JPH1068053A - 靭性の等方性に優れたAl−Li系合金薄板材の製造方法 - Google Patents
靭性の等方性に優れたAl−Li系合金薄板材の製造方法Info
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- JPH1068053A JPH1068053A JP24570696A JP24570696A JPH1068053A JP H1068053 A JPH1068053 A JP H1068053A JP 24570696 A JP24570696 A JP 24570696A JP 24570696 A JP24570696 A JP 24570696A JP H1068053 A JPH1068053 A JP H1068053A
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- Metal Rolling (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 等方性に優れた靭性と、伸び値を向上したA
l−Li系合金薄板材の製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%で(以下同じ)Li1.0〜3.
0%、Cu1.0〜3.0%、Mg0.5〜2.0%、
Zr0.04〜0.10%を含み、残部Alと不可避的
不純物からなるAl−Li系合金鋳塊を、均質化熱処理
及び熱間圧延の後、温度380〜420℃で2〜10時
間の中間焼鈍処理を行い、ついで加工率60%以上の冷
間圧延を施す。
l−Li系合金薄板材の製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%で(以下同じ)Li1.0〜3.
0%、Cu1.0〜3.0%、Mg0.5〜2.0%、
Zr0.04〜0.10%を含み、残部Alと不可避的
不純物からなるAl−Li系合金鋳塊を、均質化熱処理
及び熱間圧延の後、温度380〜420℃で2〜10時
間の中間焼鈍処理を行い、ついで加工率60%以上の冷
間圧延を施す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Al−Li系合金薄板
材の製造方法に係り、特に靭性の等方性に優れると共に
伸び値を向上したAl−Li系合金薄板材の製造方法に
関する。
材の製造方法に係り、特に靭性の等方性に優れると共に
伸び値を向上したAl−Li系合金薄板材の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】Li1.7〜3.0%とCu,Mg及び
Zrを含むAl−Li系合金は、展伸用Al合金の国際
規格において2020、2091、8090、8091
等で知られている。これらの合金は低密度に加えて高弾
性率化が可能であり、航空・宇宙機器、自動車、軌道車
輌等の軽量化構造材料としてより一層の用途拡大が期待
され、そのためには靭性の一層の向上、特に異方性の無
い靭性が望まれている。
Zrを含むAl−Li系合金は、展伸用Al合金の国際
規格において2020、2091、8090、8091
等で知られている。これらの合金は低密度に加えて高弾
性率化が可能であり、航空・宇宙機器、自動車、軌道車
輌等の軽量化構造材料としてより一層の用途拡大が期待
され、そのためには靭性の一層の向上、特に異方性の無
い靭性が望まれている。
【0003】従来これらAl−Li系合金の靭性向上に
関するものでは、結晶粒形状を冷間圧延によって制御す
ることにより、伸び値及び靭性を改善しようとするもの
(特開昭61−23751)、溶体化処理後に特定速度
で冷却し、冷間圧延を行った後時効処理することによっ
て、破壊靭性を向上させるもの(特開昭60−2215
43)等が提案されている。しかしながら、この種の合
金の用途の多くは薄板材であり、特に航空機の場合では
損傷許容型の設計がなされることが多く、引張特性のみ
でなく靭性における異方性が問題である。ところが薄板
材の場合、靭性の異方性の解消が不十分であった。
関するものでは、結晶粒形状を冷間圧延によって制御す
ることにより、伸び値及び靭性を改善しようとするもの
(特開昭61−23751)、溶体化処理後に特定速度
で冷却し、冷間圧延を行った後時効処理することによっ
て、破壊靭性を向上させるもの(特開昭60−2215
43)等が提案されている。しかしながら、この種の合
金の用途の多くは薄板材であり、特に航空機の場合では
損傷許容型の設計がなされることが多く、引張特性のみ
でなく靭性における異方性が問題である。ところが薄板
材の場合、靭性の異方性の解消が不十分であった。
【0004】一般に、板材の異方性の原因はミクロ組織
にあり、材料組織が変形母相と異なる立方体方位等を含
むランダムな方位に再結晶化することにより異方性が減
少すると考えられているが、これまでは材料組織をラン
ダムな方位に安定的に再結晶化させ異方性を無くすこと
は、従来の技術常識からは非常に困難であると考えら
れ、具体的方法は不明確であった。
にあり、材料組織が変形母相と異なる立方体方位等を含
むランダムな方位に再結晶化することにより異方性が減
少すると考えられているが、これまでは材料組織をラン
ダムな方位に安定的に再結晶化させ異方性を無くすこと
は、従来の技術常識からは非常に困難であると考えら
れ、具体的方法は不明確であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
を考慮してなされたものであって、靭性の等方性に優れ
ると共に伸び値を向上したAl−Li−Cu−Mg−Z
r系合金薄板材の製造方法を提供することを目的とす
る。
を考慮してなされたものであって、靭性の等方性に優れ
ると共に伸び値を向上したAl−Li−Cu−Mg−Z
r系合金薄板材の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者等はAl−Li系合金板の製造方法につい
て鋭意検討した結果、熱間圧延と冷間圧延の間において
特定条件下で中間焼鈍処理を行い、その後特定の圧下率
で冷間圧延する方法により、本発明の目的を達成するこ
とを見出し、この発明をなすに至った。
め、本発明者等はAl−Li系合金板の製造方法につい
て鋭意検討した結果、熱間圧延と冷間圧延の間において
特定条件下で中間焼鈍処理を行い、その後特定の圧下率
で冷間圧延する方法により、本発明の目的を達成するこ
とを見出し、この発明をなすに至った。
【0007】すなわち、本発明の靭性の等方性に優れた
Al−Li系合金薄板材の製造方法は、Li1.0〜
3.0%、Cu1.0〜3.0%、Mg0.5〜2.0
%、Zr0.04〜0.10%を含み、残部Alと不可
避的不純物からなるAl−Li系合金鋳塊を常法により
均質化処理した後、熱間圧延し、その後温度380〜4
20℃で2〜10時間の中間焼鈍処理を行い、ついで加
工率60%以上の冷間圧延を施すことを特徴とし、上記
Al−Li系合金薄板材の組織を微細に再結晶化せし
め、板材の集合組織に立方体方位を導入し、滑りをラン
ダム化することによって延性の向上と靭性の異方性を無
くすものである。
Al−Li系合金薄板材の製造方法は、Li1.0〜
3.0%、Cu1.0〜3.0%、Mg0.5〜2.0
%、Zr0.04〜0.10%を含み、残部Alと不可
避的不純物からなるAl−Li系合金鋳塊を常法により
均質化処理した後、熱間圧延し、その後温度380〜4
20℃で2〜10時間の中間焼鈍処理を行い、ついで加
工率60%以上の冷間圧延を施すことを特徴とし、上記
Al−Li系合金薄板材の組織を微細に再結晶化せし
め、板材の集合組織に立方体方位を導入し、滑りをラン
ダム化することによって延性の向上と靭性の異方性を無
くすものである。
【0008】本発明における化学成分の限定理由につい
て説明する。Li:Liは、軽量化元素であると共に、
準安定相δ´が析出し、強度向上、高剛性化に寄与す
る。Li含有量が1.0%未満では軽量化及び強度向上
の効果が不十分であり、また3.0%を超えるえると鋳
造割れ感受性が増大すると共に粗大な準安定相δ´を生
成するなどして合金の伸び値及び靭性を低下させるので
Li量の上限は3.0%とする。
て説明する。Li:Liは、軽量化元素であると共に、
準安定相δ´が析出し、強度向上、高剛性化に寄与す
る。Li含有量が1.0%未満では軽量化及び強度向上
の効果が不十分であり、また3.0%を超えるえると鋳
造割れ感受性が増大すると共に粗大な準安定相δ´を生
成するなどして合金の伸び値及び靭性を低下させるので
Li量の上限は3.0%とする。
【0009】Cu:Cuは、Al−Cu系の板状析出物
(Al2 Cu)や、Al−Cu−Li系の板状の析出相
(T1 相)を生成して強度及び靭性の向上に寄与する。
しかしその含有量が1.0%未満では効果が十分で無
く、また3.0%を超えると前記効果が飽和すると同時
に軽量化効果を減殺する。なおMg含有量が1.0%未
満の場合は、Cu含有量は1.5〜3.0%が望まし
く、またMg含有量が1.0%を超える場合はMgによ
る強度向上の効果も期待できるので、Cuは1.0〜
2.5%程度でも良い。
(Al2 Cu)や、Al−Cu−Li系の板状の析出相
(T1 相)を生成して強度及び靭性の向上に寄与する。
しかしその含有量が1.0%未満では効果が十分で無
く、また3.0%を超えると前記効果が飽和すると同時
に軽量化効果を減殺する。なおMg含有量が1.0%未
満の場合は、Cu含有量は1.5〜3.0%が望まし
く、またMg含有量が1.0%を超える場合はMgによ
る強度向上の効果も期待できるので、Cuは1.0〜
2.5%程度でも良い。
【0010】Mg:Mgは固溶効果により、伸び値及び
靭性を低下することなく合金を強化すると同時にAl−
Cu−Mg系の準安定相の板状析出物S´相(Al−C
uMg)を生成し、これによりさらに強度向上に寄与す
る。Mg含有量が0.5%未満では強度向上の効果が十
分でなく、また2.0%を超えると強度は向上するもの
の靭性及び伸び値が低下する。従ってMgは0.5〜
2.0%の範囲が望ましい。
靭性を低下することなく合金を強化すると同時にAl−
Cu−Mg系の準安定相の板状析出物S´相(Al−C
uMg)を生成し、これによりさらに強度向上に寄与す
る。Mg含有量が0.5%未満では強度向上の効果が十
分でなく、また2.0%を超えると強度は向上するもの
の靭性及び伸び値が低下する。従ってMgは0.5〜
2.0%の範囲が望ましい。
【0011】Zr:Zrは、鋳造組織の微細化や再結晶
の抑制等の目的で含有させるが、その含有量が0.2%
を超えるとAl−Zrの粗大金属間化合物を生成して強
度、靭性及び伸び値を低下するため、通常0.2%以下
に制限される場合が多い。含有量が0.1%を超えると
材料組織の再結晶化が抑制されるため、本発明のごとく
再結晶組織を得ることを目的とする場合は、Zrの組織
微細化効果のみを期待し、再結晶抑制効果が及ばない範
囲にZrの含有量を制限する必要があり、このためその
含有量は0.04〜0.1重量%の範囲とする。
の抑制等の目的で含有させるが、その含有量が0.2%
を超えるとAl−Zrの粗大金属間化合物を生成して強
度、靭性及び伸び値を低下するため、通常0.2%以下
に制限される場合が多い。含有量が0.1%を超えると
材料組織の再結晶化が抑制されるため、本発明のごとく
再結晶組織を得ることを目的とする場合は、Zrの組織
微細化効果のみを期待し、再結晶抑制効果が及ばない範
囲にZrの含有量を制限する必要があり、このためその
含有量は0.04〜0.1重量%の範囲とする。
【0012】その他の元素は、一般のAl合金に許容さ
れている不純物の量と同等である。すなわち、Fe0.
30%以下、Si0.20%以下、Zn0.25%以
下、Cr0.10%以下、Mn0.10%以下の含有は
差し支えない。しかし、靭性の異方性をより一層少なく
する必要上好ましくは、Fe0.10%以下,Si0.
10%,Zn0.10%以下、Ti0.05%以下、C
r0.05%以下に規制することが望ましい。
れている不純物の量と同等である。すなわち、Fe0.
30%以下、Si0.20%以下、Zn0.25%以
下、Cr0.10%以下、Mn0.10%以下の含有は
差し支えない。しかし、靭性の異方性をより一層少なく
する必要上好ましくは、Fe0.10%以下,Si0.
10%,Zn0.10%以下、Ti0.05%以下、C
r0.05%以下に規制することが望ましい。
【0013】Tiは、0.01〜0.05%がAl−T
iまたはAl−Ti−B等の合金、あるいは含Ti化合
物の形で鋳塊組織微細化のため積極的に添加含有され
る。Mnは熱間圧延時の再結晶核となる効果や溶体化後
のストレッチにおいて転移をトラップし、その後の時効
処理における析出の核発生サイトとなる効果を有する
が、Al−Mn系の粗大金属間化合物を生成するため、
その含有量は0.10%を上限とする。
iまたはAl−Ti−B等の合金、あるいは含Ti化合
物の形で鋳塊組織微細化のため積極的に添加含有され
る。Mnは熱間圧延時の再結晶核となる効果や溶体化後
のストレッチにおいて転移をトラップし、その後の時効
処理における析出の核発生サイトとなる効果を有する
が、Al−Mn系の粗大金属間化合物を生成するため、
その含有量は0.10%を上限とする。
【0014】次に製造方法について説明する。上記化学
成分を有するAl−Li系合金溶湯を、常法に従ってA
r等の不活性雰囲気中においてLiを保護しつつ半連続
鋳造(DC鋳造)法によって鋳造する。 得られた鋳塊
は、Zr化合物が微細分散された微細組織を有し、該鋳
塊を面削したる後、2段階均熱化処理を施す。第1段で
は、450±20℃において4〜48時間程度の均質化
処理によってAl3Zrを析出させる。ついで第2段で
は、520±20℃において2〜12時間程度の均熱化
処理により添加元素や不純物元素を固溶させる。
成分を有するAl−Li系合金溶湯を、常法に従ってA
r等の不活性雰囲気中においてLiを保護しつつ半連続
鋳造(DC鋳造)法によって鋳造する。 得られた鋳塊
は、Zr化合物が微細分散された微細組織を有し、該鋳
塊を面削したる後、2段階均熱化処理を施す。第1段で
は、450±20℃において4〜48時間程度の均質化
処理によってAl3Zrを析出させる。ついで第2段で
は、520±20℃において2〜12時間程度の均熱化
処理により添加元素や不純物元素を固溶させる。
【0015】上記均熱化処理の後500〜250℃の温
度範囲において圧延率60%以上の熱間圧延を行う。熱
間圧延温度が500℃を超えると熱間割れを発生する危
険があり、一方250℃未満では耳割れによる板切れが
発生して熱間圧延コイルの製造が困難になる。また熱間
圧延率が60%未満の場合、鋳塊組織を完全な圧延加工
組織とするには不十分であり、冷間圧延板の靭性が不足
する。また熱間圧延率が高いほど加工組織が微細化する
ため上限はあえて設定する必要はないが、工業的には耳
割れや圧延中の温度低下等により制限される。
度範囲において圧延率60%以上の熱間圧延を行う。熱
間圧延温度が500℃を超えると熱間割れを発生する危
険があり、一方250℃未満では耳割れによる板切れが
発生して熱間圧延コイルの製造が困難になる。また熱間
圧延率が60%未満の場合、鋳塊組織を完全な圧延加工
組織とするには不十分であり、冷間圧延板の靭性が不足
する。また熱間圧延率が高いほど加工組織が微細化する
ため上限はあえて設定する必要はないが、工業的には耳
割れや圧延中の温度低下等により制限される。
【0016】本発明においては、上記熱延板を冷間圧延
前に380〜420℃の温度範囲において2〜10時間
の中間焼鈍処理を施し、さらに60%以上の冷間圧延を
行う。 焼鈍後の冷間圧延における圧延率が60%未満
であると再結晶による組織のランダム化が不十分で伸び
値の向上は認められるが靭性の異方性が残り、また圧延
率が80%を超えると、耳割れ等による板切れ等の圧延
トラブルや、トリミング等による製品の歩留り低下が懸
念されるため工業的には80%程度を上限とするのが好
ましい。
前に380〜420℃の温度範囲において2〜10時間
の中間焼鈍処理を施し、さらに60%以上の冷間圧延を
行う。 焼鈍後の冷間圧延における圧延率が60%未満
であると再結晶による組織のランダム化が不十分で伸び
値の向上は認められるが靭性の異方性が残り、また圧延
率が80%を超えると、耳割れ等による板切れ等の圧延
トラブルや、トリミング等による製品の歩留り低下が懸
念されるため工業的には80%程度を上限とするのが好
ましい。
【0017】冷間圧延後、板材の調質のための熱処理を
常法により行う。熱処理はT6(溶体化後人工時効処
理)又はT8(溶体化後冷間加工、ついで人工時効処
理)が普通であるが、T6よりT8処理の方が比強度、
比剛性と共に伸び値と靭性の等方性に優れた結果が得ら
れる。
常法により行う。熱処理はT6(溶体化後人工時効処
理)又はT8(溶体化後冷間加工、ついで人工時効処
理)が普通であるが、T6よりT8処理の方が比強度、
比剛性と共に伸び値と靭性の等方性に優れた結果が得ら
れる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
Al−Li系合金(Li:2.23 %、Cu:2.30 %、M
g:1.60 %、Zr:0.08%、Ti:0.03 %、Fe:0.05
%、Si:0.03 %、Zn:0.01 %、Al残部)をArガ
ス雰囲気下で溶解し、半連続鋳造法により造塊し、面削
してスラブとした。このスラブを450℃において24
時間、ついで520℃において6時間の2段階均熱処理
を行い、その後熱間圧延を行った。熱間圧延の開始温度
は470℃、終了温度は270℃、圧延率は90%で板
厚6.0mm.の熱延板とした。
Al−Li系合金(Li:2.23 %、Cu:2.30 %、M
g:1.60 %、Zr:0.08%、Ti:0.03 %、Fe:0.05
%、Si:0.03 %、Zn:0.01 %、Al残部)をArガ
ス雰囲気下で溶解し、半連続鋳造法により造塊し、面削
してスラブとした。このスラブを450℃において24
時間、ついで520℃において6時間の2段階均熱処理
を行い、その後熱間圧延を行った。熱間圧延の開始温度
は470℃、終了温度は270℃、圧延率は90%で板
厚6.0mm.の熱延板とした。
【0019】上記熱延板を温度360〜440℃におい
て1〜12時間の中間焼鈍を行った後、圧延率20〜8
0%の冷間圧延を行い板厚1.2〜4.8mm.の薄板
材を得た。ついで薄板材を520℃において30分加熱
して溶体化処理した後、3.0±0.5%のストレッ
チ、150℃において24時間の時効処理を行った。
て1〜12時間の中間焼鈍を行った後、圧延率20〜8
0%の冷間圧延を行い板厚1.2〜4.8mm.の薄板
材を得た。ついで薄板材を520℃において30分加熱
して溶体化処理した後、3.0±0.5%のストレッ
チ、150℃において24時間の時効処理を行った。
【0020】上記の薄板材から圧延方向に対し角度0
°、45°,90°の方向よりASTMF1引張試験片
と、JIS4号シャルピー試験片各2本を採取し、それ
ぞれ引張試験とシャルピー試験を行った。試験結果は、
表1ないし表4に示す通りである。なお表5は、本発明
の対象であるAl−Li系合金薄板材の前記用途におい
て、一般に要請されている特性値すなわち引張強さ、耐
力、伸び値、シャルピー値の圧延方向別の目標値であ
り、本発明においてもこれを目標達成度の指標とした。
°、45°,90°の方向よりASTMF1引張試験片
と、JIS4号シャルピー試験片各2本を採取し、それ
ぞれ引張試験とシャルピー試験を行った。試験結果は、
表1ないし表4に示す通りである。なお表5は、本発明
の対象であるAl−Li系合金薄板材の前記用途におい
て、一般に要請されている特性値すなわち引張強さ、耐
力、伸び値、シャルピー値の圧延方向別の目標値であ
り、本発明においてもこれを目標達成度の指標とした。
【0021】表1の工程Aは、焼鈍温度400℃(焼鈍
時間は6時間)で溶体化前の圧延率を20〜80%の範
囲で変えた場合であり、表2の工程Bは、焼鈍温度を3
60〜440℃の範囲で変化させ、焼鈍時間を6時間、
溶体化前冷間圧延率を80%で一定とした場合である。
また表3の工程Cは焼鈍温度420℃、表4の工程Dは
焼鈍温度360の場合で、焼鈍時間を1〜12時間に変
えたものである。工程C、Dにおける溶体化処理前の冷
間圧延率は、T8処理材の再結晶を少しでも起こり難く
するため、いずれも80%とした。
時間は6時間)で溶体化前の圧延率を20〜80%の範
囲で変えた場合であり、表2の工程Bは、焼鈍温度を3
60〜440℃の範囲で変化させ、焼鈍時間を6時間、
溶体化前冷間圧延率を80%で一定とした場合である。
また表3の工程Cは焼鈍温度420℃、表4の工程Dは
焼鈍温度360の場合で、焼鈍時間を1〜12時間に変
えたものである。工程C、Dにおける溶体化処理前の冷
間圧延率は、T8処理材の再結晶を少しでも起こり難く
するため、いずれも80%とした。
【0022】
【表1】 《表注》伸びの向上および靭性の等方性 ○:十分効果有り △:効果不十分 ×:効果無し
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】表1の工程Aで焼鈍条件を400℃におい
て6時間一定とし、溶体化前の冷延率の影響を見ると、
溶体化前冷延率が60〜80%で各方向の伸び値、シャ
ルピー値共に高くしかも靭性の異方性も無いが、50%
以下では伸び値、シャルピー値のいずれかに問題が認め
られ目標値を満足していない。従って、靭性の異方性を
改善するためには、溶体化前冷延率は、60〜80%の
範囲が適当と評価された。
て6時間一定とし、溶体化前の冷延率の影響を見ると、
溶体化前冷延率が60〜80%で各方向の伸び値、シャ
ルピー値共に高くしかも靭性の異方性も無いが、50%
以下では伸び値、シャルピー値のいずれかに問題が認め
られ目標値を満足していない。従って、靭性の異方性を
改善するためには、溶体化前冷延率は、60〜80%の
範囲が適当と評価された。
【0028】表2の工程Bで熱延板の焼鈍温度の影響を
見ると、焼鈍温度が360℃の場合には、再結晶化が十
分に進まないため異方性が残留し、伸び値も低い。38
0〜420℃の範囲では伸び値も向上し、シャルピー値
の異方性も改善されるが、さらに高温の440℃では溶
体化時に再結晶粒が粗大化するため、シャルピー値の異
方性は無いが伸び値及びシャルピー値共に低下傾向を示
す。それゆえ熱延板の焼鈍温度は380〜420℃が適
当であり、それ以上でもそれ以下でも問題がある。
見ると、焼鈍温度が360℃の場合には、再結晶化が十
分に進まないため異方性が残留し、伸び値も低い。38
0〜420℃の範囲では伸び値も向上し、シャルピー値
の異方性も改善されるが、さらに高温の440℃では溶
体化時に再結晶粒が粗大化するため、シャルピー値の異
方性は無いが伸び値及びシャルピー値共に低下傾向を示
す。それゆえ熱延板の焼鈍温度は380〜420℃が適
当であり、それ以上でもそれ以下でも問題がある。
【0029】表3の工程Cと表4の工程Dにおいて、熱
延板の焼鈍時間の影響を380〜420℃の温度範囲で
見ると、焼鈍温度が380℃、420℃の場合のいずれ
も焼鈍時間1時間では伸び値、シャルピー値共改善効果
は不十分である。またいずれの場合も焼鈍時間12時間
では、溶体化時に結晶粒が粗大化し、靭性の異方性は消
失するものの、シャルピー値は低下傾向を示し目標値を
下回っている。従って目標値を満足する適切な焼鈍条件
としては、温度380〜420℃において時間は2〜1
0時間の範囲であることが認められた。
延板の焼鈍時間の影響を380〜420℃の温度範囲で
見ると、焼鈍温度が380℃、420℃の場合のいずれ
も焼鈍時間1時間では伸び値、シャルピー値共改善効果
は不十分である。またいずれの場合も焼鈍時間12時間
では、溶体化時に結晶粒が粗大化し、靭性の異方性は消
失するものの、シャルピー値は低下傾向を示し目標値を
下回っている。従って目標値を満足する適切な焼鈍条件
としては、温度380〜420℃において時間は2〜1
0時間の範囲であることが認められた。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、特
定量のLi,Cu,Mg,Zrを必須成分とし残部はA
lと不純物よりなるAl−Li系合金の薄板材の製造に
おいて、熱間圧延と冷間圧延の間において特定条件の中
間焼鈍を施すこと、および冷間圧延の圧延率を特定値以
上に調整することによって、薄板材の組織を微細再結晶
化し、集合組織に立方体方位を導入し、滑りのランダム
化をもたらす結果、伸び値を向上し、かつ靭性の異方性
を無くし等方性に優れたAl−Li系薄板材を確実、か
つ安定して製造することができる。
定量のLi,Cu,Mg,Zrを必須成分とし残部はA
lと不純物よりなるAl−Li系合金の薄板材の製造に
おいて、熱間圧延と冷間圧延の間において特定条件の中
間焼鈍を施すこと、および冷間圧延の圧延率を特定値以
上に調整することによって、薄板材の組織を微細再結晶
化し、集合組織に立方体方位を導入し、滑りのランダム
化をもたらす結果、伸び値を向上し、かつ靭性の異方性
を無くし等方性に優れたAl−Li系薄板材を確実、か
つ安定して製造することができる。
【0031】これによって、従来比強度、比弾性率に優
れるため航空機、車輌等の軽量化構造材として有用であ
るAl−Li系合金の課題であった靭性の異方性が解決
し、等方性に優れた靭性と共に伸び値を向上したAl−
Li系合金薄板材を製造できるようになるため、この分
野への用途拡大が期待され、本発明の産業上の貢献は大
きい。
れるため航空機、車輌等の軽量化構造材として有用であ
るAl−Li系合金の課題であった靭性の異方性が解決
し、等方性に優れた靭性と共に伸び値を向上したAl−
Li系合金薄板材を製造できるようになるため、この分
野への用途拡大が期待され、本発明の産業上の貢献は大
きい。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で(以下同じ)Li1.0〜3.
0%、Cu1.0〜3.0%、Mg0.5〜2.0%、
Zr0.04〜0.10%を含み、残部Alと不可避的
不純物からなるAl−Li系合金鋳塊を、均質化熱処理
及び熱間圧延の後、温度380〜420℃で2〜10時
間の中間焼鈍処理を行い、ついで加工率60%以上の冷
間圧延を施すことを特徴とする靭性の等方性に優れたA
l−Li系合金薄板材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24570696A JPH1068053A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 靭性の等方性に優れたAl−Li系合金薄板材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24570696A JPH1068053A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 靭性の等方性に優れたAl−Li系合金薄板材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1068053A true JPH1068053A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=17137602
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24570696A Pending JPH1068053A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 靭性の等方性に優れたAl−Li系合金薄板材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1068053A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013537936A (ja) * | 2010-09-08 | 2013-10-07 | アルコア インコーポレイテッド | 改良されたアルミニウム−リチウム合金及びその製造方法 |
| CN108531782A (zh) * | 2018-04-11 | 2018-09-14 | 上海交通大学 | 一种含镁铸造铝锂合金及其制备方法 |
| CN117187607A (zh) * | 2023-10-10 | 2023-12-08 | 中北大学 | 一种高塑性铸造铝合金的制备方法 |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP24570696A patent/JPH1068053A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013537936A (ja) * | 2010-09-08 | 2013-10-07 | アルコア インコーポレイテッド | 改良されたアルミニウム−リチウム合金及びその製造方法 |
| CN108531782A (zh) * | 2018-04-11 | 2018-09-14 | 上海交通大学 | 一种含镁铸造铝锂合金及其制备方法 |
| CN117187607A (zh) * | 2023-10-10 | 2023-12-08 | 中北大学 | 一种高塑性铸造铝合金的制备方法 |
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