JPH1067860A - 高分子化合物溶液の製造方法 - Google Patents

高分子化合物溶液の製造方法

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JPH1067860A
JPH1067860A JP9177723A JP17772397A JPH1067860A JP H1067860 A JPH1067860 A JP H1067860A JP 9177723 A JP9177723 A JP 9177723A JP 17772397 A JP17772397 A JP 17772397A JP H1067860 A JPH1067860 A JP H1067860A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の方法では膨潤するが溶解しない高分子
化合物と溶媒との組み合わせから、高分子溶液を製造す
る。 【解決手段】 セルロースの低級脂肪酸エステル以外の
高分子化合物と溶媒とを混合し、高分子化合物を溶媒に
より膨潤させる工程;膨潤混合物を冷却する工程;そし
て冷却した膨潤混合物を加温して、溶媒中に高分子化合
物を溶解させる工程により高分子化合物溶液を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子化合物溶液
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子化合物は、様々な分野で使用され
ている。プラスチックフイルムのような高分子材料は、
高分子化合物を加熱により溶融した液または高分子化合
物を溶媒中に溶解した溶液から製造する。溶液を用いる
方法では、高分子材料を形成後に溶媒を蒸発させる。高
分子化合物溶液に用いる溶媒は、高分子化合物を必要と
される濃度に溶解できる液体である。使用する溶媒に
は、安全性や蒸発させるために適度の沸点も要求され
る。特に近年では、溶媒に対して、人体や環境に関する
安全性が強く要求されている。このため、高分子化合物
を溶解できる液体からこれらの要求を満足する溶媒を選
択しようとしても、適当な溶媒が見当たらないような状
況が生じている。
【0003】例えば、セルローストリアセテートについ
ては、メチレンクロリドが溶媒として従来から使用され
ていた。ところが、メチレンクロリドは、人体や地球環
境に対する問題から、その使用は著しく規制される方向
にある。汎用の有機溶剤であるアセトンは、適度の沸点
(56.5℃)を有し、人体や地球環境に対しても、他
の有機溶媒に比べて問題が少ない。しかし、セルロース
トリアセテートは、アセトンにより膨潤するが、通常の
方法でアセトンに溶解させることはできなかった。通常
の方法には、特開昭61−106628号、同61−1
29031号や特開平4−259511号公報に記載さ
れている高温高圧下で攪拌する方法も含まれる。これら
の方法は、セルローストリアセテートのメチレンクロリ
ド溶液を製造するためには有効であるが、アセトンには
全く効果がなかった。
【0004】J.M.G.Cowie他の論文、Mak
romol,Chem.、143巻、105頁(197
1年)は、置換度2.80(酢化度60.1%)から置
換度2.90(酢化度61.3%)のセルロースアセテ
ートを、アセトン中で−80℃から−70℃に冷却した
後、加温することにより、アセトン中にセルロースアセ
テートが0.5乃至5重量%に溶解している希薄溶液が
得られたことを報告している。以下、このように高分子
化合物と溶媒との混合物を冷却した後、加温することに
より溶液を得る方法を「冷却溶解法」と称する。セルロ
ースアセテートのアセトン中への溶解については、上出
健二他の論文「三酢酸セルロースのアセトン溶液からの
乾式紡糸」、繊維機械学会誌、34巻、57〜61頁
(1981年)にも記載がある。この論文は、その標題
のように、冷却溶解法を紡糸方法の技術分野に適用した
ものである。論文では、得られる繊維の力学的性質、染
色性や繊維の断面形状に留意しながら、冷却溶解法を検
討している。この論文に記載の方法では、10乃至25
重量%の濃度を有するセルロースアセテートの溶液が得
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、通常
の方法では膨潤するが溶解しない高分子化合物と溶媒と
の組み合わせであっても、高分子化合物溶液を製造する
ことができる方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(4)の方法により達成された。 (1)セルロースの低級脂肪酸エステル以外の高分子化
合物と溶媒とを混合し、高分子化合物を溶媒により膨潤
させる工程;膨潤混合物を冷却する工程;そして冷却し
た膨潤混合物を加温して、溶媒中に高分子化合物を溶解
させる工程からなることを特徴とする高分子化合物溶液
の製造方法。 (2)高分子化合物が、ポリオレフィン類、ポリアミド
類、ポリスルホン類、ポリエーテル類、ポリスチレン
類、ポリカーボネート類、ポリアクリル酸類、ポリアク
リルアミド類、ポリメタクリル酸類、ポリメタクリルア
ミド類、ポリビニルアルコール類、ポリウレア類、ポリ
エステル類、ポリウレア類、ポリイミド類、ポリビニル
アセテート類、ポリビニルアセタール類およびタンパク
質からなる群より選ばれる(1)に記載の高分子化合物
溶液の製造方法。 (3)冷却工程において、膨潤混合物を1℃/分以上の
速度にて冷却する(1)に記載の高分子化合物溶液の製
造方法。 (4)加温工程において、膨潤混合物を1℃/分以上の
速度にて加温する(1)に記載の高分子化合物溶液の製
造方法。
【0007】
【発明の効果】従来の技術で説明したように、冷却溶解
法は、セルロースアセテートをアセトン中に溶解するた
めに提案された方法である。セルロースアセテートのよ
うなセルロースの低級脂肪酸エステルは、合成ポリマー
やゼラチンのような他のポリマーとは、基本的な化学構
造が全く異なっている。セルロースの低級脂肪酸エステ
ルは、β−1,4グリコシド結合しているグルコースの
遊離の水酸基に低級脂肪酸がエステル結合しているポリ
マーであって、非常に特殊な種類に分類されるポリマー
である。冷却溶解法が、セルロースアセテートをアセト
ン中に溶解するために有効な手段となったのは、このセ
ルロースアセテートの特殊な構造に依存する特別な効果
であると考えられていた。本発明者が研究を進めたとこ
ろ、驚くべきことに冷却溶解法は、セルロースの低級脂
肪酸エステル以外の高分子化合物を溶媒中に溶解する場
合にも、非常に有効な手段であることが判明した。冷却
溶解法を用いると、通常の温度では溶解しない高分子化
合物と溶媒の組み合わせであっても、溶媒中に高分子化
合物を溶解させることができる。また、従来の方法では
溶液が得られなかった濃度でも、不溶解物やゲルが認め
られない良好な溶液を製造することができる。さらに、
従来の方法で得られていた濃度の溶液であっても、本発
明の冷却溶解方法で製造した溶液は安定性が高いため、
溶液をさらに濃縮することも可能である。濃度の高い溶
液を用いると、プラスチックフイルムのような高分子材
料の製造において、短時間に溶媒を蒸発させることがで
き、生産性が著しく向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
[高分子化合物および溶媒]高分子化合物および溶媒と
しては、0乃至55℃の範囲のある温度(溶液としての
使用を予定している温度)において、高分子化合物が溶
媒により膨潤する高分子化合物と溶媒との組み合わせを
用いることができる。高分子化合物が溶媒により膨潤し
ないと、冷却溶解法を用いても溶解させることはほとん
ど不可能である。なお、上記の温度で高分子化合物が溶
媒に溶解する場合であっても、本発明の冷却溶解法を用
いると、従来の常温または高温で攪拌する方法よりも迅
速に均一な溶液を得ることができる。セルロースの低級
脂肪酸エステル以外の高分子化合物としては、ポリオレ
フィン類(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリアミド
類(例、芳香族ポリアミド)、ポリスルホン類、ポリエ
ーテル類(ポリエーテルスルホン類やポリエーテルケト
ン類を含む)、ポリスチレン類、ポリカーボネート類、
ポリアクリル酸類、ポリアクリルアミド類、ポリメタク
リル酸類(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリメタ
クリルアミド類、ポリビニルアルコール類、ポリウレア
類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリイミド類、
ポリビニルアセテート類、ポリビニルアセタール類
(例、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール)
およびタンパク質(例、ゼラチン)が含まれる。
【0009】本明細書において、ポリオレフィン類は、
実質的に炭化水素からなる不飽和モノマーの付加重合に
より形成されるポリマーを意味する。ポリアミド類は、
アミド結合(−NH−CO−)によって繰り返し単位が
結合しているポリマーを意味する。ポリスルホン類は、
スルホニル結合(−SO2 −)によって繰り返し単位が
結合しているポリマーを意味する。ポリエーテル類は、
エーテル結合(−O−)により繰り返し単位が結合して
いるポリマーを意味する。ポリスチレン類は、スチレン
およびその誘導体(例、ベンゼン環が置換されたスチレ
ン)の付加重合により形成されるポリマーを意味する。
ポリカーボネート類は、カーボネート結合(−O−CO
−O)により繰り返し単位が結合しているポリマーを意
味する。ポリアクリル酸類は、アクリル酸およびその誘
導体(例、アクリル酸エステル)の付加重合により形成
されるポリマーを意味する。ポリアクリルアミド類は、
アクリルアミドおよびその誘導体(例、N−置換アクリ
ルアミド)の付加重合により形成されるポリマーを意味
する。ポリメタクリル酸類は、メタクリル酸およびその
誘導体(例、メタクリル酸エステル)の付加重合により
形成されるポリマーを意味する。ポリメタクリルアミド
類は、メタクリルアミドおよびその誘導体(例、N−置
換メタクリルアミド)の付加重合により形成されるポリ
マーを意味する。
【0010】さらに本明細書において、ポリビニルアル
コール類は、ポリビニルアセテート類(後述)のケン化
または部分ケン化により得られるポリマーおよびその誘
導体(例、酸変性ポリビニルアルコール)を意味する。
ポリウレア類は、ウレア結合(−NH−CO−NH−)
により繰り返し単位が結合しているポリマーを意味す
る。ポリエステル類は、エステル結合(−CO−O−)
により繰り返し単位が結合しているポリマーを意味す
る。ポリウレタン類は、ウレタン結合(−NH−CO−
O−)により繰り返し単位が結合しているポリマーを意
味する。ポリイミド類は、イミド結合により繰り返し単
位が結合しているポリマーを意味する。ポリビニルアセ
テート類は、ポリビニルアセテートおよびその誘導体を
意味する。ポリビニルアセタール類は、ポリビニルアル
コール類(上記)の水酸基がアルデヒドと縮合してアセ
タール化したポリマーを意味する。タンパク質には、天
然のタンパク質に加えて、その変性物や部分分解物も含
まれる。以上述べた全てのポリマーにおいて、冷却溶解
法が有効である。
【0011】溶媒としては、無機溶媒よりも有機溶媒が
好ましい。有機溶媒の例には、ケトン類(例、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エステ
ル類(例、蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
アミル、酢酸ブチル)、エーテル類(例、ジオキサン、
ジオキソラン、THF、ジエチルエーテル、メチル−t
−ブチルエーテル)、炭化水素(例、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン)およびアルコール類(例、メ
タノール、エタノール)が含まれる。溶媒は、前述した
ように、高分子化合物を膨潤する液体を用いる。従っ
て、具体的な溶媒の種類は、使用する高分子化合物の種
類に応じて決定する。例えば、高分子化合物が、ポリカ
ーボネート類やポリスチレン類の場合は、アセトンや酢
酸メチルが好ましい溶媒として用いられる。また、ポリ
オレフィン類(例、ノルボルネン系ポリマー)の場合
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、アセト
ンやメチルエチルケトンが好ましい溶媒として用いられ
る。ポリアミド類、ポリアクリル酸類、ポリアクリルア
ミド類、ポリメタクリル酸類(例、ポリメチルメタクリ
レート)、ポリアクリルアミド類、ポリスルホン類やポ
リエーテル類の場合は、アセトン、メチルエチルケト
ン、酢酸メチル、酢酸ブチルやメタノールが好ましい溶
媒として用いられる。ポリビニルアルコール類やタンパ
ク質の場合は、水が好ましい溶媒として用いられる。
【0012】二種類以上の溶媒を併用してもよい。二種
類以上の溶媒を併用することで、製造する溶液の性質
(例えば粘度)を調整してもよい。溶媒の沸点は、20
乃至300℃であることが好ましく、30乃至200℃
であることがより好ましく、40乃至100℃であるこ
とがさらに好ましく、50乃至80℃であることが最も
好ましい。
【0013】[膨潤工程]膨潤工程においては、高分子
化合物と溶媒とを混合し、高分子化合物を溶媒により膨
潤させる。膨潤工程の温度は、−10乃至55℃である
ことが好ましい。通常は室温で実施する。高分子化合物
と溶媒との比率は、最終的に得られる溶液の濃度に応じ
て決定する。ただし、後述する冷却工程において溶媒の
補充を行なう場合は、溶媒の量を補充量の分だけ削減し
ておく。一般に、膨潤工程における高分子化合物の量
は、調製する溶液の5乃至30重量%であることが好ま
しく、8乃至20重量%であることがさらに好ましく、
10乃至15重量%であることが最も好ましい。溶媒と
高分子化合物との膨潤混合物は、高分子化合物が充分に
膨潤するまで攪拌することが好ましい。攪拌時間は、1
0乃至150分であることが好ましく、20乃至120
分であることがさらに好ましい。膨潤工程において、溶
媒と高分子化合物以外の成分、例えば、可塑剤、劣化防
止剤、染料や紫外線吸収剤を添加してもよい。
【0014】[冷却工程]冷却工程においては、膨潤混
合物を冷却する。冷却温度は、膨潤混合物が固化する温
度であることが好ましい。また、冷却温度は、溶媒の凝
固点+5℃から溶媒の常圧における沸点までの範囲であ
ることが好ましく、溶媒の凝固点+10℃から溶媒の凝
固点+80℃までの範囲であることが好ましい。従っ
て、冷却温度は、使用する溶媒の種類に応じて決定する
ことが望ましい。ただし、一般に冷却温度は、−100
乃至−10℃の範囲である。冷却速度は、1℃/分以上
であることが好ましく、2℃/分以上であることがより
好ましく、4℃/分以上であることがさらに好ましく、
8℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、
速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限
であり、1000℃秒が技術的な上限であり、そして1
00℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、
冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を、
冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時
間で割った値である。冷却工程においては、冷却時の結
露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いること
が望ましい。また、冷却時に減圧すると、冷却時間を短
縮することができる。減圧を実施するためには、耐圧性
容器を用いることが望ましい。具体的な冷却手段として
は、様々な方法または装置が採用できる。
【0015】例えば、膨潤混合物を攪拌しながら筒状の
容器内を搬送し、その容器の周囲から膨潤混合物を冷却
すると、迅速に且つ均一に膨潤混合物を冷却することが
できる。そのためには、筒状の容器、膨潤混合物を攪拌
しながら筒状の容器内を搬送するため容器内に設けられ
ている螺旋状の搬送機構、および容器内の膨潤混合物を
冷却するため容器の周囲に設けられている冷却機構から
なる冷却装置が好ましく用いられる。また、−105乃
至−15℃に冷却した溶媒を膨潤混合物に添加して、さ
らに迅速に冷却することもできる。
【0016】さらに、−100乃至−10℃に冷却され
た液体中へ、膨潤混合物を直径が0.1乃至20.0m
mの糸状に押し出すことにより膨潤混合物することで、
さらに迅速に膨潤混合物を冷却することも可能である。
冷却に使用する液体については、特に制限はない。冷却
された液体中へ膨潤混合物を糸状に押し出すことにより
膨潤混合物を冷却する方法を用いる場合、冷却工程と加
温工程の間で、糸状の膨潤混合物と冷却用の液体とを分
離する工程を行なうことが好ましい。冷却工程におい
て、膨潤混合物が糸状にゲル化しているため、膨潤混合
物と冷却用の液体とを分離は簡単に実施できる。例え
ば、網を用いて、糸状の膨潤混合物を液体から取り出す
ことが可能である。網の代わりに、スリットまたは穴の
開いた板状物を用いてもよい。網や板状物の材料は、液
体に溶解しない材質であれば、特に制限はない。網や板
状物は、各種金属や各種プラスチック材料から製造する
ことができる。網の目の大きさ、スリットの巾や穴の大
きさは、糸状物の直径に応じて、糸状物が通過しないよ
うに調整する。また、糸状の膨潤混合物を冷却装置から
加温装置へ搬送するためのベルトを網状にして、分離と
搬送を同時に実施することもできる。
【0017】[加温工程]加温工程においては、膨潤混
合物を加温する。加温温度は、一般に0乃至200℃の
範囲である。溶媒が沸騰しないように圧力をかけながら
溶媒の沸点以上の温度まで膨潤混合物を加温することが
できる。加温速度は、1℃/分以上であることが好まし
く、2℃/分以上であることがより好ましく、4℃/分
以上であることがさらに好ましく、8℃/分以上である
ことが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましい
が、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000
℃秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用
的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時
の温度と最終的な加温温度との差を、加温を開始してか
ら最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値であ
る。
【0018】膨潤混合物を溶媒の沸点以上の温度まで加
温する場合、具体的な温度は溶媒の種類に応じて決定す
る。ただし、特に好ましい溶媒は、50〜80℃程度の
沸点を有する(例えば、酢酸メチル:57.5℃、アセ
トン:56.5℃)ため、一般には60乃至200℃ま
で膨潤混合物を加温する。加温温度は、70乃至180
℃であることが好ましく、80乃至160℃であること
がより好ましく、90乃至150℃であることがさらに
好ましく、100乃至140℃であることが最も好まし
い。溶媒の沸点以上の温度まで加温する場合、1気圧
(=1.0332kgw/cm2 )より高い圧力をかけ
て、溶媒が沸騰しないようにする。具体的な圧力は、溶
媒の沸点と加温温度との関係から決定する。一般には
1.2乃至20kgw/cm2 であり、好ましくは1.
5乃至18kgw/cm2 であり、より好ましくは2乃
至16kgw/cm2 であり、さらに好ましく3乃至1
4kgw/cm2であり、最も好ましくは4乃至12k
gw/cm2 である。
【0019】溶媒が沸騰しないように圧力をかけながら
溶媒の沸点以上の温度まで膨潤混合物を加温する方法
は、耐圧性の密閉容器を使用することで簡単に実施でき
る。耐圧性の密閉容器内で膨潤混合物を加温すると、溶
媒が徐々に気化して容器内の圧力が高くなる。そのた
め、溶媒の沸点以上の温度に達しても、密閉容器内では
溶媒は沸騰しない。温度が高くなるにつれて、圧力も高
くなる。そのため、密閉容器内の圧力は、自動的に溶媒
が沸騰しないように調整される。もちろん、耐圧性容器
には、圧力の調整手段を設けてもよい。例えば、窒素ガ
スのような比較的不活性な気体を容器内に注入して、圧
力を高めてもよい。耐圧性容器を用いる加温装置につい
ては後述する。また、耐圧性容器を用いる加温装置のみ
で充分な加温速度が得られない場合は、ヒーターを用い
て予備加熱してもよい。なお、加圧工程後に、高分子化
合物の溶解が不充分である場合は、冷却工程から加温工
程までを繰り返して実施してもよい。溶解が充分である
かどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判
断することができる。
【0020】[溶液製造後の処理]製造した溶液は、必
要に応じて濃度の調整(濃縮または希釈)、濾過、温度
調整、成分添加などの処理を実施することができる。な
お、加温工程において加圧下で溶液が製造した場合は、
圧力を急激に大気圧に戻すと溶媒が気化するため、簡単
に溶液を濃縮ができる。これは、一般にフラッシュ法と
称される濃縮手段である。添加する成分は、高分子化合
物溶液の用途に応じて決定する。代表的な添加剤は、可
塑剤、劣化防止剤(例、過酸化物分解剤、ラジカル禁止
剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤)、染料および紫外線吸
収剤である。溶液は、安定な温度範囲内で保存する必要
がある。得られた高分子化合物溶液は、様々な用途に用
いられる。
【0021】[高分子フイルムの製造]高分子化合物溶
液の代表的な用途であるソルベントキャスト法による高
分子フイルムの製造について説明する。高分子化合物溶
液は、支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを
形成する。流延前の溶液は、固形分量が18乃至35%
となるように濃度を調整することが好ましい。支持体表
面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。支持体
としては、ドラムまたはバンドが用いられる。ソルベン
トキャスト法における流延および乾燥方法については、
米国特許2336310号、同2367603号、同2
492078号、同2492977号、同249297
8号、同2607704号、同2739069号、同2
739070号、英国特許640731号、同7368
92号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−
5614号、特開昭60−176834号、同60−2
03430号、同62−115035号の各公報に記載
がある。
【0022】[製造装置]本発明に好ましく用いられる
製造装置について、図面を引用しながら説明する。図1
は、各工程の組み合わせを示すフローチャートである。
膨潤工程において、高分子化合物(P)と溶媒(S1)
を、攪拌タンク(1)に加える。攪拌タンク内で高分子
化合物と溶媒とを混合し、高分子化合物を溶媒により膨
潤させる。膨潤した膨潤混合物は、送液ポンプ(2a)
から、冷却装置(3)に送られる。送液ポンプ(2a)
としては、粘性のある液体の送液に適しているスネーク
ポンプを用いる。
【0023】図1に示す冷却装置(3)は、筒状の容
器、膨潤混合物を攪拌しながら筒状の容器内を搬送する
ため容器内に設けられている螺旋状の搬送機構(3−
1)、および容器内の膨潤混合物を冷却するため容器の
周囲に設けられている冷却機構(3−2)からなる。螺
旋状の搬送機構(3−1)が回転することにより、膨潤
混合物を滞留することなく(例えば、容器の壁面に滞留
している膨潤混合物もかきとられて)、剪断、混合かつ
冷却しながら、送液する。図1に示す冷却機構(3−
2)はジャケット状に容器の周囲に装着されている。冷
却機構(3−2)の内部には、冷媒タンク(21)から
送られてくる冷媒(24)が流れている。冷媒として
は、例えば、メタノールと水の混合物が用いられる。な
お、螺旋状の搬送機構を固定し、圧力で膨潤混合物を螺
旋状の構造体内を通過させてもよい。冷却に使用した冷
媒は、冷媒タンク(21)に戻る。冷媒は冷凍機(2
2)で冷却される。この冷却により発生する熱は、クー
リングタワー(23)で処理する。図1に示す冷却装置
(3)は、さらに冷却した溶媒を容器内に補充する機構
を有する。補充溶媒(S2)は、冷却ストックタンク
(19)で必要な温度まで冷却され、送液ポンプ(2
0)により冷却装置(3)の容器に送られる。このよう
に冷却された補充溶媒を添加することにより、膨潤混合
物を極めて迅速に冷却することができる。以上の冷却装
置内で、膨潤混合物は迅速かつ均一に冷却される。冷却
された膨潤混合物は、加温装置(4)に送られる。
【0024】加温装置(4)は、密閉可能な耐圧性容器
からなる。加温装置の前には、ヒーター(4−0)が設
けられていて膨潤混合物を予備加熱する。容器内には攪
拌機構(4−1)が設けられており、容器の外側には加
温用のジャケット(4−2)が取り付けられている。加
温装置(4)内で膨潤混合物を攪拌しながら加温する
と、溶媒が徐々に気化して、容器内の圧力が上昇する。
そのため、溶媒の沸点以上の温度まで膨潤混合物を加温
しても、溶媒は沸騰しない。加温装置(4)について
は、図2を引用してさらに詳細に説明する。以上の加温
装置内で、膨潤混合物は迅速かつ均一に加温され、高分
子化合物が溶媒中に溶解する。得られた溶液は、送液ポ
ンプ(5)により、ヒーター(6)、フィルター
(7)、圧力調整バルブ(8)を通過し、温度調整、濾
過および圧力調整が行なわれる。
【0025】溶液は、さらに濃縮タンク(9)で濃縮さ
れる。すなわち、ヒーター(6)および圧力調整バルブ
(8)により高温高圧状態となった溶液は、濃縮タンク
(9)内で急激に圧力を低下させることにより溶媒が蒸
発して、濃縮される。蒸発した溶媒は、液化装置(1
8)を経て、冷却ストックタンク(19)に送液され
る。液化した溶媒は、補充溶媒(S3)と共に、再びポ
ンプ(20)により冷却装置(3)の容器に送られる。
濃縮された溶液は、送液ポンプ(10)により、温度調
整装置(11)を経て、ストックタンク(12)に送ら
れる。図1に示す装置には、さらにソルベントキャスト
法による高分子フイルムの製造装置が付属している。ス
トックタンク(12)内の溶液は、送液ポンプ(10)
によりフィルター(14)を経て、スリット状のダイ
(15)に送られる。溶液はダイ(15)によりフイル
ム状に押し出され、バンド状の支持体(16)上に流延
され、乾燥後、はぎ取られ、フイルム(17)が製造さ
れる。フイルム(17)は、さらに乾燥して、巻き取ら
れる。
【0026】図2は、加温装置(図1の4)の拡大断面
図である。耐圧性の縦長の容器(4)には、入口(4
1)が設けられており、ここから冷却された膨潤混合物
を容器内に導入する。入口(41)は、液面(42)よ
り下で、加温用のスチームジャケット(43)よりも上
に配置されている。容器(4)には、多数の攪拌翼(4
4)を有する攪拌軸(45)が、容器の中央に配置され
ている。攪拌翼(44)は平板ディスクが用いられてお
り、その全長は容器の内径よりもやや短い程度になって
いる。平板ディスクには、穴が開いていてもよい。この
攪拌翼(44)の両端には、容器の壁面での混合物の滞
留を防止するため、掻取翼(46)が設けられている。
攪拌翼(44)は上下流を生じないようにゆっくり回転
させる。容器(4)の上面には、大きな開口(47)が
設けられている。この開口(47)は通常は閉じられて
おり、非常時(異常な高圧状態)に開かれる。容器
(4)には、液面計(48)と圧力計(49)が設けら
れ、液面(42)は、攪拌翼(44)の上端(50)と
入口(41)との間になるように制御される。
【0027】容器(4)の外周には、スチームジャケッ
ト(43)が、三つ(43a、43b、43c)に分割
されて取り付けられている。スチームは制御弁(51
a、51b、51c)で制御されてジャケット(43)
に供給され、ドレンライン(52)から排出される。容
器(4)内の上中下3個所およびジャケットの上中下
(43a、43b、43c)には、それぞれ温度計(5
2a、52b、52c、53a、53b、53c)が取
り付けられている。容器の底部には出口(54)が設け
られ、ポンプ(5)により溶液となった混合物が抜き出
される。図2に示す装置では、膨潤混合物の導入、排
出、スチームのジャケット(43)への供給を、全て自
動的に管理することができる。
【0028】
【実施例】
[実施例1a]図1および図2に示す装置を用いて、ポ
リカーボネート15.0重量部がアセトン85.0重量
部に溶解している溶液を調製した。得られた高分子化合
物溶液を観察し、透明で均一な溶液が得られたことを確
認した。さらに溶液を直径40mmのガラス容器に入れ
て光の透過率を測定したところ、波長が610nmの光
の透過率は45〜50%であった。具体的な製造条件は
以下の通りである。 膨潤工程の温度: 室温 膨潤工程の時間: 30分 冷却速度: 10℃/分 冷却用液体の温度:−80℃ 最終冷却温度: −75℃ 加温速度: 4℃/分 最終加温温度: 120℃ 上記温度での圧力:8kgw/cm2
【0029】[比較例1]ポリカーボネート15.0重
量部とアセトン85.0重量部とを30℃で2時間攪拌
したところ、ポリカーボネートはアセトンにより膨潤し
たが、全く溶解しなかった。
【0030】[実施例1b]ポリカーボネート15.0
重量部とアセトン85.0重量部とを30℃で1時間攪
拌したところ、セルローストリアセテートはアセトンに
より膨潤した。膨潤した混合物を、メタノール/ドライ
アイスを冷媒として−70℃まで冷却した。冷却速度
は、0.4℃/分であった。膨潤混合物は、−70℃で
2時間静置した。これを攪拌しながら、5時間かけて5
0℃まで温度を上昇させた。加温速度は、0.4℃/分
であった。膨潤混合物は、さらに50℃で3時間攪拌し
た。得られた高分子化合物溶液を観察し、透明で均一な
溶液が得られたことを確認した。さらに溶液を直径40
mmのガラス容器に入れて光の透過率を測定したとこ
ろ、波長が610nmの光の透過率は45〜50%であ
った。
【0031】[実施例2a]実施例1aの高分子化合物
(ポリカーボネート15.0重量部)をポリスチレン1
5.0重量部に変更した以外は、同様にして、高分子化
合物溶液を調製した。得られた高分子化合物を観察した
ところ、いずれも透明で均一な溶液であった。さらに溶
液を直径40mmのガラス容器に入れて光の透過率を測
定したところ、波長が610nmの光の透過率は50%
以上であった。
【0032】[比較例2]比較例1の高分子化合物(ポ
リカーボネート15.0重量部)をポリスチレン15.
0重量部に変更した以外は、比較例1と同様に混合物を
30℃で2時間攪拌した。その結果、ポリスチレンの一
部がアセトン中に溶解したが、大部分は未溶解(膨潤状
態)であった。得られた液を直径40mmのガラス容器
に入れて光の透過率を測定したところ、波長が610n
mの光の透過率は45%以下であった。
【0033】[実施例2b]実施例1bの高分子化合物
(ポリカーボネート15.0重量部)をポリスチレン1
5.0重量部に変更した以外は、実施例1bと同様に処
理した。その結果、ポリカーボネートは、アセトン中に
溶解した。得られた溶液を直径40mmのガラス容器に
入れて光の透過率を測定したところ、波長が610nm
の光の透過率は45〜50%であった。
【0034】[実施例3a]実施例1aの高分子化合物
(ポリカーボネート15.0重量部)をポリメタクリル
酸メチル15.0重量部に変更した以外は、同様にし
て、高分子化合物溶液を調製した。得られた高分子化合
物溶液を観察したところ、いずれも透明で均一な溶液で
あった。さらに溶液を直径40mmのガラス容器に入れ
て光の透過率を測定したところ、波長が610nmの光
の透過率は50%以上であった。
【0035】[比較例3]比較例1の高分子化合物(ポ
リカーボネート15.0重量部)をポリメタクリル酸メ
チル15.0重量部に変更した以外は、比較例1と同様
に混合物を30℃で2時間攪拌した。その結果、ポリメ
タクリル酸メチルの一部がアセトン中に溶解したが、大
部分は未溶解(膨潤状態)であった。得られた液を直径
40mmのガラス容器に入れて光の透過率を測定したと
ころ、波長が610nmの光の透過率は45%以下であ
った。
【0036】[実施例3b]実施例1bの高分子化合物
(ポリカーボネート15.0重量部)をポリメタクリル
酸メチル15.0重量部に変更した以外は、実施例1b
と同様に処理した。その結果、ポリメタクリル酸メチル
は、アセトン中に溶解した。得られた溶液を直径40m
mのガラス容器に入れて光の透過率を測定したところ、
波長が610nmの光の透過率は45〜50%であっ
た。
【0037】[実施例4a]実施例3aの溶媒(アセト
ン85.0重量部)をメチルエチルケトン85.0重量
部に変更した以外は、同様にして、高分子化合物溶液を
調製した。得られた高分子化合物溶液を観察したとこ
ろ、いずれも透明で均一な溶液であった。さらに溶液を
直径40mmのガラス容器に入れて光の透過率を測定し
たところ、波長が610nmの光の透過率は50%以上
であった。
【0038】[比較例4]比較例3の溶媒(アセトン8
5.0重量部)をメチルエチルケトン85.0重量部に
変更した以外は、比較例3と同様に混合物を30℃で2
時間攪拌した。その結果、ポリメタクリル酸メチルの一
部がメチルエチルケトン中に溶解したが、大部分は未溶
解(膨潤状態)であった。得られた液を直径40mmの
ガラス容器に入れて光の透過率を測定したところ、波長
が610nmの光の透過率は45%以下であった。
【0039】[実施例4b]実施例3bの溶媒(アセト
ン85.0重量部)をメチルエチルケトン85.0重量
部に変更した以外は、実施例3bと同様に処理した。そ
の結果、ポリメタクリル酸メチルは、メチルエチルケト
ン中に溶解した。得られた溶液を直径40mmのガラス
容器に入れて光の透過率を測定したところ、波長が61
0nmの光の透過率は45〜50%であった。
【0040】[実施例5]実施例1aの高分子化合物
(ポリカーボネート15.0重量部)をノルボルネンポ
リマー(アートン、日本合成ゴム(株)製)15.0重
量部に変更した以外は、同様にして、高分子化合物溶液
を調製した。得られた高分子化合物溶液を観察したとこ
ろ、いずれも透明で均一な溶液であった。さらに溶液を
直径40mmのガラス容器に入れて光の透過率を測定し
たところ、波長が610nmの光の透過率は50%以上
であった。
【0041】[比較例5]比較例1の高分子化合物(ポ
リカーボネート15.0重量部)をノルボルネンポリマ
ー(アートン、日本合成ゴム(株)製)15.0重量部
に変更した以外は、比較例1と同様に混合物を30℃で
2時間攪拌した。その結果、ポリメタクリル酸メチルの
一部がアセトン中に溶解したが、大部分は未溶解(膨潤
状態)であった。得られた液を直径40mmのガラス容
器に入れて光の透過率を測定したところ、波長が610
nmの光の透過率は40%であった。
【0042】[実施例6]実施例1aの高分子化合物
(ポリカーボネート15.0重量部)を芳香族ポリアミ
ド15.0重量部に変更し、溶媒(アセトン85.0重
量部)を酢酸ブチル85.0重量部に変更した以外は、
同様にして、高分子化合物溶液を調製した。得られた高
分子化合物溶液を観察したところ、いずれも透明で均一
な溶液であった。さらに溶液を直径40mmのガラス容
器に入れて光の透過率を測定したところ、波長が610
nmの光の透過率は50%以上であった。
【0043】[比較例6]比較例1の高分子化合物(ポ
リカーボネート15.0重量部)を芳香族ポリアミド1
5.0重量部に変更し、溶媒(アセトン85.0重量
部)を酢酸ブチル85.0重量部に変更した以外は、比
較例1と同様に混合物を30℃で2時間攪拌した。その
結果、芳香族ポリアミドの一部が酢酸ブチル中に溶解し
たが、大部分は未溶解(膨潤状態)であった。得られた
液を直径40mmのガラス容器に入れて光の透過率を測
定したところ、波長が610nmの光の透過率は45%
であった。
【0044】[実施例7]実施例1aの高分子化合物
(ポリカーボネート15.0重量部)をポリスルホン
(ビクトレックスP−3500、アモコ社製)15.0
重量部に変更し、溶媒(アセトン85.0重量部)をメ
チルエチルケトン85.0重量部に変更した以外は、同
様にして、高分子化合物溶液を調製した。得られた高分
子化合物溶液を観察したところ、いずれも透明で均一な
溶液であった。さらに溶液を直径40mmのガラス容器
に入れて光の透過率を測定したところ、波長が610n
mの光の透過率は50%以上であった。
【0045】[比較例7]比較例1の高分子化合物(ポ
リカーボネート15.0重量部)をポリスルホン(ビク
トレックスP−3500、アモコ社製)15.0重量部
に変更し、溶媒(アセトン85.0重量部)をメチルエ
チルケトン85.0重量部に変更した以外は、比較例1
と同様に混合物を30℃で2時間攪拌した。その結果、
ポリスルホンの一部がメチルエチルケトン中に溶解した
が、大部分は未溶解(膨潤状態)であった。得られた液
を直径40mmのガラス容器に入れて光の透過率を測定
したところ、波長が610nmの光の透過率は35%で
あった。
【0046】[実施例8]実施例1aの高分子化合物
(ポリカーボネート15.0重量部)をポリエーテルス
ルホン15.0重量部に変更した以外は、同様にして、
高分子化合物溶液を調製した。得られた高分子化合物溶
液を観察したところ、いずれも透明で均一な溶液であっ
た。さらに溶液を直径40mmのガラス容器に入れて光
の透過率を測定したところ、波長が610nmの光の透
過率は50%以上であった。
【0047】[比較例8]比較例1の高分子化合物(ポ
リカーボネート15.0重量部)をポリエーテルスルホ
ン15.0重量部に変更した以外は、比較例1と同様に
混合物を30℃で2時間攪拌した。その結果、ポリエー
テルスルホンの一部がアセトン中に溶解したが、大部分
は未溶解(膨潤状態)であった。得られた液を直径40
mmのガラス容器に入れて光の透過率を測定したとこ
ろ、波長が610nmの光の透過率は40%であった。
【0048】[実施例9〜19]実施例1aの高分子化
合物(ポリカーボネート15.0重量部)、溶媒(アセ
トン85.0重量部)および冷却温度(−75℃)を、
下記第1表に示すように変更した以外は、同様にして、
高分子化合物溶液を調製した。
【0049】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 実施例 高分子化合物(重量部) 溶媒(重量部) 冷却温度 ──────────────────────────────────── 9 ポリアクリル酸メチル(15.0) アセトン(85.0) −75℃ 10 ポリアクリルアミド(15.0) アセトン(85.0) −75℃ 11 ポリメタクリルアミド(15.0) アセトン(85.0) −75℃ 12 ポリビニルアルコール(20.0) 水(80.0) 0℃ 13 ポリウレア(15.0) 酢酸ブチル(85.0)−75℃ 14 ポリエステル(15.0) 酢酸ブチル(85.0)−75℃ 15 ポリウレタン(15.0) 酢酸ブチル(85.0)−75℃ 16 ポリイミド(15.0) 酢酸ブチル(85.0)−75℃ 17 ポリビニルアセテート(15.0) 酢酸ブチル(85.0)−75℃ 18 ポリビニルホルマール(15.0) 酢酸ブチル(85.0)−75℃ 19 ゼラチン(20.0) 水(80.0) 0℃ ────────────────────────────────────
【0050】得られた高分子化合物溶液を観察したとこ
ろ、いずれも透明で均一な溶液であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】各工程の組み合わせを示すフローチャートであ
る。
【図2】加温装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
S1 溶媒 P 高分子化合物 S2 補充溶媒 1 攪拌タンク 2 送液ポンプ 3 冷却装置 3−1 螺旋状の搬送機構 3−2 ジャケット状の冷却機構 4 加温装置(密閉容器) 4−0 ヒーター 4−1 攪拌機構 4−2 ジャケット状の加温機構 5 送液ポンプ 6 ヒーター 7 フィルター 8 圧力調整バルブ 9 濃縮タンク 10 送液ポンプ 11 温度調整装置 12 ストックタンク 13 送液ポンプ 14 フィルター 15 ダイ 16 ベルト状支持体 17 フイルム 18 液化装置 19 冷却ストックタンク 20 送液ポンプ 21 冷媒タンク 22 冷凍機 23 クーリングタワー 24 冷媒 41 入口 42 液面 43、43a、43b、43c 加温用のスチームジャ
ケット 44 攪拌翼 45 攪拌軸 46 掻取翼 47 開口 48 液面計 49 圧力計 50 攪拌翼の上端 51a、51b、51c 制御弁 52a、52b、52c、53a、53b、53c 温
度計 54 出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースの低級脂肪酸エステル以外の
    高分子化合物と溶媒とを混合し、高分子化合物を溶媒に
    より膨潤させる工程;膨潤混合物を冷却する工程;そし
    て冷却した膨潤混合物を加温して、溶媒中に高分子化合
    物を溶解させる工程からなることを特徴とする高分子化
    合物溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】 高分子化合物が、ポリオレフィン類、ポ
    リアミド類、ポリスルホン類、ポリエーテル類、ポリス
    チレン類、ポリカーボネート類、ポリアクリル酸類、ポ
    リアクリルアミド類、ポリメタクリル酸類、ポリメタク
    リルアミド類、ポリビニルアルコール類、ポリウレア
    類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリイミド類、
    ポリビニルアセテート類、ポリビニルアセタール類およ
    びタンパク質からなる群より選ばれる請求項1に記載の
    高分子化合物溶液の製造方法。
  3. 【請求項3】 冷却工程において、膨潤混合物を1℃/
    分以上の速度にて冷却する請求項1に記載の高分子化合
    物溶液の製造方法。
  4. 【請求項4】 加温工程において、膨潤混合物を1℃/
    分以上の速度にて加温する請求項1に記載の高分子化合
    物溶液の製造方法。
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