JPH105820A - 継目無金属管の製造方法 - Google Patents

継目無金属管の製造方法

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JPH105820A
JPH105820A JP16155696A JP16155696A JPH105820A JP H105820 A JPH105820 A JP H105820A JP 16155696 A JP16155696 A JP 16155696A JP 16155696 A JP16155696 A JP 16155696A JP H105820 A JPH105820 A JP H105820A
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JP
Japan
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outer diameter
round billet
rolling
piercing
hollow shell
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JP16155696A
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English (en)
Inventor
Kazumune Shimoda
一宗 下田
Tomio Yamakawa
富夫 山川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属管の穿孔圧延方法を提供する。 【解決手段】主ロール開度をRg、ガイド部材開度をG
g、中実丸ビレット外径をBd、プラグの有効長さをP
h、最大外径をPdとしたとき、下記〜式を満たす
条件で穿孔圧延を行う。 0.5×Bd≦Rg≦0.9×Bd ・・・・・・・
1.05×Rg≦Gg≦0.95×Bd ・・・・・
1.5×Pd≦Ph≦6×Pd ・・・・・・・・・
【効果】偏肉が小さく、かつ内面疵のない、外径が素材
丸ビレット外径の0.95倍以下の中空素管を得ること
が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継目無金属管の製
造方法に係わり、より詳しくは、一対の主ロールとガイ
ド部材、およびプラグを備えた主ロール型の穿孔圧延機
により、その外径が素材である中実丸ビレット外径の
0.95倍以下の中空素管を得るための継目無金属管の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】中実丸ビレットから継目無金属管を製造
する方法としては、マンネスマン−マンドレルミル法と
称される方法がある。このマンネスマン−マンドレルミ
ル法では、まず中実丸ビレットを所定温度に加熱した
後、ピアサと称される主ロール型の穿孔圧延機により穿
孔圧延して中空素管を得る。次いで、得られた中空素管
をマンドレルミルと称される多スタンドの連続圧延機に
通して延伸圧延し、肉厚の減じられた仕上げ圧延用の母
管に成形する。しかる後、この母管をそのままあるいは
再加熱してからストレッチレデューサと称される仕上げ
圧延機に通して絞り圧延し、肉厚と外径を調整して所定
寸法の継目無金属管となす。
【0003】上記マンネスマン−マンドレルミル法は、
例えばマンネスマン−ピルガーミル法やユジーン・セジ
ュルネ法などの他の製造方法に比べて大量生産に向いて
おり、その製造コストが低い。このため、得られた継目
無金属管は、比較的安価であり、主に油井管やボイラー
チューブとして多用されている。
【0004】上記の継目無金属管の製造方法において、
最初に行われるピアサと称される主ロール型の穿孔圧延
機による穿孔圧延は、以下に述べるようにして行われ
る。
【0005】図10は、その一例を示す模式図であり、
図中、符号1はバレル型の主ロール、2はガイド部材で
あるディスクロール、3はプラグ、4は中実の丸ビッレ
ト、5は芯金である。
【0006】図10に示すように、主ロール1、1は、
パスラインX−Xの周りに対向配置されており、傾斜角
βをもって互いに逆方向に傾斜配置されている。また、
ディスクロール2、2は、主ロール1、1間のパスライ
ンX−X周りに対向配置されている。さらに、プラグ3
は、その基端部が芯金5によって支持され、主ロール
1、1とディスクロール2、2とで画成される空間部の
適正部位に位置するように配置されている。
【0007】なお、ディスクロール2、2は、これが固
定型の板状のガイドシューあるいはその回転軸心がパス
ラインX−X方向に延在するローラガイドであるものも
ある。また、主ロール1、1は、これがコーン型のもの
もある。
【0008】上記のように構成された穿孔圧延機におい
ては、主ロール1、1およびディスクロール2、2をそ
れぞれ図中の矢印方向に回転駆動させるとともに、丸ビ
レット4を図中の白抜き矢印方向に送給する。これによ
り、丸ビレット4は、その先端が主ロール1、1に噛み
込んだ後は主ロール1、1の回転に伴ってディスクロー
ル2、2に案内されつつ回転しながら図中の右方に進行
し、プラグ3によってその軸心部に孔が穿設される。
【0009】図11および図12は、その穿孔圧延の状
態を示し、図11は模式的縦断面図、図12は図11の
I−I線矢視横断面図であり、図に示すように、プラグ
3の先端部分で穿孔された材料は、主ロール1、1とプ
ラグ3とによってその肉厚が順次減じられる。そして、
主ロール1、1の間度Rgが最短のゴージ部6よりも下
流側において外径が拡げられ、所定寸法の中空素管に成
形される。
【0010】上記のようにして行われる穿孔圧延は、従
来、上記主ロール1、1の開度Rgを素材である丸ビレ
ット4の外径の0.85〜0.92倍の範囲内に設定す
るとともに、ディスクロール2、2の開度、すなわちパ
スラインX−X方向における位置が上記主ロール1、1
のゴージ部6とほぼ同じで、その外周面に形成された溝
底間の離間距離が最短の開度Ggを丸ビレット4の外径
以上に設定して行われていた。しかし、この場合に得ら
れる中空素管は、その外径が素材である丸ビレット4の
外径の0.95倍よりも大きなものしか得られなかっ
た。すなわち、従来は、その外径が素材である丸ビレッ
ト外径の0.95以上の中空素管を得る穿孔圧延は行わ
れていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記マンネ
スマン−マンドレルミル法に代表される継目無金属管の
製管方法において用いられる丸ビレットは、その外径が
最も小さい場合で150mm程度である。このため、次
工程の圧延機であるマンドレルミルに供給される中空素
管は、その外径が約142mm以上のものに限定され
る。
【0012】一方、近年、継目無金属管の用途も多様化
し、機械装置の駆動軸、油圧機器のシリンダーや配管部
材などに使用されるメカニカルチューブと称される小径
サイズの継目無金属管の需要が増えつつある。そのた
め、マンネスマン−マンドレルミル法においても、外径
が142mmを超える中空素管を対象に、上記ストレッ
チレデューサによる仕上げ圧延時に、下記(a)式で求
められる外径圧下率を70%以上にすることにより、外
径が20〜50mmという小径サイズの製品が生産され
るようになってきた。
【0013】 外径圧下率={(d−d0 )/d0 }×100(%)・・・(a) ここで、 d :圧延前外径(mm) d0 :圧延後外径(mm) しかし、ストレッチレデューサによる仕上げ圧延時に外
径圧下率を大きくすると、管内面に角張りが発生して周
方向偏肉が著しくなる。この結果、上記のようにして得
られた製品は、寸法精度が極めて悪いという問題があっ
た。これに対し、上記のメカニカルチューブには、極め
て厳しい寸法精度が要求されるので、この寸法精度の改
善が必要不可欠である。
【0014】上記のストレッチレデューサによる仕上げ
圧延時に発生する管内面の角張りを防ぐ方法としては、
傾斜ロール型の穿孔圧延機とマンドレルミルとの間にシ
ェルサイザと称される定径圧延機などの適宜な外径調整
用圧延機を配置し、この外径調整用圧延機により穿孔圧
延後の中空素管の外径を小さくしてマンドレルミルに供
給することで、ストレッチレデューサによる仕上げ圧延
時の外径圧下率を小さくする方法がある。この方法によ
れば、確かに周方向偏肉の小さい小径サイズの継目無金
属管を得ることが可能である。しかし、この方法は、特
別な圧延機が必要で、設備費が嵩むので、製造コストが
高くなるという欠点がある。
【0015】このため、外径がより小径、具体的にはそ
の外径が素材である丸ビレット外径の0.95倍以下の
中空素管を何らの問題もなく穿孔圧延することのできる
方法の開発が望まれていた。
【0016】本発明は、上記の実情に鑑みてなされたも
ので、その課題は、その外径が素材である丸ビレット外
径の0.95倍以下の中空素管を何らの問題もなく穿孔
圧延することのできる継目無金属管の製造方法を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の継
目無金属管の製造方法にある。
【0018】パスライン周りに傾斜対向配設された一対
の主ロールと、この主ロール間のパスライン周りに対向
配置された一対のガイド部材と、これらの主ロールとガ
イド部材間に配置されたプラグとを備える穿孔圧延機を
用いて中実丸ビレットから中空素管を得る継目無金属管
の製造方法において、上記主ロールの開度をRg、ガイ
ド部材の開度をGg、中実丸ビレットの外径をBd、プ
ラグの有効長さと最大外径をそれぞれPhおよびPdと
したとき、下記〜式を満たす条件で穿孔圧延を行う
ことを特徴とする継目無金属管の製造方法。
【0019】 0.5×Bd≦Rg≦0.9×Bd ・・・・・・・ 1.05×Rg≦Gg≦0.95×Bd ・・・・・ 1.5×Pd≦Ph≦6×Pd ・・・・・・・・・
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法を、図1を参
照して詳細に説明する。
【0021】本発明者らは、従来試みられることのなか
った、外径が素材丸ビレット外径の0.95倍以下であ
る中空素管を製造すべく数多くの実験を行った。その結
果、次のことを知見し、本発明をなすにいたった。
【0022】すなわち、まず最初に、素材丸ビレット外
径の0.95以上の外径を有する中空素管を既存の穿孔
圧延機で製造可能であるか否かの確認試験を行った。
【0023】確認試験は、前述の図1に示したと同様構
成の穿孔圧延機であり、表1に示す寸法諸元の主ロール
1、1とディスクロール2、2およびプラグ3を具備す
る傾斜ロール型の穿孔圧延機と中実丸ビレット4を用
い、その主ロール1、1のゴージ部6における開度Rg
とディスクロール2、2の開度Ggとを種々変化させる
一方、プラグ3を種々変え、外径Sdが種々異なる中空
素管を穿孔圧延した。
【0024】
【表1】
【0025】そして、主ロール1、1とプラグ3とに作
用する荷重および消費電力を調べ、穿孔圧延機の動力特
性の評価を行った。
【0026】図2、図3および図4は、その調査結果を
示す図であり、図2には中空素管の外径Sdと丸ビレッ
ト4の外径Bdとの比(Sd/Bd)が主ロール荷重に
及ぼす影響を、図3には上記の比(Sd/Bd)がプラ
グ荷重に及ぼす影響を、図4には上記の比(Sd/B
d)が消費電力に及ぼす影響を、それぞれ示している。
【0027】図2および図3からわかるように、その比
(Sd/Bd)が0.95以下の中空素管を穿孔圧延す
る場合であっても、主ロール荷重およびプラグ荷重とも
に、その比(Sd/Bd)が0.95超の中空素管を穿
孔圧延する場合と変わらず、ほぼ一定である。この結
果、その比(Sd/Bd)が0.95以下の中空素管を
穿孔圧延しても、強度的に何らの問題もないことが判明
した。
【0028】また、図4からわかるように、その比(S
d/Bd)が小さくなるのに従って消費電力は若干増加
する。しかし、その比(Sd/Bd)が0.7の場合、
従来の下限値である0.95の場合に比べ、10%程度
増加していたにすぎず、その程度は小さい。この結果、
その比(Sd/Bd)が0.95以下の中空素管を穿孔
圧延したとしても、従来に比べてさほどの操業コスト上
昇を招かないことが判明した。
【0029】しかし、主ロール1、1の開度Rg、ディ
スクロール2、2の開度Ggおよび用いるプラグ3の寸
法が適切でないと、得られた中空素管の周方向偏肉が大
きくなるという問題が生じた。
【0030】そこで、その要因を種々考察調査した結
果、「主ロール1、1の開度Rgは、丸ビレット4の外
径Bdの0.5〜0.9倍。ディスクロール2、2の開
度Ggは、丸ビレット4の外径Bdの0.95倍以下
で、かつディスクロール2、2の開度Ggの1.05倍
以上。用いるプラグ4は、その有効長さをPh、最大外
径をPdとしたとき、その比(Ph/Pd)が1.5〜
6であるプラグ。」とする必要のあることを見いだし
た。
【0031】すなわち、得るべき中空素管の外径Sd
を、素材である丸ビレット4の外径Bdの0.95倍以
下にするためには、主ロール1、1のゴージ部6よりも
下流側における材料の主ロール1、1に対するロール軸
長方向の接触長を短くし、材料が拡管されるのを抑制す
る必要がある。ところが、主ロール1、1の開度Rgを
丸ビレット4の外径Bdの0.9倍超にした場合には、
上記の接触長が長すぎて材料拡管が十分に抑制されず、
中空素管の外径Sdが丸ビレット4の外径Bdの0.9
5倍以下にならなかった。これに対し、その開度Rgを
丸ビレット4の外径Bdの0.9倍以下にした場合に
は、中空素管の外径Sdが丸ビレット4の外径Bdの
0.95倍以下になることを知見した。
【0032】しかし、その開度Rgを丸ビレット4の外
径Bdの0.5倍未満にすると、主ロール1、1のゴー
ジ部6よりも上流側のロール胴長が不足で、主ロール
1、1の入側端面と丸ビレット4の先端面が干渉して丸
ビレット4が主ロール1、1に噛み込まなくなる場合が
多発した。また、仮に噛み込んだとしても、ゴージ部6
よりも下流側における上記の接触長が短かすぎ、得られ
た中空素管の周方向偏肉と真円度が著しく悪化すること
を知見した。
【0033】なお、その開度Rgを丸ビレット4の外径
Bdの0.5倍未満にした場合に生じる噛み込み不可現
象は、主ロール1、1をゴージ部6よりも上流側のロー
ル胴長が長いものに取り替えることで回避可能である。
しかし、この場合は、大幅な設備改造が必要で、既存の
穿孔圧延機を用いることにはならなくなる。
【0034】従って、本発明においては、主ロール1、
1の開度Rgを、丸ビレット4の外径Bdの0.5〜
0.9倍の範囲内に限定することとした。
【0035】上記したように、主ロール1、1の開度R
gを、素材である丸ビレット4の外径Bdの0.5〜
0.9倍の範囲内に設定した場合には、丸ビレット4の
外径Bdの0.95倍以下の外径Sdを有する中空素管
が得られる。しかし、この場合、ディスクロール2、2
の開度Ggが適切でないと、得られた中空素管の下記
(b)式で求められる管周方向の偏肉率が著しく悪化す
るのみならず、下記(c)式で定義される穿孔効率が著
しく低下することがあった。
【0036】 偏肉率={(tmax −tmin )/tx }×100(%)・・(b) ここで、 tmax :管軸長方向の任意横断面における最大肉厚(m
m) tmin :管軸長方向の任意横断面における最小肉厚(m
m) tx :管軸長方向の任意横断面における平均肉厚(m
m) 穿孔効率={Vs/(Rd×π×P×sinβ)}×100(%)・・(c) ここで、 Vs:中空素管の進行速度(mm/sec) Rd:主ロールのゴージ部直径(mm) P :主ロールの回転数(rps) β :主ロールの傾斜角(°) そこで、このディスクロール2、2の開度Ggと主ロー
ル1、1の開度Rgおよび丸ビレット4の外径Bdとの
関係について詳細に調べた。
【0037】図5および図6は、その調査結果を示す図
であり、図5にはディスクロール2、2の開度Ggと丸
ビレット4の外径Bdとの比(Gg/Bd)が中空素管
の周方向偏肉に及ぼす影響を、図6にはディスクロール
2、2の開度Ggと主ロール1、1の開度Rgとの比
(Gg/Rg)が穿孔効率に及ぼす影響を、それぞれ示
している。
【0038】図5からわかるように、ディスクロール
2、2の開度Ggが、素材である丸ビレット4の外径B
dの0.95倍を超えると、得られた中空素管の周方向
の偏肉率が急激に悪化することがわかる。なお、図5
は、主ロール1、1の開度Rgが丸ビレット4の外径B
dの0.82倍の場合の結果であるが、主ロール1、1
の開度Rgを丸ビレット4の外径Bdの0.5〜0.9
倍の範囲内の他の値に設定した場合にも、同様の結果が
得られた。
【0039】その理由は、ディスクロール2、2の開度
Ggを素材である丸ビレット4の外径Bdの0.95倍
を超えて広くすると、主ロール1、1のゴージ部6より
も下流側の領域において材料がディスクロール2、2に
接触しなくなるためである。
【0040】すなわち、ゴージ部6よりも下流側の領域
において材料の外表面がディスクロール2、2で規制さ
れない場合には、図8に示すように、得られた中空素管
の外面にスパイラル状のうねりが生じ、これが周方向偏
肉の悪化原因になる。このスパイラル状のうねりにより
生じた周方向偏肉は、その後のマンドレルミルによる延
伸穿工程およびストレッチレデューサによる仕上げ圧延
工程においてもあまり低減されない。このため、最終製
品の偏肉を悪化させる大きな原因となる。
【0041】また、図6からわかるように、ディスクロ
ール2、2の開度Ggが、主ロール1、1の開度Rgの
1.05倍未満であると、穿孔効率が急激に悪化するこ
とがわかる。この穿孔効率の低下は、製管速度を低下さ
せて製品の製造コストの上昇を招くのみならず、中空素
管の内面に疵を多発させる原因となる。
【0042】すなわち、穿孔効率が低下するということ
は、材料の軸長方向への進行速度が遅くなることを意味
し、製管速度が低下する。また、材料の軸長方向への進
行速度が遅くなっても、その回転速度はほとんど低下し
ない。このため、穿孔効率が低下すると、材料が主ロー
ルに噛み込まれてからプラグ先端に到達するまでの間
に、材料と主ロールとの接触する回数が増加することに
なる。その結果、回転鍛造効果が過剰になって材料の軸
心部分に孔の明く、いわゆるマンネスマン破壊と称され
る材料破壊が発生し、これが原因で中空素管の内面に疵
が発生する。従って、穿孔効率の低下は、避ける必要が
ある。
【0043】このため、本発明においては、ディスクロ
ール2、2の開度Ggを、丸ビレット4の外径Bdの
0.95倍以下で、かつディスクロール2、2の開度G
gの1.05倍以上の範囲内に限定することとした。
【0044】ところが、主ロール1、1の開度Rgとデ
ィスクロール2、2の開度Ggとを上記の範囲内に設定
して穿孔圧延を行う際、用いるプラグ4の大きさによっ
ては、得られた中空素管の内面に疵が多発したり、プラ
グ4の先端が1本の中空素管を穿孔圧延するのみで溶損
することがあった。
【0045】そこで、プラグ4の大きさと、得られた中
空素管の内面疵発生およびプラグ4の先端溶損との関係
について詳細に調べた。すなわち、主ロール2、2の開
度Ggと主ロール1、1の開度Rgとを上記の本発明で
規定する範囲内に設定する一方、その穿孔圧延中に材料
が接触する軸長方向の長さ、換言すれば有効長さPhと
最大外径Pdとの比(Ph/Pd)が種々異なるプラグ
4を用いて穿孔圧延を行い、プラグ4の大きさが中空素
管の内面疵発生とプラグ先端溶損に及ぼす影響を調べ
た。
【0046】図7は、その調査結果を示す図であり、縦
軸に上記の比(Ph/Pd)を、横軸に得られた中空素
管の外径Sdと素材である丸ビレット4の外径Bdとの
比(Sd/Bd)を、とって示してある。
【0047】図7からわかるように、本発明で製造対象
とする外径Sdが丸ビレット4の外径Bdの0.95倍
以下の中空素管を穿孔圧延した場合、上記の比(Ph/
Pd)が1.5未満のプラグ3を用いると必ず管内面に
疵が発生することがわかる。また、その比(Ph/P
d)が6を超えるプラグ3を用いると先端が1本の中空
素管を穿孔圧延するのみで溶損することがわかる。
【0048】このように、その比(Ph/Pd)が1.
5未満のプラグ3を用いた場合に管内面に疵が発生し、
逆にその比(Ph/Pd)が6を超えるプラグ3を用い
た場合に中空素管1本のみの穿孔圧延に供しただけでプ
ラグ先端が溶損するのは、次の理由による。
【0049】すなわち、本発明の穿孔圧延方法は、素材
である丸ビレットの外径よりも得るべき中空素管の外径
を従来にも増してより小さくする関係で、材料に加わる
加工度が大きくなる。すなわち、穿孔圧延中の材料が半
回転する毎に受ける主ロールとプラグとによる肉厚圧下
量が、従来の穿孔圧延方法に比べて大きくなるので、管
内面に疵が発生しやすい。このため、材料に加わる加工
度を可及的に小さくするためには、細長いプラグを用い
ることで材料が半回転する毎に主ロール1、1とプラグ
3によって圧延される肉厚圧下量を小さくすればよいこ
とになる。しかし、その比(Ph/Pd)が1.5未満
であると、材料の加工度が十分に小さくならず、管内面
に疵が発生するのである。
【0050】また、その比(Ph/Pd)が6を超える
とプラグの先端部分が溶損するのは、プラグがあまりに
も細長くなりすぎ、プラグ先端部の体積が不足して蓄え
得る熱容量が低下するためである。
【0051】従って、本発明では、用いるプラグ4は、
その有効長さPhと最大外径Pdの比(Ph/Pd)が
1.5〜6であるものに限定した。
【0052】なお、上記のプラグ4の大きさが、中空素
管の内面疵発生とプラグ4の先端部溶損に及ぼす影響を
調べる穿孔圧延に際しては、次の条件のもとに行った。
すなわち、傾斜ロール型の穿孔圧延機による穿孔圧延に
おいては、マンネスマン破壊と称される圧延中の中実丸
ビレットの軸心部に孔のあく現象が発生すると、管内面
に疵が発生する。そして、このマンネスマン破壊は、下
記(d)式で定義されるプラグ先端ドラフト率が大きい
場合に発生する。このため、マンネスマン破壊に起因す
る内面疵を発生させないために、上記のプラグ先端ドラ
フト率を7%以下に設定して穿孔圧延を行った。
【0053】 プラグ先端ドラフト率={(Bd−Rp)/Bd}×100(%)・・(d) ここで、 Bd:丸ビレット外径(mm) Rp:プラグ先端部における主ロールの開度(mm) 以上に説明したように、主ロール1、1の開度Rgを丸
ビレット4の外径Bdの0.5〜0.9倍、ディスクロ
ール2、2の開度Ggを丸ビレット4の外径Bdの0.
95倍以下で、かつディスクロール2、2の開度Ggの
1.05倍以上に設定する一方、有効長さPhと最大外
径Pdとの比(Ph/Pd)が1.5〜6プラグを用い
て穿孔圧延する場合には、周方向偏肉が小さく、内面疵
のない、素材丸ビレット4の外径Bdの0.95倍以下
の外径Sdを有する中空素管を確実に製造することが可
能である。
【0054】この結果、外径が20〜50mmというよ
うなメカニカルチューブなどの小径サイズの製品を製造
する場合でも、延伸圧延機であるマンドレルミルに供す
る前に外径調整圧延を施す必要がなくなる。このため、
特別な圧延機が不要で、その製造設備が安価ですむ。さ
らに、仕上げ圧延機であるストレッチレデューサでの外
径圧下率を小さくすることが可能になる。このため、こ
の仕上げ圧延時に内面角張りが発生することがないの
で、高寸法精度の製品を低コストで製造することができ
ることになる。
【0055】
【実施例】前述のマンネスマン−マンドレルミル法によ
り、S45C製からなる外径196mmの丸ビレットを
素材とし、外径34.0mm、肉厚9.0mmのメカニ
カルチューブを製造した。
【0056】この際、穿孔圧延機による穿孔圧延を本発
明の方法によった場合と、従来の方法によった場合に分
けて行った。そして、従来の方法については、穿孔圧延
後の中空素管をそのままマンドレルミルに供する場合
(以下、従来方法(1)という)と、穿孔圧延後の中空
素管を外径調整用圧延機(シェルサイザ)に供してその
外径を縮小してからマンドレルミルに供する場合(以
下、従来方法(2)という)の2通りで行った。
【0057】この時の、各圧延工程における材料寸法と
前述の(a)式により求められる外径圧下率を表2に示
した。
【0058】
【表2】
【0059】そして、ストレッチレデューサによる仕上
げ圧延後の製品管の周方向の肉厚を測定し、前述の
(b)式に基づいてその偏肉率を調査した。その結果
を、図9に示した。
【0060】図9に示す結果から明らかなように、本発
明の方法によった場合には、従来方法(2)の外径調整
用圧延機による縮小後の外径と同一外径を有する中空素
管を穿孔圧延機で何らの問題もなく圧延することができ
た。このため、ストレッチレデューサでの外径圧下率を
従来方法(2)と同じにして仕上げ圧延した結果、その
偏肉率の平均値は3.8%で、従来方法(2)の平均値
4.3%よりも良好であった。これは、穿孔圧延機で得
られた中空素管の偏肉程度が従来方法によった場合より
も小さいためである。
【0061】これに対し、従来方法(1)によった場合
には、ストレッチレデューサでの外径圧下率を大きくせ
ざるを得ない結果、得られた製品の平均偏肉率は6.9
%であり、極めて悪かった。
【0062】本発明方法では絞り圧延工程を省略するこ
とが可能なため、設備コスト的にも操業コスト的にも有
利である。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、従来に比べ、同一外径
の丸ビレットからより小径で、偏肉が小さく、かつ内面
疵のない中空素管を製造することが可能である。このた
め、例えばマンネスマン−マンドレルミルラインにより
小径サイズの製品を製造する場合に必要な中空素管の外
径縮小圧延工程を省略することができる。この結果、設
備費が少なくてすみ、製品の製造コスト低減が図れる。
また、ストレッチレデューサによる仕上げ圧延時の外径
圧下率を小さくできるので、従来にも増して偏肉の小さ
い製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法による穿孔圧延状態を示す一部破
断模式的横断面図である。
【図2】中空素管外径Sdと丸ビレット外径Bdとの比
(Sd/Bd)と、主ロール荷重との関係を示す図であ
る。
【図3】中空素管外径Sdと丸ビレット外径Bdとの比
(Sd/Bd)と、プラグ荷重との関係を示す図であ
る。
【図4】中空素管外径Sdと丸ビレット外径Bdとの比
(Sd/Bd)と、消費電力との関係を示す図である。
【図5】ディスクロール開度Ggと丸ビレット外径Bd
との比(Gg/Bd)と、穿孔圧延して得られた中空素
管の偏肉率との関係を示す図である。
【図6】ディスクロール開度Ggと主ロール開度Rgと
の比(Gg/Rg)と、穿孔効率との関係を示す図であ
る。
【図7】プラグの有効長さPhと最大外径Pdとの比
(Ph/Pd)と、中空素管外径Sdと丸ビレット外径
Bdとの比(Sd/Bd)とが、内面疵発生とプラグ先
端溶損に及ぼす影響を示す図である。
【図8】ディスクロール開度Ggが本発明で規定する範
囲の上限値を超える場合に得られる中空素管の形状を示
す模式図である。
【図9】実施例の結果を示す図である。
【図10】穿孔圧延機の構成例を示す斜視図である。
【図11】従来の方法による穿孔圧延状態を示す一部破
断模式的横断面図である。
【図12】図11のI−I線矢視断面図である。
【符号の説明】
1:主ロール、 2:ディスクロール、 3:プラグ、 4:丸ビレット、 5:芯金、 6:ゴージ部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パスライン周りに傾斜対向配設された一対
    の主ロールと、この主ロール間のパスライン周りに対向
    配置された一対のガイド部材と、これらの主ロールとガ
    イド部材間に配置されたプラグとを備える穿孔圧延機を
    用いて中実丸ビレットから中空素管を得る継目無金属管
    の製造方法において、上記主ロールの開度をRg、ガイ
    ド部材の開度をGg、中実丸ビレットの外径をBd、プ
    ラグの有効長さと最大外径をそれぞれPhおよびPdと
    したとき、下記〜式を満たす条件で穿孔圧延を行う
    ことを特徴とする継目無金属管の製造方法。 0.5×Bd≦Rg≦0.9×Bd ・・・・・・・ 1.05×Rg≦Gg≦0.95×Bd ・・・・・ 1.5×Pd≦Ph≦6×Pd ・・・・・・・・・
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