JPH1070021A - 複合磁性部材およびその製造方法 - Google Patents
複合磁性部材およびその製造方法Info
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- JPH1070021A JPH1070021A JP8225036A JP22503696A JPH1070021A JP H1070021 A JPH1070021 A JP H1070021A JP 8225036 A JP8225036 A JP 8225036A JP 22503696 A JP22503696 A JP 22503696A JP H1070021 A JPH1070021 A JP H1070021A
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-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/0302—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity characterised by unspecified or heterogeneous hardness or specially adapted for magnetic hardness transitions
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 強磁性部の磁気特性を改善した強磁性部と非
磁性部を一つの部材に有する複合磁性部材を提供する。 【課題手段】 質量%でC:0.35〜0.75%、C
r:10〜16%、Ni:2.5%以下、N:0.04〜
0.1%、Si、Al、Mnの1種もしくは2種を2%
以下含有し、残部実質的にFeからなる組成を有し、か
つ最大透磁率μmが300以上の強磁性部と、オーステ
ナイト組織を主体とする透磁率2以下の非磁性部により
複合磁性部材を構成する。この複合磁性部材は、上述し
た組成の素材を焼鈍し、強磁性組織とした後、該強磁性
組織の一部をオーステナイト変態開始温度以上に加熱し
冷却して非磁性のオーステナイト組織を残留させること
により得られる。
磁性部を一つの部材に有する複合磁性部材を提供する。 【課題手段】 質量%でC:0.35〜0.75%、C
r:10〜16%、Ni:2.5%以下、N:0.04〜
0.1%、Si、Al、Mnの1種もしくは2種を2%
以下含有し、残部実質的にFeからなる組成を有し、か
つ最大透磁率μmが300以上の強磁性部と、オーステ
ナイト組織を主体とする透磁率2以下の非磁性部により
複合磁性部材を構成する。この複合磁性部材は、上述し
た組成の素材を焼鈍し、強磁性組織とした後、該強磁性
組織の一部をオーステナイト変態開始温度以上に加熱し
冷却して非磁性のオーステナイト組織を残留させること
により得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気目盛り等に使用
される一つの部材に強磁性部と非磁性部を設けた複合磁
性部材およびその製造方法に関するものである。
される一つの部材に強磁性部と非磁性部を設けた複合磁
性部材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、非磁性部と強磁性部を検出して
物品の相対位置を検出する素材は、磁気目盛、あるいは
磁気スケールと呼ばれ多用されている。この磁気目盛り
を得る方法としては、特開昭62−83620号に記載
されるように、通常ではオーステナイト組織となるが、
加工によってマルテンサイト化する、いわゆる準安定オ
ーステナイト鋼に強加工を与え、強磁性を示す加工誘起
マルテンサイト組織に変態させ、次いで目盛りとなる部
分をレーザ等で加熱して、オーステナイト組織として非
磁性部を形成することによって得ていた。
物品の相対位置を検出する素材は、磁気目盛、あるいは
磁気スケールと呼ばれ多用されている。この磁気目盛り
を得る方法としては、特開昭62−83620号に記載
されるように、通常ではオーステナイト組織となるが、
加工によってマルテンサイト化する、いわゆる準安定オ
ーステナイト鋼に強加工を与え、強磁性を示す加工誘起
マルテンサイト組織に変態させ、次いで目盛りとなる部
分をレーザ等で加熱して、オーステナイト組織として非
磁性部を形成することによって得ていた。
【0003】また、本出願人等は特開平7−11397
号では、自動車の電磁弁の部品として新しい複合磁性部
材を提案し、それでは強加工を適用する準安定オーステ
ナイト鋼として最適なニッケル当量、クロム当量、平山
当量を提示し、自動車の電磁弁にとって好ましい磁気特
性が得られる最適の組成範囲を提案した。このような電
磁弁の部品として準安定オーステナイト鋼を使用した複
合磁性材料を利用すると、一つの部材に強磁性部と非磁
性部が形成できるため、気密性の確保、振動等による破
損の防止等の信頼性の確保という点で、強磁性体と非磁
性体を接合した部品よりも優れたものとなる。
号では、自動車の電磁弁の部品として新しい複合磁性部
材を提案し、それでは強加工を適用する準安定オーステ
ナイト鋼として最適なニッケル当量、クロム当量、平山
当量を提示し、自動車の電磁弁にとって好ましい磁気特
性が得られる最適の組成範囲を提案した。このような電
磁弁の部品として準安定オーステナイト鋼を使用した複
合磁性材料を利用すると、一つの部材に強磁性部と非磁
性部が形成できるため、気密性の確保、振動等による破
損の防止等の信頼性の確保という点で、強磁性体と非磁
性体を接合した部品よりも優れたものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述したよう
な準安定オーステナイト鋼は、元々非磁性のオーステナ
イト組織であるため、強磁性部の特性を高めるために
は、高い加工率を適用する必要がある。このような強加
工を行うことは、製造工程により負荷を増大するととも
に、強加工による割れの発生等の問題が生じている。ま
た、このような強加工を行っても、最大透磁率μmが1
60程度の磁気特性しか得られないという問題があり、
最大透磁率μmが300以上のような強磁部の磁気特性
を重視する場合問題となる。
な準安定オーステナイト鋼は、元々非磁性のオーステナ
イト組織であるため、強磁性部の特性を高めるために
は、高い加工率を適用する必要がある。このような強加
工を行うことは、製造工程により負荷を増大するととも
に、強加工による割れの発生等の問題が生じている。ま
た、このような強加工を行っても、最大透磁率μmが1
60程度の磁気特性しか得られないという問題があり、
最大透磁率μmが300以上のような強磁部の磁気特性
を重視する場合問題となる。
【0005】本発明の目的は、一つの部材において、強
磁性部と非磁性部を有する複合磁性部材における強磁性
部の磁気特性を改善した複合磁性部材およびその製造方
法を提供することを目的とする。
磁性部と非磁性部を有する複合磁性部材における強磁性
部の磁気特性を改善した複合磁性部材およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述したよ
うな準安定オーステナイト鋼では、強磁性部の特性には
限界があることを見出し、新しい複合磁性部材を検討し
た。そして、通常マルテンサイトとなる合金において
も、オーステナイト変態温度以上からの冷却処理によ
り、非磁性組織であるオーステナイト組織を残留させる
ことができるという知見から、複合磁性材料としての最
適組成を検討した。
うな準安定オーステナイト鋼では、強磁性部の特性には
限界があることを見出し、新しい複合磁性部材を検討し
た。そして、通常マルテンサイトとなる合金において
も、オーステナイト変態温度以上からの冷却処理によ
り、非磁性組織であるオーステナイト組織を残留させる
ことができるという知見から、複合磁性材料としての最
適組成を検討した。
【0007】その結果、通常はマルテンサイトとなり強
磁性が得られるC−Cr−Fe系合金に対して、Nを
0.04〜0.1%添加し、Niを2.5%以下に制限す
ることによって、強磁性部の特性を大きく劣化させず
に、部分的に加熱冷却して得られる残留オーステナイト
を安定化することができ、これによって部分的な非磁性
部が得られることを見出し本発明に到達した。
磁性が得られるC−Cr−Fe系合金に対して、Nを
0.04〜0.1%添加し、Niを2.5%以下に制限す
ることによって、強磁性部の特性を大きく劣化させず
に、部分的に加熱冷却して得られる残留オーステナイト
を安定化することができ、これによって部分的な非磁性
部が得られることを見出し本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、質量%でC:0.35
〜0.75%、Cr:10〜16%、Ni:2.5%以
下、N:0.04〜0.1%、Si、Al、Mnの1種も
しくは2種を2%以下含有し、残部実質的にFeからな
る組成を有し、かつ最大透磁率μmが300以上の強磁
性部と、オーステナイト組織を主体とする透磁率2以下
の非磁性部が形成された複合磁性部材である。
〜0.75%、Cr:10〜16%、Ni:2.5%以
下、N:0.04〜0.1%、Si、Al、Mnの1種も
しくは2種を2%以下含有し、残部実質的にFeからな
る組成を有し、かつ最大透磁率μmが300以上の強磁
性部と、オーステナイト組織を主体とする透磁率2以下
の非磁性部が形成された複合磁性部材である。
【0009】上述した本発明の複合磁性部材は、上述し
た組成の素材を焼鈍し、最大透磁率μmが300以上の
強磁性組織を得た後、該強磁性組織の一部をオーステナ
イト変態開始温度以上に加熱した後、冷却してオーステ
ナイト組織を残留させた非磁性部を得ることにより製造
することができる。なお、オーステナイト変態開始温度
以上に加熱した後、冷却してオーステナイト組織を残留
させる方法としては、部分的に溶融凝固させる手段をと
っても良い。
た組成の素材を焼鈍し、最大透磁率μmが300以上の
強磁性組織を得た後、該強磁性組織の一部をオーステナ
イト変態開始温度以上に加熱した後、冷却してオーステ
ナイト組織を残留させた非磁性部を得ることにより製造
することができる。なお、オーステナイト変態開始温度
以上に加熱した後、冷却してオーステナイト組織を残留
させる方法としては、部分的に溶融凝固させる手段をと
っても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】上述したように、本発明は複合磁
性材料として特に優れた強磁性を有する強磁性部を得よ
うとするものである。そのために本発明においては、通
常強磁性を示すC−Cr−Fe系の合金を選択し、かつ
オーステナイト安定化元素としてNを多く添加し、Ni
の添加量を制限したものである。以下、本発明で規定す
る元素の規定理由を述べる。Niはオーステナイト組織
を安定化するものであり、本発明には欠くことのできな
い重要な元素である。しかし、Niの増加は焼鈍後の強
磁性部の磁気特性を低下させる。またNiの添加量の増
加とともに焼鈍後の耐力値が増加し、加工性を低下させ
るという問題も発生する。従って本発明においては添加
量を2.5%以下とする必要がある。
性材料として特に優れた強磁性を有する強磁性部を得よ
うとするものである。そのために本発明においては、通
常強磁性を示すC−Cr−Fe系の合金を選択し、かつ
オーステナイト安定化元素としてNを多く添加し、Ni
の添加量を制限したものである。以下、本発明で規定す
る元素の規定理由を述べる。Niはオーステナイト組織
を安定化するものであり、本発明には欠くことのできな
い重要な元素である。しかし、Niの増加は焼鈍後の強
磁性部の磁気特性を低下させる。またNiの添加量の増
加とともに焼鈍後の耐力値が増加し、加工性を低下させ
るという問題も発生する。従って本発明においては添加
量を2.5%以下とする必要がある。
【0011】しかし、Ni量2.5%以下とした場合、
強磁性部の磁気特性は確保できるものの、非磁性部の低
温度域に対する安定度が悪く、使用環境を制限される。
すなわち、0℃以下にまで下げると、非磁性を示すオー
ステナイト組織がα′構造に変態して磁性を有するよう
になるため、低温域での使用ができなくなるのである。
したがって、Niに換えて、オーステナイトを安定化す
る元素が必要である。その結果、本発明者は、Nを0.
04%以上添加することがオーステナイトの安定化と強
磁性部の特性確保の両立に有効に作用することを見出し
たのである。なお、Nは0.1%以上では耐食性が劣化
するため本発明におけるNの範囲を0.04〜0.1%と
した。
強磁性部の磁気特性は確保できるものの、非磁性部の低
温度域に対する安定度が悪く、使用環境を制限される。
すなわち、0℃以下にまで下げると、非磁性を示すオー
ステナイト組織がα′構造に変態して磁性を有するよう
になるため、低温域での使用ができなくなるのである。
したがって、Niに換えて、オーステナイトを安定化す
る元素が必要である。その結果、本発明者は、Nを0.
04%以上添加することがオーステナイトの安定化と強
磁性部の特性確保の両立に有効に作用することを見出し
たのである。なお、Nは0.1%以上では耐食性が劣化
するため本発明におけるNの範囲を0.04〜0.1%と
した。
【0012】Cは炭化物を形成し、本発明の基本となる
C−Cr−Fe系合金の基本的な強度を確保する元素と
して重要である。また、Cはオーステナイトの安定化に
も寄与する元素である。Cが0.35%未満では、オー
ステナイト変態点以上に加熱後冷却した際、透磁率2以
下が得られ難く、また0.75%を越えると冷間での加
工が難しくなる。そのため本発明においては、Cの範囲
を0.35〜0.75%に規定した。Cのより望ましい範
囲は0.45〜0.65%である。
C−Cr−Fe系合金の基本的な強度を確保する元素と
して重要である。また、Cはオーステナイトの安定化に
も寄与する元素である。Cが0.35%未満では、オー
ステナイト変態点以上に加熱後冷却した際、透磁率2以
下が得られ難く、また0.75%を越えると冷間での加
工が難しくなる。そのため本発明においては、Cの範囲
を0.35〜0.75%に規定した。Cのより望ましい範
囲は0.45〜0.65%である。
【0013】Crはマトリックスに固溶すると共に、一
部は炭化物となり、本発明の機械的強度と耐食性を確保
する元素である。本発明においてCrの範囲を10〜1
6%としたのは、10%未満では耐食性が劣り、16%
以上ではフェライト組織が安定化するため、非磁性部を
形成することが困難になるためである。なお、本発明に
おいてSi、Al、Mnの一種もしくは2種以上を合計
で2%以下含んでもよい。これらの元素は、脱酸元素と
して精錬のために添加することができるものである。な
おこれらの元素は精錬過程で除去されるが、一部は残留
する。本発明においては、特に磁気特性を劣化させない
範囲として、2%以下に制限する。
部は炭化物となり、本発明の機械的強度と耐食性を確保
する元素である。本発明においてCrの範囲を10〜1
6%としたのは、10%未満では耐食性が劣り、16%
以上ではフェライト組織が安定化するため、非磁性部を
形成することが困難になるためである。なお、本発明に
おいてSi、Al、Mnの一種もしくは2種以上を合計
で2%以下含んでもよい。これらの元素は、脱酸元素と
して精錬のために添加することができるものである。な
おこれらの元素は精錬過程で除去されるが、一部は残留
する。本発明においては、特に磁気特性を劣化させない
範囲として、2%以下に制限する。
【0014】上述した本発明の複合磁性部材の製造方法
の特徴は、上述した組成の素材を焼鈍し、最大透磁率μ
m300以上の強磁性組織を得た後、該強磁性組織の一
部をオーステナイト変態開始温度以上に加熱した後、冷
却してオーステナイト組織を残留させ得ることである。
この方法により、従来の準安定オーステナイト鋼を使用
する場合に得られなかった最大透磁率μm300以上の
強磁性部と、オーステナイト組織を主体とする透磁率2
以下の非磁性部を併せ持つような複合磁性部材を得るこ
とができる。
の特徴は、上述した組成の素材を焼鈍し、最大透磁率μ
m300以上の強磁性組織を得た後、該強磁性組織の一
部をオーステナイト変態開始温度以上に加熱した後、冷
却してオーステナイト組織を残留させ得ることである。
この方法により、従来の準安定オーステナイト鋼を使用
する場合に得られなかった最大透磁率μm300以上の
強磁性部と、オーステナイト組織を主体とする透磁率2
以下の非磁性部を併せ持つような複合磁性部材を得るこ
とができる。
【0015】上述した強磁性部を得る際に行う焼鈍は、
強磁性部の製造工程において残留する歪みの開放を行う
ものであり、強磁性特性を高めるためには、非磁性部を
得る前に予め行っておく必要がある。本発明における強
磁性部の最大透磁率μm300以上は、強加工によって
強磁性を得る必要がある準安定オーステナイト鋼では得
ることのできないものである。本発明は、加熱急冷によ
り残留するオーステナイトにより非磁性部の特性を確保
するものである。このオーステナイトは、冷却速度を速
めることでより多く残留させることが可能であり、オー
ステナイトが安定して存在する温度域から急冷すること
が望ましい。実際には、空冷以上の冷却速度を確保でき
る冷却方法の適用が望ましく、水冷法あるいは油冷法を
適用することが望ましい。
強磁性部の製造工程において残留する歪みの開放を行う
ものであり、強磁性特性を高めるためには、非磁性部を
得る前に予め行っておく必要がある。本発明における強
磁性部の最大透磁率μm300以上は、強加工によって
強磁性を得る必要がある準安定オーステナイト鋼では得
ることのできないものである。本発明は、加熱急冷によ
り残留するオーステナイトにより非磁性部の特性を確保
するものである。このオーステナイトは、冷却速度を速
めることでより多く残留させることが可能であり、オー
ステナイトが安定して存在する温度域から急冷すること
が望ましい。実際には、空冷以上の冷却速度を確保でき
る冷却方法の適用が望ましく、水冷法あるいは油冷法を
適用することが望ましい。
【0016】また、オーステナイトを残留させる方法と
しては、レーザービームやプラズマ加熱により部分的に
溶融し凝固させる方法をとることも可能である。溶融凝
固する方法では、オーステナイトは極めて安定になり、
非磁性部の磁気特性を確保する手法としては有効であ
る。このように、本発明においては、本来強磁性のマル
テンサイト組織となる鋼を利用するため、非磁性部の確
保が重要である。非磁性部の特性は、上述した合金組成
とオーステナイトを残留するための加熱冷却処理によっ
て大きく変化する。複合磁性部材として有効な非磁性部
の磁気特性および安定性の指標として、本発明において
は、透磁率2以下と規定した。
しては、レーザービームやプラズマ加熱により部分的に
溶融し凝固させる方法をとることも可能である。溶融凝
固する方法では、オーステナイトは極めて安定になり、
非磁性部の磁気特性を確保する手法としては有効であ
る。このように、本発明においては、本来強磁性のマル
テンサイト組織となる鋼を利用するため、非磁性部の確
保が重要である。非磁性部の特性は、上述した合金組成
とオーステナイトを残留するための加熱冷却処理によっ
て大きく変化する。複合磁性部材として有効な非磁性部
の磁気特性および安定性の指標として、本発明において
は、透磁率2以下と規定した。
【0017】(実施例)表1に示す組成の素材を、真空
溶解にて10kgの鋼塊を得た後、鍛造、熱間圧延を行
い、板圧4.0mmとした。この材料を焼鈍した後、酸
化スケールを除去し、冷間圧延により板厚1.5mmと
することにより得た。
溶解にて10kgの鋼塊を得た後、鍛造、熱間圧延を行
い、板圧4.0mmとした。この材料を焼鈍した後、酸
化スケールを除去し、冷間圧延により板厚1.5mmと
することにより得た。
【0018】
【表1】
【0019】この冷間圧延材を焼鈍して強磁性体化し、
得られた試料の一部を高周波加熱によってA3変態点以
上の1150℃で1分間保持後水冷し、強磁性を有する
素材にオーステナイト組織を主体とする非磁性部を形成
した。得られた複合磁性材料の磁気特性の測定を行っ
た。強磁性部の特性はB−Hループから最大透磁率μm
と磁束密度B4000(磁化の強さ4000A/mにおける磁束密
度)で評価し、非磁性部は低温度域における安定性も含
めて−20℃の液体に24時間浸漬した冷却前後で、透
磁率計によって透磁率μを測定して評価した。また加工
性を評価するために、上述した素材を得る工程の途中の
熱間圧延後の材料から試験片を採取し、0.2%耐力を
測定した。この結果を表2に合わせて示す。
得られた試料の一部を高周波加熱によってA3変態点以
上の1150℃で1分間保持後水冷し、強磁性を有する
素材にオーステナイト組織を主体とする非磁性部を形成
した。得られた複合磁性材料の磁気特性の測定を行っ
た。強磁性部の特性はB−Hループから最大透磁率μm
と磁束密度B4000(磁化の強さ4000A/mにおける磁束密
度)で評価し、非磁性部は低温度域における安定性も含
めて−20℃の液体に24時間浸漬した冷却前後で、透
磁率計によって透磁率μを測定して評価した。また加工
性を評価するために、上述した素材を得る工程の途中の
熱間圧延後の材料から試験片を採取し、0.2%耐力を
測定した。この結果を表2に合わせて示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2に示すように、Niを2.5%以下、
Nを0.04〜0.1%とした本発明の試料は、すべて強
磁性部において、最大透磁率が300を越え、4000
(A/m)における磁束密度も1(T)を越える優れた強磁
性が得られると共に、非磁性部においても−20℃の冷
却で透磁率が若干増加するが、2以上に増加することは
なく、低温域まで複合磁性材としての機能が得られるこ
とが確認できた。また、Nを0.04%未満とした比較
例の試料9においては−20℃における透磁率が2を大
きく越えており、使用温度域が制限されることがわか
る。また、Niを2.5%を越えて添加した比較例の試
料10は焼鈍後の強磁性部の最大透磁率μmが300を
下回り、また耐力値が610(N/mm2)と非常に高く
加工し難くなることがわかる。
Nを0.04〜0.1%とした本発明の試料は、すべて強
磁性部において、最大透磁率が300を越え、4000
(A/m)における磁束密度も1(T)を越える優れた強磁
性が得られると共に、非磁性部においても−20℃の冷
却で透磁率が若干増加するが、2以上に増加することは
なく、低温域まで複合磁性材としての機能が得られるこ
とが確認できた。また、Nを0.04%未満とした比較
例の試料9においては−20℃における透磁率が2を大
きく越えており、使用温度域が制限されることがわか
る。また、Niを2.5%を越えて添加した比較例の試
料10は焼鈍後の強磁性部の最大透磁率μmが300を
下回り、また耐力値が610(N/mm2)と非常に高く
加工し難くなることがわかる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、準安定オーステナイト
鋼を用いず、NiとNを適量添加したC−Cr−Fe合
金を使用することにより、強加工を行うことなく特に強
磁性部の特性に優れた複合磁性材料を得ることができ
る。したがって、従来のような極めて厳しい加工条件を
適用することがなくなり、製造上の効率向上に極めて有
効である。また、本発明においては強磁性部の磁気特性
に優れているため、磁気回路におけるポールピースのよ
うな磁路形成材料としても有効である。
鋼を用いず、NiとNを適量添加したC−Cr−Fe合
金を使用することにより、強加工を行うことなく特に強
磁性部の特性に優れた複合磁性材料を得ることができ
る。したがって、従来のような極めて厳しい加工条件を
適用することがなくなり、製造上の効率向上に極めて有
効である。また、本発明においては強磁性部の磁気特性
に優れているため、磁気回路におけるポールピースのよ
うな磁路形成材料としても有効である。
Claims (2)
- 【請求項1】 質量%でC:0.35〜0.75%、C
r:10〜16%、Ni:2.5%以下、N:0.04〜
0.1%、Si、Al、Mnの1種もしくは2種を2%
以下含有し、残部実質的にFeからなる組成を有し、か
つ最大透磁率300以上の強磁性部と、オーステナイト
組織を主体とする透磁率2以下の非磁性部を併せ持つこ
とを特徴とする複合磁性部材 - 【請求項2】 質量%でC:0.35〜0.75%、C
r:10〜16%、Ni:2.5%以下、N:0.04〜
0.1%、Si、Al、Mnの1種もしくは2種を2%
以下含有し、残部実質的にFeからなる組成を有する素
材を焼鈍し、最大透磁率μm300以上の強磁性部を得
た後、該強磁性組織の一部をオーステナイト変態点以上
に加熱した後、冷却してオーステナイト組織を残留させ
非磁性部を得ることを特徴とする複合磁性部材の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8225036A JPH1070021A (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | 複合磁性部材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8225036A JPH1070021A (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | 複合磁性部材およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1070021A true JPH1070021A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=16823056
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8225036A Pending JPH1070021A (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | 複合磁性部材およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1070021A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012077631A1 (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-14 | 日立金属株式会社 | 複合磁性材用素材及び複合磁性材 |
| CN103320716A (zh) * | 2012-03-19 | 2013-09-25 | 日立金属株式会社 | 复合磁性材料的原材料以及复合磁性材料的制造方法 |
-
1996
- 1996-08-27 JP JP8225036A patent/JPH1070021A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012077631A1 (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-14 | 日立金属株式会社 | 複合磁性材用素材及び複合磁性材 |
| JPWO2012077631A1 (ja) * | 2010-12-06 | 2014-05-19 | 日立金属株式会社 | 複合磁性材用素材及び複合磁性材 |
| CN103320716A (zh) * | 2012-03-19 | 2013-09-25 | 日立金属株式会社 | 复合磁性材料的原材料以及复合磁性材料的制造方法 |
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