JPH10513271A - ピアノなどの楽器の演奏方法および機構 - Google Patents

ピアノなどの楽器の演奏方法および機構

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JPH10513271A
JPH10513271A JP8523300A JP52330096A JPH10513271A JP H10513271 A JPH10513271 A JP H10513271A JP 8523300 A JP8523300 A JP 8523300A JP 52330096 A JP52330096 A JP 52330096A JP H10513271 A JPH10513271 A JP H10513271A
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Abstract

(57)【要約】 ダンパ支持体(104、104’)に直接係合するソステヌートバー(112、112’)と、ダンパ支持体の一つにそれぞれが結合されたエスケープ(13、13’)の列に直接係合するハーモニックバー(111、111’)とを備える機構。両方のバー(111、111’、112、112’)は、リンクシステム(19、20、5、4、19’、20’、5’、4’)によって接続された共通ペダルによって作動する。このリンクシステムは、ペダルが半分踏み込まれたハーモニックと呼ばれる位置を越えるとき、キーが押されている全ての音に対してソステヌート機能がはたらき、ペダルがソステヌートといわれる位置まで完全に踏み込まれ、次いで非常に僅かだけ戻されると、全てのダンパ支持体がハーモニックバーと係合するように、ハーモニックバーの移動をソステヌートバーの移動にリンクさせる。

Description

【発明の詳細な説明】 ピアノなどの楽器の演奏方法およびその機構 技術分野 本発明は、ピアノなどの鍵盤式および打弦式の伝統的な楽器のための演奏方法 、ならびにこのような方法を実現するための機構に関する。 技術背景 本発明による機構は、キーによって作動するハンマで打たれる一連の弦を備え るタイプであり、各弦はダンパを具備している。このダンパが操作されないとき はダンパは弦に押し当てられて弦の振動を防止し、操作されたときは弦から離さ れている。 ダンパには次のいずれかのように操作される: それぞれ各ダンパに接続されている支持体の列に直接作用するソステヌートバ ーによって、または、それぞれ前記支持体に接続されているエスケープの列に作 用するハーモニックバーによって、全てのダンパが同時に操作される。これらの バーは併用ペダルで操作されるが、この併用ペダルは、半分踏み込んだときには 所謂「ハーモニック位置」にあり、完全に踏み込んだときには所謂「ソステヌー ト位置」にある。 或いは、「後端」として知られるキーの一部分によって、または、キーに接続 されたスプーンによって、個々のダンパが操作される。 ハーモニックバーとソステヌートバーは、全てのダンパを弦から離す機能を有 する。しかしながら、ハーモニックバーではソステヌートバーとは異なり、ダン パの支持体をキーの後端に接近できる。 より詳細には、本発明は、演奏者が今弾かれようとする音に対してはソステヌ ートバーの効力を中断でき、その一方で丁度弾かれてた音に対してはこの効力を 持続できることを保証するための機構に関し、この機構によれば、ソステヌート 位置で弾かれたアルペッジョの共鳴状態を持続し、これをハーモニック位置に保 持することが可能となる。 上述した種類の機構は、例えば、Denis de La Rochefordiereの名称でヨーロ ッパ特許第0271527号により公知であり、図1に概略が示されている。こ の公知の機構ではアップライトピアノに用いられるように、各弦107は二つの 分離可能なエスケープ手段によって作用されるダンパ106を有し、このエスケ ープ手段の一方は、ハーモニックペダルによって操作されるハーモニックバー1 11に固定されたエスケープフィレット110であり、このペダルは都合の良い ことにソステヌートペダルでもある。ハーモニック位置は半分踏み込んだペダル 位置に対応し、ソステヌート位置は完全に踏み込んだペダル位置に対応している 。また、エスケープ手段の他方は、ダンパ106の支持体104に固定されたエ スケープスプリング109である。この方法では、ハーモニックバー111をF1 方向に回転することにより、エスケープフィレット110が移動してエスケー プスプリング109に作用し、エスケープフィレット110は、弦107からダ ンパ106を離すようにエスケープスプリング109と係合する。ある音がハー モニック位置で弾かれる場合、キー101が押されると、キー101に接続され てダンパ支持体104に直接作用するスプーン103によって、エスケープ手段 109、110が分離しダンパ106が弦107から離れた状態を維持する。キ ー101が放たれダンパ106が弦107に戻るまで、この音は振動している。 次いで、低音弦は共鳴振動し続けるが、この音は振動が抑制される。 しかしながら、上記の従来技術において開示された機構では、キー101が放 たれた時に、エスケープフィレット110はハーモニックバー111の上述の回 転に対応するある角度Aだけ回転しており、エスケープメントスプリング109 はハーモニックバー111上の休止位置に戻るので、エスケープ手段109、1 10が互いに係合した状態には戻らないという欠点がある。このようにエスケー プ部分がそれ自身リセットできないという結果は、ピアニストに障害をもたらす 。この問題は、予想されるように、ペダルがハーモニック位置にある間にキーが 押され、次いでペダルがソステヌート位置までさらに踏み込まれると、ソステヌ ートバー112がダンパ支持体104に押し当てられ、ソステヌートバー112 によってダンパ106が作動状態となるために、この音が振動し続けるというも の である。しかしながら、キー101が放たれた後にペダルをハーモニック位置ま で再び戻すと、ソステヌートバー112によってもキー101に固定されたスプ ーン103によっても、もはやダンパ106は作用されない。さらに、この機構 はそれ自身でリセットされないためハーモニックバー111も作用しない状態に ある。そのため、この音は振動が抑制される。この種の欠点を回避するため、ピ アニストは、鍵/弦のエスケープ109、110をリセットさせるために、ペダ ルをハーモニック位置に戻す前にこれを完全に戻さなければならない。このよう にペダルを戻すことは、場合によってはソステヌート位置において弾かれている 全ての音の振動を止める効果がある。また、「ハーモニック」の機能と「ソステ ヌート」の機能間の移行はそれほど正確ではなく、このことはさらなる誤りの原 因となる。 したがって本発明の目的は、公知のシステムのこれらの欠点を解消する演奏方 法とペダル機構を提供することである。 発明の開示 上記目的は以下のように、本発明による方法においてハーモニックバーの移動 をソステヌートバーの移動にリンクすることによって達成されるものである。 (1)併用ペダルがハーモニック位置を越えて踏み込まれるとすぐに、全ての エスケープが同時にキーの後端またはスプーンの届かないところに位置する。こ れによりピアニストは、キーが押されたときのペダル位置にかかわらず、ペダル がハーモニック位置を越えて踏み込まれた時に放たれたキーに対応する全ての音 に対してソステヌート機能を適用できる。さらに、ハーモニック機能とソステヌ ート機能との間の移行は、併用ペダルの移動行程中の正確な位置に対応する。 (2)併用ペダルがソステヌート位置までさらに踏み込まれ、次いで、非常に 僅かだけ戻されると、全てのエスケープはハーモニックバーと係合する。 このように、ハーモニック位置においてキーがまず押され次いで放たれた後に おいては、まずペダルを完全に戻した後にこれを非常に僅かだけ踏み込むことに よっても、或いは、まずソステヌート位置までさらにペダルを踏み込んだ後にこ れを非常に僅かだけ戻すことによっても、ハーモニックバーとエスケープとを互 いに再び係合することができる。 このため本発明による機構は、ハーモニックバーとソステヌートバーとを併用 ペダルに連結するリンクシステムからなる。 本発明の好ましい実施様態によれば、ハーモニックバーとソステヌートバーと はそれぞれ回動可能に取り付けられ、リンクの、「遠方」端と呼ばれる一方の端 部の移動にしたがって移動し、また、「近接」端と呼ばれる他方の端部は併用ペ ダルによって操作される作動ロッドにより回動運動させられる。 好ましくは、各リンクの近接端は、作動ロッドが作用する「クランクプレート 」と呼ばれる共通部材の回動にしたがって移動する。 グランドピアノに適用した実施様態においては、各エスケープは、結合された ダンパ支持体の止め位置と、重力によって規定される平衡位置(ダンパ支持体の 別の止め位置に対応する)または例えば結合されたキーまたはハーモニックバー の後端と呼ばれるものである干渉部材へ押当てられる位置との間で、自由に回転 する部材である。 アップライトピアノに適用した実施様態においては、各エスケープは二つの位 置の間を回動する部材であって、エスケープを前記位置のいずれかに維持するか あるいは戻すようなスプリング手段を備える。 都合の良いことにグランドピアノとアップライトピアノのいずれにおいても、 各エスケープは2つの接触部位をもち、その一方はキーの後端またはスプーンに 接触可能であり、その他方はハーモニックバーと接触可能である。 本発明は、添付図面を参照して行う以下の説明によりさらに明確に理解される であろう。 図面の簡単な説明 図1は、アップライトピアノに適用され、前述のように、併用ペダルがハーモ ニック位置に保持された状態にある、ヨーロッパ特許第0271527号により 公知の機構を示す概略図である。 図2は、グランドピアノに適用され、休止状態にある本発明による機構の構造 を示す概略図である。 図3は、キーが押されている場合を示す図2と同様の概略図である。 図4は、併用ペダルがハーモニック位置に踏み込まれキーが押されていない場 合を示す、図2と同様の実施態様の概略図である。 図5は、キーがまず押され次いで放たれた後の状態を示す、図4と同様の実施 態様の概略図である。 図6は、併用ペダルをソステヌート位置に踏込んだ場合を示す、図2と同様の 実施態様の概略図である。 図7および図8は共に、アップライトピアノに適用され、休止状態にある本発 明による機構の構造を示す概略図であり、図7は、図を明確にするために、リン ク部分を省略したエスケープ/ダンパ部分を示し、反対に、図8は、エスケープ /ダンパ部分を省略したリンク部分を示す。 発明を実施するための最良の形態 図2に示すように、本発明による機構は、休止状態において主方向X1−X’1 が水平線に対して約30°の角度を成しているペダル1を備え、またペダル1は 、グランドピアノの垂直ブラケット3に取り付けられたピン2の回りをその中心 が回転するように取り付けられている。ペダル1は、その後端すなわちピアニス トが操作する側と反対側の端部において、ペダルにほぼ垂直な作動ロッド4の一 方の端部を支持し、また他方の球形の端部は、通常、角の丸い正三角形の形状を なすクランクプレート5と係合する。この目的のため、クランクプレート5は、 作動ロッド4を支える頂点5aにほぼ直角の切欠6を有するが、この切欠はこの ような形状である必要はない。休止状態では、切欠6に隣接しかつペダル1から 離れた位置の三角形5の辺51は、水平線に対して約45°の角度を成し、また 切欠6の外部の作動ロッド4に対して鈍角を成している。 クランクプレート5は、前記辺51に隣接した別の頂点5bにおいて、クラン クプレート5を支持するヨークの曲線状の頂点8aに固定されたピン7に蝶番式 に取り付けられている。このヨークはほぼ直角三角形の形状を成し、この機構が 休止状態にあるときは、その斜辺がクランクプレート5の辺51の延長線上にあ る。ヨーク8の曲線状の頂点8aの反対側は、水平なキー台9に固定されている 。 フランジ10は、ヨーク8からその反対側のキー台9に垂直に延びている。この 機構はまた、104のようなダンパ支持体の列を備えており、この各ダンパ支持 体は、1つのキーと1つの弦に対応するようになっている。ここでは、キー10 1と弦107に対応するダンパ支持体104について説明する。ダンパ支持体1 04の一端はフランジ10の自由端に連結されており、そこでピン12を中心に 回動可能に取り付けられている。休止状態では、ダンパ支持体104は水平であ る。ダンパ支持体104の他端は、ピン30を支持する二つの耳部55が突出す る迫持面54を形成している。鼻部14と、先細りの指部15と、ストップ面5 6とを具備したエスケープ13が、ピン30を中心に回動可能に取り付けられて いる。休止状態では、ストップ面56の上側部分は迫持面54から離れているが 、ストップ面56の下側部分は迫持面54にぶつかっており、その結果、エスケ ープ13の鼻部14は、実際にはキー101の後端上、すなわちピアニストが操 作するのとは反対側のキーの端上に乗るようになる。 クランクプレート5の第3の頂点5cはピン16を支持し、リンク19の一端 はピン16に回動可能に固定されている。リンク19の他端は、ハーモニックバ ー111をシフトするのに用いられるプレート47に取り付けられたピン40に 回動可能に固定されている。クランクプレート5のほぼ中心にはピン17が取り 付けられており、リンク20の一端がピン17に回動可能に固定され、リンク2 0の他端は、ソステヌートバー112をシフトするのに用いられるプレート48 に取り付けられたピン41に回動可能に固定されている。ハーモニックバー11 1とソステヌートバー112とは、図1の状態でほぼ平行であって、4つのハー モニックバー支持体列22と、4つのソステヌートバー支持体列23とによって それぞれ支持されている。これらの支持体列22、23は、前述のピン12を中 心にして回動可能である。図2〜図5では、支持体列22は支持体列23に隠れ ている。これらの支持体列は、図6において分離して示されている。 ピン25はダンパ支持体104を横方向に貫通し、ダンパワイヤ26の一端を 固定しており、ダンパワイヤーの他端はダンパ106の重心に固定されている。 ダンパ106は休止状態において弦107に接触する二つのフェルト29a、2 9bを具備している。 上記のようにして組立た機構の動作を、図3〜図6に示す。 図3は、ペダル1が休止位置にある時に、キー101が押し下げられた場合( 矢印F2)の本発明による機構を示す。キー101と連結されたハンマ(図示せ ず)が、この位置で弦107を打つ。この図で判るように、キー101の後端が F3方向に回転するとエスケープ13の鼻部14が持ち上げられ、エスケープ1 3は、ストップ面56の上側部分が迫持面54と接触するまで、軸30を中心に して回転する。このように、エスケープ13とダンパ支持体104は、軸12を 中心に回転する一体の構成部材のように動作する。次いで、ワイヤー26が上げ られ(矢印F4)、その結果ダンパ106が弦107から離れるように持ち上げ られる。弾かれた音はキー101が放されるまでこのようにして振動し、本機構 は図2に示される状態に戻る。 図4は、ペダル1がハーモニック位置まで僅かに踏み込まれた(主方向X2− X’2)一方で、キー101が休止状態にある場合の、本発明による機構を示す 。F5方向にペダル1に作用する力は、F6方向において作動ロッド4に伝達され 、さらにピン7を中心にクランクプレート5に回転運動F7、F8を伝達し、それ によりリンク19を介してハーモニックバー111が上方に移動し13で示され る全てのエスケープの指部15に接触する。装置の形態は、ペダル1が作動する 時、指部15とハーモニックバー111との接点が、ピン30とピン40とによ って形成される面内にあり、その結果、エスケープ13はピン30を中心に回転 しないで持ち上げられ、エスケープ13によってピン30と共にダンパ支持体1 04とロッド26が持ち上げられる。他の全てのエスケープについても同様なこ とが起こり、このエスケープは、107のような弦から106のようなダンパ全 て持ち上げる効力を有する。クランクプレート5の回転は同時に、リンク20を 介してソステヌートバー112を上方に移動させる。 この位置においてキー101がF2方向に押されると、その後端はエスケープ 13の鼻部14を上方に押し、その結果、ピン30を中心にしてエスケープ13 が回転し、指部15がハーモニックバー111から離れる。次にこのキー101 が放たれると、図5に示すように、鼻部14はもはや押されることはなく、キー 101が完全に戻るあたりまでキー101の後端に続いて下方に回転する。次い で、指部15は、ハーモニックバー111の前面、すなわちピアノの鍵盤に最も 近い面において、ハーモニックバー111に隣接する。このとき、ダンパ106 は戻って弦107に接する。ダンパ106が弦107に戻されるのは、他のキー を動かさないままにしてキー101を押し下げることによってなされるので、他 のダンパは全て上がったままになっている。 あるエスケープは図4の位置(押されていないキーに対応する)にあり、その 他のエスケープは図5の位置(まず押されその後に戻されたキーに対応する)に ある。 そこで、ハーモニック位置からペダル1をさらに(ただし、非常に僅かに)踏 み込むと、図4の位置にあるエスケープでは、ハーモニックバー111がこのエ スケープの15のような指部の列に押し当てられエスケープを持ち上げるため、 キーが押されても、14のような鼻部は101のようなキーの届かない位置に移 動する。この場合、エスケープは、「演奏の外」と呼ばれる位置にある。 図5の位置にあるエスケープは、上述のようにペタル1を非常に僅かに移動さ せることにより、同時にソステヌートバー112の上方への移動が起こり、ソス テヌートバー112がダンパ支持体104と接触してこの支持体をピン12を中 心に僅かに回転させ、その結果、106のようなダンパが107のような弦から 離されることになり、101のようなキーは14のような鼻部にもはや届くこと ができず、15のような指部はハーモニックバー111と再度接触できない。す なわち13のようなエスケープはリセットされないということである。 それぞれの場合において、ピアニストにとって得られた効果は、ソステヌート バーペダルによるものである。すなわち、例えキーが押されても、全てのダンパ は弦から離され、これらの音の振動を抑制することはできない。これら2つの位 置(ハーモニックと、演奏外)の移行は非常に高速であり、ペダルの移動行程は 非常に僅かである。換言すれば、ペダルが大きく踏み込まれようが、ハーモニッ ク位置を越えると直ちに、ソステヌートペダルとして機能するという、しきい効 果が得られる。 ペダル1をさらに方向F12に踏み込むと(完全に踏み込んだペダルの位置;図 6の主方向X3−X’3)、ついには、クランクプレート5はピン16が最も高く なるような位置に到達し、その結果、ハーモニックバー111をもはやこれ以上 高く持ち上げることができなくなる。ソステヌートバー112は、図6に示すよ うに、2つのリンク19と20がついには交差するように、それ自身上方への移 動を続ける。同図において、ソステヌートバー112は、104のようなダンパ 支持体列に接触するようになり、また、その13のようなエスケープは、それ以 前に上述の演奏外の位置にある。同時に、ソステヌートバー112は、リセット されないその他のエスケープに連結されている104のようなダンパ支持体を、 ピン12を中心にして上方にさらに回転させる。その結果、13のようなエスケ ープメントの15のような指部が、ハーモニックバー111の上に位置するよう になる。さらに、全てのダンパは同一面内に位置する。全てのエスケープを「セ ット」または「リセット」するには、ペタル1をこの位置からごく僅かだけ戻す だけで十分である。ペタル1をハーモニック位置までさらに戻すことにより、図 4に示す状態に容易に復帰することができる。このようにして、例えある音が、 振動が抑制されるハーモニック位置(図5)において、キーが押されその後放た れることにより弾かれ、次いで、音の振動が抑制されないソステヌート位置にお いて再び弾かれた場合には、この音はハーモニック位置に戻した後でも(図4) 振動し続けるであろう。このようなことは、公知の機構では生じなかった。ペダ ル1を、図2で示される位置に極めて近い位置に戻すことにより、すなわち、ま ずペダル1を完全に戻しその後で非常に僅かだけ踏み込むことによっても、「リ セット」が生じることが観察されるであろう。 図7と図8に示すアップライトピアノに適用される機構は、上記に説明した機 構とは基本的に異なるものでない。これらの図では、図2〜図6の部材に類似し たものは、後に「’」を付した同一の参照番号で示されている。図7に示すよう に、本発明による機構は、アップライトピアノに適用されるときには、スプーン 103がダンパ支持体104’に直接作用せず、ハーモニックバー111’も作 用し得るエスケープ13’を介して作用するという点で、図1に示されるような 先行技術の機構とは本質的に異なっている。より正確には、例えば弾性金属から なるスプーン103は、キーに(図示せず)接続されたスプーン支持体43に接 続されキーと反対の方向に回転することができる。スプーン103は、エスケー プ13’と一体に成形された直角の鼻部14’と接触し、この鼻部14’はコイ ルスプリング42の一端を収容するハウジングを有し、コイルスプリング42の 他端はダンパ支持体104’に固定されている。ダンパ支持体104’は、水平 部材45に取り付けられたピン48を中心にして回転することができ、この水平 部材45は、それ自体、ピアノの垂直部分31に取り付けられている。ダンパ支 持体104’は、部材45に固定された圧縮スプリング44によって弦107’ に接した状態で保持されている。アップライトピアノの場合と同様に、ダンパ1 06’と弦107’もまた垂直である。 ハーモニックバー111’の他に、ソステヌートバー112’が設けられ、こ れらのバーは、ピン12’を中心にして回動可能な対応する支持体列22’と2 3’にそれぞれ固定されている。休止状態では、ハーモニックバー111’は、 エスケープ13’の指部15’と接触している。 図8は本発明によるリンク機構の詳細図であり、このリンク機構は一端でクラ ンクプレート5’を支持する作動ロッド4’からなり、このクランクプレート5 ’は図2〜図6に示すのクランクプレート5とは大きく異なる形状である。この クランクプレート5’の基本的な構造はほぼ台形であり、その短辺には作動ロッ ド4’の球形端を押込むための不規則形状の切欠52が設けられている。クラン クプレート5’は、ヨーク8’の部分において台形の頂点5’bを貫通するピン 7’を中心として回動可能であり、前記ヨーク8’は、アップライトピアノの構 造体の上記垂直部分31に固定されている。リンク19’は、その一端をクラン クプレート5’の隅部5’cに取り付けられたピン16’を中心に回動可能に、 また、他端をハーモニックバー111’をシフトするのに用いられるプレート4 7’に取り付けられたピン40’を中心に回動可能に、それぞれ固定されている 。同様にして、リンク20’は、その一端をクランクプレート5’の隅部5’a に取り付けられたピン17’を中心に回動可能に、また、他端をソステヌートバ ー112’をシフトするのに用いられるプレート48’に取り付けられたピン4 1’を中心に回動可能に、それぞれ固定されている。 この組立品は、図2〜図6を参照して説明した機構と基本的に同様に動作する 。特に、104’のようなダンパ支持体列に対するソステヌートバー112’の 作 用と、13’のようなエスケープの15’のような指部列に対するハーモニック バー111’の作用のそれぞれは、図2〜図6に示す機構と同じである。しかし ながら、弦107’、ダンパ106’およびその支持体104’が水平ではなく 垂直であるために、いくつかの相違がある。例えば、この機構をグランドピアノ に適用した場合には、前記のようにキー101の端部は(ハーモニック位置まで )エスケープ13の鼻部14と直接接触することができ、キー101が押される とエスケープを持ち上げることができので、エスケープ13が回転可能に取り付 けられているダンパ支持体104を上方に回転させ、その結果、通常は弦107 に接しているダンパをこの弦107から切り離すことになる。キー101が放た れると、何も拘束されていないエスケープ13は重力の下にその休止位置に戻る 。図7に示すように、この機構をアップライトピアノに適用した場合に、キー( 図示せず)を僅かに押すと、スプーン支持体43はF9方向に回転し、それに伴 ってスプーン103は鼻部14’を押すことによりスプリング42の力に抗して エスケープ13’をF10方向に回転させ、それによってスプリングを圧縮する。 キーのストロークがほぼ半分のときに、鼻部14’の底面がダンパ支持体104 ’の下端に接する。キーがさらに押され、エスケープ13’が最大変位位置に至 ると、ダンパ支持体104’それ自身が力を受けてピン48を中心にして回転す る。圧縮スプリング44はF11方向に変形し、ダンパは弦107’から離れる。 このキーが放されると、スプリング42は再び伸長し、エスケープ13’は図7 で示すようにその休止位置に再び戻り、ダンパは圧縮スプリング44の作用の下 に弦の位置に復帰する。この機構が正しく作動するためには、スプリング44の 張力がスプリング42の張力よりも大きくなければならないことがわかる。 このように以上の説明から、本発明により、ペダルを完全に戻さずに、中間列 の音の振動を抑制し(キーは、同時にペダルを踏み込まずにまたはハーモニック 位置において戻される)、いくつかの音は最後まで振動を抑制されないままにし て(キーは、ハーモニック位置を越えて戻される)、演奏者はハーモニック機能 とソステヌート機能との間の一連の前後移行を実行できることが明らかである。 さらに、ソステヌート機能からハーモニック機能への移行またその逆の移行は 、構造により厳密に規制されており、上述の様々な部材の寸法および相対位置に 依 存する。ハーモニック位置を通過する際に、ペダルの行程中において抵抗となる 点を克服しなければならないという感覚をピアニストに与える障害に対抗する移 動可能な機械部材を、本機構に付加することにより、ピアニストは、前記の2つ の機能間の移行をより容易に感じとることができる。 その他のパラメータ、特に作動ロッドの長さを変化させることによるペダルの 全行程の長さ、および/または、ペダルの半行程に対応する位置の前後10%変 化できるペダル行程中のハーモニック点の位置、が規制可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. キー(101)で駆動されるハンマによって打たれる一連の弦(107、 107’)を備え、各弦は操作されないときは弦に押し当てられて弦の振動を防 止し、操作されたときは弦から離れるダンパ(106;106’)を備えた、ピ アノのような、鍵盤と打弦を備えた伝統的な楽器の演奏方法であって、 前記ダンパは、 (i)それぞれが各ダンパに接続されているダンパ支持体(104、104’ )の列に直接作用するソステヌートバー(112、112’)によって、または 、それぞれが前記ダンパ支持体に接続されているエスケープ(13、13’)の 列に作用するハーモニックバー(111、111’)によって、全てのダンパが 同時に操作されるか、或いは、 (ii)キー(101)の一部分である後端によって、または、キーに接続さ れたスプーン(103)によって、個々のダンパが操作され、 前記ソステヌートバーとハーモニックバーは併用ペダル(1、1’)で操作さ れ、該併用ペダルは、半分踏み込んだときにはハーモニック位置にあり、完全に 踏み込んだときにはソステヌート位置にあり、 今まさに弾かれようとする音に対してはソステヌートバーの効力を中断し、か つ、丁度弾かれた音に対しては前記効力を持続することを可能にする演奏方法に おいて、 前記併用ペダルが前記ハーモニック位置を越えて踏み込まれるとすぐに、全て のエスケープが同時にキーの前記後端またはスプーンの届かないところに位置し 、前記併用ペダルが前記ソステヌート位置までさらに踏み込まれ、次いで、非常 に僅かだけ戻されると、全てのエスケープが前記ハーモニックバーと係合するよ うに、前記ハーモニックバーの移動をソステヌートバーの移動にリンクさせるこ とを特徴とする演奏方法。 2. キー(101)で駆動されるハンマによって打たれる一連の弦(107、 107’)を備え、各弦は操作されないときは弦に押し当てられて弦の振動を防 止し、操作されたときは弦から離れるダンパ(106;106’)を備えた、ピ アノのような、鍵盤と打弦を備えた伝統的な楽器のペダル機構であって、 前記ダンパは、 (i)それぞれが各ダンパに接続されているダンパ支持体(104、104’ )の列に直接作用するソステヌートバー(112、112’)によって、または 、それぞれが前記ダンパ支持体に接続されているエスケープ(13、13’)の 列に作用するハーモニックバー(111、111’)によって、全てのダンパが 同時に操作されるか、或いは、 (ii)キー(101)の一部分である後端によって、または、キーに接続さ れたスプーン(103)によって、個々のダンパが操作され、 前記ソステヌートバーとハーモニックバーは併用ペダル(1、1’)で操作さ れ、該併用ペダルは、半分踏み込んだときにはハーモニック位置にあり、完全に 踏み込んだときにはソステヌート位置にあり、 今まさに弾かれようとする音に対してはソステヌートバーの効力を中断し、か つ、丁度弾かれた音に対しては前記効力を持続することを可能にするペダル機構 において、 前記併用ペダルが前記ハーモニック位置を越えて踏み込まれるとすぐに、全て のエスケープが同時にキーの前記後端またはスプーンの届かないところに位置し 、前記併用ペダルが前記ソステヌート位置までさらに踏み込まれ、次いで、非常 に僅かだけ戻されると、全てのエスケープが前記ハーモニックバーと係合するよ うに、前記ハーモニックバーとソステヌートバーとが、リンクシステム(19、 20、5、4、19’、20’、5’、4’)によって前記併用ペダルに接続さ れていることを特徴とするペダル機構。 3. 前記ハーモニックバー(111、111’)とソステヌートバー(112 、112’)とはそれぞれ回動可能に取り付けられ、かつ、前記リンクシステム (19、20、19’、20’)の遠方端と呼ばれる一方の端部の移動にしたが って移動し、前記リンクシステム(19、20、19’、20’)の近接端と呼 ばれる他方の端部は、前記併用ペダル(1、1’)によって操作される作動ロッ ド(4、4’)により回動運動させられることを特徴とする請求項2に記載のペ ダル機構。 4. 前記リンクシステム(19、20、19’、20’)の近接端は、前記作 動ロッド(4、4’)が作用するクランクプレートと呼ばれる共通部材(5、5 ’)の回動にしたがって移動することを特徴とする請求項3に記載のペダル機構 。 5. 前記各エスケープ(13)は、結合された前記ダンパ支持体(104)に よる止め位置と、重力によって規定される平衡位置または干渉部材(101、1 11)に押当てられる位置との間で、自由に回転する部材であることを特徴とす る請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のペダル機構。 6. 前記干渉部材が、前記キー(101)に結合された前記後端、或いは前記 ハーモニックバー(111、111’)であることを特徴とする請求項5に記載 のペダル機構。 7. 前記各エスケープ(13’)が二つの位置の間を回動する部材であって、 該エスケープを前記位置のいずれかに維持するか、或いは戻すようなスプリング 手段を備えることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のペダ ル機構。 8. 前記各エスケープ(13、13’)は2つの接触部位(14、15、14 ’15’)を有し、その一方(14、14’)は前記キー(101)の前記後端 またはスプーン(103)に接触可能であり、その他方(15、15’)は前記 ハーモニックバー(111、111’)と接触可能であることを特徴とする請求 項3〜請求項7のいずれか1項に記載のペダル機構。
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