JPH1067959A - 印刷インキ組成物 - Google Patents

印刷インキ組成物

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JPH1067959A
JPH1067959A JP22675596A JP22675596A JPH1067959A JP H1067959 A JPH1067959 A JP H1067959A JP 22675596 A JP22675596 A JP 22675596A JP 22675596 A JP22675596 A JP 22675596A JP H1067959 A JPH1067959 A JP H1067959A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルムの表刷りおよび裏刷り
用途に適した、優れた接着性、耐熱性、耐油性を有し、
経時での保存安定性の良好な溶剤型印刷インキ組成物を
提供する。 【解決手段】 顔料、水酸基含有樹脂、チタン系架橋剤
および有機溶剤から主として構成される印刷インキ組成
物において、前記チタン系架橋剤が、以下の一般式
(1)で表されるチタネート化合物の少なくとも1種
(a成分)と、一般式(2)で表されるジ(ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル)フォスフェートの少なくと
も1種(b成分)を、a成分:b成分のモル比率が
(0.5〜4):1となる割合で反応させた反応物であ
り、印刷インキ全組成の0.1〜5重量%の範囲で含有
されていることを特徴とする印刷インキ組成物。 【化8】 ここで、Xはそれぞれ独立に、炭素数が3から18のア
ルキル基またはアシル基、Yはそれぞれ独立に炭素数が
1〜18のアルキル基を表す。また、jは0〜9の整
数、mおよびnは正の整数で、m+n=2〜10を満た
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶剤型印刷インキ組
成物に関し、より詳しくは優れた接着性、耐熱性、耐油
性を有し、経時での保存安定性の良好な溶剤型印刷イン
キ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】各種プラスチックフィルム用印刷インキ
のバインダー樹脂として、ポリアミド樹脂やセルロース
誘導体がよく利用されている。
【0003】例えば、菓子や米の袋には、インキを被着
体の表側のみに印刷し、食品と接触する裏側には印刷し
ないといった簡単な構成(表刷り印刷方式といわれる)
のものが利用されるが、この表刷り用印刷インキの代表
的なバインダー樹脂は、一般的にポリアミド樹脂の単独
系あるいはセルロース誘導体との併用系である。
【0004】これは表刷り用印刷インキに要求される性
能が、主に光沢、接着性、耐熱性、耐油性等であるため
で、ポリアミド樹脂は光沢および接着性、セルロース誘
導体は耐熱性をインキに付与する。
【0005】しかし、ポリアミド樹脂の単独系では十分
な耐熱性が得られず、また、セルロース誘導体との併用
系ではインキの光沢や各種フィルムに対する接着性が低
下する傾向があり、これらの系のみで高い耐熱性と、光
沢、接着性を同時に満足するインキ組成物を得ることは
困難である。
【0006】従って、これら要求性能を向上させる方法
として、インキ組成中に架橋剤としてアルキルチタネー
トを添加する方法が知られているが、インキの黄変や経
時での保存安定性が低下するなどの問題がある。
【0007】また、本願出願人は、チタンステアレート
を架橋剤として添加する方法を特願平7−183039
号で提案しているが、架橋剤の含有量が多くなると、得
られる印刷インキ組成物の耐油性が不十分となるという
問題を有する。
【0008】さらに、チタンオルソエステルとリン酸モ
ノアルキルまたはリン酸ジアルキルとの反応物を添加し
た系も、特開昭61−37851号公報で提案されてい
るが、これらの系では、十分な効果を得るためには架橋
剤の含有量が多くなり、経時での保存安定性が低下する
という問題を有する。
【0009】一方、高品位を要求される食品包装用途あ
るいはボイル・レトルト用途の包装袋は、インキを被着
体の裏面に印刷し、さらに印刷面にフィルムをラミネー
トする構成(裏刷り印刷方式といわれる)のものが利用
されるが、この裏刷り用印刷インキの代表的なバインダ
ー樹脂は、一般的にポリウレタン樹脂である。これは裏
刷り用印刷インキに要求される性能が、主に広範なタイ
プのフィルムと接着し、ラミネート強度やボイル・レト
ルト処理に耐える耐熱性、耐熱水性等であるためである
が、ポリウレタン樹脂単独系でこれらの性能を満足する
ことは困難である。
【0010】この問題解決のためにも、前記の特開昭6
1−37851号公報で提案されている方法が利用でき
るが、その効果は未だ不十分である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、各種プラスチックフィルムに印刷された場合に良好
な接着性、耐熱性、耐油性を有するインキ皮膜がえら
れ、さらに経時での保存安定性の良好な印刷インキ組成
物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、顔
料、水酸基含有樹脂、チタン系架橋剤および有機溶剤か
ら主として構成される印刷インキ組成物において、前記
チタン系架橋剤が、以下の一般式(1)で表されるチタ
ネート化合物の少なくとも1種(a成分)と、一般式
(2)で表されるジ(ポリオキシエチレンアルキルエー
テル)フォスフェートの少なくとも1種(b成分)を、
a成分:b成分のモル比率が(0.5〜4):1となる
割合で反応させた反応物であり、印刷インキ全組成の
0.1〜5重量%の範囲で含有されていることを特徴と
する印刷インキ組成物に関する。
【0013】
【化2】
【0014】ここで、Xはそれぞれ独立に、炭素数が3
から18のアルキル基またはアシル基、Yはそれぞれ独
立に炭素数が1〜18のアルキル基を表す。また、jは
0〜9の整数、mおよびnは正の整数で、m+n=2〜
10を満たす。
【0015】また本発明は、前記水酸基含有樹脂とし
て、ポリアミド樹脂および/またはセルロース誘導体を
用いる印刷インキ組成物に関する。
【0016】また本発明は、前記水酸基含有樹脂とし
て、ポリウレタン樹脂を用いる印刷インキ組成物に関す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳しく
説明する。
【0018】<顔料>まず、本発明のインキ組成物で使
用する顔料としては、一般に有機溶剤型インキ組成物で
使用できる無機、有機顔料あるいは体質顔料が使用でき
る。
【0019】具体的には、無機顔料として、酸化チタ
ン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムレッド、
カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カ
ーボンブラック、黒鉛など、有機顔料として、溶性アゾ
顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔
料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げるこ
とができる。
【0020】さらに体質顔料としては、炭酸カルシウ
ム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニ
ウム、タルクなどを挙げることができる。
【0021】これらの顔料のインキ組成物中での含有量
は、通常1〜50重量%程度である。
【0022】<バインダー樹脂>本発明のインキ組成物
で使用するバインダー樹脂は、水酸基含有樹脂であり、
主にポリアミド−セルロース誘導体混合系またはポリウ
レタン系で、必要に応じて他の樹脂を添加することがで
きる。
【0023】・ポリアミド樹脂 本発明のインキ組成物のバインダー樹脂として使用可能
なポリアミド樹脂は、主に重合脂肪酸、さらに脂肪族、
脂環族および芳香族ジカルボン酸や脂肪族モノカルボン
酸を一部含有してもよい酸成分と、主に脂肪族、脂環
族、芳香脂肪族および芳香族ポリアミンの単独または混
合物、さらには一級および二級モノアミンを一部含有し
てもよいアミン成分とを反応させたものである。
【0024】ここで、重合脂肪酸とは一般に炭素数が1
6から22の不飽和脂肪酸またはそのエステルの重合に
より得られるもので、一塩基性脂肪酸、二量化重合脂肪
酸、三量化重合脂肪酸等を含むものである。
【0025】また、脂肪族ジカルボン酸としては、コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸など、脂
環族ジカルボン酸としてはシクロヘキサンジカルボン酸
など、芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テ
レフタル酸などを挙げることができる。
【0026】さらに脂肪族モノカルボン酸としては、酢
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸などを挙げ
ることができる。
【0027】一方、アミン成分としては、ポリアミンと
して、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミ
ン、シクロヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン等
の脂環族ジアミン、キシリレンジアミン等の芳香脂肪族
ジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメ
タン等の芳香族ジアミン、一級および二級モノアミンと
して、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン
等のモノ−およびジ−アルキルアミン、モノエタノール
アミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミ
ン、ジプロパノールアミン等のモノ−およびジ−アルカ
ノールアミンを挙げることができる。
【0028】特にポリアミド樹脂のみをインキのバイン
ダー樹脂とする場合、架橋剤との反応性を持たせるため
に、一級または二級モノアミン成分としてアルカノール
アミンを用い、水酸基価が0.5〜10程度の分子内に
水酸基を有するポリアミド樹脂を使用する。このばあい
水酸基を含有しないポリアミド樹脂を併用してもよい。
【0029】以上の酸成分とアミン成分からポリアミド
樹脂を合成する方法としては、反応成分のカルボキシル
基/アミノ基の比率を0.9/1.0〜1.0/0.
9、好ましくは1.0/1.0とし、反応温度を160
〜280℃、好ましくは180〜230℃として、最終
段階では100torr程度の減圧下で反応させること
が望ましい。
【0030】・セルロース誘導体 本発明のインキ組成物のバインダー樹脂として使用可能
なセルロース誘導体としては、ニトロ基置換体としてニ
トロセルロース、低級アシル基置換体としてセルロース
アセテート、セルロースアセテートプロピオネートな
ど、低級アルキル基置換体としてメチルセルロース、エ
チルセルロースなどを挙げることができる。
【0031】これらセルロース誘導体の分子量や水酸基
の置換度などは、通常の塗料やインキ組成物で使用され
る範囲のものが本発明でも支障なく利用できるが、水酸
基の置換度が1.3〜2.7程度のものが好ましく、ま
た耐熱性の面からはニトロ基置換体の使用が有利であ
り、接着性の面からは低級アシル基置換体および低級ア
ルキル基置換体が有利であるから、使用の目的に応じて
適宜選択して使用することが好ましい。
【0032】本発明において、ポリアミド樹脂系バイン
ダー樹脂の使用量は、通常粘度や流動性の面からインキ
組成物中に5〜30重量%の範囲が好ましい。またポリ
アミド樹脂−セルロース誘導体系バインダー樹脂とした
場合、バインダー樹脂総量は、通常、粘度や流動性の面
からインキ組成物中に5〜30重量%程度であり、ま
た、ポリアミド樹脂/セルロース誘導体の併用比率とし
ては、光沢や耐熱性の面から1.0/0.1〜1.0/
0.5(重量比率)の範囲が好ましい。なお、ポリアミ
ド樹脂−セルロース誘導体系バインダー樹脂のばあい、
ポリアミド樹脂として水酸基を含有しないものも使用可
能である。
【0033】・ポリウレタン樹脂 本発明のインキ組成物のバインダー樹脂として使用可能
なポリウレタン樹脂は、有機ジイソシアネート化合物と
高分子ジオール化合物との反応によりウレタンプレポリ
マーを合成し、鎖伸長剤および反応停止剤を反応させて
得られるポリウレタン樹脂である。
【0034】まず、有機ジイソシアネート化合物として
は、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネ
ート化合物、1,4−シクロヘキサンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシア
ネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂
肪族ジイソシアネート化合物、及び、α,α,α′,
α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳
香脂肪族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
【0035】これらの有機ジイソシアネート化合物は、
単独または混合して使用できるが、溶解性、インキの流
動性の面から、脂環族、脂肪族、または芳香脂肪族のも
のが好ましい。
【0036】高分子ジオール化合物としては、ポリエー
テルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物の
他、各種高分子ジオール化合物が使用できる。
【0037】ここで、ポリエーテルジオール化合物とし
ては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールなどのポリアルキレングリコール類、ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の
アルキレンオキサイド付加物を挙げる事ができる。
【0038】また、ポリエステルジオール化合物として
は、アジピン酸、セバシン酸、無水フタール酸等の二塩
基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール等のグリコール類
とを縮合反応させて得られるものが挙げる事ができる。
【0039】更に、その他の高分子ジオール化合物とし
て、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジ
オール、ポリブタジエンジオール等を挙げる事ができ
る。
【0040】これらの高分子ジオールとしては、数平均
分子量が300〜6000のものが好ましい。前記高分
子ジオールは単独または混合して使用する事ができる
が、得られるラミネートインキのラミネート強度、ボイ
ル・レトルト適性の面から、ポリエステルジオール化合
物がより好適である。
【0041】なお、前記有機ジイソシアネート化合物と
高分子ジオール化合物の使用比率は、イソシアネート基
と水酸基の当量比が、通常、(1.3〜3.0):1.
0、より好ましくは、(1.5〜2.0):1.0とな
る範囲である。
【0042】次に、鎖伸長剤としては、まず、ポリウレ
タン分子内に水酸基を導入するためのアミノエチルエタ
ノールアミンなどのジアミノアルコール化合物、グリセ
リンなどの1級の水酸基2個と2級の水酸基を1個以上
有するポリアルコール化合物を用いることができる。
【0043】さらに後記の反応停止剤で分子内に水酸基
を導入する場合は、ジオール化合物あるいはジアミン化
合物が利用できる。
【0044】ここで、ジオール化合物としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサン
ジオール等を挙げる事ができ、またジアミン化合物とし
ては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、α,α,α′,α′−テトラメチル
キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等を挙げる事
ができる。
【0045】次に、反応停止剤としては、ポリウレタン
分子内に水酸基を導入するために、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン等の、水酸基およびイソシアネ
ート基と反応する官能基の両方を有する化合物が使用で
き、更に反応停止前の残存イソシアネート基の0.5当
量以下で、モノブチルアミン等のモノアミン化合物やメ
タノール、エタノール等のモノアルコール化合物を併用
する事ができる。
【0046】また、鎖伸長剤を用いて分子内に水酸基を
導入されている場合は、モノアミンやモノアルコールを
単独で使用できる。
【0047】以上の各材料よりポリウレタン樹脂を製造
する方法としては、インキバインダー用ポリウレタン樹
脂を製造するための公知の方法がそのまま利用できる。
【0048】上記の方法によりポリウレタン樹脂に水酸
基を導入し、水酸基価が0.5〜30程度のポリウレタ
ン樹脂を使用するのが好ましい。
【0049】また、前記ポリウレタン樹脂の数平均分子
量としては、通常5,000ないし150,000、よ
り好ましくは30,000ないし100,000であ
る。
【0050】本発明において、ポリウレタン樹脂系バイ
ンダーの通常の使用量は、粘度や流動性の面からインキ
組成物中に5〜30重量%の範囲が好ましい。
【0051】・その他のバインダー樹脂 その他のバインダー樹脂としては、フィルム用溶剤型印
刷インキで使用される各種バインダー樹脂が使用でき、
具体的にはマレイン酸系樹脂、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂等を挙
げることができる。これらバインダー樹脂のインキ組成
物における使用量は、通常、0〜10重量%程度であ
る。
【0052】<チタン系架橋剤>本発明で使用可能なチ
タン系架橋剤は、下記の一般式(1)で表されるチタネ
ート化合物の少なくとも1種(a成分)と、一般式
(2)で表されるジ(ポリオキシエチレンアルキルエー
テル)フォスフェートの少なくとも1種(b成分)を反
応させて得られる反応物である。
【0053】
【化3】
【0054】ここで、Xはそれぞれ独立に、炭素数が3
から18のアルキル基またはアシル基、Yはそれぞれ独
立に炭素数が1〜18のアルキル基を表す。また、jは
0〜9の整数、mおよびnは正の整数で、m+n=2〜
10を満たす。
【0055】一般式(1)で表わされる分子構造におい
てXのアルキル基及びアシル基の炭素数が18を超える
と、えられる印刷インキの耐油性が低下し、一方炭素数
が3より少ないとえられる印刷インキの耐熱性が低下し
て好ましくない。またjが9を超えると、えられる印刷
インキの耐熱性が低下する。
【0056】Xで表わされる炭素数3〜18のアルキル
基としては、たとえばn−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシ
ル、デシル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル等
があげられる。Xで表わされる炭素数3〜18のアシル
基としては、プロピオニル、ブチリル、ヘキサノイル、
オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、テトラデカノ
イル、ステアロイル等があげられる。
【0057】えられる印刷インキの耐熱性を良好にする
点からは、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、テ
トラデカノイル、ステアロイル等の炭素数8〜18のア
シル基を分子内のチタン原子と同数以上含有するチタネ
ート化合物が好ましい。
【0058】a成分の具体例としては、テトライソプロ
ポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキ
ス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステア
リルオキシチタン、トリイソプロポキシチタンモノステ
アレート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレー
ト、ジイソプロポキシチタンジステアレート、ジ−n−
ブトキシチタンジステアレート、ビス(2−エチルヘキ
シルオキシ)チタンジステアレートとその2〜10(j
=1〜9)の重合体を挙げることができる。これらチタ
ネート化合物は単独で、又は2種以上を混合して使用で
きる。
【0059】なお、インキの耐熱性の面から、チタネー
ト化合物としては、一般式(1)のXで表わされる基と
してアルキル基と共にステアロイル基を有するチタンス
テアレート系化合物がより好適に使用できる。
【0060】一般式(2)で表される分子構造におい
て、水酸基は一般式(1)で表される化合物に対する反
応点であり、本発明の効果を得るために必要であるが、
この基が2つ以上となるとインキ組成物の保存安定性が
低下する。また、Yで表わされるアルキル基の炭素数が
18を超える化合物は製造上困難で、使用には適しな
い。さらに、m+nの値が2未満では保存安定性の低下
が見られ、10を超えるとえられる印刷インキの耐熱性
が低下する。
【0061】Yで表わされる炭素数が1〜18のアルキ
ル基としては、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オク
タデシル等があげられる。
【0062】b成分の具体例としては、ジ〔POE
(2)プロピルエーテル〕燐酸、ジ〔POE(2)ブチ
ルエーテル〕燐酸、ジ〔POE(4)プロピルエーテ
ル〕燐酸、ジ〔POE(4)ブチルエーテル〕燐酸、ジ
〔POE(4)ヘキシルエーテル〕燐酸、ジ〔POE
(4)オクチルエーテル〕燐酸、ジ〔POE(4)ドデ
シルエーテル〕燐酸、ジ〔POE(4)オクタデシルエ
ーテル〕燐酸、ジ〔POE(6)プロピルエーテル〕燐
酸、ジ〔POE(6)ブチルエーテル〕燐酸、ジ〔PO
E(8)プロピルエーテル〕燐酸、ジ〔POE(8)ブ
チルエーテル〕燐酸、ジ〔POE(10)プロピルエー
テル〕燐酸、ジ〔POE(10)ブチルエーテル〕燐酸
等を挙げることができる。これらジ(ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル)フォスフェートは単独で、又は2
種以上を混合して使用できる。なお、前記においてPO
Eとはポリオキシエチレンを指し、( )内はその付加
モル数を表す。
【0063】さらにa成分とb成分との反応比率は、a
成分:b成分=(0.5〜4):1となる割合(モル比
率)であり、a成分が前記の範囲より少なくなるとイン
キの耐熱性が低下し、一方多くなるとインキの保存安定
性が低下して好ましくない。
【0064】なお、a成分とb成分の反応は、通常各々
の成分をアルコール系溶媒、ケトン系溶媒等の溶解可能
な有機溶媒に溶解させ、室温あるいはそれ以下に冷却し
ながら、a成分溶液中にb成分溶液を徐々に滴下混合し
ながら行なうことができる。
【0065】以上のようにして得られるチタン系架橋剤
の含有量は、全印刷インキ組成物に対して0.1〜5重
量%である。チタン系架橋剤の含有量が前記の範囲より
少なくなると十分な耐熱性、耐油性が得られず、また多
くなるとインキの保存安定性が低下する。
【0066】<有機溶剤>本発明で使用される有機溶剤
としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル等のエステル系、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系、およびエチレング
リコール、プロピレングリコール等のグリコール系とそ
の誘導体といった各種有機溶剤を挙げることができ、通
常は混合溶剤として利用される。
【0067】<インキの製造方法>以上の材料を用いて
本発明のインキ組成物を製造する方法としては、バイン
ダー樹脂、顔料、有機溶剤及び必要に応じて顔料分散剤
などの混合物を、高速ミキサー、ボールミル、サンドミ
ル、アトライターなどを用いて練肉し、さらに所定の材
料の残りを添加、混合する方法が一般的である。
【0068】<用途>本発明のインキ組成物は主にグラ
ビア印刷方式を利用して各種被着体に印刷することがで
きる。
【0069】ここで、インキ組成物の印刷される被着体
としては、通常の延伸ポリプロピレン(OPP)フィル
ム、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、変性ポ
リプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムなどのポリエステルフィルム、ナイ
ロン、ポリスチレン等の各種プラスチックフィルムの他
に、それぞれアルミニウムなどの金属の蒸着された延伸
ポリプロピレン(VM−OPP)フィルム、無延伸ポリ
プロピレン(VM−CPP)フィルム、ポリエチレンテ
レフタレート(VM−PET)フィルム等があげられ
る。
【0070】さらに、インキのバインダーとしてポリウ
レタン樹脂を使用した系は、上記フィルムに印刷された
後、印刷面にイミン系、イソシアネート系、ポリブタジ
エン系、チタン系などのアンカーコート剤を塗工し、溶
融ポリオレフィンを積層する押出しラミネート加工、及
び印刷面にウレタン系などの接着剤を塗工し、プラスチ
ックフィルムを積層するドライラミネート加工にも利用
可能である。
【0071】本発明の印刷インキ組成物は通常のプラス
チックフィルムのみならず、金属蒸着フィルムに対し
て、従来のインキ組成物にない優れた効果を発揮するも
のである。
【0072】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、部および%は特に限定がない限り、重量部及び重
量%を表す。
【0073】<チタン系架橋剤の調製>下記製造例で使
用したチタネート化合物およびジ(ポリオキシエチレン
アルキルエーテル)フォスフェートはつぎのとおりであ
る。
【0074】
【化4】
【0075】
【化5】
【0076】
【化6】
【0077】
【化7】
【0078】製造例1 撹拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた反応器内に化合
物T1の75%イソプロパノール溶液677部を仕込
み、反応器を冷却槽で冷却し内温を5〜10℃に保ちな
がら、滴下ロートを通して化合物P1の75%イソプロ
パノール溶液355部を徐々に滴下、撹拌混合し反応さ
せ、チタン系架橋剤No.1を得た。
【0079】製造例2〜19 製造例1と同様の操作により、表1の配合に従ってチタ
ン系架橋剤No.2〜19を得た。
【0080】
【表1】
【0081】<ポリアミド樹脂ワニスの調製>トルエン
280部、メチルエチルケトン280部、イソプロパノ
ール140部の混合溶剤中に市販のポリアミド樹脂(レ
オマイドS2600、花王株式会社製)300部を溶解
させて固形分30%のポリアミド(PA)樹脂ワニスを
得た。
【0082】<セルロース誘導体ワニスの調製>酢酸エ
チル850部にニトロセルロースとして硝化綿HIG1
/2(旭化成株式会社製)150部を溶解させて固形分
15%のセルロース誘導体(CN)ワニスを得た。
【0083】<ポリウレタン樹脂ワニスの調製>合成例
1と同様の装置に、イソホロンジイソシアネート39.
1部、アジピン酸と1,4−ブタンジオールから合成さ
れた数平均分子量2000のポリブチレンアジペートジ
オール207部を仕込み、窒素ガスを導入しながら10
0℃にて10時間反応させた。冷却後、トルエン193
部、メチルエチルケトン193部を加えて均一に溶解
し、イソプロピルアルコール193部、イソホロンジア
ミン11.9部を加えて20分間反応させ、さらにモノ
エタノールアミン1.3部で反応を停止し、数平均分子
量25000、固形分30%のポリウレタン(PU)樹
脂ワニスを得た。
【0084】実施例1〜20および比較例1〜16 表2、3の配合に従い、顔料と適量の樹脂成分および混
合溶剤を仕込み、レッドデビル型ペイントコンディショ
ナーで30分間混練し、さらに残りの成分を添加混合し
て、実施例1〜20および比較例1〜16のインキ組成
物を調製した。
【0085】なお、顔料として酸化チタン(タイペーク
R−900、デュポン社製)を使用した。また混合溶
剤としてトルエン/メチルエチルケトン/イソプロピル
アルコール=40/40/20重量比の組成のものを使
用した。
【0086】<評価試験>以下の評価方法に従って、実
施例1〜20および比較例1〜16のインキ組成物の耐
油性、耐熱性、接着性、経時粘度安定性を評価し、その
結果を表2、3に示した。
【0087】なお、ポリアミド樹脂/セルロース誘導体
を用いたインキ組成物は、とくにOPPフィルム用途で
耐熱性、耐油性を必要とする分野で使用され、ポリウレ
タン樹脂を用いたインキ組成物は各種プラスチックフィ
ルムを対象として耐熱性、耐油性を余り必要としない分
野で使用される。そこで、それぞれインキに必要とされ
る性能で評価した。
【0088】(接着性) 評価方法 ポリアミド樹脂/セルロース誘導体を含有す
る各試験インキをグラビア校正機でOPPフィルムに印
刷して温風乾燥して印刷物を得た。また、ポリウレタン
樹脂を含有する各試験インキをグラビア校正機でOPP
フィルム、PETフィルム、アルミ蒸着PETフィルム
に印刷して温風乾燥して印刷物を得た。なお、アルミ蒸
着PETフィルムのばあいはアルミ蒸着面に印刷した。
これら印刷物の印刷面にセロハンテープを貼り付け、急
速に剥がしたときの印刷皮膜がフィルムから剥離する度
合いから、接着性を評価した。
【0089】 評価基準 A:印刷皮膜がフィルムから全く剥離しない。 B:印刷皮膜の面積比率として、20%未満がフィルムから剥離 する。 C:印刷皮膜の面積比率として、20%以上、50%未満がフィ ルムから剥離する。 D:印刷皮膜の面積比率として、50%以上がフィルムから剥離 する。
【0090】(耐熱性) 評価方法 ポリアミド樹脂/セルロース誘導体を含有す
る各試験インキをグラビア校正機でOPPフィルムに印
刷した印刷面に、80〜160℃の熱傾斜を有する熱板
を備えたヒートシール試験機を用いて、アルミ箔を1.
6kg/cm2の圧力で、2秒間押圧した。印刷面のイ
ンキがアルミ箔に転移する最低温度から、試験インキの
耐熱性を評価した。
【0091】
【0092】(耐油性) 評価方法 ポリアミド樹脂/セルロース誘導体を含有す
る各試験インキをグラビア校正機でOPPフィルムに印
刷した印刷面を学振型耐摩擦試験機を用いて、サラダ油
をしみ込ませたあて布で500gの荷重下100回摩擦
し、印刷面の変化から耐油性を評価した。
【0093】 評価基準 A:印刷面、あて布ともに変化なし。 B:印刷面に変化はないが、あて布が着色する。 C:印刷面に筋状の傷が認められる。 D:印刷面に面状の傷が認められる。
【0094】(経時粘度安定性)評価方法 試験インキ
の40℃で7日間経時前後の粘度変化(B型粘度計の3
0rpmでのインキ粘度測定データ)から経時粘度安定
性の評価を行った。
【0095】 評価基準 A:経時後/経時前の粘度比が1.5未満のもの B:経時後/経時前の粘度比が1.5以上、2.0未満のもの C:経時後/経時前の粘度比が2.0以上、3.0未満のもの D:経時後/経時前の粘度比が3.0以上のもの
【0096】ここで、接着性、耐油性、経時粘度安定性
についてはBランク以上、耐熱性についてはCランク以
上であれば実用上許容範囲である。
【0097】なお、使用したプラスチックフィルムは、
OPPフィルム(パイレンP−2161、膜厚30μ、
東洋紡績(株)社製)、PETフィルム(E−510
2、膜厚12μ、東洋紡績(株)社製)、VM−PET
フィルム(VM−PET E−7075、東洋紡績
(株)社製)である。
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて示したように、本
発明の印刷インキ組成物は、プラスチックフィルムの表
刷りおよび裏刷り用途に適用するために、優れた接着
性、耐熱性、耐油性が付与され、経時での保存安定性の
良好な溶剤型印刷インキ組成物である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、水酸基含有樹脂、チタン系架橋剤
    および有機溶剤から主として構成される印刷インキ組成
    物において、前記チタン系架橋剤が、以下の一般式
    (1)で表されるチタネート化合物の少なくとも1種
    (a成分)と、一般式(2)で表されるジ(ポリオキシ
    エチレンアルキルエーテル)フォスフェートの少なくと
    も1種(b成分)を、a成分:b成分のモル比率が
    (0.5〜4):1となる割合で反応させた反応物であ
    り、印刷インキ全組成の0.1〜5重量%の範囲で含有
    されていることを特徴とする印刷インキ組成物。 【化1】 ここで、Xはそれぞれ独立に、炭素数が3から18のア
    ルキル基またはアシル基、Yはそれぞれ独立に炭素数が
    1〜18のアルキル基を表す。また、jは0〜9の整
    数、mおよびnは正の整数で、m+n=2〜10を満た
    す。
  2. 【請求項2】 前記水酸基含有樹脂として、ポリアミド
    樹脂および/またはセルロース誘導体を用いる請求項1
    記載の印刷インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記水酸基含有樹脂として、ポリウレタ
    ン樹脂を用いる請求項1記載の印刷インキ組成物。
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