JPH1057117A - 面ファスナ並びにその製造方法 - Google Patents

面ファスナ並びにその製造方法

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JPH1057117A
JPH1057117A JP23245696A JP23245696A JPH1057117A JP H1057117 A JPH1057117 A JP H1057117A JP 23245696 A JP23245696 A JP 23245696A JP 23245696 A JP23245696 A JP 23245696A JP H1057117 A JPH1057117 A JP H1057117A
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engaging
hook
loop fastener
stencil
elastic
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Application number
JP23245696A
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English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
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Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面ファスナの大型・薄肉化を図るとともに、
製造工程の単純化により、生産性の向上、製品コストの
削減を図る。 【解決手段】 本発明の面ファスナ1は係合凸部3及び
係合凹部4が基板部2に対して成形と同時に密着形成さ
れていること、係合凸部3及び係合凹部4をエラストマ
ーにより形成したこと、少なくとも係合凸部3もしくは
係合凹部4の一部に弾性係合部5を設けたことを特徴と
し、これらを手段として上記課題の解決を図っている。
また本発明の面ファスナの製造方法は、孔版10を載置
するにあたり、孔部11に形成される勾配、段差が、離
型を妨げる姿勢とすること、離型に際しエラストマーの
弾性変形を利用して強制的に離型するようにしたことを
特徴とし、これらを手段として上記課題の解決を図って
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば各種建造
物、車両等における床材、壁材、天井用の部材あるいは
その他の内装材の簡易固定を目的として使用される面接
合タイプの接合部材並びにその製造手法に関するもので
あって、特に係合凸部及び係合凹部の成形手法、これに
よりもたらされる製品の薄肉・大型化等に特徴を有する
新規な面ファスナ並びにその製造方法に係るものであ
る。
【0002】
【発明の背景】従来から衣服、バッグ、靴、帽子、カー
テンの括り留め用のタッセル、座席シートのカバー、枕
カバーをはじめとする各種の布地、軟質合成樹脂、皮革
製品の部分簡易固定用として種々のタイプの面ファスナ
が使用されている。なお従来から使用されている面ファ
スナとして代表的なものはベルクロファスナ(商標名)
やマジックテープ(商標名)として親しまれている鉤部
とループ部とを係合させて用いるものであるが、この
他、鉤部と鉤部とを係合させて用いるものや鉤部と穴部
とを係合させて用いるもの等、各種の面ファスナが開発
されている。
【0003】またこのような面ファスナの製造手法とし
ては、特開平2−289202号に開示されている射出
成形によるもの、特開平3−21202号に開示されて
いる押出成形、切込加工、延伸、後加工の四工程から構
成されるもの等があり、更に面ファスナの用途を拡大
し、内装用建材パネルの取り付けに利用したものに特開
昭59−38450号、特開昭61−286451号が
あり、面ファスナを床材の接合構造に利用したものに実
開平2−112830号がある。
【0004】しかしながら上記製造手法によって製造さ
れる上記構造の面ファスナにあっては、製造手法に起因
して比較的大型の面ファスナを製造することは困難であ
り、面ファスナの薄肉化にも限界がある。また射出成
形、押出成形のいずれの場合にあっても金型の製作費は
高額となり、上記特開平3−21202号に開示されて
いる四工程を要するものにあっては、製造が複雑とな
り、いずれの場合も製品である面ファスナの価格上昇を
招く。更に上記射出成形ないしは押出成形による製造手
法にあっては基板部とこの基板部の一面に形成される鉤
部ないしはループ部を一体成形することを原則とするも
のであり、基板部と鉤部あるいは基板部とループ部とを
各々別個の材料により成形することはできなかった。更
にまたこれに関係してフィルム状ないしはシート状の基
板部に対し、鉤部ないしはループ部が形成された面ファ
スナを製造することも極めて困難なものとなっていた。
【0005】一方、本出願人は靴底のトレッド等を形成
するにあたり、孔版を利用した画期的な成形手法を確立
し、特開平7−205号「凹凸成形シート並びにその製
造方法」をはじめとする数多くの出願に及んでいる。し
かしながら上記製造方法に使用される孔版に所定形状の
孔部を形成するにあたっては、エッチング、レーザ、抜
き打ち等の手法がとられるわけであるが、いずれの手法
による場合にも図17(a)に誇張して示すように孔版
10の孔部11に勾配が着いてしまう。従ってこのよう
な孔版10を使用して靴底のトレッド等を成形するにあ
たっては、図17(a)に示すように孔版10の載置姿
勢を離型が円滑に行われるように抜勾配姿勢とすること
が望ましいとされていた。
【0006】なお上記勾配は、孔版の厚みが大きくなる
に従って顕著に現れるため、比較的厚手の孔版10を作
製する場合には、図17(b)(c)に示すように薄手
の孔版10′を複数枚貼り合わせることにより行ってい
た。しかしながらこのように複数枚の孔版10′を貼り
合わせると、図17(b)に示すように貼り合わせた孔
版10′の隙間に原料の一部が入り込み、バリとなって
製品表面に表出したり、孔版10′の位置ズレによって
図17(c)に示すように製品表面に段差が生じてしま
い、製品の外観を損ねたり、成形した製品の孔版10か
らの離型の円滑性を損ねるという結果を招いていた。
【0007】
【解決を試みた技術的事項】本発明は、このような背景
の存在を充分に認識し、その認識の上に立って案出され
たものであって、上記孔版の孔部に形成される勾配によ
って製品の外観に現れる先拡勾配、あるいは奥拡勾配、
そして複数枚の孔版を貼り合わせる場合に生ずる隙間や
位置ズレによって製品の外観に現れるバリや段差がいず
れも外観を気にしない面ファスナにおける係合手段とし
て利用できるのではないかという斬新な着想と、上記係
合手段を形成する材料として柔軟性のあるエラストマー
を使用した場合にはエラストマーの弾性変形によって離
型性をそれほど損ねることはないという知見の下、孔版
による面ファスナの製造を実現し、面ファスナの大型
化、薄肉化、そして価格の低廉化を実現した新規な面フ
ァスナ並びにその製造方法を提案することで上記課題の
解決を試みたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
面ファスナは、基板部の一面に複数の係合凸部もしくは
係合凹部のいずれか一方、またはこれらの双方が形成さ
れて成る面接合用の部材において前記面接合用の部材は
前記係合凸部及び係合凹部が前記基板部に対して成形と
同時に密着形成されて成るとともに、前記係合凸部及び
係合凹部はエラストマーにより形成され、少なくともこ
れらの一部には自らの弾性変形により係合ないしは係合
を解除する弾性係合部が設けられていることを特徴とし
て成るものである。そしてこのような発明特定事項を手
段とすることによって、基板部の材料としては係合凸部
及び係合凹部と切り離して種々の材料が選定でき、用途
の拡大につながる。また係合凸部及び係合凹部は基板部
に対して成形と同時に密着形成されているから、両者の
結合は極めて強固であり、一体成形品のものと遜色な
い。更に係合凸部及び係合凹部はエラストマーにより形
成されているから、離型性をそれほど損ねることもな
く、外部からの負荷や振動に対しては緩衝ないしは防振
効果も発揮される。更にまた係合凸部及び係合凹部の少
なくとも一部に弾性係合部を設けたことにより、これと
係合する他の係合凹部及び係合凸部との脱着も円滑に行
われる。従ってこれらが相乗的に作用することによって
前記課題の解決が図られるのである。
【0009】また請求項2記載の面ファスナは、前記要
件に加え、前記弾性係合部は前記係合凸部もしくは係合
凹部を成形する際に生ずる先拡勾配、奥拡勾配、段差あ
るいはバリとして認識される張出部であって、これらの
張出部が係合する他の張出部に対して楔様に作用するよ
うに形成されていることを特徴として成るものである。
そしてこのような発明特定事項を手段とすることによっ
て本来製品の外観に現れる欠陥として認識される先拡勾
配、奥拡勾配、段差あるいはバリ等が面ファスナにおけ
る弾性係合部として有効利用でき、これにより前記課題
の解決が達成されるのである。
【0010】更にまた請求項3記載の面ファスナは、前
記要件に加え、前記弾性係合部の係合作用方向は接合す
る二部材の離反方向及び横ズレ方向の両方向に作用する
ように設定されていることを特徴として成るものであ
る。そしてこのような発明特定事項を手段とすることに
よって、接合する二部材間に生ずる剥離及び横ズレが防
止され、両者の接合が確実となり、前記課題の解決に寄
与し得るのである。
【0011】更にまた請求項4記載の面ファスナは、前
記要件に加え、前記弾性係合部には、これと係合する他
の弾性係合部との位置ズレを修正する係合案内構造が設
けられていることを特徴として成るものである。そして
このような発明特定事項を手段とすることによって、係
合時の弾性係合部の位置合わせを厳密に行わなくても係
合案内構造によって正規の位置に案内されるため、両者
の係合は確実且つ容易となり、前記課題の解決に寄与し
得るのである。
【0012】更にまた請求項5記載の面ファスナは、前
記要件に加え、前記係合凸部もしくは係合凹部は大き
さ、形状及び性状の全部またはこれらの一部を異にする
複数の要素を多層状に組み合わせることにより形成され
ていることを特徴として成るものである。そしてこのよ
うな発明特定事項を手段とすることによって、種々の形
状ないし構造の弾性係合部の成形が可能となり、より一
層の係合作用の向上に寄与し得る。また例えば係合凸部
もしくは係合凹部の材質として接地側の層において粘着
性のあるものを選択すれば弾性係合部による係合作用に
加え、上記層の粘着作用が相まって接合力がより強固と
なり、これらにより前記課題の解決に寄与し得るのであ
る。
【0013】更にまた請求6記載の面ファスナは、前記
要件に加え、前記係合凸部もしくは係合凹部はポリウレ
タンエラストマーにより形成されていることを特徴とし
て成るものである。そしてこのような発明特定事項を手
段とすることによって、孔版による係合凸部及び係合凹
部の成形を可能とするほか、耐摩耗性及び耐引き裂き強
度の向上が図られ、繰り返し行われる脱着に対しても優
れた耐久性が発揮される。またこれに加え、係合凸部及
び係合凹部の成形の容易化、迅速化も達成され、これら
により前記課題の解決が図られるのである。
【0014】更にまた請求項7記載の面ファスナは、前
記要件に加え、前記基板部はフィルム状ないしはシート
状の部材であることを特徴として成るものである。そし
てこのような発明特定事項を手段とすることによって、
例えば壁紙本体を基板部とし、この壁紙本体の裏面に直
接係合凸部もしくは係合凹部を形成し、係合構造を有す
る壁紙とすることが可能となる。また複雑な曲面、角稜
・角隅部を有する凹凸面に対しても基板部が柔軟に変形
することで、これらに対しても適用できるようになるほ
か、伸縮性のある素材により基板部を構成した場合に
は、屈曲角度が変化する折曲部等の可動部位にも適用で
きるようになり、これらにより達成される面ファスナの
用途の拡大を通じて前記課題の解決に寄与し得るのであ
る。
【0015】更にまた請求項8記載の面ファスナの製造
方法は、ベース上に底版を載置し、更にこの底版上にあ
らかじめ所定形状の孔部が形成された孔版を、孔部に形
成される勾配、段差が、成形される係合凸部もしくは係
合凹部の離型を妨げる姿勢になるようにして載置し、次
いでこの孔版の孔部に対してエラストマー液体原料を注
入し、更にスキージ処理をした後、その上に基板部を載
置し、この状態で加圧、加熱することでエラストマー液
体原料を硬化させ、爾後エラストマーの弾性変形を利用
して強制的に離型するようにしたことを特徴として成る
ものである。そしてこのような発明特定事項を手段とす
ることによって孔版の孔部に特別な加工を施さなくても
成形される係合凸部及び係合凹部には弾性係合部が自然
に形成され、成形材料であるエラストマーの弾性力によ
り無理なく離型を行うことが可能となる。また面ファス
ナの製造を原則として孔版による一連の成形加工のみに
より行うことが可能となり、当該加工後の二次加工、三
次加工等は原則として不要となる。更に孔版による成形
手法を講ずることにより比較的面積の大きな、しかも薄
肉の面ファスナの製造が可能となり、これらにより前記
課題の解決が図られるのである。
【0016】更にまた請求項9記載の面ファスナの製造
方法は、ベース上に基板部を載置するとともに、この基
板部の上にあらかじめ所定形状の孔部が形成された孔版
を孔部に形成される勾配、段差が、成形される係合凸部
もしくは係合凹部の離型を妨げる姿勢になるようにして
載置し、次いでこの孔版の孔部に対してエラストマー液
体原料を注入し、更にスキージ処理をした後、加圧、加
熱し、エラストマー液体原料が硬化した後、エラストマ
ーの弾性変形を利用して強制的に離型するようにしたこ
とを特徴として成るものである。そしてこのような発明
特定事項を手段とすることによっても、上記請求項8記
載の面ファスナの製造方法と同様の作用が奏され、前記
課題の解決が図られるのである。
【0017】更にまた請求項10記載の面ファスナの製
造方法は、前記請求項8または9記載の要件に加え、前
記孔版は複数枚使用され、各孔版を載置するその都度、
エラストマー液体原料を注入し、スキージ処理を行い、
あるいは複数枚の孔版をあらかじめ載置した後、一挙に
エラストマー液体原料を注入し、スキージ処理を行うよ
うにしたことを特徴として成るものである。そしてこの
ような発明特定事項を手段とすることによって、複雑な
形状の係合凸部及び係合凹部の成形を孔部形状を異にす
る孔版の積層という簡単な作業で行うことが可能となる
ほか、比較的肉厚の係合凸部及び係合凹部の成形や複数
の材料を組み合わせて成る係合凸部及び係合凹部の成形
も可能となる。また孔版を複数枚使用することによって
生ずる段差、バリ等を弾性係合部として利用することも
可能となり、これらにより前記課題の解決が図られるの
である。
【0018】更にまた請求項11記載の面ファスナの製
造方法は、前記請求項8、9または10記載の要件に加
え、前記離型後において、成形された係合凸部もしくは
係合凹部に対して更に癖付けを施すことにより、これら
を二次変形させ、形成される弾性係合部における係合作
用を助長するようにしたことを特徴として成るものであ
る。そしてこのような発明特定事項を手段とすることに
よって、上記孔版の孔部に形成される勾配や複数枚の孔
版を使用した場合等に生ずる段差、隙間によって形成さ
れる弾性係合部のみでは、その係合作用が充分でない場
合において、成形された係合凸部及び係合凹部に対して
所望の係合作用を付与することが可能となり、これによ
り前記課題の解決に寄与し得るのである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下図示の実施の形態を例にとっ
て、本発明の面ファスナ並びにその製造方法について具
体的に説明する。なお以下の説明にあたっては、最初に
本発明の面ファスナの構造について種々の実施の形態を
織り交ぜながら説明し、次いでこのような面ファスナを
製造する本発明の面ファスナの製造方法について図9〜
11、図12〜13、図14、図15に示す四種の実施
の形態を例にとって説明し、最後にこのようにして製造
された面ファスナの設置態様について言及する。図中、
符号1に示すものが本発明の面ファスナであって、この
ものは基板部2の一面に複数の係合凸部3もしくは係合
凹部4のいずれか一方、またはこれらの双方が形成され
て成る面接合用の部材である。なお本明細書では、基本
的に弾性係合部5が形成される部位が凸部側に形成され
るか、凹部側に形成されるかによって係合凸部3と係合
凹部4とに識別するものであるが、両者の関係はあくま
で相対的なものであって、例えば図2(a)に示す面フ
ァスナ1にあっては係合凸部3と係合凸部3との間に形
成される空間も係合凹部4として作用しているものであ
って、このようなものをも包含する意味で使用するもの
である。
【0020】そしてこのような面ファスナ1は、一例と
して図1に示すように新幹線A等の車両内において床に
敷設されるマットMや壁面に貼設されるパネルや内装材
Nの固定手段として使用される。また他の車両や船舶、
航空機、あるいは各種建造物の床材、壁材、天井用の部
材、その他の内装材の簡易固定手段として使用できるこ
とはもちろんのこと、面ファスナの通常の用途である衣
服、バッグ、靴、帽子、カーテンの括り留め用のタッセ
ル、座席シートのカバー、枕カバー等の簡易固定手段と
して、あるいは後述する係合手段を具えた壁紙等として
も使用できるものである。
【0021】そして本発明の面ファスナ1は、前記基板
部2と前記係合凸部3及び係合凹部4とが一体ではな
く、別々に成形されていること、係合凸部3及び係合凹
部4は基板部2に対して成形と同時に密着形成されてい
ること、係合凸部3及び係合凹部4はエラストマーによ
り形成されていること、少なくとも係合凸部3及び係合
凹部4の一部には自らの弾性変形により係合ないしは係
合を解除する弾性係合部5が設けられていることを特徴
としている。
【0022】以下本発明の面ファスナ1を構成する上記
諸部材について具体的に説明する。まず基板部2は上述
のように係合凸部3ないしは係合凹部4が密着形成され
る形成対象となる部材であって、上記係合凸部3ないし
は係合凹部4の形成されていない側の面を一般には接着
面とし、この接着面を床や壁等の構造材、あるいはこれ
らの構造材に対して貼設されるボードやパネル等から成
る基材部Fに対して、あるいはこの基材部Fに本発明の
面ファスナ1を介して接合され、上記基材部Fを覆い隠
す上記マットMないしは内装材Nに対して固着して使用
する。また基板部2としては数mm〜10数mm厚の板
状体、0.数mm〜数mm厚のシート状のもの、あるい
は0.数mm以下のフィルム状のもの等、種々の厚さの
ものが適用できるほか、その材料も柔軟性に優れるも
の、伸縮性に富むもの、通気性に優れるもの等、種々の
性状を有するものを選択し得る。
【0023】次に係合凸部3及び係合凹部4について説
明する。係合凸部3及び係合凹部4は上述のようにエラ
ストマー(ゴム状弾性体)により形成されるものであっ
て、好ましくは以下述べるようなポリウレタンエラスト
マーによって形成される。このポリウレタンエラストマ
ーは、プレポリマーとポリイソシアネートとの混合液か
ら成り、これを加熱することによって硬化するものであ
り、特にノズルから吹き付けて供給するポリウレタンエ
ラストマーとして好適なものに、日本合成化学工業株式
会社の無溶剤即硬ウレタン樹脂などがある。
【0024】このものはノズルによるスプレー混合前に
エラストマー液体原料Pを加熱しておくのが望ましく、
ゲルタイム20秒程度でも硬化することができる。また
このものに対し粘度、硬度調整のため、別途溶剤を添加
することも可能である。更にポリウレタンエラストマー
としては、プレポリマーである日本ポリウレタン工業株
式会社のニッポラン(登録商標)に、ポリイソシアネー
トである大日本インキ株式会社のパンデックス(登録商
標)を混合したものや、その他三井東圧化学株式会社の
SX−320A&Bなどを用いることができる。また後
述する孔版からの流出を防止する必要がある場合も予想
され、そこでこれら原料には、増粘剤を混入することが
好ましい。
【0025】なお増粘剤の具体例として、日本アエロジ
ル株式会社製造販売のAEROSIL(登録商標)があ
る。このものは工業的に得られる最高純度のシリカ(S
iO2 99.8%)であり、7mμ〜50mμの超微粒
子から成り、高表面積、高分散性を有する無害の物質で
ある。このAEROSIL(登録商標)は、表面に有す
るシラノール基の水素架橋結合の働きにより、少量の添
加でポリエステルやエポキシ樹脂等の液状物質の加工に
必要なレオロジー特性を与えることができるため増粘剤
としての機能を有する。また前記AEROSILに限ら
ず、その他のフィラーを添加することももちろん可能で
ある。
【0026】この他、以下述べるような光硬化性樹脂を
適用することも可能である。ここでは光硬化性樹脂のう
ち、紫外線の照射により短時間で硬化する紫外線硬化樹
脂を例にとって説明する。紫外線硬化樹脂の選択にあた
っては、紫外線が孔版の孔部の深くまで届くように、硬
化前及び硬化後において透明ないし半透明のものを適用
する。しかも本発明では緩衝性や繰り返し行われる脱着
に対する耐久性等も要求されるから適度な弾力を有し、
引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性、硬度、その他の物
性面での要求に応え得る紫外線硬化樹脂を適用する。こ
の場合、引き裂き強度を向上させるため、硬化を阻害し
ない程度に短繊維等のフィラーを紫外線硬化樹脂に混入
しておいてもよい。
【0027】次に係合凸部3及び係合凹部4の形状ない
しは配置態様の特徴について説明する。まず係合凸部3
の基本的形状としては、図2(a)、図2(b)上部、
図2(c)に示すような先拡勾配を有する逆円錐台形状
のものが一例として採用し得る。また係合凹部4の基本
的形状としては、図2(b)下部、図2(c)に示すよ
うな凹陥部の形状を奥拡勾配を有する円錐台形状とする
ものが一例として採用し得る。因みにこのような形状の
係合凸部3及び係合凹部4は図9(a)等に示すような
勾配の形成された孔部11を有する孔版10により成形
されるわけであるが、上記孔部11の勾配は前述したよ
うに当初から予定しておいた勾配でなくても、加工上、
結果として生じた勾配をそのまま利用したものであって
ももちろん構わない。
【0028】なお上記係合凸部3の先拡勾配、係合凹部
4の奥拡勾配は弾性係合部5として作用するものであっ
て、図2(a)、図2(b)上部、図2(c)に示す基
板部2に対して係合凸部3のみが密着形成されている面
ファスナ1にあっては、図2(a)に示すように同一構
造の面ファスナ1と組み合わせ、係合凸部3同士を係合
させることもできるし、図2(b)下部、図2(c)に
示す基板部2に対して係合凹部4のみが密着形成されて
いる面ファスナ1と組み合わせ、図2(b)に示すよう
に係合凸部3と係合凹部4とを係合させるようにするこ
とも可能である。また図2(c)に示す基板部2に対し
て係合凸部3及び係合凹部4が密着形成されている面フ
ァスナ1にあっては、図2(c)に示すように同一構造
の面ファスナ1を組み合わせ、一方の係合凸部3は他方
の係合凹部4に、一方の係合凹部4は他方の係合凸部3
に係合させるようにする。
【0029】更に弾性係合部5としては、上記図2
(a)、図2(b)上部、図2(c)、あるいは図3
(a)に示す先拡勾配により形成されるものや、図2
(b)下部、図2(c)に示す奥拡勾配により形成され
るもののほか、複数枚の孔版10を積み重ねて使用する
場合に生ずる図17(c)に示すような段差や孔版10
の間あるいは孔版10と底版12との間に形成される隙
間の存在によって生じる図17(b)に示すようなバリ
をそのまま弾性係合部5として利用することも可能であ
る。もちろん当初から図3(b)に示すような段差ある
いはバリと同様の作用を有する図3(c)に示すような
張出部を形成することを意図して孔版10の孔部11の
形状や大きさを適宜定めることも可能である。
【0030】更にまた図4(a)に示すように係合凸部
3には中空域3aを形成することが可能である。因みに
このような構造の係合凸部3を成形する場合には、孔版
10の孔部11に対し、図4(a)に示すように中空域
形成凸部11aを孔版10の一部として設けるか、ある
いは孔版10とは別体とし、孔部11内に配置するよう
にする。同じく図4(b)に示すように係合凹部4に対
し、突起4aを形成することも可能である。因みにこの
ような構造の係合凹部4を成形する場合には、孔部11
とは別に突起形成凹部11bを孔版10に対し形成する
ようにする。なおこのような係合凸部3及び係合凹部4
の高さや大きさは、孔版10の厚さや孔部11の大きさ
を可変することにより種々選択できるものであって、究
極的には筋や溝条のものであっても構わない。また係合
凸部3及び係合凹部4の脱着性や孔版10からの離型性
を考慮すれば、図4(c)(d)に示すように係合凸部
3の角稜部や係合凹部4の角隅部の一部を面取りした構
成とする。
【0031】更にまた弾性係合部5の係合作用方向は、
接合する二部材の離反方向、すなわち図1に示す実施の
形態で言えば、基材部Fから内装材NあるいはマットM
を剥離する方向のみに作用するもののほか、図5(a)
(b)に示すように接合する二部材の横ズレ方向にも作
用するものであってもよい。因みに図5(a)に示すも
のは、組み合わせて使用される一対の面ファスナ1にお
ける係合凸部3を互い違いに配置するとともに、間隔を
密にし、これにより係合凸部3の平面方向の移動を規制
することで接合する二部材の横ズレを防止するようにし
たものである。一方、図5(b)に示すものは、係合凸
部3と係合凹部4とを組み合わせて使用する実施の形態
を示すものであって、この実施の形態の場合にあって
は、係合状態において図5(b)(ii) に示すように係
合凸部3の側周部が係合凹部4によって嵌合状態に保持
されており、これにより接合する二部材の横ズレを防止
するようにしたものである。
【0032】更にまたこのような弾性係合部5には、こ
れを係合する他の弾性係合部5との位置ズレを修正する
係合案内構造6を設けることも可能である。係合案内構
造6としては図6(a)に示すように係合凹部4の凹陥
部入口付近に案内傾斜面7を形成し、この案内傾斜面7
によって係合凸部3を正規の係合位置に導くものが一例
として適用できる。また図6(b)に示すように係合凹
部4の平面形状を凹陥部入口付近を楕円ないしは長穴形
状とし、これと連通する凹陥部奥部側の部分を上記楕円
の長軸寸法ないしは長穴の長径寸法を直径とする正円と
し、一方、これと係合する係合凸部3の先端部の横断面
形状は、その直径を上記楕円の短軸寸法ないしは長穴の
短径寸法より多少大きく、なお且つ上記正円の直径より
小さくなるように設定される図6(b)に示すような正
円、あるいは楕円、長円形とすることも可能である。
【0033】更にまた係合凸部3もしくは係合凹部4
は、大きさ、形状及び性状の全部またはその一部を異に
する複数の要素を多層状に組み合わせることにより形成
することも可能である。図7にその三種の実施の形態を
示すものであって、図7(a)に示すものは基部側の層
と先端部側の層とで大きさを異ならせた実施の形態、図
7(b)に示すものは基部側の層と先端部側の層とで形
状を異ならせた実施の形態、図7(c)に示すものは基
部側の層の原料と先端部側の層の原料とを異ならせ、二
種の間に性状の差異を持たせた実施の形態を示すもので
ある。
【0034】因みに図7(c)の更に具体的な実施の形
態としては、基部側の層の原料をエラストマー液体原料
P、先端部側の層の原料を上記エラストマー液体原料P
に微小中空球体を添加したものが挙げられ、このものを
加熱することにより、上記微小中空球体を発泡させ、膨
張破裂させることにより表面にベタベタ感を生じさせて
粘着性を持たせたものが一例として適用できる。エラス
トマー液体原料P中に添加される微小中空球体として
は、一例として日本フィライト株式会社販売のエクスパ
ンセル(登録商標)が適用できる。このものはビニリデ
ンクロライド及びアクリロニトリルのコポリマーを殻壁
とし、内部に液体イソブタンを内包して成るものであっ
て、80℃以上に加熱することにより、熱可塑性の殻壁
が軟化し、それと同時に内部のイソブタンがガス化膨張
して、その殻壁を拡大するものである。
【0035】更にまた孔版10における孔部11の形状
あるいは孔版10の組み合わせによって形成し得る種々
の弾性係合部5の実施の形態について説明すれば、図7
(a)に示すように係合凸部3の片側(ないしは側周部
の一部)のみに張出部を設けたものであってもよいし、
図8(b)に示すように係合凸部3の両側(ないしは側
周部の全周)に張出部を設けたものであってもよい。ま
た図8(c)に示すように係合凸部3の片側(ないしは
側周部の一部)のみを先拡勾配としたものであってもよ
いし、図8(d)に示すように係合凸部3の両側(ない
しは側周部の全周)を先拡勾配としたものであってもよ
い。
【0036】更に図8(e)に示すように円柱状の係合
凸部3の側周部に鋸歯状の凹凸を形成し、これを弾性係
合部5としたものであってもよいし、図8(f)に示す
ように係合凹部4の側周部に放射状にスリットを入れ、
これにより係合凹部4を何分割かし、弾性変形しやすく
したものであってもよい。このうち図8(e)に示す実
施の形態にあっては、上記図8(a)(c)と同様、係
合凸部3の片側(ないしは側周部の一部)のみに凹凸を
形成したものであってもよいし、上記図7(b)(d)
と同様、係合凸部3の両側(ないしは側周部の全周)に
凹凸を形成したものであってもよい。なお上記図8
(a)〜(e)の実施の形態にあっては、係合凸部3を
例にとって説明しているが、もちろん係合凹部4につい
ても同様に適用でき、上記図8(f)の実施の形態にあ
っては、係合凸部3を適用対象とすることももちろん可
能である。
【0037】次に本発明の面ファスナの製造方法につい
て図9〜11、図12〜13、図14、図15に示す四
種の実施の形態を例にとって説明する。 (A)基板部後置きの場合 (i)底版の載置(図9(a)参照) 図9(a)に示すように、まずベースB上に底版12を
載置する。なおこの場合、底版12に対してガイド孔が
形成されている場合には、ガイド孔を案内として載置す
る。またこのような底版12に代えて通気性シートを使
用することも可能である。因みに通気性シートを使用し
た場合には、孔版10における孔部11に混入したエア
を通気性シートの組織中を通過させ、外部に排出させた
り、通気性シートの表面の凹部や組織中の空洞部に一時
的にエアを残留させることが可能となり、これによりエ
ア残留に伴う欠損等を防止できる。なお通気性シートの
構成の詳細については、その記載を省略するが、特願平
7−70582号等において開示されている凹凸成形シ
ートの製造方法中の記載を参照されたい。また上記作用
は底版12の載置面に対し凹凸処理を施すことによって
も奏せられるが、凹凸処理の具体的な形成手法について
は特願平7−310128号中の記載を参照されたい。
【0038】(ii) 孔版の載置(図9(a)参照) そしてこのような底版12の上面あるいは通気性シート
の上面に孔版10を載置する。また孔版10の載置にあ
たっては、孔版10に形成されているガイド孔を利用し
て位置合わせを行うようにする。更に本発明にあって
は、孔版10を載置するにあたり、図9(a)に示すよ
うに孔部11に形成される勾配、段差が、成形される係
合凸部3もしくは係合凹部4の離型を妨げる姿勢とす
る。因みにこのような姿勢で孔版10を載置するのは係
合凸部3及び係合凹部4に弾性係合部5を形成するため
であり、離型時の係合凸部3及び係合凹部4の孔部11
に対する引っ掛かりは後述するように係合凸部3及び係
合凹部4の弾性変形により回避し得るのである。
【0039】(iii)エラストマー液体原料の注入(図9
(b)参照) 図9(b)に示すように孔版10の孔部11に対し、係
合凸部3ないし係合凹部4の原料となるエラストマー液
体原料Pを注入する。なおエラストマー液体原料Pとし
てポリウレタンエラストマーを注入する場合には、図9
(b)−(i)に示すようにシリンダ内で二液を混合
し、ノズルから注入する方法のほか、図9(b)−(i
i) に示すようにノズル先端で原料の二液を混合しなが
ら吹き付けるようにすることが望ましい。また量産を特
に考慮する必要がない場合には、図9(b)−(iii)に
示すように容器内でこれら二液を攪拌し、混合したもの
を孔部11に対し流し込むようにすることも可能であ
る。
【0040】(iv)スキージ処理(図10(a)参照) このようにして所定量のエラストマー液体原料Pを孔版
10の孔部11に注入したら、図10(a)に示すよう
にスキージ具Sを用いて孔部11の上面から、はみ出し
て存在する上記エラストマー液体原料Pを除去する。こ
のとき孔部11中のエラストマー液体原料Pのうち、孔
部11の上面直下付近に存在するものの一部をこれらエ
ラスマー液体原料Pと、孔版10の孔部11並びにスキ
ージ具Sの先端との表面張力、接触角、濡れなどの関係
からスキージ具Sの先端で引きずるようにして一緒に取
り去るようにする。
【0041】(v)基板部の載置、加圧、加熱、離型
(図10(b)、図11(a)(b)参照) 次に孔版10の上面に図9(b)に示すように基板部2
を載置し、更に図11(a)に示すように加圧、加熱す
る。そしてエラストマー液体原料Pが硬化し、離型可能
状態となったところで、上記加圧、加熱を解除し、爾後
エラストマーから成る係合凸部3ないしは係合凹部4の
弾性変形を利用して、成形された面ファスナ1を図11
(b)に示すように孔版10から強制的に離型する。
【0042】(B)基板部先置きの場合 (i)基板部の載置、孔版の載置(図12(a)参照) まずベースB上に基板部2を載置する。次にこの基板部
2の上にあらかじめ所定形状の孔部11が形成された孔
版10を孔部11に形成される勾配、段差が、成形され
る係合凸部3もしくは係合凹部4の離型を妨げる姿勢に
して載置する。因みに本実施の形態の場合には前記基板
部後置きの場合と孔版10は逆の姿勢となる。なお孔版
10にガイド孔が成形されている場合には前記基板部後
置きの場合と同様、ガイド孔を利用して位置合わせを行
う。
【0043】(ii) エラストマー液体原料の注入、スキ
ージ処理(図12(b)(c)参照) 次に前記基板部後置きの場合と同様の要領で孔版10の
孔部11に対しエラストマー液体原料Pを注入し、爾後
スキージ具Sを用いて孔部11の上面からはみ出して存
在する上記エラストマー液体原料Pを除去する。
【0044】(iii)加圧、加熱、離型(図13(a)
(b)参照) そして図13(a)に示すように加圧、加熱し、エラス
トマー液体原料Pが離型可能な状態となるまで硬化した
ところで、図13(b)に示すように上記加圧、加熱を
解除し、爾後エラストマーから成る係合凸部3ないしは
係合凹部4の弾性変形を利用して成形された面ファスナ
1と孔版10とを強制的に離型する。
【0045】(C)孔版を複数枚使用する場合 なお孔版10を複数枚使用する場合においても、前記基
板部後置きの場合と前記基板部先置きの場合とがあるわ
けであるが、その大部分の工程は前記孔版10を一枚の
み使用する場合と同じであるので、ここでは複数枚の孔
版10の載置の順序と、エラストマー液体原料Pの注入
のタイミングを中心にその態様を異にする二種の実施の
形態を例にとって説明する。
【0046】(i)各層ずつ成形する場合(図14
(a)参照) すなわち異種の原料を使用して性状を異にする複数の要
素を多層状に組み合わせることにより、係合凸部3もし
くは係合凹部4を成形する場合にとられる成形手法を示
すものである。この場合にはまず一層目の孔版10を載
置し、この孔版10の孔部11に対しエラストマー液体
原料Pを注入し、更にスキージ処理をし、次に注入する
他のエラストマー液体原料Pと混合してしまわない程度
の状態となるまで硬化させる。
【0047】次に二層目の孔版10を上記一層目の孔版
10の上面に載置し、この孔版10の孔部11に対し、
前記エラストマー液体原料Pとは成分、色彩等を異にす
る他のエラストマー液体原料Pを注入し、スキージ処理
をする。また孔版10を三層以上、積層する場合には、
上記手順を以下同様に繰り返す。なお孔版10を載置す
るにあたっては前記孔版10を一枚のみ使用する場合と
同様、孔部11に形成される勾配、段差が、成形される
係合凸部3もしくは係合凹部4の離型を妨げる姿勢とな
るように各孔版10を載置する。
【0048】(ii) 複数の層を同時に成形する場合(図
14(b)参照) すなわち単一のエラストマー液体原料Pを使用してあら
かじめ設定した所望の形状、寸法を有する係合凸部3も
しくは係合凹部4を成形する場合、その他、複雑な形状
を有する係合凸部3もしくは係合凹部4を成形する場合
にとられる成形手法を示すものである。この場合には先
に所定枚数の孔版10を載置し、その後、エラストマー
液体原料Pを一挙に上記積層される各孔版10の孔部1
1に対し注入し、更にスキージ処理を行う。なおこの場
合、すべての層を一度に成形するようにしてもよいし、
何枚ずつかに分けて上記作業を複数回繰り返すようにし
てもよい。
【0049】(D)成形後癖付けを行う場合 上述の各成形手法によって成形された係合凸部3及び係
合凹部4は、それ自体でも充分に所望の係合作用を発揮
するものであるが、例えば孔版10における孔部11を
加工する際に結果として生じた勾配をそのまま利用した
場合等において、孔版10の厚みによっては形成された
先拡勾配、あるいは奥拡勾配では係合作用が不充分とな
る場合が生じ得る。そこでこのような場合に行われるの
が以下述べる癖付け処理であり、成形された係合凸部3
もしくは係合凹部4を例えば加圧、加熱することによ
り、これらを二次変形させ、図15(a)に示すように
係合凸部3を多少左右に傾倒させたり、図15(b)に
示すように係合凹部4を圧縮し、扁平化させ、成形時の
弾性係合部5における係合作用を更に助長するようにす
るのである。
【0050】最後にこのようにして製造された面ファス
ナ1を用い、基材部Fに対してマットMないしは内装材
Nを敷設ないし貼設するその設置態様について説明す
る。まず本発明の面ファスナ1を基材部F、あるいはマ
ットMや内装材Nに対し固着する固着手段としては、図
16(a)に示すように面ファスナ1の基板部2の裏面
と基材部FあるいはマットMや内装材Nとの間に接着剤
を塗布し、あるいは両面接着テープを貼付することで接
着層20を形成し、これにより固着を図る手段が挙げら
れる。
【0051】また基板部2が例えば熱可塑性樹脂を原料
とするものであれば、図16(b)に示すようにこれを
熱溶着することにより固着を図ることも可能である。な
おこの図16(b)に示す実施の形態にあっては、基板
部2を不織布シートにより構成したものを図示するもの
であって、このような基板部2を使用した場合には基板
部2の裏側は加熱溶融によりフィルム化し、粘着性を生
じるとともに、接着面積の拡大によってその固着力はよ
り強固となる。一方、基板部2の表側では係合凸部3も
しくは係合凹部4の一部が基板部2の繊維中に入り込
み、これにより基板部2に対する係合凸部3もしくは係
合凹部4の密着力も向上する。
【0052】更に図16(c)(d)は、本発明の面フ
ァスナ1の配置態様を図示するものであって、図16
(c)に示すように接合する二部材の接合面の全面にわ
たって配置することも可能であるし、図16(d)に示
すように接合する二部材の接合面の一部に適宜の間隔を
開けて配置することも可能である。因みに図16(c)
は壁紙様の比較的面積が大きく、薄肉の基板部2に対し
係合凸部3もしくは係合凹部4を密着形成たものであ
り、面ファスナ1であると同時に直接、壁紙等として使
用できるものを図示し、図16(d)は布地等の簡易固
定用として広く使用されている従来の面ファスナと同
様、リボン(帯)状ないしは短冊様の形状を有する面フ
ァスナ1を示すものである。この他、以上述べた説明
は、本発明の面ファスナ1同士を接合して使用する場合
を想定して説明しているが、本発明の面ファスナ1との
係合状態が保たれるのであれば、押出成形あるいは射出
成形により形成される従来の面ファスナや射出成形等に
よって成形される凹凸面(例えば「笊」等に見られる網
目状のもの)と組み合わせて使用することももちろん可
能でるある。
【0053】
【発明の効果】本発明の面ファスナ並びにその製造方法
は、以上述べた実施の形態によって具現化される請求項
1〜11に記載された発明特定事項を有することによっ
て成るものであって、このような発明特定事項を有する
ことによって以下述べるような種々の効果が発揮され
る。すなわち基板部2と係合凸部3等とを一体に成形す
る射出成形や押出成形とは異なり、既存あるいは別途成
形した基板部2を使用し、このものに係合凸部3もしく
は係合凹部4を密着形成するようにしたから、成形の容
易性等を考慮することなく種々の材料を基板部2の材料
として選定でき、用途の拡大につながる。
【0054】また基板部2と係合凸部3もしくは係合凹
部4との結合は、孔版10を使用して係合凸部3もしく
は係合凹部4を成形すると同時に基板部2に対して密着
形成されることにより行われるから、両者の結合は極め
て強固であり、射出成形等による従来の一体成形のもの
と比べても遜色ない。更に係合凸部3及び係合凹部4を
エラストマーにより形成したことにより孔版10の孔部
11の一部に成形された係合凸部3もしくは係合凹部4
の一部が係合した状態となっていても、エラストマーの
有する柔軟性による弾性変形が期待できるから離型性を
それほど損ねるということもなく、外部からの負荷や振
動に対しても緩衝ないしは防振効果が発揮される。
【0055】更にまた係合凸部3及び係合凹部4の少な
くとも一部に弾性係合部5を設けたことにより、これと
係合する他の係合凹部4及び係合凸部3との脱着も円滑
に行われる。更にまた加工上、結果として生ずる孔部1
1の勾配、あるいは複数の孔版10を積み重ねて使用す
る場合に生ずる段差、隙間によって、成形された係合凸
部3もしくは係合凹部4の表面に現れる先拡勾配、奥拡
勾配、段差、バリ等をそのまま弾性係合部5として使用
した場合には、従来欠陥として認識されていたものの有
効利用が図られる。
【0056】更にまた孔版10を使用することにより面
ファスナ1の製造を孔版10による一連の成形加工のみ
により行うことが可能となり、成形後の二次加工、三次
加工は原則として不要となる。更にまた孔版10による
成形手法を講ずることにより、従来存在しなかった比較
的面積が大きく、しかも薄肉の面ファスナ1の製造が可
能となり、面ファスナ1の用途の拡大にも寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面ファスナを適用し、新幹線の車両内
の床面にマットを敷設し、壁面に内装材を貼設した状態
を一部破断ないしは拡大して示す斜視図である。
【図2】先拡勾配を有する係合凸部もしくは奥拡勾配を
有する係合凹部のいずれか一方、またはこれらの双方が
形成された三種の面ファスナを示すとともに、その接合
の組み合わせの一例を示す縦断側面図である。
【図3】弾性係合部の構成を異ならせた三種の実施の形
態を示す縦断側面図である。
【図4】係合凸部に対し中空域を形成した実施の形態、
係合凹部に対し突起を形成した実施の形態並びに係合凸
部及び係合凹部に面取加工を施した二種の実施の形態を
併せ示す縦断側面図である。
【図5】弾性係合部の係合作用方向を接合する二部材の
離反方向及び横ズレ方向の両方向に作用するように設定
した二種の実施の形態を示す平面図並びに縦断側面図で
ある。
【図6】係合案内構造の二種の実施の形態を示す説明図
である。
【図7】係合凸部を大きさ、形状または性状を異にする
複数の要素を多層状に組み合わせることにより形成した
実施の形態を示す縦断側面図である。
【図8】係合凸部もしくは係合凹部の形状ないしは構造
を異ならせた他の種々の実施の形態を示す縦断側面図な
いしは平面図である。
【図9】本発明の面ファスナの製造方法を示す説明図で
あって、このうち底版の載置からエラストマー液体原料
の注入までの工程を示す縦断側面図である。
【図10】同上スキージ処理工程と基板部の載置工程と
を併せ示す縦断側面図である。
【図11】同上加圧・加熱工程と離型工程とを併せ示す
縦断側面図である。
【図12】本発明の面ファスナの製造方法の他の実施の
形態を示す説明図であって、このうち基板部の載置から
スキージ処理までの工程を示す縦断側面図である。
【図13】同上加圧・加熱工程と離型工程とを併せ示す
縦断側面図である。
【図14】孔版を複数枚使用する場合の二種の実施の形
態におけるエラストマー液体原料の注入の様子を対比し
て示す縦断側面図である。
【図15】成形後癖付けを行う場合の二種の実施の形態
の癖付けの様子を示す縦断側面図である。
【図16】本発明の面ファスナに適用できる二種の固着
手段並びに本発明の面ファスナの二種の配置態様を併せ
示す縦断側面図並びに平面図である。
【図17】孔版を使用して凹凸成形シートを成形する場
合の三種の問題点を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 面ファスナ 2 基板部 3 係合凸部 3a 中空域 4 係合凹部 4a 突起 5 弾性係合部 6 係合案内構造 7 案内傾斜面 10 孔版 11 孔部 11a 中空域形成凸部 11b 突起形成凹部 12 底版 20 接着層 A 新幹線 B ベース F 基材部 M マット N 内装材 P エラストマー液体原料 S スキージ具

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板部の一面に複数の係合凸部もしくは
    係合凹部のいずれか一方、またはこれらの双方が形成さ
    れて成る面接合用の部材において前記面接合用の部材は
    前記係合凸部及び係合凹部が前記基板部に対して成形と
    同時に密着形成されて成るとともに、前記係合凸部及び
    係合凹部はエラストマーにより形成され、少なくともこ
    れらの一部には自らの弾性変形により係合ないしは係合
    を解除する弾性係合部が設けられていることを特徴とす
    る面ファスナ。
  2. 【請求項2】 前記弾性係合部は前記係合凸部もしくは
    係合凹部を成形する際に生ずる先拡勾配、奥拡勾配、段
    差あるいはバリとして認識される張出部であって、これ
    らの張出部が係合する他の張出部に対して楔様に作用す
    るように形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の面ファスナ。
  3. 【請求項3】 前記弾性係合部の係合作用方向は接合す
    る二部材の離反方向及び横ズレ方向の両方向に作用する
    ように設定されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の面ファスナ。
  4. 【請求項4】 前記弾性係合部には、これと係合する他
    の弾性係合部との位置ズレを修正する係合案内構造が設
    けられていることを特徴とする請求項1、2または3記
    載の面ファスナ。
  5. 【請求項5】 前記係合凸部もしくは係合凹部は大き
    さ、形状及び性状の全部またはこれらの一部を異にする
    複数の要素を多層状に組み合わせることにより形成され
    ていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載
    の面ファスナ。
  6. 【請求項6】 前記係合凸部もしくは係合凹部はポリウ
    レタンエラストマーにより形成されていることを特徴と
    する請求項1、2、3、4または5記載の面ファスナ。
  7. 【請求項7】 前記基板部はフィルム状ないしはシート
    状の部材であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5または6記載の面ファスナ。
  8. 【請求項8】 ベース上に底版を載置し、更にこの底版
    上にあらかじめ所定形状の孔部が形成された孔版を、孔
    部に形成される勾配、段差が、成形される係合凸部もし
    くは係合凹部の離型を妨げる姿勢になるようにして載置
    し、次いでこの孔版の孔部に対してエラストマー液体原
    料を注入し、更にスキージ処理をした後、その上に基板
    部を載置し、この状態で加圧、加熱することでエラスト
    マー液体原料を硬化させ、爾後エラストマーの弾性変形
    を利用して強制的に離型するようにしたことを特徴とす
    る面ファスナの製造方法。
  9. 【請求項9】 ベース上に基板部を載置するとともに、
    この基板部の上にあらかじめ所定形状の孔部が形成され
    た孔版を孔部に形成される勾配、段差が、成形される係
    合凸部もしくは係合凹部の離型を妨げる姿勢になるよう
    にして載置し、次いでこの孔版の孔部に対してエラスト
    マー液体原料を注入し、更にスキージ処理をした後、加
    圧、加熱し、エラストマー液体原料が硬化した後、エラ
    ストマーの弾性変形を利用して強制的に離型するように
    したことを特徴とする面ファスナの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記孔版は複数枚使用され、各孔版を
    載置するその都度、エラストマー液体原料を注入し、ス
    キージ処理を行い、あるいは複数枚の孔版をあらかじめ
    載置した後、一挙にエラストマー液体原料を注入し、ス
    キージ処理を行うようにしたことを特徴とする請求項8
    または9記載の面ファスナの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記離型後において、成形された係合
    凸部もしくは係合凹部に対して更にに癖付けを施すこと
    により、これらを二次変形させ、形成される弾性係合部
    における係合作用を助長するようにしたことを特徴とす
    る請求項8、9または10記載の面ファスナの製造方
    法。
JP23245696A 1996-08-14 1996-08-14 面ファスナ並びにその製造方法 Pending JPH1057117A (ja)

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