JPH1055575A - 熱磁気記録媒体 - Google Patents

熱磁気記録媒体

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JPH1055575A
JPH1055575A JP10904597A JP10904597A JPH1055575A JP H1055575 A JPH1055575 A JP H1055575A JP 10904597 A JP10904597 A JP 10904597A JP 10904597 A JP10904597 A JP 10904597A JP H1055575 A JPH1055575 A JP H1055575A
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勝久 荒谷
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有克 中沖
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁界印加の簡易化、ないしは低減化を図っ
て、記録方法を実施する装置の、より簡略化をはかるこ
とができるようする。 【解決手段】 それぞれ希土類−遷移金属磁性膜からな
り互いに磁気的に結合した第1、第2及び第3の磁性薄
膜1,2及び3を有し、該第2及び第3の磁性薄膜が交
換結合力により結合されていて、上記第3の磁性膜の副
格子磁化のむきが常に一定であって、上記第2及び第3
の磁性薄膜の各膜厚をh2 及びh3 とし、磁化をMS2
びMS3とし、保磁力をHC2及びHC3C4とし、上記第1
及び第2の磁性薄膜間の界面磁壁エネルギー密度をσw1
とし、第2及び第3の磁性薄膜間の界面磁壁エネルギー
密度をσW2とし、外部磁場をHexするとき、 σW2−2MS3・h3 ・Hex<2MS3・h3 ・HC3 ‥‥
(A) σW2−σW1−2MS2・h2 ・Hex>2MS2・h2 ・HC2
‥‥(B) の条件を満たす構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱磁気記録媒体に
係わる。
【0002】
【従来の技術】光磁気相互作用によって情報ビット(磁
区)の読み出しを行う記録媒体に対して情報の記録を行
う熱磁気記録方法においては、垂直磁化膜による磁性薄
膜を有する記録媒体に対し、その磁化の方向を膜面に垂
直な一方向に予め揃えるいわゆる初期化を施しておき、
この磁化方向と反対向きの垂直磁化によるビットをレー
ザ光照射等の局部加熱により形成することによって、2
値化された情報を記録している。
【0003】この熱磁気記録方法においては、情報の書
き換えに先立って、記録されている情報の消去(上記初
期化に相当)の過程すなわち消去を行うための時間を要
し、高転送レートでの記録を実現できない。これに対
し、このような独立の消去過程の時間が不要とされたオ
ーバーライト方式による記録方法が種々提案されてい
る。このオーバーライト方式の熱磁気記録方法の中で有
望視されている方法としては、例えば媒体に対する外部
磁場変調法と、記録用のヘッドの他に消去用のヘッドを
設ける2ヘッド法とが知られている。外部磁場変調法と
は、例えば特願昭60−48806号公報等に開示され
ているように、膜面に垂直な磁化容易磁区を有する非晶
質フェリ磁性薄膜記録媒体に対する昇温用ビームの照射
領域に入力デジタル信号電流の状態に対応する極性の磁
場を印加することにより記録を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な外部磁場変調法によって情報転送レートの高い高速記
録を行おうとすると、例えばMHzオーダで動作する電
磁石が必要となり、このような電磁石の作製は困難であ
り、作製できたとしても消費電力及び発熱が大きく実用
的でないという問題点がある。また、2ヘッド法では、
余分なヘッドを必要とし、2つのヘッドを離して設置し
なければならず、ドライブシステムへの負担が大きく、
経済性が悪く、量産にも向かない等の問題点を有してい
る。
【0005】本発明は、レーザ光等による媒体の加熱温
度を切換制御するのみで容易に書き換えすなわちオーバ
ーライトが可能とされ上述した諸問題の解決をはかった
ものである。
【0006】尚、本出願人は、先にこのような問題点の
解決をはかる熱磁気記録方法を、特願昭61−1949
61号出願、及び特願昭61−194962号出願で提
供した。これら出願で提案された熱磁気記録方法は、第
1及び第2の希土類−遷移金属磁性薄膜の積層構造によ
る熱磁気記録媒体を用い、所要の第1の外部磁界の印加
の下に第1の磁性薄膜のほぼキュリー温度TC1以上でか
つ第2の磁性薄膜の副格子磁化の反転が生じない第1の
温度T1 に加熱する第1の加熱状態と、温度TC1以上で
かつ第2の磁性薄膜の副格子磁化を反転させるに充分な
第2の温度T2に加熱する第2の加熱状態とを、記録し
ようとする情報例えば“0”,“1”に応じて切換変調
し、冷却過程で、第1及び第2の磁性薄膜の交換結合力
により第1の磁性薄膜の副格子磁化の向きを第2の磁性
薄膜の副格子磁化の向きに揃えて、例えば“0”,
“1”の記録ビット(磁区)を第1の磁性薄膜に形成す
ると共に、第2の外部磁界によって、或いは、第2の磁
性薄膜組成を、その補償温度が室温から第2の温度T2
間に存在するように選定することによって、室温で第1
の外部磁界のみによって第2の磁性薄膜の副格子磁化が
反転するようにしてオーバーライトが可能な状態を得る
ようにするものである。
【0007】この場合消去のための特別の過程(時間)
を要することがなく高転送レート化をはかることができ
るとか、上述した2ヘッド方式、或いは外部磁場変調方
式による場合の諸問題を解決できる。
【0008】本発明においては、これら特願昭61−1
04961号出願、及び特願昭61−194962号出
願による熱磁気記録方法における利点を生かし、更に、
これにおける上述した第2の磁界の省略、ないしは低減
化、したがって、その記録方法を実施する装置の、より
簡略化をはかることができるようにした熱磁気記録媒体
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による熱磁気記録
媒体は、それぞれ希土類−遷移金属磁性膜からなり互い
に磁気的に結合した第1、第2及び第3の磁性薄膜を有
し、該第2及び第3の磁性薄膜が交換結合力により結合
されていて、上記第3の磁性膜の副格子磁化の向きが常
に一定であって、上記第2及び第3の磁性薄膜の各膜厚
をh2 及びh3とし、磁化をMS2及びMS3とし、保磁力
をHC2及びHC3とし、上記第1及び第2の磁性薄膜間の
界面磁壁エネルギー密度をσw1とし、第2及び第3の磁
性薄膜間の界面磁壁エネルギー密度をσW2とし、外部磁
場をHexするとき、 σW2−2MS3・h3 ・Hex<2MS3・h3 ・HC3 ‥‥(A) σW2−σW1−2MS2・h2 ・Hex>2MS2・h2 ・HC2 ‥‥(B) の条件を満たす構成とする。
【0010】上述の本発明による熱磁気記録媒体によれ
ば、記録しようとする情報に応じてレーザ光を変調し
て、第1及び第2の加熱状態(加熱温度)を与えるのみ
で情報の記録を行うものであり、オーバーライトが可能
となる。
【0011】また、本発明による熱磁気記録媒体によれ
ば、1つの磁界印加手段のみで、2値の記録が可能とな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による熱磁気記録媒体の基
本構成は、図1に示すように、光透過性基板5上に、第
1,第2及び第3の磁性薄膜1,2及び3が積層された
構成を有してなる。この熱磁気記録媒体は、例えば、図
2にその一例の概略断面図を示すように、ガラス板や、
アクリル板等の光透過性基板5の一方の面に、保護膜ま
たは干渉膜となる透明の誘電体膜6を介して第1,第2
及び第3の磁性薄膜1,2及び3と、更にこれら第2及
び第3の磁性薄膜2及び3間に介在されこれら第2及び
第3の磁性薄膜2及び3をいわば間接的に交換結合する
第4の磁性薄膜4が介在された構成とし得る。
【0013】第1〜第3の磁性薄膜は、それぞれ希土類
−遷移金属の垂直磁化膜によって構成する。そして、こ
れら磁性薄膜1〜4の積層による磁性層上に、誘電体膜
より成る保護膜7が被着形成される。しかしながら、こ
の熱磁気記録媒体10において、誘電体膜6及び保護膜
7は、省略することもできる。この熱磁気記録媒体10
における隣合う磁性薄膜1,2,4及び3間は互いに交
換結合力により磁気的に結合されて成る。
【0014】上述の構成で、その各誘電体膜6、第1〜
第4の各磁性薄膜1〜4、保護膜7は、それぞれ蒸着、
或いはスパッタリング等によって形成し得る。
【0015】磁性薄膜1〜4は、種々の磁性材料によっ
て構成することが考えられるが、例えば、Nd,Sm,
Gd,Tb,Dy,Ho等の希土類金属(RE)の1種
類あるいは2種類以上がx=10〜40原子%と、C
r,Mn,Fe,Co,Ni,Cu等の遷移金属(T
M)の1種類あるいは2種類以上が1−x=90〜60
原子%とで構成される非晶質合金REX TM1-X によっ
て構成し得る。また、この場合にこれ以外の元素を少量
添加してもよい。このRE−TM非晶質合金磁性材料に
おいて、REがNdあるいはSmの場合を除いては、R
Eの磁気モーメントとTMの磁気モーメントを反平行に
結合し、その結果いわゆるフェリ磁性を示すとともに、
正味の磁化はこれらRE及びTMの各副格子磁化の差
(磁化の向きに応じた正負を考慮するときには各副格子
磁化の和)となる。希土類金属(RE)がNd,Smの
いずれか、あるいはその混合により構成される場合は、
REの磁気モーメントとTMの磁気モーメントは平行に
結合して、いわゆるフェロ的磁性を示し、この場合の正
味の磁化はRE及びTMの各副格子磁化の和となる。
【0016】このような熱磁気記録媒体10に対して、
膜面にほぼ垂直方向の外部磁場Hexの印加の下で、第1
の磁性薄膜1のキュリー温度Tc1以上であって第2の磁
性薄膜2の遷移金属の副格子磁化の向きを所定の向き
(以下この向きを正方向という)に保持する第1の温度
1 による第1の加熱状態と、同様に、外部磁場Hex
印加の下で、ほぼキュリー温度Tc1以上で第2の磁性薄
膜2の遷移金属の副格子磁化の向きを、外部磁場Hex
よって上述の正方向とは逆向き(以下この向きを反転方
向という)に反転する第2の温度T2 による第2の加熱
状態とを与える。そして、これら第1及び第2の温度T
1 及びT2 による第1及び第2の加熱状態からのそれぞ
れの冷却過程で、第3の磁性薄膜3における副格子磁化
の向きは、これが反転されることなく第2の磁性薄膜2
の副格子磁化を、第3の磁性薄膜3の副格子磁化と同じ
向きに、すなわち未記録状態と同様の状態に揃える。
【0017】これら第1及び第2の加熱状態は、熱磁気
記録媒体10へのレーザ光の強度を、記録しようとする
情報に応じて変調することによって行い得る。
【0018】このように、第1及び第2の加熱状態を得
るためのレーザ光の、記録する情報に応じた変調を行う
のみで、第1の磁性薄膜1における、遷移金属TMの副
格子磁化の正方向部分と、反転方向部分とによって、例
えば“0”と“1”との2値の情報の記録がなされる。
【0019】そして、このとき、上述したように、第3
の磁性薄膜3における副格子磁化の向きを反転させるこ
となく第2の磁性薄膜2の副格子磁化を、第3の磁性薄
膜3の副格子磁化と同じ向きに揃えたことにより、これ
ら2値の記録状態で、共に、第2及び第3の磁性薄膜2
及び3の副格子磁化の向きは、磁気記録媒体の情報の未
記録の初期の状態と同等の状態とされるので、次の記録
を行うに当たっては、記録情報に応じた第1及び第2の
加熱状態を与えるのみで、この記録が可能な状態、すな
わちオーバーライトが可能な状態が得られる。
【0020】このようにして情報の記録がなされた熱磁
気記録媒体からの記録情報の読み出し、すなわち再生
は、第1の磁性薄膜1に対する直線偏光レーザビームを
照射して、この光と磁化との相互作用による例えばカー
回転角の検出によって第1の磁性薄膜の遷移金属TMの
副格子磁化の正方向か反転方向かによる2値例えば
“0”及び“1”の読み出しを行う。
【0021】上述したように熱磁気記録媒体10に対す
る情報の記録は、第1の磁性薄膜1において、TMの副
格子磁化の正方向部分と反転方向部分とによって例えば
“0”と“1”との2値の情報がなされるものである
が、この第1の磁性薄膜1と、これと交換結合状態にあ
る第2の磁性薄膜2とについての、各キュリー温度TC1
及びTC2以下の温度での磁化状態は、図3に示す状態A
〜Dの4つの状態を採り得る。
【0022】図3においては、第1及び第2の磁性薄膜
1及び2のみについて、各TMスピンとREスピンの各
向きをそれぞれ実線矢印と破線矢印とをもって模式的に
示したものである。なお、両磁性薄膜1及び2の磁化容
易軸はいずれも膜面に垂直方向いわゆる垂直磁化膜であ
るものとするが、少なくとも一方のみが垂直磁化膜であ
ればよい。
【0023】図3において、状態A及び状態Bは、第1
の磁性薄膜1と第2の磁性薄膜2の各TMスピンすなわ
ちTMの磁気モーメント同士、また各REスピンすなわ
ちREの磁気モーメント同士が互いに同一の向きの状態
である。これに対し、図3の状態C及び状態Dでは、第
1の磁性薄膜1と第2の磁性薄膜2の各TMの磁気モー
メント及びREの磁気モーメントがそれぞれ互いに反対
方向を向いており、層間の界面近傍において、TMの磁
気モーメント、及びREの磁気モーメントの各方向が1
80°変化する領域すなわち界面磁壁9が存在すること
になり、この部分に界面磁壁エネルギ(単位面積当たり
σw erg/cm2 )が蓄えられる。
【0024】また、この熱磁気記録を行う熱磁気記録装
置は、例えば図4に示すように、熱磁気記録媒体10、
例えばディスク状の熱磁気記録媒体10に対して、記録
及び再生のためのレーザ光Rが、図2の光透過性基板5
側から入射され、また、保護膜7側或いは基板5側か
ら、例えば磁石21と更に必要に応じて磁石22とが設
けられてこれらによって媒体10に対して磁場Hex及び
sub を印加する。図4において、磁石21と磁石22
とは互いに離れて配されているが、隣接して配すること
もできる。また後述するように磁場Hsub を不要とする
場合は、磁石22は省略された構成となる。ディスク状
の熱磁気記録媒体10は、駆動モータ25の回転軸26
により回転駆動するようにされている。そして、レーザ
光Rのパワーを記録しようとする情報に応じて変調し
て、熱磁気記録媒体10のレーザ光照射部を、第1及び
第2の温度T1 及びT2 に加熱するようになされてい
る。
【0025】次に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではないこ
とは言うまでもない。
【0026】〔実施例1〕図5を参照して説明する。図
5は、温度変化に伴う磁化状態の変化過程を模式的に示
したものである。この実施例においては、図2で説明し
たように、光透過性基板5上に、第1〜第3の磁性薄膜
1〜3が形成され、第2の磁性薄膜2と第3の磁性薄膜
3との間に第4の磁性薄膜4が設けられ、各磁性薄膜1
〜4がフェリ磁性のTM−RE合金磁性薄膜によって構
成された場合である。
【0027】これら磁性薄膜1〜4は、いわゆるDCマ
グネトロンスパッタリング装置を用いて光透過性基板5
上に、直接的に、すなわち誘電体膜6の形成を省略して
RE−TMフェリ磁性薄膜を順次スパッタリングして形
成した。これら各磁性薄膜1〜4は、RMとTMとを交
互に積層させるように形成した。そして、上層の第3の
磁性薄膜3上に厚さ800Åの例えばSi3 4 ,Al
N,SiO2 ,SiO,MgF2 等より成る保護膜7を
被着形成した。
【0028】この実施例における媒体10の第1及び第
2の磁性薄膜1及び2は、室温からこれらの各キュリー
温度TC1及びTC2に至るまでの温度でそれぞれTM副格
子磁化優勢膜いわゆるTMリッチ膜である場合とする。
また、第3の磁性薄膜3は、室温から上記加熱温度T1
までRE副格子磁化優勢膜いわゆるREリッチ膜である
とする。
【0029】第1〜第4の磁性薄膜1〜4は、それぞれ
のキュリー温度をTC1〜TC4とすると、 TC1<TC2 ‥‥ (1) TC4<TC2,TC3 ‥‥ (2) TC4≦TC1 ‥‥ (3) に選定する。
【0030】第4の磁性薄膜4は、その膜厚を、この第
4の磁性薄膜4のキュリー温度TC4より高い温度で第2
及び第3の磁性薄膜2及び3間の交換力を充分遮断し得
る程度において薄い膜厚例えば100Åの膜厚に選定す
る。
【0031】この実施例1においては、図5に示すよう
に、磁気記録媒体10に図3で示した状態Aと、状態C
もしくはBとによる部分すなわち、第1の磁性薄膜1の
TMスピンの正方向部分と反転方向部分の形成によって
情報の記録を行う場合である。図5において各磁性薄膜
1〜3に記載された矢印は、TMスピンの向きを模式的
に示したものであるが、各磁性薄膜1〜4における磁化
S1〜MS4は、各薄膜1〜4がフェリ磁性薄膜である場
合各磁性薄膜1〜4におけるTM磁気モーメントとRE
磁気モーメントの差に相当するものとなる。
【0032】この例では初期状態で例えば状態A、すな
わち、第1及び第2の磁性薄膜1及び2のTMスピン方
向が共に正方向にあって、この時、第3の磁性薄膜3も
またそのTMスピンが、第1及び第2の磁性薄膜1及び
2のそれと同方向にあるものとする。
【0033】今、この室温TR における初期状態Aから
温度Tを第1の温度T1 或いは第2の温度T2 に昇温す
る。この第1の温度T1 は、第1の磁性薄膜1のほぼキ
ュリー温度TC1以上でかつ後述する外部磁場Hexにより
第2の磁性薄膜2の磁化に反転が生じることのない温度
とする。第2の温度T2 は、第1の温度T1 より高く、
かつ第2の磁性薄膜2のTM副格子磁化を外部磁場Hex
によって反転させるに充分な、ほぼ第2の磁性薄膜2の
キュリー温度TC2以上の温度とする。
【0034】このような温度T1 或いはT2 への加熱が
終了した後には、その温度TがTC1より下がったときに
第1の磁性薄膜1に磁化が現れるが、このときその方向
の決定に関しては、磁性薄膜1及び2間のいわゆる交換
結合力が支配的となるようにする。すなわち、第1の磁
性薄膜1の自発磁化が現れる温度T(TC1近傍)におい
て、おおよそ σw1>2|MS1|h1 ex ‥‥(5) の条件を満足するように、外部磁場Hex及び層間の界面
磁壁エネルギσw1に対する第1の磁性薄膜1の飽和磁化
S1及び膜厚h1 を選定する。このようにすれば、媒体
温度TがTC1より下がったときの磁化状態としては、第
1及び第2磁性薄膜1及び2のTM副格子磁化の向きは
互いに揃った図3の状態Aあるいは状態Bのいずれかと
なり、その加熱時の温度がT1 のとき状態Aに、加熱時
の温度がT2 のとき状態Bになる。
【0035】図5において状態Eは、温度Tが第1の温
度T1 に昇温されて第1の磁性薄膜1の磁化が消失した
状態であり、これより冷却過程で温度Tが、ほぼ第1の
磁性薄膜1のキュリー温度TC1以下となると、前述した
ように第1の磁性薄膜1はTM副格子磁化が第2の磁性
薄膜2の交換結合力によって第2の磁性薄膜2のそれと
同方向の磁化方向となり図5において初期の状態Aとな
って例えば“0”の記録部を形成する。また、図5にお
いて状態Fは、温度Tが第2の温度T2 に昇温されて第
1及び第2の磁性薄膜1及び2の磁化が一旦消失ないし
は減少して磁界Hexによって第2の磁性薄膜2のTM副
格子磁化が磁界Hexによって反転された状態で、この場
合、第4の磁性薄膜4の存在によって第2及び第3の磁
性薄膜2及び3間の交換結合力が遮断されていることに
よって状態Fのように両磁性薄膜2及び3のTM副格子
磁化の向きが互いに逆向きとなることができる。そして
更に温度Tが、第1の磁性薄膜1のキュリー温度TC1
傍に下ると、第2の磁性薄膜2による交換結合力によっ
て第1の磁性薄膜1に第2の磁性薄膜2と同方向つまり
反転方向のTM副格子磁化が生じた状態Gが生じる。第
2及び第3の磁性薄膜2及び3間の第4の磁性薄膜4に
は第2及び第3の磁性薄膜2及び3の副格子磁化の向き
が互いに逆向きとなることによって界面磁壁9が発生す
る。そして、更に、この状態Gから、温度Tが室温TR
まで冷却して来ると、後述する式12及び13の条件の
設定によって状態Bもしくは状態Cとなる。この時第1
の磁性薄膜1のTM副格子磁化が反転方向になることに
よって例えば“1”の情報が記録される。
【0036】そして、ここで状態Cとなるときは、第1
及び第2の磁性薄膜1及び2の界面に互いのTM副格子
磁化すなわちTMスピンが逆向きとなることによって界
面磁壁9が生じることになる。
【0037】ここで、状態Gから状態Bをとるか、状態
Cをとるか、次の条件式で決定される。ここに、第2,
第3及び第4の磁性薄膜2,3及び4の各膜厚をh2
3及びh4 とし、磁化をMS2,MS3及びMS4とし、保
磁力をHC2,HC3及びHC4とし、計算上h4 ≪h2 ,h
3 とし、MS4・HC4≪MS2・HC2,HS3・HC3とする。
また、第1及び第2の磁性薄膜1及び2間の界面磁壁エ
ネルギー密度をσw1とし、第2及び第3の磁性薄膜2及
び3間の界面磁壁エネルギー密度をσW2とすると、第3
の磁性薄膜3が磁化反転しない条件は、 σW2−2MS3・h3 ・Hex<2MS3・h3 ・HC3 ‥‥(11) となる。また、状態Gから状態Cへの遷移条件は、 σW2−σW1−2MS2・h2 ・Hex >2MS2・h2 ・HC2 ‥‥(12) となる。更にまた、状態Gから状態Bへの遷移条件は、 σw2−σW1−2MS2・h2 ・Hex <2MS2・h2 ・HC2 ‥‥(13) となる。
【0038】したがって上記式(11)及び(12)が
共に満足される条件が与えられるときは、外部磁界Hex
以外に何ら特段の外部磁界が与えられずとも、室温で状
態Cが得られることになる。
【0039】一方、上記式(11)及び(13)が共に
満足される場合は、室温で状態Bから状態Cへの遷移を
行うには、図5に示すように、初期化状態における正方
向の他の外部磁界Hsub を必要とすることになる。この
場合、この磁界Hsub は、 2MS2・h2 ・Hsub +σW2−σW1> 2MS2・h2 ・HC2 ‥‥(14) −2MS3・h3 ・Hsub +σW2< 2MS3・h3 ・HC3 ‥‥(15) を満足するように設定される。今、上記条件式(15)
が満足されている場合において、(14)式のみに着目
すると、 Hsub >Hc2+( σW1/2MS2・h2 )−(σW2/2MS2・h2 ) ‥‥(16) となる。
【0040】そして、上述した状態Cへの遷移によっ
て、第2及び第3の磁性薄膜2及び3の磁化の向き、す
なわちTMスピンの向きは、初期化状態の状態Aにおけ
ると同方向の正方向となっていることによって、次の情
報の書き換えに際しての、書き込み情報に応じた温度変
調、すなわち第1及び第2の温度T1 及びT2 への温度
上昇に当たっては、初期化状態からの場合と同様に状態
Eに遷移されることからオーバーライトが可能となる。
【0041】〔実施例2〕上述の実施例1では、室温T
R から第2の温度T2 まで、補償点Tcompが存在しない
TM−RE磁性薄膜によって各磁性薄膜1,2を構成し
た場合であるが、この実施例2では第2の磁性薄膜2が
図6に実線曲線で飽和磁化MS を示し、破線曲線で保磁
力Hc を示すように室温と、第2の磁性薄膜2のキュリ
ー温度TC2以下の第2の温度T2 以下の間で補償点T
compを有し、Tcompより低い温度でRE副格子磁化優勢
膜いわゆるREリッチ膜の特性を示し、Tcompより高い
温度でTM副格子磁化優勢膜いわゆるTMリッチ膜の特
性を示すような磁性膜によって構成する。この場合の熱
磁気記録媒体10を構成する各磁性薄膜1〜4の構成例
を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】そして、この場合の室温TR での第1の磁
性薄膜1と第2の磁性薄膜2との間の交換力σW1は1.
7erg/cm2 で、第2の磁性薄膜2と第3の磁性薄
膜3の交換力σW2は、2.5erg/cm2 であった。
この構成による熱磁気記録媒体10を用い、第1の温度
1 =150℃、第2の温度T2 =250℃として実施
例1と同様の作用によって情報記録を行った。図7は、
この場合の各過程の磁化状態を示す。図7において図5
と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略す
るものであり、図7において各状態A,E,F,G及び
Cにおける各磁性薄膜1,2,3に付した実線矢印はT
MスピンすなわちTM磁気モーメントを、破線矢印はR
EスピンすなわちTM磁気モーメントを示す。そして、
この実施例2によれば、第1の温度T1 への加熱及び冷
却過程で、状態AもしくはC→状態E→状態Aの遷移が
生じ、これによって例えば“0”のビットが第1の磁性
薄膜1に形成され、第2の温度T2 への加熱及び冷却過
程で状態AもしくはC→状態F→状態G→状態Cへの遷
移が生じ、これによって例えば“1”のビットが書き込
まれることが確認された。
【0044】すなわち、この場合においては、図6に鎖
線aで外部磁場Hexのレベルを示すように、室温TR
第2の磁性薄膜2の保磁力HC2が HC2<Hex となることによって、前記(12)式を成立させること
ができて、この場合は、図7で示されるように状態Gか
ら状態Cに、外部磁場Hex以外の外部磁場Hsubを与え
ることなく直接的に遷移させることができる。
【0045】尚、上述した実施例1及び2の説明におい
ては、図3で説明した状態A,B,C間遷移によって2
値の情報記録を行った場合であるが、図3で示す状態
A,B,D間の遷移によって同様の情報の記録を行うこ
ともできる。すなわち、この場合には、図5及び図7に
おける状態Aを状態Bに、状態Bを状態Aに、状態Cを
状態Dに対応すればよいことになる。
【0046】上述したように、熱磁気記録媒体10にお
いて、その第2の磁性薄膜2と第3の磁性薄膜3との間
に第4の磁性薄膜4を配置し、この第4の磁性薄膜4に
よって記録情報に基く温度T1 かT2 において、第2の
磁性薄膜2と第3の磁性薄膜3との間の磁気的結合を、
結合した状態と、遮断した状態に切換えるようにしたこ
とから、温度T2 における外部磁場Hexによる第2の磁
性薄膜2の反転を確実に行うことができるものである。
【0047】〔実施例3〕この実施例においても、外部
磁界Hexのみが与えられる。ここで用いられる磁気記録
媒体10は、第1,第2及び第3の磁性薄膜1,2及び
3を有して成り、各磁性薄膜1〜3としては、その保磁
力Hc の温度特性の関係が、図8中曲線101〜103
に示すように記録ビット保磁層となる第1の磁性薄膜1
は室温TR で高い保磁力を示すが、そのキュリー温度T
C1が低く、また第3の磁性薄膜3はそのキュリー温度T
C3が最も高く、第2の磁性薄膜2のキュリー温度TC2
傍において高い保磁力を有するものが選ばれる。すなわ
ち、第1〜第3磁性薄膜1〜3の各キュリー温度TC1
C3は、TC3>TC2>TC1に選定され、第3の磁性薄膜
3は情報記録過程において磁化反転が生じない材料に選
定される。第2の磁性薄膜2は図8に示されるように、
室温TR での保磁力が低い材料によって構成されるが、
一定の着磁状態が保磁される第3の磁性薄膜3のTMの
副格子磁化の向きに対し、外部磁界Hexによって反転し
たときのTM副格子磁化の向きが逆になるようにTMリ
ッチあるいはREリッチが決定される。第1の磁性薄膜
1はREリッチあるいはTMリッチのいずれでもよいの
である。各磁性薄膜1〜3の一例の組成、膜厚、特性を
表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】この場合、第1及び第3の磁性薄膜1及び
3は、それぞれのキュリー温度以下でFeリッチすなわ
ちTMリッチであり、第2の磁性薄膜2がTbリッチす
なわちREリッチである場合で、この場合の情報記録過
程を図9を参照して説明する。この場合においても図9
中各状態での各磁性薄膜1〜3においてTMスピンない
しは磁気モーメントを実線矢印で、REスピンないしは
磁気モーメントを破線矢印をもって、模式的に示す。
【0050】この場合2値の記録のための第1及び第2
の温度T1 及びT2 は、第1の温度T1 については、第
1の磁性薄膜1のキュリー温度TC1に近い温度例えばT
1 ≒130℃とし、第2の温度T2 については第2の磁
性薄膜2のキュリー温度TC2に近い例えばT2 ≒200
℃とする。
【0051】いま、室温TR での初期化状態で、第1及
び第2の磁性薄膜1及び2が図3で説明した状態Aにあ
り、このとき第3の磁性薄膜のTMスピンは第1及び第
2の磁性薄膜1及び2のTMスピンと同方向に選ばれて
いるものとする。そして、この実施例においても所要の
外部磁界Hexが例えば状態Aにおける第1及び第2の磁
性薄膜1及び2のTM副格子磁化と同方向に与えられ
る。
【0052】この状態で温度Tを第1の温度T1 に、昇
温して行くと、温度TがTC1近傍で第1の磁性薄膜1の
磁化が状態Nに示すように消滅ないしは減少するが、こ
の状態で図8に示されるように第2及び第3の磁性薄膜
2及び3は所要の大なる保磁力を有しているので、これ
らに、外部磁界HexによるTM,RE各副格子磁化の反
転が生じることがないようにしておくことによって、こ
の昇温状態からの冷却過程で第2の磁性薄膜2との交換
結合力によって第1の磁性薄膜1に初期状態Aと同方向
の各TM及びRE副格子磁化が発生し、状態Aに戻って
例えば情報“0”の記録部分が形成される。
【0053】一方、温度Tを、第2の温度T2 すなわち
第2の磁性薄膜2のキュリー温度TC2近傍に昇温する
と、状態Oに示すように第1の磁性薄膜1の磁化はもと
より、第2の磁性薄膜2の磁化が消失するか殆ど消失す
るが、この時この温度で第3の磁性薄膜3は充分大きな
保磁力を有しているので、この温度T2 においても外部
磁界Hexによる影響を受けることなく所定の磁化方向を
保磁している。
【0054】しかしながら、第2の磁性薄膜2に関して
は外部磁界Hexによってその冷却過程でその磁化の向き
が外部磁界Hexに揃えられる。つまり、状態Pに示すよ
うにTM副格子磁化については外部磁界Hexと逆向き、
したがって第2の磁性薄膜2のTM副格子磁化は第3の
TM副格子磁化とは逆向きになり、両磁性薄膜2及び3
間に界面磁壁9が生じる。そしてさらに降温すなわち冷
却過程で温度Tが第1の磁性薄膜1のキュリー温度TC1
に近づくと、第1の磁性薄膜1に磁化が現われるがこの
とき第1の磁性薄膜1の温度特性及び膜厚等の選定によ
って、そのTM副格子磁化が第2の磁性薄膜2のTM副
格子磁化の向きに揃えられて状態Qが得られる。さらに
温度Tを降温して行くと第1の磁性薄膜1はその保磁力
が高くなるのでこの磁化状態が保磁されるが、この媒体
10の構成では第2及び第3の磁性薄膜2及び3間の交
換力が大きく、すなわち第2及び第3の磁性薄膜2及び
3間の磁壁エネルギーに比し、第1及び第2の磁壁エネ
ルギーが小さく選定されているものであり、これによっ
て第2の磁性薄膜2の副格子磁化の向きが反転して図3
で示す状態Cが与えられて情報“1”の記録部分が形成
される。
【0055】そして、この情報“1”の書き込み部分を
含んで、次の情報の書き込みを行うために、温度T1
たはT2 への温度上昇を行うと、状態Aの部分も、状態
Cの部分も共に第2の磁性薄膜2におけるTM及びRE
各副格子磁化は互いに逆方向に向けられていることか
ら、何れの場合も、状態Nへの遷移を経ることになるの
で、前述したと同様の例えば“0”及び“1”の情報の
書き込みすなわちオーバーライトができることになる。
【0056】なお、上述した例においては、状態A及び
Cによる2値情報を行うようにした場合であるが、図3
に示す状態B及びDを、図9の状態A及びCに代えて2
値情報記録を行うようにすることもできる。この場合に
おいては外部磁界Hexを図9とは逆向きに選定する。
【0057】上述したように、第1〜第3の磁性薄膜に
よる熱磁気記録媒体を用いる場合においても、2値記録
ができるが、第4の磁性薄膜4の介在によって外部磁場
exによる第2の磁性薄膜の磁化の反転をより確実に行
うことあできる。
【0058】なお、上述した各例においては、各磁性薄
膜1〜4がフェリ磁性を有する場合について示したがフ
ェロ的磁性膜によるものを用いることもできる。
【0059】
【発明の効果】上述したところから明らかなように、本
発明方法によれば、消去過程(時間)を必要としないこ
とから高転送レート化を実現できること、消去ヘッドを
用いるような2ヘッド方式をとらないことから構造の簡
素化がはかられること、更に外部磁場変調によらず、熱
変調、例えばレーザ光の変調によって記録を行うことが
できることから高速記録化がはかられ、しかも単一レー
ザ光によって構成できることと相俟って装置の簡略化が
格段にはかられるなどの多くの利益がある。
【0060】また、上述した各実施例によって明らかな
ように本発明において、第3の磁性薄膜3を設けたこと
によって外部磁界Hexのみを用いて他の外部磁界によら
ず2値情報記録と共にオーバーライトが可能な状態に持
ち来すことができる。
【0061】そして、図5で説明した実施例1における
ように、状態Bから状態Cへの遷移において外部磁界H
sub を用いる場合においても、例えば特願昭61−19
4961号出願で提案したような第1及び第2の磁性薄
膜1及び2のみによる熱磁気記録方法に比してその外部
磁場Hsub の低減化をはかることができる。すなわち、
特願昭61−194961号出願による熱磁気記録方法
では、本発明による図5の実施例1における第1及び第
2の磁性薄膜1及び2のみを磁性層として有する構成を
採るものであるので、この場合、例えば図3に示した状
態Bから状態Cへの遷移に必要とする外部磁場H
sub は、 Hsub >HC2+σW /2MS22 ‥‥(161) となる。これに比し実施例1においては前記条件(1
6)式によるものであるから、両式(161)式と(1
6)式とを比較して明らかなように(16)式の場合
は、(161)式に比しσW2/2MS22 の項の分だけ
sub の低減化をはかることができることになる。
【0062】更に例えば、上述したように、磁性層が第
1及び第2の磁性薄膜1及び2のみにより、しかも第2
の磁性薄膜2において、室温TR とそのキュリー温度T
C2との間に補償温度Tcompが存在するよう補償組成では
ない磁性薄膜によって構成する場合、第1の温度T1
すなわち第1の磁性薄膜1のキュリー温度TC1近傍で第
2の磁性薄膜2に磁化反転が生じないようにする必要が
あり、そのため、このときの第2の磁性薄膜2の保磁力
C2は、実際上約1kOe以上となる。このような条件
を満足する材料は、室温TR での保磁力HC2は、約2k
Oe以上にもなるので、(161)式において更にσW
/2MS22 の項が付加された第2の外部磁界H
sub は、少なくとも3〜4kOe以上の大きな磁場を必
要とすることになり、このような磁界Hsub を媒体10
の全域に、同時的或いは順次的に与える装置は実用上難
点がある。
【0063】また、特願昭61−194962号出願の
もののように、第1及び第2の磁性薄膜1及び2のみに
よって、磁性層を構成するものにおいて、その第2の磁
性薄膜2を、室温TR とキュリー温度TC2の間に補償温
度Tcompを用いるものにおいては、第2の外部磁界H
sub を外部磁界Hexと一致させることができ、実質的に
磁界Hsub を特別に設ける必要はなくなるが、この場
合、第1の温度T1 、つまり第1の磁性薄膜1へキュリ
ー温度TC1近傍で第1の磁性薄膜1が、第2の磁性薄膜
2との交換力に作用させるためには、外部磁界Hexは大
きく見積もっても1kOe以下であるのに対し、室温T
R で第2の磁性薄膜2に磁化反転を生じさせる磁界は、
(161)式により約2kOe以上となるので、この値
を小さくさせる為には、膜厚を厚くするとか第2の磁性
薄膜2の磁化反転温度を高温側に設定し、室温TR での
磁化MS を大きくすることが考えられるがこの場合、記
録パワーが大きくなるなどの問題が生じる。ところが、
上述の本発明によれば第3の磁性薄膜3が配設された磁
気記録媒体10の使用によってこのような問題の解決も
はかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱磁気記録媒体の基本的構成図であ
る。
【図2】本発明による熱磁気記録媒体の一例の断面図で
ある。
【図3】磁化状態間の遷移の説明図である。
【図4】記録装置の概略的構成図である。
【図5】本発明による熱磁気記録媒体の一例の磁化過程
の説明図である。
【図6】磁化及び保磁力の温度特性図である。
【図7】他の例の磁化過程の説明図である。
【図8】磁性薄膜の例の保磁力の温度特性図である。
【図9】他の例の磁化過程の説明図である。
【符号の説明】
1〜4 第1〜第4の磁性薄膜、10 熱磁気記録媒
体、R レーザ光、21,22 磁石、25 駆動モー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ希土類−遷移金属磁性膜からな
    り互いに磁気的に結合した第1、第2及び第3の磁性薄
    膜を有し、該第2及び第3の磁性薄膜が交換結合力によ
    り結合されていて、上記第3の磁性膜の副格子磁化の向
    きが常に一定であって、上記第2及び第3の磁性薄膜の
    各膜厚をh2 及びh3 とし、磁化をMS2及びMS3とし、
    保磁力をHC2及びHC3とし、上記第1及び第2の磁性薄
    膜間の界面磁壁エネルギー密度をσw1とし、第2及び第
    3の磁性薄膜間の界面磁壁エネルギー密度をσW2とし、
    外部磁場をHexするとき、 σW2−2MS3・h3 ・Hex<2MS3・h3 ・HC3 ‥‥(A) σW2−σW1−2MS2・h2 ・Hex>2MS2・h2 ・HC2 ‥‥(B) の条件を満たすようにしたことを特徴とする熱磁気記録
    媒体。
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