JPH1053890A - 溶融塩中での耐食性と電気伝導性に優れた溶融塩電気分解電極用ステンレス鋼 - Google Patents

溶融塩中での耐食性と電気伝導性に優れた溶融塩電気分解電極用ステンレス鋼

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JPH1053890A
JPH1053890A JP8210316A JP21031696A JPH1053890A JP H1053890 A JPH1053890 A JP H1053890A JP 8210316 A JP8210316 A JP 8210316A JP 21031696 A JP21031696 A JP 21031696A JP H1053890 A JPH1053890 A JP H1053890A
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JP
Japan
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molten salt
less
corrosion resistance
stainless steel
oxide film
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JP8210316A
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Izumi Muto
泉 武藤
Hiroshi Kihira
寛 紀平
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Fuel Cell (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融塩中での耐食性と電気伝導性に優れた電極
用ステンレス鋼を提供する。 【解決手段】金属Niを含む酸化物皮膜を有するステン
レス鋼。溶融塩中での自然酸化により、このような酸化
皮膜を生成させるには、重量%で、C:0.10%以
下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:
0.10%以下、S:0.01%以下、Cr:12%以
上40%以下、Ni:5%以上85%以下、Mo:0.
5%以下、Cu:0.5%以下、N:0.3%以下を含
み、かつNiとCrの含有量の関係を100.00−
(Ni+Cr)≧−18.75(Ni/Cr)+87.
50とする。これらにより、酸化物皮膜の電気抵抗低減
と耐食性向上とを両立することが可能であり、溶融塩中
で使用可能な安価な電極用材料を提供することが可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融塩中での耐食
性に優れると共に、電気抵抗の低い酸化物皮膜を有す
る、溶融塩中での電極としての使用に適するステンレス
鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融塩とは、NaClに代表されるイオ
ン結合からなる物質を融点以上に加熱した際に形成され
るイオン性の融体のことである。これは、いわば電荷を
もったNa+ やCl- などのイオンが自由に動き廻れる
状態で存在している液体である。このイオン性融体は、
水のように酸素と水素の共有結合からなり電荷を持たな
い中性の分子が液体状態になった分子性の融体とは、全
く異なった性質を示す。
【0003】すなわち、溶融塩は、各種物質を多量に溶
かし込むことが可能である。これは、簡単に言えば溶解
した物質が正負のイオンに解離し、それらがイオン性融
体自身を構成している正負イオンと電気的に引き合うこ
とで、エネルギー的に極めて安定な状態を作り出すため
である。また、この溶け込んだイオンは、水溶液と同じ
ように電気的に酸化還元を行うことが可能で、特定の元
素を溶融塩から電解採取することが可能である。逆に、
特開昭59−23812号公報に開示されているよう
に、溶融金属と接触した状態で溶融金属を陽極、溶融塩
を陰極として電圧を加えると、金属中の元素(不純物)
のみを溶融塩に溶解させることも可能である。
【0004】また、溶融塩はガス種を多量に溶解する性
質を有している。これは、「溶融塩と高温化学」(第3
3巻、25〜72ページ、1990年、電気化学協会溶
融塩委員会発行)に記載されているようにヘンリーの法
則に従う物理的な溶解だけではなく、溶融塩中でガスが
イオンに解離する化学的溶解が主に起こるためである。
したがって、溶融塩を電解質とすると、水溶液電解に比
べ、ガスの酸化還元反応速度を飛躍的に高めると共に反
応分極を格段に少なくすることが可能である。例えば、
溶融炭酸塩を用いた燃料電池は極めて高い反応効率を持
ち、次世代エネルギー源として期待されている。このよ
うに溶融塩を電解質とした電気化学反応は、極めて発展
性のある分野である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
溶融塩電解技術の発展を制約している原因の一つに、耐
食性と電気伝導性を兼ね備えた安価な電極材料が存在し
ないことである。ステンレス鋼は、自由な電極形状の設
計が可能であり、材料コスト的に安価な耐食性材料とし
てあげられる。しかし、溶融塩に対する耐食性は、表面
に自然酸化により形成される酸化物皮膜の性質に大きく
依存しており、一般に、耐食性を高めると酸化物皮膜の
電気抵抗も高まるという関係があり、これが高い電気伝
導度と高耐食性が共に要求される電極用のステンレス鋼
の開発を制限していた。
【0006】一般に、溶融塩中でのステンレス鋼の耐食
性を高めるにはAlを多量に添加する必要があることが
従来より言われている。しかし、Alを過度に添加する
と酸化物皮膜の電気抵抗が増大し電池起電力が低下する
ことも知られている。この点を改善するため、特開昭6
3−190143号公報においては、Alを0.1〜
0.9%に制限し耐食性を0.5%以下のY添加により
確保するという、一種の妥協策が開示されている。
【0007】このように、溶融塩中での耐食性と電気伝
導性に優れた電極用ステンレス鋼を提供する技術は未だ
開発されていない。本発明は、溶融塩中での耐食性を損
なうことなく電気伝導性に優れた酸化物皮膜を有する溶
融塩電気分解電極用ステンレス鋼の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ステンレス
鋼の組成を広範囲に変化させ溶融塩中での耐食性と酸化
物皮膜の電気抵抗との関係を調査し、以下の全く新しい
事実を得た。 酸化物皮膜内に金属Niが析出すると電気抵抗が低下
する。しかし、この場合には、耐食性は低下しない。 ステンレス鋼のNiとCrの含有量をある範囲に制御
した場合に、この金属Niの析出が起こる。
【0009】本発明は、上記知見によってなされたもの
であって、金属Niを含む酸化物皮膜を有することを特
徴とする溶融塩中での耐食性と電気伝導性に優れた溶融
塩電気分解電極用ステンレス鋼である。そして上記ステ
ンレス鋼は、重量%で、 C :0.10%以下、 Si:1.0%以下、 Mn:1.0%以下、 P :0.10%以下、 S :0.01%以下、 Cr:12%以上40%以下、 Ni:5%以上85%以下、 Mo:0.5%以下、 Cu:0.5%以下、 N :0.3%以下、 を含み、かつNiとCrの含有量が 100.00−(Ni+Cr)≧−18.75(Ni/
Cr)+87.50 の関係を満足させることによって、表面に金属Niを有
利に析出させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明鋼を構成する酸化
物皮膜および成分範囲の限定理由について詳細に説明す
る。金属Niは、耐溶融塩腐食性に優れる金属であり、
表面酸化物皮膜内に含有させると、電極の耐食性が向上
する。また、金属Niを酸化物内に分散させることで、
通電時に、これら金属Niが電流の流れる経路として働
き、電極全体の電気抵抗を低下させる効果を発揮する。
【0011】金属Niを含む酸化物皮膜の作製方法や酸
化物の組成は特に限定しないが、後述する特定の組成を
有するステンレス鋼の溶融塩中での自然酸化以外に、溶
射による皮膜形成、Niを含む合金めっき層の選択酸
化、または、Ni酸化物粉とNiよりも酸化しやすい金
属粉(Alなど)を混合し塗布した後に加熱処理により
Niを固相還元する方法などを適用してもよい。
【0012】一般に、電極は平坦ではなく、電解の反応
効率を高めるため、種々の形状に加工されることが多
い。このような場合には、ステンレス鋼の化学組成を限
定し、電解処理時の自然酸化により、金属Niを含む酸
化物皮膜を形成させることが好ましい。このためのステ
ンレス鋼の成分範囲は以下の通りにすることが好適であ
る。尚、%は重量%を意味する。
【0013】Cは、過度に含有すると鋼の靭性を損なう
と共に、製造過程でCr炭化物を形成し耐食性が低下す
る。このため、0.10%以下とした。Siは、脱酸剤
として添加するが過度に添加すると加工性を害する。そ
こで、添加量の上限を1.0%とした。
【0014】Mnは、脱酸や脱硫作用があり鋼材の熱間
加工性を改善する。しかし、多量に添加してもコスト上
昇に見合った熱間加工性改善効果を期待できないばかり
か、硬さが増し加工性を害するため、1.0%以下とし
た。Pは、多量に存在すると耐食性を阻害するため、
0.10%以下とした。Sは、熱間加工性を害するた
め、0.01%以下とした。
【0015】Crは、耐食性を確保するために必須な元
素である。耐食性を確保するには、12%以上添加する
必要がある。しかし、40%を越えて添加すると、耐食
性は極めて向上するものの靭性と加工性が損なわれる。
したがって、Crは12%以上40%以下とした。
【0016】Niは、耐食性を確保するために必須な元
素であり、その効果を期待するには5%以上添加する必
要がある。しかし、85%を越えて添加してもコスト上
昇に見合うだけの耐食性向上効果が得られなくなり過剰
品質となる。そこで、Niは5%以上85%以下とし
た。
【0017】本発明では、電気伝導性に優れるために、
上記CrとNiの間に量的関係を規定する。すなわち、
CrとNiの含有量の関係が、次式を満たす必要があ
る。すなわち、 100.00−(Ni+Cr)≧−18.75(Ni/
Cr)+87.50 この詳細な理由は不明であるが、この関係式は酸化物皮
膜形成時に金属Niが酸化物皮膜内に析出し、電気伝導
度低下に有効に作用するために必要なNi、Cr、Fe
含有量比を与えているものと思われる。Niが多いほど
金属Niの析出も起こりやすく、このため、Ni/Cr
比が大きいほどこの関係式は成り立ちやすくなってい
る。
【0018】MoとCuは、それぞれ0.5%以上含有
すると耐食性を阻害するため、0.5%以下とした。N
は、過度に添加すると鋼の靭性を低下させる。そこで、
0.3%以下とした。
【0019】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。表1に示す化学組成の鋼を真空溶解し、熱間
圧延により厚さ4mmの鋼板とし、1150℃×30min
の熱処理を施した後、試験片を採取した。
【0020】
【表1】
【0021】溶融塩中での耐食性と酸化物皮膜の電気抵
抗は、試料極、参照極、対極からなる3電極法による定
電位分極試験と同じく、3電極法による定電位分極下の
電極インピーダンスおよび高調波電流成分の解析により
評価した。
【0022】試験片は、厚さ2mmで幅10mm×長さ10
mmの一端に直径0.5mmのAu線をスポット溶接し、A
u線を内径4mmのアルミナ管に挿入しスポット溶接部分
とアルミナ管の端部をジルコニヤセメントで被覆した。
ジルコニヤセメントは常温で7日間以上乾燥固化させ試
料極とした。参照極には、内径4mmのアルミナに直径1
mmのAu線を挿入し、アルミナ管内に66.6vol%
酸素−33.4vol%炭酸ガスの混合ガスを流しガス
電極(O2 /CO2 ,Au)を使用した。対極には、厚
さ0.5mmで幅50mm×長さ50mmのAu板を使用し
た。
【0023】この3電極を70vol%酸素−30vo
l%炭酸ガスの混合ガスをカバーガスとして650℃に
加熱した62mol%炭酸リチウム−38mol%炭酸
カリウムの混合溶融塩に浸漬し、−0.1V(vs O2
/CO2 ,Au)にポテンショスタットにより160時
間定電位分極した。分極開始後160時間後に流れてい
た電流密度を溶解速度の大小を現すものとして耐食性の
指標とした。また、−0.1Vに対して±10mVの1
00kHzから1mHzの正弦波交流を重畳し、その際
のインピーダンス(交流抵抗)を計測した。高調波解析
を用いて、インピーダンスのどの周波数範囲が皮膜の電
気抵抗に対応する部分かを判定した。
【0024】この高調波解析の際には、−0.1Vに対
して±50mVの100kHzから1mHzの正弦波交
流を重畳し、2次および3次の非線形成分の現れにくい
部分を皮膜抵抗とした。すなわち、電気化学的な電流−
電位の関係(傾きが抵抗に相当)は非線形なバトラー−
フォルマーの関係に従い2次3次の高調波成分が現れる
のに対して、電流−電位の関係が線形なオームの法則に
従う部分では高調波成分が現れにくい。表1の全ての試
験片に対して、高調波解析を行ったところ、100mH
z以下の周波数域で高調波電流が観測されなかったた
め、この周波数領域でのインピーダンスが皮膜の抵抗成
分に対応するとして皮膜抵抗を評価した。表1には、こ
のようにして評価した電流密度と酸化物皮膜の皮膜抵抗
値を示した。表1より、本発明例のNo.7〜9は、溶
融塩中での耐食性と電気伝導性に優れることが分かる。
【0025】図1は、表1の皮膜抵抗と電流密度との関
係を整理したものである。皮膜抵抗と電流密度との間に
相関関係が見られるグループA(No.1〜6)と電流
密度が10μA・cm−2前後で皮膜抵抗が500Ω・
cm2 付近のグループB(No.7〜9)に分けること
ができる。グループAは、耐食性が高いほど皮膜抵抗が
高くなるという従来から知られた関係が成り立つもので
ある。これに対して、グループBは、従来の関係を示さ
ず、今までに知られていない特異な性能を示す鋼種群で
ある。
【0026】そこで、これらステンレス鋼のNi、Cr
量と酸化物皮膜の皮膜抵抗との関係を調べた結果、図2
に示すように、グループAとグループBを分ける境界
は、 100−(Ni+Cr)=−18.75(Ni/Cr)
+87.50 の関係式で与えられることが分かった。
【0027】グループBの本発明例が良好な電気伝導性
を示す要因を把握するために、図3(a)にNo.7、
図3(b)にNo.1の試験片の160時間の定電位試
験後の酸化物皮膜を観察した結果を示す。No.7では
地鉄1表面に形成された酸化物皮膜2内に小さな白い粒
子3が観察された。この粒子は、EPMA分析の結果、
金属Niであることが分かった。グループBの鋼種には
同様に金属Niの析出を観察することができた。このよ
うに、酸化物皮膜中の金属Niは、電極の耐溶融塩腐食
性を向上させると共に、電極全体の電気抵抗を低下させ
る効果を発揮することが分かる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、今まで不可能と考えら
れていた皮膜の電気抵抗低減と耐食性向上とを両立する
ことが可能であり、溶融塩中で使用される安価な電極用
に使用可能であり、溶融塩電解技術の発展に寄与でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化物皮膜の皮膜抵抗と電流密度との関係を示
した図。
【図2】Ni、Cr量と皮膜抵抗との関係を示した図。
【図3】(a)本発明鋼の160時間定電位試験後の酸
化物皮膜の拡大断面模式図。 (b)比較鋼の160時間定電位試験後の酸化物皮膜の
拡大断面模式図。
【符号の説明】
1:地鉄 2:酸化物皮膜 3:Ni粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 3/66 C25D 3/66 17/10 101 17/10 101 17/12 17/12 B H01M 8/14 H01M 8/14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属Niを含む酸化物皮膜を有すること
    を特徴とする溶融塩中での耐食性と電気伝導性に優れた
    溶融塩電気分解電極用ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.10%以下、 Si:1.0%以下、 Mn:1.0%以下、 P :0.10%以下、 S :0.01%以下、 Cr:12%以上40%以下、 Ni:5%以上85%以下、 Mo:0.5%以下、 Cu:0.5%以下、 N :0.3%以下 を含み、かつNiとCrの含有量が 100.00−(Ni+Cr)≧−18.75(Ni/
    Cr)+87.50 の関係を満足し、残部がFeおよび不可避不純物とから
    なることを特徴とする請求項1記載の溶融塩中での耐食
    性と電気伝導性に優れた溶融塩電気分解電極用ステンレ
    ス鋼。
JP8210316A 1996-08-08 1996-08-08 溶融塩中での耐食性と電気伝導性に優れた溶融塩電気分解電極用ステンレス鋼 Pending JPH1053890A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008533296A (ja) * 2005-03-09 2008-08-21 エクストラータ クイーンズランド リミテッド ステンレス鋼電解プレート
JP2010229454A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Fuji Electric Holdings Co Ltd 湿式めっき方法及び湿式めっき装置

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