JPH1077226A - βアミロイド蛋白誘発細胞毒性保護作用剤 - Google Patents

βアミロイド蛋白誘発細胞毒性保護作用剤

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JPH1077226A
JPH1077226A JP18425497A JP18425497A JPH1077226A JP H1077226 A JPH1077226 A JP H1077226A JP 18425497 A JP18425497 A JP 18425497A JP 18425497 A JP18425497 A JP 18425497A JP H1077226 A JPH1077226 A JP H1077226A
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JP
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alkyl
alkoxy
hydroxyl
disease
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JP18425497A
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Inventor
Masaomi Miyamoto
政臣 宮本
Keisuke Hirai
圭介 平井
Giichi Goto
義一 後藤
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたβアミロイド蛋白誘発細胞毒性保護作用
剤を提供する。 【解決手段】式 【化1】 または 【化2】 〔式中、R1は低級アルキル基、R2はH、置換されてい
てもよいアルキル基または置換されていてもよいアルケ
ニル基、R3およびR4はそれぞれ置換されていてもよい
低級アルキル基または低級アルコキシ基、あるいはR3
とR4とで一個のブタジエニレン基を形成してもよく、
1およびX2はそれぞれエステル化またはエーテル化さ
れていてもよい水酸基を示す〕で表される化合物または
その塩を含有してなるβアミロイド蛋白誘発細胞毒性保
護作用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞保護作用剤、
特にβアミロイド蛋白誘発細胞毒性保護作用剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生命体を構成する細胞は、種々の好まし
くない内因性因子あるいは外因性因子の作用にさらさ
れ、その機能を阻害されたり、あるいは細胞損傷ひいて
は細胞変性や細胞死を誘発することが知られている。ま
た、これらが原因となる各種の疾患が大きな社会問題と
なっている。その様な疾患の1つであるアルツハイマー
病の患者の脳内における最も重要な神経病理学的特徴は
老人斑である。老人斑には種々の物質が含まれるが、そ
の主成分は、40から43個のアミノ酸からなるβアミロイ
ド蛋白である[セル(Cell)、52巻、307〜308頁、1988
年およびニューロン(Neuron)、6巻、487〜498頁、199
1年]。βアミロイドは、培養神経細胞を用いた研究に
より、直接神経細胞毒性を示すことが明らかにされてお
り[ブレインリサーチ(Brain Research)、533巻、315
〜320頁、1990年およびサイエンス(Science)、25巻、2
79〜282頁、1990年]、アルツハイマー病の病因の1つ
と考えられている。さらに、最近の研究では、βアミロ
イド蛋白の凝集が、その毒性の発現には必須であること
が示されている[ニューロバイオロジー オブ エイジン
グ(Neurobiology of Aging)、13巻、587〜590頁、1992
年およびジャーナル オブ モレキュラー バイオロジー
(Journalof Molecular Biology)、218巻、149〜163
頁、1991年]。
【0003】一方、 特開平3−81218号公報および
USP 5,059,627には、置換1,4−ベンゾキノ
ン誘導体と対応する置換1,4−ヒドロキノン誘導体
が、優れた神経成長因子(nerve growth factor)の分
泌誘導作用を有し、従ってアルツハイマー病の治療に有
効であることが記載されている。特開平7−61923
号公報およびEP−A−629400には、アルツハイ
マー型老年期痴呆症の治療剤として、イデベノンを高用
量(成人1人当たり1日につき270mgないし360mg)投与
すると臨床的に有効であることが記載されている。ま
た、Arch. Gerontol.Geriatr.,15巻,1992年,第249
−260頁には、アルツハイマー型老年期痴呆患者にイデ
ベノンを成人1人当たり1日につき90mg投与することに
より、その有効性が確認されたことが記載されている。 ザ ジャーナル オブ ファルマコロジー アンド エクス
ペリメンタル セラピューティクス(The Journal of Ph
armacology and Experimental Therapeutics)、250巻、
1132〜1140頁、1989年には、ラットの網膜神経細胞とニ
ューロブラストーマ(neuroblastoma)とのハイブリド
(hybrid)であるN18−RE−105細胞において、
イデベノンがグルタミン酸誘発神経細胞死を抑制するこ
と、該作用が活性酸素種(reactive oxygen species)
の消去作用に基づく神経細胞保護作用であることが報告
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】脳神経細胞の機能障害
や損傷あるいはその細胞死の内因性因子であるβアミロ
イド蛋白の細胞毒性から神経細胞を保護し、脳神経系疾
患、たとえばアルツハイマー病、パーキンソン病などの
神経変性疾患を予防・治療することは急務の課題であ
る。しかしながら、これらの疾患の治療・予防方法に関
し、これまで有効な手段は見いだされていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、βアミロ
イド蛋白の細胞毒から細胞(特に神経細胞)を保護する
作用(βアミロイド蛋白誘発細胞毒性保護作用)を有す
る化合物を見出すべく鋭意探索し、特定の化学構造を有
する置換1,4−ベンゾキノン誘導体およびその対応す
る置換1,4−ヒドロキノン誘導体に優れた該保護作用
が有ること、さらに毒性が極めて低く、安全な医薬とし
ての優れた性質が有ることを初めて見いだし、これに基
づいて本発明を完成した。 すなわち、本発明は、 (1)式
【化4】 または
【化5】 〔式中、R1は低級アルキル基、R2は水素、置換されて
いてもよいアルキル基または置換されていてもよいアル
ケニル基、R3およびR4はそれぞれ置換されていてもよ
い低級アルキル基または低級アルコキシ基、あるいはR
3とR4とで一個のブタジエニレン基を形成してもよく、
1およびX2はそれぞれエステル化またはエーテル化さ
れていてもよい水酸基を示す〕で表される化合物(以
下、それぞれ化合物(I)および化合物(II)と略記)
またはその塩を含有してなるβアミロイド蛋白誘発細胞
毒性保護作用剤、 (2)パーキンソン病、ハンチントン舞踏病またはクロ
イツフェルド・ヤコブ病の予防・治療剤である前記
(1)記載の剤、 (3)R1がC1-4アルキル基;R2が(a)水素、 (b)(i)C1-4アルキル、(ii)水酸基、(iii)オキ
ソ、(iv)アミノ、(v)モノ−C1-6アルキルアミノ、
(vi)ジ−C1-6アルキルアミノ、(vii)カルボキシ、
(viii)C1-4アルコキシ−カルボニル、(ix)C1-4
ルキル、水酸基、カルボキシおよびC1-6アルコキシ−
カルボニルから選ばれる置換基1または2個を有してい
てもよいC6-14アリール、(x)C1-4アルキル、水酸
基、カルボキシおよびC1-6アルコキシ−カルボニルか
ら選ばれる置換基1または2個を有していてもよい5な
いし6員複素環基および(xi)ハロゲンから選ばれる置
換基1ないし10個を有していてもよいC1-22アルキル
基、または (c)(i)C1-4アルキル、(ii)水酸基、(iii)オキ
ソ、(iv)アミノ、(v)モノ−C1-6アルキルアミノ、
(vi)ジ−C1-6アルキルアミノ、(vii)カルボキシ、
(viii)C1-4アルコキシ−カルボニル、(ix)C1-4
ルキル、水酸基、カルボキシおよびC1-6アルコキシ−
カルボニルから選ばれる置換基1または2個を有してい
てもよいC6-14アリール、(x)C1-4アルキル、水酸
基、カルボキシおよびC1-6アルコキシ−カルボニルか
ら選ばれる置換基1または2個を有していてもよい5な
いし6員複素環基および(xi)ハロゲンから選ばれる置
換基1ないし10個を有していてもよいC2-15アルケニ
ル基;R3およびR4がそれぞれ(a)水酸基、ハロゲ
ン、ニトロ、ハロゲン化されていてもよいC1-3アルキ
ル、カルボキシ、C1-6アルコキシ−カルボニル、3−
ピリジル、1−イミダゾリルおよび5−チアゾリルから
選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいC1-6
アルキル基または(b)C1-3アルコキシ基;あるいはR
3とR4とで、それぞれ結合する炭素原子とともにC1-3
アルキル、C1-3アルコキシ、水酸基、ニトロおよびハ
ロゲンから選ばれる置換基1ないし3個を有していても
よいベンゼン環を形成;X1およびX2がそれぞれ水酸
基、C2-10アルカノイル、ベンゾイル、4級化されてい
てもよいニコチノイル、コハク酸半アシル、C1-8アル
コキシ、C7-13アラルキルオキシ、テトラヒドロピラニ
ルオキシまたはテトラヒドロフリルオキシである前記
(1)記載の剤、 (4)R1がC1-3アルキル基、R2が水酸基で置換され
たC6-14アルキル基、R3およびR4がそれぞれC1-3
ルコキシ基、X1およびX2がそれぞれ水酸基である前記
(1)記載の剤、 (5)式
【化6】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合
物またはその塩を含有してなる前記(1)記載の剤、お
よび (6)イデベノンを含有してなる前記(1)記載の剤等
に関する。
【0006】前記式(I)および(II)中、R1で示さ
れる「低級アルキル基」としては、たとえばメチル、エ
チル、プロピル、ブチル基など炭素数1〜4のものがあ
げられる。R2で示される「置換されていてもよいアル
キル基」の「アルキル基」としては、たとえばメチル、
エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、トリデシル、ペンタデシル、ヘプタデシル、エイコ
シル、ドコシルなどのC1-22アルキル基があげられる。
好ましくは直鎖状のC6-14アルキル基である。R2で示
される「置換されていてもよいアルケニル基」の「アル
ケニル基」としては、たとえばエテニル、1−プロペニ
ル、3−メチル−2−ブテニル、2,6−ジメチル−
2,6−オクタジエニルなどの直鎖または分枝状の炭素
数2〜15のアルケニル基が挙げられ、その二重結合は
通常1〜3個でこれらの二重結合は共役していてもよ
い。前記「置換されていてもよいアルキル基」および
「置換されていてもよいアルケニル基」の置換基として
は、たとえばC1-4アルキル基(例、メチル、エチル、
プロピル、ブチル)、水酸基、オキソ基、アミノ基、モ
ノ−C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチ
ルアミノ)、ジ−C1-6アルキルアミノ基(例、ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノ)、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、プロピオニルオキシカルボニル、ブトキシ
カルボニルなどのC1-4アルコキシ−カルボニル)、ア
リール基(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチ
ル、インダニルなどのC6-14アリール基)、複素環基
(例、2−ピリジル、3−ピリジル、2−チエニル、3
−チエニルなどの5〜6員複素環基)、ハロゲン(フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素)などがあげられる。このうち
好ましくは、水酸基である。該置換基が、アリールまた
は複素環基である場合、これらはさらに環上の任意の位
置に1または2以上の置換基を有していてもよく、該置
換基としては、たとえばC1-4アルキル(例、メチル、
エチル、プロピル、ブチル)、水酸基、カルボキシル、
1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブト
キシカルボニル)などがあげられる。前記「アルキル
基」または「アルケニル基」が有していてもよい置換基
の数は目的が達成される限り特に制限されないが、1〜
10個、好ましくは1〜6個である。また、同一の炭素
原子が、同一または異なった置換基で置換されていても
よい。たとえば2個のメチル基および1個の水酸基など
が挙げられる。前記置換基の置換位置は、置換可能な位
置であればいずれでもよく、例えば1位またはω位が好
ましい。
【0007】R3またはR4で示される「置換されていて
もよい低級アルキル基」の「低級アルキル基」として
は、たとえばメチル、エチル、プロピル、i−プロピ
ル、ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、
アミル、ヘキシルなどのC1-6アルキルがあげられる。
とりわけC1-3アルキルが好ましい。該「置換されてい
てもよい低級アルキル基」の置換基としては、たとえば
水酸基、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素)、ニトロ、ハロゲン化されていてもよいC1-3アル
キル(例、トリフルオロメチル)、カルボキシル、C
1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルなど)、3−ピリジル、1−イ
ミダゾリル、5−チアゾリルなどがあげられる。R3
たはR4で示される「低級アルコキシ」としては、たと
えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ
などのC1-3アルコキシがあげられる。R3とR4でブタ
ジエニレン基を示す場合、R3とR4のそれぞれが結合す
る炭素とともにベンゼン環を形成し、形成されたベンゼ
ン環はその環上の任意の位置に1〜3個の置換基を有し
ていてもよく、該置換基としては、たとえば低級(C
1-3)アルキル(例、メチル、エチル、プロピルな
ど)、低級(C1-3)アルコキシ(例、メトキシ、エト
キシ、プロポキシなど)、水酸基、ニトロ、ハロゲンな
どがあげられる。
【0008】前記式(II)中、X1またはX2で示される
「エステル化されたヒドロキシル基」としては、たとえ
ばカルボン酸アシルオキシ、リン酸アシルオキシなどが
あげられる。該カルボン酸アシルオキシのカルボン酸ア
シルとしては、たとえばホルミルまたはアセチル、プロ
ピオニル、イソブチリル、デカノイル、シクロペンチル
もしくはシクロヘキシルカボニルなどの鎖状もしくは環
状の炭素数2〜10のアルカノイル、たとえばベンゾイ
ルなどのアリールカルボニル、4級化されていてもよい
ニコチノイル、コハク酸半アシルなどがあげられる。X
1またはX2で示される「エーテル化されたヒドロキシル
基」としては、たとえばアルコキシ、アラルキルオキシ
などがあげられる。該アルコキシとしては、たとえばメ
トキシメトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキ
シ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブ
トキシ、アミルオキシ(ペンチルオキシ)、ヘキシルオ
キシ、テトラヒドロピラニルオキシ、テトラヒドロフリ
ルオキシなどのC1-8アルコキシがあげられる。とりわ
け、C1-3アルコキシが好ましい。該アラルキルオキシ
としては、たとえばベンジルオキシなどのC7-13アラル
キルオキシがあげられる。
【0009】前記化合物(I)中、R1がC1-3アルキ
ル、R2が水酸基で置換されたC6-14アルキル、R3がC
1-3アルコキシ、およびR4がC1-3アルコキシである化
合物が好ましい。前記化合物(II)中、R1がC1-3アル
キル、R2が水酸基で置換されたC6-14アルキル、R3
1-3アルコキシ、およびR4がC1-3アルコキシ、X1
水酸基、およびX2が水酸基である化合物が好ましい。
前記化合物(I)および(II)中、中枢移行性の優れた
化合物が好ましい。具体例としては、たとえばイデベノ
ンなどが挙げられる。イデベノンは、特公昭62−31
34号公報に記載された化合物であり、その化学名は6
−(10−ヒドロキシデシル)−2,3−ジメトキシ−
5−メチル−1,4−ベンゾキノンである。化合物(I)
および(II)は、その有する置換基の種類により、塩を
形成していてもよく、たとえば無機塩基との塩、有機塩
基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または
酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩
の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩
などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム
塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウ
ム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との
塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、N,N′−ジベンジルエチレンジ
アミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な
例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リ
ン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例
としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマ
ール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コ
ハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられ
る。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば
アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げら
れ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばア
スパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。
【0010】化合物(I)および(II)またはそれらの
塩は、自体公知の方法、たとえばケミカル・アンド・フ
ァルマシューティカル・ブルチン(Chemical and Pha
rmaceutical Bulletin)、30巻、2797頁、19
82年、同33頁、4422頁、1985年、特開昭5
1−128932、特開昭63−45257、特開昭5
7−109739、特開昭61−044840号公報に
記載の方法またはこれらに準じた方法により製造するこ
とができる。
【0011】前記化合物(I)、(II)またはその塩
を、本発明のβアミロイド蛋白誘発神経細胞毒性保護作
用剤として用いるにあたっては、自体公知の方法、たと
えば特公平1−12727号公報、特公昭63−511
23号公報、特公平1−39405号公報、特開平3−
81212号公報などに記載された方法またはこれらに
準じた方法に従って医薬組成物として、種々の剤形
(例、錠剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤、散剤など)
で、ヒトを含む哺乳動物に経口的または非経口的に投与
しうる。本発明の製剤に使用されるものは、一般的に製
剤に使用されている薬理学的に許容される担体が挙げら
れ、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物
質が用いられる。例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢
剤から適宜、適量選択すればよい。賦形剤としては、例
えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーン
スターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ブドウ
糖、ソルビット、タルク、シクロデキストリンなどが挙
げられる。結合剤としては、例えば結晶セルロース、白
糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチ
ン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム、アラビヤゴム、ポリエチレングリコール、な
どが挙げられる。崩壊剤としてはでん粉、カルボキシメ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースのカルシ
ウム塩などが挙げられる。滑沢剤としては、例えばステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タル
ク、コロイドシリカなどが挙げられる。また、本発明の
製剤は、公知の手段を用いて製造することができる徐放
性製剤であっても良い。かかる徐放性製剤は、自体公知
の方法、たとえば、油脂類(例、トリグリセライド)、
ポリグリセリンの脂肪酸エステル類、ヒドロキシプロピ
ルセルロースなどを適宜、適量用いて錠剤、顆粒剤、細
粒剤、カプセル剤をコーティングすることにより得られ
る。
【0012】投与量は対象疾患の種類、症状などにより
異なるが、たとえば神経細胞をβアミロイド蛋白の細胞
毒から保護するために経口投与する場合、例えば、成人
(60Kg)1人当たり、一日につき、化合物(I)、(I
I)またはその塩として10mg〜5000mg、好ましく
は180mg〜1500mg、さらに好ましくは270mg〜
1440mgであるが、疾患の種類および症状により必要
に応じて適宜減じても良い。 本発明のβアミロイド蛋白誘発神経細胞毒性保護作用剤
は、ヒトを含む哺乳動物の脳機能障害の治療および予防
に有用であり、対象疾患としては、たとえば家族性自律
神経障害、神経繊維腫瘍、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、
各種痴呆症(例、老人性痴呆症、アルツハイマー病な
ど)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、クロイツ
フェルド・ヤコブ病、狂牛病、スクレーピーなどが挙げ
られる。とりわけ、本発明の作用剤は、ヒトのアルツハ
イマー病、クロイツフェルド・ヤコブ病およびパーキン
ソン病などに有効であり、動物においては、狂牛病およ
び羊のスクレーピーなどに有効である。さらに本発明の
作用剤は、アミロイド神経障害、アミロイド性糖尿病
(ランゲルハンス細胞保護)、膵細胞保護などにも有効
である。
【0013】本発明製剤の投与剤形は、前記疾患に経口
的に投与しうる剤形であればいずれでも良い。このうち
錠剤、細粒剤、カプセル剤などが好ましい。化合物
(I)または(II)あるいはその塩の使用量は、例えば
錠剤1錠当たりまたはカプセル剤1カプセル当たり、約
30mg以上、好ましくは約30mg〜100mg、また、顆
粒剤または細粒剤1服当たり約30mg以上、好ましくは
約30mg〜100mgである。動物、特に牛および羊など
の家畜の前記疾患の治療のためには、前記の投与剤形に
加えて、本発明の作用剤を家畜飼料に配合して投与して
も良い。本発明の作用剤は、化合物(I)または(II)
あるいはその塩に加え、他の薬剤、たとえば中枢性薬剤
(例 抗不安薬、睡眠導入剤、精神分裂病治療剤、パー
キンソン治療剤など)、降圧剤、抗糖尿病治療剤、抗脂
血剤などの成人病治療剤と併用されても良い。また、種
々の脳機能改善剤(脳循環改善剤や脳代謝賦活剤)、ア
セチルコリンエステラーゼ阻害剤などと併用しても良
い。また、ビタミン剤などの栄養剤、消化吸収促進剤、
胃腸薬などと併用しても良い。
【0014】化合物(I)および(II)またはそれらの
塩は極めて毒性が低く、長期投与においても副作用ある
いは毒性はほとんどみられない。たとえば、イデベノン
の急性毒性LD50値はマウスの場合、雄、雌とも10,
000mg/kg以上、ラットの場合、雄でLD50値が
10,000mg/kg以上、雌で約10,000mg/
kgである。また、ヒューマン サイコファルマコロジ
ー(Human Psychopharmacology)、11巻、53〜65頁、199
6年には、イデベノンをアルツハイマー病患者に6ケ月
間、1回当たり90mgを1日3回(1日当たり270m
g)または1回当たり120mgを1日3回(1日当たり
360mg)投与した場合の肝臓の臨床検査値GPTおよ
びGOT値を検討した結果、その変動は少なく、対照群
(プラセボ群)と殆ど変動が見られずその毒性は極めて
小さいことが記載されている。本発明の作用剤が徐放性
製剤の場合、1日当たりの化合物(I)、(II)または
その塩の放出量が90mg以上、好ましくは150mg以上
になるように投与されるのが好ましい。また、化合物
(I)、(II)またはその塩の生物学的有用率(バイオ
アベイラビリティー)が改善された場合は前記放出量は
適宜減らしても良い。本発明の製剤中の化合物(I)ま
たは(II)あるいはその塩は、その治療方法における1
日の投与量は必要に応じて1日に複数回に分けて投与し
ても良く、かかる場合は1日に2ないし6回に分けて投
与される。好ましくは1日に3回に分けて投与する。1
回当たりの投与量は1日当たりの投与量を投与回数で割
った量である。投与時期は特に限定されないが、毎食後
投与が好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、実験例および実施例を挙げ
て、本発明をさらに詳しく説明する。
【実施例】
実験例1 βアミロイド蛋白1−40(以下、Aβ1−40と略
記)によるラット海馬神経細胞における神経細胞毒性に
対するイデベノンの保護作用を調べた。 (実験方法)ラット胎児の脳より海馬を取りだし、6日
間培養した後、Aβ1−40を加えて誘発された神経細
胞死に対するイデベノンの作用について調べた。実験に
用いた培養ラット海馬神経細胞は以下の方法で調製し
た。胎生18日のSDラット脳より氷冷下に海馬を取り
出し、Hank's 液中で0.25%トリプシンおよび0.1
mg/mlのデオキシリボヌクレアーゼIを用いて37℃で
10分間処理した。酵素処理された細胞をフィルターで
濾過した後、50unit/ml ペニシリン、50μg/mlス
トレプトマイシン、10%牛胎児血清および1% B2
7 supplement(GIBCO)を含む Eagle−MEM培
地で懸濁し、ポリ−L−リジンでコートした48穴プレ
ート(COSTAR)に100,000 cells/300μl/we
llとなるように培地で希釈して蒔いた。培養は5%の炭
酸ガス存在下で37℃で行った。培養4日目に50 uni
t/ml ペニシリン、50μg/ml ストレプトマイシン、
10mM HEPES−Na(pH 7.3)およびN2supp
lement を含む Eagle−MEM培地(MEM−N2)に
培地を交換した。さらに、培養7日目にAβ1−40
(Bachem)および薬物を含むMEM−N2に培地を交
換し、Aβ1−40の毒性に対する薬物の作用を調べ
た。毒性は傷害を受けた細胞から培地中に放出された乳
酸脱水素酵素(LDH)の活性を、処置後3−5日間に
わたって測定し、それを指標として検討するとともに、
添加4日後に細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定
し、抗MAP2抗体(Amersham)で染色し、顕微鏡下
にランダムに写真を撮り、視野に含まれる神経細胞数を
測定した。 (実験結果)薬物添加後3−5日間での培地中へのLD
H活性の漏出を指標に検討した結果、Aβ1−40は用
量依存的に毒性を示した〔図1〕。これに対し、イデベ
ノン100nMは添加3−5日後にわたるLDHの漏出
を抑制した〔図2〕。これは、イデベノンが、Aβ1−
40の海馬神経細胞に対する毒性を抑制したためと考え
られる。さらに、神経細胞を抗MAP2抗体で染色した
ところ、イデベノン100nMでは、神経細胞の生存数
はコントロールとほぼ同数であり、10μMのAβ1−
40による神経細胞数の減少を抑制し、有意に神経細胞
死を抑制(保護作用)した〔図3〕。これら結果より、
イデベノンはβアミロイドの海馬神経細胞毒性に対する
保護作用を有していることがわかる。
【0016】実施例1 イデベノン 90mg錠剤の製造 イデベノン 90.0g 乳糖(EP) 233.2g アルファー化デンプン 11.2g カルボキシメチルセルロースのカルシウム塩(ECG 505) 67.3g ステアリン酸マグネシウム(EP) 1.1g ヒドロキシプロピルメチルセルロースUSP(Pharmacoat 606) 5.6g ポリエチレングリコール(NF 6000) 1.4g プロピレングリコール(EP) 0.5g タルク(EP) 1.8g 酸化チタン(EP E171) 2.7g 赤色色素30(E172) 0.2g 全 量 415.0g 上記の製剤用賦形剤に、イデベノンと水を加え練合した
後、乾燥した。得られた乾燥練合物に、上記の崩壊剤お
よび滑沢剤を加え均一化した後、圧縮錠剤機で圧縮し、
錠剤1錠あたりイデベノン 90mgを含有する直径11m
、厚さ4.3mm、重量415mgの錠剤1,000個を製
造した。
【0017】実施例2 イデベノン 120mg錠剤の製造 イデベノン 120.0g 乳糖(EP) 203.2g アルファー化デンプン 11.2g カルボキシメチルセルロースのカルシュウム塩(ECG 505) 67.3g ステアリン酸マグネシウム(EP) 1.1g ヒドロキシプロピルメチルセルロースUSP(Pharmacoat 606) 5.6g ポリエチレングリコール(NF 6000) 1.4g プロピレングリコール(EP) 0.5g タルク(EP) 1.8g 酸化チタン(EP E171) 2.7g 赤色色素30(E172) 0.2g 全 量 415.0g 上記の製剤用賦形剤に、イデベノンおよび水を加え練合
し、得られた練合物を乾燥した。これに上記の崩壊剤お
よび滑沢剤を加え均一化した後、圧縮錠剤機で圧縮し、
錠剤1錠あたりイデベノン 120mgを含有する直径1
1mm、厚さ4.3mm、重量415mgの錠剤1,000個を
製造した。
【0018】
【発明の効果】本発明のβアミロイド蛋白誘発細胞毒性
保護作用剤は、毒性が低く、安全である。有用な対象疾
患としては、例えば家族性自律神経障害、神経繊維腫
瘍、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、各種痴呆症、パーキン
ソン病、ハンチントン舞踏病、クロイツフェルド・ヤコ
ブ病、狂牛病、スクレーピーなどが挙げられる。とりわ
け、ヒトのアルツハイマー病、クロイツフェルド・ヤコ
ブ病およびパーキンソン病などに有効であり、動物にお
いては、狂牛病および羊のスクレーピーなどに有効であ
る。さらに本発明の作用剤は、アミロイド神経障害、ア
ミロイド性糖尿病(ランゲルハンス細胞保護)、膵細胞
保護などにも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラット海馬神経細胞に対するAβ1−40の量
と細胞毒性との相関を示すグラフ。
【図2】ラット海馬神経細胞へ及ぼすAβ1−40(1
0μM)の細胞毒性に対するイデベノンの保護作用の結
果を示すグラフ。図中、白丸はコントロール、黒丸はイ
デベノン(0.01μM)添加、白三角はイデベノン
(0.1μM)添加、黒三角はAβ1−40(10μ
M)添加、白四角はAβ1−40(10μM)およびイ
デベノン(0.01μM)添加、黒四角はAβ1−40
(10μM)およびイデベノン(0.1μM)添加を示
す。
【図3】Aβ1−40が及ぼすラット海馬神経細胞死に
対するイデベノンの保護作用(生存細胞数で表した)の
結果を示すグラフ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 または 【化2】 〔式中、R1は低級アルキル基、R2は水素、置換されて
    いてもよいアルキル基または置換されていてもよいアル
    ケニル基、R3およびR4はそれぞれ置換されていてもよ
    い低級アルキル基または低級アルコキシ基、あるいはR
    3とR4とで一個のブタジエニレン基を形成してもよく、
    1およびX2はそれぞれエステル化またはエーテル化さ
    れていてもよい水酸基を示す〕で表される化合物または
    その塩を含有してなるβアミロイド蛋白誘発細胞毒性保
    護作用剤。
  2. 【請求項2】パーキンソン病、ハンチントン舞踏病また
    はクロイツフェルド・ヤコブ病の予防・治療剤である請
    求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】R1がC1-4アルキル基;R2が(a)水素、 (b)(i)C1-4アルキル、(ii)水酸基、(iii)オキ
    ソ、(iv)アミノ、(v)モノ−C1-6アルキルアミノ、
    (vi)ジ−C1-6アルキルアミノ、(vii)カルボキシ、
    (viii)C1-4アルコキシ−カルボニル、(ix)C1-4
    ルキル、水酸基、カルボキシおよびC1-6アルコキシ−
    カルボニルから選ばれる置換基1または2個を有してい
    てもよいC6-14アリール、(x)C1-4アルキル、水酸
    基、カルボキシおよびC1-6アルコキシ−カルボニルか
    ら選ばれる置換基1または2個を有していてもよい5な
    いし6員複素環基および(xi)ハロゲンから選ばれる置
    換基1ないし10個を有していてもよいC1-22アルキル
    基、または (c)(i)C1-4アルキル、(ii)水酸基、(iii)オキ
    ソ、(iv)アミノ、(v)モノ−C1-6アルキルアミノ、
    (vi)ジ−C1-6アルキルアミノ、(vii)カルボキシ、
    (viii)C1-4アルコキシ−カルボニル、(ix)C1-4
    ルキル、水酸基、カルボキシおよびC1-6アルコキシ−
    カルボニルから選ばれる置換基1または2個を有してい
    てもよいC6-14アリール、(x)C1-4アルキル、水酸
    基、カルボキシおよびC1-6アルコキシ−カルボニルか
    ら選ばれる置換基1または2個を有していてもよい5な
    いし6員複素環基および(xi)ハロゲンから選ばれる置
    換基1ないし10個を有していてもよいC2-15アルケニ
    ル基;R3およびR4がそれぞれ(a)水酸基、ハロゲ
    ン、ニトロ、ハロゲン化されていてもよいC1-3アルキ
    ル、カルボキシ、C1-6アルコキシ−カルボニル、3−
    ピリジル、1−イミダゾリルおよび5−チアゾリルから
    選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいC1-6
    アルキル基または(b)C1-3アルコキシ基;あるいはR
    3とR4とで、それぞれ結合する炭素原子とともにC1-3
    アルキル、C1-3アルコキシ、水酸基、ニトロおよびハ
    ロゲンから選ばれる置換基1ないし3個を有していても
    よいベンゼン環を形成;X1およびX2がそれぞれ水酸
    基、C2-10アルカノイル、ベンゾイル、4級化されてい
    てもよいニコチノイル、コハク酸半アシル、C1-8アル
    コキシ、C7-13アラルキルオキシ、テトラヒドロピラニ
    ルオキシまたはテトラヒドロフリルオキシである請求項
    1記載の剤。
  4. 【請求項4】R1がC1-3アルキル基、R2が水酸基で置
    換されたC6-14アルキル基、R3およびR4がそれぞれC
    1-3アルコキシ基、X1およびX2がそれぞれ水酸基であ
    る請求項1記載の剤。
  5. 【請求項5】式 【化3】 〔式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す〕で表さ
    れる化合物またはその塩を含有してなる請求項1記載の
    剤。
  6. 【請求項6】イデベノンを含有してなる請求項1記載の
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN119792259A (zh) * 2024-10-14 2025-04-11 中国农业大学 艾地苯醌在制备朊病毒病药物中的应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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