JPH1074602A - 感温抵抗体及びその製造方法 - Google Patents

感温抵抗体及びその製造方法

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JPH1074602A
JPH1074602A JP22905996A JP22905996A JPH1074602A JP H1074602 A JPH1074602 A JP H1074602A JP 22905996 A JP22905996 A JP 22905996A JP 22905996 A JP22905996 A JP 22905996A JP H1074602 A JPH1074602 A JP H1074602A
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孝男 野田
Hitoshi Amita
仁 網田
Masayuki Yamada
正行 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期抵抗値が低く、かつPTC特性に優れる
感温抵抗体を提供する。 【解決手段】 (A)合成樹脂及び(B)気相法炭素繊
維からなる組成物であって、該炭素繊維のX線回折ピー
ク強度比が下記(a)及び(b)を満たす、電流方向に
一次元に配向していることを特徴とする感温抵抗体であ
る。 (a)電流の流れる方向と垂直に0〜360度の角度か
らX線を照射し、グラファイトの(002)面と(10
0)面のX線回折のピーク強度比を測定したときの最大
値(Imax)と最小値(Imin)との比(Imin
/Imax)が0.6以上 (b)電流の流れる方向からX線を照射し、グラファイ
トの(002)面と(100)面のX線回折のピーク強
度比を測定したときの強度比(Ie)とImaxとの比
(Imax/Ie)が1.5以上

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過電流・過熱保護
素子あるいは自己温度制御機能を有する発熱体などに好
適に用いられる感温抵抗体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンやポリプロピレンなどの結
晶性重合体に導電性粉末(例えば、カーボンブラック、
金属粉末など)を配合した導電性樹脂組成物が、特定温
度領域において電気抵抗値が温度の上昇と共に急激に増
大する性質(以下「PTC特性」という)を有すること
が知られている。これらの樹脂組成物が、かかるPTC
特性を有するのは、結晶性重合体がその融点付近になる
と、結晶質から非晶質に転移する際に起こるものである
ので、温度変化に伴う抵抗変化の追随性が悪く、また、
初期抵抗値を低くするために導電性粉末を多量に添加す
る必要があり、そのために機械的性質が低下するという
問題があった。かかる問題を改善する方法として、導電
性粉末として気相法炭素繊維を使用する方法が提案され
ている(例えば、特開昭63−170902号公報、特
開平2−92960号公報など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では、過電流・過熱保護素子などに応用するには
依然として初期抵抗値が高いという問題があった。本発
明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、初期抵
抗値が低く、かつ優れたPTC特性を有する感温抵抗体
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、導電性フィラーを電流の流れ方向に一次
元的に配向させることにより上記目的を達成しうること
を見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は(A)合成樹脂及び(B)気
相法炭素繊維からなる組成物であって、該炭素繊維が電
流方向に一次元に配向していることを特徴とする感温抵
抗体を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における(A)合成樹脂と
しては、特に制限されるものはなく、フェノール系,ユ
リア系,エポキシ系,ウレタン系,不飽和ポリエステル
系,シリコーン系などの熱硬化性樹脂、あるいは低密度
ポリエチレン,高密度ポリエチレン,ポリプロピレン,
エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、
オレフィン系共重合体、ポリアミド類、ポリエステル
類、フッ素含有エチレン系重合体などの熱可塑性樹脂な
どが使用でき、これらの樹脂を単独または二種以上を組
み合わせて用いることができる。これらの中でもPTC
特性に優れるものとしては、結晶性重合体が好ましい。
結晶化度としては5%以上が好ましく、特に15%以上
が好適である。
【0006】また、本発明における(B)気相法炭素繊
維(以下「VGCF」という)は、例えば、炭化水素な
どを有機遷移金属化合物の存在下で熱分解して得られる
ウィスカー状の繊維である。VGCFの製造方法として
は、例えば特開昭60−27700号公報に詳細な記載
がある。VGCFは、一般に直径が0.05〜10μm
で長さが1μm〜5mmであるが、本発明においては直
径が0.05〜5μmで長さが1μm〜0.1mmのも
のが好ましく、とりわけ直径が0.05〜2μmで長さ
が1μm〜0.1mmのものが好適である。さらに、本
発明のVGCFとしては、処理温度が2000℃以上が
好ましく、特に2500℃以上が好適である。合成樹脂
に対するVGCFの配合割合は、1〜50容量%が好ま
しく、とりわけ3〜30容量%が好適である。使用する
VGCFの体積抵抗値はできるだけ小さい方が好まし
く、10-2Ω・cm以下が好ましい。
【0007】本発明の感温抵抗体は、合成樹脂とVGC
Fとの組成物からなるものであるが、さらに、次の
(a)および(b)を満足する必要がある。 (a)電流の流れる方向と垂直に0〜360度の角度か
らX線を照射し、グラファイトの(002)面と(10
0)面のX線回折のピーク強度比を測定したときの最大
値(Imax)と最小値(Imin)との比(Imin
/Imax)が0.6以上 (b)電流の流れる方向からX線を照射し、グラファイ
トの(002)面と(100)面のX線回折のピーク強
度比を測定したときの強度比(Ie)とImaxとの比
(Imax/Ie)が1.5以上 電流が流れる方向と垂直な方向におけるグラファイトの
(002)面のX線回折強度が大きく、かつ角度による
変化が少ないほど合成樹脂中でのVGCFの一次元配向
性に優れているということができる。上記Imin/I
maxは0.8以上が好ましく、特に0.9以上が好適
である。Imin/Imaxが0.6未満では初期抵抗
値が高くなるので好ましくない。また、Imax/Ie
は3.0以上が好ましく、特に5.0以上が好適であ
る。Imax/Ieが1.5未満ではPTC特性に劣る
ので好ましくない。
【0008】本発明における組成物を架橋剤及び/また
は架橋助剤を添加したり、放射線あるいは電子線照射に
より架橋してもよい。また、所望により当該技術分野に
おいて慣用の各種添加剤、例えば安定剤、難燃剤、着色
剤等を本発明の特長を損なわない程度に配合することも
できる。本発明の感温抵抗体に使用する電極の材質につ
いては、特に制限されるものはないが、耐酸化性の面か
らNiが好ましい。また、電極形成方法についても特に
制約はないが、熱融着、真空蒸着、スパッタリング、メ
ッキなどの方法を適宜採用できる。
【0009】本発明の感温抵抗体は、以上の各成分を公
知の混練装置、例えばロールミキサー、バンバリーミキ
サー、一軸押出機、二軸押出機等を用いて混練する。そ
の後、先端に絞りノズルを設けた公知の押出成形機を用
いてノズルの形状により糸、丸棒、板、シート、フィル
ム等の形状に成形することができる。絞りノズルの形状
はテーパー状に絞られているのが好ましい。また、ノズ
ルの入口断面積(S1)と出口断面積(S2)との比
(S2/S1)(以下「絞り比率」という)は0.2以
下が好ましく、特に0.1以下が好適である。成形速度
は遅いほうが配向にとっては好ましい。得られた成形体
を樹脂の押出流れ方向と垂直に切断し、その両面に電極
を形成することにより感温抵抗体が得られる。合成樹脂
として熱硬化性樹脂を用いる場合は、上記の方法で成形
した後、硬化させればよい。以後は上記の方法により抵
抗体を作製する。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。合成樹脂として、高密度ポリエチレン(日本ポ
リオレフィン社製、ジェイレックス6080)(以下
「PE」という)、ポリプロピレン(日本ポリオレフン
社製、ジェイアロマーSMA−410)(以下「PP」
という)及びエポキシ樹脂(シェル化学社製、エピコー
ト)(以下「EPX」という)を用いた。VGCFとし
て、ベンゼンを原料にフェロセン触媒で合成し、温度3
000℃で熱処理して得られた以下のものを用いた。 VF1:直径0.2μm、長さ15μm、体積抵抗値4×10-3Ω・cm VF2:直径1.0μm、長さ80μm、体積抵抗値7×10-3Ω・cm VF3:直径2.0μm、長さ0.1mm、体積抵抗値5×10-3Ω・cm VF4:直径1.5μm、長さ30μm、体積抵抗値1×10-2Ω・cm
【0011】なお、X線回折はリガク社製X線回折装置
RTP300を使用し、以下の条件で測定した。 X線源:CuKα線 スキャン速度:5°/min スリット幅:1°(DS)、1°(SS)、0.3mm
(RS) モノクロ:グラファイト PTC特性は、デジタルマルチメーター(AVANTE
ST社製、R6871E)を用いてPEについては23
〜135℃、PP及びEPXについては23〜200℃
の範囲を測定した。抵抗変化率は23℃における体積抵
抗値(ρ1)とシッチング温度における体積抵抗値(ρ
max)との比(ρmax/ρ1)で示した。なお、ス
イッチング温度とは抵抗値が急激に立ち上がる部分の両
側にある実質的に直線である線を延長して得られる交点
に対応する温度のことをいう。VGCFの体積抵抗値
は、三菱化学製粉体抵抗測定装置を用いて圧密度と体積
抵抗との関係を測定し、真密度における値を求めた。
【0012】実施例1〜5 表1に種類および配合量が示されている合成樹脂とVG
CFをラボプラストミルで混練し、得られた組成物を絞
り比率0.045の2mmφノズルを装着したメルトイ
ンデクサー(TAKARA KOGYO社製、L201
型)を用いて丸棒に押出成形した。得られた丸棒を厚さ
1mmに切断して、両断面に白金を真空蒸着し、銀ペー
ストにてリード線を固定して感温抵抗体を得た。得られ
た抵抗体のX線回折及びPTC特性を測定した。実施例
1で得られた抵抗体のPTC特性曲線を図1に示す。
【0013】実施例6 絞り比率0.18の4mmφノズルを用いた以外は実施
例1と同様に行った。 実施例7 絞り比率0.01の2mmφノズルを用いた以外は実施
例1と同様に行った。 実施例8 連続押出機で混練し、絞り比率0.005の2mmφノ
ズルを用いた以外は、実施例1と同様に行った。 実施例9 VGCFの熱処理を2500℃で行った以外は実施例と
同様にして行った。 実施例10 切断サンプルの厚さが10mmである以外は実施例1と
同様にして行った。 実施例11 VGCFの熱処理を2100℃で行った以外は実施例と
同様にして行った。 実施例12 絞り比率0.01で5mm×30mmの板状に押出成形
した以外は実施例1と同様に行った。 実施例13 EPXとVGCFを混合後、硬化剤を添加して混合し、
さらにメルトインデクサーに投入し、常温で内径2mm
の銅製の筒に押し出した。筒を120℃に加熱し硬化さ
せた。以降は実施例1のとおりに行った。
【0014】比較例1 表1の組成物を厚さ1mmに熱プレス成形し、短冊状に
打ち抜いた。得られた成形体の相対する2つのプレス面
に白金を蒸着し、以降は実施例1と同様に行った。 比較例2 成形体のプレス面以外の面を電極にした以外は比較例1
と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明の感温抵抗体は、初期抵抗値が低
く、かつPTC特性に優れるので、特に過電流・過熱保
護素子として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた抵抗体のPTC特
性曲線を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)合成樹脂及び(B)気相法炭素繊
    維からなる組成物であって、該炭素繊維のX線回折ピー
    ク強度比が下記(a)及び(b)を満たす、電流方向に
    一次元に配向していることを特徴とする感温抵抗体。 (a)電流の流れる方向と垂直に0〜360度の角度か
    らX線を照射し、グラファイトの(002)面と(10
    0)面のX線回折のピーク強度比を測定したときの最大
    値(Imax)と最小値(Imin)との比(Imin
    /Imax)が0.6以上 (b)電流の流れる方向からX線を照射し、グラファイ
    トの(002)面と(100)面のX線回折のピーク強
    度比を測定したときの強度比(Ie)とImaxとの比
    (Imax/Ie)が1.5以上
  2. 【請求項2】 (B)気相法炭素繊維は、直径が0.0
    5〜5μmで長さが1μm〜0.1mmである請求項1
    記載の感温抵抗体。
  3. 【請求項3】 23℃における初期体積抵抗値が3Ω・
    cm以下であり、かつ抵抗変化率が104 以上である請
    求項1または請求項2記載の感温抵抗体。
  4. 【請求項4】 絞り比率が0.2以下の絞りノズルを用
    いて押出し成形することを特徴とする請求項1記載の感
    温抵抗体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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