JPH1068013A - ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法 - Google Patents

ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法

Info

Publication number
JPH1068013A
JPH1068013A JP24715796A JP24715796A JPH1068013A JP H1068013 A JPH1068013 A JP H1068013A JP 24715796 A JP24715796 A JP 24715796A JP 24715796 A JP24715796 A JP 24715796A JP H1068013 A JPH1068013 A JP H1068013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten steel
vacuum
carbon concentration
refining
immersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP24715796A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichiro Miyamoto
健一郎 宮本
Katsuhiko Kato
勝彦 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP24715796A priority Critical patent/JPH1068013A/ja
Publication of JPH1068013A publication Critical patent/JPH1068013A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空槽や浸漬管の内壁、酸素ランスへのスプ
ラッシュ付着を抑制すると共に、ステンレス溶鋼中のク
ロムの酸化によるロスを防止しながら、浸漬管及び取鍋
間のスラグ固着を減少させることのできる生産性に優れ
たステンレス鋼の真空脱炭精錬方法を提供する。 【解決手段】 酸素ガスを吹き込みながら不活性ガスに
より溶鋼を撹拌するステンレス鋼の真空脱炭精錬方法に
おいて、溶鋼11の高炭素濃度領域では、前記酸素ガス
の酸素ガス流量を3〜25Nm3 /h/t−steel
に、前記不活性ガスの不活性ガス流量を0.3〜4.0
Nリットル/分/t−steelにそれぞれ維持し、続
く溶鋼11の低炭素濃度領域では、前記酸素ガス流量を
毎分0.5〜12.5Nm3 /h/t−steelの減
少速度で低減すると共に、浸漬管14の浸漬深さ(h)
を所定範囲内で増減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浸漬管と取鍋間のス
ラグ固着を防止すると共に、効率的な脱炭精錬を行うこ
とのできるステンレス鋼の真空脱炭精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気炉、又は転炉で脱炭精錬された溶鋼
を、さらに脱炭精錬して炭素濃度が約0.01wt%の
溶鋼を得る方法として、取鍋中の溶鋼面を真空下に保
持して該溶鋼面に酸素ガスを吹き付けるVOD法、及び
溶鋼に浸漬された浸漬管内の溶鋼面に酸素ガスを吹き
付けて真空精錬を行う浸漬管法が知られている。ところ
が、前記VOD法では、溶鋼面上部の空間を充分に確
保できないために、精錬中に飛散する溶鋼の飛沫(スプ
ラッシュ)が、上吹きランス、及び真空容器の蓋に付着
して、操業の支障となるという問題点があった。
【0003】このような設備的制約の少ない浸漬管法
による方法として、特公平4−20967号公報には、
図12に示すように取鍋50内の溶鋼51を浸漬管52
を介して真空槽53内に吸い上げ、浸漬管52の投影面
下の取鍋50内の下部から不活性ガスを吹き込み、か
つ、真空槽53内の溶鋼表面に上部ランス54を介して
酸化性ガスを吹き付ける溶鋼の真空精錬方法において、
浸漬管52の内径(D1)と取鍋50の内径(D0 )と
の比(D1 /D0 )が0.4〜0.8の値となるよう浸
漬管52の内径を定めると共に、溶鋼表面からの不活性
ガスの吹き込み深さ(H1 )と取鍋50内の溶鋼深さ
(H0 )の比(H1 /H0 )が0.5〜1.0の値とな
るよう不活性ガスの吹き込み深さを定めて、効率的な脱
炭を行うことを目的とした溶鋼の真空精錬法が提案され
ている。また、特開平2−133510号公報には、溶
融金属を収容する取鍋と、前記溶融金属に浸漬される浸
漬管を下端に備えた真空槽と、該真空槽の内部を減圧す
る真空源に接続された排気管と、前記真空槽の内部に配
置された遮蔽体とを備えており、前記浸漬管内にある湯
面から2〜5mの高さに前記遮蔽体を維持した真空処理
装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公平4−20967号公報に記載の方法では、以下の
〜に示すような問題点があった。 溶鋼中に吹き込まれる酸素ガス流量、アルゴンガス流
量、及び真空槽53内の真空度等の脱炭精錬条件が適切
に規定されていないために、溶鋼面の揺動、及びスプラ
ッシュが過剰となり、地金付着に起因した操業トラブル
が発生する。 溶鋼中のクロム分が吹き込まれる酸素によって酸化さ
れ、この酸化されたクロム酸化物が溶鋼中を下降する間
に溶鋼中の炭素により還元されるが、下方から吹き込ま
れる不活性ガスの対流現象により、還元されることなく
浸漬管と取鍋内壁との間の溶鋼面上に浮上して、スラグ
55を形成し溶鋼中から排出され、クロム分の損失量が
多くなる。 このような酸化クロムを含むスラグ55により、前記
浸漬管52と取鍋内壁間の溶鋼面上においては、その溶
鋼面の粘性が高くなると共に、スラグ55もしくは地金
等がその周辺に付着して固着するため、精錬終了時に浸
漬管52を取鍋50の位置から移動させることが困難と
なり、精錬作業の障害となる。 溶鋼の脱炭に寄与した酸素ガス量と溶鋼に吹き込まれ
た全酸素ガス量との比である脱炭酸素効率は、真空槽5
3における真空度、溶鋼の撹拌状態、及び吹き込まれる
酸素ガスの流量等の精錬条件により左右されるが、この
ような精錬条件が適正でなく、脱炭酸素効率を高レベル
に維持することが困難である。また、前記特開平2−1
33510号公報の真空槽の内部に遮蔽体を配置して、
スプラッシュを防止する精錬装置では、遮蔽体に付着し
た地金を除去する作業が必要となる等、生産性を低下さ
せるという問題点があった。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、真空槽や浸漬管の内壁、酸素ランスへのスプラ
ッシュ付着を抑制すると共に、ステンレス溶鋼中のクロ
ムの酸化によるロスを防止しながら、浸漬管及び取鍋間
のスラグ固着を減少させることのできる生産性に優れた
ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のステンレス鋼の真空脱炭精錬方法は、取鍋に保持
されたクロムを含む溶鋼に浸漬管を浸漬し、該浸漬管に
連通する真空槽内を減圧すると共に、該真空槽上部の上
吹きランスを介して酸素ガスを吹き込みながら、前記取
鍋底部の底吹きノズルから供給される不活性ガスにより
前記溶鋼を撹拌するステンレス鋼の真空脱炭精錬方法に
おいて、前記溶鋼の高炭素濃度領域では、前記酸素ガス
の酸素ガス流量を3〜25Nm3 /h/t−steel
に、前記不活性ガスの不活性ガス流量を0.3〜4.0
Nリットル/分/t−steelにそれぞれ維持し、続
く前記溶鋼の低炭素濃度領域では、前記酸素ガス流量を
毎分0.5〜12.5Nm3 /h/t−steelの減
少速度で低減すると共に、前記浸漬管の浸漬深さを所定
範囲内で増減する。請求項2記載のステンレス鋼の真空
脱炭精錬方法は、請求項1記載のステンレス鋼の真空脱
炭精錬方法において、前記高炭素濃度領域における溶鋼
の炭素濃度が0.3〜1wt%であり、前記低炭素濃度
領域における溶鋼の炭素濃度が0.01〜0.3wt%
である。請求項3記載のステンレス鋼の真空脱炭精錬方
法は、請求項1又は2記載のステンレス鋼の真空脱炭精
錬方法において、前記溶鋼のクロム含有量が5〜30w
t%である。請求項4記載のステンレス鋼の真空脱炭精
錬方法は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のステン
レス鋼の真空脱炭精錬方法において、前記高炭素濃度領
域における前記浸漬管の浸漬深さと前記取鍋内の溶鋼深
さとの浸漬比を0.1〜0.6とする。請求項5記載の
ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法は、請求項1〜4のい
ずれか1項に記載のステンレス鋼の真空脱炭精錬方法に
おいて、前記高炭素濃度領域における前記真空槽の真空
度を200torr以上に維持する。請求項6記載のス
テンレス鋼の真空脱炭精錬方法は、請求項1〜5のいず
れか1項に記載のステンレス鋼の真空脱炭精錬方法にお
いて、前記浸漬管が直胴型浸漬管である。
【0007】溶鋼の高炭素濃度領域とは、脱炭反応が上
吹きランスから溶鋼に吹き込まれる酸素ガスの供給律速
となるような反応領域をいう。溶鋼の低炭素濃度領域と
は、脱炭反応が溶鋼中の炭素の移動律速となるような反
応領域をいう。高炭素濃度領域における酸素ガス流量が
3Nm3 /h/t−steel(以下Nm3 /h/tと
表記する)より少ないと、溶鋼の脱炭速度が低下して精
錬時間が長くなり、生産性の低下する傾向が現れる。な
お、以下の記載において、酸素ガス流量及び不活性ガス
流量は精錬処理する溶鋼1トン当りに換算した流量をい
うものとする。一方、酸素ガス流量が25Nm3 /h/
tを越えると、溶鋼が過剰に撹拌されてスプラッシュが
生じ易くなり、この結果、地金付着によるロスや、地金
付着により浸漬管の引上げが困難になると共に、クロム
分の酸化量が多くなる等の悪影響が現れるため好ましく
ない。
【0008】また、高酸素濃度領域における不活性ガス
流量が0.3Nリットル/分/t−steel(以下N
リットル/分/tと表記する)より少ないと、浸漬管内
の湯面に浮遊する溶融スラグを掻き分けて溶鋼中の炭素
と酸素とを効率的に反応させることが困難になり、脱炭
酸素効率が低下する。逆に、不活性ガス流量が4.0N
リットル/分/tを越えると、浸漬管内の湯面に浮遊す
る酸化クロムを含有する溶融スラグが浸漬管内から取鍋
内に逸流し易くなると共に、スプラッシュを効果的に抑
制することができなくなるので好ましくない。低炭素濃
度領域における酸素ガス流量の減少速度が毎分0.5N
3 /h/tより少ないと、COガス発生量の減少代が
少ないために、スプラッシュの抑制が不可能となる。ま
た、酸素ガスが供給過剰となるためクロムの酸化量が増
大する。一方、前記減少速度が毎分12.5Nm3 /h
/tを越えると、低炭素濃度領域における脱炭効率が低
下すると共に、吹酸速度の低下が速すぎるために、低流
量での吹酸する時間が長くなり、以降の処理時間が結果
的に長くなり生産性の低下傾向が現れるので、好ましく
ない。
【0009】高炭素濃度領域における溶鋼の炭素濃度は
0.3〜1wt%の範囲とする。これは、転炉や電炉で
ステンレス溶鋼のC濃度を0.3wt%未満に粗脱炭精
錬しようとすると、溶鋼中のクロムが酸化されてクロム
の酸化ロスを生じ易くなり、一方、溶鋼の炭素濃度が1
wt%を越えると、ステンレス溶鋼を仕上脱炭精錬する
時間が長くなって生産性が低下する傾向が現れるからで
ある。また、前記高炭素濃度領域に続く低炭素濃度領域
の炭素濃度の下限値を0.01wt%としたのは、炭素
濃度が0.01wt%より少なくなるように脱炭精錬を
行っても、機械的強度等の必要特性をより以上に向上さ
せることが困難であり、精錬にかかるコストが増大する
からである。溶鋼のクロム含有量が5wt%より少ない
と、ステンレス鋼として必要な耐食性等の特性を維持す
ることが困難となる。また、クロム含有量が30wt%
を越えるようにしても、必要特性をそれ程向上させるこ
とができない上に、コスト高となるので好ましくない。
【0010】高炭素濃度領域における浸漬管の浸漬深さ
(h)と取鍋内の溶鋼深さ(H)との浸漬比(h/H)
が0.1より少ないと、生成した酸化クロムが鋼中炭素
によって酸化クロムが還元されることなく早期に浸漬管
外に流出してしまい、脱炭酸素効率が低下する。また、
前記浸漬比が0.6を越えると酸化クロムの浸漬管内で
の滞留は促進されるものの、取鍋内溶鋼の循環の悪化に
起因して、還元反応槽内に使用されるべき鋼中炭素の真
空槽内への供給が阻害されるために、結果として、還元
反応の促進が阻害され、脱炭酸素効率の低下を招く。高
炭素濃度領域における前記真空槽の真空度が200to
rrより小さくなると、スプラッシュの発生が激しくな
るので好ましくない。なお、真空度を200torr以
上に維持するとは、200torr以上から大気圧であ
る760torr未満の範囲に真空度を保持することと
同義である。
【0011】浸漬管は、取鍋内に貯留された溶鋼中に一
端部を浸漬させた状態で、該浸漬管の上端に連通される
真空槽内を減圧してステンレス溶鋼を吸い上げることが
でき、その形状や大きさ等は、特に規定されず、適宜選
択される。例えば、浸漬管の断面形状が円形の場合に
は、浸漬管の内径は真空槽の内径とほぼ同径とすること
が望ましい。これは、浸漬管内に引き込んだ溶鋼を効率
よく仕上脱炭精錬することができるからである(真空槽
の内径とほぼ同じ内径を有する浸漬管を直胴型浸漬管と
もいう)。
【0012】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。まず、本発明の一実施の形態に係る
ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法に用いる真空脱炭精錬
設備10について説明する。図1に示すように、真空脱
炭精錬設備10は、溶鋼11を保持する取鍋13と、該
溶鋼11にその下端部が浸漬される浸漬管14と、浸漬
管14の上端部を延長して接続される真空槽15と、真
空槽15内を排気する排気装置16と、真空槽15を上
下に移動させるための昇降駆動装置17と、真空槽15
の上端に設けられた酸素ガスを吹き込むための上吹きラ
ンス18、及び取鍋13の底部に配置された不活性ガス
を吹き込むための底吹きノズルの一例であるポーラスプ
ラグ19とを有する。そして、上吹きランス18を介し
て吹き込む酸素ガスの流量を制御するための酸素ガス流
量制御弁20が上吹きランス18の送入側に配置され、
底吹きノズルの送入側には不活性ガスの流量を制御する
ための不活性ガス流量制御弁21が設けられていて、制
御装置23等を介してそれぞれの流量を調整できる。さ
らに、真空槽15もしくは排気系の所定箇所には真空槽
15内の真空度を測定するための真空度計22が取付け
られている。この真空度計15で測定された真空度に対
応した信号、浸漬管14と取鍋13間の相対位置の信
号、及び溶鋼11中の炭素濃度の信号等が制御装置23
に取り込まれ、制御装置23ではこれらの入力信号、及
び後述する作動手順等に従って、排気装置16及び昇降
駆動装置17を制御して必要な動作を行わせることがで
きるようになっている。なお、前記溶鋼11中の炭素濃
度を求めるに際しては、直接的に溶鋼11の炭素濃度を
測定してもよいし、精錬前の炭素濃度、及び排気ガス中
のCOガス濃度の変化履歴に基づいて計算することもで
きる。また、予め処理工程毎の炭素濃度の時間変化を求
めておき、これに従って特定時刻における炭素濃度を推
定することも可能である。取鍋13はアルミナシリカ質
等の耐火物で内張りされた略円筒形状の溶鋼容器であ
る。浸漬管14及び真空槽15は両者が同径となる円筒
形状の耐火物からなる装置(直胴型浸漬管14)であ
る。
【0013】続いて、本発明の一実施の形態に係るステ
ンレス鋼の真空脱炭精錬方法について説明する。まず、
転炉にて粗脱炭精錬されたクロム濃度8wt%、炭素濃
度1.2wt%であるステンレス鋼用の溶鋼11を取鍋
13に注入して、浸漬管14の下方に位置付ける。次
に、昇降駆動装置17を作動させて、浸漬管14の下端
部を取鍋13内の溶鋼11中に浸漬させ、排気装置16
により真空槽15内を排気して、真空槽15内の真空度
(P)を所定のレベルに維持する。これにより浸漬管1
4内の溶鋼11が大気圧により押し上げられて、溶鋼面
が上昇して、図1に示すように浸漬管14の浸漬深さ
(h)、及び取鍋13内の溶鋼深さ(H)が変化する。
そして、この状態を維持したまま上吹きランス18から
酸素ガスを所定の酸素ガス流量(Q)で供給すると共
に、ポーラスプラグ19からアルゴンガスを所定の不活
性ガス流量(N)で吹き込むことにより溶鋼11を撹拌
して溶鋼11の脱炭精錬を行う。
【0014】図2はこのような脱炭精錬中における溶鋼
11中の炭素濃度の時間変化を示す模式図であり、ここ
では高炭素濃度領域を規定する炭素濃度(C)を0.3
〜1.0wt%の範囲として、低炭素濃度領域を0.0
1〜0.3wt%の範囲に設定した場合について示して
いる。後述する図3〜図8においては、横軸の時間(時
刻)目盛りを揃えて配置し、このような高炭素濃度領域
及び低炭素濃度領域に対応する領域をそれぞれ図示して
いる。図3〜図8はそれぞれ真空脱炭精錬時における、
浸漬比(h/H)、酸素ガス流量(Q)、酸素ガス流量
の減少速度(R)、真空槽15の真空度(P)、不活性
ガス流量(N)、及び浸漬管14の浸漬深さ(h)の時
間変化の模式図である。
【0015】まず、高炭素濃度領域における真空脱炭精
錬について図2〜図8を参照しながら説明する。高炭素
濃度領域においては、溶鋼11中の炭素濃度の変化を監
視あるいは推定しながら、制御装置23の作動あるいは
オペレータの操作により、酸素ガス流量制御弁20、不
活性ガス流量制御弁21、昇降駆動装置17、及び排気
装置16を制御して、酸素ガス流量(Q)を3〜25N
3 /h/tに、不活性ガス流量(N)を0.3〜4.
0Nリットル/分/tに、浸漬比(h/H)を0.1〜
0.6に、真空度(P)を200torr以上にの範囲
にそれぞれ図4、図7、図3及び図6に示すように維持
して、脱炭精錬を行うものである。そして、続く低炭素
濃度領域においては、図3〜8に示すように酸素ガス流
量制御弁20を調整することにより酸素ガス流量(Q)
を毎分0.5〜12.5Nm3 /h/tの減少速度
(R)で低減すると共に、昇降駆動装置17を作動させ
て溶鋼11の浸漬深さ(h)を図8に示すように所定範
囲内で増減させて脱炭精錬を継続する。なお、酸素ガス
流量(Q)の減少速度は、酸素ガス流量(Q)の時間変
化における傾きの大きさ即ち、酸素ガス流量(Q)の時
間微分量であり、単位は(Nm3 /h/t)/分とな
る。
【0016】このように本実施の形態においては、クロ
ムを含む溶鋼11の脱炭精錬操業において、酸素ガス流
量(Q)、不活性ガス流量(N)、真空度(P)、浸漬
比(h/H)、及び溶鋼11の浸漬深さ(h)を所定の
条件となるように制御することにより、以下の〜の
目的を同時に満たすようにしたものである。 脱炭酸素効率を高レベルに維持すると共に、スプラッ
シュを抑制する。酸素ガス流量と、不活性ガス流量、及
び真空度を適正範囲に維持することにより目的を達成す
ることができる。 クロムロスを防止する。クロムロスは浸漬管14内の
溶鋼面で酸化された溶鋼11中のクロム成分が浸漬管1
4下端を経由して浸漬管14壁と取鍋13内壁の間にス
ラグ12となって固着されることにより生じる。このた
め、浸漬比、及び不活性ガス流量、酸素ガス流量等を所
定範囲にバランスさせて維持することにより、前記クロ
ム成分(酸化クロム)の浸漬管14内の溶鋼11の対流
状態が適正に保たれて、酸化クロムが浸漬管14内で効
率的に鋼中の炭素により還元されクロム成分のスラグ1
2中への移行が抑制される。 浸漬管14の外壁と取鍋13の内壁間のスラグ12に
よる固着現象を回避できる。低炭素濃度領域の所定範囲
で浸漬管14と取鍋13との相対位置を変動させるの
で、このようなスラグ12による固着現象を防止するこ
とができる。
【0017】
【実施例】次に、表1、表2を参照しながらより詳細な
実験例について説明する。表1、及び表2に示す実施例
1〜9は図1に示す真空脱炭精錬設備を用いてそれぞれ
脱炭精錬を行った結果を示したものである。ここで、図
9〜図11は、脱炭酸素効率に対して、それぞれ浸漬比
(h/H)、不活性ガス流量(N)及び酸素ガス流量の
減少速度(R)との関係を求めたグラフである。図9及
び図10に示すように、浸漬比(h/H)を0.1〜
0.6として、不活性ガス流量(N)を0.3〜4.0
の範囲にそれぞれ維持することにより脱炭酸素効率を6
5%以上とすることができる。また図11から明らかな
ように、酸素ガス流量の減少速度(R)を0.6〜1
2.5Nm3 /h/t/分の範囲とすることにより、生
産性の悪化を招くことなく、脱炭酸素効率を65%以上
に維持できることが分かる。なお、図11の斜線部は全
体の精錬処理における処理時間等が長くなって、生産性
悪化を招くような領域を示している。例えば、実施例1
は高炭素濃度領域において、酸素ガス流量を規定の3〜
25Nm3 /h/tに維持すると共に、表1に示すよう
に、浸漬比(h/H)、不活性ガス流量(N)、真空度
(P)をそれぞれ0.3、1.7Nリットル/分/t、
225torrに維持して、続く低炭素濃度領域では、
酸素ガス流量(Q)を毎分6.7Nm3 /h/tの減少
速度で低減して、浸漬管14の浸漬深さ(h)の増減操
作を行った例を示している。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】そして、表1の結果の欄〜に示すよう
に、実施例1においてはスプラッシュの発生状況は少
なく良好(○)であり、脱炭酸素効率は高炭素濃度領
域、及び低炭素濃度領域においてそれぞれ74%、72
%となり、生産管理上必要とされる所定レベル(65
%)よりも高率であった。また、真空槽15と取鍋1
3間の固着はなく、クロムロスも所定のレベルより少
なく良好な結果(○)が得られた。従って実施例1にお
いては、前記〜のいずれの条件も満たしていて、総
合評価は良好(○)と判定された。このように実施例1
〜9においては、脱炭精錬の諸条件を適正に調整、維持
することにより、いずれも良好な総合評価(○)を得ら
れることが分かる。
【0021】一方、表3及び表4は本発明の範囲を逸脱
する条件における比較例1〜8を示すものであり、いず
れもその総合評価は不良(×)となっている。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】ここで、比較例1は、浸漬比(h/H)を
本発明の範囲(0.1〜0.6)から外れる値である
0.06に設定した例であって、この場合には高炭素濃
度領域における脱炭酸素高率が43%と良否の基準値で
ある65%より低い値になっている。また、比較例2
は、酸素ガス流量(Q)を本発明の範囲である3〜25
Nm3/h/tよりも高く外れる値に設定した例であっ
て、高炭素濃度領域における脱炭酸素高率は45%と低
率となる。比較例3は、不活性ガス流量(N)を本発明
の範囲(0.3〜4.0Nリットル/分/t)外である
0.15Nリットル/分/tに設定した例である。この
場合には高炭素濃度領域における脱炭酸素高率が38%
とさらに低率となっている。比較例4は、高炭素濃度領
域における酸素ガス流量を本発明の範囲である3〜25
Nm3 /h/tよりも低く外れる値に設定した例であっ
て、高炭素濃度領域における脱炭酸素高率は42%とな
り、不良と判定される。比較例5は、低炭素濃度領域に
おける酸素ガス流量の減少速度(R)を本発明の範囲
(0.5〜12.5Nm3 /h/t/分)から外れる値
である0.2Nm3 /h/t/分に設定した例を示す。
この場合には低炭素濃度領域における脱炭酸素高率が3
1%と低率になる。比較例6は、低炭素濃度領域におけ
る酸素ガス流量の減少速度(R)を本発明の範囲(0.
5〜12.5Nm3 /h/t/分)を越える値である1
6.2Nm3 /h/t/分に設定した例であり、クロム
ロス等が無視できない量となり生産性が著しく損なわれ
る。比較例7は、高炭素濃度領域における真空度(P)
を本発明の範囲(200torr〜760torr)を
外れる値である165torrに設定した例であり、浸
漬管14内のスプラッシュが激しくなることを示してい
る。最後に示す比較例8は、低炭素濃度領域において浸
漬管14浸漬深さ(h)を固定して脱炭精錬を行った例
を示し、取鍋13内壁と浸漬管14外壁の溶鋼面にスラ
グ12が付着して両者間に固着が生じ、生産障害となっ
た例を示している。
【0025】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、低炭素
濃度領域における浸漬管の浸漬深さ(h)を増減させる
操作を単調に減少させる場合について述べたが、本発明
は浸漬管外壁及び取鍋外壁間のスラグによる固着を防止
するものでるから、このような単調減少のみではなく浸
漬深さ(h)を不規則又は規則的に振動させたり、逆に
増加させるような方法を採用することも可能である。
【0026】
【発明の効果】請求項1〜6記載のステンレス鋼の真空
脱炭精錬方法においては、高炭素濃度領域における酸素
ガス流量及び不活性ガス流量をそれぞれ所定範囲に維持
し、続く低炭素濃度領域では、前記酸素ガス流量を特定
範囲内となる減少速度で低減すると共に、浸漬管の浸漬
深さを所定範囲内で増減させるので、脱炭酸素効率を高
レベルに維持することができ、浸漬管内のスプラッシュ
の発生や浸漬管の固着を防止して、クロムロスの少ない
効率的な脱炭精錬を行うことができる。特に、請求項2
記載のステンレス鋼の真空脱炭精錬方法においては、高
炭素濃度領域における溶鋼の炭素濃度を特定範囲に規定
しているので、脱炭反応の律速段階に応じて適正な操業
を行うことが可能となり、さらに効率的な脱炭精錬を行
うことができる。また、請求項3記載のステンレス鋼の
真空脱炭精錬方法においては、溶鋼のクロム含有量を規
定しているので、溶鋼中に吹き込まれる酸素ガスによる
クロムの酸化反応を適正に制御することが容易である。
請求項4記載のステンレス鋼の真空脱炭精錬方法におい
ては、高炭素濃度領域における浸漬管の浸漬深さと取鍋
内の溶鋼の深さとの浸漬比を特定範囲に規定しているの
で、浸漬管内に生成する溶鋼の対流現象によって浸漬管
外に移動する酸化クロムの量を抑制することができ、ク
ロムロス及び固着現象をさらに抑制できる。請求項5記
載のステンレス鋼の真空脱炭精錬方法においては、高炭
素濃度領域における真空槽の真空度を200torr以
上に維持するので、脱炭酸素効率を所定レベルに維持す
ることができ、さらに効率的な脱炭精錬が可能である。
請求項6記載のステンレス鋼の真空脱炭精錬方法におい
ては、浸漬管が直胴型浸漬管であるので、浸漬管内に引
き込まれた溶鋼をより効率的に脱炭精錬することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るステンレス鋼の真
空脱炭精錬方法を適用する真空脱炭精錬設備の説明図で
ある。
【図2】脱炭精錬中における溶鋼中の炭素濃度の時間変
化を示す模式図である。
【図3】脱炭精錬中における浸漬比(h/H)の時間変
化を示す模式図である。
【図4】脱炭精錬中における酸素ガス流量の時間変化を
示す模式図である。
【図5】脱炭精錬中における酸素ガス流量の減少速度の
時間変化を示す模式図である。
【図6】脱炭精錬中における真空槽の真空度の時間変化
を示す模式図である。
【図7】脱炭精錬中における不活性ガス流量の時間変化
を示す模式図である。
【図8】脱炭精錬中における浸漬管の浸漬深さ(h)の
時間変化を示す模式図である。
【図9】脱炭酸素効率と浸漬比(h/H)との関係を求
めたグラフである。
【図10】脱炭酸素効率と不活性ガス流量との関係を求
めたグラフである。
【図11】脱炭酸素効率と酸素ガス流量の減少速度との
関係を求めたグラフである。
【図12】従来例における真空脱炭精錬方法の説明図で
ある。
【符号の説明】
10 真空脱炭精錬設備 11 溶鋼 12 スラグ 13 取鍋 14 浸漬管 15 真空槽 16 排気装置 17 昇降駆動
装置 18 上吹きランス 19 ポーラスプラグ(底吹きノズル) 20 酸素ガス流量制御弁 21 不活性ガ
ス流量制御弁 22 真空度計 23 制御装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋に保持されたクロムを含む溶鋼に浸
    漬管を浸漬し、該浸漬管に連通する真空槽内を減圧する
    と共に、該真空槽上部の上吹きランスを介して酸素ガス
    を吹き込みながら、前記取鍋底部の底吹きノズルから供
    給される不活性ガスにより前記溶鋼を撹拌するステンレ
    ス鋼の真空脱炭精錬方法において、前記溶鋼の高炭素濃
    度領域では、前記酸素ガスの酸素ガス流量を3〜25N
    3 /h/t−steelに、前記不活性ガスの不活性
    ガス流量を0.3〜4.0Nリットル/分/t−ste
    elにそれぞれ維持し、 続く前記溶鋼の低炭素濃度領域では、前記酸素ガス流量
    を毎分0.5〜12.5Nm3 /h/t−steelの
    減少速度で低減すると共に、前記浸漬管の浸漬深さを所
    定範囲内で増減することを特徴とするステンレス鋼の真
    空脱炭精錬方法。
  2. 【請求項2】 前記高炭素濃度領域における溶鋼の炭素
    濃度が0.3〜1wt%であり、前記低炭素濃度領域に
    おける溶鋼の炭素濃度が0.01〜0.3wt%である
    ことを特徴とする請求項1記載のステンレス鋼の真空脱
    炭精錬方法。
  3. 【請求項3】 前記溶鋼のクロム含有量が5〜30wt
    %であることを特徴とする請求項1又は2記載のステン
    レス鋼の真空脱炭精錬方法。
  4. 【請求項4】 前記高炭素濃度領域における前記浸漬管
    の浸漬深さと前記取鍋内の溶鋼深さとの浸漬比を0.1
    〜0.6とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のステンレス鋼の真空脱炭精錬方法。
  5. 【請求項5】 前記高炭素濃度領域における前記真空槽
    の真空度を200torr以上に維持することを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載のステンレス鋼
    の真空脱炭精錬方法。
  6. 【請求項6】 前記浸漬管が直胴型浸漬管であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のステン
    レス鋼の真空脱炭精錬方法。
JP24715796A 1996-08-28 1996-08-28 ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法 Withdrawn JPH1068013A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24715796A JPH1068013A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24715796A JPH1068013A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1068013A true JPH1068013A (ja) 1998-03-10

Family

ID=17159292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24715796A Withdrawn JPH1068013A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1068013A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003004707A1 (fr) * 2001-07-02 2003-01-16 Nippon Steel Corporation Procede de raffinage de decarburation d'acier fondu contenant du chrome
CN116716453A (zh) * 2023-04-28 2023-09-08 马鞍山钢铁股份有限公司 一种防止rh精炼过程真空槽冷钢粘结的方法及应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003004707A1 (fr) * 2001-07-02 2003-01-16 Nippon Steel Corporation Procede de raffinage de decarburation d'acier fondu contenant du chrome
US6830606B2 (en) 2001-07-02 2004-12-14 Nippon Steel Corporation Method for decarbonization refining of chromium-containing molten steel
CN116716453A (zh) * 2023-04-28 2023-09-08 马鞍山钢铁股份有限公司 一种防止rh精炼过程真空槽冷钢粘结的方法及应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4207820B2 (ja) 真空脱ガス装置の利用方法
JPH1068013A (ja) ステンレス鋼の真空脱炭精錬方法
CN106191381B (zh) 一种在RH工位快速脱除炉渣中FeO的方法
JP6911590B2 (ja) 鋼の溶製方法
EP1111073A1 (en) Refining method and refining apparatus of molten steel
JP2724035B2 (ja) 溶鋼の減圧脱炭法
JP6897363B2 (ja) 鋼の溶製方法
JP2005517812A (ja) 溶鋼を深脱炭する方法
JP4035904B2 (ja) 清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法
JP2985720B2 (ja) 極低炭素鋼の真空精錬方法
JP4062213B2 (ja) Rh脱ガス装置における溶鋼の成分調整方法
JP2000087131A (ja) 極低炭素鋼の溶製方法
JP3282487B2 (ja) ホーロー用鋼の製造方法
JP2962163B2 (ja) 高清浄極低炭素鋼の溶製方法
JP3706451B2 (ja) 高クロム鋼の減圧脱炭方法
JP2001064719A (ja) 溶鋼の真空精錬方法
JPH1161238A (ja) ステンレス溶鋼の吹錬方法
JP3747653B2 (ja) Rh真空脱ガス装置における清浄鋼の製造方法
JPH02209417A (ja) 脱ガス精錬方法
JP3777065B2 (ja) 低炭素溶鋼の減圧下粉体脱りん方法および減圧下粉体脱りん用反応容器
JPH05279721A (ja) 転炉排滓法
JP3742534B2 (ja) 減圧精錬装置およびそれを用いた低炭素鋼の溶製方法
JP2723915B2 (ja) 高炉鋳床における溶銑の予備処理方法
JP2000178636A (ja) Rh真空脱ガス装置における清浄鋼の製造方法
JPH0949013A (ja) 真空脱ガス装置による溶鋼の精錬方法及び真空脱ガス装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031104