JPH1075444A - 映像データ圧縮装置およびその方法 - Google Patents

映像データ圧縮装置およびその方法

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JPH1075444A
JPH1075444A JP22964996A JP22964996A JPH1075444A JP H1075444 A JPH1075444 A JP H1075444A JP 22964996 A JP22964996 A JP 22964996A JP 22964996 A JP22964996 A JP 22964996A JP H1075444 A JPH1075444 A JP H1075444A
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video data
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JP22964996A
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English (en)
Inventor
Kanji Mihara
寛司 三原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】映像データの部分ごとの複雑に応じて発生ビッ
ト量を、一定値以上に保ちつつ調節し、全体として圧縮
後の映像の品質を向上させる。 【解決手段】映像の絵柄の複雑さを示す指標データ(M
E残差、フラットネス、イントラACおよびアクティビ
ティ)、あるいは、MPEGにおいて量子化値の算出に
用いられるグローバルコンプレクシティから、圧縮後の
データ量に対応する実難度データDj を算出する。さら
に、VBVバッファの占有量等に応じてパラメータ
j ’を調節する。調節の際には、一定の下限値を設
け、圧縮映像データの品質が著しく低下することを防
ぐ。調節したパラメータRj ’は、実難度データDj
基づいて算出される乗数が乗算され、圧縮後の映像のデ
ータ量の目標値を示す目標データ量Tj が算出され、圧
縮符号化処理に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非圧縮映像データ
を圧縮符号化する映像データ圧縮装置およびその方法に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】非圧
縮のディジタル映像データをMPEG(moving picture
experts group)等の方法により、Iピクチャー(intra c
oded picture) 、Bピクチャー(bi-directionaly predi
ctive coded picture)およびPピクチャー(predictive
coded picture)から構成されるGOP(group of pictur
es) 単位に圧縮符号化して光磁気ディスク(MOディス
ク;magneto-optical disc)等の記録媒体に記録する際
には、圧縮符号化後の圧縮映像データのデータ量(ビッ
ト量)を、伸長復号後の映像の品質を高く保ちつつ記録
媒体の記録容量以下、あるいは、通信回線の伝送容量以
下にする必要がある。
【0003】このために、まず、非圧縮映像データを予
備的に圧縮符号化して圧縮符号化後のデータ量を見積も
り(1パス目)、次に、見積もったデータ量に基づいて
圧縮率を調節し、圧縮符号化後のデータ量が記録媒体の
記録容量以下になるように圧縮符号化する(2パス目)
方法が採られる(以下、このような圧縮符号化方法を
「2パスエンコード」とも記す)。
【0004】しかしながら、2パスエンコードにより圧
縮符号化を行うと、同じ非圧縮映像データに対して同様
な圧縮符号化処理を2回施す必要があり、時間がかかっ
てしまう。また、1回の圧縮符号化処理で最終的な圧縮
映像データを算出することができないために、撮影した
映像データをそのまま実時間的(リアルタイム)に圧縮
符号化し、記録することができない。
【0005】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、2パスエンコードによらずに、
所定のデータ量以下に音声・映像データを圧縮符号化す
ることができる映像データ圧縮装置およびその方法を提
供することを目的とする。また、本発明は、ほぼ実時間
的に映像データを圧縮符号化することができ、しかも、
伸長復号後に高品質な映像を得ることができる映像デー
タ圧縮装置およびその方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、2パスエンコードによらずに、圧
縮符号化後のデータ量を見積もって圧縮率を調節し、圧
縮符号化処理を行うことができる映像データ圧縮装置お
よびその方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る映像データ圧縮装置は、動画の非圧縮
映像データを、圧縮後の映像データ(圧縮映像データ)
をバッファリングするVBVバッファに基づいて定まる
条件を満たすデータレートに圧縮する映像データ圧縮装
置であって、前記非圧縮映像データの映像の複雑さを示
す難度データを算出する難度データ算出手段と、所定数
の非圧縮映像データのピクチャーごとに、圧縮後のデー
タ量(割当データ量)を割り当てるデータ量割当手段
と、割り当てた前記割り当てデータ量が所定の下限値以
下である場合に、前記割り当てデータ量の値を所定の下
限値に制限する下限値制限手段と、算出した前記難度デ
ータ、および、割り当てまたは制限された前記割当デー
タ量に基づいて、前記非圧縮映像データの圧縮後のデー
タ量の目標値をピクチャーごとに算出する目標値算出手
段と、前記非圧縮映像データを所定の圧縮方法により、
圧縮後のデータ量が算出した前記目標値になるように圧
縮する圧縮手段とを有する。
【0007】好適には、前記難度データ算出手段は、前
記非圧縮映像データの複雑さを指標する所定の指標デー
タ(ME残差、フラットネス、イントラACおよびアク
ティビティ)に基づいて、前記難度データとして前記非
圧縮映像データの圧縮後のデータ量を算出する。
【0008】好適には、前記難度データ算出手段は、前
記非圧縮映像データの複雑さを示すグローバルコンプレ
クシティに基づいて、前記難度データとして前記非圧縮
映像データの圧縮後のデータ量を算出する。
【0009】好適には、前記データ量割当手段は、VB
Vバッファの占有データ量が所定の閾値以上である場合
に、算出した前記難度データに基づいて、前記非圧縮映
像データの映像が複雑であればあるほど前記割当データ
量の値を大きくし、前記目標値算出手段は、前記非圧縮
映像データの映像が複雑であればあるほど前記目標値の
値を大きくし、前記非圧縮映像データの映像が簡単であ
ればあるほど前記目標値の値を小さくする。
【0010】好適には、前記データ量割当手段は、前記
圧縮映像データに与えられるデータ量を均等に配分した
基準値を、生成した前記圧縮映像データのピクチャーの
データ量から減算して差分値を算出し、前記非圧縮映像
データの圧縮が終了した場合に、算出した差分値の総和
が負値の0に近い値になるように前記割当データ量を算
出する。
【0011】本発明に係る映像データ圧縮装置は、動画
の非圧縮映像データを、例えば、MPEG方式により複
数の種類のピクチャー(Iピクチャー、Pピクチャーお
よびBピクチャー)を所定の組み合わせおよび順番で含
むピクチャータイプシーケンスに圧縮符号化し、圧縮符
号化後の映像データ(圧縮映像データ)のデータ量を記
録媒体等の記録容量以下に抑え、MPEGの固定長レー
ト化におけるVBV(video buffering verifier) バッ
ファの占有量に対する拘束条件を満たし、しかも、伸長
復号後の映像の品質が高い圧縮映像データを生成する。
【0012】本発明に係る映像データ圧縮装置におい
て、難度データ算出手段は、非圧縮映像データの映像の
複雑さ(簡単さ)を示す難度データを生成する。難度デ
ータ算出手段が生成する難度データとしては、例えば、
非圧縮映像データを予備的に圧縮符号化した圧縮映像デ
ータのデータ量に対応する実難度データDj 、あるい
は、映像の平坦さを指標するために新たに定義したフラ
ットネス(flatness)およびイントラAC(intra-AC)、T
M5においてマクロブロックの量子化値(MQUANT)を算出
するために用いられるアクティビティ(activity)および
グローバルコンプレクシティ(global complexity) が用
いられる。
【0013】データ量割当手段は、圧縮映像データをバ
ッファリングするVBVバッファにアンダーフローが生
じないように、VBVバッファに所定の閾値以上、例え
ば、最新のIピクチャーのデータ量に所定のマージンを
見込んだデータ量以上の圧縮映像データがバッファリン
グされている場合にのみ、非圧縮映像データの圧縮後の
ピクチャーに割り当て可能なデータ量を示す割当データ
量の調節を行う。
【0014】なお、割当データ量は、所定の枚数の非圧
縮映像データに均等に残りの全データ量を配分した場合
のデータ量を示す。また、VBVバッファにバッファリ
ングされている圧縮映像データのデータ量の判断は、圧
縮手段が、圧縮映像データのピクチャーを生成する度に
行う必要はなく、VBVバッファ内のデータ量が、この
判断にとって最適な値になる圧縮手段がPピクチャーを
生成した直後に行うのが好適である。
【0015】データ量割当手段による割当データ量の調
節は、例えば、圧縮映像データに全体として許される最
大のデータ量(最大データ量;例えば、記録媒体の記録
容量)を、各ピクチャーに均等に割り当てた基準値を中
心として行われ、VBVバッファの占有量が一定以上で
ある場合(アンダーフローが生じないであろう場合)
に、映像が複雑な所定数(L枚)のピクチャーには基準
値よりも多くの割当データを割り当て、映像が簡単なピ
クチャーには基準値よりも少ない割当データを割り当
て、最終的に、圧縮映像データのデータ量が最大データ
量を超えず、しかも、圧縮映像データのデータ量がほぼ
最大データ量となるようにする。
【0016】下限値制限手段は、VBVバッファにアン
ダーフローが発生する危険があり、データ量割当手段が
割当データ量の値を極端に低くする場合等に、割当デー
タ量の値を所定の下限値(下限値>最低値)以下になら
ないように制限する。このように割当データ量に下限値
を設けることにより、これらに該当する部分の圧縮映像
データの品質が極端に低下することがないので、圧縮映
像データの部分的な品質劣化(ムラ)が生じず、映像の
品質が全体として向上することになる。
【0017】目標量算出手段は、例えば、最新のピクチ
ャーの難度データを、L枚のピクチャーの難度データの
総和値により除算した値に、データ量割当手段が算出し
た割当データを乗算して、非圧縮映像データのピクチャ
ーそれぞれに対する圧縮後のデータ量の目標値を算出す
る。このように、データ量割当手段および目標量算出手
段により、最大データ量を有効に利用可能となり、多く
のデータ量を必要とする複雑な映像のピクチャーから多
いデータ量の圧縮映像データが生成され、少ないデータ
量で済む簡単な映像のピクチャーから少ないデータ量の
圧縮映像データが生成され、圧縮映像データの映像の品
質が全体として向上する。
【0018】圧縮手段は、例えば、MPEG方式によ
り、非圧縮映像データを、所定のピクチャータイプシー
ケンスで、圧縮符号化後のデータ量がほぼ、目標量算出
手段が算出した目標値になるように圧縮符号化する。
【0019】また、本発明に係る映像データ圧縮方法
は、動画の非圧縮映像データを、圧縮後の映像データ
(圧縮映像データ)をバッファリングするVBVバッフ
ァに基づいて定まる条件を満たすデータレートに圧縮す
る映像データ圧縮方法であって、前記非圧縮映像データ
の映像の複雑さを示す難度データを算出し、所定数の非
圧縮映像データのピクチャーごとに、圧縮後のデータ量
(割当データ量)を割り当て、割り当てた前記割り当て
データ量が所定の下限値以下である場合に、前記割り当
てデータ量の値を所定の下限値に制限し、算出した前記
難度データ、および、割り当てまたは制限された前記割
当データ量に基づいて、前記非圧縮映像データの圧縮後
のデータ量の目標値をピクチャーごとに算出し、前記非
圧縮映像データを所定の圧縮方法により、圧縮後のデー
タ量が算出した前記目標値になるように圧縮する。
【0020】
【発明の実施の形態】第1実施形態 以下、本発明の第1の実施形態を説明する。MPEG方
式といった映像データの圧縮符号化方式により、高い周
波数成分が多い絵柄、あるいは、動きが多い絵柄といっ
た難度(difficulty)が高い映像データを圧縮符号化する
と、一般的に圧縮に伴う歪みが生じやすくなる。このた
め、難度が高い映像データは低い圧縮率で圧縮符号化す
る必要があり、難度が高いデータを圧縮符号化して得ら
れる圧縮映像データに対しては、難度が低い絵柄の映像
データの圧縮映像データに比べて、多くの目標データ量
を配分する必要がある。
【0021】このように、映像データの難度に対して適
応的に目標データ量を配分するためには、従来技術とし
て示した2パスエンコード方式が有効である。しかしな
がら、2パスエンコード方式は、実時間的な圧縮符号化
に不向きである。第1の実施形態として示す簡易2パス
エンコード方式は、かかる2パスエンコード方式の問題
点を解決するためになされたものであり、非圧縮映像デ
ータを予備的に圧縮符号化して得られる圧縮映像データ
の難度データから非圧縮映像データの難度を算出し、予
備的な圧縮符号化により算出した難度に基づいて、FI
FOメモリ等により所定の時間だけ遅延した非圧縮映像
データの圧縮率を適応的に制御することができる。
【0022】図1は、本発明に係る映像データ圧縮装置
1の構成を示す図である。図1に示すように、映像デー
タ圧縮装置1は、圧縮符号化部10およびホストコンピ
ュータ20から構成され、圧縮符号化部10は、エンコ
ーダ制御部12、動き検出器(motion estimator)14、
簡易2パス処理部16、第2のエンコーダ(encoder) 1
8から構成され、簡易2パス処理部16は、FIFOメ
モリ160および第1のエンコーダ162から構成され
る。映像データ圧縮装置1は、これらの構成部分によ
り、編集装置およびビデオテープレコーダ装置等の外部
機器(図示せず)から入力される非圧縮映像データVI
Nに対して、上述した簡易2パスエンコードを実現す
る。
【0023】映像データ圧縮装置1において、ホストコ
ンピュータ20は、映像データ圧縮装置1の各構成部分
の動作を制御する。また、ホストコンピュータ20は、
簡易2パス処理部16のエンコーダ162が非圧縮映像
データVINを予備的に圧縮符号化して生成した圧縮映
像データのデータ量、DCT処理後の映像データの直流
成分(DC成分)の値および直流成分(AC成分)の電
力値を制御信号C16を介して受け、受けたこれらの値
に基づいて圧縮映像データの絵柄の難度を算出する。さ
らに、ホストコンピュータ20は、算出した難度に基づ
いて、エンコーダ18が生成する圧縮映像データの目標
データ量Tj を制御信号C18を介してピクチャーごと
に割り当て、エンコーダ18の量子化回路166(図
3)に設定し、エンコーダ18の圧縮率をピクチャー単
位に適応的に制御する。
【0024】エンコーダ制御部12は、非圧縮映像デー
タVINのピクチャーの有無をホストコンピュータ20
に通知し、さらに、非圧縮映像データVINのピクチャ
ーごとに圧縮符号化のための前処理を行う。つまり、エ
ンコーダ制御部12は、入力された非圧縮映像データを
符号化順に並べ替え、ピクチャー・フィールド変換を行
い、非圧縮映像データVINが映画の映像データである
場合に3:2プルダウン処理(映画の24フレーム/秒
の映像データを、30フレーム/秒の映像データに変換
し、冗長性を圧縮符号化前に取り除く処理)等を行い、
映像データS12として簡易2パス処理部16のFIF
Oメモリ160およびエンコーダ162に対して出力す
る。動き検出器14は、非圧縮映像データの動きベクト
ルの検出を行し、エンコーダ制御部12およびエンコー
ダ162,18に対して出力する。
【0025】簡易2パス処理部16において、FIFO
メモリ160は、エンコーダ制御部12から入力された
映像データS12を、例えば、非圧縮映像データVIN
が、L(Lは整数)ピクチャー入力される時間だけ遅延
し、遅延映像データS16としてエンコーダ18に対し
て出力する。
【0026】図2は、図1に示した簡易2パス処理部1
6のエンコーダ162の構成を示す図である。エンコー
ダ162は、例えば、図2に示すように、加算回路16
4、DCT回路166、量子化回路(Q)168、可変
長符号化回路(VLC)170、逆量子化回路(IQ)
172、逆DCT(IDCT)回路174、加算回路1
76および動き補償回路178から構成される一般的な
映像データ用圧縮符号化器であって、入力される映像デ
ータS12をMPEG方式等により圧縮符号化し、圧縮
映像データのピクチャーごとのデータ量等をホストコン
ピュータ20に対して出力する。
【0027】加算回路164は、加算回路176の出力
データを映像データS12から減算し、DCT回路16
6に対して出力する。DCT回路166は、加算回路1
64から入力される映像データを、例えば、16画素×
16画素のマクロブロック単位に離散コサイン変換(D
CT)処理し、時間領域のデータから周波数領域のデー
タに変換して量子化回路168に対して出力する。ま
た、DCT回路166は、DCT後の映像データのDC
成分の値およびAC成分の電力値をホストコンピュータ
20に対して出力する。
【0028】量子化回路168は、DCT回路166か
ら入力された周波数領域のデータを、固定の量子化値Q
で量子化し、量子化データとして可変長符号化回路17
0および逆量子化回路172に対して出力する。可変長
符号化回路170は、量子化回路168から入力された
量子化データを可変長符号化し、可変長符号化の結果と
して得られた圧縮映像データのデータ量を、制御信号C
16を介してホストコンピュータ20に対して出力す
る。逆量子化回路172は、可変長符号化回路168か
ら入力された量子化データを逆量子化し、逆量子化デー
タとして逆DCT回路174に対して出力する。
【0029】逆DCT回路174は、逆量子化回路17
2から入力される逆量子化データに対して逆DCT処理
を行い、加算回路176に対して出力する。加算回路1
76は、動き補償回路178の出力データおよび逆DC
T回路174の出力データを加算し、加算回路164お
よび動き補償回路178に対して出力する。動き補償回
路178は、加算回路176の出力データに対して、動
き検出器14から入力される動きベクトルに基づいて動
き補償処理を行い、加算回路176に対して出力する。
【0030】図3は、図1に示したエンコーダ18の構
成を示す図である。図3に示すように、エンコーダ18
は、図2に示したエンコーダ162に、量子化制御回路
180を加えた構成になっている。エンコーダ18は、
これらの構成部分により、ホストコンピュータ20から
設定される目標データ量Tj に基づいて、FIFOメモ
リ160によりLピクチャー分遅延された遅延映像デー
タS16に対して動き補償処理、DCT処理、量子化処
理および可変長符号化処理を施して、MPEG方式等の
圧縮映像データVOUTを生成し、外部機器(図示せ
ず)に出力する。
【0031】エンコーダ18において、量子化制御回路
180は、可変長量子化回路170が出力する圧縮映像
データVOUTのデータ量を順次、監視し、遅延映像デ
ータS16の第j番目のピクチャーから最終的に生成さ
れる圧縮映像データのデータ量が、ホストコンピュータ
20から設定された目標データ量Tj に近づくように、
順次、量子化回路168に設定する量子化値Qj を調節
する。また、可変長量子化回路170は、圧縮映像デー
タVOUTを外部に出力する他に、遅延映像データS1
6を圧縮符号化して得られた圧縮映像データVOUTの
実際のデータ量Sj を制御信号C18を介してホストコ
ンピュータ20に対して出力する。
【0032】以下、第1の実施形態における映像データ
圧縮装置1の簡易2パスエンコード動作を説明する。図
4(A)〜(C)は、第1の実施形態における映像デー
タ圧縮装置1の簡易2パスエンコードの動作を示す図で
ある。エンコーダ制御部12は、映像データ圧縮装置1
に入力された非圧縮映像データVINに対して、エンコ
ーダ制御部12により符号化順にピクチャーを並べ替え
る等の前処理を行い、図4(A)に示すように映像デー
タS12としてFIFOメモリ160およびエンコーダ
162に対して出力する。なお、エンコーダ制御部12
によるピクチャーの順番並べ替えにより、図4等に示す
ピクチャーの符号化の順番と伸長復号後の表示の順番と
は異なる。
【0033】FIFOメモリ160は、入力された映像
データS12の各ピクチャーをLピクチャー分だけ遅延
し、エンコーダ18に対して出力する。エンコーダ16
2は、入力された映像データS12のピクチャーを予備
的に順次、圧縮符号化し、第j(jは整数)番目のピク
チャーを圧縮符号化して得られた圧縮符号化データのデ
ータ量、DCT処理後の映像データのDC成分の値、お
よび、AC成分の電力値をホストコンピュータ20に対
して出力する。
【0034】例えば、エンコーダ18に入力される遅延
映像データS16は、FIFOメモリ160によりLピ
クチャーだけ遅延されているので、図4(B)に示すよ
うに、エンコーダ18が、遅延映像データS16の第j
(jは整数)番目のピクチャー(図4(B)のピクチャ
ーa)を圧縮符号化している際には、エンコーダ162
は、映像データS12の第j番目のピクチャーからLピ
クチャー分先の第(j+L)番目のピクチャー(図4
(B)のピクチャーb)を圧縮符号化していることにな
る。従って、エンコーダ18が遅延映像データS16の
第j番目のピクチャーの圧縮符号化を開始する際には、
エンコーダ162は映像データS12の第j番目〜第
(j+L−1)番目のピクチャー(図4(B)の範囲
c)の圧縮符号化を完了しており、これらのピクチャー
の圧縮符号化後の実難度データDj ,D j+1 ,Dj+2
…,Dj+L-1 は、ホストコンピュータ20により既に算
出されている。
【0035】ホストコンピュータ20は、下に示す式1
により、エンコーダ18が遅延映像データS16の第j
番目のピクチャーを圧縮符号化して得られる圧縮映像デ
ータに割り当てる目標データ量Tj を算出し、算出した
目標データ量Tj を量子化制御回路180に設定する。
【0036】
【数1】
【0037】但し、式1において、Dj は映像データS
12の第j番目のピクチャーの実難度データであり、
R’j は、映像データS12,S16の第j番目〜第
(j+L−1)番目のピクチャーに割り当てることがで
きる目標データ量の平均であり、R’j の初期値(R’
1 )は、圧縮映像データの各ピクチャーに平均して割り
当て可能な目標データ量であり、下に示す式2で表さ
れ、エンコーダ18が圧縮映像データを1ピクチャー分
生成する度に、式3に示すように更新される。
【0038】
【数2】
【0039】
【数3】
【0040】なお、式3中の数値ビットレート(Bit rat
e)は、通信回線の伝送容量や、記録媒体の記録容量に基
づいて決められる1秒当たりのデータ量(ビット量)を
示し、ピクチャーレート(Picture rate)は、映像データ
に含まれる1秒当たりのピクチャーの数(30枚/秒
(NTSC),25枚/秒(PAL))を示し、数値F
j+L は、ピクチャータイプに応じて定められるピクチャ
ー当たりの平均データ量を示す。エンコーダ18のDC
T回路166は、入力される遅延映像データS16の第
j番目のピクチャーをDCT処理し、量子化回路168
に対して出力する。量子化回路168は、DCT回路1
66から入力された第j番目のピクチャーの周波数領域
のデータを、量子化制御回路180が目標データ量Tj
に基づいて調節する量子化値Qj により量子化し、量子
化データとして可変長符号化回路170に対して出力す
る。可変長符号化回路170は、量子化回路168から
入力された第j番目のピクチャーの量子化データを可変
長符号化して、ほぼ、目標データ量Tj に近いデータ量
の圧縮映像データVOUTを生成して出力する。
【0041】同様に、図4(B)に示すように、エンコ
ーダ18が、遅延映像データS16の第(j+1)番目
のピクチャー(図4(C)のピクチャーa’)を圧縮符
号化している際には、エンコーダ162は、映像データ
S12の第(j+1)番目〜第(j+L)番目のピクチ
ャー(図4(C)の範囲c’)の圧縮符号化を完了し、
これらのピクチャーの実難度データDj+1 ,Dj+2 ,D
j+3 ,・・・,Dj+Lは、ホストコンピュータ20によ
り既に算出されている。
【0042】ホストコンピュータ20は、式1により、
エンコーダ18が遅延映像データS16の第(j+1)
番目のピクチャーを圧縮符号化して得られる圧縮映像デ
ータに割り当てる目標データ量Tj+1 を算出し、エンコ
ーダ18の量子化制御回路180に設定する。
【0043】エンコーダ18は、ホストコンピュータ2
0から量子化制御回路180に設定された目量データ量
j に基づいて第(j+1)番目のピクチャーを圧縮符
号化し、目標データ量Tj+1 に近いデータ量の圧縮映像
データVOUTを生成して出力する。さらに以下、同様
に、映像データ圧縮装置1は、遅延映像データS16の
第k番目のピクチャーを、量子化値Qk (k=j+2,
j+3,…)をピクチャーごとに変更して順次、圧縮符
号化し、圧縮映像データVOUTとして出力する。
【0044】以上説明したように、第1の実施形態に示
した映像データ圧縮装置1によれば、短時間で非圧縮映
像データVINの絵柄の難度を算出し、算出した難度に
応じた圧縮率で適応的に非圧縮映像データVINを圧縮
符号化することができる。つまり、第1の実施形態に示
した映像データ圧縮装置1によれば、2パスエンコード
方式と異なり、ほぼ実時間的に、非圧縮映像データVI
Nの絵柄の難度に基づいて適応的に非圧縮映像データV
INを圧縮符号化をすることができ、実況放送といった
実時間性を要求される用途に応用可能である。なお、第
1の実施形態に示した他、本発明に係るデータ多重化装
置1は、エンコーダ162が圧縮符号化した圧縮映像デ
ータのデータ量を、そのまま難度データとして用い、ホ
ストコンピュータ20の処理の簡略化を図る等、種々の
構成を採ることができる。
【0045】第2実施形態 以下、本発明の第2の実施形態を説明する。第1の実施
形態に示した簡易2パスエンコード方式は、入力される
非圧縮映像データに、ほぼ1GOP分(例えば、0.5
秒)程度の遅延を与えるだけで圧縮符号化し、適切なデ
ータ量の圧縮映像データを生成することができる優れた
方式である。
【0046】しかしながら、これらの方式は、エンコー
ダーを2つ必要とする。一般に、映像データを圧縮符号
化するエンコーダーは大規模のハードウェアを必要と
し、集積回路化しても非常に高価であり、しかも、サイ
ズが大きい。従って、これらの方式がエンコーダーを2
つ必要とすることは、これらの方式を実現する装置の低
コスト化、小型化および省電力化を妨げる。また、圧縮
符号化に要する時間遅延は、短ければ短いほど望ましい
が、実難度データDj および予測難度データDj’の算
出処理および予備的な圧縮符号化処理そのものが数ピク
チャー分の処理時間を要するので、これらの処理自体
が、時間遅延の短縮化を妨げる原因となる。
【0047】第2の実施形態は、かかる問題点を解決す
るためになされたものであって、1つのエンコーダを用
いるのみで、簡易2パスエンコード方式および予測簡易
2パスエンコード方式と同等に適切なデータ量の圧縮映
像データを生成することができ、しかも、処理に要する
時間遅延がより短い映像データ圧縮方式を提供すること
を目的とする。
【0048】図5は、第2の実施形態における本発明に
係る映像データ圧縮装置2の構成の概要を示す図であ
る。図6は、図5に示した映像データ圧縮装置2の圧縮
符号化部24の詳細な構成を示す図である。なお、図5
および図6において、映像データ圧縮装置2の構成部分
のうち、第1の実施形態において説明した映像データ圧
縮装置1(図1〜図3)の構成部分と同一のものには同
一の符号を付して示してある。
【0049】図5に示すように、映像データ圧縮装置2
は、映像データ圧縮装置1(図1〜図3)の圧縮符号化
部10を、圧縮符号化部10からエンコーダ162を除
いた圧縮符号化部24で置換し、エンコーダ制御部12
をエンコーダ制御部22で置換し、バッファメモリ(buf
fer)182を付加した構成を採る。図6に示すように、
圧縮符号化部24は、映像並び替え回路220、走査変
換・マクロブロック化回路222および統計量算出回路
224から構成され、圧縮符号化部24の他の構成部分
は、圧縮符号化部10と同一の構成を採る。
【0050】エンコーダ制御部22は、エンコーダ制御
部12と同様に、非圧縮映像データVINのピクチャー
の有無をホストコンピュータ20に通知し、さらに、非
圧縮映像データVINのピクチャーごとに圧縮符号化の
ための前処理を行う。エンコーダ制御部22において、
映像並び替え回路220は、入力された非圧縮映像デー
タを符号化順に並べ替える。
【0051】走査変換・マクロブロック化回路222
は、ピクチャー・フィールド変換を行い、非圧縮映像デ
ータVINが映画の映像データである場合に3:2プル
ダウン処理等を行う。統計量算出回路224は、映像並
び替え回路220および走査変換・マクロブロック化回
路222により処理され、Iピクチャーに圧縮符号化さ
れるピクチャーからフラットネス(flatness)およびイン
トラAC(intra AC)等の統計量を算出する。
【0052】映像データ圧縮装置2は、これらの構成部
分により、非圧縮映像データの統計量(フラットネス,
イントラAC)および動き予測の予測誤差量(ME残
差)を非圧縮映像データVINの絵柄の難度の代わりに
用いて、映像データ圧縮装置1(図1,図2)と同様に
適応的に目標データ量Tj を算出して、高精度なフィー
ドフォワード制御を行うことにより、非圧縮映像データ
VINを適切なデータ量の圧縮映像データに圧縮符号化
する。なお、映像データ圧縮装置2においては、動き検
出器14およびエンコーダ制御部22の統計量算出回路
224により、予め検出された指標データに基づいて目
標データ量Tj が定めるられることから、以下、映像デ
ータ圧縮装置2における圧縮符号化方式を、フィード・
フォワード・レート・コントロール(FFRC; feed f
oward rate control)方式と呼ぶことにする。
【0053】なお、ME残差は、圧縮されるピクチャー
と、参照ピクチャーの映像データとの差分値の絶対値和
あるいは自乗値和として定義され、動き検出器14によ
り、圧縮後にPピクチャーおよびBピクチャーとなるピ
クチャーから算出され、映像の動きの速さおよび絵柄の
複雑さを表し、フラットネスと同様に、難度および圧縮
後のデータ量と相関性を有する。
【0054】Iピクチャーについては、他のピクチャー
の参照なしに圧縮符号化されるため、ME残差を求める
ことができず、ME残差に代わるパラメータとして、フ
ラットネスおよびイントラACを用いる。また、フラッ
トネスは、映像データ圧縮装置2を実現するために、映
像の空間的な平坦さを表す指標として新たに定義された
パラメータであって、映像の複雑さを指標し、映像の絵
柄の難しさ(難度)および圧縮後のデータ量と相関性を
有する。また、イントラACは、映像データ圧縮装置2
を実現するために、MPEG方式におけるDCT処理単
位のDCTブロックごとの映像データとの分散値の総和
として新たに定義したパラメータであって、フラットネ
スと同様に、映像の複雑さを指標し、映像の絵柄の難し
さおよび圧縮後のデータ量と相関性を有する。
【0055】以下、ME残差、フラットネスおよびイン
トラACについて説明する。第1の実施形態において説
明した簡易2パスエンコード方式および予測簡易2パス
エンコード方式において、実難度データDj は映像の絵
柄の難しさを示し、目標データ量Tj は実難度データD
j に基づいて算出される。
【0056】また、エンコーダ18が生成する圧縮映像
データのデータ量を、目標データ量Tj が示す値に近づ
けるために、量子化回路168(図2,図6)において
量子化値Qj の制御が行われる。従って、映像データを
圧縮符号化せずに得られ、実難度データDj と同様に映
像データの絵柄の複雑さ(難しさ)を適切に示すパラメ
ータを、エンコーダ18の量子化回路168における量
子化処理以前に得ることができれば、エンコーダ162
(図1,図2)を省略し、処理遅延時間の短縮するとい
う目的を達成することができる。ME残差、フラットネ
スおよびイントラACは、実難度データDj と強い相関
を有するので、このような目的を達成するために適切で
ある。
【0057】ME残差と実難度データDj との関係 他のピクチャーを参照して圧縮符号化処理し、Pピクチ
ャーおよびBピクチャーを生成する際には、動き検出器
14は、圧縮対象となるピクチャー(入力ピクチャー)
の注目マクロブロックと、参照されるピクチャー(参照
ピクチャー)との間の差分値の絶対値和あるいは自乗値
和が最小となるようなマクロブロックを探し、動きベク
トルを求める。ME残差は、このように、動きベクトル
を求める際に、最小になった各マクロブロックの差分値
の絶対和または自乗和を、ピクチャー全体について総和
した値として定義される。
【0058】図7は、映像データ圧縮装置1,2によ
り、Pピクチャーを生成する際のME残差と実難度デー
タDj との相関関係を示す図である。図8は、映像デー
タ圧縮装置1,2により、Bピクチャーを生成する際の
ME残差と実難度データDj との相関関係を示す図であ
る。なお、図7および図8においては、実難度データD
j として、エンコーダ18が固定の量子化値を用いて圧
縮符号化して得られた圧縮映像データのデータ量を用い
ており(以下、図10,図11において同じ)、図7お
よび図8は、CCIRにより規格化された標準画像[che
er (cheer leaders), mobile (mobile and calender),
tennis (table tennis), diva(diva with noise)] およ
びその他の画像(resort)を実際にMPEG2方式により
圧縮符号化した場合に得られるME残差と実難度データ
j との関係を示すグラフであり、図7および図8にお
いて、グラフの縦軸(difficulty)が実難度データDj
示し、横軸(me resid)がME残差を示す。図7および図
8を参照して分かるように、ME残差は実難度データD
j と非常に強い相関関係を有する。従って、圧縮後にP
ピクチャーまたはBピクチャーとなるピクチャーの実難
度データDj の代わりに、ME残差は、目標データ量T
jの生成に用いられ得る。
【0059】フラットネスと実難度データDj との関係 図9は、フラットネスの計算方法を示す図である。フラ
ットネスは、まず、図9に示すように、MPEG方式に
おいてDCT処理の単位となるDCTブロックそれぞれ
を、2画素×2画素の小ブロックに分割し、次に、これ
らの小ブロック内の対角の画素のデータ(画素値)の差
分値を算出し、差分値を所定の閾値と比較し、さらに、
差分値が閾値よりも小さくなる小ブロック総数をピクチ
ャーごとに求めることにより算出される。なお、フラッ
トネスの値は、映像の絵柄が空間的に複雑であるほど小
さくなり、平坦であれば大きくなる。
【0060】図10は、映像データ圧縮装置1,2によ
り、Iピクチャーを生成する際のフラットネスと実難度
データDj との相関関係を示す図である。なお、図10
は、図7および図8と同様に、CCIRにより規格化さ
れた標準画像およびその他の画像を実際にMPEG2方
式により圧縮符号化した場合に得られるフラットネスと
実難度データDj との関係を示すグラフであり、図10
において、グラフの縦軸(difficulty)が実難度データD
j を示し、横軸(flatness)がフラットネスを示す。図1
0に示すように、フラットネスと実難度データDj
は、強い負の相関関係があり、実難度データDj は、フ
ラットネスを一次関数に代入する等の方法により近似可
能であることがわかる。
【0061】イントラACと実難度データDj との関係 イントラACは、DCTブロックごとに、DCTブロッ
ク内の画素それぞれの画素値と、DCTブロック内の画
素値の平均値との差分の絶対値の総和として算出され
る。つまり、イントラACは、下の式4により求めるこ
とができる。
【0062】
【数4】
【0063】図11は、映像データ圧縮装置1,2によ
り、Iピクチャーを生成する際のイントラACと実難度
データDj との相関関係を示す図である。なお、図11
は、図7および図8と同様に、CCIRにより規格化さ
れた標準画像およびその他の画像を実際にMPEG2方
式により圧縮符号化した場合に得られるイントラACと
実難度データDj との関係を示すグラフであり、図11
において、グラフの縦軸(difficulty)が実難度データD
j を示し、横軸(intra AC)がイントラACを示す。図1
1に示すように、イントラACと実難度データDj
は、強い正の相関関係があり、実難度データDj は、イ
ントラACを一次関数に代入する等の方法により近似可
能であることがわかる。
【0064】ここまでに説明したように、各指標データ
(統計量)により実難度データDjを一次関数等により
近似可能であることが分かる。従って、各ピクチャータ
イプの実難度データDj は、以下に示すように算出可能
である。
【0065】Pピクチャーについては下に示す式5によ
り、Bピクチャーについては下に示す式6により、実難
度データDj はME残差により近似される。また、Iピ
クチャーについては、式5,6と同様の近似式により実
難度データDj は、フラットネスおよびイントラACま
たはこれらのいずかにより近似される。
【0066】
【数5】
【0067】
【数6】
【0068】さらに、第1の実施形態に示した簡易2パ
スエンコード方式においては、これらの近似により得ら
れた実難度データDj を、式1に代入することにより目
標データ量Tj が算出される。
【0069】以下、実難度データDj をME残差、フラ
ットネスおよびイントラACで近似し、簡易2パスエン
コード方式により非圧縮映像データを圧縮符号化する場
合を例に、映像データ圧縮装置2の動作を説明する。エ
ンコーダ制御部22において、映像並び替え回路220
は、非圧縮映像データVINを符号化順にピクチャーを
並べ替え、走査変換・マクロブロック化回路222は、
ピクチャー・フィールド変換等を行い、統計量算出回路
224は、Iピクチャーに圧縮符号化されるピクチャー
に対して、図9および式4に示した演算処理を行い、フ
ラットネスおよびイントラAC等の統計量を算出する。
【0070】動き検出器14は、PピクチャーおよびB
ピクチャーに圧縮符号化されるピクチャーについて動き
ベクトルを生成し、さらに、ME残差を算出する。FI
FOメモリ160は、入力された映像データをLピクチ
ャー分だけ遅延する。
【0071】ホストコンピュータ20は、動き検出器1
4が生成したME残差に対して式5および式6に示した
演算処理を行って実難度データDj を近似し、式5およ
び式6と同様な演算処理を行って、フラットネスおよび
イントラACにより実難度データDj を近似する。さら
に、ホストコンピュータ20は、近似した実難度データ
j を式1に代入し、目標データ量Tj を算出し、算出
した目標データ量Tj をエンコーダ18の量子化制御回
路180に設定する。
【0072】エンコーダ18のDCT回路166は、遅
延した映像データの第j番目のピクチャーをDCT処理
する。量子化回路168は、DCT回路166から入力
された第j番目のピクチャーの周波数領域のデータを、
量子化制御回路180が目標データ量Tj に基づいて調
節する量子化値Qj により量子化する。可変長符号化回
路170は、量子化回路168から入力された第j番目
のピクチャーの量子化データを可変長符号化して、ほ
ぼ、目標データ量Tj に近いデータ量の圧縮映像データ
VOUTを生成して、バッファメモリ182を介して外
部に出力する。
【0073】なお、TM5方式等においては、マクロブ
ロックの量子化値(MQUANT)を算出するために、下の式7
に示すアクティビティ(activity)という統計量が用いら
れる。アクティビティは、フラットネスおよびイントラ
ACと同様に、実難度データDj と強い相関関係を有す
るので、これらパラメータの代わりにアクティビティを
用いて、実難度データDj を近似し、圧縮符号化を行う
ように映像データ圧縮装置2を構成してもよい。
【0074】
【数7】
【0075】また、以上、第1の実施形態に示した簡易
2パスエンコードを行う場合を例に、映像データ圧縮装
置2の動作を説明したが、映像データ圧縮装置2は、予
測簡易2パスエンコードを行いうることはいうまでもな
い。また、第2の実施形態に示した映像データ圧縮装置
2に対しても、第1の実施形態示した映像データ圧縮装
置1に対してと同様の変形が可能である。
【0076】第3実施形態 本発明の第3の実施形態の説明に先立ち、図12を参照
して、第3の実施形態における本発明に係る映像データ
圧縮装置の背景および目的等を説明する。図12は、M
PEGのMP@ML方式によりTM5に示された圧縮ア
ルゴリズムを用いて、映像データ圧縮装置1,2(図1
〜図3,図5,図6)が、圧縮映像データのGOPのデ
ータ量(発生ビット量)をほぼ一定に保って固定長符号
化を行った場合のVBVバッファの占有量Bn の経時的
な変化の評価結果を示す図である。なお、図12におい
ては、縦軸はVBVバッファにバッファリングされてい
る圧縮映像データのデータ量を示し、横軸は時間経過を
示す。
【0077】TM5に示された圧縮アルゴリズムは、圧
縮映像データのGOP当たりのデータ量を、ほぼ一定に
することができる点で優れている。しかしながら、圧縮
映像データのデータレートを固定値にするMPEGの固
定レート符号化方式においては、必ずしもGOP単位に
データ量を一定にする必要はない。
【0078】この固定レート符号化方式は、圧縮符号化
後の映像データをバッファリングする仮想的なVBVバ
ッファ(video buffering verifier buffer) が要求する
制約条件を満たすこと、つまり、VBVバッファにバッ
ファリングされている圧縮映像データのデータ量(占有
量Bn )が規定値を上回ったり(オーバーフローを生じ
たり)、逆に、規定値以下になったり(アンダーフロー
を生じたり)しないことのみを圧縮映像データに要求す
る。
【0079】MP@ML方式により、TM5に示される
圧縮アルゴリズムを用いて圧縮符号化を行うと、バッフ
ァリング容量1.8MbitのVBVバッファにおける
圧縮映像データの占有量Bn を評価すると、例えば、図
12に示すように、占有量B n は高い値で推移し、VB
Vバッファを必ずしも有効に利用できないことが分か
る。
【0080】VBVバッファを有効利用しえないのは、
VBVバッファにおける占有量Bnが高い値で推移する
のは、VBVバッファのバッファリング容量が約1.8
Mbitと大きいにもかかわらず、VBVバッファの入
出力の単位となる圧縮映像データのピクチャーのデータ
量が少ないためである。このように、低いデータレート
の圧縮映像データを生成する際に、非圧縮映像データの
映像の複雑さのいかんにかかわらず、所定の枚数のピク
チャー(GOP)のデータ量をほぼ一定にすると、複雑
な絵柄の部分の非圧縮映像データを圧縮符号化して得ら
れる圧縮映像データを伸長復号して得られる映像の品質
が極端に劣化し、逆に、簡単な絵柄の部分から得られる
圧縮映像データの品質が比較的よくなる。従って、全体
として見た場合には、圧縮映像データに多くのむらが生
じ、しかも、絵柄が不安定になり、品質が悪くなる。
【0081】第3の実施形態に示すフィードバックレー
ト制御方式は、かかる問題点に鑑みてなされたものであ
り、VBVバッファが要求する制約条件の範囲内でVB
Vバッファのバッファリング容量を有効に利用し、非圧
縮映像データの部分ごとに、絵柄に応じたデータ量を割
り当てることにより、圧縮映像データの品質を全体とし
て向上させることを目的とする。
【0082】図13は、第3の実施形態における本発明
に係るエンコーダ26の構成を示す図である。なお、図
13においては、エンコーダ26の構成部分の内、図1
〜図3および図5,図6に示したエンコーダ18の構成
部分と同一のものには同一の符号を付してある。
【0083】エンコーダ26は、映像データ圧縮装置2
(図5,図6)のエンコーダ18の代わりに用いられる
装置であって、図13に示すように、エンコーダ26
は、量子化制御回路180の代わりに、グローバルコン
プレクシティ算出回路(GC算出回路)262、目標デ
ータ量算出(Tj 算出)回路264および量子化インデ
ックス生成回路266を含む量子化制御部260を有
し、ホストコンピュータ20によらずに、VBVバッフ
ァにおける圧縮映像データの占有量Bn 、および、実難
度データDj またはグローバルコンプレクシティXI
p ,XB に基づいて目標データ量Tj および量子化値
j (量子化インデックスQIND)を算出可能に構成
されている。
【0084】エンコーダ26は、これらの構成部分によ
り、1つのエンコーダのみにより圧縮映像データのデー
タ量により量子化回路168の量子化処理に対するフィ
ードバック制御を行い、非圧縮映像データの部分ごとに
絵柄に応じたデータ量を割り当てて圧縮映像データを生
成し、圧縮映像データの品質を向上させる。
【0085】エンコーダ26の各構成部分の動作 以下、エンコーダ26の各構成部分の内、映像データ圧
縮装置1,2(図1〜図3,図5,図6)のエンコーダ
18と異なる部分(量子化制御部260)の動作を説明
する。GC算出回路262の動作 GC算出回路262は、可変長符号化回路170から出
力される圧縮映像データのデータ量SI ,Sp ,S
B と、量子化回路168が量子化に用いた量子化値の平
均値QI ,Qp ,QB とに基づいて、各ピクチャータイ
プのグローバルコンプレクシティXI ,Xp ,XB を算
出し、目標データ量算出回路264、量子化インデック
ス生成回路266、および、必要に応じてホストコンピ
ュータ20に対して出力する。
【0086】なお、グローバルコンプレクシティXI
p ,XB は、MPEGのTM5方式の第1段階(ステ
ップ1)においてピクチャータイプごとに算出され、
〔X(I,P,B);XI =SI I ,Xp =S
p p ,XB =SB B と定義され、グローバルコンプ
レクシティXI ,Xp ,XB は、それぞれIピクチャ
ー、PピクチャーおよびBピクチャーの実難度データD
I ,Dp ,DB とほぼ同値(XI,Xp ,XB ≒DI
p ,DB )になる。
【0087】目標データ量算出回路264の動作 動作(処理)の概要 目標データ量算出回路264は、GC算出回路262か
ら入力されたグローバルコンプレクシティXI ,Xp
B 各ピクチャータイプの実難度データDj を近似し、
さらに、VBVバッファの占有量Bn に基づいて各ピク
チャータイプのピクチャーそれぞれの目標データ量Tj
を算出してレート制御を行う。なお、目標データ量算出
回路264が算出した目標データ量Tj は、量子化イン
デックス生成回路266に対して出力される。
【0088】目標データ量Tj の算出方法 まず、目標データ量算出回路264における目標データ
量Tj の基本的な算出方法を説明する。上述のように、
各ピクチャータイプの実難度データDj はそれぞれ、グ
ローバルコンプレクシティXI ,Xp ,XB とほぼ同値
である。従って、目標データ量算出回路264は、グロ
ーバルコンプレクシティXI ,Xp ,XB から各ピクチ
ャータイプの目標データ量Tj を算出することができ
る。なお、上記各関係式において、重み付け係数Kp
B は、ピクチャータイプごとに目標データ量Tj に異
なった重み付けを行うために導入された係数であり、重
み付け係数Kp ,KB の値をそれぞれ大きくすればする
ほど、Iピクチャーの目標データ量Tj と比較して、P
ピクチャおよびBピクチャーの目標データ量Tj が少な
くなる。例えば、MPEG方式のTM5方式において
は、重み付け係数Kp ,KB は固定値であり、それぞれ
1.0,1.4(Kp =1.0,KB =1.4、デフォ
ルト値)である。
【0089】このように、MPEG方式のTM5方式に
おいては、Pピクチャーには、Iピクチャーのグローバ
ルコンプレクシティXI に対するPピクチャーのグロー
バルコンプレクシティXp の比率の通りの目標データ量
j が与えられ、Bピクチャーには、Iピクチャーのグ
ローバルコンプレクシティXI に対するBピクチャーの
グローバルコンプレクシティXB の比率よりも意図的に
小さい目標データ量T j が与えられる。
【0090】レート制御方法 次に、目標データ量算出回路264におけるレート制御
方法を説明する。MPEGのTM5方式のレート制御に
おいて、重要な役割を果たすパラメータとしてパラメー
タRがある。このパラメータRは、MPEG方式におい
て、レート制御の制御単位(例えばGOP)の残りのピ
クチャーに割り当てることができるデータ量を示す。
【0091】ここで、映像データ圧縮装置1,2(図1
〜図3,図5,図6)においては、例えば、GOPの前
半のピクチャーの映像が複雑である(実難度データDj
およびグローバルコンプレクシティXI ,Xp ,XB
の値が大きい)場合等に、GOPの前半のピクチャーに
多くのデータ量を割り当てると、GOPの後半のピクチ
ャーに対するパラメータRが極端に少ない値になった
り、さらには、負数となったりして、GOPの後半のピ
クチャーに割り当てるべきデータ量が不足してしまうこ
とがある。
【0092】このように、映像データ圧縮装置1,2に
おいて、パラメータRの値が極端に小さくなったり負数
になってしまうことがあるのは、ホストコンピュータ2
0(図1,図5)が、レート制御の制御単位であるGO
Pそれぞれのデータ量を一定に保つように、GOPの前
半のピクチャーに対して多く割り当てすぎたデータ量
を、GOPの後半のピクチャーに対してデータ量を少な
く割り当てることにより補償するようにデータ量を割り
当てるからである。ホストコンピュータ20において、
パラメータRは、このように、GOPといった比較的短
い期間におけるデータ量の補償処理に用いられる。
【0093】一方、エンコーダ26の目標データ量算出
回路264においては、このような短い制御単位でデー
タ量を一定にするためのパラメータRのみでレート制御
を行うのではなく、VBVバッファの制約条件の範囲内
で、長期間におけるデータ量が一定になるように、残り
のデータ量を均等に割り当てるパラメータRj ’を制御
する。
【0094】つまり、目標データ量算出回路264はパ
ラメータRj ’を制御し、非圧縮映像データのある期間
に含まれるピクチャーに対して過剰に割り当てデータ量
を、データ量を少なく割り当てると圧縮映像データの品
質が劣化しそうな期間では補償せず、絵柄が簡単で、少
ないデータ量を割り当てても圧縮映像データの品質の劣
化が少ない期間で補償するように目標データ量Tj を調
節する。さらに、目標データ量算出回路264は、エン
コーダ26が1枚のピクチャーを圧縮符号化するたび
に、式3と同様の処理を行ってパラメータRj ’の値を
更新する。
【0095】VBVバッファに対する考慮 しかしながら、パラメータRj ’を圧縮映像データのデ
ータ量が多く(データレートが高く)なるように調節す
る場合、圧縮映像データのデータ量の増加量を予測する
ことが難しく、VBVバッファにアンダーフローが生じ
る可能性がある。従って、圧縮映像データのデータ量を
多くするようにレート制御を行う場合には、未来のVB
Vバッファの占有量Bn を考慮して、目標データ量算出
回路264は、VBVバッファの占有量Bn (圧縮映像
データの残りデータ量)が多い場合にのみ、パラメータ
j ’の調節を行う。
【0096】なお、以上説明したVBVバッファの占有
量Bn を考慮したレート制御を実現するために、目標デ
ータ量算出回路264は、以下に説明する処理をさらに
行う。つまり、目標データ量算出回路264は、映像デ
ータの映像が複雑な部分に多く割り当てるデータ量を、
エンコーダ26が出力する圧縮映像データのデータレー
トではなく、VBVバッファがアンダーフローするまで
のデータ量に基づいて求める。
【0097】また、目標データ量算出回路264は、映
像データの映像が複雑な部分に、所定のデータレートよ
りも多く割り当てるデータ量の合計値(借金額)をパラ
メータsum-supplement(初期値0)として記憶し、所定
数のピクチャーの実難度データDj の値の合計が小さく
なった際にパラメータsum-supplementの値を減ずるよう
にレート制御を行い、非圧縮映像データの圧縮符号化が
終了した時点でのパラメータsum-supplementの値が0に
ごく近い負値になるようにレート制御を行う。ただし、
目標データ量算出回路264は、VBVバッファの占有
量Bn が少ない場合には、実難度データDj の値にかか
わらず、映像データの各ピクチャーの目標データ量Tj
の値が小さくなるようにレート制御を行い、アンダーフ
ローの発生を防ぐ。
【0098】目標データ量算出回路264の処理内容の
まとめ 以下、さらに、図14および数式を参照して、目標デー
タ量算出回路264による目標データ量Tj を詳細に説
明する。図14は、図13に示した目標データ量算出回
路264の処理を示すフローチャート図である。図14
に示すように、ステップ500(S500)において、
目標データ量算出回路264は、VBVバッファの占有
量Bn をチェックし、VBVバッファに十分な量の圧縮
映像データがバッファリングされており、アンダーフロ
ーが生じない余裕があるか否かを判断し、余裕がある場
合にはS502の処理に進み、余裕がない場合にはS5
12の処理に進む。
【0099】なお、VBVバッファの占有量Bn の判断
には、下の式8に示す閾値VBV-R'j-Marginが用いられ
る。
【0100】
【数8】
【0101】なお、式8において、last-I-genbit は、
最新のIピクチャーのデータ量であり、VBV-Marginは、
目標データ量Tj の計算の際のアンダーフロー対策のた
めの定数であり、frame-bit は1ピクチャー当たりのデ
ータ量である。式8に示したように、閾値VBV-R'j-Marg
inの算出に最近のIピクチャーのデータ量last-I-genbi
t を用いることにより、エンコーダ26が次に、データ
量が多いIピクチャーの圧縮映像データを生成する場合
にも、アンダーフローの発生を、ほぼ、完全に防止する
ことができる。目標データ量算出回路264は、VBV
バッファの占有量Bn と閾値VBV-R'j-Marginとを比較す
ることにより、S500の処理においてVBVバッファ
に余裕があるか否かの判断を行う。
【0102】また、目標データ量算出回路264は、S
500の処理におけるVBVバッファの占有量Bn の判
断を、エンコーダ26がピクチャを圧縮符号化するごと
に行う必要は必ずしもなく、例えば、エンコーダ26が
Pピクチャーを生成した直後にのみ行ってもよい。
【0103】これは、以下の理由による。つまり、エン
コーダ26がIピクチャーを生成した直後はVBVバッ
ファの占有量が低くなるが、次にIピクチャーを生成す
るまでに、通常、占有量が回復するので、エンコーダ2
6がIピクチャーを生成した直後には、目標データ量算
出回路264はS500の処理における判断を行う必要
がなく、逆に、エンコーダ26がデータ量が少ないBピ
クチャーを生成した直後に、目標データ量算出回路26
4がS500の処理における判断を行うと、VBVバッ
ファがアンダーフローを生じるまでに十分な余裕がある
と誤って判断し、却ってVBVバッファにアンダーフロ
ーを生じさせてしまう可能性が生じるからである。
【0104】ステップ502(S502)において、目
標データ量算出回路264は、下の式9−1に示すN枚
のピクチャーのグローバルコンプレクシティXI
p ,X B の総和の値が閾値Th1より大きいか否かを
判断する。総和sum-difficultyの値が閾値Th1より大
きい場合にはS504の処理に進み、閾値Th1以下で
ある場合にはS508の処理に進む。なお、閾値Th1
は、パラメータRj ’の値を大きくして圧縮映像データ
のデータ量を増やすか、あるいは逆に、パラメータ
j ’の値を小さくして圧縮映像データのデータ量を減
らすかを定めるために重要である。
【0105】ステップ504(S504)において、目
標データ量算出回路264は、下の式9−2に示すよう
に、パラメータRj ’が閾値(G+Th2)よりも多い
か否かを判断する。パラメータRj ’の値が閾値(G+
Th2)よりも大きい場合にはS506の処理に進み、
閾値(G+Th2)よりも小さい場合にはS516の処
理に進む(G= N x bit-rate / picture-rate)。
【0106】
【数9】
【0107】ステップ506(S506)において、目
標データ量算出回路264は、例えば、下の式10−1
により、パラメータRj ’に加算(補給)するデータ量
(補給データ量)supplementを算出する。なお、式10
−1中のパラメータβ(0<β<1)は、式10−2に
示すように定義され、VBVバッファがアンダーフロー
を生じるまでのデータ量を判断するためのパラメータで
あり、パラメータβの値が大きく、VBVバッファのア
ンダーフローに対する余裕が大きければ大きいほどほ
ど、補給データ量supplementの値は大きくなる。
【0108】
【数10】
【0109】また、式10−1中の閾値Th3は、補給
データ量supplementの値を決定するための定数であり、
MAX-supplementは、補給データ量supplementを制限する
ための制限値である。
【0110】総和sum-difficultyの値が(Th1+Th
3)よりも大きくなると、式10−1の右辺の分数項の
値が1より大きくなってしまうので、下の式11に示す
ように、補給データ量supplementの値を補正する。
【0111】
【数11】
【0112】ステップ508(S508)において、目
標データ量算出回路264は、パラメータsum-suppleme
ntが正値であり、映像データの絵柄が複雑な部分に補給
した補給データ量supplementが、完全には補償されてい
ない(借金がある)状態にあるか否かを判断する。借金
がある場合にはS510の処理に進み、借金がない場合
にはS512の処理に進む。
【0113】ステップ510(S510)において、目
標データ量算出回路264は、映像データの絵柄が複雑
な部分に補給した補給データ量supplementを補償するた
めに、式10−1のパラメータβの値を1とし、下の式
12に示す負値の補給データ量supplementを算出する。
負値の補給データ量supplementをパラメータRj ’に加
算する(S514)ことにより、圧縮映像データのデー
タ量が減少してパラメータsum-supplementを0に近づけ
ること(借金の返済)ができる。
【0114】
【数12】
【0115】ステップ512(S512)において、目
標データ量算出回路264は、VBVバッファにアンダ
ーフローが生じる可能性があると判断し、下の式13に
より負値の補給データ量supplementを算出する。負値の
補給データ量supplementをパラメータRj ’に加算する
(S514)ことにより、圧縮映像データのデータ量が
減少し、VBVバッファのアンダーフローが防止され
る。
【0116】
【数13】
【0117】ステップ514(S514)において、目
標データ量算出回路264は、下の式14,式15によ
りパラメータRj ’,sum-supplementを更新する。
【0118】
【数14】
【0119】
【数15】
【0120】ステップ516(S516)において、目
標データ量算出回路264は、下式16に示すように目
標データ量Tj を算出し、量子化インデックス生成回路
266に対して出力する。
【0121】
【数16】
【0122】ただし、式16において、NI ,Np ,N
B はそれぞれ、1GOP中に現れるIピクチャー、Pピ
クチャーおよびBピクチャーの数を示し、1GOPの構
成がN=1,M=3である場合には、NI =1,Np
4,NB =10である。
【0123】ステップ518(S518)において、量
子化インデックス生成回路266は、目標データ量算出
回路264が生成した目標データ量Tj に基づいて量子
化インデックスQINDを生成し、量子化回路168に
対して出力する。
【0124】ステップ520(S520)において、エ
ンコーダ26の量子化制御部260以外の構成部分は、
量子化インデックス生成回路266が生成した量子化イ
ンデックスQINDに基づいて非圧縮映像データを圧縮
符号化する。ステップ522(S522)において、目
標データ量算出回路264は、変数jをインクリメント
する。
【0125】量子化インデックス生成回路266の動作 以下、再び図13を参照して、量子化インデックス生成
回路266の動作(処理)を説明する。量子化インデッ
クス生成回路266は、例えば、MPEG方式のTM5
の第2段階および第3段階(ステップ2,ステップ3)
と同様に、目標データ量算出回路264から入力された
目標データ量Tj 、および、GC算出回路262から入
力されたグローバルコンプレクシティXI ,Xp ,XB
から量子化インデックスQINDを生成し、量子化回路
168に対して出力する。
【0126】なお、量子化インデックスは、量子化回路
168において、量子化処理の単位となるマクロブロッ
クごとに変化する量子化値Qj の組み合わせを示すイン
デックスとして用いられるデータであって、量子化値Q
j と等価である。つまり、量子化インデックス生成回路
266から量子化インデックスを受けた量子化回路16
8は、受けた量子化インデックスが示す量子化値Qj
組み合わせに変換し、DCT回路166から入力される
映像データを量子化する。
【0127】以下、エンコーダ26(図13)の動作を
説明する。動き検出器14は、第1の実施形態において
と同様に、動きベクトルの生成等の処理を行う。エンコ
ーダ制御部22は、第1の実施形態と同様に、ピクチャ
ーの並び替え処理等を行う。
【0128】エンコーダ26(図13)が、1ピクチャ
ー分の圧縮符号化を終了するたびに、量子化制御部26
0のGC算出回路262は、量子化インデックス生成回
路266の量子化インデックスから量子化値Qj の平均
値を算出し、量子化値Qj の平均値および圧縮映像デー
タのデータ量Sj からグローバルコンプレクシティ
I ,Xp ,XB を算出する。目標データ量算出回路2
64は、圧縮映像データの目標データ量算出回路264
は、図14を参照して説明したように、最も新しく生成
された各ピクチャータイプの目標データ量Tj を算出す
る。
【0129】量子化インデックス生成回路266は、算
出された目標データ量Tj およびグローバルコンプレク
シティXI ,Xp ,XB に基づいて、量子化インデック
スを算出し、エンコーダ26の量子化回路168に設定
する。DCT回路166は、第1の実施形態および第2
の実施形態においてと同様に、次のピクチャーに対して
DCT処理を行う。
【0130】量子化回路168は、DCT処理された映
像データを、設定された量子化インデックスを量子化値
j に変換し、得られた量子化値Qj により量子化処理
を行う。可変長符号化回路170は、第1の実施形態お
よび第2の実施形態においてと同様に、変長符号化を行
い、ほぼ、目標データ量Tj に近いデータ量の圧縮映像
データを生成し、バッファメモリ182を介して出力す
る。
【0131】なお、第3の実施形態として示したエンコ
ーダ26の処理の内容は、第1の実施形態および第2の
実施形態に示した映像データ圧縮装置1,2(図1〜図
3,図5,図6)にも応用可能である。また、エンコー
ダ26の目標データ量算出回路264は、実難度データ
j を用いて目標データ量Tj を算出するように構成し
ても、グローバルコンプレクシティXI ,Xp ,XB
用いて目標データ量Tj を算出してもよい。
【0132】また、エンコーダ26において量子化制御
部260が行った処理を、映像データ圧縮装置1,2
(図1〜図3,図5,図6)においてホストコンピュー
タ20が行うことも可能である。また、第3の実施形態
に示した各パラメータを定義する式は例示であり、エン
コーダ26の構成・用途に合わせて、各式を変更するこ
とができる。また、第3の実施形態に示したエンコーダ
26に対しては、第1の実施形態および第2の実施形態
に示した変形が可能である。
【0133】図15は、MPEGのMP@ML方式によ
り、エンコーダ26(図13)が、圧縮映像データのG
OPのデータ量をほぼ一定に保って固定長符号化を行っ
た場合のVBVバッファの占有量Bn の経時的な変化の
評価結果を示す図である。なお、図15においては、縦
軸はVBVバッファにバッファリングされている圧縮映
像データのデータ量を示し、横軸は時間経過を示す。
【0134】以上説明したエンコーダ26により圧縮映
像データのGOPのデータ量をほぼ一定に保って固定長
符号化を行うと、VBVバッファの占有量Bn の占有量
nは、図15に示すように大きな範囲で変化し、図1
2に示した映像データ圧縮装置1,2(図1〜図3,図
5,図6)を圧縮映像データを生成した場合に比べて、
VBVバッファが要求する制約条件の範囲内でVBVバ
ッファを有効に利用していることが分かる。また、エン
コーダ26によれば、非圧縮映像データの部分ごとに、
絵柄に応じたデータ量を割り当てることにより、圧縮映
像データの品質を全体として向上させることができる。
【0135】第4実施形態 以下、本発明の第4の実施形態として、フィードフォワ
ードレート制御方式を説明する。フィードフォワードレ
ート制御方式は、VBVバッファが要求する制約条件の
範囲内でVBVバッファのバッファリング容量を有効に
利用し、非圧縮映像データの部分ごとに、絵柄に応じた
データ量を割り当てることにより、圧縮映像データの品
質を全体として向上させることを目的とする。
【0136】図16は、第4の実施形態における本発明
に係る映像データ圧縮装置4の構成を示す図である。図
17は、図16に示したエンコーダ28の構成を示す図
である。図18は、図17に示した量子化制御部280
の構成を示す図である。なお、図16〜図18において
は、映像データ圧縮装置4の構成部分の内、図1〜図
3,図5,図6,図13に示した映像データ圧縮装置1
〜2およびエンコーダ26の構成部分と同一のものには
同一の符号を付してある。
【0137】図16に示すように、映像データ圧縮装置
4は、映像データ圧縮装置2,3(図5,図6,図1
3)のエンコーダ18を、エンコーダ28で置換した構
成を採る。また、図17に示すように、エンコーダ28
は、量子化制御回路180を量子化制御部280で置換
した構成を採り、図18に示すように、量子化制御部2
80は、実難度データ(Dj )算出回路282、目標デ
ータ量(Tj )算出回路284、パラメータ(Rj ’)
算出回路286および量子化インデックス生成回路28
8から構成される。
【0138】量子化制御部280は、エンコーダ26
(図13)においてと同様に、ホストコンピュータ20
によらずに、指標データ〔統計量;第2の実施形態にお
いて説明したフラットネス(図9,図10)、イントラ
AC(図11)、アクティビティ(式7)およびME残
差(図7,図8)〕、および、VBVバッファにおける
圧縮映像データの占有量Bn に基づいて目標データ量T
j および量子化値Qj (量子化インデックスQIND)
を算出可能に構成されている。
【0139】映像データ圧縮装置4は、これらの構成部
分により、1つのエンコーダのみにより圧縮映像データ
のデータ量により量子化回路168の量子化処理に対す
るフィードフォワード制御を行い、非圧縮映像データの
部分ごとに絵柄に応じたデータ量を割り当てて圧縮映像
データを生成し、圧縮映像データの品質を向上させる。
【0140】映像データ圧縮装置4の各構成部分の動作 以下、映像データ圧縮装置4の各構成部分の内、映像デ
ータ圧縮装置1,2,3(図1〜図3,図5,図6,図
13)と異なる部分(量子化制御部280)の動作を説
明する。実難度データ算出回路282算出回路 実難度データ算出回路282は、動き検出器14から入
力される指標データ(ME残差による近似により、式
5,式6に示したように、PピクチャーおよびBピクチ
ャーの実難度データDj を算出し、また、エンコーダ制
御部22の統計量算出回路224から入力される指標デ
ータ(フラットネス、イントラACおよびアクティビテ
ィ)による近似により、式5,式6と同様にIピクチャ
ーの実難度データDj を算出し、パラメータ算出回路2
86およびパラメータ算出回路286に対して出力す
る。
【0141】目標データ量算出回路284の動作 目標データ量算出回路284は、エンコーダ26(図1
3)の目標データ量算出回路264と同様に、第1の実
施形態において式1に示した処理を行い、実難度データ
算出回路282から入力された実難度データDj 、およ
び、パラメータ算出回路286から入力されるパラメー
タRj ’に基づいて、各ピクチャータイプのピクチャー
それぞれの目標データ量Tj を算出してレート制御を行
う。
【0142】パラメータ算出回路286の動作 パラメータ算出回路286は、エンコーダ26の目標デ
ータ量算出回路264(図13)と同様に、式8〜式1
5および図14に示した処理を行ってパラメータRj
を調節し、更新する。ただし、パラメータ算出回路28
6は、図14に示したS516の処理において、式16
の代わりに式1により、目標データ量T j を算出し、量
子化インデックス生成回路288に対して出力する。
【0143】量子化インデックス生成回路288の動作 量子化インデックス生成回路288は、エンコーダ26
の量子化インデックス生成回路266(図13)と同様
に、目標データ量算出回路284から入力された目標デ
ータ量Tj に基づいて量子化インデックスQINDを生
成し、量子化回路168に対して出力する。
【0144】以下、映像データ圧縮装置4の動作を説明
する。量子化制御部280の実難度データ算出回路28
2は、動き検出器14およびエンコーダ制御部22から
入力される指標データ(ME残差、フラットネス、イン
トラACおよびアクティビティ)から、式5,式6に示
したように、実難度データDj を算出する。
【0145】パラメータ算出回路286は、式8〜式1
5に示したように、VBVバッファの占有量および映像
データの絵柄の複雑さに応じてパラメータRj ’を調節
し、レート制御を行う。目標データ量算出回路284
は、パラメータ算出回路286が調節したパラメータR
j ’を、式1に代入し、目標データ量Tj を算出する。
【0146】量子化インデックス生成回路288は、算
出された目標データ量Tj から量子化インデックスQI
NDを算出する。エンコーダ28の量子化制御部280
以外の部分は、パラメータ算出回路286が算出した量
子化インデックスQINDを用いて非圧縮映像データを
圧縮符号化する。
【0147】なお、第4の実施形態として示した映像デ
ータ圧縮装置4の処理の内容は、第1の実施形態〜第3
の実施形態に示した映像データ圧縮装置1,2(図1〜
図3,図5,図6)にも応用可能である。また、映像デ
ータ圧縮装置4において量子化制御部280が行った処
理を、映像データ圧縮装置1,2(図1〜図3,図5,
図6)においてホストコンピュータ20が行うことも可
能である。また、第4の実施形態に示した映像データ圧
縮装置4に対しても、第1の実施形態〜第3の実施形態
に示した変形が可能である。
【0148】第5実施形態 以下、本発明の第5の実施形態として、第3の実施形態
に示したエンコーダ26の動作の変形例を説明する。こ
こまで、第1の実施形態において簡易2パスエンコード
方式、第2の実施形態においてFFRC方式を説明し、
さらに、第3の実施形態および第4の実施形態におい
て、VBVバッファの占有量に応じて圧縮映像データの
データ量を調節するフィードバックレート制御方式およ
びフィードフォワードレート制御方式を説明した。
【0149】MPEG方式のTM5はパラメータRを、
第1の実施形態〜第4の実施形態に示した各方式はパラ
メータRj ’(式1等)を用いて目標データ量Tj を算
出する。これらの各方式により、非圧縮映像データの非
常に映像の絵柄が難しい(符号化難度が高い)部分を、
低いデータレートの圧縮映像データに圧縮符号化しよう
とする場合、いかに量子化値Qj (量子化インデックス
QIND)の値を大きくして圧縮率を上げ、データ量を
少なくしようとしても、実際に生成した圧縮映像データ
のデータ量が目標データ量Tj を上回り、パラメータ
R,Rj ’の値が急速に減少し、レート制御の単位(例
えばGOP)の最後の方のピクチャーでは、パラメータ
R,Rj ’の値が0以下になってしまうことがある。
【0150】例えば、MPEGのTM5においては、パ
ラメータRの値が0以下になると、各ピクチャーには最
低のデータ量(frame-bit/8 ;但し、frame-bit は圧縮
映像データの所望の1ピクチャー当たりのデータレー
ト)が割り当てられることになる。このように、最低の
データ量が割り当てられたピクチャーを、所望のデータ
レートの1/8という低いデータレートの圧縮映像デー
タに圧縮符号化すると、かかる部分から得られる圧縮映
像データの品質は顕著に低下してしまう。
【0151】また、例えば、映像の絵柄が難しい非圧縮
映像データの圧縮符号化処理を長い間、続けると、パラ
メータR,Rj ’の値が非常に小さくなり、非圧縮映像
データの映像の絵柄が簡単になった後も、しばらくの
間、パラメータR,Rj ’の値がある程度大きな正値に
回復せず、パラメータR,Rj ’の値が回復するまでの
間ずっと、最低データ量が各GOPに割り当てられてし
まい、圧縮映像データの歪みが多くなってしまう。一
方、パラメータRj ’は、本来、FIFOメモリ160
の遅延時間に対応するL枚のピクチャーに割り当てるデ
ータ量の平均値であるため、その値は、(frame-bit ×
L)から大きく外れることはない。
【0152】本発明の第5の実施形態は、上述した問題
点に鑑みてなされたものであり、非圧縮映像データの映
像の絵柄が複雑で(実難度データDj の値が大きく)、
目標データ量Tj に対して、実際に生成される圧縮映像
データのデータ量Sj の値が多い場合であっても、圧縮
映像データの品質を高く保つことができ、しかも、映像
が複雑な絵柄から簡単な絵柄に変化した場合のパラメー
タRj ’の値が速やかに回復可能であることを目的と
し、第3の実施形態に示したエンコーダ26の量子化制
御部260の目標データ量算出回路264(図13)の
処理内容を変更したものである。
【0153】第5の実施形態において、エンコーダ26
は、第3の実施形態においてと同様に、VBVバッファ
の占有量Bn およびグローバルコンプレクシティXI
p,XB に基づいて目標データ量Tj をフィードバッ
ク制御し、さらに、パラメータRj ’が所定の下限値以
下になることを制限することにより、第3の実施形態に
おけるレート制御と同様な効果を得るとともに、圧縮映
像データの品質の著しい低下を防ぐ。
【0154】目標データ量算出回路264の動作 以下、エンコーダ26の各構成部分の内、映像データ圧
縮装置1,2およびエンコーダ26(図1〜図3,図
5,図6,図13)と処理内容が異なる目標データ量算
出回路264の動作(処理内容)を説明する。目標デー
タ量算出回路264は、第3の実施形態においてと同様
に、GC算出回路262から入力されたグローバルコン
プレクシティXI ,Xp ,XB 各ピクチャータイプの実
難度データDj を近似し、さらに、VBVバッファの占
有量B n に基づいて各ピクチャータイプのピクチャーそ
れぞれの目標データ量Tj を算出してレート制御を行
う。
【0155】レート制御方法 目標データ量算出回路264は、第3の実施形態におい
てと同様に、VBVバッファの占有量を考慮してパラメ
ータRj ’を調節し、パラメータRj ’に、グローバル
コンプレクシティXI ,Xp ,XB 等から算出される乗
数を乗算して目標データ量Tj を調節する。但し、第3
の実施形態においてと異なり、第5の実施形態において
は、目標データ量算出回路264は、パラメータRj
に対して下限値Rmin を設定し、第3の実施形態におい
てと同様に算出したパラメータRj ’が、下限値Rmin
以下〔Rj ’<Rmin 〕になった場合に〔Rj ’=R
min 〕とし、パラメータRj ’が下限値Rmin 以下にな
らないように制限する。下限値Rmin としては、例え
ば、〔Rmin =frame-bit ×L×3/4〕あるいは〔R
min =frame-bit ×L×1/4〕といった値が用いられ
る。
【0156】第1の実施形態において式3に示したよう
に、第j番目のピクチャーのデータ量がSj であり、第
j+L番目のピクチャーのデータ量がSj+L であり、ピ
クチャータイプに応じてパラメータRj ’に加算される
データ量がFj+L である場合には、次のパラメータR
j+1 ’の値は、(Rj ’−Sj +Fj+L )〔Rj+1 ’=
j ’−Sj +Fj+L 〕となる。しかしながら、次のパ
ラメータRj+1 ’(=R j ’−Sj +Fj+L )もまた下
限値Rmin 以下〔Rj+1 ’<Rmin 〕となる可能性があ
る。この場合には、次のパラメータRj+1 ’を、下式1
7に示すように下限値Rmin に制限する。
【0157】
【数17】
【0158】また、目標データ量算出回路264は、第
3の実施形態においてと同様に、映像データの映像が複
雑な部分に多く割り当てるデータ量の合計値(借金額)
をパラメータsum-supplementとして記憶する。従って、
パラメータRj ’の値を上述のように下限値Rmin に制
限しない場合には、式15に示したようにパラメータsu
m-supplementの更新を行い、パラメータRj ’の値を下
限値Rmin に制限した場合には、下式18に示すように
補給データ量supplementを累加算してパラメータsum-su
pplementの更新を行う。
【0159】
【数18】
【0160】目標データ量算出回路264の処理内容の
まとめ 以下、さらに、図19を参照して、第5の実施形態にお
ける目標データ量算出回路264によるレート制御処理
を詳細に説明する。図19は、第5の実施形態における
目標データ量算出回路264の処理を示すフローチャー
ト図である。図19に示すように、目標データ量算出回
路264は、第3の実施形態において図14に示した各
処理と同様の処理を行う。
【0161】ステップ600(S600)において、目
標データ量算出回路264は、VBVバッファの占有量
n に応じてS602またはS612の処理に進む。な
お、目標データ量算出回路264は、S600の処理に
おけるVBVバッファの占有量Bn の判断を、エンコー
ダ26がPピクチャーを生成した直後にのみ行ってもよ
い。
【0162】ステップ602(S602)において、目
標データ量算出回路264は、式9−1によりN枚のピ
クチャーの実難度データDj の総和sum-difficultyの値
が閾値Th1より大きいか否かを判断し、判断結果に応
じてS604またはS608の処理に進む。ステップ6
04(S604)において、目標データ量算出回路26
4は、式9−2によりパラメータRj ’が閾値(G+T
h2)よりも多いか否かを判断し、判断結果に応じてS
606またはS616の処理に進む。
【0163】ステップ606(S606)において、目
標データ量算出回路264は、例えば式10−1、式1
0−2および式11により補給データ量supplementを算
出する。ステップ608(S608)において、目標デ
ータ量算出回路264は、補給データ量supplementが補
償されているか否かを判断し、判断結果に応じてS61
0またはS612の処理に進む。ステップ610(S6
10)において、目標データ量算出回路264は、補給
データ量supplementの補償のために、式12により負値
の補給データ量supplementを算出する。
【0164】ステップ612(S612)において、目
標データ量算出回路264は、式13により負値の補給
データ量supplementを算出し、VBVバッファのアンダ
ーフローを防止する。ステップ614(S614)にお
いて、目標データ量算出回路264は、式14,式15
によりパラメータRj ’,sum-supplementを算出し、パ
ラメータRj’が下限値Rmin 以下になる場合には、パ
ラメータRj ’を下限値Rmin に制限する。
【0165】ステップ616(S616)において、目
標データ量算出回路264は、式16に示したように目
標データ量Tj を算出する。ステップ618(S61
8)において、エンコーダ26は、量子化インデックス
QINDを用いて圧縮符号化処理を行う。ステップ62
0(S620)において、目標データ量算出回路264
は、式3により、次のパラメータRj+1 ’を算出し、更
新する。
【0166】ステップ622(S622)において、目
標データ量算出回路264は、次のパラメータRj+1
が下限値Rmin より大きいか否かを判断する。次のパラ
メータRj+1 ’が下限値Rmin より大きい場合にはS6
28の処理に進み、大きくない場合にはS624の処理
に進む。ステップ624(S624)において、目標デ
ータ量算出回路264は、次のパラメータRj+1 ’を下
限値Rmin に制限する。
【0167】ステップ626(S626)において、目
標データ量算出回路264は、式18によりパラメータ
sum-supplementを更新する。ステップ628(S62
8)において、目標データ量算出回路264は、変数j
をインクリメントする。
【0168】以下、第5の実施形態におけるエンコーダ
26(図13)の動作を説明する。動き検出器14は、
第1の実施形態および第3の実施形態においてと同様
に、動きベクトルの生成等の処理を行う。エンコーダ制
御部22は、第1の実施形態等においてと同様に、ピク
チャーの並び替え処理等を行う。FIFOメモリ160
は、第1の実施形態等においてと同様に、入力された映
像データをLピクチャー分だけ遅延する。
【0169】エンコーダ26(図13)が、1ピクチャ
ー分の圧縮符号化を終了するたびに、量子化制御部26
0のGC算出回路262は、量子化インデックス生成回
路266の量子化インデックスから量子化値Qj の平均
値を算出し、量子化値Qj の平均値および圧縮映像デー
タのデータ量Sj からグローバルコンプレクシティ
I ,Xp ,XB を算出する。目標データ量算出回路2
64は、圧縮映像データの目標データ量算出回路264
は、最も新しく生成された各ピクチャータイプのグロー
バルコンプレクシティXI ,Xp ,XB に基づいて、図
19を参照して説明したように、次のピクチャーの目標
データ量Tj を算出する。
【0170】量子化インデックス生成回路266は、算
出された目標データ量Tj およびグローバルコンプレク
シティXI ,Xp ,XB に基づいて、量子化インデック
スを算出し、エンコーダ26の量子化回路168に設定
する。DCT回路166は、第1の実施形態等において
と同様に、次のピクチャーに対してDCT処理を行う。
【0171】量子化回路168は、DCT処理された映
像データを、設定された量子化インデックスを量子化値
j に変換し、得られた量子化値Qj により量子化処理
を行う。可変長符号化回路170は、第1の実施形態等
においてと同様に、変長符号化を行い、ほぼ、目標デー
タ量Tj に近いデータ量の圧縮映像データを生成し、バ
ッファメモリ182を介して出力する。
【0172】変形例 以下、第5の実施形態の変形例を説明する。第5の実施
形態において示した改良フィードバックレート制御方式
は、第1の実施形態、第2の実施形態および第4の実施
形態に示した映像データ圧縮装置1,2,4(図1〜図
3,図5,図6,図16〜図18)にも応用可能であ
る。また、第5の実施形態においては、目標データ量算
出回路264が、VBVバッファを考慮して目標データ
量Tj を算出する場合について説明したが、VBVバッ
ファを考慮せずに目標データ量Tj を生成するように目
標データ量算出回路264の動作を変更してもよい。
【0173】以下、図20を参照して、映像データ圧縮
装置1(図1〜図3)の動作を変更し、第5の実施形態
に示した改良フィードバックレート制御を応用する変形
例を説明する。図20は、映像データ圧縮装置1(図1
〜図3)の動作を変更し、第5の実施形態に示した改良
フィードバックレート制御を行う場合の処理を示すフロ
ーチャート図である。図20に示すように、映像データ
圧縮装置1のホストコンピュータ20は、VBVバッフ
ァを考慮したレート制御を行わないので、図19に示し
たS600〜S614に対応する処理を行わず、S61
6〜628に対応する処理のみを行う。
【0174】ステップ700(S700)において、映
像データ圧縮装置1のホストコンピュータ20は、式1
により目標データ量Tj を算出する。ステップ702
(S702)において、エンコーダ18は、量子化イン
デックスQINDを用いて圧縮符号化処理を行う。ステ
ップ704(S704)において、ホストコンピュータ
20は、式3により、次のパラメータRj+1 ’を算出
し、更新する。
【0175】ステップ706(S706)において、ホ
ストコンピュータ20は、次のパラメータRj+1 ’が下
限値Rmin より大きいか否かを判断し、判断結果に応じ
てS712またはS608の処理に進む。ステップ70
8(S708)において、ホストコンピュータ20は、
次のパラメータRj+1 ’を下限値Rmin に制限する。
【0176】ステップ710(S710)において、ホ
ストコンピュータ20は、式18によりパラメータsum-
supplementを更新する。ステップ712(S712)に
おいて、ホストコンピュータ20は、変数jをインクリ
メントする。なお、映像データ圧縮装置4(図16〜図
18)において、第4の実施形態に示したフィードフォ
ーワードレート制御を改良し、第5の実施形態に示した
改良フィードフォーワードレート制御と同等の効果を得
るためには、映像データ圧縮装置4のパラメータ算出回
路286の動作を変更し、図14に示した各処理を実行
すればよい。但し、この場合、S616の処理におい
て、式16の代わりに式1により目標データ量Tj を算
出する必要がある。
【0177】また、図20に示した処理において、パラ
メータRj ’を、MPEGのTM5におけるパラメータ
Rに置換することにより、改良フィードバックレート制
御方式を、MPEGのTM5自体に応用することも可能
である。しかしながら、MPEGのTM5におけるパラ
メータRは、GOPの最初の部分のピクチャーに対して
は大きな値をとるが、GOPの終わりの部分に対しては
殆ど0に近い値になる。このような性質を有するパラメ
ータRに、負値の固定の下限値Rmin 〔例えば、Rmin
=−2×frame-bit 〕を設定することも可能であるが、
効果が薄い。
【0178】そこで、改良フィードバックレート制御方
式を、MPEGのTM5自体に応用する場合には、図2
1に示すように、下限値Rmin を定める関数を導入する
ことにより、第5の実施例においてと同様の効果を得る
ことができる。
【0179】つまり、MPEGのTM5においては、G
OPの最初の部分のピクチャーに対してパラメータRが
大きくなるように、終わりの部分のピクチャーに対して
パラメータRの値が0に近づくので、図21において点
線で例示するように、GOPの最初で下限値Rmin の値
が(N/2×frame-bit)となり、GOPの最後で下限値R
min の値が(-N/2 ×frame-bit)となるような直線を引
き、パラメータRがこの直線を下回る場合に、第5の実
施形態に示した改良フィードバックレート制御方式と同
様に、パラメータRを直線上の下限値Rmin に制限し、
差分値を別パラメータとして記憶しておけばよい。
【0180】また、第5の実施形態においてエンコーダ
26の量子化制御部260が行った処理を、ホストコン
ピュータ20が行うことも可能である。また、第5の実
施形態に示した各パラメータを定義する式は例示であ
り、エンコーダ26の構成・用途に合わせて、各式を変
更することができる。
【0181】以上説明したように、第5の実施形態に示
した改良フィードバックレート制御方式によれば、入力
映像データの映像の絵柄が、圧縮後のデータレートに対
して難しく、データ量が大きくなりすぎる場合において
も、ピクチャタイプに応じたデータ量の配分を保ったレ
ート制御が可能であり、圧縮映像データの品質を向上さ
せることができる。また、下限値を設けたため、難しい
入力映像データの映像の絵柄が簡単になった場合にも、
短い時間の内に圧縮映像データに多くのデータ量を配分
するようにパラメータR,Rj ’を回復することがで
き、圧縮映像データの品質のムラの発生を防ぐことがで
きる。
【0182】第6実施形態 以下、本発明の第6の実施形態として、第4の実施形態
に示した映像データ圧縮装置4(図16)の動作の変形
例(改良フィードフォワードレート制御方式)を説明す
る。改良フィードフォワードレート制御方式は、第4の
実施形態に示したフィードフォワードレート制御方式
を、目標データ量Tj に対して実際に生成される圧縮映
像データのデータ量Sj の値が多い場合であっても、圧
縮映像データの品質を高く保つことができ、しかも、映
像が複雑な絵柄から簡単な絵柄に変化した場合のパラメ
ータRj ’の値が速やかに回復するように改良したもの
である。
【0183】第6の実施形態において、映像データ圧縮
装置4は、VBVバッファの占有量Bn および指標デー
タ(ME残差、フラットネス、イントラACおよびアク
ティビティ)に基づいて目標データ量Tj をフィードフ
ォワード制御し、さらに、パラメータRj ’が所定の下
限値以下になることを制限することにより、第4の実施
形態におけるレート制御と同様な効果を得るとともに、
圧縮映像データの品質の著しい低下を防ぐ。
【0184】各構成部分の動作 以下、映像データ圧縮装置4の各構成部分の内、映像デ
ータ圧縮装置4においてと処理内容が異なる量子化制御
部280(図17)の目標データ量算出回路284およ
びパラメータ算出回路286(図18)の動作(処理内
容)を説明する。目標データ量算出回路284の動作 目標データ量算出回路284は、実難度データ算出回路
282が指標データから算出した実難度データDj (D
I ,Dp ,DB )と、パラメータ算出回路286がVB
Vバッファの占有量Bn および実難度データDj から算
出したパラメータRj ’とに基づいて各ピクチャータイ
プの目標データ量Tj を算出する。
【0185】パラメータ算出回路286の動作 レート制御方法 パラメータ算出回路286は、第4の実施形態において
と同様に、VBVバッファの占有量を考慮してパラメー
タRj ’の値を調節することによりレート制御を行う。
但し、パラメータ算出回路286は、パラメータRj
に対して下限値Rminを設定し、パラメータRj ’が下
限値Rmin 以下〔Rj ’<Rmin 〕になった場合に〔R
j ’=Rmin 〕とし、パラメータRj ’が下限値Rmin
以下にならないように制限する。下限値Rmin として
は、例えば、〔Rmin =frame-bit ×L×3/4〕ある
いは〔Rmin =frame-bit ×L×1/4〕といった値が
用いられる。
【0186】式3に示したように、第j番目のピクチャ
ーのデータ量がSj であり、第j+L番目のピクチャー
のデータ量がSj+L であり、ピクチャータイプに応じて
パラメータRj ’に加算されるデータ量がFj+L である
場合には、次のパラメータR j+1 ’の値は、〔Rj+1
=Rj ’−Sj +Fj+L 〕となる。しかしながら、次の
パラメータRj+1 ’(=Rj ’−Sj +Fj+L )もまた
下限値Rmin 以下〔R j+1 ’<Rmin 〕となる可能性が
ある。この場合には、次のパラメータRj+1 ’を、式1
7に示したように下限値Rmin に制限する。
【0187】また、パラメータ算出回路286は、借金
額をパラメータsum-supplementとして記憶する。従っ
て、パラメータRj ’の値を上述のように下限値Rmin
に制限しない場合には、式15に示したようにパラメー
タsum-supplementの更新を行い、パラメータRj ’の値
を下限値Rmin に制限した場合には、式18に示したよ
うに補給データ量supplementを累加算してパラメータsu
m-supplementの更新を行う。
【0188】パラメータ算出回路286の処理内容のま
とめ 以下、再び図19を参照して、第6の実施形態における
パラメータ算出回路286によるレート制御処理および
関連部分の処理の内容を詳細に説明する。ステップ60
0(S600)において、パラメータ算出回路286
は、VBVバッファの占有量Bn に応じてS602また
はS612の処理に進む。なお、パラメータ算出回路2
86は、S600の処理におけるVBVバッファの占有
量B n の判断を、エンコーダ28がPピクチャーを生成
した直後にのみ行ってもよい。
【0189】ステップ602(S602)において、パ
ラメータ算出回路286は、式9−1によりN枚のピク
チャーの実難度データDj の総和sum-difficultyの値が
閾値Th1より大きいか否かを判断し、判断結果に応じ
てS604またはS608の処理に進む。ステップ60
4(S604)において、パラメータ算出回路286
は、式9−2によりパラメータRj ’が閾値(G+Th
2)よりも多いか否かを判断し、判断結果に応じてS6
06またはS616の処理に進む。
【0190】ステップ606(S606)において、パ
ラメータ算出回路286は、例えば式10−1、式10
−2および式11により補給データ量supplementを算出
する。ステップ608(S608)において、パラメー
タ算出回路286は、補給データ量supplementが補償さ
れているか否かを判断し、判断結果に応じてS610ま
たはS612の処理に進む。ステップ610(S61
0)において、パラメータ算出回路286は、補給デー
タ量supplementの補償のために、式12により負値の補
給データ量supplementを算出する。
【0191】ステップ612(S612)において、パ
ラメータ算出回路286は、式13により負値の補給デ
ータ量supplementを算出し、VBVバッファのアンダー
フローを防止する。ステップ614(S614)におい
て、パラメータ算出回路286は、式14,式15によ
りパラメータRj ’,sum-supplementを算出し、パラメ
ータRj ’が下限値Rmin 以下になる場合には、パラメ
ータRj ’を下限値Rmin に制限する。
【0192】ステップ616(S616)において、目
標データ量算出回路284は、第5の実施形態に示した
エンコーダ26の目標データ量算出回路264とは異な
り、式16の代わりに式1を用いて目標データ量Tj
算出する。ステップ618(S618)において、エン
コーダ28は、量子化インデックスQINDを用いて圧
縮符号化処理を行う。ステップ620(S620)にお
いて、パラメータ算出回路286は、式3により次のパ
ラメータRj+1 ’を算出し、更新する。
【0193】ステップ622(S622)において、パ
ラメータ算出回路286は、次のパラメータRj+1 ’が
下限値Rmin より大きいか否かを判断する。次のパラメ
ータRj+1 ’が下限値Rmin より大きい場合にはS62
8の処理に進み、大きくない場合にはS624の処理に
進む。ステップ624(S624)において、パラメー
タ算出回路286は、次のパラメータRj+1 ’を下限値
min に制限する。
【0194】ステップ626(S626)において、パ
ラメータ算出回路286は、式18によりパラメータsu
m-supplementを更新する。ステップ628(S628)
において、パラメータ算出回路286は、変数jをイン
クリメントする。
【0195】以下、第6の実施形態における映像データ
圧縮装置4(図16)の動作を説明する。動き検出器1
4は、動きベクトルおよびME残差の生成等の処理を行
う。エンコーダ制御部22は、ピクチャーの並び替え処
理および指標データ(フラットネス、イントラACおよ
びアクティビティ)の生成等の処理を行う。FIFOメ
モリ160は、入力された映像データをLピクチャー分
だけ遅延する。
【0196】エンコーダ28(図16)が、1ピクチャ
ー分の圧縮符号化を終了するたびに、量子化制御部28
0の実難度データ算出回路282は、実難度データDj
を算出する。パラメータ算出回路286は、図19に示
したようにパラメータRj ’の算出を行い、目標データ
量算出回路284は、最も新しく生成された各ピクチャ
ータイプのピクチャーの実難度データDj (DI
p ,DB )に基づいて、式1により目標データ量Tj
を算出する。
【0197】量子化インデックス生成回路288は、算
出された目標データ量Tj に基づいて、量子化インデッ
クスを算出し、エンコーダ28の量子化回路168に設
定する。DCT回路166は、第1の実施形態等におい
てと同様に、次のピクチャーに対してDCT処理を行
う。
【0198】量子化回路168は、DCT処理された映
像データを、設定された量子化インデックスを量子化値
j に変換し、得られた量子化値Qj により量子化処理
を行う。可変長符号化回路170は、第1の実施形態等
においてと同様に、変長符号化を行い、ほぼ、目標デー
タ量Tj に近いデータ量の圧縮映像データを生成し、バ
ッファメモリ182を介して出力する。
【0199】変形例 以下、再び図20を参照して、映像データ圧縮装置1
(図1〜図3)の動作を変更し、第6の実施形態に示し
た改良フィードフォワードレート制御を応用する変形例
を説明する。映像データ圧縮装置1のホストコンピュー
タ20は、VBVバッファを考慮したレート制御を行わ
ないので、図19に示したS600〜S614に対応す
る処理を行わず、S616〜628に対応する処理のみ
を行う。
【0200】ステップ700(S700)において、映
像データ圧縮装置1のホストコンピュータ20は、式1
により目標データ量Tj を算出する。ステップ702
(S702)において、エンコーダ18は、量子化イン
デックスQINDを用いて圧縮符号化処理を行う。ステ
ップ704(S704)において、ホストコンピュータ
20は、式3により、次のパラメータRj+1 ’を算出
し、更新する。
【0201】ステップ706(S706)において、ホ
ストコンピュータ20は、次のパラメータRj+1 ’が下
限値Rmin より大きいか否かを判断し、判断結果に応じ
てS712またはS608の処理に進む。ステップ70
8(S708)において、ホストコンピュータ20は、
次のパラメータRj+1 ’を下限値Rmin に制限する。
【0202】ステップ710(S710)において、ホ
ストコンピュータ20は、式18によりパラメータsum-
supplementを更新する。ステップ712(S712)に
おいて、ホストコンピュータ20は、変数jをインクリ
メントする。
【0203】また、図20に示した処理において、パラ
メータRj ’を、MPEGのTM5におけるパラメータ
Rに置換することにより、改良フィードフォワードレー
ト制御方式を、MPEGのTM5自体に応用することも
可能である。しかしながら、MPEGのTM5における
パラメータRは、GOPの最初の部分のピクチャーに対
しては大きな値をとるが、GOPの終わりの部分に対し
ては殆ど0に近い値になる。このような性質を有するパ
ラメータRに、負値の固定の下限値Rmin 〔例えば、R
min =−2×frame-bit 〕を設定することも可能である
が、効果が薄い。
【0204】そこで、改良フィードフォワードレート制
御方式を、MPEGのTM5自体に応用する場合には、
図21に示したように、下限値Rmin を定める関数を導
入することにより、第6の実施例においてと同様の効果
を得ることができる。
【0205】つまり、MPEGのTM5においては、G
OPの最初の部分のピクチャーに対してパラメータRが
大きくなるように、終わりの部分のピクチャーに対して
パラメータRの値が0に近づくので、図21に例示した
ように、GOPの最初で下限値Rmin の値が(N/2×fram
e-bit)となり、GOPの最後で下限値Rmin の値が(-N/
2 ×frame-bit)となるような直線を引き、パラメータR
がこの直線を下回る場合に、第6の実施形態に示した改
良フィードフォワードレート制御方式と同様に、パラメ
ータRを直線上の下限値Rmin に制限し、差分値を別パ
ラメータとして記憶しておけばよい。また、第6の実施
形態に示した各パラメータを定義する式は例示であり、
映像データ圧縮装置4の構成・用途に合わせて、各式を
変更することができる。
【0206】以上説明したように、第6の実施形態に示
した改良フィードフォワードレート制御方式によれば、
入力映像データの映像の絵柄が、圧縮後のデータレート
に対して難しく、データ量が大きくなりすぎる場合にお
いても、ピクチャタイプに応じたデータ量の配分を保っ
たレート制御が可能であり、圧縮映像データの品質を向
上させることができる。また、下限値を設けたため、難
しい入力映像データの映像の絵柄が簡単になった場合に
も、短い時間の内に圧縮映像データに多くのデータ量を
配分するようにパラメータR,Rj ’を回復することが
でき、圧縮映像データの品質のムラの発生を防ぐことが
できる。
【0207】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る映像
データ圧縮装置およびその方法によれば、2パスエンコ
ードによらずに、所定のデータ量以下に音声・映像デー
タを圧縮符号化することができる。また、本発明に係る
映像データ圧縮装置およびその方法によれば、ほぼ実時
間的に映像データを圧縮符号化することができ、しか
も、伸長復号後に高品質な映像を得ることができる。ま
た、本発明に係る映像データ圧縮装置およびその方法に
よれば、2パスエンコードによらずに、圧縮符号化後の
データ量を見積もって圧縮率を調節し、圧縮符号化処理
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る映像データ圧縮装置の構成を示す
図である。
【図2】図1に示した簡易2パス処理部のエンコーダの
構成を示す図である。
【図3】図1に示したエンコーダの構成を示す図であ
る。
【図4】(A)〜(C)は、第1の実施形態における映
像データ圧縮装置の簡易2パスエンコードの動作を示す
図である。
【図5】第2の実施形態における本発明に係る映像デー
タ圧縮装置の構成の概要を示す図である。
【図6】図5に示した映像データ圧縮装置2の圧縮符号
化部の詳細な構成を示す図である。
【図7】映像データ圧縮装置(図1〜図3,図5,図
6)により、Pピクチャーを生成する際のME残差と実
難度データDj との相関関係を示す図である。
【図8】映像データ圧縮装置(図1〜図3,図5,図
6)により、Bピクチャーを生成する際のME残差と実
難度データDj との相関関係を示す図である。
【図9】フラットネスの計算方法を示す図である。
【図10】映像データ圧縮装置(図1〜図3,図5,図
6)により、Iピクチャーを生成する際のフラットネス
と実難度データDj との相関関係を示す図である。
【図11】映像データ圧縮装置(図1〜図3,図5,図
6)により、Iピクチャーを生成する際のイントラAC
と実難度データDj との相関関係を示す図である。
【図12】MPEGのMP@ML方式により、映像デー
タ圧縮装置(図1〜図3,図5,図6)が、圧縮映像デ
ータのGOPの発生ビット量をほぼ一定に保って固定長
符号化を行った場合のVBVバッファの占有量Bn の経
時的な変化の評価結果を示す図である。
【図13】図13に示したエンコーダの構成を示す図で
ある。
【図14】図13に示した目標データ量算出回路の処理
を示すフローチャート図である。
【図15】MPEGのMP@ML方式により、エンコー
ダ(図13)が、圧縮映像データのGOPのデータ量を
ほぼ一定に保って固定長符号化を行った場合のVBVバ
ッファの占有量Bn の経時的な変化の評価結果を示す図
である。
【図16】第4の実施形態における本発明に係る映像デ
ータ圧縮装置の構成を示す図である。
【図17】図16に示したエンコーダの構成を示す図で
ある。
【図18】図17に示した量子化制御部の構成を示す図
である。
【図19】第5の実施形態における目標データ量算出回
路の処理を示すフローチャート図である。
【図20】映像データ圧縮装置(図1〜図3)の動作を
変更し、第5の実施形態に示した改良フィードバックレ
ート制御を行う場合の処理を示すフローチャート図であ
る。
【図21】第5の実施形態に示した改良フィードバック
レート制御方式を、MPEGのTM5自体に応用する場
合に用いる下限値Rmin を定める関数を示す図である。
【符号の説明】
1,2,4…映像データ圧縮装置、10,24…圧縮符
号化部、12,22…エンコーダ制御部、14…動き検
出器、16…簡易2パス処理部、160…FIFOメモ
リ、162,18,26,28…エンコーダ、260,
280…量子化制御部、262…GC算出回路、282
…実難度データ算出回路、284,264…目標データ
量算出回路、286…パラメータ算出回路、266,2
88…量子化インデックス生成回路、164…加算回
路、166…DCT回路、168…量子化回路、170
…可変長符号化回路、172…逆量子化回路、174…
逆DCT回路、176…加算回路、178…動き補償回
路、180…量子化制御回路、182…バッファメモ
リ、20…ホストコンピュータ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動画の非圧縮映像データを、圧縮後の映像
    データ(圧縮映像データ)をバッファリングするVBV
    バッファに基づいて定まる条件を満たすデータレートに
    圧縮する映像データ圧縮装置であって、 前記非圧縮映像データの映像の複雑さを示す難度データ
    を算出する難度データ算出手段と、 所定数の非圧縮映像データのピクチャーごとに、圧縮後
    のデータ量(割当データ量)を割り当てるデータ量割当
    手段と、 割り当てた前記割り当てデータ量が所定の下限値以下で
    ある場合に、前記割り当てデータ量の値を所定の下限値
    に制限する下限値制限手段と、 算出した前記難度データ、および、割り当てまたは制限
    された前記割当データ量に基づいて、前記非圧縮映像デ
    ータの圧縮後のデータ量の目標値をピクチャーごとに算
    出する目標値算出手段と、 前記非圧縮映像データを所定の圧縮方法により、圧縮後
    のデータ量が算出した前記目標値になるように圧縮する
    圧縮手段とを有する映像データ圧縮装置。
  2. 【請求項2】前記難度データ算出手段は、前記非圧縮映
    像データの複雑さを指標する所定の指標データ(ME残
    差、フラットネス、イントラACおよびアクティビテ
    ィ)に基づいて、前記難度データとして前記非圧縮映像
    データの圧縮後のデータ量を算出する請求項1に記載の
    映像データ圧縮装置。
  3. 【請求項3】前記難度データ算出手段は、前記非圧縮映
    像データの複雑さを示すグローバルコンプレクシティに
    基づいて、前記難度データとして前記非圧縮映像データ
    の圧縮後のデータ量を算出する請求項1に記載の映像デ
    ータ圧縮装置。
  4. 【請求項4】前記データ量割当手段は、VBVバッファ
    の占有データ量が所定の閾値以上である場合に、算出し
    た前記難度データに基づいて、前記非圧縮映像データの
    映像が複雑であればあるほど前記割当データ量の値を大
    きくし、 前記目標値算出手段は、前記非圧縮映像データの映像が
    複雑であればあるほど前記目標値の値を大きくし、前記
    非圧縮映像データの映像が簡単であればあるほど前記目
    標値の値を小さくする請求項1に記載の映像データ圧縮
    装置。
  5. 【請求項5】前記データ量割当手段は、前記圧縮映像デ
    ータに与えられるデータ量を均等に配分した基準値を、
    生成した前記圧縮映像データのピクチャーのデータ量か
    ら減算して差分値を算出し、前記非圧縮映像データの圧
    縮が終了した場合に、算出した差分値の総和が負値の0
    に近い値になるように前記割当データ量を算出する請求
    項4に記載の映像データ圧縮装置。
  6. 【請求項6】動画の非圧縮映像データを、圧縮後の映像
    データ(圧縮映像データ)をバッファリングするVBV
    バッファに基づいて定まる条件を満たすデータレートに
    圧縮する映像データ圧縮方法であって、 前記非圧縮映像データの映像の複雑さを示す難度データ
    を算出し、 所定数の非圧縮映像データのピクチャーごとに、圧縮後
    のデータ量(割当データ量)を割り当て、 割り当てた前記割り当てデータ量が所定の下限値以下で
    ある場合に、前記割り当てデータ量の値を所定の下限値
    に制限し、 算出した前記難度データ、および、割り当てまたは制限
    された前記割当データ量に基づいて、前記非圧縮映像デ
    ータの圧縮後のデータ量の目標値をピクチャーごとに算
    出し、 前記非圧縮映像データを所定の圧縮方法により、圧縮後
    のデータ量が算出した前記目標値になるように圧縮する
    映像データ圧縮方法。
  7. 【請求項7】前記非圧縮映像データの複雑さを指標する
    所定の指標データ(ME残差、フラットネス、イントラ
    ACおよびアクティビティ)に基づいて、前記難度デー
    タとして前記非圧縮映像データの圧縮後のデータ量を算
    出する請求項6に記載の映像データ圧縮方法。
  8. 【請求項8】前記非圧縮映像データの複雑さを示すグロ
    ーバルコンプレクシティに基づいて、前記難度データと
    して前記非圧縮映像データの圧縮後のデータ量を算出す
    る請求項6に記載の映像データ圧縮方法。
  9. 【請求項9】VBVバッファの占有データ量が所定の閾
    値以上である場合に、算出した前記難度データに基づい
    て、前記非圧縮映像データの映像が複雑であればあるほ
    ど前記割当データ量の値を大きくし、 前記非圧縮映像データの映像が複雑であればあるほど前
    記目標値の値を大きくし、前記非圧縮映像データの映像
    が簡単であればあるほど前記目標値の値を小さくする請
    求項6に記載の映像データ圧縮方法。
  10. 【請求項10】前記圧縮映像データに与えられるデータ
    量を均等に配分した基準値を、生成した前記圧縮映像デ
    ータのピクチャーのデータ量から減算して差分値を算出
    し、前記非圧縮映像データの圧縮が終了した場合に、算
    出した差分値の総和が負値の0に近い値になるように前
    記割当データ量を算出する請求項9に記載の映像データ
    圧縮方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002232882A (ja) * 2001-01-31 2002-08-16 Nec Corp 事前解析を用いた動画像符号化装置、動画像符号化方法、及びそのプログラム。
KR100393245B1 (ko) * 2001-06-21 2003-07-31 (주)심비언씨스템 동영상 코딩을 위한 전송 비트율 제어방법
US7809198B2 (en) 2003-03-06 2010-10-05 Sony Corporation Coding apparatus having rate control to prevent buffer breakdown

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