【発明の詳細な説明】
E2結合蛋白質発明の背景
パピローマウイルス(PV)は、広く行きわたった重大なヒトの病気特に性器
及び口腔粘膜の癌腫に関連付けられてきた。数千万人の女性が、生殖道のヒトパ
ピローマウイルス(HPV)感染を受けている。これらの女性の相当数で、最終
的には、子宮頚癌が発生する。世界中におけるすべての女性の癌死のおそらく2
0%は、HPVに関連する癌によるものと見積もられている。すべての子宮頚癌
の90%がおそらくHPVに関連付けられる。
パピローマウイルスは又、皮膚及び粘膜上皮の、良性の、異形成の及び悪性の
増殖過剰をも誘導する(パピローマウイルスの分子、細胞及び臨床面の概観のた
めには、例えば、Mansur及びAndrophy,(1993)Biochim Biophys Acta 1155:323-3
45; Pfister(1984)Rev.Physiol.Biochem.Pharmacol.99:111-181;及びBroker
等(1986)Cancer Cells 4:17-36を参照されたい)。
HPVは、扁平上皮の過形成(いぼ、コンジローム)、前悪性及び悪性の病変
(癌腫)と関連するDNA腫瘍ウイルスの異質群である。殆ど70のHPVの型
が同定されており、異なるパピローマウイルス型は異なる病気を引き起こすこと
が知られている、Pfister,(1987)Adv.Cancer Res.,48:113-147,Syrjanen,(198
4)Obstet.Gynecol.Survey 39:252-265。例えば、1型及び2型HPVは、一般的
ないぼを引き起こし、6型及び11型は、外性器、肛門及び子宮頚のいぼを引き
起こす。HPVは、子宮頚癌の大多数から単離することができる。16、18、
31及び33型は、特に一般的であり;HPV−16は、すべての子宮頚癌の約
50%に存在する。これらのHPVは、「ハイリスク」HPVと呼ばれる。HP
V6及び11は、子宮頚パピローマに関して一般的な単離株であるが、これらの
感染は、稀にしか、侵襲性の癌に進行せず、それ故、これらのHPVは、「ロー
リスク」HPVと呼ばれる。
パピローマウイルスの生物学的生活環は、殆どの他のウイルス性病原体と異な
っているようである。これらのウイルスは、上皮の基底細胞及び生殖細胞に感染
すると考えられる。ウイルス複製が細胞を殺す溶菌性感染に進むよりは、ウイル
スDNAの転写及び複製は、上皮のより高い層が達成されるまで、非常に低レベ
ルに維持される。そこでおそらく分化の特異的なシグナルに応じて、ウイルス転
写が加速され、DNA合成が始まり、ビリオンが組み立てられる。ウイルスがそ
の再生に必要な細胞性因子の防御物を補充しなければならないのは、この最終的
に分化している細胞環境内においてである。
E2オープンリーディングフレームの生成物は、HPVの複雑な転写パターン
において重要な役割を演じる。このE2転写活性化蛋白質(「E2蛋白質」)は
、ウイルスDNA中のシス作用性E2エンハンサー配列への特異的結合によって
転写を活性化するトランス作用因子であり(Androphy等(1987)Nature,324:70-73
)、古典的エンハンサー機構におけるプロモーター発現を誘導することが示され
ている(Spalholz等(1985)Cell 42:183-91)。E2遺伝子産物は、ウイルスゲノ
ムの上流の調節領域(「URR」)におけるトランス調節効果を発揮し、E2の
破壊は、E6及びE7遺伝子の発現の調節を変化させると考えられる。この上流
の調節領域は、ウシパピローマウイルス(BPV)及び他のパピローマウイルス
の初期遺伝子の直ぐ5’側に見出される。このURRは、DNA複製のオリジン
及び初期転写において機能する幾つかのプロモーターを含むシス作用調節シグナ
ルを含む。URRは又、URRプロモーター及び異質プロモーターからの転写を
活性化させるエンハンサー要素をも含む(Sousa 等(1990)Biochemica et Biophy
sica Acta 1032:19-37)。
E2エンハンサー要素は、それらがE2オープンリーディングフレームにより
コードされる蛋白質により活性化されたときにのみ転写を刺激する点において条
件的である。他の転写因子を用いたときには、E2蛋白質の機能は、別々のモジ
ュレータードメインに局在化されるようである(Giri等(1988)EMBO J.,7:2923-2
9)。E2遺伝子からの遺伝子産物には、完全長の転写アクチベーターE2蛋白
質及び転写リプレッサーとして機能するE2蛋白質BPV1の少なくとも2つの
切り詰められたバージョンが含まれる。E2遺伝子産物によるウイルス遺伝子の
転写活性化及び抑制は、パピローマウイルス遺伝子発現及びDNA複製において
極めて重要な調節回路を構成する。
URR内において、E2蛋白質による転写調節は、そのヌクレオチド配列5'AC
C(G)NNNN(C)GGT3'(SEQ ID NO:9)への直接的結合に依存する(Androphy等、前
出、Dartmann等(1986)Virology,151:124-30; Hirochika等(1987)J.Virol,61:259
9-606; P.Hawley-Nelson等(1988)EMBO J.,7:525-31; McBride 等(1988)EMBO J.,
7:533-39)。その配列において、Nは、任意のヌクレオチドを表し;Xは、任意
のヌクレオチドであるが通常はGであり;そしてYは、任意のヌクレオチドを表
すが通常はCである。E2結合部位は、すべてのパピローマウイルスのURRに
おいて、ウイルスプロモーターに非常に近く位置しているようであり、多くのE
2結合部位がパピローマウイルスゲノム中に存在し(R.Li等(1989)Genes Dev.,3
:510-26)、並びにウイルスゲノム中のプロモーターの近くの他の部位に位置し
ているようである。更に、E2結合部位は、ウイルスDNA複製における要素と
して並びに古典的転写エンハンサー要素として機能することができる。
発明の要約
本発明は、部分的に、真核細胞特にヒトの細胞における、パピローマウイルス
調節蛋白質E2とある種の細胞蛋白質(以後、「E2結合蛋白質」又は「E2−
BP」と呼び、その幾つか例えばE2−BP42A、E2−BP23、E2−BP24
及びE2−BP2-7は、それら自身、新規な蛋白質である)との間の新規な蛋白
質−蛋白質相互作用の発見に関係する。
従って、この発明は、E2−BP42Aポリペプチド、好ましくは実質的に純粋
なE2−BP42Aポリペプチド標品又は組換えE2−BP42Aポリペプチドを特徴
とする。好適具体例において、このポリペプチドは、生物学的活性を有し、例え
ば、それは、パピローマウイルスE2蛋白質に特異的に結合し;このポリペプチ
ドは、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、80%、90%
又は95%相同であるアミノ酸配列を有し;このポリペプチドは、SEQ ID NO:5
のアミノ酸配列と本質的に同じアミノ酸配列を有し;このポリペプチドは、少
なくとも5、10、20、50、100又は150アミノ酸長であり;このポリ
ペプチドは、SEQ ID NO:5からの少なくとも5個の、好ましくは少なくとも10
個の、一層好ましくは少なくとも20個の、更に好ましくは少なくとも50、1
00又は150個の隣接したアミノ酸であり;E2−BP42Aポリペプチドは、
天然のE2結合蛋白質の生物学的活性のアゴニスト又はアンタゴニストの何れか
である。例えば、E2−BP42Aポリペプチドは、E2機能例えばPVオンコジ
ーンのE2媒介される転写の調節のアゴニスト又はアンタゴニストである。(下
記の実施例に記載のように、E2転写活性化のアンタゴニストである典型的なE
2−BPは、E2媒介による2ハイブリッドアッセイにおいて最初に単離された
42Aクローンの部分(357アミノ酸断片)である。(VP16ドメインを伴
わないで発現した場合(即ち、VP16/42A融合蛋白質としてでない場合)
、42Aポリペプチドは、野生型E2蛋白質によるレポーター構築物のトランス
活性化を阻止することができた。)
好適具体例において、E2−BP42Aポリペプチドは、SEQ ID NO:1の核酸に
より、又はSEQ ID NO:1の核酸と少なくとも60%、70%、80%、90%又
は95%の相同性を有する核酸によりコードされる。
好適具体例において、主題のE2−BP42Aポリペプチドは、アミノ酸配列に
おいて、SEQ ID NO:5の配列と1、2、3、5、10以上の残基にて異なる。し
かしながら、これらの差異は、E2−BPポリペプチドがE2−BPの生物学的
活性を示すようなものであり、例えばE2−BP42Aポリペプチドが天然のE2
−BP42A例えばSEQ ID NO:5のE2−BP42Aの生物学的活性を保持するような
ものである。
更に別の好適具体例において、E2結合蛋白質は、第1のE2−BP部分及び
第2のポリペプチド部分例えばE2−BP42Aと無関係のアミノ酸配列を有する
第2のポリペプチド部分を有する組換え融合蛋白質である。この第2のポリペプ
チド部分は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合ドメイン又は
ポリメラーゼ活性化ドメインの何れかであってよい。好適具体例において、この
融合蛋白質を、2ハイブリッドアッセイにおいて用いることができる。
好適具体例において、E2−BPポリペプチドは、SEQ ID NO:5のアミノ酸残
基40〜259をコードする。
好適具体例において、E2結合ポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有し、
例えば内因性E2−BPが誤発現される腫瘍細胞における腫瘍の成長を抑制する
ことができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞の成長を抑制す
ることができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞例えばローリ
スク又はハイリスクHPV感染細胞例えばHPV−16、−18、−31感染細
胞例えば、ウシパピローマウイルス(BPV)の成長を阻止することができ;パ
ピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−
18、−31又は33、例えばウシパピローマウイルス(BPV)の細胞への感
染を阻止することができ;パピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクH
PV例えばHPV−16、−18、−31又は33による細胞の(例えば、ヒト
細胞のパピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−
16、−18、−31又は33、例えばウシパピローマウイルスによる)トラン
スフォーメーションを阻止することができ;いぼの成長を阻止し又はその大きさ
を減じることができる。
好適具体例において、E2−BPポリペプチドは、E2転写活性化を阻止する
E2−BP42Aの断片である。
この発明は、免疫原性標品中にE2−BP42Aポリペプチドを含む免疫原を含
み、この免疫原は、該E2−BP42Aポリペプチドに特異的な免疫応答例えば体
液性応答、抗体応答又は細胞性応答を誘出することができる。好適具体例におい
て、この免疫原は、抗原決定基例えばSEQ ID NO:5により表される蛋白質からの
ユニークな決定基を含む。
本発明は又、E2−BP42A免疫原の又は一般にはE2−BP42Aポリペプチド
のエピトープと特異的に反応する抗体標品をも含む。
好適具体例において、E2−BPポリペプチドは、アミノ酸配列において、SE
Q ID NO:5の残基130〜262のアミノ酸配列と異なる。
更に好適な具体例において、E2−BPポリペプチドは、SEQ ID NO:5のアミ
ノ酸配列130〜262以外であり、例えばそれはSEQ ID NO:5の残基130〜
262と少なくとも1アミノ酸残基だけ異なり、例えばE2−BPポリペプチド
は、SEQ ID NO:5の残基130〜262と比較して、少なくとも1アミノ酸残基
短く、1アミノ酸残基長く、少なくとも1つの位置において配列が異なり、異な
るN末端を有し、又は異なるC末端を有する。好適具体例において、E2−BP
ポリペプチドは、SEQ ID NO:5の残基1〜129又は残基263〜357間の少
なくとも4個の連続するアミノ酸、一層好ましくは少なくとも10個の連続する
アミノ酸残基、更に好ましくは少なくとも20個のアミノ酸残基をコードする配
列に対応する核酸とハイブリダイズする核酸によりコードされる。好適具体例に
おいて、E2−BPポリペプチドは、SEQ ID NO:5のアミノ酸残基1〜129又
は263〜357をコードする領域からの少なくとも1、2、3又は5、好まし
くは少なくとも10、20又は50アミノ酸残基を含む。
好適具体例において、E2−BPポリペプチドは、アミノ酸配列において、SE
Q ID NO:19の残基1〜134のアミノ酸配列と異なる。
更なる好適具体例において、E2−BPポリペプチドは、SEQ ID NO:19のア
ミノ酸配列1〜134以外であり、例えばそれはSEQ ID NO:19の残基1〜13
4と少なくとも1アミノ酸残基だけ異なり、例えばE2−BPポリペプチドは、
SEQ ID NO:19の残基1〜134と比較して、少なくとも1アミノ酸残基短く、
1アミノ酸残基長く、少なくとも1つの位置において配列が異なり、異なるN末
端を有し、又は異なるC末端を有する。
好適具体例において、E2−BPポリペプチドは、WO93/00353に記
載され、EST01427なる名称でAmerican Type Culture Collectionに寄託
されてATCC寄託番号75915を与えられたベクターEST01427によ
りコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列において異なる。
更なる好適具体例において、E2−BPポリペプチドは、ベクターEST01
427によりコードされるアミノ酸配列と異なり、例えばそれはベクターEST
01427によりコードされるアミノ酸配列と少なくとも1アミノ酸残基だけ異
なり、例えばE2−BPポリペプチドは、ベクターEST01427によりコー
ドされるアミノ酸配列と比較して、少なくとも1アミノ酸残基短く、1アミノ酸
残基長く、少なくとも1つの位置において配列が異なり、異なるN末端を有し、
又は異なるC末端を有する。
他の面において、この発明は、E2−BPSD-23ポリペプチド、好ましくは実
質的に純粋なE2−BPSD-23ポリペプチド標品、又は組換えE2−BPSD-23ポ
リペプチドを特徴とする。好適具体例において、このポリペプチドは、生物学的
活性を有し、例えばそれはパピローマウイルスE2蛋白質に特異的に結合し;こ
のポリペプチドは、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、8
0%、90%又は95%相同なアミノ酸配列を有し;このポリペプチドは、SEQ
ID NO:7のアミノ酸配列と本質的に同じアミノ酸配列を有し;このポリペプチド
は、少なくとも5、10、20、50、100又は150アミノ酸長であり;こ
のポリペプチドは、SEQ ID NO:7からの少なくとも10個、一層好ましくは少な
くとも20個、一層好ましくは少なくとも50、100又は150個の隣接する
アミノ酸を含み;E2−BPSD-23ポリペプチドは、天然のE2−BPSD-23の生
物学的活性のアゴニスト又はアンタゴニストの何れかである。例えば、E2−B
PSD-23ポリペプチドは、E2機能例えばPVオンコジーンのE2媒介による転
写の調節のアゴニスト又はアンタゴニストである。
好適具体例において、E2−BPSD-23ポリペプチドは、SEQ ID NO:3の核酸
により、又はSEQ ID NO:3の核酸と少なくとも60%、70%、80%、90%
又は95%の相同性を有する核酸によりコードされる。
好適具体例において、主題のE2−BP23ポリペプチドは、SEQ ID NO:7の配
列と、アミノ酸配列において、1、2、3、5、10残基以上で異なる。しかし
ながら、これらの差異は、E2−BPポリペプチドがE2−BP生物学的活性を
示すようなものであり、例えばE2−BP23ポリペプチドが天然のE2−BP23
例えばSEQ ID NO:7のE2−BP23の生物学的活性を保持するようなものである
。
更に別の好適具体例において、E2結合蛋白質は、第1のE2−BP部分及び
第2のポリペプチド部分例えばE2−BP23に無関係なアミノ酸配列を有する第
2のポリペプチド部分を有する組換え融合蛋白質である。第2のポリペプチド部
分は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合ドメイン、又はポリ
メラーセ活性化ドメインの何れかであってよい。好適具体例において、融合蛋白
質は、2ハイブリッドアッセイにおいて用いることができる。
好適具体例において、E2結合ポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有し、
腫瘍成長例えば内因性E2−BPが誤発現される腫瘍細胞の成長を抑制すること
ができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞の成長を抑制するこ
とができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞例えばローリスク
又はハイリスクHPV感染細胞例えばHPV−16、−18、−31感染細胞、
例えばウシパピローマウイルス(BPV)の成長を阻止することができ;パピロ
ーマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18
、−31又は33、例えばウシパピローマウイルス(BPV)の細胞への感染を
阻止することができ;パピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV
例えばHPV−16、−18、−31又は33による細胞のトランスフォーメー
ション例えばヒト細胞のパピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHP
V例えばHPV−16、−18、−31又は33、例えばウシパピローマウイル
スによるトランスフォーメーションを阻止することができ;いぼの成長を阻止し
又はその大きさを減じることができる。
この発明は、免疫原標品中にE2−BP23ポリペプチドを含む免疫原を含み、
この免疫原は、該E2−BP23ポリペプチドに特異的な免疫応答例えば体液性応
答、抗体応答又は細胞性応答を誘出することができる。好適具体例において、こ
の免疫原は、抗原決定基例えばSEQ ID NO:7により表される蛋白質からのユニー
クな決定基を含む。
この発明は又、E2−BP23免疫原の又は一般にE2−BP23ポリペプチドの
エピトープと特異的に反応する抗体標品をも含む。
他の面において、この発明は、E2−BPSD-24ポリペプチド好ましくは実質
的に純粋なE2−BPSD-24ポリペプチド標品、又は組換えE2−BPSD-24ポリ
ペプチドを特徴とする。好適具体例において、このポリペプチドは、生物学的活
性を有し、例えばそれはパピローマウイルスE2蛋白質と特異的に結合し;この
ポリペプチドは、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列に少なくとも60%、80%、9
0%又は95%相同なアミノ酸配列を有し;このポリペプチドは、SEQ ID NO:8
のアミノ酸配列と本質的に同じアミノ酸配列を有し;このポリペプチドは、少な
くとも5、10、20、50、100又は150アミノ酸長であり;このポリ
ペプチドは、SEQ ID NO:8からの、少なくとも5個の、好ましくは少なくとも1
0個の、一層好ましくは少なくとも20個の、一層好ましくは少なくとも50、
100又は150個の隣接アミノ酸を含み;E2−BPSD-24ポリペプチドは、
天然のE2−BPの生物学的活性のアゴニスト又はアンタゴニストの何れかであ
る。例えば、E2−BPSD-24ポリペプチドは、E2機能例えばPVオンコジー
ンのE2媒介による転写の調節のアゴニスト又はアンタゴニストである。
好適具体例において、E2−BPSD-24ポリペプチドは、SEQ ID NO:4の核酸
により、又はSEQ ID NO:4の核酸と少なくとも60%、70%、80%、90%
又は95%相同性を有する核酸によりコードされる。
好適具体例において、主題のE2−BPSD-24ポリペプチドは、アミノ酸配列
において、SEQ ID NO:8の配列と1、2、3、5、10以上の残基にて異なる。
しかしながら、これらの差異は、E2−BPポリペプチドがE2−BP生物学的
活性を示すようなものであり、例えば、E2−BPSD-24ポリペプチドが天然の
E2−BPSD-24例えばSEQ ID NO:8のE2−BPSD-24の生物学的活性を保持す
るようなものである。
更に別の好適具体例において、主題のE2結合蛋白質は、第1のE2−BP部
分及び第2のポリペプチド部分例えばE2−BPSD-24と無関係のアミノ酸配列
を有する第2のポリペプチド部分を有する組換え融合蛋白質である。この第2の
ポリペプチド部分は、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA
ドメイン、又はポリメラーセ活性化ドメインの何れかであってよい。好適具体例
において、この融合蛋白質は、2ハイブリッドアッセイにおいて機能的である。
この発明は、免疫原標品中にE2−BPSD-24ポリペプチドを含む免疫原を含
み、この免疫原は、E2−BPSD-24ポリペプチドに特異的な免疫応答例えば体
液性応答、抗体応答、又は細胞性応答を誘出することができる。好適具体例にお
いて、この免疫原は、抗原決定基例えばSEQ ID NO:8により表される蛋白質から
のユニークな決定基を含む。
この発明は又、E2−BPSD-24免疫原の又は一般にE2−BPSD-24ポリペ
プチドのエピトープと特異的に反応する抗体標品をも含む。
好適具体例において、E2結合ポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有し、
腫瘍成長例えば内因性E2−BPが誤発現される腫瘍細胞の成長を抑制すること
ができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞の成長を抑制するこ
とができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞例えばローリスク
又はハイリスクHPV感染細胞例えばHPV−16、−18、−31感染細胞、
例えばウシパピローマウイルス(BPV)の成長を阻止することができ;パピロ
ーマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18
、−31又は33、例えばウシパピローマウイルス(BPV)の細胞への感染を
阻止することができ;パピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV
例えばHPV−16、−18、−31又は33による細胞のトランスフォーメー
ション例えばヒト細胞のパピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHP
V例えばHPV−16、−18、−31又は33、例えばウシパピローマウイル
スによるトランスフォーメーションを阻止することができ;いぼの成長を阻止し
、又はその大きさを減じることができる。
他の面において、この発明は、E2−BPSD2-7ポリペプチド、好ましくは実
質的に純粋なE2−BPSD2-7標品、又は組換えE2−BPSD2-7ポリペプチドを
特徴とする。好適具体例において、このポリペプチドは、生物学的活性を有し、
例えばそれはパピローマウイルスE2蛋白質に特異的に結合し;このポリペプチ
ドは、SEQ ID NO:6又は21のアミノ酸配列に少なくとも60%、80%、90
%又は95%相同であるアミノ酸配列を有し;このポリペプチドは、SEQ ID NO:
6又は21のアミノ酸配列と本質的に同じアミノ酸配列を有し;このポリペプチ
ドは、少なくとも5、10、20、50、100又は150アミノ酸長であり;
このポリペプチドは、SEQ ID NO:6又は21からの、少なくとも5個の、好まし
くは少なくとも10個の、一層好ましくは少なくとも20個の、一層好ましくは
少なくとも50、100又は150個の隣接アミノ酸を含み;E2−BPSD2-7
ポリペプチドは、天然のE2−BPの生物学的活性のアゴニスト又はアンタゴニ
ストの何れかである。例えば、E2−BPSD2-7ポリペプチドは、E2機能例え
ばPVオンコジーンのE2媒介による転写の調節のアゴニスト又は
アンタゴニストである。
好適具体例において、E2−BPSD2-7ポリペプチドは、SEQ ID NO:2若しく
は20の核酸により、又はSEQ ID NO:2若しくは20の核酸と少なくとも60%
、70%、80%、90%若しくは95%の相同性を有する核酸によりコードさ
れる。
好適具体例において、主題のE2−BPSD2-7ポリペプチドは、アミノ酸配列
において、SEQ ID NO:6又は21の配列と、1、2、3、5、10以上の残基に
て異なる。しかしながら、これらの差異は、E2−BPポリペプチドがE2−B
P生物学的活性を示すようなものであり、例えばE2−BPSD2-7ポリペプチド
が天然のE2−BPSD2-7の、例えばSEQ ID NO:2若しくは20のE2−BPSD2 -7
の生物学的活性を保持するようなものである。
更に別の好適具体例において、主題のE2結合蛋白質は、第1のE2−BP部
分及び第2のポリペプチド部分例えばE2−BPSD2-7に無関係のアミノ酸配列
を有する第2のポリペプチド部分を有する組換え融合蛋白質である。この第2の
ポリペプチド部分は、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA
ドメイン、又はポリメラーゼ活性化ドメインの何れかであってよい。好適具体例
において、この融合蛋白質は、2ハイブリッドアッセイにおいて機能的である。
この発明は、免疫原標品中にE2−BPSD2-7ポリペプチドを含む免疫原を含
み、この免疫原は、E2−BPSD2-7ポリペプチドに特異的な免疫応答例えば体
液性応答、抗体応答、又は細胞性応答を誘出することができる。好適具体例にお
いて、この免疫原は、抗原決定基例えばSEQ ID NO:6又は21により表される蛋
白質からのユニークな決定基を含む。
この発明は又、E2−BPSD2-7免疫原の又は一般にE2−BPSD2-7ポリペプ
チドのエピトープと特異的に反応する抗体標品をも含む。
好適具体例において、E2結合ポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有し、
腫瘍成長例えば内因性E2−BPが誤発現される腫瘍細胞の成長を抑制すること
ができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞の成長を抑制するこ
とができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞例えばローリスク
又はハイリスクHPV感染細胞例えばHPV−16、−18、−31感染細胞、
例えばウシパピローマウイルス(BPV)の成長を阻止することができ;パピロ
ーマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18
、−31又は33、例えばウシパピローマウイルス(BPV)の細胞への感染を
阻止することができ;パピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV
例えばHPV−16、−18、−31又は33による細胞のトランスフォーメー
ション、例えばヒト細胞のパピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクH
PV例えばHPV−16、−18、−31又は33、例えばウシパピローマウイ
ルスによるトランスフォーメーションを阻止することができ;いぼの成長を阻止
し又はその大きさを減じることができる。
本発明の他の面は、E2−BP42Aポリペプチドをコードするヌクレオチド配
列を有する実質的に純粋な核酸を提供する。好適具体例において、コードされる
ポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えばそれはパピローマウイルスE2蛋
白質に特異的に結合し;コードされるポリペプチドは、SEQ ID NO:5のアミノ酸
配列と少なくとも60%、80%、90%又は95%相同なアミノ酸配列を有し
;コードされるポリペプチドは、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列と本質的に同じア
ミノ酸配列を有し;コードされるポリペプチドは、少なくとも5、10、20、
50、100又は150アミノ酸長であり;コードされるポリペプチドは、SEQ
ID NO:5からの、少なくとも5個の、好ましくは少なくとも10個の、一層好ま
しくは少なくとも20個の、一層好ましくは少なくとも50、100又は150
個の隣接アミノ酸を含み;コードされるE2−BP42Aポリペプチドは、天然の
E2−BPの生物学的活性のアゴニスト又はアンタゴニストの何れかである。例
えば、コードされるE2−BP42Aポリペプチドは、E2機能例えばPVオンコ
ジーンのE2媒介による転写の調節のアゴニスト又はアンタゴニストである。(
下記の実施例に記載のように、E2転写活性化のアンタゴニストである典型的な
E2−BPは、E2媒介の2ハイブリッドアッセイにおいて、最初に単離された
42Aクローンの部分(357アミノ酸残基長)である。(VP16ドメインを
伴わないで発現される場合(即ち、VP16/42A融合蛋白質としてでない場
合)、42Aポリペプチドは、野生型E2蛋白質によるレポーター構
築物のトランス活性化を阻止することができた。)
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:1のものであり;この核酸は、
SEQ ID NO:1の核酸配列と少なくとも60%、70%、80%、90%又は95
%相同である。
好適具体例において、コードされるポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有
し、好ましくは、腫瘍成長例えば内因性E2−BPが誤発現される腫瘍細胞の成
長を抑制することができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞の
成長を抑制することができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞
例えばローリスク又はハイリスクHPV感染細胞例えばHPV−16、−18、
−31又は−33感染細胞、例えばウシパピローマウイルス(BPV)感染細胞
の成長を阻止することができ;細胞へのパピローマウイルス例えばHPV例えば
ハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は−33、例えばウシ
パピローマウイルス(BPV)の感染を阻止することができ;パピローマウイル
ス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又
は−33、例えばウシパピローマウイルスによる細胞のトランスフォーメーショ
ンを阻止することができ;又は細胞例えばヒト細胞の、パピローマウイルス例え
ばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は−3
3、例えばウシパピローマウイルスによる不滅化を阻止することができ;いぼの
成長を阻止し又はその大きさを減じることができる。
好適具体例において、コードされるE2−BP42Aポリペプチドは、アミノ酸
配列において、SEQ ID NO:5の配列と、1、2、3、5、10以上の残基で異な
る。しかしながら、これらの差異は、E2−BPにコードされるポリペプチドが
E2−BP生物学的活性を示すようなものであり、例えばコードされるE2−B
P42Aポリペプチドが天然のE2−BP42A例えばSEQ ID NO:5のE2−BP42A
の生物学的活性を保持するようなものである。
更に別の好適具体例において、コードされるポリペプチドは、第1のE2−B
P部分及び第2のポリペプチド部分例えばE2−BP42Aと無関係のアミノ酸配
列を有する第2のポリペプチド部分を有する組換え融合蛋白質である。この第2
のポリペプチド部分は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合
ドメイン、又はポリメラーゼ活性化ドメインであってよい。好適具体例において
、この融合蛋白質を、2ハイブリッドアッセイにおいて用いることができる。
好適具体例において、主題のE2−BP42A核酸は、転写調節配列例えばE2
−BP42A遺伝子配列に操作可能に結合された転写プロモーター又は転写エンハ
ンサーの少なくとも1つを含んで、発現ベクターとしての使用に適したE2−B
P42A遺伝子配列を与える。
更なる好適具体例において、この発明のE2−BP42Aポリペプチドをコード
する核酸は、厳しい条件下で、SEQ ID NO:1の少なくとも12個の連続したヌク
レオチドに対応する核酸プローブにハイブリダイズし;一層好ましくはSEQ ID N
O:1の少なくとも20個の連続したヌクレオチドに対応する核酸プローブにハイ
ブリダイズし;一層好ましくはSEQ ID NO:1の少なくとも40個の連続したヌク
レオチドに対応する核酸プローブにハイブリダイズする。
好適具体例において、E2−BPをコードする核酸配列は、SEQ ID NO:5のア
ミノ酸残基40〜259をコードする。
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:5の130〜262の領域と少
なくとも1個のアミノ酸残基だけ異なるペプチドをコードする。
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:5のアミノ酸130〜262を
コードするヌクレオチド配列と、少なくとも1個のヌクレオチドだけ異なる。
更なる好適具体例において、E2−BPをコードする核酸は、SEQ ID NO:5の
アミノ酸配列をコードする核酸配列以外のものであり、例えばそれはSEQ ID NO:
5の残基130〜262をコードする配列と少なくとも1ヌクレオチドだけ異な
る。例えば、E2−BPをコードする核酸は、SEQ ID NO:5の残基130〜26
2をコードする配列と比較して、少なくとも1ヌクレオチド短く、1ヌクレオチ
ド長く、少なくとも1つの位置において配列が異なり、異なる5’末端を有し、
又は異なる3’末端を有する。好適具体例において、E2−BPをコードする核
酸は、SEQ ID NO:5の残基1〜129又は残基263〜357中の、少なくとも
4個の連続するアミノ酸、一層好ましくは少なくとも10個の連続するアミノ酸
残基、更に好ましくは少なくとも20個のアミノ酸残基をコードする配列に
対応する核酸とハイブリダイズする。好適具体例において、E2−BPをコード
する核酸配列は、アミノ酸残基1〜129をコードするSEq ID NO:5の領域から
の又はSEQ ID NO:5の残基263〜357中の少なくとも1、2、3又は5ヌク
レオチド、好ましくは少なくとも10、20、50又は100ヌクレオチドを含
む。
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:19の1〜134の領域と少な
くとも1アミノ酸残基だけ異なるペプチドをコードする。
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:19のアミノ酸1〜134をコ
ードするヌクレオチド配列と少なくとも1ヌクレオチドだけ異なる。
更なる好適具体例において、E2−BPをコードする核酸は、SEQ ID NO:19
のアミノ酸配列1〜134をコードする核酸配列以外のものであり、例えばそれ
はSEQ ID NO:19の残基1〜134をコードする配列と少なくとも1ヌクレオチ
ドだけ異なり、E2−BPをコードする核酸は、SEQ ID NO:19の残基1〜13
4をコードする配列と比較して、少なくとも1ヌクレオチド短く、1ヌクレオチ
ド長く、少なくとも1つの位置において配列が異なり、異なる5’末端を有し、
又は異なる3’末端を有する。
好適具体例において、この核酸は、WO93/00353に記載され且つES
T01427なる名称でAmerican Type Culture Collectionに寄託されてATC
C寄託番号75915を与えられたベクターEST01427によりコードされ
るアミノ酸配列と少なくとも1アミノ酸残基だけ異なるペプチドをコードする。
好適具体例において、この核酸は、WO93/00353に記載され且つES
T01427なる名称でAmerican Type Culture Collectionに寄託されてATC
C寄託番号75915を与えられたベクターEST01427中のヌクレオチド
配列と少なくとも1ヌクレオチドだけ異なる。
更なる好適具体例において、E2−BPをコードする核酸は、ベクターEST
01427によりコードされるアミノ酸配列をコードする核酸配列以外のもので
あり、例えばそれはベクターEST01427によりコードされる配列と少なく
とも1ヌクレオチドだけ異なり、例えば、E2−BPをコードする核酸は、ベク
ターEST01427によりコードされる配列と比較して、少なくとも1ヌクレ
オチド短く、1ヌクレオチド長く、少なくとも1つの位置において配列が異なり
、異なる5’末端を有し、又は異なる3’末端を有する。
本発明の他の面は、E2−BPSD-23ポリペプチドをコードするヌクレオチド
配列を有する実質的に純粋な核酸を提供する。好適具体例において、コードされ
るポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えばそれはパピローマウイルスE2
蛋白質に特異的に結合し;コードされるポリペプチドは、SEQ ID NO:7のアミノ
酸配列に少なくとも60%、80%、90%又は95%相同なアミノ酸配列を有
し、コードされるポリペプチドは、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列と本質的に同じ
アミノ酸配列を有し;コードされるポリペプチドは、少なくとも5、10、20
、50、100又は150アミノ酸長であり;コードされるポリペプチドは、SE
Q ID NO:7からの少なくとも5個の、好ましくは少なくとも10個の、一層好ま
しくは少なくとも20個の、更に好ましくは少なくとも50、100又は150
個の隣接アミノ酸を含み;コードされるE2−BPSD-23ポリペプチドは、天然
のE2−BPの生物学的活性のアゴニスト又はアンタゴニストの何れかである。
例えば、コードされるE2−BPSD-23ポリペプチドは、E2機能例えばPVオ
ンコジーンのE2媒介による転写の調節のアゴニスト又はアンタゴニストである
。
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:3のものであり;この核酸は、
SEQ ID NO:3の核酸配列と少なくとも60%、70%、80%、90%又は95
%相同である。
好適具体例において、コードされるポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有
し、好ましくは、腫瘍成長例えば内因性E2−BPが誤発現される腫瘍細胞の成
長を抑制することができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞例
えばローリスク又はハイリスクHPV感染細胞例えばHPV−16、−18、−
31又は−33感染細胞、例えばウシパピローマウイルス(BPV)感染細胞の
成長を抑制することができ;細胞への、パピローマウイルス例えばHPV例えば
ハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は−33、例えばウシ
パピローマウイルス(BPV)の感染を阻止することができ;パピローマウイ
ルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31
又は−33、例えばウシパピローマウイルスによる細胞のトランスフォーメーシ
ョンを阻止することができ;又は細胞例えばヒト細胞の、パピローマウイルス例
えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は−
33、例えばウシパピローマウイルスによる不滅化を阻止することができ;いぼ
の成長を阻止し又はその大きさを減じることができる。
好適具体例において、コードされるE2−BPSD-23ポリペプチドは、アミノ
酸配列において、SEQ ID NO:7の配列と、1、2、3、5、10以上の残基で異
なる。しかしながら、これらの差異は、コードされるE2−BPポリペプチドが
E2−BP生物学的活性を示すようなものであり、例えばE2−BPSD-23ポリ
ペプチドが天然のE2−BPSD-23例えばSEQ ID NO:7のE2−BPSD-23の生物
学的活性を保持するようなものである。
更に別の好適具体例において、コードされるポリペプチドは、第1のE2−B
P部分及び第2のポリペプチド部分例えばE2−BPSD-23と無関係のアミノ酸
配列を有する第2のポリペプチド部分を有する組換え融合蛋白質である。この第
2のポリペプチド部分は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合
ドメイン、又はポリメラーゼ活性化ドメインであってよい。好適具体例において
、この融合蛋白質は、2ハイブリッドアッセイにおいて用いることができる。
好適具体例において、主題のE2−BPSD-23核酸は、転写調節配列例えばE
2−BPSD-23遺伝子配列に操作可能に結合された転写プロモーター又は転写エ
ンハンサー配列の少なくとも1つを含んで、発現ベクターとしての使用に適した
E2−BPSD-23遺伝子配列を与える。
更なる好適具体例において、この発明のE2−BPポリペプチドをコードする
核酸は、厳しい条件下で、SEQ ID NO:3の少なくとも12個の連続するヌクレオ
チドに対応する核酸プローブにハイブリダイズし、一層好ましくはSEQ ID NO:3
の少なくとも20個の連続するヌクレオチドに対応する核酸プローブにハイブリ
ダイズし、更に好ましくはSEQ ID NO:3の少なくとも40個の連続するヌクレオ
チドに対応する核酸プローブにハイブリダイズする。
本発明の他の面は、E2−BPSD-24ポリペプチドをコードするヌクレオチド
配列を有する実質的に純粋な核酸を提供する。好適具体例において、コードされ
るポリペプチドは生物学的活性を有し、例えばそれはパピローマウイルスE2蛋
白質に特異的に結合し;コードされるポリペプチドは、SEQ ID NO:8のアミノ酸
配列に少なくとも60%、80%、90%又は95%相同なアミノ酸配列を有し
;コードされるポリペプチドは、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列と本質的に同じア
ミノ酸配列を有し;コードされるポリペプチドは、少なくとも5、10、20、
50、100又は150アミノ酸長であり;コードされるポリペプチドは、SEQ
ID NO:8からの、少なくとも5個の、好ましくは少なくとも10個の、一層好ま
しくは少なくとも20個の、更に好ましくは少なくとも50、100又は150
個の隣接するアミノ酸を含み;コードされるE2−BPSD-24ポリペプチドは、
天然のE2−BPの生物学的活性のアゴニスト又はアンタゴニストの何れかであ
る。例えば、コードされるE2−BPSD-24ポリペプチドは、E2機能例えばP
VオンコジーンのE2媒介による発現の調節のアゴニスト又はアンタゴニストで
ある。
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:4のものであり;この核酸は、
SEQ ID NO:4の核酸配列と少なくとも60%、70%、80%、90%又は95
%相同である。
好適具体例において、コードされるポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有
し、好ましくは、腫瘍成長例えば内因性E2−BPが誤発現される腫瘍細胞の成
長を抑制することができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞の
成長を抑制することができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞
例えばローリスク又はハイリスクHPV感染細胞例えばHPV−16、−18、
−31又は−33感染細胞、例えばウシパピローマウイルス(BPV)感染細胞
の成長を阻止することができ;細胞への、パピローマウイルス例えばHPV例え
ばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は−33、例えばウ
シパピローマウイルス(BPV)の感染を阻止することができ;パピローマウイ
ルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31
又は−33、例えばウシパピローマウイルスによる細胞のトランスフォーメーシ
ョンを阻止することができ又はパピローマウイルス例えばHPV例えばハイリス
クHPV例えばHPV−16、−18、−31又は−33、例えばウシパピロー
マウイルスによる細胞例えばヒト細胞の不滅化を阻止することができ;いぼの成
長を阻止し又はその大きさを減じることができる。
好適具体例において、コードされるE2−BPSD-24ポリペプチドは、アミノ
酸配列において、SEQ ID NO:8の配列と1、2、3、5、10以上の残基で異な
る。しかしながら、これらの差異は、コードされるE2−BPポリペプチドがE
2−BP生物学的活性を示すようなものであり、例えばコードされるE2−BPSD-24
ポリペプチドが天然のE2−BPSD-24例えばSEQ ID NO:4のE2−BPSD -24
の生物学的活性を保持するようなものである。
更に別の好適具体例において、コードされるポリペプチドは、第1のE2−B
P部分及び第2のポリペプチド部分例えばE2−BPSD-24に無関係のアミノ酸
配列を有する第2のポリペプチド部分を有する組換え融合蛋白質である。この第
2のポリペプチド部分は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合
ドメイン、又はポリメラーゼ活性化ドメインであってよい。好適具体例において
、この融合蛋白質は、2ハイブリッドアッセイにおいて用いることができる。
好適具体例において、主題のE2−BPSD-24核酸は、転写調節配列例えばE
2−BPSD-24遺伝子配列に操作可能に結合された転写プロモーター又は転写エ
ンハンサー配列の少なくとも1つを含んで、例えば、発現ベクターとしての使用
に適したE2−BPSD-24遺伝子配列を与える。
更なる好適具体例において、この発明のE2−BPポリペプチドをコードする
核酸は、厳しい条件下で、SEQ ID NO:4の少なくとも12個の連続するヌクレオ
チドに対応する核酸プローブにハイブリダイズし、一層好ましくはSEQ ID NO:4
の少なくとも20個の連続するヌクレオチドに対応する核酸プローブにハイブリ
ダイズし、更に好ましくはSEQ ID NO:4の少なくとも40個の連続するヌクレオ
チドに対応する核酸プローブにハイブリダイズする。
本発明の他の面は、E2−BPSD2ー7ポリペプチドをコードするヌクレオチド
配列を有する実質的に純粋な核酸を提供する。好適具体例において、コードされ
るポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えばそれはパピローマウイルスE2
蛋白質に特異的に結合し;コードされるポリペプチドは、SEQ ID NO:6又は21
のアミノ酸配列に少なくとも60%、80%、90%又は95%相同なアミノ酸
配列を有し;コードされるポリペプチドは、SEQ ID NO:6又は21のアミノ酸配
列と本質的に同じアミノ酸配列を有し;コードされるポリペプチドは、少なくと
も5、10、20、50、100又は150アミノ酸長であり;コードされるポ
リペプチドは、SEQ ID NO:6又は21からの、少なくとも5個の、好ましくは少
なくとも10個の、一層好ましくは少なくとも20個の、更に好ましくは少なく
とも50、100又は150個の隣接するアミノ酸を含み;コードされるE2−
BPSD2-7ポリペプチドは、天然のE2−BPの生物学的活性のアゴニスト又は
アンタゴニストの何れかである。例えば、コードされるE2−BPSD2-7ポリペ
プチドは、E2機能例えばPVオンコジーンのE2媒介による発現の調節のアゴ
ニスト又はアンタゴニストである。
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:2又は20のものであり;この
核酸は、SEQ ID NO:2又は20の核酸配列と少なくとも60%、70%、80%
、90%又は95%相同である。
好適具体例において、コードされるポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有
し、好ましくは、腫瘍成長例えば内因性E2−BPが誤発現される腫瘍細胞の成
長を抑制することができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞の
成長を抑制することができ;パピローマウイルス感染細胞例えばHPV感染細胞
例えばローリスク又はハイリスクHPV感染細胞例えばHPV−16、−18、
−31又は−33感染細胞、例えばウシパピローマウイルス(BPV)感染細胞
の成長を阻止することができ;細胞への、パピローマウイルス例えばHPV例え
ばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は−33、例えばウ
シパピローマウイルス(BPV)の感染を阻止することができ;パピローマウイ
ルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31
又は−33、例えばウシパピローマウイルスによる細胞のトランスフォーメーシ
ョンを阻止することができ;又は細胞例えばヒト細胞の、パピローマウイルス例
えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は
−33、例えばウシパピローマウイルスによる不滅化を阻止することができ;い
ぼの成長を阻止し又はその大きさを減じることができる。
好適具体例において、コードされるE2−BPSD2-7ポリペプチドは、アミノ
酸配列において、SEQ ID NO:6又は21の配列と、1、2、3、5、10以上の
残基で異なる。しかしながら、これらの差異は、コードされるE2−BPポリペ
プチドがE2−BP生物学的活性を示すようなものであり、例えば、コードされ
るE2−BPSD2-7ポリペプチドが天然のE2−BPSD2-7例えばSEQ ID NO:6又
は21のE2−BPSD2-7の生物学的活性を保持するようなものである。
更に別の好適具体例において、コードされるポリペプチドは、第1のE2−B
P部分及び第2のポリペプチド部分例えばE2−BPSD2-7に無関係のアミノ酸
配列を有する第2のポリペプチド部分を有する組換え融合蛋白質である。この第
2のポリペプチド部分は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合
ドメイン、又はポリメラーゼ活性化ドメインであってよい。好適具体例において
、この融合蛋白質は、2ハイブリッドアッセイにおいて用いることができる。
好適具体例において、主題のE2−BPSD2-7核酸は、転写調節配列例えばE
2−BPSD2-7遺伝子配列に操作可能に結合された転写プロモーター又は転写エ
ンハンサー配列の少なくとも1つを含んで、例えば、発現ベクターとしての使用
に適したE2−BPSD2-7遺伝子配列を与える。
更なる好適具体例において、この発明のE2−BPポリペプチドをコードする
核酸は、厳しい条件下で、SEQ ID NO:2又は20の少なくとも12個の連続する
ヌクレオチドに対応する核酸プローブにハイブリダイズし、一層好ましくは、SE
Q ID NO:2又は20の少なくとも20個の連続するヌクレオチドに対応する核酸
プローブにハイブリダイズし、更に好ましくは、SEQ ID NO:2又は20の少なく
とも40個の連続するヌクレオチドに対応する核酸プローブにハイブリダイズす
る。
この発明は又、実質的に純粋なオリゴヌクレオチドを含むプローブ又はプライ
マーをも提供する。このオリゴヌクレオチドは、厳しい条件下で、SEQ ID NO:1
〜4及び20の1つのセンス鎖若しくはアンチセンス鎖の少なくとも10個の
連続するヌクレオチドにハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域、又はその
天然の変異体を含む。好適具体例において、このプローブ又はプライマーは、更
に、それに付着させた標識基を含む。この標識基は、例えば、放射性同位体、蛍
光性化合物、酵素及び/又は酵素の共同因子であってよい。この発明のプローブ
は、トランスフォームした細胞を同定するための、例えば患者から単離した細胞
試料において、主題のE2結合蛋白質の1つをコードする核酸のレベルを測定し
;例えば細胞中のE2−BPmRNAレベルを測定し;例えばゲノムのE2−B
P遺伝子が突然変異し又は欠失したかどうかを測定するための診断試験用キット
の一部として用いることができる。好ましくは、このオリゴヌクレオチドは、少
なくとも10ヌクレオチド長であって且つ20、30、50、100又は150
ヌクレオチド長より短い。
他の面において、この発明は、細胞例えばE2−BPトランスジーンを有する
細胞又はE2−BPを誤発現する細胞の精製した標品を特徴とする。この細胞標
品は、E2−BPトランスジーンを有するヒト細胞又は非ヒト細胞例えばゲッ歯
動物細胞例えばマウス若しくはラットの細胞、ウサギ細胞、ブタ細胞から、例え
ばここに記載したE2−BP遺伝子の1つの異種型例えばヒトから誘導した遺伝
子(非ヒト細胞の場合)、又は内因性E2−BP遺伝子を誤発現する遺伝子を含
む(好ましくは、発現する)細胞から、例えば主題のE2−BPの1つ以上の発
現が破壊されている細胞からなるものであってよい。かかるトランスジェニック
細胞は、突然変異した若しくは誤発現されるE2−BP対立遺伝子に関連する細
胞異常を研究するためのモデルとして又は薬物スクリーニングにおける使用のた
めに働き得る。
例えば、この発明は、ウイルス生活環に関連するパラメーター例えば転写、翻
訳、感染性;トランスフォーメーションに関連するパラメーター例えば細胞成長
;不滅化に関連するパラメーター細胞成長;望ましくない細胞増殖に関連するパ
ラメーター例えばいぼ又は腫瘍の形成の何れかに対するE2−BPの発現又は誤
発現の効果を評価する方法を含む。この方法は、E2−BPトランスジーンを有
するトランスジェニック細胞を用意し;その細胞をPV例えばHPVと接触させ
;そしてそのトランスジーンのパラメーターに対する効果を評価する(例え
ば、トランスジェニック細胞についてのパラメーターの値を対照例えば野生型細
胞についての値と比較することによる)ことを含む。
他の面において、発明は、E2−BPトランスジーンを有するトランスジェニ
ック非ヒト動物例えばゲッ歯動物例えばマウス若しくはラット、ウサギ、ブタを
、例えばここに記載したE2−BP遺伝子の1つの異種型例えばヒトから誘導し
た遺伝子、又は内因性E2−BP遺伝子を誤発現する遺伝子を含む(好ましくは
、発現する)動物を、例えば主題のE2−BPの1つ以上の発現が破壊されてい
る動物を特徴とする。かかるトランスジェニックは、突然変異した若しくは誤発
現されるE2−BP対立遺伝子に関連する細胞異常を研究するためのモデルとし
て又は薬物スクリーニングにおける使用のために働き得る。
例えば、この発明は、ウイルス生活環に関連するパラメーター例えば転写、翻
訳、感染性;トランスフォーメーションに関連するパラメーター例えば細胞成長
;不滅化に関連するパラメーター例えば細胞成長;望ましくない細胞増殖に関連
するパラメーター例えばいぼ又は腫瘍の形成の何れかに対するE2−BPの発現
又は誤発現の効果を評価する方法を含む。この方法は、E2−BPトランスジー
ンを有するトランスジェニックを用意し;その動物をPV例えばHPVと接触さ
せ;そしてそのトランスジーンのパラメーターに対する効果を評価する(例えば
、トランスジェニック動物についてのパラメーターの値を対照例えば野生型動物
についての値と比較することによる)ことを含む。
更に別の面において、この発明は、試験化合物を、相互作用を調節する能力、
例えばE2−BPポリペプチドのパピローマウイルスE2蛋白質との相互作用を
阻止する能力について評価する方法を特徴とする。この方法は、(i)ウイルス
性E2蛋白質(好ましくは、その精製標品)、E2−BP(好ましくは、その精
製標品)例えばこの発明のE2−BP(例えば、42A、SD−23、SD−2
4又はSD2−7の群から選択するクローンの1つから発現される蛋白質)、及
び試験化合物を、その試験化合物の不在時には、E2蛋白質及びE2結合蛋白質
が相互作用して、例えば複合体を形成することのできる条件下で合わせ;そして
(ii)相互作用例えば、E2蛋白質とE2結合蛋白質とを含む複合体の形成(又
は、解離)を検出するステップを含む。試験化合物の存在下での複合体の形
成の変化例えば減少又は増加(試験化合物の不在時に見られるものに対する変化
)は、E2蛋白質とE2結合蛋白質との間の相互作用の調節例えば阻止又は促進
を示めす。好適具体例において、E2蛋白質は、例えばハイリスクHPVからの
例えばHPV−16、−18、−31又は−33からのHPV E2蛋白質であ
り;E2蛋白質は、BPV E2蛋白質であり;E2蛋白質及びE2結合蛋白質
を、無細胞系にて合わせて試験化合物と接触させ;即ち、無細胞系を、細胞溶解
物及び再構成した蛋白質混合物よりなる群から選択し;E2結合蛋白質を細胞に
おいて同時に発現させ、且つその細胞を試験化合物と接触させ;例えば、E2結
合蛋白質は、相互作用トラップアッセイ(例えば、2ハイブリッドアッセイ)を
含む。
更に別の面において、この発明は、試験化合物を、例えば調節する能力例えば
E2−BPポリペプチドのパピローマウイルスE2蛋白質との相互作用を阻止し
又は促進する能力について評価するための2相法(イン・ビトロ及びイン・ビボ
相を有する)を特徴とする。この方法は、(i)イン・ビトロで、ウイルス性E
2蛋白質(好ましくは、精製標品)、E2−BP(好ましくは、精製標品)例え
ばこの発明のE2−BP(例えば、42A、SD−23、SD−24又はSD2
−7の群から選択するクローンの1つから発現される蛋白質)及び試験化合物を
、その試験化合物の不在時には、E2蛋白質及びE2結合蛋白質が相互作用して
、例えば複合体を形成することのできる条件下で合わせ;(ii)相互作用例えば
、E2蛋白質とE2結合蛋白質とを含む複合体の形成(又は、解離)を検出し(
試験化合物の存在下での相互作用例えば複合体の形成の変化例えば減少(試験化
合物の不在時に見られるものに対する変化)は、E2蛋白質とE2結合蛋白質と
の相互作用の調節例えば阻止を示す);(iii)試験化合物がイン・ビトロで相互
作用を調節するかを測定し、もしそうであるなら;(iv)その試験化合物を細胞
又は動物に投与し;そして(v)その化合物の、E2−BPポリペプチドのパピ
ローマウイルスE2蛋白質との相互作用例えば阻止に対するイン・ビボでの効果
を、例えば細胞成長への効果により又はPV遺伝子若しくはレポーター遺伝子の
発現に対する効果によって評価することを含む。
好適具体例において、E2蛋白質は、例えばハイリスクHPVからの例えば
HPV−16、−18、−31又は−33からのHPV E2蛋白質であり;E
2蛋白質は、BPV E2蛋白質である。
更に別の面において、この発明は、ウイルス生活環例えば転写、翻訳、感染性
;細胞のトランスフォーメーションを達成するPVの能力;細胞の不滅化を達成
するPVの能力;又は望ましくない細胞増殖例えばいぼ又は腫瘍の形成の何れか
を調節する化合物の能力評価する方法を特徴とする。この方法は、(i)ウイル
ス性E2蛋白質(好ましくは、その精製標品)、E2−BP(好ましくは、その
精製標品)例えばこの発明のE2−BP(例えば、42A、SD−23、SD−
24又はSD2−7の群から選択するクローンの1つから発現される蛋白質)及
び試験化合物を、その試験化合物の不在時には、E2蛋白質及びE2結合蛋白質
が相互作用することのできる条件下で合わせ;及び(ii)その相互作用例えばE
2蛋白質及びE2結合蛋白質を含む複合体の形成(又は解離)を検出するステッ
プを含む。試験化合物の存在下での複合体の形成の変化例えば減少(試験化合物
の不在時に見られるものに対する変化)は、ウイルス生活環例えば転写、翻訳、
感染性;細胞のトランスフォーメーションを達成するPVの能力;細胞の不滅化
を達成するPVの能力;又は望ましくない細胞増殖例えばいぼ又は腫瘍の形成の
1つを調節する能力を示す。好適具体例において、E2蛋白質は、例えばハイリ
スクHPVからの例えばHPV−16、−18、−31又は−33からのHPV
E2蛋白質であり;E2蛋白質は、BPV E2蛋白質であり;E2蛋白質及
びE2結合蛋白質を、無細胞系にて合わせて試験化合物と接触させ;即ち無細胞
系を、細胞溶解物及び再構成した蛋白質混合物よりなる群から選択し;E2結合
蛋白質を、細胞において同時に発現させ、且つその細胞を試験化合物と接触させ
、例えばE2結合蛋白質は、相互作用トラップアッセイ(例えば、2ハイブリッ
ドアッセイ)を含む。細胞を、1つ以上のE2−BP/E2複合体の形成を変え
る薬剤と接触させることは、パピローマウイルス感染の病理学的進行を阻止する
ことができ、例えばいぼの形成例えば足底いぼ(足底疣贅)、尋常性いぼ(扁平
疣贅)、Butcher 尋常性いぼ、扁平いぼ、性器いぼ(尖圭コンジローム)、又は
疣贅状表皮発育異常症の形成を阻止し若しくは逆行させることができ;並びにト
ランスフォームされ及び/又は不滅化された又はこれらの危険
にあるパピローマウイルス細胞例えば癌様の例えば喉頭パピローマ、巣状上皮、
子宮頚癌腫を治療することができる。
更に別の面において、この発明は、ウイルス生活環例えば転写、翻訳、感染性
;細胞のトランスフォーメーションを達成するPVの能力;細胞の不滅化を達成
するPVの能力;又は望ましくない細胞増殖例えばいぼ又は腫瘍の形成の何れか
を調節する化合物の能力を評価する2相法(イン・ビトロ及びイン・ビボ相を有
する)を特徴とする。この方法は、(i)イン・ビトロで、ウイルス性E2蛋白
質(好ましくは、その精製標品)、E2−BP(好ましくは、その精製標品)例
えばこの発明のE2−BP(例えば、42A、SD−23、SD−24又はSD
2−7の群から選択するクローンの1つから発現される蛋白質)、及び試験化合
物を、その試験化合物の不在時にはE2蛋白質とE2結合蛋白質が相互作用する
ことのできる条件下で合わせ;(ii)E2蛋白質及びE2結合蛋白質を含む複合
体の形成(又は解離)を検出し、この化合物が形成又は解離に効果を有するなら
ば;(iii)この試験化合物を細胞又は動物に投与し;そして(iv)ウイルス生活
環例えば転写、翻訳、感染性;細胞のトランスフォーメーションを達成するPV
の能力;細胞の不滅化を達成するPVの能力;又は望ましくない細胞増殖例えば
いぼ若しくは腫瘍の形成の何れかに対するその化合物のイン・ビボでの効果を、
例えば細胞成長に対する効果により又はPV遺伝子の発現に対する効果によって
評価することを含む。
好適具体例において、E2蛋白質は、例えばハイリスクHPVからの例えばH
PV−16、−18、−31又は−33からのHPV E2蛋白質であり;E2
蛋白質は、BPV E2蛋白質である。
更に別の面において、この発明は、(i)細胞を用意し;(ii)E2−BPを
その細胞に投与し;そして(ii)その細胞をPVと接触させ;そして(iii)ウイ
ルスの増殖に関連するパラメーター例えばウイルスの複製、転写、翻訳、トラン
スフォーメーション又は不滅化に対するE2−BPの効果を測定することを含む
ウイルスの増殖を調節するE2−BPペプチドの能力を評価する方法を特徴とす
る。
好適具体例において、E2−BPは、E2−BP42AE2−BPSD-23E2−
BPSD-24又はE2−BPSD2-7である。
他の面において、この発明は、E2−BP例えばE2−BP42A、E2−BPS D-23
、E2−BPSD-24又はE2−BPSD2-7と相互作用する(例えば、これらと
結合する)化合物の能力を評価する方法を特徴とする。この方法は、E2−BP
(好ましくは、精製された形態)を用意し;このE2−BPをその化合物と接触
させ;そしてその化合物がこのE2−BPと相互作用する(例えば、結合する)
かどうかを測定することを含む。この方法を用いて、E2のE2−BPとの相互
作用を遮断する化合物を同定することができる。この化合物のE2−BPと相互
作用する能力は、様々な方法により、例えば固定化されたE2−BPに結合する
その化合物の能力を測定することにより、又はリガンド例えば抗E2−BP抗体
又はE2のE2−BPへの結合を阻止し又は破壊するその化合物の能力を測定す
ることによって評価することができる。
好適具体例において、E2−BP蛋白質は、細胞性及び/又はウイルス性化合
物と相互作用すると考えられ、従って、E2−BPと相互作用する化合物は、ウ
イルスが関連する過程を研究し又は調節する(例えば、阻止し又は促進する)の
に有用であろうし、例えば化合物は、望ましくない細胞増殖を研究し又は調節す
るのに有用であろうし;化合物は、いぼ又は腫瘍の形成を研究し又は治療するの
に有用であり、或は細胞成長に対する効果又はPV遺伝子の発現に対する効果を
研究するのに有用であろう。
他の面において、この発明は、患者の哺乳動物例えば霊長類例えばヒトにおけ
るE2−BP関連疾患の存在を測定し又はそのステージを評価する方法を特徴と
する。この方法は、患者におけるE2−BPの発現を、例えばその患者からの試
料例えば血液試料を得ること及びその試料をE2−BP例えばE2−BP42A、
E2−BPSD-23、E2−BPSD-24又はE2−BPSD2-7の発現について評価す
ることにより評価することを含む。E2−BPの非野生型発現は、E2−BP関
連疾患を示す。
この発明の他の面は、患者の哺乳動物例えば霊長類例えばヒトが望ましくない
細胞増殖により特徴付けられる病気の危険にあるかどうかを測定する方法を提供
する。この方法は、(i)E2結合蛋白質例えばSEQ ID NO:5〜8及び21の1
つにより表される蛋白質又はその同族体をコードする遺伝子の完全性に影響を与
える変化;又は(ii)SEQ ID NO:5〜8及び21の1つにより表される蛋白質又
はその同族体をコードする遺伝子の誤発現の少なくとも1つによって特徴付けら
れる遺伝的障害の、患者組織における有無を検出することを含む。好適具体例に
おいて、この遺伝的障害の検出は、E2−BP遺伝子からの1つ以上のヌクレオ
チドの欠失、E2−BP遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加、E2−BP
遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの置換、E2−BP遺伝子の大きい染色体配列
換え、E2−BP遺伝子のメッセンジャーRNA転写物のレベルの大きい変化、
E2−BP遺伝子の異常型修飾例えばゲノムDNAのメチル化パターンの異常型
修飾、E2−BP遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型スプライシン
グパターンの存在、E2結合蛋白質の非野生型レベル、及びE2結合蛋白質の適
当でない転写後修飾の少なくとも1つの存在を確認することを含む。
ある好適具体例において、このアッセイは、E2−BPをコードする配列又は
E2−BP遺伝子の調節領域例えばプロモーターの1つ以上における点突然変異
事象を検出することができる。他の具体例において、この主題の方法は、染色体
異常例えば余分な又は欠落した個々の染色体、染色体の余分な又は欠落した部分
(部分的重複又は欠失)、破壊、環及び染色体配列換えにより特徴付けられる異
常を検出することができる。例えば、この診断アッセイを用いて、E2−BP遺
伝子又はその部分の配列換え、増幅及び/又は欠失を検出することができる。
例えば、この遺伝的障害の検出は、(i)SEQ ID NO:1〜4及び20の1つの
センス又はアンチセンス配列に、又はその天然の変異体に又はE2−BP遺伝子
と天然において結合している5’若しくは3’フランキング配列にハイブリダイ
ズするヌクレオチド配列の領域を含むオリゴヌクレオチドを含むプローブ/プラ
イマーを用意し;(ii)このプローブ/プライマーを組織の核酸にさらし;そし
て(iii)このプローブ/プライマーのその核酸へのハイブリダイゼーションによ
って、遺伝的障害の存否を検出することを含み;ここに、この障害の検出は、こ
のプローブ/プライマーを利用してE2−BP遺伝子及び適宜フランキング核酸
配列のヌクレオチド配列を決定することを含み;例えばこの障害の検出は、この
プローブ/プライマーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において利用すること
を含み、例えば該障害の検出は、このプローブ/プライマーをライゲーション連
鎖反応(LCR)において利用することを含む。代わりの具体例においては、該
蛋白質のレベルを、例えばSEQ ID NO:5〜8及び21の1つにより表される蛋白
質と特異的に免疫反応する抗体を用いる免疫アッセイにて検出する。
この発明は又、患者のE2結合蛋白質の1つ以上の野生型機能の消失により特
徴付けられる望ましくない細胞成長を有する該患者である哺乳動物例えば霊長類
例えばヒトを治療する方法をも提供する。この方法は、E2結合蛋白質の他の細
胞性又はウイルス性蛋白質との相互作用を阻止することのできる薬剤の治療上有
効な量を投与することを含む。一具体例において、この方法は、SEQ ID NO:5〜
8及び21の1つにて表されるポリペプチドをコードする核酸構築物を、その構
築物がE2結合蛋白質不足の細胞により取り込まれる条件下で、及び組換え遺伝
子が、例えば遺伝子治療技術により、発現される条件下で投与することを含む。
他の好適具体例において、この治療用薬剤は、抗体例えば一本鎖抗体、又はアン
チセンス構築物であってよい。かかる薬剤は、細胞輸送に従順な配合物にて、又
は遺伝子治療構築物の形態にて送達することができる。
他の面において、この発明は、変異体E2ポリペプチド、好ましくは変異体E
2ポリペプチドの実質的に純粋な標品、又は組換え変異体E2ポリペプチドを特
徴とし、該変異体は、PVゲノム中のE2応答性要素に結合することができるが
、E2の転写制御下にある遺伝子の転写の活性化は欠損したものである。好適具
体例において、この変異体E2は、E2ポリペプチドの制御下での通常のPVの
活性化の、少なくとも25%、一層好ましくは50%、更に好ましくは75%又
は90%の減少を生じる。好適具体例において、この突然変異は、点突然変異で
あり;この突然変異は、天然のE2の最初の10、20、50、100、150
又は250アミノ酸にあり;このE2変異体は、E2のアミノ酸残基15〜20
8の残基(両端を含む)におけるアミノ酸変化好ましくは非保存的アミノ酸変化
を有し;この突然変異は、次のアミノ酸残基:Q15H、D24A、K25E、
E39G、A46E、F87S、W92R、W99C、P106S、N127Y
、Y138H、W145R又はR208Gの何れかにおけるものであり;この変
異体E2ポリペプチドは、先端切除変異体以外のものであり、例えば
天然のE2の最初の10、20、50又は100個のN末端アミノ酸が欠失した
先端切除以外のものであり;この変異体E2ポリペプチドは、天然のE2の最初
の10、20、50又は100アミノ酸をコードする核酸に、厳しい条件下でハ
イブリダイズすることのできる核酸によりコードされる。
好適具体例において、この変異体E2ポリペプチドは、欠失変異体であり、好
ましくは、天然のE2の、10ヌクレオチド未満、一層好ましくは5ヌクレオチ
ド未満、更に好ましくは3ヌクレオチド未満が欠失している。好適具体例におい
て、このポリペプチドは、天然のE2ポリペプチドのアミノ酸配列に対して少な
くとも60%、80%、90%又は95%相同なアミノ酸配列を有し;このポリ
ペプチドは、少なくとも5、10、20、50、100又は150アミノ酸長で
あり;このポリペプチドは、天然のE2ポリペプチドの配列からの、少なくとも
5個の、好ましくは少なくとも10個の、一層好ましくは少なくとも20個の、
更に好ましくは少なくとも50、100又は150個の隣接するアミノ酸を含み
;この変異体E2ポリペプチドは、天然のE2ポリペプチドの生物学的活性を破
壊する。例えば、この変異体E2ポリペプチドは、PVオンコジーンのE2媒介
による転写を邪魔することにより抗ウイルス効果を発揮することができる。
好適具体例において、この変異体E2ポリペプチドは、野生型E2の核酸によ
り、又は野生型E2の核酸と少なくとも60%、70%、80%、90%若しく
は95%の相同性を有する核酸によりコードされる。
好適具体例において、この変異体E2ポリペプチドは、PVゲノム中のE2応
答性要素への結合について、野生型E2と競争し、例えば内因性E2が発現され
る腫瘍細胞において腫瘍成長を抑制することができ;パピローマウイルス感染細
胞例えばHPV感染細胞の成長を抑制することができ;パピローマウイルス感染
細胞例えばHPV感染細胞例えばハイリスクHPV感染細胞例えばHPV−16
、−18、−31感染細胞、例えばウシパピローマウイルス(BPV)の成長を
阻止することができ;細胞への、パピローマウイルス例えばHPV例えばハイリ
スクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は33、例えばウシパピロー
マウイルス(BPV)の感染を阻止することができ;パピローマウイルス例えば
HPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は
33による細胞のトランスフォーメーション、例えばヒト細胞のパピローマウイ
ルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31
又は33、例えばウシパピローマウイルスによるトランスフォーメーションを阻
止することができ;いぼの成長を阻止し又はその大きさを減じることができる。
この発明は、免疫原標品中に変異体E2ポリペプチドを含む免疫原を含み、こ
の免疫原は、該変異体E2ポリペプチドに特異的な免疫応答例えば体液性応答、
抗体応答、又は細胞性応答を誘出することができる。好適具体例において、この
免疫原は、抗原決定基例えば変異体E2ポリペプチドにより表される蛋白質から
のユニークな決定基を含む。
本発明は又、変異体E2免疫原の又は一般に変異体E2ポリペプチドのエピト
ープと特異的に反応する抗体標品をも含む。好適具体例において、この抗体は、
野生型E2ポリペプチドと又はここで言及したE2先端切除ポリペプチドと交差
反応しない。
他の面において、この発明は、PVゲノム中のE2応答性要素に結合し得るが
E2の転写制御下にある遺伝子の転写の活性化を欠く変異体E2ポリペプチドを
コードする実質的に純粋な核酸又は組換え核酸を特徴とする。好適具体例におい
て、この変異体E2は、E2ポリペプチドの制御下での通常のPVの活性化の少
なくとも25%の、一層好ましくは50%の、更に好ましくは75%又は90%
の減少を生じる。好適具体例において、この突然変異は、点突然変異であり;こ
の突然変異は、天然のE2の最初の10、20、50、100、150又は25
0アミノ酸内にあり;このE2変異体は、E2のアミノ酸残基15〜208(両
端を含む)におけるアミノ酸変化好ましくは非保存的アミノ酸変化を有し;この
突然変異は、次のアミノ酸残基:Q15H、D24A、K25E、E39G、A
46E、F87S、W92R、W99C、P106S、N127Y、Y138H
、W145R又はR208Gの何れかにあり;この変異体E2にコードされるポ
リペプチドは、先端切除変異体以外のものであり、例えば天然のE2の最初の1
0、20、50又は100個のN末端アミノ酸が欠失した先端切除以外のもので
あり;この変異体E2にコードされるポリペプチドは、天然のE2の
最初の10、20、50又は100アミノ酸をコードする核酸に厳しい条件下で
ハイブリダイズし得る核酸によりコードされる。
好適具体例において、この変異体E2にコードされるポリペプチドは、欠失変
異体であり、該変異体においては、好ましくは、天然のE2の10ヌクレオチド
未満が、一層好ましくは5ヌクレオチド未満が、更に好ましくは3ヌクレオチド
未満が欠失している。好適具体例において、このコードされるポリペプチドは、
天然のE2ポリペプチドのアミノ酸配列に少なくとも60%、80%、90%又
は95%相同なアミノ酸配列を有し;このコードされるポリペプチドは、少なく
とも5、10、20、50、100又は150アミノ酸長であり;このコードさ
れるポリペプチドは、天然のE2ポリペプチドの配列からの少なくとも5個の、
好ましくは少なくとも10個の、一層好ましくは少なくとも20個の、更に好ま
しくは少なくとも50、100又は150個の連続するアミノ酸を含み;この変
異体E2にコードされるポリペプチドは、天然のE2ポリペプチドの生物学的活
性を破壊する。例えば、この変異体E2ポリペプチドは、PVオンコジーンのE
2媒介による転写を邪魔することにより抗ウイルス効果を発揮することができる
。
好適具体例において、この核酸は、天然のE2のものであり;この核酸は、天
然のE2の核酸配列と少なくとも60%、70%、80%、90%又は95%相
同である。
好適具体例において、コードされるポリペプチドは、PVゲノム中のE2応答
性要素への結合について野生型E2と競争し、好ましくは腫瘍成長を例えば内因
性E2が発現される腫瘍細胞において抑制することができ;パピローマウイルス
感染細胞例えばHPV感染細胞の成長を抑制することができ;パピローマウイル
ス感染細胞例えばHPV感染細胞例えばハイリスクHPV感染細胞例えばHPV
−16、−18、−31又は−33感染細胞、例えばウシパピローマウイルス(
BPV)感染細胞の成長を阻止することができ;細胞への、パピローマウイルス
例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、−18、−31又は
−33、例えばウシパピローマウイルス(BPV)の感染を阻止することができ
;パピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−
16、−18、−31又は−33、例えばウシパピローマウイルスによる細胞の
トランスフォーメーションを阻止することができ;又は細胞例えばヒト細胞の、
パピローマウイルス例えばHPV例えばハイリスクHPV例えばHPV−16、
−18、−31又は−33、例えばウシパピローマウイルスによる不滅化を阻止
することができ;いぼの成長を阻止し又はその大きさを減じることができる。
好適具体例において、主題の変異体E2核酸は、転写調節配列例えば、変異体
E2遺伝子配列に操作可能に結合された少なくとも1つの転写プロモーター又は
転写エンハンサー配列を含んで、例えば、発現ベクターとしての使用に適した変
異体E2遺伝子配列を与える。
この発明は又、PVの存在により特徴付けられる病気、例えば望ましくない細
胞増殖により特徴付けられる病気;又はE2蛋白質のPVゲノムとの相互作用に
より特徴付けられる病気を有する患者の哺乳動物例えば霊長類例えばヒトを治療
するための方法をも提供する。この方法は、治療上有効な量の変異体E2ポリペ
プチド又はその断片を患者の哺乳動物例えば霊長類例えばヒトに投与することを
含む。一具体例において、この方法は、変異体E2ポリペプチドをコードする核
酸構築物を、PV遺伝子が野生型E2の転写制御下にある細胞によってその構築
物が取り込まれる条件下で、及びその組換え遺伝子が例えば遺伝子治療技術によ
り発現される条件下で投与することを含む。
本発明の実施は、別途指示しない限り、当業者の範囲内にある細胞生物学、細
胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNA及び
免疫学の慣用技術を用いる。かかる技術は、文献中に十分に説明されている。例
えば、Sambrook,Fritsch 及び Maniatis による Molecular Cloning A Laborat
ory Manual,第二版(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989);DNA Clon
ing,第I及びII巻(D.N.Glover編、1985); Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait
編、1984); Mullis等、米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid Hybri
dization(B.D.Hames 及び S.J.Higgins編、1984); Transcription And Translat
ion(B.D.Hames及び S.J.Higgins編、1984); Culture Of Anical Cells(R.I.Fres
hney,Alan R.Liss,Inc.,1987); Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press,1
988);B.Perbal,A Practical Guide To Molecular
Cloning(1984); 学術論文、Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.,ニューヨーク
); Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells(J.H.Miller及び M.P.Calos
編、1987,Cold Spring Harbor Laboratory); Methods In Enzymology,第154 及
び155 巻(Wu等、編)、Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology
(Mayer及び Walker 編、Academic Press,London,1987); Handbook Of Experim
ental Immunology,第I-IV巻(D.M.Weir 及び C.C.Blackwell編、1986); Manipul
ating the Mouse Embryo(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring
Harbor,ニューヨーク、1986)を参照されたい。
この発明の他の特徴及び利点は、下記の詳細な説明及び請求の範囲から明らか
となろう。
図面の説明
図1は、2ハイブリッドアッセイにおける発現のためのVP16/cDNA融
合遺伝子を構築するために用いたpEJAプラスミッドの一般的地図である。
図2は、E2及びE2変異物と42Aとの相互作用を説明する図式ダイヤグラ
ムである(イン・ビボ及びイン・ビトロ結合アッセイにより規定)。
図3は、β−ガラクトシダーゼレポーターpLG−178、pL72及びpL
g−312の図式ダイヤグラムである。
図4は、42A欠失物と S.cervisiae中のBPV−1 E2との相互作用を説
明する図式ダイヤグラムである。
図5は、S.cervisiae 中のE2、42a転写活性化データを説明する図式ダイ
ヤグラムである。
発明の詳細な説明概観: パピローマウイルス及びE2−BP
パピローマウイルス(PV)は、それらの宿主に良性の上皮の腫瘍即ちいぼを
引き起こす感染性作用因子である。特定のヒトパピローマウイルス(HPV)の
感染は、子宮頚、性器、皮膚の(及び頻度は低いが他の部位の)悪性腫瘍を含む
ヒト上皮の悪性腫瘍とも関係している。
ヒト及び動物のパピローマウイルス(PV)ゲノムのmRNAの一時的発現及
びヌクレオチド配列の分析は、それらの遺伝的機構における全体的な構造的類似
性を示した。すべてのPVには、少なくとも7つのオープンリーディングフレー
ム(ORF)があり、異なるRNAスプライシングは幾つかの付加的蛋白質を生
成する能力を与える。これらのウイルス複製に必要な遺伝子は、典型的には、接
頭辞「E」(「初期」の意)を用いて表され、これらは、「L」即ち「後期」遺
伝子より前に発現される。パピローマウイルスE2オープンリーディングフレー
ムの産物は、ウイルスサイクルの調節において鍵となる役割を演じ、転写及び複
製の両者を達成する。例えば、E2蛋白質は、ウイルスゲノム中の保存されたD
NAモチーフへの結合が一般的に必要であるが、明らかに幾つかの別々の機構に
よってウイルスプロモーターを活性化し又は抑制することができる。E2蛋白質
は、ウイルス遺伝子発現のための正及び負のフィードバックループの両者を与え
るようであり、長期の感染の持続を達成するのに必要な機構の部分であるようで
ある。
種々のパピローマウイルスのE2蛋白質の間でのアミノ酸配列の相同性は低い
(典型的には、約35%)が、これらのE2蛋白質は、別々の機能を有するユニ
ークな構造ドメインを構成する保存されたモチーフを共有している。特に、E2
蛋白質のC末端ドメインは、ウイルスDNA上のE2結合部位の認識を引き受け
ている。E2蛋白質のN末端ドメインは、E2蛋白質のホモ二量体のウイルスD
NAへの結合に続く転写活性化の原因である。しかしながら、N末端トランス活
性化ドメインの大きいサイズは、我々に、このドメインが他の細胞性蛋白質例え
ば転写因子との複数の相互作用を規定し、それらとの相互作用は、パピロー
マウイルス感染の生理学的応答、持続及び細胞特異性に予め必要であることを予
想させる。ここに記載の仕事においては、2ハイブリッドアッセイ(2ハイブリ
ッドアッセイの例は米国特許出願第5,283,173号に見出すことができる
)を用いて、ウイルス性E2蛋白質と相互作用し且つPVの伝染性及び/又はト
ランスフォーメーションに関係する候補蛋白質であるヒト細胞蛋白質を同定した
。
下記の実施例に記載したように、E2インターラクターについてcDNAライ
ブラリーをスクリーニングするために用いる2ハイブリッドシステムは、E2応
答性のβ−ガラクトシダーゼ(lacZ)レポーター構築物及びトランス活性化
欠損E2蛋白質をコードする発現構築物を含む。用いたトランス活性化欠損E2
変異体は、この蛋白質のN末端部分に点突然変異を含む変異体のライブラリーを
スクリーニングすることにより誘導した。これらの単離したE2変異体は、転写
を活性化できないにもかかわらず、DNA結合活性を保持した。E2応答性レポ
ーターの活性化は、機能的転写活性化ドメインを含む蛋白質が欠損E2蛋白質と
相互作用したときにのみ起きた(複合体が、レポーター遺伝子中のE2応答性要
素に結合したから)。転写欠損E2を発現し且つE2応答性レポーター構築物を
有する酵母株を、ランダムにプライムされるHeLa細胞DNAを強力なVP1
6転写活性化ドメインのC末端側に挿入した酵母シャトルベクタープラスミッド
のライブラリーを用いてトランスフォームした。VP16/cDNA融合蛋白質
と欠損E2蛋白質との相互作用は、VP16転写活性化ドメインをE2結合部位
に補充してlacZ遺伝子の発現を活性化する。
このアッセイを用いて、E2と特異的に相互作用する蛋白質をコードする幾つ
かのヒト遺伝子を単離した。この発明の具体例は、下記のように、部分的に、他
のウイルス蛋白質例えばE1に加えて、パピローマウイルス蛋白質E2が幾つか
の細胞性蛋白質(以後、「細胞性E2結合蛋白質」又は「E2−BP」と呼ぶ)
とも会合することができ、この会合がパピローマウイルス感染及びパピローマウ
イルスの媒介による病状の病因論に重要であるらしいという発見から引き出され
る。例えば、E2結合蛋白質のE2との会合は、ウイルス性オンコジーン例えば
E5、E6若しくはE7の発現の調節に重要であろうし、又は細胞型(例えば、
上皮)及び感染組織の分化のステージに基づく感染の特異性を確実にする機構を
与えるために重要であり得る。E2結合蛋白質のあるものは又、ウイルスゲノム
のE2媒介による複製の調節においても機能し得る。従って、E2の1つ以上の
E2結合蛋白質との相互作用は、細胞の感染及び/又は新生物形成トランスフォ
ーメーションのホメオスタシスの調節において重要であり得る。従って、この発
明の具体例は、パピローマウイルス感染細胞を検出し治療するための診断用及び
治療用のアッセイ及び試薬を提供する。
例えば、この発明のE2−BPをアッセイの基礎として用いて、特定のE2結
合蛋白質のパピローマウイルスE2蛋白質に結合する能力を変え(例えば、減少
させ)、それにより、E2−BP/E2複合体の調節(例えば、阻止)を介して
、パピローマウイルス感染、トランスフォーメーション及び/又は不滅化を調節
する(例えば、阻止する)薬剤を同定することができる。かかる薬剤は、例えば
、ヒトパピローマウイルス例えばHPV−1、HPV−2、HPV−3、HPV
−4、HPV−5、HPV−6、HPV−7、HPV−8、HPV−9、HPV
−10、HPV−11、HPV−12、HPV−14、HPV−13、HPV−
15、HPV−16、HPV−17又はHPV−18が感染した、特にHPV−
16、HPV−18、HPV−31及びHPV−33等のハイリスクHPVが感
染した細胞におけるE2−BP/E2複合体を妨げるように治療に用いることが
できる。類似の仕方で、他のPV例えばウシパピローマウイルス(BPV)例え
ばBPV−1又はワタオウサギパピローマウイルス(CRPV)におけるE2−
BP/E2複合体の形成を阻止する薬剤を同定することができる。細胞を、1つ
以上のE2−BP/E2複合体の形成を変える薬剤と接触させることは、パピロ
ーマウイルス感染の病理学的進行を阻止することができ、例えばいぼ例えば足底
いぼ(足底疣贅)、尋常性いぼ(扁平疣贅)、Butcher 尋常性いぼ、扁平いぼ、
性器いぼ(尖圭コンジローム)、又は疣贅状表皮発育異常症の形成を阻止し又は
逆行させることができ;並びにトランスフォームされ及び/又は不滅化された又
はこれらの危険にあるパピローマウイルス細胞例えば癌様の例えば喉頭パピロー
マ、巣状上皮、子宮頚癌腫を治療することができる。
ここで用いる場合、用語「核酸」は、ポリヌクレオチド例えばデオキシリボ核
酸(DNA)をいい、適宜、リボ核酸(RNA)をいう。この用語は又、ヌクレ
オチドアナログから作られるRNA又はDNAのアナログをも同等物として含み
且つ、記載した具体例に適用可能であるので、一本鎖の(センス又はアンチセン
ス)及び二本鎖のポリヌクレオチドも含むと理解されるべきである。
ここで用いる場合、用語「遺伝子」又は「組換え遺伝子」は、E2結合ポリペ
プチドをコードするオープンリーディングフレームを含む核酸をいい、それは、
エキソン及び(適宜)イントロンの配列の両者を含む。主題のE2結合蛋白質を
コードする典型的な組換え遺伝子は、SEQ ID NO:1〜4及び20の何れか1つに
よって表されている。更に、主題のE2結合蛋白質の各々をコードする組換え遺
伝子は、下記のように、ATCC寄託番号75915から単離することができる
。用語「イントロン」は、所定のE2−BP遺伝子中に存在する蛋白質に翻訳さ
れないDNA配列をいい、一般に、エキソンの間に見出される。
ここで用いる場合、用語「トランスフェクション」は、核酸例えば発現ベクタ
ーの、レシピエント細胞への、核酸媒介による遺伝子トランスファーによる導入
を意味する。「トランスフォーメーション」は、ここで用いる場合、外因性DN
A又はRNAの細胞による取り込みの結果としてその細胞の遺伝子型が変化する
過程をいい、例えば、トランスフォームされた細胞は、本発明のE2結合蛋白質
の組換え型を発現し、アンチセンス発現がトランスフェクトされた遺伝子から生
じ、E2結合蛋白質の天然型からの発現は破壊される。
ここで用いる場合、用語「ベクター」は、それに結合された他の核酸を輸送す
ることのできる核酸分子をいう。好適ベクターの一つの型は、エピソーム即ち染
色体外で複製可能な核酸である。好適ベクターは、それらが結合された核酸の自
律的な複製及び/発現が可能なものである。機能的に結合された遺伝子の発現を
指令することのできるベクターを、ここでは、「発現ベクター」と呼ぶ。一般に
、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしば、「プラスミッド
」の形態であり、それは、ベクター型では染色体に結合しない環状の二本鎖DN
Aループをいう。本明細書においては、「プラスミッド」及び「ベクター」は、
プラスミッドが殆ど一般に用いられるベクターの形態であるので、交換可能に使
用する。しかしながら、この発明は、同等の機能をする及びこの後に当業者
に公知となる他の形態の発現ベクターを含むことを意図している。
「転写調節配列」は、操作可能に結合された蛋白質コード配列の転写を誘導し
又は制御する開始シグナル、エンハンサー及びプロモーター等のDNA配列をい
う、この明細書中で用いられる包括的用語である。好適具体例において、組換え
E2−BP遺伝子の転写は、発現を意図する細胞型中の組換え遺伝子の発現を制
御するプロモーター配列(又は他の転写調節配列)の制御下にある。組換え遺伝
子は、天然型のE2結合蛋白質の転写を制御する配列と同じか又は異なる転写調
節配列の制御下にあってよいということは理解されよう。
ここで用いる場合、用語「組織特異的プロモーター」は、プロモーターとして
働く即ちそのプロモーターに操作可能に結合された選択されたDNA配列の発現
を調節し、組織の特異的な細胞例えば上皮系統の細胞例えば子宮頚扁平上皮細胞
における選択したDNA配列の発現を達成するDNA配列を意味する。上皮特異
的なプロモーターの説明のための具体例において、遺伝子構築物を、遺伝子治療
の一部として用いて、例えば、パピローマウイルス媒介による病気例えば乳頭腫
における主題のE2結合蛋白質の1つを含むE2/E2−BP複合体のレベルを
調節するためにE2−BPアンタゴニストを送達し、又は上皮組織のみにおける
主題のE2結合蛋白質の1つのアンチセンス構築物の発現を指示することができ
る。この用語は又、選択したDNAの発現を主として1つの組織において調節す
るが他の組織においても発現を生じるいわゆる「漏れ易い」プロモーターをもカ
バーするものである。
細胞の精製した標品は、動植物細胞の場合には、細胞のイン・ビトロ標品をい
うが、完全な無傷の動植物をいうものではない。培養細胞又は微生物細胞の場合
には、それは、主題の細胞の少なくとも10%の又は一層好ましくは50%の標
品からなる。
ここで用いる場合、「トランスジェニック動物」は、1つ以上の細胞がヒトの
介入により、例えば当分野で周知のトランスジェニック技術により導入された異
種核酸を含む任意の動物好ましくは非ヒト哺乳動物、鳥類又は両生類である。こ
の核酸は、細胞中へ、故意の遺伝的操作例えばマイクロインジェクション又は組
換えウイルスでのトランスフェクションによるその細胞の前駆細胞への導入に
より、直接又は間接に導入される。用語遺伝的操作は、古典的な交配又はイン・
ビトロでの受精を含まず、むしろ組換えDNA分子の導入に向けられている。こ
の分子は、染色体中にインテグレートされ得るし、又は染色体外で複製するDN
Aであってよい。ここに記載の典型的なトランスジェニック動物において、トラ
ンスジーンは、細胞に、主題のE2−BP蛋白質の1つの組換え型例えばアゴニ
スト又はアンタゴニスト型を発現させる。しかしながら、組換えE2−BP遺伝
子がサイレントであるトランスジェニック動物は又、例えば、下記のFLP又は
CREレコンビナーゼ依存性構築物と予期される。更に、「トランスジェニック
動物」は又、ヒトの介入(組換え及びアンチセンス技術の両者を含む)により1
つ以上のE2−BP遺伝子の遺伝子破壊が引き起こされている組換え動物をも含
む。
この発明の「非ヒト動物」は、脊椎動物例えばゲッ歯類、非ヒト霊長類、ヒツ
ジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類等を含む。好適な非ヒト動物は、ラ
ット及びマウスを含むゲッ歯類科から選択され、トランスジェニック両生類例え
ばXenopus 属のメンバー及びトランスジェニックニワトリも又、例えば胚形成及
び組織形成に影響を与え得る薬剤を理解し及び同定するための重要なツールを提
供し得るが、最も好ましいのはマウスである。用語「キメラ動物」は、ここでは
、組換え遺伝子が見出される動物か又は組換え遺伝子がその動物のすべての細胞
ではないが幾つかの細胞において発現されている動物を呼ぶのに用いる。用語「
組織特異的キメラ動物」は、組換えE2−BP遺伝子の1つが幾つかの組織に存
在し及び/又は発現され又は破壊されているが他の組織ではそうではないものを
指す。
ここで用いる場合、用語「トランスジーン」は、核酸配列(例えば、1つ以上
のE2−BPをコードするもの)を意味し、それはトランスジェニック動物に対
して部分的に又は完全に異質(即ち、外来物)であり、又はそれが導入されたト
ランスジェニック動物又は細胞の内因性遺伝子に対して同種であるが、それが挿
入された細胞のゲノムを変えるような仕方で動物ゲノム中に挿入されるようにデ
ザインされ又は挿入される(例えば、それは、天然の遺伝子の位置とは異なる位
置に挿入され又はその挿入はノックアウトを生じる)。トランスジーンは、
選択した核酸の最適な発現に必要な1つ以上の転写調節配列及び他の核酸例えば
イントロンを含むことができる。
特定のポリペプチドに対する遺伝子は、単一の又は複数のコピーにて、個体の
ゲノム中に存在することができる。かかる重複遺伝子は、同一であってもよく、
又は実質的に同じ活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド置換、付
加又は欠失を含むある種の修飾を有してもよい。従って、用語「E2結合蛋白質
をコードするDNA配列」は、特定の個体中の1つ以上の遺伝子をいうことがで
きる。更に、対立遺伝子と呼ばれるヌクレオチド配列におけるある種の差異が個
々の生物間に存在し得る。かかる対立遺伝子の差異は、コードされるポリペプチ
ドのアミノ酸配列に変化を生じても生じなくてもよく、やはり同じ生物学的活性
を有する蛋白質をコートする。
「細胞」、「宿主細胞」又は「組換え宿主細胞」は、ここでは、交換可能に用
いられる用語である。かかる用語が特定の患者の細胞をいうだけではなく、かか
る細胞の子孫又は潜在的子孫をもいうものであることは理解されることである。
突然変異又は環境の影響のためにある種の修飾が連続する世代において生じ得る
ので、かかる子孫は、実際は、親の細胞と同一ではあり得ないが、やはり、ここ
で用いるこの用語の範囲内に含まれる。
本発明の目的のために、種々の文法形態における用語「抗体」が、技術的に認
められており、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な
部分即ち抗原に特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子を含
む。構造的に、最も単純な天然の抗体(IgG)は、ジスルフィド結合により連
結された4つのポリペプチド鎖、2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖を含む
。これらの軽鎖は、カッパー(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの異なる形
態にて存在する。各鎖は、定常領域(C)及び可変領域(V)を有する。各鎖は
、一連のドメインに組織化されている。軽鎖は、2つのドメインを有し、一方は
C領域に相当し、他方はV領域に相当する。重鎖は、4つのドメインを有し、1
つはV領域に相当し、3つのドメイン(1、2及び3)はC領域にある。天然の
抗体は、2つのアーム(各アームは、Fab領域である)を有し、その各々は、
互いに結合されたVL及びVH領域を含む。1つの抗体で他の抗体と異なる
のは、このV領域(VL及びVH)の対である(アミノ酸配列変化のため)。重鎖
及び軽鎖の各々についての可変ドメインは、同じ一般的構造を有しており、4つ
のフレームワーク領域(FR)を含むが、それらの配列は比較的保存されていて
、3つの超可変領域即ち相補性決定領域(CDR)により繋れている。各鎖の可
変領域は、典型的には、一般式FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−
CDR3−FR4により表すことができる。特定の可変領域に関するCDRは、
フレームワーク領域によって1つのCDRが他のCDRと近接して保持され、他
の鎖からのCDRと共に、抗原認識を引受け、抗原結合部位(ABS)を与える
。
更に、抗原に結合する機能が天然の抗体の断片によって遂行され得ることが示
されており、上記のように、これらの抗原結合性断片も又用語「抗体」で呼ぶ。
用語抗体に包含される結合性断片の例には、(i)VL、VH、CL及びCH1ドメ
インからなるFab断片;(ii)VH及びCH1ドメインよりなるFd断片;(iii)
抗体の単一アームのVL及びVHドメインよりなるFv断片、(iv)VHドメイン
よりなるdAb断片(Ward等、(1989)Nature 341:544-546);(v)単離された
CDR領域;及び(vi)ヒンジ領域のジスルフィド結合により結合された2つの
Fab断片を含む2価断片であるF(ab')2断片が含まれる。更に、Fv断片の
2つのドメインは別々の遺伝子によりコードされるが、組換え方法によって、そ
れらを単一の蛋白質鎖として作ることを可能にする合成リンカーを作ることが可
能であることが判明している(単一鎖Fv(scFv);Bird 等(1988)Science
242:423-426; 及び Huston 等(1988)PNAS 85:5879-5883 として知られている
)。かかる単一鎖抗体も又、本願における用語「抗体」の意味に包含される。
「キメラ蛋白質」又は「融合蛋白質」は、主題のE2結合蛋白質の1つをコー
ドする酸配列の、主題のE2−BPの何れのドメインに対しても外来性であって
実質的に相同でないドメインを規定するアミノ酸配列との融合物である。キメラ
蛋白質は、第1の蛋白質をも発現する生物中に見出される外来性ドメイン(異な
る蛋白質中ではあるが)を与えることができ、それは、異なる種類の生物により
発現される蛋白質構造の「種間」融合物、「遺伝子間」融合物等であってよ
い。
用語「進化的に関連した」は、E2結合蛋白質をコードする核酸配列に関して
、天然の変異体を含む、生物中で自然に生じた核酸配列をいう。この用語は又、
天然のE2−BPから導かれるが、突然変異誘発例えば下記の組合せ突然変異誘
発により変化した核酸配列で、E2結合蛋白質の少なくとも1つの活性を有する
ポリペプチドを依然としてコードするものをもいう。本発明で好まれるかかる進
化的に導かれたE2結合蛋白質は、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7
、SEQ ID NO:8又はSEQ ID NO:21の何れかに示したアミノ酸配列と少なくとも
60%相同であり、一層好ましくは70%相同であり、最も好ましくは80%相
同である。SEQ ID NO:5〜8及び21の何れかに示した配列と少なくとも約90
%の、一層好ましくは少なくとも約95%の、最も好ましくは少なくとも約98
〜99%の相同性を有するポリペプチドも又、この発明の範囲内にある。
ここに記載のように、この発明の一つの面は、主題のE2結合蛋白質の1つを
コードするヌクレオチド配列を含む単離された(又は組換えの)核酸及び/又は
かかる核酸の同等物を特徴とする。用語核酸は、ここで用いる場合、断片及び同
等物を含んでよい。用語同等物は、機能的に同等のE2結合蛋白質又は機能的に
同等のペプチド(例えば、E2に結合する能力を保持しているもの)をコードす
るヌクレオチド配列をいう。同等のヌクレオチド配列は、1つ以上のヌクレオチ
ド置換、付加又は欠失によって異なる配列例えば対立遺伝子変異物を含み、それ
故、遺伝コードの縮重により、SEQ ID NO:1〜4及び20の何れかに示したE2
結合蛋白質のヌクレオチド配列と異なる配列を含む。同等物は又、厳しい条件下
(即ち、約1Mの塩において形成された二本鎖DNAの融解温度(Tm)より約
20〜27℃低温と同等)で、SEQ ID NO:1〜4及び20に表されたE2結合蛋
白質のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、又はpRS306−E2BPライ
ブラリー(ATCC受理番号:75915)からのE2結合蛋白質のヌクレオチ
ド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列をも含む。一具体例において、同
等物は、更に、SEQ ID NO:1〜4及び20の何れかに示したヌクレオチド配列か
ら導かれた及び該ヌクレオチド配列に進化的に関連する核酸配列を含む。
用語「単離された」又は「実質的に純粋な」は、ここで核酸例えばDNA又は
RNAについて用いる場合、それぞれ、巨大分子の天然の起源に存在する他のD
NA又はRNAから分離された分子をいう。単離された又は実質的に純粋な核酸
蛋白質は、好ましくは、天然のゲノムDNA中でその配列に直接隣接する核酸配
列の10キロベース(kb)以下を含み、一層好ましくは、かかる天然のフラン
キング配列の5kb以下を含み、最も好ましくは、かかる天然のフランキング配
列の1.5kb以下を含む。用語単離された又は実質的に純粋なは、ここで用い
る場合、組換えDNA技術により生成した場合に、細胞性物質、ウイルス性物質
若しくは培養培地を実質的に含まず、又は化学合成した場合に、化学的前駆体若
しくは他の化学物質を実質的に含まない核酸をもいう。「単離された又は実質的
に純粋な核酸」は、天然には断片として存在せず、天然状態では見出されない核
酸断片を含むことを意味する。
一具体例において、核酸は、主題のE2結合蛋白質の少なくとも1つの活性を
有するペプチドをコードするcDNAである。好ましくは、核酸は、SEQ ID NO:
1〜4及び20の1つに表されたヌクレオチド配列の少なくとも一部分を含むc
DNA分子である。これらのcDNA分子の好適部分は、この遺伝子のコード領
域を含む。
E2−BPアゴニスト又はE2−BPアンタゴニストの何れかの1つとしての
限られた能力の内で機能する主題のE2結合蛋白質の同族体を提供することは、
この蛋白質の天然型の生物学的活性の部分集合だけを促進し又は阻止するために
有利であり得る。従って、限られた機能の同族体を用いる処理により、及びE2
結合蛋白質の生物学的活性のすべてに向けられたアゴニスト又はアンタゴニスト
を用いる処理に比べて一層少ない副作用しか有しない処理によって、特異的な生
物学的効果を誘出することができる。例えば、ウイルス性E2蛋白質の機能を邪
魔するが、野生型E2結合蛋白質の正常の細胞機能を実質的に邪魔しないE2−
BP同族体を、下記のように、生成することができる。
用語蛋白質、ペプチド及びポリペプチドは、ここでは、交換可能に用いる。
主題のE2結合蛋白質の同族体は、この蛋白質の天然型をコードする核酸の突
然変異誘発により、例えば別々の点突然変異により又は先端切除により生成する
ことができる。例えば、突然変異は、同族体であって、それが由来するE2−B
Pの生物学的活性と実質的に同じもの又はその部分集合のみを保持する同族体を
生じさせることができる。或は、例えばE2に競争的に結合することによってこ
の蛋白質の天然型の機能を阻止することのできるこの蛋白質のアンタゴニスト型
を生成することができる。
蛋白質は、次の特性の1つ以上を有するならば、E2−BP生物学的活性を有
する:遺伝子発現例えばPV遺伝子の発現又は例えばPVゲノムの複製を調節す
る能力;パピローマウイルス感染の、例えばヒトパピローマウイルス例えばHP
V−16、HPV−18、HPV−31又はHPV−33による感染の効力を調
節する能力;細胞トランスフォーメーションの、例えばPV媒介によるトランス
フォーメーションの、例えばハイリスクHPV媒介によるトランスフォーメーシ
ョンの効力に影響を与える能力;細胞不滅化の、例えばPV媒介によるトランス
フォーメーション、例えばHPV媒介によるトランスフォーメーション例えばハ
イリスクHPV媒介による不滅化の効力に影響を与える能力;又はPVE2蛋白
質に、例えばHPV E2蛋白質例えばハイリスクHPV E2蛋白質に結合す
る能力。蛋白質は、上述の特性の1つの特異的なアゴニスト又はアンタゴニスト
であるならば、やはり生物学的活性を有する。
相同性は、2つのペプチド間の又は2つの核酸分子間の配列類似性をいう。相
同性は、比較の目的のために整列させた各配列中の位置を比較することにより測
定することができる。比較した配列中のある位置が同じ塩基又はアミノ酸により
占められていれば、それらの分子は、その位置において相同である。配列間の相
同性の程度は、それらの配列に共有されるマッチする位置又は相同な位置の数の
関数である。
添付の配列表に示したこれらのヌクレオチド配列の幾つかは、E2結合蛋白質
の部分をコードする。それ故、この発明の更なる具体例において、組換えE2−
BP遺伝子は、SEQ ID NO:1〜4及び20に示すアミノ酸配列をコードするヌク
レオチドに加えて、各蛋白質のC末端及びN末端のアミノ酸をコードする更なる
ヌクレオチド配列を含むことができる。例えば、組換えE2−BP遺伝子は、下
記の表1から引き出したプライマーのセットを用いて、ATCC寄託番号
75915のE2−BPクローンの1つのコード配列の1つを増幅することによ
り生成したPCR断片のヌクレオチド配列を含むことができる。
この発明の他の面は、SEQ ID NO:5;SEQ ID NO:6;SEQ ID NO:7;SEQ ID N
O:8又はSEQ ID NO:21に示したアミノ酸配列の全部又は一部を有するペプチド
をコードする核酸に厳しい又は厳しくない条件下でハイブリダイズする核酸を提
供する。DNAハイブリダイゼーションを促進する適度に厳しい条件例えば6.
0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)(約45℃)及びその後の
50℃での2.0×SSC洗浄は、当業者に公知であり、又はCurrent Protocol
s in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1-6.3.6.中に見
出すことができる。例えば、洗浄工程における塩濃度は、50℃の約2.0×S
SCの低緊縮〜50℃の約0.2×SSCの高緊縮から選択することができる。
更に、洗浄工程の温度は、室温(約22℃)の低緊縮条件から約65℃の高緊縮
条件まで増大させることができる。
遺伝コードの縮重のためにSEQ ID NO:1〜4及び20の何れかに示したヌクレ
オチド配列と異なる配列を有する核酸も又、この発明の範囲内にある。かかる核
酸は、機能的に同等のペプチド(即ち、E2結合蛋白質の生物学的活性を有する
ペプチド)をコードするが、遺伝コードの縮重のために該配列表に示した配列と
配列が異なる。例えば、幾つかのアミノ酸は、1種類より多くのトリプレットに
より指定される。同じアミノ酸を特定するコドン即ちシノニム(例えば、CAU
及びCACは、それぞれ、ヒスチジンをコードする)は、E2結合蛋白質のアミ
ノ酸配列に影響を与えない「サイレント」変異を生じ得る。しかしながら、主題
のE2結合蛋白質のアミノ酸配列の変化へと導くDNA配列多型が脊椎動物間に
存在するであろうことが予想される。当業者は、E2結合蛋白質の活性を有する
ポリペプチドをコードする核酸の1つ以上のヌクレオチド(最大で、例えば、ヌ
クレオチドの約3〜5%)におけるこれらの変化は、自然の対立遺伝子変異のた
めに、所定の種の個体間に存在し得るということを認めるであろう。任意の及び
すべてのかかるヌクレオチド変異及びその結果生じるアミノ酸多型は、この発明
の範囲内にある。
現在請求項に記載されているE2結合蛋白質の活性部分をコードする核酸の断
片も又、この発明の範囲内にある。ここで用いる場合、E2結合蛋白質の活性部
分をコードする核酸の断片は、E2結合蛋白質の完全なアミノ酸配列をコードす
るヌクレオチド配列より少ないヌクレオチドを有するが、それにもかかわらずE
2−BP生物学的活性を有するペプチド例えばE2に結合する能力を保持してい
る断片をコードする核酸をいう。本発明の範囲内の核酸断片は、高緊縮及び低緊
縮条件下で、E2−BP同族体を検出するためのスクリーニングプロトコールに
おける使用のために他の種からの核酸とハイブリダイズし得るもの、並びに主題
のE2−BPの1つをコードする核酸の存在の検出における使用のためにヒトの
試料からの核酸とハイブリダイズし得るものを含む(代わりのイソ型例えばmR
NAのスプライシング変化物)。この発明の範囲内の核酸は又、リンカー配列、
修飾された制限エンドヌクレアーゼ部位及び主題のE2結合蛋白質の組換え型の
分子クローニング、発現又は精製に有用な他の配列も含むことができる。
下記の実施例により示したように、E2結合蛋白質の活性を有するペプチドを
コードする核酸は、真核細胞中に存在するmRNAから得ることができる。成体
及び胎児の両者から得られるゲノムDNAから本発明のE2結合蛋白質をコード
する核酸を得ることも可能であろう。例えば、E2結合蛋白質をコードする遺伝
子を、ここに記載のプロトコール並びに当業者に公知のプロトコールに従ってc
DNA又はゲノムライブラリーからクローン化することができる。主題のE2結
合蛋白質の1つをコードするcDNAは、全mRNAを細胞例えば哺乳動物細胞
例えばヒト細胞(腫瘍細胞を含む)から単離することにより得ることができる。
次いで、二本鎖cDNAを、全mRNAから調製し、続いて、当業者に公知の技
術を用いて適当なプラスミッド又はバクテリオファージベクターに挿入すること
ができる。E2結合蛋白質をコードする遺伝子は又、この発明により提供される
ヌクレオチド配列情報に従って、確立されたポリメラーセ連鎖反応を用いてクロ
ーン化することもできる。この発明の核酸は、DNA又はRNAであってよい。
好適な核酸は、SEQ ID NO:1に示した配列により表されるcDNAである。他の
核酸は、SEQ ID NO:2及び20に示した配列により表されるcDNAである。他
の好適核酸には、SEQ ID NO:3〜4の1つに示された配列により表されるcDN
A分子が含まれる。好適核酸は、pRS306−E2BPライブラリーか
ら得られたcDNAである(ATCC寄託番号75915)。
この発明は又、少なくとも1つの転写調節配列に操作可能に結合されたE2結
合蛋白質の活性を有するペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターをも提供
する。操作可能に結合されたとは、ヌクレオチド配列が調節配列にそのヌクレオ
チド配列の発現を与えるように結合されることを意味するものである。調節配列
は、技術的に認められ、E2結合蛋白質の活性を有するペプチドの発現を指示す
るように選択される。従って、用語転写調節配列は、プロモーター、エンハンサ
ー及び他の発現制御要素を含む。かかる調節配列は、Goeddel; Gene Expression
Technology: Methods in Enzymology 185,(1990)Academic Press,カリフォルニア、
San Diego に記載されている。例えば、種々の発現制御配列(機能的に結合され
たときにDNA配列の発現を制御する配列)の何れかを、これらのベクターで用
いて、この発明のE2結合蛋白質をコードするDNA配列を発現させることがで
きる。かかる有用な発現制御配列には、例えば、SV40の初期及び後期プロモ
ーター、アデノウイルス若しくはサイトメガロウイルス最初期プロモーター、l
ac系、trp系、TAC若しくはTRC系、T7RNAポリメラーセにより発
現が指示されるT7プロモーター、ラムダファージの主要オペレーター及びプロ
モーター領域、fdコート蛋白質の制御領域、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ
その他の解糖酵素のプロモーター、酸性ホスファターゼのプロモーター例えばP
ho5、酵母のアルファ交配因子のプロモーター、バキュロウイルス系のポリヘ
ドロンプロモーター及び原核細胞若しくは真核細胞若しくはそれらのウイルスの
遺伝子の発現を制御することが知られた他の配列並びにこれらの種々の組合せが
含まれる。発現ベクターのデザインは、トランスフォームすべき宿主細胞の選択
及び/又は発現させることを所望する蛋白質の種類等の因子に依存し得るという
ことは理解されるべきである。ベクターのコピー数、コピー数を制御する能力及
びベクターによりコードされる任意の他の蛋白質例えば抗生物質マーカーの発現
も考慮されるべきである。一具体例において、発現ベクターは、主題のE2結合
蛋白質の活性を有するペプチドをコードする組換え遺伝子を、或は主題のE2結
合蛋白質のアンタゴニスト型であるペプチドをコードする組換え遺伝子を含む。
かかる発現ベクターを用いて、細胞をトランスフェクトし、それにより、こ
こに記載の核酸によりコードされる蛋白質又はペプチド(融合蛋白質又はペプチ
ドを含む)を生成することができる。遺伝子治療
この発明の遺伝子構築物は又、E2結合蛋白質の1つのアゴニスト又はアンタ
ゴニスト型をコードする核酸を、或は主題のE2結合蛋白質の1つに対するアン
チセンス構築物又は抗体(例えば、sFv)を送達する遺伝子治療プロトコール
の一部として用いることもできる。従って、この発明の他の面は、特定の細胞型
において、主題のE2結合蛋白質の機能を再構成し或は該蛋白質の1つの機能を
廃止するための、E2結合蛋白質のイン・ビボトランスフェクション及び発現用
の発現ベクター、及び/又はE2−BP遺伝子産物に対して選択的な抗体を特徴
とする。例えば、かかる構築物を用いて、E2の生物学的機能を邪魔することに
よりPV感染を阻止することができる。
遺伝子治療用構築物の本願での議論に関して、「治療用遺伝子」は、例えばE
2結合蛋白質の又はE2結合蛋白質に対する抗体のコード配列を与え得る核酸を
いい、或は、その核酸は、標的細胞における転写の際にE2−BPアンチセンス
配列を与えることができる。これらの治療用遺伝子構築物は、任意の生物学的に
有効なキャリアー例えばその遺伝子をイン・ビボで細胞に有効に送達することの
できる任意の配合物又は組成物にて投与することができる。アプローチには、主
題の治療用遺伝子の、組換えレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイ
ルス及び1型単純ヘルペスウイルスを含むウイルスベクター、又は組換え細菌若
しくは真核プラスミッドへの挿入が含まれる。ウイルスベクターは細胞を直接ト
ランスフェクトし;プラスミッドDNAは、例えばカチオン性リポソーム(リポ
フェクチン)若しくは誘導体化(例えば、抗体と結合体化した)ポリリジン結合
体、グラマシジンS、人工ウイルスエンベロープ又は他のかかる細胞内キャリア
ー、並びに遺伝子構築物の直接注射又はイン・ビボで行なうCaPO4沈殿の助
成にて送達することができる。適当な標的細胞のトランスダクションは、遺伝子
治療の非常に重要な第1ステップを意味するので、特定の遺伝子送達系の選択は
、意図する標的の表現型及び投与の経路(例えば、局所的か全身投与か)等の
因子に依存する。更に、E2−BP発現のイン・ビボでのトランスダクションの
ために用意される特定の遺伝子構築物が、例えば上記の診断アッセイにおける使
用のための、細胞のイン・ビトロでのトランスダクションにも有用であるという
ことは認められよう。
核酸の細胞へのイン・ビボでの導入のための好適なアプローチは、治療用遺伝
子を含むウイルスベクター例えばE2結合蛋白質をコードするcDNAの利用に
よるものである。細胞へのウイルスベクターの感染は、標的細胞の大集団が核酸
を受けることができるという利点を有する。更に、ウイルスベクターにコードさ
れる分子例えばウイルスベクターに含まれるcDNAは、ウイルスベクター核酸
を取込んだ細胞において効率的に発現される。
レトロウイルスベクター及びアデノ随伴ウイルスベクターを、外因性遺伝子の
イン・ビボトランスファー特にヒトへのトランスファーのための組換え遺伝子送
達システムとして用いることができる。これらのベクターは、遺伝子の細胞への
効率的な送達を与え、トランスファーされた核酸は、宿主の染色体DNA中に安
定にインテグレートされる。レトロウイルスの使用のために予め必要なことは、
それらの使用の安全性を、特に細胞集団における野生型ウイルスの蔓延の可能性
に関して確実にすることである。複製欠損レトロウイルスのみを生成する特殊化
された細胞系統(「パッケージング細胞」と呼ぶ)の開発は、遺伝子治療のため
のレトロウイルスの有用性を増大させ、欠損レトロウイルスは、遺伝子治療目的
のための遺伝子トランスファーにおける使用のためによく特性決定されている(
総説としては、Miller,A.D.(1990)Blood 76:271を参照されたい)。従って、レ
トロウイルスコード配列(gag、pol、env)の部分が、主題のレセプタ
ーの1つをコードする核酸により置き換えられた(そのレトロウイルスを複製欠
損にする)組換えレトロウイルスを構築することができる。次いで、この複製欠
損レトロウイルスを、標準的技術によりヘルパーウイルスの使用によって標的細
胞に感染させるのに用いることのできるビリオン中にパッケージする。組換えレ
トロウイルスを生成し及びかかるウイルスをイン・ビトロ又はイン・ビボで細胞
に感染させるためのプロトコールは、Current Protocols in Molecular Biology
,Ausubel,F.M.等(編)Greene Publishing Associates,(1989),第9.10-9.14
節及びその他の標準的実験室マニュアル中に見出すことができる。適当なレトロ
ウイルスの例には、当業者に公知のpLJ、pZIP、pWE及びpEMが含ま
れる。環境栄養性レトロウイルス系及び両栄養性レトロウイルス系の両者を調製
するための適当なパッケージングウイルス株の例には、ψCrip、ψCre、
ψ2及びψAmが含まれる。種々の遺伝子を、イン・ビトロ及び/又はイン・ビ
ボで、上皮細胞を含む多くの異なる細胞型に導入するためにレトロウイルスが利
用されてきた(例えば、Eglitis 等(1985)Science 230:1395-1398;Danos 及び M
ulligan(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460-6464; Wilson 等(1988)Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 85:3014-3018; Armentano等(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87
:6141-6145; Huber等(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8039
-8043; Ferry等(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8377-8381; Chowdhury等(199
1)Science 254:1802-1805; van Beusechem等(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:
7640-7644; Kay 等(1992)Human Gene Therapy 3:641-647; Dai 等(1992)Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 89:10892-10895; Hwu等(1993)J.Immunol.150:4104-4115; 米国
特許第4,868,116号;米国特許第4,980,286号;PCT出願W
O89/07136;PCT出願WO89/02468;PCT出願WO89/
05345;及びPCT出願WO92/07573を参照されたい)。
治療用遺伝子のための遺伝子送達システムとしてレトロウイルスベクターを選
択する際には、殆どのレトロウイルスによる標的細胞の上首尾な感染(従って、
組換え遺伝子の安定な導入)のために予め必要なことはそれらの標的細胞が分裂
していることであることに注意することが重要である。リンパ腺癌等の例外はあ
るが、この必要条件は、レトロウイルスベクターの使用に対して障害とはならな
いであろう。事実、本発明の遺伝子治療用構築物により、パピローマウイルスで
トランスフォームされた細胞への送達を意図する場合には、感染におけるかかる
制限は、標的細胞の周囲の組織(例えば、トランスフォームされてない細胞)は
著しく細胞分裂を受けていることはありそうになく、それ故、該組織が幾らか無
反応性の抵抗性である点において有益であり得る。
レトロウイルスの、従って、レトロウイルスベースのベクターの感染スペクト
ルを制限することは、ウイルス粒子の表面上のウイルスパッケージング蛋白質を
修飾することにより可能である(例えば、PCT公開WO93/25234及び
WO94/06920を参照されたい)。例えば、レトロウイルスベクターの感
染スペクトルの修飾のためのストラテジーには、細胞表面抗原に特異的な抗体を
このウイルスのenv蛋白質に結合させること(Roux等(1989)PNAS 86:9079-908
3; Julan 等(1992)J.Gen Virol 73:3251-3255; 及びGoud等(1983)Virology 163:
251-254);又は細胞表面レセプターのリガンドをこのウイルスのenv蛋白質
に結合させること(Neda等(1991)J Biol Chem 266:14143-14146)が含まれる。
これらの結合は、蛋白質又は他の種類のもの(例えば、env蛋白質をアシアロ
糖蛋白質に変換するラクトース)を用いる化学的架橋の形態であってよく、
並びに融合蛋白質(例えば、一本鎖抗体/env融合蛋白質)を生成することに
よってもよい。この技術は又、ある組織型に対する感染を制限し或は指示するの
に有用であると同時に、環境栄養性ベクターを両栄養性ベクターに変換するため
に用いることもできる。
レトロウイルス遺伝子送達の利用は、更に、そのレトロウイルスベクターから
の治療用遺伝子の発現を制御する組織又は細胞特異的な転写調節配列の利用によ
って促進することができる。
本発明において有用な他のウイルス遺伝子送達システムは、アデノウイルスか
ら誘導されたべくたを用いた。アデノウイルスのゲノムを、それが関心ある遺伝
子産物をコードして発現するが、通常の溶菌性ウイルス生活環において複製する
能力に関して不活性化されるように操作することができる。例えば、Berkner 等
(1988)BioTechniques 6:616; Rosenfeld等(1991)Science 252:431-434;及びRose
nfeld 等(1992)Cell 68:143-155 を参照されたい。アデノウイルスAd株5d1
324型又は他のアデノウイルス株(例えば、Ad2、Ad3、Ad7等)から
導かれた適当なアデノウイルスベクターが当業者に知られている。組換えアデノ
ウイルスは、それらが分裂してない細胞には感染できない点及び上皮細胞を含む
種々の細胞型への感染に用いることができる点において、ある種の環境において
有利であり得る(Rosenfeld 等(1992)、前出)。更に、このウイルス粒子は、比
較的安定であり、精製及び濃縮し易く、又上記のように、その感染性のスペクト
ルに影響を与えるように修飾することができる。更に、導入されたアデノウイル
スDNA(及びその中に含まれる外来DNA)は、宿主のゲノム中にインテグレ
ートされずにエピソームのままであり、それにより、導入されたDNAが宿主の
ゲノム中にインテグレートされる状況(例えば、レトロウイルスDNA)におけ
る挿入による突然変異誘発の結果として生じ得る潜在的問題が回避される。アデ
ノウイルスゲノムの外来DNAに対する運搬容量は、他の遺伝子送達用ベクター
に比べて大きい(最大で8kb)(Berkner 等、前出; Haj-Ahmand及びGraham(1
986)J.Virol.57:267)。現在使用されており従って本発明に好ましい殆どの複製
欠損アデノウイルスベクターは、そのウイルスのE1及びE3遺伝子の全部又は
部分を欠失しているが、アデノウイルスの遺伝物質の80
%を保持している(例えば、Jones 等(1979)Cell 16:683; Berkner等、前出; 及
びGraham等 Methods in Molecular Biology,E.J.Murray 編(Humana,ニュージャージー、
Clifton,1991)第7巻、109-127頁を参照されたい)。挿入された治療用遺伝
子の発現は、例えば、E1Aプロモーター、主要後期プロモーター(MLP)及
び関連リーダー配列、E3プロモーター又は外来の付加されたプロモーター配列
の制御下にあってよい。
主題の治療用遺伝子の送達に有用な他のウイルスベクターシステムは、アデノ
随伴ウイルス(AAV)である。アデノ随伴ウイルスは、効率的な複製及び生産
的生活環のためにヘルパーウイルスとしてアデノウイルス又はヘルペスウイルス
等の他のウイルスを必要とする天然の欠損ウイルスである。(総説としては、Mu
zyczka等 Curr.Topics in Micro.and Immunol.(1992)158:97-129を参照されたい
)。それは又、そのDNAを分裂していない細胞にインテグレートさせることが
でき且つ高頻度の安定なインテグレーションを示す少数のウイルスでもある(例
えば、Flotte等(1992)Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.7:349-356; Samulski 等(198
9)J.Virol.63:3822-3828; 及びMcLaughlin等(1989)J.Virol.62:1963-1973を参照
されたい)。AAVの少ない300塩基対を含むベクターをパッケージしてイン
テグレートすることができる。外因性DNAのためのスペースは、約4.5kb
に限られている。Tratschin 等(1985)Mol.Cell.Biol.5:3251-3260 に記載された
ようなAAVベクターを用いて、DNAを細胞に導入することができる。AAV
を用いて多様な核酸が種々の型の細胞に導入された(例えば、Hermonat等(1984)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6466-6470; Tratschin等(1985)Mol.Cell.Biol.4:20
72-2081; Wondisford等(1988)Mol.Endocrinol.2:32-39; Tratschin 等(1984)J.V
irol.51:611-619; 及びFlotte等(1993)J.Biol.Chem.268:3781-3790 を参照され
たい)。
上記のようなウイルストランスファー方法に加えて、非ウイルス的方法を用い
て、動物の組織における治療用遺伝子の発現を引き起こすこともできる。遺伝子
トランスファーの殆どの非ウイルス的方法は、取込み及び巨大分子の細胞内輸送
のために哺乳動物細胞により用いられている正常の機構を頼みとする。好適具体
例において、本発明の非ウイルス的遺伝子送達システムは、主題の治療用遺伝子
の標的細胞による取込みのためのエンドサイトーシス経路を頼みとする。この型
の典型的な遺伝子送達システムには、リポソームから導かれたシステム、ポリリ
ジン結合体及び人工的ウイルスエンベロープが含まれる。
代表的具体例において、主題のE2結合蛋白質の1つをコードする遺伝子を、
陽性電荷を表面に有するリポソーム(例えば、リポフェクチン)に捕捉すること
ができ且つ(適宜)標的組織の細胞表面抗原に対する抗体を結合する(Mizuno等
(1992)No Shinkei Geka 20:547-551;PCT公開WO91/06309;日本国
特許出願第1047381号;及び欧州特許公開EP−A−43075)。例え
ば、パピローマウイルス感染した上皮細胞のリポフェクションを、例えば扁平上
皮細胞に対するモノクローナル抗体と結合させたリポソームを用いて行なうこと
ができる。
臨床的環境において、この遺伝子送達システムを、治療用遺伝子のために、当
業者に公知の方法によって、患者に導入することができる。例えば、この遺伝子
送達システムの製薬調製物を、例えば静脈注射によって全身に導入することがで
き、そして標的細胞におけるその蛋白質の特異的トランスダクションが、その遺
伝子送達ビヒクルにより与えられるトランスフェクションの特異性、レセプター
遺伝子の発現を制御する転写調節配列による細胞型又は組織型発現、又はこれら
の組合せから、優勢に生じる。他の具体例において、組換え遺伝子の初期送達は
、極めて局所化された動物への導入により限定される。例えば、この遺伝子送達
ビヒクルを、カテーテルにより(米国特許第5,328,470号参照)又は定
位注射により(例えば、Chen等(1994)PNAS 91:3054-3057)導入することができ
る。説明のために、主題のE2結合蛋白質の1つのアンタゴニスト型例えば下記
の実施例に記載した42Aクローンの断片を遺伝子治療用構築物にてPV感染し
た扁平上皮細胞に、例えばDev 等((1994)Cancer Treat Rev 20:105-115)によ
り記載された技術を用いてエレクトロポレーションによって送達することができ
る。類似の具体例において、一本鎖抗体又はE2−BPアンチセンス構築物をP
V感染細胞に与えることができる。
この遺伝子治療用構築物の製薬調製物は、本質的に、許容し得る希釈剤中の遺
伝子送達システムからなり、又はこの遺伝子送達ビヒクルを埋め込んだゆっくり
放出するマトリックスを含むことができる。或は、完全な遺伝子送達システムが
組換え細胞例えばレトロウイルスベクターから適切に生成され得るならば、この
製薬調製物は、遺伝子送達システムを生成する1つ以上の細胞を含むことができ
る。アンチセンス治療
この発明の他の面は、「アンチセンス」治療における単離された核酸の利用に
関係する。ここで用いる場合、「アンチセンス」治療は、細胞性条件下で、E2
結合蛋白質の1つをコードする細胞性mRNA及び/又はゲノムDNAと、その
蛋白質の発現を例えば転写及び/又は翻訳を阻止することにより阻止するように
特異的にハイブリダイズする(例えば、結合する)オリゴヌクレオチド又はそれ
らの誘導体の投与又はイン・シトゥー生成をいう。この結合は、伝統的な塩基対
相補性によるものでよく、又は例えば二本鎖DNAへの結合の場合、二重らせん
の大きい溝における特異的相互作用によるものであってよい。一般に、「アンチ
センス」治療は、当分野で一般的に用いられる技術の範囲をいい、オリゴヌクレ
オチド配列への特異的結合に依存する任意の治療を含む。
本発明のアンチセンス構築物は、例えば、細胞中で転写されたときにE2結合
蛋白質をコードする細胞性mRNAの少なくとも1つのユニーク部分に相補的で
あるRNAを生成する発現プラスミッドとして送達され得る。或は、このアンチ
センス構築物は、エキソ・ビボで生成し且つ細胞に導入されたときにE2−BP
遺伝子のmRNA及び/又はゲノム配列とハイブリダイズすることにより発現の
阻止を引き起こすオリゴヌクレオチドプローブである。かかるオリゴヌクレオチ
ドプローブは、好ましくは、内因性ヌクレアーゼ例えばエキソヌクレアーゼ及び
/又はエンドヌクレアーゼに耐性であり、それ故に、イン・ビボで安定である修
飾オリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドとしての利用の
ための典型的な核酸分子は、DNAのホスホルアミデート、ホスホチオエート及
びメチルホスホネートアナログである(米国特許第5,176,996号;5,
264,564号;及び5,256,775号も参照されたい)。更に、アンチ
センス治療において有用なオリゴマーを構築するための一般的アプ
ローチは、例えば、Van der Krol等(1988)Biotechniques 6:958-976;及びStein
等(1988)Cancer Res 48:2659-2668 により総説されている。
従って、この発明の修飾オリゴマーは、治療、診断及び研究のコンテキストに
おいて有用である。治療応用において、これらのオリゴマーは、一般にアンチセ
ンス治療に適した方法にて利用される。かかる治療のために、この発明のオリゴ
マーを、全身投与及び局所又は局在化投与を含む、種々の投与の容量のために配
合することができる。技術及び配合は、一般に、Remmington's Pharmaceutical Sciences
,Meade Publishing Co.,ペンシルベニア、Easton 中に見出すことができる。
全身投与のためには、筋肉注射、静脈注射、腹腔内注射及び皮下注射を含む注射
が好適であり、この発明のオリゴマーを、液体溶液好ましくは生理学的に適合性
の緩衝液例えばハンクス溶液又はリンゲル溶液にて配合することができる。更に
、これらのオリゴマーを、固体形態で配合し、使用直前に溶解させ又は懸濁させ
ることができる。凍結乾燥形態も又、この発明に含まれる。
これらの化合物を、経口投与し、又は経粘膜若しくは経皮的方法により投与す
ることができる。経粘膜若しくは経皮投与のために、透過すべきバリヤーに対す
る適当な浸透剤をこの配合物において用いる。かかる浸透剤は、当分野で公知で
あり、例えば、経粘膜投与用の、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体及びデタージェ
ントが含まれる。経粘膜投与は、鼻スプレーにより又は坐剤を用いることができ
る。経口投与のためには、これらのオリゴマーを、慣用の経口投与形態例えばカ
プセル、錠剤及びトニックに配合することができる。局所投与のためには、この
発明のオリゴマーを、当分野で公知の、軟膏、膏薬、ジェル又はクリームに配合
する。
治療における利用に加えて、この発明のオリゴマーを診断試薬として用いて、
それらが特異的に結合する標的DNA又はRNA配列の存在又は不在を検出する
ことができる。かかる診断試験は、本明細書にて更に詳細に説明する。
本発明のアンチセンス構築物は、E2−BPの正常の生物学的活性を打ち消す
ことにより、イン・ビボ及びエキス・ビボ組織培養の両者における組織の操作に
おいて用いることができる。トランスジェニック動物
この発明は、E2−BPトランスジーンを含み、好ましくは(適宜ではあるが
)内因性又は外因性E2結合蛋白質を1つ以上の細胞で発現(又は誤発現)させ
るトランスジェニック動物を含む。このE2−BPトランスジーンは、その蛋白
質の野生型形態をコードすることができ、又はその同族体をコードすることがで
きる(アゴニスト及びアンタゴニストの両者、並びにアンチセンス構築物を含む
)。好適具体例において、このトランスジーンの発現は、例えば所望のパターン
での発現を制御するシス作用性配列を用いて、細胞又は組織の特定のサブセット
に限られる。本発明において、主題のE2−BPポリペプチドのかかるモザイク
発現は、例えば、HPVの転写パターンに影響を与え得るであろうE2−BP発
現の欠如の効果を評価する手段を提供することができる。組織特異的調節配列及
び条件的調節配列を用いて、ある空間的パターンでトランスジーンの発現を制御
することができる。発現の時間的パターンを、例えば条件的組換え系又は原核生
物の転写調節配列により与えることができる。
イン・ビボで位置特異的遺伝子操作により調節されるトランスジーンの発現を
与える遺伝的技術は、当業者に公知である。例えば、遺伝子組換え標的配列を触
媒するレコンビナーゼの調節された発現を与える遺伝的系を用いることができる
。ここで用いる場合、語句「標的配列」は、レコンビナーゼにより遺伝的に組替
えられるヌクレオチド配列をいう。この標的配列は、レコンビナーゼ認識配列と
隣接しており、一般に、レコンビナーゼ活性を発現する細胞において切り出され
又は逆転される。レコンビナーゼの触媒による組換え事象は、標的配列の組換え
が主題のE2−BPポリペプチドの発現の活性化又は抑制の何れかを生じるよう
にデザインすることができる。例えば、アンタゴニスト同族体をコードするもの
等、組換えE2−BP遺伝子の発現を邪魔する標的配列の切り出しを、その遺伝
子の発現を活性化するようにデザインすることができる。この蛋白質の発現の邪
魔は、種々の機構例えばE2−BP遺伝子のプロモーター要素又は内部停止コド
ンからの空間的分離により生じ得る。更に、コード配列がレコンビナーゼ認識配
列と隣接しており、初期に細胞中にプロモーター要素に関して3’から5’の向
きでトランスフェクトされるトランスジーンを生成することができる。かかる
例においては、その標的配列の逆位が、主題の遺伝子を、コード配列の5’末端
をプロモーター要素に関してプロモーター駆動による転写活性化を与える方向に
て再方向付けをする。
説明のための具体例において、バクテリオファージP1のcre/loxPレ
コンビナーゼ系(Lakso 等(1992)PNAS 89:6232-6236; Orban等(1992)PNAS 89:68
61-6865)又はSaccharomyces cerevisiaeFLPレコンビナーゼ系(O'Gorman等(
1991)Science 251:1351-1355;PCT公開WO92/15694)の何れかを用
いて、イン・ビボで、位置特異的遺伝子組換え系を生成することができる。Cr
eレコンビナーゼは、loxP配列間に位置する逆向き標的配列の位置特異的な
組換えを触媒する。loxP配列は、Creレコンビナーゼが結合する34塩基
対のヌクレオチド反復配列であり、Creレコンビナーゼ媒介の遺伝子組換えに
必要である。loxP配列の向きは、Creレコンビナーゼが存在するときに逆
向き標的配列を切り出すか逆転させるかを決定する(Abremski等(1984)J.Biol.C
hem.259:1509-1514);loxP配列が直列反復の向きのときには標的配列の切
り出しを触媒し、loxP配列が逆行反復の向きのときには標的配列の逆位を触
媒する。
従って、標的配列の遺伝子組換えはCreレコンビナーゼの発現に依存する。
このレコンビナーゼの発現は、調節的制御例えば組織特異的、発生ステージ特異
的、外から加えられた剤により誘導又は抑制可能な調節制御の主体であるプロモ
ーター要素により調節することができる。この調節された制御は、レコンビナー
ゼ発現がこのプロモーター要素により媒介される細胞においてのみ標的配列の遺
伝子組換えを生じる。従って、この組換えE2結合蛋白質の活性化発現は、レコ
ンビナーゼ発現の制御を介して調節することができる。
組換えE2結合蛋白質の発現を調節するためのcre/loxPレコンビナー
ゼ系の利用は、Creレコンビナーゼ及び主題のE2−BP蛋白質の両者をコー
ドするトランスジーンを含むトランスジェニック動物の構築を必要とする。この
Creレコンビナーゼ及び組換えE2−BP遺伝子の両者を含む動物を、「二重
」トランスジェニック動物の構築によって与えることができる。かかる動物を与
えるための便利な方法は、各々トランスジーン例えばE2−BP遺伝子
及びレコンビナーゼ遺伝子を含む2匹のトランスジェニック動物を交配させるこ
とである。
E2−BPトランスジーンをレコンビナーゼ媒介により発現し得る形式で含む
トランスジェニック動物を初期に構築することから得られる一つの利点は、特に
、主題の蛋白質がトランスジェニック動物における発現に際して有害であろうと
いう見込みに由来する。かかる例において、主題のトランスジーンがすべての組
織においてサイレントである創出動物(founder)の集団を、繁殖させて維持す
ることができる。この創出動物集団の個体を、例えば1つ以上の組織でレコンビ
ナーゼを発現している動物と交配させることができる。従って、例えばアンタゴ
ニスト的E2−BPトランスジーンがサイレントである創出動物集団の創成は、
特定の組織又は発生のステージにおけるE2−BP媒介の誘導の破壊が例えば致
死的表現型を生じる創出動物の子孫の研究を可能にするであろう。
類似の条件的トランスジーンを、そのトランスジーンの発現を促進するために
同時に発現されるべき原核生物蛋白質を必要とする原核生物プロモーター配列を
用いて与えることができる。典型的プロモーター及び対応するトランス作用性原
核生物蛋白質は、米国特許第4,833,080号に与えられている。更に、こ
れらの条件的トランスジーンの発現は、トランス作用性蛋白質例えばレコンビナ
ーゼ又は原核生物蛋白質をコードする遺伝子を組織に送達し、例えば細胞型特異
的方法で発現させる遺伝子治療様の方法により誘導することができる。この方法
により、E2−BPトランスジーンは、成体期にトランスアクチベーターの導入
によって「入り」になるまでサイレントのままで置くことができる。
典型的具体例において、この発明の「トランスジェニック非ヒト動物」は、ト
ランスジーンを非ヒト動物の生殖細胞系列に導入することによって生成すること
ができる。種々の発生ステージの胎児の標的細胞をトランスジーンを導入するた
めに用いることができる。胎児の標的細胞の発生のステージに依って、種々の方
法を用いる。接合体は、マイクロインジェクションのための最良の標的である。
マウスにおいては、雄性前核は、1〜2p1のDNA溶液の再現可能な注入を可
能にする直径約20マイクロメートルの大きさに達する。遺伝子トランスファー
の標的としての接合体の利用は、殆どの場合に、注入されたDNAが最初の
分裂前に宿主遺伝子中に取り込まれるという点に主要な利点を有する(Brinster
等(1985)PNAS 82:4438-4442)。その結果、トランスジェニック非ヒト動物のす
べての細胞は、取り込まれたトランスジーンを有することになる。これは又、一
般に、生殖細胞の50%がそのトランスジーンを有するので、創出動物の子孫へ
のトランスジーンの効率的伝達にも反映される。接合体のマイクロインジェクシ
ョンは、この発明の実施においてトランスジーンを取り込むための好適方法であ
る。
レトロウイルス感染も又、トランスジーンを非ヒト動物に導入するために用い
ることができる。発生中の非ヒト胚をイン・ビトロで胚盤胞ステージまで培養す
ることができる。この時期に、卵割球は、レトロウイルス感染の標的たり得る(
Jaenich,R.(1976)PNAS 73:1260-1264)。これらの卵割球の効率的な感染は、透
明帯を除去する酵素処理によって得られる(Manipulating the Mouse Embryo,Ho
gan 編(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,1986)。
トランスジーンを導入するために用いられるウイルスベクター系は、典型的には
、そのトランスジーンを運ぶ複製欠損レトロウイルスである(Jahner等(1985)PN
AS 82:6927-6931; Vander Putten 等(1985)PNAS 82:6148-6152)。トランスフェ
クションは、卵割球をウイルス産生細胞の単層上で培養することによって、容易
に且つ効率的に得られる(Van der Putten,前出; Stewart 等(1987)EMBO J.6:3
83-388)。或は、感染をもっと遅いステージで行なうことができる。ウイルス又
はウイルス産生細胞を、卵割腔に注入することができる(Jahner等(1982)Nature
298:623-628)。殆どの創出動物は、取り込みがそのトランスジェニック非ヒト
動物を形成した細胞のあるサブセットにおいてのみ起きるので、トランスジーン
についてモザイクである。更に、この創出動物は、一般に子孫において分離する
トランスジーンの様々なレトロウイルス挿入物をゲノムの種々の位置に含むこと
ができる。更に、トランスジーンを、子宮内レトロウイルス感染によって妊娠中
期の胎児の生殖細胞系列に導入することも可能である(Jahner等(1982)前出)。
トランスジーン導入のための第3の型の標的細胞は、胚性幹細胞(ES)であ
る。ES細胞は、イン・ビトロで培養し、胎児と融合した着床前の胎児から得ら
れる(Evans等(1981)Nature 292:154-156; Bradley 等(1984)Nature 309:255-25
8; Gossler等(1986)PNAS 83:9065-9069;及びRobertson 等(1986)Nature 322:445
-448)。DNAトランスフェクションにより又はレトロウイルス媒介のトランス
ダクションによって、トランスジーンをES細胞に効率的に導入することができ
る。かかるトランスフォームされた細胞を、その後、非ヒト動物からの胚盤胞と
合わせることができる。これらのES細胞は、その後、胚を形成し、その結果生
じたキメラ動物の生殖細胞系列に寄与する。総説としては、Jaenisch,R.(1988)S
cience 240:1468-1474 を参照されたい。
ノックアウト又は破壊トランスジェニック動物の製造方法も又、一般に知られ
ている。例えば、Manipulating the Mouse Embryo,(Cold Spring Harbor Labo
ratory Press,ニューヨーク、Cold Spring Harbor,1986)を参照されたい。レコンビ
ナーゼ依存性ノックアウトも又、例えば、内因性E2−BP遺伝子の部分に隣接
するレコンビナーゼ標的配列を、E2−BP対立遺伝子の組織特異的な及び/又
は一時的制御を上記のように制御することができるように挿入する相同組換えに
よって生成することができる。E2−BPポリペプチド
この発明は、真核生物例えば哺乳動物例えば霊長類例えばヒトから導かれる遺
伝子によりコードされる組換えE2結合ポリペプチドを含む。用語「組換え蛋白
質」は、一般に主題のE2結合蛋白質をコードするDNAを適当な発現ベクター
に挿入し、次にそれを用いて宿主細胞をトランスフォームして異質蛋白質を生成
する組換えDNA技術により生成される本発明の蛋白質をいう。語句「から導か
れる」は、組換えE2−BPをコードする組換え遺伝子に関して、組換え蛋白質
の意味の内に、本発明の自然のE2−BPのアミノ酸配列を、又はそれに類似の
アミノ酸配列を有する蛋白質であって、生物の天然のE2結合蛋白質の置換及び
欠失(先端切除を含む)を含む突然変異により生成する蛋白質を含むことを意味
する。本発明により好まれる組換え蛋白質は、自然のE2結合蛋白質に加えて、
SEQ ID NO:5〜8及び21の一つに示したアミノ酸配列と少なくとも60%相同
であり、一層好ましくは70%相同であり、最も好ましくは80%相同である。
主題のE2結合蛋白質の(即ち、アゴニスト又はアンタゴニスト的)活性を有し
且つSEQ ID NO:5〜8及び21の何れかの配列と少なくとも約90%の、一層好
ましくは少なくとも約95%の、最も好ましくは少なくとも約98〜99%の相
同性を有するポリペプチドも又、この発明の範囲内にある。
この発明は、生物から導かれた遺伝子によりコードされ、SEQ ID NO:5〜8及
び21の何れかのE2結合蛋白質に進化的に関連したアミノ酸配列を有する主題
のE2結合蛋白質の組換え型を含む。かかる組換えE2結合蛋白質は、好ましく
は、本発明のE2−BPの少なくとも1つの生物学的活性のアゴニスト又はアン
タゴニストの何れかの役割の1つにて機能することができる。
この発明の核酸の発現により生成されるE2−BPは、慣用技術を用いて、例
えばその核酸を細胞に挿入し、その細胞を培養してその培養から(例えば、培養
細胞から又は細胞を生育させた培地から)蛋白質を得ることにより、細胞培養か
ら得ることができる。この発明は又、主題のE2結合蛋白質を生成する方法をも
含む。例えば、主題のE2結合蛋白質をコードするヌクレオチド配列の発現を指
示する核酸ベクターでトランスフェクトした宿主細胞を、適当な条件下で培養し
て、そのペプチドの発現を生じさせることができる。このペプチドは、細胞混合
物から分泌されて、組換えE2−BPを含む培地から単離することができる。或
は、このペプチドは、細胞質中に保持されて、それらの細胞を採集し、溶解させ
てその蛋白質を単離することができる。細胞培養は、宿主細胞、培地及び他の副
生物を含む。細胞培養のための適当な培地は、当分野で周知である。この組換え
E2−BPペプチドは、細胞培養培地、宿主細胞、又はこれら両者から、蛋白質
を精製するための当分野で公知の方法を用いて単離することができ、該方法には
、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電
気泳動、及びかかるペプチドに特異的な抗体を用いる免疫アフィニティー精製が
含まれる。好適具体例において、この組換えE2結合蛋白質は、その精製を促進
するドメインを含む融合蛋白質例えばE2−BP/GST融合蛋白質である。
この発明は、主題のE2結合蛋白質の少なくとも1つの組換え型を発現するよ
うにトランスフェクトされた宿主細胞を含む。この宿主細胞は、任意の原核又は
真核細胞であってよい。従って、蛋白質の全部又は選択した部分をコードする本
発明のE2結合蛋白質のクローニングから導かれるヌクレオチド配列を用いて、
微生物又は真核細胞プロセスにより、E2−BPの組換え型を生成することがで
きる。ポリヌクレオチド配列を遺伝子構築物例えば発現ベクター中にライゲート
して、真核(酵母、鳥、昆虫若しくは哺乳動物)又は原核(細菌細胞)宿主中に
トランスフォーム又はトランスフェクトすることは、他の周知の蛋白質例えばイ
ンシュリン、インターフェロン、ヒト成長ホルモン、IL−1、IL−2等の生
成において用いられる標準的手順である。類似の手順又はその変法を用いて、組
換えE2結合蛋白質又はその部分を、この主題の発明による微生物手段又は組織
培養技術により、調製することができる。
この組換えE2結合遺伝子は、主題のE2結合蛋白質又はその部分をコードす
る核酸を、原核細胞、真核細胞、又はこれら両者における発現に適したベクター
中にライゲートすることにより生成することができる。主題のE2結合蛋白質の
組換え型の生成のための発現ベクターには、プラスミッド及びその他のベクター
が含まれる。例えば、E2−BPの発現に適したベクターには、次の型のプラス
ミッドが含まれる:原核細胞例えば大腸菌における発現のためのpBR322由
来のプラスミッド、pEMBL由来のプラスミッド、pEX由来のプラスミッド
、pBTac由来のプラスミッド及びpUC由来のプラスミッド。
酵母における組換え蛋白質の発現用に多くのベクターが存在する。例えば、Y
EP24、YIP5、YEP51、YEP52、pYES2及びYRP17は、
遺伝子構築物のS.cerevisiaeへの導入において有用なクローニング及び発現用ビ
ヒクルである(例えば、Experimental Manipulation of Gene Expression,M.Ino
uye編、Academic Press,83頁のBroach等(1983)(参考として本明細書中に援用
する)を参照されたい)。これらのベクターは、pBR322の存在により大腸
菌中で複製することができ、酵母の2ミクロンプラスミッドの複製デターミナン
トによりS.cerevisiae中で複製することができる。更に、アンピシリン等の薬剤
耐性マーカーを利用することができる。説明のための具体例において、E2結合
蛋白質を、pRS306−E2BPライブラリーからの蛋白質をコードする遺伝
子(ATCC受理番号:75915)を例えばSEQ ID NO:1〜4及び20に
基くプライマー及び/又は隣接するプラスミッド配列に基くプライマー(例えば
SEQ ID NO:13〜15により表されるプライマー)を用いてサブクローニングす
ることにより生成した発現ベクターを用いて組換えにより生成する。
これらの好適な哺乳動物発現ベクターは、細菌中でのそのベクターの増殖を促
進するための原核生物の配列及び、真核細胞中で発現される1つ以上の真核生物
転写ユニットの両方を含む。pcDNAI/amp、pcDNAI/neo、p
Rc/CMV、pSV2gpt、pSV2neo、pSV2−dhfr、pTk
2、pRSVneo、pMSG、pSVT7、pko−neo及びpHyg由来
のベクターは、真核細胞のトランスフェクションに適した哺乳動物発現ベクター
の例である。これらのベクターの幾つかは、原核及び真核細胞の両方での複製及
び薬物耐性選択を促進するために、細菌プラスミッド例えばpBR322からの
配列で修飾される。或は、ウイルス例えばウシパピローマウイルス(BPV−1
)又はエプスタインバールウイルス(pHEBo、pREP誘導体及びp205
)の誘導体を、真核細胞における蛋白質の一時的発現のために利用することがで
きる。プラスミッドの調製及び宿主生物のトランスフォーメーションにおいて用
いられる様々な方法が、当分野では周知である。原核細胞及び真核細胞の両方に
対する他の適当な発現系、並びに一般的組換え手順に関しては、Molecular Clon
ing A Laboratory Manual,第二版、Sambrook,Fritsch及びManiatis編(Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press: 1989)第16及び17章を参照されたい。幾つ
かの例においては、組換えE2−BPをバキュロウイルス発現系により発現させ
るのが望ましい。かかるバキュロウイルス発現系の例には、pVL由来のベクタ
ー(pVL1392、pVL1393及びpVL941等)、pAcUW由来の
ベクター(pAcUW1等)及びpBlueBac由来のベクター(β−gal
を含むpBlueBacIII等)が含まれる。
主題のE2結合蛋白質の1つの一部分即ち先端切除変異体の発現を所望する場
合には、開始コドン(ATG)を発現させるべき所望の配列を含むオリゴヌクレ
オチド断片に加えることが必要であろう。N末端位置のメチオニンを酵素メチオ
ニンアミノペプチダーゼ(MAP)の使用により酵素的に開裂することができる
ことは、当分野で公知である。MAPは、大腸菌から(Ben-Bassat等(1987)J.Ba
cteriol.169:751-757)及びSalmonella typhimuriumからクローン化され、その
イン・ビトロ活性が、組換え蛋白質について示された(Miller等(1987)PNAS84:2
718-1722)。従って、N末端メチオニンの除去は、所望であれば、イン・ビボで
、MAPを生成する宿主(例えば、大腸菌又はCM89又はS.cerevisiae)中で
E2−BP由来のポリペプチドを発現することにより、又はイン・ビトロで、精
製したMAP(例えば、Miller等の手順、前出)の使用により達成することがで
きる。
この発明のポリペプチドのコード配列を、異なるポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含む融合遺伝子の一部として取り込むことができる。この型の
発現系は、E2結合蛋白質の免疫原性断片を生成することが望ましい条件下で有
用であり得る。例えば、ロータウイルスのVP6キャプシッド蛋白質を、E2−
BPポリペプチドの部分に対する免疫学的キャリアー蛋白質として用いることが
できる(モノマー形態又はウイルス粒子形態の何れか)。抗体を高めるべき主題
のE2結合蛋白質の部分に対応する核酸配列を、後期ワクシニアウイルス構造蛋
白質のコード配列を含む融合遺伝子構築物に取り込んで、ビリオンの部分として
蛋白質E2−BPの一部分を含む融合蛋白質を発現する組換えウイルスのセット
を生成することができる。B型肝炎表面抗原融合蛋白質を利用する免疫原性融合
蛋白質の利用により、組換えB型肝炎ウイルスがこの役割においても利用し得る
ことが示された。同様に、E2結合蛋白質の一部分及びポリオウイルスキャプシ
ッド蛋白質を含む融合蛋白質をコードするキメラ構築物を造って、ポリペプチド
抗原のセットの免疫原性を促進することができる(例えば、EP公開No:02
59149;及びEvans 等(1989)Nature 339:385; Huang 等(1988)J.Virol.62:3
855 及びSchlienger等(1992)J.Virol.66:2を参照されたい)。
主題のE2結合蛋白質の所望の部分がオリゴマーの分枝リジンコア上へのペプ
チドの有機合成から直接得られるペプチドベースの免疫化のための多抗原ペプチ
ド系を利用して、免疫原を生成することもができる(例えば、Posnett 等(1988)
JBC 263:1719及びNardelli等(1992)J.Immunol.148:914 を参照されたい)。主題
のE2結合蛋白質の抗原決定基も又、細菌細胞により、発現させ、提供すること
ができる。
免疫原性を促進するための融合蛋白質の利用に加えて、融合蛋白質が蛋白質例
えば本発明のE2結合蛋白質の任意のものの発現をも促進し得ることは、広く認
められている。例えば、本発明のE2結合蛋白質を、グルタチオン−S−トラン
スフェラーセ(GST融合蛋白質)として生成することができる。かかるGST
融合蛋白質は、例えばグルタチオン誘導体化マトリックスの利用によって、E2
結合蛋白質の精製を容易にすることができる(例えば、Current Protocols in M
olecular Biology,Ausabel等編(ニューヨーク: John Wiley & Sons,1991)を参照さ
れたい)。他の具体例において、精製リーダー配列例えばE2結合蛋白質の所望
の部分のN末端のポリー(His)/エンテロキナーゼ開裂部位配列をコードす
る融合遺伝子は、Ni2+金属樹脂を用いるアフィニティークロマトグラフィーに
よるポリ(His)−発現されたE2−BP融合蛋白質の精製を与えることがで
きる。次いで、この精製リーダー配列は、エンテロキナーゼでの処理により除去
することができる(例えば、Hochuli 等(1987)J.Chromatography 411:177; 及び
Janknecht 等 PNAS 88:8972 を参照されたい)。
融合遺伝子を作製する技術は、当業者に公知である。例えば、種々のポリペプ
チド配列をコードする種々のDNA断片の結合は、ライゲーションのための鈍端
化又は食い違い端化した末端、適当な末端を与えるための制限酵素消化、粘着性
末端の適宜の充填、望まない結合を回避するためのアルカリホスファターゼ処理
及び酵素によるライゲーションを用いる慣用技術によって行なわれる。他の具体
例において、融合遺伝子を、自動化DNA合成装置を含む慣用技術によって合成
することができる。或は、遺伝子断片のPCR増幅を、2つの連続する遺伝子断
片の間の相補的オーバーハングを生じるアンカープライマーを用いて行なうこと
ができ、続いて、該断片をアニールさせてキメラ遺伝子配列を生成することがで
きる(例えば、Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel 等編 John
Wiley & Sons: 1992を参照されたい)。
この発明は又、単離されたE2結合ポリペプチドをも含み、それは、単離され
た形態であり、或は他の細胞性若しくはウイルス性蛋白質特に通常E2結合蛋白
質に会合しているパピローマウイルス蛋白質を実質的に含まない。この発明のポ
リペプチドに言及する場合、用語「実質的に純粋な又は精製された標品」は、細
胞中でE2−BPが一緒に存在する少なくとも1つのポリペプチド、多糖又は脂
質を実質的に含まないE2−BP標品として定義される。「他の細胞性又はウイ
ルス性蛋白質を実質的に含まない」標品(該蛋白質を、本明細書では「夾雑蛋白
質」とも呼ぶ)は、20%未満(乾重量)の夾雑蛋白質しか、好ましくは5%未
満の夾雑蛋白質しか有しない。機能的形態の主題のE2結合蛋白質を、最初に、
精製された標品として、ここに記載のクローン化遺伝子を用いることによって調
製することができる。或は、主題のE2結合蛋白質を、例えばE2由来のマトリ
ックスを用いるアフィニティー精製により単離することができる。
主題のE2結合蛋白質の単離されたペプチド部分は又、かかるペプチドをコー
ドする核酸の対応する断片から組換えにより生成したペプチドをスクリーニング
することによっても得ることができる。更に、当分野で公知の技術例えば慣用の
Merrifield固相f−Moc又はt−Boc化学を用いて断片を化学合成すること
ができる。例えば、本発明のE2結合蛋白質は、所望の長さの断片に、それらの
断片を重複させることなく任意に分割することができ、或は好ましくは、所望の
長さの重複する断片に分割することができる。これらの断片を生成し(組換えに
より又は化学合成による)、試験して、E2結合蛋白質活性のアゴニスト又はア
ンタゴニストとして機能し得るこれらのペプチジル断片をマイクロインジェクシ
ョン等によって同定することができる。
E2結合蛋白質の構造を修飾して、例えば、治療若しくは予防の効力又は安定
性(例えば、エキス・ビボでの棚持ち及びイン・ビボでの蛋白質分解に対する耐
性)を増大させることができる。かかる修飾したペプチドは、この蛋白質の天然
型の少なくとも1つの活性を保持するようにデザインした場合には、ここに一層
詳細に記載したE2結合蛋白質の機能的同等物と考えられる。かかる修飾ペプチ
ドは、例えば、アミノ酸の置換、欠失又は付加により生成することができる。
例えば、ロイシンのイソロイシン又はバリンでの単独の置換、アスパラギン酸
のグルタミン酸での単独の置換、スレオニンのセリンでの単独の置換、又は同様
のアミノ酸の構造的に関連するアミノ酸での置換(即ち、保存的変異)は、その
結果生じる分子の生物学的活性に大した影響を有しないであろうということを予
想するのは妥当なことである。保存的置換は、側鎖において関連したアミノ酸の
ファミリー内で起きるものである。遺伝的にコードされるアミノ酸は、次の4つ
のファミリーに分割される:(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2
)塩基性=リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン
、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプ
トファン;及び(4)非帯電の極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、シ
ステイン、セリン、スレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファン
及びチロシンは、ときには、芳香族アミノ酸として一緒に分類される。同様にし
て、アミノ酸のレパートリーは、(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;
(2)塩基性=リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)脂肪族=グリシン、ア
ラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン(セリンとスレ
オニンは、適宜、脂肪族ヒドロキシル化アミノ酸として別に分類される);(4
)芳香族=フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン;(5)アミド=アス
パラギン、グルタミン;及び(6)含硫黄=システイン及びメチオニンと分類す
ることができる(例えば、Biochemistry,第二版、L.Stryer編、WH Freeman and
Co.:1981 を参照されたい)。ペプチドのアミノ酸配列の変化が機能的なE2
−BP同族体を生じるか否かは、細胞内で、野生型E2−BPと類似の様式で又
はこの発明の他のE2−BPポリペプチドと類似の様式で応答を生じる変異体ペ
プチドの能力を評価することにより容易に測定することができる。1つより多く
の置換が起きたペプチドを、同様にして試験することができる。
この発明は、主題のE2結合蛋白質の組合せ変異体のセット並びに先端切除変
異体及び断片化変異体を生成する方法を含み、PV E2蛋白質特にハイリスク
HPVのE2蛋白質への結合において機能的である潜在的変異配列を同定するの
に特に有用である。かかる組合せライブラリーをスクリーニングする1つの目的
は、例えば、野生型の(「信頼できる」)蛋白質の生物学的活性のアゴニスト又
はアンタゴニストの何れかの1つとして機能するか又は新規な活性をすべて一緒
に有する新規なE2−BP同族体を単離することである。説明のために、E2−
BP同族体は、本発明の方法により処理して、パピローマウイルス感染、トラン
スフォーメーション及び/又は不滅化を阻止するためにE2に結合してE2媒介
の遺伝子転写をブロックする蛋白質を与えることができる。かかる蛋白質は、組
換えDNA構築物から発現される場合には、遺伝子治療プロトコールにおいて用
いることができる。
突然変異誘発は、対応する野生型蛋白質と有意に異なる細胞内半減期を有する
E2−BP同族体に対して起こし得る。例えば、この変化した蛋白質を、E2結
合蛋白質の破壊又は不活性化を生じる蛋白質分解又は他の細胞プロセスに対して
一層安定にすることも不安定にすることもできる。かかるE2−BP同族体及び
それらをコードする遺伝子を利用して、特定の組換えE2結合蛋白質についての
発現のエンベロープを、その組換え蛋白質の半減期を調節することにより変える
ことができる。例えば、短い半減期は、特定の組換えE2−BPと関連した一層
一過的な生物学的効果を起こすことができ、誘導可能な発現系の部分である場合
には、細胞内の組換え蛋白質レベルの一層厳重な制御を与えることができる。上
記のように、かかる蛋白質及び特にそれらの組換え核酸構築物は、遺伝子治療プ
ロトコールにおいて用いることができる。
この方法の説明のための具体例において、E2−BP同族体又は他の関連蛋白
質の集団についてのアミノ酸配列は、好ましくは、最高の相同性を可能にするよ
うに整列される。かかる変異体の集団には、例えば、1つ以上の種からのE2−
BP同族体を、又は同種からのものではあるが突然変異により異なっているE2
−BPが含まれ得る。整列した配列の各位置に出現するアミノ酸を選択して組合
せ配列の縮重セットを造る。
好適具体例において、この組合せE2−BPライブラリーは、それぞれ潜在的
E2−BP配列の少なくとも一部分を含むポリペプチドのライブラリーをコード
する遺伝子の縮重ライブラリー経由で生成される。合成オリゴヌクレオチドの混
合物を、潜在的E2−BP配列の縮重セットが個々のポリペプチドとして、或は
E2−BP配列のセットを含む一層大きい融合蛋白質のセット(例えば、ファー
ジディスプレー用)として発現可能であるように、遺伝子配列中に酵素的にライ
ゲートすることができる。
潜在的E2−BP同族体のライブラリーを縮重オリゴヌクレオチド配列から生
成することのできる多くの方法がある。縮重遺伝子配列の化学合成は、自動化D
NA合成装置にて行なうことができ、合成遺伝子は、次いで、発現のための適当
な遺伝子にライゲートされ得る。遺伝子の縮重セットの目的は、一つの混合物中
に、潜在的E2−BP配列の所望のセットをコードするすべての配列を与えるこ
とである。縮重オリゴヌクレオチドの合成は、当分野では周知である(例えば、
Narang,SA(1983)Tetrahedron 39:3; Itakura等(1981)Recombinant DNA,Proc 3rd
Cleveland Sympos.Macromolecules,AG Walton編、Amsterdam: Elsevier 273-2
89 頁; Itakura 等(1984)Annu.Rev.Biochem.53:323; Itakura等(1984)Science 1
98:1056; Ike 等(1983)Nucleic Acid Res.11:477 を参照されたい)。かかる技
術は、他の蛋白質の有向的進化において採用されてきた(例えば、scott 等(199
0)Science 249:386-390; Roberts等(1992)PNAS 89:2429-2433; Devlin等(1990)S
cience 249:404-406; Cwirla 等(1990)PNAS 87:6378-6382; 並びに米国特許第5
,223,409号、第5,198,346号及び第5,096,815号を参
照されたい)。
点突然変異により作製した組合せライブラリーの遺伝子産物をスクリーニング
する技術、及び予備選択した特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラ
リーをスクリーニングする技術は、当分野で公知である。かかる技術は、一般に
、E2−BP同族体の組合せ突然変異誘発により生成した遺伝子ライブラリーの
迅速なスクリーニングに適合させることができる。大きい遺伝子ライブラリーを
スクリーニングするために最も広く用いられている技術には、遺伝子ライブラリ
ーを再生可能な発現ベクター中にクローニングすること、生成したベクターのラ
イブラリーを用いて適当な細胞をトランスフォームすること、及び組合せ遺伝子
を、所望の活性の検出が産物の検出された遺伝子をコードするベクターの比較的
容易な単離を促進する条件下で発現させることが含まれる。下記の説明のための
アッセイの各々は、組合せ突然変異誘発技術により造った多数の縮重E2−BP
配列をスクリーニングするのに必要な高いスループットの分析に従順であ
る。
一つのスクリーニングアッセイにおいて、候補のE2−BP遺伝子産物を、細
胞又はウイルス粒子の表面にディスプレーし、この遺伝子産物を介してE2蛋白
質例えばHPV−16E2に結合する特定の細胞又はウイルス粒子の能力を、「
パニングアッセイ」にて検出する。例えば、細菌細胞の表面膜蛋白質の遺伝子中
に遺伝子ライブラリーをクローン化することができ、その結果生成した融合蛋白
質をパニングによって検出することができる(Ladner等、WO88/06630
;Fuchs 等(1991)Bio/Technology 9:1370-1371; 及びGoward等(1992)TIBS 18:13
6-140)。同様にして、蛍光標識したE2を用いて、潜在的に機能的なE2−B
P同族体を評価することができる。蛍光顕微鏡下で、細胞を視覚的に調べて分離
することができ、又は細胞の形態学が許す場合には、蛍光活性化セルソーターに
より分離することができる。
代わりの具体例においては、遺伝子ライブラリーを、融合蛋白質としてウイル
ス粒子表面で発現させる。例えば、繊維状ファージ系において、外来ペプチド配
列を、感染性ファージの表面で発現させ、それにより、2つの有意の利益を与え
ることができる。第1に、これらのファージは、非常に高濃度でアフィニティー
マトリックスに加えることができるので、多数のファージを一度にスクリーニン
グすることができる。第2に、各感染性ファージは、組合せ遺伝子産物をその表
面に示すので、もし特定のファージがアフィニティーマトリックスから低収量で
回収されたならば、そのファージを別ラウンドの感染により増幅することができ
る。殆ど同一の大腸菌繊維状ファージM13、fd及びflの群は、最もしばし
ば、ファージディスプレーライブラリーにおいて用いられ、ファージgIII又は
gVIIIコート蛋白質の何れかを用いて、ウイルス粒子の最終的パッケージングを
破壊することなく融合蛋白質を生成することができる(Ladner等、PCT公開W
O/02909;Garrard 等、PCT公開WO92/09690;Marks 等(199
2)J.Biol.Chem.267:16007-16010; Griffiths等(1993)EMBO J 12:725-734; Clack
son等(1991)Nature 352:624-628; 及び Barbas 等(1992)PNAS 89:4457-4461)。
説明のための具体例において、この組換えファージ抗体系(RPAS、
Pharmaciaカタログ番号27−9400−01)を、E2−BP組合せライブラ
リーの発現及びスクリーニングにおいて使用するために簡単に改変することがで
きる。例えば、RPASキットのpCANTAB5ファージミドは、ファージg
IIIコート蛋白質をコードする遺伝子を含む。E2−BP組合せ遺伝子ライブラ
リーは、gIII融合蛋白質として発現されるようにgIIIシグナル配列と隣接する
ファージミド中にクローン化することができる。ライゲーションの後に、このフ
ァージミドを用いて、コンピテントな大腸菌TG1細胞をトランスフォームする
。トランスフォームした細胞に、続いて、M13KO7ヘルパーファージを感染
させて、ファージミド及びその候補のE2−BP遺伝子挿入物をレスキューする
。その結果生成した組換えファージは、特異的な候補のE2−BPをコードする
ファージミドDNAを含み、対応する融合コート蛋白質の1つ以上のコピーを提
示する。E2に結合することのできるファージディスプレーされた候補のE2−
BPを、E2を用いるパニングにより選択し又は富化させる。例えば、このファ
ージライブラリーを、グルタチオン固定化E2−GST融合蛋白質にてふるい分
けし、未結合ファージをこれらの細胞から洗い出すことができる。次いで、この
結合したファージを単離し、もしその組換えファージが野生型gIIIコート蛋白
質の少なくとも1コピーを発現するならば、それらは大腸菌に感染する能力を保
持するであろう。従って、数回の連続的な大腸菌の再感染及びパニングは、E2
−BP同族体を大いに富化させ、該同族体はE2への結合能を保持し、続いて、
アゴニスト及びアンタゴニストを区別するための更なる生物学的活性についてス
クリーニングすることができる。
本願の開示に照らして、前述の組合せ突然変異誘発アプローチに加えて、一般
に適用可能な他の形態の突然変異誘発は、当業者には明白であろう。例えば、E
2−BP同族体(アゴニスト及びアンタゴニスト形態の両方)を、例えば、アラ
ニンスキャニング突然変異誘発等(Ruf 等(1994)Biochemistry 33:1565-1572; W
ang等(1994)J.Biol.Chem.269:3095-3099; Balint 等(1993)Gene 137:109-118; G
rodberg 等(1993)Eur.J.Biochem.218:597-601; Nagashima等(1993)J.Biol.Chem.
268:2888-2892; Lowman 等(1991)Biochemistry 30:10832-10838; 及びCunningha
m等(1989)Science 244:1081-1085)を用いて、リンカースキャニ
ング突然変異誘発(Custin等(1993)Virology 193:653-660; Brown 等(1992)Mol.
Cell Biol.12:2644-2652; McKnight等(1982)Science 232:316 )により;又は飽
和突然変異誘発(Meyers等(1986)Science 232:613 )により生成してスクリーニ
ングすることができる。ペプチド模倣物
この発明は又、本発明のE2−BPのパピローマウイルスE2蛋白質との結合
を破壊することのできる模倣物例えばペプチド又は非ペプチド剤を生成する主題
のE2−BP結合蛋白質のE2−BP結合ドメインの還元をも提供する。従って
、かかる突然変異誘発技術は、例えば、主題のE2結合蛋白質のPV E2蛋白
質への結合に関係する蛋白質−蛋白質相互作用に関与するE2−BPの決定基を
マップするのに特に有用である。説明のために、E2の分子認識に関係する主題
のE2結合蛋白質の非常に重要な残基を決定して、E2−BPのE2との結合を
競争的に阻害するE2−BP由来のペプチド模倣物を生成するのに利用すること
ができる(例えば、「Peptide inhibitors of human papillomavirus protein b
inding to retinoblastoma gene protein」欧州特許出願EP−412,762
A及びEP−B31,080Aを参照されたい)。例えば、スキャニング突然変
異誘発を用いてE2への結合に関係する特定のE2結合蛋白質のアミノ酸残基を
マップすることにより、E2への結合においてそれらの残基を模倣し、それ故、
E2−BPのE2への結合を阻止することができ、それにより、PV感染におけ
るE2の機能を邪魔するペプチド模倣化合物(例えば、ジアゼピン又はイソキノ
リン誘導体)を生成することができる。例えば、かかる残基の加水分解可能でな
いペプチドアナログを、ベンゾジアゼピン(例えば、Freidinger等、Peptides:
Chemistry and Biology,G.R.Marshall 編、ESCOM Publisher: オランダ、Leiden 19
88参照)、アゼピン(例えば、Huffman 等、Peptides: Chemistry and Biology
,G.R.Mar-shall 編、ESCOM Publisher: オランダ、Leiden 1988参照)、置換された
ガンマラクタム環(Garvey等 Peptides: Chemistry and Biology,G.R.Marshall
編、ESCOM Publisher: オランダ、Leiden 1988)、ケト−メチレンシュードペプチド
(Ewenson 等(1986)J Med Chem 29:295;及びEwenson 等、Peptides:
Structure and Function(Proceeding of the 9th American Peptide Symposium
)Pierce Chemical Co.イリノイ、Rockland,1985)、β−ターンジペプチドコア(
Nagai 等(1985)Tetrahedron Lett 26:647; 及びSato等(1986)J Chem Soc Perkin
Trans 1:1231)、及びβ−アミノアルコール(Gordon等(1985)Biochem Biophys
Res Commun 126:419; 及びDann等(1986)Biochem Biophys Res Commun 134:71)
を用いて生成することができる。抗体
本発明は更に、主題E2結合蛋白質の1つと特異的に反応する抗体を包含する
。例えば本発明の活性E2結合蛋白質のcDNA配列を基に作製した免疫原を用い
て、標準的なプロトコルに従い抗蛋白質/抗ペプチド抗血清又はモノクローナル
抗体を作成することができる[例えばHarlow及びLane編「抗体:実験マニュアル
(Antibodies:A Laboratory Manual)」(Cold Spring Harbor Press:1988)
参照]。マウス、ハムスター又はウサギ等の哺乳類を、免疫原の形のペプチド(
例えば抗体反応を引き起こすことのできるE2結合蛋白質又は抗原断片)で免疫
化することができる。蛋白質又はペプチドに免疫原性を与える方法として、キャ
リヤーとの複合又は当分野においてよく知られる他の方法が挙げられる。主題の
E2結合蛋白質の免疫原部分はアジュバントの存在下に投与することができる。
免疫化の経過は血漿又は血清中の抗体価を検査することでモニターすることがで
きる。免疫原を抗原として標準的なイライザ(ELISA )又は他のイムノアッセイ
を行うことで抗体レベルを調べることができる。好ましい態様にあっては、本発
明のE2結合蛋白質の抗原決定基、例えばSEQ ID NO:5−8及び21のいずれか
によって示される蛋白質;或いは極めて相同的なヒト蛋白質又はヒト以外の哺乳
動物蛋白質(例えば上記の配列に対し90% の相同性、より好ましくは少なくと
も95% の相同性を有するもの)の抗原決定基に対し、主題の抗体は免疫特異性
を有する。本発明の更に好ましい態様にあっては、抗E2−BP抗体は、例えば
SEQ ID NO:5−8及び21のいずれかに対し90% 未満の相同性を有する蛋白質
;例えばSEQ ID NO:5−8及び21のいずれかに対し95%未満の相同性を有す
る蛋白質、例えばSEQ ID NO:5−8及び21のいずれかに対し98−99% 未満
の相同性を有する蛋白質と,実質的に交差反応しない(すなわち特異的に反応す
る)。「実質的に交差反応しない」とは、抗体が非相同蛋白質(例えばE2)に
対しSEQ ID NO:5−8及び21の蛋白質に対する結合親和力の10% 未満、より
好ましくは5% 未満、更により好ましくは1% 未満の結合親和力を有することを
意味する。
免疫化につづいて、抗E2−BP抗血清を、所望によっては血清から分離した
ポリクローナル抗E2−BP抗体を得ることができる。モノクローナル抗体は以
下のようにして産生する。免疫化した動物から抗体産生細胞(リンパ球)を採取
し、ミエローマ細胞等の不死化細胞と標準的な体細胞融合法により融合してハイ
ブリドーマ細胞を産生する。このような技術は当分野においては周知のものであ
り、例えばハイブリドーマ法[Kohler及びMilstein、(1975 )Nature、256 : 49
5-497]、ヒトB細胞ハイブリドーマ法[Kozbar他、(1983)Immunology Today、4
:72]及びヒトモノクローナル抗体を産生するEBV−ハイブリドーマ法[Col
e他、(1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.p
p.77-96]が挙げられる。本発明のE2結合蛋白質に特異的に反応する抗体を産
生するハイブリドーマ細胞を免疫化学的にスクリーンし、そのようなハイブリド
ーマ細胞を含む培養からモノクローナル抗体を分離することができる。
ここで用いられる「抗体」という語は主題のE2結合蛋白質の一つと特異的に
結合する抗体断片も包含する。抗体を公知の方法を用いて断片化し、抗体断片は
上記した全抗体を得る方法と同様の方法でスクリーンすることができる。例えば
、抗体をペプシンで処理してF(ab′)2断片が得られる。 得られたF(a
b′)2断片を処理してジスルフィド架橋を無くし、Fab′が得られる。本発
明でいう抗体は更に、抗E2−BP部分を有する二重特異性分子及びキメラ分子
も包含する。
E2−BP又はE2−BP変異体に対するモノクローナル及びポリクローナル
抗体(Ab)、並びにFab′及びF(ab′)2等の抗体断片又は単鎖抗体s
Fvを用いてE2−BPの活動を阻害することができ、乳頭腫ウィルス感染、ト
ランスフォーメーション及び/又は不死化における本発明の特定のE2結合蛋白質
の役割についての研究、並びにE2結合蛋白質の通常の細胞機能の研究を、例え
ば本発明の抗E2−BP抗体のマイクロインジェクションによって行うことがで
きる。このような抗体、特に例えばsFv等の断片は治療に用いることもできる
。
主題のE2結合蛋白質それぞれの量及び発現パターンを評価する目的で、E2
−BPエピトープに特異的に結合する抗体を用いて組織サンプルを免疫組織化学
的に染色することができる。医療上の試験法の一部として、抗E2−BP抗
体を免疫沈降及び免疫ブロットに用いて、組織又は体液中のE2−BPレベルを
検査及び評価し、診断を行うことができる。例えば、E2−BP/E2複合体の
レベルの測定はHPV感染の発症又は進行を予測するのに便利である。同様に、
個人のE2−BPレベルをモニターすることによって、そのような疾患を持つ個
人の受けている治療養生法の効力を判断することができる。E2結合蛋白質のレ
ベルは例えば脳脊髄液サンプル等の体液中にある細胞内で、あるいは例えば生検
で産生した組織内で測定することができる。抗E2−BP抗体を用いた診断アッ
セイとしては、例えば新形成又は過形成疾患の早期診断を目的としたイムノアッ
セイ、サンプル中の癌細胞の有無、PV感染細胞の有無、PV形質転換細胞の有
無、PV不死化細胞の有無、E2−BP遺伝子の損傷が起こった細胞の検出等が
挙げられる。
本発明の抗E2−BP抗体の他の用途としては、例えばλgt11、λgt1
8−23、λZAP及びλORF8等の発現ベクター内に作製されたcDNAラ
イブラリーの免疫スクリーンに用いることが挙げられる。適当な読み取り忰に適
当な方向で挿入されたコード配列を有するこの種のメッセンジャーライブラリー
を用いて、融合蛋白質を産生することができる。例えば、λgt11は、アミノ
末端がβ−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列であり、カルボキシ末端が外来ポリ
ペプチドである融合蛋白質を産生する。主題のE2−BPの抗原エピトープは、
抗体を用いて、例えば抗E2−BP抗体に感染したシャーレから作製したニトロ
セルロースフィルターと反応させることによって、検出することができる。次い
で、このアッセイにより数えられたファージを感染シャーレから分離することが
できる。従ってヒト以外の動物からE2−BPの相同体を検出しクローンを得る
ことができ、ヒトから代替同形体(スプライシング変異体を含む)を検出しクロ
ーンを得ることができる。E2−BP核酸
あるヒト細胞系から得た主題のE2結合蛋白質をクローンして決定したヌクレ
オチド配列を用いて、他のヒト細胞系におけるE2−BP相同体、並びに他の動
物から得たE2−BP相同体を同定するのに用いることのできるプローブを作製
することができる。例えば本発明は実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含
有するプローブ/プライマーも提供する。このオリゴヌクレオチドは、SEQ ID N
O:1−4及び20のうち1つのセンス又はアンチセンス配列の、少なくとも10
個連続したヌクレオチド、或いは自然発生するそのヌクレオチドの突然変異体に
、ストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含有
する。好ましい態様にあっては、プローブ/プライマーは、検出可能にそれに付
加してなる標識群を更に包含する。標識群は放射性同位元素、蛍光化合物、酵素
及び酵素補因子から選ばれる。このようなプローブは例えば、患者から得た細胞
サンプル中のE2−BP核酸レベルの測定、E2−BP mRNAレベルの測定
、ゲノムE2−BP遺伝子が突然変異又は欠失したか否かの判断等の、形質転換
細胞の同定に用いる診断試験キットの一部として用いることもできる。
ヌクレオチドプローブは、主題のE2結合蛋白質のクローン配列から作製する
ことができる。これによりE2−BP mRNAを有する非処理の組織及び組織
サンプルの、組織学的スクリーンが可能となる。抗E2−BP抗体を診断に使用
したのと同様に、E2−BP mRNA又はゲノムE2−BP配列に対するプロ
ーブを、例えば新形成疾患又は過形成疾患(例えば望まれない細胞成長)として
発現するであろう対立遺伝子変異の予測や治療に用いることができる。ヌクレオ
チドプローブを抗E2−BP抗体イムノアッセイと組み合わせて用いることで、
E2結合蛋白質の発現(又は不発現)に関連する異常に関与しているであろう発
達障害の、分子レベルでの原因決定を容易にすることができる。例えば、E2−
BP合成物の変種は、E2−BPをコードする配列の突然変異に由来しうる。診断用スクリーン
本発明は更に、ある患者における、異常な細胞増殖、細胞分化及び/又は細胞
死(例えば細胞自滅)により特徴付けられる疾患の危険性の有無を判断する方法
を提供する。好ましい態様にあっては、主題の方法は(i)E2結合蛋白をコー
ドする遺伝子の完全性に影響する異変、又は(ii)E2−BP遺伝子の誤発現
、のうち少なくとも1つにより特徴付けられる遺伝損傷の有無を、患者から得た
細胞サンプルから検出することを包含するという特徴を一般に有する。例えば、
そのような遺伝子損傷は、以下のうち少なくとも1つの存在を確認することによ
って検出することができる。
(i)E2−BP遺伝子からの1 個以上のヌクレオチドの欠失、
(ii)E2−BP遺伝子への1 個以上のヌクレオチドの付加、
(iii)E2−BP遺伝子の1 個以上のヌクレオチドの置換、
(iv)E2−BP遺伝子の染色体の全体的な転位、
(v)E2−BP遺伝子のmRNA転写レベルにおける全体的な変異、
(vi)ゲノムDNAのメチル化パターン等の、E2−BP遺伝子の異常変形、
(vii)E2−BP遺伝子のmRNA転写の非野生型スプライスパターン、
(viii)E2結合蛋白質の非野生型レベル、及び
(ix)E2結合蛋白質の不適当な翻訳後調節。
従って点変異はコード配列のみならず、例えば遺伝子のプロモーター等の調節
領域においても起こりうる。これはmRNAの不発現や発現量の減少につながる
。点変異は適当なRNAプロセスを妨げ、その結果E2−BP遺伝子産物は不発
現に終わる。染色体異常には、余計な又は欠失した染色体、余計な又は欠失した
染色体部分(部分的重複又は欠失)、切断、環形成及び染色体転位等、様々なも
のが含まれる。染色体転位には転座、二動原体染色体、逆位、挿入、増幅及び欠
失が含まれる。下に詳しく述べるように、本発明はE2−BP遺伝子の損傷を検
出する数々のアッセイ法を提供し、重要なことには、E2−BPに由来する異常
な細胞増殖、細胞分化及び/又は細胞死の原因を分子レベルで同定することを提
供する。
組織中の野生型E2−BP遺伝子の変異を検出するために、その組織を周辺の
正常な組織から分離することが有用である。特定の細胞を含む組織標本を集積す
る方法は当分野において公知である。例えば、組織をパラフィン又はクリオスタ
ット切片から分離する。ある表現型を有する細胞をより大きなサンプルから、例
えばフローサイトメトリーによって分離する。これらに加え他の細胞分離方法も
当分野において公知である。
例証的な態様にあっては、例えばSEQ ID NO:1−13のいずれかによって示さ
れる配列、それらの自然発生する突然変異体;主題のE2−BP遺伝子に自然に
連結する5‘末端又は3’末端のフランキング配列又はイントロン配列;それら
の自然発生する突然変異体等の、E2−BP遺伝子のセンス又はアンチセンス配
列とハイブリダイズすることのできるヌクレオチド配列の領域を含有する、(精
製された)オリゴヌクレオチドプローブを包含する核酸組成物を提供する。細胞
の核酸をハイブリダイゼーション用に用意し、プローブをサンプルの核酸に接触
させ、プローブとサンプルの核酸とのハイブリダイゼーションを検出する。この
ような方法は例えば欠失、置換等のゲノム又はmRNAレベルにおける損傷の検
出に用いることができ、mRNA転写レベルの判定に用いることができる。
ある態様にあっては、損傷の検出は、例えばアンカーPCRまたはRACE
PCR等の複製連鎖反応(PCR)(例えばUSP 4,683,195 及び4,683,202 参照
)における、あるいは連絡連鎖反応(LCR)[例えばLandegran 他、(1988)Sc
ience 241:1077-1080; Nakazawa他、(1944)PNAS 91:360-364参照]における、
プローブ/プライマーの使用を包含する。後者は、E2−BP遺伝子内の点変異
を検出するのに特に有用である。単に例証的な態様にあっては、上記の方法は以
下の段階を含む。
(i)患者から細胞サンプルを得、
(ii)細胞サンプルから核酸(例えばゲノム又はmRNA或いはその両方)を
分離し、
(iii)核酸を、E2-BP 遺伝子と特異的にハイブリダイズするプライマー1個
以上に、E2−BP遺伝子(がもし存在すれば)とハイブリダイズし増幅できる
条件下において接触させ、そして
(iv)増幅産物の有無を検出、又は増幅産物の大きさを検査して対照サンプル
と長さを比較する。
本発明のプローブとの不正対合を検出することは例えば欠失、挿入、置換又は
フレームシフト異変等に由来する突然変異を発見する他の方法を提供する。不正
対合検出を用いて遺伝子又はそのmRNA産物における点変異を検出することが
できる。これらの方法は配列決定法より感度が低いが、多くのサンプルを扱う場
合に容易に行うことができる。不正対合開裂法の例としては、Winter他、(1985)
PNAS 82:7575,1985;Meyers 他、(1985)Science 230:1242 に記載のRNアーゼ保
護法(RNase protection method )が挙げられる。本発明の実施にあっては、
上記の方法は野生型E2−BP遺伝子をコードする配列に相補的な標識リボプロ
ーブの使用を含む。リボプローブと細胞サンプルから分離したmRNA(又はD
NA)とをハイブリダイズし、次に二本鎖RNA構造中の不正対合を検出するこ
とのできる酵素RNアーゼAで消化する。RNアーゼAにより不正対合が検出さ
れた場合、RNアーゼAは不正対合の部位を開裂する。従って、アニールしたR
NAを電気泳動ゲルマトリックス上で分離する時、RNアーゼAにより不正対合
ヌクレオチド対が開裂されていれば、リボプローブ及びmRNA(又はDNA)
の全長二本鎖RNAより短いRNA産物が検出される。
同様にDNAプローブを用いて酵素開裂又は化学開裂による不正対合検出を行
うことができる[例えばcotton他、(1988)PNAS 85:4397 参照]。或いは、適正
対合二本鎖と比較して電気泳動性変化を検査することにより、不正対合を検出す
ることができる[例えばCariello、(1988)Human genetics 42:726参照]。リボ
プローブとDNAプローブのどちらを用いる場合でも、突然変異を含んでいると
思われる細胞性mRNA又はDNAを、ハイブリダイセーションの前にPCR(
上記参照)により増幅することができる。
PCRにより増幅したE2−BP遺伝子のDNA配列は対立遺伝子に特異なプ
ローブ(allele-specific probe)を用いてスクリーンできる。これらのプローブ
は核酸オリゴマーであり、各々が、例えば公知の突然変異が起こりうる、或いは
ある疾患によって欠失又は増殖しうる、E2−BP遺伝子の領域を含んでいる。
例えばあるオリゴマーはE2−BP遺伝子配列の一部分に相当する、約30−6
0ヌクレオチドの長さのものであってもよい。そのような一連の対立遺伝子に特
異なプローブによって、PCR増幅産物をスクリーンし、一度同定したE2−B
P遺伝子内の突然変異の存在を同定することができる。対立遺伝子に特異なプロ
ーブと増幅したE2−BP配列とのハイブリダイゼーションを、例えばナイロン
フィルター上で行う。ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下での特定
のプローブとのハイブリダイゼーションは、対立遺伝子に特異なプローブにおけ
る突然変異と同じ突然変異がサンプル組織に存在することを意味する。
E2−BP mRNA発現における変異は、当分野において公知の方法で検出
することができる。例えばノーザンブロット分析、PCR増幅法及びRNアーゼ
保護法が挙げられる。mRNA発現量の減少は、野生型E2−BP遺伝子に変異
があったことを意味する。
主題のE2−BP遺伝子を1個以上含有していると思われる、増幅又は欠失し
た染色体領域の検査は、標準的な細胞遺伝学の方法によって行うことができる。
例えば個数及び/又は構造上の染色体異常を同定するのに、バンド染色法が広く
用いられている。現在、遺伝子スクリーニング及び生物学的量測定に用いられて
いる手順を、核型の分析に用いることができる。核型とは、ある生物体の染色体
補足物(chromosomal complement)の状態を特徴付ける指標の集合のことをいう
。例えば、全染色体数;染色体各型のコピー数;長さ、動原体指標、連続性等に
よって測定される染色体の形態等が挙げられる。染色体異常は、核型を調べるこ
とによって検査することができる。例えば、中期染色体を各種細胞学的方法によ
って染色し、縦方向に伸びる分節を、一般的にバンドと称される実体として可視
化する。ある生物体における各染色体のバンドパターンは独特のものであり、こ
れにより、形態が類似しているか否かに関わらず、染色体の明確な同定を行うこ
とができる。[Latt、「中期染色体の構成についての光学的解析(Optical Stud
ies of Metaphase Chromosome Organization)」、Annual Review of Biophysic
s and Bioengineering,Vol.5,pgs.1 −37(1976)参照]。
他には、クローンプローブを用いたサザンブロット法によって、染色体中のE
2−BP遺伝子の所定の配列の量を調べることができる。核型に関する有用な情
報が得られなくなるほど過度にゲノムが転位している場合でも、上記の方法は効
果的である。
比較ゲノムハイブリダイゼーション(comparative genomic hybridization,
CGH)は、増幅/欠失したE2−BP遺伝子の存在及び位置を同定するための
更に他の方法を提供する[例えば、Kallioniemi 他、(1992)Science 258:818参
照]。サザンブロット法のように、CGHはゲノム転位に関係なく増幅及び欠失
を可視化する。CGHは更にサザンブロット法よりも正確なコピー数の推定値を
提供し、正常な染色体において増幅又は欠失した配列の位置についての情報を提
供する。
一般に、欠失又は増幅の検出が、ある配列のコピー1個分の欠如又は増幅に限
られる場合、従来法による解析には限度がある。正常な細胞と異常な細胞が混在
するサンプルにおいても、本発明の新規な方法によって、感度の増加、影響を受
けたDNA配列のより正確な位置、並びにより正確なコピー数の推定値が得られ
る。
E2−BP遺伝子の完全性を判定する主題の方法の更に他の態様にあっては、
蛍光in situハイブリッド形成法(FISH)が挙げられる。この方法の
手順は例えば、Demetrick 他、(1994)Cytogenet Cell Genet 66:72-74; Demetri
ck 他、(1993)Genomics 18:144-147; DeMarini他、(1991)Environ Mol Mutagen
18:222-223; 及びTrask 他、(1991)Am.J.Hum.Genet.48:1に記載されている。こ
の手順は基本的には以下の段階を含む。細胞から間期又は中期のスプレッド(spr
eads)を準備し;標識プローブを間期又は中期のスプレッドにハイブリダイズし
;標識プローブを可視化してハイブリダイゼーション部位の順序及び部位間の距
離を決定する。例えば、プローブはビオチン−dUTP又はジコキシゲニン−d
UTPで標識化できる。標識を混合したプローブを用いた場合、ハイブリダイゼ
ーション部位の空間的位置関係、順序及び部位間の距離を可視化できる。
例証的な態様にあっては、本発明の方法をUSP 5,472,842 に基づいて実施し、
本発明の方法は以下の段階を包含する。
(i)ある染色体に特異な標識プローブの、地図作製済みのライブラリーを提供
し(このライブラリーは、主題のE2−BP遺伝子1種以上に対するプローブを
含む)、
(ii)プローブがサンプル内の目的のポリヌクレオチド配列と選択的に結合し
ハイブリダイゼーション複合体を作ることのできる条件下で、患者から得た染色
体サンプルとプローブとを接触させ、
(iii)ハイブリダイゼーション複合体を検出し、そして
(iv)複合体のコピー数を決定する。
地図作製済みのプローブライブラリーは、正常な染色体とハイブリダイズしたと
き、例えば目的のE2−BP遺伝子の側面に位置する等のように、比較的均等に
目的の領域に分散するプローブのセットからなる。ここでいう領域とは通常は染
色体1個又はある染色体の一部分を意味する。ある態様にあっては、プローブラ
イブラリーは全ゲノムを包含する。前もって選ばれた染色体の動原体内配列に選
択的に結合する基準プローブを、対照として用いることができる。ライブラリー
内の各々のプローブは本来の位置にある(in situ)中期のスプレッド内で正常な
染色体とハイブリダイズする。染色体上のプローブの物理的位置はマーカーで可
視化することによって決定する。プローブの位置は通常、P 末端小粒からの平均
断片長(FLpter)として表す。ハイブリダイゼーションを示す点を標準的
な蛍光顕微鏡で数え、FLpterの関数としてコピー数が得られる。コピー数
を正常な細胞と比較することで増幅、欠失等の各種染色体異常の指標とする。
ここでいう「染色体サンプル」とは、ここに記載したハイブリダイゼーション
法に用いるために用意した組織又は細胞サンプルを意味する。FISH分折用に
は、各染色体が実質的に未処理のサンプルを用意する。このサンプルは通常、標
準的な方法に従って用意した、中期のスプレッド又は間期の核を包含する。
遺伝子の挿入及び欠失はクローニング、配列決定及び増幅によっても検出する
ことができる。加えて、遺伝子又はその周辺の標識遺伝子に対する、制限断片長
多型(RFLP)プローブを用いて、対立遺伝子の変異又は多型断片内への挿入を調べ
ることができる。このような方法は、ある感染した個人の親縁者について、その
個人にみられる突然変異の存在をスクリーンするのに特に有用である。一本鎖構
造多型(SSCP)分析は、塩基が変化した対立遺伝子の変異体を検出するのに
用いることができる[Orita 他、(1989)PNAS 86 :2766-2770 ;及びOrita他、(
1989)Genomics 5 :874-879 参照]。挿入及び欠失を検出する、当分野において
公知の他の方法を用いることもできる。
遺伝子増幅又は欠失を測定する方法の更に他の態様としては、パルスフィール
ドゲル電気泳動法を用いるものが挙げられる。この方法の基本的な手順はSchwar
tz他、(1982)Cold Spring Harbor Symp.,Quant.Biol.47:189-195 に記載されて
いる。基本的な手順は、パルスをかけている条件下で、標準的なゲル電気泳動(
ゲルとしてアガロース、ポリアクリルアミド又は当業者に公知のゲルを用いる)
を行うことを包含する。メガベースのDNA分子を分離するために、電場の強度
と方向をパルス化し、回転させることは当業者の理解するところである。現在市
販されている装置は、コンピューターにより制御され、分離するDNAの分子量
に応じて強度、方向及びパルス時間を選択する。
「実質的な結合」とは、オリゴヌクレオチドと標的配列との相補的ハイブリダ
イゼーションを意味し、標的ポリヌクレオチド配列の検出を達成するために、ハ
イブリダイゼーション培養基のストリンジェントを減少させることによって引き
起こすことのできる副次的な不正対合も含むものとする。
「ハイブリダイジング」とは相補的塩基対結合を介して2つの一本鎖が結合す
ることを意味する。
ここで述べた特定のプローブそのものの配列を変えて、ここに開示したプロー
ブにある程度「実質的に同一」で、標的配列に実質的に結合する能力を有するプ
ローブにすることができるということは当業者の理解するところである。そのよ
うな変更体は、ここに述べた各プローブを参照することによって特異的に本発明
に包含される。ポリヌクレオチド配列が「実質的に同一」であるとは、標準パラ
メーターを用いた下記に述べる方法によって基準配列と比較すると、ポリヌクレ
オチドが少なくとも90% の同一性、好ましくは少なくとも95% の同一性を有
する配列を包含することを意味する。
野生型E2−BP遺伝子の変異は、E2結合蛋白質の細胞内レベルの変化をス
クリーンすることによっても検出することができる。例えば、E2結合蛋白質に
免疫反応する抗体を用いて、標準的なイムノアッセイ法により細胞または組織サ
ンプルをスクリーンする事ができる。例えば、生検細胞サンプルを溶解し、標準
的なイムノアッセイ法により細胞内のE2結合蛋白質のレベルを定量することが
できる。同系抗体の欠如はE2−BP突然変異の可能性を意味する。突然変異対
立遺伝子の産物に特異性を有する抗体を用いても、突然変異E2−BP遺伝子産
物を検出することができる。このような免疫アッセイは当分野において公知で有
用などのようなフォーマットにおいても行うことができる。例えばウェスタンブ
ロット、免疫組織化学アッセイ、イライザアッセイが挙げられる。E2結合蛋白質
の変異体を検出するどのような方法を用いても、野生型E2−BP遺伝子の変異
を検出することができる。
更に他の例証的な態様にあっては、メチル化に対して良好な感度を有しかつE
2−BP遺伝子に認識部位(フランキング配列及びイントロン配列を含む)を有
する制限エンドヌクレアーゼを1 種以上用いて患者から得たゲノムDNAを消化
することによって、E2−BP遺伝子の異常メチル化パターンを検出することが
できる[例えばBuiting 他、(1994)Human Mol Genet 3 :893-895 参照]。消化
したDNAをゲル電気泳動法で分離し、例えばゲノム又はcDNA配列に由来す
るプローブとハイブリダイズする。E2−BP遺伝子がメチル化に関してどのよ
うな状態にあるかは、サンプルDNAから得られる制限パターンを公知のメチル
化した標準DNAから得られるパターンと比較することによって判定する。その他のE2−BPスクリーン
アンチセンス法(例えばアンチセンス分子のマイクロインジェクション、或い
は転写物がE2−BP mRNA又は遺伝子配列に対してアンチセンスであるプ
ラスミドによるトランスフェクション)を用いて、特定のE2結合蛋白質の内生
産生を抑制することによって、HPVを媒介して起こる事象(感染、形質転換及
び/又は不死化)における主題の各E2−BPの役割を、並びに例えば転写及び
/又は複製の調整における新規な各E2−BPの正常な細胞内機能を、解析する
ことができる。このような方法は細胞培養に用いることができるだけでなく、ト
ランスジェニック動物の作製にも用いることができる。薬剤スクリーニングアッセイ
本発明は、主題のE2結合蛋白質の正常な細胞内機能又は乳頭腫ウィルス感染
における役割に対する作用物質又は拮抗物質である薬剤のスクリーンに用いるこ
とのできるアッセイを包含する。一つの態様にあっては、このアッセイによりE
2結合蛋白質と例えば感染性の高いHPVから得られるE2等のE2蛋白質との
結合を調整する化合物の能力を評価することができる。各種アッセイフォーマッ
トを用いることができるが、これは本発明にかんがみて当業者の理解するところ
である。
化合物及び天然抽出物のライブラリーを試験する多くの薬剤スクリーニングプ
ログラムにあっては、所定の時間内により多くの化合物を検査する目的から、高
流量のアッセイが望ましい。例えば精製又は準精製した蛋白質を用いた系等の細
胞を含まない系で行われるアッセイは、迅速に達成できかつ試験用化合物により
媒介される標的分子の変異を比較的容易に検出できるという点において、「第一
の」スクリーンとして好ましい。一般に試験用化合物の細胞毒性及び/又は生物
学的利用能の影響は生体外系では無視できる。その代わりに、このアッセイは薬
剤が標的分子に与える影響に主に注目し、他の蛋白質との標的分子の結合親和性
における変異及び標的分子の酵素に関する特性における変化を明白にする。本発
明の例証的なスクリーニングアッセイにあっては、目的の化合物を、分離及び精
製したE2結合蛋白質と接触させる。化合物及びE2結合蛋白質の混合物を、乳
頭腫ウィルスE2蛋白質を含むがE2−BPを含まない組成物に加える。E2/
E2−BP複合体を検査し定量することによって、E2蛋白質とE2結合蛋白質
との複合体形成の抑制(又は促進)について化合物の効力を判定できる。化合物
の効力は、様々な濃度の試験用化合物を用いて得られたデータから用量−応答曲
線を作成することによって評価できる。対照アッセイを行って比較のための基準
にすることができる。対照アッセイにあっては、分離及び精製したE2−BPを
E2蛋白質を含む組成物に加え、試験用化合物の不在下で、E2/E2−BP複
合体形成の定量を行う。
E2結合蛋白質とE2との複合体形成は、各種方法により検出できる。例えば
、複合体形成の調整量は、不完全に標識化した(放射性同位元素標識、蛍光標識
又は酵素標識等)蛋白質を用いたイムノアッセイやクロマトグラフィー検出によ
って定量化できる。
一般に、E2/E2−BP複合体を、複合体形成しなかった蛋白質から容易に
分離する目的で、又アッセイの自動化をはかる目的で、E2蛋白質又はE2結合
蛋白質を固定化するのが望ましい。1つの態様にあっては、マトリックスとの結
合を可能にする領域を加えた融合蛋白質が提供される。例えば、下記に述べるグ
ルタチオン−S−トランスフェラーゼ/E2(GST/E2)融合蛋白質をグル
タチオンセハロースビーズ(Sigma Chemical,St.Louis,MO製)又はグルタチオ
ン導入(derivatized)マイクロタイタープレート上に吸着し、E2融合蛋白質、
例えば35S標識化したものと結合する。試験用化合物は複合体形成を可能にする
条件下で、例えば4℃、2mMトリスHCl(pH8)、1nMEDTA、0.
5%Nonidet P−40及び100mM Na Clの緩衝
液内で保温する。保温に次いで、ビーズを洗浄して結合しなかったE2−BPを
除去し、マトリックスビーズに結合した放射性同位元素標識の量を、直接決定す
る(例えば、ビーズをシンチレーション下に置く)か、或いはE2/E2−BP
複合体が解離した後の上清液中で決定する。更に、複合体をビーズから解離し、
SDS−PAGEゲルで分離し、そのゲルを用いて標準的な電気泳動法によって
ビーズ画分中のE2−BPレベルを定量できる。
蛋白質をマトリックス上に固定する他の方法も主題のアッセイに用いることが
できる。例えば、E2蛋白質は、ビオチンとストレプトアビジンとの複合を利用
して固定することができる。例えば、当分野において公知の方法(例えば、Pier
ce Chemicals,Rockford,IL 製のビオチン化キット)を用いて、ビオチン−NH
S(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)からビオチン化E2を作製することがで
き、ストレプトアビジンでコートした96ウェルプレート(Pierce Chemical製)
のウェル内に固定することができる。更にE2に反応する抗体をプレートのウェ
ルに導入し、抗体複合によりウェル内でE2を連結(tap )することができる。
上記したように、E2結合蛋白質及び試験用化合物をプレート上のE2が存在す
るウェル内で保温し、ウェル内に連結したE2/E2−BP複合体の量を測定す
ることができる。上記したGST固定化複合体を検出する方法の他に、そのよう
な複合体を検出する方法の例としては、E2結合蛋白質に反応する抗体或いはE
2蛋白質に反応しE2−BPと結合の競合をする抗体を用いた、複合体の免疫検
出法;E2結合蛋白質に関連した酵素活性の検出を利用する酵素結合アッセイが
挙げられる。後者の例において、[2結合蛋白質との融合蛋白質として、酵素を
化学的に複合又は作製することができる。具体的には、E2結合蛋白質をアルカ
リフォスファターゼと化学的に架橋して、複合体内に連結したE2−BPの量を
、例えばパラニトロフェニルリン酸等の、上記酵素に対する色素産生基質を用い
て調べることができる。同様に、E2−BP及びグルタチオン−S−トランフェ
ラーゼを包含する融合蛋白質を作製し、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン
を用いてGST活性を検出することによって複合体形成を定量することができる
[Habig 他、(1974)J Biol Chem 249:7130]。
複合体内に連結した蛋白質の1 つを定量する免疫検出法を利用する工程に、蛋
白質に対する抗体、例えばここに述べる抗E2−BP抗体等を用いることができ
る。更に、複合体内の蛋白質を「エピトープで標識付け」して、E2−BP又は
E2配列と、対応する抗体の入手が容易な(例えば市販されている)第2のポリ
ペプチドとの融合蛋白質の形にすることができる。例えば上記したGST融合蛋
白質を用いた場合、GST部分に対する抗体によって結合の量を測ることもでき
る。他に有用なエピトープ標識として、c−mycの10残基配列を含有するm
yc−エピトープ[例えばEllison他、(1991)J Biol Chem 266: 21150-21157
参照]、pFLAG系(International Biotechnologies,Inc.製)、pEZZ−
蛋白質A系(Pharamacia,NJ 製)等が挙げられる。
本発明は更に、PV E2蛋白質又はE2結合蛋白質の有する生物学的機能に
影響を与える薬剤を同定するアッセイを、細胞を含まない系に加え、細胞又は無
処理の動物において行うことを企図している。これらのアッセイ系は、2つの蛋
白質の結合を変化させる化合物を最初に調べるための第一のスクリーンとして確
実に用いることができ、一方、生体内アッセイは、より一般的には第一のスクリ
ーン[例えば「ヒット(hits)」]で同定した化合物を更に調べるための「第二の
」スクリーンとして用いられている。例えば、第二のスクリーンを用いて、生体
内でのE2の機能を実際に調整する薬剤の能力を評価する事ができ、試験用化合
物の細胞毒性、生物学的利用能及び他の薬物動力学的パラメーターを評定するこ
とができる。例証的な態様にあっては、主題のE2結合蛋白質を用いて、下記の
実施例に述べるように[更にUSP 5,283,317;PCT 公報WO9 4/10300;Zervos他、(1
933)Cell 72:223-232;Madura 他、(1993)J.Biol Chem 268:12046-12054; Barte
l他、(1993)Biotechniques 14:920-924;及びIwabuchi他、(1993)Oncogene 8:169
3-1696も参照]相互作用トラップアッセイを行うことができる。このアッセイを
用いてE2蛋白質に対するE2−BPの結合を阻害する又は促進する薬剤を検出
することができる。クローン42Aの分離において記載されている相互作用トラ
ップアッセイと、実施例に記載のLexAを用いたアッセイは、それぞれが試験
用化合物をスクリーンするのに適当な形態の相互作用トラップアッセイである。
別の例証的な態様にあっては、GAL4ad−E2融合体をコードするプラスミド
並びにGAL4db領域と主題のE2−BPとの融合体をコードす
るプラスミドを同時に用いてサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerev
isiae)YPB2細胞を形質転換する。その上更に、その菌株は、GAL4反応プ
ロモーターが表現型標識の発現を引き起こすように形質転換される。例えば、こ
の菌がヒスチジン不在下で成長する能力はHIS3遺伝子の発現に依存している
。HIS3遺伝子がGAL4反応プロモーターの制御下に置かれた場合、栄養要
求性という表現型が発現しなければ、E2とE2−BPとの相互作用を通じて機
能的GAL4活性体が再構成されたことを意味する。従って、E2−BPとE2
との相互作用を抑制する薬剤を用いると、ヒスチジン不在下では酵母菌は育たな
いという結果になる。更に、表現型標識(例えばHIS3遺伝子に代わるものと
して)は、発現したときに負の選択性を提供するものであってもよく、この場合
、E2/E2−BPの相互作用を阻害する薬剤は細胞について正の成長選択性を
提供する。
主題のE2結合蛋白質の1 つが酵素活性を有する例にあっては、触媒としての
主題の酵素による基質の変換を抑制する薬剤の能力を測定する事に由来するアッ
セイにより、酵素活性の抑制剤を同定することができる。
他の態様にあっては、本発明は、誤発現するE2−BP対立遺伝子を有する、
発達疾患の動物モデルを提供する。例えば、E2−BP対立遺伝子の欠失した、
或いは1 個以上のE2−BPエクソンの全部又は一部が欠失したマウスを飼育す
ることができる。このようなマウスモデルを用いて、誤発現したE2−BP遺伝
子を原因とする疾患を解析することができる。E2突然変異体
2ハイブリッドアッセイに適した「餌」蛋白質(bait protein)を提供すること
に加え、転写活性に欠陥のあるE2突然変異体は、野生型E2蛋白質の生物学的
活性を阻害するのにも有用であり[Androphy他、(1987)Nature,324:70-73]、従
って、これを用いて乳頭腫ウィルスのウィルス周期の調整を変化させることがで
きる。例えば、上記したそれぞれの遺伝子構造体、特に遺伝子治療に有用なもの
を用いて、乳頭腫ウィルスに感染した細胞
内に、転写活性に欠陥のあるE2の突然変異体の1 つをコードする遺伝子を送り
込むことができる。ここに記載するように、これらE2突然変異体は、乳頭腫ウ
ィルスに感染した細胞内の在来E2蛋白質によるウィルス遺伝子の転写活性化を阻
害することによって、抗ウィルス効果を得るのに有用である。本発明のE2転写
活性抑制因子は、PVゲノム内のE2反応要素に結合する能力を有し、かつ、通
常はE2の転写制御下にあるPV遺伝子の転写を活性化する能力を有さないこと
によって特徴付けられる。従って、突然変異E2蛋白質は、PVゲノム中のE2
反応要素との結合において野生型E2のホモダイマーと競合するホモダイマーと
、ヘテロダイマー(例えば野生型E2のヘテロダイマーを含む)とからなる複合
体を形成する。アミノ酸1−133において転写活性に欠陥があるBPV−1 E2の突然変異 体の分離
E2の最初の133アミノ酸において転写活性に欠陥がある突然変異体の誘発
、及びその分離のためのスクリーンをYEplac112GE2 87L,13
1Hを用いて本発明に述べるように行った。PCRにおける取り込み違いの突然
変異誘発を(YEplac112GE2を鋳型として)、プライマーEA59(
5‘−CTCGGATCCCATGGAGACAGCATG−3’)(SEQ ID N
O:10)及びEA18(5‘−GCTGCCAGCCGTCCTC−3’)(SE
Q ID NO:11)を用いて行った。448ヌクレオチド(nt.)のPCR産物を
制限エンドヌクレアーゼBamH1及びBgl1あるいはBgl1及びAcc1
を用いて開裂し、開裂産物をゲルで精製した。精製した断片(BamH1/Bg
l1,nt.1−210及びBgl1/Acc1,nt.211−399)を用
いてM13mp19E2−286内に2つの異なる突然変異ライブラリーを作製
した。このベクターはE2の最初の286アミノ酸をコードするBamH1/K
pn1断片を含有する。 このベクターをここで用いたのは、YEplac11
2GE2と違ってE2内のAcc1及びBgl1の部位がこのベクターに特徴的
なためである。二種類のM13mp19E2−286の突然変異ライブラリーの
両方において、アミノ酸1−286をコードする配列はBamH1/Kpn1断
片としてYEplac112GE2に転移され、全長
E2のコンテキストに突然変異を組み込んだ。E2アミノ酸1−71及び72−
133にわたる二種類のYEplac112GE2突然変異ライブラリーを用い
て、サッカロミセス セレビシエをスクリーンすることによって転写活性に欠陥
がある突然変異を分離した。
同様に、アミノ酸134−215をコードする配列の取り込み違いのライブラ
リーを、プライマーEA37(5‘−CCAGGGTGGTAGAGGTG−3
’)(SEQ ID NO:16)及びEA107(5‘−CCTTCGCTAGCGAC
CCAGACTC−3’)(SEQ ID NO:17)を用いて作製した。PCR産物を
AccI及びNheIで開裂し、ゲル精製した後,精製物を用いてM13mp1
9E2−286N内にライブラリーを作製した。このベクターは、アミノ酸21
5及び216をサイレント変換(silent change)してNheI間裂部を設けたこ
とを除いては、M13mp19E2−286と同一のものである。このライブラ
リーは、他のライブラリーについて述べたのと同様に、全長E2のコンテキストに
転移される。哺乳動物細胞トランスフェクション
約3〜5×106 個の細胞を50% の集密度まで培養し、Bio-Rad Gene Pulse
rにより電気穿孔した。COS−7細胞を0.25KV,960μFDにて電気
穿孔した。COS−7細胞系の電気穿孔によって20μg のリポータープラスミ
ド、20μg のエフェクタープラスミド及び360μgのサケ精子DNAを導入
した。これらの条件及び導入したDNAの濃度はCOS−7細胞の電気穿孔に最
適なものを用いたが、これらは当分野において公知のものである。電気穿孔した
COS−7細胞をそれぞれ平板培養し、電気穿孔の24時間後に新鮮な培養基を
供給した。電気穿孔の3日後にヒト成長ホルモン(hGH)の濃度について細胞
培養基を分析した。E2突然変異体を試験するのに用いる転写活性アッセイにお
いて、本発明で述べるβ−GALアッセイでしたのと同様に、hGHをE2反応
プロモーターに連結した。電気穿孔したCOS−7細胞を変性緩衝液中で直接溶
解して全細胞抽出を得た。蛋白質レベルを調べるために、すべての公知の変異体
についてE2抗体II−2(EA)を用いてウェスタンブロットを行った。
N末端E2突然変異体の一覧:
酵母菌及びCOS−7細胞における活性化データ
点変異の位置は、アミノ酸のORF中の位置によって示した。例えば、R20
8Gは、208番目の位置にあるアルギニンがグリシンによって置換されたこと
を示す。
YES=PV中に完全に維持されている
YES=PV中に1 又は2 個の例外を除いて全て維持されている
yes=相同aa(F,Y,W)
NO=維持は見られない
転写に欠陥のあるE2点変異体は野生型E2に比べ50% 未満の活性を示した。E2を媒介とする相互作用トラップアッセイ
本発明の別の態様は、例えば治療のための又は診断に用いる価値のある、標的
分子と思われる又は標的分子として知られる蛋白質等の、「餌(bait)」蛋白質と
物理的に相互に作用する蛋白質をコードする遺伝子の分離を行う、新規な生体内
の方法に関する。「餌」蛋白質との蛋白質−蛋白質相互作用によって媒介される
、機能的転写活性体の再構成を検出するのがこの方法の骨子である。特にこの方
法はハイブリッド蛋白質を発現するキメラ遺伝子を使用する。第一のハイブリッ
ド蛋白質は「餌」蛋白質に融合した乳頭腫ウィルスE2蛋白質のDNA結合領域を
包含する。第二のハイブリッド蛋白質は、例えばcDNAライブラリー由来の試
験用蛋白質などの「魚(fish)」蛋白質と融合した転写活性領域を含有する。もし
「魚」蛋白質と「餌」蛋白質が相互に作用する場合、DNA結合領域と転写活性
領域はきわめて近接する。この近接によってE2転写調節部位(例えばE2結合
部位)に作動可能に結合したリポーター遺伝子の転写が引き起こされる。標識遺
伝子の発現を検出して、「餌」蛋白質との相互作用を評価するのに用いることが
できる。
この方法の平均的なものとして、複数の蛋白質を同時に試験して「餌」蛋白質
と相互に作用するか否かを判定する方法がある。例えば、E2DNA結合領域を
コードするDNA断片を、「餌」蛋白質をコードするDNA断片と融合して1 個
のハイブリッドを得ることができる。このハイブリッドを、標識遺伝子を有する
細胞及びE2/「餌」融合蛋白質を発現するトランスフェクト細胞に導入する。
第二のハイブリッドとして、例えば活性領域をコードするDNA配列に融合した
全哺乳動物相補DNA(cDNA)等を包含するプラスミドライブラリーを作製
することができる。このライブラリーを、第一のハイブリッドを有する細胞に導
入する。試験用ライブラリー中のプラスミドが1 つでも「餌」蛋白質と相互に作
用できる蛋白質をコードできるものであった場合、リポーター遺伝子の発現を検
出することによって正の反応が得られる。加えて、「餌」蛋白質と新規な蛋白質
間で相互作用がある場合、その新規に同定された蛋白質の遺伝子を容易に入手す
ることができる。本発明によれば、本発明の方法は宿主細胞、好ましくは酵母菌
細胞、より好ましくはサッカロミセス セレビシエ又はシゾサッカロミセス ポ
ムベ(Schizosaccharomyces pombe )を提供することを包含する。これらの細胞
は、「餌」及び「魚」のキメラ蛋白質それぞれをコートする遺伝子と、発現した
時に宿主細胞の表現型に変化を起こすE2反応リポーター遺伝子を含有する。各
キメラ蛋白質の発現(蛋白質のうち1個又は両方の本質的発現も含まれるものと
する)を誘発し、「餌」及び「魚」のキメラ蛋白質が相互に結合できる細胞内に
おいてリポーター遺伝子が発現することによって与えられる表現型に基づいて、
宿主細胞を分離さもなくば選択的に増殖する。例えば、リポーター遺伝子は、薬
剤耐性表現型(例えばクロラムフェニコール又はネオマイシンに対する耐性)を
与える蛋白質;比色又は発光検出に用いられる酵素(例えばGAL4又はルシフ
ェラーセ);栄養素要求表現型を解消する遺伝子産物(例えばLEU2,HIS
3,Ura3又はLYS2);又は対応する抗体の入手が容易な[例えばパンニ
ング(panning)用]細胞表面抗原を提供することができる。
本発明の方法は、上記したように、第一の試験用蛋白質と第二の試験用蛋白質
との相互作用を検出するキットを用いて実施してもよい。キットは容器、ベクタ
ー2腫、宿主細胞を含む。第一のベクターはプロモーターを含有し、第一の遺伝
子の転写を制御するために、第一のキメラ遺伝子と機能的に関連した転写終止シ
グナルを更に含有してもよい。第一の遺伝子は、E2DNA結合領域をコードす
るDNA配列を含有し、更に第一の遺伝子は第一の試験用蛋白質がE2DNA結
合領域とのハイブリッド蛋白質の一部として発現されるように、第一の試験用蛋
白質(例えば「餌」蛋白質)又は蛋白質断片をコードするDNA配列をベクター
に挿入するための独特の制限部位をコードするDNA配列を含有する。第一のベ
クターは宿主細胞及びバクテリア内で自己複製する手段を有する。第一のベクタ
ーは更に第一の標識遺伝子を有する。その遺伝子が宿主細胞内で発現することに
よって、第一の標識遺伝子を含む細胞を、第一の標識遺伝子を含まない細胞から
区別することができる。好ましくは、第一のベクターはプラスミドである。
キットは更に第二の遺伝子を含有するベクターを含む。第二の遺伝子は転写を
制御するプロモーターと転写終止シグナルを有する。第二の遺伝子は転写活性領
域をコードするDNA配列を含有し、更に第二の遺伝子は、第二の試験用蛋白質
が転写活性領域とのハイブリッド蛋白質の一部として発現されるように、第二の
試験用蛋白質(「魚」蛋白質)又は蛋白質断片をコードするDNA配列をベクタ
ーに挿入するための独特の制限部位をコードするDNA 配列を含有する。第二のハ
イブリッド蛋白質の転写活性領域は、DNA結合領域と転写活性領域が分かれて
いる転写活性体由来のものが好ましい。このような転写活性体は、酵母菌GAL
4蛋白質、GCN4蛋白質、ADR1蛋白質中にあることが知られている。ウィ
ルスVP16蛋白質は強力な転写活性領域を有することが知られている。転写に
関与する他の蛋白質の多くも結合領域と転写活性領域を独立に有する。特に後者
によってそれら蛋白質が本発明に有用となっている。第二のハイブリッド蛋白質
は、転写活性領域をコードするDNA配列に融合した、ゲノム、cDNA又は合
成DNAを含有するプラスミドのライブラリー内にコードされてもよい。
第二のベクターは、宿主細胞及びバクテリア内で自己複製する手段を更に有す
る。第二のベクターは第二の標識遺伝子を含有する。この標識遺伝子が宿主細胞
内で発現することによって、第二の標識遺伝子を含む細胞を、第二の標識遺伝子
を含まない細胞から区別することができる。
このキットは宿主細胞、好ましくは酵母菌株サッカロミセス セレビシエ又は
シゾサッカロミセス ポムベを含む。宿主細胞は、例えば少なくとも1 個のE2
反応要素によって転写を制御されているような、第一のハイブリッド蛋白質のE
2DNA結合領域に対する結合部位を有する、検出可能な遺伝子を含有する。E
2結合部位は、第二のベクターによってコードされる転写活性領域によって遺伝
子が活性化されたとき、検出可能な遺伝子が検出可能な蛋白質を発現するように
位置している。転写活性領域が、検出可能な遺伝子に十分近接している場合に遺
伝子の活性化が可能となる。宿主細胞それ自体は、第一の標識遺伝子、第二の標
識遺伝子、E2蛋白質のDNA結合領域、又は転写活性領域の機能を有する蛋白
質を発現できるものであってはならない。
このキットを用いると、宿主細胞内での「餌」蛋白質と「魚」蛋白質の相互作
用は、E2DNA結合領域と転写活性領域が存在しても相互に作用しなかった場
合に比べ、検出可能な遺伝子の発現を著しいものにする。検出可能な遺伝子は容
易に測定することのできる酵素や他の産物をコードしうる。このような測定可能
な活性としては、標識遺伝子が転写されたときのみ成長する細胞の能力や、標識
遺伝子が転写されたときのみ検出可能な酵素活性等が挙げられる。他に各種標識
が当業者には公知である。
2ハイブリッド蛋白質を含有する細胞を適当な培養基で培養し、測定可能な活
性によって培養物をモニターする。この活性の正の試験結果は「餌」蛋白質と「
魚」蛋白質が相互に作用したことを示す。このような相互作用によって、それぞ
れのDNA結合領域及び転写活性領域が十分に近接し、標識遺伝子の転写を起こ
す。
実施例
本発明の理解を容易にするために、本発明を以下の実施例を参照に説明するが
、これらは本発明のある態様を例証するだけのものであり、本発明を限定するも
のではない。2ハイブリッドアッセイ系の作製
乳頭腫ウィルスE2蛋白質に連結する蛋白質をコードする遺伝子を同定するた
めに、相互に作用する蛋白質をコードする遺伝子を遺伝学的に選出することを利
用した、改変2 ハイブリッド系を用いた[例えば、Fields他、(1989)Nature 3
40:245-246;Chien 他、(1991)PNAS 88:9578-9582;Morrissey他、(1989)J.Vi
rol 63:4422-5;及びLamberti他、(1990)EMBOJ 9:1907-1913参照]。この「2
ハイブリッド系」の改変は、転写活性欠陥/ウシ乳頭腫(BPV)E2蛋白質を
発現し、かつ4個のE2結合因子を含有するプロモーターにより作動するlac
Zリポーターを発現する酵母菌株の改変から始めた。E2変異蛋白質はE2結合
部位に結合できるが、リポーター遺伝子の発現は引き起こさない。次に、強化V
P16転写活性領域のC 末端に、任意に活性化したHela細胞cDNAを挿入
して作製したプラスミドライブラリーを用いて、この菌株を形質転換した[Dalt
on他、(1992)Cell 68:597-612]。E2蛋白質と相互作用できる、或いはリポ
ータープロモーターに直接結合できるVP16/cDNA融合蛋白質によって、
VP16活性領域とE2結合部位とが結合し、lacZ遺伝子の発現を活性化す
る。その結果これらの酵母菌細胞はβ−galプレート上で青色を帯びる。
簡単に述べると、このアッセイではE2反応β−ガラクトシダーゼリポーター
(pL72、2ミクロン、LEU2)及びBPV−1E2発現構造体(URA3
)を保持するために、選択的標識を有し自己複製する酵母菌プラスミドを用いた
。pKpE2におけるE2OR下の発現は、ガラクトースにより誘導されたGA
L4プロモーター(pGAL4)により制御される[West他、(1984)Mol Cell B
iol 4:2467-2478参照]。リポーター構造体は、E2結合部位(E2RE)が添
加された最小酵母菌CYClプロモーターの制御下にある、E.coliβ- ガラクト
シダーゼ(lacZ)遺伝子を包含する[Androphy他、(1987)Nature 325: 70
-73 参照]。E2がプロモーター内のE2REに結合し転写を活性化したときに
lacZ遺伝子は転写する。lacZ遺伝子は、E2の合成及びlacZの基質
である5-ブロモ-4- クロロ-3- インドリル- β-D- ガラクトピラノシド(XGA
L)の合成を引き起こす目的でガラクトースを含有する、酵母菌最小培地(YM
M)上で青色のコロニーとして検出できる[Guarente、(1983)Meth Enzymol 1
01:181-191 参照]。
VP16−Hela cDNAライブラリー、E2及びリポータープラスミド
を維持するために、酵母菌株(BGW1−7a:MATa leu2,2−le
u2,−11;his4−his519,ade1−ade100,ura3−
ura52)を改変する必要がある[Guarente及Mason 、(1983)Cell 32:1279
-1286参照]。第三の自己複製するプラスミドを維持するために、BGW1−7
aのTRP1遺伝子を、一段階式遺伝子置換によって不活性化した[Alani 他、
(1987)Genetics 116:541-545 参照]。不活性ベクターpNKY 1009を
EcoRIで間裂し、フェノール/クロロフォルム抽出及びエタノール沈降した
後、リチウム酢酸法でBGW1−7a内に形質転換した[Ito 他、(1983)J Bact
eriol 153:163-168参照]。ウラシル欠乏のYMM2%グルコース上で培養した
形質転換体から、トリプトファン不在下での成長能力を有するものをスクリーン
した。BGW1−7aとは違って、トリプトファンの要求性を示したコロニーを
トリプトファンと5−フルオローオロチン酸を含むYMMグルコースに移し、U
RA3遺伝子をコードするpNKY1009に欠損があるものを選択した[Boek
e 他、(1987)Mol.Gen Genet 197:345参照]。この培養基上で成長したコロニー
について、トリプトファン、ロイシン又はウラシル欠乏のYMM
グルコース上で成長する能力を調べた。三種の欠乏全てに要求性を示した分離株
(DBY1)を更なる解析用に選択した。
TRP1遺伝子の活性化を確認するために、DBY1をTRP1遺伝子及び2
ミクロン複製単位(replicon)を含有するYEplac112で形質転換した[Gi
etz 及びSugino、(1988)Gene 74:527-534参照]。DBY1のYEplac1
12形質転換体がトリプトファン欠乏のYMMグルコース上で成長することがで
き、一方YEplac181(LEU2、2ミクロン)DNAを有するDBY1
は成長しなかったということから、DBY1のTRP1遺伝子が不活性化された
ことが確認された。
DBY1の入手が容易であるので、cDNAライブラリーをスクリーンするの
に必要な染色体外複製単位を同時に3 つ存在させることができる。すなわち、V
P16−Hela cDNAライブラリー及びURA3;pL72LacZリポ
ーター及びLEU2;並びにYEplac112GE2及びTRP1である。Y
Eplac112GE2構造体はpKpE2 と同じpGAL4−BPV1 E2カセ
ットを含有する。2ハイブリッドスクリーンを成功させるためには、部位特異的
DNA結合が可能で、かつ、pL72のプロモーター内のE2REに結合した時
に転写を活性化することのできないE2分子を必要とする。野生型E2がpL7
2リポーターを転写活性するので、これらの特徴を有するE2の突然変異体を作
成する必要があった。
他の転写活性体と同様に、E2の転写活性領域とDNA結合領域はそれぞれ独
立させて調整機能単位とすることができる。E2のカルホキシ末端の85アミノ
酸(325−410)は部位特異的DNA結合ができ、LexA DNA結合領
域に融合した場合、E2のアミノ末端の300アミノ酸は酵母菌内のLexA
DNA結合部位を有するリポーターの転写を活性化することができる。E2の転写
活性領域はよく理解されていないが、アミノ酸1−161の一部又は全部を包含
すると考えられている。上記の理由から、領域特異的な突然変異誘発を行うこと
によって、E2のアミノ末端の161アミノ酸において転写活性の欠陥のある変
異体を分離した。
E2のアミノ酸1−150に変異のある突然変異体のライブラリーを、YEp
lac112GE2を用いたPCR法によって得た。プライマーとしてEA59
(5‘−CTCGGATCCCATGGAGACAGCATG−3’)(SEQ ID
NO:10)及びEA18(5‘−GCTGCCAGCCGTCCTC−3’)(
SEQ ID NO:11)を用い、アデニン残基に取り込み違いが起こりやすい条件下で
PCRを行った[Leung 他、(1989)Method Cell Mol biol 1:11-19]。PCR
産物をAccI及びBglIで開裂し、E2アミノ酸69−133にわたる18
6nt..の断片を、1%トリス−酢酸−EDTAアガロースミニゲル内で電気
泳動して分解し、ゲルから切り出してQuiex キット(Quiagen Corp 製)を用いて
精製した。
BglI,AccIはYEplac112GE2に特有の制限エンドヌクレア
ーゼではないので、BglI/AccI突然変異体プールの、野生型E2バック
グラウンドへの導入は2段階に分けて行った。BglI/AccI断片をまずM
13mp19E2−286に挿入した。M13mp19E2−286はYEpl
ac112GE2のアミノ酸1−300をコードするBamH1/KpnI断片
をクローンしてバクテリオファージM13ベクター内に挿入したものである。M
13の複クローン部位内にあるAccI部位をA ccI消化により切断し、クレ
ノウ処理し、連結し、形質転換してからE2断片を挿入した。精製した断片を、
AccI及びBglI上で開裂し上記したように精製しておいたM13mp19
E2−286に連結した。電気穿孔によってE.coli MV1190内で再
度連結反応を行った[Dower 他、(1988)Nucleic Acids Res 16:6127-6145参照]
。形質転換体平板培養の上層寒天から抽出したウィルスをプールし、MV119
0を感染するのに用いた。感染したMV1190から、Quiagen Tip
100カラム(Quiagen Corp 製)を用いて二本鎖の複製型DNA(RF DN
A)を得た。
突然変異RF DNAをBamHI及びKpnIで開裂し、E2の1〜286
アミノ酸断片をゲルで精製し、E2アミノ酸287〜410を含むYEplac
112GE2に連結した。電気穿孔によってE.coli DH5α内で連結反
応を行い、約30,000個の形質転換体のライブラリーを作製した。ガラスス
プレッダーで形質転換体平板培養からコロニーを採取し、50μg/mlのアン
ピシリンを含む50mlのテリフィック肉汁(terrific broth,
TB)に加えた。37℃で振とう培養を2時間行った後、Quiagen Ti
p 100キットを用いて、培養からYEplac112GE2DNAを得た。
YEplac112GE2突然変異体ライブラリーを、pBsy72を含む、
すなわち、未処理のURA3遺伝子を有することを除いてはpL72と同一のE
2反応性LacZリポーターを含む、DBY1内に形質転換した[Morrissey 及
びAndrophy(1989)J Virol 63:4422-4425 参照]。形質転換体をトリプトファン
及びウラシル欠乏のYMMグルコースで選択し、レプリカ平板法によって同じ培
養基上、並びにトリプトファン及びウラシル欠乏のYMM GAL/XGAL上
に複製した。30℃で48時間培養した後、色素形成したコロニーを数えた。白
色及び淡青色のコロニーをグルコース複製プレートから採取し、トリプトファン
及びウラシル欠乏のYMMグルコース5mlに加えた。翌日、2.5mlの培養
を室温、1,000×gで5分間ペレット化し、トリプトファン及びウラシル欠
乏のYMM4%ガラクトース2.5mlに再懸濁した。30℃で振とう培養を1
2時間行った後、細胞をペレット化し、同体積の2×SDS/PAGEサンプル
緩衝液中に再懸濁し、沸騰水中で3分間保温した。
突然変異酵母菌抽出物を12%ゲル上でSDS/PAGEによって分解し、I
mmobilon P(Millipore製)によって電気ブロットした。全
長E2の存在の判定は、まずウサギ抗BPV1−E2ポリクローナル血清を用い
、次にヒツジ抗ウサギアルカリフォスファターゼ複合体(Sigma製)を用い
るウェスタンブロット法によって行った[Prakash 他、(1992)Genes Dev 6:105-
116 参照]。BIORADアルカリフォスファターゼキットでE2バンドを可視
化した後、全長BVP1E2の存在する突然変異体抽出物を数えた。
突然変異体E2プラスミドと推定されるものを、全長E2の存在の判定におい
て正の結果を示した分離体から回収した。最初の培養のうち残りの2.5mlを
ペレット化し、DNAを抽出した。この操作は、フェノール/クロロホルム抽出
したDNAが沈殿した後、70%エタノールで2度洗浄し、50μlのTE(5
0mM トリスpH8.0、10mM EDTA)に再懸濁したことを除いて
は、Hoffman 及びWinston[(1987)Gene 57:262-272参照]の方法によって行った
。各DNAサンプルを5μlづつ用いて、Hanahan(1983)の方法によってE.c
oli DH5αを形質転換した。形質転換反応体は50μg/mlのアンピシ
リン及び0.4% XGALを含むLBに平板培養した。この培養基上では、リ
ポーター構造体(pBsy72)は青色のコロニーを形成し、YEplac11
2GE2を含有する形質転換体は白色のコロニーを形成する。
YEplac112GE2形質転換体と推定されるものを採取し2.5mlの
TB(50μg/mlアンピシリン含有)に加え、37℃で一晩、振とう培養し
た。プラスミドDNAをアルカリ溶解法で分離し、制限エンドヌクレアーゼ消化
によってプラスミドを同定した[Birnboim及びDoly、(1979)Nucleic Acids Res
7:1513 参照]。分離体を更にpBsy72を有するDBY1に再導入し、GA
L/XGAL平板培養基上でリポーターの活性化について解析した。再試験に際
し、野生型レベルに対するリポーターの転写を活性化する突然変異体と推定され
るものを捨てた。欠陥のある突然変異体における転写活性能を、定量的β−ガラ
クトシダーゼアッセイによって更に特徴付けた。GAL/XGAL平板アッセイ
に用いるコロニーを(トリプトファン及びウラシル欠乏の)YMM2%ラフィノ
ースに接種し、30℃で12時間、振とう培養した。細胞を室温下1,000x
gで5分間ペレット化し、無菌蒸留水で洗浄し、トリプトファン及びウラシル欠
乏のYMM4%高純度ガラクトース(Sigma製)内に再懸濁し、上記したように培
養した。12時間培養した後、半透化細胞アッセイによってβ−ガラクトシダー
ゼ活性を決定した[Guarente、(1983)Meth Enzymol 101:181-191 参照]。
ウェスタンブロット法において全E2の合成について正の結果を示し、再試験
の際にリポーターを転写活性化しなかった突然変異体を、DNA配列分析で特徴
付けた。突然変異体のDNA配列分析は、Sequenase キット(US Biochemicals
製)により、プライマーEA−18(5'-GCTGCCAGCCGTCCTC-3')( SEQ ID NO:11)
及びEA−23(5'-TCGTCACCAAAGCGAG-3')( SEQ ID NO:12)を用いて行った。
YEplac112GE2(87S,131H)の突然変異体の1つを選択し
HeLa cDNAライブラリーのスクリーニングに用いた。これによるLac
Zリポーターの活性化を、定量的β−ガラクトシダーゼアッセイのバックグラウ
ンドと区別することができた。ウェスタンブロットによる測定で野生型における
E2蛋白質のレベルが一定していることがわかった。Hela細胞cDNAライブラリーのスクリーニング
VP16−cDNAライブラリー及びYElpac112GE2(87S,1
31H)を同時にDBY1(pL72)内に形質転換し、トリプトファン、ロイ
シン及びウラシル欠乏のYMMグルコース上に平板培養した。30℃で72時間
培養した後、トリプトファン、ロイシン及びウラシル欠乏のYMM GAL/X
GAL上にコロニーを複製した。約1,000,000個の形質転換体をスクリ
ーンし、30℃で36時間培養した後に有意の青色を示したコロニーを、更なる
解析用に選択した。
約1,000,000個の形質転換体をスクリーンし、バックグラウンド上で
有意の青色を示したコロニーを選択した。これらのコロニーをトリプトファン、
ロイシン及びウラシル欠乏のYMMグルコースから採取しし、各コロニーをGA
L/XGAL上での色形成について再試験した。
再試験で正の結果を示したコロニーからcDNAプラスミドを回収した。cD
NAライブラリーの作成に用いたベクター(pRS306)は低複製(low
copy)の酵母菌複製単体を有するが、YEplac112GE2及びpL7
2ベクターは高複製(high copy)の複製単体を有するので、cDNA
プラスミドの分離前に高複製のプラスミドの酵母菌を矯正(cure)する必要
がある。
これは低複製の複製単体を有する酵母菌のみを数世代にわたって選択して培養
することで達成した。コロニーをウラシル欠乏のYMMグルコース2.5mlに
接種し、30℃で一晩振とう培養した。この培養を同じ培養基で1倍から50倍
に希釈し一晩培養した。この工程を5回繰り返したのち最終的に得られた培養の
一部をウラシル欠乏のYMMグルコース上で平板培養した。各々のコロニーを採
取してマスタープレートへ移し、ウラシル;ウラシル及びロイシン;並びにウラ
シル及びトリプトファン欠乏のYMMグルコース平板培養基上で複製培養した。
ウラシル欠乏の培養基上で成長したコロニーはYEplac112GE2及び
pL72を含んでいなかった。全DNAをこれらの分離体から得て、上記したよ
うにE.coli内に形質転換した。プラスミドDNAをアルカリ溶解法で得て
、制限エンドヌクレアーゼで消化してプラスミドを同定した。プラスミドDNA
をDBY1(pL72,YElpac112GE2 87S,131H)内にも
形質転換し、GAL/XGAL平板培養基上に複製培養して、回収したプラスミ
ドが、最初のスクリーン時に色形成した原因であったかどうかを調べた。リポー
タープラスミドの活性化の定量化は、成長促進及びガラクトース形成促進のため
にトリプトファン、ロイシン及びウラシル欠乏のYMMを用いたことを除いてE
2突然変異体について述べたのと実質的に同様に行った。スクリーンで最初に分
離したコロニーのうち、cDNAプラスミドを繰り返し分離したのち再試験で正
の結果を示したコロニーのみを保持した。
E2と特異的に相互作用したcDNAプラスミドについて、VP16をコード
する配列内で開始するプライマーを用いたDNA配列分析を行った。これにより
cDNAとの融合点における読み取り枠の情報が得られる。このプライマーを用
いてDNA配列の約200〜300ヌクレオチドを配列決定した。下記の表1に
、クローンそれぞれについての配列リストを示す。
上記のクローン各々を、E2相互作用トラップで分離した4種の新規クローン
を含むpEJAプラスミド(「pRS306−E2BP」と称する)としてAT
CC(Rockville,MD)に1994年10月19日、ブタペスト条約に基づき寄
託した。ATCC寄託番号は75915である。この寄託物を用いれば、当業者
は主題の組換えE2−BP遺伝子及び主題のE2結合蛋白質の発現組換え体を作
製することができる。例えば、本発明のE2結合蛋白質の各々を、下記のプライ
マーを用いるPCRによってATCC委託番号75915の寄託物から増幅する
ことができる。5'-TACATTAGGTCCTTTGTAGC-3'(SEQ ID NO:14)5'-GGCGTGAATGTAAGC
GTGAC-3'(SEQ ID NO:15)。これらのプライマーが、VP−16遺伝子の上流とc
DNA挿入物の下流にそれぞれハイブリダイズすることによってcDNA挿入物
の増幅が開始される。下記プライマー 5'-GCAGATGTTTACCGATGCCC-3'(SEQ ID NO:
13)はVP16遺伝子内及びVP16/cDNAの境界近くで開
始し、ATCC寄託物のクローンの分離にも用いることができる。
更に、表1に示した各クローンの5‘末端(ある例では3’末端)についての
便覧を見れば、SEQ ID NO:1−4のヌクレオチド配列に基づいたプライマー、又
はそれらプライマーの組み合わせ並びにフランキングプラスミド配列に基づいた
プライマーを用いて、ATCC寄託物の各クローンを分離できるということは、
当業者には明白なことである。
組み換え蛋白質を産生するために、分離したクローンを発現ベクター内でサブ
クローンすることができ;分離したクローンを用いてアンチセンス構造体を作製
することができ;或いは分離したクローンを用いてオリゴヌクレオチドプローブ
を作製することができる。例証的な態様にあっては、主題のATCC寄託物のク
ローンそれぞれをコードする配列を用いてオリゴヌクレオチドプローブを作製し
、作製したプローブをサザンハイブリダイゼーションや in situ ハイ
ブリダイゼーションアッセイに用いて各E2結合蛋白質の発現パターンや量を検
出した。
加えて、ATCC寄託物それぞれは不活性トラップアッセイにより同定した融
合蛋白質をコードするプラスミドであるので、寄託物からのクローンを例えば薬
剤スクリーニングアッセイ或いはE2結合エピトープの地図作製のための突然変
異誘発アッセイとして、類似のITSにおいて直接用いることができる。
SD2−7クローンの全長cDNAを得て配列決定を行った。
42Aクローンは357アミノ酸残基の読み取り枠をコードする約1,000
塩基の挿入物を示す。読み取り枠内の配列は本質的にはアダムス(Adams)他によ
り記述のある脳発現配列標識(brain expressed sequence tag)(EST)の正確
な複製である[(1993)Nat Genet 4:256-267参照]が、EST配列の3‘末端で
相同性は終わっており、42Aクローンは数百のヌクレオチドを更に有する。高
ストリンジェント条件下で42A配列を用いてノーザンブロット分析を行ったと
ころ、42A配列は、培養したヒトケラチン生成細胞及びHeLa細胞の両方に
おいて発現する約2,000ヌクレオチドの転写物とハイブリダイズすることが
わかった。生体外会合アッセイ
生体外蛋白質結合アッセイを、E2とE2結合蛋白質との会合を特徴付けるた
めに用いた。このアッセイは、ある蛋白質がグルタチオンS−トランスフェラー
ゼ(GST)E2転写融合体に結合し、セハロースCL−4Bグルタチオンビー
ズ(Pharmacia 製)上に固定化されるという事実に基づいたものである[Smith
他、(1988)Gene 67:31 ]。E2部分に会合した可溶性蛋白質をビーズで精製す
ることができる。
一連のGST E2融合体をpGEX2T(Pharmacia 製)内に作製できる。
加えて、GST及びオリジナル42A分離体から得たVP16転写活性領域の融
合をpGEX2T内で行い、負の対照として用いた。GST融合プラスミドをE
.coli BL21(DE3)pLysS内に形質転換し、1mMイソプロピ
ル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加して組み換え蛋白質の
合成を誘発した[Studier 他、(1990)Meth Enzymol 185:60-89 参照]。融合蛋
白質を冷凍した細胞ペレットから抽出し、グルタチオンビーズに結合し、SDS
/PAGEの後クーマシー染色によって可視化した。
フレーム内の開始コドン(ATG)を42A読み取り枠(ORF)に融合し、
この融合体をPSP65内に移してRNAの生体外合成に用いた。ウサギ網状赤
血球溶解産物中で転写したRNAを生体外翻訳して、35S標識42A蛋白質を合
成した。
約5μgのE2融合蛋白質[BCA蛋白質アッセイ(Pierce Scientific製)に
より測定]と100,000cpmの35S標識42A蛋白質を,蛋白質分解酵素
抑制剤を含む総量250μlのNETN(20mM トリスph8.0,100mM NaCl,1mM E
DTA,0.5% Nonident P-40)内で結合反応させた。反応物を4℃で3〜5時間振と
う培養し、ビーズをペレット状にした。1mlの氷冷したNETNでペレットを
5回洗浄し、NETNと500mM NaClで更に3回洗浄した。洗浄ののち
、サンプルをサンプル緩衝液に再懸濁し、12%ゲルを用いたSDS/PAGE
で分解した。蛋白質をオートラジオグラフィーによって可視化した。
まずフレーム内翻訳融合体(BPV1 E2アミノ酸1〜286)について、
42Aとの生体外会合能を試験した。図2に示すように、42AはGST E2
−286と共に精製されたが、単独のGST又はGST VP16転写活性領域
融合体(VP16アミノ酸410−490)とは共には精製されなかった。更に
、42AはGST E2−286(87L,131H)とも同様によく会合した。全長E2
(アミノ酸1−410)におけるこれらの突然変異体を2ハイブリッドスクリー
ンに用いて42Aを分離した。 E2と42Aの相互作用について、GSTに融
合したE2アミノ酸1〜286の各種切形を用いて、生体外での更なる特徴付け
をした。加えて、欠失体(ただしフレーム内にATGを付加)をE2アミノ酸2
87−410に融合し、(酵母菌内の)2ハイブリッド系によって、VP164
2A及びE2依存型LacZリポーターであるpL72を用いてアッセイを行っ
た。図2に要約されているこれらの実験は、E2アミノ酸1−52を欠く構造体
(GST E2 53−286,E2 53−410),1−113を欠く構造
体(GST E2 113−286,E2 113−410)及び1−134を
欠く構造体(GST E2 134−286,E2 134−286)が生体外
及び生体内で42Aとの会合能を有することを示している。しかし、E2アミノ
酸1〜161を欠く構造体(GST E2 162−286,E2 162−4
10)は両方のアッセイにおいて、42Aとの相互作用を示さなかった。
現在、E2の286アミノ酸からカルボキシ末端を削除した構造体については
、1種だけそのGSTが42Aに会合する能力について試験されている。E2ア
ミノ酸の216−286(図2、GST E2 113−215参照)を削除
しても、42Aとの結合能は低下しない。E2アミノ酸218−284をフレー
ム削除した相同体(図2、E2ヒンジ欠失体)も、2ハイブリッドアッセイによ
って、VP1642Aと相互に作用することが判明した。
生体外結合アッセイにおいてE2が42Aと物理的に会合したことによって、
2ハイブリッドアッセイを用いてE2結合蛋白質が分離されたということが確認
された。E2の欠失体及びGST融合蛋白質が同様の結果を示したということは
、2ハイブリッドアッセイを用いて特徴付けられる42A−E2の相互作用の結
果が生体外結合アッセイに正確に反映されていることを意味する。すなわち、こ
れらのデータは、42A結合領域がアミノ酸134から215の間にあることを
示している。2ハイブリッドアッセイにおいて42Aを分離するのに用いたE2
変異体(E2 87L,131H)の損傷部分は上記の領域の外にあると言える
。これらの突然変異体は転写活性に必要なE2領域を不活性化したが、42Aと
の結合に必要なE2の第二の領域には影響を与えなかったと結論付けられる。こ
の結論に一致して、GST E2 286及びGST E2−286(87L,
131H)が生体外で42Aに結合する能力に違いは見られなかった。
同時免疫沈降(coimmunoprecipitation)アッセイを用いて、42A ORFに
は、未処理の(すなわちアミノ酸1−410からなる)野生型E2分子と会合す
る能力があることが示された。この実験用に、E2、E2R(アミノ酸162−
410)及び42Aをウサギ網状赤血球溶解産物内で合成した。全長E2又はE
2Rを、蛋白質分解酵素抑制剤を含む50μlのNETN内で、42Aと混合し
た。4℃で回転装置に1時間かけたのち、E2のDNA結合領域のエピトープを
認識するモノクローナル抗体に結合したPAS(蛋白質aセファロースビーズ、
Pharmacia 製)と共に200μlのNETNを更に加えた。予想されたように(
上記のGST融合実験と本質的に同様に)PASビーズをペレット化し、洗浄し
、SDS/PAGEで分解したところ、E2及びE2RはE2に特異性を有する
B202抗体によって免疫沈降した。42A蛋白質も又、E2と共に沈降したが
,E2Rと共には沈降しなかった。対照実験によって、B202はE2の不在下
では42Aを免疫沈降することができないことが示された。この実験は、
42A ORFが、野生型の全長E2分子と物理的に相互作用できることを示し
ている。E2会合結合活性の確認
プレートβ−galアッセイ及び(限られた研究範囲での)定量実験の両者を
利用した2ハイブリッド系を用いて、相互作用の確認及び分析をした(表2)。
112−Gベクター(E2なし)または125アミノ酸結合領域には協力活性化
は見られかかった(データ示さず)。42A(112GE2 87L、131H
)を分離するのに使用したE2突然変異体に加えて、さらに第2の突然変異体(
112GE2 15H)は表2のようにVP16−42Aと協力することが分か
った。興味深いことには、E2アミノ末端の112個の残基を含まない切断され
た安定なE2はVP16−42Aの存在下で活性化された。しかし、アミノ酸1
〜161欠失体(E2−TR、これもまた安定である)はVP16−42Aによ
り活性化されなかった(データ示さず)。すべての場合において、転写刺激は4
2AハイブリッドにおけるVP16転写活性化領域(TAD)に依存していた(
欄3と4を対比のこと)。興味深いことには、WT E2とのVP16−42A
の同時発現は転写活性を約3倍向上させた(欄3)。低複製CEN/ARSプラ
スミド上にWT E2を発現した酵母菌では、pSD10VP16−42Aによ
る誘導はE2単独の場合の5倍であり、VP16TADを欠失している全42A
読み取り枠(ORF)が使用された時には75%に減じた(データ示さず)。こ
の抑制効果は高複製WT E2及び42A ORFについても見られる(欄4)
。これらの結果は42AとE2の相互作用に特異性があることの証拠であり、E
2のアミノ酸113−161が相互作用に必要であるということを示している。
42A ORF(VP16のないもの)を発現する抑制効果は(もし確認された
ら)E2機能に単独で干渉する領域を表すことを示唆する。
42Aの読み取り枠(ORF)を分離するのに使用した2ハイブリッド系にお
いて、非常に低レベルの固有転写活性ポテンシャルを有するBPV−1E2の突
然変異体を使用した。このアッセイでは、野生型(WT)E2を突然変異体の代
わりに使用した場合、リポーターの転写活性化は、VP16に融合したランダム
に選択されたORFと比較すると、VP16−42A融合体により刺激される。
この知見は、42A ORFが、プロモータにおけるE2反応要素に結合したW
T E2と物理的に相互作用することを示唆している。VP16部分はE2の転
写活性領域とは独立にリポーターの転写開始を刺激するものと推定される。
42A ORFまたはVP16転写活性化領域がこの効果を独立に生起し得ない
点は(欄3〜4参照)、このモデルと一致している。
42Aを分離するの使用される2ハイブリッド系はE2とは独立のプロモータ
ーの42Aに対する効果を検討するためにさらに特徴付けられる。E2反応要素
を欠いているpLG−178を使用する元の2ハイブリッドアッセイ(表2)に
おけるWT E2及びVP1642Aについて見られる効果に対して、プロモー
ター中のE2REが必要かどうかを決定した(表3)。元のpLG72リポータ
ーの構造は、pLG−250(キメラ酵母菌pCYC1/LacZリポーター)
のヌクレオチド−250〜−178が欠失し、位置−178にE2反応要素(E
2RE)の4コピーが挿入されているものであった(図3)[ 上掲のMorissey
他、(1989)Supra,上掲のGuarente and Mason(1983)参照]。
表3に示したように、リポーターpLG−178(他の点ではpL72と同一
)はWT E2によって活性化されない(第1行)。さらにVP1642AはE
2の存在または非存在に関わらずこのリポーターに影響しない(欄2)。これら
の結果はVP1642Aの、各種E2構造体(表2)によるpL72の転写活性
化に対する影響が、プロモーターに結合したE2を必要とすることを示している
。この観察は、E2 340R(E2REへの結合に欠陥のある突然変異体)が
VP1642Aを有する又は有さないpL72の転写を刺激しないことと一致す
る(データ示さず)。
VP1642Aはプロモーター特異作用を有し得るが、それは転写が上流DN
A結合要素(すなわちE2REまたはUASc)を介して活性化された場合のみ
である。この場合に、VP1642AはpLG−178の作用は持たないが、他
の転写活性体(例えばHAP)に対する反応要素がE2の反応要素に置き換わる
ことが期待されるであろう。pLG−250リポーターはE2REを欠いており
、UASc要素を有する追加のネイティブpCYC1配列を含んでいる(図3)
。このリポーターに対するVP1642Aの作用を特徴付けるには、それがE2
に対するのと同様に他の転写活性体(酵母菌HAP活性体)に影響できるかを示
す必要がある。pLG−312の転写は内生酵母菌HA Pにより活性化される(
表3第3行)。レベル活性化はVP1642A、またはVP16−cDNAライ
ブラリーからの前もって同定されていない他の2種のORFへのV16融合体の
存在下には増大しない。これらの結果は、VP1642Aが元の2ハイブリッド
アッセイにおけるプロモーター特異的方法よりもむしろE2内で作用することを
さらに確認する。
VP1642AのE2特異性がE2のレベルの変性の結果かどうかを決定する
ために追加の試験を行った。VP1642Aは、pGAL4(酵母菌内でE2の
発現を誘発するのに用いるプロモーター)に影響しおそらくは上流側反応要素を
介して作用してpGAL4の活性を増すことにより、存在するE2の定常状態の
レベルを増す可能性がある。WT E2または非常に低い固有活性ポテンシャル
を有する突然変異体の蛋白質レベルを増すと、2ハイブリッドアッセイにおける
物理的相互作用を模擬して偽の正の結果が得られる。
WT E2の発現をpADHにより引き起こしたとき、ガラクトース誘導が可
能なGAL4プロモーターに関連しない構成酵母菌プロモーターVP1642A
はE2によるE2依存性pL72リポーターの転写活性のレベルを高めた(デー
タは示さない)。従って、VP1642Aの効果はE2発現を引き起こすのに使
用されるプロモーターに依存しない。VP1642Aが2種の関連のない酵母菌
プロモーターに同様に作用するとは考えられない。選択的2ハイブリッドアッセイ:LexA融合
42A ORFとE2の物理的相互作用の確認を、選択的2ハイブリッドアッ
セイを使用してさらに行った。すなわち42AをLexA DNA 結合領域(D
BD)を介してプロモーターに結合し、それをE2を結合するのに使用する。p
VL1393G42−6から得たBamHI/NotI断片を、BamHI/N
otIで開裂したpEG202に挿入することにより、42A ORFをLex
A DBDに翻訳的に融合した [Gyuris他、(1993)Cell 75:791-803]。こ
のLexA−42A融合体を次にYEplac181GLexA202へMlu
I/Sall断片として挿入し、融合体をガラクトース誘導が可能なGAL4プ
ロモーターの制御下に置いた。 LexA−42A構造体(YEplac181GLexA42A)
とYEplac112GをLexA/LacZリポーターpSH18−34を含
有するDBY1に導入した( 上掲のGyuris 他)。LexA−42Aの合成がG
AL/XGAL平板培養基上で誘導された場合、長時間の培養の後でもコロニー
は白色のままであり、これはpSH18−34中に42A融合体結合LexAオ
ペレーターの存在を示唆するが、LacZ遺伝子の転写を活性化することはでき
なかった(表4第1欄)。同様な結果は、YEplac181GLexA42A
構造体の代わりに、YEplac181GLexA202(LexA DBD単
独)またはYEplac181GLexASD22(VP16−cDNAライブ
ラリーから前もって同定されていないORFへの融合体)を使用した場合にも得
られた。予想されたように、酵母菌GAL4遺伝子の転写活性領域とLexA
DBD(YEplac181GLexAGAL4)との融合体は、pSH18−
34の転写を強く活性化し、青色の形成を生じた。
pSH18−34の活性化は、LexA42A融合体(YEplac181G
LexA42A)と、野生型E2(YEplac112GE2)又はE2340
R(YEplac112GE2 340R、E2RE結合しないもの)のいずれ
かが同時発現された時にも観測された。この活性化はYEplac181GLe
xA202またはYEplac181GLexASD22がLexA42A融合
体の代わりに使用された時には起きなかった。これらの結果は42AORFがL
exA DBDによりpSH18−34のプロモーターに局在化されたときに、
転写を活性化するE2を取得できることを示している。元の2ハイブリッドスク
リーンにおいて42Aを分離するのに使用した転写活性作用に欠陥があるE2突
然変異体(YEplac112GE2、87L、131H)のは、LexAリポ
ーターをLexA42Aの存在下に活性化することはできなかった。この突然変
異体E2蛋白質はおそらくはLexA42A融合体の42A部分と会合するが、
その転写活性作用領域における突然変異の存在のために転写を活性化できない。
サッカロミセス セレビシエにおけるBPV−1 E2と42Aの欠失との相 互作用
42A ORFの切断体をSD10ベクターのVP16転写活性作用領域(T
AD)に翻訳的に融合した。すでに述べたようにYEplac112GE287
L、131H及びβ−ガラクトシダーゼリポーターpL72と共に、構造体をD
BY1内に形質転換した。コロニーをGAL/XGAL培養基へ移した後に青色
の形成をスケール0(白)から6(濃い青)の尺度で測定した。このアッセイで
は、完全活性に必要な42A ORFの最小部分が、アミノ酸残基40から25
9個の間にあることが決定された(図4)。哺乳動物細胞におけるE2、42A転写活性化データ
この実験は哺乳動物細胞におけるE2突然変異体の特徴付けのために実質的に
記載されているようにしてCOS−7細胞における過渡発現アッセイを使用して
行った。42A ORF(pCMVにより引き起こされるpCG42A,42A
ORF)の発現は野生型E2(pBG331E20)による活性化を40%阻害
する(図5)。これは42A O RFの発現を必要とする。なぜならpBG33
1E2によるpCG(pCMV 42A ORF 欠失体)の同時トラフェクションは、E2
による転写活性化を余り減少しなかったからである。このアッセイにおいて、4
2Aとの相互作用に必要なE2蛋白質の領域を欠いたハイブリッドVP16E蛋
白質(VP16E2−125)により、42A ORFが存在しても活性は減少
しなかった。このハイブリッド蛋白質は、E2 DNA結合領域を包含するC末
端125アミノ酸に融合したVP16転写活性領域よりなる。上で検討したよう
に、42Aとの相互作用に必要なE2の領域は、VP16E−125蛋白質には
存在しないアミノ酸134及び162の間にある。これらの結果に対する一つの
説明は、42A ORFの過大発現がE2分子上の42A会合領域を飽和させ、
それにより、哺乳動物細胞におけるE2による転写活性化に必要とされる内生4
2A蛋白質に対するE2の会合が妨げられるというこものである。2ハイブリッ
ドスクリーンにおいて分離された42A ORFが、大きい分子の一部に過ぎな
いことから、この仮定は不合理ではないと言える。42A抗体
42Aに対して特異的な抗血清をE.coli内で生成した組換え42A蛋白
質を使用してウサギ内に発生させた。42A ORFをpET8cに挿入(tran
sfer)して細菌発現構造体(pET8c42/10)を作り、このベクターに存在するバクテ
リオファージT7遺伝子10の最初の10アミノ酸へのアミノ末端翻訳融合体を
生成した[Studier 他、(1990)Meth.Enzymol.185:60-89 ] 。この遺伝子
10−42A融合蛋白質(10/42A)は、イソプロピル−β−D−チオガラ
クトピラノシド(IPTG)による合成の誘導1時間後のクーマシーブルーによ
る染色を用いたSDS−PAGEによって分解したE.coli BL21pL
ysS,pET8c42/10抽出物中に見いだすことができた[Studier 他、
(1990)Meth.Enzymol.185:60-89] 。分画実験では、誘導が30℃で行われた
場合でさえも、殆どの10/42蛋白質が細胞ペレット中に不溶形態で存在した
。この蛋白質は4モル以上の濃度の尿素により可溶化できた。
4モル以上の濃度の尿素を使用せずには細菌から10/42Aを抽出できない
、ということを使用する精製工程の第1段階の基本原理とした。E.coliB
L21pLysS,pET42/10を37℃でA600 が0.5〜0.6と
なるまで成長させた後にIPTGを1mM添加した。IPTG誘導2時間後に、
培養を4℃に冷却し、次いで細胞を4℃で4500×Gで10分間遠心分離して
ペレット化した。細胞ペレットを氷冷リン酸緩衝溶液中に再懸濁し、細胞を上記
のようにペレット化した。
500mlの培養からの細胞ペレットを、蛋白質分解酵素抑制剤(フェニルメ
チルスフルフォニルフロオライド、ロイペプチン、ペプスタチン)を含む20m
lのNETN(20mMのトリスpH8.0、100mMのNaCl、1mMの
EDTA、0.5%NonidetP−40)に再懸濁し、次いで7の設定で1
0秒間音波処理した。音波処理の後、トリトンX−100を1%まで添加し、次
いで抽出物を4℃、12000×Gで30分間遠心分離した。遠心分離の後、ペ
レットを蛋白質分解酵素抑制剤を含む同一体積のNETN中に再懸濁し、時間を
10分間に減じたのを除いては前と同様に遠心分離した。
ペレットを20mlの1.5%n−オクチルグルコシド、1mMのEDTA、
150mMのNaCl、0.25MのKPO4 を用い、pH8.0 で2度抽
出した。各抽出後に、ペレットを15分間、前と同様に遠心分離することにより
回収した。次にペレット内の10/42Aを8Mの尿素中で溶解化し、次いでS
P Separose Fast Flow(Pharmacia製)を使用す
るイオン交換クロマトグラフィーにかけ、それをクーマシーブルー染色してSD
S/PAGEにより分解することによってモニターした。10/42Aの8M尿
素分画を50mMのHepes pH7.1に調整し、それを8Mの尿素、50
mMのHepespH7.1で平衡したカラムに装入した。カラムを負荷緩衝液
で洗浄した後、NaCl濃度を100mM段階で増大させてカラム上の蛋白質を
溶離した。ほとんどの10/42AはNaClを200Mにした段階でカラムか
ら溶離した。この分画をウサギの免疫処理に使用した。
初回注射並びにその2週後に第1追加刺激を行うために、約2mgの10/4
2Aの200mM溶離物を、尿素濃度を1Mに減じた後にHunters Ti
ter Max(Sigma製)により乳化した。さらに2週後、尿素濃度を減
じないで、フロインド不完全アジュバント(Sigma製)で乳化した溶離液を
使用して第3回注射を行った。
10/42A蛋白質に対して特異な抗体の存在を、免疫処理ウサギからの血清
を用いた、IPTG誘導E.coliBL21pLysS,pET8c42/1
0のウエスタンブロットをプローブすることによりモニターした。特定相互作用
の検出は前に述べた方法でアルカリフォスフォターゼアッセイにより行った。第
3回注射から2週間後に、免疫処理ウサギからの血清がこのアッセイにおいて1
:5000までの稀釈で10/42Aを特異的に検出することが分かった。
この血清中に42A特異性抗体が存在することはさらに免疫沈降アッセイを使
用して示された。この血清はウサギ網状赤血球溶解産物中で合成された35S標
識42A蛋白質を免疫沈降するが、同様に網状赤血球溶解産物中で合成された非
関連蛋白質(サッカロミセス セレビシエからのTATA結合蛋白質)は免疫沈
降しないことが分かった。
すべての上記引用例及び刊行物はここに参照して引用する。
均等物
当業者には、当然あるいは通常の実験を使用して確認できる範囲で、ここに記
載した特定の実施例に対する多くの均等物が存在することが明らかであろう。こ
のような同等物は本発明の範囲に入ることが意図される。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C07K 14/47 C12N 1/19
C12N 1/19 C12P 21/02 C
5/10 C12Q 1/02
C12P 21/02 C12N 5/00 B
C12Q 1/02 A61K 37/02
//(C12N 1/19
C12R 1:865)
(C12P 21/02
C12R 1:91)
(C12P 21/02
C12R 1:865)
(72)発明者 ブライディング,デイビッド イー.
アメリカ合衆国 02144 マサチューセッ
ツ,サマビル,デイ ストリート 18 ナ
ンバー107