JPH1056788A - リニア型超音波モータ及びそれを用いた記録再生装置 - Google Patents

リニア型超音波モータ及びそれを用いた記録再生装置

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JPH1056788A
JPH1056788A JP8211608A JP21160896A JPH1056788A JP H1056788 A JPH1056788 A JP H1056788A JP 8211608 A JP8211608 A JP 8211608A JP 21160896 A JP21160896 A JP 21160896A JP H1056788 A JPH1056788 A JP H1056788A
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JP8211608A
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Shinichi Sako
真一 佐古
Kimihiko Suezawa
公彦 末沢
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Sharp Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の一方向に伸縮する一対の圧電素子を2
枚用いた構成のリニア型超音波モータでは、圧電素子と
連結部材との接着面の法線方向が伸縮方向となるため接
着面で剥がれ易くなり、信頼性に問題がある。また、連
結体、連結台、及び連結軸からなる連結部材を用いてい
るので、強度上の問題から連結部材にある程度の肉厚が
必要となり、小型化、軽量化に限界がある。 【解決手段】 一方向にのみ伸縮する一対の圧電素子1
・2を連結する連結部材3を、弾性体からなる機械的連
結のない一体構成物とし、その両端の基台部3a・3
a’に、各圧電素子1・2がその伸縮方向と平行な面を
取り付け面として取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電効果を起こす
圧電素子に、超音波領域に周波数を有する交流電圧信号
を供給し、これにて発生する弾性振動を駆動源とし、振
動体に押圧された可動体に摩擦力を用いて駆動力を付与
するリニア型超音波モータ、及びそれを磁気ヘッドの昇
降機構に用いた記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁界変調によって記録されるディスクの
記録再生装置に備えられた、従来の磁気ヘッド昇降機構
を、図10を用いて説明する。図10(a)は、記録再
生装置の要部平面図であり、同図(b)は、記録再生装
置の要部側面図である。磁気ヘッド53は、アーム52
に取り付けられており、このアーム52の上下方向への
回転運動により昇降可能となっている。アーム52は、
光ピックアップ50に固定されたアングル51に対して
上下方向の回転が可能となるように取り付けられてい
る。また、アーム52は、磁気ヘッド53がディスク5
4に対してある範囲の圧力にて押圧可能となるように、
アングル51に対してバネ55により付勢されている。
【0003】上記アーム52の上下方向への回転運動
は、ディスク54を収納可能とするシャーシ58に対
し、上下方向に回転できるように取り付けられたリフト
レバー56により行われる。すなわち、このリフトレバ
ー56を昇降させることにより磁気へッド53の昇降が
可能となる。また、磁気へッド53がディスク54に接
している(録音)状態において振動や落下により磁気ヘ
ッド53を跳ね上げないように、リフトレバー56をシ
ャーシ58に対して付勢するバネ59も設けられてい
る。
【0004】上記リフトレバー56の上下方向への回転
は、スライドレバー60の前後方向への移動により行わ
れ、スライドレバー60には、該レバー60の前後方向
の移動によりリフトレバー56を回転させるためのカム
形状のような昇降手段60aが形成され、リフトレバー
56側には、該昇降手段60aの駆動を受ける被動手段
56aが形成されている。
【0005】上記スライドレバー60には、該レバー6
0を前後方向に移動させる誘導溝60bが設けられ、誘
導溝60bに、上記シャーシ58に取り付けられた磁気
へッド昇降用モータ57の最終減速段であるリフトギヤ
57aの側面部に設けられた移動手段(図示せず)が設
置されている。これにより、モータ57の回転ととも
に、リフトギヤ57aが回転しスライドレバー60が前
後移動される。
【0006】そして従来、上記モータ57には、小型化
を図るため通常高回転低トルクであるDCブラシ付モー
タ等が用いられており、該モータの出力を減速機構によ
り減速して使用するようになっている。
【0007】ところで、近年、圧電素子を用いた超音波
モータの開発が著しく、実用化されつつある。圧電素子
は、交流電圧信号が供給されると、その圧電効果によっ
て伸縮する特性を有しており、従来より、強誘電体に分
極処理を施した圧電素子が、電気エネルギーと機械エネ
ルギーの変換素子として利用されている。
【0008】超音波モータでは、圧電素子の特性を利用
し、圧電素子に超音波領域に周波数を有する交流電圧信
号を供給し、交流電圧信号の超音波周波数に応じた伸縮
の弾性振動を発生させて圧電素子の振動が伝達される振
動体の表面の可動体と接触している点、即ち質点に楕円
(略楕円も含む)軌跡を描かせ、該振動体に押圧された
可動体を、押圧力による摩擦力を用いて得られる駆動力
により移動させるようになっている。
【0009】可動体が振動体と常に接触し、質点の運動
に完全に追随する場合には、物体の移動は生じないが、
超音波領域の周波数が20kHz以上と高いため、可動
体は質点の移動に追随できず、一周期のうちのある時間
は接触し、残りの時間は浮いた状態となる。したがっ
て、振動体が特定の方向に運動している時にだけ接触す
るので、一方向に駆動力を付与することができる。
【0010】楕円軌跡の超音波振動を発生させる方式と
して、進行波を用いる進行波型と定在波を用いる定在波
型とがある。前者の進行波型には、縦波と横波の組み合
わされた進行波そのものを用いる場合と、空間的、時間
的に位相の異なった定在波を組み合わせ、疑似的に進行
波を得る場合とがある。
【0011】また、効率良く出力が得られる上記交流電
圧信号の周波数は、振動振幅が大きくなる共振周波数f
s近傍であり、このような共振周波数fsは、圧電素子
の形状及び材料等によって異なる。超音波モータに利用
される上記圧電素子としては、チタン酸バリウム系圧電
素子等がある。
【0012】ここで、現在最もよく利用されている回転
型超音波モータについて、図11を参照して説明する。
この回転型超音波モータは、交流電圧信号が供給される
ことにより進行波を発生するステータ61と、このステ
ータ61に適切な圧力で押圧されることにより回転駆動
されるロータ62とから構成されている。上記ステータ
61は、図示しない駆動手段から供給される交流電圧信
号により弾性振動して進行波を発生する圧電素子63
と、この圧電素子63に接着された弾性体64とからな
る。また、上記ロータ62は、ステータ61より発生し
た進行波を押圧されることにより有効に回転運動に変換
するライニング材65と、このライニング材65に固定
され回転運動を図示しない可動体に伝達する回転体66
とからなる。
【0013】上記圧電素子63は、図12に示すよう
に、それぞれ位置的に波長λの2分の1ごとに分極方向
を交互に反対に分極されると共に、2組の駆動電極63
a・63bが位置的に波長λの4分のlほどずらした位
置に形成されている。そして、これら2組の電極63a
・63bに同一周波数で互いの位相差が1/4となる2
種類の交流電圧信号が供給されることで、圧電素子63
は、回転運動を生み出す進行波を発生する。尚、図中の
±は圧電素子63の表面の分極方向を示している。
【0014】また、直線運動させるリニア型超音波モー
タとしては、ステータ或いは圧電素子の形状や配置によ
って、モノレール(長円)型やリニアレール型などがあ
る。
【0015】前者のモノレール型は、前記したリング型
の圧電素子の円周の1部分を引き伸ばして長円型にした
ものであり、例えば特開平5−3685号公報などに記
載されている。後者のリニアレール型は、直線状のレー
ルであるステータの両側に発振用及び吸振用の圧電素子
(ランジュバン型等)を設置することにより進行波を発
生するものである。
【0016】ところが、上記した回転型超音波モータ
や、モノレール型、リニアレール型のリニア型超音波モ
ータでは、何れのタイプも装置自体の大きさの問題によ
り、限られた空間を最大源に利用するといった用途には
不向きである。
【0017】つまり、図11の回転型超音波モータでは
圧電素子63がリング型であり、モノレール型は、直線
運動できる部分に対して他の使用していない部分が大き
く、また、リニアレール型は、直線状のステータが必要
である等の理由により、必然的に設置可能な空間が限ら
れてくる。
【0018】加えて、図11の回転型超音波モータで
は、圧電素子63において図12に示したような電極パ
ターンの割り出しが必要であると共に、分極処理も交互
に分極方向を変える必要があり、圧電素子63のコスト
が高くつくといった問題点も有している。
【0019】一方、最近、図13及び図14に示すよう
な構成のリニア型超音波モータが提案されている。これ
らは、薄い角板状の圧電素子71・72が長さ方向に伸
縮することを利用し、2枚組み合わせることにより楕円
軌跡を有する超音波振動を発生させるものである。これ
においては、一対の圧電素子71・72は一方向に伸縮
するだけの構成であるので、個々において分極方向は同
一であり、また、電極パターンの割り出しも不要とな
る。しかも、薄い角板状の圧電素子71・72を、上下
方向に段差を有して平行に、或いは、互いの伸縮方向が
角度を成すように配置し、これらを連結部材にて連結す
るだけの構成であるので、上記した回転型超音波モータ
や、モノレール型、リニアレール型のリニア型超音波モ
ータ等に比べて小型であることはもちろん、限られた空
間を利用するといった用途に適している。
【0020】以下に、図13に示すリニア型超音波モー
タについて説明する。このリニア型超音波モータは、同
図(a)にその初期状態を示すが、一対の角板状の圧電
素子71・72が移動面の法線方向である上下方向に平
行で段差を有した位置に配設されている。そして、これ
ら圧電素子71・72が、連結部材70にて連結されて
いる。この連結部材70は、圧電素子71・72の互い
に対向する振動面71a・72aにその一端が接着され
た連結体74・74、これら連結体74・74の他端同
士と連結され、これら連結体74・74の往復運動を楕
円運動に変換することで、押圧されている可動体(図示
せず)に駆動力を付与する連結台73、及びこれら連結
体74・74と連結台73とを連結する連結軸75・7
5から構成されている。
【0021】上記リニア型超音波モータでは、圧電素子
71・72に、同一の周波数でπ/2の位相差を有する
2種類の交流電圧信号がそれぞれ供給されると、連結台
73に質点Pが楕円運動して連結台73に推力が発生
し、連結台73に可動体を押圧することで、可動体は図
中矢印Bにて示す左右両方向に移動される。
【0022】このようなリニア型超音波モータの駆動
を、図13(a)〜(i)、及び図3を用いて詳細に説
明する。図3は、圧電素子71・72に印加する2種類
の交流電圧信号の一周期の波形を示しており、交流電圧
信号であるA信号とB信号とは、同一周波数、同一振幅
であり、位相がA信号に対してB信号がπ/2進んだも
のである。このような2種類の交流電圧信号を、圧電素
子71にA信号、圧電素子72にB信号というように供
給すると、まず、信号供給直後のb点では、A信号が0
で、B信号が最大値となる(図3参照)ので、図13
(b)に示すように、圧電素子72のみが最大に伸長す
る。したがって、同図(a)の初期状態より圧電素子7
1・72の間隔が狭くなり、初期状態では水平であった
連結台73が形状的に撓み易い上方向に撓む。図中、質
点をPにて示す。
【0023】次に、π/4経過したc点では、A信号、
B信号ともに中位の正電圧であるので(図3参照)、図
13(c)に示すように、圧電素子71・72がそれぞ
れ中位の伸長となる。したがって、圧電素子71・72
の間隔がさらに小さくなり、連結台73がさらに撓む。
このとき、連結台73の質点Pは、A信号の増加、B信
号の減少とともに、圧電素子72側に移動する。
【0024】π/2経過したd点では、A信号及びB信
号の各電圧値がb点に対して逆の関係になるので(図3
参照)、図13(d)に示すように、圧電素子72は伸
縮せず、圧電素子71のみが最大に伸長する。したがっ
て、連結体73の撓み量は同図(b)と同等であるが、
質点Pは、A信号のさらなる増加、B信号のさらなる減
少とともに、さらに圧電素子72側に移動する。
【0025】3π/4経過したe点では、A信号及びB
信号の各電圧値は逆極性でつりあっているので(図3参
照)、図13(e)に示すように、圧電素子71が中位
の伸長で、圧電素子72が中位の収縮となる。したがっ
て、圧電素子71・72の間隔は、同図(a)の初期と
同等の状態になり、質点Pは初期の水平状態に戻る。
【0026】π経過したf点では、A信号が0でB信号
が最小値となり(図3参照)、図13(f)に示すよう
に、圧電素子71は伸縮せず、圧電素子72のみが最大
に収縮する。したがって、圧電素子71・72の隙間は
広がり、連結体73は下方向に撓む。
【0027】5π/4経過したg点では、A信号、B信
号ともに負電圧であるので(図3参照)、図13(g)
に示すように、圧電素子71・72ともに中位の圧縮と
なる。したがって、圧電素子71・72の間隔が最大と
なり、連結体73はさらに下方向に撓み、連結台73の
質点Pは、A信号の減少、B信号の増加とともに、同図
(f)の位置よりも圧電素子71側に移動する。
【0028】3π/2経過したh点では、前記f点とA
信号及びB信号の各電圧植が逆になるので(図3参
照)、図13(h)に示すように、圧電素子72は伸縮
せず、圧電素子71のみが最大に収縮する。したがっ
て、連結体73の撓み量は同図(f)と同等であるが、
質点Pは、A信号のさらなる減少、B信号のさらなる増
加とともにさらに圧電素子71側に移動する。
【0029】7π/4経過したi点では、A信号及びB
信号の各電圧値は逆極性でつりあっているので(図3参
照)、圧電素子71が中位の圧縮となり、圧電素子72
が中位の伸長となる。したがって、圧電素子71・72
の間隔は、同図(a)の初期と同等の状態になり、質点
Pは初期の水平状態に戻る。
【0030】このi点からπ/4経過したj点は、電圧
供給直後のb点と同等である。つまり、リニア型超音波
モータは、図13の(a)を初期状態とし、1周期(2
π)の間に同図(b)→(c)→(d)→(e)→
(f)→(g)→(h)→(i)に変化し、再び次の周
期で(b)戻るといった繰り返し運動を行い、この間、
質点Pが楕円運動する。
【0031】一方、図14に示すリニア型超音波モータ
は、上記の図13のリニア型超音波モータと構造的には
ほぼ同じであり、ただ、図13のリニア型超音波モータ
では、圧電素子71・72を上下方向に平行で段差を持
たせて位置に配設していたのに対し、一方の圧電素子7
2を、移動面に平行な位置に配設すると共に、他方の圧
電素子71を、圧電素子72の伸縮方向に対してその伸
縮方向が角度θを成すように配置している。そのため、
連結部材70’の連結台73’の縦折れ部分が、図13
のリニア型超音波モータでは左右で異なる長さを有して
いたのに対し、同じ長さを有している。このようなリニ
ア型超音波モータも、圧電素子71・72に各々同一の
周波数、同一振幅で一方の交流電圧信号に対して他方の
交流電圧信号が位相差π/2を有する2種類の交流電圧
信号が供給されることによって、連結台73’が楕円運
動し、連結台73’上に推力が発生し、連結台73’に
押圧された可動体が矢印Bにて示す左右両方向に移動さ
れることとなる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
記録再生装置のように、磁気ヘッド昇降用モータ57と
して(図10(a)参照)、DCブラシ付モータ等を使
用した構成では、該モータが高回転低トルクであるため
減速機構が必要であり、減速機構による部品点数の増加
が避けられず、小型化、薄型化を図ることができないと
いった問題を有している。また、部品点数の増加にとも
ない組み立て作業も煩雑になり、かつ、信頼性にも問題
がある。さらに、ギヤのかみ合わせ音により騒音や異音
が発生するといった音の問題も有る。
【0033】そこで、前述の図13、図14にて示した
タイプのリニア型超音波モータを、磁気ヘッド昇降用モ
ータとして用いることが考えられるが、図13、図14
のリニア型超音波モータでは、以下に示すような問題が
ある。
【0034】つまり、連結体74・74を圧電素子71
・72の振動面71a・72aに接着等により取り付け
るため、接着面の法線方向が伸縮方向となる。したがっ
て、圧電素子71・72の伸縮による負荷が接着部分に
直にかかり、剥がれ易くなり、信頼性に劣る。
【0035】また、連結体74・74と連結台73との
連結を、連結軸75・75にて行っているので、強度上
の問題から連結軸75・75、連結体74・74、連結
体73全てにある程度の肉厚が必要となり、小型化、軽
量化に限界がある。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
リニア型超音波モータは、上記の課題を解決するため
に、一方向にのみ伸縮する一対の圧電素子を連結部材に
て、伸長方向が連結部材の中央部に向く方向となる一
方、収縮方向が連結部材の中央部から離れる方向となる
ように連結し、該連結部材の弾性部表面に両圧電素子の
振動により楕円軌跡の超音波振動を発生させ、該弾性部
に接触する可動体に摩擦力を用いて駆動力を付与するリ
ニア型超音波モータにおいて、上記連結部材が、弾性体
からなる機械的連結のない一体構成物で、その両端の基
台部に、各圧電素子がその伸縮方向と平行な面を取り付
け面として取り付けられていることを特徴としている。
【0037】上記の構成によれば、一対の圧電素子を連
結し、弾性部分に両圧電素子の振動により楕円軌跡の超
音波振動を発生する連結部材が、弾性体からなる機械的
連結のない一体構成物であるので、前述した図13、図
14に示す従来構成のリニア型超音波モータ(以下、同
タイプの従来モータと称する)のように、一対の圧電素
子を、複数の部材が機械的に連結された構成の連結部材
にて連結していた構成に比べ、機械的連結のための強度
を考慮する必要がないので、連結部材の小型化、軽量化
が図れ、ひいては、リニア型超音波モータ自体の小型化
・軽量化が可能となる。
【0038】両圧電素子の振動を用いて連結部材に楕円
軌跡の超音波振動を生じさせるには、両圧電素子の伸縮
を極力妨げないように連結し、損失をできるだけ小さく
する必要があるが、連結部材の小型化、軽量化が図れる
ことで、同タイプの従来モータに比べて、圧電素子の伸
縮による振動をより効率良くモータ出力に変換すること
ができる。
【0039】また、上記構成によれば、各圧電素子は、
連結部材の両端に形成された基台部に、圧電素子の伸縮
方向と平行な面を取り付け面として取り付けられるの
で、前述した同タイプの従来モータのように、接着面の
法線方向が圧電素子の伸縮方向となることがなく、圧電
素子の振動による負荷が直に接着面にかかることが避け
られ、剥がれ等の発生を抑制し、信頼性を向上できる。
【0040】本発明の請求項2記載のリニア型超音波モ
ータは、上記請求項1の構成において、連結部材の基台
部間に、ほぼ平面状を成し、可動体に接触して駆動力を
付与する可動体接触部と、該可動体接触部の面方向と平
行な方向に突出した略U字形状を成し、両基台部から伝
達される圧電素子の振動にて捻じり変形されて可動体接
触部に楕円軌跡の超音波振動を発生させる捻じり変形部
とが形成されていることを特徴としている。
【0041】上記の構成によれば、両基台部から伝達さ
れる両圧電素子の振動により、捻じり変形部が捻じり変
形され、この捻じり変形部が、可動体接触部に楕円軌跡
の超音波振動を発生させるので、例えば、同タイプの従
来モータの連結部材と同じような形状で、その両端に基
台部を設けた形状の連結部材を、弾性体からなる機械的
連結のない一体構成物で得た場合、請求項1の構成にて
記載した作用は奏し得るものの、可動体移動面の法線方
向である上下方向へ嵩高な構成となり、例えば、後述す
る請求項8に記載のような磁気ヘッド昇降機構の駆動源
としての用途等の薄型化の要求に応えることができない
が、このような構成とすることで、薄型化が図れ、薄型
化の要求に応えることができる。
【0042】本発明の請求項3記載のリニア型超音波モ
ータは、請求項2の構成において、連結部材の可動体接
触部に、一対の圧電素子の間隔が狭まったときに可動体
接触部が可動体側に撓み易いように撓み方向を方向付け
る反りが形成されていることを特徴としている。
【0043】上記の構成によれば、上記連結部材の可動
体接触部に形成された反りにより、一対の圧電素子の間
隔が狭まったときに可動体接触部が可動体側に撓み易く
なるので、可動体接触部の振動がスムーズに行われるよ
うになり、ひいては、可動体の移動をスムーズに行わせ
ることができる。
【0044】本発明の請求項4記載のリニア型超音波モ
ータは、請求項2の構成において、連結部材に、可動体
接触部とで可動体を挟み込み、かつ弾性により可動体接
触部に可動体を押圧する押圧部が一体に設けられている
ことを特徴としている。
【0045】本タイプのリニア型超音波モータに限ら
ず、超音波モータにおいては、振動体の楕円軌跡の超音
波振動にて生じた推力を、摩擦力を使って駆動力に変え
るため、可動体を超音波振動している振動体に押圧する
手段は、必要不可欠である。
【0046】上記の構成によれば、このような必要不可
欠である押圧手段を、連結部材が弾性体からなることを
利用し、可動体を可動体接触部とで挟み込み弾性により
押圧する押圧部として連結部材に一体に形成したので、
例えば、押圧手段をバネ等の付勢手段から別個に構成し
た場合に比べ、バネ等の部品も、またこれを固定するた
めの部品、及びそのための形状加工等も必要なくなり、
コストダウンを図ることができる。尚、押圧力の調整
は、可動体接触部と押圧部との隙間を調整することで簡
単に調整可能である。
【0047】本発明の請求項5記載のリニア型超音波モ
ータは、上記請求項2の構成において、連結部材におけ
る少なくとも一方の基台部に凸部が形成され、この凸部
に振動伝達防止部材が取り付けられていることを特徴と
している。
【0048】上記の構成によれば、連結部材の基台部に
凸部が形成され、該凸部に振動伝達防止部材が取り付け
られているので、この振動伝達防止部材により、圧電素
子の振動の外部への伝播を抑制することができる。例え
ば、このリニア型超音波モータを記録再生装置等へ搭載
することにより、記録再生装置等へ振動が伝播されるこ
とによる記録再生特性の劣化を防止することが可能とな
る。
【0049】本発明の請求項6記載のリニア型超音波モ
ータは、請求項2の構成において、一対の圧電素子が、
一方の圧電素子の基台部への取り付け面と他方の圧電素
子の基台部への取り付け面との成す角度がほぼ直角とな
るように配置されていることを特徴としている。
【0050】上記の構成によれば、一対の圧電素子は、
その伸縮方向に平行な基台部への取り付け面同士の成す
角度がほぼ直角となるように配置されており、つまり
は、両圧電素子の伸縮方向の成す角度が略直角である。
したがって、両圧電素子に同一の周波数で異なる位相を
持つ交流電圧信号を印加した場合に、可動体接触部に発
生する超音波振動の楕円軌跡が最大となるため進行波の
振幅も最大となる。その結果、交流電圧信号の単位時間
における可動体の移動量が最大となり、単位移動距離に
おける移動時間が最短になる。
【0051】本発明の請求項7記載のリニア型超音波モ
ータは、請求項6の構成において、一対の圧電素子の内
の一方の圧電素子の伸縮方向が、可動体の移動方向と平
行であることを特徴としている。
【0052】上記の構成によれば、一方の圧電素子の伸
縮方向が可動体の移動方向と同一とすると、他方の圧電
素子の動体の伸縮の方向が前記移動体の移動方向に対し
て垂直であるため、請求項6の構成による作用に加え
て、一方の圧電素子に印加する交流電圧信号に対する他
方の圧電素子に印加する交流電圧信号の位相差の±符号
を変えることによって可動体の移動方向を反転させる構
成において、移動方向による出力差をなくすことができ
る。
【0053】本発明の請求項8記載の記録再生装置は、
上記の課題を解決するために、磁界変調によって情報が
記録されるディスクに対して磁気ヘッドを昇降させる磁
気ヘッド昇降機構を備えた記録再生装置において、磁気
ヘッド昇降機構の駆動源として、請求項2に記載のリニ
ア型超音波モータを用いたことを特徴としている。
【0054】上記の構成によれば、低速高トルクで減速
機構が不要であり、高信頼性、小型、かつ、薄型である
といった利点を備えた請求項2記載のリニア型超音波モ
ータを磁気ヘッドの昇降機構の駆動源に用いている。し
たがって、従来のDCブラシ付モータ等を用いた構成に
比べて、減速機構が不要であることによる部品点数の削
減、組み立て作業の簡素化、信頼性の向上が図れると共
に、ギヤ音や異音による騒音問題を解決する。しかも、
記録再生装置の小型化、薄型化を阻まず、また、超音波
モータの最大の利点である応答性を生かした素早い磁気
ヘッドの昇降が可能であるので、記録再生装置において
の録音開始を素早く行うことができる。
【0055】本発明の請求項9記載の記録再生装置は、
請求項8の構成において、請求項7に記載のリニア型超
音波モータを用い、該リニア型超音波モータの移動方向
とその伸縮方向がほぼ直角を成す側の圧電素子が取り付
けられた基台部が、装置本体の駆動源取り付け用シャー
シの折り曲げによる側面部に取り付けられていることを
特徴としている。
【0056】上記の構成によれば、低速高トルクで減速
機構が不要であり、高信頼性、小型、かつ、薄型に加え
て、単位移動距離における移動時間が最短で、かつ、一
方の圧電素子に印加する交流電圧信号に対する他方の圧
電素子に印加する交流電圧信号の位相差の±符号を変え
ることによって可動体の移動方向を反転させる構成にお
いて、移動方向による出力差を有することのない請求項
7記載のリニア型超音波モータを、磁気ヘッドの昇降機
構の駆動源に用いているので、請求項8の構成を有する
記録再生装置よりも、より素早い磁気ヘッドの昇降が可
能であると共に、磁気ヘッドを上昇させる場合と下降さ
せる場合とで性能の格差もなく、しかも、シャーシの折
り曲げ部分に取り付けることによって記録再生装置を小
型化、薄型化を阻止するものでもない。
【0057】本発明の請求項10記載の記録再生装置
は、請求項8又は9の構成において、上記リニア型超音
波モータの可動体接触部に可動体を押圧する圧力を調整
する押圧力調整手段が設けられていることを特徴として
いる。
【0058】上記の構成によれば、押圧力調整手段によ
り、リニア型超音波モータの可動体接触部に可動体を押
圧する圧力を調整することができるので、例えば、常に
一定の圧力で可動体を押圧する構成の場合、量産される
可動体の厚みにバラツキがあると、押圧力が強過ぎたり
弱過ぎたりして必要な駆動力を引き出せず、磁気ヘッド
の昇降が行えない等の問題が発生する虞れがあるが、こ
れにより、確実な磁気ヘッドの昇降動作が可能なる。
【0059】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1な
いし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0060】まず、図1を用いて、本実施の形態のリニ
ア型超音波モータの構成について説明する。図1(a)
は、本実施の形態のリニア型超音波モータの平面図であ
り、同図(b)はその側面図である。図1(a)(b)に
示すように、このリニア型超音波モータは、交流電圧信
号が供給されることにより長さ方向に伸縮する角板状の
一対の圧電素子1・2と、これら圧電素子1・2を連結
する、弾性体からなる連結部材3とから構成されてお
り、後述のように圧電素子1・2に2種類の超音波領域
に属する高周波の交流電圧信号が印加されることで、連
結部材3の可動体接触部3bが、周波数に応じた楕円運
動を行い、つまり楕円軌跡の超音波振動を発生し、それ
にて生じる推力が摩擦力にて駆動力に変換され、矢印A
にて示す左右両方向に可動体4を移動させるようになっ
ている。
【0061】上記圧電素子1・2は、例えばチタン酸バ
リウム系圧電素子であり、一対の圧電素子1・2の伸縮
により、これら圧電素子1・2の間を連結する連結部材
3が楕円運動するように、一方の圧電素子2は、矢印A
にて示す可動体4の移動方向とその伸縮方向とが平行と
なるように配置され、他方の圧電素子1は、その伸縮方
向がもう一方の圧電素子2の伸縮方向と角度θ1 を成す
ように配置されている。この角度θ1 は、圧電素子1の
伸長時に可動体接触部3bを上方に押し上げ得る角度で
あれば良く、ここでは、90°より小さいものとする。
但し、この角度θ1 が90°に近いほど可動体接触部3
bを同じ圧電素子1・2の伸縮率でも大きく持ち上げる
ことができる。
【0062】上記連結部材3は、機械的連結のない一体
構成物からなるもので、板バネ等から構成されている。
連結部材3の両端には、一対の圧電素子1・2を取り付
ける基台部3a・3a’が形成されており、これら基台
部3a・3a’に、伸縮方向と平行な面を取り付け面と
して、接着により取り付けられている。このように、伸
縮方向と平行な面を取り付け面として取り付けられるこ
とで、たとえ接着による取り付けでも、振動による負荷
が直に接着面にかかることがないので、剥がれ等が起こ
り難くなり、信頼性が向上する。
【0063】上記連結部材3におけるこれら基台部3a
・3a’間には、可動体4と接触し、可動体4に駆動力
を付与する可動体接触部3bと、この可動体接触部3b
に楕円軌跡の超音波振動を行わせる捻じり変形部3cと
が形成されている。
【0064】上記捻じり変形部3cは、可動体接触部3
bの面方向と平行な方向に突出した略U字形状をなす部
分を有し、この略U字形状をなす部分の一端部が上向き
に折曲されて可動体接触部3bの一端部と接続し、他端
部が下向きに折曲されて基台部3a’と接続している。
このような構成により、両基台部3a・3aから伝達さ
れる上記圧電素子1・2の弾性振動にて捻じり変形さ
れ、当該捻じり変形部3cに繋がる上記可動体接触部3
bに楕円軌跡の超音波振動を発生させ、進行波を生じさ
せるようになっている。
【0065】上記可動体接触部3bは、ほぼ平面状を成
し、一端部が基台部3aに接続され、他端部が捻じり変
形部3cに接続されている。可動体接触部3bと基台部
3aとの間は、上記したθ1 の角度で折曲され、かつ、
肉厚は同じであるものの、振動が効率よく伝達されるよ
うに幅細に形成されている。このような構成により、可
動体接触部3bは、圧電素子1・2の弾性振動による捻
じり変形部3cの変形により楕円軌跡の超音波振動を発
生し、可動体4の移動面の法線方向となる上下方向に振
幅を有する進行波を生じて、押圧されている可動体4に
駆動力を付与し移動させる。
【0066】また、上記可動体接触部3bには、圧電素
子1・2の弾性振動により圧電素子1・2間の間隔が狭
められたとき、上向きに撓み易いように撓み方向を方向
付ける反りが形成されており、若干上方に膨らんだ形状
に形成されている。
【0067】上記可動体4は、図示しないバネ等によ
り、可動体接触部3bに付勢されており、可動体接触部
3bに楕円軌跡の超音波振動が発生すると、可動体接触
部3bと可動体4と間の摩擦力を用いて駆動力が付与さ
れ移動される。
【0068】ところで、上記構成においては、可動体4
は、図示しないバネ等により、可動体接触部3bに付勢
された構成としたが、図5に示すような構成とすること
も、本実施の形態のリニア型超音波モータにおいては可
能である。
【0069】つまり、図5に示すように、可動体接触部
3bに、当該可動体接触部3bとで可動体4を挟み込
み、可動体接触部3bに可動体4を弾性により押圧する
押圧部3eが一体的に設けられた構成である。図1のリ
ニア型超音波モータでは、バネ等の付勢手段を用いて、
可動体4を可動体接触部3bに押圧することが必要であ
るが、このような構成とすることで、バネ等の部品も、
またこれを固定するための部品も必要なくなり、図1の
構成よりも、部品削減によるコストダウンを図ることが
できるといった優れた利点がある。また、押圧力の調整
は、可動体接触部3bと押圧部3eとの隙間を調整する
ことで簡単に調整可能である。
【0070】次に、上記構成の有するリニア型超音波モ
ータの駆動を制御する制御系について、図2を用いて説
明する。図2は制御系のブロック図である。制御系は、
大きくは直流電源10と、この直流電源10によって駆
動され、同一振幅、同一周波数で、π/2の位相差を有
する2種類の超音波領域に属する高周波の交流電圧信号
を生成して圧電素子1・2にそれぞれ供給する駆動部1
1とからなる。
【0071】駆動部11は、必要とする高周波数の交流
電圧信号を発振する発振部12と、この発振部12にて
発振された交流電圧信号の位相を制御して、圧電素子1
・2に供給する2種類の交流電圧信号の位相に整える位
相制御部13と、この位相制御部13にて位相が制御さ
れた2種類の交流電圧信号の振幅を必要な振幅に調整す
る振幅調整部14a・14bと、発振部12及び振幅調
整部14a・14bをフィードバック制御するフィード
バック部15とによって構成される。
【0072】上記位相制御部13は、圧電素子1・2に
供給する2種類の交流電圧信号において、一方の交流電
圧信号を基準として他方の交流電圧信号を、基準とする
先の交流電圧信号に対してπ/2の位相差を有するよう
に調整する位相差部13aと、リニア型超音波モータの
反転を行うために位相差の±符号を逆にする反転部13
bと、圧電素子1・2に供給する2種類の交流電圧信号
の電圧と電流の位相差を検出する位相差検出部13cと
で構成される。また、制御系には、リニア型超音波モー
タの速度を検出するために、エンコーダ等の速度検出部
16が設置されている。
【0073】上記位相差検出部13cにおいて検出され
た信号は、ラインL2を介してフィードハック部15に
入力される。フィードバック部15は、該検出信号を基
に、電圧信号の電圧と電流の位相差を一定値あるいは一
定範囲内に保つための制御信号をラインL3を介して発
振部12に入力し、該発振部12から発振する交流電圧
信号の周波数を制御する。
【0074】速度検出部16は、ラインL4を介して上
記フィードハック部15に速度信号を入力する。フィー
ドバック部15には、速度検出部16からの速度信号と
共に、反転信号を含んだ速度指令信号がラインL1を介
して入力されており、フィードバック部15では、これ
らの速度信号と速度指令信号とを比較し、所定の速度と
なる交流電圧信号を発振するための制御信号をラインL
3を介して発振部12に入力する。これにより、発振部
12から所定の周波数となる交流電圧信号が発振され、
位相差検出部13cに入力され、位相差部13aに入力
する。
【0075】位相差部13aでは、入力された交流電圧
信号に対して位相を1/2ほどずらした交流電圧信号を
生成し、ラインL9を介して反転部13bに入力する一
方、元の位相の交流電圧信号をラインL5を介して同様
に反転部13bに入力する。この反転部13bには、フ
ィードバック部15からラインL6を介して反転指令信
号も入力されており、反転部13bは、この反転指令信
号に応じてラインL9を介して入力された交流電圧信号
の位相を0または±1ほど変化させることにより、上記
リニア型超音波モータの反転駆動を行う。
【0076】また、反転部13bにラインL5を介して
入力された交流電圧信号は、ラインL7を介してそのま
ま振幅調整部14aに入力し、この振幅調整部14aに
て、フィードハック部15よりラインL8を介して入力
される速度指令信号に応じて振幅調整され、リニア型超
音波モータの圧電素子1に供給される。
【0077】一方、反転部13bにラインL9を介して
入力され、反転指令信号により位相を変化させられた交
流電圧信号は、ラインL10を介して振幅調整部14b
に入力し、この振幅調整部14bにて、フィードハック
部15よりラインL8を介して入力される速度指令信号
に応じて振幅調整され、リニア型超音波モータの圧電素
子2に供給される。
【0078】尚、このような2枚の圧電素子1・2に交
流電圧信号を供給する場合における速度調整は、圧電素
子1・2に供給する2種類の交流電圧信号において一方
もしくは両方の振幅を変化させる方法と、2種類の交流
電圧信号の位相差を変化させる方法、および2種類の交
流電圧信号の周波数を変化させる方法などがあり、ま
た、これら3種類の方法を組み合わせた方法によっても
行うことができる。
【0079】そして、このように、圧電素子1・2に各
々同一の周波数で一方の交流電圧信号に対して他方の交
流電圧信号がπ/2の位相差を有する2種類の交流電圧
信号が供給されることによって、可動体接触部3bに進
行波による楕円軌跡を有する超音波振動が発生し、可動
体4が移動される。
【0080】次に、図3及び図4を用いて、上記構成の
リニア型超音波モータの動作を詳細に説明する。図3
は、圧電素子1・2に印加する2種類の交流電圧信号の
1周期(2π)の波形を示しており、交流電圧信号であ
るA信号とB信号とは、同一周波数、同一振幅であり、
位相がA信号に対してB信号がπ/2進んだものであ
る。このような2種類の交流電圧信号を、圧電素子1に
A信号、圧電素子2にB信号というように供給すると、
まず、信号供給直後のb点では、A信号が0で、B信号
が最大値となるので(図3参照)、図4(b)に示すよ
うに、圧電素子1は伸縮せず、圧電素子2のみが最大に
伸長する。このとき、同図(a)の初期状態より圧電素
子1・2の間隔が狭くなり、可動体接触部3bが捻じり
変形部3cの弾性により形状的に撓み易い上方向に撓
む。図中、Pにて可動体接触部3bの質点を示す。
【0081】π/4経過したc点では、A信号、B信号
ともに正電圧であるので(図3参照)、図4(c)に示
すように、両圧電素子1・2はそれぞれ中位の伸長とな
る。このとき、同図(b)の状態よりも、圧電素子1・
2の間隔はさらに小さくなり、可動体接触部3bはさら
に上方向に撓み、また、圧電素子1が伸長する反面、圧
電素子2の伸長量が減少するため、可動体接触部3bの
質点Pは圧電素子2側に移動する。
【0082】π/2経過したd点では、A信号及びB信
号の各電圧値がb点に対して逆の関係になるので(図3
参照)、図4(d)に示すように、圧電素子2は伸縮せ
ず、圧電素子1のみが最大に伸長する。このとき、撓み
量は同図(c)の状態よりも減少するが、可動体接触部
3bの圧電素子1側が最大に持ち上げられるため、質点
Pはさらに圧電素子2側に移動する。
【0083】3π/4経過したe点では、A信号及びB
信号の各電圧値は逆極性でつりあっており(図3参
照)、図4(e)に示すように、圧電素子1は中位の伸
長となり、圧電素子2は中位の収縮となる。このとき、
圧電素子1・2の間隔は、図4(a)にて示す初期状態
と同じであるが、捻じり変形部3cの弾性により、下方
向に最も大きく撓み、質点Pはさらに圧電素子2側に移
動する。
【0084】π経過したf点では、A信号が0でB信号
が最小値となるので(図3参照)、図4(f)に示すよ
うに、圧電素子1は収縮伸長せず、圧電素子2のみが最
大に収縮する。このとき、下方向に撓みながら引き延ば
された形状となり、質点Pは、同図(e)とは反対の、
圧電素子1側に移動する。
【0085】5π/4経過したg点では、A信号、B信
号ともに負電圧であり(図3参照)、図4(g)に示す
ように、圧電素子1・2とも中位の収縮となる。このと
き、圧電素子1・2の間隔は最大となり、下方に撓んだ
状態で圧電素子1側に可動体接触部が移動し、質点Pも
さらに圧電素子1側に移動する。
【0086】3π/2経過したh点では、前記f点とA
信号及びB信号の各電圧値が逆になり(図3参照)、図
4(h)に示すように、圧電素子2は伸縮せず、圧電素
子1のみが最大に収縮する。このとき、圧電素子1・2
は、同図(g)の状態よりもさらに圧電素子1側に移動
し、質点Pもさらに圧電素子1側に移動する。
【0087】7π/4経過したi点では、A信号及びB
信号の各電圧値は逆極性でつりあっており(図3参
照)、図4(i)に示すように、圧電素子1が中位の収
縮となり、圧電素子2が中位の伸長となる。このとき、
捻じり変形部3cの弾性により可動体接触部3bは上向
きに撓み、質点Pはさらに圧電素子1側に移動する。
【0088】このi点からπ/4経過したj点は、電圧
供給直後のb点と同等であり、つまり、リニア型超音波
モータは、図4の(a)を初期状態とし、1周期(2
π)の間に同図(b)→(c)→(d)→(e)→
(f)→(g)→(h)→(i)に変化し、再び次の周
期で(b)戻るといった繰り返し運動を行い、この間に
頂点Pは楕円軌跡を描く。
【0089】以上のように、上記の構成によれば、一対
の圧電素子1・2を連結し、弾性部分に両圧電素子の振
動により楕円軌跡の超音波振動を発生する連結部材3
が、弾性体からなる機械的連結のない一体構成物である
ので、前述した図13、図14に示す従来構成のリニア
型超音波モータ(以下、同タイプの従来モータと称す
る)のように、一対の圧電素子を、複数の部材が機械的
に連結された構成の連結部材にて連結していた構成に比
べ、機械的連結のための強度を考慮する必要がないの
で、連結部材の小型化、軽量化が図れ、ひいては、リニ
ア型超音波モータ自体の小型化・軽量化が可能となる。
そして、連結部材3の小型化、軽量化が図れることで、
同タイプの従来モータに比べて、圧電素子の伸縮による
振動をより効率良くモータ出力に変換することもでき
る。
【0090】また、上記構成によれば、各圧電素子1・
2は、連結部材3の両端に形成された基台部3a・3
a’に、圧電素子1・2の伸縮方向と平行な面を取り付
け面として取り付けられるので、前述した同タイプの従
来モータのように、接着面の法線方向が圧電素子の伸縮
方向となることがなく、圧電素子1・2の振動による負
荷が直に接着面にかかることが避けられ、剥がれ等の発
生を抑制し、信頼性を向上できる。
【0091】また、連結部材3の基台部3a・3a’間
に、可動体4と接触して駆動力を付与する可動体接触部
3bと、両基台部3a・3a’から伝達される圧電素子
1・2の振動にて捻じり変形されて可動体接触部3bに
楕円軌跡の超音波振動を発生させる捻じり変形部3cと
に機能を別けて形成したので、同じモータ出力を、より
薄型な構成で得ることができ、薄型化の要求に応えるこ
とができる。
【0092】また、連結部材3の可動体接触部3bに、
一対の圧電素子1・2の間隔が狭まったときに可動体接
触部3bが可動体4側に撓み易いように撓み方向を方向
付ける反りが形成されているので、可動体接触部3bの
振動がスムーズに行われるようになり、ひいては、可動
体4の移動をスムーズに行わせることができる。
【0093】尚、本実施の形態では、圧電素子1・2の
間を連結する連結部材3が楕円運動するように、圧電素
子1・2の各伸縮方向に角度θ1 が形成されるように圧
電素子1・2を配設したが、従来技術の項で説明したよ
うに、上下方向に平行で段差を有するように、圧電素子
1・2を配置してもよい。
【0094】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について図6に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前記の実施の形態1にて示した
部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0095】図1、図5に示した、実施の形態1におけ
るリニア型超音波モータは、一対の圧電素子1・2のそ
れぞれの伸縮方向がなす角度θ1 は、90°より小さい
角度で配置されていたのに対し、本実施の形態のリニア
型超音波モータでは、図6に示すように、一対の圧電素
子1・2を、それぞれの伸縮方向がほぼ90°を成すよ
うに配置した構成となっている。
【0096】尚、リニア型超音波モータの駆動を制御す
る制御系は、実施の形態1の図2にで示した制御系と同
じであり、本実施の形態のリニア型超音波モータの圧電
素子1・2に、実施の形態1の図3にて波形を示した2
種類の交流電圧信号を印加したときの動作も、前述の図
4(b)〜(i)にて示したものと同じであるので、詳
細な説明は省略する。
【0097】このような構成とすることで、圧電素子1
・2の伸縮方向が互いに直交するため、可動体接触部3
bに発生する超音波振動の楕円軌跡が最大となり、進行
波の振幅も最大となる。その結果、交流電圧信号の単位
時間における可動体4の移動量が最大となり、単位移動
距離における移動時間が最短となる。つまりは、実施の
形態1のリニア型超音波モータよりも効率的に有利にな
る。
【0098】また、実施の形態1のリニア型超音波モー
タの場合、90°より小さい角度θ1 であったため、可
動体接触部3bの質点Pが描く楕円軌跡が、圧電素子1
の伸縮方向の向きと同じ側に楕円軸を有するものとな
る。したがって、可動体4の移動方向の反転を、一対の
圧電素子1・2に印加する交流電圧信号の位相差の±符
号を変えることで行うと、矢印Aにて示す可動体4の移
動方向に対して鋭角になる移動方向(図において左側)
への移動の性能が劣っていた。
【0099】しかしながら、上記のような圧電素子1・
2の伸縮方向を互いに直交させた構成とすることで、可
動体接触部3bの質点が超音波振動により描く楕円軌跡
が、ほぼ上下方向に楕円軸を有するものとなるので、上
記のように2種類の交流電圧信号の位相差の±符号を変
えることで移動方向を反転させるような駆動方法でも、
その進行方向による速度や推力の差がほとんど無くな
る。
【0100】〔実施の形態3〕本発明の実施の他の形態
について図7、及び図8に基づいて説明すれば、以下の
通りである。尚、説明の便宜上、前記の実施の形態にて
示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号
を付記し、その説明を省略する。
【0101】本実施の形態では、本発明に係るリニア型
超音波モータを、磁界変調によって記録されるディスク
の記録再生装置において磁気ヘッドを昇降させる磁気ヘ
ッド昇降用モータに用いた場合を例示する。
【0102】図7を用いて、本実施の形態の記録再生装
置における磁気ヘッドの昇降機構について説明する。図
7(a)は、記録再生装置の要部平面図であり、同図
(b)は、記録再生装置の要部側面図である。磁気ヘッ
ド23は、アーム22に取り付けられており、アーム2
2の上下方向への回転運動により昇降可能となってい
る。アーム22は、光ピックアップ20に固定されたア
ングル21に対し上下方向の回転が可能となるように取
り付けられている。また、アーム22は、磁気ヘッド2
3がディスク24に対してある範囲の圧力にて押圧可能
となるように、アングル21に対してバネ25により付
勢されている。
【0103】上記アーム22の上下方向への回転運動
は、ディスク24を収納可能とするシャーシ28に対
し、上下方向に回転できるように取り付けられたリフト
レバー26により行われる。すなわち、このリフトレバ
ー26を昇降させることにより磁気へッド23の昇降が
可能となる。また、磁気へッド23がディスク24に接
している(録音)状態において振動や落下により磁気ヘ
ッド23を跳ね上げないように、リフトレバー26をシ
ャーシ28に対して付勢するバネ29も設けられてい
る。
【0104】上記リフトレバー26の上下方向への回転
は、スライドレバー30の前後方向への移動により行わ
れ、スライドレバー30には、該レバー30の前後方向
の移動によりリフトレバー26を回転させるためのカム
形状のような昇降手段30aが形成され、リフトレバー
26側には、該昇降手段30aの駆動を受ける被動手段
26aが形成されている。
【0105】上記シャーシ28には、スライドレバー3
0を可動体と見なし、該レバー30を前後方向に移動さ
せ得るように、リニア型超音波モータ40が取り付けら
れている。
【0106】このリニア型超音波モータ40は、前述の
実施の形態2で説明した図6に示すタイプのリニア型超
音波モータであり、そのため、シャーシ28の主面に対
して圧電素子1の取り付け面が略直角となる。ここで
は、シャーシ28に設けられた折り曲げによる側面部
に、圧電素子1が取り付けられている基台部3aが取り
付けられており、これにより、上下方向に嵩高になるこ
とを避け、小型化、薄型化を図っている。
【0107】図8は、リニア型超音波モータ40の取り
付け部分の拡大図である。リニア型超音波モータ40に
おける連結部材3の基台部3a・3a’には、それぞれ
凸部3fが2個ずつ形成されており、これら各凸部3f
に、振動伝達防止部材である防振ゴム41が取り付けら
れている。シャーシ28への基台部3aの取り付けは、
この基台部3aに取り付けられた防振ゴム41・41を
外周側から押さえて固定する取り付け金具42a・42
aを用いて行われ、また、基台部3a’の取り付けは、
該基台部3a’に取り付けられた防振ゴム41・41を
外周側から押さえて固定する取り付け金具42b・42
bを用いて行われている。このような防振ゴム41を介
して取り付けとすることで、圧電素子1・2の振動が基
台部3a・3a’を介してシャーシ28へ伝播されるこ
とが防止される。
【0108】また、上記リニア型超音波モータ40の連
結部材3には、前述の押圧部3eが設けられており、可
動体接触部3bとの間でスライドレバー30を挟み込
み、弾性力により可動体接触部3b側へとスライドレバ
ー30を押圧するようになっている。したがって、この
場合、可動体接触部3bと押圧部3eとの間の寸法は、
スライドレバー30の厚みと、押圧部3eの有する弾性
力を考慮し、スライドレバー30が問題なく駆動され得
るように設計されている。
【0109】そして、上記リニア型超音波モータ40
は、前述の実施の形態1で説明した図2と同様の制御系
により駆動される。
【0110】上記構成を有する記録再生装置において、
リニア型超音波モータ40の圧電素子1に、図3に示す
A信号を供給し、圧電素子2にB信号を供給すると、図
3ではA信号に対してB信号の位相がπ/2進んでいる
ので、可動体接触部3bの質点は時計回り方向に回転運
動し、スライドレバー30は前方向に移動させられ、リ
フトレバー26が下方向に回転し磁気へッド23は下方
向に回転しながら降りる。
【0111】また、図3におけるA信号とB信号の位相
差関係が逆となるように、A信号に対してB信号の位相
がπ/2遅れたものとすると、可動体接触部3bの質点
は、反時計回り方向に回転運動するため、スライドレバ
ー30は後方向に移動させられ、リフトレバー26は上
方向に回転し前記磁気へッド23は上方向に回転しなが
ら上昇する。
【0112】以上のように、上記の構成によれば、低速
高トルクで減速機構が不要であり、高信頼性、小型、薄
型で、かつ、単位移動距離における移動時間が最短で、
また、一対の圧電素子1・2に供給する2種類の交流電
圧信号の位相差の±符号を変えることによって、可動体
の移動方向を反転させても、移動方向による出力差を殆
ど有しないといったリニア型超音波モータ40を、磁気
ヘッド23の昇降機構の駆動源に用いている。
【0113】したがって、従来のDCブラシ付モータ等
を用いた構成に比べて、減速機構が不要であることによ
る部品点数の削減、組み立て作業の簡素化、信頼性の向
上が図れると共に、ギヤ音や異音による騒音問題も解決
できる。しかも、記録再生装置の小型化、薄型化を阻ま
ず、また、超音波モータの最大の利点である応答性を生
かした素早い磁気ヘッドの昇降が可能であるので、記録
再生装置においての録音開始を素早く行うことができ
る。
【0114】また、上記リニア型超音波モータ40のよ
うに、一対の圧電素子1・2の伸縮方向がほぼ直角を成
す場合、上記した優れた利点を有する反面、何の配慮も
なく取り付けると、上下方向に嵩高に成りかねないが、
シャーシ28の折り曲げによる側面部を利用して取り付
けているので、小型化・薄型化が可能である。
【0115】また、磁気ヘッド23を昇降させるには、
スライドレバー30を確実に前後移動させればよいた
め、リニア型超音波モータの駆動制御に、速度制御等の
複雑な制御も必要なく、制御系を構成する駆動回路自体
も簡素化でき、コストダウンが可能となる。
【0116】尚、複合振動型として、特開平7−177
767号公報には、屈曲振動と縦振動との複合振動によ
り移動体を移動させるリニア型超音波モータが開示され
ているが、該公報に記載されているリニア型超音波モー
タでは、弾性体が可動体の移動方向と直交する上下方向
に伸びた形状になる。したがって、やはり、本実施の形
態のような記録再生装置の磁気ヘッド昇降機構の駆動源
のように、薄型化が必須の構成であるものに対しては不
利である。
【0117】〔実施の形態4〕本発明の実施の他の形態
について図9に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前記の実施の形態にて示した部
材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0118】図9に示すように、本実施の形態の記録再
生装置は、装置本体側に、スライドレバー30を可動体
接触部3bに押圧する押圧力を一定範囲内で調整可能な
押圧力調整機構(押圧力調整手段)が設けられており、
この点が、実施の形態3の記録再生装置と異なる。した
がって、以下、この押圧力調整機構の構成についてのみ
説明する。図9(a)は、記録再生装置の要部平面図で
あり、同図(b)は、記録再生装置の要部側面図であ
る。前述の実施の形態3で説明したように、磁気ヘッド
23の昇降において、スライドレバー30は、リニア型
超音波モータ40における可動体接触部3bの楕円運動
により前後運動され、可動体接触部3bが発生する推力
を摩擦力を介してスライドレバー30に伝達するため、
スライドレバー30を可動体接触部3bへと押圧する押
圧力は、必要かつ一定範囲内にあることが重要になる。
【0119】すなわち、押圧力が小さいと、必要な推力
が得られず、スライドレバー30を移動させることがで
きない。反対に、押圧力が大きいと圧電素子1・2の伸
縮を妨げることになり必要な推力が発生しないため、ス
ライドレバー30が移動できない。
【0120】また、リニア型超音波モータ40の運動に
対して確実に押圧させる構成として、実施の形態3の記
録再生装置では、リニア型超音波モータ40の連結部材
3に押圧部3eを一体的に形成し、可動体接触部3bと
押圧部3eとの間隔を調整することで、押圧力の調整を
行うようになっている。しかしながら、このような構成
の場合、挟持部分の寸法精度によってのみ押圧力が調整
されるため、実際の量産における押圧力のばらつきが大
きくなる。
【0121】そこで、本実施の形態の記録再生装置で
は、リニア型超音波モータ40の押圧部3e’と可動体
接触部3bとの間隔を、スライドレバー30を挿入後も
僅かな隙間ができるように設定し、この押圧部3e’に
対して下方向に圧力を加える押圧調整部材34を設けて
いる。
【0122】この押圧調整部材34は、押圧部3e’に
対して下方向に圧力を加える加圧部34bと、後述する
調整ネジ35を捩じ込むことによって加圧部34bが押
圧部3e’に対して圧力を加えるように押し下げられる
被圧部34aとにより構成されている。そして、この押
圧調整部材34は、固定台33に圧電素子1・2の運動
を妨げずに弾性特性を持って固定されている。
【0123】上記固定台33は、押圧調整部材34がリ
ニア型超音波モータ40に接することにより伝達される
弾性振動をシャーシ28に伝達しないように成形材料な
どの制振性を有する材料から形成され、押圧調整部材3
4をシャーシ28に取り付け、さらに調整ネジ35が被
圧部34aを押し下げることにより押圧力の調整を行っ
た後、被圧部34aの反力によって固定台33に対して
調整ネジ35が固定されている。即ち、上記の押圧力調
整機構は、圧力調整部材34、固定台33、調整ネジ3
5、及び押圧部3e’により構成される。
【0124】ここでのスライドレバー30に対する押圧
力の調整は、圧電素子1・2に交流電圧信号を供給した
場合の狂信周波数の変化により押圧力を調整する方法を
用い、共振周波数が一定範囲内となるように、調整ネジ
35により押圧力の調整を行う。
【0125】このような押圧調整部材34を設けた構成
とすることで、確実にスライドレバー30が移動可能と
なる押圧力を、薄型化の要求を満足しながら調整できる
と共に、量産体制下で製造される場合の信頼性を向上で
きる。
【0126】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のリニア型超音波
モータは、以上のように、連結部材が、弾性体からなる
機械的連結のない一体構成物で、その両端の基台部に、
各圧電素子がその伸縮方向と平行な面を取り付け面とし
て取り付けられている構成である。
【0127】これにより、同タイプの従来モータのよう
に、一対の圧電素子を、複数の部材が機械的に連結され
た構成の連結部材にて連結していた構成に比べ、機械的
連結のための強度を考慮する必要がないので、連結部材
の小型化、軽量化が図れ、ひいては、リニア型超音波モ
ータ自体の小型化・軽量化が可能となる。
【0128】また、連結部材の小型化、軽量化が図れる
ことで、同タイプの従来モータに比べて、圧電素子の伸
縮による振動をより効率良くモータ出力に変換すること
ができる。
【0129】さらに、圧電素子は伸長方向と平行な面を
取り付け面として取り付けられるので、圧電素子の振動
による負荷が直に接着面にかかることが避けられ、剥が
れ等の発生を抑制し、信頼性を向上できるといった効果
を奏する。
【0130】本発明の請求項2記載のリニア型超音波モ
ータは、上記請求項1の構成において、連結部材の基台
部間に、ほぼ平面状を成し、可動体に接触して駆動力を
付与する可動体接触部と、該可動体接触部の面方向と平
行な方向に突出した略U字形状を成し、両基台部から伝
達される圧電素子の振動にて捻じり変形されて可動体接
触部に楕円軌跡の超音波振動を発生させる捻じり変形部
とが形成されている構成である。
【0131】これにより、請求項1の構成に含まれる、
同タイプの従来モータの連結部材と同じような形状で、
その両端に基台部を設けた形状の連結部材を、弾性体か
らなる機械的連結のない一体構成物で得た構成に比べ、
薄型化が図れ、例えば請求項8のように、記録再生装置
に用いられる場合に必要な薄型化の要求に応えることが
できるという効果を奏する。
【0132】本発明の請求項3記載のリニア型超音波モ
ータは、請求項2の構成において、連結部材の可動体接
触部に、一対の圧電素子の間隔が狭まったときに可動体
接触部が可動体側に撓み易いように撓み方向を方向付け
る反りが形成されている構成である。
【0133】これにより、可動体接触部の振動がスムー
ズに行われるので、請求項2の構成による効果に加え
て、可動体の移動をスムーズに行わせることができると
いう効果を奏する。
【0134】本発明の請求項4記載のリニア型超音波モ
ータは、請求項2の構成において、連結部材に、可動体
接触部とで可動体を挟み込み、かつ弾性により可動体接
触部に可動体を押圧する押圧部が一体に設けられている
構成である。
【0135】これにより、請求項2の構成による効果に
加えて、例えば、押圧手段をバネ等の付勢手段から別個
に構成した場合に比べ、バネ等の部品も、またこれを固
定するための部品、及びそのための形状加工等も必要な
くなり、コストダウンを図ることができるという効果を
奏する。
【0136】本発明の請求項5記載のリニア型超音波モ
ータは、上記請求項2の構成において、連結部材におけ
る少なくとも一方の基台部に凸部が形成され、この凸部
に振動伝達防止部材が取り付けられている構成である。
【0137】これにより、請求項2の構成による効果に
加えて、圧電素子の振動の外部への伝播を抑制すること
ができるので、例えば、このリニア型超音波モータを記
録再生装置等へ搭載した場合、記録再生装置等へ振動が
伝播されることによる記録再生特性の劣化を防止するこ
とが可能となるといった効果を奏する。
【0138】本発明の請求項6記載のリニア型超音波モ
ータは、請求項2の構成において、一対の圧電素子が、
一方の圧電素子の基台部への取り付け面と他方の圧電素
子の基台部への取り付け面との成す角度がほぼ直角とな
るように配置されている構成である。
【0139】これにより、両圧電素子に同一の周波数で
異なる位相を持つ交流電圧信号を印加した場合に、可動
体接触部に発生する超音波振動の楕円軌跡が最大となる
ため進行波の振幅も最大となる。その結果、請求項2の
構成による効果に加えて、交流電圧信号の単位時間にお
ける可動体の移動量が最大、単位移動距離における移動
時間が最短となり、可動体の高効率な移動を可能とする
という効果を奏する。
【0140】本発明の請求項7記載のリニア型超音波モ
ータは、請求項6の構成において、一対の圧電素子の内
の一方の圧電素子の伸縮方向が、可動体の移動方向と平
行である構成である。
【0141】これにより、請求項6の構成による効果に
加えて、一方の圧電素子に印加する交流電圧信号に対す
る他方の圧電素子に印加する交流電圧信号の位相差の±
符号を変えることによって可動体の移動方向を反転させ
る構成において、移動方向による出力差をなくすことが
できるという効果を奏する。
【0142】本発明の請求項8記載の記録再生装置は、
以上のように、磁界変調によって情報が記録されるディ
スクに対して磁気ヘッドを昇降させる磁気ヘッド昇降機
構を備えた記録再生装置において、磁気ヘッド昇降機構
の駆動源として、請求項2に記載のリニア型超音波モー
タを用いた構成である。
【0143】これにより、低速高トルクで減速機構が不
要であり、高信頼性、小型、かつ、薄型であるといった
利点を備えた請求項2記載のリニア型超音波モータを磁
気ヘッドの昇降機構の駆動源に用いているので、従来の
DCブラシ付モータ等を用いた構成に比べて、減速機構
が不要であることによる部品点数の削減、組み立て作業
の簡素化、信頼性の向上が図れると共に、ギヤ音や異音
による騒音問題を解決することができる。しかも、記録
再生装置の小型化、薄型化を阻まず、また、超音波モー
タの最大の利点である応答性を生かした素早い磁気ヘッ
ドの昇降が可能であるので、記録再生装置においての録
音開始を素早く行うことができるといった効果もある。
【0144】本発明の請求項9記載の記録再生装置は、
請求項8の構成において、請求項7に記載のリニア型超
音波モータを用い、該リニア型超音波モータの移動方向
とその伸縮方向がほぼ直角を成す側の圧電素子が取り付
けられた基台部が、装置本体の駆動源取り付け用シャー
シの折り曲げによる側面部に取り付けられている構成で
ある。
【0145】これにより、低速高トルクで減速機構が不
要であり、高信頼性、小型、かつ、薄型に加えて、単位
移動距離における移動時間が最短で、かつ、一方の圧電
素子に印加する交流電圧信号に対する他方の圧電素子に
印加する交流電圧信号の位相差の±符号を変えることに
よって可動体の移動方向を反転させる構成において、移
動方向による出力差を有することのない請求項7記載の
リニア型超音波モータを、磁気ヘッドの昇降機構の駆動
源に用いているので、請求項8の構成を有する記録再生
装置よりも、より素早い磁気ヘッドの昇降が可能である
と共に、磁気ヘッドを上昇させる場合と下降させる場合
とで性能の格差もなく、かつ、シャーシの折り曲げ部分
に取り付けることによって記録再生装置を小型化、薄型
化も図れるといった効果を奏する。
【0146】本発明の請求項10記載の記録再生装置
は、請求項8又は9の構成において、上記リニア型超音
波モータの可動体接触部に可動体を押圧する圧力を調整
する押圧力調整手段が設けられている構成である。
【0147】これにより、押圧力調整手段により、リニ
ア型超音波モータの可動体接触部に可動体を押圧する圧
力を調整することができるので、上記請求項8又は9の
構成による効果に加えて、量産体制下で作製された場合
にも、確実な磁気ヘッドの昇降動作が可能なり、装置の
信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリニア型超音波モータの一例を示す構
成図である。
【図2】リニア型超音波モータの駆動を制御する制御系
のブロック図である。
【図3】圧電振動体に供給される2種類の交流電圧信書
号の波形図である。
【図4】図1のリニア型超音波モータの動作を説明する
ための動作説明図である。
【図5】本発明のリニア型超音波モータの他の例を示す
構成図である。
【図6】本発明のリニア型超音波モータの他の例を示す
構成図である。
【図7】本発明の記録再生装置の一例を示す構成図であ
る。
【図8】図8の記録再生装置の要部拡大図である。
【図9】本発明の記録再生装置の他の例を示す構成図で
ある。
【図10】従来の記録再生装置の一例を示す構成図であ
る。
【図11】従来の回転型超音波モータの構成を示す斜視
図である。
【図12】図11の超音波モータにおける圧電素子の分
極方向と電極パターンを示す説明図である。
【図13】従来のリニア型超音波モータの構成及びその
動作を示す説明図である。
【図14】従来の他のリニア型超音波モータの構成図で
ある。
【符号の説明】
1 圧電素子 2 圧電素子 3 連結部材 3a 基台部 3a’ 基台部 3b 可動体接触部 3c 捻じり変形部 3e 押圧部 3e’ 押圧部 4 可動体 23 磁気ヘッド 30 スライドレバー(可動体) 33 固定台 34 押圧調整部材 35 調整ネジ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方向にのみ伸縮する一対の圧電素子を連
    結部材にて、伸長方向が連結部材の中央部に向く方向と
    なる一方、収縮方向が連結部材の中央部から離れる方向
    となるように連結し、該連結部材の弾性部表面に両圧電
    素子の振動により楕円軌跡の超音波振動を発生させ、該
    弾性部に接触する可動体に摩擦力を用いて駆動力を付与
    するリニア型超音波モータにおいて、 上記連結部材が、弾性体からなる機械的連結のない一体
    構成物で、その両端の基台部に、各圧電素子がその伸縮
    方向と平行な面を取り付け面として取り付けられている
    ことを特徴とするリニア型超音波モータ。
  2. 【請求項2】上記連結部材の基台部間に、ほぼ平面状を
    成し、可動体に接触して駆動力を付与する可動体接触部
    と、該可動体接触部の面方向と平行な方向に突出した略
    U字形状を成し、両基台部から伝達される圧電素子の振
    動にて捻じり変形されて可動体接触部に楕円軌跡の超音
    波振動を発生させる捻じり変形部とが形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のリニア型超音波モータ。
  3. 【請求項3】上記連結部材の可動体接触部に、一対の圧
    電素子の間隔が狭まったときに可動体接触部が可動体側
    に撓み易いように撓み方向を方向付ける反りが形成され
    ていることを特徴とする請求項2記載のリニア型超音波
    モータ。
  4. 【請求項4】上記連結部材に、可動体接触部とで可動体
    を挟み込み、かつ弾性により可動体接触部に可動体を押
    圧する押圧部が一体に設けられていることを特徴とする
    請求項2記載のリニア型超音波モータ。
  5. 【請求項5】上記連結部材における少なくとも一方の基
    台部に凸部が形成され、この凸部に振動伝達防止部材が
    取り付けられていることを特徴とする請求項2記載のリ
    ニア型超音波モータ。
  6. 【請求項6】上記一対の圧電素子が、一方の圧電素子の
    基台部への取り付け面と他方の圧電素子の基台部への取
    り付け面との成す角度がほぼ直角となるように配置され
    ていることを特徴とする請求項2記載のリニア型超音波
    モータ。
  7. 【請求項7】上記一対の圧電素子の内の一方の圧電素子
    の伸縮方向が、可動体の移動方向と平行であることを特
    徴とする請求項6記載のリニア型超音波モータ。
  8. 【請求項8】磁界変調によって情報が記録されるディス
    クに対して磁気ヘッドを昇降させる磁気ヘッド昇降機構
    を備えた記録再生装置において、 磁気ヘッド昇降機構の駆動源として、リニア型超音波モ
    ータが用いられ、該リニア型超音波モータは、一方向に
    のみ伸縮する一対の圧電素子を連結部材にて、伸長方向
    が連結部材の中央部に向く方向となる一方、収縮方向が
    連結部材の中央部から離れる方向となるように連結し、
    連結部材の弾性部表面に両圧電素子の振動により楕円軌
    跡の超音波振動を発生させ、該弾性部に接触する可動体
    に摩擦力を用いて駆動力を付与するもので、上記連結部
    材が、弾性体からなる機械的連結のない一体構成物で、
    その両端の基台部に、各圧電素子がその伸縮方向と平行
    な面を取り付け面として取り付けられる一方、これら基
    台部間には、ほぼ平面状を成し、可動体に接触して駆動
    力を付与する可動体接触部、及び該可動体接触部の面方
    向と平行な方向に突出した略U字形状を成し、両基台部
    から伝達される圧電素子の振動にて捻じり変形されて可
    動体接触部に楕円軌跡の超音波振動を発生させる捻じり
    変形部とが形成されていることを特徴とする記録再生装
    置。
  9. 【請求項9】上記リニア型超音波モータは、一方の圧電
    素子の基台部への取り付け面と他方の圧電素子の基台部
    への取り付け面との成す角度がほぼ直角となると共に、
    一方の圧電素子の伸縮方向が可動体の移動方向と平行
    で、かつ、移動方向とその伸縮方向がほぼ直角を成す側
    の圧電素子が取り付けられた基台部が、装置本体の駆動
    源取り付け用シャーシの折り曲げによる側面部に取り付
    けられていることを特徴とする請求項8記載の記録再生
    装置。
  10. 【請求項10】上記リニア型超音波モータの可動体接触
    部に可動体を押圧する圧力を調整する押圧力調整手段が
    設けられていることを特徴とする請求項8又は9記載の
    記録再生装置。
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WO2008096797A1 (ja) * 2007-02-06 2008-08-14 Sharp Kabushiki Kaisha 駆動装置、それを備えた撮像装置、及び撮像機器
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