JPH1080438A - 組織含有人工真皮及びその製造法 - Google Patents

組織含有人工真皮及びその製造法

Info

Publication number
JPH1080438A
JPH1080438A JP8237508A JP23750896A JPH1080438A JP H1080438 A JPH1080438 A JP H1080438A JP 8237508 A JP8237508 A JP 8237508A JP 23750896 A JP23750896 A JP 23750896A JP H1080438 A JPH1080438 A JP H1080438A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tissue
dermis
skin
artificial dermis
epidermis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8237508A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3772232B2 (ja
Inventor
Shinichiro Morita
真一郎 森田
Yukiya Maruguchi
幸也 丸口
Tomoko Maruguchi
友子 丸口
Shigehiko Suzuki
茂彦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunze Ltd filed Critical Gunze Ltd
Priority to JP23750896A priority Critical patent/JP3772232B2/ja
Publication of JPH1080438A publication Critical patent/JPH1080438A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3772232B2 publication Critical patent/JP3772232B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】創傷や熱傷等により真皮組織まで損傷を被った
全層皮膚欠損創の治療において、1回の植皮で表皮及び
真皮組織を形成させることにより創を閉鎖することので
きる人工真皮、及びその製造法の提供。 【解決手段】全層皮膚欠損創を一期的に治療するための
人工真皮であって、表皮及び真皮組織を含む皮膚組織を
入れる凹部もしくは孔部を有するコラーゲンスポンジ層
の一方面にシリコーン層が積層されてなる人工真皮、該
凹部内もしくは孔部内にシリコーン層側から表皮組織、
真皮組織の順で表皮及び真皮組織を含む皮膚組織を含有
してなる組織含有人工真皮、及びその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な人工真皮及び
その製造法に関する。詳細には、本発明は創傷や熱傷等
により真皮組織まで損傷を被った全層皮膚欠損創の治療
において、1回の植皮で表皮及び真皮組織を形成させる
ことにより創を閉鎖することのできる人工真皮、及びそ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱傷、採皮創及び外傷性皮膚欠損
創、褥瘡等の疾患ないし創傷により真皮組織を著しく損
傷した患者の治療には、壊死した組織を除去して全層真
皮欠損創に健常皮膚から分層皮膚を採取して植皮する自
家植皮術が施行されている。しかし、損傷範囲が広い場
合は、一度の自家植皮術で全層欠損部位を全て被覆する
ことはできず、患者の全身状態を見計らって、2度目、
3度目の自家植皮術が適時施行される。
【0003】しかし、自家植皮術では必要量の分層皮膚
が確保できない場合に対応できない等の問題があるた
め、これに代わり得る新医療技術として培養皮膚並びに
人工真皮の適用が注目されている。
【0004】ところが、培養皮膚は、自家分層植皮と比
較すると極めて不完全な構造であり生存率は創面の感染
に大きく左右されること、また細胞培養に時間と設備を
要し、更には莫大な費用がかかること等、種々の欠点を
有するため、実用化に至っていない。
【0005】一方、人工真皮は種々開発されており、臨
床的にもその有用性が確認されている(British J. Pla
st. Surg.,43,47-54 (1990))。しかし、従来の人工真
皮では創面積が大きい場合、真皮様組織は構築されるが
表皮組織の再生ができず、このため真皮様組織の構築
後、表皮組織構築のために2回目の手術、即ち二次植皮
が必須であった。このため、患者の肉体的及び精神的苦
痛は大きく、また入院期間の長期化等による経済的負担
は大きいものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の人工真皮の欠点を補うため、真皮様組織の形成及
び表皮組織の形成による創閉鎖を早めることにより、2
度目の植皮手術を不要とする人工真皮を提供することを
目的とする。また、本発明は、上記人工真皮の製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、コラーゲン
スポンジ層にシリコーン層が積層されてなり該コラーゲ
ンスポンジ層に凹部もしくは孔部を有する特定構造の二
層性人工真皮に被検者(患者)自身のもしくは被検者
(患者)と免疫学的に類似する皮膚断片を組み込んだ人
工真皮を用いることにより、全層皮膚欠損創が比較的広
範囲にわたる場合であっても、貼付後直ちに、創傷面及
び創辺縁だけでなく該皮膚断片から皮膚組織細胞が再生
・侵入することによって皮膚組織の再建が早期に図られ
ること、また、人工真皮に組み込む皮膚断片として表皮
及び真皮組織を有するものを使用することにより、2度
の手術によって表皮組織を植皮することなく、自然に早
く真皮組織の上に表皮組織が形成されることにより創が
早期に閉鎖することを見いだして、本発明を完成するに
至った。
【0008】すなわち、本発明は、全層皮膚欠損創を一
期的に治療するための人工真皮であって、表皮及び真皮
組織を含む皮膚組織を入れる凹部もしくは孔部を有する
コラーゲンスポンジ層の一方面にシリコーン層が積層さ
れてなる人工真皮を提供するものである。
【0009】また、本発明は、凹部もしくは孔部を有す
るコラーゲンスポンジ層の一方面にシリコーン層が積層
されてなる人工真皮であって、該凹部内もしくは孔部内
にシリコーン層側から表皮組織、真皮組織の順で表皮及
び真皮組織を含む皮膚組織を含有してなる組織含有人工
真皮を提供する。
【0010】さらに本発明は、真皮及び表皮組織を含む
皮膚組織を入れる凹部もしくは孔部を有するコラーゲン
スポンジ層の一方面にシリコーン層が積層されてなる人
工真皮の、全層皮膚欠損創を一期的に治療する上記組織
含有人工真皮の製造のための使用に関する。
【0011】さらにまた本発明は、凹部もしくは孔部を
有するコラーゲンスポンジ層の一方面にシリコーン層が
積層されてなる人工真皮の凹部もしくは孔部に、表皮及
び真皮組織を含む皮膚組織を入れる工程を備えた前記の
組織含有人工真皮の製造方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の人工真皮は、全層皮膚欠
損創を一期的に治療する人工真皮であることを特徴と
し、例えば図1に示すように、表皮及び真皮組織を含む
皮膚組織を入れる凹部もしくは孔部(符号1)を有する
コラーゲンスポンジ層(符号2)の一方面にシリコーン
層(符号3)が積層されてなるものである。
【0013】本発明において「全層皮膚欠損創」とは、
熱傷、採皮創及び外傷性皮膚欠損創、褥瘡等の疾患ない
し創傷、もしくは壊死組織を除去することにより、表皮
組織のみならず真皮組織までもが喪失、欠損してなる創
をいう。ただし、その創の範囲は特に制限されず、広い
範囲にわたり全層皮膚組織が喪失、欠損しているものの
みならず、一部の全層皮膚組織が喪失、欠損してなる創
をも包含する。
【0014】また本発明で「一期的に」とは、2度目、
3度目の植皮処置もしくは分層植皮処置をすることな
く、1回の植皮だけで、という意味で用いられ、「治療
する」とは、全層皮膚欠損創が治癒・改善すること、具
体的には真皮組織が形成されるとともに、表皮組織が受
傷真皮上に伸展形成されることにより創が閉鎖すること
を意味する。
【0015】従って、本発明の人工真皮は、真皮、表皮
組織の再生が困難な全層皮膚欠損創に適用されて特に有
用である。
【0016】本発明で用いられるコラーゲンスポンジ層
(図1、符号2)は、生体適合性の高い含水性高分子で
あるコラーゲンを物理的もしくは化学的に処理して一定
の強度を有するようにスポンジ状もしくは発泡体状とし
たものが用いられる。
【0017】一般にコラーゲン自体は生体由来材料であ
るため、細胞、組織に対する親和性が大きく、生体適合
性に優れる好適な材料であるが、その反面、コラーゲン
は生体内で容易に分解・吸収されるため、物性面での強
化を図る工夫が必要とされる。
【0018】かかる見地から、本発明のコラーゲンスポ
ンジは、化学架橋等を導入して、真皮様組織ができるま
では分解してしまわず、かつ植皮後2〜3週間程度で真
皮様組織に置き換わるように設計される。例えば、この
目的のためには、コラーゲンスポンジを熱脱水架橋した
り、グルタルアルデヒド、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、エポキシ等によって化学架橋を施す等の方法が挙
げられるが、好ましくは、真空下で105℃程度で約2
4時間処理することにより分子内架橋し、次いで0.2
%程度のグルタルアルデヒド溶液(0.05N 酢酸)
に約24時間浸漬することにより分子間架橋を行う方法
である。
【0019】また、コラーゲンスポンジの密度として、
特に限定はされないが、0.001〜0.1g/c
3、好ましくは0.003〜0.03g/cm3、より
好ましくは0.005〜0.015g/cm3の範囲で
あり、中でも0.01g/cm3前後であることが一層
望ましい。但し、0.005〜0.01g/cm3未満
の範囲であってもよい。
【0020】使用するコラーゲンは、抗原性の発現抑制
の面から抗原決定基が酵素で除去されたアテロコラーゲ
ンが望ましい。
【0021】当該コラーゲンスポンジの発泡構造の泡の
平均径は、10〜500μm、好ましくは50〜300
μmであることが望ましい。かかる発泡構造を有するこ
とにより、線維芽細胞の侵入を容易にし、それに伴う肉
芽組織の形成を向上させることができると同時に、生体
由来の浸出液や血液の排泄を容易にして該体液等の残留
を防止し、本発明の人工真皮との生着性を高めることが
できる。
【0022】スポンジ層の厚さは0.5〜10mm、好
ましくは1〜7mm、より好ましくは真皮層の厚さ及び
含有させる組織断片の厚み等を考慮して、2〜4mmで
ある。
【0023】本発明の人工真皮は、基本構造として、前
述のコラーゲンスポンジ層の一方面にシリコーン層(符
号3)が積層されてなるものである。
【0024】当該シリコーン層は、不感蒸泄の抑制と感
染の防止を目的とするものであって、シリコーン層下に
真皮、表皮組織が形成された後、最終的に除去されるも
のである。
【0025】本発明で用いられるシリコーン層は、水蒸
気透過性が通常0.1〜100mg/cm2/h、好ま
しくは0.5〜10mg/cm2/h、より好ましくは
1〜5mg/cm2/hの範囲にあることを特徴とする
ものであれば特に制限されない。また、かかる水蒸気透
過性を備えるものであれば、シリコーン以外のものであ
ってもよい。
【0026】本発明の人工真皮は、上記の二層性構造に
おいて、コラーゲンスポンジ層に凹部もしくは図1の符
号1で例示される孔部を有することを特徴とする。当該
凹部もしくは孔部は、その中に表皮及び真皮組織を含む
皮膚組織を入れることを目的として形成されており、そ
の目的のために使用されるものである。従って、かかる
目的が達成できる限りにおいて、凹部もしくは孔部の形
状、凹部の深さ、大きさ、孔径等は特に制限されない。
【0027】なお、本発明において凹部とは、コラーゲ
ンスポンジ層を貫通することなく形成されてなる穴、へ
こみもしくは窪みを意味するものであり、凹部(窪み)
の深さは、特に限定されないが、通常表皮及び真皮組織
を含む皮膚組織が入る程度であって、コラーゲンスポン
ジ層の厚さ未満の深さ、具体的には2〜4mm程度の深
さが挙げられる。一方孔部とは、少なくともコラーゲン
スポンジ層を貫通してなる穴を意味する。かかる孔部
は、コラーゲンスポンジ層及びシリコーン層の二層に連
続して形成されていてもよいが、本発明人工真皮貼付の
期間中における患部の雑菌感染を防止する観点からは、
シリコーン層を貫通しない孔であることが好ましい。
【0028】本発明の好ましい態様として、凹部もしく
は孔部の孔径は特に限定されるものではないが、好まし
くは0.1〜10mm、より好ましくは1〜5mmの範
囲である。
【0029】人工真皮に形成される凹部もしくは孔部の
孔径及び数は、そこに入れる皮膚組織の大きさ及び数に
対応するものであり、径が大きければ大きい程(もしく
は数が多ければ多いほど)創閉鎖(治療)も早くなる
が、その一方で採取する健常皮膚組織も多くなり健常組
織の損傷は免れない。従って、人工真皮に形成される凹
部もしくは孔部の孔径及び数は、創閉鎖の早さと健常皮
膚の採取との関係から適宜調整することができる。
【0030】一般に、人工真皮を入れる凹部もしくは孔
部の総孔面積に対する人工真皮全体の面積の割合(以
下、これを「拡大率」という。)が、小さい程早く創閉
鎖するが、上記の関係から、通常5〜100倍の範囲、
好ましくは10〜50倍の範囲の拡大率が例示される。
【0031】以上説明した本発明の人工真皮は、そのコ
ラーゲンスポンジ層の凹部内もしくは孔部内に表皮及び
真皮細胞を含む皮膚組織を組み込んで使用される。用い
られる皮膚組織は、当該人工真皮の適用を受ける被検者
の免疫原性が近似するかもしくは同一であり、植皮する
ことにより免疫学的な拒絶反応が生じないものであれば
特に制限されないが、より好ましくは人工真皮の適用を
受ける被検者自身の健常な皮膚組織である。また、当該
皮膚組織は、少なくとも表皮組織及び真皮組織を含有す
ることが必要とされる。
【0032】例えば、本発明と同様にコラーゲンスポン
ジ層とシリコーン層からなる二層性被覆材ではあるが、
皮膚組織を含有しないものを全層皮膚欠損創に貼付する
場合は、創面及びその辺縁部から線維芽細胞及び毛細血
管が侵入し、スポンジの空孔部を自己のコラーゲン組織
で満たし、最終的に真皮様組織を再生する。しかし、創
面積が大きい場合は、表皮層は再生しないため、この上
に薄い植皮をすることによって真皮層を閉鎖する必要が
ある(これを二次植皮という)。
【0033】しかし、二層性人工真皮に凹部もしくは孔
部を設けた本発明の人工真皮の該孔部内に表皮及び真皮
組織を含む皮膚組織を入れて、全層皮膚欠損創に貼付・
植皮すると、直ちに組み込まれた皮膚組織から皮膚細胞
が周囲に増殖するため、真皮組織の構築を早期に達成す
ることができ、また人工真皮に組み込まれた皮膚組織に
は表皮細胞が含まれているため、そこから表皮組織が伸
展し、創周囲からだけでなく創の中心部の数箇所から創
の閉鎖が図られる。
【0034】従って、本発明によれば、創面積が大きく
従来法では二次植皮をしなくてはならないような全層皮
膚欠損創等の場合であっても、一回の植皮によって早期
に創を閉鎖・治癒させるという利点がある。
【0035】使用される組織は、簡便性等の面からは、
組織採取用の皮膚トレパン等で採取した被検者の健常皮
膚の断片をそのまま使用することが好ましいが、細菌等
による感染を防ぎ、生着率を高めるように抗菌処理等の
何らかの処理を施すこともできる。また、予め組織断片
を入れるための二層性人工真皮を抗菌性を有する材料で
調製してもよいし、または該人工真皮を組織断片を入れ
る前に抗菌処理等しておいてもよい。
【0036】健常皮膚から採取された皮膚組織は、前述
の人工真皮の凹部もしくは孔部内に表皮組織及び真皮組
織の順で、シリコーン層側に表皮組織が来るように入れ
られる。
【0037】また、本発明は、前述の人工真皮におい
て、コラーゲンスポンジ層の凹部もしくは孔部に皮膚組
織を含有してなるもの、そのものをも提供する。
【0038】用いられる皮膚組織は、前述と同様に、免
疫原性が人工真皮が適用される被検者と近似もしくは同
一であって、少なくとも表皮及び真皮組織を含むものが
好ましい。
【0039】本発明の組織含有人工真皮は、図2に例示
するようにかかる皮膚組織(符号4)がコラーゲンスポ
ンジ層(符号2)に形成された凹部内もしくは孔部内
(符号1)に表皮組織(符号5)、真皮組織(符号6)
の順でシリコーン層側(符号3)に表皮組織が来るよう
に配置されていることを特徴とする。
【0040】かかる組織含有人工真皮の製造方法は、特
に制限されないが、通常、凹部もしくは孔部を有するコ
ラーゲンスポンジ層の一方面にシリコーン層が積層され
てなる人工真皮を調製した後、該人工真皮の凹部もしく
は孔部に、表皮及び真皮組織を含む皮膚組織を入れるこ
とにより製造される。
【0041】なお、凹部もしくは孔部を有するコラーゲ
ンスポンジ層の一方面にシリコーン層が積層されてなる
人工真皮は、その製造法により特に制限されない。例え
ば、コラーゲンスポンジ層とシリコーン層とからなる二
層性人工真皮を作製した後、コラーゲンスポンジ層に凹
部もしくは孔部を形成してもよいし、また凹部もしくは
孔部を有するコラーゲンスポンジ層を作製後、穴を塞が
ないようその一方面にシリコーン層を積層することによ
り製造してもよい。
【0042】このようにして得られた凹部もしくは孔部
を有する二層性人工真皮の該凹部もしくは孔部に、人工
真皮が適用される被検者と免疫原性が近似もしくは同一
の皮膚組織であって少なくとも表皮及び真皮組織を含む
ものを、シリコーン層側に表皮組織がくるように、表皮
組織、真皮組織の順で入れる。
【0043】
【発明の効果】本発明の人工真皮によれば、真皮組織を
喪失し、再生が困難な創傷部(全層皮膚欠損創部)であ
っても、2度の植皮をすることなく一期的に早期に上皮
化させることができる。従って、本発明の人工真皮を使
用することにより、簡便にかつ患者に対する精神的及び
肉体的負担を少なくして、全層皮膚欠損創の治療を行う
ことができる。
【0044】また、本発明は、採取する健常皮膚組織と
してわずかな皮膚組織を必要とするだけであるので、狭
い範囲、屈曲部からでも容易に採皮でき、健常皮膚部に
及ぼす影響が少なくて済む。また、広範囲の熱傷等、採
皮部の多い場合にも有用である。さらに、本発明の人工
真皮は従来の人工真皮と異なり、細胞培養を必要としな
いため、短期間で植皮ができ、菌の感染などの心配が少
なく、また一般施設での熱傷治療に広く応用できる実用
的なものである。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】実施例1 (1)人工真皮の作製 豚腱由来のI型コラーゲンを酵素処理して調製したアテ
ロコラーゲン(新田ゼラチン社製)を希塩酸でpH3に
調整した。これをホモジナイザーで高速撹拌(10,0
00rpm、10分間)することによって発泡させ、直
ちにステンレス容器に流し込み、−40℃にて凍結させ
た。更にこれを真空凍結乾燥することによって、コラー
ゲンスポンジを作製した。次にこのコラーゲンスポンジ
を105℃、真空下(0.01torr.以下)で24時間
熱脱水架橋を導入し、不溶化させた。得られたコラーゲ
ンスポンジをテフロン平板上に製膜したシリコーン薄膜
上に貼付し、十分に乾燥させた。こうして得られた2層
性材料を0.2%グルタルアルデヒド溶液(0.05N
酢酸溶液)に浸漬(24時間、5℃)し、化学架橋を
導入した。これをイオン交換水にて十分に洗浄、架橋剤
を除去した後、洗浄液を15%エタノール溶液と置換
後、−135℃にて急速に凍結させ、更に真空凍結乾燥
した。
【0047】得られた二層性材料を(30mm×30m
m)、3mm径の皮膚トレパン(スティーフェル・ラボ
ラトリウム社製)を使用して、該シリコーン層を傷つけ
ないようにしてコラーゲンスポンジ層に約8mm間隔
で、皮膚組織を入れるための9個の穴を作製した(拡大
率14倍:(3×3)÷(0.15×0.15×3.1
4×9)=14)。
【0048】(2)組織含有人工真皮の作製 一方、同じ皮膚トレパンを使用して健常皮膚から表皮及
び真皮を含む全層皮膚を9断片採取し、該皮膚断片を、
予め穴をあけて調製しておいた人工真皮のコラーゲンス
ポンジ層の中に、シリコンシート側に表皮組織側が接す
るようにいれて、本発明の組織含有人工真皮を調製し
た。
【0049】
【試験】
移植試験1 実施例1で得られた組織含有人工真皮をモルモット(近
交系モルモット、Strain 2 Slc、日本SLC社製、体重
約300g)の背部の白色皮膚に移植して創傷部の治癒
の状況をみた。なお、人工真皮に組み込まれる皮膚とし
て被移植モルモットの黒色皮膚部分を使用した。
【0050】まず、モルモットをネンブタール麻酔下で
除毛し、イソジン消毒したモルモット背部白色皮膚に脂
肪層が完全に露出した創面30×30mmの全層皮膚欠
損創を作製し、止血、乾燥した後、上記で調製した人工
真皮に黒色皮膚組織を組み込んだ組織含有人工真皮を移
植し、辺縁をナイロン糸で縫合した後、ガーゼをあてて
タイオーバー固定した。尚、タイオーバー固定とは治療
面の上にガーゼをあて、その周囲に縫合した縫合糸をガ
ーゼの上を越えるようにして反対側の縫合糸と結紮する
固定方法をいう。
【0051】移植後1週間めに、移植部位を切除して1
0%ホルマリンで固定して組織標本を作製してHE(ヘ
マトキシリン・エオシン)染色を行い、組織含有人工真
皮の生着状態を調べた。その結果、皮膚トレパンで採取
して二層性人工真皮の中に移植・組み込んだ健常黒色皮
膚は毛根を含んで生着しており、その部分には炎症所見
は認められなかった。
【0052】また、人工真皮の下の滲出液の貯留の有無
を観察したが、滲出液に貯留はなく、人工真皮と創傷部
位との密着性は良好であった。
【0053】移植後3週間めには、コラーゲンスポンジ
の空隙内に新しく再生されたコラーゲン組織が充満し、
肉芽組織が完成し、コラーゲンスポンジが消失したよう
に見えた。また、二層性人工真皮のなかに移植・組み込
んだ皮膚の表皮部分より上皮化が進み、移植した黒色皮
膚が生着しているのが確認された。
【0054】移植後1ヶ月目には、正常皮膚に比べてや
や薄いが、表皮の上層は十分に角質化しており、表皮化
及び皮膚の再建はほぼ完了していた。
【0055】さらに長期間経過することにより、移植し
た黒色皮膚は完全に生着し、黒色の毛が伸びていること
が確認された。
【0056】なお、移植後、移植面の創収縮は観察され
なかった。
【0057】移植試験2 人工真皮のサイズを1辺30mmから50mmに大きく
し、3mm径の皮膚トレパンで採取した皮膚9個を含む
組織含有人工真皮(拡大率39倍、図3(a))、皮膚
25個を含む組織含有人工真皮(拡大率14倍、図3
(b))、及び比較のため皮膚組織を含まない二層性人
工真皮(図3(c))を用いて、移植試験1で示した方
法と同じ方法でモルモットに移植を行い、比較をした。
【0058】皮膚25個を含む人工真皮を植皮した場
合、約2週間後には上皮化していることが確認された。
また皮膚9個を含む人工真皮を植皮した場合は、約3週
間後には上皮化した。一方、皮膚を含まない二層性人工
真皮を使用した場合は、約2週間で肉芽組織の形成は確
認されたが、上皮化には4週間以上の期間を要した。
【図面の簡単な説明】
【図1】皮膚組織を入れる凹部もしくは孔部をコラーゲ
ンスポンジ層に有する本発明の二層性人工真皮のコラー
ゲンスポンジ層側からみた平面図(a)と断面図(b)
を示す。
【図2】コラーゲンスポンジ層の凹部もしくは孔部に、
少なくとも表皮及び真皮組織を含む皮膚組織を入れてな
る本発明の組織含有人工真皮のコラーゲンスポンジ層側
からみた平面図(a)と断面図(b)を示す。
【図3】移植試験2で使用した50mm×50mmサイ
ズの人工真皮の平面図を示す。尚、(a)は皮膚9個を
含む組織含有人工真皮(拡大率39倍)(b)は皮膚2
5個を含む組織含有人工真皮(拡大率14倍)、及び
(C)は比較のための皮膚組織を含まない二層性人工真
皮を示す。
【符号の説明】
1 孔部 2 コラーゲンスポンジ層 3 シリコーン層 4 皮膚組織 5 表皮組織 6 真皮組織

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全層皮膚欠損創を一期的に治療するための
    人工真皮であって、表皮及び真皮組織を含む皮膚組織を
    入れる凹部もしくは孔部を有するコラーゲンスポンジ層
    の一方面にシリコーン層が積層されてなる人工真皮。
  2. 【請求項2】凹部もしくは孔部を有するコラーゲンスポ
    ンジ層の一方面にシリコーン層が積層されてなる人工真
    皮であって、該凹部内もしくは孔部内に、シリコーン層
    側から表皮組織、真皮組織の順で表皮及び真皮組織を含
    む皮膚組織を含有してなる組織含有人工真皮。
  3. 【請求項3】表皮及び真皮組織を含む皮膚組織を入れる
    凹部もしくは孔部を有するコラーゲンスポンジ層の一方
    面にシリコーン層が積層されてなる人工真皮の、全層皮
    膚欠損創を一期的に治療する請求項2記載の組織含有人
    工真皮の製造のための使用。
  4. 【請求項4】凹部もしくは孔部を有するコラーゲンスポ
    ンジ層の一方面にシリコーン層が積層されてなる人工真
    皮の凹部内もしくは孔部内に、表皮及び真皮組織を含む
    皮膚組織を入れる工程を備えた請求項2記載の組織含有
    人工真皮の製造方法。
JP23750896A 1996-09-09 1996-09-09 組織含有人工真皮及びその製造法 Expired - Fee Related JP3772232B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23750896A JP3772232B2 (ja) 1996-09-09 1996-09-09 組織含有人工真皮及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23750896A JP3772232B2 (ja) 1996-09-09 1996-09-09 組織含有人工真皮及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1080438A true JPH1080438A (ja) 1998-03-31
JP3772232B2 JP3772232B2 (ja) 2006-05-10

Family

ID=17016367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23750896A Expired - Fee Related JP3772232B2 (ja) 1996-09-09 1996-09-09 組織含有人工真皮及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3772232B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005095331A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Ihara Suisan Kk 魚皮真皮コラーゲンを含有する発泡体シートおよびその用途
JP2012515066A (ja) * 2009-01-16 2012-07-05 ガイストリヒ・ファーマ・アクチェンゲゼルシャフト 皮膚再生のための方法および膜
WO2012111438A1 (ja) 2011-02-18 2012-08-23 国立大学法人京都大学 組織再生用材料、これを含むタンパク質水溶液及びこれをゲル化させる方法
WO2014129541A1 (ja) 2013-02-22 2014-08-28 三洋化成工業株式会社 創傷治癒剤
CN111067665A (zh) * 2019-12-24 2020-04-28 深圳齐康医疗器械有限公司 多孔人工真皮及其制备方法和模具
CN112263357A (zh) * 2020-10-25 2021-01-26 无锡聚火医疗器械有限公司 一种医用人工皮肤制备方法
CN118490894A (zh) * 2024-05-14 2024-08-16 深圳市迈捷生命科学有限公司 一种双层结构的复合脱细胞真皮基质及制备方法
US12427228B2 (en) 2018-10-05 2025-09-30 Hiroshima University Meniscus regeneration material

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120021063A1 (en) 2009-03-27 2012-01-26 Maruha Nichiro Foods, Inc. Crosslinked material comprising elastin and collagen, and use thereof

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005095331A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Ihara Suisan Kk 魚皮真皮コラーゲンを含有する発泡体シートおよびその用途
JP2012515066A (ja) * 2009-01-16 2012-07-05 ガイストリヒ・ファーマ・アクチェンゲゼルシャフト 皮膚再生のための方法および膜
JP2012515035A (ja) * 2009-01-16 2012-07-05 ガイストリヒ・ファーマ・アクチェンゲゼルシャフト 組織再生のための方法および膜
WO2012111438A1 (ja) 2011-02-18 2012-08-23 国立大学法人京都大学 組織再生用材料、これを含むタンパク質水溶液及びこれをゲル化させる方法
WO2014129541A1 (ja) 2013-02-22 2014-08-28 三洋化成工業株式会社 創傷治癒剤
US10130675B2 (en) 2013-02-22 2018-11-20 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Wound healing agent
US12427228B2 (en) 2018-10-05 2025-09-30 Hiroshima University Meniscus regeneration material
CN111067665A (zh) * 2019-12-24 2020-04-28 深圳齐康医疗器械有限公司 多孔人工真皮及其制备方法和模具
CN112263357A (zh) * 2020-10-25 2021-01-26 无锡聚火医疗器械有限公司 一种医用人工皮肤制备方法
CN118490894A (zh) * 2024-05-14 2024-08-16 深圳市迈捷生命科学有限公司 一种双层结构的复合脱细胞真皮基质及制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3772232B2 (ja) 2006-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Suzuki et al. Clinical evaluation of a new bilayer “artificial skin” composed of collagen sponge and silicone layer
US5263983A (en) Medical material and prosthetic skin in which cells can invade
EP2211922B1 (en) Anisotropic implant and its method of production
EP1428540B1 (en) Tissue regenerative composition
RU2544367C2 (ru) Средство для восстановления барабанной перепонки или наружного слухового прохода
Suzuki et al. Further applications of “bilayer artificial skin”
JPH11508151A (ja) 膀胱再建方法及び膀胱再建用組織グラフト
CN114848893B (zh) 一种结合丝素蛋白的猪去细胞化小肠黏膜下层细胞外基质水凝胶及制备方法与应用
Goss et al. Tissue interactions in the regeneration of rabbit ear holes
CN102293690B (zh) 冻融脱细胞激光微孔辐照异种真皮基质制备方法及其产品
JP3772232B2 (ja) 組織含有人工真皮及びその製造法
EP0983085A2 (en) Compositions and means for the treatment of burns and other cutaneous traumas
US5300306A (en) Tissue-equivalent membrane from bovine esophageal tissue
Kane et al. 7.10 Burn Dressings
CN100479867C (zh) 一种胶联羊膜的制备方法
EP0411124A1 (en) Medical material permitting cells to enter thereinto and artificial skin
JP3686068B2 (ja) 皮膚の分離無細胞化方法、無細胞化真皮マトリックス及びその製造方法並びに無細胞化真皮マトリックスを用いた複合培養皮膚
JP3105308B2 (ja) 人工皮膚およびその製造法
CN100415309C (zh) 选择性去细胞猪皮在制备人体皮肤代替物中的应用及其制备方法
CN1737129B (zh) 人工皮肤移植物及其制备方法
JP2852954B2 (ja) 人工皮膚及びその製造方法
JP2000262610A (ja) 表皮再生を目的とした自家抜去毛包移植用の人工真皮
JP2005211480A (ja) 皮膚の分離無細胞化方法、無細胞化真皮マトリックス及びその製造方法並びに無細胞化真皮マトリックスを用いた複合培養皮膚
TWI252113B (en) Artificial skin graft and preparation method thereof
US20170080127A1 (en) Biologically active graft for skin replacement therapy

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees