JPH10509159A - 抗腫瘍活性を有する三核性カチオン性プラチナ錯体、及びそれらを含有する医薬組成物 - Google Patents

抗腫瘍活性を有する三核性カチオン性プラチナ錯体、及びそれらを含有する医薬組成物

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JPH10509159A JP8516524A JP51652496A JPH10509159A JP H10509159 A JPH10509159 A JP H10509159A JP 8516524 A JP8516524 A JP 8516524A JP 51652496 A JP51652496 A JP 51652496A JP H10509159 A JPH10509159 A JP H10509159A
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ベーリンガー・マンハイム・イタリア・ソシエタ・ペル・アチオニ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、抗腫瘍活性を有するプラチナ錯体、その製造方法、及びそれらを含有する医薬組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 抗腫瘍活性を有する三核性カチオン性プラチナ錯体、 及びそれらを含有する医薬組成物 本発明は、抗腫瘍活性を有するプラチナ錯体、その製造方法、及びそれらを含 有する医薬組成物に関する。 技術的背景 ガン化学療法におけるシスプラチン及びカルボプラチンなどのプラチナ錯体の 使用は、当業界においては良く確立されている。シスプラチンなど多数のプラチ ナ錯体が、精巣、卵巣、頭部、頸部及び小細胞肺ガンの治療に使用されている。 しかし、シスプラチンによる治療の結果、重度の腎障害が惹起されることがある 。更に、薬物に対する耐性が生じた結果、腫瘍が、薬物による治療に反応しなく なるというのも、臨床上の欠点である。 シスプラチンなどのプラチナ錯体は、DNAとの共有結合による相互作用によ りその生物学的活性を呈すると一般に考えられている。特に、シスプラチンは、 単座性(monodentate)付加物、GG又はAGなどの二座性(bidentate)付加物 、及びGNG鎖内架橋体を含むDNAへの各種付加物の形成を誘導する[Reedij k et al.,Structure and Bonding,(1987)67,53-89]。頻度はこれほどは高くな いが、シスプラチンは、また鎖間GG架橋とDNA−タンパク質の架橋も引き起 こす[Rahmouni et al.,Biochemistry,(1987)26,7229-7234]。これらのDNA 損傷は、DNAの屈曲とDNAの部分的巻戻しに反映される構造変化を引き起こ す。これらのDNA損傷は、種々のDNAポリメラーゼの活性を阻害することが 報告されている[Vallan et al.,Nucl.Acids Rcs.,(1988)16,4407-4418;Pinto et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,(1985)82,4616-4619; 及びGrallaet al.,Cancer Rcs .,(1987)47,5092-5096]。 2つの隣接するグアニン塩基間の鎖間架橋が、RNAポリメラーゼの機能 を阻害することも示されている[Lemaire et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,(1991)88 ,1982-1985]。したがって、シスプラチンの細胞毒作用は、いずれか1つの特定 の損傷の発生の結果というよりは、これらのDNA損傷を組み合わせた効果によ るものであると考えられる。 それぞれ1つ及び2つのプラチナ原子を含有するモノ(プラチナ)及びビス( プラチナ)錯体は、当該分野で公知である(米国特許第4,225,529号、第4,250,1 89号、第4,533,502号、第4,565,884号、第4,571,335号、及び第4,797,393号)。 例えば、モノ(プラチナ)錯体としては、四配位のモノマー性クロロアミン平面 正方形(square-planar)Pt(II)化合物が、挙げられる。このような化合物中 のクロリドとアンモニア基の相対数は変化することができ、したがってこれらの 化合物は、一般式: により示すことができる。 したがって、これらの化合物の構造は、m=0の場合の[Pt(NH3)4]2+ から、m=4の場合のPtCl4 2-まで変化することができる。Clは、アンモ ニアに比べてより置換されやすいため、錯体[PtCl2(NH3)2]及び[P TCl(NH3)3]Clは、それぞれ二官能性(bifunctional)及び単官能性( monofunctional)であると考えられる(ここで、「二(bis)」及び「単(mono )」という接頭辞は、脱離する配位子の数のことをいう)。この錯体の電荷は、 Pt(II)カチオンが、+2の形式電荷を有し、このため電荷の中和のためには 、−2の負の電荷が必要であることを考慮して得られる。例えば、m=0の場合 、配位圏の外側に2つのクロリドアニオンが存在すれば、中和が得られる。 プラチナと、中性配位子であるアンモニアの間の結合の形成は、NH3からP t(II)原子の空の軌道への電子対の供与であるということができよう。 したがって、PtとNH3基の間に電子の共有は起こらない。このように電子共 有が存在しないため、中性配位子の数は、Pt配位圏の総電荷に影響を及ぼすこ とはない。したがって、[Pt(NH3)4]2+は、形式的には、錯体の中和のた めには2−の負の正味の電荷を有する非配位アニオン又は対イオンを必要とする 2+カチオンである。例えば、一価の負荷電アニオン(例えば、NO3-,Cl- 、PF6 -、BF4 -及び一般式RCOO-を有するモノカルボン酸イオン)2つ又 は二価の負荷電アニオン(例えば、SO4 2-、一般式[R(COO)2]2-を有す るジカルボン酸イオン)1つにより中和させることができる。したがって、同じ 原理で[PtCl2(NH3)2]は、中性錯体である。 これらの考察は、アンモニアに適用することができるのみでなく、第一級又は 第二級アミンなどの中性配位子にも適用することができる。 Cl-などのアニオン性配位子は、配位結合する(つまり、Pt−Cl結合を 形成する)か、又は共有結合形成を必要とせずに対アニオンとして作用すること ができることが認められている。Cl-などのアニオンが所定のプラチナ錯体に 含まれているその正確な形は、理論的考察(速度論的効果対熱力学的効果)と、 錯体を製造するのに使用した実際の合成方法(例えば、反応の程度、酸性度、反 応混合物に含有されているCl-の濃度など特定のアニオンの濃度)の両方に依 存する。これらの考察は、他のアニオン性配位子及び中性配位子にも同様に適用 することができる。 モノプラチナ錯体の総電荷が、Pt(II)金属に結合している中性及びアニオ ン性配位子の相対数に依存しているという事実は、多核(polynuclcar)錯体( 2つ以上のPt(II)配位圏を含有する)、及びプラチナ部分の酸化状態が4+ であるPt(IV)含有錯体にも同等に当てはまる。例えば、2つの等価なPt( II)配位圏がジアミン架橋剤により結合している二核 (dinuclear)錯体は、一般式: により示すことができる。 したがって、m=2であり、かつ2つの二官能性配位圏が存在する場合、この 化合物は、中性である。これに対して、m=1である場合、単官能性である配位 圏のみが存在し、かつプラチナ部分が2+の形式電荷を有するため、2−の正味 の電荷を有する、1つ以上の対アニオンによりつりあいをとる必要がある。 三核性(trinuclear)プラチナ錯体(トリ−プラチナ錯体とも呼ばれる)の例 が、最近の文献に報告されている[Yun Qu et al.,Inorg.Chem.,32,2591-2593(1 993)]。配位子が、シス立体配置を有するこの化合物は、中性か又は+2の総電 荷を有する錯体であり、これらは、下記の一般式: [式中、Xは、不安定な配位子(塩素原子など)を意味し、Rは、アルキレン鎖 を意味する]により示すことができる。+2の総電荷を有する錯体の場合には、 この電荷は4つの中性配位子を有する中央のプラチナ原子にあり、これに対して 周りの2つのプラチナ原子は、形式上中性であり、そして上記で定義されたよう に二官能性であることが、上記より明らかである。 発明の開示 本発明は、3つのプラチナ原子が、ジアミン鎖により結合しており、中央のプ ラチナ原子に4つの中性配位子が配位しており、これに対して周りの2つのプラ チナ原子にはいずれも3つの中性配位子と1つの−1の電荷を有する配位子が配 位しているトリ−プラチナ錯体に関する。 したがって、本発明の化合物は、+4の総電荷を有する点、特に+2の形式電 荷を有する中央のプラチナ原子と、それぞれ+1の形式電荷を有する周りの2つ のプラチナ原子を有する点で、先行技術の化合物とは異なる。更に上記で証明し たように、周りの2つのプラチナ原子は、単官能性である。 特に、本発明は、式(I): [式中、nは、2〜7の整数であり;Z-mは、クロリドアニオン、ブロミドアニ オン、ヨージドアニオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン(m=2)から選択され るアニオンであり;mは、1又は2の整数である] で示されるトリ−プラチナ錯体に関する。 より詳細には、本発明は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び( Ie): [式中、n及びZ-mは、上記で定義したとおりであり、プラチナ原子の立体化学 は、上記の式で定義したとおりである] で示されるトリ−プラチナ錯体に関する。 以下に記載においては、「式(I)の化合物」の語は、一般的には、式(Ia )、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)の化合物を意味する。式(Ia )の化合物は、式:(t,c,t)−[PtCl(NH3)2NH2−(CH2)n −NH2Pt(NH3)2NH2−(CH2)n−NH2PtCl(NH3)2]4+・4 /mZ-mの化合物とも記載される。同様に、式(Ib)、(Ic)、(Id)及 び(Ie)の化合物は、それぞれ式:(c,c,c)−、(c,t,c)−、( c,c,t)−、及び(t,t,c)−[PtCl(NH3)2NH2−(CH2)n −NH2Pt(NH3)2NH2−(CH2)n−NH2PtCl(NH3)2]4+・4 /mZ-mの化合物とも記載される。 式(I)の好ましい化合物は、nが、整数6である化合物である。 式(I)の特に好ましい化合物は、nが、整数6であり、Z-mが、クロリド又 は硝酸アニオンであり、mが、整数1である化合物である。 本発明は、また式(I)の化合物の製造方法にも関する。 式(Ia)の化合物、(t,c,t)−[Ptcl(NH3)2NH2−(CH2 )n−NH2Pt(NH3)2NH2−(CH2)n−NH2PtCl(NH3)2]4+・ 4/mZ-mの製造方法は、以下の反応式: [式中、Pは、tert-ブトキシカルボニル又はp−メトキシベンジルオキシカル ボニルなどの適当な通例の保護基であり、nは、上記で定義したとおりである] に示すように、その塩素原子1つをジメチルホルムアミドで置換することによっ てあらかじめ活性化したトランス−プラチンから出発し、式(II)のアミンと反 応させることによる中間体(III)の合成を含むものである。式(III)の中間体 は、保護基Pの脱離により、式(IV): [式中、nは、上記で定義したとおりであり、Q-mは、基Pの脱離の条件に応じ た対イオンである] で示される中間体を生じる。例えば、Pが、tert-ブトキシカルボニル基であれ ば、Q-mは、クロリド又はトリフルオロ酢酸アニオンであることができる。 次に、中間体(IV)を中間体(V): [式中、nは、上記で定義したとおりである] に、Q-mイオンと硝酸イオンの間の交換反応により、変換する。Q-mが、クロリ ドアニオンである場合、該交換反応は、硝酸銀の存在下、水又はアルコール(メ タノール、エタノール)などの溶媒中で行うことができる。次にこの中間体(V )を、その両方の塩素原子を2モルのジメチルホルムアミドと置換することによ ってあらかじめ活性化しておいたシスプラチン半モルと反応させて、式(Ia) の化合物を得る。 [式中、Z-mは、硝酸アニオンである] 同様に、式(Ib)の化合物は、第一の合成工程: で、トランス−プラチンの替わりにシスプラチンを用い、式(III b)の中間体 を得、これを、上述したように、以下の合成工程: i)保護基Pの脱離; ii)Q-mアニオンの、硝酸アニオンとの交換反応; iii)工程ii)で得た中間体の、シスプラチン(ジメチルホルムアミド2モルに よりあらかじめ活性化しておいた)半モルとの反応; により反応させることによって調製することができる。 式(Ic)の化合物は、上記の式(III b)の中間体から出発して、以下の合 成工程: i)保護基Pの脱離; ii)Q-mアニオンの、硝酸アニオンとの交換反応; iii)工程ii)で得た中間体の、トランスプラチン(ジメチルホルムアミド2モ ルによりあらかじめ活性化しておいた)半モルとの反応; により調製することができる。 式(Ie)の化合物、(t,t,c)−[PtCl(NH3)2NH2−(CH2 )n−NH2Pt(NH3)2NH2−(CH2)n−NH2PtCl(NH3)2]4+・ 4/mZ-mは、以下の反応式: に示すように、中間体(III)から出発して調製することができる。 その塩素原子をジメチルホルムアミド1モルと置換することによって活性化し た中間体(III)を、上述したように調製した中間体(V)と反応させて、中間 体(VI)を得、これを今度は、以下の合成工程: i)保護基Pの脱離; ii)Q-mアニオンの、硝酸アニオンとの交換反応; iii)工程ii)で得た中間体の、シスプラチン(ジメチルホルムアミド1モルに よりあらかじめ活性化しておいた)1モルとの反応; により式(Ie)の化合物に変換する。 同様に、式(Id)の化合物、(c,c,t)−[Ptcl(NH3)2NH2 −(CH2)n−NH2Pt(NH3)2NH2−(CH2)n−NH2PtCl(NH3 )2]4+・4/mZ-mは、上記のものとは、プラチナ原子の立体化学が異なる点 以外では同一である合成式: により、中間体(III b)から出発して調製することができる。 中間体(VI b)を、以下の合成工程: i)保護基Pの脱離; ii)Q-mアニオンの、硝酸アニオンとの交換反応; iii)工程ii)で得た中間体の、トランス−プラチン(ジメチルホルムアミド1 モルによりあらかじめ活性化しておいた)1モルとの反応; により反応させて、式(Id)の化合物を得る。 式(I)の化合物の別の調製方法は、その中心のプラチナ原子に2つのジアミ ンを有する中間体を合成し、このような中間体を、場合により、ジメチルホルム アミドでモノ−活性化したトランス−又はシス−プラチン2当量と反応させるこ とからなる。 例えば、式(Ia)の化合物は、まず式(II)のアミン2モルを、シスプラチ ン(その両方の塩素原子を、ジメチルホルムアミド2モルで置換することによっ て、あらかじめ活性化しておいた)と反応させて、式(VII): [式中、Pは、上記で定義したとおりである] の中間体を得ることによって、本方法により得ることができる。保護基Pの脱離 によって、式(VIII)(ここで、Q-mは、上記で定義したとおりである)の中間 体を得る。このような中間体を、続けて式(IX)の中間体へ変換する。 該変換は、 Q-mイオンと硝酸イオンとの交換反応により行う。該交換反応は 、 Q-mが、クロリドアニオンである場合は、硝酸銀の存在下、水又はアルコー ル(メタノール、エタノール)などの溶媒中で行うことができる。 次に、中間体(IX)を、トランス−プラチン(その1つの塩素原子を、ジメチ ルホルムアミドと置換することによって、あらかじめ活性化しておいた)2モル と反応させて、式(Ia)の化合物を得る。 [式中、 Z-mは、硝酸アニオンである] 同様に、適当な立体化学(トランス−又はシス−プラチン)を有するプラチナ 原子を、各種合成工程に用いることによって、他の全ての式(I)の化合物、つ まり式(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)の化合物を調製する。 Z-mが、硝酸アニオンである、式(I)の化合物(上述の方法により調製)を 次に、Z-mが、ハライド又は硫酸アニオンである式(I)の化合物に、文献に広 く報告されている通例の交換反応(アルカリもしくはアルカリ土類金属ハライド 又は硫酸アニオンによる処理など)により変換する。替わりに、Z-mが、硫酸ア ニオンである式(I)の化合物は、Z-mが、ハライドである、対応する式(I) の化合物から、硫酸銀による処理によって調製することができる。 保護基Pを除去するための可能な方法は、無機酸(塩酸水溶液又はアルコール もしくはエーテル溶液中など)あるいは有機酸(トリフルオロ酢酸など)による 処理を含む。Pが、tert-ブトキシカルボニル基である場合、その脱離に好まし い条件は、塩化水素のアルコール溶液を使用するものである。この場合、上述し たように、対イオンQ-mは、クロリドイオンであろう。 本発明の化合物は、一般に水、生理学的、及び水混和性溶媒に対して、良好な 溶解性を有する。 本発明の化合物は、顕著な抗腫瘍活性を有するばかりでなく、その毒性が低い ため、その治療的指標は、特に好ましいものである。 更に、本発明のトリプラチナ錯体の水に対する溶解性が高いため、非経口及び 経口医薬剤型の調製が容易である。 本発明化合物を、各種腫瘍細胞系(このうち、ネズミ白血病L−1210、ヒ ト卵巣ガンA2780、又はそれぞれのサブラインは、シスプラチン耐性 L−1210/CDDP及びA2780/CDDPであった)に対するin vitro におけるその細胞毒性作用について試験した。 細胞系A2780に対する試験は、プラチナ錯体の抗腫瘍剤としての評価のた めの確立された方法である。更に、本発明化合物を、in vivo 試験において試験 したが、ここでL−1210腫瘍細胞を、マウスに腹腔内接種し、本化合物を、 腫瘍の接種24、120及び216時間後に腹腔内投与した。本発明化合物は、 上記の実験モデルにおいて、高い抗腫瘍効果を有することを証明した。 本発明のプラチナ錯体は、抗腫瘍活性を有する他のプラチナ錯体と組み合わせ て投与した場合に、相乗効果を示して、特に有効であった。 式(I)の化合物の少なくとも1つを、抗腫瘍活性を有するプラチナ錯体と組 み合わせて含有する医薬組成物が、本発明の更なる目的である。 式(I)の化合物は、プラチナ錯体で治療することのできる腫瘍を有するヒト 及び動物に、体表面積1平方メートル当たり1mg〜1.2gの範囲の用量で投与 された場合に、該腫瘍の寛解を誘導することができる。 したがって、本発明のもう一つの目的は、腫瘍の治療に有用な医薬の製造のた めの式(I)の化合物の用途である。 本発明化合物の有効用量は、専門の臨床医により通例の方法によって、決定す ることができる。種及び大きさがまちまちである動物に対する用量と、ヒトに対 する用量の間の相関(mg/m2体表面積に基づく)は、Freircch,E.J.et al.,Qu antitative Comparison of Toxicity of Anticancer Agents in Mouse,Rat,Hams ter,Dog,Monkey and Man(マウス、ラット、ハムスター、イヌ及びヒトにおける 抗ガン剤の毒性の量的比較),Cancer Chemother.Rep.,50,N.4,219-244(1966)に 記載されている。 しかし、患者は通常、専門の臨床医には良く知られている各種因子によっ て異なる投与療法により、本錯体を1〜1200mg/kg体重の用量で、投与され るであろう。 本発明のプラチナ錯体を、プラチナ錯体の抗腫瘍活性を増強するか、又はその 望ましくない副作用を軽減する1種類以上の薬剤と共に投与するのが好都合であ ることが認められることもあろう。 例えば、本発明のプラチナ錯体は、GB 2174905 及び米国特許 4,871,528号 に開示されているように、還元型グルタチオンと共に投与することができる。 本発明のプラチナ錯体により治療することのできる患者の腫瘍は、シスプラチ ンによる治療に感受性を有することが知られている腫瘍である。本発明の錯体は 、ある種のシスプラチン耐性腫瘍に対しても活性である。 本発明化合物は、より一般的には、そのためにシスプラチンを用いる同一の病 理学的形態の治療に使用することができる。これには、腫瘍の治療、放射線照射 の感作又は増強[Douple et al.,Cisplatin Current Status and Developments, Ed.A.W.Prestayk et al.,Acadcmic Press,125(1980);Douple et al.,Platinum M etals Res.,29,118(1985)]、及びアフリカ睡眠病などの寄生虫疾患の治療[Far rell et al.Biochem.Pharmacol.,33,961(1984)]が包含される。 治療の療法は、専門の臨床医には良く知られているように、治療する腫瘍の型 及び患者の状態により、適宜変更することができる。 本発明の更なる目的は、少なくとも1つの式(I)の化合物の治療有効量を、 通例の担体及び賦形剤と混合して含有する医薬組成物である。 本発明の化合物は、場合により適当な濃度の塩化ナトリウム(0.1〜0.9 mg/ml)を含有する、無菌水溶液として投与するのが好ましい。本溶液は、静脈 内又は動脈内経路により投与するのが好ましいが、他の投与法も、特定の場合に おいて使用することができる。 非経口投与のための医薬組成物は、上記で定義したような無菌の食塩水溶液、 又は溶液の用時調製のための無菌粉末、並びに筋肉内又は腹腔内投与用油状製剤 を含む。 その他の有用な医薬組成物は、シロップ剤もしくは同様の液剤、並びに錠剤、 カプセル剤などの固形剤である。 本発明による医薬組成物は、 Remington's Pharmaceutical Sciences Handboo k,XVII Ed.,Mack Pub.,N.Y.,U.S.A.に報告されているような公知の方法で調製す る。 以下の実施例は、本発明を更に説明するものである。 調製例1 N−BOCヘキサンジアミンを、市販品であるその塩酸塩から出発して、調製 した。 N−BOCヘキサンジアミン塩酸塩2.1gを、ジエチルエーテル(20ml) に溶解し、撹拌下、1N水酸化ナトリウム水溶液16 mlで処理した。 次に有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留 去して、遊離塩基であるN−BOCヘキサンジアミンを、劇的な収率で得た。 調製例2 トランス−[PtCl(NH3)2H2N−(CH2)6−NH−BOC]+NO3 - −中間体(III)の調製 トランス−プラチン2gを、無水ジメチルホルムアミド(DMF)133mlに 溶解し、硝酸銀1.13gを一度に加えた。反応混合物を、遮光したまま、18 時間撹拌し続けた。その後、沈殿した塩化銀をろ去し、透明なろ液を−20℃に 冷却し、無水DMF40mlにN−BOC−1,6−ヘキサンジアミン(1.36 g)を含む溶液を加えた。添加は、約30分間続けた。溶 液を、−20℃で3時間、室温で1時間撹拌し続けた。次に、溶液の温度が40 ℃を超えないよう保持しながら、減圧下で溶媒を留去し、残渣をジエチルエーテ ル200mlにとり、20分間撹拌し続け、次にろ過した。得られた固体を、メタ ノール200mlに溶解し、15時間撹拌し続けて、痕跡量のトランス−プラチン を沈殿させた。分離したトランス−プラチンをろ去し、溶液を活性炭(1g)で 処理し、再びろ過し、最後に減圧下で溶媒を留去した。撹拌下、残渣をアセトン (100ml)に30分間懸濁することによって、残渣を精製した。ろ過後、生成 物2.3gを得た。 元素分析(計算値/実測値%) DMF/d7−DMF中195Pt−NMR:−2433ppm 調製例3 トランス−[PtCl(NH3)2H2N−(CH2)6−NH3]2+2NO3 -−中 間体(V)の調製 トランス−[PtCl(NH3)2H2N−(CH2)6−NH−BOC]+NO3 −1.5gをメタノール150mlに含む溶液に、6.5M塩化水素のエタノール 溶液21mlを加えた。反応混合物を、室温で24時間撹拌し続け、次に固体をろ 過し、フィルター上、メタノールとジエチルエーテルで洗浄し、最後に乾燥した 。 得られた固体をメタノール180mlに溶解し、硝酸銀(0.825g)をメタ ノール45mlに含む溶液を加えた。反応混合物を、室温で30分間撹拌し続け、 塩化銀をろ去し、透明なろ液を蒸発乾固させた。残渣をアセトンにとり、15分 間撹拌し続け、ろ過し、乾燥して、生成物0.925gを得た。 元素分析(計算値/実測値%) DMF/d7−DMF中195Pt−NMR:−2433ppm 調製例4 トランス−[BOC−NH−(CH2)6−NH2−Pt(NH3)2H2N−(C H2)6−NH−BOC]2+2NO3 -の調製 トランス−プラチン1.028gを無水DMF35mlに含む懸濁液に、硝酸銀 1.16gを加えた。反応混合物を遮光しながら60℃に5時間加熱し、次に塩 化銀沈殿物をろ去した。その後、N−BOC−1,6−ヘキサンジアミン(1. 48g)をDMF5mlに含む溶液を加え、得られた反応混合物を、室温で一夜保 持した。ジエチルエーテル300mlで希釈することによって、白色の固体が分離 し、これをろ過し、メタノールに溶解し、0.2μフィルターでろ過して、痕跡 量の銀塩を除去した。次にメタノール溶液をジエチルエーテルで希釈した。白色 の固体が結晶化し、これをろ過し、乾燥して、生成物1.94gを得た。 元素分析(計算値/実測値%) DMF/d7−DMF中195Pt−NMR:−2687ppm 調製例5 トランス−[NH3−(CH2)6−NH2−Pt(NH3)2H2N−(CH2)6 −NH3]4+4Cl-の調製 トランス−[BOC−NH−(CH2)6−NH2−Pt(NH3)2H2N−(C H2)6−NH−BOC]2+2NO3 -500mgをメタノール50mlに溶解し、6. 5M塩化水素のエタノール溶液5mlを加えた。反応混合物 を室温で42時間撹拌し続け、次に固体をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄して 、生成物340mlを得た。 元素分析(計算値/実測値%) 水中195Pt−NMR:−2674ppm 調製例6 シス−[BOC−NH−(CH2)6−NH2−Pt(NH3)2H2N−(CH2 )6−NH−BOC]2+2NO3 -−中間体(VII)の調製 シス−プラチン(3g)をDMF100mlに含む溶液を、不活性ガス雰囲気下 、室温で撹拌しながら、硝酸銀3.4gを加えた。室温で19時間後、二重マイ クロファイバーフィルターでろ過することによって、塩化銀沈殿物をろ去した。 次に、得られた黄色溶液を撹拌し続け、N−BOC−1,6−ヘキサンジアミン 4.54gをDMF12mlに含む溶液を加えた。得られた帯赤色の溶液を、一夜 撹拌し続けながら、活性炭(1.5g)で処理し、ろ過し、次に減圧下で溶媒を 留去した。残渣(暗黄色の油状物)をメタノール60mlに溶解し、0.2μフィ ルターでろ過した。溶媒を留去し、黄色の油状の残渣をジエチルエーテル350 mlにとった。沈殿物をろ過し、オーブン中で乾燥して、生成物6.94gを得た 。 元素分析(計算値/実測値%) d7−DMF中195Pt−NMR:−2681ppm 調製例7 シス−[NH3−(CH2)6−NH2−Pt(NH3)2H2N− (CH2)6−NH3]4+4Cl-の調製 シス−[BOC−NH−(CH2)6−NH2−Pt(NH3)2H2N−(CH2 )6−NH−BOC]2+2NO3 -(100mg)をメタノール1.5mlに含む溶液 を、室温で撹拌しながら、4.11N塩化水素のエタノール溶液1.39mlを加 えた。1時間後、白色の固体が沈殿し、これは、より帯黄色になった。23時間 後、固体をろ過し、フィルター上で母液、次にジエチルエーテルで洗浄し、最後 にオーブン中で一夜乾燥した。生成物62mgを得た。 元素分析(計算値/実測値%) 実施例1 (t,c,t)−[PtCl(NH3)2NH2−(CH2)6−NH2Pt−(N H3)2NH2−(CH2)6−NH2PtCl(NH3)2]4+4NO3 -及び(t,c ,t)−[PtCl(NH3)2NH2−(CH2)6−NH2Pt(NH3)2NH2 −(CH2)6−NH2PtCl(NH3)2]4+4Cl-の調製 シス−プラチン(140mg)をDMF4.6mlに含む溶液に、不活性ガス雰囲 気下で撹拌しながら、硝酸銀158mgを加えた。18時間後、塩化銀沈殿物をろ 去し、得られた溶液に、トランス−[PtCl(NH3)2H2N−(CH2)6− NH3]2+2NO3 -(中間体(V)、調製例3)472mgをDMF4.5mlに含 む溶液と、0.89N水酸化ナトリウムのメタノール溶液1.04mlを速やかに 滴下して加えた。溶液を一夜撹拌し続け、次に真空下でろ過し、アセトン30ml で希釈した。帯黄色の油状物が分離し、これを、液相からデカンテーションする ことによって単離した。次に油状物 をメタノール10mlにとり、3時間撹拌し続けた。その後、分離した淡紅色の固 体をろ過して、(t,c,t)−[PtCl(NH3)2NH2−(CH2)6−N H2Pt−(NH3)2NH2−(CH2)6−NH2PtCl(NH3)2]4+4NO3 - 384mgを得た。 元素分析(計算値/実測値%) 水中195Pt−NMR:−2415ppm;−2660ppm (t,c,t)−[PtCl(NH3)2NH2−(CH2)6−NH2Pt−(N H3)2NH2−(CH2)6−NH2PtCl(NH3)2]4+4NO3 -350mgを、 食塩水(塩化ナトリウム0.9%)175mlに溶解した。室温で1時間後、0. 2μミレックス(Millex)フィルターを載せたペーパーフィルターを介して溶液 をろ過し、減圧下で、生成物が結晶化し始めるまで、溶媒を留去した(残存体積 約10ml)。2時間後、固体をろ過し、少量の食塩水、次にメタノールとジエチ ルエーテルによりフィルター上で洗浄した。オーブン中40℃で一夜乾燥後、生 成物195mgを得た。 元素分析(計算値/実測値%) 水中195Pt−NMR:−2414ppm;−2667ppm 実施例2 (c,t,c)−[PtCl(NH3)2NH2−(CH2)6−NH2Pt−(N H3)2NH2−(CH2)6−NH2PtCl(NH3)2]4+4NO3 -の調製 トランス−[NH3−(CH2)6−NH2−Pt(NH3)2H2N−(CH2)6 − NH3]4+4Cl-(調製例5)200mgを、蒸留水10mlに溶解し、硝酸銀22 4mgで処理した。得られた懸濁液を、室温で10分間撹拌し続け、塩化銀沈殿物 をろ過により除去した。ほとんど乾固するまでろ液を濃縮し、次にアセトンで希 釈した。白色の固体が分離し、これをろ過し、アセトンで洗浄し、乾燥して、ト ランス−[NH3−(CH2)6−NH2−Pt(NH3)2H2N−(CH2)6−N H3]4+4NO3 - 204mgを得た。 シス−プラチン84mgをDMF10mlに溶解し、得られた溶液に、硝酸銀48 mgを加えると、塩化銀が突然沈殿した。懸濁液を室温で撹拌し続け、1時間15 分間遮光し、次に遠心分離し、0.2μのミレックスフィルターでろ過した。ろ 液に、トランス−[NH3−(CH2)6−NH2−Pt(NH3)2H2N−(CH2 )6−NH3]4+4NO3 -(100mg)をDMF1mlに含む溶液と、1N水酸化ナ トリウムのメタノール溶液0.14mlを加えた。2時間撹拌した後、溶液を活性 炭で処理し、ろ過し、ジエチルエーテルで希釈した。帯赤色の油状物が分離し、 これを母液からデカンテーションすることによって単離した。次に、残渣をメタ ノール5mlにとり、3時間撹拌し続けた。その後、分離した固体をろ過して、生 成物90mgを得た。 水中195Pt−NMR:−2416ppm;−2678ppm 実施例3 実施例1又は2と、調製例2〜7に記載する方法により、適当なジアミンから 出発して、以下のトリ−プラチナ錯体を調製した:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES ,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KG,KP, KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ブガッティ,カルロ イタリア国、イ−20052 モンツァ、ヴィ アレ・デラ・リベルタ、カッパエメ 0, 750 (72)発明者 メンタ,エルネスト イタリア国、イ−20052 モンツァ、ヴィ アレ・デラ・リベルタ、カッパエメ 0, 750 (72)発明者 ジュリアーニ,フレデナンド・チ イタリア国、イ−20052 モンツァ、ヴィ アレ・デラ・リベルタ、カッパエメ 0, 750 (72)発明者 マンゾッティ,カルラ イタリア国、イ−20052 モンツァ、ヴィ アレ・デラ・リベルタ、カッパエメ 0, 750 (72)発明者 スピネリ,シルヴァノ イタリア国、イ−20052 モンツァ、ヴィ アレ・デラ・リベルタ、カッパエメ 0, 750 (72)発明者 ファレル,ニコラス アメリカ合衆国、バージニア 23284− 2006、リッチモンド、ウエスト・メイン・ ストリート 1001、ピーオーボックス 2006、バージニア・コモンウエルス・ユニ バーシティ、デパートメント・オブ・ケミ ストリー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 式(I): [PtCl(NH3)2NH2−(CH2)n−NH2Pt(NH3)2NH2−(CH2 )n−NH2PtCl(NH3)2]4+・4/mZ-m [式中、nは、2〜7の整数であり;Z-mは、クロリド、ブロミド、ヨージドか ら選択されるハライド(m=1)、硝酸アニオン(m=1)、又は硫酸アニオン (m=2)である] で示されるトリープラチナ錯体。 2. 式(Ia): で示される、請求項1記載の錯体。 3. 式(Ib): で示される、請求項1記載の錯体。 4. 式(Ic): で示される、請求項1記載の錯体。 5. 式(Id): で示される、請求項1記載の錯体。 6. 式(Ie): で示される、請求項1記載の錯体。 7. nが、整数6である、請求項1〜6のいずれか1項記載の錯体。 8. Z-mが、クロリド又は硝酸アニオンである、請求項1〜6のいずれか1項 記載の錯体。 9. 活性成分として請求項1〜8に記載の1つの化合物を、適当な担体と混合 して含有する医薬組成物。 10. 請求項1〜8のトリ−プラチナ錯体が、抗腫瘍活性を有するプラチナ錯 体と併用されている、請求項8記載の医薬組成物。
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