呈する坑井測定の広範に観測される特色とは一致しなくなる。(同
一の深さ位置において同一方向に比例する量だけ増減する傾向がある2つの坑井
検層を相関であると称し、この言葉はP波速度から密度を近似的に予測するガー
ドナーの関係ρ(z)=Cp 0.25(z)を支持する。)ウェーブレットインバージョン
更新は、典型的にこの問題を改善または排除する。
ウェーブレットインバージョン手順(参照番号232)は、入力プリスタック
p−τ地震データ(参照番号162)に重み関数を適用することから開始される
。前述したように重み関数を計算するには、初期ウェーブレット推定(参照番号
210)、P波質ファクタ(参照番号220)、及びVp、Vs、及びρのバック
グラウンドモデル(参照番号230)の知識が必要である。ウェーブレットイン
バージョンプロセスを成功させるためには、反射率変化の効果からウェーブレッ
ト変化の効果を分離するように、各集合内に多数の反射事象が必要である。狭
い、目標を向いた反射ゾーンにウェーブレットインバージョンを適用しても、ウ
ェーブレット効果を反射率効果から分離する物理的メカニズムが存在しないので
、成功しない。
ウェーブレットインバージョンプロセス(参照番号232)は、ウェーブレッ
ト更新及び弾性反射率についての結合インバージョン(joint inversion)を必要
とする。好ましい実施例(たたみ込みモデル)に使用される順方向マップは地震
ウェーブレットと反射率とのたたみ込みを含むから、ウェーブレットインバージ
ョンは非線形インバージョンプロセス(ウェーブレット更新及び反射率の両方が
未知数)である。一方、固定されたウェーブレットにおける反射率インバージョ
ンは、順方向マップが所望の反射率更新の線形関数であるので、線形インバージ
ョンプロセスである。ウェーブレットインバージョンは、変更方法を使用して行
われる。これは、先ず初期ウェーブレット推定を使用する反射率インバージョン
を行って弾性反射率の初期推定を求めることを意味する。近似反射率モデルを入
手した後に、反射率モデルを固定させたままウェーブレットインバージョンを遂
行する。この変更は、さらなる変更を行ってもかなりな改善が見られなくなるま
で、反射率とウェーブレット更新との間を行き来する。必要な変更の数は、ダン
ピングの量、及び正規方程式を(近似的に)解くために使用される内側ループ繰
り返しの数と同様に、データに依存する。典型的には、最終インバージョン結果
と、較正坑井において遂行される坑井測定との間の比較に基づいて選択される4
ウェーブレット変更で十分であるが、もし必要ならばより多くすることができ、
またもし十分であればより少なくすることができる。各ウェーブレット変更は、
固定されたダンピングでの反射率インバージョンの10乃至20内側ループ繰り返し
(通常は、反射率ダンピングは5乃至10%から開始され、最後段階における0.5
乃至0%まで減少する)と、それに続く固定されたダンピングでのウェーブレッ
トインバージョンの10乃至20内側ループ繰り返し(通常このウェーブレットダン
ピングは反射率ダンピングの1/10)とからなる。若干の早期変更段階間に弾性パ
ラメーターリセットを使用することができる。追随する最良ウェーブレットイン
バージョン手順はデータに依存し、較正坑井において最良結果が得られるように
調整すべきである。ウェーブレットインバージョン手順に成功する
と、較正位置及び目標位置の関心中間位置において更新されたウェーブレットモ
デル(参照番号234)がもたらされる。
新しい、更新されたウェーブレットモデル(参照番号236)は反射率インバ
ージョン段階(参照番号238)に引き渡される。このインバージョンへの他の
入力は、バックグラウンド減衰モデル(参照番号220)、Vp、Vs、及びρの
バックグラウンドモデル(参照番号230)、及び全ての関心中間点位置の時間
移動されp−τ変換されたプリスタック地震データ(参照番号162)である。
前述したようにTRIPソフトウェアは、入力p−τデータを共通遅さ集合内へ
分類することを要求する。
固定されたウェーブレットにおける弾性インバージョン(参照番号238)は
、較正及び目標の両位置の全ての関心中間位置において遂行される。典型的には
、各位置上の50乃至100中間点が使用される。以下に説明する例では、中間点は
、元のスタッキングビンにおける4つ毎のインバージョンに対応する82フィート
おきの間隔であるように配列されている。このサンプリングレートで、良好な地
下の特色の表現が得られたものと考えている。しかしながら、もし望むならば、
他の数の中間点及び他の間隔を使用しても差し支えない。
反射率インバージョンプロセスは、ウェーブレット更新を行わない、従って変
更を必要としないことを除いてウェーブレットインバージョンに類似している。
反射率は、好ましい実施例ではたたみ込みモデルを使用していることから、線形
インバージョンプロセスである。多重反射を含むより一般的な実施例では、反射
率インバージョンは線形プロセスではない。この状況においては、多くの付加的
な複雑さが存在する。例えば、データのスケール及び震源推定が重要になってく
る。これらのスケールはインバージョンプロセスの一部になり始め、データから
見出すか、またはデータ記録プロセス中に明確に測定しなければならない。正し
いスケーリングをすれば、一次反射エネルギの適合が良好になるだけではなく、
根源的なモデル内に多重反射を組み入れることによってインバージョンされたモ
デルから多重反射が排除されるようになる。当然、インバージョンプロセス内に
多重反射を組み入れることは困難さと費用とを付加することになる。
反射率インバージョンは、前述した重み関数によって再スケールされたプリス
タック地震データに適用される。通常反射率インバージョンは内側ループ繰り返
しの5乃至8段階を含み、段階当たりの内側ループ繰り返し回数は10乃至20であ
る。使用する段階の数、内側ループ繰り返し回数、使用する弾性変数、ダンピン
グの程度、及びインバージョンプロセス中に使用する段階間の弾性パラメーター
リセットは、較正坑井におけるインバージョンプロセスを検討して注意深く選択
しなければならない。以下に説明する例は、前記の式(56)において説明した
弾性パラメーター選択を使用している。通常は、ダンピングは地震データエネル
ギの5乃至10%において開始され、最後の段階において1/2%乃至1%に低下さ
れる。これらの課題はデータに依存し、インバージョンプロジェクトの詳細な目
的に従って変化する。殆どの状況においては、5または6インバージョン段階を
使用する中での内側ループ繰り返し数は80乃至100回にわたっている。好ましい
実施例に使用されているたたみ込みモデルは、プリスタック地震データのエネル
ギの35%乃至75%を物理的な地下弾性モデルに適合させることに成功するであろ
う。海中地震データの適合しない部分内に残留するエネルギ(データ「残差」と
呼ぶ)の大部分は、典型的に多重反射として同定される。反射率インバージョン
プロセスの出力は、「最良適合」地下弾性モデル(参照番号240)、及び入力デ
ータと最適モデルとの間の差である最終データ残差(参照番号242)である。イ
ンバージョンプロセスは、インバージョンされた各中間点位置において3つのイ
ンバージョンされた弾性パラメーター断面(対深さ)を発生する。これらは無次
元の比、
である。これら3つの結果から、P波インピーダンス、S波インピーダンス、及
びVp/Vs比を求めることができる。
て遙かに小さくなった時(換言すれば、ΔVp/Vp≪l、ΔVs/Vs≪l、Δρ
/ρ≪lである時)に限って等号になることを意味している。解釈プロセスに使
用される最終出力インバージョン断面図(セクション)は、インバージョンされ
たパラメーター推定を使用して各弾性パラメーター毎の直角入射または反射率断
面図をモデル化することによって得られる。
これらの式は、深さzにおいて評価された直角入射P波反射係数に対する薄い層
近似を、lzp(z,Y)と周波数ファクタ(−iω)との積として同定する。こ
れは、式(72)の結果が式(5)の薄層一般化であることを意味している。同
様に、式(69)は式(1)の一般化であり、式(70)は式(2)の一般化で
あり、一般化であり、式(71)は式(3)の一般化であり、式(73)は式(
7)の一般化であり、そして式(74)は式(8)の一般化である。
このモデリング段階に使用するウェーブレット(S0(ω))は、得られる断面
図の解釈性を向上させるように選択されている。典型的には、0位相ウェーブレ
ットが使用される。使用するのに最良のウェーブレットはデータ依存的であり、
坑井測定のような他の地球物理データとの比較を容易にするように選択すること
ができる。S0(ω)に対応する選択されたウェーブレットは、最終出力インバー
ジョン結果内の雑音を減少させるのに使用される低域通過フィルタリングを含む
ことができる。これらの課題は、当分野では公知である。出力を表す断面図は、
時間ドメインへ戻す逆フーリエ変換を使用することによって得ることができる。
P波インピーダンス(Pzp(0,τ,Y)に対応する出力断面図は、0位相スタ
ックに酷似している。他の弾性パラメーターに対応する出力断面図は、もし直角
入射P波反射係数(P波インピーダンスの部分的変化)をP波速度の部分的変化
、S波速度、密度、S波インピーダンス、及びVp/Vs比に置換すれば得られる
0位相スタックである。より一般的な実施例
本発明のより一般的な実施例は、p−τ変換を使用しない。低傾斜の場合は、
データは共通遅さ集合の代わりに、関心中間点位置の全てを含む共通オフセット
集合内で処理される。反射時間、反射角、及びレイ経路の長さを計算するために
レイ・トレーシングが使用される。高傾斜の(一般的な)場合は、データは関心
検出器位置の全てを含む共通爆破集合内で処理される。順方向、随伴行列、及び
正規マップを計算するために有限差またはキルヒホッフ方法が使用される。前述
したように、一般的な場合には、本発明の前処理段階ではプリッスタック時間ま
たは深さマイグレーション(図2の参照番号122)は使用しない。
較正・解釈段階
本発明の較正・解釈段階(図1の参照番号300)は、目標位置におけるガス
/油飽和率を予測するために、プリスタックインバージョン段階から得られた弾
性インバージョン反射率の相対的な大きさ及び挙動を使用する。較正・解釈手順
は、1つのインバージョン結果を別のインバージョン結果に基づいてスケーリン
グすることからなるので、インバージョンされた結果として得られた「ピクチャ
」は、元の地震データスケーリング及び目標反射体上の波動伝播の若干の面(修
正されていない構造的効果、及び斟酌されていないP波減衰)の如きものには無
関係である。代替としてスケーリングを、震源から出て行く実際の、または仮定
したエネルギに基づかせることができる。2つのスケーリング方法が使用されて
いる。即ち、
1.目標事象P波インピーダンスまたはP波速度変化に対して正規化したカラ
ープロット、
2.目標事象における弾性反射率測定を使用する比値プロット。
両方法共、0位相出力弾性断面図を含む。出力P波インピーダンスまたはP波速
度断面図は、0位相スタック断面図に酷似している。例として、図7にメキシコ
湾内に2D地震ライン(ライン1)のためのP波速度反射率断面図を示す。垂直
軸はP波2ウェイ直角入射反射時間である。水平軸はこの断面ラインに沿う中間
点位置である。図7に示す領域は、中間点位置のほぼ12,300フィートに対応する
。表示されるカラーは、カラーバーに示すようなプロットされた振幅の強さ及び
符号に関係付けられている。この種の表示は、当分野においては公知である。こ
のカラー断面図は濃い赤カラーと、それに続く濃い青カラーがP波速度の大きい
負の変化に対応するようにスケールされている。スケールファクタは、目標反射
体における最大P波速度反射率振幅変化がほぼ32,768になるように選択されてい
る。メキシコ湾のこの領域においては、これらの「ブライト(bright)」地震振幅
が砂層内のガス及び/または油の存在に対応することが多かった。中間点位置13
,900における探査坑井は、そのゾーン内のガス及び油を3.500秒と3.700秒との間
に見出した。この断面図から明らかなように、振幅のブライトネス(brightness
)だけが坑井の試掘を決定する基準ではない。(この断面図にはブ
ライト反射層準は他に数多くある。炭化水素予測を評価するにの使用される基準
は多くの要因を含む。それらの中には、地球物理構造、層序、可視流体接触面、
構造と輝く地震振幅との間、並びに炭化水素源とシールとの間の相関がある。)
図8は、図7と同じように表示された地震的にインバージョンされたP波速度
反射率を表す別の地震断面ライン(ライン2)を示している。図8でも、目標反
射体上の最大P波速度反射率が32,768に極めて近くなるようにスケールされてい
る。目標反射事象は、2.500秒と2.600秒との間にある。図8に示す領域は、中間
点位置のほぼ10,250フィートに対応している。ライン1及びライン2の両方に同
一のインバージョンプロセスを適用するように努力した。従って、ライン1はラ
イン2を較正するのに役立つ。5段階インバージョン手順を使用した。この場合
も、P波速度反射率(またはP波速度反射率と殆ど同一と考えられるP波インピ
ーダンス反射率)が「ブライト」振幅を示した(実際に、バックグラウンドに対
する目標の相対的な強さで判定してライン1上のものよりも輝くものさえあった
)。中間点位置1824において試錐した結果、低いガス飽和率(即ち、商業的に成
り立たない量のガス)であることが分かった。
この例から、P波速度反射率だけでは貯留層内の低ガス飽和率と商業的に見合
うガス及び油とを区別できないことが明白である。しかしながら、本発明は、他
の弾性特性からの反射率を調べることによって、商業的に見合う炭化水素の存否
の差を検出するのに使用することはできる。例えば、密度反射率は低ガス飽和率
と高ガス飽和率とを区別するのに使用することができる。
図9に、ライン1から得た密度結果を図7と同一のファクタでスケールして示
す。図10は、ライン2から得た密度結果を図8と同一のファクタでスケールし
て示している。(ライン1の両結果に対して1つのスケールファクタ、ライン2
の両結果に対して別のスケールファクタ。このようにしてスケールされた密度結
果は、2つのライン間に大きい差を示した。この差は、適切にスケールされた結
果を使用することによってのみ見られるものである。密度断面図を、それら自体
のバックグラウンドに対してスケーリングすると、これらの差は見られない。2
つの探査坑井においてなされた坑井測定によって、密度変化をP波速度反射率に
対して見た時に、商業として成り立つガス/油飽和率と「ブライト」密度値との
間の相関の一般的な正しさが確認された。P波速度反射率がブライトを呈してい
る位置と同一の中間点位置において、ライン2に関する密度反射率結果がどのよ
うな「ブライト」振幅も呈していないことに特に注目されたい。インバージョン
された結果は、ライン2はP波速度反射率異常を呈するが、密度反射率異常は呈
さないことを示唆している。ライン1のインバージョンされた結果は、Pは速度
反射率異常及び密度反射率異常の両方を呈することを示唆している。(P波速度
、またはP波インピーダンス反射率が異常挙動を呈さない場合にはブライトスポ
ットは存在せず、その反射事象は、ブライトスポットにおいて炭化水素を含む可
能性は少ないものと考えられる。)これらの2つのライン上では、インバージョ
ンされたS波速度反射率は数値的に小さく、見掛けは低周波数である。従って、
剪断結果の分析への貢献度は低い。
予測した通り、上述したインバージョンによって、予測に最も成功するパラメ
ーターはP波インピーダンス変化であり、次に成功するパラメーターはP波速度
変化であり、そして密度変化はこのリスト上の3番目及び4番目であり、S波イ
ンピーダンス変化は4番目または3番目であり(どの基準を使用するかに依存)
、そしてS波速度は5番目である。S波速度変化は大きさが100または200%だけ
組織的に小さ過ぎ、密度変化は組織的に大き過ぎる。S波インピーダンス変化を
計算する場合に、ある程度までこれら2つの誤差は打消される。世界中の別の場
所での他のインバージョン試験においては、密度変化が組織的に小さくなり過ぎ
る(そして低周波数である)ことが分かっている。この状況においては、P波イ
ンピーダンス変化(または、密度変化が小さいのであるから、殆ど同一と見做さ
れるP波速度変化)に対してスケールされたVp/Vs比の変化を調べることによ
って関心結果が得られる。
これらの結果の、より純粋に数値的な別の表示は、関心目標位置に沿うインバ
ージョンされたパラメーターの比値を調べることからなる。これらのプロットを
発生させるために分離したインバージョン断面図を解釈し、反射シグニチャの関
心最大値(望みに応じて、トップ、ベース、または他の反射事象の何れであるこ
ともできる)を追跡するウェーブレットサイクルを探知する。坑井測定から計算
された合成直角入射トレースは、この解釈を確認するのに有用であり得る。6つ
のインバージョンされた断面図の全ての中の同一地質特色を追跡するように注意
を払わなければならない。選択された反射サイクルは目標反射を(ほぼ)水平に
横切って追跡され、地震振幅が抽出される。ほぼ1パルス幅(0.020乃至0.050秒
)のデータ窓内の複数の振幅属性を抽出することができる。即ち
1.正の最大振幅値、
2.負の最大振幅値、
3.正の最大値を含むウェーブレット半サイクルの平均振幅値、
4.負の最大値を含むウェーブレット半サイクルの平均振幅値、
5.正の最大値を含むウェーブレット半サイクルの積分振幅値、
6.負の最大値を含むウェーブレット半サイクルの積分振幅値。
この種の振幅抽出は当分野では公知である。この手順は、上記6つの各弾性断
面図毎に追跡させることができる。上述した6つの振幅測定のどれを実際に分析
に使用するかは期待する炭化水素シグニチャ、データの雑音レベル(最大/最小
測度は雑音に感応し易く、積分値はより頑健である)、及び所要分解能レベル(
最大/最小測度は薄い単層の場合に最大の分解能を有する)に依存する。どの測
定を選択しても、その後の全てのデータ比較を行うのに常に使用される。坑井測
定を使用する較正坑井位置における直角入射モデリングは、反射測定の適切な選
択を決定するのに有用であり得る。この手順は、各弾性パラメーター毎に目標位
置における反射率の測度を発生する。これらの結果は、中間点の関数として表示
することができる。図11は、ライン1についてP波速度及び密度反射強度(負
の総合ウェーブレットファクタを適用した後の正の最大振幅を使用しているので
、図11は目標位置においてP波速度及び密度が減少していることを示している
)。反射率対中間点位置の表示は、当分野では公知である。図12は、ライン2
についての表示である。ライン1の結果が、ライン2よりも大きい(速度反射率
に対して)密度反射率強度を有していることが分かる。また、これらのインバー
ジョン値にはかなりの変化が存在していること、及びこれらの曲線が互いに他方
に対して鏡状の変化を呈していることも分かる(これは、特にライン1において
顕著である)。この不安定さは、P波インピーダンスの変化が雑音による劣化を
殆ど受けないのに対して、P波速度及び密度の分離した弾性パラメーターは
雑音に対してより感性を有していることを反映している。これらの技術もまたデ
ータ依存性であることを強調しておくべきであろう。
インバージョンの結果を表すよりコンパクトな方法は、分離抽出された反射強
度の比を表示することからなる。典型的には、分母内により安定なパラメーター
を持つた比を選択する。図13は、2つのラインのためのRdn(Y)/Rvp(Y
)の計算された比を示している。これらの値は、目標反射の最も安定な部分に関
してのみ示してある。図13の実線はライン1の結果であり、破線はライン2に
関するものである。中間点位置はシフトしているが、両ラインは82フィートおき
に得られたインバージョン結果を示している。本発明以前は、目標位置及び較正
位置の弾性インバージョン結果の比較に基づくこの型の表示及び炭化水素内容の
予測は知られていなかった。
平均すると、ライン1結果はライン2結果の2乃至3倍の大きさであるが、ラ
イン1は大きな変化を呈している。これらの変化は、上述したものと同一の不安
定さに対してトレースすることができる。シフトした中間点150乃至200の間のラ
イン1結果(実線)上に見られる比値の傾斜は、中間点位置13820を中心とする
見込み薄の密度変化(図9参照)に対応する。P波速度変化結果内に見られるあ
る形跡(図7)は、より浅い特色がこの位置を中心とする反射地震エネルギを動
揺させる原因であるかも知れないことを示唆している。言い換えれば、この位置
における貯留層特性の実際の変化が存在する(即ち、比値の変化は目標ゾーンの
重要な変化に関連する)ということであろう。この種の結果を調べるに当たって
は十分な注意を払わなければならず、これらの比値を「ブライト」反射体につい
て計算する場合に限ってこれらの比値が炭化水素を表していることが期待される
。最小自乗インバージョン法は、事象のエネルギに従って重み付けするから、低
振幅の特色はより大きいインバージョン誤差を呈することになる。
図14は、本発明の予測性を示している。図14は、目標位置における密度及
び速度反射率の比を、ライン1、ライン2、及びライン1及び2の付近のある位
置からの第3のライン(ライン3)について比較するための図である。ライン1
及び2に基づいて、ライン3のための試錐結果を予測することが望ましい。ライ
ン3は、近傍の較正坑井において最良結果を与えた6段階インバージョンプロセ
スを使用してインバージョンされたものである。較正坑井はガスを含んでいたが
、貯留層の質が貧弱であるためにRdn/Rvp指標値は低かった。較正坑井におけ
るインバージョン結果は、坑井値と一致している。ライン3は、ライン1及び2
と全く同様に、目標位置にP波インピーダンス及びP波速度のインバージョン変
化に関するブライト振幅(図示してない)を有している。図14においては、比
結果に対してある水平平滑が適用されている。実線曲線はライン1から、破線曲
線はライン2から、そして点線曲線はライン3からのものである。図13には、
Rdn/Rvpの坑井測定値を円によって(坑井位置に)マークしてある。同一流体
を含む目標位置の部分だけを表示するように全ての試みがなされている。従って
、実線曲線はライン1目標のガス飽和部分をカバーし、破線曲線はライン2の低
ガス流体をカバーし、そして点線曲線は単一の流体型を含むべきライン3目標の
部分をカバーするように現れている。各データ曲線と共にプロットされている水
平線は、その曲線の平均値である。垂直線は分散を示している。これらの曲線が
得られた時点では、ライン3目標は試錐されなかった。図14の結果に基づいて
、ライン3目標は重要なガス飽和率を含まないものと予測された。上述したよう
に、近傍の較正坑井はガスを含んでいるが、貯留層の質が貧弱でRdn/Rvpの値
が低いために、最終予測段階には使用されなかったのである。最終的にライン3
目標を試錐した結果、ガス飽和率が低いことを見出した。
ライン1、ライン2、及びライン3曲線の分散(平滑されていない比値から計
算された)から、ライン3の値が統計的にライン1の値から分離していることは
明白である。一方、ライン2及び3は統計的に分離していない。明らかに、これ
らの分散は、本発明を使用して行われる予測の信頼性レベルを決定する指針とし
て使用できる。
多数のパラメーターのインバージョン結果を比較して若干の型の炭化水素の存
否に関する予測を行う本技術(即ち、1つの波動方程式をベースとするインバー
ジョン結果を使用して別のインバージョン結果をスケールし、波動方程式/イン
バージョンをベースとする炭化水素指標を導出する技術)は、今まで知られてい
なかった。如何なる特定応用においても本技術を成功裏に達成できるようにする
ためには、明らかに良好なインバージョン結果、及び岩石及び流体飽和特性の影
響の良き理解が極めて重要である。適切に適用した場合は、本発明は、高いこの
種の比値と、炭化水素(ガス及び油)の存在とを相関させる傾向がある。この比
の値が低い場合は、低ガス飽和率及び/または貧弱な貯留層質と相関する傾向が
ある。たとえ既知のガス貯留層であっても、常にRdn/Rvpが高い坑井孔測定値
を呈すとは限らないので、貯留層質は複雑さの程度を付加することになる。低め
の値は頁岩質貯留層砂(もしそれがかなり細かい層間の砂と頁岩型とを含んでい
れば、その砂ユニットを頁岩質という)内に発生する可能性がある。これらの状
況では、プリスタック弾性インバージョン結果は、坑井測定と相関する(換言す
れば、たとえガス飽和が存在していことが既知であっても、インバージョンは低
い値のRdn/Rvpを示す)。
最終の、そしてより一層コンパクトなインバージョン結果のビューは、各中間
点位置における比値の平均を、その中間点及び目標位置におけるインバージョン
データ残差(図6の参照番号242)に基づいて比較することから得られる。(
データと最終インバージョンモデルとの差の大きさを、信頼性測度として使用す
ることができる。この状況では、目標反射事象まわりの残差はバックグラウンド
速度を使用してウィンドウ(window)され、遅さの関数としてウィンドウが調整
される)。
3D状況では、これらの手順は、線分を横切る代わりに2D表面上のインバー
ジョン結果及び比推定を生成する。それ以外は、同じ概念を適用して分析及び予
測段階を案内することができる。
本発明を使用する岩質予測は、流体飽和率の予測とほぼ同一の原理に従う。
1.弾性特性シグニチャを岩石特性の理解によって同定する。
2.較正位置における相反モデリングを使用して同定された岩質シグニチャを
確認する。
3.較正位置及び目標位置の両方におけるインバージョン結果を比較して目標
位置における岩質特性を予測する。
本発明は例示のためになされた以上の説明に不当に限定されるものではない。
むしろ、当業者ならば、請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱すること
なく広範な変更及び代替実施例は明白であろう。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ルイス キャサリン
アメリカ合衆国 テキサス州 77401−
2304 ベレーア コロニアル 1112
(72)発明者 シャー プラーヴィン エム
アメリカ合衆国 テキサス州 77072 ヒ
ューストン ヴィラウッド 12819
(72)発明者 ワン ディヴィッド ワイ
アメリカ合衆国 テキサス州 77059 ヒ
ューストン ヴァリー グリーン コート
3914
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 (1) 地下目標位置、及び既知の岩質及び流体内容を有する地下較正位置の両者に おいて入手したプリスタック地震反射データから、上記地下目標位置における岩 質及び流体内容を導出する方法であって、 (a)上記地下目標及び較正位置のモデルを作成する段階と、 (b)上記地下較正位置における上記岩質及び流体内容を表す、P波速度、 S波速度、密度、P波インピーダンス、S波インピーダンス、及びP波速度とS 波速度との比に関する弾性反射ファクタからなる群から選択された1組の弾性パ ラメーターを選択する段階と、 (c)上記プリスタック地震反射データのインバージョンを遂行し、上記地 下目標及び較正位置の上記モデル内の複数の各点における上記弾性パラメーター の組を決定する段階と、 (d)上記地下目標及び較正位置の上記弾性パラメーターの相対的な大きさ を比較する段階と、 (e)上記比較の結果、及び上記地下較正位置における上記既知の岩質及び 流体内容を使用して、上記地下目標位置における上記岩質及び流体内容を導出す る段階と、 を備えていることを特徴とする方法。 (2) 上記弾性パラメーターの相対的な大きさを比較する段階は、上記地下目標及 び較正位置の両者の上記弾性反射ファクタの何れか2つの比を比較する段階から なる請求項(1)に記載の方法。 (3) 上記弾性パラメーターの相対的な大きさを比較する段階は、正規化ファクタ を選択し、上記正規化ファクタを使用して上記各弾性パラメーターを正規化する 段階からなる請求項(1)に記載の方法。 (4) 上記モデルは一連の平面・平行層からなり、上記方法は上記プリスタック地 震データの遅さ・遮り時間(p−τ)ドメインへの変換を遂行する段階を更に備 え、上記インバージョンはp−τドメインにおける粘弾性インバージョンである 請求項(1)−(3)の何れかに記載の方法。 (5) 上記インバージョンは、オフセット・時間(x−t)ドメインにおける粘弾 性インバージョンである請求項(1)−(3)の何れかに記載の方法。 (6) 上記プリスタック地震反射データを前処理して不要雑音を除去し、上記地下 目標及び較正位置の両者のP波区間速度のモデルを決定して上記インバージョン に使用する段階を更に備えている先行請求項の何れかに記載の方法。 (7) 上記インバージョンは、ダンプされた最小自乗インバージョンである先行請 求項の何れかに記載の方法。 (8) 上記インバージョンは、 (i) バックグラウンド速度モデル、P波質ファクタの初期推定、及び上記プ リスタック地震反射データの初期ウェーブレット推定を入手する段階と、 (ii) 上記バックグラウンド速度モデル、上記P波質ファクタの初期推定、及 び上記初期ウェーブレット推定を使用して上記プリスタック地震反射のインバー ジョンを遂行し、洗練されたウェーブレットを求める段階と、 (iii) 上記洗練されたウェーブレットを使用して上記プリスタック地震反射デ ータのインバージョンを遂行し、上記目標及び較正位置上の関心中間点位置にお ける上記弾性反射ファクタを推定する段階と、 からなる先行請求項の何れかに記載の方法。 (9) 上記プリスタック地震反射データのデータ収集パラメーターは既知であり、 上記初期ウェーブレット推定は上記既知のデータ収集パラメーターから計算され る請求項(8)に記載の方法。 (10)上記方法は、 (f)複数の地下位置について上記段階(a)乃至(e)を繰り返し、地下 弾性パラメーター及び関連岩質及び流体内容のデータベースを作成する段階と、 (g)未知の岩質及び流体内容を有する別の地下目標位置のプリスタック地 震反射データを入手する段階と、 (h)上記プリスタック地震反射データのインバージョンを遂行し、上記別 の地下目標位置における上記未知の岩質及び流体内容を表す複数の弾性パラメー ターを決定する段階と、 (i)上記インバージョンの結果、及び上記データベースを使用して上記別 の地下目標位置における岩質及び流体内容を予測する段階と、 を更に備えている先行請求項の何れかに記載の方法。
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| US300,661 | 1989-01-23 | ||
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