JPH10508483A - オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーの製法、そのためのベクターおよびそれらの使用 - Google Patents
オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーの製法、そのためのベクターおよびそれらの使用Info
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Abstract
(57)【要約】
標的DNA配列に関連するDNA断片を、非対称に切断する制限酵素の認識モチーフを含むヌクレオチド配列に結合するか連結させ、次いで該構築物を制限酵素に暴露して、それによりその標的関連DNA断片部分内で構築物を切断する工程からなることを特徴とする、標的DNA配列にハイブリダイズ可能な核酸配列を、このDNA配列についての知識を必要とせずに調製する方法。ベクターはそれゆえ標的関連DNA断片挿入のための部位および、該挿入部位の一方側または両側の非対称に切断する制限酵素または酵素類のための認識配列からなる。
Description
【発明の詳細な説明】
オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーの製法、そのためのベクターお
よびそれらの使用
発明の分野
本発明は核酸プローブおよびプライマーの製法ならびにそのためのベクターに
関する。
発明の背景
ポリメラーゼ鎖反応、すなわちPCRは、種々のDNA試料から所望の遺伝子
配列を単離する高度に効率的な方法を提供する。一の一般的な必要条件は、特異
的増幅プライマーを合成するためには、配列情報が増幅されるべき断片の両端か
ら得られることである。DNA配列を決定し、次いでプライマーを化学的に合成
する費用またなお多くの適用の範囲を制限する。従って、多くの研究において、
DNA配列決定およびオリゴヌクレオチド合成の工程が、ゲノム断片がPCRに
よって増幅される前に全く回避できれば最も役に立つと思われる。これは、例え
ば、ヒトまたは他のゲノム中で多形性マーカーを同定するためら、集団内で個人
の特異的DNAセグメントの多形性の程度を分析するために設計された大きなプ
ログラムには当てはまる。このような遺伝子マーカーは、遺伝病をマッピングす
るため、また様々な生物の遺伝的連鎖地図を確立または拡大するために必要であ
る。
上記の問題を部分的に克服する1のアプローチは、ストリンジェントでない(n
onsringent)条件下で限定された一組のプライマー、いわゆるRAPDマーカー
にて、比較的非特異的増幅を使用することである。これらのマーカーは、DNA
配列決定および特異的プライマーの化学的オリゴヌクレオチド合成を必要とせず
にPCRによって分析可能な比較的ランダムな多形性マーカーを確立する手段と
して役に立つ。
発明の要約
本発明は先行技術の方法の欠点を克服し、公知の構造であるが部分的に未知の
配列の特異的増幅プライマー、ライゲーションプローブまたは他のプローブの酵
素的合成を、特異的DNA配列情報をクローンするアクセスなくして可能とする
異なる戦略を提供する。
一の態様において、本発明は、標的DNA配列の知識を必要とせずにこのDN
A配列にハイブリダイズできる、公知の構造であるが部分的に未知の配列の核酸
配列の調製のためのベクターを提供し、該ベクターは、標的DNA配列に関連す
るDNA断片の挿入部位、および該挿入部位の一方または両方の部位において非
対称に切断する制限酵素(類)の認識配列を含む。
もう一つの態様において、本発明は、標的DNA配列の知識を必要とせずにこ
のDNA配列にハイブリダイズできる、公知の構造であるが部分的に未知の配列
の核酸配列の調製方法を提供し、該方法は、標的配列に関連するDNA断片を、
非対称に切断する制限酵素の認識モチーフを含む核酸配列に結合または連結させ
、該構築物を制限酵素で処理して、該構築物をそのDNA断片部分内で切断する
ことよりなる。
さらにもう一つの態様において、本発明は、断片のDNA配列の知識を必要と
せずに、本発明の上記態様により調製された酵素−合成プライマーを用いること
によって、DNA断片を増幅する方法を提供する。
さらにもう一つの態様において、本発明は、標的依存性ライゲーション反応の
ためのプローブを構築する方法を提供する。
本発明の他の態様および利点は、以下の詳細な記述の考慮により明らかであり
、これは、本発明の実行の例示となる実施例を含む。
本発明を、添付の図面を参照することにより以下にさらに詳細に記載する。
図面の簡単な説明
図1Aおよび1Bは4のパートA−Dの形態での、増幅プライマーを酵素的に
誘導する戦略の模式図である。パートAは特殊化されたクローニングベクターの
構築を示し、パートBはAluI断片のベクターへのクローニングを示し、パー
トCは増幅プライマーの酵素的合成を示し、パートDは、クローンの増幅したイ
ンサート由来のプライマーを用いた、ベクター中にクローンされたものに対応す
る配列の増幅を示す。制限酵素GsuIおよびAluIの認識配列は図中強調さ
れている。
図2は、GsuI部位を含む固定化されたベクター、環状化可能なプローブを
調製するためのその切断および、一本鎖環状標的分子の捕捉および続いての放出
のための後者の使用の模式図である。
図3は、固相化学合成また酵素的合成由来のプライマー組を用いたPCRによ
って得られた増幅生成物を比較するオートクラジオグラフの写真である。公知の
DNA配列のAluI断片については、標準的固相化学により合成された特異的
な16量体プライマーを、3’−末端が同−16−塩基の配列の同様に構築され
た38量体、およびこの大きさの化学的に合成されたオリゴヌクレオチドと同じ
38量体配列を有することが期待される酵素的に合成されたプライマー対と比較
した。
発明の詳細な説明
制限エンドヌクレアーゼ、または制限酵素は、特異的DNA配列(通常配列中
の4ないし8個のヌクレオチド)を認識し、該DNAを切断し、それによって二
本鎖の切断を作り出すことのできる酵素である。制限酵素は、それらのサブユニ
ット構造、コファクター要求、基質特異性およびいくつかの他の特徴により4の
クラス、タイプI、II、IIIおよびIVに分けられる。タイプIの酵素はほとんど
ランダムに認識部位から非常に離れたところで基質DNAを切断する。タイプII
の酵素は、EcoRIによって例示されるが、認識部位の中または2、3ヌクレ
オチド離れた部位で切断する。タイプIIIおよびタイプIVの酵素は認識部位から
いくぶん顕著にはなれた距離にある標的DNA配列を切断し、それらはまたDN
Aを完全には決して切断しないという特性を共通して有する。タイプIVの酵素は
、タイプIIの制限酵素と類似しているが、ATPに依存しないという点でタイプ
IIIの酵素と異なる。タイプIIIおよびタイプIV制限酵素は非対称に切断する酵素
として共通に呼ばれる。タイプIV制限酵素の例示はGsuI(ジャヌライティス
(Janulaitis)ら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucl.Acid Res.)1989;17
(14):1989)(認識配列が5’CTGGAG3’でありこのモチーフから16塩
基下流を切断);Eco57I(認識配列が5’CTGGTG3’であり、この
モチーフから16塩基下流を切断);MmeI(ボイド(Boyd)ら、ヌクレイック
・アシッズ・リサーチ(Nucl.Acid Res.)1986;17(14):5255-5274)(6塩基認識
モチーフであって、この配列から22塩基下流の標的DNAを切断する)。制限
酵素BpmI(ニュー・イングランド・バイオラブズ,ユーエスエイ(New Englan
d Biolabs,U.S.A.))は同じ認識配列を有し、上記のGsuIと同じ方法で切断
する。認識配列からさらに離れた標的DNAを切断するタイプIIIおよびIV酵素
も存在する。このような酵素の例はEco15およびHinP151を含み、認
識配列から25または26塩基下流を切断する。
本発明により、非対称に切断する、すなわち、認識配列から一定距離でDNA
基質を切断するタイプIIIまたはIV制限酵素の特質は、このDNA配列を知る必
要なしに、標的DNA配列にハイブリダイズすることが可能な一定のサイズのプ
ローブまたはプライマーを調製するために用いることができる。
本発明の1の具体例において、増幅プライマーが調製され、所望により、ゲノ
ムDNA試料から出発する大量のコピー数の増幅のための標準的ベクター配列由
来のオリゴヌクレオチドと組み合わせて用いることができる。
したがって、決められたサイズの増幅プライマーは、クローニング部位の両側
に非対称に切断する制限酵素の認識配列を位置させることにより、増幅生成物の
クローン化された断片の内部での消化を通して酵素的に生産できる。消化はクロ
ーン化された断片のDNA配列に依存せず、クローン化されたDNA断片の各部
分が連結された元の増幅プライマーからなる切断生成物は、他のDNA試料から
クローン化DNA断片に対応する配列を増幅するために使用できる。このような
増幅プライマーを生産する方法は、ここにより詳細に記載されるであろう。
図1A、パートAを参照し、プラスミドベクターを所望の部位で切断し、非対
称切断制限酵素の認識部位(図中では例示のためGsuIのための認識モチーフ
である)を含むオリゴヌクレオチドデュプレックスまたはリンカーを、各ベクタ
ー断片末端に結合する。両リンカーは、それら自身が連結するのを防ぐため5’
−りん酸基を欠く。制限断片末端へのリンカーの結合は制限部位を再び作らない
ので、時間がたつにつれ、より多くの制限末端がリンカー二量体で修飾される。
生産されたベクターを、次いで、例えばゲル精製により、残存する環状ベクター
分子から単離し、DNA断片の分子クローニングに用いる。これは図1A、パー
トBに模式図に示し、これは、平滑末端AluI切断DNA断片をベクターに結
合することによる組み換え分子の構築を示す。
増幅プライマーを生産するため、リンカーオリゴヌクレオチド類の1に対応し
、例えば、5’末端でビオチン保護したλエキソヌクレアーゼ消化に対して保護
された5’−末端を持つ1個のプライマーを用い、個々のクローンを増幅する。
得られた増幅精製物は、上記記載のごとくベクターに結合したオリゴヌクレオチ
ド二量体を表すベクター由来の配列によって囲まれたクローン化AluI断片中
に存在する。図1AのパートCを参照し、6−塩基モチーフ、5’CTGGAG
3’は、ベクター中にクローン化されたインサートにただちに隣接し、制限酵素
GsuIの認識配列を表す。上記に述べたように、この酵素はDNA分子をこの
モチーフから16塩基下流で、ベクター中にクローン化された断片内部で切断す
る。この酵素での増幅精製物の消化後、得られた断片はゲル電気泳動で分離する
。それにより増幅生成物の両末端由来の断片は定量化され、残存する未消化また
は部分的に消化された分子から単離される。最終的に、5’りん酸基を有するい
ずれのDNA鎖も酵素λエキソヌクレアーゼでの消化により除去され、一方、5
’ビオチンを含む伸長生成物は、広い範囲のヌクレアーゼ濃度にわたりエキソヌ
クレアーゼに感受性でない。このようにして、リンカーライゲーションによりク
ローニングベクターに添加されたリンカー配列由来の5’末端部位およびベクタ
ーにクローン化されたインサートの末端由来の3’基からなる一本鎖増幅プライ
マーの対が得られる。例示された場合(図1A,パートC)において、酵素Gs
uIのための認識配列における最後の2個の位置を表す2つのヌクレオチド、A
Gが、プライマー中のこれらの16塩基のすぐ上流に位置する。これらの位置は
クローン化された断片が由来するゲノムDNA中に存在することがまた公知であ
る、なぜならこれらの断片は平滑末端を生じる制限酵素AluI(図1A,パー
トC)での消化に由来するからである。従って、酵素で合成されたプライマーの
それぞ
れ1つは、クローン化断片のそれぞれの側のゲノム配列に相補的な多数の(ここ
では18)塩基(3’末端塩基と2の5’末端塩基)、およびベクターに由来す
る多数の塩基を有する。
上記の酵素的に合成されたプライマーは、図1B、パートDに概略的に例示さ
れるように、染色体DNAのAluI消化により得られた断片のPCR増幅のた
めに用いることができる。第一に、該プライマーは、例えば5の増幅サイクルの
数で用いられ、必要な場合には、酵素合成プライマーの比較的低い濃度を補う長
いアニーリング時間を用いる。これらの第一のサイクルにおいて、望むDNA断
片は、どちらかの末端をベクター配列に隣接して得られる。そこでもはや酵素的
に合成されたプライマーを使用することは必要でないが、さらに断片が増幅して
大量になることは、「標準的な」ベクター由来のプライマー、すなわちリンカー
プライマーの1つまたはその変種によって便利に行うことができる。
上記方法の変法において、丁度互いに隣接するが、反対の向きに非対称に切断
する酵素のための2の認識部位を含み、平滑に切断する制限酵素が丁度2つの部
位のまさに間で切断するように、該酵素のための部位を一緒に含むクローニング
ベクターを調製した。これにより非対称に切断する酵素の2の認識部位を含むク
ローニングベクターが、部位の間の平滑切断に先立ち増幅されることと、自由な
ベクター末端の自己ライゲーションを防ぐためのホスファターゼ処理、非対称切
断酵素によってひき続いて切断される標的DNA配列の挿入およびライゲーショ
ンを可能とする。1の例として、2個の並んでいるが反対向きのGsuI(また
はBpmI)部位が挙げられ、これらは制限酵素Ecl136II(ニュー・イン
グランド・バイオラブズ,ユーエスエイ(New England Biolabs,U.S.A.))によっ
て、それらの間で平滑に切断され得る。
上記から明らかなように、本発明方法の工程は単純であり、平行して非常に多
数の断片について容易に行え、大きな組の遺伝子マーカーの開発を可能とする。
望むならば、成功したマーカーを配列決定し、通常の化学的合成のPCRに基づ
くプライマーに変換できるが、酵素合成プライマーを用いて続けることもまた可
能である。
上記記載のごとく構築された酵素的合成増幅プライマーは、非常に特異的で感
受性のある検出試薬を提供することができる。従って、本発明のもう1つの具体
例において、PCRによる複雑な混合物中での個々の生物を検出するのに適当な
増幅プライマーが、DNA調製物を制限消化し、該断片を上記記載の特別のベク
ターにクローニングし、次いで個々のクローンを単離して所望の数の増幅プライ
マーの対を得ることによって得られる。これらの増幅プライマーは、かくして、
単離された生物からのDNA試料の評価またはこれらからのDNA配列情報の必
要無しに開発し、試験できる。
同一標準プライマーで増幅可能なもう1つの断片の混入の危険を避けるため、
標準プライマーの3’−位にリボースを含め、増幅生成物をアルカリ分解可能と
するような用心がなされるべきである。
同一DNA断片を異なるリンカー、または「標準プライマー」にて2つの異な
るベクターにクローン化することにより、いわゆるネステッド(nested)PCRを
行うことができることが容易に分かる。これは、クローン化断片の内部に対して
様々な距離で切断する酵素用の異なるフランキング領域を用いることにより可能
となる。ネステッドPCRにおいて、多数のサイクルを第一の組のプライマーで
行い、その際、多数のサイクルを、第一の組のプライマーと内部でハイブリダイ
ズする第二の組のプライマーで行う。これはPCRプロセスの効率と選択性を増
加させる。
容易に理解されるように、合成プライマーの調製において、いずれかの残存す
る部分的に消化されたまたは未消化の増幅生成物から、非対称に切断する酵素で
の切断後に得られた、所望の末端の断片を単離することが必要である。なぜなら
ば不完全な消化生成物は、酵素的に誘導されたプライマーを用いた場合、引き続
いての増幅において誤った陽性を生起しかねないからである。上記調製法におい
て、ゲル電気泳動を、所望の断片を単離するために用いる。しかしながら、分取
用ゲル電気泳動は比較的厄介で、末端断片および不完全な消化生成物を適切には
分析できない。所望の末端断片から離れた中央ピースを含む断片を除去する代替
方法を、以下に記載する。
中央セグメントが未知の配列構成であるという事実にもかかわらず、末端断片
は、以下のような2の別々の反応においてクローン化断片を増幅することによっ
て効率的に単離される:
クローン化インサートの2の増幅のそれぞれにおいて、一方または他方の増幅
プライマーをビオチン化し、これによって増幅分子が、例えばWO94/115
29に記載されたようなタイプのストレプトアビジン被覆コーム、または常磁性
粒子のごとき固体支持体上で単離されることが可能となる。DNA連結を含めた
固定化の他の方法を用いることもできる。適当に洗浄した後、一方または他方の
末端断片が、支持体から遠い末端に位置する非対称制限酵素部位を選択的に消化
することによって、残りの増幅分子から放出される。この選択的消化は、クロー
ン化インサートのそれぞれの側における2つの異なる非対称制限酵素部位、例え
ばタイプIV酵素の認識配列を持つベクターを用い、2の別々の反応において固定
化され増幅された分子を切断することによってなすことができる。タイプIV制限
酵素のこのような対の例はGsuIおよびEco57Iである。
別法として、インサートの両側に単一の制限部位を有するベクターは、もしそ
れがタイプIV制限酵素の6塩基の認識配列の最初の2塩基に対応するプライマー
の3’末端からの、例えば5−位または6−位においてベクターに対してミスマ
ッチであるようにビオチン化増幅プライマーが設計されると使用できる。クロー
ン化断片を増幅するプライマーの能力を保存したままで部位の一方または他の認
識配列を破壊する他の配列変更ももちろん可能である。この戦略において、2の
増幅生成物を、支持体上の固定化および制限切断前にプールすることができる。
切断後、一本鎖プローブを得るために、放出された断片をλ−エキソヌクレアー
ゼで処理し、次いで酵素的増幅プライマーとして直接使用することができる。
本発明の酵素的プライマー合成アプローチは、環状化可能なプローブを生産す
るためにも用いることができる。環状化可能なプローブ(いわゆる"padlock"プ
ローブ)の調製および使用は、ランデグレン(Landegren)らの、サイエンス(Scie
nce)265,2085-2088(1994)に記載されている。そのようなプローブは、リンカー
配列に連結した2の標的相補的セグメントからなる。特異的な核酸分子の認識に
際し、プローブの末端はリガーゼの作用により連結され、標的配列に連結した環
状DNAを作り出す。これらのプローブは最小のバックグラウンドで高度に特異
的な検出を提供する。
本発明のもう一つの具体例により、そのような環状化可能なプローブは、DN
A配列を特別に設計されたベクターにクローニングすることによって調製でき、
ベクターは次いでクローン化断片からのDNA配列情報の使用または特異的なオ
リゴヌクレオチドの使用なしに環状化可能なプローブとして使用できる。大量な
組のこのようなクローンを、例えば、cDNA集団間の減法比較に対し平行して
処理することができる。例えば、ライブラリーとライブラリーの比較は、所与の
組織で発現される全ての遺伝子のライブラリーと、一方、環状一本鎖プラスミド
ライブラリー中にサブクローンされた、酵母人工染色体からのゲノムの特定の領
域に位置する全ての配列のライブラリーとの間で行うことができる。これは、例
えば、ある病気の遺伝子が、連鎖分析によって1の領域に位置決定されており、
特定の組織で発現することが公知である場合に有用である。
必要なベクターは、一方ではGsuIのごとき非対称に切断する酵素のための
認識モチーフを、他方では、NotIのごとき近接する稀な制限部位を生じるよ
うに、オリゴヌクレオチドを、制限消化プラスミドに結合することによって調製
できる。該ベクターを構築する1の方法は、2のオリゴヌクレオチド二量体を、
2の制限酵素での消化によって生じた2つの異なる末端に挿入することによる。
組換えプラスミドは、次いで、例えば、AluI消化により生じた平滑末端D
NA断片をベクターに連結することによって作り出すことができる。得られた構
築物は細菌に形質転換し、一本鎖組換え分子が生じる。
これらの環状一本鎖分子は、次いで、図2に概略的に例示されるように、固相
、例えば膜上のパッチ中に固定化される。プライマーをベクター分子にハイブリ
ダイズさせ、DNAポリメラーゼを用いて伸長し、非対称に切断する酵素の認識
配列を二本鎖とし、インサートの切断を可能とする。分子の該酵素での消化後、
伸長した分子の断片を変性洗浄により除去する。
得られた固定化された環状化可能なプローブは、図2にも例示されるように、
標的分子を捕捉するために用いることができる。この目的のために、上記のごと
く調製された組換えクローンの集団を、一本鎖環状分子に変換する。指向的にク
ローン化されたcDNA集団の比較のために、このライブラリーは、もちろん、
上記構築物と反対の極性であるべきである。さらに、ベクターは、同じ、まれに
しか切断しないカッター酵素部位を有してはならないし、少なくとも、認識配列
を取り囲む配列と同じ極性であってはならない。これらの分子をいまや固定化プ
ローブに暴露し、ライゲーションに続くストリンジェントな洗浄によって捕捉さ
れる。
オリゴヌクレオチドを、次いで、捕獲物であるベクターの、まれにしか切断し
ないカッター部位の領域にアニールし、これらは、稀なカッター酵素での消化に
より直線化される。捕捉されたクローンは、変性洗浄によって放出され、修復さ
れ、分子クローニングのために細菌に形質転換する。
上記記載のアプローチは、分子内反応(ライゲーション)に基づくので、多数
のクローンを処理することができ、次いで同じ反応において捕獲のプローブとし
て適用できる。対照的に、例えば、PCRは、プライマー間の非特異的クロスト
ークの問題による同じ反応において行われる少量の反応を可能にするにすぎない
。
以下において、本発明は非限定実施例によって例示されるであろう。
実施例
化学的オリゴヌクレオチド合成
以下のオリゴデオキシヌクレオチドは、アプライド・バイオシステムズ(Appli
ed Biosystems)394DNA/RNAシンセサイザー(アプライド・バイオシス
テムズ・インコーポレイテッド,ユーエスエイ(Applied Biosystems Inc.,USA)
上で合成された。
-Bomnil: 5’ビオチン残基の付加により合成された上記のOmnil
(Omni1およびOmni2の配列において、制限酵素GsuIの認識配列に
下線が引かれている。)
クローニンクベクタープライマーの構築
プラスミドpBLUESCRIPT M13をEcoRIで消化し、同じ反応
において、オリゴヌクレオチド二量体Omni1およびOmni2を制限断片末
端に結合した(図1A,パートA)。20UのEcoRIを、10mM トリス
−HCl、pH7.5,10mM MgCl2、50mM 酢酸カリウム、および
5mM ATPを含有する終容量10μl中の5μgのプラスミドに添加した。
3時間37℃の後、2.5UのT4 DNAリガーゼを、オリゴヌクレオチドO
mni1およびOmni2と共にそれぞれ25μMにて添加した。反応を14℃
で一晩放置した。添加したリンカーと直線化したベクター分子は、1.5% N
uSieve GTG アガロースゲル(ナルゲン(Nalgene))中で精製し、クロ
ーニングベクターとして用いた。
Alu−消化断片のクローニングと、陽性クローンのスクリーニング
X染色体上に位置するヒト・アメリオゲニン(ameliogenin)遺伝子からのAlu-I
消化断片は、上記ベクターに結合され、E.coliの株DH5に導入された(図1
A、ートB)。個々の細菌クローンを、爪楊枝で、寒天プレートからエッペンド
ルフチューブ中の100μlの水へ移し、試料を5分間沸騰させ、次いで氷上で
冷却した。細胞のデブリを短い遠心において沈澱させ、1μLの上清を、1のプ
ライマーBOmni1の1μMでの30μLのPCR中の鋳型源として用いた。
10μL量のPCR試料は、インサートが増幅プライマーへの合成のために用い
られる前に、増幅生成物を定量し、サイズを決定するために、1.5%アガロー
スゲル中で分離された。
特異的増幅プライマーの酵素的合成
増幅プライマーを調製するために(図1A,パートC)、BOmni1で増幅
した2μgのインサートを、2% NuSieve GTG アガロース(ナル
ゲン(Nalgen))中で精製し、8ユニットのGsuI(ファーメンタス,ビルニウス
、リトアニア(Fermentas,Vilnius,Lithuania))で、、15μlの100mM
NaCl、50MM Tris−HCl,pH7.9、10mM MgCl2、1
mM ジチオスレイトール、およびBSAが0.1μg/μlで、3時間37℃
にて消化した。
消化生成物を2%アガロースゲル中の電気泳動によって分離した。増幅生成物
から酵素的消化によって放出された末端断片は、該物質が未消化物質に混入しな
いよう気を付けてゲルから単離した。
単離された断片を、5’−リン酸基でDNA鎖を破壊するが、鎖を5’−位で
ビオチン残基で置換することによって、λエキソヌクレアーゼ(ライフ・テクノ
ロジーズ(Life Technologies))で処理した。反応は、約200ngの末端断片、
50ng/μl BSA、2ユニットのλエキソヌクレアーゼ、67 mM グ
リシン−KOH、pH9.4、2.5MM MgCl2を含む終容量10mlで1
時間37℃にて行った。DNAは5分間94℃にて反応前にあらかじめ加熱した
。残存する5’−ビオチン化DNA鎖は、増幅プライマーとして用いられた。
酵素−合成プライマーを用いた増幅
酵素的に合成されたプライマーは、0.05μMの濃度にて、1μMのオリゴ
ヌクレオチドOmni1と、ヒト・ゲノミックDNA試料の増幅のために用いら
れた(図1B、パートD)。最初の5の増幅サイクルの、アニーリング時間は、
正規の増幅プロトコルにより10分間に設定された。融点は増幅プライマータの
鋳型特異的3’−末端について公知でないのて、2の異なる増幅プログラムが各
々のプライマー対について試みられた。完全な増幅プログラムは以下の通りであ
る:94℃にて1分間、40℃または55℃にて5−15分間、そして72℃に
て1分間の5サイクルに続き、94℃で1分間、55℃で1分間、そして72℃
にて1分間。図3のオートラジオグラフは、どちらも化学的に合成された16塩
基長のプライマー(Am1およびAm2)を用いたレーン2およびレーン3の増
幅反応(鋳型無し)の結果;Omni1と同一である5’末端にさらに22塩基
が付加した同じ16塩基(A1およびA2)を用いたレーン4およびレーン5の
増幅反応(鋳型無し)の結果;プライマーを生じるために用いられるプラスミド
クローンからのBOmni1でのレーン6およびレーン7の増幅反応(鋳型無し
)の結果;またはオリゴヌクレオチドA1およびA2の配列に同一であると見積
もられる公知のDNA配列の200塩基長のAluI断片のための酵素合成プラ
イマーでのレーン8およびレーン9の増幅反応(鋳型無し)の結果のアガロース
ゲル電気泳動を図示する。レーン1および10は100bpのラダーであり、オ
ートラジオグラフから明らかなように、オリゴヌクレオチドの3の対は全て、ヒ
トのゲノミックDNA試料に適用された場合には、ほぼ同じサイズの増幅生成物
を生じる。これはこれらのプライマーに対し期待されるサイズである。添加され
た鋳型DNAの非存在下で、増幅生成物は観察されず、このことは、増幅生成物
は未消化のクローンインサートの混入のコピーを表すものはないことを断言する
。
ポリモルフィック配列の同定
増幅プライマーOmni1は、32Pで37℃にて50mM Tris−HCl
,pH7.5,50mM KCl,10mM MgCl2,および0.5 ICI
γ32P ATP中、30分間の反応でリン酸化された。プライマーはゲノミック
DNA試料の増幅のために用いられ、これに続いて6%ポリアクリルアミド変性
ゲル電気泳動による生成物の分離が行われた。増幅生成物間のサイズのばらつき
はオートラジオグラフィーによって表された。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.標的DNA配列に関連するDNA断片を、非対称に切断する制限酵素の認 識モチーフを含むヌクレオチド配列に結合するか連結させ、次いで該構築物を制 限酵素に暴露して、それによりその標的関連DNA断片部分内で構築物を切断す る工程からなる、標的DNA配列にハイブリダイズ可能な核酸配列を、このDN A配列についての知識を必要とせずに調製する方法。 2.該核酸配列を、直線化した環状ベクターのそれぞれの末端に連結し、該標 的関連DNA断片をベクターに挿入し連結し、所望により該ベクターを増幅し、 該二のヌクレオチド配列および該DNA断片の組立体を非対称に切断する酵素に より該DNA断片内で両端から切断することからなる請求項1記載の方法。 3.二のヌクレオチド配列および該DNA断片の組立体を、切断工程に先立っ て増幅させる工程からなる請求項2記載の方法。 4.増幅が、該ヌクレオチド配列にハイブリダイズするプライマーを用いた酵 素的増幅によって行われる請求項3記載の方法。 5.該プライマーがその5’末端でλエキソヌクレアーゼ消化に対して、例え ばビオチン化により保護され、増幅プロセスで得られた未保護鎖がλエキソヌク レアーゼ消化に付される請求項4記載の方法。 6.非対称に切断する制限酵素の認識モチーフを含む該ヌクレオチド配列を、 直線化した核酸プラスミドベクターの一端に連結し、該標的関連DNA断片をベ クターに挿入し結合させ、次いで、ベクターを該制限酵素によって該DNA断片 内で切断し、それによって環状化可能なプローブを形成することからなる請求項 1記載の方法。 7.さらに、制限酵素認識モチーフの近くの稀な認識部位を供することよりな る請求項6記載の方法。 8.該切断後、所望のハイブリダイズするヌクレオチド配列または配列類を、 ゲル精製、好ましくはゲル電気泳動によって単離する請求項1ないし7いずれか 1項記載の方法。 9.切断工程を行うに先立って、増幅断片を固体支持体に固定化する請求項3 ないし8のいずれか1項記載の方法。 10.標的関連DNA断片の各側の非対称切断酵素用の認識配列を供し、固体 支持体に結合する2の増幅断片を得るための二の増幅反応を行い、次いで、支持 体から離れた末端に位置する非対称酵素制限部位において各増幅断片を選択的に 切断する請求項9記載の方法。 11.標的関連DNA断片の各側に異なる非対称切断制限酵素部位を供し、二 の別々の反応において、固定化された増幅断片を切断する請求項10記載の方法 。 12.標的DNA配列に、このDNA配列の知識を必要とせずにハイブリダイ ズ可能な、公知の構造であるが部分的に未知の配列である核酸配列の調製のため のベクターであって、該ベクターが標的DNA配列に関連するDNA断片挿入の ための部位、および該挿入部位の一方側または両側の非対称切断制限酵素または 酵素類のための認識配列からなることを特徴とする該ベクター。 13.該DNA断片の挿入後、ベクターが一本鎖にされ、該非対称切断制限酵 素での切断後に、環状化可能なプローブを形成できる請求項12記載のベクター 。 14.さらに、該認識配列の近くの稀な認識部位からなる請求項13記載のベ クター。 15.該部位に挿入される該DNA断片を有し、所望により、膜のごとき固体 支持体に固定化されてもよい請求項13または14記載のベクター。 16.伸長プライマーとして、請求項1ないし5いずれか1項により調製され た酵素合成プライマーを使用することを特徴とする、DNA断片のDNA配列の 知識を必要とせずに、該DNA断片を増幅させる方法。 17.該酵素合成プライマーにより第一の数の増幅サイクルを行い、次いで、 直線化したベクター末端に連結した該ヌクレオチド配列にハイブリダイズ可能な 化学的合成プライマーにより第二の数の増幅サイクルを行うことよりなる請求項 16記載の方法。
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