JPH1077568A - 不織繊維マット、及びこの不織繊維マットからなる内装材、繊維強化樹脂材料及び繊維基材 - Google Patents

不織繊維マット、及びこの不織繊維マットからなる内装材、繊維強化樹脂材料及び繊維基材

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JPH1077568A
JPH1077568A JP8235349A JP23534996A JPH1077568A JP H1077568 A JPH1077568 A JP H1077568A JP 8235349 A JP8235349 A JP 8235349A JP 23534996 A JP23534996 A JP 23534996A JP H1077568 A JPH1077568 A JP H1077568A
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JP
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fiber
fibers
nonwoven
curved
mat
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JP8235349A
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Inventor
Mamoru Fukaya
守 深谷
Hiroshi Kubo
博 久保
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Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、軽量、嵩高で厚さ方向の復元性に優
れ、自動車用天井材の素材及びその他の用途に適用でき
る不織繊維マットを提供する。 【解決手段】本発明の不織繊維マット1は、少なくとも
一方の表面aには、基材繊維2を多数のループ41aと
して配向形成し同時に、配向方向に沿ってループ41a
の内側から次のループ41aを順次引き出し、ループ4
1a同士を鎖状に連結することによりニット調表面4a
が形成される不織繊維マットにおいて、不織繊維マット
の両面a、b間には、ニット調表面4aの裏側から伸
び、前記ループ41aの配向方向P2とは逆方向P1に
湾曲する湾曲繊維群40が設けられていることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵩高で意匠性に優
れた不織布状の繊維マットと、この不織布状の繊維マッ
トからなる自動車等の内装材、あるいは、繊維強化樹脂
材料及び繊維基材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平4ー308264号公報、
特開平4ー308265号公報には、自動車用天井材と
して用いられる曲げ物性が優れた繊維集合体およびその
製造方法が開示されている。この繊維集合体は、無機繊
維を主成分とする不織マット状物に対し、ニードルパン
チ処理を施し、かつ先端部が尖ったフェルト針により無
機繊維を厚み方向に配向させるとともに、先端部がフォ
ーク形状のフォーク針を一面側より他面側の表面に貫通
し、突出させることによって少なくとも片面に環状体を
突出せしめ、この環状体をロール等によりマット状物の
表面に沿って配向させた後、積層工程、加熱工程、圧縮
工程、拡開工程とを順次行うことにより製造できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の繊維複合体は、以下に示す不具合をもつ。 (1)ニードルパンチ処理を施すことによって、剛直な
無機繊維が繊維複合体の厚み方向に配向するため、厚さ
方向の剛性は富むものの、同方向の弾性は乏しく、加わ
る荷重によっては塑性変形を起こす可能性があった。
【0004】また、ニードルパンチ処理は、本来繊維マ
ットを構成する繊維同士を交絡せしめ、繊維マット自体
を強くするために行われる処理であるが、見方を変えれ
ば、構成繊維の交絡度合いが増すことによって、繊維マ
ットを突き固めてしまう処理であるため、このニードル
パンチの手法によって、空隙率が大きく、しかも、強さ
も兼ね備えたマット状物を作製することは困難であっ
た。 (2)また、前途のごとく前記繊維複合体は、剛性に優
れているものの、厚さ方向の弾性には極めて乏しく、塑
性変形を起こす恐れがあることや、本来、繊維複合体が
備える吸音性がその製造過程で低下することも考えられ
る。
【0005】従って、従来の繊維複合体では、素材とし
て、なお改善の余地がある。本発明は、前記問題点に鑑
みなされたもので、軽量、嵩高で厚さ方向の復元性に優
れ、自動車用天井材の素材及びその他の用途に適用でき
る不織繊維マット、及びこの不織繊維マットからなる内
装材材、繊維強化樹脂材料及び繊維基材を提供すること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の不織繊維マッ
トは、少なくとも一方の表面には、基材繊維からなる多
数のループを配向形成し同時に、該ループの配向方向に
沿って該ループの内側から次のループを順次引き出し、
ループ同士を鎖状に連結することによりニット調表面が
形成される不織繊維マットにおいて、該不織繊維マット
の両面間には、該ニット調表面の裏側から伸び、前記ル
ープの配向方向とは逆方向に湾曲する湾曲繊維群が設け
られていることを特徴とする。
【0007】請求項2の内装材は、請求項1記載の不織
繊維マットの少なくともニット調表面には、樹脂が積層
若しくは塗布されてなる。請求項3の繊維強化樹脂材料
は、請求項1記載の不織繊維マットを芯材とする。請求
項4の繊維基材は、請求項1記載の不織繊維マットの基
材繊維が、バインダによって互いに接合されてなる。
【0008】請求項5の繊維基材は、予めバインダが加
えられてなる請求項1記載の不織繊維マットを加熱する
か、若しくは、請求項1記載の不織繊維マットをバイン
ダとともに加熱した後、加圧し、あるいは加熱と同時に
加圧し、その後圧力を解除して冷却せしめ、前記不織繊
維マットの基材繊維が前記バインダによって接合されて
なる。
【0009】請求項6の繊維基材は、請求項4及び5に
記載の繊維基材の少なくとも一方の表面に樹脂層を設け
たことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】不織繊維マットは、少なくとも一
方の表面には、基材繊維を多数のループとして配向形成
し、同時に、配向方向に沿ってループの内側から次のル
ープを順次引き出し、ループ同士を鎖状に連結すること
により形成されたニット調表面を備え、しかも、両面間
には、ニット調表面の裏側から伸び、前記ループの配向
方向とは逆方向に湾曲する湾曲繊維群が設けられた構成
である。
【0011】内装材は、前記不織繊維マットの少なくと
もニット調表面に、樹脂を積層、若しくは塗布したもの
であって、樹脂の積層としては、例えばポリエチレンや
ポリプロピレン、ナイロン等からなる通常の熱可塑性樹
脂フィルムを粘着するものであり、また、樹脂の塗布と
しては、アクリル系、ウレタン系あるいはスチレン・ブ
タジエン系の樹脂や樹脂エマルジョンを塗布し、硬化さ
せるものである。
【0012】これらの樹脂は、少なくともニット調表面
に、積層若しくは塗布されるものであるが、ニッティン
グ加工が施されていない面にも、積層若しくは塗布され
てもよい。繊維強化樹脂材料は、前記不織繊維マットを
芯材とするFRPであって、種々のマトリックス材を前
記不織繊維マットに含浸させた後、このマトリックス材
を硬化させることによって、形成される。自動車のバン
パービームなど、補強材、構造材料として用いることが
できる。
【0013】前記含浸用のマトリックス材としては、不
飽和ポリエステル、エポキシ、フェノール等の熱硬化性
樹脂や、ポリエステル、ナイロン等の熱硬化性樹脂を用
いることができ、これらの樹脂の中に、ミネラル、マイ
カ、炭酸カルシウム等の充填剤や発泡剤を混入させるこ
とも可能である。繊維基材は、予めバインダを加えて形
成された不織繊維マットを加熱するか、若しくは、前記
不織繊維マットをバインダとともに加熱した後、あるい
は加熱と同時に加圧し、その後、圧力を解除して冷却せ
しめ、不織繊維マットを構成する基材繊維をバインダに
より接合することによって作製され、嵩高で曲げ強度や
圧縮強度に優れる。また厚みの厚いものをつくる場合で
あっても、素材となる不織繊維マットが嵩高で、厚みが
あるため、従来用いられていた積層工程(カードウェブ
を用いると、複数枚積層しなければならない)は不要と
なる。
【0014】繊維基材は、少なくとも一方の表面に樹脂
層を設けることによって、前記曲げ強度や圧縮強度をさ
らに向上でき、またニット調表面側に樹脂層を設けれ
ば、初期の意匠性を長期にわたり維持することができ
る。ニット調表面および湾曲繊維群を形成する基材繊維
としては、無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ
繊維、セラミック繊維、ロックウール繊維)、金属繊維
(ホウ素繊維、スチール繊維)、有機繊維(ポリエステ
ル系繊維、ポリアミド系繊維、アラミド系繊維、フェノ
−ル系繊維、フッ素繊維などの樹脂繊維、レーヨン系、
アセテート系、綿、麻、羊毛などの天然繊維)などを用
いることができる。
【0015】前記繊維の径としては、0.1〜2000
μmの範囲のものを利用できる。より好ましい繊維の径
は、3〜100μmである。前記繊維の長さとしては、
0.1〜500mmの範囲のものを利用できる。より好
ましい繊維の長さは、10〜100mmである。また前
記繊維としては、クリンプをつけたもの、カップリング
剤などの表面処理を施したもの、中空状のものを用いる
ことができる。
【0016】バインダとしては、繊維状、液状、粉末状
などのものを用いることができる。例えば、繊維状およ
び粉末状のバインダは、繊維基材を製造するに先立ち予
め用意される原料繊維としての基材繊維に所定の配合比
率で混合されるとともに、バインダを含んで形成された
不織繊維マットを加熱処理することにより、溶融あるい
は軟化後、凝固させて前記基材繊維を結着するものであ
る。なお、液状あるいは粉末状のバインダについては、
予め基材繊維により不織繊維マットを製造した後に加え
ることが可能である。
【0017】繊維状バインダとしては、熱可塑性繊維が
用いられる。この熱可塑性繊維としては、例えばポリプ
ロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系、ポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステル系、ナイロン
6、ナイロン66などのポリアミド系、ポリアクリロニ
トリル、ポリビニルアルコ−ル、ポリ塩化ビニリデン、
セルロースなどの繊維を用いることができる。これらの
熱可塑性繊維の長さおよび径は、種々設定できる。
【0018】また、繊維状のバインダとして芯鞘形状の
合成繊維を用いることができる。なお、芯鞘形状の合成
繊維とは、芯となる合成繊維と、この芯の外周側に一体
的に形成され所定の厚みで芯を鞘状に被覆する樹脂被膜
とよりなり、所定の加熱温度で鞘(樹脂被膜)が溶融あ
るいは軟化し、接着作用を発揮するものである。芯鞘形
状の合成繊維としては、例えば芯と鞘とが同じPETで
鞘の方が低融点としたもの、芯がPETで鞘がポリエチ
レンとしたもの、芯がポリプロピレンで鞘がポリエチレ
ンとしたものが考えられる。また芯と鞘との軸心が偏心
したタイプであって、芯がポリプロピレンで鞘がポリエ
チレンよりなるものなどを用いることもできる。
【0019】粉末状のバインダとしては、ポリエチレン
パウダ、ポリプロピレンパウダ、フェノ−ルパウダなど
の樹脂パウダである。液状のバインダは、前記繊維状の
バインダのように繊維基材の製造に先立ち、原料繊維と
しての基材繊維に所定の配合比率で混合する代わりに、
繊維基材を製造する過程で形成された不織繊維マットを
液体バインダ中に浸すことによって、不織繊維マットを
形成する基材繊維間に含浸処理した後、加熱により前記
基材繊維を結着するエマルジョンや、有機溶剤を含む樹
脂などである。
【0020】前記エマルジョンとしては、例えばSB
(スチレン・ブタジエン樹脂)系、アクリル系、PVA
(ポリビニルアルコール)、フェノ−ルエマルジョン、
エポキシ樹脂、飽和ポリエステルエマルジョン、EVA
(エチレン・酢酸ビニル樹脂)などである。湾曲繊維群
およびニット調表面を形成する基材繊維とバインダとの
配合比率は、95重量部:5重量部〜5重量部:95重
量部の範囲とすることができる。
【0021】この理由として、基材繊維の配合量が95
重量部を越える場合は、バインダの量が少な過ぎて、基
材繊維同士の結着が不十分となり、製品として要求され
る剛性や、保形性を満足させることが困難となる。ま
た、基材繊維の配合量が5重量部未満の場合は、骨組み
となる基材繊維の量が不足してしまい、やはり十分な剛
性が得られないと同時に、基材繊維同士が樹脂に塗れて
結着するため、柔軟性に乏しく、脆さが増すことにな
る。なお、前記理由からより好ましい配合比率は、75
重量部:25重量部〜25重量部:75重量部である。
【0022】湾曲繊維群およびニット調表面を形成する
繊維の種類と、バインダの種類との組み合わせは、種々
設定できる。ニット調表面を形成するループの数は、繊
維基材の巾方向で0.1個/cm〜50個/cmの範囲
とすることができる。この理由としてはループの数が前
記値を超過するような巾の小さいループは形成が困難と
なり、また前記値に満たない場合、ループの一つ一つが
大きくなりすぎるため、製品としての剛性が不十分とな
るからである。なお、前記理由からより好ましいループ
の数は、巾方向で1.0個/cm〜10個/cmであ
る。
【0023】湾曲繊維群を形成する湾曲繊維束の数は、
繊維基材の長手方向(製造過程での流れの方向)で0.
1個/cm〜200個/cmの範囲とすることができ
る。この理由としては、湾曲繊維束の数はループの数と
一致するので、湾曲繊維束の数が前記値を超過するよう
な長さの短いループは形成が困難であり、逆に湾曲繊維
束の数が前記値に満たない場合は一つ一つのループが長
くなりすぎるため、製品としての剛性が不十分となるか
らである。なお、前記理由からより好ましい湾曲繊維束
の数は、繊維基材の長手方向で2個/cm〜10個/c
mである。
【0024】ニット調表面に樹脂シートを接合するに
は、樹脂シートのニット調表面に対向する面(当接する
面)を溶融あるいは軟化後、ニット調表面に樹脂シート
を積層し、樹脂シートを凝固させ、あるいは予めニット
調表面に含ませたバインダを溶融あるいは軟化後、ニッ
ト調表面に樹脂シートを積層して、前記のバインダを凝
固させたり、また、ニット調表面と樹脂シートとの間に
シート状接着剤など介在させることによって、両者を接
着することができる。
【0025】前記ニット調表面に接合されるシートとし
ては、樹脂フィルム、紙、不織布、フォーム体、織布、
などを用いることができる。前記樹脂フィルムなどは、
目的とする色彩をもつものや、炭カル入りのものや、エ
ンボス加工を施したもの、印刷を施したもの、などを用
いることができる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)本発明の不織繊維マット1の実施例1を図
1〜図12に基づき以下に説明する。図1に示す不織繊
維マット1は、自動車用内装基材などの素材として用い
られるもので、その一面aおよび他面bでそれぞれ鎖状
に連結された多数のループ41aおよび41bによって
形成されたニット調表面4aおよび4bと、ニット調表
面4a、4bの裏側から伸び、ループ41a、41bの
配向方向(図1の矢印P2参照)とは逆方向(図1の矢
印P1参照)に湾曲する湾曲繊維群40とよりなり、嵩
高で軽く、厚みの復元性を備えたものである。
【0027】ニット調表面4aは、不織繊維マット1の
製造過程でウェブ1b(図3参照)の巾W1方向の一列
に多数配置された各編針63によって、基材繊維として
所定量(本)のポリエチレンテレフタレート(以下、P
ETと称す)繊維2を束ねて、一面a側でウェブ1bの
搬送方向(図5〜8の矢印P1参照)と逆方向(図5〜
8の矢印P2参照)に多数のループ41aとして配向形
成し同時に、配向方向に沿ってループ41a(旧ルー
プ)の内側から次のループ(新ループ)を順次引き出
し、ループ41a同士を鎖状に連結することにより形成
したものである。
【0028】ニット調表面4bは、前記ニット調表面4
aを形成後の中間体1d(ー面a側で編み込み加工済の
もの、図9参照)の他面b側に、図10に示す編針65
を用いて形成される。すなわち、中間体1dの巾W2方
向(図9参照)の一列に多数配置され、前記編針63と
は先端形状を異にする多数の編針65によって、それぞ
れ所定量(本)のPET繊維2を束ねて、中間体1dの
搬送方向(図11の矢印P1参照)と逆方向(図11の
矢印P2参照)に多数のループ41bとして配向形成し
同時に、配向方向に沿ってループ41b(旧ループ)の
内側から次のループ41b(新ループ)を順次引き出
し、ループ41b同士を鎖状に連結することにより形成
したものである。
【0029】湾曲繊維群40は、前記ニット調表面4a
および4bの裏側から伸び、前記ループ41aおよび4
1bの配向方向(前記矢印P2参照)とは逆方向(前記
矢印P1参照)に湾曲するとともに、前記不織繊維マッ
ト1の巾W方向の横一列に配列され、PET繊維2から
なる多数の湾曲繊維束400が互いに隣合う位置で交絡
した状態にある。
【0030】前記不織繊維マット1の製造方法を以下に
説明する。不織繊維マット1を製造するために用いられ
る製造ラインとしては、図2に示されるように、それぞ
れ配置された繊維供給装置6、カード機6b、上面ニッ
テング用のクーニット機6c、下面ニッテング用のマル
チニット機6e、前記クーニット機6cとマルチニット
機6eとの間に配置された巻き取り機6d、それらの間
の搬送経路に配置されたコンベアべルト7a〜7cおよ
び各機6c、6d、6eに配設された搬送用のローラを
備えている。
【0031】実施例の不織繊維マット1を製造するに際
してニット調表面4a、4bおよびその間の湾曲繊維群
40とを形成するPET繊維2が用意される。PET繊
維2は、デニール3d/f×繊維長さ51mmである。
そして前記製造ラインを用い、繊維供給工程、繊維集合
体(ウエブ)形成工程、一面側編み込み工程、他面側編
み込み工程が順に実施される。
【0032】まず、繊維供給工程では、繊維供給装置6
によりPET繊維2が移動するコンベアべルト7a上に
送出されるとともに、カード機6bに搬送される。ウエ
ブ形成工程では、PET繊維2をカード機6bで開繊処
理するとともに、その搬送(流れの)方向に前記PET
繊維2が配向した状態で厚さがほぼ均一に積層処理され
たウエブ1b(図3参照)として形成される。
【0033】このウェブ1bは、コンベアべルト7b、
7cにより上面ニッテング用のクーニット機6cに搬送
され一面側編み込み工程が施される。上面ニッテング用
のクーニット機6cは、図3に示されるように、前記カ
ード機6bからのウェブ1bを上から下に向かって搬送
する途中、ウェブ1bの長手方向と直交する方向に所定
の曲げ長さで2つに折り畳み、折り畳み領域1cを形成
する揺動ブラシ62と、ウェブ1bの折り畳み領域1c
内に出し入れ往復移動するとともに互いに平行で、かつ
ウェブ1bの巾W1方向に複数個が配置され、かつ複数
個が同時に、同じタイミングで往復移動(図3の矢印X
1、X2参照)する複数個の編針63をもつ。
【0034】揺動ブラシ62は、揺動軸60を中心とし
て揺動する揺動部材61の先端に設けられ、ウェブ1b
の巾W1より若干、長い巾長さのものである。編針63
は、図4に示されるように円柱状の先端部630とその
後方に形成された係合溝631をもつ。先端部630お
よび係合溝631は、角部分および接続部分が面取り形
状あるいは丸み(アール)状に形成されている。
【0035】この編針63には、その軸方向に沿って矢
印X1方向および矢印X2方向に往復移動し前記係合溝
631を開閉するとともに、そのタイミングを制御する
開閉部材64がセットされている。なお、複数個の編針
63が往復移動する速度、ウェブ1bの長手方向の移動
速度、揺動ブラシ62による折り畳み領域1cの折り畳
み速度、などを目的の値に種々設定することによって、
湾曲繊維束400の湾曲の曲率半径、ループ41aの大
きさ、湾曲繊維束400およびループ41aの数などを
制御することができる。
【0036】この一面側編み込み工程では、図3および
図5に示されるように、揺動ブラシ62により2つに折
り畳まれ形成された折り畳み領域1cに、複数個の編針
63が往移動(矢印X1参照)し突入する。このとき、
編針63は、前回の復移動(矢印X2参照)により形成
され湾曲繊維束400に連設された既設のループ41a
の孔内を往移動(矢印X1参照)して挿通し、折り畳み
領域1cの最深部に係合溝631を位置させる。
【0037】次いで、復移動する複数個の編針63は、
その係合溝631に前記折り畳み領域1cより所定量の
PET繊維2を繊維束として引っかける。この編針63
の係合溝631にPET繊維2を引っかけた状態は、図
6に示されるように、開閉部材64で係合溝631を閉
じることによって保持され、かつ既設のループ41aは
旧ループ41aとなり、その孔内を復移動して挿通し、
前記湾曲繊維束400をウェブ1bの一面側に引き出
す。
【0038】ここで折り畳み領域1cで編針63が突入
する打ち込み深度t2は、ウェブ1bの厚さt1のほぼ
5〜30倍となるため、例えば、ウェブ1bの厚さ方向
(ほぼ垂直)に編針63を突入する場合よりも、多くの
繊維を捕捉することが可能となる。そして編針63の係
合溝631に引っかかった所定量のPET繊維2よりな
る繊維束は、図7に示されるように、湾曲した形状に形
成された湾曲繊維束400と、湾曲繊維束400に連設
し前記引っかかった位置を頂点O1とするほぼU字状の
新ループ41aとして形成される。
【0039】図7に示される新ループ41aは、編針6
3による新たな往移動に移行する段階で既設の旧ループ
41aとなり、この旧ループ41aの内側から次の新た
なループ41aを順次引き出し、ループ同士41aを鎖
状に連結する、いわゆるステッチ加工(編み込み加工)
が繰り返し施され、ニット調表面4aが形成される。な
お、編針63の係合溝631に引っかかった所定量のP
ET繊維2により形成される湾曲繊維束400がループ
41aの配向方向(前記矢印P2参照)とは逆方向〔ウ
ェブ1bの進行方向(前記矢印P1参照)〕に湾曲する
理由としては、新たなループ41aが、これより以前に
形成した既設の旧ループ41aの内側から引き出され、
旧ループ41aとその湾曲繊維束400および新たなル
ープ41aの湾曲繊維束400が一面側編み込み済の中
間体1dとともに前進方向(矢印P1方向)に移動する
場合において、前記新たなループ41aは、図7で示さ
れるようにその頂点O1を定位置で往復移動する編針6
3に保持されつつ、その湾曲繊維束400と相対的に逆
方向(矢印P2方向)に引っ張られて付勢されるため、
中間体1dの前進方向(矢印P1方向)と逆方向に屈曲
し、かつウェブ1bの表面に沿って倒れて配向し、かつ
湾曲繊維束400の中央部Oが前側(矢印P1参照)と
なるように湾曲すると考えられる。
【0040】このようにしてウェブ1bの巾W1方向に
沿って複数個が平行に配置された編針63の往復移動が
繰り返えされることによって、ウェブ1bの内部で互い
に交絡しているPET繊維2を、複数の湾曲繊維束40
0としてウェブ1bの巾W1方向に一斉に形成しつつ一
面a側に引出すことにより、隣合う湾曲繊維束400同
士が互いに綿状に絡み合った状態で、かつこれらの湾曲
繊維束400に連設して一面a側で前記のように配向す
る多数のループ41aよりなるニット調表面4aを備え
た一面側編み込み加工処理済の中間体1dが得られる。
【0041】この一面側編み込み加工処理済の中間体1
dは、下面ニッテング用のマルチニット機6eに搬送さ
れる。マルチニット機6eは、中間体1dの巾方向に複
数個の編針65が配置され、かつ複数個の編針65が同
時に、同じタイミングで往復移動する(図10参照)。
【0042】この編針65は、片矢状の先端部650と
その後方に形成された係合溝651とをもち、その軸方
向に沿って矢印X1方向および矢印X2方向に往復移動
し前記係合溝651を開閉するとともに、そのタイミン
グを制御する開閉部材66がセットされている。また、
他面側編み込み工程において、前記一面側編み込み工程
で用いた円柱状の先端部630をもつ編針63と異な
り、片矢状の先端部650をもつ編針65を用いる理由
は、中間体1d内に編針65を通しやすくするためと、
中間体1dの構造を崩さないための配慮である。
【0043】他面側編み込み工程では、マルチニット機
6eにより一面側編み込み済の中間体1dの一面a側と
反対側の他面b側に対し、前記編み込み工程と同じよう
に編み込み加工処理される。すなわち、編針65を往移
動し中間体1d内に突入することにより係合溝651に
引っかけた繊維束400を前記編み込み工程と同じよう
に編み込み加工処理する。
【0044】すると、図11に示されるように、既設の
旧ループ41bの内側から次の繊維束400を新ループ
41bとして順次引き出し、中間体1dの前進方向(矢
印P1方向)と逆方向(矢印P2方向)に屈曲して配向
するとともに、旧ループ41bと新ループ41bとを鎖
状に連結する、いわゆるステッチ加工(編み込み加工)
が繰り返し施されることによってニット調表面4bが形
成され、かつ両面編み込み済の不織繊維マット1が得ら
れる。
【0045】このようにして他面側編み込み加工処理さ
れ、製造を終えた両面編み込み済の不織繊維マット1
(図1参照)は、巻き取り機6dに搬送されて一旦、巻
き取られる。実施例1の不織繊維マット1は、一面a側
に、基材繊維2を多数のループ41aとして配向形成し
同時に、配向方向に沿ってループ41aとの内側から次
のループ41aを順次引き出し、ループ41a同士を鎖
状に連結することにより形成したニット調表面4aを備
え、他面b側に、基材繊維2を多数のループ41bとし
て配向形成し同時に、配向方向に沿ってループ41bと
の内側から次のループ41bを順次引き出し、ループ4
1b同士を鎖状に連結することにより形成したニット調
表面4bを備え、さらに、両面a、b間に、ニット調表
面4a、4bの裏側から伸び、ループ41a、41bの
配向方向とは逆方向に湾曲する湾曲繊維群40が設けら
れている。
【0046】このため、不織繊維マット1は、前記湾曲
繊維群40を備えるため、ニードルパンチング処理が施
された従来の不織布に比べ、嵩高で空隙率が高く、吸
音、断熱性に優れ、軽く取り扱いが容易であり手ざわり
感が良い。さらに、不織繊維マット1は、不織布状であ
るため、形状自由度が高く、成形用基材として用いた場
合、その成形性が良好である。
【0047】本発明の内装材の実施例2〜4を以下に説
明する。 (実施例2)図12に示す実施例2の内装材1Aは、基
材繊維としてグレー色のPET繊維2a(デニール3d
/f×繊維長さ51mm)を用いて製造された目付量2
00g/m2 の不織繊維マット10aとして形成した
後、ニット調表面4aにアクリル樹脂を20g/m2
布し乾燥させて透明被覆層20を形成したこと以外は、
前記実施例1の不織繊維マット1と同じ構成である。従
って、実施例1の不織繊維マット1と同じ構成部分の説
明を省略する。
【0048】実施例2の内装材1Aによると、意匠面と
なるニット調表面4aを形成するグレー色のPET繊維
2aの色彩が透明被覆層20を透過して視認でき、意匠
効果を高めることができる。すなわち、ニット調表面4
aは、透明被覆層20で被覆、保護されているため、面
剛性を高めることができ、また、ステッチ柄がくずれに
くく、耐摩耗性、耐スクラッチ性に優れるので、意匠面
の劣化や損耗が小さく、初期の意匠性を長期にわたり維
持することができる。なお、前記PET繊維2aの色彩
は、グレー色に限定されるものではなく、種々の色もの
を用いることができる。
【0049】さらに、ニット調表面4aに塗布するアク
リル樹脂の代わりに、厚さが30μmの直鎖状低密度ポ
リエチレンフィルムを貼着しても良い。貼着の方法は、
低密度ポリエチレンフィルムの内面を170℃になるま
で加熱し、不織繊維マットのニット調表面4aに積層し
てプレスすることによる。また、もう一方の表面である
ニット調表面4b側にも樹脂フィルムを貼着しても良
く、この場合は、表裏2枚の樹脂フィルムによって、内
装材は不通気性となる。従って、この内装材を通過する
空気流が殆どなくなるために、この空気流の中に含まれ
たダストが内装材表面に付着せず、意匠面が汚れること
を防止できる。樹脂フィルムの貼着の方法は、ニット調
表面4aに樹脂フィルムを貼着する方法と同様の手法を
用いる事ができ、樹脂フィルム自体としても、厚さが1
0μm〜200μm程度のポリエチレン、ポリプロピレ
ン、若しくはナイロン等の熱可塑性樹脂フィルムを用い
ることができる。
【0050】実施例2の変形例として、実施例2の内装
材1Aのニット調表面4bに、ナイロン6からなる50
μmのフィルムを貼着したものを挙げる。この変形例の
場合、表裏の樹脂フィルムによる不通気性だけでなく、
高融点のナイロン樹脂フィルムを採用することによっ
て、内装材1Aに耐熱性を付与することができた。 (実施例3)図13に示す実施例3の内装材1Bは、基
材繊維としてグレー色のPET繊維2a(デニール3d
/f×繊維長さ51mm)と低融点PET繊維3a(4
d/f×繊維長さ51mm)とを、75重量部:25重
量部の配合比率で混繊したものをウェブ形成材料とし、
不織繊維マット10bとして形成後、低融点PET繊維
3aの鞘部分を融点以上に加熱し、バインダとしてPE
T繊維2aを結着させたこと以外は、前記実施例2の不
織繊維マット1Aと同じ構成である。
【0051】実施例3の内装材1Bによると、ニット調
表面4a、4bおよび湾曲繊維群40を形成するPET
繊維2aが前記バインダによって互いに結着しているた
め、実施例2の内装材1Aの場合よりも、ニット調表面
4a、4bの面剛性および湾曲繊維群40の剛性が向上
し、かつ取り扱いやすいものとなる。 (実施例4)図14に示す実施例4の内装材1Cは、ニ
ット調表面4aに対して裏面となるニット調表面4b
に、ポリエチレンよりなる接着層210、212と、ナ
イロン6よりなる耐熱層211とをもつ厚さ100μm
のフィルム21に貼着させたこと以外は、前記実施例2
の内装材1Aと同じ構成である。
【0052】実施例4の内装材1Cは、前記フィルム2
1の接着層212により図略のボード材との接着機能を
備えるため、ボード材に貼り合わせて表皮材として用い
る場合、その取り付け操作を素早くなし得る。さらに、
この内装材1Cは、ニット調表面4aに形成されたアク
リル樹脂よりなる透明被覆層20と、ニット調表面4b
に貼着させたフィルム21とによって、サンドイッチ状
に挟持され厚み方向の通気を遮断でき、かつ保護されて
いるため、通気による汚れ防止機能をもつ。
【0053】本発明の繊維強化樹脂材料の実施例5〜8
を以下に説明する。 (実施例5)図15に示す実施例5の繊維強化樹脂材料
1Dは、基材繊維としてガラス繊維2c(φ10μm×
繊維長さ75mm)とPET繊維3b(6d/f×繊維
長さ64mm)とを、95重量部:5重量部の配合比率
で混繊した後、解繊して形成されたウェブを材料として
製造された中間製品である不織繊維マット10dを芯材
とし、かつこの不織繊維マット10dに不飽和ポリエス
テルを主剤とした樹脂ペースト(600g/m2 )を含
浸し、シ−ト状物として製造したたこと以外は、実施例
1の不織繊維マット1と同じ構成である。
【0054】この繊維強化樹脂材料1Dは、目的とする
形状のキャビィティをもつ成形型を用い、かつキャビィ
ティ内に配置するとともに、型閉じ状態とし、圧力:3
0〜200kg/cm2 、温度:50〜200℃で樹脂
ペーストを凝固させることによって製造される。実施例
5の繊維強化樹脂材料1Dは、その骨格をなす不織繊維
マットの殆どが、強度にすぐれたガラス繊維から構成さ
れると同時に、不織繊維マットの基材繊維間の空隙には
マトリックスである樹脂が充填・固化されているので、
軽量で剛性に富んだ繊維強化樹脂材料となる。
【0055】また、芯材となる不織繊維マットは、もと
もと嵩高に形成されるため、この不織繊維マットを用い
ることによって、肉厚の繊維強化樹脂材料を容易に効率
よく作製することができる。また、不織繊維マットのニ
ット調表面部分は、ガラス繊維束が編み上げられた状態
のまま、マトリックスによって固化されるので、通常の
ガラス短繊維などによって補強される繊維強化樹脂材料
よりも、更に優れた面剛性を発揮する。従って、自動車
用のバンパービーム材など補強材あるいは構造材として
好適に用いることができる。
【0056】(実施例6)実施例6の繊維強化樹脂材料
1Eは、前記実施例5と同じ不織繊維マット10cを、
目的とする形状のキャビィティをもつ成形型を用い、か
つキャビィティ内に配置するとともに、型閉じ状態と
し、圧力:30〜200kg/cm2 、温度:50〜2
00℃でナイロン6(400g/m2 )を成形型の注入
口より圧入、含浸させること以外は、前記実施例5と同
じである。
【0057】実施例6の繊維強化樹脂材料1Eによる
と、実施例5のように樹脂ペーストを含浸する手間が省
け、工程を簡素化できる。 (実施例7)実施例7の繊維強化樹脂材料1Fは、前記
実施例5と同じ不織繊維マット10cを用いるととも
に、前記実施例6と同様、ナイロン6を成形型の注入口
より圧入、含浸させる場合において、ナイロン6にミネ
ラル(200g/m2 )を加えること以外は、前記実施
例6と同じである。
【0058】実施例7の繊維強化樹脂材料1Fによる
と、実施例6の場合よりも曲げ弾性率および耐熱変形温
度を向上できる。 (実施例8)実施例8の繊維強化樹脂材料1Gは、前記
実施例5と同じ不織繊維マット10cを用いるととも
に、前記実施例7と同様、ナイロン6を成形型の注入口
より圧入、含浸させる場合において、ナイロン6に発泡
剤を加えること以外は、前記実施例7と同じである。
【0059】実施例8の繊維強化樹脂材料1Gによる
と、発泡材を加えることにより、軽量化できる。 (実施例9)本発明の繊維基材の実施例9を図16〜図
18に基づき、かつ図2を参照して以下に説明する。
【0060】図16に示される実施例9の繊維基材1H
は、基材繊維としてガラス繊維2hを用いるとともに、
繊維混合工程でバインダとしてのポリプロピレン(以
下、PPと称する)繊維3hをガラス繊維2hに混合
し、実施例1と同じウエブ形成工程、一面側編み込み工
程、他面側編み込み工程を施しニット調表面4a、4b
およびその間の湾曲繊維群40とを備えた不織繊維マッ
ト10hを形成した後、この不織繊維マット10hに対
し図略の加熱、加圧装置を用いて加熱、加圧工程を実施
し、前記PP繊維3hを溶融あるいは軟化後、凝固させ
ることによりガラス繊維2hを接合し製造すること以外
は、前記実施例1と同じである。従って、実施例1と同
じ構成および同じ工程の説明を省略する。
【0061】繊維基材1Hは、厚さt1が約5mm、平
均目付量が600g/m2で長尺状のものを目的とする
巾および長さに切断し、調整された弾性を備えたシート
状のもので、基層4と、基層4の一面a側、他面b側に
一体的に形成され、前記基層4をサンドイッチ状に挟持
する2つのニット調表面4a、4bとよりなる。基層4
は、図16および図17のように、ニット調表面4aの
ループ41aの配向方向(前記矢印P2参照)と逆方向
(前記矢印P1参照)に湾曲した状態の断面略三日月状
で繊維基材1Hの巾方向Wに伸び、繊維基材1Hの長手
方向Pに沿って多数、配列された湾曲不織布片4cと、
この湾曲不織布片4cと交互に形成された空洞4dとよ
りなる。
【0062】湾曲不織布片4cは、不織繊維マット10
h(図18参照)に対し図略の加熱、加圧装置を用いて
加熱、加圧工程を施すことによりPP繊維3hをバイン
ダとして溶融あるいは軟化後、凝固させることによっ
て、前記湾曲繊維群40をPP繊維3hとともに形成す
るガラス繊維2hが接合し、ニット調表面4a、4bを
形成する多数のループ41aあるいは41bの繊維基材
1Hの巾方向Wの一列毎に形成される。
【0063】湾曲不織布片4cは、不織繊維マット10
h(図18参照)に加熱、加圧工程を施すことにより、
湾曲繊維群40中のPP繊維3hをバインダとして溶融
あるいは軟化後、凝固させることによりガラス繊維2h
同士が接合して形成される。なお、PP繊維3hは、ガ
ラス繊維2hを接合する場合、繊維としての原形を失う
ため、図16、図17に図示されない。
【0064】繊維基材1Hを製造するに際して、まず、
その中間製品である前記不織繊維マット10hを製造す
るため、基材繊維としてのガラス繊維2hと、前記ガラ
ス繊維2h同士を接合する繊維状バインダとして用いる
PP繊維3hとが用意される。ガラス繊維2hは、φ1
0μm×繊維長さ75mmであり、PP繊維3hはデニ
ール6d/f×繊維長さ76mmである。
【0065】そして前記製造ラインを用い、繊維混合工
程を実施し図2に示される繊維混合供給装置6aを用い
てガラス繊維2hとPP繊維3hとを50重量部:50
重量部の配合比率で混繊し混繊体1aを得る。この混繊
体1aは、実施例1と同じようにウエブ形成工程、一面
側編み込み工程、他面側編み込み工程を実施することに
より、ニット調表面4a、4bと、ニット調表面4a、
4bの間に多数の湾曲繊維束400よりなる湾曲繊維群
40とを備え、他面側編み込み加工処理され両面編み込
み済の不織繊維マット10h(図2、図18参照)は、
巻き取り機6dに搬送されて一旦、巻き取られる。
【0066】この後、前記両面編み込み済の不織繊維マ
ット10hは、巻き取り機6dから図略の加熱、加圧装
置に搬送され、加熱工程、加圧工程が順に施される。す
なわち、巻き取り機6dより加熱、加圧装置内に搬送さ
れた不織繊維マット10hは、PPの軟化点温度(15
0℃)以上あるいは融点温度(160℃)以上に加熱さ
れた状態で加圧される。
【0067】すると、PP繊維3hは、溶融あるいは軟
化するとともに、不織繊維マット10hの湾曲繊維群4
0およびニット調表面4aのループ41a、ニット調表
面4bのループ41bを形成する各ガラス繊維2hの隙
間に浸透し、この後、不織繊維マット10hの加圧状態
を解除する中で、溶融したポリプロピレンの凝固が始ま
り、各ガラス繊維2hを接合するバインダとして機能す
ることによって、前記湾曲繊維群40は、多数の湾曲不
織布片4cとなる。
【0068】このバインダ凝固の過程において、ガラス
繊維2hのもつスプリングバック機能により厚みを回復
し、厚さtが約5mm、平均目付量が600g/m2
調整された図16に示す繊維基材1Hとして完成する。
繊維基材1Hは、その長手方向Pに沿って多数配列さ
れ、ガラス繊維2hが集合した湾曲繊維群40をバイン
ダにより接合させることによって形成された特異な断面
形状(略三日月形成状)の湾曲不織布片4cよりなる基
層4と、基層4をサンドイッチ状に挟持するニット調表
面4a、4bとよりなる。
【0069】この繊維基材1Hは、ニット調表面4a、
4bが基層4を形成する湾曲した多数の湾曲不織布片4
cで保持されているため空間率が大きく、軽量、嵩高で
厚さ方向および面方向の弾性に優れ、所定の曲げ剛性を
備えており、例えば、厚さ方向に荷重が加わったして
も、湾曲した湾曲不織布片4cが撓むことによって、弾
性変形し、その荷重を吸収することができる。
【0070】また、前記基層4およびニット調表面4
a、4bは、繊維としてガラス繊維2hによって形成さ
れているため、その製造過程および製造後、他の製品の
熱成形用素材として用いられた熱成形における加熱時の
熱寸法安定性が良く、目的とする寸法精度を得ることが
できる。また、繊維基材1Hは、両面がニット調表面と
なっているために、意匠性に優れると同時に、面剛性、
面弾性にも優れ、大きな荷重にも耐えることができる。
【0071】前記繊維基材1Hを熱成形用素材として例
えば、自動車等の天井材として用いる場合には、必要と
するサイズに切断した後、約180℃に加熱しガラス繊
維2hの弾性反力により自然拡厚させた後、目的とする
形状のキャビティ面およびキャビティ空間を備え、約5
0℃に加熱されたプレス型をもつ温間プレス装置により
プレス加圧成形し、加圧を解除すると、厚みが4mm〜
5mmの前記形状の天井材(成形品)が得られる。
【0072】なお、このようにして得られた天井材は、
3点曲げ試験機により測定した結果、20N/5cmの
最大曲げ荷重が得られた。 (比較例)得られた実施例の繊維基材1Hの効果を確認
するため、比較例としてニードルパンチにより得られた
繊維基材を用い、かつ同一目付(目付量平均600g/
2)、厚さ(5.0mm)の条件下で最大曲げ荷重
(N/50mm)として3点曲げ試験機により測定し
た。
【0073】その結果、最大曲げ荷重は、比較例の繊維
基材の場合には10.0N/50mmであったのに対
し、実施例の繊維基材1Hの場合には前記比較例の2倍
の20.0N/50mmの最大曲げ荷重が得られること
が判明した。前記不織繊維マット10hを用いて繊維基
材1Hとする場合の使用例1、2および変形例1、2、
3、4を以下に示す。
【0074】(使用例1)使用例1としては、図18に
示す加熱、圧縮加工を施す前の不織繊維マット10hを
2枚、厚み方向に重ね合わせて用いることもできる。な
お、この場合、上下2枚の不織繊維マット10h、10
hは、図19に示すように、ループの配向方向を90°
ずらした状態で重ね合わせられる。重ね合わせられた上
下2枚の不織繊維マット10h、10hは、パンチング
密度の小さなニードルパンチ処理が施され接合するた
め、全体としてX方向およびZ方向の強度を向上でき、
かつ両方向の強度をほぼ均一とすることができる。
【0075】また、不織繊維マット10hの代わりに、
一面aのみが編み込み加工済の実施例1の中間体1d
(図9参照)を用い、この中間体1dの未加工面(他面
b)同士が合わされれるように重ねたものを使用するこ
ともできる。 (使用例2)使用例2としては、図20に示されるよう
に、不織繊維マット10hのニット調表面4aおよび4
bに厚さ100μmのPE(ポリエチレン)フィルム7
aおよび7bを積層し、この積層物に加熱、圧縮加工を
施すことによってPEフィルム7aおよび7bを貼着せ
しめ、PEフィルム付き繊維基材1Hを形成する。
【0076】この場合には、前記PEフィルム7aおよ
び7bによって強化され、前記繊維基材1Hのみを単独
で使用する場合よりも、さらに強度を向上し得る。な
お、前記PEフィルム7aおよび7bとして炭カル入の
ものを用いることにより、艶消し効果によりその意匠性
を向上し得る。 (変形例1)繊維基材1Hの変形例1は、バインダとし
てグレー色のPP繊維3h1(図2参照)を用いたこと
以外は、前記実施例9の場合と同じ構成である。
【0077】繊維基材1Hの変形例1によると、ニット
調表面4a、4bが溶融したPP繊維3h1のグレー色
に着色され、かつニット調表面4a、4bの一方を視認
側の面として表出させることによって、色彩による意匠
効果を向上できる。なお、前記視認側の面となるニット
調表面4a、4bの一方に種々の柄模様をプリントする
ことによって、さらに意匠効果を向上できる。
【0078】(変形例2)繊維基材1Hの変形例2は、
繊維として用いたガラス繊維2h2(図2参照)の径を
φ5μmとし、PP繊維3h2(図2参照)のデニール
8d/fより細いものを用いること以外は、前記実施例
9の場合と同じ構成である。変形例2の場合には、前記
一面側編み込み工程における編針63および他面側編み
込み工程における編針65により、湾曲繊維束40aお
よび40bとループ41aおよび41bを形成時に、P
P繊維3h2よりも径の細いガラス繊維2h2がより多
く引っかかりやすいため、ループ41aおよび41bを
形成する繊維束に占めるガラス繊維2h2の割合が、最
初の繊維配合比率よりも大きくなる。
【0079】従って、繊維基材1Hの変形例2による
と、例えば、図略の同一の径よりなるガラス繊維とPP
繊維とを用いて一面側編み込み工程および他側編み込み
工程を施した場合のニット調表面よりも、本変形例2に
おけるニット調表面の方が、基層に比較して剛性の高い
ガラス繊維2h2の配向量が多くなり、かつこの分、面
圧縮強度を向上し得る。
【0080】(変形例3)繊維基材1Hの変形例3は、
基材繊維として高融点(融点255℃)のPET繊維2
h3と、バインダとして低融点(融点160℃)のPE
T繊維3h3とを混合して用いることにより、同一樹脂
原料製とすることができ、かつ同一樹脂原料によるリサ
イクル性を向上できる (変形例4)繊維基材1Hの変形例4は、基材繊維とし
てガラス繊維とPP繊維を9:1の重量比率に配合して
製造した、300g/m2 の不織繊維マットを使用す
る。この不織繊維マットに、固形分濃度を50%に調整
したスチレンーブタジエン樹脂エマルジョンを600g
/m2 含浸させ、この次に、約130℃で乾燥させてエ
マルジョンの水分を蒸発させることにより、600g/
2 の繊維基材を得る。この繊維基材は、圧縮加工を行
うこと無く、作製できるため、実施例9の繊維基材1H
に比較して、製造工程の簡素化を図ることが可能とな
る。
【0081】
【発明の効果】
(1)請求項1の不織繊維マットは、両面に、基材繊維
を多数のループとして配向形成し同時に、配向方向に沿
ってループの内側から次のループを順次引き出し、ルー
プ同士を鎖状に連結することにより形成したニット調表
面を備え、さらに、両面間に、ニット調表面の裏側から
伸び、ループの配向方向とは逆方向に湾曲する湾曲繊維
群が設けられている。
【0082】このため、不織繊維マットは、その両表面
間に形成された湾曲繊維群により嵩高で空隙率が高く、
吸音性および断熱性に優れ、かつ軽く取り扱いが容易で
ある。さらに、不織繊維マットは、不織布状であるた
め、形状自由度が高く、成形用基材として用いた場合、
その成形性が良好である。 (2)請求項2の内装材は、前記請求項1記載の不織繊
維マットにおいて、ニット調表面に樹脂を積層若しくは
塗布したものである。
【0083】このため、内装材は、面剛性に優れるとと
もに、表面の意匠効果を高めることができる。 (3)請求項3の繊維強化樹脂材料は、請求項1記載の
不織繊維マットを芯材とするものである。このため、繊
維強化樹脂材料は、短繊維等で強化された従来の繊維強
化樹脂材料よりも剛性に優れ、複数積層させることな
く、単板として肉厚に形成できるため、種々の製品の成
形材としての用途を拡大できる。 (4)請求項5の繊維基材は、前記請求項1記載の不織
繊維マットをバインダとともに加熱した後加圧し、ある
いは加熱と同時に加圧し、その後、圧力を解除して冷却
せしめ、湾曲繊維群を形成する基材繊維をバインダによ
り接合したものである。
【0084】また、前記湾曲繊維群は、請求項4及び5
の繊維基材の段階においては繊維基材の長手方向に配向
形成されニット調表面を形成する多数のループの横(繊
維基材の巾方向)一列毎に、断面三日月状で前記巾
(横)方向に伸びる湾曲状不織繊維片としてなり、かつ
この湾曲状不織繊維片は、繊維基材の厚さ方向に対して
湾曲した空洞と交互に繊維基材の長手方向に配列され
る。
【0085】すなわち、請求項4及び5の繊維基材は、
その厚み方向に外部から作用力が加わり厚み方向に圧縮
された場合、湾曲状不織繊維片の曲率半径を小さくする
側に撓み、かつその弾性で前記作用力を吸収でき、従来
の繊維基材で例えば、基層を厚み方向に垂直状に配向し
た繊維束で構成したものと較べて折れにくく、面圧縮強
度(耐破損性)に優れる。
【0086】また、この繊維基材は、前記外部からの作
用力より開放された場合、前記圧縮に見合う反力によっ
て湾曲状不織繊維片の曲率半径を大きくする側に弾性復
帰でき、かつ元の形状に戻る復元性を高めることができ
る。 (5)請求項6の繊維基材は、請求項4及び5記載の繊
維基材の少なくとも一方の表面に樹脂層を設けたもので
ある。
【0087】このため、請求項6の繊維基材は、樹脂シ
ートによって請求項4及び5記載の繊維基材の場合より
ニット調表面が補強されさらに強度に優れるとともに、
この樹脂シートが表面摩耗や汚れからニット調表面を守
り、初期の意匠性を長期にわたり維持することができ
る。また、この繊維基材は、その厚み方向に外部から作
用力が加わった場合でも従来の垂直状の湾曲繊維束と較
べ、折れにくい湾曲した湾曲繊維束により形成された基
層を備えているため、前記従来の垂直状の湾曲繊維束が
折れることにより樹脂シートに皺を発生する不具合を低
減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の不織繊維マット(一面側編み込み工
程および他面側編み込み工程で形成された湾曲繊維群お
よびニット調表面をもつ不織繊維マット)を、一部、断
面し斜視して示す斜視図。
【図2】各実施例および各変形で用いる不織繊維マット
の製造過程を示す概略図。
【図3】図2における製造過程での一面側編み込み工程
を示す斜視図。
【図4】一面側編み込み工程で用いる編み針の要部を拡
大して示す側面図。
【図5】一面側編み込み工程でブラシにより形成された
ウェブの折り畳み領域内に、編み針を往移動(直前の編
み針の往復移動で形成された旧ループを挿通しつつ往移
動)させた状態を示す側面図。
【図6】図5におけるウェブの折り畳み領域内の基材繊
維を繊維束として編み針の係合溝に引っかけ、編み針を
復移動させた状態を示す側面図。
【図7】一面側編み込み工程で復移動させた編み針の係
合溝に引っかけられた繊維束を旧ループに潜らせるとと
もに、ウェブの一面側に引出し、湾曲繊維束および旧ル
ープに編み込まれた新ループが形成される状態を示す
図。
【図8】一面側編み込み工程で形成された湾曲繊維束お
よびループを拡大して示す斜視図。
【図9】一面側編み込み工程で形成された湾曲繊維束お
よびループよりなる中間体を示す斜視図。
【図10】図2における製造過程での他面側編み込み工
程で用いる編み針の要部を拡大して示す側面図。
【図11】他面側編み込み工程で形成された湾曲繊維束
およびループを拡大して示す斜視図。
【図12】実施例2の内装材を示す側面図。
【図13】実施例3の内装材を示す側面図。
【図14】実施例4の内装材を示す側面図。
【図15】実施例5、6、7、8の繊維強化樹脂材料を
示す側面図。
【図16】実施例9および各変形例の繊維基材を示し、
かつその一部を断面して斜視して示す斜視図。
【図17】図16における一部を拡大して示す部分拡大
斜視図。
【図18】図16における繊維基材に用いる不織繊維マ
ットを示す側面図。
【図19】実施例9の繊維基材の使用例1を示す斜視
図。
【図20】実施例9の繊維基材の使用例2を示す斜視
図。
【符号の説明】
1…不織繊維マット 1A、1B、1C…内装材(表皮
材) 1D、1E、1F、1G…繊維強化樹脂材料 1H…繊維基材 1b…ウェブ 1c…折り畳み領
域 1d…中間体 2…PET繊維 2a…グレー色の
PET繊維 2d、2h、2h1…ガラス繊維 2h2…径が細いガ
ラス繊維 3b、3h…低融点PET繊維 3d…PET繊維 3h…PP繊維、 3h1…グレー色の
PP繊維 3h2…径が太い細いグレー色のPP繊維 4…基層 4a、4b…ニット調表
面 4c…湾曲不織布片 4d…厚さ方向
に対して湾曲した空洞 41a、41b…ループ 400…湾曲繊維

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方の表面には、基材繊維から
    なる多数のループを配向形成し同時に、該ループの配向
    方向に沿って該ループの内側から次のループを順次引き
    出し、ループ同士を鎖状に連結することによりニット調
    表面が形成される不織繊維マットにおいて、 該不織繊維マットの両面間には、該ニット調表面の裏側
    から伸び、前記ループの配向方向とは逆方向に湾曲する
    湾曲繊維群が設けられていることを特徴とする不織繊維
    マット。
  2. 【請求項2】請求項1記載の不織繊維マットの少なくと
    もニット調表面には、樹脂が積層若しくは塗布されてな
    る内装材。
  3. 【請求項3】請求項1記載の不織繊維マットを芯材とす
    る繊維強化樹脂材料。
  4. 【請求項4】請求項1記載の不織繊維マットの基材繊維
    が、バインダによって互いに接合されてなる繊維基材。
  5. 【請求項5】予めバインダが加えられてなる請求項1記
    載の不織繊維マットを加熱するか、若しくは、請求項1
    記載の不織繊維マットをバインダとともに加熱した後、
    加圧し、あるいは加熱と同時に加圧し、その後圧力を解
    除して冷却せしめ、前記不織繊維マットの基材繊維が前
    記バインダによって接合されてなる繊維基材。
  6. 【請求項6】少なくとも一方の表面に樹脂層を設けたこ
    とを特徴とする請求項4及び5に記載の繊維基材。
JP8235349A 1996-09-05 1996-09-05 不織繊維マット、及びこの不織繊維マットからなる内装材、繊維強化樹脂材料及び繊維基材 Pending JPH1077568A (ja)

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