JPH10506043A - エルビウム同位体のクロマトグラフィー分離法 - Google Patents

エルビウム同位体のクロマトグラフィー分離法

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JPH10506043A JP8503236A JP50323696A JPH10506043A JP H10506043 A JPH10506043 A JP H10506043A JP 8503236 A JP8503236 A JP 8503236A JP 50323696 A JP50323696 A JP 50323696A JP H10506043 A JPH10506043 A JP H10506043A
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Abstract

(57)【要約】 イオン交換樹脂が固定相であり、エルビウム同位体の混合物に基づくイオンの水溶液が供給相であり、酸性溶離剤水溶液が移動相である連続定常状態クロマトグラフィー法を用いてエルビウムの同位体、特に高熱中性子捕獲断面積のエルビウム同位体を部分的に又は完全に同時分離する方法に関する。この方法は、天然に存在する種々のエルビウム同位体の各々が主として、他の同位体の溶離分から区別された溶離分中に溶離されるような条件下で、移動相が固定相上に吸着されたエルビウム同位体溶質を溶離し、又は脱離させることを含む。好ましい実施例では、かかる条件は、溶離分のうち少なくとも一つが本質的にエルビウムの同位体を一つしか含まないようなものである。この方法は好ましくは、連続定常状態の手法で実施され、特に好ましくは連続環状クロマトグラフ内で実施される。

Description

【発明の詳細な説明】 エルビウム同位体のクロマトグラフィー分離法 本発明は、エルビウム同位体の部分又は完全分離により低平均熱中性子捕獲断 面積を得、かくして原子炉用の内部構成材料、例えば燃料棒クラッディング又は 被覆管としてのその適性を改善するためのエルビウムの処理に関する。 設計面での核燃料集合体におけるエルビウム(Er)の役割は、中性子捕獲断 面積が大きな可燃性毒物としてである。その各種性質は、ホウ素と同等以上であ る。その化学的性質は、溶液中においてエルビウム(III)がガドリニウム(III )よりも酸性度が僅かに強いイオンであることを除き、ガドリニウム(Gd)の ものと類似しており、したがって、分離化学反応は類似系列の溶離剤中のGdの ものよりも幾分強力である。 Er同位体化学的濃縮法のための濃縮システムを設計する際における重要な課 題は、高中性子捕獲断面積の同位体の重要なフラクションが望ましくない同位体 中に埋もれることである。このため、分離技術、例えば溶剤抽出法又は一般に「 ヘッド」及び「テール」フラクションを生じさせて、「ミドル(中間)」では何 も生じさせない固定層イオン交換分離塔を用いる場合、多数の抽出装置又は系統 が必要になる。それ故、所望のヘッド又はテールが生成物フラクションの唯一の 成分として分離塔から出てくるまでに、多数の抽出装置がフラクションを本質的 に解明することか必要になる。この濃縮の課題と鉱石からのEr分離が複雑な化 学反応及びハードウエアの両方を必要とするという事実を組み合わせると、以下 の課題にまとめられる。なお、これら課題は、Erを鉱石原料から回収してこれ を精製して設計面で核燃料集合体に用いるための同位体的観点から純粋な生成物 にするプロセス技術により議論しなければならない。 課題の要約は以下の通りである。 a.鉱石浸出溶液(ore leachate)中のエルビウム以外の希土類元素及び不純 物からのエルビウムの分離は、 1.大抵の抽出溶剤ち関しては分配係数の特異性が比較的低いので、多数の 多段抽出回路を必要とする。 2.分配係数が小さいので抽出回路当たり多数の大きくて扱いにくく、しか も高価な段を必要とする。 3.有機物基剤の溶剤の結果として危険な混合廃棄物を生じさせる。 4.いったんエルビウムが他の希土類元素から分離されるとエルビウムを精 製し、そしてこれを同位体濃縮可能に調製する重要な周辺精製操作を必要とする 。 b.これまた副産物としての危険な廃棄物を生じさせない強力でコンパクトな 費用効果のよい濃縮プロセスがないこと。溶剤抽出は、本来的に低い分離α(三 価のイオンが容易に分離可能な溶液錯体を形成しないという事実により導かれる )に起因し、そして動作費と保守費の両方を増大させ、危険なプロセス廃棄物( 及び場合によっては、原供給物の組成に応じて危険で放射性の混合物)を生じさ せ、そしてプロセスアベイラビリィティを低下させる大型で資本集約的な分離段 に起因して効果がない。 c.イオン交換と関連した歴史的な問題を解決するための機械的に実行可能な 連続イオン交換接触器が存在しない。なお、これら歴史的な問題を箇条書きする と次のとおりである。 1.固有のバッチ方式操作 2.分離塔をクロマトグラフィー法モードで動作するとき、生成物回収に必 要な扱いにくい弁装置 3.プロセス動作及び波面分離と関連した複雑なプロセス管理問題 4.分離塔操作と関連した過度の生成物稀釈その他 本発明は、上述の課題の各々と取り組むクロマトグラフィー法を用いてエルビ ウム同位体の部分又は完全分離を行う方法に関する。本発明のプロセスは、固定 相として陽イオン樹脂、供給物としてエルビウム同位体混合物のイオン型化合物 の水溶液、移動相として水性酸溶液をそれぞれ利用する。本発明の方法は、種々 の天然に存在するエルビウムの同位体の各々が主として、他の同位体の溶離分か ら区別された溶離分中に溶離されるような条件下で移動相がエルビウム同位体溶 質を溶離することを含む。好ましい実施形態では、かかる条件は、溶離分のうち 少なくとも一つが本質的にエルビウムの同位体を一つしか含まないようなもので ある。本発明の方法は好ましくは、連続定常状態の手法で実施され、特に好まし くは連続環状クロマトグラフ内で実施される。 最適実施形態は、水性鉱酸中に溶解した酸化エルビウムを、陽イオン交換樹脂 から成る固定相を備えた連続環状クロマトグラフに供給する段階を含む。溶離の ための移動相は好ましくは水性塩酸であり、場合によりキレート、錯体、又は配 位子を分離促進のため特に移動相化学反応に添加する。しかしながら、硫酸、硝 酸及び特定混合物は全て使用できる。 本発明の連続環状クロマトグラフィー法の特徴を以下の図面を参照して説明す る。 図1は、環状構造であることを示すために一部を断面にした連続環状クロマト グラフの斜視図である。 図2は、図1のCACの縦断面図である。 図3は、図2に示す構成部材の底部の平面図である。 図4は、CACの底部の平面図である。 本発明の方法は、エルビウム同位体を含む混合物から高中性子捕獲断面積のエ ルビウム同位体を効率的且つ経済的に分離する。特に関心のあることは、167Er の連続分離及び単離を行うことである。 本発明に従って処理される混合物は、前もって他の希土類元素金属から分離さ れているエルビウム同位体の混合物であるのが良く、或いは、エルビウム同位体 及び他の希土類元素、例えばLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy 、Ho、Gd、Tm、Yb、Lu、Y等の混合物であるのが良い。所望のエルビ ウム同位体の分離は好ましくは、固定相である飽和陽イオン交換樹脂、供給相で あるエルビウム同位体の混合物から成るイオン型化合物の水溶液、及び移動相で ある酸性溶離剤水溶液を用いて行われる。エルビウム濃縮は、濃厚鉱酸(特に、 酸ハロゲン化物)中に陰イオン(アニオン)錯体を形成できるので、供給相及び 移動相の組成により決まるような陰イオン交換樹脂上で行うことができる。 本発明の方法で用いられる出発材料又は供給相は、例えばエルビウム同位体 の混合物を硝酸又は他の強鉱酸中、例えば塩酸、硫酸、酪酸、リン酸又はこれら の混合液中に溶解させることにより水溶液中のイオンに変わるエルビウム同位体 又はその酸化物の混合物の供給溶液から成るのが良い。したがって、供給相は、 エルビウム同位体から得られるイオン型エルビウム化合物の任意の手頃な溶液で ある。同位体混合物は、天然に存在するものであっても、予備生成プロセスから 得られる部分的に精製された混合物であっても良い。 固定相として陽イオン交換樹脂を用いる実施形態では、好ましい供給相は、塩 酸中にエルビウムを溶解させて得られる供給相であり、これにより代表的にはE r+3イオンが形成される。 供給相は、予想動作条件の下で溶質に関する溶解性限度を越えないで、出来る だけ高いエルビウム濃度を有することが好ましい。クロマトグラフィー分離法を 自然なやり方で実施すると、結果的に、生成物流中に分離されるべき生成物濃度 の稀釈が行われる。したがって、本発明の方法の全体効率及び特に、生成物流か らの所望の生成物を回収するのに必要な労力を最小にすることは、エルビウムが 本発明のプロセス中に沈殿する過度の危険を冒さないで出来るだけ高い濃度を用 いることにより、最も良く達成される。 固定相は、代表的にはEr+3として溶液中に存在するエルビウム陽イオンに対 して親和性のある任意の陽イオン交換樹脂であるのが良いが、C1-、SO4 2-又 はPO4 3-又は酸性溶剤に応じて他の陰イオンと錯体を形成するものであっても 良い。陽イオン交換樹脂は、希薄鉱酸溶液中の大きな固液分配係数により反映さ れるようなかかる陽イオンに対して強い親和性を示すことができるものてあるこ とが好ましい。この係数の「α」値は、約7規定未満の酸性溶液中で約1.5を 越えることが特に望ましい。可能性として最も高い容量、代表的には1ml当たり 約0.1〜1.0ミリ当量の陽イオン交換樹脂を利用することが特に好ましく、蓋 然性が最も高い容量は溶離条件下で1ml当たり約0.1〜0.5ミリ当量である。 スチレンを基剤とするスルフォン酸又はカルボキシル化合物交換装置は、或る特 定のフェノール樹脂及びカルボキシル樹脂と同様にこの要件を満たす。陰イオン 交換を利用する場合、弱塩基樹脂と強塩基樹脂の両方を用いることが可能であり 、第四、第三及び多孔性強塩基樹脂が好ましい。 また、固定相は、平均粒径が約20〜50ミクロン以下、より好ましくは約1 0ミクロン以下の単分散分布状態の球形粒子から成るのが好ましい。しかしな がら、粒子直径の減少は、分離作用を改善してより大きな圧力降下を得ることと トレードオフの関係にある。特に好ましい固定相は、スルホン化架橋ポリスチレ ンビーズである。しかしながら、酸性度の中程度の強の任意の酸は、陽イオン交 換に使え、或いは強塩基樹脂は、陰イオン交換に使える。 供給相は、エルビウム同位体の混合物から形成されたイオン状のエルビウム化 合物の手頃な溶液であるのが良い。同位体混合物は、天然に存在するものであっ ても、予備精製プロセスから得られる部分的に精製された混合物であっても良い 。 好ましい供給相は、酸化エルビウムを塩酸で加水分解して得られるものである 。粗エルビウムは、モリコープ社(molycorp)から98%純度の状態で市販され ており、或いは、塩基性希土類鉱物を分解/溶出させてエルビウムフラクション を分離することにより得られる。エルビウムフラクションは代表的には、天然に 存在する分布状態の同位体を含有し、更に不純物レベルの他の希土類元素(2% 未満)を含有する。これら化合物は容易に化水分解され、それによりクロマトグ ラフィー法における使用に適した水溶液が得られる。この溶液を酸性範囲、特に 約2N〜4Nに合わせて調節し、酸性度の高い溶離剤と溶離関係にある固定相に 対する化学的衝撃を緩和する。 供給相は溶質の可溶性限度を越えないで出来るだけ濃度が高いものであること が好ましい。好ましい供給相では、可溶性限度は0℃で約4g/100g溶液で ある。『化学及び物理ハンドブック』は可溶物質としてErCl3とEr(NO3)3の両方 を挙げている。 移動相は、エルビウムイオンに溶媒和作用を及ぼしてこれらを分離塔を下って 溶離させるようにすることができる水性酸溶液であるのが良い。この移動相又は 溶離剤は、固定相とのイオン会合関係からエルビウムイオンを置換できる流体で ある。これは強鉱酸の水溶液であることが好ましい。硫酸、塩酸(他の水性の酸 性ハロゲン化物)、及び硝酸が更に好ましく、硝酸及び塩酸が特に好ましく、陽 イオン交換又は陰イオン交換のいずれかが溶液濃度に応じて使える。必要とされ る酸強度は、利用する特定の酸が何かによるが、約1.0〜2.0規定以上の酸強 度が好ましい。特に好ましい溶離剤は約1.5〜7.0規定、より好ましくは約1 .5〜4.0規定の水溶液であり、これは移動相が塩化物イオンを含有していると きに は特にそうである。 分離塔の有効高さは、別々の生成物フラクション中へのエルビウムの種々の同 位体の有意な分離を可能にするのに充分であるべきである。かかる分離度は好ま しくは、50%を越え、より好ましくは少なくとも約80%の同位体純度を生じ させるのに充分である。この分離度は分離塔中の一回のパスで達成されることが 好ましい。というのは、除去及び第2の分離塔への再注入により逆混合が生じて 種々の生成物フラクション内における幾分かの分離が失われることになる場合が ある。分離度が所与の場合における分離塔の所要有効高さは、所与の固定相、移 動相、溶離剤及び流れ条件の分離キャパシティに関し実験的に得られたデータへ のクレムザー−ブラウン−サンダースの式の適用結果から概算できる。 この分離能力を定めるのに分離係数αが用いられる。この分離係数はそれ自体 、二成分について以下の式により定義される。 上式において、yは、所望同位体が豊富な生成物フラクション中の当該同位体の モル濃度、xは、「テール」流中の生成物フラクション中の同一同位体のモル濃 度である。生成物として一つの同位体フラクションを選択し、「テール」フラク ションを他の生成物フラクションの複合体として定義することにより近似計算を することができる。かくして、もしエルビウムの80%がエルビウム167であ り、また、もし他の生成物フラクションを全て合わせた複合体中において20% だけがエルビウム167であれば、分離係数αは以下の通りとなる。 αは、ヘッドの純度で変わり、そしてヘッドフラクション、即ちカット中に 単離している生成物同位体の量で変わる。 エルビウム167の80%が回収され、ヘッド純度が80%の場合、必要な 分離係数αは、 分離度が所与の場合、少なくとももし個々の度溶離帯域が部分的にオーバーラ ップしている場合、純度とカットとの間にはトレードオフの関係があることに注 目されたい。カットを小さくすることにより生成物の純度を増大できる。 同位体分離きためのベンチスケールの多段分離係数αは有利には長さが25〜 100cm(100cmの長さが好ましい)の分離塔について求められる。かかる分 離塔に関し、好ましい溶離剤を備えた好ましい固定相上のエルビウム167につ いてのα値は、約1.001よりも大きく、好ましくは約1.005よりも大きい 。 すると、任意所望の精製度を得るのに必要な有孔分離塔長さNは、このデータ から求められる。たとえば、25cmの試験分離塔により1.085の分離係数が α得られると、理論段の数を推定する際、クレムザー−ブラウン−サンダースの 式を適用する際、これを理論段αsの分離係数として使用できる。 X、Y、m、Aについての通常の値により80m〜200mの所要の分離塔長 さが得られることになる。以下の表は、α及び所望の生成物純度の関数として突 出分離塔長さを示している。これは、クレムザー−ブラウン−サンダースの式が 、二元混合物の近似を仮定するフェンスキー−アンダーウッドの式中で有効であ るという仮定に基づいている。 有効分離塔高さの方向は垂直であるが、別の向きにしても良い。重要なことは 、移動相の有効移動経路である。 この移動経路はクロマトグラフィー分離法を連続的に実施できるようなやり方 で設けられることが好ましい。所与のエルビウム同位体の濃度を瞬時に検出する 上で便利で現在利用可能な技術は存在しない。かくして、定常状態に達して再現 性のある特定の生成物フラクションが或る特定の同位体分布をもつようにする連 続動作の手順が好適である。もし非連続又はバッチ方式でクロマトグラフィー分 離法に悪影響が生じれば、パス間のランダムな変動によりパス間における同一の 同位体分布をもつ生成物フラクションを再現可能に収集することは困難である。 たとえば、もし単一の縦型分離塔がバッチ方式で装入を行われると、特定の同位 体中の濃生成物フラクションの溶離時間は、例えば供給濃度のばらつき等を制御 するのが困難なランダム変数に起因して、パスによって変化する場合がある。 特に好ましい連続動作クロマトグラフは、連続環状クロマトグラフ(「CAC 」と略記する場合がある)である。この装置は、オーク・リッジ・ナショナル・ ラ ボラトリーによって開発されたものであり、環状体の軸線の周りに回転する環状 固定相を有する。なお、米国特許第5,098,678号の内容を本明細書の一 部を形成するものとしてここに引用する。環状体は、鉛直軸線を備えた互いに異 なる直径の2つの同心シリンダの間に固定相材料、例えば樹脂ビーズを充填する ことにより形成される。供給ポートが所与の角度位置に設けられ、一または二以 上の溶離ポートが供給ポートからある程度角度的に偏った位置に設けられる。ガ ラスビーズの層を固定相上に配置し、ガラスビーズ層を貫通する一つ又は複数の 供給ノズルを設けることにより固定相の頂部上にエルビウム原料を直接供給しな がら、溶離剤をガラスビーズ層の頂部上に供給することが好ましい。これにより 、望ましくない結果をもたらす混合が阻止される。 このCAC装置は、特定の組をなす動作条件に対応するよう便宜的に設定でき る多数の角度位置に設けられた多数の生成物ポートを備える。各生成物ポートは 、分離塔上で特定の滞留時間をもった溶離分を収集する。固定相は典型的には、 一定速度で回転し、環状層の任意の鉛直方向セグメントにエルビウム供給原料及 び溶離剤を詰め込んだ後、所与の時間でかかるセグメントが特定の固定生成物収 集ポート上に位置するようにする。かくして、各生成物収集ポートは、固定相を 通過する特定流量に関する固定相の特定の回転速度について特定の溶離時間に対 応した角度位置を有する。 固定相を通る流量は、固定相の有効高さ前後の圧力降下及び固定相の物理的特 性、即ち粒径及び充填空隙率により制御される。この圧力降下は、供給相及び溶 離剤の静水頭によって生じるが、好ましくはCAC装置を加圧することによりも たらされる。特定の流量を達成するのに必要な圧力は、固定相の性状、即ちその 充填材、平均粒径及び粒径分布状態により決まる。かくして、固定相を構成する 樹脂ビーズの平均粒径が小さければ小さいほど、結果的に、特定の有効高さ上で 特定の流量を得るのに必要な圧力降下はそれだけ一層大きくなる。しかしながら 、所与の理論段についての分離係数αは、樹脂ビーズの平均粒径の減少につれて 改善される。かくして、所定度の分離を行うのに必要な有効高さは、単位長さの 分離キャパシティ(換言すると、理論段高さ)が樹脂ビーズの平均粒径を小さく することにより減少させると低くなる。 固定相の有効高さを横切って通過する流量及び固定相の回転速度を調整して特 定の生成物フラクションが同一角度位置で常時溶離し、かくして同一の生成物収 集ポートに常時送りだされるようにする必要がある。 同位体分離用クロマトグラフを、溶離の開始前に有効分離塔高さのうち約5% 以下、より好ましくは約1%以下に供給相を詰め込む置換モードで動作させるこ とが好ましい。これは有利には、イオン交換樹脂とのイオン結合から、関心のあ るイオンを放出できない供給溶液を用い、陰イオンが適度の速度で分離塔を下っ て移動するように適当な強度の溶離剤を加える前に、有効高さの約5%以下、好 ましくは約1%以下を充填することにより行われる。連続環状クロマトグラフで は、この目的は、供給ポートと溶離剤ポートの角度変位及び環状層の回転速度を 統合して充填と溶離との間の時間間隔が所望度の沈殿を得るのに丁度充分である ようにすることにより達成される。充填のための時間と沈殿の深さとの間の関係 は、環状層を通る流量により決まる。 置換は、定組成溶離又は溶離剤のグラジエント(勾配)供給のいずれかにより 達成できる。前者の場合、溶離剤を単一のポートから供給するだけで良く、これ に対して後者の場合では、供給ポートから次々に角度的に大きく変位した位置に ある幾つかのポートが利用される。グラジエントモードでは、初期溶離剤の影響 下において溶離が進んでついには関心のある同位体の或る程度の分離が行われる ようになり、次いで一層有効な溶離剤を供給する。これにより、分離塔を流下す るこれら同位体の移動速度が増大し、所与の成分又は生成物フラクションが分離 塔を出る溶離分又は溶離回数の範囲が最小限に抑えられ、換言すると、この手順 により、帯域拡張又はバンドスプレッディング(band spreading)が最小限に抑 えられる。 グラジエント溶離法又は他の方式により溶離分を減少させることにより、生成 物フラクション中の生成物、即ちエルビウム同位体の濃度が増大する。約1.5 g/l以上、特に約5〜20g/lの生成物フラクション濃度が好ましい。 分離塔を下る流量は、分離塔の頂部から底部までの圧力降下及び固定相の性状 により決まる。固定相を構成する樹脂ビーズの平均粒径が小さければ小さいほど 、それだけ一層、所定流量を得るのに必要な圧力降下は高くなる。この関係は又 、 これら樹脂ビーズの粒径分布により得られる。しかしながら、所与の陽イオン交 換樹脂から成る固定相には、圧力をさらに上げても越えられない最大達成流量が ある。かかる樹脂の供給業者は、これらを、所定圧力降下当たりの流量及び最大 達成流量によって定格している。 1平方フィートの横断面積当たり、約0.1〜20ガロン/分の流量を達成可 能にする固定相を用いることが好ましい。達成可能な流量と有効分離塔高さとの 間には、所定の純度を得るのに必要な関係がある。固定相及び溶離剤の所与のシ ステムに関し、関心のある任意の同位体についての固定相の理論段分離係数αs は、固定相の樹脂ビーズの平均粒径の減少につれ増加するであろう。しかしなが ら、この粒径の減少につれ、固定相の流量キャパシティも減少する。かくして、 αsと流量キャパシティは反比例の関係にある。したがって、流量を多くすると 、分離度又は生成物フラクション純度を達成するのに必要な有効分離塔高さは増 加することになる。 さらに、所望の流量を達成するのに必要な圧力は、使用するポンプ、シール類 及び供給配管類の性能を越えてはならないという別の制約もある。所要圧力は、 有効高さの単位当たりの所要圧力降下と所望度の分離を達成するのに必要な有効 全高との両方の関数である。かくして、固定相の流量キャパシティが物理的構成 態様の変化により増大し、その結果、その理論段分離係数αsが減少すると、所 要有効高さと所要の全圧力降下の両方が増大する。他方、理論段分離係数αsが 樹脂ビーズサイズの分布状態の変化により増大し、その結果、固定相の流量キャ パシティが減少すると、所与の有効高さについての圧力降下が増大する。約2758 kPa(400psi)未満、特に約345〜1042kPa(50〜150psi )の圧力降下が好ましい。 かくして、実用的な容量又はキャパシティを備えたシステムを得るためには、 妥当な理論段分離係数αsと単位有効高さ当たりの妥当な流量の両方を同時に表 示し、しかも妥当な圧力降下のある固定相を使用することが必要である。これは 、固定相のイオン交換樹脂のイオン容量と溶離剤の両方を適当に選択することに より達成できる。 好ましいモードでは、幾つかの生成物収集ポートが特定の生成物フラクション を収集するのに用いられる。これを達成するには、これらの生成物収集ポートを 互いに密に離隔させ、これら生成物収集ポートが、その特定のフラクションの溶 離時間間隔に対応する回転角度範囲に十二分に及ぶが、任意の他の生成物フラク ションのうちかなりの部分の溶離が予想される角度位置までは延びないようにな っている。当然のことながら、このためには、溶離時間間隔又は異なる生成物フ ラクションが実質的にオーバラップしないことが必要である。この構成は、所望 の生成物フラクションの溶離時間を僅かに早めたり遅くしたりする定常状態溶離 挙動の僅かな変動があっても、その結果として、このフラクションの損失が全く 生じないようにする傾向がある。 クロマトグラフは、エルビウムの同位体をエルビウム同位体混合物から分離し 、或いはエルビウムの同位体をエルビウム同位体と他の希土類金属の混合物から 分離するよう構成されている。後者の場合、他の希土類金属は全て単一の生成物 フラクションとして収集されることになる。ただし、これは多数の生成物ポート の出力の組み合わせを必要とする場合がある。当然のことながら、もし元素分離 が一分離塔で行われ、そして同位体分離が別の分離塔で行われる場合、各分離塔 の動作条件をその分離塔の機能に対応して最適化するのが良い。 本発明の方法の実施に用いられる特に好ましい装置が図1〜図4に示されてい る。図1に示す連続環状クロマトグラフ(CAC)10は、図2に示されている 環状空間32を形成する2つの同心状に配置されたシリンダ30,35を有する 。この環状空間32の上には分配プレート20が設けられている。供給管又はチ ャンネル21,23が分配プレート20を貫通して延び、それぞれ供給ノズル2 2,24で終わっている。供給ノズル22は、環状空間32内に充填されたイオ ン交換樹脂ビーズ27に供給相を供給するようになっている。説明の便宜上、こ れらビーズは、環状空間32を部分的に充填しただけの状態で示されている。他 方、供給ノズル24は、イオン交換樹脂ビーズ27の上に載ったガラスビーズ層 26に溶離剤を供給するようになっている。かくして、供給ノズル24は、供給 ノズル22より幾分短い。この供給構成は、供給相の逆混合を防ぐのに役立つ。 内側シリンダ35により形成される中央キャビティはキャップ31により密閉 され、管又はチャンネル25を用いて圧力を樹脂ビーズ22の環状層に及ぼすこ とができるようになっている。 環状空間32の底部は生成物側プレート40により形成されている。図4で分 かるように、他数本の生成物分配チャンネル又は管41が、この生成物側プレー トを貫通している。この構成により、種々の生成物フラクションの収集が可能に なり、しかも動作条件の調整が容易になって種々の角度変位位置で生成物の収集 を行うことができる。 分配プレート20は、ブラケット62により環状空間32の上方の固定位置に 保持され、このブラケットは、ベースプレート60に固定された支持ロッド61 に連結されている。また、このベースプレート60には支柱63が取り付けられ 、このベースプレート内には生成物側プレート40が回転自在に載置されている 。シャフト70が、支柱63及びベースプレート60を貫通して生成物側プレー ト40を動力手段(図示せず)に連結している。さらに、ベースプレート60に は環状収集トラフ50も取り付けられており、この収集トラフ50は、各々それ 自身の出口ポート51を備えた任意の数のセグメントに分割される。 連続環状クロマトグラフ10の動作は、固定分配プレート20及びその関連の 供給ノズル22,24の下に樹脂ビーズ27が詰め込まれた環状空間32を回転 させることにより行われる。回転力はシャフト70によりもたらされる。 エルビウム同位体は次々にイオン交換樹脂から剥離され、これを含有した溶離 液の下方移動層として所望の同位体のフラクションを形成する。所望のフラクシ ョンは、これが分離塔の所望の生成物ポートに達すると、容易に収集されて溶離 液の残部から分離できる。所望のエルビウム同位体の単離は、適正な分離係数を 得て、適当な出口ポート内における適正な滞留時間に基づいて所望のエルビウム 同位体167を単離することにより行われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーターソン,スティーブン,エイチ アメリカ合衆国,ペンシルベニア州 15668,マリスビル,ノースローン・ドラ イブ 4970 (72)発明者 ウメッシュ,ヤナック,ピー アメリカ合衆国,ペンシルベニア州 15668,マリスビル,ケリングドン・コー ト 4104 (72)発明者 ベレスキー,リチャード,ジェイ アメリカ合衆国,ペンシルベニア州 15228,ピッツバーグ,ポスト・オフィ ス・ボックス 11786,

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.エルビウム同位体の混合物を含有するサンプル中の各エルビウム同位体の同 時分離を行って分離された各エルビウム同位体の実質的に純粋なフラクションを 得るための連続環状クロマトグラフィー法であって、 (a) 前記分離された各エルビウム同位体を純度が約50%以上の別個の生成 物フラクション中に溶解させるのに十分な有効な長さのクロマトグラフィー分離 塔に、エルビウム陽イオンに対する親和性があり、約7〜8規定以下の酸性溶液 中において固液分離係数が約1.02を越える陽イオン交換樹脂を充填し、 (b) pHが約0〜5、可溶性限度が約40g/lのサンプルからイオン状エ ルビウムの水性供給溶液を調製し、 (c) 前記陽イオン交換樹脂からエルビウムイオンを取り出すことができ、規 定度が約1N以上の強鉱酸の水溶液である溶離剤を準備し、 (d) エルビウムの前記水性供給溶液を前記充填クロマトグラフィー分離塔の 頂部に供給して前記水性供給溶液が前記分離塔を下って移動し始めるようにし、 (e) 前記鉱酸溶離剤を前記分離塔の頂部に供給して前記水性供給溶液中のエ ルビウム同位体の各々が異なる速度で前記分離塔を下方へ通過するようにし、 (f) 前記サンプル中に存在する度のうち少なくとも一つについて前記分離塔 の底部で純度が50%よりも大きな同位体を有する生成物フラクションを含有し た別個のエルビウム同位体を収集する、 ことを特徴とする方法。 2.前記同位体の生成物フラクションの同位体純度は、少なくとも約80%てあ ることを特徴とする請求項1記載の方法。 3.前記少なくとも一つの同位体は、エルビウム167であることを特徴とする 請求項1記載の方法。 4.前記陽イオン交換樹脂は、平均粒径が約20〜50ミクロン以下であり、エ ルビウム陽イオンについて置換容量が0.1〜0.5ミリ当量である単分散粒径分 布状態の球形ビーズであることを特徴とする請求項1記載の方法。 5.エルビウム167の分離について高さが25cmの理論段に関する前記クロマ トグラフィー分離塔の分離係数は、少なくとも約1.03であることを特徴とす る請求項1記載の方法。 6.エルビウム同位体含有サンプルは、Er+3イオンと錯体を形成する有機酸を 用いる前記連続環状クロマトグラフィー法の実施中、前記エルビウム同位体から 分離され、前記段階(e)及び(f)において別個のフラクションとして収集されるこ とを特徴とする請求項1記載の方法。 7.有機酸は、クエン酸であることを特徴とする請求項6記載の方法。 8.クロマトグラフィー分離塔は、連続環状クロマトグラフの円周方向環状空間 内に設けられることを特徴とする請求項1記載の方法。 9.実用上有用な量のエルビウム167同位体を生じさせるための連続定常状態 クロマトグラフィー法であって、 (a) pHが約0〜5であり、エルビウム同位体を含有したエルビウム化合物 の酸性供給水溶液を準備し、 (b) 平均粒径が約50ミクロン以下であり、エルビウム陽イオンの容量が約 0.1〜1.0meg/mlであり、分離係数が少なくとも約25cmの1.03〜1.05 理論段である単分散粒子分布状態の球形粒子から成る陽イオン交換樹脂を含む固 定相を準備し、 (c) クロマトグラフを回転させ、 (d) 固定相を、連続環状クロマトグラフの円周方向環状空間内へ詰め込んで 固定相が、5〜15g/lモル%のエルビウム167を含むエルビウム167生 成物フラクションを生じさせるのに十分な有効高さを有するようにし、 (e) クロマトグラフが回転している間、前記エルビウム同位体含有供給溶液 を連続環状クロマトグラフの頂部に供給して供給溶液が固定相の有効高さの約5 %に浸入するようにし、 (f) 規定度が約1.0〜7の酸性溶離剤から成る連続供給物を環状固定相の 頂部内へ少なくとも一つの円周方向位置まで供給し、 (g) 連続環状クロマトグラフが回転している間、前記エルビウム度含有供給 溶液及び前記溶離剤を環状固定相内へ供給し続けて前記供給溶液及び前記溶離剤 がクロマトグラフの底部まで下方へ流れるようにし、 (h) エルビウム同位体の全てが溶離された後、前記供給溶液中に存在する低 熱中性子捕獲断面積のエルビウム同位体に相当するクロマトグラフの底部で別個 の生成物フラクションを収集し、 (i) 段階(d)〜(g)を繰り返し実施して、前記実用上有用な量の前記低熱中性 子捕獲断面積のエルビウム同位体を生じさせる、 ことを特徴とする方法。 10.前記エルビウム同位体含有化合物はクエン酸化エルビウム、前記溶離剤はク エン酸であることを特徴とする請求項9記載の方法。 11.前記溶離剤を複数の円周方向位置で環状固定相の頂部内へに供給し、前記酸 性溶離剤の濃度を連続環状クロマトグラフの回転方向に次々に移動する供給位置 で増大させることを特徴とする請求項9記載の方法。 12.エルビウム同位体生成物フラクションは、エルビウム167を含むことを特 徴とする請求項9記載の方法。 13.エルビウムの同位体の各々を同時分離してエルビウム同位体の各々の実質的 に純粋なフラクションを生じさせる連続定常状態クロマトグラフィー法であって 、 (a) エルビウムイオンの供給相溶液を、固定相としてイオン交換樹脂、移動 相として溶離剤溶液を用いる連続定常状態クロマトグラフィー法にかけ、 (b) 供給相中に存在する同位体の各々について同位体を別々に同時に収集す る、 ことを特徴とする方法。 14.連続定常状態クロマトグラフィー法を連続環状クロマトグラフ内で実施する ことを特徴とする請求項13記載の方法。 15.エルビウムの同位体の各々の同時分離を行って熱中性子捕獲断面積が増大し た実質的に純粋なフラクションを生じさせる連続定常状態クロマトグラフィー法 であって、 (a) エルビウムイオンの供給相溶液を、固定相としてイオン交換樹脂、移動 相として溶離剤溶液を用いる連続定常状態クロマトグラフィー法にかけ、 (b) 167Erが濃縮された少なくとも一つのエルビウム生成物フラクション を族的に収集して熱中性子捕獲断面積の増大したエルビウムを生じさせる、 ことを特徴とする方法。 16.連続定常状態クロマトグラフィー法を連続環状クロマトグラフ内で実施する ことを特徴とする請求項15記載の方法。
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