JPH1075769A - 菌体の分離方法 - Google Patents
菌体の分離方法Info
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- JPH1075769A JPH1075769A JP25226796A JP25226796A JPH1075769A JP H1075769 A JPH1075769 A JP H1075769A JP 25226796 A JP25226796 A JP 25226796A JP 25226796 A JP25226796 A JP 25226796A JP H1075769 A JPH1075769 A JP H1075769A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】発酵生産物と菌体を含む液に、カチオン性を有
する高分子凝集剤を添加して菌体を分離する際に、発酵
生産物の活性及び回収率を低下させることなく、液中に
残留する余剰の高分子凝集剤を選択的に除去することが
できる菌体の分離方法を提供する。 【解決手段】発酵生産物と菌体とを含む液に、カチオン
性を有する高分子凝集剤を添加して菌体を分離する方法
において、高分子凝集剤が残留する液に、縮合リン酸塩
を添加することを特徴とする菌体の分離方法。
する高分子凝集剤を添加して菌体を分離する際に、発酵
生産物の活性及び回収率を低下させることなく、液中に
残留する余剰の高分子凝集剤を選択的に除去することが
できる菌体の分離方法を提供する。 【解決手段】発酵生産物と菌体とを含む液に、カチオン
性を有する高分子凝集剤を添加して菌体を分離する方法
において、高分子凝集剤が残留する液に、縮合リン酸塩
を添加することを特徴とする菌体の分離方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、菌体の分離方法に
関する。さらに詳しくは、本発明は、発酵生産物と菌体
を含む液に、カチオン性を有する高分子凝集剤を添加し
て菌体を分離する方法において、発酵生産物の活性及び
回収率を低下させることなく、液中に余剰の高分子凝集
剤を残留させることなく、菌体を分離することができる
菌体の分離方法に関する。
関する。さらに詳しくは、本発明は、発酵生産物と菌体
を含む液に、カチオン性を有する高分子凝集剤を添加し
て菌体を分離する方法において、発酵生産物の活性及び
回収率を低下させることなく、液中に余剰の高分子凝集
剤を残留させることなく、菌体を分離することができる
菌体の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発酵法によって生産した酵素などの有価
物を製品化する場合、生産菌と発酵生産物を固液分離し
て、発酵生産物を膜分離などにより精製する必要があ
る。この固液分離の方法として、高分子凝集剤を用いて
菌体を凝集させ、液中に残留する発酵生産物と菌体を分
離する技術がある。しかし、この処理を行ったとき、液
中に余剰の高分子凝集剤が残留する場合があり、残留し
た高分子凝集剤が、発酵生産物に混入して製品の品質を
低下させたり、あるいは、発酵生産物の精製に用いられ
る膜やイオン交換樹脂に付着して、これらの分離性能を
著しく低下させるという悪影響を引き起こす場合があ
る。このような問題を解決するために、液中に残留する
高分子凝集剤を除去する必要がある。液中に残留する高
分子凝集剤を除去する技術としては、特開昭50−51
467号公報や特開昭50−56365号公報に開示さ
れているような、高分子凝集剤処理を行う際に、アルミ
ニウム塩や鉄塩のような金属塩を添加する方法、あるい
は、特公昭54−2992号公報に開示されているよう
な、アニオン性界面活性剤を添加する方法が知られてい
る。しかし、これらの方法は、主として廃水処理におけ
る高分子凝集剤に対して適用されるものである。発酵法
により生産された有価物は、酵素などの蛋白質である場
合がほとんどであり、金属塩や界面活性剤を添加する
と、酵素などの活性が低下してしまう。このため、従来
の高分子凝集剤を除去する技術は、発酵法において使用
した高分子凝集剤の残留分除去に適用することはできな
かった。
物を製品化する場合、生産菌と発酵生産物を固液分離し
て、発酵生産物を膜分離などにより精製する必要があ
る。この固液分離の方法として、高分子凝集剤を用いて
菌体を凝集させ、液中に残留する発酵生産物と菌体を分
離する技術がある。しかし、この処理を行ったとき、液
中に余剰の高分子凝集剤が残留する場合があり、残留し
た高分子凝集剤が、発酵生産物に混入して製品の品質を
低下させたり、あるいは、発酵生産物の精製に用いられ
る膜やイオン交換樹脂に付着して、これらの分離性能を
著しく低下させるという悪影響を引き起こす場合があ
る。このような問題を解決するために、液中に残留する
高分子凝集剤を除去する必要がある。液中に残留する高
分子凝集剤を除去する技術としては、特開昭50−51
467号公報や特開昭50−56365号公報に開示さ
れているような、高分子凝集剤処理を行う際に、アルミ
ニウム塩や鉄塩のような金属塩を添加する方法、あるい
は、特公昭54−2992号公報に開示されているよう
な、アニオン性界面活性剤を添加する方法が知られてい
る。しかし、これらの方法は、主として廃水処理におけ
る高分子凝集剤に対して適用されるものである。発酵法
により生産された有価物は、酵素などの蛋白質である場
合がほとんどであり、金属塩や界面活性剤を添加する
と、酵素などの活性が低下してしまう。このため、従来
の高分子凝集剤を除去する技術は、発酵法において使用
した高分子凝集剤の残留分除去に適用することはできな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発酵生産物
と菌体を含む液に、カチオン性を有する高分子凝集剤を
添加して菌体を分離する際に、発酵生産物の活性及び回
収率を低下させることなく、液中に残留する余剰の高分
子凝集剤を選択的に除去することができる菌体の分離方
法を提供することを目的としてなされたものである。
と菌体を含む液に、カチオン性を有する高分子凝集剤を
添加して菌体を分離する際に、発酵生産物の活性及び回
収率を低下させることなく、液中に残留する余剰の高分
子凝集剤を選択的に除去することができる菌体の分離方
法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カチオン性を有す
る高分子凝集剤が残留する液に縮合リン酸塩を添加し、
カチオン性を有する高分子凝集剤と縮合リン酸塩を反応
させることにより、液中のカチオン性を有する高分子凝
集剤を除去することが可能となることを見いだし、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、(1)発酵生産物と菌体とを含む液に、カチ
オン性を有する高分子凝集剤を添加して菌体を分離する
方法において、高分子凝集剤が残留する液に、縮合リン
酸塩を添加することを特徴とする菌体の分離方法、を提
供するものである。さらに、本発明の好ましい態様とし
て、(2)縮合リン酸塩の添加量が、残留する高分子凝
集剤の等重量〜20倍量である第(1)項記載の菌体の分
離方法、及び、(3)縮合リン酸塩を添加したのち、さ
らに水不溶性の粒子を添加する第(1)項又は第(2)項記
載の菌体の分離方法、を挙げることができる。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カチオン性を有す
る高分子凝集剤が残留する液に縮合リン酸塩を添加し、
カチオン性を有する高分子凝集剤と縮合リン酸塩を反応
させることにより、液中のカチオン性を有する高分子凝
集剤を除去することが可能となることを見いだし、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、(1)発酵生産物と菌体とを含む液に、カチ
オン性を有する高分子凝集剤を添加して菌体を分離する
方法において、高分子凝集剤が残留する液に、縮合リン
酸塩を添加することを特徴とする菌体の分離方法、を提
供するものである。さらに、本発明の好ましい態様とし
て、(2)縮合リン酸塩の添加量が、残留する高分子凝
集剤の等重量〜20倍量である第(1)項記載の菌体の分
離方法、及び、(3)縮合リン酸塩を添加したのち、さ
らに水不溶性の粒子を添加する第(1)項又は第(2)項記
載の菌体の分離方法、を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法は、発酵生産物と菌体
を含む液に、カチオン性を有する高分子凝集剤を添加し
て菌体を分離する方法に適用することができる。発酵液
中において、菌体は通常は負に帯電しているので、カチ
オン性を有する高分子凝集剤、すなわちカチオン性高分
子凝集剤又は両性高分子凝集剤を添加することにより、
菌体の電荷が中和され、あるいは、菌体表面上に高分子
凝集剤が吸着され、菌体表面上の電荷と吸着された高分
子凝集剤の間の静電的引力によって凝集することができ
る。本発明方法において使用するカチオン性高分子凝集
剤には特に制限はなく、例えば、ポリエチレンイミン、
ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、ポリ(メタ)ア
リルアミン、ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、ポ
リアミノアルキルメタクリレート、キトサンなどを挙げ
ることができる。本発明方法において使用する両性高分
子凝集剤には特に制限はなく、例えば、上記のカチオン
性高分子凝集剤に、さらにアニオン性基、例えば、カル
ボキシル基、スルホン基などが導入された構造を有する
両性高分子凝集剤などを挙げることができる。発酵液に
カチオン性を有する高分子凝集剤を添加すると、液中に
分散している菌体が凝集するので、菌体の凝集物と発酵
液中に存在する発酵生産物を分離することができる。菌
体の凝集物を分離する方法には特に制限はなく、例え
ば、菌体の凝集物をろ過、遠心沈降分離又は膜分離など
により除去して、菌体と液中の発酵生産物を分離するこ
とができる。あるいは、カチオン性を有する高分子凝集
剤により凝集した菌体を含む液に、アニオン性高分子凝
集剤を添加して凝集塊を生長させ、ベルトプレス型脱水
機などにより菌体の凝集物と液中の発酵生産物を分離す
ることができる。
を含む液に、カチオン性を有する高分子凝集剤を添加し
て菌体を分離する方法に適用することができる。発酵液
中において、菌体は通常は負に帯電しているので、カチ
オン性を有する高分子凝集剤、すなわちカチオン性高分
子凝集剤又は両性高分子凝集剤を添加することにより、
菌体の電荷が中和され、あるいは、菌体表面上に高分子
凝集剤が吸着され、菌体表面上の電荷と吸着された高分
子凝集剤の間の静電的引力によって凝集することができ
る。本発明方法において使用するカチオン性高分子凝集
剤には特に制限はなく、例えば、ポリエチレンイミン、
ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、ポリ(メタ)ア
リルアミン、ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、ポ
リアミノアルキルメタクリレート、キトサンなどを挙げ
ることができる。本発明方法において使用する両性高分
子凝集剤には特に制限はなく、例えば、上記のカチオン
性高分子凝集剤に、さらにアニオン性基、例えば、カル
ボキシル基、スルホン基などが導入された構造を有する
両性高分子凝集剤などを挙げることができる。発酵液に
カチオン性を有する高分子凝集剤を添加すると、液中に
分散している菌体が凝集するので、菌体の凝集物と発酵
液中に存在する発酵生産物を分離することができる。菌
体の凝集物を分離する方法には特に制限はなく、例え
ば、菌体の凝集物をろ過、遠心沈降分離又は膜分離など
により除去して、菌体と液中の発酵生産物を分離するこ
とができる。あるいは、カチオン性を有する高分子凝集
剤により凝集した菌体を含む液に、アニオン性高分子凝
集剤を添加して凝集塊を生長させ、ベルトプレス型脱水
機などにより菌体の凝集物と液中の発酵生産物を分離す
ることができる。
【0006】このような固液分離方法により菌体の凝集
物と発酵生産物を分離したとき、発酵生産物を含む液中
には、余剰のカチオン性を有する高分子凝集剤が残留す
る。本発明方法においては、発酵生産物を含む液中に残
留するカチオン性を有する高分子凝集剤を除去するため
に、高分子凝集剤が残留する液に縮合リン酸塩を添加す
る。添加する縮合リン酸塩には特に制限はなく、ポリリ
ン酸カリウムやポリリン酸ナトリウムなどを用いること
ができる。縮合リン酸塩の縮合度の分布に制限はなく、
また、直鎖状及び環状のいずれの縮合リン酸塩も使用す
ることができる。添加する縮合リン酸塩の量は、残留す
る高分子凝集剤の等重量〜20倍量であることが好まし
く、2倍量〜10倍量であることがより好ましい。系内
に、縮合リン酸塩と反応する物質、例えば、金属イオン
が存在する場合は、さらに過剰量添加するのがよい。縮
合リン酸塩は食品添加物でもあるため、発酵生産物の安
全性を損なうおそれがない。ポリリン酸ナトリウム及び
ポリリン酸カリウムは、食品添加物公定書に規格が定め
られ、規格に合格する製品が一般に市販されている。本
発明方法においては、上述のごとく、菌体の凝集物を分
離したのち、発酵生産物と残留する高分子凝集剤を含む
液に縮合リン酸塩を添加することができるほか、カチオ
ン性を有する高分子凝集剤により菌体を凝集した後の菌
体凝集物を分離していない液に縮合リン酸塩を添加する
ことができる。残留する高分子凝集剤を含む液に縮合リ
ン酸塩を添加することにより、残留高分子凝集剤と縮合
リン酸塩が反応して、水不溶性の反応物が生成する。残
留する高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応は、縮合リン
酸塩の添加により室温において速やかに進行するが、反
応の完了を確実にするため、縮合リン酸塩の添加後5〜
60分反応時間を設けることが好ましい。
物と発酵生産物を分離したとき、発酵生産物を含む液中
には、余剰のカチオン性を有する高分子凝集剤が残留す
る。本発明方法においては、発酵生産物を含む液中に残
留するカチオン性を有する高分子凝集剤を除去するため
に、高分子凝集剤が残留する液に縮合リン酸塩を添加す
る。添加する縮合リン酸塩には特に制限はなく、ポリリ
ン酸カリウムやポリリン酸ナトリウムなどを用いること
ができる。縮合リン酸塩の縮合度の分布に制限はなく、
また、直鎖状及び環状のいずれの縮合リン酸塩も使用す
ることができる。添加する縮合リン酸塩の量は、残留す
る高分子凝集剤の等重量〜20倍量であることが好まし
く、2倍量〜10倍量であることがより好ましい。系内
に、縮合リン酸塩と反応する物質、例えば、金属イオン
が存在する場合は、さらに過剰量添加するのがよい。縮
合リン酸塩は食品添加物でもあるため、発酵生産物の安
全性を損なうおそれがない。ポリリン酸ナトリウム及び
ポリリン酸カリウムは、食品添加物公定書に規格が定め
られ、規格に合格する製品が一般に市販されている。本
発明方法においては、上述のごとく、菌体の凝集物を分
離したのち、発酵生産物と残留する高分子凝集剤を含む
液に縮合リン酸塩を添加することができるほか、カチオ
ン性を有する高分子凝集剤により菌体を凝集した後の菌
体凝集物を分離していない液に縮合リン酸塩を添加する
ことができる。残留する高分子凝集剤を含む液に縮合リ
ン酸塩を添加することにより、残留高分子凝集剤と縮合
リン酸塩が反応して、水不溶性の反応物が生成する。残
留する高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応は、縮合リン
酸塩の添加により室温において速やかに進行するが、反
応の完了を確実にするため、縮合リン酸塩の添加後5〜
60分反応時間を設けることが好ましい。
【0007】高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応物は、
ろ過、膜分離、遠心分離などの固液分離によって除去す
ることができる。高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応物
を含む液中に、水不溶性の粒子が存在すると、反応物は
その粒子に吸着され、固液分離による反応物の分離が容
易かつ確実になる。発酵液に高分子凝集剤を添加するこ
とにより生成した菌体の凝集物が存在する液に、縮合リ
ン酸塩を添加して余剰の高分子凝集剤と反応した場合
は、菌体の凝集物に高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応
物が吸着するため、菌体の凝集物を液から分離する際
に、残留高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応物を除去す
ることができる。発酵液に高分子凝集剤を添加すること
により生成した菌体の凝集物を除いた後の発酵生産物を
含有する液に縮合リン酸塩を添加して、高分子凝集剤と
縮合リン酸塩の反応物を形成させた場合は、反応物の分
離を容易にするために水不溶性の粒子を添加することが
好ましい。縮合リン酸塩と高分子凝集剤の反応物を水不
溶性の粒子に吸着させ、吸着後の粒子と液を分離するこ
とにより、液中の高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応物
を除去することができる。添加する水不溶性の粒子には
特に制限はなく、例えば、カオリン、シラス、珪藻土、
シリカゲル、活性炭、パルプ粉末、セルロース粉末、ス
チレンジビニルベンゼン共重合体などの無機素材や有機
素材を幅広く使用することができる。本発明方法によれ
ば、発酵法により生産された有価物と、菌体の分離に利
用されたカチオン性を有する高分子凝集剤の残留分を、
発酵生産物の活性及び回収率を低下させることなく、8
0%以上の高除去率で高分子凝集剤のみを選択的に除去
することができる。
ろ過、膜分離、遠心分離などの固液分離によって除去す
ることができる。高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応物
を含む液中に、水不溶性の粒子が存在すると、反応物は
その粒子に吸着され、固液分離による反応物の分離が容
易かつ確実になる。発酵液に高分子凝集剤を添加するこ
とにより生成した菌体の凝集物が存在する液に、縮合リ
ン酸塩を添加して余剰の高分子凝集剤と反応した場合
は、菌体の凝集物に高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応
物が吸着するため、菌体の凝集物を液から分離する際
に、残留高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応物を除去す
ることができる。発酵液に高分子凝集剤を添加すること
により生成した菌体の凝集物を除いた後の発酵生産物を
含有する液に縮合リン酸塩を添加して、高分子凝集剤と
縮合リン酸塩の反応物を形成させた場合は、反応物の分
離を容易にするために水不溶性の粒子を添加することが
好ましい。縮合リン酸塩と高分子凝集剤の反応物を水不
溶性の粒子に吸着させ、吸着後の粒子と液を分離するこ
とにより、液中の高分子凝集剤と縮合リン酸塩の反応物
を除去することができる。添加する水不溶性の粒子には
特に制限はなく、例えば、カオリン、シラス、珪藻土、
シリカゲル、活性炭、パルプ粉末、セルロース粉末、ス
チレンジビニルベンゼン共重合体などの無機素材や有機
素材を幅広く使用することができる。本発明方法によれ
ば、発酵法により生産された有価物と、菌体の分離に利
用されたカチオン性を有する高分子凝集剤の残留分を、
発酵生産物の活性及び回収率を低下させることなく、8
0%以上の高除去率で高分子凝集剤のみを選択的に除去
することができる。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 ポリエチレンイミン(分子量7万)50ppmを含むリン
酸緩衝液(8mMNaH2PO4+12mMNa2HPO4
+0.1MNaCl、pH7.2)の溶液100mlが入った
ビーカーを5個用意し、その中の1個にはポリリン酸ナ
トリウムを添加せず(試料A)、他の4個にはそれぞ
れ、ポリリン酸ナトリウム[キシダ化学(株)]を、濃度
が25ppm(試料B)、50ppm(試料C)、100ppm
(試料D)、200ppm(試料E)になるように加えて
撹拌した。室温で1時間静置したのち、それぞれのビー
カーに、カオリン[キシダ化学(株)]を溶液に対して
0.4重量%になるように添加して1分間撹拌した。孔
径5μmのフィルター[マイレクスSV、日本ミリポア
(株)]を用いてカオリンを除去し、ろ液中の全有機体炭
素量(TOC)を、全有機体炭素計[TOC−500
0、(株)島津製作所]を用いて測定した。さらに、ポリ
エチレンイミン(分子量7万)50ppmを含むリン酸緩
衝液の溶液(試料F)及びポリエチレンイミンを含まな
いリン酸緩衝液(試料G)についても、同様にしてTO
Cを測定した。TOCは、試料Aが14ppm、試料Bが
11ppm、試料Cが3.7ppm、試料Dが2.0ppm、試料
Eが2.3ppm、試料Fが25ppm、試料Gが0.2ppmで
あった。結果を第1表に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 ポリエチレンイミン(分子量7万)50ppmを含むリン
酸緩衝液(8mMNaH2PO4+12mMNa2HPO4
+0.1MNaCl、pH7.2)の溶液100mlが入った
ビーカーを5個用意し、その中の1個にはポリリン酸ナ
トリウムを添加せず(試料A)、他の4個にはそれぞ
れ、ポリリン酸ナトリウム[キシダ化学(株)]を、濃度
が25ppm(試料B)、50ppm(試料C)、100ppm
(試料D)、200ppm(試料E)になるように加えて
撹拌した。室温で1時間静置したのち、それぞれのビー
カーに、カオリン[キシダ化学(株)]を溶液に対して
0.4重量%になるように添加して1分間撹拌した。孔
径5μmのフィルター[マイレクスSV、日本ミリポア
(株)]を用いてカオリンを除去し、ろ液中の全有機体炭
素量(TOC)を、全有機体炭素計[TOC−500
0、(株)島津製作所]を用いて測定した。さらに、ポリ
エチレンイミン(分子量7万)50ppmを含むリン酸緩
衝液の溶液(試料F)及びポリエチレンイミンを含まな
いリン酸緩衝液(試料G)についても、同様にしてTO
Cを測定した。TOCは、試料Aが14ppm、試料Bが
11ppm、試料Cが3.7ppm、試料Dが2.0ppm、試料
Eが2.3ppm、試料Fが25ppm、試料Gが0.2ppmで
あった。結果を第1表に示す。
【0009】
【表1】
【0010】ポリリン酸ナトリウム及びカオリンを添加
していない試料FのTOC25ppmが、溶液中のポリエ
チレンイミン50ppmに対応し、ポリエチレンイミンを
含有しない試料GのTOC0.2ppmがポリエチレンイミ
ン0ppmに対応する。試料A〜EのTOCの値から、ポ
リリン酸ナトリウム50ppm以上、すなわちポリエチレ
ンイミンの等重量以上を添加し、カオリンを添加して処
理することにより、溶液中のポリエチレンイミンの85
%以上を除去し得ることが分かる。 実施例2 ポリエチレンイミン(分子量7万)100ppmを含むリ
ン酸緩衝液(8mMNaH2PO4+12mMNa2HP
O4+0.1MNaCl、pH7.2)の溶液100mlが入
ったビーカー、キトサン(分子量10万)100ppmを
含むリン酸緩衝液の溶液100mlが入ったビーカー及び
ポリビニルアミジン(分子量300万)100ppmを含
むリン酸緩衝液の溶液100mlが入ったビーカーをそれ
ぞれ2個ずつ用意した。これら中の1個ずつに、ポリリ
ン酸ナトリウムを濃度が200ppmになるように加え撹
拌した。室温で1時間静置したのち、カオリンを溶液に
対して0.4重量%になるように添加して1分間撹拌し
た。実施例1と同様に、孔径5μmのフィルターでカオ
リンを除去して、ろ液中のTOCを測定した。また、ポ
リエチレンイミン、キトサン又はポリビニルアミジンを
含むリン酸緩衝液について、なんら処理することなくT
OCを測定した。ポリリン酸ナトリウム及びカオリンを
添加したとき、TOCの値は、ポリエチレンイミンを含
む溶液が5.3ppm、キトサンを含む溶液が4.3ppm、ポ
リビニルアミジンを含む溶液が4.8ppmであった。ま
た、無処理の場合、TOCの値は、ポリエチレンイミン
を含む溶液が56ppm、キトサンを含む溶液が44ppm、
ポリビニルアミジンを含む溶液が50ppmであった。結
果を第2表に示す。
していない試料FのTOC25ppmが、溶液中のポリエ
チレンイミン50ppmに対応し、ポリエチレンイミンを
含有しない試料GのTOC0.2ppmがポリエチレンイミ
ン0ppmに対応する。試料A〜EのTOCの値から、ポ
リリン酸ナトリウム50ppm以上、すなわちポリエチレ
ンイミンの等重量以上を添加し、カオリンを添加して処
理することにより、溶液中のポリエチレンイミンの85
%以上を除去し得ることが分かる。 実施例2 ポリエチレンイミン(分子量7万)100ppmを含むリ
ン酸緩衝液(8mMNaH2PO4+12mMNa2HP
O4+0.1MNaCl、pH7.2)の溶液100mlが入
ったビーカー、キトサン(分子量10万)100ppmを
含むリン酸緩衝液の溶液100mlが入ったビーカー及び
ポリビニルアミジン(分子量300万)100ppmを含
むリン酸緩衝液の溶液100mlが入ったビーカーをそれ
ぞれ2個ずつ用意した。これら中の1個ずつに、ポリリ
ン酸ナトリウムを濃度が200ppmになるように加え撹
拌した。室温で1時間静置したのち、カオリンを溶液に
対して0.4重量%になるように添加して1分間撹拌し
た。実施例1と同様に、孔径5μmのフィルターでカオ
リンを除去して、ろ液中のTOCを測定した。また、ポ
リエチレンイミン、キトサン又はポリビニルアミジンを
含むリン酸緩衝液について、なんら処理することなくT
OCを測定した。ポリリン酸ナトリウム及びカオリンを
添加したとき、TOCの値は、ポリエチレンイミンを含
む溶液が5.3ppm、キトサンを含む溶液が4.3ppm、ポ
リビニルアミジンを含む溶液が4.8ppmであった。ま
た、無処理の場合、TOCの値は、ポリエチレンイミン
を含む溶液が56ppm、キトサンを含む溶液が44ppm、
ポリビニルアミジンを含む溶液が50ppmであった。結
果を第2表に示す。
【0011】
【表2】
【0012】それぞれの溶液のTOCの値は、溶液中に
存在する高分子凝集剤の量にほぼ比例する。第2表の結
果から、ポリリン酸ナトリウムをカチオン性を有する高
分子凝集剤の溶液に添加し、さらにカオリンを添加して
処理することにより、液中の高分子凝集剤の90%以上
を除去し得ることが分かる。 実施例3 ポリエチレンイミン(分子量7万)100ppmを含むリ
ン酸緩衝液(8mMNaH2PO4+12mMNa2HP
O4+0.1MNaCl、pH7.2)の溶液100mlが入
ったビーカーを6個用意し、それぞれに、ポリリン酸ナ
トリウムを濃度が200ppmになるように加え撹拌し
た。室温で1時間静置したのち、それぞれのビーカー
に、カオリン[キシダ化学(株)]、珪藻土[キシダ化学
(株)]、粒状活性炭[クラレキミカル(株)]、シリカゲ
ル[E.Merck]、セパビーズSP206[スチレ
ンジビニルベンゼン共重合体、三菱化学(株)]及びKC
フロック[パルプ粉末、日本製紙(株)]を溶液に対して
0.4重量%になるように添加して1分間撹拌した。実
施例1と同様にして、孔径5μmのフィルターで粒子を
除去し、ろ液中のTOCを測定した。さらに、ポリエチ
レンイミン(分子量7万)100ppmを含むリン酸緩衝
液の溶液及びポリエチレンイミンを含まないリン酸緩衝
液についても、同様にしてTOCを測定した。TOCの
値は、カオリンを添加した液が5.4ppm、珪藻土を添加
した液が7.9ppm、粒状活性炭を添加した液が17pp
m、シリカゲルを添加した液が16ppm、セパビーズを添
加した液が12ppm、KCフロックを添加した液が15p
pmであった。一方、ポリエチレンイミンを含むリン酸緩
衝液の溶液のTOCは56ppmであり、ポリエチレンイ
ミンを含まないリン酸緩衝液のTOCは0.4ppmであっ
た。結果を第3表に示す。
存在する高分子凝集剤の量にほぼ比例する。第2表の結
果から、ポリリン酸ナトリウムをカチオン性を有する高
分子凝集剤の溶液に添加し、さらにカオリンを添加して
処理することにより、液中の高分子凝集剤の90%以上
を除去し得ることが分かる。 実施例3 ポリエチレンイミン(分子量7万)100ppmを含むリ
ン酸緩衝液(8mMNaH2PO4+12mMNa2HP
O4+0.1MNaCl、pH7.2)の溶液100mlが入
ったビーカーを6個用意し、それぞれに、ポリリン酸ナ
トリウムを濃度が200ppmになるように加え撹拌し
た。室温で1時間静置したのち、それぞれのビーカー
に、カオリン[キシダ化学(株)]、珪藻土[キシダ化学
(株)]、粒状活性炭[クラレキミカル(株)]、シリカゲ
ル[E.Merck]、セパビーズSP206[スチレ
ンジビニルベンゼン共重合体、三菱化学(株)]及びKC
フロック[パルプ粉末、日本製紙(株)]を溶液に対して
0.4重量%になるように添加して1分間撹拌した。実
施例1と同様にして、孔径5μmのフィルターで粒子を
除去し、ろ液中のTOCを測定した。さらに、ポリエチ
レンイミン(分子量7万)100ppmを含むリン酸緩衝
液の溶液及びポリエチレンイミンを含まないリン酸緩衝
液についても、同様にしてTOCを測定した。TOCの
値は、カオリンを添加した液が5.4ppm、珪藻土を添加
した液が7.9ppm、粒状活性炭を添加した液が17pp
m、シリカゲルを添加した液が16ppm、セパビーズを添
加した液が12ppm、KCフロックを添加した液が15p
pmであった。一方、ポリエチレンイミンを含むリン酸緩
衝液の溶液のTOCは56ppmであり、ポリエチレンイ
ミンを含まないリン酸緩衝液のTOCは0.4ppmであっ
た。結果を第3表に示す。
【0013】
【表3】
【0014】ポリリン酸ナトリウム及び水不溶性の粒子
を添加していない試料のTOC56ppmが、溶液中のポ
リエチレンイミン100ppmに対応し、ポリエチレンイ
ミンを含有しない試料のTOC0.4ppmがポリエチレン
イミン0ppmに対応する。TOCの値から、ポリエチレ
ンイミン溶液にポリリン酸ナトリウムを添加し、さらに
水不溶性の粒子を添加して処理することにより、溶液中
のポリエチレンイミンの70%以上を除去し得ることが
分かる。 比較例1 ポリリン酸ナトリウムを加えない以外は、実施例3と同
じ操作を繰り返した。TOCの値は、カオリンを添加し
た液が45ppm、珪藻土を添加した液が43ppm、粒状活
性炭を添加した液が54ppm、シリカゲルを添加した液
が49ppm、セパビーズを添加した液が54ppm、KCフ
ロックを添加した液が52ppmであった。結果を第4表
に示す。
を添加していない試料のTOC56ppmが、溶液中のポ
リエチレンイミン100ppmに対応し、ポリエチレンイ
ミンを含有しない試料のTOC0.4ppmがポリエチレン
イミン0ppmに対応する。TOCの値から、ポリエチレ
ンイミン溶液にポリリン酸ナトリウムを添加し、さらに
水不溶性の粒子を添加して処理することにより、溶液中
のポリエチレンイミンの70%以上を除去し得ることが
分かる。 比較例1 ポリリン酸ナトリウムを加えない以外は、実施例3と同
じ操作を繰り返した。TOCの値は、カオリンを添加し
た液が45ppm、珪藻土を添加した液が43ppm、粒状活
性炭を添加した液が54ppm、シリカゲルを添加した液
が49ppm、セパビーズを添加した液が54ppm、KCフ
ロックを添加した液が52ppmであった。結果を第4表
に示す。
【0015】
【表4】
【0016】TOCの値から、ポリエチレンイミン溶液
にポリリン酸ナトリウムを添加しないと、水不溶性の粒
子を添加して処理しても、溶液中のポリエチレンイミン
は効果的に除去されないことが分かる。 実施例4 ウシ血清アルブミン[フラクションV、生化学工業
(株)]100ppmを含むリン酸緩衝液(8mMNaH2P
O4+12mMNa2HPO4+0.1MNaCl、pH7.
2)の溶液に、ポリエチレンイミン(分子量7万)を濃
度が100ppmになるよう添加した。この溶液に、ポリ
リン酸ナトリウムを濃度が200ppmになるように加え
撹拌した。室温で1時間静置したのち、カオリンを溶液
に対して0.4重量%になるように添加して1分間撹拌
した。実施例1と同様に、孔径5μmのフィルターで粒
子を除去し、ろ液中のTOCを測定した。また、紫外可
視分光光度計[UV−1600、(株)島津製作所]を用
いて、ろ液中のアルブミンの波長280nmでの紫外線
吸光度を測定した。TOCは51ppmであり、吸光度は
0.057であった。ウシ血清アルブミン100ppmを含
むリン酸緩衝液の溶液、ポリエチレンイミン100ppm
を含むリン酸緩衝液の溶液、ウシ血清アルブミン100
ppmとポリエチレンイミン100ppmを含むリン酸緩衝液
の溶液について、同様にしてTOCと吸光度を測定し
た。ウシ血清アルブミンを含む液のTOCは50ppm、
吸光度は0.059であり、ポリエチレンイミンを含む
液のTOCは56ppm、吸光度は0.000であり、ウシ
血清アルブミンとポリエチレンイミンを含む液のTOC
は102ppmであり、吸光度は0.059であった。結果
を第5表に示す。
にポリリン酸ナトリウムを添加しないと、水不溶性の粒
子を添加して処理しても、溶液中のポリエチレンイミン
は効果的に除去されないことが分かる。 実施例4 ウシ血清アルブミン[フラクションV、生化学工業
(株)]100ppmを含むリン酸緩衝液(8mMNaH2P
O4+12mMNa2HPO4+0.1MNaCl、pH7.
2)の溶液に、ポリエチレンイミン(分子量7万)を濃
度が100ppmになるよう添加した。この溶液に、ポリ
リン酸ナトリウムを濃度が200ppmになるように加え
撹拌した。室温で1時間静置したのち、カオリンを溶液
に対して0.4重量%になるように添加して1分間撹拌
した。実施例1と同様に、孔径5μmのフィルターで粒
子を除去し、ろ液中のTOCを測定した。また、紫外可
視分光光度計[UV−1600、(株)島津製作所]を用
いて、ろ液中のアルブミンの波長280nmでの紫外線
吸光度を測定した。TOCは51ppmであり、吸光度は
0.057であった。ウシ血清アルブミン100ppmを含
むリン酸緩衝液の溶液、ポリエチレンイミン100ppm
を含むリン酸緩衝液の溶液、ウシ血清アルブミン100
ppmとポリエチレンイミン100ppmを含むリン酸緩衝液
の溶液について、同様にしてTOCと吸光度を測定し
た。ウシ血清アルブミンを含む液のTOCは50ppm、
吸光度は0.059であり、ポリエチレンイミンを含む
液のTOCは56ppm、吸光度は0.000であり、ウシ
血清アルブミンとポリエチレンイミンを含む液のTOC
は102ppmであり、吸光度は0.059であった。結果
を第5表に示す。
【0017】
【表5】
【0018】ウシ血清アルブミンとポリエチレンイミン
を含む溶液に、ポリリン酸ナトリウムを添加し、さらに
カオリンを添加して処理することにより、アルブミンに
由来する吸光度は変化せず、TOCが2分の1に減少し
た。この結果から、溶液中のアルブミンに影響を与える
ことなく、ポリエチレンイミンのみが選択的に高い除去
率で除去されていることが分かる。 実施例5 (1)標識化ポリエチレンイミンの製造 ポリエチレンイミン(分子量7万)1.0gを、炭酸水
素ナトリウム1.0gを含む蒸留水100mlに加えて、
撹拌し溶解した。この溶液に、4−フルオロ−7−ニト
ロベンゾフラザン[和光純薬(株)]200mgをエタノー
ル100mlに溶解した溶液を撹拌しながら加えた。この
混合溶液に光があたらないようにアルミホイルを被せ、
その後60℃で10分間反応させた。反応終了後の液
を、アセトン1リットル中に添加してポリマーを析出さ
せ、ろ過して得られたポリマーを再度蒸留水に溶解さ
せ、この液を再度アセトン1リットル中に添加してポリ
マーを析出させた。ろ過して得られたポリマーを一晩真
空デシケーター中で真空乾燥して、標識化ポリエチレン
イミン0.12g(蛍光物質0.5モル%)を得た。 (2)培養液の調製 B.subtilis IFO13719を、500ml
培養用フラスコを用いて、37℃で、2日間培養した。
培養液としては、でんぷんを2重量%、ポリペプトンを
2重量%、KH2PO4を0.1重量%、MgSO4・7H
2Oを0.05重量%、酵母エキスを0.1重量%の組成
の液を用いた。 (3)蛍光測定 前記のように調製した培養液を、6,000rpmで、25
分間遠心分離して、固形分を除いた清澄な液に、標識化
ポリエチレンイミンを濃度が10ppmになるように添加
した。この液を光路長10mmの石英セルに入れ、分光蛍
光光度計[F−4010型、(株)日立製作所]を用い
て、励起波長470nm、蛍光波長533nmで測定し
た。蛍光強度は53.2であった。なお、標識化ポリエ
チレンイミンを添加していない液の蛍光強度は1.5で
あった。この結果から、培養液中の標識化ポリエチレン
イミンを、蛍光強度により定量できることが分かった。 (4)ポリエチレンイミン除去試験−1 前記のように培養した液中の固形分濃度は、5,000p
pmであった。この培養液に、標識化ポリエチレンイミン
を濃度が500ppmになるように添加した。培養液中に
懸濁していた固形分が、凝集して沈降した。この液を
3,000rpmで、25分間遠心分離して、凝集した固形
分を除いた清澄な液の蛍光強度を、前記と同じ条件で測
定した。あらかじめ作成しておいた検量線から、残留す
る標識化ポリエチレンイミンの濃度は42ppmであるこ
とが分かった。また、遠心分離後の液中の全蛋白質量
を、プロテインアッセイ[バイオ・ラッド・ラボラトリ
ーズ]を用いて測定したところ、7,200ppmであっ
た。次に、遠心分離後の液にポリリン酸ナトリウムを濃
度が150ppmになるように添加して撹拌し、1時間静
置した。この溶液に、カオリンを溶液に対して0.4重
量%になるように添加し、1分間撹拌した。孔径5μm
のフィルターを用いてカオリンを除去し、ろ液の蛍光強
度を測定した。あらかじめ作成しておいた検量線から、
残留する標識化ポリエチレンイミンの濃度は3.5ppmで
あることが分かった。また、カオリンを除去した液中の
全蛋白質を測定したところ、7,000ppmであった。 (5)ポリエチレンイミン除去試験−2 ポリエチレンイミン除去試験−1と同様に、培養液に標
識化ポリエチレンイミンを濃度が500ppmになるよう
に添加した。培養液中に懸濁した固形分が凝集して沈降
した。次に、凝集塊が懸濁した液にポリリン酸ナトリウ
ムを濃度が150ppmになるように添加して1分間撹拌
した。この液を3,000rpmで、25分間遠心分離し
て、凝集した固形分を除いた液の蛍光強度を測定した。
あらかじめ作成しておいた検量線から、残留する標識化
ポリエチレンイミンの濃度は4.3ppmであることが分か
った。また、遠心分離後の液中の全蛋白質を測定したと
ころ、7,100ppmであった。 比較例2 実施例5において調製した標識化ポリエチレンイミン及
び培養液を用い、ポリリン酸ナトリウムを添加すること
なく処理を行った。培養液に標識化ポリエチレンイミン
を濃度が500ppmになるように添加した。培養液中に
懸濁した固形分が凝集して沈降した。この液を3,00
0rpmで、25分間遠心分離して、凝集した固形分を除
いた。この溶液に、カオリンを溶液に対して0.4重量
%になるように添加して1分間撹拌した。孔径5μmの
フィルターを用いてカオリンを除去し、ろ液の蛍光強度
を測定した。あらかじめ作成しておいた検量線から、残
留する標識化ポリエチレンイミンの濃度は32ppmであ
ることが分かった。また、遠心分離後の液中の全蛋白質
を測定したところ、7,100ppmであった。実施例5及
び比較例2の結果から、ポリリン酸ナトリウムを添加す
ることにより、培養液中の菌体分離に使用したポリエチ
レンイミンの残留物を、蛋白質の回収率を低下させるこ
となく効率よく除去することができることが分かった。
なお、実施例1〜実施例4の結果から、標識化ポリエチ
レンイミンでない通常のカチオン性を有する高分子凝集
剤を用いても、同様の効果が得られることは明白であ
る。
を含む溶液に、ポリリン酸ナトリウムを添加し、さらに
カオリンを添加して処理することにより、アルブミンに
由来する吸光度は変化せず、TOCが2分の1に減少し
た。この結果から、溶液中のアルブミンに影響を与える
ことなく、ポリエチレンイミンのみが選択的に高い除去
率で除去されていることが分かる。 実施例5 (1)標識化ポリエチレンイミンの製造 ポリエチレンイミン(分子量7万)1.0gを、炭酸水
素ナトリウム1.0gを含む蒸留水100mlに加えて、
撹拌し溶解した。この溶液に、4−フルオロ−7−ニト
ロベンゾフラザン[和光純薬(株)]200mgをエタノー
ル100mlに溶解した溶液を撹拌しながら加えた。この
混合溶液に光があたらないようにアルミホイルを被せ、
その後60℃で10分間反応させた。反応終了後の液
を、アセトン1リットル中に添加してポリマーを析出さ
せ、ろ過して得られたポリマーを再度蒸留水に溶解さ
せ、この液を再度アセトン1リットル中に添加してポリ
マーを析出させた。ろ過して得られたポリマーを一晩真
空デシケーター中で真空乾燥して、標識化ポリエチレン
イミン0.12g(蛍光物質0.5モル%)を得た。 (2)培養液の調製 B.subtilis IFO13719を、500ml
培養用フラスコを用いて、37℃で、2日間培養した。
培養液としては、でんぷんを2重量%、ポリペプトンを
2重量%、KH2PO4を0.1重量%、MgSO4・7H
2Oを0.05重量%、酵母エキスを0.1重量%の組成
の液を用いた。 (3)蛍光測定 前記のように調製した培養液を、6,000rpmで、25
分間遠心分離して、固形分を除いた清澄な液に、標識化
ポリエチレンイミンを濃度が10ppmになるように添加
した。この液を光路長10mmの石英セルに入れ、分光蛍
光光度計[F−4010型、(株)日立製作所]を用い
て、励起波長470nm、蛍光波長533nmで測定し
た。蛍光強度は53.2であった。なお、標識化ポリエ
チレンイミンを添加していない液の蛍光強度は1.5で
あった。この結果から、培養液中の標識化ポリエチレン
イミンを、蛍光強度により定量できることが分かった。 (4)ポリエチレンイミン除去試験−1 前記のように培養した液中の固形分濃度は、5,000p
pmであった。この培養液に、標識化ポリエチレンイミン
を濃度が500ppmになるように添加した。培養液中に
懸濁していた固形分が、凝集して沈降した。この液を
3,000rpmで、25分間遠心分離して、凝集した固形
分を除いた清澄な液の蛍光強度を、前記と同じ条件で測
定した。あらかじめ作成しておいた検量線から、残留す
る標識化ポリエチレンイミンの濃度は42ppmであるこ
とが分かった。また、遠心分離後の液中の全蛋白質量
を、プロテインアッセイ[バイオ・ラッド・ラボラトリ
ーズ]を用いて測定したところ、7,200ppmであっ
た。次に、遠心分離後の液にポリリン酸ナトリウムを濃
度が150ppmになるように添加して撹拌し、1時間静
置した。この溶液に、カオリンを溶液に対して0.4重
量%になるように添加し、1分間撹拌した。孔径5μm
のフィルターを用いてカオリンを除去し、ろ液の蛍光強
度を測定した。あらかじめ作成しておいた検量線から、
残留する標識化ポリエチレンイミンの濃度は3.5ppmで
あることが分かった。また、カオリンを除去した液中の
全蛋白質を測定したところ、7,000ppmであった。 (5)ポリエチレンイミン除去試験−2 ポリエチレンイミン除去試験−1と同様に、培養液に標
識化ポリエチレンイミンを濃度が500ppmになるよう
に添加した。培養液中に懸濁した固形分が凝集して沈降
した。次に、凝集塊が懸濁した液にポリリン酸ナトリウ
ムを濃度が150ppmになるように添加して1分間撹拌
した。この液を3,000rpmで、25分間遠心分離し
て、凝集した固形分を除いた液の蛍光強度を測定した。
あらかじめ作成しておいた検量線から、残留する標識化
ポリエチレンイミンの濃度は4.3ppmであることが分か
った。また、遠心分離後の液中の全蛋白質を測定したと
ころ、7,100ppmであった。 比較例2 実施例5において調製した標識化ポリエチレンイミン及
び培養液を用い、ポリリン酸ナトリウムを添加すること
なく処理を行った。培養液に標識化ポリエチレンイミン
を濃度が500ppmになるように添加した。培養液中に
懸濁した固形分が凝集して沈降した。この液を3,00
0rpmで、25分間遠心分離して、凝集した固形分を除
いた。この溶液に、カオリンを溶液に対して0.4重量
%になるように添加して1分間撹拌した。孔径5μmの
フィルターを用いてカオリンを除去し、ろ液の蛍光強度
を測定した。あらかじめ作成しておいた検量線から、残
留する標識化ポリエチレンイミンの濃度は32ppmであ
ることが分かった。また、遠心分離後の液中の全蛋白質
を測定したところ、7,100ppmであった。実施例5及
び比較例2の結果から、ポリリン酸ナトリウムを添加す
ることにより、培養液中の菌体分離に使用したポリエチ
レンイミンの残留物を、蛋白質の回収率を低下させるこ
となく効率よく除去することができることが分かった。
なお、実施例1〜実施例4の結果から、標識化ポリエチ
レンイミンでない通常のカチオン性を有する高分子凝集
剤を用いても、同様の効果が得られることは明白であ
る。
【0019】
【発明の効果】本発明方法によれば、発酵生産物と菌体
の分離において、発酵液中の菌体をカチオン性を有する
高分子凝集剤により凝集分離したのち、縮合リン酸塩を
添加することにより、発酵生産物の活性及び回収率を低
下させることなく、液中に残留する高分子凝集剤を選択
的に除去することができる。
の分離において、発酵液中の菌体をカチオン性を有する
高分子凝集剤により凝集分離したのち、縮合リン酸塩を
添加することにより、発酵生産物の活性及び回収率を低
下させることなく、液中に残留する高分子凝集剤を選択
的に除去することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】発酵生産物と菌体とを含む液に、カチオン
性を有する高分子凝集剤を添加して菌体を分離する方法
において、高分子凝集剤が残留する液に、縮合リン酸塩
を添加することを特徴とする菌体の分離方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25226796A JP3216543B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 菌体の分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25226796A JP3216543B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 菌体の分離方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1075769A true JPH1075769A (ja) | 1998-03-24 |
| JP3216543B2 JP3216543B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=17234870
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25226796A Expired - Fee Related JP3216543B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 菌体の分離方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3216543B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009261320A (ja) * | 2008-04-25 | 2009-11-12 | Daiyanitorikkusu Kk | 菌体触媒を用いた目的化合物の製造方法 |
| WO2013059754A1 (en) * | 2011-10-20 | 2013-04-25 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Continuous flocculation deflocculation process for efficient harvesting of microalgae from aqueous solutions |
| JP2017000938A (ja) * | 2015-06-09 | 2017-01-05 | 三菱レイヨン株式会社 | 汚泥の脱水方法 |
| WO2024262934A1 (ko) * | 2023-06-19 | 2024-12-26 | 씨제이제일제당 (주) | 발효액으로부터 균체를 분리 및 제거하는 방법 |
-
1996
- 1996-09-03 JP JP25226796A patent/JP3216543B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009261320A (ja) * | 2008-04-25 | 2009-11-12 | Daiyanitorikkusu Kk | 菌体触媒を用いた目的化合物の製造方法 |
| WO2013059754A1 (en) * | 2011-10-20 | 2013-04-25 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Continuous flocculation deflocculation process for efficient harvesting of microalgae from aqueous solutions |
| JP2017000938A (ja) * | 2015-06-09 | 2017-01-05 | 三菱レイヨン株式会社 | 汚泥の脱水方法 |
| WO2024262934A1 (ko) * | 2023-06-19 | 2024-12-26 | 씨제이제일제당 (주) | 발효액으로부터 균체를 분리 및 제거하는 방법 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3216543B2 (ja) | 2001-10-09 |
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