JPH1070011A - 高温用サーミスタ材料の製造方法及び高温用サーミスタ - Google Patents

高温用サーミスタ材料の製造方法及び高温用サーミスタ

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JPH1070011A
JPH1070011A JP9095074A JP9507497A JPH1070011A JP H1070011 A JPH1070011 A JP H1070011A JP 9095074 A JP9095074 A JP 9095074A JP 9507497 A JP9507497 A JP 9507497A JP H1070011 A JPH1070011 A JP H1070011A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定したサーミスタ特性を有する,高温用サ
ーミスタ材料の製造方法及び高温用サーミスタを提供す
ること。 【解決手段】 (Mn・Cr)O4 スピネルの粉末と,
23 の粉末との混合原料粉末を加熱焼成して両者を
反応させ,(Mnx・Cry)O4 スピネル(0<x,
y≦2,x+y=3)とY(Cr+Mn)O3 ペロブス
カイトとからなるサーミスタ材料1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,抵抗値と抵抗温度係数の選択幅
が広い高温用サーミスタ材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】高温用サーミスタは,ガス給湯器等のガス
火炎温度,加熱炉の温度,自動車の排気ガス温度等,1
00〜1300℃という高温度の測定に用いられる温度
センサである。そして,従来高温用サーミスタを構成す
るサーミスタ材料として,サーミスタ特性の指標である
抵抗値と抵抗温度係数に関して選択の自由度が大きい,
(Mn・Cr)O4 とYCrO3 との混合焼結体が知ら
れている(特開平5−62805号)。
【0003】上記サーミスタ材料の原料である(Mn・
Cr)O4 は,高抵抗値と高抵抗温度係数とを有し,一
方,YCrO3 は低抵抗値と低抵抗温度係数とを有す
る。このため,上記サーミスタ材料においては,両者の
混合比率を適宜変化させることにより,所望の抵抗値と
抵抗温度係数を得ることができる。そして,上記サーミ
スタ材料は,両者の混合比率の広い範囲において,その
サーミスタ特性が安定している。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のサ
ーミスタ材料には以下に示す問題がある。上記サーミス
タ材料の優れた特性は,(Mn・Cr)O4 粒子とYC
rO3 粒子とが,上記材料中において均一に分散した状
態にあることにより発揮される。これは,上述したごと
く,(Mn・Cr)O4 の有する高抵抗値,高抵抗温度
係数と,YCrO3 の有する低抵抗値,低抵抗温度係数
とが,両者が混在することにより,サーミスタ材料全体
において平均化するからである。
【0005】ところが,両粒子間に働く結合力はさほど
強くない。このため,上記サーミスタ材料においては,
時間の経過と共に両粒子が分離してしまうおそれがあ
る。このような状態となったサーミスタ材料は,そのサ
ーミスタ特性が変化してしまい,この材料よりなるサー
ミスタは正確な温度検出を行うことができくなってしま
う。
【0006】そして,上記問題は,図1,図5に示す構
造の厚膜状の高温用サーミスタにおいて著しく発現す
る。即ち,図1に示すごとく,上記高温用サーミスタに
おいては,サーミスタ材料9がセラミックよりなる基板
11,カバー12により被覆されている。そして,上記
セラミックとしては,一般にアルミナが多用されてい
る。ところが,上述したごとく,上記サーミスタ材料9
中における(Mn・Cr)O4 粒子92と,YCrO3
粒子91とは互いに分離しやすく,その上,(Mn・C
r)O4 の92はアルミナとの反応性が高く,YCrO
3 粒子91はアルミナと反応し難い。
【0007】従って,図5に示すごとく,上記高温用サ
ーミスタにおいては,時間経過と共に(Mn・Cr)O
4 粒子92の拡散が発生し,サーミスタ材料9の内部に
YCrO3 粒子91が,サーミスタ材料9の外部,セラ
ミックよりなる基板11及びカバー12との接触面に
(Mn・Cr)O4 粒子92が集合してしまう。更に,
この状態が進行し,(Mn・Cr)O4 粒子92が,ア
ルミナよりなる基板11及びカバー12の内部に逃げて
しまうおそれもある。
【0008】この結果,サーミスタ材料9のサーミスタ
特性は,YCrO3 粒子91により支配され,抵抗値,
抵抗温度係数が低下する。よって,従来の材料による高
温用サーミスタにおいては,安定したサーミスタ特性を
得ることが難しかった。
【0009】本発明は,かかる問題点に鑑み,安定した
サーミスタ特性を有する,高温用サーミスタ材料の製造
方法及び高温用サーミスタを提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,(Mn・Cr)
4 スピネルの粉末と,Y23 の粉末との混合原料粉
末を1400〜1700℃に加熱焼成して両者を反応さ
せ,(Mnx・Cry)O4 スピネル(0<x,y≦
2,x+y=3)とY(Cr+Mn)O3 ペロブスカイ
トとからなるサーミスタ材料を得ることを特徴とする高
温用サーミスタ材料の製造方法にある。
【0011】上記加熱焼成の温度は,上述の(Mn・C
r)O4 とY(Cr+Mn)O3 との反応が最も促進さ
れる1450〜1650℃であることが好ましい。上記
温度が1400℃未満である場合には,未反応による結
合力不足が生じるおそれがある。一方,上記温度が17
00℃より大きい場合には,異常粒成長が生じるおそれ
がある。
【0012】なお,上記加熱焼成時において,1500
℃〜1650℃の範囲で液相となる,SiO2 ・CaO
及びその化合物であるCaSiO3 等の焼結助剤を用い
ることもできる。これにより,1500〜1600℃に
おける焼成温度の調整が容易となる。また,上記高温用
サーミスタ材料に占める絶縁体の体積が増大するため,
若干の抵抗調整が容易となる。
【0013】また,上記高温用サーミスタ材料は,焼成
後に,例えば1000〜1200℃で,30〜50時間
程度のエージングを行うことが好ましい。これにより,
内部応力除去や粒子再配列による特性の安定化を得るこ
とができる。
【0014】また,上記原料として使用した(Mn・C
r)O4 としては,例えば,Mn1.5 Cr1.54 また
はMn1.5+Z Cr1.5-Z 4 (但し,0<z<1.5)
等の組成式により示されるスピネル型の結晶構造を有す
る化合物を使用することができる。
【0015】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明の製造方法においては,(Mnx・Cry)O4
ピネル(0<x,y≦2,x+y=3)とY(Cr+M
n)O3 ペロブスカイトとよりなるサーミスタ材料を得
るに当たり,その出発原料として,(Mn・Cr)O4
スピネルよりなる粉末とY23 よりなる粉末とを使用
する。
【0016】これら両粉末を混合し,焼成することによ
り,(Mn・Cr)O4 スピネル中の一部のMn及びC
r原子(またはMn及びCrイオン)が,隣接するY2
3側に移動し,該Y23 と反応し,Y(Cr+M
n)O3 ペロブスカイトを形成する。
【0017】この過程において,上記(Mnx・Cr
y)O4 スピネル(0<x,y≦2,x+y=3)とY
(Cr+Mn)O3 ペロブスカイトとの間に,従来材料
では得られなかった強い結合力が生じる。そして,この
結合力により両者が均一に分散した状態を安定に存続さ
せることができる。従って,本発明の高温用サーミスタ
材料においては,常に均一に(Mnx・Cry)O4
ピネル(0<x,y≦2,x+y=3)とY(Cr+M
n)O3 ペロブスカイトとが混在しており,従ってその
サーミスタ特性も安定する。
【0018】以上により,本発明によれば,安定したサ
ーミスタ特性を有する,高温用サーミスタ材料の製造方
法を提供することができる。
【0019】次に,請求項2の発明のように,上記混合
原料粉末中の(Mn・Cr)O4 スピネルとY23
の合計量に対するY23 の添加量は,10〜90モル
%であることが好ましい。上述の範囲内で(Mn・C
r)O4 とY23 とを混合することにより,特性の安
定したサーミスタ材料を得ることができる。
【0020】そして,Y23 の添加量が10モル%未
満である場合,また90モル%より大きい場合には,高
温加熱後にサーミスタ材料の抵抗値が大幅に変化するた
め,実用に耐えない(後述の図2参照)。また,Y2
3 の添加量が90モル%を越える場合には,サーミスタ
材料の焼結性が悪化し,(Mn・Cr)O4 スピネルと
Y(Cr+Mn)O3 との間における反応が不十分とな
るおそれがある。
【0021】また,上記(Mnx・Cry)O4 スピネ
ル(0<x,y≦2,x+y=3)は750℃における
比抵抗が約240(Ω・cm),抵抗温度係数が約12
500(k)という高抵抗値,高抵抗温度係数のサーミ
スタ特性を有する。一方,上記Y23 より形成される
Y(Cr+Mn)O3 ペロブスカイトは750℃におけ
る比抵抗が約0.9(Ω・cm),抵抗温度係数が約1
500(k)という低抵抗値,低抵抗温度係数のサーミ
スタ特性を有する。
【0022】それ故,これらの混合焼結により得られた
サーミスタ材料のサーミスタ特性はY23 の添加量に
応じて変化する。従って,上述の10〜90モル%とい
う広い範囲内でこれらを混合することにより,サーミス
タ特性の選択値の幅が広い,サーミスタ材料を得ること
ができる。
【0023】次に,請求項3の発明のように,上記混合
原料中の(Mn・Cr)O4 スピネルの粉末中におけ
る,Cr/Mnのモル比は0.11〜9.0であること
が好ましい。上記条件を満たす(Mn・Cr)O4 スピ
ネルを使用することで,結晶歪の少ない良好なスピネル
が得られ,反応も正常に進行し,特性が安定するという
効果を得ることができる。
【0024】上記モル比が,0.11未満である場合に
は,Mnの異常拡散を生じるおそれがある。一方,9.
0よりも大きい場合には,未反応による結合力不足が生
じるおそれがある。
【0025】なお,上記(Mn・Cr)O4 スピネルの
粉末は,上述のCr/Mnのモル比を満たすようMnO
2 及びCr23 とを混合し,例えば,1100〜13
00℃で仮焼成し,その後粉砕を行うことにより得るこ
とができる。
【0026】次に,請求項4の発明はアルミナを含有す
るセラミック基板の上に高温用サーミスタ材料,更にそ
の上にアルミナを含有するセラミックカバーが積層され
た積層構造を有する高温用サーミスタであって,かつ上
記高温用サーミスタ材料は,(Mn・Cr)O4 スピネ
ルの粉末と,Y23 の粉末との混合原料粉末を140
0〜1700℃に加熱焼成して両者を反応させ,(Mn
x・Cry)O4 スピネル(0<x,y≦2,x+y=
3)とY(Cr+Mn)O3 ペロブスカイトとからな
り,かつ,上記混合原料粉末中の(Mn・Cr)O4
ピネルとY23 との合計量に対するY23 の添加量
は10〜90モル%であり,かつ,上記混合原料粉末中
の(Mn・Cr)O4 スピネルの粉末中における,Cr
/Mnのモル比は0.11〜9.0であることを特徴と
する高温用サーミスタにある。
【0027】上記高温用サーミスタ材料は,以上に記し
た方法にて製造されたものである。このため,上記高温
用サーミスタ材料中の(Mnx・Cry)O4 スピネル
(0<x,y≦2,x+y=3)とY(Cr+Mn)O
3 ペロブスカイトとの間において分離が生じない。この
ため,上記(Mn・Cr)O4 スピネルのアルミナを含
有する基板及びカバーへの拡散を防止することができ
る。よって,安定したサーミスタ特性を有する高温用サ
ーミスタを得ることができる。
【0028】次に,請求項5の発明は高温用サーミスタ
材料を金属筒内に内蔵してなる高温用サーミスタであっ
て,かつ上記高温用サーミスタ材料は,(Mn・Cr)
4 スピネルの粉末と,Y23 の粉末との混合原料粉
末を1400〜1700℃に加熱焼成して両者を反応さ
せ,(Mnx・Cry)O4 スピネル(0<x,y≦
2,x+y=3)とY(Cr+Mn)O3 ペロブスカイ
トとからなり,かつ,上記混合原料粉末中の(Mn・C
r)O4 スピネルとY23 との合計量に対するY2
3 の添加量は10〜90モル%であり,かつ,上記混合
原料粉末中の(Mn・Cr)O4 スピネルの粉末中にお
ける,Cr/Mnのモル比は0.11〜9.0であるこ
とを特徴とする高温用サーミスタにある。
【0029】上記高温用サーミスタ材料は,以上に記し
た方法にて製造されたものである。このため,上記高温
用サーミスタ材料中の(Mnx・Cry)O4 スピネル
(0<x,y≦2,x+y=3)とY(Cr+Mn)O
3 ペロブスカイトとの間において分離が生じない。よっ
て,安定したサーミスタ特性を有する高温用サーミスタ
を得ることができる。また,上記高温用サーミスタは金
属筒内に配置されている。このため,上記高温用サーミ
スタ材料が,酸化還元雰囲気,火炎に直接晒されること
等によって劣化することを防止することができる。よっ
て,サーミスタ素子20の寿命を格段に向上させること
ができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる高温用サーミスタ材料,そ
の製造方法及び上記高温用サーミスタ材料を用いた高温
用サーミスタにつき,図1,図2を用いて説明する。本
例の高温用サーミスタ材料は,(Mnx・Cry)O4
スピネル(0<x,y≦2,x+y=3)とY(Cr+
Mn)O3 ペロブスカイトとからなる高温用サーミスタ
材料である。そして,本例の高温用サーミスタ材料の製
造方法は,(Mn・Cr)O4 スピネルの粉末と,Y2
3 の粉末とよりなる混合原料粉末を1400〜170
0℃に加熱焼成して両者を反応させることにより,得る
ことができる。
【0031】次に,高温用サーミスタにつき説明する。
本例の高温用サーミスタ10は,図1に示すごとく,厚
膜タイプであって,アルミナよりなるセラミックの基板
11の上に上記高温用サーミスタ材料1が,更にその上
にアルミナよりなるセラミックのカバー12が積層され
た積層構造を有している。また,上記基板11の上には
電極13が設けてあり,上記高温用サーミスタ材料1は
上記電極13と接触している。なお,上記電極13は,
その一部が上記カバー12の外にある。
【0032】次に,上記高温用サーミスタ10の製造方
法の詳細につき説明する。なお,本製造方法において
は,サーミスタ材料の焼成と高温用サーミスタ10を構
成するアルミナよりなる基板,カバーの焼結を同時に行
う。まず,Cr23 及びMnO2 を,それぞれが含有
するCr及びMnのモル比が1:1となるよう,Cr2
3 を46.7g,MnO2 53.3gを秤量した。そ
の後,両者をポットミルに投入し,12時間混合,11
00℃において仮焼成した。以上により,(Mn・C
r)O4 スピネル粉末を得た。
【0033】次いで,上記(Mn・Cr)O4 スピネル
粉末が50モル%,Y23 が50モル%と,全体を1
00モル%となるように混合した。即ち,(Mn・C
r)O4 スピネル粉末49.8gと,Y23 50.2
gとを混合した。
【0034】更に,両者を混合した混合原料粉末100
モル%,100gに対し,焼結助剤として,Si・Ca
・O(ケイ酸シリケート)を10外モル%となるよう,
5.2g添加,混合した。更に,上記混合物に対し,有
機ビヒクル(化合物名エチルセルロースをテルピネオー
ルに溶かしたもの)を25g添加した。以上によりサー
ミスタぺーストを得た。
【0035】次に,焼成後には基板11となるセラミッ
クのグリーンシートを準備する。上記グリーンシートに
Ptペーストを,更に,サーミスタペーストを印刷す
る。これらをを被覆するよう,焼成後にはカバー12と
なる他のグリーンシートを積層する(図1参照)。以上
により得られた積層物を,温度1550℃において焼成
し,グリーンシートの焼成と共に,上記ペースト中にお
いて(Mn・Cr)O4 スピネルとY23 とを反応さ
せ,(Mnx・Cry)O4 スピネル(0<x,y≦
2,x+y=3)とY(Cr+Mn)O3 ペロブスカイ
トとよりなる混合焼結体となした。以上により,図1に
示す高温用サーミスタ10を得た。
【0036】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本例の製造方法においては,(Mnx・Cry)O
4 スピネル(0<x,y≦2,x+y=3)とY(Cr
+Mn)O3 ペロブスカイトとよりなるサーミスタ材料
の原料として,(Mn・Cr)O4 スピネルよりなる粉
末とY23 よりなる粉末とを使用する。これら両粉末
を混合し,焼成することにより,(Mn・Cr)O4
ピネル中の一部のMn及びCr原子(またはMn及びC
rイオン)が,隣接するY23側に移動し,該Y23
と反応し,Y(Cr+Mn)O3 ペロブスカイトを形
成する。
【0037】この過程において,(Mn・Cr)O4
ピネルとY(Cr+Mn)O3 ペロブスカイトとの間
に,従来材料では得られなかった強い結合力が生じる。
そして,この結合力により両者が均一に分散した状態を
安定に存続させることができる。従って,本発明の高温
用サーミスタ材料においては,常に均一に(Mnx・C
ry)O4 スピネル(0<x,y≦2,x+y=3)と
Y(Cr+Mn)O3 ペロブスカイトとが混在してお
り,従ってそのサーミスタ特性も安定する。
【0038】また,本例に示した高温用サーミスタ10
は,厚膜タイプ高温用サーミスタである。そして,この
ような高温用サーミスタを従来材料で作成した場合に
は,サーミスタ特性が安定しなかった。
【0039】しかし,本発明にかかるサーミスタ材料に
より作成した場合には,サーミスタ材料中における,
(Mnx・Cry)O4 スピネル(0<x,y≦2,x
+y=3)とY(Cr+Mn)O3 ペロブスカイトとの
間に分離が発生せず,従来例に示すような(Mn・C
r)O4 スピネルのアルミナよりなる基板11,カバー
12への逃げが発生しない。このため,本例にかかる高
温用サーミスタは安定したサーミスタ特性を有すること
ができる。
【0040】次に,本例にかかる高温用サーミスタのサ
ーミスタ特性につき,比較例と共に説明する。まず,本
発明にかかる,表1に示す組成のサーミスタ材料を用い
た試料1〜6にかかる高温用サーミスタを準備する。な
お,同表に示すY23 の添加量(モル%)は,(Mn
・Cr)O4 スピネル粉末とY23 粉末との合計量1
00モル%に対する値で表している。また,試料6にか
かるCa・Si・Oの添加量は,上記合計量に対する外
モル%である。そして,上述の試料1〜6を,上述と同
様の製造方法により製造した。
【0041】また,比較試料C1は,従来の製造方法に
より得られたサーミスタ材料よりなる高温用サーミスタ
である。即ち,Cr23 とMnO2 とをCrとMnと
のモル比が1モルとなるように配合し,1100℃〜1
300℃で仮焼成後,粉砕を行い,Mn1.5 Cr1.5
4 スピネルの粉末を得た。
【0042】また,同様にして,Cr23 とY23
とをCrとYのモル比が1:1になるよう配合し,11
00℃〜1300℃で仮焼成後,粉砕を行いYCrO3
ペロブスカイトの粉末を得た。上記原料となる粉末を混
合し,上述と同様の製造方法にてサーミスタペーストと
なし,図1と同様の高温用サーミスタを得た。これが比
較試料C1である。
【0043】次に,上述の各試料1〜6,比較試料C1
とのサーミスタ特性の測定に関して説明する。まず,5
00℃/700℃における抵抗値を測定し,これらより
サーミスタ定数を算出し,これを表1に記した。次に,
700℃における比抵抗を測定し,これを表1に記し
た。
【0044】次に,上述の各試料1〜6,比較試料C1
の高温耐久性につき,以下に示すごとく測定した。ま
ず,上述の各試料1〜6,比較試料C1の700℃にお
ける抵抗値を測定した。次いで,各試料1〜6,比較試
料C1を炉に投入し,1100℃,1000時間にて加
熱した。その後,炉より取出した各試料1〜6,比較試
料C1につき,再び700℃における抵抗値を測定し
た。
【0045】加熱前における抵抗値をRM,加熱後にお
ける抵抗値をRGとすると,これらの間における抵抗値
変化率は(RG/RM)−1となり,この値の百分率を
表1に記した。なお,図2は,縦軸に上記抵抗値変化
率,横軸にY23 添加量とし,プロットした線図であ
る。
【0046】表1より知れるごとく,試料1〜6は,い
ずれも抵抗値変化率が低く,加熱前と加熱後において,
抵抗値が殆ど変化なかったことが分かった。このため,
本発明にかかるサーミスタ材料は高温において,特に安
定したサーミスタ特性を維持することができることが分
かった。
【0047】これと対照的に,比較試料C1は,抵抗変
化率が+45と非常に高く,高温において,そのサーミ
スタ特性が安定しないことが分かった。従って,本発明
にかかる試料1〜6は,実際の使用環境に類似した高温
雰囲気においても精度よく温度を検出することができる
ことが分かった。
【0048】また,試料1,2,5,6は,いずれも本
発明にかかるサーミスタ材料であるが,Y23 の添加
量が各々異なる。そして,試料1,2,5,6の間にお
いては,その比抵抗が80〜1940の範囲にある。従
って,本発明にかかるサーミスタ材料は,Y23 の添
加量を変化させることにより,広い範囲の比抵抗を得る
ことが可能であることが分かった。
【0049】また,試料2,3,4より,(Mn・C
r)O4 におけるMnとCrとのモル比を違えることに
より,その比抵抗が105〜1060まで変化すること
が分かった。従って,本発明にかかるサーミスタ材料
は,(Mn・Cr)O4 におけるMnとCrとのモル比
を違えることにより,広い範囲の比抵抗を得ることが可
能であることが分かった。
【0050】
【表1】
【0051】実施形態例2 本例は,図3に示すごとく,本発明にかかるサーミスタ
材料1をバルクタイプのサーミスタ素子20としたもの
である。図3に示すごとく,上記サーミスタ素子20
は,サーミスタ材料1によりバルク状の本体が構成され
てなり,該本体に対し,2本の電極23が埋設された構
造を有している。
【0052】本例のサーミスタ素子20の製造方法につ
き説明する。まず,(Mn・Cr)O4 スピネル粉末が
50モル%,Y23 が50モル%,全体が100モル
%となるように,(Mn・Cr)O4 スピネル粉末を4
9.8g,Y23 を50.2g混合した。
【0053】更に,両者を混合した混合原料粉末100
モル%,100gに対し,焼結助剤として,Si・Ca
・O(ケイ酸シリケート)を10外モル%,5.2g添
加,混合した。更に,上記混合物に対し,有機バインダ
(化合物名PVA(ポリビニルアルコール)10%濃度
溶液)を10g添加した。
【0054】以上により得られたサーミスタ造粒粉末
を,所望の形状(図3参照)に成形した。なお,この成
形の際に,上記電極23となるPt線を2本,埋設し
た。その後,これらを温度1550℃において焼結し,
(Mn・Cr)O4 スピネルとY23 とを反応させ,
(Mnx・Cry)O4 スピネル(0<x,y≦2,x
+y=3)とY(Cr+Mn)O3 ペロブスカイトとの
混合焼結体となした。以上により,図3に示すサーミス
タ素子20を得た。その他は,実施形態例1と同様であ
る。また,本例においても,実施形態例1と同様の作用
効果を有する。
【0055】実施形態例3 本例は,図4に示すごとく,本発明にかかる高温用サー
ミスタを自動車の排気ガス温度測定器として用いたもの
である。上記排気ガス温度測定器は,実施形態例2にお
いて示したバルクタイプの高温用サーミスタ素子20を
セメント22に封入することにより金属筒30内に固定
し,高温用サーミスタ3としたものである。また,上記
高温用サーミスタ素子20より延設された2本の電極2
3は上記金属筒30内においてリード線33に対し接続
されている。上記リード線33より上記高温用サーミス
タ素子20の出力を外部に取出している。なお,符号3
1は,ハウジングである。その他は実施形態例1と同様
である。
【0056】本例の排気ガス温度測定器である高温用サ
ーミスタ3は,サーミスタ素子20が金属筒30内に内
包されている。このため,上記サーミスタ素子20が排
気ガスに晒されることを防止できる。よって,本例によ
ればサーミスタ素子20の寿命を格段に向上させること
ができる。その他の作用効果は,実施形態例1と同様で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,厚膜タイプの高温用サ
ーミスタの断面図。
【図2】実施形態例1における,抵抗変化率とY23
添加量との間の関係を示す線図。
【図3】実施形態例2における,バルクタイプのサーミ
スタ素子の説明図。
【図4】実施形態例3における,高温用サーミスタの断
面図。
【図5】従来例における,厚膜タイプの高温用サーミス
タの問題を示す説明図。
【符号の説明】
1...サーミスタ材料, 10...高温用サーミスタ, 11...基板, 12...カバー, 20...サーミスタ素子,

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (Mn・Cr)O4 スピネルの粉末と,
    23 の粉末との混合原料粉末を1400〜1700
    ℃に加熱焼成して両者を反応させ,(Mnx・Cry)
    4 スピネル(0<x,y≦2,x+y=3)とY(C
    r+Mn)O3ペロブスカイトとからなるサーミスタ材
    料を得ることを特徴とする高温用サーミスタ材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記混合原料粉末中
    の(Mn・Cr)O4スピネルとY23 との合計量に
    対するY23 の添加量は10〜90モル%であること
    を特徴とする高温用サーミスタ材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記混合原
    料粉末中の(Mn・Cr)O4 スピネルの粉末中におけ
    る,Cr/Mnのモル比は0.11〜9.0であること
    を特徴とする高温用サーミスタ材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミナを含有するセラミック基板の上
    に高温用サーミスタ材料,更にその上にアルミナを含有
    するセラミックカバーが積層された積層構造を有する高
    温用サーミスタであって,かつ上記高温用サーミスタ材
    料は,(Mn・Cr)O4 スピネルの粉末と,Y23
    の粉末との混合原料粉末を1400〜1700℃に加熱
    焼成して両者を反応させ,(Mnx・Cry)O4 スピ
    ネル(0<x,y≦2,x+y=3)とY(Cr+M
    n)O3 ペロブスカイトとからなり,かつ,上記混合原
    料粉末中の(Mn・Cr)O4 スピネルとY23 との
    合計量に対するY23 の添加量は10〜90モル%で
    あり,かつ,上記混合原料粉末中の(Mn・Cr)O4
    スピネルの粉末中における,Cr/Mnのモル比は0.
    11〜9.0であることを特徴とする高温用サーミス
    タ。
  5. 【請求項5】 高温用サーミスタ材料を金属筒内に内蔵
    してなる高温用サーミスタであって,かつ上記高温用サ
    ーミスタ材料は,(Mn・Cr)O4 スピネルの粉末
    と,Y 23 の粉末との混合原料粉末を1400〜17
    00℃に加熱焼成して両者を反応させ,(Mnx・Cr
    y)O4 スピネル(0<x,y≦2,x+y=3)とY
    (Cr+Mn)O3 ペロブスカイトとからなり,かつ,
    上記混合原料粉末中の(Mn・Cr)O4 スピネルとY
    23 との合計量に対するY23 の添加量は10〜9
    0モル%であり,かつ,上記混合原料粉末中の(Mn・
    Cr)O4 スピネルの粉末中における,Cr/Mnのモ
    ル比は0.11〜9.0であることを特徴とする高温用
    サーミスタ。
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