【発明の詳細な説明】
アルツハイマー病の治療用薬剤
本発明は、人を含めた哺乳動物におけるアルツハイマー病の治療及び予防に、
ある種の 3-置換-2-オキシインドール-1-カルボキサミド、及びそれらの医薬と
して使用可能な塩基塩を用いることに関する。
テニダップ(Tenidap)(5-クロロ-2,3-ジヒドロ-2-オキソ-3-(2-チエニルカルボ
ニル)-インドール-1-カルボキサミド)は次の構造式で表される。
テニダップ及び他の 3-置換-2-オキシインドール-1-カルボキサミドは、1985年1
2月3日に公表された米国特許第 4,556,672号の中に記載がある。この特許は、そ
のような化合物の抗炎症薬及び鎮痛薬としての用途、さらにシクロオキシゲナー
ゼ(CO)及びリポキシゲナーゼ(LO)酵素の阻害薬としての用途に関するもので
ある。この特許は参考のためそのままここに載せる。
他の 3-置換-2-オキシインドール誘導体は、1989年 4月18日に提出され、それ
以来ずっと棄却され続けている米国特許出願第 07/340,113号、及び 1994年 3月
1日に公表された米国特許第 5,290,802号の中に記載がある。これらの報告書は
、共に参考のためそのままここに載せる。
1989年 8月29日に公表された米国特許第 4,861,794号は、哺乳動物におけるイ
ンターリューキン-1の生合成阻害、及びインターロイキン-1が媒介して起こる
疾患及び機能不全の治療を目的とし、テニダップ及びある種の他の 3-置換-2-オ
キシインドール-1-カルボキサミドを用いることに関するものである。この特許
は参考のためそのままここに載せる。
1989年 8月1日に公表された米国特許第 4,853,409号は、哺乳動物におけるT
細胞の機能抑制、及びT細胞が媒介して起こる組織または器官に特異型な自己免
疫障害の治療を目的とし、テニダップ及びある種の他の 3-置換-2-オキシインド
ール-1-カルボキサミドを用いることに関するものである。この特許は参考のた
めそのままここに載せる。
1992年 3月18日に公表された欧州特許第 277,738号は、無水結晶型のテニダッ
プナトリウム塩に関するものである。この特許は参考のためそのままここに載せ
る。
1991年 4月16日に公表された米国特許第 5,008,283号は、コラーゲナーゼの活
性を抑制してコラーゲナーゼが媒介して起こる疾患を治療したり、哺乳動物にお
けるミエロペルオキシダーゼの活性を抑制したりすることを目的とし、テニダッ
プ及び医薬として使用可能なその塩基塩を用いることに関するものである。この
特許は参考のためそのままここに載せる。
1991年 4月9日に公表された米国特許第 5,006,547号は、哺乳動物において好
中球によるエラスターゼの放出を阻害し、エラスターゼが媒介して起こる哺乳動
物の疾患及び機能不全を治療することを目的とし、テニダップ及び医薬として使
用可能なその塩基塩を用いることに関するものである。この特許は参考のためそ
のままここに載せる。
1992年 6月16日に公表された米国特許第 5,112,534号は、哺乳動物における総
血清コレステロール、LDLコレステロール及びトリグリセリドの低下を目的と
し、テニダップ及び医薬として使用可能なその塩基塩を用いることに関するもの
である。この特許は参考のためそのままここに載せる。
1994年 3月2日に提出された米国特許出願第 08/204,844号、及び米国で起案さ
れ、1995年 2月10日に提出された国際特許出願PCT/IB 95/00091は、虚血に
よる心筋損傷、及びサイトカインが媒介して起こる心筋損傷の治療に、テニダッ
プ及び他の 2-オキシインドール-1-カルボキサミド誘導体を用いることに関する
ものである。
以降“式Iの化合物”と称するテニダップを含めた 2-オキシインドール-1-カ
ルボキサミド誘導体は、アルツハイマー病、及びこのような病気に見られる記憶
力低下、及びアルツハイマー痴呆のような症状の治療及び予防にも有効であると
考えられている。このような分野では、慢性関節リウマチに用いられる抗炎症薬
、
特に非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の研究が提唱されてきた。本発明者
等は、シクロオキシゲナーゼ阻害特性と、サイトカイン調節特性とを組み合わせ
持つテニダップこそが、アルツハイマー病の治療に適しているであろうと考えて
いる。テニダップは、サイトカイン生成及び急性期タンパクを調節することによ
り、中枢神経系(“CNS”)免疫活性に影響を及ぼし、延いてはプラークの形成
及び神経細胞の損傷を低速させ、さらにはテニダップがシクロオキシゲナーゼ阻
害薬としての特性を併せ持つことから、単純なNSAIDs よりもアルツハイマ
ー病の進行において、より本質的な作用が期待される。
本発明は、哺乳動物におけるアルツハイマー病の治療または予防法に関するも
のであり、これにはこのような症状の治療または予防に有効量の、式
の化合物またはそのような化合物の医薬として使用可能な塩、あるいはそのよう
な化合物または塩の溶媒和物(例えば、半水和物または一水和物)を、前記哺乳
動物に投与することが含まれる。
式中Xは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、炭素数が1-4個のアルキル、
炭素数が3-7個のシクロアルキル、炭素数が1-4個のアルコキシ、炭素数が1
-4個のアルキルチオ、トリフルオロメチル、炭素数が1-4個のアルキルスルホ
ニル、ニトロ、フェニル、炭素数が2-4個のアルカノイル、ベンゾイル、テノ
イル、炭素数が2-4個のアルカンアミド、ベンズアミド及び各アルキルの炭素
数が1-3個のN,N-ジアルキルスルファモイルより成る群から選ばれ;
Yが、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、炭素数が1-4個のアルキル、炭素
数が3-7個のシクロアルキル、炭素数が1-4個のアルコキシ、炭素数が1-4
個のアルキルチオ及びトリフルオロメチルより成る群から選ばれるか;または
X及びYが一緒になっている場合には、それらは 4,5-、5,6-または 6,7-メチ
レンジオキシ基、または 4,5-、5,6-または 6,7-エチレンジオキシ基であり;
X及びYが一緒になって隣接した炭素原子と結合している場合には、それらは
二価のラジカルZを形成しており、ここでのZは
(式中Wは酸素または硫黄)より成る群から選ばれる;
R1は炭素数が1-6個のアルキル、炭素数が3-7個のシクロアルキル、炭素
数が4-7個のシクロアルケニル、フェニル、置換フェニル、アルキルの炭素数
が1-3個のフェニルアルキル、アルキルの炭素数が1-3個の(置換フェニル)ア
ルキル、アルキルの炭素数が1-3個の置換フェノキシアルキル、アルキルの炭
素数が1-3個の(置換フェノキシ)アルキル、アルキルの炭素数が1-3個の(チ
オフェノキシ)アルキル、ナフチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、ビシク
ロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2-イル及び -(CH2)n-Q-R0より成る群から選ばれ;
上記置換フェニル、(置換フェニル)アルキル及び(置換フェノキシ)アルキルに
は1-2個の置換基があり、その置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、炭素数
が1-4個のアルキル、炭素数が1-4個のアルコキシ及びトリフルオロメチルよ
り成る群からそれぞれ独立して選ばれ;
nは 0、1 または 2;
Qはフラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール
、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-チアジアゾール、
1,3,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、テトラヒドロフラン、テトラヒ
ドロチオフェン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、ピリジン、ピ
リミジン、ピラジン、ベンゾ[b]フラン及びベンゾ[b]チオフェンより成る群から
選ばれた化合物より誘導された二価のラジカルで;
R0は水素、クロロ、フルオロ、ブロモまたは炭素数が1-3個のアルキルであ
る。
式Iの化合物は、先にその“ケト”互変異性体として表記したが、これに対応
する“エノール”互変異性体も存在し得る。また式Iの化合物にはキラル中心が
含まれていてもよく、そのため異なるエナンチオ異性体が存在し得る。先に定義
したように、本発明にはアルツハイマー病の治療または予防法が含まれるが、そ
の際式Iの化合物は、一つの互変異性体だけ、またはその両方が用いられる。こ
のような方法には、式Iの化合物をラセミ体、またはそれらの立体異性体のいず
れかとして用いる方法も含まれる。
本発明は、式Iの化合物のプロドラッグを用いるアルツハイマー病の治療また
は予防法にも関する。ここで用いる“プロドラッグ”とは、哺乳動物に投与され
て吸収された後、生体内の代謝過程を経て、薬剤を放出する薬剤前駆体である化
合物のことを指す。
本発明の好ましい態様は、Yが水素で、Xが 5-クロロ、6-クロロ、5-フルオ
ロ、6-フルオロ、5-トリフルオロメチル及び 6-トリフルオロメチルから選ばれ
る化合物、またはそのような化合物の医薬として使用可能な塩、あるいはそのよ
うな化合物または塩の溶媒和物が投与される、アルツハイマー病の治療または予
防法に関する。
本発明の好ましい別な態様は、先の好ましい態様に関連したもので、ここでは
R1がベンジル、2-フリル、2-チエニル、2-(4-クロロ)チエニル、(2-フリル)メ
チル及び(2-チエニル)メチルから選ばれる化合物が投与される。
本発明の別な好ましい態様は、前記アルツハイマー病の治療または予防法に関
連したもので、ここではXが 5-クロロ及び 5-フルオロから選ばれ、Yが 6-ク
ロロ及び 6-フルオロから選ばれる化合物またはそのような化合物の医薬として
使用可能な塩、あるいはそのような化合物または塩の溶媒和物が投与される。
本発明の好ましい別な態様は、先の好ましい態様に関連したもので、ここでは
R1がベンジル、2-フリル、2-チエニル、2-(4-クロロ)チエニル、(2-フリル)メ
チル及び(2-チエニル)メチルから選ばれる化合物が投与される。
本発明の別な好ましい態様は、前記アルツハイマー病の治療または予防法に関
連したもので、ここでは
5-クロロ-3-(2-テノイル)-2-オキシインドール-1-カルボキサミド;
5-トリフルオロメチル-3-(2-[2-チエニル]アセチル)-2-オキシインドール-1-
カルボキサミド;
6-フルオロ-3-(2-フェニルアセチル)-2-オキシインドール-1-カルボキサミド
;
6-クロロ-5-フルオロ-3-(2-フェニルアセチル)-2-オキシインドール-1-カルボ
キサミド;
5,6-ジフルオロ-3-(2-フロイル)-2-オキシインドール-1-カルボキサミド;
5,6-ジフルオロ-3-(2-テノイル)-2-オキシインドール-1-カルボキサミド;
6-クロロ-5-フルオロ-3-(2-チエニル)-2-オキシインドール-1-カルボキサミド
6-クロロ-5-フルオロ-3-[2-(3-クロロ)チエニル]-2-オキシインドール-1-カル
ボキサミド;
5-クロロ-3-[2-(3-クロロ)チエニル]-2-オキシインドール-1-カルボキサミド
;及び前記化合物の医薬として使用可能な塩、さらにそのような化合物または塩
の溶媒和物より成る群から選ばれた化合物が投与される。
本発明の特に好ましい態様は、前記アルツハイマー病の治療または予防法に関
連したもので、ここではテニダップ、テニダップの医薬として使用可能な塩、テ
ニダップの溶媒和物またはテニダップの医薬として使用可能な塩の溶媒和物が投
与される。
式Iの化合物、及び医薬として使用可能なそれらの塩基塩、溶媒和物及びプロ
ドラッグは、先に引用した米国特許第 4,556,672号の記載に従って調製すること
ができる。
式Iの化合物は、酸性であるゆえに塩基塩を形成する。このような塩基塩も、
前記の米国特許第 4,556,672号の記載に従って調製することができる。このよう
な塩は本発明の範疇にあり、これには有機及び無機塩が含まれる。限定するもの
ではないが、このような塩には、アンモニア、有機アミン、水酸化アルカリ金属
、炭酸アルカリ金属、重炭酸アルカリ金属、水素化アルカリ金属、アルカリ金属
アルコキシド、水酸化アルカリ土類金属、炭酸アルカリ土類金属、水素化アルカ
リ土類金属及びアルカリ土類金属アルコキシドと形成した塩が含まれる。このよ
うな塩基塩を形成する代表的な塩基の例には、アンモニア、n-プロピルアミン
、n-ブチルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、p-ト
ルイジン、エタノールアミン及びグルカミンのような一級アミン;ジエチルアミ
ン、
ジエタノールアミン、N-メチルグルカミン、N-メチルアニリン、モルホリン、
ピロリジン及びピペリジンのような二級アミン;トリエチルアミン、トリエタノ
ールアミン、N,N-ジメチルアニリン、N-エチルピペリジン及びN-メチルモル
ホリンのような三級アミン;水酸化ナトリウムのような水酸化物;ナトリウムエ
トキシド及びカリウムメトキシドのようなアルコキシド;水素化カルシウム及び
水素化ナトリウムのような水素化物;及び炭酸カルシウム及び炭酸ナトリウムの
ような炭酸塩が含まれる。好ましい塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム
、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンの塩である
。特に好ましい塩はナトリウム塩である。
テニダップのナトリウム塩のような無水結晶体は、先に言及した欧州特許第 2
77,738号に記載がある。
本発明の方法には、式Iの化合物、医薬として使用可能なそれらの塩基塩、及
びそのような化合物及び塩の溶媒和物(以降、合わせて“治療薬”と呼ぶ)を哺
乳動物に投与することが含まれる。これら治療薬は、前記哺乳動物に対して単独
で投与することも可能であるが、好ましくは標準的な調剤法に従って医薬として
使用可能なキャリヤーまたは稀釈剤と組み合わせ、医薬組成物として投与するこ
ともできる。このような投与には様々な経路が可能で、これには経口、非経口、
直腸及び局所が含まれる。限定するものではないが、ここで用いる非経口投与に
は、静脈内、筋内、腹膜組織内、皮下及び経皮投与が含まれる。一般的に、治療
薬は経口投与が望ましい。
本治療薬をアルツハイマー病の治療または予防に用いる場合、本発明に従って
、一日に約 5 mgから約 250 mg、好ましくは約 20 mgから約 120 mgを一回また
は分割して投与するのが最も望ましいが、治療を受ける患者の体重、患者の病状
の性質及び程度、投与される個々の化合物の効め、さらに治療期間によって変え
て行く必要が生じるであろう。
上記投与量の最低値を下回る投与量がより適切な場合もあるであろうし、一方
有害となる、または有害な副作用を引き起こす誘因とならぬ範囲内で、もっと多
量に投与する場合もあるであろう。このようにより多くの量を投与する際には、
最初は一日で投与されるべき量を少量ずつ何回かに小分けして投与する。
経口投与の場合、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウ
ム(dicalcium phosphate)のような賦形剤を含む錠剤を、澱粉、好ましくはジャ
ガイモまたはタピオカ澱粉、アルギン酸及びある種の珪酸錯体のような様々な崩
壊剤、さらにはポリビニルピロリドン、蔗糖、ゼラチン及びアカシアのような結
合剤とともに用いることができる。限定するものではないが、錠剤として用いる
場合、さらにステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクの
ような滑剤がしばしば非常に有用である。同様なタイプの固体組成物を、軟質の
弾性カプセル及び硬質の充填ゼラチンカプセル中に充填剤として用いてもよい。
これに関連して好ましいとされる物質には、高分子量のポリエチレングリコール
と同時に乳糖が含まれるが、これらは例として挙げたもので、これに限定される
ものではない。経口投与に水性懸濁剤及び/またはエリキシル剤が好ましい場合
、必須な活性成分を、様々な甘味剤または香味剤、色素または染料、さらに望む
のであれば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びそれらの組
み合わのような様々な稀釈剤とともに、乳剤及び/または懸濁剤と混ぜ合わせて
用いることも可能である。
非経口投与の場合、治療薬をゴマ油またはピーナッツ油、あるいは水性のプロ
ピレングリコール中に溶かした溶液を用いてもよいし、同様に、先に列挙した対
応する水溶性の塩基塩を無菌溶液として用いてもよい。このような水溶液は、必
要に応じて適当に緩衝しなければならないこともあり、液体稀釈剤は、それに見
合うだけの食塩水またはグルコースで等張にする。これらの各水溶液は、特に静
脈内、筋内及び皮下注射として用いるのに適している。この際に用いられる無菌
水性媒体は、技術熟練者にはよく知られた標準的な方法で容易に入手可能である
。例えば、液体稀釈剤には通常蒸留水が用いられ、調製の最後には、焼結ガラス
フィルター、珪藻土または上薬のかかっていない磁器のフィルターのような適当
な細菌フィルターを通す。このタイプのフィルターで好ましいものには、珪藻土
(ベルケフェルト)、素焼き(シャンベラン)及び石綿円板金属製ザイツ(Asbes
tos Disk-Metal Seitz)フィルターがあり、これらを用いた場合、流体は減圧ポ
ンプの働きによって無菌容器の中に吸引される。これら注射液を調製する際に必
要とされる全ての工程は、最終生成物が無菌状態で得られるように確実に行わな
ければならない。
経皮投与の場合、個々の治療薬の投与形には、例えば液剤、ローション剤、軟
膏剤、クリーム剤、ゲル剤、坐剤、速度を制限できる持続放出製剤及び装置が含
まれる。このような投与形には、個々の化合物が含まれており、エタノール、水
、浸透促進剤、さらにゲルを形成する物質、鉱油、乳化剤、ベンジルアルコール
及びその類いのような不活性キャリヤーが含まれていてもよい。この種の経皮代
謝速度を高めた組成物は、1988年 6月22日、及び 1989年 9月6日にそれぞれ提出
された欧州特許出願第 271,983号、及び第 331,382号の中に報告がある。これら
の出願は参考のためにそのままここに載せる。
局所投与の場合、個々の治療薬の投与形には、液剤、パッチ、ローション剤、
軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤が可能であるが、これは一例を挙げたもので、こ
れに限定されるものではない。
RBL-1細胞によるPGD2の生成(シクロオキシゲナーゼ経路)、及びヘパ
リン化した血液をフィコル-ハイパーク(Ficoll-Hypaque)遠心分離することで単
離した人の単核細胞によるIL-1β放出に対する、テニダップ及び式Iで表され
る他の化合物の阻害効果は、それぞれ次のプロトコルの記載に従って測定するこ
とができる。
ラットの好塩基球性白血病(RBL)細胞における
シクロオキシゲナーゼ経路阻害の検定法
a)RBL-1細胞の培養 Jakschik等(Nature,ロンドン 287,51(1980))
の方法に従い、イーグルの最小必須培地をアールソルト(Earle´s Salts、JR
Hバイオサイエンス)、及び抗生/抗真菌性溶液(ギブコ(GIBCO))で補足した 1
5%のウシ胎仔血清(ギブコ)とともに用いるスピナー培地で、単層に保持した
RBL-1細胞を一日増殖させた。簡単に説明すると、その細胞をRPMI 1640
(ギブコ)で三回洗浄し、細胞濃度が 2×106細胞/mlとなるようにRPMI 164
0 中に再度懸濁させた。その細胞懸濁液中の 0.5 ml分を、薬剤のジメチルスル
ホキシド(DMSO)溶液 1 μlで10分間、30℃で前もって培養した。エタノー
ル中に溶かした[14C]-アラキドン酸 5 μl(比放射能、50-55 mCi/ミリモル)
とDMSO中に溶かしたカルシウムイオン透過担体 2 μlとを、最終濃度がそれ
ぞれ 5 及び 7.6 μMとなるよう、同時に加えることによって培養を開始した。
5 分後、0.27 mlのアセトニトリル(ACN)/酢酸(HOAc)(100:3)を加え
て培養を停止させた。さらに混合物を遠心分離にかけ、沈殿した蛋白を清澄化し
た。5-LO/COX経路生成物の分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)で分離した後、放射能を測定することによって行った。清澄化した試料の10
0 μlを、ACN:H2O:TFA(35:65:0.1)で予め平衡状態にしておいたパー
キンエルマーCRC18 カラム(3 μ、0.46×3.0 cm)上に注入した。このカラ
ムを、流速 2 ml/分で 8 分以上かけ、直線勾配の 35-75%ACN(0.1%TFA
を含む)で展開した。このカラムを初期状態へ再生させる前に、さらに 2 分間
75%ACNで保持した。生成物の放射能の検出は、バートホルド(Berthold)504
〔2.4 ml/分で流体細胞を混合する、流量 200 μlのオムニフルーア(OMNIFLUOR)
(ニューイングラントヌクレアー)を装着した放射能検出器〕をカラム溶離液を
用いて行った。ピーク領域の積分は、SP-4200 積分計算機(スペクトラ フィ
ジックス)で行った。放射能で標識した生成物のプロフィルには四つの大きなピ
ークがあった。それらは溶離してきた順に、プロスタグランジンD2(PGD2)
、ジヒドロキシ脂肪酸(DiHETEs)、5-HETE(5−ヒドロキシエイコサ
テトラエノン酸)及びアラキドン酸であった。LTB4(ロイコトリエンB4)を
含むDiHETEsは、酵素及び非酵素加水分解によってLTA4(ロイコトリエ
ンA4)から誘導されたと考えられる。各生成物の積分ユニットを測定した際、
その曲線下の面積(AUC)を、未処理(薬剤を用いない)対照標準のAUC平
均値と比較した。プロスタグランジンD2形成に関して得られた結果を“対照標
準の百分率”として表し、薬剤濃度の対数(log)に対してプロットした。極量
の半量(Half-maximal、IC50)値をこれらの曲線から概算した。
ATP-誘導IL-β翻訳後工程のためのプロトコル
細胞:ヘパリン化した血液をフィコールーハイパーク遠心分離にかけ、人の血
中単球を単離した。勾配から離れた単球の帯を収集、これをRPMI 1640、5%
ウシ胎仔血清(FBS)、20 mMのN-[2-[ヒドロキシエチル]ピペラジン-N-[2-
エタンスルホン酸](Hepes)、pH 7.4(40 ml)で稀釈して、細胞を遠心分離
によって集めた。この細胞のペレットを、30 mlのRPMI 1640、5%FBS、
20 mMのHepes(維持培地)で二回洗浄した。この単球を 50 mlの維持培地中に
再懸濁させた。96ウェルプレートの各ウェルに、2.4×105の単核細胞を入れた。
その細胞懸濁液を、最終濃度が 1.5×105単核細胞となるように稀釈した。(こ
れを実施するには、この細胞懸濁液を、最終濃度が 1.5×106細胞/mlとなるよう
に稀釈し、0.2 mlをプレートの各ウェルに加えた。)37℃で 2 時間培養した後
、非付着細胞を含む上澄みを吸引によって取り除いた。付着細胞を 0.15 mlの新
しい維持培地で一回洗浄した。さらに 0.15 mlの新しい維持培地を加え、細胞を
37℃で一晩培養した。
刺激:最終濃度が 10 ng/mlになるまでリポ多糖類(LPS)を加え、37℃で
2時間培養した。培地を、0.1 mlのRPMI 1640、pH 6.9、25 mM Hepes、
1%FBS(指示があった場合には 10 ng/ml LPSを含めた)及び指示された
濃度の試験薬剤と取り替えた。15 分培養した後、ATPで処理されるべきウェ
ルに 10 μlの 20 mM ATP原液(ダルベッコ培地中、pH7)を入れた。37
℃でさらに3時間培養を行った。
IL-1βに対するエライザアッセイ(ミネソタ州、ミネアポリス、RアンドD
システムのキット):エライザキットの各ウェルに 0.14 mlの維持培地を加えた
。さらにATP-キックアッセイからの上澄みを各 0.06 ml加え、下記の使用説
明書に従った。
1.プレートの底に着いている抗体によってIL-1βが捕捉されるように、室
温(RT)で2時間エライザプレートを培養する。
2.2 時間の培養後、上澄みを吸い出し、各ウェルを 0.4 mlの洗浄緩衝液(W
ash Buffer、キットに添付)で三回濯ぐ。
3.第二抗体結合体(西洋ワサビペルオキシダーゼとの)0.2 mlを加える。室
温で 60 分間培養する。
4.上澄みを吸い取り、各ウェルを洗浄緩衝液(0.4 ml/洗浄)で三回濯ぐ。
5.基質溶液(キットに添付)0.2 mlを加える。室温で 20 分間培養する。
6.停止溶液(キットに添付)0.05 mlを加える。
7.停止溶液を加えてから 30 分間以内に光学密度を測定する。
下記表1に、上記の方法で測定した式Iの選定化合物のIC50値を列挙する。
【手続補正書】
【提出日】1997年10月6日
【補正内容】
『1.式
(式中Xは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、炭素数が1-4個のアルキル、
炭素数が3-7個のシクロアルキル、炭素数が1-4個のアルコキシ、炭素数が1
-4個のアルキルチオ、トリフルオロメチル、炭素数が1-4個のアルキルスルホ
ニル、ニトロ、フェニル、炭素数が2-4個のアルカノイル、ベンゾイル、テノ
イル、炭素数が2-4個のアルカンアミド、ベンズアミド及び各アルキルの炭素
数が1-3個のN,N-ジアルキルスルファモイルより成る群から選ばれ;
Yは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、炭素数が1-4個のアルキル、炭素
数が3-7個のシクロアルキル、炭素数が1-4個のアルコキシ、炭素数が1-4
個のアルキルチオ及びトリフルオロメチルより成る群から選ばれるか;または
X及びYが一緒になっている場合には、それらは 4,5-、5,6-または 6,7-メチ
レンジオキシ基、または 4,5-、5,6-または 6,7-エチレンジオキシ基であり;
X及びYが一緒になって隣接した炭素原子と結合している場合には、それらは
二価のラジカルを形成しており、ここでのZは
より成る群から選ばれ、このときのWは酸素または硫黄である;
R1は炭素数が1-6個のアルキル、炭素数が3-7個のシクロアルキル、炭素
数が4-7個のシクロアルケニル、フェニル、置換フェニル、アルキルの炭素数
が1-3個のフェニルアルキル、アルキルの炭素数が1-3個の(置換フェニル)ア
ルキル、アルキルの炭素数が1-3個のフェノキシアルキル、アルキルの炭素数
が1-3個の(置換フェノキシ)アルキル、アルキルの炭素数が1-3個の(チオフ
ェノキシ)アルキル、ナフチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、ビシクロ[2.
2.1]-5-ヘプテン-2-イル及び -(CH2)n-Q-R0より成る群から選ばれ;
上記置換フェニル、(置換フェニル)アルキル及び(置換フェノキシ)アルキルに
は1-2個の置換基があり、その置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、炭素数
が1-4個のアルキル、炭素数が1-4個のアルコキシ及びトリフルオロメチルよ
り成る群から選ばれ;
nは 0、1 または 2;
Qはフラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール
、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-チアジアゾール、
1,3,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、テトラヒドロフラン、テトラヒ
ドロチオフェン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、ピリジン、ピ
リミジン、ピラジン、ベンゾ[b]フラン及びベンゾ[b]チオフェンより成る群から
選んだ化合物より誘導された二価のラジカルで;
R0は水素、クロロ、フルオロ、ブロモまたは炭素数が1-3個のアルキルであ
る)
の化合物またはそのような化合物の医薬として使用可能な塩あるいはそのような
化合物または塩の溶媒和物からなる、アルツハイマー病の治療または予防用薬剤
。
2.Yが水素で、Xが 5-クロロ、6-クロロ、5-フルオロ、6-フルオロ、5-ト
リフルオロメチル及び 6-トリフルオロメチルから選ばれる請求項 1 の薬剤。
3.R1がベンジル、2-フリル、2-チエニル、(2-フリル)メチル及び(2-チエニ
ル)メチルから選ばれる請求項 2 の薬剤。
4.Xが 5-クロロ及び 5-フルオロから選ばれ、Yが 6-クロロ及び 6-フルオ
ロから選ばれる請求項 1 の薬剤。
5.R1がベンジル、2-フリル、2-チエニル、(2-フリル)メチル及び(2-チエニ
ル)メチルから選ばれる請求項 4 の薬剤。
6.5-クロロ-3-(2-テノイル)-2-オキシインドール-1-カルボキサミド;
5-トリフルオロメチル-3-(2-[2-チエニル]アセチル)-2-オキシインドール
-1-カルボキサミド;
6-フルオロ-3-(2-フェニルアセチル)-2-オキシインドール-1-カルボキサ
ミド;
6-クロロ-5-フルオロ-3-(2-フェニルアセチル)-2-オキシインドール-1-カ
ルボキサミド;
5,6-ジフルオロ-3-(2-フロイル)-2-オキシインドール-1-カルボキサミド
;
5,6-ジフルオロ-3-(2-テノイル)-2-オキシインドール-1-カルボキサミド
;
6-クロロ-5-フルオロ-3-(2-チエニル)-2-オキシインドール-1-カルボキサ
ミド;
6-クロロ-5-フルオロ-3-[2-(3-クロロ)チエニル]-2-オキシインドール-1-
カルボキサミド;
5-クロロ-3-[2-(3-クロロ)チエニル]-2-オキシインドール-1-カルボキサ
ミド;及び
前記化合物の医薬として使用可能な塩、さらにそのような化合物及び塩の溶媒和
物より成る群から選ばれる化合物からなる請求項 1 の薬剤。
7.テニダップ、テニダップの医薬として使用可能な塩、テニダップの溶媒和
物またはテニダップの医薬として使用可能な塩の溶媒和物からなる請求項 1 の
薬剤。
8.テニダップのナトリウム塩からなる請求項 7 の薬剤。
9.テニダップ、テニダップの医薬として使用可能な塩基塩、テニダップの溶
媒和物、またはテニダップの医薬として使用可能な塩基塩の溶媒和物からなる経
口投与のための請求項 7 の薬剤。
10.テニダップのナトリウム塩からなる、経口投与のための請求項 9 の薬剤
。
11.テニダップ、テニダップの医薬として使用可能な塩基塩、テニダップの溶
媒和物、またはテニダップの医薬として使用可能な塩基塩の溶媒和物からなる非
経口投与のための請求項 7 の薬剤。
12.テニダップのナトリウム塩からなる非経口投与のための請求項 11 の薬剤
。』
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(72)発明者 ウェイナー,イーサン・エス
アメリカ合衆国コネチカット州06333,イ
ースト・ライム,チャップマン・ドライブ
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