JPH1055506A - 磁気ヘッドならびにその製造方法および製造装置 - Google Patents

磁気ヘッドならびにその製造方法および製造装置

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JPH1055506A
JPH1055506A JP10361797A JP10361797A JPH1055506A JP H1055506 A JPH1055506 A JP H1055506A JP 10361797 A JP10361797 A JP 10361797A JP 10361797 A JP10361797 A JP 10361797A JP H1055506 A JPH1055506 A JP H1055506A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic head
ion beam
head
mask
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JP10361797A
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English (en)
Inventor
Yoshimi Kawanami
義実 川浪
Koji Takano
公史 高野
Kaoru Umemura
馨 梅村
Yuichi Madokoro
祐一 間所
Satoshi Tomimatsu
聡 富松
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭トラック幅を有する低コストの磁気ヘッド
ならびその製造方法および製造装置を提供すること。 【解決手段】 磁気ヘッドのヘッド磁極11、12のト
ラック幅を決定する一対の溝加工6、7において、上記
一対の溝のパターンを持つマスクを縮小投射するイオン
ビームを形成できる装置を作り、この投射イオンビーム
を照射することによって磁気ヘッドの狭トラック化加工
を行う。この投射イオンビームを用いると、ビームの中
心部が高精度に加工でき、かつ同じ精度を出せる集束イ
オンビームに比較して、全イオンビーム電流が一桁以上
大きくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録に用いる磁
気ヘッドならびにその製造方法および製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録の高密度化を図るために
磁気ヘッドのトラック幅を微細化(狭トラック化)する
方法として、特開平3−296907が知られている。
この従来例では、磁気ヘッドの摺動面に、サブμmのビ
ーム径を有する集束イオンビームを照射してスパッタ加
工により一対の溝を形成し、この溝によって磁気ヘッド
のトラック幅を規定する。この方法は、直接加工である
ためにプロセスが簡単であり、かつ微細性、制御性に優
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来方法
では、微細加工のために集束イオンビームの電流を絞ら
なければならず、スループットが低い問題があった。す
なわち、これを製造ラインへ適用するには、生産許容コ
ストに対して、スループットが大きく不足していた。
【0004】本発明の課題は、狭トラック幅を有する低
コストの磁気ヘッドならびにその製造方法および製造装
置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、磁気ヘッ
ドにおいて媒体との摺動面の一部に設けるほぼ対称な配
置の二つの溝を、マスクを縮小投射するイオンビームに
よって一括加工することにより達成される。
【0006】上記の課題は、磁気ヘッドにおいて媒体と
の摺動面の一部に設ける一つ以上の溝を、マスクを縮小
投射するイオンビームによって加工することにより達成
される。また、本発明の好ましい態様ではこれらの溝に
非磁性の物質が充填されている。
【0007】磁気ヘッドを狭トラック化する溝加工にお
いては、トラック幅を決定する一対の溝の内側周辺部分
に高精度が要求されるが、溝の外側周辺部の形状はそれ
ほど問われない。本発明は、この点に着目し、集束イオ
ンビーム装置を応用して、上記一対の溝のパターンを持
つマスクを縮小投射するイオンビームを形成する装置を
作り、この投射イオンビームを照射することによって磁
気ヘッドの狭トラック化加工を行うようにしたものであ
る。
【0008】この投射イオンビームを用いると、トラッ
ク幅を決定する一対の溝の中央部が、ビームの中心部と
なるので、当該部分が高精度に加工でき、かつ同じ精度
を出せる集束イオンビームに比較して、全イオンビーム
電流が一桁以上大きくできる。
【0009】一般に投射イオンビームは集束イオンビー
ムに比較して電流密度は低いが、広い領域のパターンを
高い分解能で一括照射できることが知られている。しか
し、投射イオンビームでは、パターンの周辺歪みが大き
く電流密度が一様でないため、加工に用いると周辺部が
余分に掘れてしまう。このような特性は一見不都合に思
えるが、本発明は、投射イオンビームを磁気ヘッドの狭
トラック加工に用いると、上記不都合を長所として活か
せることを発見したものである。すなわち、本発明の基
本的知見は、この投射イオンビームの一括照射可能領域
を数μmの大きさに限定することによって、集束イオン
ビームより高いエッジ分解能でかつ高いビーム電流を持
つ投射イオンビームを形成できる装置の設計条件を設定
し得ることを見い出したことにある。
【0010】磁気ヘッドを狭トラック化するために、数
μmの大きさの一対の溝を形成する場合、溝の辺の内ト
ラック幅を決定する部分には0.1μmのオーダーの高
精度が要求される。この点で、上記投射イオンビームは
中心部で歪みが10nm程度とほとんど無視できるので
必要条件を満足する。一方、溝の周辺部は、掘り込んだ
ことによって磁極からの磁界のもれを少なくする目的を
持つため、深めに掘れた方が良い。上記投射イオンビー
ムでは自然にこの条件を満たしている。溝の周辺の形状
歪みはほとんど問題にならないが、磁極の加工形状を正
確に制御するには、イオンで投射するマスクのパターン
形状をあらかじめ歪みとは逆方向に変形させておくこと
で解決できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面によって詳細に説明する。
【0012】実施例1 図1は、本発明の第1の実施の形態として、投射イオン
ビームの照射によりスパッタ加工中の記録再生分離型薄
膜磁気ヘッドを摺動面側から観察した斜視図である。こ
の磁気ヘッドは、アルミナチタンカーバイドのスライダ
基体1の上に再生ヘッド2、記録ヘッド3、そしてアル
ミナの保護層4を順に積層した後に、これを切断して、
その切断面を研磨して作成する。この切断面が摺動面で
ある。記録ヘッド1は、アルミナのギャップ層10を介
して対向する二つのパーマロイの磁極11と12からな
る。磁極11、12を取り巻くコイルは内部にあるので
見えない。再生ヘッド2は、銅の電極21と22に接続
された磁気抵抗素子20をアルミナの絶縁層を介してパ
ーマロイの磁気シールド層23と24で挟んだものであ
る。下部磁極12は上部磁気シールド層23を兼ねてい
る。投射イオンビームで加工する前のトラック幅は、記
録ヘッド3が10μm、再生ヘッド2が3μmである。
【0013】図1の磁気ヘッドでは、投射イオンビーム
100の照射によるスパッタ加工で、再生ヘッド2の中
心を基準に、大きさ10μm角で深さ2μmの二つの矩
形溝6と7が形成されている。これにより、記録ヘッド
と再生ヘッドのトラック幅は、凸部5で規定され、とも
に2μmになっている。加工に用いた投射イオンビーム
100のイオン種はGaであり、加速電圧30kV、ビ
ーム電流15nAに設定した時の加工パターンのエッジ
のボケは0.05μmである。図1の溝加工に要した時
間は約30秒である。これは、ビーム径0.1μm、ビ
ーム電流1nAのGa集束イオンビームで加工した場合
と比較すると、15倍の加工速度、2倍の加工分解能で
あり、また材料毎のスパッタ率の差が緩和されてより平
坦な加工ができている。
【0014】本発明による第1の実施形態である、図1
の加工方法によれば、記録再生分離型薄膜磁気ヘッドの
トラック幅を高いスループットで狭くでき、かつ正確に
再生ヘッドと記録ヘッドの中心を揃える効果がある。ま
た、狭く加工したヘッドのエッジがシャープなので、漏
洩磁場を少なくできる効果がある。なお、投射イオンビ
ーム形成に使うマスクの開孔形状を替えることにより、
再生ヘッドと記録ヘッドのトラック幅を変えられること
は自明である。
【0015】また、図1では、記録ヘッドの磁極と再生
ヘッドの磁気シールドの両方を加工する例を示したが、
磁極のみの加工でもトラック幅を狭くする効果がある。
さらに、マスクの開孔形状を変えることによりトラック
幅と垂直方向に磁極をトリミング加工できることは自明
である。
【0016】ここで、実施例で用いたヘッドのスライダ
基体であるアルミナチタンカーバイドは非導電性の材料
であるため、イオンビーム加工中に試料がチャージアッ
プして精度良く溝を形成することができなくなるとの見
方もあったが、実際の加工では特に支障はなかった。こ
れはイオンビームの対称性が良いこと、さらにパーマロ
イの磁極がチャージを放電しているためと考えられる。
図1の実施の形態よりさらに高精度の加工を行う場合
は、電子照射によって帯電を中和したり、あらかじめA
u蒸着層を付けてチャージを放電させる等の対策が望ま
しい。
【0017】実施例2 次に、図1の加工方法に用いた本発明の磁気ヘッド加工
装置について述べる。
【0018】図2は、図1の磁気ヘッドの加工に用いた
本発明の磁気ヘッド加工装置の全体構成を表す斜視図で
ある。本装置の主要部分は、投射イオンビーム光学系2
00、試料ホルダ210、試料ステージ211、レーザ
測長器212、レーザ顕微鏡カメラ220、ガス源23
0であり、これらの大部分は図示しない高真空容器内部
に配置されている。これらを制御する回路は、位置検出
コントローラ241、イオンビームコントローラ24
2、ステージコントローラ243、測長コントローラ2
44、ガス源コントローラ245、および、これら全体
を制御する制御回路240から構成されている。試料で
ある磁気ヘッドはアレイ状につながっており、それらを
束ねてエレクトロワックスで試料ホルダ210に固定さ
れている。
【0019】ここで、磁気ヘッドの狭トラック加工の手
順を説明する。まず、あらかじめ磁気ヘッドアレイ上の
全ての再生ヘッドの中心位置を0.05μmの精度で測
定しておく。このために制御回路240は、ステージコ
ントローラ243にあらかじめ大体の磁気ヘッドの位置
データを与えて試料ステージ211を移動させ、そこで
レーザ顕微鏡カメラ220によって試料像を取り込み位
置検出コントローラ241に送る。位置検出コントロー
ラ241は、試料像から再生ヘッドの中心位置のずれを
読み取って制御回路240に送る。制御回路240は、
この位置ずれと、レーザ測長器212で測定したステー
ジ位置座標と、あらかじめ決めてある再生ヘッドの中心
位置と加工パターン中心のオフセットとを加算して磁気
ヘッド毎に割り当てられた内部メモリに蓄える。以上の
ようにして、測定した全ての再生ヘッドの中心のステー
ジ座標をもとに、試料ステージ211を移動させ、任意
の磁気ヘッドを投射イオンビーム光学系200の直下に
置いて投射イオンビームを試料に照射し、これを加工す
る。ここで、制御回路240は、投射イオンビームの中
心と各磁気ヘッドの中心との位置ずれの情報をイオンビ
ームコントローラ242に与え、投射イオンビームを照
射する位置を補正する。
【0020】本発明で特徴的なのは、投射イオンビーム
光学系200により、高スループットの加工ができるこ
とにある。その内部構成を図3に示す。
【0021】Gaの液体金属イオン源201から放出さ
れたイオンビーム202は照射レンズ系203、すなわ
ち4枚の軸対象電極で構成される静電レンズ(加速レン
ズとアインツエルレンズの複合レンズ)によって収束さ
れてマスク204に照射される。ここで、照射レンズ系
203は、イオンビーム202を加速電圧30kVに加
速して投射レンズ206の中心に収束するように調整さ
れている。イオンビーム202のうち、マスク204の
開口205を透過したイオンビーム100は、投射レン
ズ206、すなわち3枚の軸対象電極で構成される静電
レンズ(アインツエルレンズ)によって試料上に照射さ
れる。
【0022】ここで、投射レンズ206は、マスク20
4のパターンを試料207上に倍率10分の1で縮小投
射するように調整されている。この投射レンズ206の
下には、図示しない静電偏向器が備えられており、試料
207上でのイオンビーム100の照射位置を50μm
の範囲で移動できる。また、投射レンズ206上には、
図示しないブランキング用偏向器が設置されており、投
射イオンビーム100の試料207上への照射のオン、
オフを切り替える。
【0023】加工に用いた投射イオンビーム100のビ
ーム電流は15nAで、加工パターンのエッジのボケは
0.05μmである。加工の位置設定精度は0.05μ
mである。図1の溝加工に要した時間は約30秒であ
る。なお、磁気ヘッドに投射イオンビームを照射する時
にガス源230から塩素ガスを吹き付けると、磁極およ
び磁気シールドが2倍速く加工され加工時間は約15秒
で済んだ。
【0024】以上、図2および図3の実施例によれば、
磁気ヘッドのトラック幅を狭くする加工を、正確に位置
決めして高いスループットで行える効果がある。
【0025】なお、本実施例では、磁気ヘッドの中心位
置を一つずつ読み取ったが、磁気ヘッドアレイ内で各磁
気ヘッドの配置精度が十分高ければ、少なくとも二つの
磁気ヘッドの中心位置を読み取るだけでも良い。また、
磁気ヘッドそのものの位置を読み取る代わりにあらかじ
め磁気ヘッドアレイ上に設けた二つ以上の位置検出用マ
ークの位置を読み取ることでも代用できる。
【0026】さらに、本実施例では、レーザビームを用
いて、磁気ヘッドの位置を読み取ったが、帯電によるダ
メージに気をつければ、電子ビームやイオンビームを使
って磁気ヘッドの位置を読み取ることでも課題は達成さ
れる。このようなイオンビームには、本実施例の投射イ
オンビーム光学系200においてマスク204を円形開
孔の絞りに変更し、かつレンズ系の強度を設定しなおし
て集束イオンビームを形成して使うことも可能である。
【0027】また、本実施例では、磁気ヘッドの磁極を
加工するために、磁気ヘッドの摺動面から投射イオンビ
ームによって加工したが、磁気ヘッド製造の前段階(ウ
エハ状のスライダ基体に磁極が積層された状態)におい
て磁極の積層面に垂直な方向から投射イオンビームによ
って加工することも可能である。この場合は各磁気ヘッ
ドへの切断時のマージンを考慮して磁極部分の加工体積
が多くする必要があるので若干スループットは低下する
が本実施例と同様の効果が得られる。
【0028】実施例3 図4は、本発明の第2の実施に形態として、投射イオン
ビーム照射によりスパッタ加工した記録再生分離型薄膜
磁気ヘッドをさらに加工する例を示すものであり、記録
再生分離型薄膜磁気ヘッドを摺動面側から観察した斜視
図である。この加工に用いた投射イオンビーム装置の構
成は、図2および図3に既に示したものと同様で良い。
この加工においては、投射イオンビーム100を磁気ヘ
ッドに照射しながら、数種類の堆積性ガス101を切り
替えて照射する。
【0029】本実施例で特徴的なことは、同じ投射イオ
ンビーム装置において、磁気ヘッドのトラック幅を狭く
する加工に連続して、漏洩磁界を防ぐ磁気シールド形成
加工をすることである。溝加工後、まずCOガス101
を吹き付けながら、投射イオンビーム100を照射し
て、絶縁性のC膜を溝6’、7’の中に形成する。その
後ガス101をCu(hfac)TMVS(カッパー・
ヘキサフルオロアセチルアセトネート・トリメチルビニ
ルシレーン)に切り変えて、良導電性のCu膜を形成す
る。それぞれの加工時間は約2秒と約5秒である。
【0030】C膜は、磁極11、12を通して、磁気抵
抗素子20が短絡するのを防ぐものである。Cu膜の形
成時に、試料を赤外線ランプで100℃程度まで昇温す
ると、膜の導電性がバルクのCuと近い値にできた。こ
の良導電性のCu膜により、記録ヘッドを20MHz以
上の高周波で動作させたときに、ヘッドの凸部以外から
の漏洩磁界が90%以上遮断できた。
【0031】以上、図4の実施例によれば、トラック幅
が狭く、かつ高周波領域で漏洩磁界の小さい磁気ヘッド
が、同一の装置内で作成できるのでプロセスを簡略化し
コストを下げる効果がある。
【0032】実施例4 図5は、第2の実施形態の製造方法に用いる磁気ヘッド
加工装置の本体部分の構成を表す斜視図である。本装置
の大部分は実施例2の装置と同じであるが、照射レンズ
系203’が非軸対象である点が異なる。照射レンズ系
203’は2枚の軸対象電極で構成される静電レンズ
(加速レンズ)と2段の4重極レンズで構成されてい
る。この2段の4重極レンズを用いたことで、実施例2
と同じようにイオンビーム202’を投射レンズ206
の中心に集束する条件下で、マスク204上でのイオン
ビームの形状を円から楕円に変えることができる。
【0033】図5の実施例で特徴的なことは、非軸対称
の照射レンズ系203’を用いたことにより、マスク2
04上の非軸対称の開孔パターン205に合わせてイオ
ンビームを照射することが可能となったことである。実
施例1の装置と比較すると、同じ加工パターンに対して
約2倍のイオン電流を試料207に照射できた。
【0034】以上、実施例4によれば、磁気ヘッドのト
ラック幅を狭くする加工において、イオンビームを効率
良く使用して、高いスループットが得られる効果があ
る。
【0035】実施例5 図6(a)に投射イオンビームによって溝を加工した後
の本発明の磁気ヘッドの斜視図を示す。本実施例では、
上部記録ヘッド磁極11と下部記録ヘッド磁極12の一
部のみを加工し、再生ヘッドには加工を施さない。これ
によって、イオン照射に起因する磁気抵抗素子20のダ
メージを避けている。溝6、7の深さは約1.0μmで
ある。図6(a)の磁気ヘッドのA−A’縦断面を図6
(b)に示す。A−A’断面の構造は溝加工前と同じで
ある。コイル13に流れる電流によって発生する磁場は
磁極11、12の内部を通過し、ギャップ層10の端部
で外部に漏れる。このもれ磁場により、図示しない媒体
に情報が記録される。
【0036】溝加工によって形成した摺動面凹部6、7
では記録磁極11、12が後退するため、摺動面凸部5
の記録磁極11、12の間では磁界が集中する。すなわ
ち、狭いトラック幅が達成できる。図7(a)に投射イ
オンビームによって溝を加工した後の本発明の磁気ヘッ
ドの摺動面側正面図を示す。一つの溝の大きさは縦3μ
m、横2μmで、二つの溝の間隔は1μmである。図7
(b)にはこの磁気ヘッドのB−B’横断面図を示す。
投射イオンビームで加工した溝のエッジは10nm程度
のボケしかなく、磁極11の凹部5の側壁6−1、7−
1にはスパッタで自然にできる約80度の角度がつく
が、非常に高精度である。したがって、本磁気ヘッドで
は、0.1μm以下の精度でトラック幅Tを1.0μm
にできた。ここで、加工に用いた投射イオンビームの電
流は50nAであり、電流密度は400mA/cm2
近い。加工時間は約3.5秒であった。加工パターンの
周辺で、0.1μmから0.2μmの内向き歪みが生じ
たため、溝6、7の外側6−2、7−2に向かうにつれ
てビームの電流密度が高まって6−2、7−2では約
0.2μm深く掘れた。しかしこの溝深さの分布によっ
ては、本磁気ヘッドの磁気特性はほとんど変化しなかっ
た。
【0037】ここで、本発明の磁気ヘッドを、同様の加
工を集束イオンビームで行った場合の磁気ヘッドと比較
してみる。集束イオンビームで加工した磁気ヘッドの摺
動面側の正面図を図8μ(a)に示す。まず最初に太く
て電流の大きいビーム(電流10nAでビーム径1μ
m)で溝6、7の加工を行った。このときのB−B’断
面を図8(b)に示す。トラック幅Tは加工領域のエッ
ジの1μm程度のボケにより明確でない。実際、磁極凸
部5への磁界集中が十分でないため、実効的なトラック
幅は1μmより大きくなってしまった。そこでさらに図
8(a)の溝8、9をさらに細いビーム(電流1nAで
ビーム径0.1μm)で磁極凸部5の両サイドを追加工
した。これにより、図8(c)のようなトラック幅Tが
明確な磁極となった。このように集束イオンビームによ
ってもトラック幅の狭い磁極は形成できるが、電流の少
ないイオンビームで加工をするため、スループットが低
い。また、トラック幅の狭い磁極5ができても、その両
サイドに深い溝8−1、9−1が生じるために、前述の
投射イオンビームで加工する場合に比べて、磁界の集中
が悪く、記録用の磁界強度が低下する。そのため、本発
明の磁気ヘッドでは、横方向のもれ磁界の少なく、かつ
トラック幅が狭くできる。
【0038】なお、本発明の磁気ヘッドでは、磁気抵抗
素子20が電気的に破壊するのを防ぐため、溝形成直後
に摺動面全体にダイヤモンドライクカーボンの保護膜を
形成することができる。しかし、本実施例のように再生
ヘッドの部分に溝加工を行わない場合には、保護膜を先
につけてから加工することも可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、微細トラック幅に対応
する磁気ヘッドを実用的なコストで提供できるので、こ
れを搭載する磁気ディスク装置の大記憶容量化、低コス
ト化を可能とする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る製造方法を示す
磁気ヘッドの磁極部の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る製造方法に用い
る磁気ヘッド加工装置の構成図である。
【図3】図2の磁気ヘッド加工装置の投射イオンビーム
光学系の斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る製造方法を示す
磁気ヘッドの磁極部の斜視図である。
【図5】本発明の磁気ヘッド加工装置の投射イオンビー
ム光学系の他の実施例を示す斜視図である。
【図6】投射イオンビームで加工後の本発明の磁気ヘッ
ドの斜視図(a)および縦断面図(b)である。
【図7】投射イオンビームで加工後の本発明の磁気ヘッ
ドの摺動面側の上面図(a)および横断面図(b)であ
る。
【図8】集束イオンビームで加工後の磁気ヘッドの摺動
面側の上面図(a)および横断面図(b)、(c)であ
る。
【符号の説明】
1…スライダー基体、2…再生ヘッド、3…記録ヘッ
ド、4…保護層、5…摺動面凸部、6、6’、7、
7’、8、8’、9、9’…摺動面凹部、10…ギャッ
プ層、11…上部記録ヘッド磁極、12…下部記録ヘッ
ド磁極(兼シールド層)、13…コイル、20…磁気抵
抗素子、21、22…電極、23…上部磁気シールド
層、24…下部磁気シールド層、100…投射イオンビ
ーム、101…堆積性ガス、200…投射イオンビーム
光学系、201…液体金属イオン源、202…イオンビ
ーム、203、203’…照射レンズ系、204…マス
ク、205…マスクの開孔、206…投射レンズ、20
7…試料、210…試料ホルダ、211…試料ステー
ジ、212…レーザ測長器、220…レーザ顕微鏡カメ
ラ、230…ガス源、231…反応性ガス、240…制
御回路、241…位置検出コントローラ、242…イオ
ンビームコントローラ、243…ステージコントロー
ラ、244…測長コントローラ、245…ガス源コント
ローラ、246…モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間所 祐一 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 富松 聡 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体への磁気情報の記録、再生動
    作を行う磁気ヘッドにおいて、該磁気ヘッドの該媒体と
    の摺動面の一部に一つ以上の溝が設けられており、この
    溝はマスクを縮小投射するイオンビームを照射すること
    により加工されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】ヘッド磁極のトラック幅が摺動面に設けら
    れた一対の溝の間隔で規定されていることを特徴とする
    請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】上記溝が、上記イオンビームの照射と同時
    にエッチング性ガスまたは堆積性ガスの少なくとも一方
    を照射することにより形成されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】上記溝の一部あるいは全部が非磁性材料で
    埋められており、該非磁性材料は上記イオンビームの照
    射と同時に堆積性ガスを照射することにより形成されて
    いることを特徴とする請求項1または請求項3記載の磁
    気ヘッド。
  5. 【請求項5】磁気ヘッドは記録再生分離型の薄膜磁気ヘ
    ッドであり、再生ヘッドの中心位置を基準に上記溝が加
    工されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4
    のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】(1)磁気ヘッドを構成する基体となる基
    板上に、磁気抵抗効果を有する薄膜とこれを絶縁層を介
    して両側から挟んだ軟磁性部材からなる磁気抵抗効果型
    再生ヘッドを形成し、この上に磁極とこれに鎖交する導
    電性パターンからなる誘導型記録ヘッドを積層する工程
    と、(2)上記両ヘッドを積層した基体を所望の形状に
    切断して、媒体対抗面となる断面に上記両ヘッドの構成
    部材を露出させる工程と、(3)上記媒体対抗面に露出
    した再生ヘッドの中心位置を検出した後、該中心位置を
    基準に上記断面へマスクを縮小投射するイオンビームを
    照射して、上記記録ヘッドの構成部材を含む上記断面の
    一部に凹部を設け、凹部に挟まれた両ヘッドの構成部材
    を形成する工程とを含むことを特徴とする磁気ヘッドの
    製造方法。
  7. 【請求項7】マスクのパターンを縮小投射するイオンビ
    ームを形成する手段と、磁気ヘッドにおける媒体との摺
    動面上の特徴位置を検出する手段と、該磁気ヘッドの特
    徴位置を基準に任意の位置に上記イオンビームを照射す
    る手段とを有することを特徴とする磁気ヘッドの製造装
    置。
  8. 【請求項8】上記磁気ヘッドにエッチング性ガスまたは
    堆積性ガスの少なくとも一方を吹き付ける手段を有する
    ことを特徴とする請求項7記載の磁気ヘッドの製造装
    置。
  9. 【請求項9】上記マスクのパターンを縮小投射するイオ
    ンビームを形成する手段が、液体金属イオン源またはプ
    ラズマイオン源と、照射レンズ系と、非軸対称の開孔パ
    ターンを持つマスクと、軸対象の投射レンズ系、および
    偏向器とで構成されることを特徴とする請求項7記載の
    磁気ヘッドの製造装置。
  10. 【請求項10】上記照射レンズ系が非軸対称であること
    を特徴とする請求項9記載の磁気ヘッドの製造装置。
  11. 【請求項11】磁気記録媒体への磁気情報の記録、再生
    動作を行う磁気ヘッドにおいて、該磁気ヘッドの該媒体
    との摺動面の一部に、ヘッド磁極のトラック幅を規定す
    る一対の溝が設けられており、該一対の溝は外側程深い
    ことを特徴とする磁気ヘッド。
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