JPH10510323A - シリンダ部材及びニッケル基表面合金 - Google Patents

シリンダ部材及びニッケル基表面合金

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JPH10510323A JP8518089A JP51808996A JPH10510323A JP H10510323 A JPH10510323 A JP H10510323A JP 8518089 A JP8518089 A JP 8518089A JP 51808996 A JP51808996 A JP 51808996A JP H10510323 A JPH10510323 A JP H10510323A
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Abstract

(57)【要約】 内燃機関において、バルブ、シート部分、ピストン又はシリンダーライナーのようなシリンダー部材には溶接された高温耐食性表面合金が用いられる。溶接された合金の硬度は、固体状態相変態に基づく析出硬化機構によって増大する。析出硬化機構の活性化のための温度は合金の操作温度より高い。析出硬化機構は非常にゆっくり起こるため、合金は実質的にはシリンダ部材への溶接では硬化せず、析出硬化機構のための活性化温度より高い温度での引き続き行う熱処理の間硬化する。重量%で表現され、一般的に生じる不純物を除いて、ニッケル基表面合金は、40から51%のCr、0から0.1%のC、1.0%未満のSi、0から5.0%のMn、1.0%未満のMo、0.05から0.5%未満のB、0から1.0%のAl、0から1.5%のTi、0から0.2%のZr、0.5から3.0%のNb、CoとFeの集合含有量が最大5.0%、最大0.2%のO、最大0.3%のN及び残部Niを有する。

Description

【発明の詳細な説明】 シリンダ部材及びニッケル基表面合金 技術的分野 本発明は、内燃機関、特に大きな2ストローク・クロスヘッドエンジンにおけ るバルブ、シート部分、ピストン又はシリンダライナーなどのシリンダ部材(そ の部材には、溶接された高温耐食性表面合金が用いられている)、及び、例えば そのようなシリンダ部材に溶接されるかもしれないニッケル基の表面合金に関す る。背景技術 内燃機関の排気バルブのための多くの異なった表面合金が知られている。WO 92/13179は、例えばニッケル基合金、アロイ(Alloy)50、コバルト基 合金、ステライト(Stellite)6、及びニッケル基合金、その最も重要な合金成 分は20-24%のCr、0.2-0.55%のCおよび4-7%のAlである合 金の使用を記述している。 EP−A−O 521 821は、インコネル(Inconel)625の溶接された 層が用いられるか、または不可避の不純物は別として0.04-0.05%のC 、47-49%のCr、0.3-040%のTiおよび残部Niから成るインコネ ル(Inconel)671の層がさらに説明されない方法で用いられる、ニモニック (Nimonic)で作られたバルブを記述している。合金インコネル(Inconel)6 71が、とりわけ20-22%のCr、8.0-9.5%のMo、3.15-4. 15%Nb+Taおよび残部Niを含むインコネル(Inconel)625のものと同 様の耐食性を提供しないことが言及されている。 DT−OS 24 46 517は、最大0.05%のC、1.0-5.0%のS i、最大1.0%のMn、20-50%のCr、0.5-3.0%のB、最大3. 0%のCu、最大5.0%のFe及び残部Ni(ここで、Cr(%)≧10×B (%)+ 13)からなる溶接合金によって粒間腐食を防止しようとする原子炉の ための表面合金について記述する。具体例は、B含有量が1.13〜2.86% の範囲の合金について言及している。 SE−B−422 338は、クロム含有コバルト合金によって3000℃を 超える温度でコーティングされるクロム含有ニッケル合金の基本的なボディーを 有する内燃機関のためのバルブであって、合金の構造と寸法を安定させて粒間腐 食を打ち消す目的でその部材が動作温度よりも高い温度で機械的な加工と時効に かけられるものを記述する。 DK-B-165125は、13-17%のCr、2-6%のAl、0.1-8% のMo、1.5-3.5%のB、0.5-3%のTi、4-7%のCoおよび残部 Niを含む高温耐食性表面合金を有する内燃機関のために排気バルブについて記 述している。 内燃機関の排気バルブのための他の多くの表面合金が、ロンドンの海洋機関士 の専門学校からの1990年に出版された「重燃料操作のためのディーゼルエン ジン燃焼室の材料」の本の「現在のバルブ材料を用いた操作経験についの論評」と いう記事から知られている。 バルブの既知の表面仕上げの目的は、とりわけ、重油燃料ディーゼルエンジン のおける非常に腐食性の環境によって材料が腐食しないように部材の表面に優れ た高温耐食性を提供し、シート領域の場合はへこみマークが形成されないように 高硬度の表面を提供することであり、同時に、堆積された材料が材料内に低温割 れの形成を起こさないように高い延性を有すべきである。 既知のバルブ合金において、表面の硬度は、主として合金の基本的な母相中で 炭化物ネットワーク、硼化物及び/又はNi3Al(γ′)、μ相、σ相又はラー ベス相のような金属間化合物の析出によって、および溶解硬化によって提供され てきた。既知の溶接された表面合金は、以下の溶接する部材の冷却において溶接 材料中の低温割れにさらされ、つまり、割れが直接的に溶接の終わりに存在する 。低温割れは廃棄か溶接された表面による部材の修理のどちらかを必要とする。 既知のホウ素含有合金は非常に延性が低いので、低温割れの問題はこれらの既知 の表面合金で特に著しい。ここでBは合金の硬度と耐磨耗性を増加させる目的で 、硼化物の析出させるため使用される。 鋳造部材の場合、特に重油燃料燃焼物からの硫黄とバナジウムを含む環境にお いて良好な高温耐腐食性を達成するため、50% Cr 50% Ni型合金又は 4 8-52%のCr、1.4-1.7%のNb、最大0.1%のC、最大0.16% のNi、最大0.2%のC+N、最大0.5%のSi、最大1.0%のFe、最 大0.3%のMg及び残部Niから成るIN 657型合金の使用が知られている 。 鋳造後、合金はニッケルリッチγ相とクロムリッチα相を包含するが、両方の 相は、合金の正確な分析に依存して、主要な樹枝状晶構造を構成するかもしれな い。これらの合金は700℃を超える運転温度で時効硬化し、室温で4%未満の 延性で特徴付けられる脆化を生じる。これらの比較的乏しい強度特性のために、 合金は、強度に関して特別な要求の無い鋳造部材として排他的に使用されている 。 EP−A−0529208は、車のエンジンのバルブ上のバルブシート部で溶 接するためのクロム基の硬化肉盛合金について記述している。合金は30-48 %のNi、1.5-15%のタングステン及び/又は1.0-6.5%のモリブデ ン、及び残部が少なくとも40%のCrを含む。溶接はレーザービーム溶接によ って行われ、固化したクロム含有α相の冷却の際、ニッケル含有相が析出する。 タングステンとモリブデンは合金の溶解促進効果を有し、その強度にきわめて貢 献する。炭化物の形成で硬度を増加させるために、0.3-2.0%の量でCを 加えることができ、硼化クロムの形成で硬度を増加させるために、0.1-1. 5%の量でBを加えることができる。炭化物と硼化物と同様に硬度を増加させる 金属間化合物を形成するために1.0-4.0%の量でNbを加えることができ る。従って合金の硬化は、合金のクロム含有の基母相中に炭化物ネットワーク、 硼化物及び/又は金属間化合物の析出により、及び上記合金の溶解硬化により、 溶接によって即時に生み出される。その結果、溶接過程と直接的に結びついた割 れを避けるために、レーザービーム溶接のようなかなりの注意と特別な溶接方法 が適用されなければならない。大きい海洋エンジンのためのシリンダ部材のよう な大きい部材の溶接は、例えばバルブが300-500mmのディスク直径を持 っているかもしれないが、この既知の合金では商業的にほとんど実行可能でない 。発明の開示 本発明の目的は、内燃機関の動作室における環境での熱間腐食に対する高い抵 抗を有し、同時に溶接に関して割れの危険性が既知の合金よりも実質的に低くそ の結果適度に高い溶融速度をもった溶接方法を商業的ベースで大きな部材に合金 を溶接するために使用することができる、シリンダ部材と表面合金を提供するこ とである。 この目的の観点から、本発明によるシリンダ部材は、固体状態の相変態に基づ く析出硬化機構によって溶接合金の硬度を増加させること、析出硬化機構を活性 化する温度は合金の操作温度より高いこと、及び析出硬化機構は非常にゆっくり 起こるので合金は実質的にはシリンダ部材上で溶接によって硬化するのではなく 析出硬化機構のための活性化温度より高い温度で引き続き行われる熱処理の間に 硬化すること、において特徴付けられる。 溶接された表面合金の固化の後に材料の熱処理を通して固体状態の相変態によ って合金の硬化を主として誘発することによって、所望の硬度は固化の間に既知 の合金においてより実質的に少ない共晶と硬化相の析出で達成される。これは、 熱間ひび割れを防止する主要な樹枝状の析出物との互いの結合を強化する。 ゆっくり起こる硬化機構は以下に詳細が述べられるように合金が応力緩和され た後引き続いて行われる熱処理で合金の硬度を増加させるので、溶接の後に直接 的に生じる冷間割れが防止される。終了した機械的な加工の後に部材が熱処理さ れるまで、溶接された表面合金は例えば、25%の高い延性を保有し、これによ り合金の降伏応力に相当する溶接後の残留応力が割れを発生させるのを防止する 。また、ここに言及された型の表面合金の降伏応力は、まさしく応力緩和を達成 するための温度が増加するのと同様に、合金の硬度の増加に従って増大する。硬 化機構のための活性化温度に加熱している間、溶接されたまだ非常に延性がある 合金は応力緩和によって残留応力を解放する温度レベルにさらされるようになる 。硬化の前の合金の低硬度は迅速かつ低温で応力を軽減させる。 固体状態の相変態を達成するために、合金の組成は、選択された分析値の周り の領域で相図において描かれた合金の主要素が、例えばある相領域はBCC(体 心立方)の結晶格子形態を含み、他はBCCといわゆるFCC形態(面心立方) との混合物を含む、2つの異なる相領域間の平衡状態のための斜めの分割線を示 すように選ばれなければならない。他の例としては、相互に外れた側長を有する 2つのFCC形態に言及される。また、溶融池の急速な固化とその後の合金の冷 却はそれ自身を平衡状態に調整する時間を有しない。すなわち合金が1つの相の 非常に大きすぎる割合を有するであろう平衡状態に関して判断される。その後の 硬化温度を超える温度での加熱のときに、十分に表されていない相は過度に表さ れる相中に点析出されるだろう。それは結晶のゆがみを伴う内部応力を生みだし 転位が結晶粒子を通じて移動するのを妨げ、それによって合金は高硬度を達成す る。ある相から他の相への変態は合金成分の拡散を通じて起こり、それは極めて 小さな点析出が生じ、それは非常に細かく分散されているため得られる合金が非 常に均一な微小硬度を有する。そのような固体状態の相変態がそれ自身他の合金 から知られているが、本発明の重要な特徴は以下のようである。表面合金の選択 された分析値により、変態は非常に長く起こるのでちょうど溶接された材料が硬 化温度より低く冷却されるまで、それは経過時間において活性化しない。溶接さ れた材料が硬化するまで高い延性を保持するので、シリンダ部材は問題無く最終 的な形状へ機械加工にさらされ、その後硬化が達成される。 シリンダ部材には、好ましくは、溶接中主としてオーステナイト相で固化しそ の一部が析出硬化機構のための活性化温度より高い温度でフェライト相に変態す る表面合金が用いられている。オーステナイトFCC形態中にフェライトBCC 形態のこの析出を起こさせることは高硬度を達成できる利点があり、この析出は 2成分系Cr-Ni相図がオーステナイト系のニッケルリッチ相とよりクロムリ ッチ相領域との間に特有のわずかにS型の分割線を有するように、通常ニッケル とクロムとを含む表面合金に関して特に適している。 合金の析出硬化のための活性化温度は、550〜1100℃の間隔、好ましく は700〜850℃の間隔が適切であり、同時に析出硬化機構の活性化は前記活 性化温度が40秒を超える、適切には20分を超えることを必要とする。そのよ うな硬化機構を伴う、シリンダ部材の表面合金は、部材の製造のために溶融速度 を有利に高くする溶接方法と大きな2ストローク・クロスヘッドエンジンのシリ ンダ部材において生じる操作温度とに特に適用される。もしシリンダ部材が、よ り小さいエンジンで使用されるなら、他の温度レベルが選ばれるかもしれない。 好ましくは、重量%で表現され、一般的に生じる不純物を除いて、シリンダ部 材の表面合金は、40から51%のCr、0から0.1%のC、1.0%未満の Si、0から5.0%のMn、1.0%未満のMo、0.05から0.5%未満 のB、0から1.0%のAl、0から1.5%のTi、0から0.2%のZr、 0.5から3.0%のNb、最大5.0%のCoとFeの集合量、最大0.2% のO、最大0.3%のN及び残部Niを有する。 多量のCrは良く知られた方法で関連した操作環境下でニッケル合金の腐食特 性を促進する。溶接された合金は、500〜700℃の操作温度において、シリ ンダ部材上の既知の硬化肉盛より良好な腐食特性と高い硬度を有し、上記鋳追ニ ッケル合金より良好な機械特性を有する。Cr量のための言及された間隔を外れ ると、低Cr間隔の限界に達しないときは活性化温度が低くなり過ぎ、もし高C r間隔の限界を超えるならば、合金の凝固の間隔が増大し、フェライトが固くて 脆い相内に析出するかもしれず好ましくない延性の低下をもたらすので、固相変 態は適切な方法で達成されることができない。他の合金組成の量は、2つの関連 相の間の相図における分割線の正確な位置決めを決定し、それは他の合金組成が 知られている時硬化のための望ましい活性化温度を達成するためのテストによっ て、きめ細かくCrの最適な量を調整することができることを意味する。 B量は驚いたことに高いCr量を有するニッケル合金の溶接性に決定的である ことが判明した。既に0.05%のような少量で、Bは、溶液の固化をセル状固 化から樹枝状固化に変化させ、樹枝状の枝が結合し構造上の組成物の幾何学的な からみ合いを生じ、より拡張した平面フィルム層が最終的な融液中で固化するの を妨げる。従って、Bの量は溶接での熱間割れに対する合金の高抵抗性に実質的 に寄与する。Bは主としてγ相とα相に不溶で、固化物が多くの硼化物を伴う共 晶を含んでいることが考えられる。0.5%及びそれ以上のB量で、共晶及び関 連した硼化物の量は、望ましい延性の合金に対して破壊的なレベルまで増加する 。多量のBは良く知られた好ましくない低融点の強度の小さい共晶の析出を又引 き起こすかもしれない。 Nbは、固相変態が薄層状の(lamnellar)析出よりむしろ球形の析出を起こ させるのに影響を及ぼす。それは熱処理の後に存在している合金の延性を増加さ せる。これは操作の間に機械的な影響にさらされているシリンダ部材に特に重要 である。Ta.TiおよびZrで対応する効果を達成することができるが、Ta は非常に高価で、1.5%以上のTiは溶接で合金を部分的に硬くしもろくする 金 属間化合物の析出を引き起こすかもしれず、0.2%を超えるZrの量は溶接で 熱間ひび割れをもたらすかもしれない。 1.0%未満のモリブデンの量は、合金により大きな張力を与える溶解助長効 果でオーステナイト系相を強化するのに寄与するかもしれない。 Si、MnおよびAlは溶接で脱酸効果を有し、それゆえ溶接欠陥を避けるた めに溶接で使用されるフィラー材料中の成分として好ましい。脱酸剤のいくらか が溶接で焼失するけれども、それの一部が完成した合金に残るだろう。SiはB の望ましい効果を減少させ、それより大きい量の添加を必要とするので、1%未 満にSiを制限することが望ましい。Mnは全く効果的な脱酸剤ではなく、完成 した合金で活性成分を希釈しないように最大5%に量を制限するのが望ましい。 1%を超えるAl量は、溶接過程の間既にニッケルマトリックスの硬度を増加さ せる金属間化合物相Ni3Alの望ましくない析出を引き起こすかもしれない。 Cは商業上の合金の中の一般的な不純物であり、Cを完全に取り除くのは費用 がかかる。C量は、炭化物形成を避けるか、または抑えるために最大の0.1% に制限されるべきである。OとNは通常周囲の空気から合金に堆積されるが、そ れらは望ましい特性に貢献しない。 CoとFeはまた最大の5%の集合含有量に制限する必要がある不純物である 。 本発明は、また、重量%で表現され一般的に生じる不純物を除いて40から5 1%のCr、0から0.1%のC、1.0%未満のSi、0から5.0%のMn 、1.0%未満のMo、0.05から0.5%未満のB、0から1.0%のAl 、0から1.5%のTi、0から0.2%のZr、0.5から3.0%のNb、 最大5.0%のCoとFeの集合含有量、最大0.2%のO、最大0.3%のN 及び残部Niを有するものとして本発明によって特徴付けられるニッケル基表面 合金に関する。上述したように、この合金は、非常に良好な高温の耐食性によっ て及び割れのいかなる危険も無く溶接可能であることによって及び保護表面及び /又は硬化表面として機械的な負荷部材上で合金の使用を可能とする延性の保持 を伴って高硬度に例えば650−800℃の温度で熱処理され得ることによって 区別される。合金の特性への個々の成分の影響については上述した通りである。 直ちに溶接する合金の高い延性を確実にするために、Alの含有量が好ましく は最大0.1%であり、Tiの含有量が好ましくは最大0.1%である。Alと Tiのそのような少ない量は溶接間の硬度増加につながる析出、すなわち延性低 下金属間化合物相Ni3Al(Ti)を抑制する。 合金のCr含有量は45から50%の間隔が適している。最小45%のCr含 有量は、析出硬化機構がより制御された方法及びより高い活性化温度で起こると いう利点を提供し、それは部分的に、溶接で合金が活性化温度以下に直ちに冷却 され、部分的に、引き続く最終的な幾何学形状への部材の機械加工が主として機 械による部材の加熱を考慮することなく行い得ることを意味する。50%の上限 は硬く脆い主要なフェライト相の形成に対して、適切な確実性を提供する。 好ましい実施例では、合金は0.15から0.40%のB、好ましくは最大0 .25%のBを含む。0.4%のBの上限は、合金が固化する時硬度増加硼化物 が多すぎる量析出しないという適切な確実性を提供し、0.15%の下限は、部 材の基本となる材料への溶接金属の希釈化でホウ素量が局部領域で非常に低いた め高温割れが容易に生じ得ることを確実にする。合金中に望ましい樹枝状組織を 作り出すホウ素の能力は合金中のCrの量の低下につれて減少する。従って45 %未満のCr含有量では、B量は0.20〜0.30%が好ましい。0.25% の好ましい上限は少なくとも45%のCrを有する合金において適切である。 合金内への多量のBの混入を避けるために、溶接金属内のSiの量は好ましく は最大0.03%であり、そして、上述したように、Mnの量は希釈効果を有す るので、Mn量は適切には最大0.5%に制限される。同じ理由から、最大0. 5%のMoの量、及び/又は最大1.0%のCoとFeの集合量及び最大0.0 2%のO及び最大0.02%のNが好ましい。 球状の析出を伴って起こる硬化機構における有利な変化は、もしNbの量が最 少1.0%なら強化され、高いNbの量は通常実質的に合金の特性を改良しない ので、経済上の理由から、比較的費用のかかるNbの量は2.0%に限定される のが適切である。溶接における高温割れの危険性は、合金に最大の0.02%の Zrを組み込むことによって、適切に制限されるかもしれない。 ここで、本発明の合金の例は、以下に図面を参照して詳細に記述されるだろう 。図面の簡単な説明 図1は2成分Cr−Ni系のための相図を示し; 図2と図10は48%Cr及び残部Niの参照合金の浸透液テストの写真及び 研摩され磨かれた試料の500倍に拡大された写真であり; 図3−6及び図11−14は合金の溶接性へのホウ素の影響を示す対応写真で あり; 図7−9及び図15−17は合金の溶接性へのシリコンの影響を示す対応写真 であり; 図18及び24は43%Cr及び残部Niの参照合金の対応する写真であり; 図19−23及び25−29はこの合金の溶接性へのホウ素の影響を示す対応 写真であり; 図30−32は本発明による3つの合金の研摩され磨かれた試料の1000倍 に拡大された写真である。発明を実施するための最良の形式 図1で示される2成分相図は平衡相のγとγ+αの間の僅かにS型の分割線を 示す。分割線は約1345℃の温度でCr約47%の点から始まり、そして50 0℃の温度で約38%のCrの点へ下方に斜めに広がる。上記領域でNi−Cr 合金が溶接されると、溶融池の固化とその後の冷却が非常に急速に起こるので主 としてオーステナイトニッケル相γが形成される。その後の硬化では、フェライ ト型α相は非常に細かく分散された球形の析出物としてニッケル相内に析出する だろう。さらなる合金組成を有する合金のために、分割線の正確な位置はすべて の合金の組成の型と量に依存する。 合金の溶接性が本発明の実質的な特徴であるので、B及び、Siによって例示 された脱酸成分の添加によってどのように溶接性が影響されるかを調べるために 多くのテストがなされた。直径135mm、厚さ35mmの非合金鋼ディスクで プラズマ転移アーク溶接(Plasma Transferred Arc Welding)を用いてテストが 実行された。溶接パラメーターは30Vのアーク電圧と160Aの電流強度であ った。溶接速度は60mm/分、溶融速度は1.6kg/時間であった。溶接さ れた部材は、赤に着色されている浸透液でコーティングされ、その浸透液はその 部材の拭き取り後溶接された材料中のひび割れ中に残り、それはひび割れのため の目視チェックを可能とする。試料は各々の部材から採取され、顕微鏡で写真を 撮れる程度まで研摩され磨かれた。テストの結果は図面で示される。 高いCr量を有するニッケル合金は熱間割れの高い危険性により溶接が非常に 困難であると考えられてきており、それは2つの参照テストで確かめられた。図 2と11で、熱間割れによる良く知られた強い割れが見られる。図10と24は 、固化が結晶粒子の間に暗く拡張した平面フィルム層を伴い多孔質的に(cellul arly)に起こることを示している。 熱間割れへのホウ素の著著な影響は図3−6、図19−23から見られる。4 8%Cr、及びそれぞれ0.06%、0.12%、0.23%及び0.40%の B含有量の合金において、0.06%のB量の添加で長い高温割れは既に消失し 、04%のBの試料は完全に割れがないことが分かる。43%のCr及びそれぞ れ015%、0.2%、0.3%、0.4%及び0.5%のBの含有量の合金に より、0.15%のBで高温割れの急激な減少を示すが、高温割れは0.2%の Bで完全に消失することが示される。以上により、Cr量が低い時合金はより多 くのBの量を有していなければならないことを意味している。図11−14は、 Bが樹枝状組織の中で合金を固化させるのを示す。同様の効果は図25で示され るが、図26においてのみ十分に達成される。 図7−9と図15−17は、それぞれ0.09%、0.17%、及び0.33 %の量のSiの添加と、それぞれ0.06%、0.11%及び0.21%のBの 連関した量を有する合金を示す。SiはBの樹枝状凝固組織を生みだす能力を減 少させることが分かる。 実施例 実施例1 : 以下の分析値、48.6%のCr、1.5%のNb、0.67%のMn、0. 39%のSi、0.1%のB、0.012%のCおよび残部Niを有する本発明 による合金が用意された。合金は上述のような方法で部材に溶接され、2個の溶 接ビートのみが互いの頂部で適用された。溶接の後にいかなるひび割れも観測す ることはできなかった。溶接の後に、20℃における合金の硬度が200 HV 20まで測定された。次に、部材が700℃の温度で72時間熱処理された。熱 処理後、どちらもひび割れは観測することができなかった。測定方法HBW 3 000/15/10によって、合金の硬度は20℃における511 HV20と4 60 HBW、及び500℃における415 HBWまで測定された。それによ れば、合金が高温で極めて有利で、高い硬度を保有するのを示す。試料は通常の 方法で切断され、研摩され、磨かれた。図30に合金の写真を示し、それによれ ば、すぐに、硬化合金の構造が非常に細かく、個々の構造上の成分が強力な倍率 にもかかわらずをほとんど区別することができないことが分かる。実施例2 : 対応するテストが以下の分析値、:48.6%のCr、0.5%Nb、0.6 7%のMn、039%のSi、0.1%のB、0.012%のC、0.24%の Co+Feおよび残部Niの合金において上述のようになされた。熱処理の前、熱 処理の後のどちらもひび割れは観測されなかった。熱処理前、硬度は220 H V20まで測定され、熱処理後20℃において551 HV20と460 HB Wまで、及び500℃において415 HBWまで測定された。合金の写真が図 31に示される。実施例3 : 対応するテストが以下の分析値:48.6%のCr、1.5%のNb、0.6 7%のMn、0.39%のSi、0.1%のB、0.012%のC、0.24% のCo+Feおよび残部Niの合金について上述したようになされた。熱処理の前 、熱処理の後のどちらもひび割れは観測されなかった。熱処理前、硬度は210 HV20まで測定され、熱処理後20℃で467 HV20と451 HBW まで、及び500℃で401 HBWまで測定された。合金の写真が図32に示 される。 例は、溶接後の合金の非常に低い硬度とその結果の高い延性、及び硬化での割 れを生じることなく、硬度の増加を示す。合金は、エンジンの内部の燃焼室での 環境と接触する表面の腐食保護的な表面として溶接され得る。さらに、高温の硬 度がとても高いので、本発明による合金はバルブシート部分のための溶接された 硬化肉盛合金として非常に適している。 上記の記述においては、本発明による合金の成分は全て重量%で述べられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 602 C22F 1/00 602 650 650A 651 651B 691 691B 691C F01L 3/02 F01L 3/02 J F02F 1/00 F02F 1/00 D (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES ,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, TJ,TM,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.内燃機関、特に、大きな2ストローク・クロスヘッドエンジンにおける、バ ルブ、シート部分、ピストン又はシリンダーライナーのようなシリンダ部材であ ってその部材には溶接された高温耐食性表面合金が用いられ、 上記溶接合金の硬度が固体状態相変態に基づく析出硬化機構によって増加され、 上記析出硬化機構を活性化する温度が合金の操作温度より上であり、上記析出硬 化機構が非常にゆっくり起こりシリンダ部材の溶接では合金は実質的に硬化せず 析出硬化機構のための活性化温度より高い温度で引き続き加熱する間にのみ硬化 することによって特徴付けられる上記部材。 2.溶接の際、表面合金が主としてオーステナイト系相(γ)で固化し、その一部 が析出硬化機構のための活性化温度より高い温度でフェライト型相(α)に変態す ることによって特徴付けられる請求項1のシリンダ部材。 3.合金の析出硬化のための活性化温度が550から1100℃まで、好ましく は700から850℃までの間隔にあり、析出硬化機構の活性化が上記活性化温 度で40秒を超える間、適切には20分を超える間必要とすることによって特徴 付けられる請求項1又は2のシリンダ部材。 4.重量%で表現され、一般的に生じる不純物を除いてシリンダ部材の表面合金 が40から51%のCr、0から0.1%のC、1.0%未満のSi、0から5 .0%のMn、1.0%未満のMo、0.05から0.5%未満のB、0から1 .0%のAl、0から1.5%のTi、0から0.2%のZr、0.5から3. 0%のNb、CoとFeとの集合含有量が最大5.0%、最大0.2%のO、最 大0.3%のN及び残部Niを有することによって特徴付けられる請求項1乃至 3のいずれかのシリンダ部材。 5.重量%で表現され、一般的に生じる不純物を除いて表面合金が40から51 %のCr、0から0.1%のC、1.0%未満のSi、0から5.0%のMn、 1.0%未満のMo、0.05から0.5%未満のB、0から1.0%のAl、 0から1.5%のTi、0から0.2%のZr、0.5から3.0%のNb、C oとFeとの集合量が最大5.0%、最大0.2%のO、最大0.3%のN及び 残部Niを有することによって特徴付けられるニッケル基表面合金。 6.Alの含有量は最大0.1%であり、Tiの含有量は最大0.1%であるこ とによって特徴付けられる請求項5の表面合金。 7.合金が45から50%のCrを含むことによって特徴付けられる請求項5又 は6の表面合金。 8.合金が0.15から0.40%のB、好ましくは最大0.25%のBを含む ことによって特徴付けられる請求項5乃至7のいずれかの表面合金。 9.合金が最大0.3%のSi及び好ましくは最大0.5%のMnを含むことに よって特徴付けられる請求項5乃至8のいずれかの表面合金。 10.合金が最大0.5%のMoを含むことによって特徴付けられる請求項5乃 至9のいずれかの表面合金。 11.合金が1.0から2.0%のNb及び好ましくは最大0.02%のZrを 含むことによって特徴付けられる請求項5乃至10のいずれかの表面合金。 12.合金のCoとFeとの集合含有量が最大の1.0%であり、及び合金が適 切には最大0.02%のOと0.02%のNを含むことによって特徴付けられる 請求項5乃至11のいずれかの表面合金。 13.大きな2ストローク内燃機関、特に船又は据え付けの動力発生エンジンに おける推進エンジンにおいて排気バルブのようなシリンダ部材に溶接するために 使われることによって特徴付けられる請求項5乃至12のいずれかの表面合金。
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