JPH1050580A - 位置検出装置及び該装置を備えた露光装置 - Google Patents

位置検出装置及び該装置を備えた露光装置

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JPH1050580A
JPH1050580A JP8207101A JP20710196A JPH1050580A JP H1050580 A JPH1050580 A JP H1050580A JP 8207101 A JP8207101 A JP 8207101A JP 20710196 A JP20710196 A JP 20710196A JP H1050580 A JPH1050580 A JP H1050580A
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JP
Japan
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light
frequency
diffraction grating
acousto
light beam
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JP8207101A
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Inventor
Hideo Mizutani
英夫 水谷
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出対象の回折格子マークのピッチに対して
高精度に検出用の光束を整合できると共に、異なるピッ
チの回折格子マークに対してもほぼリアルタイムで迅速
に対応できるヘテロダイン干渉型の位置検出装置を提供
する。 【解決手段】 所定の帯域幅を有する光束L0 を音響光
学素子17に通して±1次回折光よりなる光束L1(1),
2(-1) を得て、光束L1(1),L2(-1) をリレー光学系
18a,18bや対物レンズ38等を介して回折格子マ
ークRM,WM上に照射し、回折格子マークRM,WM
からの回折光を光電検出器33,36で受光する。AO
M駆動系60から音響光学素子17に加える高周波信号
SF1,SF 2 の周波数f1,f2 を可変として、例えば回
折格子マークRM,WMのピッチに応じて周波数f1,f
2 の差周波数を一定とした状態で周波数f1,f2 を変化
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘテロダイン干渉
型の位置検出装置、及びこの装置を備え、例えば半導体
素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜
磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程で使用
される露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子等の微細パターンを形
成するために、マスクとしてのレチクル(又はフォトマ
スク等)のパターンを投影光学系を介して感光基板とし
てのウエハ(又はガラスプレート等)上に転写するステ
ッパー等の投影露光装置、又はレチクルのパターンを直
接ウエハ上に転写するプロキシミティ方式の露光装置等
の露光装置が使用されている。例えば半導体素子はウエ
ハ上に多数層の回路パターンを所定の位置関係で積み重
ねて形成されるため、ウエハ上の2層目以降に回路パタ
ーンを転写する際には、それまでに形成されている各シ
ョット領域内の回路パターンとこれから転写するレチク
ルのパターンとの位置合わせ(アライメント)を高精度
に行う必要がある。そこで、露光装置には、レチクル及
びウエハの位置を高精度に検出するための位置検出装置
(アライメントセンサ)、及びこの検出結果に基づいて
レチクル及びウエハの位置決めを行うためのステージ機
構等からなるアライメント機構が備えられている。
【0003】そのようにレチクル及びウエハの位置を高
精度に検出するための位置検出装置として、次の(イ)
及び(ロ)のようなヘテロダイン干渉型の装置が提案さ
れている。 (イ) この位置検出装置は、白色光源からの光束(又
は複数波長のレーザ光)を例えば回折格子で2分割し、
2分割した光束を対称に第1の音響光学素子(以下、
「AOM」と呼ぶ)に通すことによってそれぞれ0次
光、及び等方的なブラッグ回折による1次回折光を得て
いる。また、その第1のAOMに対してリレー光学系を
介して第2のAOMが配置され、第1のAOMからの2
つの1次回折光の第2のAOMにおける等方的なブラッ
グ回折による1次回折光が取り出されている。この場
合、第1及び第2のAOMには所定の周波数差Δfを有
する超音波が印加され、第2のAOMから射出される2
つの1次回折光は、周波数差が2Δfの光束(ヘテロダ
インビーム)となっている。一般にAOMは駆動周波数
が高く、そのままでは得られるヘテロダインビームの周
波数差が高過ぎて信号処理系が複雑化するため、そのよ
うに2つのAOMを配列することによってヘテロダイン
ビームの周波数差をビートダウンしている訳である。
【0004】そして、その周波数差を持つ2光束をレチ
クル及びウエハ上のアライメントマークとしての各回折
格子マークに対して2方向から照射し、各回折格子マー
クからそれぞれ同一方向に発生する回折光同士を干渉さ
せ、各々の干渉光をそれぞれ光電検出器により光電変換
して2つの光ビート信号を得ている。これら2つの光ビ
ート信号の位相差は、2つの回折格子マークの位置ずれ
量に対応するため、それらの光ビート信号を用いてレチ
クルとウエハとの高精度な位置合わせが実現されてい
る。この構成によれば、AOMの段階で異なる周波数の
光束同士が混じることが無く、良好なSN比の光ビート
信号が得られる。
【0005】(ロ) この位置検出装置では、ヘテロダ
インビームを生成する光学系において、1つのAOM内
に周波数の異なる逆向きの超音波が印加されている。そ
して、所定の帯域幅を有する光束をそのAOMに入射さ
せて、そのAOMでの等方的なラマン−ナス回折によっ
て発生する所定の周波数差を有する±1次回折光を、所
定のリレー光学系を介してレチクル及びウエハ上の各回
折格子マークに照射している。この構成によれば、ヘテ
ロダインビームを生成する光学系を簡略化し、且つ小型
化できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の内で、
(イ)の位置検出装置では、光束分割用の初段の回折格
子が、検出対象の回折格子マーク(アライメントマー
ク)と共役になり、その回折格子のピッチとその回折格
子マークのピッチとの比の値は所定の値になる。そのた
め、例えばプロセス等によって検出対象の回折格子マー
クのピッチが変わる場合には、予めその回折格子とその
回折格子マークとの間に倍率可変機構を組み込んでおく
必要があった。また、その回折格子とその回折格子マー
クとの間のリレー光学系に倍率誤差がある場合には、そ
のリレー光学系の倍率を調整する必要があった。
【0007】一方、(ロ)の位置検出装置では、AOM
の媒体中の進行波の発生部分が回折格子マークと共役に
なるため、その進行波のピッチがリレーされた後にその
回折格子マークのピッチに整合する必要がある。そし
て、従来のAOMには一定周波数の超音波が印加され、
生成される進行波のピッチは一定であったため、(イ)
の位置検出装置と同様に、ピッチの異なる回折格子マー
クの位置検出を行うためには、リレー光学系中に倍率可
変機構を設ける必要があり、且つそのリレー光学系の倍
率調整を行う必要のある場合もあった。
【0008】しかしながら、光束分割用の回折格子又は
AOM中の進行波のピッチと検出対象の回折格子マーク
のピッチとの整合に際して必要な精度は、通常でも0.
1%以下であり、このように高精度な整合性を得るため
の倍率可変機構は複雑で、その調整にも長い時間を要す
るという不都合があった。同様に、リレー光学系の倍率
調整を行う必要のある場合にも、その調整には長い時間
を要するという不都合があった。
【0009】更に、最近はウエハ上のレイヤに応じてピ
ッチが例えば4μm、6μm、又は8μm等の複数種類
の回折格子マークを順次検出対象としなければならない
場合もある。しかしながら、従来の位置検出装置では、
倍率可変機構やリレー光学系での調整の難しさから、検
出対象の回折格子マークのピッチに応じて短時間で検出
機構を切り換えることは困難であるという不都合があっ
た。
【0010】本発明は斯かる点に鑑み、光学系を複雑化
することなく、検出対象の回折格子マークのピッチに対
して高精度に検出用の光束を整合できるヘテロダイン干
渉型の位置検出装置を提供することを目的とする。更に
本発明は、異なるピッチの回折格子マークに対してもほ
ぼリアルタイムで迅速に対応できるヘテロダイン干渉型
の位置検出装置を提供することを目的とする。
【0011】更に本発明は、そのような位置検出装置を
備えた露光装置を提供することをも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による位置検出装
置は、互いに周波数の異なる2光束を生成する2光束生
成手段と、この2光束生成手段からの2光束を集光して
これら2光束を被検物(1,4)上に形成された回折格
子状マーク(RM,WM)に対して所定の2方向から照
射する対物光学系(18a,18b,21,22,2
6,27,37,38,3)と、回折格子状マーク(R
M,WM)から同一方向に発生する複数の回折光同士に
よる干渉光を光電的に検出する検出器(33,36)
と、を有し、この検出器の出力信号に基づいて回折格子
状マーク(RM,WM)の位置を検出する位置検出装置
において、その2光束生成手段は、単色の光束又は複数
の波長の光を含む光束(L0)を供給する光源手段(10
〜13)と、この光源手段からの光束の光路上に配置さ
れた1個又は複数個の音響光学素子(17;17A,1
7B;64,65)と、この音響光学素子に対して周波
数が可変の超音波を加える駆動手段(60)と、を備
え、駆動手段(60)からその音響光学素子に対して周
波数が可変の超音波を加えることによって、その光源手
段からの光束(L0)よりその音響光学素子を介して互い
に周波数の異なる2光束(L1(1),L2(-1))を生成する
ものである。
【0013】斯かる本発明によれば、その音響光学素子
内の超音波進行波が回折格子状マーク(RM,WM)と
実質的に共役になるような構成を採り、その音響光学素
子の音響光学媒体に加える超音波の周波数を可変にす
る。この場合、周波数f1の超音波をその音響光学媒体
に加えるものとして、その音響光学媒体中の進行波の波
長をΛ1、音速をVとすると、次式が成立する。
【0014】Λ1=V/f1 (1) 従って、印加する超音波の周波数を変えることにより、
(1)式に従ってその進行波の波長Λ1、即ちその進行
波のピッチを変えることができる。言い換えると、その
超音波の周波数制御によって、容易に回折格子状マーク
(RM,WM)のピッチに対してその進行波のピッチ、
ひいてはその音響光学素子を介して生成される2光束
(L1(1),L2(-1))による干渉縞のピッチを整合させる
(所定の倍率比で合わせる)ことができ、高精度に位置
検出が行われる。例えばその音響光学素子と回折格子状
マーク(RM,WM)との間の対物光学系に倍率誤差が
存在する場合には、その超音波の周波数を制御するだけ
で、容易にその倍率誤差を補正するようにその進行波の
ピッチを制御できる。
【0015】この場合、その駆動手段(60)は一例と
して、回折格子状マーク(RM,WM)のピッチに応じ
て音響光学素子(17;17A,17B;64,65)
に加える超音波の周波数を変えるものである。これによ
って、異なるピッチの回折格子状マークに対してもほぼ
リアルタイムで迅速に対応できる。また、その音響光学
素子の少なくとも1つ(64,65)は、異方ブラッグ
回折を起こす媒体よりなることが望ましい。ここで、異
方ブラッグ回折につき説明する。
【0016】先ず、図10(a)は通常の等方的なブラ
ッグ回折(等方ブラッグ回折)による回折を表し、この
図10(a)において、超音波進行波Eは縦波であり、
その波数ベクトル〈K〉は進行方向に平行である。この
場合、入射光の入射角をθi、回折光の回折角をθdと
して、入射光の波数ベクトルを〈Ki〉、回折光の波数
ベクトルを〈Kd〉とすると、次の関係が成立してい
る。
【0017】〈Kd〉=〈Ki〉+〈K〉 (2) また、等方ブラッグ回折では、回折光の偏光方向は変化
せず、波数ベクトル〈Ki〉の絶対値Kiと、波数ベク
トル〈Kd〉の絶対値Kdとは等しいため、入射角θi
と回折角θdとは等しい。これに対して、図10(b)
は異方ブラッグ回折による回折を表し、この図10
(b)において、超音波進行波Aは横波であり、その波
数ベクトル〈K〉は進行方向に所定角度で交差してい
る。この場合も、入射光(直線偏光とする)の波数ベク
トル〈Ki〉、及び回折光の波数ベクトル〈Kd〉の間
に(2)式の関係が成立している。
【0018】但し、異方ブラッグ回折では、回折光の偏
光方向が入射光の偏光方向に対して所定角度(例えば9
0°)回転していると共に、入射光の偏光方向での屈折
率niと、回折光の偏光方向での屈折率ndとが異なっ
ている。そして、入射光の真空中での波長をλとして、
波数ベクトル〈Ki〉,〈Kd〉の絶対値Ki,Kdは
それぞれ次のように表すことができ、両者は異なってい
る。
【0019】 Ki=2πni/λ,Kd=2πnd/λ (3) この条件のもとで(2)式を満たすために、図10
(b)に示すように、入射角θiと回折角θdとは異な
っている。これが、異方ブラッグ回折である。この場
合、入射光の偏光方向が図10(b)の状態から回転し
ていると、波数ベクトル〈Ki〉の絶対値Kiが変化す
ると共に、回折光の波数ベクトル〈Kd〉の絶対値Kd
も変化するために、(2)式を満たす回折光の存在が困
難となるため、入射光の偏光方向によって回折効率が大
きく変化して、回折効率に異方性が生じる。
【0020】このように音響光学素子の回折効率に異方
性がある場合には、その音響光学素子への入射光の偏光
方向、及び入射角を例えば回折効率が最大となる方向に
設定しておくことによって、低い駆動電力で、且つ高い
回折効率で周波数変調を行うことができる。更に、その
音響光学素子で周波数変調を受ける必要のない光束につ
いては、偏光方向を回折効率が最小となる方向に設定
し、且つ入射方向も変えておくことによって、異なる周
波数の2光束が異なる方向に射出されるため、それら2
光束を後続の対物光学系を介して回折格子状マーク(R
M,WM)に容易に所望の交差角で照射できる。しか
も、本発明ではその音響光学素子に印加する超音波の周
波数が可変であるため、低い駆動電力でも、容易にその
音響光学素子内の進行波のピッチを回折格子状マーク
(RM,WM)のピッチに整合できる。また、異方ブラ
ッグ回折を利用すると、音響光学素子からの回折光の回
折角の可変範囲を広くできる(加える超音波の周波数の
可変範囲を広くできる)。
【0021】また、本発明の位置検出装置において、そ
の音響光学素子の少なくとも1つ(17;17A,17
B)を、ラマン−ナス回折を起こす媒体より構成しても
よい。ラマン−ナス回折とは、例えば図6に示すよう
に、超音波(47A,47B)の波面に平行に入射した
光束(L0)が、0次光(L0(0))を中心として±1次回
折光(L1(1),L2(-1))等に対称に回折される現象を言
う。また、一般に音響光学素子の駆動周波数は数10M
Hzであり、これがそのまま2光束の周波数差、即ち回
折格子マーク(RM,WM)から得られるヘテロダイン
ビームのビート周波数になると、信号処理系が複雑化す
る。そこで、ラマン−ナス回折を利用したときには、例
えば1つの音響光学素子(17)の2箇所にそれぞれ可
変で所定の周波数差を持つ周波数の超音波を加えるのみ
で、その音響光学素子(17)よりビートダウンされた
処理し易い周波数差を有する1対の光束を取り出すこと
ができる。
【0022】更に、駆動手段(60)は、その音響光学
素子の2箇所にそれぞれ周波数が可変で、且つ差周波数
が一定の超音波を加えることが望ましい。単にその音響
光学素子に印加される超音波の周波数を可変とすると、
得られる2光束の周波数差、即ちビート周波数も可変と
なってしまい、信号処理系が複雑化する。そこで、ビー
ト周波数を一定にしたまま、例えば異なるピッチの回折
格子状マーク(RM,WM)に対応するためには、1個
又は複数個の音響光学素子の2箇所にそれぞれ周波数が
可変で、且つ差周波数(ビート周波数)が一定の超音波
を加えればよい。
【0023】具体的に、例えば図7及び図8に示すよう
に、2個の音響光学素子(17A,17B)をタンデム
型に近接、又はリレー系を介して配置し、第1の音響光
学素子(17A)に(1)式を満たす周波数f1の超音
波を加え、第2の音響光学素子(17B)に加える超音
波の周波数をf2として、次式で定まる周波数差(ビー
ト周波数)Δfを一定に保ったまま、周波数f1に連動
させて周波数f2を変化させる。
【0024】Δf=f2−f1 (4) これによって、第2の音響光学素子(17B)内に、
(1)式と同様に次式で定まるピッチΛ2の進行波が生
じる。 Λ2=V/f2 (5) その際、周波数f2に比べてΔfが充分小さければf1
とf2とはほぼ等しく、従って進行波のピッチΛ1とピ
ッチΛ2とはほぼ等しくなり、ビート周波数を変えずに
進行波のピッチを変えることができる。また、このとき
信号処理がし易いようにビート周波数Δfを小さくでき
る。
【0025】次に、本発明による露光装置は、本発明の
位置検出装置と、各ショット領域に回折格子状マーク
(WM)が付設された感光基板(4)を移動するステー
ジ(5)と、を備え、このステージで位置決めされた感
光基板(4)上にマスクパターン(1)を転写する露光
装置であって、感光基板(4)上の回折格子状マーク
(WM)の位置をその位置検出装置で検出し、この検出
結果に基づいてステージ(5)を駆動することによって
感光基板(4)の位置合わせを行うものである。斯かる
本発明の露光装置によれば、その位置検出装置を介して
検出した回折格子状マーク(WM)の位置に基づいて感
光基板(4)の位置決めを行った後、マスクパターン
(1)が転写される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
につき図1〜図6を参照して説明する。本例は、投影露
光装置に備えられたヘテロダイン干渉型のアライメント
センサに本発明を適用したものである。図1は本例の投
影露光装置を示し、この図1において、転写用の回路パ
ターンが形成され、その回路パターンの周辺部にアライ
メント用の回折格子マークRMが形成されたレチクル1
が、2次元的に移動可能なレチクルステージ2上に保持
されている。レチクル1は、投影光学系(投影対物レン
ズ)3に関してウエハ4と共役となるように配置されて
いる。以下、投影光学系3の光軸に平行にz軸を取り、
z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にx軸を、図1
の紙面に垂直にy軸を取って説明する。
【0027】露光時には照明光学系40からの露光光
は、レチクル1の上方に光軸に対して45゜の傾斜角で
斜設されたダイクロイックミラー6により下方へ反射さ
れて、レチクル1を均一な照度分布で照明する。その露
光光のもとで、レチクル1上の回路パターンの像は投影
光学系3を介してウエハ4上の各ショット領域に転写さ
れる。なお、ウエハ4上の各ショット領域には、レチク
ル1上に形成された回折格子マークRMと同様のアライ
メント用の回折格子マークWMが形成されている。
【0028】ウエハ4は、ステップ・アンド・リピート
方式で2次元的に移動するウエハステージ5上に保持さ
れており、ウエハ上の1つのショット領域でのレチクル
パターンの転写露光が完了すると、ウエハ4は次のショ
ット位置までステッピングされる。レチクルステージ2
及びウエハステージ5におけるx方向、y方向及び回転
方向(θ方向)の位置を独立に検出するための不図示の
干渉計が各ステージに設けられており、それらの干渉計
の計測値に基づいて不図示の駆動モータによって各ステ
ージが駆動される。
【0029】本例では、回折格子マークRM及びWMの
位置検出を行うためのアライメントセンサ(位置検出装
置)のアライメント光学系が、ダイクロイックミラー6
の上方に設けられている。以下、そのアライメント光学
系について説明する。図1のアライメント光学系におい
て、露光光とは異なる波長帯の光を供給するXeラン
プ、ハロゲンランプ等の白色光源10からの白色光は、
口径可変な可変絞り11及びコンデンサーレンズ12を
介することにより平行光束に変換された後、所定の波長
域の光を抽出するバンドパスフィルタ13を介して光束
0 として音響光学素子(以下、「AOM」と略称す
る。)17に入射する。
【0030】AOM17は、AOM駆動系60によって
それぞれ周波数f1 及びf2 (f1>f2 とする)の高
周波信号SF1 及びSF2 で逆方向から駆動されてお
り、入射した光束L0 はAOM17によりラマン−ナス
(Raman-Nath)回折作用を受ける。本例では周波数f1
及びf2 は、周波数差(f1 −f2)が一定であるという
条件のもとで、可変となっている。以下では、回折光の
次数は高周波信号SF1による進行波の進行方向を基準
にして考える。
【0031】ここで、入射する光束L0 の中心周波数を
0 とすると、その光束L0 のAOM17による+1次
回折光L1(1)(以下、「光束L1(1)」と称する。)は、
AOM17により実質的に(f0 +f3 )(但し、f3
=(f1 −f2 )/2)の周波数変調を受け、光束L0
の−1次回折光L2 (-1)(以下、「光束L2 (-1)」と称
する。)は、AOM17により実質的に(f0 −f3
の周波数変調を受ける。
【0032】その後、光束L1(1)及び光束L2 (-1)は、
レンズ18a、反射ミラー20、レンズ18b、レンズ
21を介し、ビームスプリッタ22によりそれぞれ2分
割される。なお、レンズ18aとレンズ18bとで構成
されるリレー光学系の間には、光束L1(1)と光束L2 (-
1)とを抽出するための空間フィルタ19が設けられてい
る。
【0033】ビームスプリッタ22を透過した光束L
1(1)及び光束L2 (-1)はレンズ23により集光され、こ
の集光位置に設けられた参照用の回折格子24上には、
ピッチ方向に沿って流れる干渉縞が形成される。そし
て、この回折格子24を介した回折光が光電検出器25
にて参照用の光ビート信号として光電検出される。光電
検出器25から出力される信号には、本来の光ビート信
号の他に周波数f1 程度の高周波成分が含まれているた
め、その高周波成分を周波数f1 /2程度以下の信号の
みを通過させるローパスフィルタ回路(LPF)53a
を介して除去し、その光ビート信号のみを位相検出系5
0に供給する。
【0034】一方、ビームスプリッタ22で反射された
光束L1(1)及び光束L2 (-1)は、レンズ26a,26b
よりなる第1リレー光学系26、第2リレー光学系2
7、ビームスプリッタ28、平行平面板37を通過す
る。この平行平面板37は、投影光学系3の瞳共役位置
又はその近傍に、アライメント光学系の光軸に対して傾
角可変に設けられ、テレセントリック性を維持するため
の機能を有する。なお、平行平面板37の代わりに、厚
い粗調整用の平行平面板と、薄い微調整用の平行平面板
とを組み合わせた部材を用いて良い。
【0035】平行平面板37を通過した光束L1(1)及び
光束L2 (-1)は、対物レンズ38、ダイクロイックミラ
ー6を介して、所定の交差角を持つ2方向からレチクル
1上の回折格子マークRMを照明する。なお、投影光学
系3がアライメント光に対して色収差補正されていない
場合には、対物レンズ38は、例えば特開昭63−28
3129号公報にて提案されている2焦点光学系で構成
することが望ましい。これにより、2焦点光学系に入射
する2光束は互いに直交する偏光光にそれぞれ分割さ
れ、第1焦点へ向かう一方の偏光光同士がレチクル1上
で集光し、第2焦点へ向かう他方の偏光光同士がウエハ
4上で集光する。
【0036】さて、光束L1(1)及び光束L2 (-1)は、レ
チクル1上の回折格子マークRMを照明するが、レチク
ル1には、図2(a)に示す如く、回折格子マークRM
と並列にアライメント光用の透過窓P0 が設けられてお
り、図2(b)に示す如く、この透過窓P0 に対応する
ウエハ4上の位置に、回折格子マークWMが形成されて
いる。
【0037】光束L1(1)及び光束L2 (-1)は、回折格子
マークRM及び透過窓P0 を覆うように2方向から照明
し、これにより回折格子マークRM上には、ピッチ方向
に沿って流れる干渉縞が発生する。そして、この回折格
子マークRMの法線方向(投影光学系3の光軸方向)に
は、光束L1(1)の+1次回折光、及び光束L2 (-1)の−
1次回折光がそれぞれ発生する。
【0038】ここで、光束L1(1)と光束L2 (-1)とが回
折格子マークRMを2方向から照明するときの交差角
は、回折格子マークRMのピッチをPRM、光源10から
供給される光の中心波長をλ0 、光束L1(1)又は光束L
2 (-1)の回折格子マークRMに対する入射角をθRMとす
るとき、次の関係を満足するように設定されている。 sin θRM=λ0 /PRM (6) なお、その入射角θRMは、AOM17に印加される高周
波信号SF1 及びSF 2 の周波数f1 及びf2 によって
制御できる角度である。そして、本例では、AOM17
と回折格子マークRMとの間の対物光学系に倍率誤差が
存在する場合、又は回折格子マークRMのピッチPRM
変更された場合等には、(6)式が満たされるようにそ
の周波数f1 及びf2 を変更する。これにより、回折格
子マークRMから垂直上方に平行に発生する±1次回折
光は、再びダイクロイックミラー6、対物レンズ38、
平行平面板37を通過した後、ビームスプリッタ28で
反射されて、レンズ29、ビームスプリッタ30を介し
て、視野絞り34に達する。
【0039】この視野絞り34は、レチクル1と共役な
位置に設けられており、具体的には、図3(a)の斜線
で示す如く、レチクル1の回折格子マークRMからの回
折光のみを通過させるように、回折格子マークRMの位
置に対応して開口部SRMが設けられている。このため、
視野絞り34を通過した回折格子マークRMからの回折
光は0次回折光をカットする空間フィルタ35によりフ
ィルタリングされて、±1次回折光よりなる干渉光のみ
が光電検出器36に達し、この光電検出器36にてレチ
クル1の位置情報を含んだ光ビート信号が光電検出され
る。光電検出器36から出力される信号も、周波数f1
/2程度以下の信号を通過させるローパスフィルタ回路
(LPF)53cを介して位相検出系50に供給され
る。
【0040】一方、上記レチクル1の透過窓P0 を通過
した光束L1(1)及び光束L2 (-1)の一部は、投影光学系
3を介して、ウエハ4上の回折格子マークWMを所定の
交差角を持った2方向から照明し、これにより回折格子
マークRM上には、ピッチ方向に沿って流れる干渉縞が
発生する。そして、この回折格子マークWMの法線方向
(投影光学系3の光軸方向)には、光束L1(1)の−1次
回折光、及び光束L2(-1)の+1次回折光がそれぞれ発
生する。
【0041】ここで、光束L1(1)と光束L2 (-1)とが回
折格子マークWMを2方向から照明するときの交差角
は、回折格子マークWMのピッチをPWM、光源10から
供給される光の中心波長をλ0 、光束L1(1)又は光束L
2 (-1)の回折格子マークWMに対する入射角をθWMとす
るとき、次の関係を満足するように設定されている。 sin θWM=λ0 /PWM (7) その入射角θWMも、AOM17に印加される高周波信号
SF1 及びSF2 の周波数f1 及びf2 によって制御で
きる角度である。そして、ウエハ4の伸縮等によって回
折格子マークWMのピッチが僅かに変化している場合、
リレー光学系に倍率誤差がある場合、又は回折格子マー
クWMのピッチPWMが変更された場合等には、(7)式
が満たされるようにその周波数f1 及びf2 が変更され
る。これにより、回折格子マークWMから垂直上方に平
行に発生する±1次回折光は、再び投影光学系3、透過
窓P0 、ダイクロイックミラー6、対物レンズ38、平
行平面板37を通過した後、ビームスプリッタ28で反
射されて、レンズ29、ビームスプリッタ30を介し
て、視野絞り31に達する。
【0042】この視野絞り31は、ウエハ4と共役な位
置に設けられており、具体的には、図3(b)の斜線で
示す如く、ウエハ4の回折格子マークWMからの回折光
のみを通過させるように、回折格子マークWMの位置に
対応して開口部SWMが設けられている。このため、視野
絞り31を通過した回折格子マークWMからの回折光は
0次回折光をカットする空間フィルタ32によりフィル
タリングされて、±1次回折光よりなる干渉光のみが光
電検出器33に達し、この光電検出器33にてウエハ4
の位置情報を含んだ光ビート信号が光電検出される。光
電検出器33から出力される信号も、周波数f1 /2程
度以下の信号を通過させるローパスフィルタ回路(LP
F)53bを介して位相検出系50に供給される。
【0043】ここで、各空間フィルタ32,35はアラ
イメント光学系の瞳と略共役な位置、即ち投影光学系3
の瞳(射出瞳)と実質的に共役な位置に配置され、レチ
クル1、ウエハ4上に形成された回折格子マークRM,
WMからの0次回折光(正反射光)を遮断し、±1次回
折光(レチクル1、ウエハ4の回折格子マークに対して
垂直方向に発生する回折光)のみを通過させるように設
定されている。また、光電検出器36及び33は、対物
レンズ38及びレンズ29に関して、それぞれレチクル
1及びウエハ4と略共役となるように配置されている。
【0044】この場合、回折格子マークRM,WMに入
射する光束L1(1)の大部分は、AOM17により(f0
+f3 )の周波数変調を受け、光束L2 (-1)の大部分は
AOM17により(f0 −f3 )の周波数変調を受けて
いる。そのため、回折格子マークRM,WMからの±1
次回折光よりなる干渉光の大部分のビート周波数は2f
3 、即ち(f1 −f2 )となる。但し、回折格子マーク
RM,WMからの±1次回折光よりなる干渉光にはそれ
以外のビート周波数を有するノイズ成分も含まれてい
る。
【0045】その結果、本例のアライメント光学系の各
光電検出器25,33,36からそれぞれローパスフィ
ルタ回路53a,53b,53cを介して得られる3つ
の信号は、共に同じ周波数Δf(=2f3 =f1
2 )の正弦波状の光ビート信号を含んでおり、位相検
出系50内の光ビート信号抽出部(フーリエ変換回路)
にて3つの光電信号からそれぞれ周波数Δfの正弦波状
の光ビート信号を精度良く抽出する。そして、参照用の
回折格子24、回折格子マークRM、及び回折格子マー
クWMに対応する光ビート信号をそれぞれ参照ビート信
号、レチクルビート信号、及びウエハビート信号とする
と、位相検出系50では例えば、レチクルビート信号と
ウエハビート信号との位相差ΔφRWを求め、この位相
差ΔφRWを装置全体の動作を統轄制御する主制御系5
1に供給する。
【0046】今、位置合わせされていない状態でレチク
ル1、ウエハ4が任意の位置で停止しているとすると、
その位相差ΔφRWは、本来の値に対して所定の位相だ
けずれることになる。ここで、レチクル1及びウエハ4
からの各光ビート信号の位相差(±180゜)は、レチ
クル1及びウエハ4上にそれぞれ形成された回折格子マ
ークの格子ピッチの1/2以内の相対位置ずれ量に一義
的に対応している。
【0047】このため、予め例えばサーチアライメント
によって、レチクル1とウエハ4とは格子配列方向に対
して、相対位置ずれ量が各回折格子マークRM,WMの
格子ピッチの1/2以下となるように位置合わせされて
おり、その状態で主制御系51は、サーボ系52により
位相検出系50で得られた位相差ΔφRWが0又は所定
の基準値となるように、レチクルステージ2又はウエハ
ステージ5を2次元移動させて位置合わせを行う。これ
により高精度で位置合わせが行われる。
【0048】なお、光電検出器25により得られる参照
ビート信号を基準信号として、この基準信号とレチクル
ビート信号、及びウエハビート信号との各々の位相差が
それぞれ0又は所定の基準値となるように位置合わせを
行っても良い。また、AOM17を駆動する駆動信号
(高周波信号SF1,SF2)を基準信号として利用するこ
ともできる。この場合、高周波信号SF1,SF2 をミキ
シングして得られる信号をその参照ビート信号の代わり
に使用できるため、図1において、レンズ23、及び参
照用の回折格子24を含む光学系が省略でき、アライメ
ント光学系が簡素化される。
【0049】次に、本例において、互いに異なる周波数
の2光束を生成する部分についてより具体的な構成及び
原理を図4を参照しながら説明する。図4に示す如く、
ほぼ白色の光束L0 がAOM17に対して垂直に入射す
ると、AOM17のラマン−ナス回折作用により、各波
長毎に各次数の回折光が発生する。このとき、周波数f
1 及びf2 に比べて、差周波数(f1 −f2)は小さいも
のとして、AOM17の法線方向に対する回折光の回折
角をφ2 、AOM17内の進行波の波長(ピッチ)をΛ
G 、その進行波の速度(音速)をV、光の中心波長を
λ、回折光の次数を1次とするとき、ほぼ以下の関係が
成立する。
【0050】 ΛG =V/f,(f=(f1+f2)/2) (8) sin φ2 =λ/ΛG (9) 従って、周波数f1,f2 を変化させることによって、
(8)式より進行波の波長ΛG が変化し、その結果
(9)式よりAOM17からの±1次回折光の回折角φ
2 が変化する。また、本例ではAOM17の超音波作用
領域が、レチクル1上の回折格子マークRM、及びウエ
ハ4上の回折格子マークWMとそれぞれ実質的に共役に
なっている。従って、周波数f1,f2 を変化させて、A
OM17からの±1次回折光よりなる光束L1(1)及びL
2 (-1)の回折角φ2 を変化させることによって、回折格
子マークRM,WM上に照射される光束L1(1)及びL2
(-1)の交差角、ひいてはそれらのマーク上に形成される
干渉縞のピッチを調整できる。
【0051】例えば、AOM17の音響光学媒体内での
音速Vを3000m/sとして、AOM17に印加され
る高周波信号SF1 の周波数f1 を50.1MHz、高
周波信号SF2 の周波数f2 を50MHzとする。この
とき、ビート周波数Δfは100kHzとなり、(8)
式よりAOM17の音響光学媒体内に生じる進行波の波
長(ピッチ)ΛG は60μmとなる。また、図1のウエ
ハ4上の回折格子マークWMのピッチPWMが4μmであ
るとすると、AOM17とレチクル1との間のリレー光
学系と、投影光学系3との合成系での縮小倍率は1/1
5であればよい。
【0052】ところが、調整誤差等によって例えば途中
のリレー光学系で倍率誤差が生じることがある。この場
合、その倍率誤差を1%として、周波数f1,f2 がそれ
までと同じとすると、そのリレー光学系及び投影光学系
3を介して回折格子マークWM上に照射される光束L
1(1)及びL2 (-1)による干渉縞のピッチが1%大きくな
って、回折格子マークWMからの±1次回折光が垂直上
方に平行に発生しなくなる。これを避けるためには、A
OM17に印加される高周波信号の周波数f1,f 2 を差
周波数(f1 −f2)を一定に保ってそれぞれ1%程度大
きくしてやればよい。本例の場合には、周波数f1,f2
をそれぞれ500kHz増加させて、周波数f1 を5
0.6MHz、周波数f2 を50.5MHzとすればよ
い。これによって、ビート周波数Δfは100kHzの
ままで、回折格子マークWM上に形成される干渉縞のピ
ッチを1%小さくすることができ、図1の位相検出系5
0の特性等を切り換えることなく、高精度に回折格子マ
ークWMの位置検出が行われる。
【0053】また、AOM駆動系60からAOM17に
供給される高周波信号SF1,SF2の周波数f1,f2
安定性は通常ppmオーダが容易に実現できるので、そ
れらの周波数f1,f2 は極めて高精度に設定できる。な
お、周波数f1 に関しては1%増しは正確には50.6
01MHzであるが、ビート周波数Δfを一定にするた
めに50.6MHzにしてある。そのときの周波数の誤
差は0.002%なので事実上問題はない。更に、その
周波数f1,f2 を最適値に設定するには、例えば光電検
出器33(又はローパスフィルタ回路53b)からの光
ビート信号の振幅が極大になるように設定すればよい。
このように、本例では光学系に起因するアライメントマ
ーク(回折格子マークRM,WM)のピッチと、計測用
の光束による干渉縞のピッチとの誤差を電気的に容易に
高精度に合わせる(整合させる)ことができる。
【0054】次に、図1のウエハ4上の回折格子マーク
WMが図5(b)に示すピッチP1(=4μmとする)
の回折格子マークWM1であるとして、図5(a)に示
すように、AOM17から実線で示す光路に沿って発生
する光束L1(1),L2 (-1)が回折格子マークWM1に照
射されたときに、回折格子マークWM1から垂直上方に
±1次回折光L(±1)が発生するものとする。その
後、例えばウエハ4上の別のレイヤに対して露光を行う
際に、ウエハ4上の回折格子マークが図5(b)に示す
ようにピッチP2が6μmの回折格子マークWM2であ
るとする。
【0055】この回折格子マークWM2の位置検出を行
うためには、AOM17から回折格子マークWM2に対
する縮小倍率が1/15であるため、AOM17の音響
光学媒体内に生じる進行波の波長(ピッチ)ΛG を90
μmにすればよい。そのためには、(8)式よりAOM
17に加える高周波信号SF1,SF2 の周波数f1,f 2
を回折格子マークWM1の位置検出を行う場合の2/3
(=60/90)倍、即ちそれぞれ33.433(≒5
0.1・2/3)MHz、及び33.333(≒50・
2/3)MHzとすればよい。但し、周波数f1 の3
3.433MHzについては、ビート周波数Δf(=f
1 −f2)を100kHzにするために補正してある。こ
の場合の周波数f1 の誤差も0.1%以内であるため、
実質的に(8)式の条件は満たされている。
【0056】この結果、図5(a)に示すように、AO
M17から発生する光束L1(1)及びL2 (-1)の光路は、
内側の2点鎖線で示す光路61A,61Bにずれて、図
5(b)に示すように、回折格子マークWM2に照射さ
れる際の光束L1(1)及びL2(-1)の光路も、内側の2点
鎖線で示す光路62A,62Bにずれて、回折格子マー
クWM2からは垂直上方に光路63で示すように±1次
回折光が発生する。従って、AOM17の駆動用の信号
の周波数f1,f2 を検出対象の回折格子マークのピッチ
に応じて切り換えることで、途中のリレー光学系の変更
を行うことなく、異なるピッチの回折格子マークの位置
を高精度に検出できる。
【0057】ところで、AOMの音響光学媒体に加える
超音波の周波数をfとすると、次式で与えられるQパラ
メータを適切に選ぶように注意する必要がある。 Q=(2πLλf2 )/nV2 (10) 但し、Lは超音波作用領域の長さ、λは使用される光束
の中心波長、nは音響光学媒体の屈折率、Vは超音波の
速度である。
【0058】そして、Qの値が4π前後(≒12.6)
ではブラッグ回折が起こり、Qの値が2の前後ではラマ
ン−ナス回折が起こる。例えば図4の例ではラマン−ナ
ス回折が利用されているため、Qの値はほぼ2に選択さ
れる。そして、そのQの値の条件をほぼ満たす範囲で、
超音波の周波数fを調整することで、その音響光学媒体
内の進行波のピッチを或る程度変化させることができ
る。
【0059】図1に戻り、本例では、光束L1(1)及びL
2 (-1)として、所定の波長域を持つ光束(白色光)が使
用されている。また、(9)式より分かるように、各波
長の光束毎にAOM17からの回折角φ2 が変化して、
回折格子マークRM,WMからの±1次回折光は各波長
毎にそれぞれ垂直上方に射出される。従って、所定のビ
ート周波数Δfを有する所定の波長域(多波長光とみな
すことができる)の干渉ビート光を各光電検出器33,
36にてそれぞれ光電検出でき、各回折格子マークの位
置情報を含んだビート光を各波長毎にそれぞれ検出でき
ることになる。その結果、各波長のビート光の平均化効
果により、特にウエハ4上の回折格子マークWMの非対
称性を影響を抑え、且つフォトレジスト層での薄膜干渉
の影響(光量変化等の影響)等を抑えて、ヘテロダイン
干渉法による高精度なアライメントが達成できる。
【0060】しかも、AOM17によって入射方向(光
軸方向)に対して対称に分割された所定の波長域の光束
(多波長光)は、その後のリレー光学系を対称且つ並列
的に進行するので、分割光束間には光路長差が原理的に
発生しない。このため、分割光束間の波面は位相差が0
の状態で揃っているため、高精度なアライメントが可能
となるばかりか、調整容易でコンパクトな装置が実現で
きる。
【0061】次に、本例で使用されるAOM17の具体
的な構成につき図6を参照して説明する。図6は、図1
中で使用されているAOM17を示し、この図6におい
て、音響光学媒体41Aの一方の側面に電極板42A、
超音波発生用のトランスデューサ43A、電極板44
A、及び吸音材46Bが順次固定され、電極板42A及
び44Aの間にAOM駆動系60から周波数f1 の高周
波信号(駆動信号)が供給され、これにより進行波47
Aが形成される。また、音響光学媒体41Aの他方の側
面に電極板42B、超音波発生用のトランスデューサ4
3B、電極板44B、及び吸音材46Aが順次固定さ
れ、電極板42B及び44Bの間にAOM駆動系60か
ら周波数f2 の高周波信号が供給され、これにより進行
波47Bが形成される。吸音材46A及び46Bは、そ
れぞれ対向するトランスデューサ43A及び43Bから
の超音波(進行波)を吸収して、反射波の発生を防止す
る役割を果たす。
【0062】この場合、音響光学媒体41Aとしては、
通常のガラスの他に、2酸化テルル(TeO2)の単結
晶、水晶、石英、モリブデン酸鉛単結晶等が使用でき
る。また、吸音材46A,46Bとしては、音響インピ
ーダンスが音響光学媒体41Aのそれと近く、且つ音波
を吸収し易い材料が使用できる。音響インピーダンスと
は、密度と音速との積である。具体的に、吸音材46
A,46Bとしては、鉛、又はアルミニウム等の金属膜
が使用できる。また、トランスデューサ43A,43B
としては、リチウムナイオベイト(LiNbO3)の単結
晶、LiIO3 の単結晶、Ba3 NaNb5 15の単結
晶等が使用できる。
【0063】また、トランスデューサ43A及び43B
により挟まれた領域が1つの幅D1の超音波作用領域4
8Aを形成しており、超音波作用領域48A内に実質的
に周波数f3(=(f1 −f2)/2)の進行波が形成され
る。従って、光束L0 は、実際にはその周波数f3 の進
行波により回折されて+1次回折光(光束)L1(1)及び
−1次回折光(光束)L2 (-1)となる。概念的には、光
束L0 中の光束L0Aの進行波47Aによる+1次回折光
0A(1) 、及び光束L0Bの進行波47Bによる+1次回
折光L0B(1) の混合波が光束L1(1)を形成し、同様に、
光束L0Aの進行波47Aによる−1次回折光L0A(-1)、
及び光束L0Bの進行波47Bによる−1次回折光L0B(-
1)の混合波が光束L2 (-1)を形成するものとみなすこと
ができる。そして、光束L1(1)の周波数の変化分はf3
であり、光束L2 の周波数の変化分は−f3 である。更
に、光束L0 の0次光L0(0)は、図1の空間フィルタ1
9により完全に除去できる。
【0064】次に、図6のAOM17の変形例につき図
7を参照して説明する。この変形例は、1つのAOM1
7の代わりに2つのAOMを用いて入射する光束L0
2つの光束L1(1),L2 (-1)に分割するものである。図
7は、図1中の1つのAOM17の代わりに使用できる
2つのAOM17A,17Bを示し、この図7の第1の
AOM17Aにおいて、音響光学媒体41Aの一方の側
面に電極板42A、超音波発生用のトランスデューサ4
3A、及び電極板44Aが順次固定され、他方の側面に
吸音材46Aが固定され、電極板42A及び44Aの間
にAOM駆動系60から可変の周波数f1 の高周波信号
が供給され、これにより進行波47Aが形成される。ま
た、第2のAOM17Bにおいて、音響光学媒体41B
の他方の側面に電極板42B、超音波発生用のトランス
デューサ43B、及び電極板44Bが順次固定され、一
方の側面に吸音材46Bが固定され、電極板42B及び
44Bの間にAOM駆動系60から可変の周波数f2
高周波信号が供給され、これにより第1のAOM17A
内の進行波47Aと逆方向に進行する進行波47Bが形
成される。
【0065】また、トランスデューサ43Aと吸音材4
6Aとにより挟まれた領域が第1の超音波作用領域を形
成し、トランスデューサ43Bと吸音材46Bとにより
挟まれた領域が第2の超音波作用領域を形成している。
そして、入射する光束L0 の内で、AOM17A内の進
行波47Aによる+1次回折光L0(1)、及びAOM17
B内の進行波47Bによる+1次回折光LA(1)の混合光
が光束L1(1)となり、進行波47Aによる−1次回折光
0(-1) 、及び進行波47Bによる−1次回折光LA(-
1) の混合光が光束L2(-1) となっている。そして、光
束L1(1)の周波数の変化分は実質的に(f1-f2)/2で
あり、光束L2 の周波数の変化分は実質的に−(f1-f
2)/2である。更に、AOM17A内の超音波作用領域
の中心とAOM17B内の超音波作用領域の中心との空
気長に換算した間隔sは、2つの光束L1(1),L2 (-1)
の干渉光の光電変換信号(光ビート信号)のコントラス
トが最大となるように設定されている。
【0066】そして、この図7の変形例においても、A
OM駆動系60からAOM17A,17Bに供給する高
周波信号の周波数f1,f2 を変化させることによって、
リレー光学系の倍率誤差に対応できると共に、種々のピ
ッチの回折格子マークRM,WMの検出を行うことがで
きる。なお、その2つのAOM17A,17Bの間隔s
はできれば0となるのが望ましいが、図7のように隣接
して配置するときには、間隔sは0にはなり得ない。そ
こで、実質的に間隔sを0にするには、2つのAOMの
間にリレーレンズ系を配置すればよい。
【0067】図8は、そのようにリレーレンズ系を配置
した変形例を示し、この図8において、第1のAOM1
7Aと第2のAOM17Bとの間に、2枚のレンズ54
A及び54Bよりなるリレーレンズ系が配置されてい
る。図8の第1のAOM17Aは、図7の第1のAOM
17Aを上下反転して進行波の方向を逆にしたものであ
る。また、レンズ54A及び54Bの焦点距離をFD1
及びFD2 として、AOM17Aの超音波作用領域の中
心Pをレンズ54Aの前側焦点に配置し、2枚のレンズ
54A及び54Bの間隔を(FD1 +FD2 )に設定
し、レンズ54Bの後側焦点にAOM17Bの超音波作
用領域の中心Qを配置する。即ち、そのリレーレンズ系
により、AOM17Aの超音波作用領域の中心Pと、A
OM17Bの超音波作用領域の中心Qとが共役となって
いる。この場合、レンズ54A,54Bよりなるリレー
レンズ系は両側テレセントリックであることが望まし
い。また、1回のリレーにより、2つのAOM17A,
17B内の進行波の方向は同じ方向に設定されている。
【0068】この変形例では、入射する光束L0 による
AOM17A内の中心Pからの−1次回折光L0(-1) 、
+1次回折光LA(1)、及び0次光LA は、それぞれリレ
ーレンズ系を介してAOM17B内の中心Qで交差す
る。従って、その中心Qからは、その0次光LA による
AOM17Bからの+1次回折光LA(1)と、+1次回折
光L0(1)とがほぼ完全に重なった状態で射出され、その
0次光LA によるAOM17Bからの−1次回折光L
A(-1) と、−1次回折光L0(-1) とがほぼ完全に重なっ
た状態で射出される。従って、アライメント用の光束の
利用効率が高くなり、且つ得られる光ビート信号のコン
トラストが高くなる利点がある。
【0069】次に、本発明の第2の実施の形態につき図
9、及び図11を参照して説明する。本例でも基本的に
図1に示す投影露光装置を使用するが、ヘテロダイン干
渉型のアライメントセンサ中の2光束生成手段として異
方ブラッグ回折を行う音響光学素子を使用する点が異な
っている。以下では、本例の2光束生成手段につき説明
する。
【0070】図9は、本例のアライメントセンサの2光
束生成手段を示し、この図9において、入射する所定の
帯域幅の光束L0 の光路に沿って2つのAOM(音響光
学素子)64及び65が配置されている。そして、第1
のAOM64は、例えば2酸化テルル(TeO2)、石
英、又はモリブデン酸鉛(PbMoO4)等の音響光学媒
体64aに、圧電素子等のトランスデューサ64bを被
着したものであり(電極、及び吸音材は省略してい
る)、トランスデューサ64b(実際にはこれを挟む電
極)に図1のAOM駆動系60から周波数f1 の高周波
信号SF1 が印加されている。同様に、AOM65も、
音響光学媒体65aにトランスデューサ65bを被着し
たものであり、トランスデューサ65bにAOM駆動系
60から周波数f2 の高周波信号SF2 が印加されてい
る。但し、トランスデューサ65bはトランスデューサ
64bとは反対側に被着されている。
【0071】この場合、入射する光束L0 の進行方向を
+z方向として、図9の紙面内でz方向に直交する方向
をx方向とすると、トランスデューサ64bによって音
響光学媒体64a内に、xz平面(図9の紙面に平行な
平面)内でz軸に対して所定角度で交差する方向に横波
の超音波進行波Aが供給され、この超音波進行波Aによ
って光束L0 の一部が異方ブラッグ回折を受ける。同様
に、トランスデューサ65bによって音響光学媒体65
a内に、xz平面内でz軸に対して超音波進行波Aと対
称に交差する方向に横波の超音波進行波Bが供給され、
この超音波進行波BによってAOM64からの光束の一
部が異方ブラッグ回折を受ける。
【0072】本例の異方ブラッグ回折では、超音波進行
波A(又はB)の進行方向、及び入射光束の入射方向を
含む平面(xz平面)に平行な方向に偏光した光束のみ
が1次のブラッグ回折を受けると共に、0次光の偏光状
態は変化せず、1次回折光の偏光方向は入射時に対して
直交する方向に回転する。また、その0次光は周波数変
調を受けないが、1次回折光はf1(又はf2)の周波数変
調を受ける。従って、図9において、入射する光束L0
はx方向に偏光させておく。これによって、光束L0
AOM64による0次光LA はそのままAOM65に向
かい、光束L0のAOM64による1次回折光L1 は、
周波数f1 の変調を受けて、且つ偏光方向が図9の紙面
に垂直な方向となってAOM65に向かう。この場合、
第1のAOM64では、0次光LA と1次回折光L1
がほぼ等しい強度となるように超音波進行波Aの強度が
調整されている。これによって、0次光及び1次回折光
以外は極めて弱くなる。
【0073】一方、第2のAOM65では、+z方向に
入射すると共にxz平面に平行な方向に偏光する光束を
ほぼ100%1次回折光として回折するように超音波進
行波Bの強度等が調整されている。また、第1のAOM
64からの1次回折光L1 は、第2のAOM65におい
ては入射角の点でもブラッグ回折を受けにくい角度とな
っている。従って、0次光LA はAOM65でほぼ10
0%が回折されて、周波数f2 の変調を受けた1次回折
光LA1となり、1次回折光L1 はAOM65をほぼその
まま透過して0次光L10となる。また、1次回折光LA1
はAOM65での回折によって偏光方向が図9の紙面に
垂直な方向に回転しており、0次光L10の偏光方向も同
じである。従って、1次回折光LA1と0次光L10とを干
渉させると、周波数(f1 −f2)のヘテロダインビーム
が得られる。また、0次光LA のAOM65による0次
光LA0も僅かに発生することがあるが、この0次光LA0
は図1の空間フィルタ19と同様の空間フィルタで遮光
される。
【0074】本例ではそれら1次回折光LA1、及び0次
光L10をそれぞれ図1の光束L2 (-1)及び光束L1(1)の
代わりに使用することによって、回折格子マークRM,
WMの位置検出が行われる。この場合、AOM64,6
5に入射した光束L0 のほぼ50%がf1 の周波数変調
を受けた光束L10となり、残りのほぼ全部がf2 の周波
数変調を受けた光束LA1となるため、回折効率が極めて
高くなっている。更に、本例でも、図1のAOM駆動系
60からAOM64,65に供給する高周波信号の周波
数f1,f2 を変化させることによって、リレー光学系の
倍率誤差に対応できると共に、種々のピッチの回折格子
マークRM,WMの検出を行うことができる。この際
に、異方ブラッグ回折を利用しているため、AOM6
4,65からの回折光の回折角の可変範囲(周波数f1,
2 の可変範囲)を、図4のようにラマン−ナス回折を
利用する場合に比べて例えば2倍程度に広くできる。従
って、検出できる回折格子マークRM,WMのピッチの
範囲も図4のAOM17を使用する場合に比べて2倍程
度に広くできる利点がある。
【0075】ここで、図9の音響光学媒体64a,65
aに二酸化テルルの結晶を用いた場合について消費電力
を見積もってみる。アライメントマークとしてのウエハ
4上の回折格子マークWMのピッチを8μm、この回折
格子マークWMの大きさを100μm角として、AOM
64,65に印加される超音波の周波数f1,f2 を約4
0MHz、音速を640m/sとすると、超音波作用領
域の大きさは約200μm角となる。この場合にAOM
64,65の音響光学媒体に印加される超音波パワーは
それぞれ約10mW程度以下であり、2個の媒体で合計
約20mW程度以下でよいことになる。
【0076】これに対して、等方的なブラッグ回折を使
った音響光学素子を例えば2個直列に並べた方式では、
超音波パワーは合計で約2〜3W程度必要であるため、
本例のように異方ブラッグ回折を利用する音響光学素子
を使用することによって音響光学素子における消費電力
が約1/100程度で済むことになる。これによって、
アライメント光学系における熱変形等が減少するため、
位置検出精度が向上する。また、AOM64,65にお
ける発熱も大幅に減少するため、光束L0 の周波数変調
を安定に連続して行うことができる。
【0077】また、本例では2個のAOM64,65を
近接して配置しているために、2光束生成手段を小型化
し、且つ簡素化できる。しかしながら、図9に示すよう
に2個のAOM64,65を近接させて配置した構成で
は、AOM64の超音波作用領域の中心CAと、AOM
65の超音波作用領域の中心CBとは光軸方向にずれて
いる。そのため、光束LA1及びL10が広帯域(又は複数
波長)のときには、それら2光束の交点が部分波長域
(又は波長)毎に光軸と垂直な方向にずれることにな
る。その対策としては、例えば回折格子マークからの干
渉光を受光する際に所定の狭い波長域毎に(又は波長毎
に)異なる光電検出器で受光すればよい。それ以外に、
直視プリズムのような分散体によりその2光束の交点の
波長によるずれを補正してもよい。
【0078】また、この図9の実施の形態においても、
2つのAOM64及び65の超音波作用領域CA,CB
の間隔を実質的に0にするために、2つのAOM64,
65の間にリレー光学系を配置してもよい。図11は、
そのように2つの異方ブラッグ回折を行うAOMの間に
リレー光学系を配置した変形例を示し、この図11にお
いて、AOM64の音響光学媒体64a内の超音波作用
領域の中心(回折点)CAと、AOM65の音響光学媒
体65a内の超音波作用領域の中心(回折点)CBとは
リレー光学系18に関して共役となっている。従って、
AOM65における高周波信号SF2 の印加方向は、図
9の場合と逆になっている。
【0079】そして、光束L0 は図11の紙面に平行な
方向に偏光してAOM64に入射し、AOM64からの
1次回折光L1 、及び0次光LA は、リレー光学系18
を介して、AOM65の音響光学媒体65a内の超音波
作用領域の中心CBで交差するようにそのAOM65に
入射する。そして、0次光LA はAOM65の超音波進
行波Bによってほぼ100%が回折されて、f2 の周波
数変調を受けた1次回折光LA1となり、1次回折光L1
はAOM65をほぼそのまま透過して0次光L 10とな
る。従って、1次回折光LA1と0次光L10とを位置検出
用の光束として使用できる。
【0080】本変形例においても、異方ブラッグ回折の
利用によって回折効率が極めて高くなっている。また、
本変形例ではリレー光学系18によって、AOM64,
65内の超音波作用領域の中心CA,CBが共役となっ
ているため、広帯域の光束L 10及びLA1のAOM65か
ら射出された後の対称性は図9の実施の形態よりも良好
である。従って、広帯域の光束を使用しても光ビート信
号のコントラストが低下することがなく、フォトレジス
トの薄膜干渉や、回折格子マークWMの段差等の影響を
軽減して高精度に位置検出を行うことができる。
【0081】さて、以上で述べた第1及び第2の実施の
形態では、キセノンランプ、ハロゲンランプ等の白色の
光源10、可変絞り11及びコンデンサーレンズ12を
光源手段として、この光源手段からのほぼ白色の光束L
0 (多波長光)をAOM17等に入射させている。しか
しながら、図12に示す如く、互いに異なる波長λ1
23 の単色光を射出する複数のレーザ光源100,1
01,102からの光をそれぞれ異なる入射角で、鋸歯
状の断面を有するブレーズ型の回折格子103に照射
し、各レーザ光源100,101,102からの異なる
波長の光を合成して得られる光束L0 を射出する光源系
を光源手段として使用してもよい。また、複数の波長の
異なるレーザビームをダイクロイックミラー系で同軸に
合成して使用してもよい。
【0082】このように、本発明は上述の実施の形態に
限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構
成を取り得る。
【0083】
【発明の効果】本発明の位置検出装置によれば、駆動手
段から2光束生成手段中の音響光学素子に対して周波数
が可変の超音波を加えているため、その超音波の周波数
を調整するのみで光学系を複雑化することなく、その2
光束生成手段から発生する2光束(検出用の光束)を検
出対象の回折格子状マークに対して高精度に整合させ
て、その回折格子状マークの位置を高精度に検出できる
利点がある。
【0084】また、その駆動手段が、その回折格子状マ
ークのピッチに応じてその音響光学素子に加える超音波
の周波数を変える場合には、複数種類のピッチを有する
回折格子状マークに対しても、その音響光学素子に加え
る超音波の周波数を切り換えるのみで対応できる。この
際に、その超音波の周波数の可変は極めて短時間に行う
ことができるので、それまでと異なるピッチの回折格子
状マークの位置検出を行う場合でも、ほぼリアルタイム
で迅速に対応できる利点がある。
【0085】また、その音響光学素子の少なくとも1つ
が、異方ブラッグ回折を起こす媒体よりなる場合には、
異方ブラッグ回折における回折効率は理論的に100%
程度まで可能であるため、全体の回折効率を大幅に高め
ることができる。また、異方ブラッグ回折を利用する
と、音響光学素子からの回折光の回折角の可変範囲を広
くできる(加える超音波の周波数の可変範囲を広くでき
る)ため、結果としてより広い範囲のピッチの回折格子
状マークの位置検出を行うことができる利点がある。
【0086】更に、異方ブラッグ回折を利用すると、媒
体内の超音波の音速が等方ブラッグ回折の場合に比べて
遅く、印加する電力(パワー)が1桁程度より小さくて
済む。また、音速が小さいために相対的に超音波の波長
が小さくなり、2つの光束を干渉させた際の干渉縞ピッ
チが細かくなるので、媒体に入射させる光束の断面積を
相対的に小さくすることができる。光束の断面が小さい
と、超音波作用領域を小さくでき、結果的に印加する超
音波パワーを少なくすることができる。これらを総合し
て、音響光学素子に加える電力は、等方ブラッグ回折を
利用する場合に比べて1/10から1/100程度で済
むことになる。
【0087】また、その音響光学素子の少なくとも1つ
が、ラマン−ナス回折を起こす媒体よりなる場合には、
例えば1つのラマン−ナス回折を起こす音響光学素子に
対称に異なる周波数の超音波を加えることによって、簡
単な構成で互いに周波数の異なる2光束を生成できる利
点がある。また、その駆動手段が、その音響光学素子の
2箇所にそれぞれ周波数が可変で、且つ差周波数が一定
の超音波を加える場合には、例えば異なるピッチの回折
格子状マークに対応するためにそれら超音波の周波数を
切り換えた場合でも、その回折格子状マークから得られ
る干渉光のビート周波数が一定であるため、信号処理系
が単純化できる利点がある。
【0088】次に、本発明の位置検出装置を備えた露光
装置によれば、その位置検出装置によって感光基板上の
種々のピッチの回折格子状マークの位置検出を行うこと
ができるため、種々の感光基板に対して高い重ね合わせ
精度が得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のアライメントセン
サを備えた投影露光装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の検出対象の2つの回折格子マークを示す
拡大平面図である。
【図3】図1のアライメント光学系内に設けられた2つ
の視野絞りを示す拡大図である。
【図4】第1の実施の形態における2光束生成手段(互
いに異なる周波数の2光束を生成する部分)の構成を示
す光路図である。
【図5】(a)はAOM17からの回折光の回折角が変
化する様子を示す図、(b)は検出対象の回折格子マー
クに応じてこのマークに照射される光束の入射角が変化
する様子を示す図である。
【図6】第1の実施の形態で使用されるAOM17を示
す構成図である。
【図7】図4の2光束生成手段の変形例を示す構成図で
ある。
【図8】図7の2つの音響光学素子の間にリレー光学系
を配置した変形例を示す構成図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態のアライメントセン
サの2光束生成手段を示す構成図である。
【図10】(a)は等方ブラッグ回折の波数ベクトルの
関係を示す図、(b)は異方ブラッグ回折の波数ベクト
ルの関係を示す図である。
【図11】図9の2つの音響光学素子の間にリレー光学
系を配置した変形例を示す構成図である。
【図12】互いに異なる波長の光を射出する複数の光源
とブレーズ型の反射型回折格子とによって構成された光
源手段を示す構成図である。
【符号の説明】 1 レチクル 3 投影光学系 4 ウエハ RM,WM 回折格子マーク 10 白色の光源 11 可変絞り 12 コンデンサーレンズ 13 バンドパスフィルタ 17,17A,17B,64,65 音響光学素子(A
OM) 18a,18b レンズ 19 空間フィルタ 25,33,36 光電検出器 38 対物レンズ 50 位相検出系 51 主制御系 60 AOM駆動系

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに周波数の異なる2光束を生成する
    2光束生成手段と、該2光束生成手段からの2光束を集
    光して該2光束を被検物上に形成された回折格子状マー
    クに対して所定の2方向から照射する対物光学系と、前
    記回折格子状マークから同一方向に発生する複数の回折
    光同士による干渉光を光電的に検出する検出器と、を有
    し、 該検出器の出力信号に基づいて前記回折格子状マークの
    位置を検出する位置検出装置において、 前記2光束生成手段は、単色の光束又は複数の波長の光
    を含む光束を供給する光源手段と、該光源手段からの光
    束の光路上に配置された1個又は複数個の音響光学素子
    と、該音響光学素子に対して周波数が可変の超音波を加
    える駆動手段と、を備え、 該駆動手段から前記音響光学素子に対して周波数が可変
    の超音波を加えることによって、前記光源手段からの光
    束より前記音響光学素子を介して互いに周波数の異なる
    2光束を生成することを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の位置検出装置であって、 前記駆動手段は、前記回折格子状マークのピッチに応じ
    て前記音響光学素子に加える超音波の周波数を変えるこ
    とを特徴とする位置検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、又は2記載の位置検出装置で
    あって、 前記音響光学素子の少なくとも1つは、異方ブラッグ回
    折を起こす媒体よりなることを特徴とする請求項1及び
    2記載の位置検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、又は2記載の位置検出装置で
    あって、 前記音響光学素子の少なくとも1つは、ラマン−ナス回
    折を起こす媒体よりなることを特徴とする請求項1又は
    2記載の位置検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一項記載の位置検
    出装置であって、 前記駆動手段は、前記音響光学素子の2箇所にそれぞれ
    周波数が可変で、且つ差周波数が一定の超音波を加える
    ことを特徴とする位置検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項記載の位置検
    出装置と、 各ショット領域に回折格子状マークが付設された感光基
    板を移動するステージと、を備え、該ステージで位置決
    めされた前記感光基板上にマスクパターンを転写する露
    光装置であって、 前記感光基板上の前記回折格子状マークの位置を前記位
    置検出装置で検出し、該検出結果に基づいて前記ステー
    ジを駆動することによって前記感光基板の位置合わせを
    行うことを特徴とする露光装置。
JP8207101A 1996-08-06 1996-08-06 位置検出装置及び該装置を備えた露光装置 Withdrawn JPH1050580A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009248173A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Ulvac Japan Ltd レーザー加工装置、レーザービームのピッチ可変方法、及びレーザー加工方法

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