JPH108249A - フィルム状基材への膜形成装置 - Google Patents

フィルム状基材への膜形成装置

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JPH108249A
JPH108249A JP16625396A JP16625396A JPH108249A JP H108249 A JPH108249 A JP H108249A JP 16625396 A JP16625396 A JP 16625396A JP 16625396 A JP16625396 A JP 16625396A JP H108249 A JPH108249 A JP H108249A
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克文 峰岸
Takayuki Noguchi
孝行 野口
Hiroshi Kawaguchi
博 河口
Katsuhiko Shimojima
克彦 下島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーク放電式真空蒸着装置等において、真空
槽内のコーティングロールにフィルム状基材を巻き掛け
走行させながら膜形成を行う場合、基材が熱容量の小さ
な金属箔などでは、局部的な温度上昇に伴い熱膨張が生
じる。このときの幅方向の寸法変化が、コーティングロ
ールへの一様な密着状態により全体にわたって拘束され
ているため、基材にシワが発生する。 【解決手段】 コーティングロール8の外周面を、端部
側の径が中央よりも小さなクラウン状に形成する。これ
により、フィルム状基材5は、ロール8との密着度合い
が端部側で小さくなり、摩擦力が低下して拘束力が弱く
なる。この結果、熱膨張に伴う幅方向の変位が端部側で
許容され、これによって、シワの発生が抑えられた高品
質のコーティング製品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属箔や樹脂フィ
ルムなどのフィルム状基材への膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属箔や樹脂フィルム、紙、布などの厚
さの薄いフィルム状の基材表面に薄膜をコーティングす
る装置として、真空蒸着装置やスパッタリング装置など
の膜形成装置が使用されている。このような装置では、
例えば本発明の説明図である図2に示すように、真空槽
1内における蒸発源4からの蒸発物質4aの飛散方向に、
水冷されたコーティングロール8が設けられている。こ
のコーティングロール8にフィルム状の基材5を巻き掛
け走行させながら、この基材5におけるコーティングロ
ール8への巻き掛け領域表面に蒸発物質4aを付着させ、
これによって、基材5表面への膜形成を行うようになっ
ている。
【0003】このような膜形成時には、基材5は蒸発源
4からの輻射熱や蒸発物質4aが持ち込む熱等により温度
が上昇する。そこで、基材5に過度の温度上昇が生じて
損傷することのないように、上記のコーティングロール
8は内部に水等の冷却媒体を循環させて冷却されてい
る。そして従来は、基材に対して上記の冷却効果が充分
に与えられるように、コーティングロールは円筒状、す
なわち、その外周面における軸心に平行な母線が真直な
形状(以下、フラット状ともいう)に形成され、これに
より、基材がその幅方向の全体にわたってコーティング
ロールに一様に密着して走行するように構成されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように外周面がフラット状のコーティングロールを用い
て、例えば10〜100 μmの厚さの金属箔に0.02μm以上
の厚さのコーティングをアーク放電式の真空蒸着にて行
う場合等には、図5に示すように、フィルム状の基材5'
にシワ10…が発生して製品不良になり易いという問題を
生じている。
【0005】つまり、厚さの薄い金属箔等の場合には熱
容量が小さいために、蒸発源4'に対面する領域の温度が
部分的に急上昇し、この温度上昇に伴って熱膨張する。
この熱膨張に伴う基材5'の寸法変化は、その走行方向に
は、基材5'に加えられている張力によってコーティング
ロール8'の外周面を周方向に滑ることで吸収される。し
かしながら、幅方向には張力は加わっておらず、しか
も、基材5'は、フラット形状のコーティングロール8'に
幅方向に一様に密着しているため、図中矢印sで示すよ
うな幅方向の変位は、摩擦力Ft により全体にわたって
拘束されている。この結果、コーティングロール8'表面
で前記のようなシワ10…が生じるものとなっている。
【0006】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、コーティングロール上での
シワの発生を抑えて品質に優れたコーティング製品を得
ることの可能なフィルム状基材への膜形成装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のフィルム状基材への膜形成装置は、真空
槽内に冷却手段を備えたコーティングロールが設けら
れ、このコーティングロール外周面にフィルム状の基材
を巻き掛け走行させながら、巻き掛け領域における基材
表面に蒸発源からの蒸発物質を付着させ膜形成を行うフ
ィルム状基材への膜形成装置において、上記コーティン
グロールの外周面が、これに巻き掛けられる基材の幅方
向端部側に対応する位置での外径を中央よりも小さくし
て形成されていることを特徴としている。
【0008】このように、端部側の外径を中央よりも小
さくしたコーティングロールを用いることにより、この
ロールに巻き掛けて走行させるフィルム状基材は、ロー
ルとの密着度合いが端部側で小さくなり、幅方向への変
位に対する摩擦力が低下して拘束力が弱くなる。この結
果、熱膨張に伴う寸法変化を生じる際に、基材の端部側
が幅方向に変位し易くなり、これによって、シワの発生
が抑制され、品質に優れたコーティング製品を得ること
ができる。
【0009】上記のようなコーティングロールの外周面
形状としては、例えば請求項2記載のようにクラウン状
とした構成を採用することができ、また、請求項3記載
のように、軸方向中央部に、径方向に局部的に突出する
径大部を設けて構成すること等が可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態について説明する。図2は、膜形成装置として
のアーク放電式真空蒸着装置における真空槽1内の要部
構成を模式的に示すものであって、真空槽1内は、隔壁
1aによって蒸着室2と基材走行駆動室3とに区画されて
いる。蒸着室2内には、形成膜に対応する材質から成る
蒸発源4と、図示してはいないが、この蒸発源4の表面
に真空アーク放電を発生させるためのアーク放電発生機
構とが設けられている。
【0011】一方、基材走行駆動室3内には、フィルム
状の基材5が巻付けられた基材供給ロール6と、基材5
を巻取る巻取ロール7と、コーティングロール8とが配
設されている。コーティングロール8は、前記隔壁1aに
形成されている開口を通して、外周面の一部が蒸着室2
側に突出するように配置されている。このコーティング
ロール8に基材供給ロール6から供給される基材5を巻
き掛けて走行させ、この基材5を巻取ロール7で巻取る
ように構成されている。なお、走行状態の基材4に作用
する張力Fp が所定の範囲内で維持されるように、基材
5の走行経路上に張力自動調整装置(図示せず)がさら
に設けられている。
【0012】上記のコーティングロール8は、図1に示
すように、外周面がクラウン状、すなわち、外周面にお
ける軸方向に沿う母線Lm の形状を半径R1の円弧状にし
て、軸方向端部側の外径を中央よりも小さくした形状で
形成されている。なお、このコーティングロール8に
は、冷却手段としての冷却用配管(図示せず)が内部に
設けられている。この冷却用配管に冷却水を循環させる
ことにより、このコーティングロール8を水冷しながら
回転駆動し得るようになっている。
【0013】上記装置により、例えばアルミニウム金属
箔を基材5とし、これに例えばチタン膜をコーティング
するときの操作手順について説明する。まず、基材供給
ロール6に巻付けられた上記の基材5の先端部を、コー
ティングロール8に巻き掛けた後に巻取ロール7に係止
し、真空槽1の基材走行駆動室3内に、図2に示す状態
にセットする。また、蒸着室2内には、蒸発源4として
チタン製のターゲットを装着する。その後、図示しない
真空ポンプを駆動して真空槽1内を排気し、所定の真空
度に達した後に、前記アーク放電発生機構を作動し、カ
ソードとしての蒸発源4と、アーク放電発生機構におけ
るアノード電極との間に所定の電圧を印加することによ
って、蒸発源4の表面にアーク放電を生じさせる。同時
に、コーティングロール8への冷却水の循環を開始し、
また、基材供給ロール6とコーティングロール8および
巻取ロール7とを互いに同期させて回転させ、所定の速
度で基材5の走行を開始させる。
【0014】上記のように、蒸発源4の表面に真空中で
アーク放電を生じさせることにより、放電電流が集中し
たアークスポットによって、蒸発源4表面の微小領域が
蒸気化する。この蒸気はさらに電離してプラズマ流が形
成され、このプラズマ流から、負のバイアス電圧が印加
され、もしくは接地されている前記コーティングロール
8の方向に正イオンが蒸発物質4aとして引き出される。
これが、コーティングロール8に巻き掛けられて走行す
る基材5に付着し、基材5の表面に蒸発源4と同じ材
質、すなわち、チタンから成る膜がコーティングされ
る。この膜厚が所定の厚さとなるように、基材5の走行
速度、およびアーク放電電流を調整しながら上記の膜形
成を継続する。
【0015】なお、真空槽1内の雰囲気が上記のように
真空の場合は、基材5表面には蒸発源4と同材質の膜が
コーティングされるが、真空槽1内に反応性ガス、例え
ば窒素ガスを導入すると、蒸発物質4aとガスとの反応生
成物、例えばTiNの膜がコーティングされる。ところ
で、上記のような膜形成時には、コーティングロール8
に巻き掛けられて走行する基材5には、蒸発源4からの
輻射熱や蒸着物質4aが持込む熱等により温度が上昇す
る。これによって温度上昇が過度に生じると基材5が損
傷するために、コーティングロール8にはその内部に水
を循環させて冷却し、これによって、基材5の過熱が防
止されている。
【0016】一方、特に基材5が金属箔の場合には、熱
容量が小さいために局部的な温度の上昇度合いが大き
く、この温度上昇により、前述したように、従来は熱膨
張に起因するシワが生じていた。すなわち、温度上昇に
伴う熱膨張での寸法変化は、その走行方向には、基材5
に加えられている張力Fp によって、図2中矢印u・u
で示すように、コーティングロール8の外周面を基材5
が周方向に滑ることで吸収される。しかしながら、幅方
向には張力は加わっておらず、この状態で、従来は基材
がコーティングロールに幅方向に一様に密着した構成で
あるため、基材の幅方向の変位が摩擦力により全体にわ
たって拘束され、この結果、基材にシワが発生してい
た。
【0017】これに対し、本実施形態では、コーティン
グロール8として外周面がクラウン形状のものを使用し
ている。この場合、図1に模式的に示すように、基材5
は、コーティングロール8の軸方向中央部ではこのロー
ル8に密着状態となっているが、端部側に向かうにつれ
て密着度合いは徐々に弱くなり、端の部分では浮き上が
った状態となっている。したがって、端部側では、基材
5がコーティングロール8の表面を、図中矢印sで示す
ように軸方向に変位する場合でも、摩擦による拘束力は
弱くなる。
【0018】この結果、熱膨張に伴って幅方向の寸法変
化が基材5に生じる場合でも、その変化に応じて、基材
5は、コーティングロール8の外周面上を軸方向両側に
滑動する。これにより、従来生じていたシワの発生が無
くなり、品質に優れたコーティング製品を安定して製造
することが可能となる。具体的な製造結果の一例を挙げ
れば、例えば、クラウン状のコーティングロール8とし
て半径R1が 150mのものを使用し、厚さ:50μm、幅:5
00mmのアルミニウム金属箔に0.1μmのチタン膜のコ
ーティングを行ったが、シワが無くかつコーティング膜
の付着強度にも優れた良質のコーティング製品を安定し
て製造することができた。
【0019】なお、上記の実施形態は本発明を限定する
ものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば上記では、コーティングロール8の外周面を
母線Lm が円弧に沿うクラウン状に形成した例を挙げて
説明したが、その他、母線L m が例えばサインカーブに
沿う曲面状に形成することや、図3に示すように、軸方
向中央部8aを半径R2の比較的小さな断面湾曲状とし、そ
の両端側8b・8bはテーパ形状にすることによって、端部
側の径を中央よりも細くした形状とすることも可能であ
る。また、図4に示すように、中央部には半径R3の断面
湾曲状の凸部(径大部)8cを設けて局部的に径大とし、
その両側8d・8dは端部に至るまで軸心に平行な円筒面と
した形状とすることも可能であり、これらの形状のコー
ティングロールを用いても、上記実施形態とほぼ同様の
効果を得ることができる。
【0020】一方、上記実施形態ではアーク放電式真空
蒸着装置に本発明を適用した例を挙げたが、例えば蒸着
用ルツボを蒸発源とする蒸着装置や、スパッタリングカ
ソードを蒸発源とするスパッタリング装置などのその他
の膜形成装置に本発明を適用して構成することが可能で
ある。また、上記では、基材5としてアルミニウム金属
箔を用いた例を挙げて説明したが、その他の金属箔や、
金属箔以外の樹脂フィルム等を用いる場合にも本発明を
適用することができる。
【0021】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明のフィルム
状基材への膜形成装置においては、基材が巻き掛けられ
て走行するコーティングロールは、基材の密着度が幅方
向端部側で弱くなるように、端部側を中央部より小径に
して形成されている。これにより、基材に局部的な温度
上昇で熱膨張が生じる場合でも、幅方向の寸法変化に対
して端部側の摩擦力による拘束が弱く、このため、幅方
向への変位が許容されシワの発生が抑制される。この結
果、製品不良の発生が低減され、品質に優れたコーティ
ング製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるコーティングロー
ルの形状と基材との関係を概略的に示す一部切欠断面図
である。
【図2】上記コーティングロールが組込まれた膜形成装
置の要部構成を示す正面図である。
【図3】コーティングロールの変形例と基材との関係を
概略的に示す一部切欠断面図である。
【図4】コーティングロールのさらに他の変形例と基材
との関係を概略的に示す一部切欠断面図である。
【図5】従来のコーティングロールを用いて膜形成を行
ったときの基材におけるシワの発生を模式的に示す一部
切欠断面図である。
【符号の説明】
1 真空槽 1a 隔壁 2 蒸着室 3 基材走行駆動室 4 蒸発源 4a 蒸発物質 5 基材 6 基材供給ロール 7 巻取ロール 8 コーティングロール 8c 凸部(径大部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 孝行 茨城県高萩市大字安良川字下ノ内363番地 ケーデーケー株式会社内 (72)発明者 河口 博 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 下島 克彦 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内に冷却手段を備えたコーティン
    グロールが設けられ、このコーティングロール外周面に
    フィルム状の基材を巻き掛け走行させながら、巻き掛け
    領域における基材表面に蒸発源からの蒸発物質を付着さ
    せ膜形成を行うフィルム状基材への膜形成装置におい
    て、 上記コーティングロールの外周面が、これに巻き掛けら
    れる基材の幅方向端部側に対応する位置での外径を中央
    よりも小さくして形成されていることを特徴とするフィ
    ルム状基材への膜形成装置。
  2. 【請求項2】 上記コーティングロールの外周面がクラ
    ウン状であることを特徴とする請求項1記載のフィルム
    状基材への膜形成装置。
  3. 【請求項3】 上記コーティングロールの外周面におけ
    る軸方向中央部に、径方向に局部的に突出する径大部が
    設けられていることを特徴とする請求項1記載のフィル
    ム状基材への膜形成装置。
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