JPH10509751A - 乳化重合法及び導電性ポリアニリン塩 - Google Patents

乳化重合法及び導電性ポリアニリン塩

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Abstract

(57)【要約】 導電性ポリアニリン塩の乳化重合法を開示する。本発明の方法は、水と、水可溶化有機溶媒と、前記有機溶媒に溶解する有機酸と、アニリンモノマーと、ラジカル重合開始剤とを配合することを含む。有機酸のポリアニリン塩を含有する有機相が生じ、この有機相は水性相から分離可能である。上記のようにして生成したポリアニリン塩は有機キャリヤ溶媒に25 w/w %以上の濃度で溶解し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 乳化重合法及び導電性ポリアニリン塩 発明の背景 (1)発明の分野 本発明は、乳化重合法、及び加工可能な導電性ポリアニリン塩に係わる。本発 明は特に、有機酸のポリアニリン塩を製造する乳化重合法に係わり、前記ポリア ニリン塩は有機キャリヤ溶媒に溶解する。 (2)従来技術の説明 ポリアニリンは、プロトン化形態において化学的に安定で、かつ導電性である と認識されている。それにもかかわらず、その用途は限られており、なぜならポ リアニリンは取り扱いもしくは加工が困難であると看做されているからである。 ポリアニリンの合成は通常、水溶液重合系に基づく化学酸化重合法で行なう( Cao等, Polymer 30, p.2305, 1989参照)。この 方法は、水と、プロトン酸と、アニリンと、酸化剤とを配合し、得られた反応混 合物を一定温度に維持しながら反応させることを含む。数時間後、沈澱したポリ アニリンを反応混合物から分離し て洗浄する。この方法で合成した物質は有機溶媒に溶解せず、かつ主として非晶 質である(Annis等, Synth. Met. 22, p.191 e t seq.,1986)。 加工性を改善するべく、重合後に第二のステップが実施され、このステップで は酸をドープすることによってポリアニリンを導電形態とし、これを有機溶媒に 溶解させた。Tzou及びGregory(Synth. Met.53, p p.365−377, 1993)はこの方法を用い、カルボキシル置換基及び アミノ置換基を有するポリアニリン塩は極性溶媒のN−メチル−2−ピロリジノ ン及びジメチルスルホキシドに溶解すると報告した。これに対して、ドデシルベ ンゼンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸及びp−トルエンスルホン 酸のポリアニリン塩は同じ溶媒に溶解しなかったか、または前記溶媒中で不安定 で、沈澱した。 Cao等は、4−ドデシルベンゼンスルホン酸及びジノニルナフタレンスルホ ン酸を含めた幾つかのプロトン酸のポリアニリン塩の製造に上記方法を用いるこ とについて報告した(Cao等, Synthetic Metals 48, pp.91−97, 1993; Cao等の米国特許第5,232, 631号(1993))。ポリアニリン塩はキシレンなどの非極性溶媒に溶解す ることが報告されたが、溶解度は非常に低いと考えられた。例えば、ポリアニリ ンのドデシルベンゼンスルホン酸塩の溶解度は最高でも0.5%未満であった。 上記方法の一変形では、ポリアニリンの粒子の主として中心部に第一の物質を ドープし、かつ主として表面に第二の物質をドープした。表面ドーパントとして は、ジノニルナフタレンスルホン酸を含めた幾つかの可能なプロトン酸が確認さ れた(Shacklette等の米国特許第5,281,363号)。表面ドー パントを用いると、より小さい表面エネルギー及びより低い極性を有するマトリ ックスポリマー中に分散した導電性ポリマー粒子との相容性が向上することが開 示されている。 プロトン酸のポリアニリン塩を製造する乳化重合法が報告されている(Cao 等の米国特許第5,232,631号、実施例6B(1993); Cao及び Jan−Erikの国際特許出願公開第94/03528号(1994)I; Cao及びJan−Erikの米国特許第5, 324,453号(1994)II; 更にOsterholm等, P. Sy nth. Met. 55, pp.1034−1039, 1993も参照さ れたい)。これらの開示では、アニリン、プロトン酸及び酸化剤を、極性液体、 典型的には水と非極性または弱極性液体、例えばいずれも水にほとんどまたは全 く溶解しないキシレン、クロロホルム、トルエン、デカヒドロナフタレン及び1 ,2,4−トリクロロベンゼンとの混合物と配合した。しかし、水200部に対 して1部を上回る水への溶解度を有する非極性または弱極性液体の使用例は開示 されてはいない。更に、上記一群の開示では水に溶解しない有機溶媒を用いたの で、プロトン酸はかなりの乳化特性を有するものでなければならなかった。その うえ、上記一群の開示で用いられた溶媒は、生じたポリアニリンをまず溶媒から 分離しなければ該ポリアニリンをコーティング、仕上げ材、ペイント、インク等 中に、または他の成分とのブレンド中に用い得ないような危険物であると看做さ れる。発明の概要 従って本発明は、有機溶媒に対して予想外に高い溶解度を有するポリアニリン 塩を製造する新規な乳化重合法を提 供することを目的とする。本発明の方法は、水と、水可溶化(water−so lubilizing)有機重合溶媒と、前記有機溶媒に溶解する有機酸と、ラ ジカル重合開始剤とを混合することを含む。混合物は有機酸のポリアニリン塩を 含有する有機相を構成する。このようにして製造したポリアニリン塩はキャリヤ 有機溶媒に溶解し、その結果加工可能となる。 本発明は、有機酸の導電性ポリアニリン塩を含有する組成物を提供することも 目的とし、その際前記ポリアニリン塩はキシレンに約25重量%以上の濃度で溶 解し得る。上記ポリアニリン塩は、約17未満の誘電率を有する他のキャリヤ有 機溶媒にも溶解し得る。好ましくは、上記ポリアニリン塩は少なくとも約400 0の分子量を有し、上記組成物は粒径が約0.2μmより大きい粒子を実質的に 含有しない。 本発明は更に、ポリアニリン塩を非水性有機キャリヤ溶媒に溶解させた溶液を 含有するポリアニリン塩組成物の提供も目的とする。 本発明は、水と、約6%(w/w)以上の溶解度で水を溶解させる水可溶化有 機溶媒と、ポリアニリン塩とを含有 する乳濁液から成る組成物を提供することも目的とする。 本発明は、支持体上に膜を形成し得るポリアニリン塩組成物を提供することも 目的とする。 本発明は、熱硬化性または熱可塑性樹脂とブレンドを構成し得るポリアニリン 塩組成物を提供することも目的とする。 従って、本発明によって実現することが判明した幾つかの利点の中でも、非水 性有機溶媒に溶解し、それによって加工可能となる導電性ポリアニリン塩が得ら れること、容易に加工可能な導電性ポリアニリン塩を製造する方法が得られるこ と、支持体に適用された場合に膜を形成し得る導電性ポリアニリン塩組成物が得 られること、及び熱硬化性または熱可塑性樹脂とブレンドを構成し得る導電性ポ リアニリン塩組成物が得られることが留意され得る。図面の簡単な説明 図1は、(a)市販ポリアニリン塩を中和し、かつ再ドープすることによって 製造したジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩の試料の粒状特性と、 (b)本発明による乳化重合によって製造したジノニルナフタレンスルホン酸の ポリアニリン塩の試料中に検出可能な粒子が存 在しないこととを示す倍率約800倍の光学顕微鏡写真である。 図2は、(a)市販ポリアニリン塩を中和し、かつ再ドープすることによって 製造したジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩の試料の、小球が不均 一に分散する性質と、(b)本発明による乳化重合によって製造したジノニルナ フタレンスルホン酸のポリアニリン塩の試料のより均一に分散する性質とを示す 倍率約7000倍の環境走査型電子顕微鏡写真である。好ましい具体例の詳細な説明 本発明によれば、水と、水可溶化有機重合溶媒と、前記有機溶媒に溶解する有 機酸と、アニリンと、ラジカル重合開始剤とを配合するとポリアニリン塩が生成 することが判明した。驚くべきことに、このポリアニリン塩はキシレンなどの有 機キャリヤ溶媒に約25重量%以上の濃度で溶解し得る。このポリアニリン塩は 、約17未満の誘電率を有する他のキャリヤ有機溶媒にも溶解する。その結果、 このポリアニリン塩は容易に加工可能となる。このことは、ポリアニリンがキャ リヤ有機溶媒に全く、またはほとんど溶解しない通常の水溶液重合及び乳化重合 技術で製造したポ リアニリン組成物の場合とは対照的である。通常技術で製造したポリアニリン組 成物は、有機キャリヤ溶媒に対する溶解度が低いことに起因して加工困難である か、または限られた加工性しか有しない。 本発明の乳化重合法では、約6% w/w以上の水を溶解させ得る有機溶媒を 用いる。驚くべきことに、それによって有機酸のポリアニリン塩、特にジノニル ナフタレンスルホン酸などの水に溶解しない有機酸のポリアニリン塩の重合が容 易となる。これに対して、キシレンなどの水を溶解させない有機重合溶媒を、同 じ酸、アニリン及びラジカル重合開始剤を含む水性相と共に用いても、ポリアニ リンは生成しない。 本発明の方法で製造したポリアニリン塩は、合成完了時点で既に導電性であり 、酸に溶解させることによって更に加工する必要は無い。このポリアニリンは、 様々な支持体上の膜及びコーティング中に用い得る。 一般的な乳化重合法は当業者に良く知られている(例えばF. W. Bil lmeyer, Jr., “Textbook of Polymer Sc ience,” New York, 1984参照)。手短に言 うと、本発明の乳化重合法では二つの液相、即ち極性相と、非極性または弱極性 液体によって製造した相とを用いる。乳濁液系(水性相が連続、有機相が不連続 )または逆乳濁液系(水性相が不連続、有機相が連続)において、一方の相は連 続するが他方は不連続相である。合成するポリアニリン塩のための対イオンを提 供する有機酸は、水可溶化有機溶媒に溶解する。水と、水可溶化有機溶媒と、前 記有機溶媒に溶解する有機酸と、アニリンと、ラジカル重合開始剤との混合物は 乳濁液を構成する。 本発明に用いるアニリンモノマーは、式 〔式中R1は水素であり、R2は水素またはアルキルであり、R3〜R7は独立に水 素、アルキル、アリールアルキル、アルカリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ 、ハロゲンまたはニトロである〕の置換または非置換アニリンであり得る。本発 明において好ましいアニリンでは、R1〜R7は水素である。 出発乳濁液系の水性相は、アニリン1モル当たり約0.2〜約10l、好まし くは約0.5〜約4l、最も好ましくは約1〜約2lの水から成る。水可溶化有 機重合溶媒は、有機溶媒量がアニリン1モル当たり約50〜約1600g、好ま しくは約100〜約800g、最も好ましくは約200〜約400gとなる量で 添加する。 有機重合溶媒は、約100gの該溶媒に水を約6g(6w/w %)溶解させ 得るものから、水と混和可能なものまで包含される。約6% w/w以上の水を 溶解させ得る有機重合溶媒としてはきわめて様々なものを用い得るが、好ましい 有機重合溶媒は生成するポリアニリンもそのまま溶解させ得る。このことは、そ うでない場合比較的短くかつ低分子量の鎖状で沈澱しかねないポリアニリンの生 成を容易にすると考えられる。有機重合溶媒の、該重合溶媒にポリアニリンが溶 解することを可能にする特性は、後段のポリアニリンキャリヤ溶媒の説明におい て確認した特性と同じである。特に、好ましい有機重合溶媒は約17未満の誘電 率を有する。 イソプロパノールなどの有機溶媒は、水は溶解させるが合成されたポリアニリ ン塩は容易に溶解させず(下記表2 参照)、その結果重合したポリアニリン塩が生成しながら沈澱する。他方、キシ レンやクロロホルムといった有機溶媒は、水は容易に溶解させないが合成された ポリアニリン塩は溶解させ、その結果このような溶媒を用いた場合ポリアニリン 塩は重合しない。即ち、好ましい有機重合溶媒は水も溶解させ得るし、生成する ポリアニリン塩もそのまま溶解させ得る。本発明に有用であるこのような有機溶 媒には、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコールブチルエーテル、1− ブタノール、1−ヘキサノール及びジエチルエーテルが非限定的に含まれる。特 に好ましいのは2−ブトキシエタノールである。上記有機重合溶媒は単なる代表 例であり、用いる溶媒は上述の規準に合致する溶媒の中から広く選択可能である 。 本発明に有用な有機酸は、有機重合溶媒に溶解する。有機溶媒に溶解するもの であれば、任意の適当な有機酸を用い得る。先に述べた規準に従い有機溶媒を選 択したら、その有機重合溶媒に或る特定の有機酸が溶解するかどうかは当業者に は容易に判断できる。重合過程に用い得る有機酸には、有機スルホン酸、有機リ ン含有酸、カルボン酸、またはこれらの混合物が非限定的に含まれる。好ましい 有機 スルホン酸はドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジ ノニルナフタレンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、またはこれらの混合 物である。最も好ましいのはジノニルナフタレンスルホン酸である。有機酸対ア ニリンのモル比は約1:0.3〜約1:10、好ましくは約1:0.6〜約1: 4、最も好ましくは1:2とする。 アニリンの化学重合用のラジカル重合開始剤は当業者に良く知られている(例 えばCao等, Polymer30, pp.2305−2311, 198 9参照)。ラジカル重合開始剤は、過硫酸アンモニウム、二クロム酸カリウム、 ヨウ素酸カリウム、塩化第二鉄、過マンガン酸カリウム、臭素酸カリウムまたは 塩素酸カリウムを含めた幾つかの酸化剤のうちのいずれか任意のものとし得る。 本発明に好ましく用い得るラジカル重合開始剤は過硫酸アンモニウムである。ア ニリン対ラジカル重合開始剤のモル比は約0.2〜約10.0、好ましくは約0 .8〜約5.0、最も好ましくは約2.7とする。 本発明によるアニリンの重合は発熱反応である。従って、混合物を攪拌し、か つ反応温度を調節することが望ましい。 反応容器を攪拌する方法、及び反応容器内の温度を調節する方法は当業者に良く 知られている。反応系にとって好ましい温度は5℃である。反応は完了まで、少 なくとも乳濁液が二つの非混和相に分離するまで、典型的には約17時間進行さ せる。 水可溶化有機重合溶媒及び有機酸は共に乳化重合法及び最終的に合成されるポ リアニリン塩に影響を与える。有機酸は、2−ブトキシエタノールのような水可 溶化有機溶媒を用いてポリアニリン塩を生成させるためには低度の界面活性特性 を有していればよい。これは、有機溶媒の2−ブトキシエタノールには可溶性で あるが水には不溶性であるジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩の場 合にあてはまる。対照的に、該酸と共に疎水性有機溶媒のキシレンを用いると、 ポリアニリン塩を生成させることはできなかった。これは、乳化重合法が、特に 、有機溶媒には可溶性であるが水には不溶性のジノニルナフタレンスルホン酸の ような有機酸に対して水可溶化有機溶媒を必要とすることを示している。本発明 は特定の作用メカニズムに限定されるものではないが、キシレンを用いた場合に 重合が起こらないことについての1つの考えられる説明は、過硫 酸アンモニウムが水性相に留まり、アニリンが存在していると考えられる有機キ シレン相には分配され得ないということである。その結果、重合が起こらない。 従って、ジノニルナフタレンスルホン酸のような水不溶性有機酸を用いるアニリ ンの乳化重合には水可溶化有機溶媒相が必要である。何故ならば、水可溶化有機 溶媒を用いれば、アニリン、有機酸及び水溶性ラジカル開始剤は全て有機相に可 溶化し得ると考えられるからである。 親水性有機重合溶媒を用いると、用いた溶媒及び有機酸に応じて3種のポリア ニリン生成物が生成した。合成されたポリアニリンが有機相に可溶性であるもの 、有機相又は水に不溶性の沈殿物が形成されるもの、またポリアニリンが、沈殿 物を形成し得る乳濁液中に残留するものが生成した。 ポリアニリン塩は、最終生成物が溶液か、乳濁液か又は沈殿物であるかによっ て、数種の手段により反応混合物から単離し得る。溶液又は乳濁液の場合、有機 相中のポリアニリン塩を取り出して、水で洗浄することができる。ポリアニリン 塩の溶液又は乳濁液は、形成されたままの状態で直接用いることができる。また ポリアニリン塩は、アセ トンを添加して沈殿させてから沈殿物を水で洗浄することができる。乳化重合生 成物が沈殿物である場合、ポリアニリン塩は水で洗浄することができる。 有機酸がジノニルナフタレンスルホン酸で、有機溶媒が2−ブトキシエタノー ルの場合、有機相中の溶液が形成される。このポリアニリン塩は合成時に可溶性 であったので、該塩はさらに処理することなく合成されたままの状態で用いるこ とができた。ジノニルナフタレンスルホン酸及び、有機溶媒としてプロピレング リコールブチルエーテルを用いた場合にも溶液が形成された。 有機酸がp−トルエンスルホン酸で、有機溶媒が2−ブトキシエタノールの場 合、形成されたポリアニリン塩は、有機相には不溶性の沈殿物であった。該物質 は、重合された状態のままでは加工し得ず、さらなる処理を必要とする。従って 、溶媒として2−ブトキシエタノールを用いると、有機酸の違いによって、得ら れたポリアニリン塩が可溶性で加工可能であるかどうかが決まる。水溶性の酸p −トルエンスルホン酸からは不溶性のポリアニリン塩が生成したが、水不溶性の 酸ジノニルナフタレンスルホン酸からは、有機相に可溶性のポリアニリン塩が生 成した。 有機酸がジノニルナフタレンジスルホン酸で、溶媒がイソブタノールの場合に も沈殿物が形成された。 有機酸がドデシルベンゼンスルホン酸で、溶媒がイソプロパノール又は2−ブ トキシエタノールの場合には乳濁液が形成された。 アニオン重合テンプレートとして高分子量のペルフルオロスルホネートポリマ ーを用い、有機溶媒として2−ブトキシエタノールを用いる乳化重合法によって も、ポリアニリンのテンプレート合成を行うことができる。そのようなペルフル オロスルホネートポリマーの1種は、「Naf & Company)という商標名で市販されている、1100の等価重量を有 する加水分解H+形態のテトラフルオロエチレンとペルフルオロ3,6−ジオキ サ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリドとのコポリマーである。こ れらの置換体を用いて生成されたポリアニリンは、過剰な水を添加するとポリア ニリン塩複合体が沈殿し得る溶液を形成した。 従って、本発明のポリアニリン塩は、乳化重合法により製造された、溶液、乳 濁液又は沈殿物の形態をとること ができる。 本発明のポリアニリン塩の分子量は、約2000以上、好ましくは、約400 0以上、最も好ましくは、約10,000以上である。さらに、該ポリアニリン 塩は、粒径0.2ミクロンの限外濾過膜を容易に濾過し得る。従って、本発明の ポリアニリン塩組成物は、0.2ミクロンを超える粒径を有する粒子をほぼ95 %を超える率で含まない。 本発明のポリアニリン塩の特徴の1つは、該塩がキシレンや他の適当な有機キ ャリヤー溶媒に高濃度で溶解し得ることである。本発明の好ましいポリアニリン 塩組成物は、キシレン又は他のキャリヤー溶媒に約25%以上の濃度で溶解し得 る。ポリアニリン塩がキシレン又は他のキャリヤー溶媒に約5〜約40%の濃度 、即ち、w/w%ベースで、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20 %以上、約30%以上、約35%以上及び約40%以上で可溶化し得る組成物も 本発明の範囲内に包含される。 キシレン以外の有機キャリヤー溶媒も本発明の可溶化ポリアニリン塩組成物の 形成に用い得ることは当業者には容易に理解されよう。該キャリヤー溶媒は、ポ リアニリン塩が実質的に溶解し得るもの、及びポリアニリンを用いて、 例えば、適当な表面上に膜を形成するか又は第2のポリマーを含む複合体を形成 し得るものである。該キャリヤー溶媒は、約17未満の誘電率を有する非水性有 機溶媒である。典型的なキャリヤー溶媒には、キシレン、トルエン、4−メチル −2−ペンタノン、トリクロロエチレン、ブチルアセテート、2−ブトキシエタ ノール、n−デシルアルコール、クロロホルム、ヘキサン類、シクロヘキサン、 1−ペンタノール、1−ブタノール、1−オクタノール、1,4−ジオキサン、 シクロヘキサン及びm−クレゾールが含まれる。混合溶媒を用いることもできる 。上記のように、本発明のポリアニリン塩は、これらの溶媒に、5〜約40%以 上、好ましくは約30%以上の濃度で溶解し得る。上記に示したキャリヤー溶媒 は単に代表的な例を挙げたに過ぎず、キャリヤー溶媒は先に述べた基準に合致す る物質から広範囲に選択することができる。 本発明の乳化重合法により製造されると、有機相に可溶化したポリアニリン塩 は、キシレンを加え、水で有機相を洗浄することによりさらに処理することがで きる。次いで、該溶液を水道水アスピレーターの減圧下に真空蒸発させる。有機 溶媒の2−ブトキシエタノールから調製したジ ノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩を用いて得られた組成物は、約3 5〜約45w/w%のキシレン、約15〜約25w/w%の2−ブトキシエタノ ール及び約25〜約35w/w%のポリアニリン塩を含む。 本発明の組成物は、金属、ガラス又はプラスチックのような支持体の表面に直 接適用し得る。該ポリアニリン塩は、適当なキャリヤー溶媒に溶解して、噴霧、 ブラシによる塗布又は電気泳動塗布法のような慣用の適用法により支持体に適用 し得る。溶媒ビヒクルから適用する場合には、溶媒を風乾して除去する。 本発明の可溶性ポリアニリン塩は、別のポリマーから形成されたコーティング マトリックスに加えて、混合物を支持体に適用してもよい。さらに、該ポリアニ リン塩は、一次コーティング、例えば、トップコートの下の下塗りとして適用し 得る。 支持体に適用すると、該コーティングは標準的な接着テストでは除去されない 。そのようなテストの1つは、ASTMテスト番号D3359であり、該テスト は一般に、コーティング層に「X」又は一連の網状線をけがきして裸金属を露出 させ、けがきした部分に接着テープをはり、接 着剤を除去し、コーティング層が除去されたかどうかを観察し、除去されたコー ティングの量を、ASTMテスト番号D3359で指定された接着テスト又は塗 料産業によって許可された他の接着テストの標準格付け表と比較することを含む 。 本発明のポリアニリン塩を用いたコーティング用の支持体となり得る金属には 、鉄、鉄鋼、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、コバルト、鉛、クロム、タン タル、チタン、ジルコニウム、銀、ニオブ又はその合金が含まれる。 本発明のコーティングにより得られる特定の利点は防錆である。さらに、該ポ リアニリン塩を含む組成物から形成された防錆性コーティングにより、腐食防止 剤に一般に用いられている鉛やクロミウムの使用から発生する環境汚染問題が回 避される。 本発明により製造されたポリアニリン塩は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と の複合材料にも用いることができる。該複合材料の形成には、当業界において公 知のいずれの方法を用いてもよい。例えば、該ポリアニリン塩は、第2ポリマー に添加することができる。 以下の実施例は本発明の好ましい実施態様を説明する ものである。本明細書の請求の範囲内の他の実施態様は、本明細書に開示されて いる本発明の明細又は実施を考慮すれば当業者には明らかであろう。本明細書並 びに実施例は例示のみを目的とし、本発明の範囲及び精神は、実施例に続く請求 の範囲により示されるものとする。 実施例1 以下の実施例は、水溶性有機エマルション溶媒として2−ブトキシエタノール を用いる乳化重合法による、ポリアニリンのジノニルナフタレンスルホン酸塩の 調製を示す。 50%(w/w%)の濃度で2−ブトキシエタノールに溶解した0.1モル( 46.1g)のジノニルナフタレンスルホン酸を含む溶液を0.06モル(5. 5ml)のアニリン及び200mlの水と混合した。このようにして形成された 乳白色のエマルションを機械的に撹拌し、5℃に冷却、窒素でガスシールした。 該混合物に約1時間かけて40mlの水中7.4×10-2モル(17.0g)の 過硫酸アンモニウムを滴下した。滴下中に溶液の色が白色から琥珀色に変化した 。夜通し17時間反応を進行させた。この時点でエマルションの色は緑色になっ た。反応器の内容物をビーカーに移し、そのときに、エマルションを、ポ リアニリンを含む上部の油状緑色相と下部の無色水性相とに分離した。下部水性 相をピペットで除去し、緑色相に100mlの水を加えた。この時点で緑色のポ リアニリン相が下部相になり、無色透明の水性相が上部相になった。水性相をデ カントし、緑色のポリアニリン相を各100mlの水で2度順次洗浄した。この ようにして得られたポリアニリン相は裸眼では均質に見え、ポリマーは有機相に 溶解したままであった。 同じ方法を用いて、アニリンに対する酸の出発モル比が1:1及び1:2のジ ノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩も調製した。これは、反応混合物 の追加成分を変更せずに反応混合物中のアニリンとラジカル開始剤の両方の量を 比較増量して行った。従って、アニリンに対する酸のモル比が1:2の混合物か らポリアニリン塩を調製する際には、0.1モルのジノニルナフタレンスルホン 酸、0.2モルのアニリン及び0.25モルの過硫酸アンモニウムを用いた。 実施例2 以下の実施例は、水溶性有機エマルション溶媒としてプロピレングリコールブ チルエーテルを用いる乳化重合法 による、ポリアニリンのジノニルナフタレンスルホン酸塩の調製を示す。 0.076モル(34.83g)のジノニルナフタレンスルホン酸と、34. 83gのプロピレングリコールブチルエーテル、0.045モル(4.1ml) のアニリン及び200mlの水とを合わせてエマルションを調製した。これを機 械的に攪拌し、5℃に冷却、窒素でガスシールした。混合物に、約40分かけて 、40mlの水中5.55×10-2モル(12.66g)の過硫酸アンモニウム を滴下した。エマルションの色は茶色になった。約2時間後、2つの相が形成さ れ、有機相の色は緑色がかった青色であった。混合物の試料を取り出し、相を分 離させた。乾燥すると、透明な緑色の膜が形成された。 夜の間に該物質のバルクを反応槽から貯蔵槽に移した。有機相由来の緑色の物 質が反応槽中に残留したが、これは、プロピレングリコールブチルエーテルに容 易に溶解することが知見された。夜の間に貯蔵した物質は貯蔵後に暗緑色になっ た。水性相を除去し、有機層を200mlの水で洗浄した。 実施例3 以下の実施例は、キシレン−水エマルションからポリアニリンのジノニルナフ タレンスルホン酸塩の重合が行われない場合の水溶性有機溶媒の要件を示す。 50%(w/w)のキシレン中0.1モル(46.2g)のジノニルナフタレ ンスルホン酸を含む溶液を、0.06モル(5.5ml)のアニリン及び200 mlの水と混合した。茶色のエマルションを機械的に攪拌し、8℃に冷却、窒素 でガスシールした。該混合物に約1時間かけて40mlの水中7.4×10-2モ ル(17.0g)の過硫酸アンモニウムを滴下した。上部有機相が茶色で、下部 水性相が無色の2相混合物が形成された。反応混合物は緑色に変化せず、これは 、ポリアニリンが形成されないことを示していた。翌朝まで、約19時間後にも 、顕著な緑色は認められず、これは、ポリアニリンが形成されなかったことを示 すものであった。 キシレン相への過硫酸アンモニウムの移動又は分配をより容易にするために、 該混合物にベンジルセチルジメチルアンモニウムクロリド(1.188g)を加 えた。5時間経過しても、顕著な緑色は認められず、これは、ポリアニリンが形 成されなかったことを示すものであった。 少量の水性相を取り出し、数滴のアニリンを添加して過硫酸アンモニウムの存 在についてテストした。暗緑色がすぐに現れ、これは、過硫酸アンモニウムの酸 化を示していた。 従って、過硫酸アンモニウムが水性相に存在するのに対し、アニリンは明らか にキシレン相に分配されており、その結果、重合が生起し得なかった。 実施例4 以下の実施例は、水溶性有機エマルション溶媒として2−ブトキシエタノール を用いる乳化重合法による、ポリアニリンのp−トルエンスルホン酸塩の調製を 示す。 2−ブトキシエタノール中0.1モルのp−トルエンスルホン酸を含む溶液1 00mlを、0.06モル(5.5ml)のアニリン及び200mlの水と混合 した。乳白色のエマルションを機械的に撹拌し、5℃に冷却、窒素でガスシール した。該混合物に約25分かけて40mlの水中7.4×10-2モル(17.0 g)の過硫酸アンモニウムを滴下した。夜通し約17時間反応を進行させると、 緑色の沈殿物が形成された。該沈殿物を反応混合物から分離し、100mlの水 で3回洗浄した。このようにしてp −トルエンスルホン酸及びアニリンの重合から形成された反応生成物は、有機溶 媒に溶解したままであった実施例1のポリマーとは異なっていた。 実施例5 以下の実施例は、水溶性有機エマルション溶媒としてイソプロパノールを用い る乳化重合法による、ポリアニリンのドデシルベンゼンスルホン酸塩の調製を示 す。 70%(w/w)のイソプロパノール0.1モル(32.6g)のドデシルベ ンゼンスルホン酸を含む溶液を、0.06モル(5.5ml)のアニリン及び2 00mlの水と混合した。このようにして形成された乳白色のエマルションを機 械的に攪拌し、5℃に冷却、窒素でガスシールした。該混合物に約4時間かけて 40mlの水中7.4×10-2モル(17.0g)の過硫酸アンモニウムを滴下 した。夜通し約17時間反応を進行させた。アセトンを添加するとポリアニリン 塩が沈殿した。 実施例6 以下の実施例は、水溶性有機エマルション溶媒として2−ブトキシエタノール を用いる乳化重合法による、ポリアニリンのドデシルベンゼンスルホン酸塩の調 製を示す。 0.1モル(32.6g)のドデシルベンゼンスルホン酸と、100mlの2 −ブトキシエタノール、0.06モル(5.5ml)のアニリン及び200ml の水とを混合して溶液を調製した。それとわかるエマルションを含まない溶液を 形成した混合物を機械的に攪拌し、5℃に冷却、窒素でガスシールした。該混合 物に30分かけて40mlの水中7.4×10-2モル(17g)の過硫酸アンモ ニウムを滴下した。5分以内に溶液は青色となり、3時間後には、緑色のマイク ロ分散液が形成された。 実施例7 以下の実施例は、水溶性有機エマルション溶媒としてイソブタノールを使用す る乳化重合方法によるポリアニリンのジノニルナフタレンジスルホン酸塩の製造 を説明する。 55%(w/w)イソブタノール中のジノニルナフタレンジスルホン酸0.1 mol(54.1g)を含む溶液を、アニリン0.06mol(5.5ml)及 び水200mlと混合した。乳白色のエマルションを機械的に攪拌し、5℃に冷 却し、窒素でガスシールした。水40ml中の過硫酸アンモニウム7.4×10-2 mol(17.0g)を、75分かけて混合液に滴下添加した。反応を一晩( 1 7時間)行わせると、その時点で緑色の沈殿物が生成した。沈殿物を反応混合液 から分離し、水100mlで3回洗浄した。 実施例8 以下の実施例は、種々の有機溶媒の水溶解度と、ジノニルナフタレンスルホン 酸のポリアニリン塩の乳化重合での有効性を比較した関係を説明する。 ジノニルナフタレンスルホン酸0.01mol(4.6g)、アニリン0.0 06mol(0.56g)、ペルオキシ二硫酸アンモニウム0.0074mol (8.5g)を、有機溶媒4.6g及び水20mlと実施例1の方法により混合 した。多数の有機溶媒の、ジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩(P ANI)の乳化重合での有効性を評価した。結果を表1に示す。 表から分かるように、有機溶媒アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミ ド、テトラヒドロフラン及びジメチルスルホキシドでは全て、沈殿物の生成と共 に相が分離した。ポリアニリン塩は、これらの溶媒で生成しなかった。試験した 他の有機溶媒のうちでは、水が約6%(w/w)以上溶解するものは、ポリアニ リン塩の重合に有効であっ た。有機溶媒2−プロパノールで生成したポリアニリンは反応混合液から沈殿し 、一方1−ブタノール、1−ヘキサノール及びジエチルエーテルによって生成さ れたポリアニリンは反応混合液の有機相に溶解したままであり、ゲル浸透クロマ トグラフィーによって測定すると分子量(MW)が11,000より大のポリマ ーを得た。 水の溶解度が6%以上の有機溶媒での結果と対照的に、水の溶解度が約0.9 9%以下の有機溶媒、即ち1−ノナノール、1−オクタノール、クロロホルム及 びクロロベンゼンはポリアニリンを産生しなかった。 実施例9 本実施例は、有機重合溶媒及びキャリア溶媒キシレン中のジノニルナフタレン スルホン酸のポリアニリン塩の組成物の更なる製造を説明する。 水1033.28g、ジノニルナフタレンスルホン酸235.5g(0.51 1mol)と2−ブトキシエタノール(1.994mol)を含む471gのN acur ン28.67g(0.308mol)、水191ml中の過硫酸アンモニウム8 6.7g(0.380mol)を混合し、モル比約1:0.6(有機酸対アニリ ン)を使用して、実施例1に記載の通りジノニルナフタレンスルホン酸のポリア ニリン塩を製造した。空気でガスシールした反応混合液で6−7℃で反応を24 時間行った。 このように生成したポリアニリン塩を更に次のように処理した。キシレン(Fi scher Scientific,St.Louis,MO)1070gを反応混合液に加え、1分間混合 した。それから下層の水相を抜取り、0.01MH2SO4715mlを有機相に 加え、1分間混合した。酸洗浄により下層の水相が形成され、その水相を抜取っ た。それから洗浄水 715mlを有機相に加え、1分間混合した。それから洗浄水を抜取った。それ から残った有機相を、最高蒸発器温度58℃で、水道水アスピレーターを使用し て、ロータリーエバポレーターで濃縮し、水とキシレンを蒸留した。キシレン約 900−950mlを蒸発させた。 上記のように製造した3個のバッチを一緒にした。ガスクロマトグラフィー( GC)による分析で、プールしたサンプルは、キシレン40.8重量%と2−ブ トキシエタノール20.7重量%を含んでいることが分かった。組成物の固体含 量を測定して、ポリアニリン塩含量を推定した。プールしたサンプルのアリコー トを、16.25時間25インチHg(609.6mmHg)の真空下、127 ℃で乾燥させて、残っている固体のパーセントとして48.4%の値を得た。 過剰のジノニルナフタレンスルホン酸を使用したので、固体は、ポリアニリン 塩に加えて朱反応の酸を含む。反応により、完全にアニリンの全部が重合したと 仮定すると、(反応した酸+アニリン)対(合計酸+アニリン)の比は、ポリア ニリン塩を構成する残っている固体の分画の値として0.65であった。従って 、残っている固体の最大3 1%がポリアニリン塩でありうる。 300MHzスペクトロメーターの核磁気共鳴(1H−NMR)及びNMR溶 媒としてCDCl3を使用してキシレン対2−ブトキシエタノールのモル比も測 定した。3個の−CH2−O−基に連関するピークで2−ブトキシエタノールの NMRを同定し、メチル基と連関するピークでキシレンを同定した。ピーク下の 面積から2−ブトキシエタノールとキシレンのモル比を計算し、これから、分子 量をかけて重量比を計算した。このように、上記GC法で得られた重量比1.9 7/1(40.8%/20.7%)と好都合にも匹敵する2.41/1の重量比 を得た。 有機重合溶媒としてジエチルエーテルを使用し、実施例8の通り製造し、キシ レンで更に処理し、上記のように洗浄し、真空蒸発させると、NMR分析で、ポ リアニリン塩のキシレンベースの溶液でジエチルエーテルの存在が検出できなか った。従って、ポリアニリン塩のキシレンベースの溶液中に残っている有機重合 溶媒の量は、ジエチルエーテルの場合の約0%から2−ブトキシエタノールの場 合の約25%〜約35%の範囲であった。 実施例10 以下の実施例は、水溶性有機エマルション溶媒として2−ブトキシエタノール を用いる乳化重合方法での、テトラフルオロエチレンと加水分解H+型でのペル フルオオ3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリドの コポリマーを使用する鋳型合成を説明する。 2−ブトキシエタノール90g中に、テトラフルオロエチレンと当量(equiva lent weight)1100を有する加水分解H+型でのペルフルオオ3,6−ジオキ サ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリドのコポリマーの10%溶液 (w/w)(9.1×10-3当量)を溶解して、溶液を形成した。この物質は商 標“Nafion る。化合物は構造[(CF2CF2m−(CF2CF)]n−[O−CF2CF(C F3)]z−O−CF2CF2SO3H(m=約6.5及びZ=1)を有する。この 物質をSolution Technologies,Inc.から得た。低分子量アルコールからなる元 の溶媒系を、70℃でロータリーエバポレーターを使用して除去した。2−ブト キシエタノール中のこの物質の濁った懸濁液を得た。更に、2−ブトキシエタノ ール18.3gを、アニリン0.5ml(5.46× 10-3mol)と共に加えた。混合液を機械的に攪拌し、3−4℃に冷却し、窒 素でガスシールした。約1時間後、水100mlを淡青緑色になった混合液に加 えた。過硫酸アンモニウム(水20ml中1.5g)を反応混合液に5分で滴下 添加した。一晩(18時間)反応させた。この時点で暗緑色溶液が生成した。 過剰の水を少量の反応混合液に加えたとき、得られたポリアニリン複合体が沈 殿した。このことは複合体が水に不溶であることを示した。 実施例11 以下の実施例は、市販のプロトン酸ドーパントのポリアニリン塩を脱ドーピン グし、2−ブトキシエタノール中のジノニルナフタレンスルホン酸で再ドーピン グすることにより、ポリアニリンのジノニルナフタレンスルホン酸塩を製造する ことを説明する。 Buffalo,N.Y.)で販売されているプロトン酸ドーパントのポリアニリン塩を使 用した。これを以後C−PANIという。C−PANIを、以下のように水酸化 アンモニウムで脱ドーピングし、ジノニルナフタレンスルホン酸で再 ドーピングした。 C−PANI 31.53gを、3重量%の水酸化アンモニウム水溶液1lと 混合し、2時間攪拌した。それからこの物質を濾過し、連続的に脱イオン水10 0ml(3回)、メタノール100ml(3回),ジエチルエーテル100ml (3回)で洗浄した。それからこのC−PANI塩基性物質を室温で空気乾燥し た。この物質に、2−ブトキシエタノール中のジノニルナフタレンスルホン酸を 再ドーピングし、酸対アニリンモノマーの分子比1:2を得た。2−ブトキシエ タノール中のジノニルナフタレンスルホン酸50%溶液46.12gとC−PA NI塩基46.49gを混合して、上記のことを行い、スラリーを得た。2−ブ トキシエタノールを更にスラリーに100ml加え、スラリーを1/2インチ× 1/2インチシリンダーを有し、セラミック破砕媒質を含むローラーミルジャー に移した。スラリーを、Fischer Scientific Co.Model 755RMV ローラーミルで 破砕し、ポリマーの分散とドーピングを容易にした。一晩破砕後、ポリマーは分 散したように見え、伝導性でエメラロド色の塩の形成を示す緑色であった。分散 液のポリマー濃度は、分散液の一部を乾燥させ、残ったポリ マーの重量を計測することにより22.16%と決定された。 実施例12 本実施例は、ポリアニリンのジノニルナフタレンスルホン酸塩の、種々のキャ リア有機溶媒への溶解性を説明する。 モル比1:2のアニリン対ジノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA(1: 2))から、実施例1の通り、ポリアニリン塩を製造した。2−ブトキシエタノ ール中の60%ポリアニリン塩の組成物のサンプル10〜100mgを、試験溶 媒(0.5〜1.5g)と混合した。調製後直ちに溶解度を測定した。キシレン での溶解度を試験する場合、2−ブトキシエタノール中の60%ポリアニリン塩 の組成物2.12gを、キシレン37.64gと混合した。アセトン及び水が有 機エマルション相からポリアニリンを沈殿させ且つ洗浄するために使用される溶 媒であることにに基づき、ポリアニリンは、アセトン及び水に不溶であると表に 示してある。溶解度の評価で、Sは1重量%以上、SSは約0より大きく1重量 %未満、Iは不溶(約0%溶解)とした。ハンセン溶解度パラメーターを Frulk e (Polymer Handbook,3版、Brandrup and Immergut 編、Wiley & Sons,New Yo rk,pp.519-517,1989)から引用した。 表2は、ポリアニリン塩組成物は、約17未満の誘電定数を有する有機溶媒中 で1%より大の濃度で溶解することを示す。 実施例13 以下の実施例は、実施例1の乳化重合方法によって製造されたジノニルナフタ レンスルホン酸のポリアニリン塩の限外濾過と、実施例11の中和及び再ドーピ ングによって製造されたジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩の限外 濾過を比較する。4ケ月ポリマーを浸した後、実施例11で製造した物質4.2 746gをキシレン25mlに加えた。この物質の全部ではないが幾分かは溶解 した。溶解したポリアニリン塩を含む溶液の一部を乾燥させ、重量を計測し、溶 液の実際の濃度は2.7%であると測定した。この溶液の部分10mlを、0. 2ミクロンフィルター(Fluoropore PTFE,Sigma Chemical Co.)を装着した1 0mlシリンジに移した。溶液0.48gをフィルターを通過させた後、フィル ターは詰まり、それ以上の物 質は濾過できなくなった。濾過液を乾燥させ、重量を計測し、濾液中のポリアニ リン濃度は2.34%であると測定された。これは、溶解した物質が12%損失 したことを示した。0.5及び1.0ミクロンフィルターを使用する更なる濾過 を試みると、フィルターは直ちに詰まり、1ミクロンより大の粒子が物質に存在 することを示した。 2-ブトキシエタノール中にジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩 を60重量%含む溶液の2.12gサンプルを、1:2モル比の酸:アニリンを 使用して、実施例1の通り製造した。これをキシレン25mlに溶解させ、4. 99重量%の濃度を得た。溶液の一部10mlを、上記の0.2ミクロンフィル ターを装着した10mlシリンジに移した。10ml全部は、詰まることなく0 .2ミクロンフィルターを容易に通過し、濾液は4.83%に達するポリアニリ ン塩の濃度を有することが知見された。未濾過溶液と比較して濃度の減少は3. 2%であった。 ジノニルナフタレンスルホン酸で脱ドーピングし、再ドーピングされたC−P ANIは、0.2ミクロンより大の直径を有する粒子の形態で、この物質を少な くとも12.2%含むことが決定された。比較すると、乳化重合によっ て製造されたジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩の3.2%だけが フィルターを通過しなかったが、それ故、この物質の少なくとも96.8%が0 .2%より大の直径を有する粒子を含まない。 実施例14 この実施例は、実施例10におけるようにジノニルナフタレンスルホン酸をド ーピングしたC−PANIの光学顕微鏡写真と比較して、実施例1の通りの乳化 重合で製造されたジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩の光学顕微鏡 写真を説明する。 市販のC−PANIから製造されたジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニ リン塩を、実施例10のように中和し、ジノニルナフタレンスルホン酸を再ドー ピングして製造した。C−PANIから得られた物質の少量をキシレン中に置き 、顕微鏡スライドに広げ、カバースリップで覆った。乾燥後、約25ミクロンの 直径を有する粒子を、800倍で光学顕微鏡で観察した(図1A)。観察した粒 Synth Met 57:3532-7,1993)で報告された50μm直径の粒子と同様であった 。 モル比1:2の酸対アニリンを使用する、実施例1からの有機相中のポリアニ リン塩の少量を、キシレン中に溶解させ、顕微鏡スライドに広げた。それからカ バースリップを溶液の上に置いた。800倍の光学顕微鏡では粒子は観察されな かった。乾燥しても、800倍の光学顕微鏡では粒子は見えなかった(図1B) 。このことは、乳化重合方法は、光学顕微鏡の分解限界である約0.5ミクロン より大の直径を有するポリアニリン粒子を産生しないことを示した。 実施例15 この実施例は、実施例11におけるようにジノニルナフタレンスルホン酸を ドーピングした市販のC−PANIと比較して、実施例1の通りの乳化重合で製 造されたジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩のenvironmental走査 電子顕微鏡写真を説明する。 Electroscan Corporation ( Wilmington,Massachusetts)の El ectroScan Environmental Scanning Electron Microscope を使用した。標本チ ャンバーの圧力を約10Torrに保った。 実施例10のように製造したジノニルナフタレンスル ホン酸のC−PANI−由来ポリアニリン塩の少量を標本プラットホームに置い た。約7000倍の電子顕微鏡写真を得た。顕微鏡写真は、密であり、一様でな く分散し、直径2μm以上で、小滴間で幾分明らかな橋かけを有する小滴を含む 物質を示した(図2A)。 1:2のモル比の酸対アニリンを使用して、実施例1の乳化重合方法の有機相 中のジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩の少量を、標本プラットフ ォームに置いた。7000倍で、この物質は、C-PANI−由来物質よりもより細か く、より密でなく、より一様に分散しているようであった(図2B)。約0.5 μmより小さい直径を有する、ポリマー−溶媒ドメインであるように見えるもの が存在した。 実施例16 本実施例は、乳化重合方法で製造されたジノニルナフタレンスルホン酸のポリ アニリン塩によるガラス基層のコーティングを説明する。 モル比1:0.6の酸/アニリンを使用して、実施例1で製造したジノニルナ フタレンスルホン酸のポリアニリン塩を含む緑色のポリアニリン相の少量を、攪 拌棒で得て、 顕微鏡スライドの上にコートした。それからコートされたスライドを、減圧Hg 20インチで、窒素雰囲気下、105℃のオーブンに置いた。一晩乾燥させた。 コーティングは疎水性であった。このことは、加えた水が表面に集まったこと で示された。光学顕微鏡でのフィルムの可視検査で、明らかな粒子の存在しない 均一なフィルムであることが分かった。従って、組成物は、光学顕微鏡の分解限 界である、0.5ミクロン以上の直径を有する粒子を含まない。 電極間が約1cmの距離で、オーム計の鉛とフィルムを接触させて、フィルム の伝導率を測定し、約50〜230キロオームの範囲の抵抗の値をコーティング の異なる製造物で測定した。 実施例17 本実施例は、乳化重合法によって製造されたジノニルナフタレンスルホン酸の ポリアニリン塩で鋼鉄片をコートすることを説明する。 モル比1:0.6の酸/アニリンを使用して、実施例1で製造したジノニルナ フタレンスルホン酸のポリアニリン塩を含む緑色のポリアニリン相の少量を、攪 拌棒で得て、 C1018炭素鋼鉄片の上にコートした。それからコートした片を実施例13に 記載のように乾燥させた。 水はコーティングの表面に集まる傾向があった。このことは、コーティングは 、実施例15においてフィルムで観察されたように疎水性であることを示した。 更に、フィルムは、ASTM D 3359(Annual Book of ASTM Standards,V ol.6.01,1992,pp.447-450)に従いクロスカットテープ試験を使用して、0〜 5のスケールで4の接着評価を有した。 実施例18 本実施例は、粉末物質から形成されたペレットで測定したポリアニリン塩の伝 導性を説明する。 乳化重合で製造したポリアニリン塩の伝導率を測定し、水性重合で製造した、 又は市販型で得た市販の、もしくは酸をドーピングしたポリアニリン塩の伝導率 と比較した。ジノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA,1:0.6;DNN SA,1:1,DNNSA1:2)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA )、及びジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNDSA)のポリアニリン塩の 乾燥型を、それぞれ実施例1、5、7のように製造し、減圧 Hg20インチで、窒素雰囲気下、105℃のオーブンで約24時間乾燥した。 ポリアニリン塩p−トルエンスルホン酸(PTSA−AP)を、Han らのPC T出願WO 92/11645 の実施例1に記載の水性−溶液重合によって製造した。簡 単に説明すると、アニリンとp−トルエンスルホン酸の水溶液に、過硫酸アンモ ニウム水溶液を15℃で40分かけて加え、それから反応を0.5時間続けさせ た。得られた沈殿をトルエンスルホン酸水溶液で洗浄し、次にメタノール洗浄を した。それから沈殿を上記のように乾燥させた。 プロトン酸ドーパントのポリアニリン塩、C−PANIは市販のものを購入し た。C−PANIのジノニルナフタレンスルホン酸塩(DNNSA C−PAN I)を、Caoら(Cao,Y., Addreatta, Heegert,A.J., Smith, P., Polymer 3 0: 2304-3211,1989)の方法により、水酸化アンモニウム水溶液でC−PANI を中和し、ジノニルナフタレンスルホン酸で再プロトン化して製造した。 乾燥粉末形態のポリアニリン塩を、13mm直径のMacro-Micro KBR ダイと1 2トン laboratory hydraulic プレスを使用してペレットに圧縮した。粉末をダ イに入れ、 2000 lbsの圧力をかけた。このように形成された各ペレットの直径と厚 さを測定した。ペレットはディスクの形態であった。伝導率を測定する際に、同 じクロス面積を有する2個の銅接触パッドでペレットをサンドイッチ様にはさみ 、オーム計を使用して抵抗を測定した。鉛の抵抗は、DNNSAの場合0.67 オーム、DNNSA(C−PANI)の場合、0.848オーム、DNNDSA の場合0.313オーム、DDBSA、PTSA−AP及びC−PANIの場合 0.735オームであった。次の式を用いて伝導率を計算した。 伝導率=(厚さ)/(抵抗×面積)=d/(RA) 伝導率測定の結果を表3に示す。 乳化重合方法で製造したDNNSAは、中和C−PANIをジノニルナフタレ ンスルホン酸でドーピングして製造したDNNSA(C−PANI)の伝導率よ り約200倍大きい伝導率を有した。DNNSA(C−PANI)の低い値は、 ポリアニリンは酸で十分にドーピングされなかった可能性があることを示唆する 。 実施例19 本実施例では、乳化重合方法で製造したポリアニリン塩の分子量の平均を測定 した。 分子量分析を、実施例1、4、5で製造したポリアニ リン塩についてサイズ排除クロマトグラフィーを使用して行った。これらは、ジ ノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA(1:0.6))、p−トルエンスル ホン酸(PTSA(1:0.6))、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA (1:0.6))のポリアニリン塩であった。括弧内に示すように、これらは、 酸とアニリンのモル比を1:0.6にして製造された。更に、C−PANIの分 子量平均を得た。ぎ酸アンモニウムで飽和したn−メチルピロリン中に濃度5m g/mlで溶解させることによって、ポリアニリン塩を最初に非伝導性型に転換 した。各ポリマーの少量は、ぎ酸アンモニウムで飽和したn−メチルピロリン中 で不溶であった。不溶物質を遠心分離し、上清を分子量分析で使用した。 サイズ排除クロマトグラフィーを、ぎ酸アンモニウムで飽和したn−メチルピ ロリンで平衡化した、102、103、104Å平均透過性styragelカラムを用い て行った。温度を45℃に維持し、流速は0.5ml/分であった。1.1×1 06〜500の分子量の範囲の14個のポリスチレン目盛り標準を使用した。数 平均(Mn)、重量平均(Mw)、Z−平均(Mz)分子量平均を、ポリスチレン 標準と比較して測定した。表4に示す値は、各サンプルの可溶性画分で行った2 回の測定の平均を表す。 一般的に、試験したポリアニリン塩は幅広いサイズ排除クロマトグラムを示し た。スルホン酸成分はポリアニリンピークから分離し、分子量計算に含まれなか った。 Mw/Mn比は、分子量分布の評価を提供する。ジノニルナフタレンスルホン酸 で得た値は1.58であったが、それはC−PANIで得た値1.61と同等で あるが、p−トルエンスルホン酸又はドデシルベンゼンスルホン酸で得た値より 小さい。このことは、ジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩は、p− トルエンスルホン酸又はドデシルベンゼンスルホン酸のポリアニリン塩より狭い 範 囲の分子量分布を有することを示唆した。 実施例20 本実施例はポリアニリン塩の熱分析を説明する。 Omnitherm STA 1500 を用いて、同時差熱分析及び熱重力分析によって分析を 行った。実施例1(DNNSA,1:0.6),4(PTSA)、5(DDBS A)、7(DNNDSA)のように製造したポリアニリン塩を評価した。これら は、200℃まで安定であることが知見され、それは市販のポリアニリン塩組成 物C−PANIで得られた値と一致した。 実施例21 以下の実施例は、乳化重合で製造されたプロトン酸のポリアニリン塩の元素分 析を説明する。 元素分析は、Galbraith Laboratories Inc,knoxville,Tennessee によって 行われた。炭素、水素、窒素の測定では、ASTM D5291法(Annual Book of ASTM Standards,Vol.5.03,1993,pp.460-4)を用いた。硫黄測定には、A STMD 4239法(Annual Book of ASTM Standards,Vol.5.05,pp.392-400 )を用いた。酸素測定には、Leco Model RO-478 Oxygen Determinatorを用いた 。 結果を表5に示す。ジノニルナフタレンスルホン酸のポリアニリン塩(DNN SA(1:0.6)、実施例1、1:0.6モル比 酸対アニリン、2-ブトキ シエタノール溶媒;DNNSA(1:1)、実施例1、1:1モル比酸対アニリ ン、2-ブトキシエタノール溶媒;DNNSA(1:2)、実施例1、1:2モ ル比 酸対アニリン、2-ブトキシエタノール溶媒)、ジノニルナフタレンジス ルホン酸のポリアニリン塩(DNNDSA(1:0.6)、実施例7、1:0. 6モル比 酸対アニリン、イソブタノール溶媒)、ドデシルベンゼンスルホン酸 のポリアニリン塩(DDBSA(1:0.6)、実施例5、1:0.6モル比 酸対アニリン、イソプロパノール溶媒)、p−トルエンスルホン酸のポリアニリ ン塩(PTSA(1:0.6)、実施例4、1:0.6モル比 酸対アニリン、 2−ブトキシエタノール溶媒)、プロトン酸の市販のポリアニリン塩(C−PA NI)、ジノニルナフタレンスルホン酸をドーピングしたプロトン酸の市販のポ リアニリン塩(DNNSA(C−PANI)、実施例10、1:2モル比酸対ア ニリン)。DNNSA(1:0.6)、DNNSA(1:1)、C−PANI、 PTSA(1:0.6)は、 (カチオン性アニリンモノマー)対(酸のアニオン)の化学量論が1:1である ことを示す期待値と同様の%S/%Nの測定値を有した。DNNDSA(1:0 .6)とDDBSA(1:0.6)の%S/%Nの測定値は、期待値を超えてい たが、これは、過剰の酸が存在することを示した。DNNSA(C−PANI) の%S/%Nの測定値は、期待値より小さかった。このことは、アニリンは酸で 十分にドーピングされていないことを示した。 上記から、本発明の幾つかの利点が達成され、他の有利な結果が得られること が分かる。 本発明の範囲を離れることなく、種々の変化が上記方法と組成物においてなさ れることができたので、上記説明に含まれ、付随の図面に示す全ての事柄は、例 示と解釈されるものであって、限定と解釈されるものではない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年9月17日 【補正内容】請求の範囲 1. ポリアニリン塩を製造する方法であって、水と、水を6 w/w %以上 の濃度で溶解させ得る水可溶化有機溶媒と、前記有機溶媒に溶解する有機酸と、 アニリンと、ラジカル重合開始剤とを配合することを含み、有機酸のポリアニリ ン塩を含有する有機相を生成させ、この有機相が水性相から分離可能であること を特徴とする方法。 2. 水可溶化有機溶媒がポリアニリン塩を溶解させ得ることを特徴とする請求 項1に記載の方法。 3. 水可溶化有機溶媒の誘電率が約17未満であることを特徴とする請求項2 に記載の方法。 4. 水可溶化有機溶媒を2−ブトキシエタノール、プロピレングリコールブチ ルエーテル、1−ブタノール、1−ヘキサノール、ジエチルエーテル、及びこれ らの混合物の中から選択することを特徴とする請求項3に記載の方法。 5. 有機酸がスルホン酸、リン含有酸、カルボン酸、またはこれらの混合物で あることを特徴とする請求項4に記載の方法。 6. 有機酸が有機スルホン酸であることを特徴とする請求項5に記載の方法。 7. 有機スルホン酸がジノニルナフタレンスルホン酸であることを特徴とする 請求項6に記載の方法。 8. 有機酸が加水分解したH+形態のペルフルオロ3,6−ジオキサ−4−メ チル−7−オクテンスルホニルフルオリドとテトラフルオロエチレンとのコポリ マーであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AU,BB,BG,BR,BY,C A,CN,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP ,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV, MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,R O,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,UA ,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ポリアニリン塩を製造する方法であって、水と、水可溶化有機溶媒と、前 記有機溶媒に溶解する有機酸と、アニリンと、ラジカル重合開始剤とを配合する ことを含み、有機酸のポリアニリン塩を含有する有機相を生成させ、この有機相 が水性相から分離可能であることを特徴とする方法。 2. 水可溶化有機溶媒が水を6 w/w %以上の濃度で溶解させ得、この水 可溶化有機溶媒はポリアニリン塩も溶解させ得ることを特徴とする請求項1に記 載の方法。 3. 水可溶化有機溶媒の誘電率が約17未満であることを特徴とする請求項2 に記載の方法。 4. 水可溶化有機溶媒を2−ブトキシエタノール、プロピレングリコールブチ ルエーテル、1−ブタノール、1−ヘキサノール、ジエチルエーテル、及びこれ らの混合物の中から選択することを特徴とする請求項3に記載の方法。 5. 有機酸がスルホン酸、リン含有酸、カルボン酸、またはこれらの混合物で あることを特徴とする請求項4に記載の方法。 6. 有機酸が有機スルホン酸であることを特徴とする請 求項5に記載の方法。 7. 有機スルホン酸がジノニルナフタレンスルホン酸であることを特徴とする 請求項6に記載の方法。 8. 有機酸が加水分解したH+形態のペルフルオロ3,6−ジオキサ−4−メ チル−7−オクテンスルホニルフルオリドとテトラフルオロエチレンとのコポリ マーであることを特徴とする請求項4に記載の方法。 9. アニリンが式 〔式中 R1及びR2は独立に水素またはアルキルであり、 R3〜R7は独立に水素、アルキル、アリールアルキル、アルカリール、ヒドロキ シ、アルキルオキシ、ハロゲンまたはニトロである〕を有することを特徴とする 請求項4に記載の方法。 10. ラジカル重合開始剤が過硫酸アンモニウムであることを特徴とする請求 項9に記載の方法。 11. キシレンに対して約25重量%以上の溶解度を有するポリアニリンの導 電性有機酸塩を含有することを特徴とする組成物。 12. 有機酸がスルホン酸、リン含有酸、カルボン酸、またはこれらの混合物 であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。 13. 有機酸が有機スルホン酸であることを特徴とする請求項12に記載の組 成物。 14. 有機スルホン酸がジノニルナフタレンスルホン酸であることを特徴とす る請求項13に記載の組成物。 15. 有機酸が加水分解したH+形態のペルフルオロ3,6−ジオキサ−4− メチル−7−オクテンスルホニルフルオリドとテトラフルオロエチレンとのコポ リマーであることを特徴とする請求項11に記載の組成物。 16. ポリアニリン塩の分子量が約4000より大きいことを特徴とする請求 項14に記載の組成物。 17. 0.2μm以上の粒径を有する粒子を5%以下の量でしか含有しないこ とを特徴とする請求項16に記載の組成物。 18. ポリアニリン塩が式 〔式中 R1は水素またはアルキルであり、 R2〜R5は独立に水素、アルキル、アリールアルキル、アルカリール、ヒドロキ シ、アルキルオキシ、ハロゲンまたはニトロである〕を有するモノマー単位を含 むことを特徴とする請求項17に記載の組成物。 19. 請求項18のポリアニリン塩を非水性有機キャリヤ溶媒に溶解させた溶 液を含有することを特徴とする組成物。 20. 非水性有機キャリヤ溶媒の誘電率が約17未満であることを特徴とする 請求項19に記載の組成物。 21. 6 w/w %以上の水を溶解させ得る水可溶化有機溶媒をも含有する ことを特徴とする請求項20に記載の組成物。 22. 有機キャリヤ溶媒が約35〜約60 w/w %の濃度で存在し、水可 溶化有機溶媒は約0〜約25 w/ w %の濃度で存在し、ポリアニリン塩は約25〜約45 w/w %の濃度で 存在することを特徴とする請求項21に記載の組成物。 23. 水と、6 w/w %以上の水を溶解させ得る水可溶化有機溶媒と、ポ リアニリンの有機酸塩とを含有する乳濁液から成ることを特徴とする請求項11 に記載の組成物。
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