JPH1075937A - Mrアンジオグラフィ計測法及び装置 - Google Patents

Mrアンジオグラフィ計測法及び装置

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JPH1075937A
JPH1075937A JP8232775A JP23277596A JPH1075937A JP H1075937 A JPH1075937 A JP H1075937A JP 8232775 A JP8232775 A JP 8232775A JP 23277596 A JP23277596 A JP 23277596A JP H1075937 A JPH1075937 A JP H1075937A
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measurement
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滋 渡部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】血流を描出する際に心拍動に起因する血流速の
変化の影響を受けにくく、しかも撮影時間の延長を招く
ことのないMRアンジオグラフィ計測方法及びそのMR
I装置を提供する。 【解決手段】血流に対して異なる位相回転を与える複数
(N)の基本シーケンスからなるMRアンジオグラフィ
計測シーケンスを実行する際に、被検体の心電図または
脈波信号を参照して、1心周期ごとに1つの基本シーケ
ンスを所定回数(L回)繰り返す。そしてN心周期を1
サイクルとした計測を繰り返し、最終的に各基本シーケ
ンスについてk空間全体を占めるデータを取得する。こ
の際、基本シーケンスの繰り返しにおける位相エンコー
ド傾斜磁場の印加順序を制御して1心周期の拡張期に相
当する時相でk空間低域のデータを収集し、収縮期に相
当する時相でk空間高域のデータを収集する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴(以
下、NMRと略記する)現象を利用して被検体の所望部
位の断層画像を得る磁気共鳴イメージング(以下、MR
Iと略記する)装置に関し、特に血管系の走行を描出す
る際に心拍動に起因する血流速の変化の影響を受けにく
いMRアンジオグラフィ(以下、MRAという)計測方
法及び装置に関するものである。
【0002】
【従米の技術】MRI計測は、被検体組織を構成する原
子核スピンを高周波磁場を印加することによって励起
し、それによってスピンが発生するNMR信号を計測
し、スピンの空間分布やスペクトルを描画する。この
際、NMR信号に位置情報を付与するために傾斜磁場が
印加される。このようなMRI計測で対象とする原子核
スピンは通常水素原子の原子核スピンであり、組織を構
成するスピンは静止しているのに対し、血流を構成する
スピンは移動する。このことを利用して、MRI装置に
おける血流描画法(MRA)が種々開発されている。
【0003】血流描画法としては、スライス面への流入
効果を用いたタイムオブフライト(Time-of-Flight:T
OF)法、血流による位相拡散の有無を用いて差分を行
なうフェイズセンシティブ(Phase-sensetive:PS)
法、血流による位相拡散の極性を反転し、差分を行なう
フェイズコントラスト(Phase-contrast:PC)法、の
3種類の方法が主に用いられている。
【0004】後二者は、傾斜磁場を印加したときに、血
流のような移動スピンがその移動速度に関連した位相変
化を受けることを利用したもので、PS法では信号計測
時に静止スピンの位相と移動スピンの位相が揃わないよ
うに傾斜磁場を印加するシーケンス(ディフェイズシー
ケンス)と、信号計測時に静止スピンの位相と移動スピ
ンの位相が揃うように傾斜磁場を印加するシーケンス
(リフェイズシーケンス)とを組合せ両者の差分をとっ
て血流部分を描画するものである。またPC法は、血流
の方向に極性の異なる傾斜磁場(フローエンコード傾斜
磁場という)を印加するシーケンスを動作させて取得し
たデータの差分をとるもので、6個のシーケンスを動作
させることにより3軸についてのデータを得ることがで
きる。また4個のシーケンスの組合せで3軸についての
データを得る方法も提案されている。
【0005】ところで心拍動に応じて特に動脈系の血流
速度が変化することは周知の事実であるが、血流速度の
変化は上記MRA計測においては血流信号強度の変化を
もたらす。特にPC法、PS法においては、移動スピン
の速度の変化に応じて位相にも変化が生じるため、結果
的に差分信号強度の変化に結び付く。しかし従来の計測
方法では、一連の計測をこの心拍動周期とは無関係に行
っていたために、どの心時相でエコー信号を収集し、計
測空間(データが配列される空間:k空間ともいう)の
どの成分を埋めていくのかによって、得られる画像のコ
ントラストが変化したり、アーチファクト等の原因とな
っていた。
【0006】すなわち、スピンの位相は傾斜磁場の印加
によって与えられる位置情報であり、本来、実空間の位
置に依存(磁場中心からの距離に比例)し、各位相エン
コードステップで一定であるべきある。しかし血流を構
成するスピンは、心拍動により周期的に変動する回転を
与えられるために、血流信号に対して与えられる位置情
報がエンコードステップ毎に異なることとなり、結果と
して血流信号は一箇所に結像せず位相方向に流れたアー
チファクトとなって現われる。特にPC法やPS法の場
合は、定常流に対して速度に比例した位相回転を与える
フローエンコードパルスまたはディフェイズパルスを印
加するため、この問題は顕著となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような心拍動によ
って生じる信号強度の変化やアーチファクトを防止する
ために、心電同期計測を行うことが有効であることが知
られている。図10はPS法のシーケンスに心電同期計
測を適用したもので、このシーケンスでは、1心周期で
リフェイズシーケンスを繰り返し、次の心周期でディフ
ェイズシーケンスを繰り返し、2心周期で1位相エンコ
ードステップの1組のデータを取得する。この心電同期
計測は常に所定の心時相のみで1画像のためのデータを
収集し、同一心時相のデータでk空間を埋めている。従
って、図10の計測では各心時相(1〜L心時相までの
L枚)の画像を得ることができ、画像コントラストの不
均一やアーチファクトのない画像を得ることができる。
【0008】しかしこの計測では、2心周期で1位相エ
ンコードステップの計測を行うため、1枚の画像を構成
するため必要な位相エンコードステップ数(J)を得る
ためには、その2倍(2J)の心周期分のシーケンスの
繰り返しが必要となる。従って1心周期を約1秒、Jを
256とすると1回の計測に約8.5分(=256×2
÷60)を要することになる。またPC法では、6又は
4個の異なる種類のシーケンスを組合せて1位相エンコ
ードについての1組のデータを得るようにしているの
で、計測時間は更に長くなる。このため三次元撮像に上
述の心電同期を適用することは実用上は不可能であった
り、二次元の撮像のみに限定される結果となっていた。
【0009】そこで本発明は、撮像時間の延長を抑えて
安定した画像を得ることの可能なMRA計測方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるMRA計測方法においては、画像のコ
ントラストはk空間における低域データ(中央部のデー
タ)によって支配され、画像上の微細な空間変化は高域
データ(周辺部データ)によって支配されることに着目
し、各心時相において計測される信号を、コントラスト
に与える影響を考慮してk空間に配置し、1枚の画像を
構成するようにしたものである。
【0011】このため、本発明のMRA計測方法では、
MRアンジオグラフィ計測シーケンスの実行の際に、被
検体の心電図または脈波信号を参照して、エコー信号毎
に印加される位相エンコード傾斜磁場の印加順序を制御
する。心電図または脈波信号を参照することにより、1
心周期の各心時相で計測される信号を、所定のk空間配
置となるように位相エンコードを付与することができ
る。これにより例えば血流速が最も速くなる心時相で取
得された信号は、画像のコントラストに影響の少ない高
周波領域に配置し、血流速が遅い心時相で取得された信
号は、画像のコントラストに影響を与える低周波領域に
配置し、1心周期で計測されたほぼ全ての信号を1枚の
画像用に用いることができる。
【0012】本発明が好適に適用されるMRA計測法
は、血流に対してそれぞれ異なる位相回転を与える複数
(N個)の基本シーケンスの組み合わせで構成され、基
本シーケンス数(N)と同数のデータセット間の演算に
より血管画像を作成するMRA計測であり、特に直交三
軸の傾斜磁場の印加方向に沿った血液の移動速度に比例
して各々極性の異なる位相シフトを生じさせる各軸一対
のフローエンコードパルスを有する合計6種の基本シー
ケンスを繰り返して、6セットのデータセットを取得
し、各々2セットずつの演算により3軸それぞれの血流
を検出するPC法、直交三軸に同時に印加されるフロー
エンコードパルスの極性の組合せが全て異なる合計4種
の基本シーケンスを繰り返し、4セットのデータセット
を取得し、4セット間の演算により3軸それぞれの血流
を分離検出するPC法、或いは直交三軸の1軸以上に少
なくとも1次の位相戻しを行うフローリフェイズ傾斜磁
場パルスを有するリフェイズシーケンスと、同じ軸方向
に1次項以上の位相拡散を与えるフローディフェイズ傾
斜磁場パルスを有するディフェイズシーケンスの2種の
基本シーケンスを繰り返し、2セットのデータセットを
取得し、2セット間の差分演算により血流を検出するP
S法に適用される。
【0013】上記PC法やPS法は、血流速による位相
回転が静止スピンと異なることを利用して差分信号から
画像を再構成する計測法であるため、心拍動による血流
の変化を考慮したk空間配置とすることにより、フロー
アーチファクトの影響を除くことができる。
【0014】本発明のMRA計測法において好適には、
基本シーケンスの動作時において、心電図または脈波信
号におけるR波等のトリガ信号に同期して、1心周期内
の拡張期に相当する時相でk空間低域のデータ収集を行
い、収縮期に相当する時相でk空間高域のデータ収集を
行うよう、位相エンコード傾斜磁場の印加順序及びk空
間におけるデータ配列を制御する。
【0015】一般に拡張期は比較的血流速が遅く、この
時相において取得されたデータをコントラストへの寄与
が大きいk空間低域に配置する。また収縮期は比較的血
流速が速く、この時相において取得されたデータをコン
トラストへの寄与の少ないk空間高域に配置する。これ
により、相対的に流速が速くかつ空間的に低周波成分を
有する主幹動脈のコントラストに影響を与える成分をよ
り低速流として捉え、相対的に流速が遅くかつ空間的に
高周波成分を有する末梢動脈のコントラストに影響を与
える成分をより高速流として捉えることができる。流速
検出のダイナミックレンジを狭くし、血流検出感度を高
めることができる。
【0016】本発明のMRA計測法は、より具体的には
1)心電図または脈波信号におけるR波等のトリガ信号
の受信時から次のトリガ信号までの期間を1心周期とし
て、第1の心周期において第1の基本シーケンスを位相
エンコードステップを変化させながら、所定のステップ
数(L)分実行し、2)引き続く第2の心周期において
同ステップ数分の第2の基本シーケンスを動作させ、
3)同様にして基本シーケンスを変えながら第N心周期
まで実行し、4)以下1)から3)までを1サイクルと
して、未実行の位相エンコードステップで第1〜第N基
本シーケンスを動作させることを繰り返し、5)M回の
サイクルの終了時に、N個の基本シーケンスの各々に対
してM心周期分のデータ収集を行い、L×Mステップの
位相エンコードデータを得る。この際、1心周期内の拡
張期に相当する時相でk空間低域のデータ収集を行い、
収縮期に相当する時相でk空間高域のデータ収集を行う
よう、位相エンコード傾斜磁場の印加順序及びk空間に
おけるデータ配列を制御する。
【0017】この場合、1心周期内で計測されるエンコ
ードステップ数(L)を最短の心周期で設定するとする
と、エンコードステップ数(L)を実行するデータ計測
期間に対し、心周期の変動により計測余裕時間が生じ
る。本発明の好適な態様では、この計測余裕時間で、k
空間の特定周波数域のデータを収集し、この特定周波数
域のデータを本来のデータ計測期間に計測された同周波
数域のデータと加算平均処理を行う。これにより計測デ
ータの信号/雑音強度比を改善することができる。
【0018】
【発明の実施の態様】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて詳細に説明する。
【0019】図2は本発明による磁気共鳴イメージング
装置の全体構成を示すブロック図である。この磁気共鳴
イメージング装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用
して被検体の断層像を得るもので、静磁場発生磁石2
と、磁場勾配発生系3と、送信系5と、受信系6と、信
号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CP
U)8とを備えている。
【0020】静磁場発生磁石2は、被検体1の周りにそ
の体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を
発生させるもので、上記被検体1の周りのある広がりを
もった空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超
電導方式の磁場発生手段が配置されている。
【0021】磁場勾配発生系3は、X、Y、Zの三軸方
向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場
コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述の
シーケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾
斜磁場電源10を駆動することにより、X、Y、Zの三
軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを被検体1に印加する
ようになっている。この傾斜磁場の加え方により被検体
1に対するスライス面を設定することができる。また本
発明のMRA計測において傾斜磁場コイルは血流スピン
に所定軸の位相回転を与えるフローエンコード傾斜磁場
を形成する。
【0022】シーケンサ4は、被検体1の生体組織を構
成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁
場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加
するもので、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層
像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系5及び磁
場勾配発生系3並びに受信系6に送るようになってい
る。本発明において、シーケンサ4は、TOF法、PC
法、PS法等のMRアンジオグラフィ計測シーケンスを
起動する。
【0023】送信系5は、シーケンサ4から送り出され
る高周波パルスにより被検体1の生体組織を構成する原
子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場
を照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高
周波増幅器13と送信側の高周波コイル14aとから成
り、高周波発振器11から出力された高周波パルスをシ
ーケンサ4の命令にしたがって変調器12で振幅変調
し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器1
3で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波
コイル14aに供給することにより、電磁波が被検体1
に照射されるようになっている。
【0024】受信系6は、被検体1の生体制織の原子核
の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信
号)を検出するもので、受信側の高周波コイル14bと
増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17
とから成り、送信側の高周波コイル14aから照射され
た電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)
は被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで
検出され、増幅器15及び直交位相検波器16を介して
A/D変換器17に入力してディジタル量に変換され、
さらにシーケンサ4からの命令によるタイミングで直交
位相検波器16によりサンプリングされた二系列の収集
データとされ、その信号が信号処理系7に送られるよう
になっている。
【0025】この信号処理系7は、CPU8と、磁気デ
ィスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT
等のディスプレイ20とから成り、CPU8でフーリエ
変換、補正係数計算、像再構成等の処理を行い、任意断
面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算を行
って得られた分布を画像化してディスプレイ20に断層
像として表示するようになっている。
【0026】なお、図2において、送信側及び受信側の
高周波コイル14a、14bと傾斜磁場コイル9は、被
検体1の周りの空間に配置された静磁場発生磁石2の磁
場空間内に設置されている。
【0027】また本発明においては、心電同期計測を可
能とするために、被検体に取り付けた心電検出計31で
検出された心電図に基づき、必要な波形データ或いはト
リガ信号をシーケンサ4に送出する心電計30が備えら
れている。シーケンサ4は心電計30からのデータ或い
はトリガ信号を受信してMRA計測シーケンスを起動
し、心時相情報を参照して位相エンコードステップを制
御する。
【0028】次にこのようなMRI装置を用いた本発明
のMRA計測法について説明する。MRA計測シーケン
スとしては、TOF法、PC法、PS法等公知のシーケ
ンスが可能であるが、ここでは最も効果的で且つ簡素な
PS法に適用した場合の実施例について説明する。
【0029】図1は、本発明によるMRA計測法の一例
であるPS法MRA計測シーケンスを模式的に示したタ
イミング線図及びk空間データ配列を示したものであ
る。図1において、ECGは心電図を示し、本実施例に
おいては、心電計30からのR波をトリガ信号として2
種の基本シーケンス、リフェイズシーケンス及びディフ
ェイズシーケンスを起動する。
【0030】ディフェイズシーケンスは、例えば図3
(a)に示すようにエコー信号Eの計測の際に、静止ス
ピンと移動スピンとの位相が揃わないようにリードアウ
ト傾斜磁場を印加するシーケンスで、一方リフェイズシ
ーケンスは、図3(b)に示すように負方向のリードア
ウト傾斜磁場A、Bを追加することにより、エコー信号
Eのピークに一致して静止スピンと移動スピンとの位相
が揃うようにしたシーケンスである。リフェイズシーケ
ンスでは、静止部分についてはディフェイズシーケンス
で得られる信号強度と等強度の信号が得られ、移動磁化
の存在部位では、位相拡散による信号の欠損を抑え、デ
ィフェイズシーケンスより高い信号が得られる。従っ
て、図4に示すように、ディフェイズシーケンスで計測
したディフェイズ画像I1と、リフェイズシーケンスで
計測したリフェイズ画像I2との差をとって差分画像I3
を得ることにより、例えば血管内の血流のような移動部
分21のみを画像化することができる。尚、図3(a)
及び(b)ではエコー信号を得るためにスピンエコー法
を採用したものを示したが、180゜パルスの照射を必要
としないグラディエントエコー(GE)法を採用しても
よく、その場合、短時間でエコー信号を計測することが
できることから好ましい。
【0031】また図3(a)及び(b)では、エコー信
号に位相エンコードする位相エンコード傾斜磁場が省略
されているが、これら基本シーケンスはその繰り返し毎
に異なる磁場強度の位相エンコード方向傾斜磁場が印加
される。
【0032】本発明のMRA計測シーケンスでは、この
ような2種の基本シーケンスを、それぞれ1心周期内で
所定の位相エンコードステップ数繰り返し、心周期毎に
異なる基本シーケンスを実行する。即ち、まず、第1の
R波の受信によってMRA計測シーケンスが起動される
と次のトリガ信号までの第1心周期において第1の基本
シーケンスに当たるリフェイズシーケンスを実行する。
このリフェイズシーケンスは、各心時相に応じて位相エ
ンコードステップを変化させながら、所定のステップ数
例えばL回分実行する。引き続く第2の心周期におい
て、第2の基本シーケンスに相当するディフェイズシー
ケンスをリフェイズデータを収集したのと同じ位相エン
コードステップで同一心時相のデータ収集を行う。この
2心周期分の計測を1サイクルとし、画像を構成するの
に必要な計測マトリクス数(k空間におけるky方向の
データ点数)が得られるまで繰り返す。計測マトリクス
数をJとし、心時相数(1心周期のステップ数)をLと
すると、繰り返し回数MはM=J/Lとなる。この場
合、2心周期分の計測を1サイクルとしているので合計
2M心周期分の計測を行うことになる。
【0033】この場合、位相エンコードステップは、初
期値aとして次式で求められる値を用い、心時相毎にM
ステップづつ減じたステップの位相エンコードを与えて
繰り返す。
【0034】a=[(J−M)/2]+1 このように位相エンコードされた信号は、心時相の1か
ら{(L/2)+1}までのデータがk空間上の低域か
ら順に高域に配置され、さらに心時相の{(L/2)+
1}からLまでのデータが高域から低域に配置されるこ
とになる。
【0035】同様に次の心周期ではディフェイズシーケ
ンスが同じ位相エンコードステップで繰り返し実行さ
れ、k空間に配置される。これら2つの基本シーケンス
の繰り返しからなる1サイクル分の計測が終了した後、
位相エンコードステップを1加算し、同様の計測を繰り
返すことにより、k空間の測定データが埋められる。
【0036】このような位相エンコードステップとする
ことにより、1心周期内で取得されたデータのうち、比
較的血流速の遅い拡張末期データをコントラストへの寄
与が大きい低周波領域に配置し、血流速の速い収縮期デ
ータを高周波領域に配置することになる。
【0037】図5に、6サイクル分(M=6)、即ち1
2心周期の計測で10心時相(L=10)/心周期のデ
ータを収集する場合を示した。この計測の場合、リフェ
イズ/ディフェイズ各々60(L×M)位相エンコード
ステップの計測データを得ることができる。これによ
り、同一スライスに対してリフェイズ/ディフェイズ各
1枚の画像(位相エンコード方向に60マトリクス分の分
解能を有する画像)を作成できる計測データが揃ったこ
とになる。
【0038】尚、図5では計測データのk空間配置とし
てky方向(上下方向)に中央から上に1から6心時相
まで、最下行から中央方向に6から10心時相まで配置
し、また1つの心時相内では上から下に心周期の番号が
大きくなるように配置されているが、これら心時相及び
心周期のどちらか一方または両方の順序が逆転した配置
であっても同様の効果が得られられる。即ち、中央から
下に1から6心時相まで、最上行から中央方向に6から
10心時相まで配置してもよく、また1つの心時相内で
は下から上に心周期の番号が大きくなるように配置して
もよい。
【0039】ところで図5では簡単のため、位相エンコ
ードステップ数60の場合を示したが、実際の計測にお
いては、位相エンコードステップ数としては2のべき乗
の数値が用いられることが多い。例えば位相エンコード
ステップ数が256の場合、16心周期(8サイクル
分)で32心時相/心周期のデータを収集することで、
リフェイズ/ディフェイズ各々256位相エンコードス
テップの計測データを得ることが可能である。この場
合、1心周期がほぼ1秒(心拍数:60BPM)として16
秒で2次元のPS−MRアンジオグラムを作成すること
ができる。従って、3次元計測の場合でも実用的な時間
でMRアンジオグラムを作成できる。
【0040】信号処理系7はこのように取得された2つ
の計測データを用いて、図4に示すように再構成演算、
具体的には複素数領域(振幅及び位相)での差分処理に
より、被検体の血流部分のみの画像I3を再構成する。
この画像の各画素の強度はその位置における速度を反映
したものとなっている。
【0041】尚、以上の実施例においては、MRA計測
シーケンスの起動の際に参照する同期信号源として、心
電図のR波を用いた場合を説明したが、心拍動の情報を
現わすものであれば脈波信号や心音図など心電図以外の
ものを用いても構わない。
【0042】また以上の実施例では、各心周期に同数の
心時相分のデータを計測する場合について説明したが、
一般に心周期の長さは一定ではないので、完全に同期計
測するためには、1心周期の8〜9割程度の心時相のみ
計測を行い、次の心周期までに余裕時間を持つ必要があ
る。このような余裕時間を持つことにより、各心周期毎
に計測タイミングを決定する心時相とシーケンスの起動
とを厳密に同一のタイミングとすることができる。
【0043】しかし、一般に計測の対象は心時相に応じ
て形態的に変化するものではなく、流速のみが変化する
ものであるので、計測タイミングを決定する心時相は各
心周期毎に厳密に同一のタイミングでなくても30ms程
度以下の範囲でずれていても構わない。この程度のずれ
であれば画像に与える影響を無視できる。
【0044】特に図1のリフェイズ/ディフェイズシー
ケンスをGE系の繰り返し時間TRの短いシーケンスで
行う場合には、定常状態を壊さないように、一定の繰り
返しタイミングでRF励起を行う必要がある。この場合
には、完全に同期をとることはできないが、上述したよ
うに30ms以下のずれは許容でき、しかもこの場合、T
Rが30ms以下と短いためにずれ量もそれ以下となり、
流速の変化量も問題とならない程小さい。
【0045】また心周期の変動に伴って生じる余裕時間
においても定常状態を保つためにRF励起を行い、この
余裕時間で計測されたデータを加算処理することも可能
である。そのような実施例を図6に示した。ここでは、
所定の時相数(L)分のデータ収集を終えた後、次のト
リガ信号を検出するまで、基本シーケンスを繰り返す。
図示する例では、第1心周期ではL心時相分のリフェイ
ズシーケンスによる計測の後、3回の計測が行われ、第
2心周期では同様にL心時相分のディフェイズシーケン
スによる計測の後、1回の計測が行われ、更に第3、第
2M心周期では正規の計測後2回の計測が行われてい
る。
【0046】この際、この余裕時間の計測における位相
エンコードステップは、低周波域位相エンコードa
*(a〜a+Mの範囲の何れかの位相エンコードステッ
プ)とすることが好ましい。この余裕時間で計測された
データは、その前後の時相(1又はL)において正規に
取得した同じ位相エンコードの計測データと加算平均処
理を行う等の処理を加えることによって、画像のS/N
を改善することができる。
【0047】データの加算をする場合、リフェイズ/デ
ィフェイズデー夕間で不公平が生じないよう、処理に用
いるデータ行数は計測シーケンス全体で同一にすること
が好ましい。図示する例では、第1心周期の余裕時間で
計測された3つのデータのうち、1つのみを採用するこ
とにより、全体として同一のデータ数とする。
【0048】また以上の実施例では、本発明のMRA計
測をPS法に適用した場合を説明したが、PC法におい
ても全く同様に適用できる。
【0049】よく知られているようにPC法では、図7
に示すようなフローエンコードパルスと呼ばれる正負1
対の傾斜磁場パルスを印加する。その印加順序によっ
て、血流内のスピンは、流速に応じた位相回転φf-また
はφf+を受ける。従って、極性の異なるフローエンコー
ドパルスを交互に印加し得られる信号の複素差分を取る
ことにより、位相回転を受けない静止部分の信号は除去
され、血流信号のみ検出される。この場合、得られる信
号強度は流速に依存して変化し、φf-とφf+の位相差が
πとなる流速を有するとき信号強度は最大となる。従っ
て直交座標系の任意の一軸に、正極性のフローエンコー
ドパルスを有するシーケンスと負極性のフローエンコー
ドパルスを有するシーケンスを動作させ取得したデータ
の差分演算を行なえば、その一軸方向に沿って流れる血
流を抽出することができる。これを三軸全てについて、
すなわち図8に示すような6個のシーケンスを動作させ
ることにより、全方向の血流を抽出することができる。
【0050】このような6個のシーケンスを動作させる
PC法に本発明を適用する場合には、6個のシーケンス
を基本シーケンスとして、1心周期毎に第1の基本シー
ケンスを所定回数(L回)繰り返し、6心周期でそれぞ
れについてL個のデータを取得する。このような6心周
期の計測を1サイクルとしてMサイクル繰り返し、最終
的に6×M心周期の計測を行い、6セットのデータセッ
トを得る。これら6セットのデータのうち、それぞれ同
軸の逆極性のフローエンコードを用いた2セットのデー
タについて差分演算し、その軸についての血流データを
得る。
【0051】この場合にも、各時相における位相エンコ
ードステップは、図1に示すPS法の場合と全く同様
に、第1心時相のデータをk空間の中央として、第2、
第3・・・心時相のデータを順次ky方向の上或いは下
に配置し、L心時相がk空間の中央付近に戻るように付
与する。これにより比較的血流速の遅い拡張末期データ
をコントラストへの寄与が大きい低周波領域に配置し、
血流速の速い収縮期データを高周波領域に配置すること
ができる。
【0052】またPC法は図9に示すように、1個のリ
ファレンスシーケンスと3軸について負のフローエンコ
ードシーケンス(合計4個)の組み合わせで、3軸方向
の血流を検出できる方法がある。このような4個のシー
ケンスの組み合わせによるPC方法の場合にも、基本シ
ーケンス数が異なるのみで、上述した6個を基本シーケ
ンスとするPC法と同様にして、本発明のMRAを適用
することができる。
【0053】この場合には4心周期の計測を1サイクル
としてMサイクル繰り返し、最終的に4×M心周期の計
測を行い、4セットのデータセットを得る。これら4セ
ットのデータのうち、リファレンスのデータと各軸につ
いてのシーケンスのデータとをそれぞれ差分演算するこ
とによって、各軸についての血流データを得ることがで
きる。
【0054】このようなPC法では、1心周期を約1
秒、サイクル数を8回とした場合、6基本シーケンスの
場合48秒で、4基本シーケンスの場合32秒で2次元
のアンジオグラムを形成できる。
【0055】尚、本発明をPC法に適用する場合にも、
PS法と同様、同期のタイミングに若干のずれがあって
もよく、また余裕時間で計測されたデータを加算するこ
とも可能である。
【0056】
【発明の効果】本発明は、血流スピンに位相回転を与え
る傾斜磁場パルスの印加を含むMRA計測において、被
検体の心電図または脈波信号を参照して、複数のエコー
信号毎に印加される位相エンコード傾斜磁場の印加順序
を制御するようにしたので、1心周期内で計測されるデ
ータを1枚の画像構成のために使用でき、撮像時間をほ
とんど延長することなく、しかもフローアーチファクト
を抑制することができる。また幅広い血流速の範囲をカ
バーすることができ、血流描出能を高めることができ
る。特に二次元計測の場合はPS法で20秒以下程度、
PC法で40秒以下程度の計測時間で撮像を行うことが
できる。
【0057】本発明は上述した血流スピンに位相回転を
与える傾斜磁場パルスを含むPC法、PS法に適用して
上述の効果を得ることができが、それ以外の血流描画法
(TOF法)にも適用することは可能であり、この場合
にも心拍動の影響の少ない画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例であるPS法MRA計測法に
おけるパルスシーケンスの基本的構成およびk空間上の
データ配列の説明図
【図2】本発明の核磁気共鳴イメージング装置の全体構
成を示すブロック図
【図3】(a)はPS法におけるディフェイズシーケン
スを示す図、(b)はリフェイズシーケンスを示す図
【図4】PS法における画像再構成法を示す説明図
【図5】本発明におけるk空間へのデータ配置方法を示
す説明図
【図6】本発明のMRA計測法における別の実施例にお
けるパルスンーケンスの基本的構成およびk空間上のデ
ータ配列の説明図
【図7】PC法におけるフローエンコードパルスの印加
パターンを示す図
【図8】PC法の6回計測法のパルスシーケンスを示す
模式図
【図9】PC法の4回計測法のパルスシーケンスを示す
模式図
【図10】従来の心電同期MRアンジオグラフィ計測法に
おけるパルスシーケンスの全体を様式的に表わしたタイ
ミング線図
【符号の説明】
1・・・被検体 2・・・静磁場発生磁石 3・・・磁場勾配発生系(傾斜磁場発生手段) 4・・・シーケンサ 5・・・送信系 6・・・受信系 7・・・信号処理系 8・・・CPU 9・・・傾斜磁場コイル(傾斜磁場発生手段) 14a・・・送信側の高周波コイル 14b・・・受信側の高周波コイル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体を構成する原子の原子核スピンに核
    磁気共鳴を起こさせる少なくとも1の高周波パルスの印
    加と前記原子核スピンに生じる核磁気共鳴信号に位相エ
    ンコードする傾斜磁場パルスの印加とを含む基本シーケ
    ンスを繰り返して、位相エンコードされた複数の核磁気
    共鳴信号をエコー信号として計測し、これらエコー信号
    を信号処理して得られるデータの演算により血流画像を
    作成するMRアンジオグラフィ計測法において、前記被
    検体の心電図または脈波信号を参照して、前記複数のエ
    コー信号毎に印加される位相エンコード傾斜磁場の印加
    順序を制御することを特徴とするMRアンジオグラフィ
    計測法。
  2. 【請求項2】前記MRアンジオグラフィ計測法は、血流
    に対してそれぞれ異なる位相回転を与える複数(N個)
    の基本シーケンスの組み合わせで構成され、基本シーケ
    ンス数(N)と同数のデータセット間の演算により血管
    画像を作成することを特徴とする請求項1記載のMRア
    ンジオグラフィ計測法。
  3. 【請求項3】前記基本シーケンスの動作時において、心
    電図または脈波信号におけるR波等のトリガ信号に同期
    して、1心周期内の拡張期に相当する時相でk空間低域
    のデータ収集を行い、収縮期に相当する時相でk空間高
    域のデータ収集を行うよう、位相エンコード傾斜磁場の
    印加順序及びk空間におけるデータ配列を制御すること
    を特徴とする請求項1又は2記載のMRアンジオグラフ
    ィ計測法。
  4. 【請求項4】血流に対してそれぞれ異なる位相回転を与
    える複数(N個)の基本シーケンスを組み合わせて繰り
    返し、基本シーケンス数(N)と同数のデータセット間
    の演算により血管画像を作成するMRアンジオグラフィ
    計測法において、 1)心電図または脈波信号におけるR波等のトリガ信号
    の受信時から次のトリガ信号までの期間を1心周期とし
    て、第1の心周期において第1の基本シーケンスを位相
    エンコードステップを変化させながら、所定のステップ
    数(L)分実行し、 2)引き続く第2の心周期において同ステップ数分の第
    2の基本シーケンスを動作させ、 3)同様にして基本シーケンスを変えながら第N心周期
    まで実行し、 4)以下1)から3)までを1サイクルとして、未実行
    の位相エンコードステップで第1〜第N基本シーケンス
    を動作させることを繰り返し、 5)M回のサイクルの終了時に、N個の基本シーケンス
    の各々に対してM心周期分のデータ収集を行い、L×M
    ステップの位相エンコードデータを得ることを特徴とす
    る請求項3記載のMRアンジオグラフィ計測法。
  5. 【請求項5】前記1心周期内で計測されるエンコードス
    テッブ数(L)は最短の心周期で設定され、前記エンコ
    ードステップ数(L)を実行するデータ計測期間に対
    し、心周期の変動により生じる計測余裕時間を、k空間
    の特定周波数域のデータ収集時間に割り当て、この特定
    周波数域のデータを前記データ計測期間に計測された同
    周波数域のデータと加算平均処理を行うことを特徴とす
    る請求項4記載のMRアンジオグラフィ計測法。
  6. 【請求項6】被検体に静磁場を与える静磁場発生手段
    と、該被検体に位相エンコード方向を含む複数方向の傾
    斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、上記被検体の生体
    組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる
    高周波磁場を照射する送信系と、前記傾斜磁場及び高周
    波磁場を所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するシ
    ーケンサと、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信
    号を検出する受信系と、この受信系で検出したエコー信
    号をk空間に配置し、画像再構成演算を行う信号処理系
    と、得られた画像を表示する手段とを備えた磁気共鳴イ
    メージング装置において、 前記シーケンサの実行するパルスシーケンスは請求項1
    ないし5いずれか1項記載のMRアンジオグラフィ計測
    シーケンスであることを特徴とする磁気共鳴イメージン
    グ装置。
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