JPH1054264A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

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JPH1054264A
JPH1054264A JP8212851A JP21285196A JPH1054264A JP H1054264 A JPH1054264 A JP H1054264A JP 8212851 A JP8212851 A JP 8212851A JP 21285196 A JP21285196 A JP 21285196A JP H1054264 A JPH1054264 A JP H1054264A
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敏郎 永田
Masahiko Taniguchi
雅彦 谷口
Mamoru Sawada
護 沢田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両旋回時の挙動を安定させるのに好適な車
両制御装置を提供する。 【解決手段】 車両に搭載されたエンジンのスロットル
バルブをアクセル開度に応じて制御するスロットル制御
回路であって、車両の旋回走行時における横加速度Gが
第1の高レベル判定値GH1を越え(S120:YE
S)、且つ、基本スロットル開度θB が所定の基準値θ
ref よりも小さくエンジン出力が低い場合には(S19
0:YES)、横加速度Gに基づきエンジンの出力増加
量△TE1を求めると共に、該出力増加量△TE1を達成す
るのに必要なスロットル開度補正量△θ1 を演算し(S
170,S180)、基本スロットル開度θB に上記ス
ロットル開度補正量△θ1 を加算して、スロットルバル
ブの目標スロットル開度θT とする(S200)。する
と、エンジン出力が上記出力増加量△TE1だけ増加され
て、駆動輪の横方向力が減少してしまうことを防止で
き、車両の挙動が安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の旋回時の安
定性を確保するための車両制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、車両の旋回時には、図7に示
す如く、車輪の進行方向に対してスリップ角α(横すべ
り角)が生じると共に、車輪としてのタイヤに転がり抵
抗Fxと横方向力(以下、横力という)Fyが発生す
る。そして、図8に示すように、車輪の横力Fyは、車
輪に加わる減速方向の力(制動力)が大きくなるほど、
また、車輪に加わる加速方向の力(駆動力)が大きくな
るほど、小さくなる。
【0003】よって、例えば、車両の旋回走行中にブレ
ーキ操作が行われた時(所謂、旋回制動時)には、車輪
の横力Fyが低下して、車両がスピンする傾向がある。
そこで、このような旋回制動時のスピン傾向を防止する
ための技術として、例えば特開平1−178060号公
報には、ブレーキ液通路の中途部にブレーキ液の液圧を
制御するための電磁弁を設け、車両が旋回制動状態であ
ることを検出すると、上記電磁弁を駆動して、旋回中心
内方側の車輪のブレーキ液圧を減少させた状態に保持
し、これにより、車輪に加わる制動力を低下させて、車
輪の横力Fyを増加させるようにする技術が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示の技術は、ブレーキ液通路に設けた電磁弁を駆
動することにより、車輪の横力Fyを増加させるもので
あるため、車両の旋回制動状態が長時間続くような緩制
動時には、上記電磁弁が連続通電されることとなり、電
磁弁の性能が劣化したり、或いは、発熱によって電磁弁
のコイル同士が溶着してしまう虞があり、信頼性を向上
させるのには限度がある。
【0005】一方、図9に示すように、車輪の転がり抵
抗Fxは、スリップ角αに応じて大きくなるが、このよ
うに転がり抵抗Fxが大きくなると、車輪に加わる制動
力が大きくなったのと同じこととなり、車輪の横力Fy
は小さくなる。よって、ブレーキ操作が行われていない
通常走行時において、例えば図8に示すように、エンジ
ン及び変速機等からなる動力系から車輪(詳しくは、駆
動輪)に伝達される駆動力が比較的小さい値K1であっ
た場合に、車両の旋回状態の度合が急になって(スリッ
プ角αが大きくなって)転がり抵抗Fxが大きくなる
と、矢印J1の如く車輪の駆動力K1が転がり抵抗Fx
に負けて、横力Fyが△Fy1だけ減少してしまい、こ
の結果、旋回走行時の車両挙動が不安定になってしま
う。
【0006】ところが、上記公報に開示の技術は、車輪
のブレーキ液圧を減少させて、車輪の横力Fyを増加さ
せるものであるため、上述の如くブレーキ操作が行われ
ていない通常の旋回走行時には、車両の挙動を安定させ
ることができなかった。本発明は、こうした問題に鑑み
なされたものであり、車両の旋回時の挙動を安定させる
のに好適な車両制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記目
的を達成するためになされた請求項1に記載の車両制御
装置においては、旋回状態検出手段が、車両の旋回状態
を検出し、駆動力増加手段が、旋回状態検出手段により
検出される旋回状態が所定の度合を越えている場合に、
車両の動力系から車両の駆動輪に伝達される駆動力を所
定量だけ増加させる。
【0008】ここで、旋回状態とは、車両が旋回走行し
ている時の旋回の度合である。そして、旋回状態検出手
段は、例えば、請求項9に記載のように、車両の横加速
度,車両の左右の車輪速度,及び車両の操舵角(ハンド
ルの操作角度)のうち、少なくとも何れか1つの情報に
基づき車両の旋回状態を検出するように構成することが
できる。
【0009】また、車両の動力系とは、車両の駆動輪に
駆動力を伝達するためのエンジン及び変速機等からなる
部分であり、駆動力増加手段は、変速機の変速比を変更
することで駆動輪に伝達される駆動力を増加させたり、
或いは、請求項8に記載のように、エンジンの出力を増
加させることにより、駆動輪に伝達される駆動力を増加
させるように構成することができる。
【0010】このような本発明の車両制御装置によれ
ば、車両の旋回制動時において、その旋回状態が所定の
度合を越えると、車両の動力系から駆動輪に伝達される
駆動力が所定量だけ増加されるため、図8の矢印J2に
示すように、駆動輪に加わる減速方向の力が小さくな
り、その分(図8の△Fy2参照)、駆動輪の横力Fy
が増加する。よって、旋回制動時の車両挙動を安定させ
ることができる。
【0011】また、車輪に制動力が加わっていない旋回
走行時においても、旋回状態が所定の度合を越えると、
動力系から駆動輪に伝達される駆動力が所定量だけ増加
されるため、図8の矢印J1で示したように車輪の駆動
力が転がり抵抗Fxに負けて横力Fyが減少してしまう
ことを防止でき、この結果、通常の旋回走行時の車両挙
動を安定させることができる。
【0012】このように、本発明の車両制御装置によれ
ば、車両の旋回時の挙動を確実に安定させることがで
き、しかも、前述した従来装置のようにブレーキ液通路
に設けた電磁弁を駆動する、といった手法を用いること
なく、上記効果を得ることができるため、装置の信頼性
を大幅に向上させることができる。
【0013】次に、請求項2に記載の車両制御装置で
は、請求項1に記載の車両制御装置に対して、更に、車
両の駆動輪に制動力が加わっているか否かを検出する制
動検出手段を備えている。そして、駆動力増加手段は、
旋回状態検出手段により検出される旋回状態が所定の度
合を越えており、且つ、制動検出手段により駆動輪に制
動力が加わっていると検出されている場合に、動力系か
ら駆動輪に伝達される駆動力を所定量だけ増加させる。
【0014】尚、駆動輪に加わる制動力とは、車両のブ
レーキペダルが操作された場合にブレーキ装置によって
加えられる制動力はもとより、運転者がアクセルペダル
を放した際にブレーキ装置を自動的に作動させる所謂自
動ブレーキや、運転者がアクセルペダルを放した際のエ
ンジンブレーキ(特に、変速機の変速比が大きい時の急
激なエンジンブレーキ)によって、駆動輪に加えられる
減速方向の力を含むものである。
【0015】そして、制動検出手段は、請求項5に記載
のように、車両のブレーキペダルが操作されたことを検
出することにより、駆動輪に制動力が加わっているか否
かを検出するように構成することができる。また、制動
検出手段は、例えば、アクセルペダルが踏込み状態から
急に放された時のエンジン回転数と変速機の変速比とが
所定値以上であった場合に、駆動輪に制動力が加わって
いると検出するように構成することもできる。
【0016】このような請求項2に記載の車両制御装置
によれば、車両の旋回状態が所定の度合を越えており且
つ駆動輪に制動力が加わっている場合、即ち、車両が旋
回制動の状態にある場合にだけ、動力系から駆動輪に伝
達される駆動力が所定量増加される。
【0017】よって、請求項1に記載の車両制御装置と
同様に旋回制動時の車両挙動を安定させることができ、
また、駆動輪に制動力が加わっていない旋回走行時にお
いては、駆動輪への駆動力が増加されないため、熟練し
た運転技術を有する者が車両を旋回走行させた場合に、
その運転者の意に反して駆動力が増加されることがな
い。
【0018】次に、請求項3に記載の車両制御装置で
は、請求項1に記載の車両制御装置に対して、更に、動
力系から駆動輪に伝達されている駆動力が所定値以下で
あるか否かを判定する駆動力判定手段を備えている。そ
して、駆動力増加手段は、旋回状態検出手段により検出
される旋回状態が所定の度合を越えており、且つ、駆動
力判定手段により肯定判定されている場合に(動力系か
ら駆動輪に伝達されている駆動力が所定値以下である場
合に)、動力系から駆動輪に伝達される駆動力を所定量
だけ増加させる。
【0019】このような請求項3に記載の車両制御装置
によれば、車両の旋回状態が所定の度合を越えており且
つ動力系から駆動輪に伝達されている駆動力が所定値以
下である場合にだけ、動力系から駆動輪に伝達される駆
動力が所定量増加される。よって、駆動輪に制動力が加
わっていない旋回走行時において、運転者がアクセルペ
ダルを所定量踏み込んでおり、図8の矢印J1で示した
ように車輪の駆動力が転がり抵抗Fxに負けて横力Fy
が減少することが無い場合には、駆動輪に伝達される駆
動力は増加されず、駆動輪に伝達されている駆動力が転
がり抵抗Fxに負けて横力Fyが減少するような場合に
だけ、駆動輪への駆動力を増加させて車輪の横力Fyを
増加させることができる。従って、請求項3に記載の車
両制御装置によれば、旋回走行時の車両挙動を確実に安
定させることができる。
【0020】次に、請求項4に記載の車両制御装置で
は、請求項1に記載の車両制御装置に対して、更に、駆
動輪に制動力が加わっているか否かを検出する制動検出
手段と、動力系から駆動輪に伝達されている駆動力が所
定値以下であるか否かを判定する駆動力判定手段とを備
えている。
【0021】そして、駆動力増加手段は、旋回状態検出
手段により検出される旋回状態が所定の度合を越えてお
り、且つ、制動検出手段により駆動輪に制動力が加わっ
ていないと検出されていると共に駆動力判定手段により
肯定判定されている場合に(動力系から駆動輪に伝達さ
れている駆動力が所定値以下である場合に)、動力系か
ら駆動輪に伝達される駆動力を第1の所定量だけ増加さ
せ、また、旋回状態検出手段により検出される旋回状態
が所定の度合を越えており、且つ、制動検出手段により
駆動輪に制動力が加わっていると検出されている場合
に、動力系から駆動輪に伝達される駆動力を第1の所定
量よりも大きい第2の所定量だけ増加させる。
【0022】つまり、請求項4に記載の車両制御装置で
は、駆動輪に制動力が加わっていない通常の旋回走行時
よりも、旋回制動時の方が車輪の横力Fyは大きく低下
するという点に着目し、駆動輪に制動力が加わっておら
ず動力系から駆動輪に伝達されている駆動力が所定値以
下である場合の旋回走行時の駆動力増加量(上記第1の
増加量)よりも、旋回制動時の駆動力増加量(上記第2
の増加量)の方を、大きくするようにしている。
【0023】よって、このような請求項4に記載の車両
制御装置によれば、前述した請求項2に記載の車両制御
装置による効果と、請求項3に記載の車両制御装置によ
る効果とを、合わせて得ることができる上に、旋回制動
時と制動を伴わない旋回走行時とのあらゆる旋回時の車
両挙動を適切に安定させることができる。
【0024】次に、請求項5に記載の車両制御装置で
は、請求項2又は請求項4に記載の車両制御装置におい
て、制動検出手段が、車両のブレーキペダルが操作され
たことを検出することにより、駆動輪に制動力が加わっ
ているか否かを検出するように構成されている。そし
て、この構成によれば、駆動輪に制動力が加わっている
ことを簡単且つ確実に検出することができる。
【0025】次に、請求項6に記載の車両制御装置で
は、請求項2、請求項4及び請求項5の何れかに記載の
車両制御装置において、駆動力増加手段は、旋回状態検
出手段により検出される旋回状態が所定の度合を越えて
おり、且つ、制動検出手段により駆動輪に制動力が加わ
っていると検出されている場合に、駆動輪に加えられて
いる制動力に応じて該制動力が大きいほど、駆動輪に伝
達される駆動力を大きく増加させる。
【0026】つまり、図8に示したように、車輪の横力
Fyは車輪に加わる制動力(減速方向の力)が大きくな
るほど小さくなるため、請求項6に記載の車両制御装置
では、駆動輪に加わる制動力が大きいほど、駆動輪に伝
達される駆動力を大きく増加して、駆動輪の横力Fyを
常に大きな値に保つようにしている。よって、このよう
な請求項6に記載の車両制御装置によれば、旋回制動時
の車両挙動を一層確実に安定させることができる。
【0027】次に、請求項7に記載の車両制御装置で
は、請求項1ないし請求項6の何れかに記載の車両制御
装置において、駆動力増加手段は、旋回状態検出手段に
より検出される車両の旋回状態に応じて該旋回状態が急
なほど、駆動輪に伝達される駆動力を大きく増加させ
る。
【0028】つまり、図8及び図9に示したように、車
両の旋回状態が急になるほど(スリップ角αが大きくな
るほど)、車輪の転がり抵抗Fxが大きくなり、これに
伴って車輪の横力Fyが小さくなるため、請求項7に記
載の車両制御装置では、車両の旋回状態が急なほど、駆
動輪に伝達される駆動力を大きく増加して、駆動輪の横
力Fyを常に大きな値に保つようにしている。よって、
このような請求項7に記載の車両制御装置によれば、車
両の旋回時の挙動を一層確実に安定させることができ
る。
【0029】一方、請求項8に記載の車両制御装置で
は、請求項1ないし請求項7の何れかに記載の車両制御
装置において、駆動力増加手段が、車両に搭載されたエ
ンジンの出力を増加させることにより、駆動輪に伝達さ
れる駆動力を増加させるように構成されている。尚、エ
ンジンの出力を増加させるには、エンジンの吸気系に設
けられたスロットルバルブの開度を調節したり、或い
は、エンジンの点火時期や燃料噴射量を調節するといっ
た構成を採ることができる。
【0030】そして、このような請求項8に記載の車両
制御装置によれば、駆動輪に伝達される駆動力を簡単な
構成で増加させることができる。一方また、請求項9に
記載の車両制御装置では、請求項1ないし請求項8の何
れかに記載の車両制御装置において、旋回状態検出手段
が、車両の横加速度,車両の左右の車輪速度,及び車両
の操舵角のうち、少なくとも何れか1つの情報に基づ
き、車両の旋回状態を検出するように構成されている。
そして、このような請求項9に記載の車両制御装置によ
れば、車両の旋回状態を簡単に検出することができる。
【0031】尚、駆動力増加手段は、旋回状態検出手段
が車両の横加速度に基づき旋回状態を検出する場合に
は、検出される横加速度が所定値以上になった場合に、
駆動輪に伝達される駆動力を増加させれば良く、また、
旋回状態検出手段が左右の車輪速度に基づき旋回状態を
検出する場合には、検出される左右の車輪速度の差が所
定値以上になった場合に、駆動輪に伝達される駆動力を
増加させれば良い。また更に、旋回状態検出手段が車両
の操舵角に基づき旋回状態を検出する場合には、駆動力
増加手段は、その検出される操舵角が所定値以上になっ
た場合に、駆動輪に伝達される駆動力を増加させれば良
い。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。尚、本発明は、下記の実施の
形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に
属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもな
い。
【0033】この実施の形態は、図1に示す様に、エン
ジン(内燃機関)2を動力源とするフロントエンジン・
リヤドライブ(FR)方式の車両についてのものであ
る。図に示す如く、エンジン2の吸気通路4には、吸入
空気の脈動を抑えるサージタンク4aが形成され、その
上流には、スロットル駆動モータ10により開閉される
スロットルバルブ12が設けられている。このスロット
ルバルブ12はアクセル6によって直接開閉されるもの
ではなく、所謂リンクレススロットルである。
【0034】アクセル6及びスロットルバルブ12に
は、それぞれの開度を検出するアクセル開度センサ14
及びスロットル開度センサ16が設けられており、これ
ら各センサからの検出信号はスロットル制御回路20に
入力されている。エンジン2へ燃料を供給する燃料噴射
弁24は、公知の内燃機関制御回路26からの燃料噴射
指令に基づき作動する。燃料噴射指令は、エンジン2の
運転状態に適合して決定されるもので、サージタンク4
aの圧力を検出する吸気圧センサ28をはじめとする各
種センサからの情報を、内燃機関制御回路26の燃料噴
射指令プログラムに基づき処理することで作成される。
【0035】スロットル制御回路20には、上述のアク
セル開度センサ14及びスロットル開度センサ16の他
に、エンジン回転速度センサ30、従動輪速度センサ3
2FL,32FR、駆動輪速度センサ40、変速比センサ4
2、旋回状態検出手段としての横加速度センサ44、及
び制動検出手段としてのブレーキスイッチ46等からの
検出信号も入力されるようになっている。そして、スロ
ットル制御回路20は、これらの入力信号に基づいてス
ロットル駆動モータ10を駆動し、スロットルバルブ1
2の開度を制御する処理を実行している。
【0036】ここで、エンジン回転速度センサ30は、
エンジン2のクランク軸2aの回転速度を検出するもの
であり、内燃機関制御回路26による燃料噴射指令の作
成にも利用される。従動輪速度センサ32FL,32FR
は、左右従動輪(即ち、左右前輪)22FL,22FRの回
転速度をそれぞれ検出するためのセンサであり、トラク
ションコントロール等を実施する場合は、その検出信号
が車両の車体速度の推定に利用される。
【0037】駆動輪速度センサ40は、左右駆動輪(即
ち、左右後輪)22RL,22RRの平均回転速度(駆動輪
速度)を検出するためのセンサで、クランク軸2aの回
転をプロペラシャフト34及びディファレンシャルギヤ
36を介して左右駆動輪22RL,22RRに伝達する変速
機38の出力軸に設けられる。
【0038】変速比センサ42は、変速機38の変速比
を検出するためのものであり、駆動輪速度センサ40と
同様に変速機38に備えられている。また、横加速度セ
ンサ44は公知の半導体式Gセンサであり、この横加速
度センサ44により、車両旋回時に車体に加わる横加速
度が検出される。
【0039】そして、ブレーキスイッチ46は、図示し
ないブレーキペダルが踏込操作されるとON状態となる
スイッチであり、このブレーキスイッチ46がONした
ことを検出することにより、各車輪22FL〜22RRに制
動力が加えられていることが検出される。
【0040】次に、スロットル制御回路20について更
に詳しく説明する。スロットル制御回路20は、CP
U,ROM,RAM等を備えるマイクロコンピュータを
中心に構成されており、ROMには、エンジン回転速度
センサ30によって検出されるエンジン2の回転速度
と、アクセル開度センサ14によって検出されるアクセ
ル6の開度とに応じて、スロットルバルブ12の基本開
度(以下、基本スロットル開度という)θB を算出する
ための「基本スロットル開度マップ」(図示省略)が記
憶されている。
【0041】また、スロットル制御回路20のROMに
は、図2(a)に示すように、横加速度センサ44によ
って検出される横加速度Gと、エンジン2の出力増加量
△TE との関係を表す「エンジン出力増加量マップ」が
記憶されている。尚、図2(a)における2本の実線で
示す様に、エンジン出力増加量マップとしては、車輪2
2FL〜22RRに制動力が加わっていない通常の旋回走行
時に用いられる第1の関係M1と、車輪22FL〜22RR
に制動力が加わっている旋回制動時に用いられる第2の
関係M2との、2つの関係M1,M2が用意されてい
る。そして、第1の関係M1は、横加速度Gが第1の低
レベル判定値GL1を越えた場合に出力増加量△TE が一
定の第1所定量E1となるように設定されており、第2
の関係M2は、横加速度Gが第2の低レベル判定値GL2
を越えた場合に出力増加量△TE が上記第1所定量E1
よりも大きい一定の第2所定量E2となるように設定さ
れている。
【0042】また更に、スロットル制御回路20のRO
Mには、図2(b)に示す様に、エンジン2の出力増加
量△TE と当該出力増加量△TE を達成するのに必要な
スロットルバルブ12の開度の補正量(以下、スロット
ル開度補正量という)△θとの関係を表す「スロットル
開度補正量マップ」も記憶されている。図2(b)から
分かる様に、スロットル開度補正量△θは、エンジン2
の出力増加量△TE が大きくなるほど、大きな値に設定
されるようになっている。
【0043】尚、図2(a),(b)はイメージであっ
て、実際の各マップは、これらの図の関係を数値データ
化したものである。次に、スロットル制御回路20がス
ロットルバルブ12の開度を制御するために実行する処
理について説明する。
【0044】まず、スロットル制御回路20は、図示し
ない基本スロットル開度設定処理を定期的に実行するこ
とにより、エンジン回転速度センサ30によって検出さ
れるエンジン2の回転速度と、アクセル開度センサ14
によって検出されるアクセル6の開度とに基づき、前述
した「基本スロットル開度マップ」を用いて、スロット
ルバルブ12の基本スロットル開度θB を演算する。
【0045】そして、スロットル制御回路20は、後述
する旋回走行時出力補正処理(図3)と旋回制動時出力
補正処理(図4)とを、夫々、所定時間毎に実行するこ
とにより、上記演算した基本スロットル開度θB を車両
の旋回状態(本実施の形態では横加速度G)に応じて補
正して、スロットルバルブ12の目標スロットル開度θ
T を求める。
【0046】そして更に、スロットル制御回路20は、
図示しない駆動制御処理を定期的に実行することによ
り、スロットル開度センサ16により検出されるスロッ
トルバルブ12の実際の開度が、上記求めた目標スロッ
トル開度θT となるように、スロットル駆動モータ10
を駆動する。尚、この駆動制御処理では、スロットルバ
ルブ12の開度を制御するに当り、後述の旋回走行時出
力補正処理と旋回制動時出力補正処理とによって夫々求
めた目標スロットル開度θT のうち、値が大きい方の目
標スロットル開度θT を優先して用いる。
【0047】そこで以下、スロットル制御回路20が実
行する、本実施の形態の特徴部分である旋回走行時出力
補正処理と旋回制動時出力補正処理とについて、図3,
図4のフローチャートに基づき説明する。まず、図3
は、旋回走行時出力補正処理を表すフローチャートであ
る。尚、この処理は、車輪22FL〜22RRに制動力が加
わっていない通常の旋回走行時に、エンジン2の出力を
車両の旋回状態(横加速度G)に応じて増加させるため
に実行されるものである。
【0048】図3に示すように、スロットル制御回路2
0が旋回走行時出力補正処理の実行を開始すると、ま
ず、ステップ(以下、単に「S」と記す)110にて、
ブレーキスイッチ46のON・OFF状態に基づき車両
が制動中であるか否かを判定する、制動検出手段として
の処理を実行する。
【0049】そして、S110にて制動中ではないと判
定した場合(つまり、ブレーキスイッチ46がOFFの
場合)には、S120に進んで、横加速度センサ44に
より検出される車体の横加速度Gが、前述した第1の低
レベル判定値GL1より大きい値に設定された第1の高レ
ベル判定値GH1(>GL1)よりも大きいか否かを判定
し、横加速度Gが第1の高レベル判定値GH1よりも大き
ければ、S130に進んで、旋回走行時制御フラグFLG
1 に「1」をセットする。
【0050】また、S120にて横加速度Gが第1の高
レベル判定値GH1よりも大きくないと判定した場合に
は、S140に移行して、横加速度Gが第1の低レベル
判定値GL1よりも小さいか否かを判定し、横加速度Gが
第1の低レベル判定値GL1よりも小さければ、続くS1
50にて、旋回走行時制御フラグFLG1 に「0」をセッ
トする(旋回走行時制御フラグFLG1 をクリアする)。
【0051】そして、S130及びS150の内の何れ
かの処理を実行した場合、或いは、S140にて、横加
速度Gが第1の低レベル判定値GL1よりも小さくないと
判定した場合(即ち、横加速度Gが第1の高レベル判定
値GH1以下で且つ第1の低レベル判定値GL1以上である
場合)には、S160に進む。
【0052】S160では、旋回走行時制御フラグFLG
1 が「1」であるか否かを判定し、「1」であれば、S
170に進み、その時点における車体の横加速度Gに基
づき、図2(a)に示したエンジン出力増加量マップの
第1の関係M1を用いて、エンジン2の出力増加量△T
E を演算し、その値を旋回走行時出力増加量△TE1とし
てRAMに記憶する。尚、本実施の形態では、図2
(a)に示した様に、旋回走行時出力増加量△TE1とし
て第1所定量E1が記憶される。
【0053】そして、続くS180にて、現在RAMに
記憶されている旋回走行時出力増加量△TE1に基づき、
図2(b)に示したスロットル開度補正量マップを用い
て、スロットル開度補正量△θを演算し、その値を旋回
走行時開度補正量△θ1 としてRAMに記憶する。
【0054】そして更に、続くS190にて、前述の基
本スロットル開度設定処理(図示省略)で演算した最新
の基本スロットル開度θB が、所定の基準値θref より
も小さいか否かを判定し、基本スロットル開度θB が基
準値θref よりも小さい場合には、S200に進む。
【0055】尚、上記基準値θref は、スロットルバル
ブ12の開度が当該値θref よりも小さい場合のエンジ
ン出力では、駆動輪22RL,22RRに伝達される駆動力
が旋回走行時に生じる転がり抵抗Fxに負けて車輪の横
力Fyが低下してしまう、といった値である。そして、
本実施の形態では、上記S190の判定により、動力系
から駆動輪22RL,22RRに伝達されている駆動力が所
定値以下であるか否かを判定する駆動力判定手段として
の処理を行っている。また、図9に示したように、車輪
の転がり抵抗Fxは、車両の旋回状態が急になるほど
(スリップ角αが大きくなるほど)大きくなるため、本
実施の形態では、上記基準値θref を、その時点におけ
る車体の横加速度Gが大きい場合ほど、大きな値に設定
するようにしている。
【0056】そして、S200では、現在の基本スロッ
トル開度θB に、S180で記憶した旋回走行時開度補
正量△θ1 を加算して、その加算後の値(θB +△θ1
)をスロットルバルブ12の目標スロットル開度θT
としてRAMに記憶する。すると、前述の如く別途実行
される駆動制御処理(図示省略)により、スロットルバ
ルブ12の開度が上記目標スロットル開度θT に制御さ
れ、エンジン2の出力が旋回走行時出力増加量△TE1だ
け増加されることとなる。
【0057】そして、このS200の処理を実行した
後、当該旋回走行時出力補正処理を一旦終了する。一
方、S160にて、旋回走行時制御フラグFLG1 が
「1」でないと判定した場合には、S210に移行す
る。そして、前回のS180で旋回走行時開度補正量△
θ1 を求めるのに使用した旋回走行時出力増加量△TE1
(n-1) に所定の減衰率D1(<1)を乗じ、その乗算後
の値を、今回の旋回走行時出力増加量△TE1としてRA
Mに記憶した後、S180に進む。よって、S160で
旋回走行時制御フラグFLG1 が「1」でないと判定した
場合には、旋回走行時出力増加量△TE1が、当該旋回走
行時出力補正処理の実行毎に、第1所定量E1から減衰
率D1ずつ減少していき、それに応じて、S180でR
AMに記憶される旋回走行時開度補正量△θ1 も徐々に
減少することとなる。
【0058】また、前述したS110にて、制動中であ
ると判定した場合(つまり、ブレーキスイッチ46がO
Nの場合)には、S220に移行する。そして、このS
220にて、旋回走行時出力増加量△TE1,旋回走行時
開度補正量△θ1 ,及び旋回走行時制御フラグFLG1 の
各々に「0」をセットして初期化を行い、その後、S2
00に進む。よって、S110にて制動中であると判定
されると、少なくとも当該旋回走行時出力補正処理によ
っては、基本スロットル開度θB が、そのまま目標スロ
ットル開度θT として設定されることとなる。
【0059】つまり、旋回走行時出力補正処理では、車
輪22FL〜22RRに制動力が加わっていない通常の旋回
走行時において、車体の横加速度Gが第1の高レベル判
定値GH1を越えており、且つ、基本スロットル開度θB
が基準値θref よりも小さいと判定すると(S110:
NO,S120:YES,S190:YES)、基本ス
ロットル開度θB に旋回走行時開度補正量△θ1 を加算
した値を、スロットルバルブ12の目標スロットル開度
θT とし、これにより、エンジン2の出力を旋回走行時
出力増加量△TE1(第1所定量E1)だけ増加させるよ
うにしている(S160:YES,S170〜S20
0)。そして、その後、横加速度Gが第1の低レベル判
定値GL1よりも小さくなると(S140:YES)、旋
回走行時開度補正量△θ1 を求めるための旋回走行時出
力増加量△TE1を所定の減衰率D1で減少させ、目標ス
ロットル開度θT を、基本スロットル開度θB に徐々に
戻すようにしている(S160:NO,S210,S1
80〜S200)。
【0060】次に、図4は、旋回制動時出力補正処理を
表すフローチャートである。尚、この処理は、車輪22
FL〜22RRに制動力が加わっている旋回制動時に、エン
ジン2の出力を車両の旋回状態(横加速度G)に応じて
増加させるために実行されるものである。
【0061】図4に示すように、スロットル制御回路2
0が旋回制動時出力補正処理の実行を開始すると、まず
S310にて、前述したS110の場合と同様に、ブレ
ーキスイッチ46のON・OFF状態に基づき車両が制
動中であるか否かを判定する、制動検出手段としての処
理を実行する。
【0062】そして、S130にて制動中であると判定
した場合(つまり、ブレーキスイッチ46がONの場
合)には、S320に進んで、横加速度センサ44によ
り検出される車体の横加速度Gが、前述した第2の低レ
ベル判定値GL2より大きい値に設定された第2の高レベ
ル判定値GH2(>GL2)よりも大きいか否かを判定し、
横加速度Gが第2の高レベル判定値GH2よりも大きけれ
ば、S330に進んで、旋回制動時制御フラグFLG2 に
「1」をセットする。
【0063】また、S320にて横加速度Gが第2の高
レベル判定値GH2よりも大きくないと判定した場合に
は、S340に移行して、横加速度Gが第2の低レベル
判定値GL2よりも小さいか否かを判定する。そして、こ
のS340にて横加速度Gが第2の低レベル判定値GL2
よりも小さいと判定した場合、或いは、前述のS310
にて制動中ではないと判定した場合には、S350に進
んで、旋回制動時制御フラグFLG2 に「0」をセットす
る(旋回制動時制御フラグFLG2 をクリアする)。
【0064】そして、S330及びS350の内の何れ
かの処理を実行した場合、或いは、S340にて、横加
速度Gが第2の低レベル判定値GL2よりも小さくないと
判定した場合(即ち、横加速度Gが第2の高レベル判定
値GH2以下で且つ第2の低レベル判定値GL2以上である
場合)には、S360に進む。
【0065】S360では、旋回制動時制御フラグFLG
2 が「1」であるか否かを判定し、「1」であれば、S
370に進み、その時点における車体の横加速度Gに基
づき、図2(a)に示したエンジン出力増加量マップの
第2の関係M2を用いて、エンジン2の出力増加量△T
E を演算し、その値を旋回制動時出力増加量△TE2とし
てRAMに記憶する。尚、本実施の形態では、図2
(a)に示した様に、旋回制動時出力増加量△TE2とし
て、第1所定量E1よりも大きい第2所定量E1が記憶
される。
【0066】そして、続くS380にて、現在RAMに
記憶されている旋回制動時出力増加量△TE2に基づき、
図2(b)に示したスロットル開度補正量マップを用い
て、スロットル開度補正量△θを演算し、その値を旋回
制動時開度補正量△θ2 としてRAMに記憶する。
【0067】そして更に、続くS390にて、現在の基
本スロットル開度θB に、S380で記憶した旋回制動
時開度補正量△θ2 を加算して、その加算後の値(θB
+△θ2 )をスロットルバルブ12の目標スロットル開
度θT としてRAMに記憶する。すると、前述の如く別
途実行される駆動制御処理(図示省略)により、スロッ
トルバルブ12の開度が上記目標スロットル開度θT に
制御され、エンジン2の出力が旋回制動時出力増加量△
TE2だけ増加されることとなる。
【0068】そして、このS390の処理を実行した
後、当該旋回制動時出力補正処理を一旦終了する。一
方、S360にて、旋回制動時制御フラグFLG2 が
「1」でないと判定した場合には、S400に移行す
る。そして、前回のS380で旋回制動時開度補正量△
θ2 を求めるのに使用した旋回制動時出力増加量△TE2
(n-1) に所定の減衰率D2(<1)を乗じ、その乗算後
の値を、今回の旋回制動時出力増加量△TE2としてRA
Mに記憶した後、S380に進む。
【0069】よって、S360で旋回制動時制御フラグ
FLG2 が「1」でないと判定した場合には、旋回制動時
出力増加量△TE2が、当該旋回制動時出力補正処理の実
行毎に、第2所定量E2から減衰率D2ずつ減少してい
き、それに応じて、S380でRAMに記憶される旋回
制動時開度補正量△θ2 も徐々に減少することとなる。
そして、旋回制動時開度補正量△θ2 の値が「0」とな
った後は、S390の処理により、基本スロットル開度
θB が、そのまま目標スロットル開度θT として設定さ
れることとなる。
【0070】つまり、旋回制動時出力補正処理では、車
輪22FL〜22RRに制動力が加わっている旋回制動時に
おいて、車体の横加速度Gが第2の高レベル判定値GH2
を越えていると判定すると(S310:YES,S32
0:YES)、基本スロットル開度θB に旋回制動時開
度補正量△θ2 を加算した値を、スロットルバルブ12
の目標スロットル開度θT とし、これにより、エンジン
2の出力を旋回制動時出力増加量△TE2(第2所定量E
2)だけ増加させるようにしている(S360:YE
S,S370〜S390)。そして、その後、制動中で
なくなるか、或いは、横加速度Gが第2の低レベル判定
値GL2よりも小さくなると(S310:NO,S34
0:YES)、旋回制動時開度補正量△θ2 を求めるた
めの旋回制動時出力増加量△TE2を所定の減衰率D2で
減少させ、目標スロットル開度θT を、基本スロットル
開度θB に徐々に戻すようにしている(S360:N
O,S400,S380,S390)。
【0071】尚、本実施の形態では、旋回走行時出力補
正処理(図3)のS120〜S180,S200〜S2
20と、旋回制動時出力補正処理(図4)のS320〜
S400とが、駆動力増加手段としての処理に相当して
いる。次に、旋回走行時出力補正処理及び旋回制動時出
力補正処理による作用について、図5,図6を用いて説
明する。例えば図5に示すように、運転者によりブレー
キ操作が行われておらず(ブレーキスイッチ46がOF
Fであり)、且つ、基本スロットル開度θB が基準値θ
ref よりも小さい場合に、車体の横加速度Gが第1の高
レベル判定値GH1を越えると、旋回走行時出力補正処理
のS170〜S200が実行されて、基本スロットル開
度θB に旋回走行時開度補正量△θ1 を加算した値が、
スロットルバルブ12の目標スロットル開度θT として
設定され、これにより、エンジン2の出力が旋回走行時
出力増加量△TE1(第1所定量E1)だけ増加される。
【0072】すると、駆動輪22RL,22RRに伝達され
る駆動力が増加するため、図8の矢印J1に示したよう
に駆動輪22RL,22RRの駆動力が転がり抵抗Fxに負
けて駆動輪22RL,22RRの横力Fyが減少してしま
う、といった現象を防止でき、車両の旋回走行時の挙動
を安定させることができる。
【0073】そして、横加速度Gが第1の低レベル判定
値GL1を下回ると、旋回走行時出力補正処理のS210
及びS180〜S200が実行されて、目標スロットル
開度θT が、基本スロットル開度θB にまで徐々に減少
していき、通常のスロットルバルブ制御に戻ることとな
る。
【0074】一方、例えば図6に示すように、車体の横
加速度Gが第2の高レベル判定値GH2を越えている状態
で、運転者によりブレーキ操作が行われると(ブレーキ
スイッチ46がONになると)、旋回制動時出力補正処
理のS370〜S390が実行されて、基本スロットル
開度θB に旋回制動時開度補正量△θ2 を加算した値
が、スロットルバルブ12の目標スロットル開度θT と
して設定され、これにより、エンジン2の出力が旋回制
動時出力増加量△TE2(第2所定量E2)だけ増加され
る。
【0075】すると、この場合も駆動輪22RL,22RR
に伝達される駆動力が増加するため、図8の矢印J2に
示すように、駆動輪22RL,22RRに加わる減速方向の
力が小さくなり、その分(図8の△Fy2参照)、駆動
輪22RL,22RRの横力Fyが増加する。よって、車両
の旋回制動時の挙動を安定させることができる。
【0076】そして、横加速度Gが第2の低レベル判定
値GL2を下回ると、旋回制動時出力補正処理のS40
0,S380,及びS390が実行されて、目標スロッ
トル開度θT が、基本スロットル開度θB にまで徐々に
減少していき、通常のスロットルバルブ制御に戻ること
となる。
【0077】以上詳述したように、本実施の形態では、
ブレーキ操作が行われていない旋回走行時において、車
体の横加速度Gが第1の高レベル判定値GH1を越えてお
り、且つ、基本スロットル開度θB が基準値θref より
も小さくて、駆動輪22RL,22RRの駆動力が転がり抵
抗Fxに負けて横力Fyが減少してしまうような場合、
或いは、ブレーキ操作が行われている旋回制動時におい
て、車体の横加速度Gが第2の高レベル判定値GH2を越
えている場合に、エンジン2の出力を増加して、駆動輪
22RL,22RRに伝達される駆動力を増加させている。
【0078】よって、本実施の形態によれば、旋回制動
時と制動を伴わない旋回走行時とのあらゆる旋回時にお
ける駆動輪22RL,22RRの横力Fyを、大きな値に保
つことができ、この結果、車両の挙動を確実に安定させ
ることができる。しかも、前述した特開平1−1780
60号公報に開示の従来装置のようにブレーキ液通路に
設けた電磁弁を駆動する、といった手法を用いることな
く、上記効果を得ることができるため、装置の信頼性を
大幅に向上させることができる。
【0079】また、本実施の形態では、制動を伴わない
旋回走行時におけるエンジン2の出力増加量△TE (旋
回走行時出力増加量△TE1:第1所定量E1)よりも、
旋回制動時におけるエンジン2の出力増加量△TE (旋
回制動時出力増加量△TE2:第2所定量E2)の方が大
きい値となるようにしている。これは、駆動輪22RL,
22RRに制動力が加わっていない通常の旋回走行時より
も、旋回制動時の方が、駆動輪22RL,22RRに加わる
減速方向の力が大きく、それに応じて車輪の横力Fyが
大きく低下するからである。
【0080】よって、このような本実施の形態によれ
ば、車両旋回時の挙動をより適切に安定させることがで
きる。ところで、上記実施の形態において、旋回走行時
出力補正処理と旋回制動時出力補正処理とで用いるエン
ジン出力増加量マップは、出力増加量△TE が横加速度
Gの値に拘らず一定量E1,E2となるものであった
が、図2(a)における一点鎖線と二点鎖線で示す様
に、エンジン出力増加量マップとして、車体の横加速度
Gが大きいほど、出力増加量△TE が大きい値に設定さ
れるものを用いるようにしても良い。そして、このよう
に構成すれば、車両の旋回状態が急になるほど大きくな
る車輪の転がり抵抗Fxに応じて、駆動輪22RL,22
RRに伝達される駆動力を適切に増加させることができ、
車両の旋回時の挙動を一層確実に安定させることができ
る。
【0081】また、上記実施の形態において、駆動輪2
2RL,22RRに加わっている制動力を、例えばブレーキ
装置のブレーキ液圧やブレーキペダルの踏込み圧力等に
基づき検出し、旋回制動時出力補正処理のS370に
て、上記検出した制動力に応じて、該制動力が大きいほ
ど、エンジン2の出力増加量△TE (旋回制動時出力増
加量△TE2)を大きい値に設定するように構成しても良
い。そして、このように構成すれば、旋回制動時の車両
挙動を一層確実に安定させることができる。
【0082】尚、この場合、旋回制動時出力補正処理の
S370では、例えば、図2(a)のエンジン出力増加
量マップを用いて演算した旋回制動時出力増加量△TE2
に、制動力に比例した係数を乗ずるようにしても良い
し、また、制動力に応じた旋回制動時出力増加量△TE2
を直接求めるためのマップを、ROMに別途用意してお
くようにしても良い。
【0083】一方、上記実施の形態では、車両の旋回状
態を横加速度Gによって検出するものであったが、従動
輪速度センサ32FL,32FRによって検出される左右従
動輪(左右前輪)22FL,22FRの回転速度や、車両の
ハンドル(図示省略)の操舵角に基づいて、車両の旋回
状態を検出するように構成しても良い。
【0084】また、上記実施の形態における旋回走行時
出力補正処理(図3)と、旋回制動時出力補正処理(図
4)との両方を実行するのではなく、何れか一方の処理
だけを実行するようにしても良い。そして、旋回走行時
出力補正処理だけを実行する場合には、S110の判定
を行うことなく(即ち、制動中か否かに拘らず)、S1
20以降の処理を実行するようにしても良い。
【0085】一方更に、上記実施の形態において、車両
の旋回状態の度合を判定するための、第1の低レベル判
定値GL1及び第1の高レベル判定値GH1と、第2の低レ
ベル判定値GL2及び第2の高レベル判定値GH2とは、互
いに同じ値であっても良いし、また、それぞれ異なる値
であっても良い。
【0086】また、上記実施の形態は、フロントエンジ
ン・リヤドライブ(FR)方式の車両についてのもので
あったが、本発明は、フロントエンジン・フロントドラ
イブ(FF)方式の車両や、全ての車輪を駆動輪として
備える四輪駆動車にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に用いるシステムの概略構成図で
ある。
【図2】 実施の形態に用いるエンジン出力増加量マッ
プ及びスロットル開度補正量マップの説明図である。
【図3】 実施の形態における旋回走行時出力補正処理
を表すフローチャートである。
【図4】 実施の形態における旋回制動時出力補正処理
を表すフローチャートである。
【図5】 旋回走行時出力補正処理の作用を説明する説
明図である。
【図6】 旋回制動時出力補正処理の作用を説明する説
明図である。
【図7】 車両旋回時に車輪に発生する転がり抵抗Fx
と横方向力(横力)Fyを説明する説明図である。
【図8】 車輪に加わる加速・減速方向の力と横力Fy
との関係を説明する説明図である。
【図9】 車輪のスリップ角αと転がり抵抗Fx及び横
力Fyとの関係を説明する説明図である。
【符号の説明】
2…エンジン 4…吸気通路 6…アクセル 10…スロットル駆動モータ 12…スロットルバル
ブ 14…アクセル開度センサ 16…スロットル開度セ
ンサ 20…スロットル制御回路 22FL,22FR…従動輪
(前輪) 22RL,22RR…駆動輪(後輪) 24…燃料噴射弁 26…内燃機関制御回路 28…吸気圧センサ 30…エンジン回転速度センサ 32FL,32FR…従
動輪速度センサ 38…変速機 40…駆動輪速度センサ 42…変
速比センサ 44…横加速度センサ 46…ブレーキスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/04 310 F02D 41/04 310G 41/12 310 41/12 310 41/14 320 41/14 320C

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の旋回状態を検出する旋回状態検出
    手段と、 該旋回状態検出手段により検出される旋回状態が所定の
    度合を越えている場合に、前記車両の動力系から前記車
    両の駆動輪に伝達される駆動力を所定量だけ増加させる
    駆動力増加手段と、 を備えたことを特徴とする車両制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両制御装置におい
    て、 前記駆動輪に制動力が加わっているか否かを検出する制
    動検出手段を備え、 前記駆動力増加手段は、 前記旋回状態検出手段により検出される旋回状態が所定
    の度合を越えており、且つ、前記制動検出手段により前
    記駆動輪に制動力が加わっていると検出されている場合
    に、前記動力系から前記駆動輪に伝達される駆動力を所
    定量だけ増加させるように構成されていること、 を特徴とする車両制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の車両制御装置におい
    て、 前記動力系から前記駆動輪に伝達されている駆動力が所
    定値以下であるか否かを判定する駆動力判定手段を備
    え、 前記駆動力増加手段は、 前記旋回状態検出手段により検出される旋回状態が所定
    の度合を越えており、且つ、前記駆動力判定手段により
    肯定判定されている場合に、前記動力系から前記駆動輪
    に伝達される駆動力を所定量だけ増加させるように構成
    されていること、 を特徴とする車両制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の車両制御装置におい
    て、 前記駆動輪に制動力が加わっているか否かを検出する制
    動検出手段と、 前記動力系から前記駆動輪に伝達されている駆動力が所
    定値以下であるか否かを判定する駆動力判定手段とを備
    え、 前記駆動力増加手段は、 前記旋回状態検出手段により検出される旋回状態が所定
    の度合を越えており、且つ、前記制動検出手段により前
    記駆動輪に制動力が加わっていないと検出されていると
    共に前記駆動力判定手段により肯定判定されている場合
    に、前記動力系から前記駆動輪に伝達される駆動力を第
    1の所定量だけ増加させ、前記旋回状態検出手段により
    検出される旋回状態が所定の度合を越えており、且つ、
    前記制動検出手段により前記駆動輪に制動力が加わって
    いると検出されている場合に、前記動力系から前記駆動
    輪に伝達される駆動力を前記第1の所定量よりも大きい
    第2の所定量だけ増加させるように構成されているこ
    と、 を特徴とする車両制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は請求項4に記載の車両制御
    装置において、 前記制動検出手段は、 前記車両のブレーキペダルが操作されたことを検出する
    ことにより、前記駆動輪に制動力が加わっているか否か
    を検出するように構成されていること、 を特徴とする車両制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項2、請求項4及び請求項5の何れ
    かに記載の車両制御装置において、 前記駆動力増加手段は、 前記旋回状態検出手段により検出される旋回状態が所定
    の度合を越えており、且つ、前記制動検出手段により前
    記駆動輪に制動力が加わっていると検出されている場合
    に、前記制動力に応じて該制動力が大きいほど、前記駆
    動輪に伝達される駆動力を大きく増加させるように構成
    されていること、 を特徴とする車両制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6の何れかに記載
    の車両制御装置において、 前記駆動力増加手段は、 前記旋回状態検出手段により検出される前記車両の旋回
    状態に応じて該旋回状態が急なほど、前記駆動輪に伝達
    される駆動力を大きく増加させるように構成されている
    こと、 を特徴とする車両制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7の何れかに記載
    の車両制御装置において、 前記駆動力増加手段は、 前記車両に搭載されたエンジンの出力を増加させること
    により、前記駆動輪に伝達される駆動力を増加させるよ
    うに構成されていること、 を特徴とする車両制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8の何れかに記載
    の車両制御装置において、 前記旋回状態検出手段は、 前記車両の横加速度,前記車両の左右の車輪速度,及び
    前記車両の操舵角のうち、少なくとも何れか1つの情報
    に基づき、前記車両の旋回状態を検出するように構成さ
    れていること、 を特徴とする車両制御装置。
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