JPH108197A - 部分加熱部の耐食性に優れた鋼板及びその製造方法 - Google Patents
部分加熱部の耐食性に優れた鋼板及びその製造方法Info
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- JPH108197A JPH108197A JP18680596A JP18680596A JPH108197A JP H108197 A JPH108197 A JP H108197A JP 18680596 A JP18680596 A JP 18680596A JP 18680596 A JP18680596 A JP 18680596A JP H108197 A JPH108197 A JP H108197A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】極低炭素化を行うことなく、しかも焼戻し熱処
理を行うことなく、溶接等の部分加熱処理を行ったまま
で、加熱部に十分な耐食性を備えることができ、母材部
の耐食性にも優れた鋼板及びその製造方法を提供する 【解決手段】 本発明の鋼板は、重量%でC :0.3
0%以下、Mn:0.2〜2.0%、S :0.016
%未満、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.6[Cu]〜
1.0[Cu]%、N :0.003〜0.010%、T
i:(48[N]/14+48[S]/32 )超〜(48[N]/14+48[S]/3
2 +0.2)%未満を含み、残部Fe及び不可避的不純
物からなり、フェライト及びベイナイトを主体とする組
織を有する。また、本発明の製造方法は、上記成分を有
する鋼片を仕上げ温度950℃〜Ar3点で熱間圧延し、
700〜600℃における滞在時間が5秒以下で冷却
し、550〜450℃で巻取る。
理を行うことなく、溶接等の部分加熱処理を行ったまま
で、加熱部に十分な耐食性を備えることができ、母材部
の耐食性にも優れた鋼板及びその製造方法を提供する 【解決手段】 本発明の鋼板は、重量%でC :0.3
0%以下、Mn:0.2〜2.0%、S :0.016
%未満、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.6[Cu]〜
1.0[Cu]%、N :0.003〜0.010%、T
i:(48[N]/14+48[S]/32 )超〜(48[N]/14+48[S]/3
2 +0.2)%未満を含み、残部Fe及び不可避的不純
物からなり、フェライト及びベイナイトを主体とする組
織を有する。また、本発明の製造方法は、上記成分を有
する鋼片を仕上げ温度950℃〜Ar3点で熱間圧延し、
700〜600℃における滞在時間が5秒以下で冷却
し、550〜450℃で巻取る。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は溶接部などの部分的
に加熱した部位に生じる腐食に対し、優れた耐食性を有
する鋼板に関する。
に加熱した部位に生じる腐食に対し、優れた耐食性を有
する鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】電縫炭素鋼管は、シームレス鋼管に比べ
て安価であるが、海水、水道水、酸性水など厳しい腐食
環境に用いられた場合、溶接部が選択的に腐食されると
いう問題がある。かかる部分加熱部の腐食は、溶接時の
急熱・急冷による焼入組織の形成に伴うマクロ電池の形
成や、硫化物が再溶解することによって生成したS濃化
部によるミクロ電池の形成に起因するといわれている。
て安価であるが、海水、水道水、酸性水など厳しい腐食
環境に用いられた場合、溶接部が選択的に腐食されると
いう問題がある。かかる部分加熱部の腐食は、溶接時の
急熱・急冷による焼入組織の形成に伴うマクロ電池の形
成や、硫化物が再溶解することによって生成したS濃化
部によるミクロ電池の形成に起因するといわれている。
【0003】そこで、特公昭53−28845号、特公
昭53−10525号、特公昭56−28984号で
は、溶接部と母材部の電位差の低下に有効なCuやNi
を鋼成分として添加したり、硫化物の再溶解を抑えるC
aやREMを添加している。
昭53−10525号、特公昭56−28984号で
は、溶接部と母材部の電位差の低下に有効なCuやNi
を鋼成分として添加したり、硫化物の再溶解を抑えるC
aやREMを添加している。
【0004】しかし、溶接部の腐食を抑制するために
は、CaやREM、Cu、Ni等を添加するだけでな
く、溶接部の焼入組織をできるだけ抑制して、溶接部と
母材部の電位差を小さくすることが望ましい。
は、CaやREM、Cu、Ni等を添加するだけでな
く、溶接部の焼入組織をできるだけ抑制して、溶接部と
母材部の電位差を小さくすることが望ましい。
【0005】かかる見地から、特公昭59−50747
号では溶接部を焼き戻すことにより、また特公昭60−
9096号では鋼の成分を極低炭素とすることで、焼入
組織を解消し、耐食性の向上を企図している。
号では溶接部を焼き戻すことにより、また特公昭60−
9096号では鋼の成分を極低炭素とすることで、焼入
組織を解消し、耐食性の向上を企図している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼戻し
は製造工程が増え、コスト高を招来し、また変形などの
問題がある。一方、極低炭素化は製造コスト高を招来す
るほか、高強度化する場合に、高価な合金元素を多量に
添加する必要があり、更に合金元素の多量添加は焼入組
織の生成を助長することになる。また、従来の技術では
母材部の耐食性まで考慮したものは少なく、厳しい腐食
環境で用いるには問題があった。
は製造工程が増え、コスト高を招来し、また変形などの
問題がある。一方、極低炭素化は製造コスト高を招来す
るほか、高強度化する場合に、高価な合金元素を多量に
添加する必要があり、更に合金元素の多量添加は焼入組
織の生成を助長することになる。また、従来の技術では
母材部の耐食性まで考慮したものは少なく、厳しい腐食
環境で用いるには問題があった。
【0007】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、極低炭素化を行うことなく、従って炭素による強度
向上が可能で、しかも焼戻し熱処理を行うことなく、溶
接等の部分加熱処理を行ったままで、加熱部に十分な耐
食性を備えることができ、母材部の耐食性にも優れた鋼
板を提供することを課題とする。
で、極低炭素化を行うことなく、従って炭素による強度
向上が可能で、しかも焼戻し熱処理を行うことなく、溶
接等の部分加熱処理を行ったままで、加熱部に十分な耐
食性を備えることができ、母材部の耐食性にも優れた鋼
板を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、通常耐食性を
劣化させるといわれる、比較的粗大な析出物であるTi
Nを利用して、溶接部やその周辺等の部分加熱部におけ
る焼入組織の生成を可及的に抑制することで、選択的な
腐食の進行を抑制し、加熱のままでも十分な耐食性を加
熱部に付与することを可能にしたものである。さらに、
Cuヘゲの生成を抑制し、組織の主体をC濃度の低いフ
ェライト及びベイナイトとすることにより、母材部の耐
食性をも改善したものである。
劣化させるといわれる、比較的粗大な析出物であるTi
Nを利用して、溶接部やその周辺等の部分加熱部におけ
る焼入組織の生成を可及的に抑制することで、選択的な
腐食の進行を抑制し、加熱のままでも十分な耐食性を加
熱部に付与することを可能にしたものである。さらに、
Cuヘゲの生成を抑制し、組織の主体をC濃度の低いフ
ェライト及びベイナイトとすることにより、母材部の耐
食性をも改善したものである。
【0009】すなわち、本発明の鋼板は、重量%で、C
:0.30%以下、Mn:0.2〜2.0%、S :
0.016%未満、Cu:0.1〜1.0%、Ni:
0.6[Cu]〜1.0[Cu]%、N :0.003〜0.0
10%、Ti:(48[N]/14+48[S]/32 )超〜(48[N]/1
4+48[S]/32 +0.2)%未満、を含み、あるは更にP
:0.01〜0.10%、Si:0.01〜2.0
%,Nb:0.01〜0.04%,Cr:0.1〜1.
0%,B:0.0002〜0.0020%,V:0.0
1〜0.20%,Mo:0.01〜0.20%からなる
Aグループ、REM :0.0004〜0.0020%,C
a:0.0004〜0.0020%からなるBグルー
プ、のうちから一種または2種以上の元素を含有し、残
部Fe及び不可避的不純物からなり、フェライト及びベ
イナイトを主体とする組織を有するものである。
:0.30%以下、Mn:0.2〜2.0%、S :
0.016%未満、Cu:0.1〜1.0%、Ni:
0.6[Cu]〜1.0[Cu]%、N :0.003〜0.0
10%、Ti:(48[N]/14+48[S]/32 )超〜(48[N]/1
4+48[S]/32 +0.2)%未満、を含み、あるは更にP
:0.01〜0.10%、Si:0.01〜2.0
%,Nb:0.01〜0.04%,Cr:0.1〜1.
0%,B:0.0002〜0.0020%,V:0.0
1〜0.20%,Mo:0.01〜0.20%からなる
Aグループ、REM :0.0004〜0.0020%,C
a:0.0004〜0.0020%からなるBグルー
プ、のうちから一種または2種以上の元素を含有し、残
部Fe及び不可避的不純物からなり、フェライト及びベ
イナイトを主体とする組織を有するものである。
【0010】強度の向上を望む場合は、前記成分におい
て、C:0.065〜0.30%、Ti:(48[N]/14+
48[S]/32 )超〜(48[N]/14+48[S]/32 +0.1)%未
満に設定するのがよい。
て、C:0.065〜0.30%、Ti:(48[N]/14+
48[S]/32 )超〜(48[N]/14+48[S]/32 +0.1)%未
満に設定するのがよい。
【0011】ここで、まず本発明の鋼成分(単位:重量
%)の限定理由について説明する。尚、〔元素記号〕
は、当該元素の含有量(%)を示す。
%)の限定理由について説明する。尚、〔元素記号〕
は、当該元素の含有量(%)を示す。
【0012】C:0.30%以下 Cは鋼板の強度を高めるのに有効な元素であるか、添加
しすぎると耐食性を劣化させるので、0.30%以下と
する。もっとも、C含有量が少ない程、耐食性は向上す
るので、強度を要しない場合は、好ましくは0.1%以
下、より好ましくは0.040%以下がよい。なお、C
含有量の下限は特に限定しないが、工業的に生産可能な
レベルとしては0.0010%程度であり、本発明では
かかる程度で十分な耐食性効果を得ることができる。本
発明は焼入組織の生成を回避するために、極低C化を図
る必要はなく、440N/mm2 級以上の高強度レベルの
鋼板を得るには、0.05%以上、好ましくは0.06
5%以上のC量を含有すればよい。
しすぎると耐食性を劣化させるので、0.30%以下と
する。もっとも、C含有量が少ない程、耐食性は向上す
るので、強度を要しない場合は、好ましくは0.1%以
下、より好ましくは0.040%以下がよい。なお、C
含有量の下限は特に限定しないが、工業的に生産可能な
レベルとしては0.0010%程度であり、本発明では
かかる程度で十分な耐食性効果を得ることができる。本
発明は焼入組織の生成を回避するために、極低C化を図
る必要はなく、440N/mm2 級以上の高強度レベルの
鋼板を得るには、0.05%以上、好ましくは0.06
5%以上のC量を含有すればよい。
【0013】Mn:0.2〜2.0% Mnは高強度化のために有効である。0.2%未満では
その効果が過少であり、2.0%まで添加しても本発明
の効果を阻害しないため、上限を2.0%とする。
その効果が過少であり、2.0%まで添加しても本発明
の効果を阻害しないため、上限を2.0%とする。
【0014】S:0.016%未満 Sは鋼板の耐食性を劣化させるので少ない程よく、0.
016%未満とする。好ましくは0.010%未満がよ
く、母材の耐食性を考慮すると0.002%未満か望ま
しい。
016%未満とする。好ましくは0.010%未満がよ
く、母材の耐食性を考慮すると0.002%未満か望ま
しい。
【0015】Cu:0.10〜1.0% Cuは加熱部と母材部の電位差の拡大を抑制するので、
0.10%以上添加することが望ましい。ただし、Cu
を添加する場合は高価なNiを同時に添加する必要があ
り、また0.3%以上添加しても効果が飽和することか
ら、1.0%を上限とする。
0.10%以上添加することが望ましい。ただし、Cu
を添加する場合は高価なNiを同時に添加する必要があ
り、また0.3%以上添加しても効果が飽和することか
ら、1.0%を上限とする。
【0016】Ni:0.6〔Cu〕〜1.0〔Cu〕% NiはCuヘゲを抑えて、ミクロ電池の生成を抑制し、
耐食性を向上させる作用を有する。耐食性向上の見地か
らはCu含有量の6割以上添加する必要がある。しか
し、Niは高価なため、Cuと同量添加するに止める。
耐食性を向上させる作用を有する。耐食性向上の見地か
らはCu含有量の6割以上添加する必要がある。しか
し、Niは高価なため、Cuと同量添加するに止める。
【0017】N:0.003〜0.010% NはTiと結合してTiNを形成し、溶接等の加熱時の
オーステナイトの粗大化を抑え、加熱部での極端な焼入
組織の形成を抑えるので、マクロ電池の形成が抑制さ
れ、適度に添加することで加熱部の耐食性を向上させ
る。かかる見地から0.003%以上、望ましくは0.
005%以上添加する。高強度化のためにC含有量を
0.05%以上、好ましくは0.065%以上とする場
合は、0.0035%以上添加するのが好ましい。しか
し、0.010%を超えて添加すると、腐食の起点にな
るTiN析出物が増加し、母材部の耐食性が劣化するよ
うになるので、上限を0.010%とする。
オーステナイトの粗大化を抑え、加熱部での極端な焼入
組織の形成を抑えるので、マクロ電池の形成が抑制さ
れ、適度に添加することで加熱部の耐食性を向上させ
る。かかる見地から0.003%以上、望ましくは0.
005%以上添加する。高強度化のためにC含有量を
0.05%以上、好ましくは0.065%以上とする場
合は、0.0035%以上添加するのが好ましい。しか
し、0.010%を超えて添加すると、腐食の起点にな
るTiN析出物が増加し、母材部の耐食性が劣化するよ
うになるので、上限を0.010%とする。
【0018】Ti:(48[N]/14+48[S]/32 )超〜(48[N]
/14+48[S]/32 +0.2)%未満 TiはN、Sと結合し、残部が固溶Tiとなる。固溶T
iは加熱部の耐食性を向上させる効果かあり、固溶Ti
が全くない状態では、耐食性が大きく劣化する。その理
由は、硫化物が完全にTiSにならず、溶接等の加熱時
に溶解しやすいMnSが残存しやすいためと考えられ
る。MnSは溶接時に溶解すると周囲の地鉄にSが固溶
するので、孔食を促進させると言われている。このた
め、[Ti]−(48[N]/14 +48[S]/32)によって算出した固
溶Ti量は零より大きな値を取ることが必要である。好
ましくは、固溶Ti量は0.02%以上とするのがよ
い。一方、固溶Ti量が0.20%以上と過多になると
耐食性が劣化する。その理由は、過剰なTiにより加熱
部がマルテンサイトとなるため、加熱部と母材部の間に
マクロ電池が形成され、腐食が進行しやすくなるためと
考えられる。このため、固溶Ti量は0.2%未満、好
ましくは0.13%未満にする。
/14+48[S]/32 +0.2)%未満 TiはN、Sと結合し、残部が固溶Tiとなる。固溶T
iは加熱部の耐食性を向上させる効果かあり、固溶Ti
が全くない状態では、耐食性が大きく劣化する。その理
由は、硫化物が完全にTiSにならず、溶接等の加熱時
に溶解しやすいMnSが残存しやすいためと考えられ
る。MnSは溶接時に溶解すると周囲の地鉄にSが固溶
するので、孔食を促進させると言われている。このた
め、[Ti]−(48[N]/14 +48[S]/32)によって算出した固
溶Ti量は零より大きな値を取ることが必要である。好
ましくは、固溶Ti量は0.02%以上とするのがよ
い。一方、固溶Ti量が0.20%以上と過多になると
耐食性が劣化する。その理由は、過剰なTiにより加熱
部がマルテンサイトとなるため、加熱部と母材部の間に
マクロ電池が形成され、腐食が進行しやすくなるためと
考えられる。このため、固溶Ti量は0.2%未満、好
ましくは0.13%未満にする。
【0019】高強度鋼板を製造する場合、上記の通り、
C含有量を0.05%以上、好ましくは0.065%以
上に設定するのがよいが、この場合、固溶Cの増加に応
じて、過剰Tiによりマルテンサイト化し易くなるた
め、固溶Ti量の上限は0.10%未満、好ましくは
0.06%未満に設定するのがよい。
C含有量を0.05%以上、好ましくは0.065%以
上に設定するのがよいが、この場合、固溶Cの増加に応
じて、過剰Tiによりマルテンサイト化し易くなるた
め、固溶Ti量の上限は0.10%未満、好ましくは
0.06%未満に設定するのがよい。
【0020】本発明の鋼板は、上記成分を本質的成分と
して含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなるが、
本発明の効果を損なうことなく、強度や耐食性を更に向
上させるために、下記P、Aグループ、Bグループの内
から1種以上の元素を含有することができる。
して含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなるが、
本発明の効果を損なうことなく、強度や耐食性を更に向
上させるために、下記P、Aグループ、Bグループの内
から1種以上の元素を含有することができる。
【0021】P:0.01〜0.10%、Pは耐食性を
向上させる作用を有する。0.01%未満ではその作用
が過少であり、一方0.10%を超えると加工性が劣化
する。
向上させる作用を有する。0.01%未満ではその作用
が過少であり、一方0.10%を超えると加工性が劣化
する。
【0022】Aグループ;Si:0.01〜2.0%、
Nb:0.01〜0.04%、Cr:0.1〜1.0
%、B:0.0002〜0.0020%、V:0.01
〜0.20%、Mo:0.01〜0.20% これらの元素は、強度向上作用を有する。各元素の下限
値未満ではかかる作用が過少であり、一方上限値を超え
ると加工性が劣化する。Moは上記範囲で耐食性改善作
用をも兼備する。
Nb:0.01〜0.04%、Cr:0.1〜1.0
%、B:0.0002〜0.0020%、V:0.01
〜0.20%、Mo:0.01〜0.20% これらの元素は、強度向上作用を有する。各元素の下限
値未満ではかかる作用が過少であり、一方上限値を超え
ると加工性が劣化する。Moは上記範囲で耐食性改善作
用をも兼備する。
【0023】Bグループ;REM :0.0004〜0.0
020%、Ca:0.0004〜0.0020% これらの元素は、炭化物の形態を制御して、伸びフラン
ジ性を改善する作用を有する。各元素の下限値未満では
かかる作用が過少であり、一方上限値を超えると加工性
が劣化する。
020%、Ca:0.0004〜0.0020% これらの元素は、炭化物の形態を制御して、伸びフラン
ジ性を改善する作用を有する。各元素の下限値未満では
かかる作用が過少であり、一方上限値を超えると加工性
が劣化する。
【0024】本発明鋼板の組織は、F(フェライト)及
びB(ベイナイト)を主体とするものである。F及びB
以外の第3相は、本発明の効果に問題のない範囲とし
て、面積率で5%未満、好ましい2%未満許容される。
びB(ベイナイト)を主体とするものである。F及びB
以外の第3相は、本発明の効果に問題のない範囲とし
て、面積率で5%未満、好ましい2%未満許容される。
【0025】鋼板の組織をF+Bとした場合の耐食性は
良好であるが、F+M(マルテンサイト)とした場合や
F+P(パーライト)とした場合には、耐食性が劣化す
る。ここで言うPはラメラー状のパーライトを意味して
おり、これ以外のベイナイトかパーライトかの区別が難
しいものは本発明ではベイナイトと判断する。F+Pや
F+Mでは耐食性が劣化する理由は、マルテンサイトや
パーライトは組織中のC濃度がベイナイトに比べ比較的
高いため、選択的に腐食が進み、ミクロ電池が形成され
るためと推定される。
良好であるが、F+M(マルテンサイト)とした場合や
F+P(パーライト)とした場合には、耐食性が劣化す
る。ここで言うPはラメラー状のパーライトを意味して
おり、これ以外のベイナイトかパーライトかの区別が難
しいものは本発明ではベイナイトと判断する。F+Pや
F+Mでは耐食性が劣化する理由は、マルテンサイトや
パーライトは組織中のC濃度がベイナイトに比べ比較的
高いため、選択的に腐食が進み、ミクロ電池が形成され
るためと推定される。
【0026】本発明の鋼板は、上記成分を有する鋼片を
仕上げ温度950℃〜Ar3点で熱間圧延し、700〜6
00℃における滞在時間が5秒以下で冷却し、550〜
450℃で巻取ることにより得られる。
仕上げ温度950℃〜Ar3点で熱間圧延し、700〜6
00℃における滞在時間が5秒以下で冷却し、550〜
450℃で巻取ることにより得られる。
【0027】仕上げ温度:950℃〜Ar3点 Ar3点未満ではフェライト変態が高速に進行し、パーラ
イトやマルテンサイトの生成を促進するため十分な耐食
性か得られない。一方、950℃を超える温度とするこ
とは通常の熱延設備では困難であるため、上限を950
℃とした。
イトやマルテンサイトの生成を促進するため十分な耐食
性か得られない。一方、950℃を超える温度とするこ
とは通常の熱延設備では困難であるため、上限を950
℃とした。
【0028】仕上げ圧延後の冷却過程における700〜
600℃の滞在時間:5秒以下 700〜600℃では速い速度でフェライトに変態する
ため、滞在時間(鋼板が冷却中に700〜600℃であ
る時間)が5秒を超えると、オーステナイト中にCが高
濃度に濃縮し、熱延の冷却・巻取システムでは変態後、
パーライトやマルテンサイトになるからである。
600℃の滞在時間:5秒以下 700〜600℃では速い速度でフェライトに変態する
ため、滞在時間(鋼板が冷却中に700〜600℃であ
る時間)が5秒を超えると、オーステナイト中にCが高
濃度に濃縮し、熱延の冷却・巻取システムでは変態後、
パーライトやマルテンサイトになるからである。
【0029】巻取温度:550〜450℃ 550℃を超える温度で巻取ると、巻取後、ゆっくりで
はあるがフェライト変態が進行し、オーステナイト中に
Cが濃縮し、変態後パーライトやマルテンサイトとな
る。一方、450℃未満では、オーステナイト中にCが
濃縮していなくとも、マルテンサイトが生成するように
なる。この場合マルテンサイト中には残留歪みが多く、
Cがあまり濃縮していなくとも選択的に腐食が進行す
る。尚、組織がF+Pの場合、Cが共析組成近くまで濃
縮しているため、選択的に腐食が進行する。Cが濃縮
し、マルテンサイトとなった場合は特に腐食が進行す
る。
はあるがフェライト変態が進行し、オーステナイト中に
Cが濃縮し、変態後パーライトやマルテンサイトとな
る。一方、450℃未満では、オーステナイト中にCが
濃縮していなくとも、マルテンサイトが生成するように
なる。この場合マルテンサイト中には残留歪みが多く、
Cがあまり濃縮していなくとも選択的に腐食が進行す
る。尚、組織がF+Pの場合、Cが共析組成近くまで濃
縮しているため、選択的に腐食が進行する。Cが濃縮
し、マルテンサイトとなった場合は特に腐食が進行す
る。
【0030】
実施例A 表1及び2に示す成分の鋼片を仕上げ温度890℃で熱
間圧延し、700〜600℃の滞在時間を3秒として冷
却し、500℃で巻き取った。また、表1の試料No. A
4の成分の鋼を用いて、表3に示す種々の熱延条件によ
り試料No. Kグループの熱延鋼板を得た。
間圧延し、700〜600℃の滞在時間を3秒として冷
却し、500℃で巻き取った。また、表1の試料No. A
4の成分の鋼を用いて、表3に示す種々の熱延条件によ
り試料No. Kグループの熱延鋼板を得た。
【0031】これらの熱延鋼板について組織を調べると
共に、バット溶接により溶接し、溶接で盛り上がった部
分を研削して腐食試験片を作製した。この試験片を定電
位腐食試験(3%NaCl、30℃、−550mV、4
8hr)し、穴あき深さを測定した。母材部の穴あき深
さ(Dm)を0.35mm、溶接部の穴あき深さ(Dw)
はDmの1.2倍以下に抑えたいので、これらの条件を
満足するものを本発明例とした。組織観察結果、母材部
及び溶接部の穴あき深さの測定結果を同表に併せて示
す。
共に、バット溶接により溶接し、溶接で盛り上がった部
分を研削して腐食試験片を作製した。この試験片を定電
位腐食試験(3%NaCl、30℃、−550mV、4
8hr)し、穴あき深さを測定した。母材部の穴あき深
さ(Dm)を0.35mm、溶接部の穴あき深さ(Dw)
はDmの1.2倍以下に抑えたいので、これらの条件を
満足するものを本発明例とした。組織観察結果、母材部
及び溶接部の穴あき深さの測定結果を同表に併せて示
す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表1において、試料No. A1〜A8は穴あ
き深さに及ばすTi含有量の影響を調査したものであ
り、その結果を図1に整理して示す。図1より、良好な
耐穴あき性を有するためには、適当なTi量が必要であ
ることかわかる。詳細な調査の結果、固溶しているTi
濃度が耐食性に影響しているものと推定されたので、図
2に示すように、計算で求めた固溶Ti量([Ti]−Ti下
限値(すなわち48[N]/14+48[S]/32 ))を横軸に採っ
てデータを整理した。これより、固溶Tiは鋼板の溶接
部の耐食性向上に寄与することがわかる。固溶Tiが多
すぎると急速に耐食性か劣化するのは、析出物の増加や
溶接部がマルテンサイトになりやすくなり、マクロ電池
が形成されやすくなるためと推定される。
き深さに及ばすTi含有量の影響を調査したものであ
り、その結果を図1に整理して示す。図1より、良好な
耐穴あき性を有するためには、適当なTi量が必要であ
ることかわかる。詳細な調査の結果、固溶しているTi
濃度が耐食性に影響しているものと推定されたので、図
2に示すように、計算で求めた固溶Ti量([Ti]−Ti下
限値(すなわち48[N]/14+48[S]/32 ))を横軸に採っ
てデータを整理した。これより、固溶Tiは鋼板の溶接
部の耐食性向上に寄与することがわかる。固溶Tiが多
すぎると急速に耐食性か劣化するのは、析出物の増加や
溶接部がマルテンサイトになりやすくなり、マクロ電池
が形成されやすくなるためと推定される。
【0036】また、試料No. B1〜B5はN含有量の穴
あき深さに及ばす影響を調査したものであり、その結果
を図3に整理して示す。固溶Tiが本発明範囲内であっ
ても、Nが適当な範囲になければ十分な耐食性が得られ
ないことが分かる。これは、TiNがオーステナイト組
織の粗大化を抑えているため、溶接部にマルテンサイト
が生じにくいためと推定される。Nが過多になると耐食
性が劣化するのは、腐食の起点となるTiNが増えるた
めと推定される。
あき深さに及ばす影響を調査したものであり、その結果
を図3に整理して示す。固溶Tiが本発明範囲内であっ
ても、Nが適当な範囲になければ十分な耐食性が得られ
ないことが分かる。これは、TiNがオーステナイト組
織の粗大化を抑えているため、溶接部にマルテンサイト
が生じにくいためと推定される。Nが過多になると耐食
性が劣化するのは、腐食の起点となるTiNが増えるた
めと推定される。
【0037】また、試料No. C1〜C4はNi含有量の
穴あき深さに及ばす影響を調査したものであり、その結
果を図4に示す。Ni含有量が0.18%を下回ると急
激に耐食性が劣化する。Niが孔食を抑制する効果があ
ることは知られているが、このような急激な変化をする
との報告はない。図4の結果から、Niが少ないとCu
ヘゲが生じて、その範囲がミクロ電池化するため、耐食
性が急激に劣化するものと推定される。Cuヘゲを抑え
るためにはNiをCuの半分から同量添加すれば良いと
言われているが、図4ではCu含有量が0.30%の下
で、Ni含有量が0.18%を境に急激な耐食性向上作
用が認められ、これより耐食性の見地からは、Cuの少
なくとも6割程度は添加する必要があることが分かる。
穴あき深さに及ばす影響を調査したものであり、その結
果を図4に示す。Ni含有量が0.18%を下回ると急
激に耐食性が劣化する。Niが孔食を抑制する効果があ
ることは知られているが、このような急激な変化をする
との報告はない。図4の結果から、Niが少ないとCu
ヘゲが生じて、その範囲がミクロ電池化するため、耐食
性が急激に劣化するものと推定される。Cuヘゲを抑え
るためにはNiをCuの半分から同量添加すれば良いと
言われているが、図4ではCu含有量が0.30%の下
で、Ni含有量が0.18%を境に急激な耐食性向上作
用が認められ、これより耐食性の見地からは、Cuの少
なくとも6割程度は添加する必要があることが分かる。
【0038】また、試料No. D1〜D3及びE1〜E3
はCu含有量の穴あき深さに及ばす影響を調査したもの
であり、No. D1〜D3及びNo.Eの結果を図5に示
す。Cuは溶接部と母材部の電位差の拡大を抑制すると
考えられており、図5の結果から、十分な溶接部の耐食
性を確保するためには、0.1%以上添加する必要があ
ることが分かる。しかし、0.3%を超えて添加しても
その効果は飽和する傾向にあることが分かる。
はCu含有量の穴あき深さに及ばす影響を調査したもの
であり、No. D1〜D3及びNo.Eの結果を図5に示
す。Cuは溶接部と母材部の電位差の拡大を抑制すると
考えられており、図5の結果から、十分な溶接部の耐食
性を確保するためには、0.1%以上添加する必要があ
ることが分かる。しかし、0.3%を超えて添加しても
その効果は飽和する傾向にあることが分かる。
【0039】また、表2の試料No. H1〜H3はS含有
量の穴あき深さに及ばす影響を調査したものであり、N
o. H1〜H3及びNo.A4の結果を図6に示す。硫化物
は腐食の起点となるためできるだけ少ない方が良く、
0.016%未満にすることにより、良好な耐食性が得
られることが分かる。
量の穴あき深さに及ばす影響を調査したものであり、N
o. H1〜H3及びNo.A4の結果を図6に示す。硫化物
は腐食の起点となるためできるだけ少ない方が良く、
0.016%未満にすることにより、良好な耐食性が得
られることが分かる。
【0040】また、試料No. F1〜F3はC含有量の穴
あき深さに及ばす影響を調査したものであり、Cは炭化
物を形成し腐食の起点となり、またCは多量に添加する
と溶接部にマルテンサイト組織が生成しやすくなるの
で、少ない方が望ましいが、本発明では過度に減少せず
とも、0.07%でも十分な耐食性が得られることが分
かる。もっとも、本発明ではTiNによる溶接部でのマ
ルテンサイト生成抑制効果から、0.30%までは添加
することができる。
あき深さに及ばす影響を調査したものであり、Cは炭化
物を形成し腐食の起点となり、またCは多量に添加する
と溶接部にマルテンサイト組織が生成しやすくなるの
で、少ない方が望ましいが、本発明では過度に減少せず
とも、0.07%でも十分な耐食性が得られることが分
かる。もっとも、本発明ではTiNによる溶接部でのマ
ルテンサイト生成抑制効果から、0.30%までは添加
することができる。
【0041】また、試料No. G1〜G12、I1〜3
は、Mnを含めて種々の合金元素が本発明の効果を損な
わないことを確認した結果であり、本発明の範囲では溶
接部の穴あき深さはいずれも母材部の穴あき深さの1.
2倍以下である。
は、Mnを含めて種々の合金元素が本発明の効果を損な
わないことを確認した結果であり、本発明の範囲では溶
接部の穴あき深さはいずれも母材部の穴あき深さの1.
2倍以下である。
【0042】また、表3の試料No. K1〜K13は、熱
延条件を種々変えて、穴あき深さに及ぼす組織の影響を
調査したものであり、鋼板の組織をF(フェライト)+
B(ベイナイト)とした実施例の場合では耐食性は良好
であるが、F+M(マルテンサイト)とした場合やF+
P(パーライト)とした場合には耐食性が劣化すること
が分かる。既述の通り、パーライトはラメラー状のパー
ライトであり、これ以外のベイナイトかパーライトかの
区別が難しいものはベイナイトとした。また、組織をF
+Bとするには、フェライトの析出をできるだけ抑制
し、450〜550℃で巻取処理する必要があることが
分かる。もっとも、試料No. K2、K7及びK11から
明らかな通り、PやMが存在しても、その量が僅かな場
合は良好な耐食性が得られている。
延条件を種々変えて、穴あき深さに及ぼす組織の影響を
調査したものであり、鋼板の組織をF(フェライト)+
B(ベイナイト)とした実施例の場合では耐食性は良好
であるが、F+M(マルテンサイト)とした場合やF+
P(パーライト)とした場合には耐食性が劣化すること
が分かる。既述の通り、パーライトはラメラー状のパー
ライトであり、これ以外のベイナイトかパーライトかの
区別が難しいものはベイナイトとした。また、組織をF
+Bとするには、フェライトの析出をできるだけ抑制
し、450〜550℃で巻取処理する必要があることが
分かる。もっとも、試料No. K2、K7及びK11から
明らかな通り、PやMが存在しても、その量が僅かな場
合は良好な耐食性が得られている。
【0043】実施例B 表4及び5に示す成分の鋼片を仕上げ温度880℃で熱
間圧延し、700〜600℃の滞在時間を3秒として冷
却し、500℃で巻き取った。また、表4の試料No. A
4の成分の鋼を用いて、表6に示す種々の熱延条件によ
り試料No. Kグループの熱延鋼板を得た。尚、実施例B
は、実施例Aに比して、C含有量を高めて、高強度化を
狙ったものである。
間圧延し、700〜600℃の滞在時間を3秒として冷
却し、500℃で巻き取った。また、表4の試料No. A
4の成分の鋼を用いて、表6に示す種々の熱延条件によ
り試料No. Kグループの熱延鋼板を得た。尚、実施例B
は、実施例Aに比して、C含有量を高めて、高強度化を
狙ったものである。
【0044】これらの熱延鋼板について、実施例Aと同
様にして、組織観察及び穴あき深さを測定した。母材部
の穴あき深さ(Dm)を0.50mm、溶接部の穴あき深
さ(Dw)はDmの1.2倍以下に抑えたいので、これ
らの条件を満足するものを本発明例とした。組織観察結
果、母材部及び溶接部の穴あき深さの測定結果を同表に
併せて示す。
様にして、組織観察及び穴あき深さを測定した。母材部
の穴あき深さ(Dm)を0.50mm、溶接部の穴あき深
さ(Dw)はDmの1.2倍以下に抑えたいので、これ
らの条件を満足するものを本発明例とした。組織観察結
果、母材部及び溶接部の穴あき深さの測定結果を同表に
併せて示す。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】試料No. A1〜A8は穴あき深さに及ぼす
Ti含有量の影響を調査したものであり、試料No. B1
〜B5はN含有量の、No. C1〜C4はNi含有量の、
No.D1〜D5はCu含有量の、No. H1〜H3はS含
有量の、No. F1〜F4はC含有量の穴あき深さに及ば
す効果を調査したものであり、またNo. G1〜G12及
びNo. I1〜I2はMnを含めて種々の合金元素が本発
明の効果を損なわないことを確認した例であり、実施例
Aと同様、本発明の成分範囲では溶接部の穴あき深さは
いずれも母材部の穴あき深さの1.2倍以下である。
尚、No. F1の引張強さは44 kgf/mm2 、No. F2は
52 kgf/mm2 、No. F3は68 kgf/mm2 、No. F4
は81 kgf/mm2 であり、C含有量が0.05%以上で
高強度化が図られることが分かる。
Ti含有量の影響を調査したものであり、試料No. B1
〜B5はN含有量の、No. C1〜C4はNi含有量の、
No.D1〜D5はCu含有量の、No. H1〜H3はS含
有量の、No. F1〜F4はC含有量の穴あき深さに及ば
す効果を調査したものであり、またNo. G1〜G12及
びNo. I1〜I2はMnを含めて種々の合金元素が本発
明の効果を損なわないことを確認した例であり、実施例
Aと同様、本発明の成分範囲では溶接部の穴あき深さは
いずれも母材部の穴あき深さの1.2倍以下である。
尚、No. F1の引張強さは44 kgf/mm2 、No. F2は
52 kgf/mm2 、No. F3は68 kgf/mm2 、No. F4
は81 kgf/mm2 であり、C含有量が0.05%以上で
高強度化が図られることが分かる。
【0049】また、表6のK1〜K13は、熱延条件を
種々変えて、穴あき深さに及ぼす組織の影響を調査した
ものであり、鋼板の組織をF(フェライト)+B(ベイ
ナイト)とした実施例の場合では耐食性は良好である
が、Bの代わりにM(マルテンサイト)やP(パーライ
ト)が生成したものでは、耐食性が劣化している。
種々変えて、穴あき深さに及ぼす組織の影響を調査した
ものであり、鋼板の組織をF(フェライト)+B(ベイ
ナイト)とした実施例の場合では耐食性は良好である
が、Bの代わりにM(マルテンサイト)やP(パーライ
ト)が生成したものでは、耐食性が劣化している。
【0050】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の鋼板によれ
ば、特に適量の固溶Tiの存在、TiN析出物によるオ
ーステナイトの粗大化抑制により、溶接部やその周辺等
の加熱部における焼入組織の生成を可及的に抑制するこ
とができ、焼戻し熱処理を行うことなく、加熱のままで
も十分な耐食性を部分加熱部に付与することができる。
また、焼入組織の生成抑制効果は極低炭素化によるもの
でないため、耐食性を損なわない範囲としてC含有量を
0.30%まで許容することができ、製造が容易で、鋼
板の高強度化も容易である。さらに、組織の主体をC濃
度の低いフェライト及びベイナイトとすることにより、
ミクロ電池の形成を抑制することができ、また溶接部の
耐食性改善のために添加されるCuによって引き起こさ
れるヘゲをNiによって抑制するため母材部の耐食性も
良好である。また、本発明の製造方法のよれば、加熱部
の耐食性に優れた鋼板を容易に製造することができる。
ば、特に適量の固溶Tiの存在、TiN析出物によるオ
ーステナイトの粗大化抑制により、溶接部やその周辺等
の加熱部における焼入組織の生成を可及的に抑制するこ
とができ、焼戻し熱処理を行うことなく、加熱のままで
も十分な耐食性を部分加熱部に付与することができる。
また、焼入組織の生成抑制効果は極低炭素化によるもの
でないため、耐食性を損なわない範囲としてC含有量を
0.30%まで許容することができ、製造が容易で、鋼
板の高強度化も容易である。さらに、組織の主体をC濃
度の低いフェライト及びベイナイトとすることにより、
ミクロ電池の形成を抑制することができ、また溶接部の
耐食性改善のために添加されるCuによって引き起こさ
れるヘゲをNiによって抑制するため母材部の耐食性も
良好である。また、本発明の製造方法のよれば、加熱部
の耐食性に優れた鋼板を容易に製造することができる。
【図1】穴あき深さに及ぼす全Ti含有量の影響を示す
グラフである。
グラフである。
【図2】穴あき深さに及ぼす固溶Ti含有量の影響を示
すグラフである。
すグラフである。
【図3】穴あき深さに及ぼすN含有量の影響を示すグラ
フである。
フである。
【図4】穴あき深さに及ぼすNi含有量の影響を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図5】穴あき深さに及ぼすCu含有量の影響を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図6】穴あき深さに及ぼすS含有量の影響を示すグラ
フである。
フである。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、C :0.30%以下、M
n:0.2〜2.0%、S :0.016%未満、C
u:0.1〜1.0%、Ni:0.6[Cu]〜1.0[Cu]
%、N :0.003〜0.010%、Ti:(48[N]/
14+48[S]/32 )超〜(48[N]/14+48[S]/32 +0.2)
%未満、を含み、残部Fe及び不可避的不純物からな
り、フェライト及びベイナイトを主体とする組織を有す
ることを特徴とする部分加熱部の耐食性に優れた鋼板。 - 【請求項2】 C:0.065〜0.30%、Ti:
(48[N]/14+48[S]/32)超〜(48[N]/14+48[S]/32 +
0.1)%未満を含む請求項1に記載した部分加熱部の
耐食性に優れた鋼板。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載した成分の他に、
更にP :0.01〜0.10%、Si:0.01〜
2.0%,Nb:0.01〜0.04%,Cr:0.1
〜1.0%,B:0.0002〜0.0020%,V:
0.01〜0.20%,Mo:0.01〜0.20%か
らなるAグループ、REM :0.0004〜0.0020
%,Ca:0.0004〜0.0020%からなるBグ
ループ、のうちから一種または2種以上の元素を含有す
る請求項1又は2に記載した部分加熱部の耐食性に優れ
た鋼板。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載された鋼
成分を有する鋼片を仕上げ温度950℃〜Ar3点で熱間
圧延し、700〜600℃における滞在時間が5秒以下
で冷却し、550〜450℃で巻取ることを特徴とする
部分加熱部の耐食性に優れた鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18680596A JPH108197A (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 部分加熱部の耐食性に優れた鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18680596A JPH108197A (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 部分加熱部の耐食性に優れた鋼板及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH108197A true JPH108197A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=16194902
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18680596A Pending JPH108197A (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 部分加熱部の耐食性に優れた鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH108197A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014111806A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Jfe Steel Corp | 耐アルコール腐食性に優れた鋼材 |
-
1996
- 1996-06-26 JP JP18680596A patent/JPH108197A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014111806A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Jfe Steel Corp | 耐アルコール腐食性に優れた鋼材 |
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