JPH10508442A - 多重パルス刺激装置 - Google Patents
多重パルス刺激装置Info
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Abstract
(57)【要約】
人工内耳用の刺激の方策が開示され、該方策は電気的刺激に対する患者の神経のシステムの時間領域の応答を模擬することを追求するものであり、その場合に、対応する音響の刺激に対する正常の聴力の人間の時間領域の応答に対する患者の神経のシステムの時間領域の応答を模擬することを追求する。種々の実施態様が開示される。
Description
【発明の詳細な説明】
多重パルス刺激装置
技術分野
本発明は電気的刺激を提供する装置、および人工内耳(移植蝸牛刺激装置、coc
hlear implants)のような聴覚補強のための電気的刺激の方策を提供する方法お
よび装置に関する。
背景技術
種々の形式の人工内耳が提案され、また製造されてきた。本発明の説明の目的
のために、コクリアリミティド社(Cochlear Limited)から商業的に入手可能で
あるような装置を参照することができる。しかし、本発明が他の形式の聴覚補強
装置にも同様に適用可能であることが了解されるべきである。蝸牛内の電極アレ
イが、受信刺激器ユニットとともに、電極アレイ内の選択される電極対に電気的
刺激を与えるために、患者に外科手術的に移植される。受信刺激器ユニットは、
誘導式の経皮的なリンクまたは直接の経皮的な接続を通して、外部の音響処理装
置およびマイクロホンへ接続される。
本発明は主として、適切な刺激を選択する過程、および音響的刺激に応答して
供給される実際の刺激のパルスに関するものである。知られている装置によれば
、刺激は電極の種々の対の間に印加され種々のモードの刺激を発生させることが
可能である。一般的に、選択される電極の対は、検出された音調のピッチに関係
する。この場合において、刺激は一致したパルスのタイミングと形状を一般的に
使用してきており、振幅は検出された音響信号の振幅を参照して決定される。ピ
ッチの知覚表象を誘導するために、検出された音調に
関係する割合で刺激を行うことも知られている。
しかし、これらの刺激に応答する患者の知覚が、正常の聴覚機構を用いる知覚
とは相違することが決定されている。特に、そのような刺激に対する聴覚神経の
応答が、同じ音響に対する正常な聴力の人間の神経の応答とは全く相違している
ことが決定されている。
Parkins ほかの論文“A fibre sum modulation code for a cochlear prosthe
sis”ニューヨークアカデミーオブサンエンシズの年報、1983年、第490 頁、に
おいて、著者は、音響の刺激に対する正常の聴力の人間の神経の応答を模擬する
やりかたで刺激を与えることを論じている。刺激の波形は、複雑な数学モデルを
用いて変調され、刺激後の時間のヒストグラムが正常な聴力の場合のヒストグラ
ムに近似するようにされる。しかし、記述されている装置は、移植可能なまたは
可搬式の装置における実施の容易にするような実時間の処理には適していない。
Scott ほかの米国特許明細書第4495384 は、人工内耳用の実時間処理の装置を
開示する。この開示は、神経線維の無反応期間を補償するシステムを記述してお
らず、その結果として、発生する刺激は、正常の聴力の場合に類似する時間領域
の波形を有する神経の応答を提供しない。
MotzとRattay の“Signal processing strategies for electrostimulated ea
r prostheses based in simulated nerve response”(1988)において著者は聴
覚神経の線維の過分極、およびその結果としての高次のフォルマントについての
患者の知覚の欠如に関連する問題を論じている。刺激は、単一の電極から与えら
れるものであるように、模擬された。著者は、当初の刺激のパルスの後に追加の
パルスを使用し、後のパルスは振幅が相当に直線状に増大しているようにするこ
とを提案する。この文献には、聴覚神経の構造に希望
される刺激後の時間のヒストグラムを生成させるようパルスを選択することは記
述されていない。
本発明の1つの目的は、電気的刺激を発生させる実用的な装置を提供し、正常
な聴力の人間の神経の構造の、与えられた音響刺激に対する時間領域の応答によ
り良好に近似する聴覚神経の応答が発生するようにすることにある。
発明のサマリー
本発明の1つの観点によれば、本発明においては、音響信号に対応する電気信
号を受理する処理手段および蝸牛へ電気的刺激を供給するに適合した刺激手段を
具備する聴覚の補強装置であって、該刺激手段は蝸牛内に作動的に位置する複数
の電極を有する電極アレイを包含し、該補強装置は選択された電極に刺激が与え
られることが可能であるよう配置され、該刺激手段は該処理手段から受理する制
御信号に応答するものである、人工内耳装置において、
該処理手段は、予め定められた指示のセットに従い該電気信号を処理し、該指
示のセットは、刺激されるべき電極を含み音響信号に応答して適用されるべき刺
激、刺激の振幅、および刺激の時刻を決定し、該処理手段は、該刺激手段へ制御
信号を供給し該刺激手段を一組の刺激を発生するようにさせ、該一組の刺激は、
少くとも1つの電極について、第1の刺激のパルス、および該第1のパルスで刺
激される複数の神経の線維の相対的な不応期内において少くとも1つの追加のパ
ルスを包含し、該一組の刺激は、該一組の刺激に応答する患者の神経の構造が、
該音響信号に対する正常の聴力の人間の時間領域の応答に近似する時間領域の応
答特性を有するように選択されるものである、ことを特徴とする人工内耳装置が
構成される。
指示のセットは好適には、音響信号に対応する電気信号を、信号
の部分が予め規定された特徴の群の1つに対応することを識別するよう解析する
。これらは例えば、音素、音調、または和音を包含する。刺激のセットを提供す
るルックアップテーブルが形成されることが可能であり、該刺激のセットは音響
特徴に対応する適切な時間領域の神経応答を作動的に誘導するよう決定されてい
る。その代りに、神経応答は直接に演算されることが可能である。次いで、この
刺激は電極アレイを通して供給される。
刺激のセットは、神経線維の選択されたポピュレーションを刺激するように選
択されることが可能であり、その場合に神経線維の無反応期間が考慮に入れられ
ている。刺激のセットはまた、特定の神経線維の応答を考慮に入れ、好適には特
定の患者の応答に適合させられることが可能である。例えば、各患者は電極アレ
イの相異なる挿入の度合いを有する可能性があり、幾つかの電極は操作後におい
て活性的でない可能性があり、また相異なる患者が相異なる神経残存の度合いを
有する可能性がある。刺激のセットは、個別の音響的刺激に対する正常の聴力の
患者の時間領域の応答に近似させるための、刺激に対する神経の応答を可能にす
るよう選択される。この応答は、刺激後についてのヒストグラム、スパイク間の
間隔のヒトスグラム、および/または、個別の神経の期間のヒストグラム、神経
の選択された帯域またはポピュレーションの期間のヒストグラムを参照して、決
定されることが可能である。
刺激のセットは、好適には神経応答のモデル、および統計的および/または数
学的な解析を用いて、予じめ設計されることが可能である。その代りに、刺激の
セットは実時間で演算されることが可能である。刺激のセットは単一のユニット
の効果、またはポピュレーションの効果または好適にはこれら両者を考慮に入れ
るよう演算されることが可能である。本発明は、相異なる音響入力、個別の患者
の独自性、の両者について刺激を適合させることを可能にする。電気的刺激によ
り生起させられる聴覚応答の時間領域の波形が正常の聴力の人間により経験され
るものにより近く接近するほど、患者が発生する知覚を解釈することがより容易
になるのであると信じられている。
図面の簡単な説明
本発明が添付の図面を参照しつつ説明されるが、添付の図面において、
第1図は、本発明のための理論的基礎の観点を概略的に示す図、
第2図は、本発明による処理をブロック形式で示す図、
第3図は、刺激の機能に対するスパイクの割合の、理論および測定によるプロ
ットを図表的に示す図、
第4図は、神経の集合のサンプルの期間のヒストグラムを示す図、
第5図は、本発明の一実施例による、多重のパルスのヒストグラムを示す図、
第6図は、標準の技術により発生させられるヒストグラムを示す図、
第7図は、本発明の一実施例によるヒストグラムを示す図、
第8図は、第5図の出力を発生させるために必要な電流の水準を示す図、
第9図は、刺激により励起される作動のポテンシャルの広がりを示す図、
第10図および第11図は、本発明の他の実施例をブロック形式で示す図、
第12図は、蝸牛の移植のシステムを概略的に示す図、
第13図は、音素に関連する時間およびパワーの信号を示す図、
第14図は、ニューロンの種々の帯域についての作動開始の確率を示す図、
第15図は、特別に選択された帯域についての種々の期間におけるスパイクの確
率を示す図、
第16図は、無反応期間の関数の例を示す図である。
発明の記述
本発明は、音響の補強装置を装着した患者へ電気的刺激を適用する広範囲の原
理に関する。本発明は特定の実施例に関して記述されるが、可能な実施例の広範
囲の変形が存在することが強調されるのである。例えば、要求される刺激を推定
するには、神経の応答について種々のモデルが用いられることが可能であり、種
々の刺激用の配置、例えば経皮の接続、が用いられることが可能である。
考慮される形式の蝸牛の移植のシステムは、一般的には、マイクロホン1を具
備し、該マイクロホンは音響信号を受理し対応する信号を音声プロセッサ2へ進
行させる。音声プロセッサは、受理した電気信号を処理し、刺激データの1つの
セットを発生させる。これは、パワーとともに、外部コイル3から内部コイル4
へ伝送され、次いで受理刺激器ユニット(RSU)5へ伝送され、該受理刺激器ユ
ニットは刺激のパルスを電極列6の選択された電極対へ供給し、それにより、神
経線維を刺激し使用者へ音響の知覚を提供する。
神経の応答は、自明の関数、例えば入力の音響の信号、として導かれることは
できない。応答を正確に模擬することの困難性の1つの観点は、システムの複雑
性に関係する。正常の聴力の耳は約30,000の神経線維を有し、その各々は刺激期
間のどの時点においても、他とは独立に、作動のポテンシャルに到達することが
できる。シス
テムが正常の聴力の場合と同じ振舞いを行うようにさせる電気パルスを発生させ
ることは可能ではない。
本発明の実施の1つの観点は、パルスの数、振幅、形状、および率を変化させ
、NHNRの近似を実現させることである。これは特に、作動のポテンシャルの正確
な数(1つの代表的な繊維にわたり、またはその代りに線維の集合にわたり、計
数されたもの)を波形の各々の「位相」内で、または波形の多くの適切に選択さ
れた位相にわたる平均において実現することにより達成される。この位相は刺激
の期間における利用可能な区分に対応し、このことは変調率で制限されるのであ
り、もし変調率が音調の周波数の4倍であれば、各「位相」は波形の4分の1に
なる。このことはNHNRの階段状の近似をもたらし、この近似は音響の場合に極め
て類似する。特別に設計された刺激は、模擬された音調の各期間にわたり適用さ
れ、聴覚的および電気的な刺激に対する聴覚神経の応答の計算機による模擬およ
び数学的解析により設計される。
空間・時間的な神経の応答を改善するために、波形の変形が用いられる。これ
らの変形は、NHNRの空間・時間的なパターンをよりよく模擬するため、パルスの
数、振幅、間隔、および幅の変形を包含する(ただしそれに限定されることはな
い)。これらの自由度は、従来のシステムにおいても提供されるが、一般的には
利用されていない。
本発明は、種々の応用における要求にしたがい、種々の形式の時間的応答を可
能にする。1つの方法は、刺激の期間当り複数のパルスを適用することにより刺
激当りの正確な集合のヒストグラムにできるだけ近い近似を実現するよう本発明
を利用することである。パルスの振幅は、波形の各部分において正確な数の作動
のポテンシャルを発生するように選択されることが可能である。パルスの寸法は
、種々の手段を用いて選択されることが可能であり、該手段の例は下記に記述さ
れる。
本発明のその他の観点は、ニューロンの屈折の特性を利用することにより、本
発明により、電極の刺激範囲(SRE)内において相異なる帯域が相異なる時刻に作
動開始するように刺激を供給することが可能であることである。これは、刺激が
、各帯域内における希望されるパルス間のタイミングに実現することを可能にし
、それにより正常の聴力における帯域間の位相の関係に近似させることができる
。選ばれる帯域の寸法は選択することが可能であり、それにより帯域は患者の最
良の知覚を生じさせる寸法に選択されることが可能である。これは、患者ごとに
慣例化されることが可能である。
本発明は主として、標準の二位相のパルスを利用する利用可能な移植のシステ
ムの場合について記述される。パルスの形状を変化させることは、関連する神経
の構造の時間領域の応答を必然的に変化させる。明らかに代替のパルス形状は前
記の効果の詳細部分を変化させるけれども、本発明の範囲は、現実のまたは標準
のパルス形状の使用に限定されるものではない。
本発明がより充分に理解されるために、最初に簡単に、理論的基礎を考慮する
ことにする。従来の蝸牛の移植においては、聴覚神経のニューロンは、電極列に
おける電極間に一連の二位相の電流を印加することにより刺激される。二位相の
刺激の各々はニューロンの1つの群を作動開始させる。刺激により作動開始する
ニューロンの数は、刺激を行う電極に対するニューロンの群の相対的位置のよう
な要素、およびニューロンの刺激の経歴により決定される。過去の刺激のために
多数のニューロンが不応期にある場合には、新しい刺激の適用は、最初に刺激さ
れる場合にそうであるほど多くを作動開始させることはないであろう。
本発明により、単一の電極に近接する神経のみでない神経のより広範囲の集合
の時間的応答の代表がどれであるかの評価を提供することは、さらに望ましいこ
とである。刺激電極に対する位置による、ニューロン応答の変動を克服するため
に、ニューロンは条片に分割されたものと考えることができ、この条片の各々は
、与えられた刺激パルスの適用により均等に刺激されるニューロンを含むと仮定
される。これは第1図に概略的に示される。電極10,11の領域におけるニューロ
ン12はi,i+1、等の符号の付された条片に概念的に分割される。
単一の二位相の刺激が種々の振幅において電極10,11間に印加され、ニューロ
ンのi番目の条片が監視されると仮定する。もちろん実際には任意の与えられた
パルスが多重の条片を刺激するであろうが、この条片は刺激用の電極に最もよく
応答するニューロンを包含すると仮定する。刺激の関数SKはK番目のパルスか
らの神経の応答をあらわす。AKはK番目のパルスの振幅である。各条片につい
て、AKとSKに関する表を作成することは可能である。
実際には、ニューロンは、個別の二位相のパルスによってではなく一連の刺激
により刺激される。各電気的刺激は、N1kの作動のポテンシャルのニューロンの
単一の条片から、ニューロンの応答を導出するが、ここにNは条片におけるニュ
ーロンの数であり、1kはパルスkの期間において作動のポテンシャルを達成す
る条片からの任意のニューロンの平均の確率である。1kを導出する一連の刺激
用パルスにおけるパルスが、Skを導出する個別のパルスと同じ振幅を有するこ
とは知られており、この場合にSkと1kは下記のように関係している:
パルス期間はTに等しいとする。(n+c)は相対的不応期間の長さをTで除
算したもの、γ(k−i)は、1から最後の作動のポテンシャルからの時間にT
について測定された不応関数を減算したものである。
したがって、SKを決定し次いで適用されるべき二位相のパルスAkの適切な振
幅をルックアップすることにより、特定の1kを発生させることが可能である。
以上において、神経線維のi番目の刺激された条片における希望される神経の
応答1kを実現するために、適用されるべき二位相の刺激の振幅をどのように決
定するかが示されてきた。
神経の応答への音響信号の連系
蝸牛移植の技術において用いられる現在の音声プロセッサは、音声の有意の特
徴を抽出することに依存する。例えば、SMSP過程を用い、受理される音響信号に
対応する電気信号は、帯域通過濾波器、例えば16により処理され、それにより各
チャンネルにおける振幅に対応する信号が発生する。最大の振幅、例えば6を有
する該振幅の信号の選択された数は、刺激用のパルスの振幅を変調するために用
いられる。
本発明をそのようなシステムを組み込むためには、刺激が発生すべき各帯域に
おいて、正常の聴力の条件下において実現する可能性のある1kを演算すること
が必要である。この1kは、蝸牛の適切なモデルおよび正常なニューロンの応答
を用いることにより演算されることが可能である。例えば、Parkins et al.“A
Fibre Sum Modulation Code for a Cochlear Prosthesis”,Annals of the Ne
w
York Academy of Sciences,1983,p.490、または、他の多くの発表されたモデ
ルの1つを参照されたい。
次いで1kは前記の等式により適切なSkに写像され、AkからSkへの写像は適
用されるべき二位相のパルスの振幅を決定するために用いられる。この過程は第
2図に示される。入力信号20は特定の特徴または特徴のセットを抽出するために
、ソフトウエア21により処理される。この過程は従来の蝸牛移植の形式、例えば
SMSPまたはフォルマントの識別であることが可能である。その代りに、音素又は
類似の特徴、例えば個別の音楽音調を認識するソフトウエアの過程であることが
可能である。認識された特徴はルックアップテーブル22を通して参照され希望さ
れる正常の聴力の神経の応答を提供し、該神経の応答は抽出された特徴の知覚に
対応する。次いでSkは前記の等式を参照して決定されることができる。次いで
、各パルスについての振幅Akはルックアップテーブル24から導出されることが
できる。同時に、この実施例によれば、入力信号20は空間的な刺激について電極
対を選択するように処理25される。次いで、刺激は、導出されたAkを25で選択
された電極の場所と組合わせることにより決定26され、刺激のセットが電極列27
に供給される。
ルックアップテーブルは、任意の従来の記憶装置を使用して提供されることが
可能である。第1のテーブルは患者の知覚の要求される形式、すなわち、対応す
る正常の聴力の神経の応答のパターンをともなう抽出された特徴(例えば、音素
または音調)である。テーブルへの他の入力は、知覚の要求される音量の水準で
ある。ルックアップテーブルの出力は、電気的刺激のセットであり、該電気的刺
激は希望される神経の応答を実現させる。これらは、好適には、前記の方法に類
似の方法によりオフラインで演算され、記憶される。この配置はプロセッサの容
量の減少を可能にするが、その理由はす
べての波形が完全に演算される必要がないからである。
第2のルックアップテーブル24は、入力として、刺激のパルスの幅、刺激の割
合、および希望される刺激の関数(Sk)を必要とし、これについて要求される
刺激の振幅Akを返還する。ルックアップテーブル用の値は種々の方法で求めら
れることが可能である。1つの方法は、種々の振幅および割合(各パルス幅につ
いて)における種々のパルス割合についての、動物の研究を用いることである。
測定される応答から、「s」の関数が演算されることができる。
第3図は、二位相のパルスの期待されるスパイクの割合を、S関数(与えられ
たパルス割合とパルス幅について)対実際の実験結果の関数として表示する。実
験結果は、種々のパルス割合およびパルス強度における固定された幅の二位相の
パルスを入力し、神経の応答の割合を図表であらわすことにより得られた。理論
値は下記のように演算されることが可能である。
作動のポテンシャルのタイミングを記述する確率的な過程は自己励起点の過程
(SnyderおよびMiller,1991)であると仮定する。時間tまでのスパイク(事象
)の数をNtであると規定すると、任意の時間tにおいて、最後のスパイク以来
の時間はt−tNtに等しい。ポイントの過程の強度(Snyder and Miller,1991)
は、s(t)r(t−tNt)に等しい。ここに、s(t)>0は刺激に関係する
関数であり、時間に依存するものであり(ニューロンの特性およびニューロンに
供給される信号により決定される)、r(.)>0は無反応期間の関数であり、
最後の作動のポテンシャル以来の時間の関数として作動のポテンシャルの発生の
割合を低下させるものである。r(.)はニューロンの特性によってのみ決定さ
れ、およびおそらく刺激(電気的または音響的)の形式により決定され、刺激の
寸法には無関係である。
システムにおいてs関数は期間Tの間隔をおいた同一のパルスのセットであり
、各パルスの幅Wはニューロンの死時間より小であると考える。無反応期間の関
数r(t−tNt)は下記の領域にわたり一定であるとする:
この領域にわたり一定であるとするのである。
次のように規定する。
ここにAは、パルスの期間においてポアソン割合s(t)をとる点が存在せず
、無反応期間の効果が存在しない確率である。αnは、最後の作動のポテンシャ
ルがnパルス前に生起した場合における、屈折の関数の寸法である。Nを最小の
整数であって、(N+1)T−W>bであるもの、と規定する。その場合に、定
常時の神経の作動開始の平均の割合は、下記で与えられる。
次いで、与えられた条件につき、S関数を電気的強度へ関係づけるルックアップ
テーブル用の値が導出されることが可能である。これ
は幾つかの方法で行われることが可能である。
比較的簡単な方法は、パルスの割合および強度の幾つかの条件下において神経
の応答を測定することにより発生させられる与えられたパルスについて「S」関
数を単に測定することを、必然的にともなう。
例えば、第3図から、強度が約35のパルスは、200ppsで発生させられると、約
10のS関数に等しくなり、強度の増大は、直線状の正のオフセットの関係におい
てS関数の増大におおよそ関係する。
その代りに、200ppsにおいては、例えば20のS関数を発生させるためには、約
40の強度の刺激が必要である。
もちろん、さらに研究を行えば、関係のより詳細な表現がもたらされることが
可能であるが、この簡単な当初の方策は合理的な表現を提供する。
与えられたパルスの割合および幅についての必要な電流値を決定する代替の方
法は、一定の割合と幅で一連のパルスを(各患者について)適用し、電流のしき
い値および快適値の水準を決定する方法であろう。次いで、各水準における実効
的な「S」関数の寸法を表示する第2のパラメータは、マスキングの研究またそ
の代りに実験により決定されることが可能であり、該実験においてはパラメータ
が変化させられ、知覚の応答が記録される、すなわち、電流強度とS関数の間の
与えられた比例性の仮定の下に、特定の音響がコード化され次いで患者に対し反
覆的に演奏される。「最良の」応答を返還する比例性は、自然性の観点について
も、信号の識別可能性についても、ルックアップテーブルに記憶されることが可
能である。
したがって、この特定の実施例においては、3つのパラメータが存在すること
が可能であり、それは、しきい値および快適性の水準の電流、および、電流強度
(与えられたパルス割合における)を「
S」関数に関係づけるスカラーのパラメータである。これは、各電極刺激の組合
せについて行われることが必要である可能性があることに注意すべきである。(
すなわち、各々についての単極性のもの、各対についての二極性のもの、等)
本発明の範囲内において、パルスのタイミングは種々のやりかたで決定される
ことが可能であることが了解されるべきである。簡単な実施例においては、すべ
ての電極について一定のパルス割合が用いられるべきである。このパルス割合は
もちろん、相対的な屈折の期間、代表的には20ms、より速くなくてはならず、好
適な値は1msである。好適な実施例においては、各電極について、隣接する神経
のポピュレーションの特性周波数の整数倍であるようなパルス割合が用いられる
。
第10図は、本発明の代替の実施例をブロック形式で示す。この場合において、
受理した音響信号はトランスジューサにより処理され次いでn個の出力をもつ濾
波器のバンクへ進入する。例示としては、この数は6である。各チャンネルにつ
いて、神経の構造のその部分の神経応答のモデルは、チャンネル内に含まれる音
響信号のその部分についての正常聴覚神経応答(NHNR)を発生させるために用い
られる。次いでSKが前記の等式を用いて演算されることができる。SKは、前に
論じられたように、ルックアップテーブルにおけるAKに関係することができる
。次いでこのAKは、適切な電極対を振幅AKで刺激するために、RSU への指示の
基礎として用いられることができる。
第11図は、第10図に関係する実施例を示す。両者の相違は、濾波器のバンクか
らの各チャンネルの出力について、基本の音調を導出するためにFFT 技術が用い
られることである。第1図に関連して記述されるものに類似の過程を用いて、こ
の音調はルックアップテー
ブルを通してNHNRへ関係づけられ、SKが演算され、追加のルックアップテーブ
ルから対応するAKが決定される。次いで刺激の指示が決定されたAKにもとづい
てRSU へ送られ、音調に対応する電極の場所へ送られる。この過程は、各チャン
ネルについて行われ、またはSMSP技術により決定される最大の振幅を有するチャ
ンネルの選択されたセットについて行われることが可能である。
第8図および第9図は、本発明の原理を示す。ポピュレーションの応答を1kH
z の音調についてのNHNRからのものに類似になるようにするには、4μsの二位
相のパルスの連続的に反復するセットを適用し、その場合に振幅は4,6.5,7
,0の比率でありその結果の神経応答は10,24,10,0の比率であるようにする
ことが可能である。これは第8図および第9図に示される。
以下に記述する説明用の例により提案される刺激の方策は、蝸牛移植用の音声
プロセッサについての実施が可能であるよう設計され、該音声プロセッサは信号
を二位相のパルスの形式にコード化する。図示される例は、固定幅、二位相、二
極性のパルスを用い、その場合全体のパルス幅は250μsである。
第6図は、期間当り1パルスを用いる、換言すれば標準の刺激の技術を用いる
、出力パルスを示す。そのような固定の割合の刺激の技術は、刺激の周波数以外
の任意の周波数における希望される出力のヒストグラムの密接な近似を構成する
ことはできないことは明らかである。
多重パルスの電気的刺激のモデルは、試行錯誤の様式で電流の水準の1つのセ
ットが見出されるまで反復されるが、このことは本発明により要求されるヒスト
グラムを提供する。その結果は第7図に示される。各期間について実際のヒスト
グラムは第5図に示される希望される近似に密接に類似している。第6図と比較
すると、本発
明がより密接な近似を提供することは、明らかである。
実例
下記において、特定の音響入力に関係して、本発明の技術の実施状況が記述さ
れる。
音素/e(短い「eh」のように発音される)が、パワーのスペクトル密度とと
もに示される。スペクトルが周波数スペクトルにおいて幾つかのピークを有する
ことに注意されたい(約800,500、および 200Hzにおいて)。これらは、刺激の
ために目標とされる主要な周波数として用いられることが可能である。信号は、
独立した音響からのものである。
この実例は、Benjamin D.Brayand,John D.Gowdy“Simulation of Stages I a
nd II of Seneff's Auditory Model(SAM)Using Matlab”,Proceedings of th
e 1993 Matlab User's Group Conference、からのモデルに適用された。
該モデルは、基底膜の40の領域からのニューロンについての平均神経応答を提
供する(高周波数から低周波数への特性周波数にわたり)。もちろん、モデルは
要求される任意の数の帯域について設定されることが可能であり、例えば各刺激
用電極に対応する帯域の応答についてである。幾つかの帯域についての応答が第
14図に示される。この結果を得るために他のモデルおよびソフトウエアを用いる
ことが可能であることが了解されるであろう。
本発明の技術は、電極に近いニューロンの特性周波数に対応する各帯域をコー
ド化するために用いられることが可能である。いまのところ、(例えば)帯域40
が電極に対応すると想定し、その電極用のパルスを発生させるために本発明の技
術がどのように用いられ得るかを検討することにする。他の電極もまた同時にコ
ード化される
ことが可能であることが了解されるであろう。
ここでの神経の応答においては、2つの観点が存在する。おそらくは初期の効
果による、時間の経過につれての確率の大幅な低下、および、微細構造である。
本発明は、両者について使用者に情報を提供する。
ここにおける応答の微細構造は、4msの周期または 250Hzの周波数に対応する
、80msにおける約20の周期を有する。例として、周期あたり8パルスについてコ
ード化を行い、その場合に2000Hzのコード化の周波数、または換言すれば 0.5ms
のビン寸法が必要である。
図表に示される確率は、前記の理論による、1KまたはNHNRである。それゆえ
、与えられた公式を用いて、SKを算出することができ、該SKは必要な応答を与
える。
われわれが制御することを望むニューロンのポピュレーションは3つのほぼ均
等に刺激可能な領域であると近似することができる(中央のものが最も刺激しや
すい)と仮定すると、われわれは、この加算されたポピュレーションから作動の
ポテンシャルの総数(加算されたポピュレーションにおけるニューロンの総数で
除算される)が図面の曲線に従うことを望む。
下記の等式を使用する。
ここに、Sk,iはパルスKの間のi番目の領域についての刺激関数、1k,iはパ
ルスKの間のi番目の領域についての神経応答の平均確率γ(K)は、1から、
最後の作動のポテンシャルが時間K.
Tだけ前に生起した場合について演算された無反応期間の関数を減算したものに
等しい。
次いで、各 0.5msのビンにおける作動開始の確率は第15図に示されるように演
算されることができる。
この演算から、最初の10のビンについて要求される確率は下記のとおりである
。
与えられた電気パルスは、刺激の場所から相異なる距離において相異なる応答
を導出する。αiは或るパルスについての名目のSとi番目の領域について発生
した実際のSの間に比として規定される。3つのサブ・ポピュレーションについ
てのαiを、各ポピュレーション(1,2,3)について0.7,1、および0.7 で
あると仮定することにする。
第17図は無反応性の関数(1−γ)の近似値を与え、γ(ガンマ)は最初の3
つのビン(1ms)については(極めて近似的)に約1であり、その値から減少し
て約25ms(50番目の)ビンの後に約0になる。したがって、任意のビンにおける
応答を演算するとき、最後の50ビンからの応答は適切なものである。
それゆえ、γ(ガンマ)は最初の2つのビンについては約1であり、ビン10ぐ
らいの後には0.5 であり、次いでビン45の後には0.97、等である。3つの小領域
の全部からの必要な刺激当りのポピュレーションの時間ヒストグラムを得るため
には、下記の公式を適用す
る:
したがって、演算を行うためには:
1.時刻0より前においては作動開始の有意な量は存在しないと仮定する。(
先行の証拠物がより早くコード化されたのであれば、プロセッサは、その証拠物
からの1kの値、およびどれくらい以前であったかを記憶しているはずである)
。
2.各パルスまたは「K」にわたりループ動作を行う。
3.前記したようにGk,iを演算する。
4.前記の等式を用い必要なSKを演算する。また、3つの1k,iの値を記憶さ
せるが、これは将来のGk,iの値の演算における使用を呼び起こす。
5.ルックアップテーブル(前記で論じられた)を用いて、必要なパルス強度
を決定する。
6.正確な時間の値のためにパルスを管理し、ステップ2へ進む。
この手順は、従来のソフトウエア技術を用いて容易に実施可能なものである。
読者には明らかであるように、本発明の一般的な範囲内において変形および置
換が可能である。特に、種々の処理用の要素が種々に配置され、それにより例え
ば、幾つかのまたはすべてのルックアップテーブルが装置の移植された部分のな
かに位置するようにされることが可能である。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年10月28日
【補正内容】
明細書
多重パルス刺激装置
技術分野
本発明は電気的刺激を提供する装置、および人工内耳(移植蝸牛刺激装置、coc
hlear implants)のような聴覚補強のための電気的刺激の方策を提供する方法お
よび装置に関する。
背景技術
種々の形式の人工内耳が提案され、また製造されてきた。本発明の説明の目的
のために、コクリアリミティド社(Cochlear Limited)から商業的に入手可能で
あるような装置を参照することができる。しかし、本発明が他の形式の聴覚補強
装置にも同様に適用可能であることが了解されるべきである。蝸牛内の電極アレ
イが、受信刺激器ユニットとともに、電極アレイ内の選択される電極対に電気的
刺激を与えるために、患者に外科手術的に移植される。受信刺激器ユニットは、
誘導式の経皮的なリンクまたは直接の経皮的な接続を通して、外部の音響処理装
置およびマイクロホンへ接続される。
本発明は主として、適切な刺激を選択する過程、および音響的刺激に応答して
供給される実際の刺激のパルスに関するものである。知られている装置によれば
、刺激は電極の種々の対の間に印加され種々のモードの刺激を発生させることが
可能である。一般的に、選択される電極の対は、検出された音調のピッチに関係
する。この場合において、刺激は一致したパルスのタイミングと形状を一般的に
使用してきており、振幅は検出された音響信号の振幅を参照して決定される。ピ
ッチの知覚表象を誘導するために、検出された音調に
関係する割合で刺激を行うことも知られている。
しかし、これらの刺激に応答する患者の知覚が、正常の聴覚機構を用いる知覚
とは相違することが決定されている。特に、そのような刺激に対する聴覚神経の
応答が、同じ音響に対する正常な聴力の人間の神経の応答とは全く相違している
ことが決定されている。
Parkins ほかの論文“A fibre sum modulation code for a cochlear prosthe
sis”ニューヨークアカデミーオブサンエンシズの年報、1983年、第490 頁、に
おいて、著者は、音響の刺激に対する正常の聴力の人間の神経の応答を模擬する
やりかたで刺激を与えることを論じている。刺激の波形は、複雑な数学モデルを
用いて変調され、刺激後の時間のヒストグラムが正常な聴力の場合のヒストグラ
ムに近似するようにされる。しかし、記述されている装置は、移植可能なまたは
可搬式の装置における実施の容易にするような実時間の処理には適していない。
scott ほかの米国特許明細書第4495384 は、人工内耳用の実時間処理の装置を
開示する。この開示は、神経線維の無反応期間を補償するシステムを記述してお
らず、その結果として、発生する刺激は、正常の聴力の場合に類似する時間領域
の波形を有する神経の応答を提供しない。
MotzとRattay の“Signal processing strategies for electro stimulated e
ar prostheses based in simulated nerve response”(1988)において著者は
聴覚神経の線維の過分極、およびその結果としての高次のフォルマントについて
の患者の知覚の欠如に関連する問題を論じている。刺激は、単一の電極から与え
られるものであるように、模擬された。著者は、当初の刺激のパルスの後に追加
のパルスを使用し、後のパルスは振幅が相当に直線状に増大しているようにする
ことを提案する。この文献には、聴覚神経の構造に希望
される刺激後の時間のヒストグラムを生成させるようパルスを選択することは記
述されていない。
本発明の1つの目的は、電気的刺激を発生させる実用的な装置を提供し、正常
な聴力の人間の神経の構造の、与えられた音響刺激に対する時間領域の応答によ
り良好に近似する聴覚神経の応答が発生するようにすることにある。
発明のサマリー
本発明の1つの観点によれば、本発明においては、音響信号に対応する電気信
号を受理する処理手段および蝸牛へ電気的刺激を供給するに適合した刺激手段を
具備する聴覚の補強装置であって、該刺激手段は蝸牛内に作動的に位置する複数
の電極を有する電極アレイを包含し、該補強装置は選択された電極に刺激が与え
られることが可能であるよう配置され、該刺激手段は該処理手段から受理する制
御信号に応答するものである、人工内耳装置において、
該処理手段は、予め定められた指示のセットに従い該電気信号を処理し、該指
示のセットは、刺激されるべき電極を含み音響信号に応答して適用されるべき刺
激、刺激の振幅、および刺激の時刻を決定し、該処理手段は、該刺激手段へ制御
信号を供給し該刺激手段を一組の刺激を発生するようにさせ、該一組の刺激は、
少くとも1つの電極について、第1の刺激のパルス、および該第1のパルスで刺
激される複数の神経の線維の相対的な不応期内において少くとも1つの追加のパ
ルスを包含し、該一組の刺激は、該一組の刺激に応答する患者の神経の構造が、
該音響信号に対する正常の聴力の人間の時間領域の応答に近似する時間領域の応
答特性を有するように選択されるものである、ことを特徴とする人工内耳装置が
構成される。
指示のセットは好適には、音響信号に対応する電気信号を、信号
の部分が予め規定された特徴の群の1つに対応することを識別するよう解析する
。これらは例えば、音素、音調、または和音を包含する。刺激のセットを提供す
るルックアップテーブルが形成されることが可能であり、該刺激のセットは音響
特徴に対応する適切な時間領域の神経応答を作動的に誘導するよう決定されてい
る。その代りに、神経応答は直接に演算されることが可能である。次いで、この
刺激は電極アレイを通して供給される。
刺激のセットは、神経線維の選択されたポピュレーションを刺激するように選
択されることが可能であり、その場合に神経線維の無反応期間が考慮に入れられ
ている。刺激のセットはまた、特定の神経線維の応答を考慮に入れ、好適には特
定の患者の応答に適合させられることが可能である。例えば、各患者は電極アレ
イの相異なる挿入の度合いを有する可能性があり、幾つかの電極は操作後におい
て活性的でない可能性があり、また相異なる患者が相異なる神経残存の度合いを
有する可能性がある。刺激のセットは、個別の音響的刺激に対する正常の聴力の
患者の時間領域の応答に近似させるための、刺激に対する神経の応答を可能にす
るよう選択される。この応答は、刺激後についてのヒストグラム、スパイク間の
間隔のヒトスグラム、および/または、個別の神経の期間のヒストグラム、神経
の選択された帯域またはポピュレーションの期間のヒストグラムを参照して、ま
たは刺激からの他の遠隔通信により決定されることが可能である。
刺激のセットは、好適には神経応答のモデル、および統計的および/または数
学的な解析を用いて、予じめ設計されることが可能である。その代りに、刺激の
セットは実時間で演算されることが可能である。刺激のセットは単一のユニット
の効果、またはポピュレーションの効果または好適にはこれら両者を考慮に入れ
るよう演算さ
れることが可能である。本発明は、相異なる音響入力、個別の患者の独自性、の
両者について刺激を適合させることを可能にする。電気的刺激により生起させら
れる聴覚応答の時間領域の波形が正常の聴力の人間により経験されるものにより
近く接近するほど、患者が発生する知覚を解釈することがより容易になるのであ
ると信じられている。
図面の簡単な説明
本発明が添付の図面を参照しつつ説明されるが、添付の図面において、
第1図は、本発明のための理論的基礎の観点を概略的に示す図、
第2図は、本発明による処理をブロック形式で示す図、
第3図は、刺激の機能に対するスパイクの割合の、理論および測定によるプロ
ットを図表的に示す図、
第4図は、神経の集合のサンプルの期間のヒストグラムを示す図、
第5図は、本発明の一実施例による、多重のパルスのヒストグラムを示す図、
第6図は、標準の技術により発生させられるヒストグラムを示す図、
第7図は、本発明の一実施例によるヒストグラムを示す図、
第8図は、第5図の出力を発生させるために必要な電流の水準を示す図、
第9図は、刺激により励起される作動のポテンシャルの広がりを示す図、
第10図および第11図は、本発明の他の実施例をブロック形式で示す図、
第12図は、蝸牛の移植のシステムを概略的に示す図、
第13図は、音素に関連する時間およびパワーの信号を示す図、
第14図は、ニューロンの種々の帯域についての作動開始の確率を示す図、
第15図は、特別に選択された帯域についての種々の期間におけるスパイクの確
率を示す図、
第16図は、無反応期間の関数の例を示す図である。
発明の記述
本発明は、音響の補強装置を装着した患者へ電気的刺激を適用する広範囲の原
理に関する。本発明は特定の実施例に関して記述されるが、可能な実施例の広範
囲の変形が存在することが強調されるのである。例えば、要求される刺激を推定
するには、神経の応答について種々のモデルが用いられることが可能であり、種
々の刺激用の配置、例えば経皮の接続、が用いられることが可能である。
考慮される形式の蝸牛の移植のシステムは、第12図に示され、一般的には、マ
イクロホン1を具備し、該マイクロホンは音響信号を受理し対応する信号を音声
プロセッサ2へ進行させる。音声プロセッサは、受理した電気信号を処理し、刺
激データの1つのセットを発生させる。これは、パワーとともに、外部コイル3
から内部コイル4へ伝送され、次いで受理刺激器ユニット(RSU)5へ伝送され、
該受理刺激器ユニットは刺激のパルスを電極列6の選択された電極対へ供給し、
それにより、神経線維を刺激し使用者へ音響の知覚を提供する。
神経の応答は、自明の関数、例えば入力の音響の信号、として導かれることは
できない。応答を正確に模擬することの困難性の1つの観点は、システムの複雑
性に関係する。正常の聴力の耳は約30,0
00の神経線維を有し、その各々は刺激期間のどの時点においても、他とは独立に
、作動のポテンシャルに到達することができる。システムが正常の聴力の場合と
同じ振舞いを行うようにさせる電気パルスを発生させることは可能ではない。
本発明の実施の1つの観点は、パルスの数、振幅、形状、および率を変化させ
、NHNRの近似を実現させることである。これは特に、作動のポテンシャルの正確
な数(1つの代表的な繊維にわたり、またはその代りに線維の集合にわたり、計
数されたもの)を波形の各々の「位相」内で、または波形の多くの適切に選択さ
れた位相にわたる平均において実現することにより達成される。この位相は刺激
の期間における利用可能な区分に対応し、このことは変調率で制限されるのであ
り、もし変調率が音調の周波数の4倍であれば、各「位相」は波形の4分の1に
なる。このことはNHNRの階段状の近似をもたらし、この近似は音響の場合に極め
て類似する。特別に設計された刺激は、模擬された音調の各期間にわたり適用さ
れ、聴覚的および電気的な刺激に対する聴覚神経の応答の計算機による模擬およ
び数学的解析により設計される。
空間・時間的な神経の応答を改善するために、波形の変形が用いられる。これ
らの変形は、NHNRの空間・時間的なパターンをよりよく模擬するため、パルスの
数、振幅、間隔、および幅の変形を包含する(ただしそれに限定されることはな
い)。これらの自由度は、従来のシステムにおいても提供されるが、一般的には
利用されていない。
本発明は、種々の応用における要求にしたがい、種々の形式の時間的応答を可
能にする。1つの方法は、刺激の期間当り複数のパルスを適用することにより刺
激当りの正確な集合のヒストグラムにできるだけ近い近似を実現するよう本発明
を利用することである。パ
ルスの振幅は、波形の各部分において正確な数の作動のポテンシャルを発生する
ように選択されることが可能である。パルスの寸法は、種々の手段を用いて選択
されることが可能であり、該手段の例は下記に記述される。
本発明のその他の観点は、ニューロンの屈折の特性を利用することにより、本
発明により、電極の刺激範囲(SRE)内において相異なる帯域が相異なる時刻に作
動開始するように刺激を供給することが可能であることである。これは、刺激が
、各帯域内における希望されるパルス間のタイミングに実現することを可能にし
、それにより正常の聴力における帯域間の位相の関係に近似させることができる
。選ばれる帯域の寸法は選択することが可能であり、それにより帯域は患者の最
良の知覚を生じさせる寸法に選択されることが可能である。これは、患者ごとに
慣例化されることが可能である。
本発明は主として、標準の二位相のパルスを利用する利用可能な移植のシステ
ムの場合について記述される。パルスの形状を変化させることは、関連する神経
の構造の時間領域の応答を必然的に変化させる。明らかに代替のパルス形状は前
記の効果の詳細部分を変化させるけれども、本発明の範囲は、現実のまたは標準
のパルス形状の使用に限定されるものではない。
本発明がより充分に理解されるために、最初に簡単に、理論的基礎を考慮する
ことにする。従来の蝸牛の移植においては、聴覚神経のニューロンは、電極列に
おける電極間に一連の二位相の電流を印加することにより刺激される。二位相の
刺激の各々はニューロンの1つの群を作動開始させる。刺激により作動開始する
ニューロンの数は、刺激を行う電極に対するニューロンの群の相対的位置のよう
な要素、およびニューロンの刺激の経歴により決定される。過去の刺激のために
多数のニューロンが不応期にある場合には、新しい刺
激の適用は、最初に刺激される場合にそうであるほど多くを作動開始させること
はないであろう。
本発明により、単一の電極に近接する神経のみでない神経のより広範囲の集合
の時間的応答の代表がどれであるかの評価を提供することは、さらに望ましいこ
とである。刺激電極に対する位置による、ニューロン応答の変動を克服するため
に、ニューロンは条片に分割されたものと考えることができ、この条片の各々は
、与えられた刺激パルスの適用により均等に刺激されるニューロンを含むと仮定
される。これは第1図に概略的に示される。電極10,11の領域におけるニューロ
ン12はi,i+1、等の符号の付された条片に概念的に分割される。
単一の二位相の刺激が種々の振幅において電極10,11間に印加され、ニューロ
ンのi番目の条片が監視されると仮定する。もちろん実際には任意の与えられた
パルスが多重の条片を刺激するであろうが、この条片は刺激用の電極に最もよく
応答するニューロンを包含すると仮定する。刺激の関数SKはK番目のパルスか
らの神経の応答をあらわす。AKはK番目のパルスの振幅である。各条片につい
て、AKとSKに関する表を作成することは可能である。
実際には、ニューロンは、個別の二位相のパルスによってではなく一連の刺激
により刺激される。各電気的刺激は、Nlkの作動のポテンシャルのニューロンの
単一の条片から、ニューロンの応答を導出するが、ここにNは条片におけるニュ
ーロンの数であり、1kはパルスkの期間において作動のポテンシャルを達成す
る条片からの任意のニューロンの平均の確率である。1kを導出する一連の刺激
用パルスにおけるパルスが、Skを導出する個別のパルスと同じ振幅を有するこ
とは知られており、この場合にSkと1kは下記のように関係している:
パルス期間はTに等しいとする。(n+c)は相対的不応期間の長さをTで除
算したもの、γ(k−i)は、1から最後の作動のポテンシャルからの時間にT
について測定された不応関数を減算したものである。
したがって、SKを決定し次いで適用されるべき二位相のパルスAkの適切な振
幅をルックアップすることにより、特定の1kを発生させることが可能である。
以上において、神経線維のi番目の刺激された条片における希望される神経の
応答1kを実現するために、適用されるべき二位相の刺激の振幅をどのように決
定するかが示されてきた。
神経の応答への音響信号の連系
蝸牛移植の技術において用いられる現在の音声プロセッサは、音声の有意の特
徴を抽出することに依存する。例えば、SMSP過程を用い、受理される音響信号に
対応する電気信号は、帯域通過濾波器、例えば16により処理され、それにより各
チャンネルにおける振幅に対応する信号が発生する。最大の振幅、例えば6を有
する該振幅の信号の選択された数は、刺激用のパルスの振幅を変調するために用
いられる。
本発明をそのようなシステムを組み込むためには、刺激が発生すべき各帯域に
おいて、正常の聴力の条件下において実現する可能性のある1kを演算すること
が必要である。この1kは、蝸牛の適切なモデルおよび正常なニューロンの応答
を用いることにより演算されることが可能である。例えば、Parkins et al.“A
Fibre Sum Modulation Code for a Cochlear Prosthesis”,Annals of the Ne
w
York Academy of Sciences,1983,p.490、または、他の多くの発表されたモデ
ルの1つを参照されたい。
次いで1kは前記の等式により適切なSkに写像され、AkからSkへの写像は適
用されるべき二位相のパルスの振幅を決定するために用いられる。この過程は第
2図に示される。入力信号20は特定の特徴または特徴のセットを抽出するために
、ソフトウエア21により処理される。この過程は従来の鍋牛移植の形式、例えば
SMSPまたはフォルマントの識別であることが可能である。その代りに、音素又は
類似の特徴、例えば個別の音楽音調を認識するソフトウエアの過程であることが
可能である。認識された特徴はルックアップテーブル22を通して参照され希望さ
れる正常の聴力の神経の応答を提供し、該神経の応答は抽出された特徴の知覚に
対応する。次いでSkは前記の等式を参照して決定されることができる。次いで
、各パルスについての振幅Akはルックアップテーブル24から導出されることが
できる。同時に、この実施例によれば、入力信号20は空間的な刺激について電極
対を選択するように処理25される。次いで、刺激は、導出されたAkを25で選択
された電極の場所と組合わせることにより決定26され、刺激のセットが電極列27
に供給される。
ルックアップテーブルは、任意の従来の記憶装置を使用して提供されることが
可能である。第1のテーブルは患者の知覚の要求される形式、すなわち、対応す
る正常の聴力の神経の応答のパターンをともなう抽出された特徴(例えば、音素
または音調)である。テーブルへの他の入力は、知覚の要求される音量の水準で
ある。ルックアップテーブルの出力は、電気的刺激のセットであり、該電気的刺
激は希望される神経の応答を実現させる。これらは、好適には、前記の方法に類
似の方法によりオフラインで演算され、記憶される。この配置はプロセッサの容
量の減少を可能にするが、その理由はす
べての波形が完全に演算される必要がないからである。
第2のルックアップテーブル24は、入力として、刺激のパルスの幅、刺激の割
合、および希望される刺激の関数(Sk)を必要とし、これについて要求される
刺激の振幅Akを返還する。ルックアップテーブル用の値は種々の方法で求めら
れることが可能である。1つの方法は、種々の振幅および割合(各パルス幅につ
いて)における種々のパルス割合についての、動物の研究を用いることである。
測定される応答から、「s」の関数が演算されることができる。
第3図は、二位相のパルスの期待されるスパイクの割合を、S関数(与えられ
たパルス割合とパルス幅について)対実際の実験結果の関数として表示する。実
験結果は、種々のパルス割合およびパルス強度における固定された幅の二位相の
パルスを入力し、神経の応答の割合を図表であらわすことにより得られた。理論
値は下記のように演算されることが可能である。
作動のポテンシャルのタイミングを記述する確率的な過程は自己励起点の過程
(SnyderおよびMiller,1991)であると仮定する。時間tまでのスパイク(事象
)の数をNtであると規定すると、任意の時間tにおいて、最後のスパイク以来
の時間はt−tNtに等しい。ポイントの過程の強度(Snyder and Miller,1991)
は、s(t)r(t−tNt)に等しい。ここに、s (t)>0は刺激に関係す
る関数であり、時間に依存するものであり(ニューロンの特性およびニューロン
に供給される信号により決定される)、r(.)>0は無反応期間の関数であり
、最後の作動のポテンシャル以来の時間の関数として作動のポテンシャルの発生
の割合を低下させるものである。r(.)はニューロンの特性によってのみ決定
され、およびおそらく刺激(電気的または音響的)の形式により決定され、刺激
の寸法には無関係である。
システムにおいてs関数は期間Tの間隔をおいた同一のパルスのセットであり
、各パルスの幅Wはニューロンの死時間より小であると考える。無反応期間の関
数r(t−tNt)は下記の領域にわたり一定であるとする:
この領域にわたり一定であるとするのである。
次のように規定する。
ここにAは、パルスの期間においてポアソン割合s(t)をとる点が存在せず
、無反応期間の効果が存在しない確率である。αnは、最後の作動のポテンシャ
ルがnパルス前に生起した場合における、屈折の関数の寸法である。Nを最小の
整数であって、(N+1)T−W>bであるもの、と規定する。その場合に、定
常時の神経の作動開始の平均の割合は、下記で与えられる。
次いで、与えられた条件につき、S関数を電気的強度へ関係づけるルックアップ
テーブル用の値が導出されることが可能である。これ
は幾つかの方法で行われることが可能である。
比較的簡単な方法は、パルスの割合および強度の幾つかの条件下において神経
の応答を測定することにより発生させられる与えられたパルスについて「S」関
数を単に測定することを、必然的にともなう。
例えば、第3図から、強度が約35のパルスは、200ppsで発生させられると、約
10のS関数に等しくなり、強度の増大は、直線状の正のオフセットの関係におい
てS関数の増大におおよそ関係する。
その代りに、200ppsにおいては、例えば20のS関数を発生させるためには、約
40の強度の刺激が必要である。
もちろん、さらに研究を行えば、関係のより詳細な表現がもたらされることが
可能であるが、この簡単な当初の方策は合理的な表現を提供する。
与えられたパルスの割合および幅についての必要な電流値を決定する代替の方
法は、一定の割合と幅で一連のパルスを(各患者について)適用し、電流のしき
い値および快適値の水準を決定する方法であろう。次いで、各水準における実効
的な「S」関数の寸法を表示する第2のパラメータは、マスキングの研究またそ
の代りに実験により決定されることが可能であり、該実験においてはパラメータ
が変化させられ、知覚の応答が記録される、すなわち、電流強度とS関数の間の
与えられた比例性の仮定の下に、特定の音響がコード化され次いで患者に対し反
覆的に演奏される。「最良の」応答を返還する比例性は、自然性の観点について
も、信号の識別可能性についても、ルックアップテーブルに記憶されることが可
能である。
したがって、この特定の実施例においては、3つのパラメータが存在すること
が可能であり、それは、しきい値および快適性の水準の電流、および、電流強度
(与えられたパルス割合における)を「
S」関数に関係づけるスカラーのパラメータである。これは、各電極刺激の組合
せについて行われることが必要である可能性があることに注意すべきである。(
すなわち、各々についての単極性のもの、各対についての二極性のもの、等)
本発明の範囲内において、パルスのタイミングは種々のやりかたで決定される
ことが可能であることが了解されるべきである。簡単な実施例においては、すべ
ての電極について一定のパルス割合が用いられるべきである。このパルス割合は
もちろん、相対的な屈折の期間、代表的には20ms、より速くなくてはならず、好
適な値は1msである。好適な実施例においては、各電極について、隣接する神経
のポピュレーションの特性周波数の整数倍であるようなパルス割合が用いられる
。
第10図は、本発明の代替の実施例をブロック形式で示す。この場合において、
受理した音響信号はトランスジューサにより処理され次いでn個の出力をもつ濾
波器のバンクへ進入する。例示としては、この数は6である。各チャンネルにつ
いて、神経の構造のその部分の神経応答のモデルは、チャンネル内に含まれる音
響信号のその部分についての正常聴覚神経応答(NHNR)を発生させるために用い
られる。次いでSKが前記の等式を用いて演算されることができる。SKは、前に
論じられたように、ルックアップテーブルにおけるAKに関係することができる
。次いでこのAKは、適切な電極対を振幅AKで刺激するために、RSU への指示の
基礎として用いられることができる。
第11図は、第10図に関係する実施例を示す。両者の相違は、濾波器のバンクか
らの各チャンネルの出力について、基本の音調を導出するためにFFT 技術が用い
られることである。第1図に関連して記述されるものに類似の過程を用いて、こ
の音調はルックアップテー
ブルを通してNHNRへ関係づけられ、SKが演算され、追加のルックアップテーブ
ルから対応するAKが決定される。次いで刺激の指示が決定されたAKにもとづい
てRSU へ送られ、音調に対応する電極の場所へ送られる。この過程は、各チャン
ネルについて行われ、またはSMSP技術により決定される最大の振幅を有するチャ
ンネルの選択されたセットについて行われることが可能である。
第8図および第9図は、本発明の原理を示す。ポピュレーションの応答を1kH
z の音調についてのNHNRからのものに類似になるようにするには、4μsの二位
相のパルスの連続的に反復するセットを適用し、その場合に振幅は4,6.5,7
,0の比率でありその結果の神経応答は10,24,10,0の比率であるようにする
ことが可能である。これは第8図および第9図に示される。
以下に記述する説明用の例により提案される刺激の方策は、蝸牛移植用の音声
プロセッサについての実施が可能であるよう設計され、該音声プロセッサは信号
を二位相のパルスの形式にコード化する。図示される例は、固定幅、二位相、二
極性のパルスを用い、その場合全体のパルス幅は250μsである。
第6図は、期間当り1パルスを用いる、換言すれば標準の刺激の技術を用いる
、出力パルスを示す。そのような固定の割合の刺激の技術は、刺激の周波数以外
の任意の周波数における希望される出力のヒストグラムの密接な近似を構成する
ことはできないことは明らかである。
多重パルスの電気的刺激のモデルは、試行錯誤の様式で電流の水準の1つのセ
ットが見出されるまで反復されるが、このことは本発明により要求されるヒスト
グラムを提供する。その結果は第7図に示される。各期間について実際のヒスト
グラムは第5図に示される希望される近似に密接に類似している。第6図と比較
すると、本発
明がより密接な近似を提供することは、明らかである。
実例
下記において、特定の音響入力に関係して、本発明の技術の実施状況が記述さ
れる。
音素/e(短い「eh」のように発音される)が、パワーのスペクトル密度とと
もに示される。スペクトルが周波数スペクトルにおいて幾つかのピークを有する
ことに注意されたい(約800,500、および 200Hzにおいて)。これらは、刺激の
ために目標とされる主要な周波数として用いられることが可能である。信号は、
独立した音響からのものである。
この実例は、Benjamin D.Brayand,John D.Gowdy“Simulation of Stages I a
nd II of Seneff's Auditory Model(SAM)Using Matlab”,Proceedings of th
e 1993 Matlab User's Group Conference、からのモデルに適用された。
該モデルは、基底膜の40の領域からのニューロンについての平均神経応答を提
供する(高周波数から低周波数への特性周波数にわたり)。もちろん、モデルは
要求される任意の数の帯域について設定されることが可能であり、例えば各刺激
用電極に対応する帯域の応答についてである。幾つかの帯域についての応答が第
14図に示される。この結果を得るために他のモデルおよびソフトウエアを用いる
ことが可能であることが了解されるであろう。
本発明の技術は、電極に近いニューロンの特性周波数に対応する各帯域をコー
ド化するために用いられることが可能である。いまのところ、(例えば)帯域40
が電極に対応すると想定し、その電極用のパルスを発生させるために本発明の技
術がどのように用いられ得るかを検討することにする。他の電極もまた同時にコ
ード化される
ことが可能であることが了解されるであろう。
ここでの神経の応答においては、2つの観点が存在する。おそらくは初期の効
果による、時間の経過につれての確率の大幅な低下、および、微細構造である。
本発明は、両者について使用者に情報を提供する。
ここにおける応答の微細構造は、4msの周期または 250Hzの周波数に対応する
、80msにおける約20の周期を有する。例として、周期あたり8パルスについてコ
ード化を行い、その場合に2000Hzのコード化の周波数、または換言すれば 0.5ms
のビン寸法が必要である。
図表に示される確率は、前記の理論による、1KまたはNHNRである。それゆえ
、与えられた公式を用いて、SKを算出することができ、該SKは必要な応答を与
える。
われわれが制御することを望むニューロンのポピュレーションは3つのほぼ均
等に刺激可能な領域であると近似することができる(中央のものが最も刺激しや
すい)と仮定すると、われわれは、この加算されたポピュレーションから作動の
ポテンシャルの総数(加算されたポピュレーションにおけるニューロンの総数で
除算される)が図面の曲線に従うことを望む。
下記の等式を使用する。
ここに、Sk,iはパルスKの間のi番目の領域についての刺激関数、1k,iはパ
ルスKの間のi番目の領域についての神経応答の平均確率γ(K)は、1から、
最後の作動のポテンシャルが時間K.
Tだけ前に生起した場合について演算された無反応期間の関数を減算したものに
等しい。
次いで、各 0.5msのビンにおける作動開始の確率は第15図に示されるように演
算されることができる。
この演算から、最初の10のビンについて要求される確率は下記のとおりである
。
与えられた電気パルスは、刺激の場所から相異なる距離において相異なる応答
を導出する。αiは或るパルスについての名目のSとi番目の領域について発生
した実際のSの間に比として規定される。3っのサブ・ポビュレーションについ
てのαiを、各ポピュレーション(1,2,3)について0.7,1、および0.7 で
あると仮定することにする。
第16図は無反応性の関数(1−γ)の近似値を与え、γ(ガンマ)は最初の3
つのビン(1ms)については(極めて近似的)に約1であり、その値から減少し
て約25ms(50番目の)ビンの後に約0になる。したがって、任意のビンにおける
応答を演算するとき、最後の50ビンからの応答は適切なものである。
それゆえ、γ(ガンマ)は最初の2つのビンについては約1であり、ビン10ぐ
らいの後には0.5 であり、次いでビン45の後には0.97、等である。3つの小領域
の全部からの必要な刺激当りのポピュレーションの時間ヒストグラムを得るため
には、下記の公式を適用す
る:
したがって、演算を行うためには:
1.時刻0より前においては作動開始の有意な量は存在しないと仮定する。(
先行の証拠物がより早くコード化されたのであれば、プロセッサは、その証拠物
からの1kの値、およびどれくらい以前であったかを記憶しているはずである)
。
2.各パルスまたは「K」にわたりループ動作を行う。
3.前記したようにGk,iを演算する。
4.前記の等式を用い必要なSKを演算する。また、3つの1k,iの値を記憶さ
せるが、これは将来のGk,iの値の演算における使用を呼び起こす。
5.ルックアップテーブル(前記で論じられた)を用いて、必要なパルス強度
を決定する。
6.正確な時間の値のためにパルスを管理し、ステップ2へ進む。
この手順は、従来のソフトウエア技術を用いて容易に実施可能なものである。
読者には明らかであるように、本発明の一般的な範囲内において変形および置
換が可能である。特に、種々の処理用の要素が種々に配置され、それにより例え
ば、幾つかのまたはすべてのルックアップテーブルが装置の移植された部分のな
かに位置するようにされることが可能である。
請求の範囲
1.音響信号に対応する電気信号を受理する処理手段および蝸牛へ電気的刺激
を供給するに適合した刺激手段を具備する聴覚の補強装置であって、該刺激手段
は蝸牛内に作動的に位置する複数の電極を有する電極アレイを包含し、該補強装
置は選択された電極に刺激が与えられることが可能であるよう配置され、該刺激
手段は該処理手段から受理する制御信号に応答するものである、聴覚の補強装置
において、
該処理手段は、予め定められた指示のセットに従い該電気信号を処理し、
該指示のセットは、刺激されるべき電極を含み音響信号に応答して適用される
べき刺激、刺激の振幅、および刺激の時刻を決定し、
該処理手段は、該刺激手段へ制御信号を供給し該刺激手段を一組の刺激を発生
するようにさせ、
該一組の刺激は、少くとも1つの電極について、第1の刺激のパルス、および
該第1のパルスで刺激される複数の神経の線維の相対的な無反応期間内において
少くとも1つの追加のパルスを包含し、
該一組の刺激は、該一組の刺激に応答する患者の神経の構造が、該音響信号に
対する正常の聴力の人間の時間領域の応答に近似する時間領域の応答特性を有す
るように選択されるものである、
ことを特徴とする聴覚の補強装置。
2.該指示のセットは、該電気信号を解析し、電気信号の一部が音響の予め規
定された群のいずれに対応するかを決定する手段、該一組の刺激に対応する制御
信号を含む該群の特徴へ参照されるルックアップテーブルを包含し、それにより
、与えられた電気信号について実現するよう要求される刺激は該電気信号の解析
の順次の段階
により決定されることができ、その場合に一組の刺激に対応する適切な制御信号
は該ルックアップテーブルから得られるようになっている、請求の範囲1記載の
聴覚の補強装置。
3.該電気信号は複数の周波数チャンネル内で解析され、各チャンネルについ
て、神経の構造の一部の時間領域の応答の近似に対応して個別の解析が行われ、
このことは周波数チャンネルに最もよく応答する神経の線維のポピュレーション
に対応して行われる、請求の範囲1または2記載の聴覚の補強装置。
4.受理された音響信号は神経応答のモデルを用いて処理されそれにより該音
響信号の試料に対する正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似が決定され、該
近似は希望される刺激の振幅を導出するのに用いられる、請求の範囲1記載の聴
覚の補強装置。
5.該振幅は、正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似に対応して患者につ
いての希望される刺激の関数を演算することにより決定され、それにより希望さ
れる刺激の振幅が導出される、請求の範囲4記載の聴覚の補強装置。
6.該希望される刺激の関数は、ルックアップテーブルを用いる希望される刺
激の振幅に関係する、請求の範囲4記載の聴覚の補強装置。
7.刺激される各電極について、刺激のセットは、協働する神経の相対的無反
応期間よりもより急速な速度で実現される多重のパルスを具備する請求の範囲1
記載の聴覚の補強装置。
8.各電極について、刺激のセットは、隣接するニューロンが刺激当たりのポ
ピュレーションの時間ヒストグラムをあらわすように選択され、該時間ピストグ
ラムは、正常な聴力の人間において対応する音響刺激により発生する刺激当たり
のポピュレーションの時間ヒストグラムの近似である、請求の範囲7記載の聴覚
の補強装置。
9.該指示のセットは、刺激用の各電極について、セットから選択された1つ
またはそれ以上の指示に従って刺激のセットを決定し、この刺激のセットは神経
の応答のモデル、予め定められた患者の応答のデータ、および該刺激手段からの
遠隔通信を具備する、請求の範囲8記載の聴覚の補強装置。
10.該刺激のセットの少くとも幾つかはニューロンの種々のポピュレーション
の帯域を励起するように選択される、請求の範囲7〜9のいずれかに記載の聴覚
の補強装置。
11.該ポピュレーションの帯域の寸法は、実験的に導出された患者のデータに
従い、患者による音響の知覚の自然性を最大にするよう、選択される、請求の範
囲10記載の聴覚の補強装置。
12.該帯域の寸法は、患者ごとに慣例化されている、請求の範囲11記載の聴覚
の補強装置。
13.聴覚の補強装置について選択された電極に適用されるべき刺激のセットを
決定する方法であって、該補強装置は、音響信号に対応する電気信号を受理する
処理手段および人間の蝸牛に電気的刺激を供給するに適合する刺激手段を具備し
、該刺激手段は蝸牛内に作動的に位置づけられる複数の電極を有する電極アレイ
を包含し、該補強装置は選択された電極に刺激が供給されることを可能にするよ
う配置され、該刺激手段は該処理手段から受理する制御手段に応答するものであ
り、該方法は予め定められた指示のセットに従って該電気信号を処理する過程を
具備し、該指示のセットは、
電気信号を解析し刺激されるべき電極を決定すること、
刺激されるべき各電極について、該刺激のセットに応答し各電極に応答する患
者の神経の構造が正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似である時間領域の応
答を有するように、刺激のセットを決定し、その場合に該刺激のセットは複数の
刺激を包含し各刺激は少く
とも刺激の振幅および刺激のタイミングを包含するようにすること、および、
該刺激手段へ制御信号を供給し該刺激手段が該刺激のセットを発生するように
させること、
を具備することを特徴とする刺激のセットを決定する方法。
14.該解析の段階は、電気信号の一部が音響の特徴の予め規定される群のいず
れに対応するかを決定する過程をさらに具備し、該群の特徴へ参照を行うルック
アップテーブルは対応する刺激のセットを包含し、それにより与えられた電気信
号について現出することが要求される刺激は該電気信号の解析の順次の段階によ
り決定されることができ、該刺激のセットに対応する適切な制御信号が該ルック
アップテーブルから得られるようになっている、請求の範囲13記載の方法。
15.該電気信号は複数の周波数チャンネル内で解析され、各チャンネルについ
て、神経の構造の一部の時間領域の応答の近似に対応して個別の解析が実行され
、該神経の構造は周波数チャンネルに最もよく応答する神経の線維のポピュレー
ションに対応するものである、請求の範囲13または14記載の方法。
16.該決定の段階は、神経の応答のモデルを用いて実行され、該音響信号の試
料に対する正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似を決定し、該近似は希望さ
れる刺激の振幅を導出するために用いられる、請求の範囲15記載の方法。
17.該振幅は、正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似に対応して患者につ
いての希望される刺激の関数を演算することにより決定され、それにより希望さ
れる刺激の振幅が導出される、請求の範囲16記載の方法。
18.該希望される刺激の関数は、ルックアップテーブルを用いる
該希望される刺激の振幅に関係する、請求の範囲16記載の方法。
19.各刺激される電極について、刺激のセットは、協働するニューロンの相対
的無反応期間よりもより迅速な速さで現出される多重のパルスを具備する、請求
の範囲13記載の方法。
20.刺激のセットは、各電極について、隣接するニューロンが刺激当たりのポ
ピュレーションの時間ヒストグラムをあらわすように選択され、この時間ヒスト
グラムは、正常の聴力の人間における対応する音響刺激により発生させられる刺
激当たりのポピュレーションの時間ヒストグラムの近似である、請求の範囲19記
載の方法。
21.該指示のセットは、各刺激の電極について、神経の応答のモデル、予め定
められた患者の応答のデータ、および該刺激手段からの遠隔通信からなるセット
から選択された1つまたはそれ以上の技術に従い、刺激のセットを決定する、請
求の範囲20記載の方法。
22.刺激のセットの少くとも幾つかはニューロンの種々のポピュレーションの
帯域を励起するように選択される、請求の範囲19〜21のいずれかに記載の方法。
23.ポピュレーションの帯域の寸法は、患者による音響の知覚を最大にするた
め、実験的に導出された患者のデータに従い選択される、請求の範囲22記載の方
法。
24.帯域の寸法は、患者ごとに慣例化されている、請求の範囲23記載の方法。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年11月20日
【補正内容】
【図11】
【図12】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.音響信号に対応する電気信号を受理する処理手段および蝸牛へ電気的刺激 を供給するに適合した刺激手段を具備する聴覚の補強装置であって、該刺激手段 は蝸牛内に作動的に位置する複数の電極を有する電極アレイを包含し、該装置は 選択された電極に刺激が与えられることが可能であるよう配置され、該刺激手段 は該処理手段から受理する制御信号に応答するものである、聴覚の補強装置にお いて、 該処理手段は、予め定められた指示のセットに従い該電気信号を処理し、 該指示のセットは、刺激されるべき電極を含み音響信号に応答して適用される べき刺激、刺激の振幅、および刺激の時刻を決定し、 該処理手段は、該刺激手段へ制御信号を供給し該刺激手段を一組の刺激を発生 するようにさせ、 該一組の刺激は、少くとも1つの電極について、第1の刺激のパルス、および 該第1のパルスで刺激される複数の神経の線維の相対的な無反応期間内において 少くとも1つの追加のパルスを包含し、 該一組の刺激は、該一組の刺激に応答する患者の神経の構造が、該音響信号に 対する正常の聴力の人間の時間領域の応答に近似する時間領域の応答特性を有す るように選択されるものである、 ことを特徴とする聴覚の補強装置。 2.該指示のセットは、該電気信号を解析し、電気信号の一部が音響の予め規 定された群のいずれに対応するかを決定する手段、該一組の刺激に対応する制御 信号を含む該群の特徴へ参照されるルックアップテーブルを包含し、それにより 、与えられた電気信号について実現するよう要求される刺激は該電気信号の解析 の順次の段階 により決定されることができ、その場合に一組の刺激に対応する適切な制御信号 は該ルックアップテーブルから得られるようになっている、請求の範囲1記載の 聴覚の補強装置。 3.該信号は複数の周波数チャンネル内で解析され、各チャンネルについて、 神経の構造の一部の時間領域の応答の近似に対応して個別の解析が行われ、この ことは周波数チャンネルに最もよく応答する神経の線維のポピュレーションに対 応して行われる、請求の範囲1または2記載の聴覚の補強装置。 4.受理された音響信号は神経応答のモデルを用いて処理されそれにより該音 響信号の試料に対する正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似が決定され、該 近似は希望される刺激の振幅を導出するのに用いられる、請求の範囲1記載の聴 覚の補強装置。 5.該振幅は、正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似に対応して患者につ いての希望される刺激の関数を演算することにより決定され、それにより希望さ れる刺激の振幅が導出される、請求の範囲4記載の聴覚の補強装置。 6.該希望される刺激の関数は、ルックアップテーブルを用いる希望される刺 激の振幅に関係する、請求の範囲4記載の聴覚の補強装置。 7.刺激される各電極について、刺激のセットは、協働する神経の相対的無反 応期間よりもより急速な速度で実現される多重のパルスを具備する請求の範囲1 記載の聴覚の補強装置。 8.各電極について、刺激のセットは、隣接するニューロンが刺激当たりのポ ピュレーションの時間ヒストグラムをあらわすように選択され、該時間ヒストグ ラムは、正常な聴力の人間において対応する音響刺激により発生する刺激当たり の時間ヒストグラムの近似である、請求の範囲7記載の聴覚の補強装置。 9.該指示のセットは、刺激用の各電極について、セットから選択された1つ またはそれ以上の指示に従って刺激のセットを決定し、この刺激のセットは神経 の応答のモデル、予め定められた患者の応答のデータ、および該刺激手段からの 遠隔通信を具備する、請求の範囲8記載の聴覚の補強装置。 10.該刺激のセットの少くとも幾つかはニューロンの種々のポピュレーション の帯域を励起するように選択される、請求の範囲7〜9のいずれかに記載の聴覚 の補強装置。 11.該ポピュレーションの帯域の寸法は、実験的に導出された患者のデータに 従い、患者による音響の知覚の自然性を最大にするよう、選択される、請求の範 囲10記載の聴覚の補強装置。 12.該帯域の寸法は、患者ごとに慣例化されている、請求の範囲11記載の聴覚 の補強装置。 13.聴覚の補強装置について選択された電極に適用されるべき刺激のセットを 決定する方法であって、該補強装置は、音響信号に対応する電気信号を受理する 処理手段および人間の蝸牛に電気的刺激を供給するに適合する刺激手段を具備し 、該刺激手段は蝸牛内に作動的に位置づけられる複数の電極を有する電極アレイ を包含し、該装置は選択された電極に刺激が供給されることを可能にするよう配 置され、該刺激手段は該処理手段から受理する制御手段に応答するものであり、 該方法は予め定められた指示のセットに従って該電気信号を処理する過程を具備 し、該指示のセットは、 電気信号を解析し刺激されるべき電極を決定すること、 刺激されるべき各電極について、該刺激のセットに応答し各電極に応答する患 者の神経の構造が正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似である時間領域の応 答を有するように、刺激のセットを決定し、その場合に該刺激のセットは少くと も刺激の振幅および刺激の タイミングを包含するようにすること、および、 該刺激手段へ制御信号を供給し該刺激手段が該刺激のセットを発生するように させること、 を具備することを特徴とする刺激のセットを決定する方法。 14.該解析の段階は、電気信号の一部が音響の特徴の予め規定される群のいず れに対応するかを決定する過程をさらに具備し、該群の特徴へ参照を行うルック アップテーブルは対応する刺激のセットを包含し、それにより与えられた電気信 号について現出することが要求される刺激は該電気信号の解析の順次の段階によ り決定されることができ、該刺激のセットに対応する適切な制御信号が該ルック アップテーブルから得られるようになっている、請求の範囲13記載の方法。 15.該信号は複数の周波数チャンネル内で解析され、各チャンネルについて、 神経の構造の一部の時間領域の応答の近似に対応して個別の解析が実行され、該 神経の構造は周波数チャンネルに最もよく応答する神経の線維のポピュレーショ ンに対応するものである、請求の範囲13または14記載の方法。 16.該決定の段階は、神経の応答のモデルを用いて実行され、該音響信号の試 料に対する正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似を決定し、該近似は希望さ れる刺激の振幅を導出するために用いられる、請求の範囲15記載の方法。 17.該振幅は、正常の聴力の人間の時間領域の応答の近似に対応して患者につ いての希望される刺激の関数を演算することにより決定され、それにより希望さ れる刺激の振幅が導出される、請求の範囲16記載の方法。 18.該希望される刺激の関数は、ルックアップテーブルを用いる該希望される 刺激の振幅に関係する、請求の範囲16記載の方法。 19.各刺激される電極について、刺激のセットは、協働するニューロンの相対 的無反応期間よりもより迅速な速さで現出される多重のパルスを具備する、請求 の範囲13記載の方法。 20.刺激のセットは、各電極について、隣接するニューロンが刺激当たりの時 間ヒストグラムをあらわすように選択され、この時間ヒストグラムは、正常の聴 力の人間における対応する音響刺激により発生させられる刺激当たりのポピュレ ーションの時間ヒストグラムの近似である、請求の範囲19記載の方法。 21.該指示のセットは、各刺激の電極について、神経の応答のモデル、予め定 められた患者の応答のデータ、および該刺激手段からの遠隔通信からなるセット から選択された1つまたはそれ以上の技術に従い、刺激のセットを決定する、請 求の範囲20記載の方法。 22.刺激のセットの少くとも幾つかはニューロンの種々のポピュレーションの 帯域を励起するように選択される、請求の範囲19〜21のいずれかに記載の方法。 23.ポピュレーションの帯域の寸法は、患者による音響の知覚を最大にするた め、実験的に導出された患者のデータに従い選択される、請求の範囲22記載の方 法。 24.帯域の寸法は、患者ごとに慣例化されている、請求の範囲23記載の方法。
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