【発明の詳細な説明】
有機酸とアミノ酸の製造 発明の分野
本発明は有機酸およびアミノ酸、より詳細にはLリンゴ酸とLアスパラギン酸
の、微生物、より詳細にはマイクロバクテリウム属の種の微生物を用いた製造に
関する。発明の背景
有機酸およびアミノ酸は薬品、健康および食品産業において様々な目的で用い
られている。特に好ましいのはL異性体型の有機酸およびアミノ酸である。
Lリンゴ酸は、主に薬品用途において、超アンモニア血症の解毒剤として、お
よびアミノ酸注入剤の成分として用いられている。Lリンゴ酸はまた、クエン酸
と競合し、例えば菓子製品等のための食品酸味剤としての利益を示す。他の利用
には、アルコールを含まない飲料、キャンディ、および果物や野菜の缶詰等の幅
広い範囲の食品の調味剤が含まれる。
Lアスパラギン酸は食品産業において幅広く調味剤として利用されているアミ
ノ酸である。
有機酸およびアミノ酸は従来は化学合成によって製造されてきた。しかしなが
ら、アミノ酸および有機酸の化学合成は(例えば、マレイン酸無水物および水か
らのリンゴ酸の化学合成)、一般に光学不活性な混合物(DL異性体)としてア
ミノ酸または有機酸を生成する。そのような混合物は、天然L異性体をDL異性
体から除去するための分離工程を続いて行わなければならない。
このようなDL異性体混合物に関連した問題を克服するために、様々な微生物
を有機酸およびアミノ酸を合成(生産)するために利用する方策が立てられてき
た。このような微生物の利用は、酵素反応の生物特異性および選択性を提供し、
基質を、化学合成では入手できない天然のL型有機酸またはアミノ酸に変換する
ことを可能としている。
この生物特異性および選択性は、全体の生産物の収量、生産物の品質および顕
著な廃物処理の減少、それによって作られた天然L型有機酸および/またはアミ
ノ酸の生産等の利益をもたらすものである。
フマル酸を天然L型リンゴ酸に酵素的に変換するために多様な微生物を利用す
ることが開示されている。このような菌株には、ラクトバチルス ブレビ(La
ctobacillus brevis)、ラクトバチルス デルブルエッキ(
Lactobacillus delbrueckii)およびE.コリ(米国
特許番号第2972566号)およびパラコロバクテリウム アエロジノイド属
(Paracolobacterium aerogenoides(米国特許
番号第3980520号)の種が含まれる。さらに、ブレビバクテリウム アン
モニアジーン(Brevibacterium ammoniagenes)、
コリネバクテリウム エクイ(Corynebacterium equi)、
キサントバクター フラブス(Xanthobacter flavus)、プ
ロテウス ブルガリ(Proteus vulgaris)およびピチア ファ
リノサ(Pichia farinosa)(米国特許番号第3922195号
)等の多様なフマラーゼ生産微生物の利用が、フマル酸のリンゴ酸への変換に関
して開示されている。
多様な微生物を、フマル酸(アンモニア塩)のLアスパラギン酸への変換のた
めに利用することもまた報告されている。E.コリ、ブレビバクテリウム メタ
ルコリジーン(Brevibacterium metalcoligenes
)、セラチア(Serratia)およびシュードモナス プチダ(Pseud
omonas putida)の菌株が、すべてこの目的のために開示されてい
る。さらに、ブレビバクテリウム アンモニアジーンのフマル酸アンモニウムの
Lアスパラギン酸への変換のための利用が、米国特許第4138292号におい
て開示されている。
不幸なことに、開示された微生物を用いた生物特異性および選択性は、天然の
L型のリンゴ酸、アスパラギン酸および/または他の有機酸および/またはアミ
ノ酸の生産に関してある利点を提供するものであるが、にもかかわらす、これら
の工程の効率を改善し以前には考慮されていない微生物の菌株をそのために同定
し利用する必要が残っている。
マイクロバクテリウム(Microbacterium)属の微生物は良く知
られており、記述されている(Bergey’s Manual of Sys
tematic Bacteriology、Volume 2、Sectio
n 15、1320−1322ページ(1986)を参照)。マイクロバクテリ
ウムはフマラーゼ生産菌であるが、マイクロバクテリウム属の微生物をLリンゴ
酸および/またはLアスパラギン酸の生産のための利用は知られていない。
従って、他の微生物であって効率良くそして効果的に、Lリンゴ酸および/ま
たはLアスパラギン酸等の有機酸および/またはアミノ酸を工業的に生産する能
力を有するものを同定し利用する必要が残されていると見ることができる。発明の概要
有機酸および/またはアミノ酸、特にLリンゴ酸および/またはLアスパラギ
ン酸の製造のために、フマル酸またはその塩を効率良くそして効果的に変換する
能力を有する微生物を同定し提供することが本発明の主要な目的である。
有機酸および/またはアミノ酸、特にLリンゴ酸および/またはLアスパラギ
ン酸を効率良くそして効果的に製造するための方法を提供することが本発明のさ
らに主要な目的である。
微生物の利用により酵素的に合成(生産)された有機酸および/またはアミノ
酸、特にLリンゴ酸および/またはLアスパラギン酸を提供することが本発明の
更なる主要な目的である。
本発明の教示にしたがって、ここに記載されるように同定、利用されるのは、
フマル酸またはその塩を酵素的変換による有機酸および/またはアミノ酸の製造
のために有用なマイクロバクテリウム属の微生物菌株である。
本発明の教示にさらに従って、ここに開示されているのは有機酸および/また
はアミノ酸の製造方法である。この方法は、マイクロバクテリウム属の菌株を培
養し、それによってそこにおいてフマラーゼが(細胞内に)生産されることを含
む。必要であれば、培養された菌株は続いて培地から回収してもよい。培養に続
いて、フマル酸またはその塩を培養されたマイクロバクテリウム属の菌株と反応
させ、それによりフマル酸またはその塩が酵素的にL有機酸またはLアミノ酸の
何れかに酵素的に変換される。この方法は、さらに前述のL有機酸またはLアミ
ノ酸を回収することを含む。
好ましくは、本発明の方法はさらに微生物を、フマル酸またはその塩が存在し
ている変換溶液に配置する前に微生物を固定化することを含む。しかしながら、
本発明の方法は、変換溶液内で「自由」な型にある微生物についてもまた実施さ
れてもよいことに注意されたい。
更に好ましくは、固定化された微生物は、フマル酸またはその塩の酵素的変換
のためのその使用の前に前処理されている。この見地から、本発明の方法は更に
固定化された微生物を、生産されるL有機酸またはLアミノ酸をおよび緩衝を含
む前処理溶液中において保温することを更に含む。このような前処理はゆるやか
な振とうの下で行われるのがより好ましい。好ましくは、本発明の方法がマイク
ロバクテリウム属の以下の菌株の1つを培養することを含む:マイクロバクテリ
ウム インペラル(imperale)、マイクロバクテリウム ラクチカム(
lacticum)、マイクロバクテリウム アンモニアフィラム(ammon
iaphilum)、マイクロバクテリウム アルボレセンス(arbores
cens)、およびマイクロバクテリウム ラエバニフォルマンス(laeva
niformans)。
最も好ましくは、本発明の方法が以下の菌株の1つを培養することを含む:マ
イクロバクテリウム インペラル ATCC 8365、マイクロバクテリウム
ラクチカム ATCC 8180、マイクロバクテリウム アンモニアフィラム
ATCC 15354、マイクロバクテリウム アルボレセンス ATCC
4358、およびマイクロバクテリウム ラエバニフォルマンス ATCC15
953。
さらに好ましくは、本発明の方法において用いられる(酵素的に変換される)
フマル酸は、その(フマル酸)塩の状態にある。フマル酸ナトリウムまたはフマ
ル酸アンモニウムの利用が好ましい。この見地から、本発明の方法は、フマル酸
ナトリウムのマイクロバクテリウム属の菌株によるLリンゴ酸の生産のための酵
素的変換、およびフマル酸アンモニウムのマイクロバクテリウム属の菌株による
Lアスパラギン酸の生産のための酵素的変換を含むことを考慮されたい。
本発明の方法によって生産された有機酸またはアミノ酸は、それらの天然L型
にある。最も好ましくは、Lリンゴ酸およびLアスパラギン酸の生産のための本
発明の方法の利用である。
別の関連した本発明の面においては、ここに開示されているのは、L有機酸お
よびLアミノ酸の製造方法であって、マイクロバクテリウム属の菌株によって天
然に生産されたフマラーゼをフマル酸またはその塩と反応させ、それによりフマ
ル酸またはその塩が酵素的にL有機酸またはLアミノ酸へ変換されることを含む
ものである。この方法は、マイクロバクテリウム属の菌株を培養し、それによっ
てフマラーゼが生産され、フマラーゼを回収する工程を含む。必要であれば、フ
マラーゼは精製されたかまたは濃縮された状態で、生産生物(マイクロバクテリ
ウムまたは遺伝的に操作された宿主)またはその部分を含む他の培地成分の存在
下もしくは非存在下で回収されてもよい。回収したフマラーゼを続いてフマル酸
またはその塩と反応させ、それによりフマル酸またはその塩は酵素的にL有機酸
またはLアミノ酸の何れかに変換される。本発明の方法はさらに、そのように生
産された前述のL有機酸またはLアミノ酸を回収することを含む。
なおもさらなる本発明の教示に従っては、開示されているのは、反応物質溶液
であって、高度に精製されたL有機酸またはLアミノ酸およびマイクロバクテリ
ウム属の菌株でありフマル酸またはその塩を所望のL有機酸またはLアミノ酸で
他の型(すなわちDL型)の有機酸および/またはアミノ酸が存在しないものへ
変換するために用いられたものを含むものである。
本発明の反応物質溶液中のマイクロバクテリウムの菌株は、好ましくは、マイ
クロバクテリウム インペラル、マイクロバクテリウム ラクチカム、マイクロ
バクテリウム アンモニアフィラム、マイクロバクテリウム アルボレセンスお
よびマイクロバクテリウム ラエバニフォルマンスである。
最も好ましくは、本発明の反応物質溶液中のマイクロバクテリウムの菌株は、
マイクロバクテリウム インペラル ATCC 8365、マイクロバクテリウ
ム ラクチカム ATCC 8180、マイクロバクテリウム アンモニアフィ
ラム ATCC 15354、マイクロバクテリウム アルボレセンス ATC
C 4358およびマイクロバクテリウム ラエバニフォルマンス ATCC
15953である。
好ましくは、本発明の反応物質溶液のL有機酸またはLアミノ酸はLリンゴ酸
またはLアスパラギン酸である。
これらの、および更なる本発明の目的および利点は以下の記述をその実施例と
関連づけて読むことにより容易に明らかとなるであろう。好ましい実施態様の記述
本発明は、有機酸および/またはアミノ酸、特にLリンゴ酸および/またはL
アスパラギン酸の製造のために、フマル酸またはその塩を効率良くそして効果的
に変換する能力を有する微生物を同定し利用することに関する。
本発明の教示にしたがって、有機酸および/またはアミノ酸、特にLリンゴ酸
および/またはLアスパラギン酸の製造のために、フマル酸またはその塩を効率
良くそして効果的に変換すると同定され用いられた微生物は、マイクロバクテリ
ウム属に属するものである。特に、マイクロバクテリウムの菌株の、マイクロバ
クテリウム インペラル、マイクロバクテリウム ラクチカム、マイクロバクテ
リウム アンモニアフィラム、マイクロバクテリウム アルボレセンスおよびマ
イクロバクテリウム ラエバニフォルマンス種のものが、すべてこの課題のため
に効率的で効果的であると、ここにおいて同定され、利用された。最も詳細には
、マイクロバクテリウム インペラル ATCC 8365、マイクロバクテリ
ウム ラクチカム ATCC 8180、マイクロバクテリウム アンモニアフ
ィラム ATCC 15354、マイクロバクテリウム アルボレセンス AT
CC 4358およびマイクロバクテリウム ラエバニフォルマンス ATCC
15953の菌株がここにおいて開示されている。
本発明の方法は、有機酸および/またはアミノ酸および、特にそれらのL異性
体の生産のための、フマル酸およびその塩の酵素的変換に関するものである。本
発明の方法(および変換溶液)の主要な利点は、それによって生産される有機酸
および/またはアミノ酸がL異性体型であってD異性体型ではないということで
ある。この見地から、本発明の方法の利用により、所望の有機酸および/または
アミノ酸の、D異性体の不在でのL異性体(を含む溶液)が生産され、それ故に
、DL異性体混合物ではない実質的に異性体として純粋なL有機酸および/また
はLアミノ酸が生産されることが発見された。
本発明の方法は、実行を望まれている酵素的変換のために用いられることが望
まれているマイクロバクテリウム属の菌株の好適な菌株を選択することを含む。
この菌株を続いて培養液体培地で培養する(その間、微生物の培養によりフマラ
ーゼが生産される)。培養が終わると、菌株は液体培地から除去される。
培養した菌株を、酵素的に所望の有機酸またはアミノ酸へ変換されるフマル酸
またはその塩(フマレート型)を含む変換溶液中に位置させる(保温する)。変
換溶液中にはマイクロバクテリウムの菌株によって生産されたフマラーゼがフマ
ル酸またはその塩と反応し、それによって、その生産が望まれているところの(
L異性体型の)有機酸および/またはアミノ酸に酵素的に変換され、反応物質溶
液が生成される。このように生産された有機酸および/またはアミノ酸は、続い
て反応物質溶液から、所望のようにおよび/または必要であるように、続いての
使用のために(分離により)除去される。
本発明の方法は、マイクロバクテリウム インペラル、マイクロバクテリウム
ラクチカム、マイクロバクテリウム アンモニアフィラム、マイクロバクテリ
ウム アルボレセンスおよびマイクロバクテリウム ラエバニフォルマンス種の
菌株を利用する。最も詳細には、菌株群マイクロバクテリウム インペラル A
TCC 8365、マイクロバクテリウム ラクチカム ATCC 8180、
マイクロバクテリウム アンモニアフィラム ATCC 15354、マイクロ
バクテリウム アルボレセンス ATCC 4358およびマイクロバクテリウ
ム ラエバニフォルマンス ATCC 15953が本発明の方法において用い
られた。
微生物はそれらの(フマラーゼの生成と共存する)増殖を可能とする何れの方
法によっても培養されてよく、当業者には容易に理解される。この見地において
、そのような培養は、好気的条件下で、炭素源(グルコース、スターチ、グリセ
ロールおよび糖蜜等)、窒素源(ペプトン、カゼインまたは大豆の加水分解派生
体、硝酸アンモニウムまたはナトリウム、硫酸またはリン酸アンモニウム、トウ
モロコシ浸酒、モルトエキストラクト等)および、必要であれば金属塩等もまた
含む培地中で行われるであろうことは考慮されるべきである。そのような培養の
温度は約20℃から約40℃までであり、好ましくは30−32℃で、約18時
間か
ら約48時間まで、培養されている菌株に応じた期間行われてもよい。好ましく
は、そのような培養は、23時間(M.インペラルの場合)、47時間(M.ラ
エバニフォルマンスの場合)または36時間(残りのここで用いられたマイクロ
バクテリウムの菌株の場合)行われる。培養培地のpHは、約pH5.5から約
pH8までであり、約6−7が好ましい。
続いて細胞は、発酵(培養)の終りに回収されてもよい。このような回収は、
当業者に良く知られている何れの適切な手段によって成されてもよい。ここに開
示されたように、そのような回収は培養液体培地の細胞の沈殿を生じさせるため
の遠心分離、続いての上清のデカントまたはその他の細胞回収によって成され得
る。
必要であれば、回収された細胞はそれに続く変換(反応)にそれだけで(フリ
ーの細菌細胞の型で)用いられてもよい。そのような場合は、細胞は当業者に公
知の方法に従って破壊され、粗抽出物またはその部分精製抽出物が変換反応にお
いて用いられる。
微生物は、細菌細胞のフリーの状態で用いられてもよいが、細菌細胞(または
細菌細胞中のフマラーゼ)を固定化するのが有利である。そのような場合は、細
菌細胞は全体の発酵培地中に(除去される前に)ある間に(そしてそれをフマル
酸またはその塩の存在する変換溶液中に配置する前に)固定化されてもよい。そ
のような固定化の後は、発酵培地は容易に、当業者によく知られている何れかの
方法、例えば単なるデカントなどにより容易に除去されうる。
細菌細胞の固定化は、本発明の方法に従ったフマル酸(またはその塩)の酵素
的変換において使用されうる、好適な当業者に知られている何れの方法によって
成されてもよい。そのような方法には、ポリアクリルアミドまたはカラゲナンゲ
ルまたは高度ポリマーフィルムに固定されることが含まれる。その他の固定化の
方法(およびここにおいて好ましく用いられたもの)は米国レター特許第476
0024号に記載されている方法である。
本発明の方法において用いられる(酵素的に変換される)フマル酸およびその
塩は、所望の有機酸に変換されるために好適な如何なる型(フマル酸塩等)の如
何なるフマル酸であっても良い。この見地から、酵素的変換をされるべきフマル
酸の型としてフマル酸ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグ
ネシウム、およびバリウムがすべて用いられ得る。好ましい塩はフマル酸ナトリ
ウムおよびフマル酸アンモニウムである。ここにおいて、フマル酸ナトリウム(
およびそのマイクロバクテリウム属の菌株による酵素的変換)がLリンゴ酸の生
産に利用され、フマル酸アンモニウム(およびそのマイクロバクテリウム属の菌
株による酵素的変換)がLアスパラギン酸の生産に利用されることが考慮された
。
本発明の方法によれば、フマル酸またはその塩を、溶液(変換溶液)中の細胞
によって生産されたフマラーゼと反応させる。フマル酸およびその塩は約4から
10のpHを有するが、フマル酸ナトリウムの変換によりLリンゴ酸が生産され
る場合にはpH7.5が好ましく、フマル酸アンモニウムの変換によりLアスパ
ラギン酸が生産される場合にはpH8.8が好ましい。反応は約15℃から約6
0℃(好ましくは約40℃)の温度で、約0.5−48時間、好ましくは約1時
間の期間行われる。
溶液(変換溶液)は変換されることが望まれているフマル酸またはその塩の液
体型を含む。好ましくは、フマル酸またはその塩は1.0Mの濃度で存在してい
る。
必要であれば、(変換)溶液は、水、溶媒の水性溶液、リン酸またはトリスヒ
ドロキシ塩酸等の緩衝液をまた含んでいてもよい。水酸化ナトリウム、カリウム
、またはアンモニウム等のアルカリ、塩酸または硫酸等の無機酸を、約4から約
10(好ましくは約7.5から約8.8)のpHを有するように添加してもよい
。
(変換)溶液中に存在するフマル酸もしくはその塩の濃度について特に制限は
ないが、変換反応を行うために、約0.5%(w/v)から約30%(w/v)
、好ましくは11.6%(w/v)を用いるのが通常は適当である。
(変換)溶液中に含まれる培養されたまたは処理された生産物(微生物等)の
濃度について特に制限はないが、変換反応を行うために、約0.5%(w/v)
から約10%(w/v)、好ましくは4.0%(w/v)を用いるのが通常は適
当である。
何れの公知の方法、例えばイオン交換または活性炭素を用いた吸収または放出
等が、L有機酸またはLアミノ酸を反応生成物からの分離およびそれに続く使用
のための精製に用いられる。
本発明の変換溶液はマイクロバクテリウム属の微生物(上記で詳細に特定およ
び議論されたもの)およびL有機酸またはLアミノ酸の何れかをそれらのD異性
体および/またはDL異性体型の不在下で含む。この見地から、変換溶液は、有
機酸またはアミノ酸の何れのD異性体および/またはDL異性体の存在を有しな
い。
必要であれば、本発明の原理は、L有機酸およびLアミノ酸の、マイクロバク
テリウム属の菌株によって天然に生産されたフマラーゼをフマル酸またはその塩
と反応させ、それによりフマル酸をL有機酸またはLアミノ酸の何れかに酵素的
に変換することによる生産を可能とする。
フマラーゼに対し「天然に生産された」という用語を用いた場合は、その意味
はその微生物(ここにおいて同定されたもの)によって天然に生産されたフマラ
ーゼのみならず、そのようなフマラーゼ遺伝子をコードしている遺伝子を、その
遺伝子にコードされているフマラーゼが遺伝子操作された宿主による発現が可能
となるようなその形質転換(遺伝子操作の良く知られた原理と技術を用いて)に
よる、他の微生物によって生産された同じフマラーゼをも意味する。
このように記述してきたが、本発明の利用、方法および変換媒体、以下の実施
例は、説明のためのみに意図されたものであり、制限しているものを意味するも
のでもなく、そのように読まれるべきものでもない。実施例1
2gの加水分解された動物コラーゲン、3gのラクトースおよび1.5gのバ
クト酵母エキス(DIFCO)/100mlの蒸留水(pH6.0)の発酵培地
を調製した。この培地を120℃で30分間(液体サイクル)15PSIで滅菌
し、冷却した。
滅菌発酵培地のそれぞれの試料に、続いて表1に列挙した、すべてアメリカン
・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)、12301 Parkla
wn Drive、Rockville、Maryland 20852、U.
S.Aに、以下の表1に列挙された預託番号の下に預託してある多様なマイクロ
バクテリウムの菌株の活性培養を接種した(3% v/v)。
表1に概略を示したそれぞれの試料の接種の後、発酵を、30−32℃で23
時間(M.インペラルのための試料1および2の場合)、47時間(M.ラエバ
ニフォルマンスのための試料9および10の場合)または36時間(試料3−8
)、温度調節されたベンチトップ保温旋回シェーカーG24(3/4”(19m
m)の直径の円軌道、水平方向に旋回)、350RPMに保持、において行った
。実施例2
Lアスパラギン酸の生産は以下のように行った。
実施例1の試料1、3、5、7および9の発酵培養液体培地全体の中の細菌細
胞を、米国レター特許出願番号第4760024号の実施例20(および表2)
に記載のとおりに、しかし6N NaOHをpH調整に用いて固定化した。
前処理溶液で、(水100mlあたり)10%(w/v)Lアスパラギン酸(
SIGMA)、0.1%(w/v)塩化カルシウム2水和物、0.1%(w/v
)TWEEN80(SIGMA)および水酸化アンモニウム(56.6%(w/
w)、pH7.5に調整用)から成るものを調製した。10%(w/v)の固定
化された細胞を前処理溶液に添加した。これらの試料を続いて6時間、40℃で
穏やかに振とうしながら保温した。
前処理溶液をデカンテーションにより固定化細胞から除去し、固定化細胞を5
0ml部の1.0Mフマル酸アンモニウム、pH8.8(それにより変換溶液を
形成)中に40℃で1時間再懸濁した。
1時間後、細胞を反応生成物(および変換溶液)から15000RPM(SS
−34ローター)で45分間の遠心分離により分離し、反応生成物を高圧力液体
クロマトグラフィー(HPLC)で、HPX−87Cカラム(BIO−RAD)
を用いてカラム温度80℃で、0.01M酢酸カルシウム(pH5.5)を移動
相として用いて分析した。RI検出を、0.9mlの流速とともに用いた。Lア
スパラギン酸生産および濃度を、続いてHPLC分析から決定された標準曲線か
ら得られた標準と比較することにより決定した。
この方法およびマイクロバクテリウム属の多様な菌株の利用の結果を以下の表
2にまとめる。
上記の反応生産物のHPLC分析は、前処理された固定化細胞とフマル酸アン
モニウムのpH8.8での保温はLアスパラギン酸を生産したことを示していた
。実施例3
Lリンゴ酸の生産は以下のように成された。
実施例1の試料2、4、6、8、および10の発酵培養液体培地全体の中の細
菌細胞を培養培地から、試料の15000RPM(SS−34ローター)で45
分間の遠心分離により分離した。そのように回収された、各々の試料の2gの湿
細菌細胞を、50ml部の1.0Mフマル酸ナトリウム、pH7.5(それによ
り変換溶液を形成)中に40℃で1時間再懸濁した。
1時間後、細胞を反応生成物(および変換溶液)から15000RPM(SS
−34ローター)で45分間の遠心分離により分離し、反応生成物を高圧力液体
クロマトグラフィー(HPLC)で、HPX−87Hカラム(BIO−RAD)
を用いてカラム温度60℃で、0.01N硫酸を移動相として用いて分析した。
0.7mlの流速であった。RI検出を用いた。
Lリンゴ酸生産および濃度を、続いてHPLC分析から決定された標準曲線か
ら得られた標準と比較することにより決定した。
この方法およびマイクロバクテリウム属の多様な菌株の利用の結果を以下の表
3にまとめる。
上記の反応生産物のHPLC分析は、前処理された固定化細胞とフマル酸ナト
リウムのpH7.5での保温はLアスパラギン酸を生産したことを示していた。実施例4
M.アルボレセンス ATCC 4358を、10lの発酵液体培地を生産す
るために用いられた成分を100倍に増加させたことを除いては上記実施例1に
記載のとおりに得、培養した。これらの細菌細胞を、上記の実施例2記載の手順
および変数に従って(米国レター特許出願番号第4760024号の実施例20
および表2を参照)増加された量のために必要なように調整して固定化した。
10lの発酵液体培地を続いて脱塩水で、その測定された導電率が6000オ
ーム以下となるまで希釈した。希釈した培地を続いて100gのFW−2(イー
グル−ピッチャー;Eagle−Picher)と混合し、均質な溶液が得られ
るまで混合した(約15−30分)。630mlの5%(w/v)ポリエチレン
イミン水性溶液を添加し、混合物をpH8.0で均質な混合物が得られるまで(
約15分間)撹拌した。
次に、2700mlの5%(w/v)キトサンを添加し、混合物をpH8.0
で均質な混合物が得られるまで(約15分間)撹拌した。
800mlの5%(w/v)グルタールアルデヒドを添加し、pHを6Nの水
酸化ナトリウムを用いて9.0に調整した。
混合物を濾過(C.GOODMAN Co.クロスフィルター、カタログ番号
7418−0ポリプロピレンフェルト、18オンスフェルト二重取り付け)前に
1時間穏やかに撹拌し、押出し(ダイサイズ:1mm)および45℃でGlat
t Dryer(GLATT AIR TECHNIQUES、Inc.)中で
乾燥した。
乾燥固定化細胞小片をフマル酸またはその塩をLリンゴ酸に変換するために以
下のように用いた。
乾燥固定化細胞小片調製物を、続いて被膜カラム(2.5cmx50cm)中
に充填した。フマル酸ナトリウム溶液(変換溶液)pH7.5(1M)を、続い
て継続的にカラムの中を40℃で、1時間あたり、1.5カラムベッド体積の流
速で通過させた。
溶出物中のLリンゴ酸成分をHPLCによって決定した。フマル酸のLリンゴ
酸への変換は80%以上であった。実施例5
M.アルボレセンス ATCC 4358を、10lの発酵液体培地を生産す
るために用いられた成分を100倍に増加させたことを除いては上記実施例1に
記載のとおりに得、培養した。これらの細菌細胞を、上記実施例2記載の手順お
よび変数に従って(米国レター特許出願番号第4760024号の実施例20お
よび表2を参照)増加された量のために必要なように調整して固定化した。
10lの発酵液体培地を続いて脱塩水で、その測定された導電率が6000オ
ーム以下となるまで希釈した。希釈した培地を続いて100gのFW−2(イー
グル−ピッチャー;Eagle−Picher)と混合し、均質な溶液が得られ
るまで混合した(約15−30分)。630mlの5%(w/v)ポリエチレン
イミン水性溶液を添加し、混合物をpH8.0で均質な混合物が得られるまで(
約15分間)撹拌した。
次に、2700mlの5%(w/v)キトサンを添加し、混合物をpH8.0
で均質な混合物が得られるまで(約15分間)撹拌した。
800mlの5%(w/v)グルタールアルデヒドを添加し、pHを6Nの水
酸化ナトリウムを用いて9.0に調整した。
混合物を濾過(C.GOODMAN Co.クロスフィルター、カタログ番号
7418−0ポリプロピレンフェルト、18オンスフェルト二重取り付け)前に
1時間穏やかに撹拌し、押出し(ダイサイズ:1mm)および45℃でGlat
t Dryer(GLATT AIR TECHNIQUES、Inc.)中で
乾燥した。
乾燥固定化細胞小片をフマル酸またはその塩をLアスパラギン酸に変換するた
めに以下のように用いた。
乾燥固定化細胞調製物を、10%(w/v)Lアスパラギン酸、0.1%(w
/v)塩化カルシウム2水和物、0.1%(w/v)TWEEN80(SIGM
A)およびpHを8.8に調節するための濃縮(56.6w/w)水酸化アンモ
ニウムの混合物と共に45℃で5から8時間緩やかに撹拌しながら混合した。溶
液を続いてデカンテーションし、前処理した固定化調製物をカラムにつめた。
フマル酸アンモニウム(1M)pH8.8の水性溶液(変換溶液)を、1時間
あたり1/3カラムベッド体積に等しい流速で37℃でカラムに通した。Lアス
パラギン酸を、続いて、溶出物のpHを、濃硫酸によって2.0−3.0に調整
して沈殿させた。
溶出物中のLリンゴ酸成分をHPLCによって決定した。結果を表4に示す。
従って、本発明の方法の利用はフマル酸からLアスパラギン酸への効率的で効
果的な酵素的変換という結果となることがみられるであろう。
本発明の基本精神から離れることなく、多くの変更が成され得る。従って、添
付のクレームの範囲内で、発明がここに特に記載されている以外にも実施されう
ることは当業者に理解されるであろう。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
(C12P 13/02
C12R 1:32)
(C12P 13/20
C12R 1:32)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AL,AM,AU,BB,BG,BR,BY,C
A,CN,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP
,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,
LV,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,P
L,RO,RU,SG,SI,SK,TJ,TT,UA
,US,UZ,VN