JPH1067561A - チッ化ケイ素焼成体 - Google Patents

チッ化ケイ素焼成体

Info

Publication number
JPH1067561A
JPH1067561A JP8238616A JP23861696A JPH1067561A JP H1067561 A JPH1067561 A JP H1067561A JP 8238616 A JP8238616 A JP 8238616A JP 23861696 A JP23861696 A JP 23861696A JP H1067561 A JPH1067561 A JP H1067561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon nitride
fired
sintering aid
firing
sintering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8238616A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ichikawa
浩 市川
Hiroichi Fukuda
博一 福田
Yuka Fukano
由花 深野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP8238616A priority Critical patent/JPH1067561A/ja
Publication of JPH1067561A publication Critical patent/JPH1067561A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた摺動特性を有する焼成体が得られる焼
成条件を提供すること。 【解決手段】 チッ化ケイ素と焼結助剤で構成された混
合粉末からなる成形体を、成形体に用いた焼結助剤と同
成分の焼結助剤を含有する雰囲気下、1,600〜1,
950℃で4〜15時間焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス焼成
工程における表面変質層の低減化に関し、詳しくは、焼
成工程における表面変質層が極端に少なく、焼成体加工
代を大幅に削減できるセラミックス成形時の焼成条件、
焼成雰囲気に関する。
【0002】
【従来の技術】焼成は、一般に成形体の表層より進行し
ていくため、成形体内部ではまだ焼成が進行中でも、成
形体の表層では焼成が完了して、成形体内部にポアが残
存し、成形体表層部分に変質層あるいは焼成体の分解が
発生することがある。このため、従来より成形体と同組
成の詰粉中で焼成したり、チッ化ケイ素製のルツボ中で
焼成することにより、焼成体の分解や焼結助剤の蒸発を
防止することが行われている(図16参照)。
【0003】しかし、セラミックスの摺動部材において
は、摺動接触面が重要であり、接触面にポア(面粗さが
悪い)、あるいは変質層が存在することにより、剥離、
振動、焼き付き、破壊などの原因となると考えられる。
従って、摺動部材の製造にあたっては、接触面に面粗さ
や変質層の発生を極力避けなければならないが、従来の
方法では、摺動部材として充分な摺動特性を有するもの
は得られていない。このため、焼成後に変質層を削除す
る工程を行うことが必要であり、削除部分を考慮して成
形体の厚さを設計しなければならない。
【0004】一方、乾式加圧成形においても、チッ化ケ
イ素成形用顆粒の変形・破壊による緻密化が充分に行わ
れないと成形体中に顆粒間ポアが残存し、その焼成体
は、強度、密度などの物性において、射出成形または鋳
込み成形による焼成体の物性よりも劣ることがある。ま
た、乾式加圧成形の場合、離型時の成形体と金型間の摩
擦が大きいために、成形体にクラックが発生しやすいと
いう問題もある。このため、チッ化ケイ素成形用のバイ
ンダーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ア
クリル樹脂、またはワックスなどのバインダーに、ポリ
エチレングリコール(PEG)、ジブチルフタル酸など
の可塑剤を併用したものを用いることで、その成形性を
改善することが行われている。しかし、このようなバイ
ンダーを用いても、密度が均質な成形体を得ようとする
と高い成形圧力が必要であり、またポアの減少にも一定
の限界がある。しかも、チッ化ケイ素摺動部材において
は、前述した部材表層の変質層の存在のみならず、微細
な顆粒間ポアの残存が、摺動特性に大きな悪影響を及ぼ
すため、顆粒間ポアをより少なくすることも重要な課題
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた摺動
特性を有する焼成体が得られる焼成条件を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、チッ化ケイ素
と焼結助剤で構成された混合粉末からなる成形体を焼成
してなるチッ化ケイ素焼成体であって、成形体に用いた
焼結助剤と同成分の焼結助剤を含有する雰囲気下、1,
600〜1,950℃で4〜15時間焼成されたもので
あるチッ化ケイ素焼成体を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の焼結体の製造方法が適用
できる成形体は、チッ化ケイ素粉末と焼結助剤からなる
混合粉末を、有機バインダーを用いて成形した成形体で
ある。本発明に用いられるチッ化ケイ素(Si3 4
は、イミド熱分解法、金属ケイ素の直接チッ化法、シリ
カの還元チッ化法、気相反応法など、どのような製法に
より製造されたものであってもよいが、粒子が微細でα
相含有率も高い点で、イミド熱分解法によるチッ化ケイ
素が好適である。
【0008】本発明に用いられるチッ化ケイ素粉末の好
ましい比表面積は、5.0〜15.0m2 /gが好まし
く、特に9.0〜13.0m2 /gがより好ましい。比
表面積が5.0m2 /g未満であると、焼結性が低下し
たり、粒度分布によっては粉末の充填性が悪くなる場合
があり、一方、15.0m2 /gを超えると、粉末の成
形性、充填性が低下して、成形体のハンドリング性が悪
くなったり、コストが増加する場合がある。好ましい比
表面積にするための装置としては、ボールミル、攪拌ミ
ル、ジェットミルなどであり、湿式粉砕、乾式粉砕のい
ずれでもよい。湿式粉砕を行う際の媒液としては、エチ
ルアルコール、メチルアルコール、その他の有機溶媒が
用いられる。
【0009】本発明では、焼結原料として、チッ化ケイ
素粉末に焼結助剤を添加した混合粉末を用いる。焼結助
剤としては、Y、Al、Mg、Sc、La、Ce、B
e、Zrの酸化物またはチッ化物を用いることができ
る。中でも、Y23 、Al23 、SiO2 、MgO
が好ましく、これらは、単独でも、組み合わせて使用す
ることもできる。本発明では、Y23 およびAl2
3 の併用が最も好ましい。
【0010】焼結助剤の比表面積は、3〜50m2
g、特に7〜20m2 /gであることが好ましい。ま
た、このような平均粒径にするための粉砕は、ボールミ
ル、攪拌ミル、ジェットミルなどであり、湿式粉砕、乾
式粉砕のいずれでもよい。
【0011】混合粉末における焼結助剤の割合として
は、0.5〜13.0重量%が好ましく、特に3.5〜
8.0重量%がより好ましい。焼結助剤の添加の割合
が、0.5重量%未満であると、発生する液相量が少な
く液相焼結がしないため、粒子間ポアの排出が進まず、
一方、13.0重量%を超えると、焼結は進行しやすく
なるが、液相量が多いため、高温特性が低下したり、液
相よりボイドが発生しやすくなり、機械的特性が損なわ
れる。特に、焼結助剤として、Y23 を使用した場合
には、混合粉末中2.5〜5.0重量%が好適であり、
Al23 を使用した場合には、0.5〜5.0重量%
が好適である。また、Y23 およびAl23 を併用
した場合には、Y23 とAl23 の添加量の割合
は、重量比で5:1〜1:1であることが好ましい。
【0012】チッ化ケイ素と焼結助剤の混合粉末(以
下、単に「混合粉末」ともいう)は、有機バインダーと
混合され、成形用の顆粒(以下、「チッ化ケイ素成形用
顆粒」という)に造粒される。用いる有機バインダー
は、適宜選択することができるが、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸エステル、流動パラフィン、
ポリビニルブチラール、カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、ポリビニルアセテート、ポリアクリ
ルアミド共重合体などが挙げられる。
【0013】バインダーの添加量は、混合粉末100重
量部に対して、固形分または有効成分換算で、0.5〜
20.0重量部が好ましく、特に2.0〜11.0重量
部がより好ましい。バインダーがポリビニルアルコール
である場合には、混合粉末100重量部に対して0.1
〜4重量部が好ましく、特に0.4〜2重量部がより好
ましい。ポリビニルアルコールが0.1重量部未満であ
ると、グリーン成形体の強度が低下してハンドリング性
が悪くなり、一方、4重量部を超えると、顆粒が硬くな
り過ぎ、成形体中に多量の顆粒間ポアが残存するため、
焼成体の物性が低下する。
【0014】造粒に際し、混合粉末にはバインダーのほ
かにも、可塑剤、潤滑剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤など
を添加することができる。
【0015】可塑剤としては、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン、ジブチルフタレートなどが挙げられる
が、中でもポリエチレングリコールが好適である。可塑
剤の添加量は、混合粉末100重量部に対して0.01
〜15.0重量部が好ましい。中でも、可塑剤がポリエ
チレングリコールの場合は、0.1〜9重量部が好まし
く、特に0.6〜7重量部がより好ましい。ポリエチレ
ングリコールが、0.1重量部未満であると、顆粒が硬
くなり過ぎ、成形体中に多量の顆粒間ポアが残存するた
めに、焼成体物性が低くなり、一方、9重量部を超える
と、顆粒の流動性が低下し、充填密度が不均一となり、
またグリーン成形体の強度が低下してハンドリング性が
悪くなる。
【0016】また、潤滑剤としては、炭化水素系、脂肪
酸系のいずれの潤滑剤を用いることもできる。すなわ
ち、脂肪酸系の潤滑剤として、ステアリン酸、ラウリル
酸、およびその金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル
や、炭化水素系の潤滑剤として、流動パラフィン、パラ
フィンワックス、塩素化炭化水素などを用いることがで
きる。中でも、潤滑剤としては、多価アルコール脂肪酸
エステルが最も好適である。本発明で用いる多価アルコ
ール脂肪酸エステルは、その多価アルコールが、ソルビ
タン、ソルビット、ソルバイトなどのアンヒドロソルビ
ット類であるものが好ましく、特にソルビタンがより好
ましい。また、脂肪酸としては、ラウリン酸、オレイン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸が好
ましく、特に、ラウリン酸、オレイン酸がより好まし
い。
【0017】混合粉末に多価アルコール脂肪酸エステル
を添加すると、得られる顆粒の流動性が向上し、比較的
低い成形圧力でも、顆粒間ポアのない成形体が得られ
る。また、成型後離型の際にも、成形体と金型との摩擦
力が小さくなるため、スプリングバックの影響が小さ
く、その結果、クラックの原因となる表面の歪みが生じ
ない。
【0018】潤滑剤の添加量は、混合粉末100重量部
に対して0.1〜15.0重量部が好ましい。潤滑剤が
多価アルコール脂肪酸エステルである場合は、混合粉末
100重量部に対して0.5〜10重量部であることが
好ましく、特に1〜6重量部がより好ましい。多価アル
コール脂肪酸エステルが、0.5重量部未満であると、
セラミックス成形用顆粒と金型との摩擦力が大きくな
り、離型時に成形体にクラックが発生しやすく、また成
形体中に多量の顆粒間ポアが残存し、焼成体物性が低く
なる。一方、10重量部を超えると、セラミックス成形
用顆粒の流動性が低下して充填密度が不均一になり、グ
リーン成形体の強度が低下して成形体のハンドリング性
が悪くなる。
【0019】造粒の方法としては、例えば、噴霧造粒方
法、攪拌造粒方法、転動造粒方法、流動造粒方法などが
挙げられるが、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0020】本発明で用いるチッ化ケイ素成形用顆粒の
平均粒径は、10〜100μmが好ましく、特に40〜
80μmがより好ましい。平均粒径が10μm未満であ
ると、所望の流動性が得られ難くなり、一方、100μ
mを超えると、顆粒に陥没などの欠陥が生じ易くなる。
【0021】チッ化ケイ素成形用顆粒は、加圧成形によ
り成形して成形体となすことができる。加圧成形の方法
は限定されるものではなく、一軸プレス成形、冷間静水
圧プレス成形(ドライ、ウェット)、温間静水圧プレス
成形などが適用されるが、目的に応じて、適宜選択する
ことができる。また、一軸プレス成形法により予備成形
したのち、冷間静水圧プレス、温間静水圧プレスなどに
より二次成形を行ってもよい。
【0022】成形圧力は、3〜5t/cm2 が好まし
く、特に3〜4t/cm2 がより好ましい。成形圧力が
3t/cm2 未満であると、顆粒間ポアの消滅が充分で
なく、一方、5t/cm2 を超えると、スプリングバッ
クが大きくなり、クラックが発生し易くなる。また、予
備成形を行う場合は、0.1〜3t/cm2 、好ましく
は0.5〜1t/cm2 で成形を行ったのち、二次成形
を3〜5t/cm2 、好ましくは3〜4t/cm2 で行
うことが好ましい。
【0023】焼成前の脱脂工程は、特に限定されるもの
ではなく、常法に従って行えばよい。脱脂温度、脱脂時
間は、適宜選択すればよいが、例えば、脱脂温度は、5
00〜700℃が好ましく、特に600〜700℃がよ
り好ましい。脱脂時間は、0.5〜10時間が好まし
く、特に1〜5時間がより好ましい。
【0024】次いで行う焼成工程は、成形体に用いた焼
結助剤と同成分の焼結助剤を含有する雰囲気下で行う。
ここで、焼結助剤を含有する雰囲気とは、焼結助剤が、
気相、液相、または固相のいずれかの状態で焼成炉内に
存在する雰囲気をいう。また、ここでいう焼結助剤と
は、成形体以外の出所による焼結助剤であり、成形体に
もともと含まれていた焼結助剤は含まれない。従って、
本発明では、焼成炉内を焼結助剤を含有する雰囲気にす
るために、焼成炉内に、成形体に用いたのと同成分の焼
結助剤(以下「焼成雰囲気用焼結助剤」という)を設置
して焼成を行う。例えば、焼結助剤として、Y23
よびAl23 を用いた混合粉末からなる成形体を焼成
する場合には、炉内に、Y23 および/またはAl2
3 を設置して焼成する。中でも、Y23 およびAl
23 を成形体が含有する比率で設置することが最も好
ましい。このとき、焼成用ルツボとしては、ヒーターか
らのカーボンの混入を防止する観点から、原料粉末と同
じ材料であるチッ化ケイ素製のルツボが好適である。
【0025】焼成雰囲気用焼結助剤の総設置量は、ルツ
ボ容積に対して0.01g/cm3以上が好ましく、特
に、0.04〜0.50g/cm3 が好ましい。焼成雰
囲気用焼結助剤の形状は、特に限定されるものではない
が、焼成雰囲気により放出されやすいという点で、粉末
状であることが好ましい。
【0026】ところで、チッ化ケイ素と焼結助剤からな
る混合粉末を用いた成形体の焼成工程は、焼結助剤が液
相を生成することによりチッ化ケイ素粒子の再配列が起
こり、次いで、チッ化ケイ素粒子が該液相に溶解−析出
してα−チッ化ケイ素からβ−チッ化ケイ素に変化し、
これが粒成長しながら周辺のα−チッ化ケイ素を巻き込
んでさらに粒成長して二次再配列が起こり、β−チッ化
ケイ素の絡み合いのために二次配列が進行しなくなるこ
とで、最終的な組織が形成され、焼成が完了するもので
ある。そして、成形体内に存在するポアは、このような
焼成の過程において、特に、チッ化ケイ素の再配列・溶
解−析出の過程において焼結助剤の液相を移動して、外
部に排出される(図15参照)。
【0027】本発明において焼結助剤を含有する雰囲気
で焼成を行うことの意義は、焼成時に、成形体外部から
絶えず成形体に対して焼結助剤を供給することにより、
成形体の表層における、チッ化ケイ素の再配列・溶解−
析出過程の時間を長くし、その結果、α−チッ化ケイ素
がβ−チッ化ケイ素に相転化して析出する量を増加させ
るとともに、成形体内部のポアが排出される時間を充分
に長く保ち、成形体の緻密化を一段と進めることにあ
る。
【0028】従って、焼成温度は、成形体にもともと含
まれる焼結助剤が液相を生成するだけでなく、炉内に設
置した焼結助剤が成形体に供給される温度、例えば焼結
助剤の気化温度以上である必要がある。このため、本発
明では、成形体の焼成は、1,600〜1,950℃に
おいて行う。中でも、焼結助剤が、Y23 およびAl
23 である場合には、1,750〜1,850℃が好
適である。
【0029】また、焼成時間は、チッ化ケイ素の再配列
・溶解−析出過程の時間が長い分、焼結を完全に行うた
めに、2〜15時間とすることが好ましく、特に4〜1
0時間がより好ましい。焼成時間が2時間未満である
と、焼成が充分でなく、焼成体密度が低下して強度低下
をもたらし、一方、15時間を超えると、粒成長が必要
以上に進んで、焼成体の強度低下をもたらす上、焼成体
表面層が分解する恐れがある。さらに、成形体の最大肉
厚が大きい場合には、焼成時間を長く設定するなど、最
大肉厚を考慮して焼成時間を選択することが好ましい。
【0030】また、焼成時の雰囲気は、チッ化ケイ素の
分解反応を防止するために、窒素ガス、アルゴンガスな
どの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0031】雰囲気圧力は、焼成炉がGPS炉の場合は
9〜10kg/cm2 が好ましく、HIP炉の場合は1
00〜1,000kg/cm2 がより好ましい。ここで
いう雰囲気圧力とは、炉内が焼成温度に達したときの雰
囲気圧力をいう。脱脂前の成形体の密度が大きい場合に
は、炉内温度がある程度高くなったのち、具体的には8
00℃に達したのちに加圧を開始することが好ましい。
【0032】このようにして得られたチッ化ケイ素焼成
体は、焼結助剤が絶えず供給されながら長時間にわたり
焼成されるため、成形体内部のポアが充分に排出され
て、ポア面積率が小さく、焼成体表面の変質層の厚さも
かなり薄いものとなる。例えば、本発明のチッ化ケイ素
焼成体は、その表層の変質層の厚さは0.05mm以下
とすることが可能である。また、焼結助剤が液相を生成
し、チッ化ケイ素粉末が、再配列−溶解・析出する時間
を長くしたため、α相からβ相に相転移するチッ化ケイ
素が増加して、β−チッ化ケイ素の絡み合いによる緻密
化が一段と進んで、高強度の焼成体となっている。
【0033】さらに、成形体を、潤滑剤を含有する顆粒
で構成した場合には、もともと成形体に含まれるポアが
少ないため、焼成時の焼結助剤の供給により、さらにポ
アが減少し、特に強度、硬度に優れたチッ化ケイ素焼成
体である。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例1〜3 (1)顆粒の作成 原料粉末として、比表面積が10±1m2 /gのSi3
4 〔イミド分解法、宇部興産(株)製、E−10〕を
92重量部、Y23 〔日本イットリウム(株)製〕を
5重量部、Al23 〔住友化学工業(株)製、AKP
−30〕を3重量部を計量し、これに水51重量部と、
分散剤0.4重量部を添加して、ボールミルで64時間
混合した。この混合物に、有効成分換算で、ポリビニル
アルコールを2重量部、ソルビタンのオレイン酸エステ
ルを3重量部添加して、スラリー状混濁液を得た。次い
で、これをスプレードライヤーで噴霧乾燥し、メッシュ
パス(150μm)を行い、平均粒径80μmのSi3
4 成形用顆粒を得た。
【0035】(2)Si3 4 焼成体の作成 Si3 4 成形用顆粒を1t/cm2 で一軸プレス成形
(川田式)し、径5×高さ15mmの円柱に予備成形し
たのち、4t/cm2 で冷間静水圧プレスを行い、二次
成形し、これを、600℃の大気中に1時間保持し、成
形体の脱脂を行った。得られた脱脂体を、粉末状の酸化
イットリウム160g、および酸化アルミニウム160
g設置した容積1,800cm3 のルツボに入れ(図
1)、窒素ガス中、焼成速度を6℃/分として、1,8
00℃で4時間(実施例1)、1,800℃で10時間
(実施例2)、1,850℃で4時間(実施例3)焼成
し(以下、このときの雰囲気を「助剤系雰囲気」とい
う)、Si3 4 焼成体を得た。このとき雰囲気圧力
は、炉内が800℃に達した時から加圧を開始して、焼
成中、9kg/cm2 に維持した。実施例1と実施例2
の焼成パターンを図2に示す。
【0036】得られた焼成体を図3に示すように縦方
向、横方向に切断して鏡面仕上げを行い、その断面から
表層付近のポア面積率と中心部のポア面積率を評価し
た。また、実施例1〜2の焼成体を縦方向に切り出し
て、ビッカース硬度測定用テストピースを作成し、ビッ
カース硬度を測定した。その結果を、図5〜6および表
1に示す。また、実施例2の表層付近の断面の拡大写真
を参考図1に、表層付近および中心部の断面の走査型電
子顕微鏡写真を図7〜8に示す。
【0037】なお、ポア面積率、ビッカース硬度の測定
は、次のとおりに行った。ポア面積率 切断面の光学顕微鏡像による画像を解析することにより
算出した。ビッカース硬度(Hv) ビッカース硬度測定用TPについて、図4に示した各測
定点においてビッカース硬度を測定し、その平均値を算
出した。なお、荷重を500gf、押し込み時間を15
秒間とした。
【0038】比較例1〜3 Si3 4 粉末として、比表面積;10±1m2 /gの
Si3 4 〔イミド分解法、宇部興産(株)製、E−1
0〕を用い、Y23 、Al23 を設置しないチッ化
ケイ素製ルツボ内(以下「標準雰囲気」という)で焼成
したこと以外は、実施例1と同様に、1,800℃で4
時間(比較例1)、1,800℃で10時間(比較例
2)、1,850℃で4時間(比較例3)焼成して、チ
ッ化ケイ素焼成体を作成し、ポア面積率およびビッカー
ス硬度を測定した。その結果を図5〜6および表1に示
す。また、比較例1の表層付近の断面の拡大写真を参考
図2に、比較例1の焼成体の表層付近および中心部の断
面の走査型電子顕微鏡写真を図9〜10に示す。
【0039】
【表1】
【0040】参考図1〜2によると、比較例1の焼成体
の変質層の厚さは、0.4〜0.5mmであるのに対
し、実施例2の焼成体の変質層は、わずか0.02〜
0.03mm程度と非常に薄いことが分かった。
【0041】図5〜6によると、実施例1〜2のチッ化
ケイ素焼成体は、切断方向(縦、横)、測定位置(表
層、中心部)のいずれにおいても、助剤系雰囲気で焼成
した焼成体は、標準雰囲気で焼成したものよりもポア面
積率が小さいことが分かった。中でも、1,800℃で
10時間、助剤系雰囲気で焼成したものが、最もポア面
積率が小さいことが分かった。また、測定部位では、表
層よりも中心部の方がポア面積率が大きい傾向があるこ
とが分かった。
【0042】また、表1によると、助剤系雰囲気で焼成
しても、ビッカース硬度の低下が起こらないことが分か
った。表層と中心部においても硬度差は見られなかっ
た。
【0043】図7〜10より、ポア面積率で極小を示し
た実施例2の焼成体(図7〜8)は、β型柱状粒子が絡
み合った焼成体組織となっていることが分かった。この
組織は、助剤系雰囲気で助剤を絶えず供給してやりなが
ら、10時間という長時間焼成したことにより、液相生
成時間が長くなり、β相の柱状粒子量が増加し絡み合っ
たことにより、緻密化したものと考えられる。一方、比
較例1の焼成体(図9〜10)は、α−チッ化ケイ素の
β相転移が進んでいないことが分かった。
【0044】実施例4〜7 一次成形を350kg/cm2 でハンドプレスしたこと
以外は、実施例1と同様に作成した焼成体について、実
施例1と同様にビッカース硬度および抗折強度のワイブ
ル係数を測定し、EPMA分析と蛍光X線定量分析によ
り組成分析した。その結果を、表2〜3に示す。なお、
実施例6〜7については、ソルビタンのオレイン酸エス
テルを添加しないチッ化ケイ素成形用顆粒を用いた。焼
成は、1,800℃で4時間(実施例4,6)、1,8
00℃で10時間(実施例5,7)行った。また、実施
例6〜7の中心部断面の走査型電子顕微鏡写真を図11
〜12に示す。なお、ワイブル係数は、JIS−R16
01に従って3点曲げ抗折強度を測定し、そのワイブル
分布から求めた。
【0045】比較例4〜7 Y23 、Al23 を設置しない標準雰囲気のルツボ
内で焼成したこと以外は、実施例6と同様に、1,80
0℃で4時間(比較例4,6)、1,800℃で10時
間(比較例5,7)焼成して、チッ化ケイ素焼成体を作
成し、ビッカース硬度およびワイブル係数を測定すると
ともに、EPMA分析と蛍光X線定量分析により組成分
析した。その結果を表2〜3に示す。また、比較例6〜
7の中心部断面の走査型電子顕微鏡写真を図13〜14
に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】表2によると、焼結助剤を含有する雰囲気
で焼成した焼成体は、焼成助剤を含有しない標準雰囲気
で焼成した焼成体よりも、焼成前の含有と比較して焼結
助剤があまり減少していないことが分かった。従って、
雰囲気から焼結助剤を絶えず供給することが、焼結助剤
の減少を防止し、緻密化させる上で有効であることが分
かった。
【0049】表3より、潤滑剤を添加しないよりも添加
したほうが、強度、ワイブル値ともに優れることが分か
った。中でも、焼成時間については、1,800℃で4
時間焼成するよりも1,800℃で10時間焼成した方
が、また、焼成雰囲気については、標準雰囲気よりも助
剤系雰囲気の方が、強度、ワイブル値が向上することが
分かった。
【0050】図11〜14によると、潤滑剤を添加せず
に標準雰囲気中、1,800℃で4時間焼成した比較例
6の焼成体(図11)は、潤滑剤を添加せずに助剤系雰
囲気中、1,800℃で10時間焼成した実施例7の焼
成体(図12)よりも、β−チッ化ケイ素への相転移が
進行しておらず、よって緻密化しておらず、強度が低い
ことが分かった。また、実施例5の焼成体(図13)
は、比較例4の焼成体(図14)に比較すると、β−チ
ッ化ケイ素への相転移が進んで、柱状粒子量が増加して
緻密化しており、強度が高いことが分かった。
【0051】
【発明の効果】本発明のチッ化ケイ素焼成体は、焼結助
剤を絶えず供給しながら、長時間にわたり焼成を行うた
め、液相部と通って成形体内部のポアが充分に外部に排
出されて、ポア面積率が減少し、焼成体表面の変質層の
低減化が可能となる。また、焼結助剤が液相を生成し、
チッ化ケイ素粉末が、再配列−溶解・析出する時間を長
くしたため、α相からβ相に相転移するチッ化ケイ素が
増加して、β−チッ化ケイ素の絡み合いによる緻密化が
一段と進んで、高強度の焼成体となっている。
【0052】さらに、成形体を、潤滑剤を含有する顆粒
で構成した場合には、もともと成形体に含まれるポアが
少ないため、焼成時の焼結助剤の供給により、さらにポ
アが減少し、特に強度、硬度に優れたチッ化ケイ素焼成
体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の焼成時のルツボ内の状態を示す模式
断面図である。
【図2】本発明の実施例の焼成パターンを示すチャート
であり、(a)は実施例1の焼成パターン、(b)は実
施例2の焼成パターンである。
【図3】実施例1の焼成体の縦方向および横方向におけ
る切断面を示す斜視図である。
【図4】実施例1のテストピースにおけるビッカース硬
度の測定点を示す図であり、(a)は測定断面の斜視図
であり、(b)は正面図である。
【図5】実施例1〜3の焼成体の縦方向断面におけるポ
ア面積率を示すチャートである。
【図6】実施例1〜3の焼成体の横方向断面におけるポ
ア面積率を示すチャートである。
【図7】実施例2の焼成体の表層付近の断面の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図8】実施例2の焼成体の中心部の断面の走査型電子
顕微鏡写真である。
【図9】比較例1の焼成体の表層付近の断面の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図10】比較例1の焼成体の中心部の断面の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図11】比較例6の焼成体の中心部の断面の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図12】実施例7の焼成体の中心部の断面の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図13】実施例5の焼成体の中心部の断面の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図14】比較例4の焼成体の中心部の断面の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図15】焼成におけるチッ化ケイ素の溶解−析出過程
のポアの放出モデルの模式図である。
【図16】従来の詰粉による焼成時のルツボ内の状態を
示す模式断面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チッ化ケイ素と焼結助剤で構成された混
    合粉末からなる成形体を焼成してなるチッ化ケイ素焼成
    体であって、成形体に用いた焼結助剤と同成分の焼結助
    剤を含有する雰囲気下、1,600〜1,950℃で4
    〜15時間焼成されたものであるチッ化ケイ素焼成体。
  2. 【請求項2】 成形体が、潤滑剤として多価アルコール
    脂肪酸エステルを含有するものである請求項1記載のチ
    ッ化ケイ素焼成体。
JP8238616A 1996-08-22 1996-08-22 チッ化ケイ素焼成体 Withdrawn JPH1067561A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8238616A JPH1067561A (ja) 1996-08-22 1996-08-22 チッ化ケイ素焼成体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8238616A JPH1067561A (ja) 1996-08-22 1996-08-22 チッ化ケイ素焼成体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1067561A true JPH1067561A (ja) 1998-03-10

Family

ID=17032821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8238616A Withdrawn JPH1067561A (ja) 1996-08-22 1996-08-22 チッ化ケイ素焼成体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1067561A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7790852B2 (ja) 窒化珪素焼結体、それを用いた耐摩耗性部材、および窒化珪素焼結体の製造方法
JP6037218B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびそれを用いた摺動部材
JP2764589B2 (ja) ベアリング用窒化珪素基焼結体
JP2507480B2 (ja) SiC−Al▲下2▼O▲下3▼複合焼結体及びその製造法
JPH1067561A (ja) チッ化ケイ素焼成体
JP4758617B2 (ja) 高緻密質炭化ケイ素セラミックスおよびその製造方法
JP4859267B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体とその製造方法
JP2014073944A (ja) 窒化珪素質焼結体の製造方法
JPH1029871A (ja) セラミックス成形用顆粒
US5541143A (en) Sintered composite of silicon carbide and silicon nitride
JP2019202910A (ja) 窒化アルミニウム焼結体
JPH07291722A (ja) セラミックス焼結体の製造方法
JP2747627B2 (ja) 窒化珪素系焼結体及びその製造方法
JP2002338336A (ja) 摺動部用アルミナセラミックス製品およびその製造方法
JP4651330B2 (ja) セラミック焼結体の製法およびセラミック焼結体
JP2747635B2 (ja) 窒化珪素焼結体の製造方法
JPH01215761A (ja) 窒化珪素質焼結体の製造方法
JPH06157142A (ja) 窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体の製造法
JPH1149571A (ja) 窒化珪素質焼結体とその製造方法
JP2632046B2 (ja) 窒化珪素焼結体の製造方法
JPH0987040A (ja) セラミックグリーン体
JP3567001B2 (ja) 炭化珪素と窒化珪素の複合焼結体の製造方法
JP2700786B2 (ja) 高温高強度窒化珪素質焼結体及びその製造方法
JP3981510B2 (ja) 窒化珪素質焼結体の製造方法
JP3124866B2 (ja) 窒化珪素質焼結体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031104