JPH1068060A - 加熱酸化によるチタン系合金の着色方法 - Google Patents

加熱酸化によるチタン系合金の着色方法

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JPH1068060A
JPH1068060A JP8225018A JP22501896A JPH1068060A JP H1068060 A JPH1068060 A JP H1068060A JP 8225018 A JP8225018 A JP 8225018A JP 22501896 A JP22501896 A JP 22501896A JP H1068060 A JPH1068060 A JP H1068060A
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Koyo Ozaki
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Teruo Shinbara
原 照 男 榛
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、Tiに有色酸化皮膜を生成させる場
合、加熱酸化法は空気中での酸化反応が複雑であり、酸
化皮膜の構造も複雑となるため、発色のコントロールが
困難であり、均一な色の皮膜を再現性よく生成させるの
が困難であるという問題があった。 【解決手段】 Tiと、Tiよりも加熱酸化されにくい
金属元素のうち少なくとも1種以上の5原子%以上95
原子%以下から構成され、表面に微細結晶相やアモルフ
ァス相を析出させた合金材料を使用することにより、加
熱酸化におけるTiの有色酸化皮膜の発色をコントロー
ルしやすくし、一定の条件において再現性よく発色させ
ること、色ムラのない均一な色の皮膜を生成させること
を可能とする、加熱酸化によるチタン系合金の着色方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱酸化によるチ
タンの着色方法に関するものであり、その発色を利用し
たインテリア製品、洋食器、装飾品、工芸品、美術品な
どの着色、あるいは、特定の温度における発色を利用し
た温度センサーなどに利用される。
【0002】
【従来の技術】空気中においてTiの表面には自然に酸
化皮膜が生成し、その厚さは0.5〜7nmといわれて
いる。Tiを酸素含有雰囲気中で加熱したり、陽極酸化
を施したりすると酸化皮膜の厚さは数十nmのオーダー
になり、光の干渉作用により種々の発色を示す。Ti以
外の金属基合金でも鋼のテンパーカラーのように酸化発
色を示すものはあるが、Tiは他の金属基合金に比して
より多種色の、よりきれいな発色が得られる。
【0003】Tiの酸化着色法については、チタニウム
・ジルコニウム、Vol.23,No.2,p.75〜
78(1975)で、詳しく記明されている。それによ
ると、金属Ti表面に有色の酸化皮膜を形成させるに
は、(1)空気中あるいは酸素中での加熱酸化法、
(2)無機酸で煮沸する化学酸化法、(3)電気化学処
理である陽極酸化法、の3つの方法がある。加熱酸化の
場合には加熱温度や加熱時間を制御することにより、化
学酸化の場合には酸の強度や処理時間を制御することに
より、および陽極酸化の場合には電解液の種類や処理電
圧を制御することにより、皮膜の組成や厚さを変えるこ
とが可能となり、それに伴って種々の色調を得ることが
できる。以下に、これら3つのTiの酸化着色法につい
て詳説する。
【0004】(1)加熱酸化法 空気中での加熱酸化によりTiの酸化皮膜を生成させる
場合、熱処理の温度によって皮膜の組成(TiOx、0
<x<2)が変化し、それにともなって色調が変化す
る。以下に、純Tiバルク材の空気中での短時間加熱酸
化の一例を示す。300℃以下では酸化皮膜が形成され
ず金属のα−Ti相の銀白色を呈する。300〜400
℃ではTiOで黄金色〜黄色、400〜480℃では褐
色〜紺色、480〜570℃ではTi2O3で青色、5
70〜700℃で紫色、700〜800℃ではTiO
1.9で光沢のない紫色、800〜900℃では光沢の
ある灰色、900℃以上ではTiO2(ルチル)となり
灰白色を呈する。しかし、この発色法は再現性が悪く、
報告によって発色に違いがみられる。また、熱処理時間
によっても色調が連続的に変化するため色ムラが生じや
すい。
【0005】従来のTiの加熱酸化による着色の応用例
としては、顕微鏡組織を構成する各相の酸化速度の違い
による呈色の違いに基づいて、Ti合金の顕微鏡組織の
α相、残留β相、炭化物の識別を加熱酸化によって行っ
た例があるが、色の均一性が悪いと報告されている。ま
た、加熱酸化によるTiおよび種々のTi合金の呈色が
異なることを利用して、Ti合金スクラップの品種判別
を試みた例があるが、発色の再現性が悪いと述べてい
る。これは、加熱酸化は酸化反応が複雑であり、酸化皮
膜の構造も複雑となるからである。このように、加熱酸
化法は、色の均一性や再現性が悪いことから、装飾品な
どの着色法としては不向きとされている。しかし、加熱
酸化法は他の方法に比べて簡単で安価な装置、簡単な操
作および低コストで酸化皮膜形成が可能であり、大量生
産、大型製品の処理にも適している点は魅力がある。加
熱温度による色の変化を利用した温度センサーとしての
利用法も考えられるが、温度に対する発色の関係の再現
性が乏しいこと、また色の均一性が悪く色ムラを生じや
すいため色の判断が難しいなどの問題がある。
【0006】酸化皮膜を生成させる方法ではないが、同
じ加熱着色法として窒化法がある。Tiを窒素ガス雰囲
気中で750℃以上に加熱すると、表面にTiNの薄い
皮膜が形成され黄金色を呈する。酸化法が多種類の色を
呈するのと異なり、窒化法では黄金色の系統にのみ着色
する。窒化法は元来、表面硬化法のひとつとして、耐摩
耗性の改善を目的として行われてきたものであるが、着
色法として見た場合、表面窒化物層の生成により肌が荒
れること、光沢を得ようとして表面を研磨すると着色窒
化物層が薄いため黄金色が薄れること、窒化物層の厚み
を増そうと高温長時間の処理を行うと表面にしわが発生
する、などの欠点がある。
【0007】(2)化学酸化法 Tiを無機酸中で煮沸すると着色する。例えば、0.1
wt%以下の硫酸中で24時間煮沸すると青紫色に、
0.2wt%以下の塩酸中で24時間煮沸すると黄金色
に、および30wt%硝酸中で24時間煮沸すると淡い
黄金色にそれぞれ着色する。化学酸化による皮膜は膜の
質が劣るといわれ、耐食性の点でも加熱酸化に劣るとさ
れている。また、皮膜の形成に長時間を要すること、色
の種類が少ないことの問題があり、着色法としては実用
上適切な方法ではないとされている。また、強酸を使用
することから作業性にも問題がある。
【0008】(3)陽極酸化法 適当な電解質溶液中でTiを陽極とし、Pt、Ti、ス
テンレス鋼などを陰極として直流電流を流すと、陽極の
チタン表面の酸化皮膜が成長し、いわゆる陽極酸化皮膜
が形成される。定電圧で陽極酸化を行うと時間の経過と
ともに電流が次第に減少し、2〜3分程度で極微小な電
流しか流れなくなる。すなわち、定電圧で陽極酸化を行
うと、その電圧に見合った絶縁耐圧をもった酸化皮膜が
形成されて、酸化皮膜の成長はとまる。したがって、陽
極酸過電圧に固有の厚さの酸化皮膜ができるため、干渉
色の色調をコントロールできる。例えば、Ti板を1%
リン酸水溶液中で陽極酸化した場合、10Vでくすんだ
金色、20Vで紫色、30Vで青色、40Vで淡青色、
50Vで淡黄色、60Vで明るい金色、70Vでサーモ
ンピンク、80Vで淡紫色、90Vで青緑色、100V
で若草色を発色する。このように陽極酸化法は発色のコ
ントロールが容易であるため、インテリア製品(照明器
具、壁材)、洋食器、装飾品などの着色には主として陽
極酸化法が利用されている。
【0009】Ti粉末の有色酸化皮膜形成に関しては、
化学酸化法や陽極酸化法といった湿式処理をともなう方
法は実用上困難であり、加熱酸化法に限られる。しか
し、Ti粉末を加熱酸化しても形成される酸化皮膜の色
は褐色系に限られ、上述したバルク材のように青色系な
どの多種類の発色は得られなかった。このような理由か
ら、Ti粉末の酸化皮膜形成による着色に関する研究
例、応用例は従来なかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】Tiに有色酸化皮膜を
生成させる場合、加熱酸化法は簡単で安価な装置および
低コストで酸化皮膜形成が可能であり、大量生産および
大型製品の処理にも適しているが、空気中での酸化反応
が複雑であり、酸化皮膜の構造も複雑となるため、発色
のコントロールが困難であった。したがって、一定の条
件において再現性よく発色させること、色ムラのない均
一な色の皮膜を生成させることが困難であるという問題
があった。また、粉末Tiを加熱酸化させてもバルク材
のような多種類の発色は得られないという問題があっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するため、Tiと、Tiよりも加熱酸化されにくい
金属元素のうち少なくとも1種以上の5原子%以上95
原子%以下から構成され、表面に微細結晶相やアモルフ
ァス相を析出させた合金材料を使用することにより、加
熱酸化によるTiの有色酸化皮膜の発色をコントロール
しやすくし、一定の条件において再現性よく発色させる
こと、色ムラのない均一な色の皮膜を生成させることを
可能とする、加熱酸化によるチタン系合金の着色方法で
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をTi−Fe合金
を例に説明する。Ti−Fe合金を加熱酸化すると、酸
化のごく初期には表面に露出しているTiとFeが同時
に酸化される。純Ti金属よりもTi−Feなどの合金
の方が結晶構造に歪みが多いため初期酸化の際に酸素と
の反応が容易に進み、均一な皮膜が形成されやすいと考
えられる。表面がある程度の厚さをもった酸化皮膜に覆
われると、酸化皮膜/合金界面の酸素ポテンシャルは雰
囲気のそれに比べて著しく低くなる。その場合、Fe酸
化物のすぐ下にはFeより安定な酸化物を形成するTi
が存在しているので、次のような反応によってTiはF
eOを還元して自らはTiOxとなりうる。 xFeO + Ti = xFe + TiOx
【0013】この反応により酸化皮膜/合金界面には次
第にTiOxが多くなり、ついにはTiOxが合金表面
を覆うにいたる。このようにして、Tiよりも加熱酸化
されにくい金属元素、例えばFeをTiと合金化させる
ことによってその酸化皮膜をより均一に生成させること
が可能となる。
【0014】しかし、合金化することによってα相、β
相、金属間化合物相など多種類の結晶相が析出する。こ
のような合金を加熱酸化した場合、組織を構成する各相
の酸化速度の違いにより発色が違うため色ムラが発生す
る。この問題を解決するために本発明では、表面あるい
は全体に微細結晶相やアモルファス相を析出させた合金
材料を使用することにより、色ムラの発生を抑制するこ
とができる。
【0015】合金の表面あるいは全体に微細結晶相およ
び/またはアモルファス相を析出させる方法としては、
液体急冷法や機械的合金化法などがある。一般に、液体
急冷法ではバルク材、薄帯、細線、粉末が、機械的合金
化法では粉末が製造できる。
【0016】Tiよりも加熱酸化されやすい金属元素を
合金化すると、合金化元素が酸化皮膜を形成するため、
Tiの酸化物による有色皮膜は得られなくなる。したが
って、Tiに合金化する金属元素としては、Tiよりも
加熱酸化されにくい元素が有効である。本発明による効
果はTiよりも加熱酸化されにくい元素との合金化によ
り発現するが、Va、VIa、 VIIa、VIII、Ib族の金
属元素との合金化でよりよい効果が得られる。
【0017】合金は二元系に限定されるものではなく、
Tiよりも加熱酸化されにくい複数の元素との多元軽合
金についても有効である。合金に含まれる元素は、Ti
よりも加熱酸化されにくい元素に限定するものでなく、
本発明の効果を妨害しない程度、たとえば不純物程度の
量であれば、Tiよりも加熱酸化されやすい元素を含ん
でも良い。
【0018】Tiに対する合金化元素の割合が多くなる
と、発色の素となるTi酸化物で十分に表面を覆うこと
ができなくなる。少なすぎると上述のような反応が起こ
りにくくなる。したがって、Tiと合金化する金属元素
の割合は、5原子%以上95原子%以下、好ましくは1
0原子%以上90原子%以下である。
【0019】皮膜を形成させる温度範囲は合金組成によ
り異なるが、300℃以上が好ましい。皮膜を形成させ
る雰囲気は、もっとも一般的な空気中でよいが、酸素を
含む雰囲気中であれば特に限定するものではない。
【0020】Ti粉末を加熱酸化させてもバルク材のよ
うな多種類の発色は得られないが、本発明の方法を適用
することにより、温度条件の変化により多種類の発色が
可能となる。粉末の場合、粒径5〜100μm程度でも
っとも鮮やかな発色を示すので望ましいが、特に限定す
るものではない。
【0021】本発明におけるTi系合金の粉末を使用し
て焼結成型体を作製し、加熱酸化を施すことによって、
成型体の表面を着色することができる。本発明における
Ti系合金の粉末を鋳造品の表面に固定し、加熱酸化を
施すことによって、鋳造品の表面を着色装飾することが
できる。
【0022】純Tiの加熱酸化では、温度に対する発色
の関係の再現性が乏しい、色の均一性が悪く色ムラを生
じやすいため発色の精密な判断が難しい、などの問題が
あったが、本発明におけるTi系合金を使用すれば、こ
れらの問題を解決できるので温度センサーとして使用す
ることが可能である。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに説明す
る。実施例1 粒径約40μmのTi粉と粒径約5μmのFe粉を原料
として使用し、アルゴンガス雰囲気下で高周波溶解し、
溶融状態のまま水焼き入れにより急冷してTi−Fe母
合金を作製した。インゴットは、Feを10、20、3
0、40、50、60、70、80、90原子%含む組
成のTi−Fe合金を作製した。比較例として純Tiの
インゴットも用意した。作製したインゴットの表面を約
1mm削り取り金属光沢のある面を露出させ、その面を
研磨して鏡面処理を施し、超音波洗浄により清浄にし
た。鏡面処理した面は微細結晶相となっていた。鏡面処
理を施したTi−Fe合金試料を空気中赤外線イメージ
炉内で加熱し、酸化皮膜を生成させた。
【0024】純Ti試料の400℃30分間の加熱酸化
では表面に黄色の酸化皮膜が生成し、600℃30分間
の加熱酸化では薄い黄色〜薄い青色の色ムラのある酸化
皮膜が生成し、均一な濃い不透明な皮膜は得られなかっ
た。また、発色の再現性は低かった。一方、Feを10
〜90原子%含む試料の400℃30分間の加熱酸化で
は、色ムラのない均一で不透明な濃い青色の酸化皮膜が
生成した。発色の再現性は良好であった。
【0025】実施例2 実施例1と同様にして、Tiよりも加熱酸化されにく
い、Va族のV、VIa族のCr、 VIIa族のMn、VIII
族のCoとNi、Ib族のCuをそれぞれ合金化させた
Ti系合金を作製した。これらの合金に400℃、30
分間の加熱酸化を施したところ、Ti−Fe合金と同様
に色ムラのない均一で不透明な濃い青色の酸化皮膜が再
現性よく生成した。同様の方法で、Tiよりも加熱酸化
されやすいAlを合金化させたTi系合金を作製し、4
00℃30分間の加熱酸化を施したところ、色の変化は
ほどんど見られなかった。
【0026】実施例3 熱処理を施した合金粉末を機械的合金化法により作製し
た。粒径約40μmのTi粉と粒径約5μmのFe粉を
出発原料とし、振動型ボールミルで、減圧アルゴンガス
雰囲気中で200時間のミリングを行った。これにより
Feを10、20、30、40、50、60、70、8
0、90原子%含む組成のTi−Fe合金粉末を作製し
た。合金粉末はアモルファス相あるいは微細結晶相であ
った。比較例として、純Ti粉末(純度99.5%)も
用意した。これらの粉末を空気中抵抗加熱炉内で加熱
し、酸化皮膜を生成させた。
【0027】市販の純Ti粉末の400℃、30分間の
加熱酸化では黄褐色の酸化皮膜が生成し、600℃30
分間の加熱酸化では褐色の酸化皮膜が生成した。700
℃以上では表面は灰色となり、青色系の粉末は得られな
かった。一方、Feを10〜90原子%含むTi−Fe
合金粉末試料の400℃、30分間の加熱酸化により、
不透明な濃い青色の酸化皮膜が生成した。
【0028】実施例4 実施例3と同様にして、Tiよりも酸化されにくい、V
a族のV、VIa族のCr、 VIIa族のMn、VIII族のC
oとNi、Ib族のCuをそれぞれ合金化させたTi系
合金粉末を機械的合金化法により作製し、400℃30
分間の加熱酸化を施したところ、Ti−Fe合金と同様
に不透明な濃い青色の酸化皮膜が生成した。同様の方法
で、Tiよりも加熱酸化されやすいAlを合金化させた
Ti系合金を作製し、400℃30分間の加熱酸化を施
したところ、色の変化はほどんど見られず、灰色のまま
だった。
【0029】実施例5 実施例3に示した機械的合金化法によりTi50Fe50合
金粉末を作製した。この粉末を原料とし真空中で放電プ
ラズマ焼結法により直径15mm厚さ5mmの焼結成型
体を作製した。この焼結成型体を空気中にて450℃で
30分間加熱酸化させたところ、成型体の表面全体を色
ムラのない均一な青色に着色することができた。
【0030】実施例6 チタン系合金粉末を鋳型内壁に塗布して鋳造した後、鋳
造品表面を加熱酸化により発色させる鋳造品表面の装飾
方法に係るプロセスを、図1に示した。ここでは、実施
例3に示した機械的合金化法によりTi50Fe50合金粉
末1を作製した。この合金粉末をエタノールに懸濁さ
せ、内径20mmの円柱鋳型2の内壁に塗布した。この
鋳型に約700℃のAl溶湯3を流し込んだ。合金粉末
は鋳造品表面に均一に隙間なく固定された。鋳造品を空
気中にて450℃で30分間加熱酸化させたところ、鋳
造品表面に固定された合金粉末は均一な青色に発色し
た。
【0031】実施例7 実施例3に示した機械的合金化法により作製したTi50
Fe50合金粉末を、空気中で種々の温度で加熱酸化して
発色を確認した。その結果、300℃以下では色の変化
はなく灰色、300℃〜400℃で褐色、400℃〜5
00℃で鮮やかな青色の発色を示し、500℃以上では
灰色となった。温度と発色の関係の再現性は良好であ
り、色ムラがないため発色の判断も容易であった。
【0032】一方、市販の純Ti粉末では300℃以下
では色の変化はなく灰色、300℃〜600℃で黄褐色
〜褐色、600℃以上では灰色となった。色の変化は鈍
く、くすんだ色であり、本発明による合金に見られたよ
うな鮮やかな青色系の発色はなかった。これにより、本
発明により作製された合金は温度センサーとしての使用
が可能であることが確認された。
【0033】
【発明の効果】従来、加熱酸化法は空気中での酸化反応
が複雑であり、酸化皮膜の構造も複雑となるため、発色
のコントロールが困難であり、色ムラが出やすい、すな
わち均一な色の皮膜を再現性よく生成させるのが困難で
あったが、本発明により、色ムラのない、発色性の良い
鮮やかな色の酸化皮膜を再現性よく生成させることが可
能となった。また、本発明により、従来主に利用されて
きた陽極酸化法よりも格段に簡単で安価な装置および低
コストで高水準の酸化皮膜形成が可能となり、大量生産
および大型製品の処理もできるようになった。さらに、
純Ti粉末を加熱酸化させてもバルク材のような多種類
の発色は得られないが、本発明の方法を適用することに
より、温度条件の変化により多種類の発色が可能とな
り、これにより本発明により作製された合金は温度セン
サーとしての使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を説明する図である。
【符号の説明】
1 Ti系合金粉末 2 鋳型 3 Al溶湯 4 着色したTi系合金粉末
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22F 1/18 C22F 1/18 H C23C 26/00 C23C 26/00 E (72)発明者 尾 崎 公 洋 愛知県名古屋市北区八代町2丁目109番地 八代寮 (72)発明者 榛 原 照 男 川崎市中原区井田1618番地 新日本製鐵株 式会社技術開発本部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Tiを5原子%以上95原子%以下含み、
    残部がTiよりも加熱酸化されにくい1種または2種以
    上の元素から構成され、表面に微細結晶相および/また
    はアモルファス相を析出させたチタン系合金材料に加熱
    酸化を施し、均一色の有色酸化皮膜を形成させることを
    特徴とする、加熱酸化によるチタン系合金の着色方法。
  2. 【請求項2】表面に微細結晶相および/またはアモルフ
    ァス相を析出させる手段が、液体急冷法であることを特
    徴とする、請求項1に記載の加熱酸化によるチタン系合
    金の着色方法。
  3. 【請求項3】表面に微細結晶相および/またはアモルフ
    ァス相を析出させる手段が、機械的合金化法であること
    を特徴とする、請求項1に記載の加熱酸化によるチタン
    系合金の着色方法。
  4. 【請求項4】Tiより加熱酸化されにくい元素がFeで
    あることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の
    加熱酸化によるチタン系合金の着色方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4に記載のチタン
    系合金材料のうち粉末状のものを原料として含む粉末焼
    結成型体を作製し、該成型体表面に固定された該Ti系
    合金粉末部分が加熱酸化により発色することを特徴とす
    る、焼結成型体表面の装飾方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3または4に記載のチタン
    系合金材料のうち粉末状のものを鋳型の内壁に塗布して
    鋳造し、鋳造品表面に固定された該Ti系合金粉末部分
    が加熱酸化により発色することを特徴とする、鋳造品表
    面の装飾方法。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3および4に記載のチタン
    系合金が、特定の温度範囲で有色酸化皮膜を形成するこ
    とを利用した温度センサー。
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