JPH1068021A - 衝突特性に優れた接合構造部材の製造方法 - Google Patents
衝突特性に優れた接合構造部材の製造方法Info
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- JPH1068021A JPH1068021A JP8226717A JP22671796A JPH1068021A JP H1068021 A JPH1068021 A JP H1068021A JP 8226717 A JP8226717 A JP 8226717A JP 22671796 A JP22671796 A JP 22671796A JP H1068021 A JPH1068021 A JP H1068021A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】自動車走行時の衝突エネルギーの適正な吸収を
最少重量増で達成する接合構造部材の製造法の提供。 【解決手段】(1)鋼製部材の点接合部を高周波焼入
れ、又はレーザー焼入れする接合構造部材の製造方法。 (2)金属製部材の点接合部に予め接着剤を塗布した後
に点接合する接合構造部材の製造方法。
最少重量増で達成する接合構造部材の製造法の提供。 【解決手段】(1)鋼製部材の点接合部を高周波焼入
れ、又はレーザー焼入れする接合構造部材の製造方法。 (2)金属製部材の点接合部に予め接着剤を塗布した後
に点接合する接合構造部材の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合構造部材、な
かでも自動車車体のメンバに関わるもので、フロントサ
イドメンバ、フードリッチレインフォース、イクステン
ションメンバ、リアサイドメンバ、サイドシル、クロス
メンバなどの接合構造部材の製造方法に関する。
かでも自動車車体のメンバに関わるもので、フロントサ
イドメンバ、フードリッチレインフォース、イクステン
ションメンバ、リアサイドメンバ、サイドシル、クロス
メンバなどの接合構造部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の走行時衝突の車体内人体への衝
撃を和らげるという観点から、車体を構成する部材が衝
突のエネルギーを適切な範囲で吸収するものであること
が望ましいのは言うまでもない。
撃を和らげるという観点から、車体を構成する部材が衝
突のエネルギーを適切な範囲で吸収するものであること
が望ましいのは言うまでもない。
【0003】現在、走行時の衝突エネルギーを適切に吸
収するために、検討又は実施されている方法はつぎのと
おりである。
収するために、検討又は実施されている方法はつぎのと
おりである。
【0004】成形後、高密度エネルギー源、たとえ
ば、レーザー光を鋼板表面に照射して板厚を貫通する凝
固域を形成することにより、高強度化をはかる方法(特
開平6−73438号公報)。
ば、レーザー光を鋼板表面に照射して板厚を貫通する凝
固域を形成することにより、高強度化をはかる方法(特
開平6−73438号公報)。
【0005】接合構造部材の接合面の全面に構造接着
剤を塗布した後に点接合し衝突エネルギーの吸収を高め
る方法(Symposium & Exhibition、新時代を担う構造接
着剤:1991.3.18〜3.19. SAE(Society Automotive Engi
neers) of Japan)。
剤を塗布した後に点接合し衝突エネルギーの吸収を高め
る方法(Symposium & Exhibition、新時代を担う構造接
着剤:1991.3.18〜3.19. SAE(Society Automotive Engi
neers) of Japan)。
【0006】業界の通常の方法として、部材の各部に
補強板をスポット溶接する方法。
補強板をスポット溶接する方法。
【0007】しかしながら、の方法は鋼板全体として
高強度化するためには多くの工数を必要とし、また、変
形が大きく現れるなどの問題がある。
高強度化するためには多くの工数を必要とし、また、変
形が大きく現れるなどの問題がある。
【0008】の方法は、接合面全体に接着剤を塗布す
るためコスト増が無視できない。
るためコスト増が無視できない。
【0009】また、の方法は補強板の設置位置や形状
がスポット溶接しやすいという条件を前提にして設計さ
れるので、エネルギー吸収特性の適正化を車体の最少重
量増で達成できず、車体の軽量化に逆行するという不具
合を生じる。逆に、最少重量増でエネルギー吸収特性を
適正化するために適切な位置に補強板を接合しようとす
ると、スポットなどの組立工程が煩雑になり、生産性が
悪くなるという不具合を生じる。
がスポット溶接しやすいという条件を前提にして設計さ
れるので、エネルギー吸収特性の適正化を車体の最少重
量増で達成できず、車体の軽量化に逆行するという不具
合を生じる。逆に、最少重量増でエネルギー吸収特性を
適正化するために適切な位置に補強板を接合しようとす
ると、スポットなどの組立工程が煩雑になり、生産性が
悪くなるという不具合を生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生産性を低
下させず、安価に、少ない重量増で適正なエネルギー吸
収特性を達成する接合構造部材の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
下させず、安価に、少ない重量増で適正なエネルギー吸
収特性を達成する接合構造部材の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、下記の事項を確認する
ことができた。
を解決すべく鋭意検討した結果、下記の事項を確認する
ことができた。
【0012】(a)これまで、接合構造部材は、車両衝
突時に部材が蛇腹状に潰れる際に、コーナ部が有効に変
形することにより衝撃が吸収されるものと考えられてき
た。しかしながら、本発明者らが数値解析した結果、最
も大きな歪みを受け持っているのは、スポット溶接部近
傍であり、次いで、コーナ部であることが判明した。実
際に、圧壊試験後の試験体の歪みによる加工硬化の状態
を調べると、数値解析結果通りに、スポット溶接部が最
も硬化が激しく(母材の約3倍程度)、次いでコーナ部
であった。
突時に部材が蛇腹状に潰れる際に、コーナ部が有効に変
形することにより衝撃が吸収されるものと考えられてき
た。しかしながら、本発明者らが数値解析した結果、最
も大きな歪みを受け持っているのは、スポット溶接部近
傍であり、次いで、コーナ部であることが判明した。実
際に、圧壊試験後の試験体の歪みによる加工硬化の状態
を調べると、数値解析結果通りに、スポット溶接部が最
も硬化が激しく(母材の約3倍程度)、次いでコーナ部
であった。
【0013】(b)この結果に基づき、スポット溶接部
近傍を強化することにより、エネルギ吸収量を向上させ
ることが可能である。
近傍を強化することにより、エネルギ吸収量を向上させ
ることが可能である。
【0014】(c)スポット溶接部近傍の強化は、鋼
からなる車両フレーム材の場合には高周波焼入れか又は
レーザー焼入れにより、また、鋼か他の金属かによら
ず、金属製の車両フレーム材の場合は接着剤により達成
される。
からなる車両フレーム材の場合には高周波焼入れか又は
レーザー焼入れにより、また、鋼か他の金属かによら
ず、金属製の車両フレーム材の場合は接着剤により達成
される。
【0015】本発明は、上記の事項を組み合わせて完成
されたもので、下記の衝突特性に優れた接合構造部材の
製造方法を要旨とする。
されたもので、下記の衝突特性に優れた接合構造部材の
製造方法を要旨とする。
【0016】(1)鋼製部材の点接合部を高周波焼入れ
するか、又はレーザー焼入れする衝突特性に優れた接合
構造部材の製造方法(〔発明1〕とする)。
するか、又はレーザー焼入れする衝突特性に優れた接合
構造部材の製造方法(〔発明1〕とする)。
【0017】(2)金属製部材の点接合部に予め接着剤
を塗布した後に点接合する衝突特性に優れた接合構造部
材の製造方法(〔発明2〕とする)。
を塗布した後に点接合する衝突特性に優れた接合構造部
材の製造方法(〔発明2〕とする)。
【0018】ここで、部材とは接合によって構成され
る、主に車両フレーム部材をさし、例えば、フランジ面
にサイドメンバが接合される閉断面構造のハット部材等
が該当する。
る、主に車両フレーム部材をさし、例えば、フランジ面
にサイドメンバが接合される閉断面構造のハット部材等
が該当する。
【0019】点接合とは、ほとんどの場合、スポット溶
接が該当するが、リベット、ボルト、メカニカルクリン
チやプロジェクション溶接による方法も該当する。
接が該当するが、リベット、ボルト、メカニカルクリン
チやプロジェクション溶接による方法も該当する。
【0020】“衝突特性に優れた”とは、部材の吸収エ
ネルギが従来の普通鋼板を用いたものより高くなること
をいう。
ネルギが従来の普通鋼板を用いたものより高くなること
をいう。
【0021】上記〔発明1〕又は〔発明2〕における
“点接合部”とは、接合部の周囲を含んだ点接合部をさ
す。点接合は接着剤があっても可能なので、高周波焼入
れする場合(〔発明1〕)のみならず、接着剤を予め塗
布する場合(〔発明2〕)も、上記範囲を点接合部とす
る。
“点接合部”とは、接合部の周囲を含んだ点接合部をさ
す。点接合は接着剤があっても可能なので、高周波焼入
れする場合(〔発明1〕)のみならず、接着剤を予め塗
布する場合(〔発明2〕)も、上記範囲を点接合部とす
る。
【0022】接着剤とは、鋼板等の接着に用いられる構
造接着剤のことを指す。
造接着剤のことを指す。
【0023】
1.部材の材質及び点接合 部材の材質は大部分が軟鋼板であるが、軟鋼板に限定す
る理由はなく、鋼種、強度レベルが変化しても、もちろ
ん、本発明の対象であり、軟鋼板と同様な作用が得られ
る。接着剤で点接合部を強化する〔発明2〕の場合は、
鋼でなく、鋼以外の金属、たとえばアルミ等であっても
よい。
る理由はなく、鋼種、強度レベルが変化しても、もちろ
ん、本発明の対象であり、軟鋼板と同様な作用が得られ
る。接着剤で点接合部を強化する〔発明2〕の場合は、
鋼でなく、鋼以外の金属、たとえばアルミ等であっても
よい。
【0024】また、上記したように点接合方法は通常の
条件によるスポット溶接が主に用いられるが、スポット
溶接の代わりに、リベット、ボルト、メカニカルクリン
チやプロジェクション溶接を用いることも可能である。
条件によるスポット溶接が主に用いられるが、スポット
溶接の代わりに、リベット、ボルト、メカニカルクリン
チやプロジェクション溶接を用いることも可能である。
【0025】2.高周波焼入れ及び接着 前記の数値解析において衝突時に高いひずみが発生する
部分は、点接合部の周囲であり、この部分を強化すれば
衝突時のエネルギをより多く吸収できることになる。強
化手法の工業的手段としては、〔発明1〕においては、
点接合部を高周波焼入れもしくはレーザー焼入れする
か、又は予め定めた個所を高周波焼入れもしくはレーザ
ー焼入れした後、その部分を点接合する。〔発明1〕の
場合、点接合部を高周波焼入れするとき、点接合部の周
囲のみならず結果的に点接合部そのものも高周波焼入れ
することになるが、これは本発明において不都合なこと
ではなくむしろ望ましい。
部分は、点接合部の周囲であり、この部分を強化すれば
衝突時のエネルギをより多く吸収できることになる。強
化手法の工業的手段としては、〔発明1〕においては、
点接合部を高周波焼入れもしくはレーザー焼入れする
か、又は予め定めた個所を高周波焼入れもしくはレーザ
ー焼入れした後、その部分を点接合する。〔発明1〕の
場合、点接合部を高周波焼入れするとき、点接合部の周
囲のみならず結果的に点接合部そのものも高周波焼入れ
することになるが、これは本発明において不都合なこと
ではなくむしろ望ましい。
【0026】高周波焼入れは通常の条件にて行うことが
できる。例えば軟鋼の場合、高周波電源の周波数が20
kHz以上のものを用い、825℃以上に数分間加熱し
て、窒素ガス等を噴射して冷却して焼入れをおこなう。
焼入れられた点溶接の周囲では、軟鋼の場合、母材強度
よりも約2〜3割強度向上する。レーザー焼入れも、市
販のレーザー照射装置を用い、鋼が溶解しない範囲の通
常の条件で加熱した後、窒素ガス等を噴射し冷却するこ
とにより焼入れをおこなう。
できる。例えば軟鋼の場合、高周波電源の周波数が20
kHz以上のものを用い、825℃以上に数分間加熱し
て、窒素ガス等を噴射して冷却して焼入れをおこなう。
焼入れられた点溶接の周囲では、軟鋼の場合、母材強度
よりも約2〜3割強度向上する。レーザー焼入れも、市
販のレーザー照射装置を用い、鋼が溶解しない範囲の通
常の条件で加熱した後、窒素ガス等を噴射し冷却するこ
とにより焼入れをおこなう。
【0027】〔発明1〕及び〔発明2〕ともに、上記し
たように点接合部の周囲を含むが、この“点接合部の周
囲”としては、点接合部のまわりを“少なくとも5mm
の幅でふちどる部分”とすることが望ましい。
たように点接合部の周囲を含むが、この“点接合部の周
囲”としては、点接合部のまわりを“少なくとも5mm
の幅でふちどる部分”とすることが望ましい。
【0028】ここで、“幅5mmのふちどり”とは、た
とえば、“孔あきコイン”の“孔”を“点接合部”と
し、“孔でない部分”を点接合部の“周囲”、すなわち
“ふち”とするとき、孔あきコインの外半径から孔の半
径を差し引いた残りの長さが5mmであることをさす。
“少なくとも”であるから、最低でもこの長さが5mm
はあり、通常はそれ以上の長さであることが望ましい。
とえば、“孔あきコイン”の“孔”を“点接合部”と
し、“孔でない部分”を点接合部の“周囲”、すなわち
“ふち”とするとき、孔あきコインの外半径から孔の半
径を差し引いた残りの長さが5mmであることをさす。
“少なくとも”であるから、最低でもこの長さが5mm
はあり、通常はそれ以上の長さであることが望ましい。
【0029】高周波焼入れ、もしくはレーザー焼入れす
る範囲、又は接着剤を充填する範囲が、点接合部及びそ
の周囲の幅5mm未満の場合では、衝突のエネルギー吸
収が不十分であり、人体への影響を和らげる域にまでに
ならない。
る範囲、又は接着剤を充填する範囲が、点接合部及びそ
の周囲の幅5mm未満の場合では、衝突のエネルギー吸
収が不十分であり、人体への影響を和らげる域にまでに
ならない。
【0030】点接合部の周囲の幅の上限はとくに限定し
ないが、高周波焼入れの場合は、通常の高周波焼入れ装
置の範囲を考慮して、この幅は20mm程度以下である
ことが望ましい。
ないが、高周波焼入れの場合は、通常の高周波焼入れ装
置の範囲を考慮して、この幅は20mm程度以下である
ことが望ましい。
【0031】また、〔発明2〕においては部材が接触す
る面の全てに接着剤を塗布することは対象としない。全
面に接着剤を充填する方法は、点接合部の周囲のみに限
定する〔発明2〕の方法に較べて大きな効果はないとい
う知見に基づいているからである。実際、全面に接着剤
を塗布する方法はコストを上昇させる割に〔発明2〕の
方法に比して効果があまり向上しない。接着剤を塗布す
る範囲の上限もコストと効果を考慮して、上記の“幅”
を20mm程度以下とすることが望ましい。
る面の全てに接着剤を塗布することは対象としない。全
面に接着剤を充填する方法は、点接合部の周囲のみに限
定する〔発明2〕の方法に較べて大きな効果はないとい
う知見に基づいているからである。実際、全面に接着剤
を塗布する方法はコストを上昇させる割に〔発明2〕の
方法に比して効果があまり向上しない。接着剤を塗布す
る範囲の上限もコストと効果を考慮して、上記の“幅”
を20mm程度以下とすることが望ましい。
【0032】〔発明2〕における接着剤としては、市販
の一液型熱硬化タイプエポキシ系接着剤(サンスター技
研製:E−6973)を使用することができる。これら
の接着剤の粘度は、なるべく高いことが望ましい。接着
剤は鋼板表面を清浄にした後、点接合部分に塗布する。
通常、接着剤を上記のように塗布した後に点接合をおこ
ない、その後、接着剤の硬化のために130〜200℃
の温度域の硬化処理をする。
の一液型熱硬化タイプエポキシ系接着剤(サンスター技
研製:E−6973)を使用することができる。これら
の接着剤の粘度は、なるべく高いことが望ましい。接着
剤は鋼板表面を清浄にした後、点接合部分に塗布する。
通常、接着剤を上記のように塗布した後に点接合をおこ
ない、その後、接着剤の硬化のために130〜200℃
の温度域の硬化処理をする。
【0033】接着に用いる接着剤の硬化後のT剥離強度
は、衝突エネルギーを十分に吸収する観点から150N
/25mm以上であることが望ましい。硬化後のT剥離
強度が150N/25mm以上の場合には、走行時の衝
突を想定した後記する試験において、150N/25m
m未満のT剥離強度の接着剤に比較して部材の吸収エネ
ルギ量が向上する。
は、衝突エネルギーを十分に吸収する観点から150N
/25mm以上であることが望ましい。硬化後のT剥離
強度が150N/25mm以上の場合には、走行時の衝
突を想定した後記する試験において、150N/25m
m未満のT剥離強度の接着剤に比較して部材の吸収エネ
ルギ量が向上する。
【0034】ここで、T剥離強度とは、板幅25mmの
2枚の金属板の間に接着剤をサンドイッチ状にはさみ接
着させた後、接着面に垂直方向に板の端から接着をはが
すのに要する応力をいう。
2枚の金属板の間に接着剤をサンドイッチ状にはさみ接
着させた後、接着面に垂直方向に板の端から接着をはが
すのに要する応力をいう。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、詳細に説明
する。以後の説明において試験番号とは“試験体の番
号”と解してもよいし、“各試験体の試験番号”と解し
てもよい。
する。以後の説明において試験番号とは“試験体の番
号”と解してもよいし、“各試験体の試験番号”と解し
てもよい。
【0036】各試験番号の製作方法はつぎの通りであ
る。
る。
【0037】試験番号1(本発明例) 図1は点溶接を高周波焼入れによって強化した本発明例
の接合構造部材を示す。各部材は軟鋼板(t=1.6m
m)からなる成形された真直部材であって、サイドメン
バ1とクロージングプレート2がスポット溶接部3によ
って接合されている。ハット部材を作成後、スポット溶
接部3の中心から半径20mm以内(以下、“焼入れゾ
ーン20mm”という)を高周波焼入れする。高周波焼
入れの際の最高到達温度は850℃、保持時間40秒間
で、焼入れは窒素ガスによるガス冷却とした。
の接合構造部材を示す。各部材は軟鋼板(t=1.6m
m)からなる成形された真直部材であって、サイドメン
バ1とクロージングプレート2がスポット溶接部3によ
って接合されている。ハット部材を作成後、スポット溶
接部3の中心から半径20mm以内(以下、“焼入れゾ
ーン20mm”という)を高周波焼入れする。高周波焼
入れの際の最高到達温度は850℃、保持時間40秒間
で、焼入れは窒素ガスによるガス冷却とした。
【0038】試験番号2(本発明例) 図2は点溶接近傍が接着剤で強化されている本発明例の
接合構造部材を示す。試験番号1と同じサイドメンバ1
とクロージングプレート2を用意したのちに、フランジ
部のスポット溶接を行う個所に、周囲を含んだ点接合部
として、直径20mmの円形に接着剤を塗布する。その
後にその部分をスポット溶接するという、いわゆるウェ
ルドボンド工法を採用し、150℃で20分間の焼き付
け硬化処理を施した。このとき使用した接着剤のT剥離
強度は、195N/25mmであった。
接合構造部材を示す。試験番号1と同じサイドメンバ1
とクロージングプレート2を用意したのちに、フランジ
部のスポット溶接を行う個所に、周囲を含んだ点接合部
として、直径20mmの円形に接着剤を塗布する。その
後にその部分をスポット溶接するという、いわゆるウェ
ルドボンド工法を採用し、150℃で20分間の焼き付
け硬化処理を施した。このとき使用した接着剤のT剥離
強度は、195N/25mmであった。
【0039】試験番号3及び4(本発明例) 焼入れゾーンが20mmより広いケースと、焼入れが不
十分な本発明例を示す。試験番号3は、焼入れゾーンが
25mmのケースであり、試験番号4は、焼入れゾーン
は、20mm以内であるが、冷却が不十分で硬化が十分
でないケースである。それぞれ、その他の構造、製造法
は試験番号1と全く同様である。
十分な本発明例を示す。試験番号3は、焼入れゾーンが
25mmのケースであり、試験番号4は、焼入れゾーン
は、20mm以内であるが、冷却が不十分で硬化が十分
でないケースである。それぞれ、その他の構造、製造法
は試験番号1と全く同様である。
【0040】試験番号5(本発明例) T剥離強度:140N/25mmの接着剤に変更した以
外は、試験番号2と全く同様である。
外は、試験番号2と全く同様である。
【0041】試験番号6(従来例すなわち比較例) 図3は、上記試験番号1又は2において点溶接部の強化
をなんら行わず、点溶接のみをした接合構造部材を示
す。これを試験番号6とした。
をなんら行わず、点溶接のみをした接合構造部材を示
す。これを試験番号6とした。
【0042】試験番号7(比較例) 母材の引張強度が600MPa級の高張力鋼板を使用し
た以外は、試験番号3と全く同様である。
た以外は、試験番号3と全く同様である。
【0043】車体衝突試験は、車体重量1690kg及
び車体衝突速度55km/hで行い、部材が200mm
変位するまでのエネルギー吸収量を測定した。
び車体衝突速度55km/hで行い、部材が200mm
変位するまでのエネルギー吸収量を測定した。
【0044】表1はこの試験結果を表す。
【0045】
【表1】
【0046】試験番号6は従来の接合部材の結果を示す
ものであり、エネルギー吸収量は8.0kJであった。
また、試験番号7は鋼板に高張力鋼板を用い、点接合部
の強化をなんら行わなかったものの結果であるが、エネ
ルギー吸収量は10.5kJであった。
ものであり、エネルギー吸収量は8.0kJであった。
また、試験番号7は鋼板に高張力鋼板を用い、点接合部
の強化をなんら行わなかったものの結果であるが、エネ
ルギー吸収量は10.5kJであった。
【0047】本発明例である試験番号1又は2は、従来
法の試験番号6に較べて、エネルギー吸収量が約30%
向上する。これは、車両フレームの材質に一般軟鋼の2
倍の強度を有する高張力鋼を用いた試験番号7(比較
例)と同等の効果が得られることを示すものである。
法の試験番号6に較べて、エネルギー吸収量が約30%
向上する。これは、車両フレームの材質に一般軟鋼の2
倍の強度を有する高張力鋼を用いた試験番号7(比較
例)と同等の効果が得られることを示すものである。
【0048】試験番号3は、焼入れゾーン(硬化領域)
が広くなりすぎ、エネルギー吸収量は試験番号1ほどに
は向上しなかったが、それでも従来に比較して20%程
度エネルギー吸収量が向上する。
が広くなりすぎ、エネルギー吸収量は試験番号1ほどに
は向上しなかったが、それでも従来に比較して20%程
度エネルギー吸収量が向上する。
【0049】また、焼入れ時の条件が最適でない試験番
号4の場合でも、20%弱のエネルギー吸収量の改善が
認められた。
号4の場合でも、20%弱のエネルギー吸収量の改善が
認められた。
【0050】試験番号5では、接着剤のT剥離強度が低
いが、従来に比較して25%程度のエネルギー吸収量の
向上が認められた。
いが、従来に比較して25%程度のエネルギー吸収量の
向上が認められた。
【0051】本発明において、スポット溶接部の代わり
に、リベット、ボルト、メカニカルリンチやプロジェク
ション溶接を用いることも可能である。また、実施例で
は、母材を軟鋼板を中心に記述しているが、鋼種、強度
レベルが変化しても、作用が左右されるものではない。
に、リベット、ボルト、メカニカルリンチやプロジェク
ション溶接を用いることも可能である。また、実施例で
は、母材を軟鋼板を中心に記述しているが、鋼種、強度
レベルが変化しても、作用が左右されるものではない。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、もともと点接合する個
所を強化するので、生産性を低下させず、安価、かつ重
量をほとんど増やさずに車体のエネルギー吸収特性の向
上を図ることが可能になる。衝突事故時の人体への損傷
を低減させる部材を提供できることになり、関連産業の
みならず一般国民にとっても非常に有益である。
所を強化するので、生産性を低下させず、安価、かつ重
量をほとんど増やさずに車体のエネルギー吸収特性の向
上を図ることが可能になる。衝突事故時の人体への損傷
を低減させる部材を提供できることになり、関連産業の
みならず一般国民にとっても非常に有益である。
【図1】点溶接部を高周波焼入れ又はレーザー焼入れに
よって強化した本発明例の接合構造部材を示す。
よって強化した本発明例の接合構造部材を示す。
【図2】点溶接部が接着剤で強化されている本発明例の
接合構造部材を示す。
接合構造部材を示す。
【図3】点溶接のみを行った従来の接合構造部材を示
す。
す。
1…サイドメンバ 2…クロージングプレート 3…スポット溶接部 4…高周波焼入れ部 5…接着剤塗布部
Claims (2)
- 【請求項1】鋼製部材の点接合部を高周波焼入れする
か、又はレーザー焼入れすることを特徴とする衝突特性
に優れた接合構造部材の製造方法。 - 【請求項2】金属製部材の点接合部に予め接着剤を塗布
した後に点接合することを特徴とする衝突特性に優れた
接合構造部材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8226717A JPH1068021A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 衝突特性に優れた接合構造部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8226717A JPH1068021A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 衝突特性に優れた接合構造部材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1068021A true JPH1068021A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=16849534
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8226717A Pending JPH1068021A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 衝突特性に優れた接合構造部材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1068021A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006054023A1 (fr) * | 2004-11-19 | 2006-05-26 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Procede et dispositif de soudure electrique par points avec creation d' une zone de contact permanent autour du point de soudure |
| JP2013223872A (ja) * | 2012-04-23 | 2013-10-31 | Kyushu Institute Of Technology | 焼入れ硬化性金属板の溶接方法および接合金属板 |
| WO2014024997A1 (ja) * | 2012-08-08 | 2014-02-13 | 新日鐵住金株式会社 | 重ね合せ部の溶接方法、重ね溶接部材の製造方法、重ね溶接部材及び自動車用部品 |
| RU2756958C1 (ru) * | 2020-12-22 | 2021-10-07 | Акционерное общество "МЕТРОВАГОНМАШ" (АО "МЕТРОВАГОНМАШ") | Сварная конструкция и способ получения нахлесточного сварного соединения точечной лазерной сваркой |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP8226717A patent/JPH1068021A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006054023A1 (fr) * | 2004-11-19 | 2006-05-26 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Procede et dispositif de soudure electrique par points avec creation d' une zone de contact permanent autour du point de soudure |
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| RU2606667C2 (ru) * | 2012-08-08 | 2017-01-10 | Ниппон Стил Энд Сумитомо Метал Корпорейшн | Способ сварки внахлестку участка, способ изготовления сваренного внахлестку элемента, сваренный внахлестку элемент и автомобильная деталь |
| US10549388B2 (en) | 2012-08-08 | 2020-02-04 | Nippon Steel Corporation | Method of welding overlapped portion, method of manufacturing overlap-welded member, overlap-welded member, and automotive part |
| RU2756958C1 (ru) * | 2020-12-22 | 2021-10-07 | Акционерное общество "МЕТРОВАГОНМАШ" (АО "МЕТРОВАГОНМАШ") | Сварная конструкция и способ получения нахлесточного сварного соединения точечной лазерной сваркой |
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