JPH1084959A - 細胞表面レセプターに対するモノクローナル抗体ならびにそのフラグメントの結合体ならびに複合体、それらの製法ならびに細胞への嵌入方法および使用方法 - Google Patents

細胞表面レセプターに対するモノクローナル抗体ならびにそのフラグメントの結合体ならびに複合体、それらの製法ならびに細胞への嵌入方法および使用方法

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JPH1084959A
JPH1084959A JP8236500A JP23650096A JPH1084959A JP H1084959 A JPH1084959 A JP H1084959A JP 8236500 A JP8236500 A JP 8236500A JP 23650096 A JP23650096 A JP 23650096A JP H1084959 A JPH1084959 A JP H1084959A
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monoclonal antibody
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cell surface
fragment
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Nobuyoshi Shimizu
信義 清水
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SHIBAYAGI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】細胞表面に存在するレセプターに対するモノク
ローナル抗体またはそのフラグメントの結合体ならびに
その複合体およびその細胞への嵌入方法ならびに使用法
方を提供すること。 【解決手段】 細胞表面レセプター、例えばEGF レセプ
ターに対するモノクローナル抗体またはそのフラグメン
トと、ポリリジンとを、それぞれチオエーテル結合を介
してまたはジスルフィド結合を介して結合させた結合体
であり、イムノポーターの働きをする。また、この結合
体と、遺伝子とを結合させて得たイムノジーンとしての
複合体を作製し、この複合体を、癌細胞に対して治療的
に作用する遺伝子などを嵌入させることができる。嵌入
によって癌細胞に導入された治療用遺伝子が癌細胞を死
滅させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、細胞表面レセプタ
ーに対するモノクローナル抗体ならびにそのモノクロー
ナル抗体フラグメントの結合体ならびにそれらの複合
体、それらの製法、細胞への嵌入方法および使用方法に
関するものであり、さらに詳細には、細胞表面レセプタ
ー、例えば上皮細胞増殖因子(EGF) レセプターに対する
モノクローナル抗体ならびにそのモノクローナル抗体フ
ラグメントの結合体またはその結合体と遺伝子との複合
体ならびに該レセプターを介したエンドサイトーシスを
利用した新規なジーンデリバリーシステムおよびそれら
の使用方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】細胞の表面には様々なレセプターが存在
していて、そのうちの1つのレセプターである上皮細胞
増殖因子レセプター(EGFR)が上皮細胞の表面に局在して
いることが判明した。一方、上皮細胞増殖因子(EGF) に
ついては、その生理学的役割が、歯の発育、胃、肺の発
達などにおいて広範に研究されている。EGF は、特異的
な細胞表面のレセプターと相互作用して、生体内および
生体外において、種々の細胞の増殖を刺激している。そ
のEGF レセプター(EGFR)は、内在性タンパクチロシンキ
ナーゼ活性を持つ1186個のアミノ酸からなる170,000 ダ
ルトンの膜貫通性グリコプロテインである。このEGF レ
セプターの発現は、増殖中の細胞に限定され、その発現
は細胞が分化し、増殖を停止したときに終了する。また
EGF の発現は、増殖中の細胞が腺細胞に分化した後に起
こる。更に、腫瘍の中心部の末梢細胞では、DNA 合成が
盛んに行なわれていて、その細胞が急激に増殖してい
る。従つて、EGF レセプターの発現と悪性腫瘍細胞の生
育とは直接的な因果関係があるといえる。 【0003】細胞ならびに組織のEGF レセプターのレベ
ルをラジオレセプターアッセイまたは免疫組織化学的染
色法によって測定したところ、小細胞肺癌はEGF 結合活
性を全く持たず、腺癌は中程度のEGF 結合活性である
が、通常の組織レベルに比べると明らかに上昇した活性
を示すのに対して、扁平上皮癌は腺癌などを含む他の肺
癌よりも実質的に高いEGF 結合活性を示している。この
結果、EGF レセプターが高いレベルにあることは、肺扁
平上皮癌ばかりでなく、腺癌の発達にも関与しているも
のと考えられる。 【0004】近年、正確に癌細胞を標的として捕えるこ
とができる癌化学療法が強く要望されている。その目的
のために、今日では、トランスフェリンレセプター、神
経成長因子レセプターなどのレセプターばかりでなく、
乳癌細胞、前立腺癌細胞など種々の癌細胞に対するモノ
クローナル抗体も、種々のタンパクトキシンに結合され
るイムノトキシンとして使用されている。扁平上皮癌は
EGF レセプターを過剰に産生し、生体内での増殖が極め
て早い。また細胞表面のEGF レセプターは抗体と結合し
て共に嵌入されることが知られているので、EGF レセプ
ターは扁平上皮癌に対する療法のための優れた標的と考
えられる。 【0005】EGF レセプターに対するモノクローナル抗
体( 以下、「抗EGF レセプターモノクローナル抗体」と
もいう) は、主に、EGF レセプターを過剰産生する扁平
上皮癌の細胞において過剰産生される低親和性のEGF レ
セプターと免疫反応をする。本発明者らは、EGF レセプ
ターに対するモノクローナル抗体を、60S リボゾーム不
活化タンパクであるゲロニンに結合させたものを既に報
告している(Hirota,N., et al.; CANCER RESEARCH; 49,
7106一7109, Dec.I5, 1989) 。このモノクローナル抗
体ーゲロニン結合体は、EGF レセプターの数に比例して
細胞表面に結合する。この結合体は、細胞内に嵌入し、
タンパク合成を阻害し、EGF レセプターを過剰産生する
癌細胞を死滅させることができる。更に、この結合体
は、通常のヒト繊維芽細砲に対して僅かに細胞毒性を示
すが、EGF レセプターが欠失している小細胞肺癌細胞と
マウス繊維芽細胞を死滅させることはない。これに対し
て、遊離のゲロニンおよびこれらの混合物では、EGF レ
セプターを過剰産生する細胞を死滅させることはなかっ
た。これらの結果から、このモノクローナル抗体-ゲロ
ニン結合体は、EGF セプターを過剰産生する扁平上皮癌
に対する標的療法に使用できることを示唆した。 【0006】一方、本発明者らは、EGF レセプターを認
識するモノクローナル抗体と、扁平上皮癌に対する抗癌
剤であるペプロマイシン(PEP) とを結合させた結合体も
報告している(0saku, M., et al.; ANTICANCER RESEARC
H, 11:1951-1956(1991)。この結合体は、PEP 単独より
も低濃度で、EGF レセプターを過剰産生する扁平上皮癌
のA431細胞を死滅させる。また、この結合体は、EGF レ
セプターが扁平上皮癌における多くの症例で過剰産生さ
れていることから、EGF レセプターを利用する処置のた
めの有用な武器となりうると報告した。 【0007】上述したように、抗EGF レセプターモノク
ローナル抗体と不活化タンパクや抗ガン剤との結合体が
作製され、臨床での効果が期待されている。しかしなが
ら、癌という病気の多様性等を考慮すると、多種多様な
癌療法を開発することも強く望まれているのが現状であ
る。 【0008】最近では、外来性の遺伝子を、標的とする
細胞に対してデリバリーして治療をするシステムに強い
関心が寄せられている。このシステムはジーンデリバリ
ーシステムといわれ、現在、ウイルスを利用したもの
と、非ウイルスによるものの両方が使用されている。ウ
イルスを利用したジーンデリバリーシステムにおいて
は、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイ
ルスおよびヘルペス・シンプレックス・ウイルスに由来
するベクターが利用されている。他方、非ウイルスによ
るジーンデリバリーシステムにおいては、カチオン性リ
ポソームや、細胞表面に結合するタンパク質、例えばア
シアログリコプロテインもしくはトランスフェリンが、
ポリリジンと修飾された後に利用されている。 レトロ
ウイルスやアデノウイルスなどのウイルスベクターシス
テムは、非常に有効なトランスフェクションをすること
ができるので、生体外(ex vivo) 遺伝子治療に採用され
ている。しかしながら、治療用遺伝子を特定の組織や臓
器を標的として移行させる、いわゆるターゲットデリバ
リーにおいては、生体内(in vivo) 遺伝子治療に要請さ
れる種々の問題が未だ解決されていない。また、トラン
スフェリンやアシアログリコプロテインとのレセプター
を媒介したエンドサイトーシスを利用した非ウイルスシ
ステムにおいては、トランスフェリンをポリリジンと結
合させ、更に遺伝子DNA とを結合させた複合体が使用さ
れている。この複合体は、生体外で遺伝子を、増殖期の
細胞、特に造血細胞に特異的に運搬することができる。
アシアログリコプロテインもまたポリリジンと結合さ
せ、生体外で肝細胞を、また生体内でラットの肝臓を標
的としたジーンデリバリーの伝達体として使用されてい
る。この後者のシステムは更に先天性の代謝疾患、特に
肝ジーンセラピーに利用できることを示唆している。ト
ランスフェリンもしくはアシアログリコプロテインとポ
リリジンとの複合体によって導入されたレポーター遺伝
子の活性は、リソソーム剤クロロキン、インフルエンザ
ウイルスのヘマグルチニンのN 末端融合誘導ペプチドお
よびアデノウイルスとが含まれている場合には、明らか
に増加している。このことは、それぞれのレセプターの
エンドサイトーシスによってレポーター遺伝子が細胞の
転写・翻訳機構に移行されることを示唆している。しか
しながら、これらのジーンデリバリーシステムにはいず
れも未解決の課題が数多く残されている。 【0009】また、癌の遺伝子療法として、腫瘍壊死因
子(TNF) 遺伝子を腫瘍浸潤骨髄細胞中に導入して黒色腫
の治療を行なった症例が知られている(Hwu, P., et al:
J.Nevrosurg.; 79, 104-110 (1993)) 。この症例で
は、患者から単離した骨髄細胞にカルシウム- リン酸沈
殿法ならびにエレクトロポレーションによってDNA を生
体外で導入した後、患者の血液中に戻すことによって治
療が行なわれた。しかしながら、この方法は、遺伝子を
特定の標的細胞に直接導入するものではない。従つて、
遺伝子を特定の標的細胞に直接導入できるジーンデリバ
リーシステムが開発されれば、癌の治療にとって極めて
有用であると考えられる。 【0010】かかる要請に応えて、本発明者は、最近、
EGF レセプター媒介エンドサイトーシスによって、遺伝
子と一緒に内部移行されるモノクローナル抗体を利用す
る新規なジーンデリバリーシステムを完成した。このモ
ノクローナル抗体を、ガンの遺伝子治療へのジーンデリ
バリーシステムに応用する取り組みを提案した。つま
り、本発明者は、特願平6-40 326 号に係る発明におい
て、EGF レセプターに対するモノクローナル抗体と、ポ
リリジンとをジスルフィド結合を介して結合させて得ら
れた結合体をジーンデリバリーシステムに利用すること
を提案している。また、この先行発明では、上記モノク
ローナル抗体とポリリジンとをジスルフィド結合を介し
て結合した結合体と、遺伝子とを結合した複合体をジー
ンデリバリーシステムに応用することを提案している。 【0011】しかしながら、前述した先行発明において
提案したジスルフィド結合を介してモノクローナル抗体
とポリリジンとを結合させた結合体は、トランスフェク
ション活性があまり高くなくまた安定性も高いとはいえ
ないことから、この結合体よりもトランスフェクション
活性が高くまたより一層安定した結合体が望まれてい
る。また、ジーンデリバリーシステムに臨床的に適用す
るためには、トランスフェクション効率がより一層高く
かつより一層安定した結合体を遺伝子と結合させて複合
体を作製して、ジーンデリバリーシステムによって目的
とする細胞に嵌入し治療することが望まれている。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、要望され
ている有効なジーンデリバリーシステムについて鋭意研
究ならびに検討を重ねた結果、細胞表面レセプター、特
にEGF レセプターに対するモノクローナル抗体をポリリ
ジンなどのスペーサーに結合させると、より高いトラン
スフェクション活性とより一層安定した結合体が得られ
ること、またこの結合体を遺伝子と結合させた複合体
が、該レセプターを過剰産生する癌細胞を標的とするジ
ーンデリバリシステムを構築することができることを見
出して、本発明を完成するに至つた。 【0013】また、かかるモノクローナル抗体を更に研
究した結果、そのモノクローナル抗体のFab フラグメン
トが細胞表面のレセプター、特にEGR レセプターに結合
し、そのモノクローナル抗体全体よりもより一層効果的
に嵌入することを見出して、本発明の別の態様を完成す
るに至った。つまり、モノクローナル抗体のFab フラグ
メントと、スペーサーとして、特にポリリジンとを結合
させて得た結合体、いわゆるイムノポーターは、β- ガ
ラクトシダーセ(β-Gal) ・レポーター遺伝子、つまり
イムノジーンとして、扁平上皮癌細胞の培養中に添加す
ると、細胞の核内にβ-Gal遺伝子DNA が蓄積されること
が判明した。また、β-Gal遺伝子の発現も酵素活性の上
昇として確認した。該イムノジーンのトランスフェクシ
ョン効率は、該モノクローナル抗体全体のイムノジーン
ならびにリポフェクションに比べて相当高いことが判明
した。ヘルペスシンプレックスウイルスのチミジンキナ
ーゼ(TK)遺伝子を該Fab フラグメントのイムノジーンの
形で該細胞に導入した場合にも、TK遺伝子導入細胞はガ
ンシクロビルに対して極めて感受性が高くなり、コント
ロールに比べると勿論のこと、モノクローナル抗体全体
を用いた場合に比べても相当高い感受性を示した。 【0014】該モノクローナル抗体のFab フラグメント
は、エピトープ認識の特異性と安定性とを高めることは
しばしば報告されている。イムノトキシンの場合、Fab
フラグメントとのある種のトキシンとの結合体は、抗体
全体とトキシンとの結合体に比べて、細胞表面結合と細
胞毒活性の点でより効果的であることが判明している。
このような活性の増加は、より小さな分子サイズとより
少ない抗原性によって、Fab フラグメントとトキシンと
の結合体が細胞に効率的に侵入することを説明してい
る。また、EGF レセプターに対する抗体のFab フラグメ
ントが、該抗体全体に比べて、EGF レセプター結合性な
らびに嵌入の点でより効果的であることも判明してき
た。そこで、該Fab フラグメントを遺伝子移行伝達体と
して使用することの可能性を調べた結果、レポーター遺
伝子がFab フラグメントによって細胞核に効率的に移行
され、かつ、その後高頻度で発現されることを見い出し
た。同様に、ヘルペスTK遺伝子を媒介するFab フラグ
メントが、EGF レセプターを過剰産生する扁平上皮癌細
胞中において、特にガンシクロビル(GCV) の細胞毒性を
誘発することを見い出した。従って、細胞表面分子に対
する抗体を用いてのイムノジーンによる取り組みはレセ
プターを媒介とするエンドサイトーシス経路を発現する
非常に広範な種類の細胞を標的とする強力なジーンデリ
バリーシステムを提供することができるといえる。 【0015】 【課題を解決するための手段】従って、本発明は、トラ
ンスフェクション効率が高くかつより安定性の高い細胞
表面に存在する細胞表面レセプターに対するモノクロー
ナル抗体またはそのフラグメントとスペーサーとが結合
した結合体(イムノポーター)ならびに遺伝子DNA との
複合体(イムノジーン)を提供することを目的としてい
る。更に、本発明は、その1つの態様として、トランス
フェクション効率が高くかつより安定性の高いEGF レセ
プターに対するモノクローナル抗体とスペーサーとが結
合した結合体(イムノポーター)ならびに遺伝子DNA と
の複合体(イムノジーン)を提供することを目的として
いる。 【0016】本発明の別の目的は、トランスフェクショ
ン効率が高くかつより安定性の高い細胞表面レセプタ
ー、例えばEGF レセプターに対するモノクローナル抗体
が結合した結合体(イムノポーター)ならびに複合体
(イムノジーン)の製法を提供することである。 【0017】本発明は更に、該イムノジーンを効率よく
標的とする細胞に嵌入させる方法およびジーンデリバリ
ーシステムとして使用する方法を提供することを目的と
している。 【0018】上記目的を達成するために、本発明は、細
胞表面レセプター、例えばEGF レセプターに対するモノ
クローナル抗体と、スペーサーとを結合して結合体を形
成していることを特徴とする細胞表面レセプターに対す
るモノクローナル抗体の結合体を提供している。 【0019】本発明はまた、細胞表面レセプター、例え
ばEGF レセプターに対するモノクローナル抗体とスペー
サーとを結合した結合体と、遺伝子とを結合して複合体
を形成していることを特徴とする細胞表面レセプターに
対するモノクローナル抗体の複合体を提供している。 【0020】更に、本発明は、細胞表面レセプター、例
えばEGF レセプターに対するモノクローナル抗体のフラ
グメントと、スペーサーとを結合して結合体を形成して
いることを特徴とする細胞表面レセプターに対するモノ
クローナル抗体フラグメントの結合体を提供している。 【0021】更にまた、本発明は、細胞表面レセプタ
ー、例えばEGF レセプターに対するモノクローナル抗体
のフラグメントとスペーサーとを結合した結合体と、遺
伝子とが、スペーサーを介しまたは介さずに結合して複
合体を形成していることを特徴とする細胞表面レセプタ
ーに対するモノクローナル抗体フラグメントの複合体を
提供している。 【0022】加えて、本発明は、上記モノクローナル抗
体またはそのフラグメントの結合体および複合体を作製
する方法を提供している。 【0023】更にまた、本発明は、上記複合体を用い
て、細胞表面レセプター、例えばEGFレセプターを介し
て、エンドサイトーシスを利用した細胞中に導入する新
規なジーンデリバリーシステムを提供することを目的と
している。 【0024】また、本発明は、上記モノクローナル抗体
または上記モノクローナル抗体フラグメントを利用した
複合体を、細胞表面レセプター、例えばEGF レセプター
を介して、エンドサイトーシスを利用した細胞中に導入
して、標的とするガン細胞を治療する新規なジーンデリ
バリーシステムを提供することを目的としている。な
お、本発明は、EGF レセプターに対するモノクローナル
抗体(MoAb)ならびにそのFab フラグメントは当然のこと
ながら、細胞表面に存在するその他のレセプターを標的
とするMoAbならびにそのフラグメント全てについても同
様に応用することができる。したがって、本明細書で
は、EGF レセプターに対するMoAbならびにそのFab フラ
グメントを代表例として挙げて説明するが、本発明は、
EGF レセプターに対するMoAbならびにそのFab フラグメ
ントに一切限定されるものでなく、その他のレセプター
を標的とするMoAbならびにそのフラグメントをも包含し
ていることを理解すべきである。 【0025】 【発明の実施の形態】本発明に使用することができるEG
F レセプターに対するモノクローナル抗体としては、EG
F レセプターを認識できるモノクローナル抗体であれば
いずれも使用することができる。なお、多くの細胞に
は、リガンドに対する親和性に関して2つのクラスのEGF
レセプターがあると考えられる。現在のところ、これ
らのEGFレセプターが異なる機能を有しているかどうか
は明らかではないが、生理学的な条件ではこれら2 つの
EGF レセプターが互いに互換的に作用していることは知
られている。またEGF が親和性の高いレセプターに結合
することは細胞のマイトジェン応答に関連しているとの
証拠もある。更に、高親和性レセプターについても、低
親和性レセプターについても、その正確な組成もそれら
を規制する機能も明らかではないが、本発明に使用する
モノクローナル抗体は、特に低親和性クラスであるヒト
EGF レセプターのサブクラスと免疫反応するものである
が、何らこれに限定されるものではない。 【0026】本発明において、モノクローナル抗体は、
まず、このモノクローナル抗体を他の物質に結合するた
めのスペーサーの役割を担うことができる物質( 以下、
単に「スペーサー」ということがある) と結合されて結
合体が形成される。かかる化合物として好ましいものと
しては、例えばポリリジンを挙げることができるが、本
発明の目的に適う性質を持つものであればいずれも使用
することができる。このモノクローナル抗体とスペーサ
ーとは、例えば結合化合物などを介して結合するのが好
ましい。かかる結合化合物としては、例えば、ジチオ結
合やチオエーテル結合を形成する架橋剤であればいずれ
も使用することができ、かかる架橋剤として好ましいも
のとしては、例えば、サクシンイミジル6-3-(2- ピリジ
ルジチオ) プロピオンアミド) ヘキサノエート(SPDP)、
スルホサクシンイミジル6-[3-(2-ピリジルジチオ) プロ
ピオンアミド] ヘキサノエート(SPDP)などのジチオ基含
有サクシンイミド化合物、メチル3-(4'-ジチオピリジ
ル) プロピオンイミデート、4-サクシンイミジル−オキ
シカルボニル- α-(2-ピリジルジチオ) トルエン(SMP
T)、スルホサクシンイミジル-6−[ α- メチル- α-(2-
ピリジルジチオ) トルアミド] ヘキサノエート( スルホ
-SMPT)などのジチオ基含有化合物等のジスルフィド結合
形成化合物ならびにサクシンイミジル4-[N- マレイミド
メチル] シクロヘキサン-1- カルボキシレ−ト(SMCC)、
スルホサクシンイミジル4-[N- マレイミドメチル] シク
ロヘキサン-1- カルボキシレ−ト( スルホ-SMCC)、サク
シンイミジル4-(p- マレイミドフェニル) ブチレート(S
MPB)、スルホサクシンイミジル4-(p- マレイミドフェニ
ル) ブチレート( スルホ-SMPB)、N-サクシンイミジル(4
- ヨードアセチル) アミノベンゾエート(SIAB)、スルホ
サクシンイミジル(4- ヨードアセチル) アミノベンゾエ
ート( スルホ-SIAB)、m-マレイミドベンゾイル-N- ヒド
ロキシサクシンイミドエステル(MBS) 、m-マレイミドベ
ンゾイル-N- ヒドロキシスルホサクシンイミドエステル
( スルホ-MBS) 、N-( γ- マレイミドブチルリルオキ
シ) サクシンイミドエステル(GMBS)、N-( γ- マレイミ
ドブチルリルオキシ) スルホサクシンイミドエステル(
スルホ-GMBS)などのマレイミドカルボン酸化合物、スル
ホサクシンイミジル4-(p- ジドフェニル) ブチレートな
どのスルホサクシンイミジル化合物等のチオエーテル結
合形成化合物などが挙げられる。この目的のためには、
前記結合化合物の他に、モノクローナル抗体の性質や活
性を損なうことなく、このモノクローナル抗体に、例え
ば、ジチオ基またはチオエーテル基などを介して結合で
きると共に、スペーサーに対しても該スペーサーの性質
などを損なうことなく結合することができる化合物であ
ればいずれも使用することができる。他方、モノクロー
ナル抗体とのチオエーテル結合を促進するために、スペ
ーサーは、例えばイミノチオランなどで修飾するのが好
ましい。ただし、スペーサー自体にモノクローナル抗体
とチオエーテル結合を介して結合することができる修飾
基が具備されている場合には、特にイミノチオランなど
の別の化合物で修飾する必要はない。 【0027】更にまた、モノクローナル抗体を還元して
メルカプト基を露出させて、このメルカプト基に対し
て、前記結合化合物を結合させることもできる。この方
法においては、モノクローナル抗体の還元は常法によっ
て行うことができる。このようにして得られた還元モノ
クローナル抗体のメルカプト基に対して、常法に従って
前記結合化合物を結合させて、次いでスペーサーを結合
させることができる。また別の方法としては、前記結合
化合物とスペーサーとを結合させて、次いでこの結合体
を、還元モノクローナル抗体のメルカプト基に対して、
結合させることもできる。 【0028】上記のようにして調製されたモノクローナ
ル抗体と、スペーサーとは、常法に従つて反応させるこ
とによって、モノクローナル抗体の結合体を得ることが
できる。なお、この反応においては、残存する遊離のス
ルフヒドリル基を常法に従つて、例えばメルカプトエチ
ルアミンなどで保護するのが好ましい。 【0029】このようにして得られたモノクローナル抗
体の結合体(イムノポーター)は、次いで、遺伝子と結
合されて、モノクローナル抗体の複合体にされる。この
モノクローナル抗体と遺伝子、つまりDNA との結合は、
例えば、親和性によるのが好ましい。例えば、モノクロ
ーナル抗体とポリリジンとの結合体に、DNA を加えて、
適当な条件で保温することによって、所定のDNA が結合
されたモノクローナル抗体の複合体を得ることができ
る。DNA(遺伝子)とイムノポーターとの接合はアフィニ
テイによる結合に基づいているので、あらゆるDNA(遺伝
子) をイムノポーターに接合させて複合体を作製するこ
とができ、この複合体をイムノジーンとして標的とする
細胞内に移行させることができる。このようにイムノジ
ーンによって細胞中に嵌入( エンドサイトーシス) でき
る遺伝子は、特に限定されるものではなく、使用目的に
応じて、いずれの遺伝子をも本発明の複合体に結合し
て、所望の細胞に遺伝子を嵌入させ、ガン治療などを行
うことができる。このことはまた本発明が達成すること
ができる大きな利点の一つである。 【0030】従つて、本発明の目的に最も適うものの1
つとして、本発明は、EGF レセプターを過剰に発現する
扁平上皮癌細胞などの癌細胞に応用することができる。
この種の癌細胞には、例えば、ヘルペスウイルスのチミ
ジンキナーゼ遺伝子を効率よく導入した後に、ガンシク
ロビルを投与すれば、癌細胞を選択的に死滅させること
ができる。その他の癌細胞には、癌抑制遺伝子を導入す
ることができる。かかる癌抑制遺伝子としては、例え
ば、ウイルムス腫瘍にはWT-1、網膜芽細胞腫にはRbなど
が挙げられる。 【0031】更には、癌遺伝子( オンコジン) が過剰発
現しているものには、アンチセンス発現べクターなどを
導入して、抑制することもできる。更にまた、本発明に
かかる複合体ならびにエンドサイトーシスを適用するこ
とができるその他の癌としては、例えば、Beckwith-Wie
demann症候群( 例えば、ヘパトプラストーマ、横紋筋肉
腫、ウイルムス腫瘍など) 、膀胱癌、Ewing 肉腫などが
挙げられる。つまり、本発明は、当該遺伝子を結合させ
て癌細胞に導入して、所謂遺伝子治療に応用することが
できる。 【0032】本発明においては、また、上記モノクロー
ナル抗体のFab フラグメントも、モノクローナル抗体全
体と同様に使用することができる。上記モノクローナル
抗体をフラグメントにするには、文献記載の公知の方法
で行うことができる(Goding.J.W.: Monoclonal Antibod
ies: Principles And Practice; pp. 118-122; Academi
c Press, 1983) 。本発明においては、モノクローナル
抗体のフラグメントも、上記モノクローナル抗体全体を
他の物質に結合するためのスペーサーの役割を担うこと
ができる物質であるスペーサーと結合体を形成する。こ
のモノクローナル抗体フラグメントとスペーサーとは、
例えば、ジスルフィド結合あるいはチオエーテル結合で
結合するのが好ましい。従つて、モノクローナル抗体フ
ラグメントは、スペーサーとの結合反応を円滑に進行さ
せるために、前記結合化合物、例えば、サクシンイミジ
ル[6-3-(2 ーピリジルジチオ) プロピオンアミド] ヘキ
サノエート(SPDP)、スルホサクシンイミジル[6-3-(2-ピ
リジルジチオ) プロピオンアミド] ヘキサノエート( ス
ルホ-SPDP)、4-サクシンイミジル−オキシカルボニル-
α-(2-ピリジルジチオ) トルエン(SMPT)、スルホサクシ
ンイミジル-6−[ α- メチル- α-(2-ピリジルジチオ)
トルアミド] ヘキサノエート( スルホ-SMPT)などのジチ
オ基含有サクシンイミド化合物、メチル3-(4'-ジチオピ
リジル) プロピオンイミデートなどのジチオ基含有化合
物等のジスルフィド結合形成化合物ならびにサクシンイ
ミジル4-[N- マレイミドメチル] シクロヘキサン-1- カ
ルボキシレ−ト(SMCC)、スルホサクシンイミジル4-[N-
マレイミドメチル] シクロヘキサン-1- カルボキシレ−
ト( スルホ-SMCC)、サクシンイミジル4-(p- マレイミド
フェニル) ブチレート(SMPB)、スルホサクシンイミジル
4-(p- マレイミドフェニル) ブチレート( スルホ-SMP
B)、N-サクシンイミジル(4- ヨードアセチル) アミノベ
ンゾエート(SIAB)、スルホサクシンイミジル(4- ヨード
アセチル) アミノベンゾエート( スルホ-SIAB)、m-マレ
イミドベンゾイル-N- ヒドロキシサクシンイミドエステ
ル(MBS)、m-マレイミドベンゾイル-N- ヒドロキシスル
ホサクシンイミドエステル( スルホ-MBS) 、N-( γ- マ
レイミドブチルリルオキシ) サクシンイミドエステル(G
MBS)、N-( γ- マレイミドブチルリルオキシ) スルホサ
クシンイミドエステル( スルホ-GMBS)などのマレイミド
カルボン酸化合物、スルホサクシンイミジル4-(p-アジ
ドフェニル) ブチレートなどのスルホサクシンイミジル
化合物等のチオエーテル結合形成化合物で修飾するのが
好ましい。この目的のためには、モノクローナル抗体フ
ラグメントの性質や活性を損なうことなく、このモノク
ローナル抗体フラグメントにジチオ基もしくはチオエー
テル結合を付与することができる化合物であればいずれ
もスペーサーとして使用することができる。また、モノ
クローナル抗体全体の場合と同様に、モノクローナル抗
体フラグメントの場合も同様にして、該モノクローナル
抗体フラグメントを還元してメルカプト基を露出させ
て、そのメルカプト基に対して、前記結合化合物とスペ
ーサーを結合することができる。 【0033】かかるスペーサーとしては、モノクローナ
ル抗体全体またはそのフラグメントとチオエーテル結合
もしくはジスルフィド結合を介して結合して結合体を形
成できると共に、遺伝子と更に結合して複合体を形成す
ることができ、かつ、この複合体が投与される生体に対
して毒性を示したり、細胞への嵌入に悪影響を及ぼした
りしなければ、いずれの物質も使用することができる。
かかる物質としては、特に、ポリリジンなどのアミノ
酸、その他のポリカチオンなどが挙げられる。なお、こ
れらのスペーサー自身がモノクローナル抗体とチオエー
テル結合、ジスルフィド結合などによって結合すること
ができない場合には、スペーサーにジチオ基を付与する
ことができる化合物、例えば、イミノチオランなどの硫
黄含有物質で修飾して使用することもできる。 【0034】 【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 【0035】実施例1 ヒトEGF レセプターに対するモノクローナル抗体 低アフィニテイー( 親和) 型EGF レセプターと免疫反応
するIgG2型マウスモノクローナル抗体をハイブリドーマ
細胞株B4G7によって作製した。マウス1匹当たり約106
個のハイブリドーマをプリスタン処置したマウス10匹に
対して腹膜腔内注射した。2週間後に、腹水を採取し
て、硫酸アンモニウム沈殿法とプロテイン-Aアフィニテ
イクロマトグラフィーによって精製した。 【0036】モノクローナル抗体の修飾 NaCl (145 mM) を含有する100 mMリン酸カリウムバッフ
ァー(pH 8.0) 0.5 mlに溶解した得られたモノクローナ
ル抗体 (MoAb) (2 mg/ml) を、スルホサクシンイミジル
4-[N- マレイミドメチル] シクロヘキサン-1- カルボキ
シレ−ト( ルホ-SMCC) 1 mg (100 mM HEPESバッファー
(pH 7.9) 50 μl)と混合した後、27℃で60分間反応する
と、目的とする修飾モノクローナル抗体 (MoAb) が得ら
れた。 【0037】ポリリジンの修飾 2.5 mgのポリリジン( 分子質量:70 kDa) 2.5 mgを溶液
(1 ml; 100 mM HEPESバッファー(pH 7.9) , 60 mM ト
リエタノールアミン, 1 mM EDTA, 145 mM NaCl) に溶解
し、2-イミノチオラン( 最終濃度 1 mM)と混合した。得
られた混合液から脱気して、窒素ガス中に4 ℃で90分間
放置すると、修飾ポリリジンが得られた。 【0038】修飾モノクローナル抗体と修飾ポリリジン
との結合体(イムノポーター)の調製修飾モノクローナ
ル抗体のHBS バッファー溶液を種々の量の修飾ポリリジ
ンと混合した。この混合物を4 ℃で20時間窒素条件下で
放置した。最後に、2-メルカプトエチルアミン(最終濃
度:2 mM)を添加して残存する遊離のスルフヒドリル基
を除去して、25℃で更に30分間培養を続けると、目的と
する修飾モノクローナル抗体と修飾ポリリジンとの結合
体、つまりイムノポーターが得られた。このようにして
得られたスルホ-SMCC-イムノポーターの収量は約15% で
あった。これに対して、以前に報告したSPDP- イムノポ
ーターの収量は5%であった。 【0039】イムノポーターの精製 得られた反応生成物を、Mono S HR 5/5 カラムによるイ
オン交換クロマトグラフィーによって、100 mM HEPESバ
ッファー中のNaCl濃度 勾配(0.5-3 M) を用いて分画し
た。修飾したB4G7はカラムを通過し、イムノポーターと
残存する修飾ポリリジンとを1.5-2 M NaClで溶出される
分画に採取し、次いで修飾ポリリジンをイムノポーター
からカラムクロマトグラフィーによるゲルろ過によって
除去した。イムノポーターの収量は約15%であった。 【0040】結合体(イムノポーター)/DNA複合体(イ
ムノジーン)の調製 上記において修飾モノクローナル抗体と修飾ポリリジン
との結合体(イムノポーター)をDNA と結合させて結合
体/DNA複合体(イムノジーン)を調製した。まず、CAT
レポータープラスミドpSV2CAT DNA と E.coli ( β-GA
L) レポータープラスミドpSV-( β-GAL) DNA とを文献
記載の方法で精製した(Sambrok, J. Eet al: Molecular
cloning: A Laboratory Manual; Cold Spring Harbor
LaboratoryPress; 1989)。また、イムノジーン、つまり
DNA とイムノポーターとの複合体は文献記載の方法で作
製した(Chen,J., Gamou, S.,Takayanagi, A.,& Shimiz
u,N.: FEBS Lett. 1994; 338: 167-169) 。得られたイ
ムノジーンを、ダルベッコ改良イーグル培地 (DMEM) に
10%FCSを添加したDMEM (DMEM/ FCS 10) 中のNA細胞の培
養に添加した。所定の時間培養した後、細胞をDMEM/FCS
10で洗浄して、次いでレポーター遺伝子発現のためのア
ッセイを行った。なお、使用したNA細胞は、扁平上皮癌
細胞株を、ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM) に10%FC
S を添加した培地(DMEM/FCS10)中において37℃で5 %C
O2 下で培養したものを使用した。 【0041】CAT 遺伝子発現 CAT 遺伝子発現は、文献記載の方法で測定した(Gorman,
C.M., et al: Mol.Cell.BM., 2, 1044-105l(1982) 。
つまり、細胞を0.25M トリス-HC1(pH7.5) に採取し、凍
結・融解を5回繰り返し行って溶解した。4℃、1500 r
pm で5分間遠心分離をした後、上澄液を取り、粗溶菌
液として使用した。反応液は、最終容量400 μl 中に、
0.25M トリス-HCl(pH7.5)1 mM アセチル- コエンザイム
A 、0.1 μCiの[14C] クロラムフェニコール (50 mCi/m
mol)、細胞破砕液のタンパク50μg とが含有されてい
た。この反応は、[14C] クロラムフェニコールを添加す
ることによって開始し、37℃で60分間放置した後、酢酸
エチルを400 μl 添加して終了した。反応チューブをよ
く撹拌し、簡単に遠心分離をし、そして上層の300 μl
を取り出して新しいエッペンドルフチューブに入れ、空
気乾燥した。得られた残査を酢酸エチル20μl に懸濁さ
せ、シリカゲル薄層クロマトグラフィープレートにスポ
ットして、クロロホルム- メタノール (95:5) で分離し
た。次いで、BAS2000 バイオイメージアナライザーを使
用してオートラジオグラフを実施した。DNA/イムノポー
ター複合体を、EGF レセプターを過剰産生するNA細胞の
培養中に添加し、72時間後にCAT 酵素活性を測定した。
その結果を図1に示す。つまり、NA細胞をpSV2CAT プラ
スミドDNA を用いて従来のリン酸カルシウムトランスフ
ェクション法で処理した結果を示している( 第2列と第
6列)。ポリリジンとCAT 遺伝子DNA を用いた場合を示
す(第3列)。CAT 遺伝子DNA を運搬するスルホーSMCC
- イムノポーターを用いた場合を示す( 第4列)。CAT
遺伝子DNA を運搬するSPDP- イムノポーターを使用した
場合を示す( 第5列) 。何も使用しないコントロールの
場合を示す( 第1列)。CAT 活性は72時間後に測定し
た。図中、CMはクロラムフェニコールを示し、3-AcCMは
3-アセチルクロラムフェニコールを示す。この結果か
ら、有意差のあるCAT 活性がイムノジーンで処理した細
胞には発現されたのに対して、ポリリジンとDNA 処理し
た細胞にはCAT 活性は検出されなかった。このチオエー
テル結合を持つ新規のイムノポーター( スルホーSMCC-
ムノポーター)によるCAT 遺伝子トランスフェクション
活性は、従来のリン酸カルシウムトランスフェクション
法と同等に効率的であった。また、以前のジスルフィド
結合を持つイムノポーター(SPDP-イムノポーター) に対
しては、そのトランスフェクション活性が10倍であっ
た。また、 SPDP-イムノポーターは不安定でかつ産生後
1週間以内にそのトランスフェクション活性が失活し
た。これに対して、 スルホ-SMCC-イムノポーターは安
定していて、そのトランスフェクション活性も少なくと
も1カ月は持続した。更に、スルホ-SMCC-イムノポータ
ーの収量も15%と高く、SPDP- イムノポーターの収量約
5 %に比べてはるかに多かった。このことからも、この
スルホ-SMCC-イムノポーターが新規のカップリングな
らびに精製手段には以前のものより優れているといえ
る。その上、スルホ-SMCC-イムノポーターでのトランス
フェクション後12時間という早い時間でCAT 遺伝子発
現が検出され、72時間後まで増加した(図2)。 【0042】β-GAL遺伝子発現 β-GAL遺伝子発現は、文献記載の方法で測定した (MacG
regor, G.R. et al:Somat. Cell Mol. Genet. 1987; 1
3: 253-265) 。細胞は、100 mM リン酸ナトリウム (pH
7.0)と1 mM MgCl2とを含む1%グルタールアルデヒド溶液
で固定した。次いで、細胞を、100 mM リン酸ナトリウ
ム (pH 7.5)、10 mM KCl, 1 mM MgCl 2, 1 mM 5-ブロモ
- 4- クロロ- 3- インドリル- β- D- ガラクトピラ
ノシド、3 mM カリウムフェリサイアナイドならびに0.
1% トリトン X-100を含む染色用溶液中で、37℃で60分
間培養した。上記方法で異なる数のポリリジン鎖を持つ
スルホ-SMCC-イムノポーターを作製し、これらを使用
して、同様のイムノジーントランスフェクションをβ-G
AL遺伝子を用いて行った。つまり、A431細胞を6穴プレ
ートに低密度( 1穴当たり1x104 個) で入れて、異なる
量のβ-GALプラスミドDNA(ゲルパターン)を運搬する異
なる数のポリリジン鎖(B4G7 分子1個当たり5本、6本
および8本)を持つイムノポーターで処理した。この実
験によると、IgG 分子1個に対してポリリジン鎖8個を
持つイムノポーターがβ-GAL遺伝子デリバリーには最も
有効であった(図3A-3B)。この8/1 イムノジーンを2倍
量のDNA と混合してトランスフェクションに使用したと
きβ-GAL発現が5日間以上も増加することが分かった。 【0043】ヘルペス・シンプレックス・ウイルスチミ
ジンキナーゼによる殺細胞効果 プラスミドpMK からのヘルペス-TK 遺伝子をBgl IIとBa
m HI消化によって単離した。Klenowフラグメント充填し
た後、TK遺伝子をプラスミドpSRDのEco RI部位に挿入し
た。pSRD-TK プラスミドDNA を前述したようにして調製
した。NA細胞をTK遺伝子を搬送するイムノジーンで72時
間処理し、次いで種々の濃度のGCV またはアシクロビル
(ACV) で更に5日間処理した。生存している細胞をトリ
プシン処理してはがして血球計数器で計数した。つま
り、A431細胞とNA細胞とを12穴プレートにそれぞれ1穴
当たり1x104 個の割合で入れて、TKイムノジーンで72時
間処理した後、更に種々の濃度のGCV またはACV で処理
した。生存していた細胞の数を薬剤処理5日後に計数
し、その平均値を求めた。ヘルペス-TK 遺伝子は、イム
ノジーンの形で、扁平上皮ガン由来の2つのヒト腫瘍細
胞株(A431 とNA) を72時間処理した。次いで、これらの
トランスフェクションされた細胞を、GCV もしくはACV
で更に5日間処理した。これら2つの細胞株は、GCV の
濃度が A431 細胞に対しては10μM を超した場合ならび
にNA細胞に対しては1 μM を超した場合にのみ死滅した
(図4 Aおよび図4 B)。しかしながら、これらの腫瘍
細胞株は、TKイムノジーンのトランスフェクション後、
GCVに対してより著しく感受性が高くなった。A431細胞
におけるヘルペス-TK 遺伝子の殺細胞効果は、ACV をGC
V 代えて添加したときに、より高くなった( 図4C) 。ほ
とんど細胞毒性効果が見られなかったACV 濃度が100μM
の場合、TKトランスフェクションされたA431腫瘍細胞の
70% 以上が死滅した。従って、このことから、イムノポ
ーターが、EGF セプター媒介エンドサイトーシスによっ
て種々の遺伝子を運搬しかつ運搬された遺伝子が活発に
発現されているといえる。 【0044】実施例2 別の扁平上皮癌細胞株であるNA細胞を用いて、実施例1
と同様にして、イムノジーンを調製した。このイムノジ
ーンを実施例1と同様にして、CAT 遺伝子発現とβ-GAL
遺伝子発現とを行った。これらの結果は、図4Bに示し
た。 【0045】蛍光顕微鏡観察法 なお、抗体,イムノポーターおよびイムノジーンの細胞
表面EGF レセプターに対する結合は、免疫蛍光染色法に
よって分析した。また、A431細胞は、2 mlのDMEM/FCS10
を含有するデイシュに置いたカバースリップ (18 mm x
18 mm)上に、1夜培養した。増殖させた細胞を、氷冷し
たPBS (-) で3 度洗浄し、氷冷したアセトンで10分間固
定し、氷冷したPBS (-) で2度洗浄した。次いで、細胞
を、B4G7,イムノポーターまたはイムノジーンのそれぞ
れ 1μg を3% BSA/PBS(-)45 μlを用いて4℃で20分間
処理した後、細胞を氷冷したPBS (-) で4 度洗浄して、
FITC標識した山羊抗マウスIgG抗体 1-2 μg を3% BSA/
PBS(-) 1 ml を用いて4℃で20分間処理した。次い
で、カバースリップを氷冷したPBS (-) で4 度洗浄した
後、観察のためにスライドグラスの上に置いた。DNA の
局在化は蛍光in situ ハイブリダイゼーション法(FISH)
によって分析した。カバースリップ上で1夜増殖させた
細胞をイムノジーン(イムノポーター1μg とβ-GAL遺
伝子1 μg/ml) と、ポリリジン/DNA (ポリリジン4 μg
とβ-GAL遺伝子1 μg)とを用いて、DMEM/FCS10中におい
て37℃で2 時間処理した。得られた細胞を氷冷したPBS
(-)で3 度洗浄し、カーノイ(Carnoy)固定剤で固定し
た。FISHを、ジゴキシゲニン標識β-GALジーンプローブ
とヒツジ抗ジゴキシゲニン抗体を用いて、上記に記載し
た方法で行った。蛍光イメージは共焦点レーザー走査顕
微鏡にて記録した。 【0046】比較例 特願平6-40326号にて得たジスルフィド結合を有するイ
ムノポーター、つまり、SPDP(N- サクシンイミジル-3-
(2-ピリジルチオ) プロピオンアミド) ヘキサノエート)
を使用してジスルフィド結合を介した結合体を得た。 【0047】実施例3 モノクローナル抗体(B4G7)とフラグメント化 ヒト低親和タイプEGF レセプターと免疫反応するIgG2b
クラスのマウスモノクローナル抗体を、ハイブリドーマ
細胞株B4G7によって作製し、文献記載の方法で精製した
(Shimizu, N., Chen, J., Gamou, S., and Takayanagi,
A: Cancer Gene Ther. In press, 1995.)。この抗体を
パパインで消化して、Godingの方法によってFab フラグ
メントを作製した(Goding. J.W.: Monoclonal Antibodi
es: Principles And Practice; pp. 118-122; Academic
Press, 1983) 。得られたFab フラグメントを、Fcフラ
グメント,Fab/c フラグメント、非消化の全抗体から、
100 mM HEPESバッファー(PH 7.0)のNaCl勾配(0 M-0.2
M) を用いたDE52カラムによるイオン交換クロマトグラ
フィーによって分離した。 【0048】ヨード化と結合アッセイ 全B4G7抗体とそのFab フラグメントとを、文献記載の方
法でヨードビーズを用いて、125Iで同じ比活性に標識し
た(Gamou, S., Shimosato, Y., & Shimizu, N.: Gell G
rowth Differ., 1: 351-359, 1990)。これらの標識抗体
およびそのフラグメントを本文献記載の方法で 扁平上
皮癌細胞株A431に結合させた。細胞表面に結合した抗体
は次いで0.2 M 酢酸と0.5M NaCl とを含有する溶液で洗
浄することによって内部移行した抗体から分離された。
非特異的結合を測定するために、大過剰量の非標識B4G7
またはFab (B4G7: 20 μg/ml; Fab: 8 μg/ml) を
125I-B4G7および125I-Fabを添加する15分前に添加し
た。これによって、非特異的結合は、常に全結合の10%
以下であることが見出された。つまり、Fab フラグメン
トと全抗体B4G7とを125Iで同じ比活性(125I B4G7につい
ては2.04x109cpm/nmol、125I-Fabについては1.92x109 c
pm/nmol)に標識し、その細胞を約1.5x105cpmの 125I-B4
G7または125I Fab( それぞれ75fmol) を含む培地にて37
℃で図示した時間培養した。図5Aは、Fab フラグメント
を示し、細胞表面に結合していたFab フラグメントは0.
2M酢酸と0.5MNaClを含む溶液を用いて除去し、内部移行
した抗体は5M NaCl 1.0M NaOH で溶解した。図5Bは、全
B4G7抗体を示し、アッセイは図5AのFab フラグメントの
場合と同様に行った。非特異的結合は標識してないB4G7
またはFab の過剰量(B4G7 については20μg/ml、Fab に
ついては8 μg/ml) の下で特定し、全結合の10% 以下で
あることが判明した。○印は、細胞表面に結合したFab
フラグメントを示し、□印は細胞に内部移行したFab フ
ラグメントを示し、●印は細胞表面に結合した全抗体を
示し、■印は細胞に内部移行した全抗体を示している。 【0049】プラスミドの調製 pSRD-TK プラスミドを、ヘルペス・シンプレックス・ウ
イルスのTK遺伝子をプラスミドpSRDのEco RI部位に前記
記載の方法で挿入して構築した。E.coliβ-Gal発現ベク
ターpSV β-GALは市販のものを使用した。DNA は公知の
方法によって単離し精製した。 【0050】Fab イムノポーター(Fabフラグメント/ ポ
リリジン結合体)と Fabイムノジーン(Fabイムノポータ
ー/DNA複合体)の調製 B4G7イムノポーターおよびFab イムノポーターを前記記
載の方法にて調製した。つまり、簡単に説明すれば、全
B4G7抗体またはFab フラグメントをスルホ-SMCC で修飾
し、セファデックスG-25 のカラムに通して過剰のスル
ホ-SMCC を除去した。ポリリジンは2-イミノチオランで
修飾し、セファデックスG-25 のカラムに通して過剰の
2-イミノチオランを除去した。修飾B4G7イムノポーター
または修飾Fab を等量の修飾ポリリジンと混合して、チ
オエーテル結合を介して結合体を作製した。次いで、得
られた結合体(それぞれB4G7イムノポーターとFab イム
ノポーターと呼ぶ)を、NaCl濃度勾配を用いたMono S H
R 5/5 カラムでカチオン交換クロマトグラフィーによっ
て精製した。得られた結合体の分画を0.22 μm デユラ
ポール(Durapore)メンブレンでろ過して滅菌した。得ら
れたイムノポーターは次いで、種々の量のレポーター遺
伝子DNA と混合して、室温で30分間保温した。得られ
たイムノポーター/DNA複合体(ここではβ-Gal/Fab イ
ムノジーンと呼ぶ)をレポーター遺伝子活性を測定する
ためにA431細胞に適用した。 【0051】核の単離と蛍光顕微鏡観察法 A431細胞をβ-GalイムノジーンでDMEM/FCS10を用いて37
℃で5%CO2 の下で12時間処理した。得られた細胞を氷
冷下のPBS で2度洗浄し、デイツシュからはがして、遠
心分離管に集めた。5分間1500 rpmで遠心分離をした
後、細胞ペレットをNP-40 溶解バッファー(10 mM Tris-
HCl, pH 7.4; 10 mM NaCl; 3 mM MgCl2; NP-40) で処理
し、氷上で10分間放置した。次いで、5分間1500 rpmで
遠心分離をして核を単離した。得られた核ペレットを同
一のバッファーで2度洗浄し、カーノイ(Carnoy)溶液に
固定し、スライドガラス上に拡散した後、ホルムアミド
で変性した。FISHを、ジゴキシゲニン標識β-Galジーン
プローブとヒツジ抗ジゴキシゲニン抗体を用いて、上記
に記載した方法で行った。蛍光イメージは共焦点レーザ
ー走査顕微鏡に記録した。 【0052】レポーター遺伝子発現 β-Gal遺伝子発現は上記方法と同様にして発現させた。 【0053】TKの細胞自滅効果 TK/Fabイムノジーンまたは TK/B4G7イムノジーンで6時
間処理した後、種々の濃度のGCV を細胞に添加し、1日
毎に再添加した。生存していた細胞をトリプシン処理で
分離して、血球計数器で計数した。つまり、A431細胞を
6穴プレートにそれぞれ1穴当たり1x105 個の割合で入
れて、次の日( 時間0) に、TK/Fabイムノジーン( ▲
印:1μg DNA/2μgイムノポーター) またはTK/ B4G7イ
ムノジーン( ●印:1μg DNA/4 μg イムノポーター)を
添加し、6時間培養した。図7Aには、A431細胞を異なる
濃度のGCV で5日間培養し、1日毎に再添加した。残存
する細胞をトリプシン処理にて分離して、血球計数器で
計数した結果を示す。図7Bには、トランスフェクション
された細胞を6日間10 μg のGCV で処理した結果( ▲
印)を、対照としては、トランスフェクションなしにGC
V で処理した結果(○印)を、またGCV なしで細胞を生
育させた結果を示す( □印) 。上記の結果から、モノク
ローナル抗体Fab フラグメントを使用した場合の作用効
果を要約すると次のようにいえる。 【0054】B4G7抗体のFab フラグメントの結合と内部
移行 全B4G7抗体とその Fab フラグメントを125Iで標識して
同じ比活性にして、その結合アッセイを37℃でA431細胞
を培養して行った。Fab フラグメントの細胞表面への結
合は2時間以内に急激に定常状態に達し、その後内部移
行が4時間ほど継続した(図5A) 。全B4G7抗体の結合と
内部移行とのプロフィルは、Fab フラグメントが全B4G7
抗体に比べて2倍程多いということを除いては、Fab フ
ラグメントのそれと類似している(図5B) 。この結果
は、Fab フラグメントがポリリジンに架橋することによ
ってより効果的なイムノポーターに変換できることを示
唆している。 【0055】Fab イムノポーターによる遺伝子の核への
デリバリー Fab フラグメントをチオエーテル結合によってポリリジ
ンに結合させて得たポリリジン-Fabフラグメント結合体
をβ-GalDNA と混合してβ-Gal-Fabフラグメントイムノ
ジーンを作製した。A431細胞を、得られたβ-Gal-Fabフ
ラグメントイムノジーンで12時間トランスフェクション
して、核を単離した。次いで、FISHを、ジゴキシゲニン
標識β-Galジーンプローブと抗ジゴキシゲニン抗体を用
いて行った。ハイブリダイゼイションシグナルが、β-G
al-Fabフラグメントイムノジーンでトランスフェクショ
ンしたA431細胞の実際的には全てのものの核から検出さ
れた。また、ハイブリダイゼイションシグナルはB4G7イ
ムノジーンで処理したA431細胞においても検出された
が、約50%の細胞からだけだった。β-Gal-Fabフラグメ
ントイムノジーンで処理したA431細胞の核のそれぞれの
中のハイブリダイゼイションシグナルの数は、B4G7イム
ノジーン処理細胞に比べて、数倍多かった。なお、DNA
、Fab イムノポーター、B4G7イムノポーターのいずれ
かで処理した細胞からはハイブリダイゼイションシグナ
ルは検出されなかった。これらの結果から、β-Galレポ
ーター遺伝子は核内に効率的に移行されることが判明し
た。 【0056】Fab イムノジーンによるβ-Gal遺伝子発現 トランスフェクションされたβ-Galレポーター遺伝子が
A431細胞内に発現されるかどうかを調べるために、β-G
al酵素活性の組織化学的染色を行った。つまり、図6Aに
は、6穴プレートにA531細胞を1穴当たり2x104 個の割
合で入れて、次の日( 時間0) に、細胞をβ-Gal/Fabイ
ムノジーン(1 μg DNA /2 μgFab イムノポーター) で
処理して、異なる期間培養した。12時間毎に、細胞を固
定し、β-Gal活性を調べるアッセイをした。72時間培養
した時点での細胞数は、1穴当たり約1.5 x105個であっ
た。青色に染色された細胞を光学顕微鏡で計数した。図
6Bには、6穴プレート中のA431細胞を、6時間1 μgの
β-GalDNA 単独、1μgのβ-Gal遺伝子と5μg のポリリ
ジンβ-Gal DNA+ ポリリジン) との混合物、β-Gal/B4G
7 イムノジーン(1μg DNA/4 μg イムノポーター) また
はβ-Gal/Fabイムノジーン(1 μg DNA/2 μg Fabイムノ
ポーター) のいずれかで処理した後、細胞を72時間培養
し、固定し、β-Gal活性を調べた場合を示す。図6Cに
は、6穴プレート中のA431細胞を、6時間異なる量のβ
-GalDNA を運搬するFab イムノポーターで処理し、72時
間培養した後に、得られた細胞を固定し、β-Gal活性を
調べた場合を示す。この結果、β-Gal遺伝子を発現する
細胞は10時間以内に検出され、トランスフェクション後
72時間増加した。β-Gal遺伝子発現細胞の割合は72時間
培養の時点で約2%であった( 図6A) 。Fab フラグメン
トで処理したA431細胞中のβ-Gal遺伝子発現細胞の数
は、B4G7で処理した細胞に比べて約100 倍も多かった。
染色の結果、対照、DNA だけで処理した細胞、またDNA
とポリリジンとの混合物で処理した細胞には染色された
細胞は全く存在しなかった(図6B) 。トランスフェクシ
ョンはFab イムノポーターの量に依存し、過剰量のDNA
では効果がなかった(図6C) 。次いで、Fab イムノジー
ンのトランスフェクション効率を、慣用されているリポ
フェクション法と比較した。Fab イムノジーン処理後の
β-Gal発現細胞は、72時間の培養後ではトランスフェク
ションされた細胞のうちで約0.4%であったが、慣用のリ
ポフェクション法の場合に比べて約20倍も多かった。 【0057】TK/Fab イムノジーンとGCV による殺細胞
効果の誘発 A431細胞をTK遺伝子を媒介するFab イムノジーンでトラ
ンスフェクションした後、GCV で処理した。GCV 濃度が
10 μM の場合には、A431細胞に対する細胞毒は認めら
れなかったのに対して、TK/Fab イムノジーンは95%の
細胞を死滅させ、TK/B4 G7イムノジーンは40%の細胞を
死滅させた。TK/Fab イムノジーンはGCV の殺細胞効果
を劇的に増加させた。A431細胞の50%を死滅させるため
のGCV 濃度は、TK/ Fab イムノジーンの場合には0.15μ
M であるのに対して、TK/B4G7 イムノジーンの場合には
11μM であった。従って、TK/Fabイムノジーンは、TK/B
4G7 イムノジーンに比べて殺細胞効果が70倍も高いこと
が分かる(図7A) 。また、TK/Fab イムノジーンで6日
間処理した場合には、腫瘍細胞の増殖を顕著に抑制する
ことが観察された。この結果、Fab フラグメントを使用
することは、イムノジーンシステムのトランスフェクシ
ョン効率を実質的に改善し、ある種の癌に対するターゲ
ット遺伝子療法に利用できることを提示している。 【0058】これらの結果から、モノクローナル抗体Fa
b フラグメントとポリリジンとの結合体、いわゆるイム
ノポーターは、β- ガラクトシダーゼ( β-Gal) ・レポ
ーター遺伝子の結合体、つまりイムノジーンとして、扁
平上皮癌細胞の培養に添加すると、該細胞の核内にβ-G
al遺伝子DNA が蓄積され、また、β-Gal遺伝子の発現も
確認され、酵素活性も増加した。該結合体を使用したイ
ムノジーンのトランスフェクション効率は、該モノクロ
ーナル抗体全体のイムノジーンに比べて約100倍、リポ
フェクションに比べて約20倍も高いことが判明した。更
に、ヘルペス・シンプレックス・ウイルスのチミジン・
キナーゼ(TK)遺伝子を該フラグメントのイムノジーンの
形で該細胞に導入した場合には、TKトランスフェクショ
ン細胞はガンシクロビルに対して極めて感受性が高くな
り、コントロールに比べて600 倍、モノクローナル抗体
全体を用いた場合に比べても70倍もの高い感受性を示し
た。 【0059】 【発明の効果】本発明に係るモノクローナル抗体/ ポリ
リジン結合体、つまりチオエーテル結合で結合されたモ
ノクローナル抗体/ リリジン結合体からなるイムノポー
ターは、特願平6-40326号にて得たジスルフィド結合を
有するイムノポーター、つまり、SPDP(N- サクシンイミ
ジル-3-(2-ピリジルチオ) プロピオンアミド) ヘキサノ
エート) を使用してジスルフィド結合を介して結合され
た結合体よりもより一層安定なDNA(遺伝子) のキャリヤ
ーであるといえる。また、本発明に係るモノクローナル
抗体/ ポリリジン結合体については、このイムノジーン
による遺伝子の移行効率が、CAT 遺伝子発現によって示
されるように、従来のリン酸カルシウム沈殿法と同等で
あることが分かった( 図1)。このイムノポーターとDNA
とを混合して得たアフィニテイ複合体、つまり、DNA/イ
ムノポーター複合体(イムノジーン)を、EGF レセプタ
ーを過剰産生するNA細胞の培養中で添加し、72時間後に
CAT 酵素活性を測定したところ、有意的に高いCAT 活性
がイムノジーンで処理した細胞には発現されたのに対し
て、ポリリジンとDNAで処理した細胞にはCAT 活性は検
出されなかった(図1)。このチオエーテル結合を持つ
本発明に係るイムノポーター( スルホ-SMCC-イムノポー
ター)によるCAT 遺伝子トランスフェクションは、従来
のリン酸カルシウムトランスフェクション法と同等に効
率的であるのに対して、以前のジスルフィド結合を持つ
イムノポーター(SPDP-イムノポーター) に対してはその
トランスフェクション活性が10倍という強さであった
(図1)。更に、SP DP-イムノポーターは不安定でかつ
産生後1週間以内にそのトランスフェクション活性が失
活したのに対して、スルホ-SMCC-イムノポーターは安定
していて、そのトランスフェクション活性も少なくとも
1カ月は持続した。更に、本発明に係るモノクローナル
抗体/ ポリリジン結合体を使用してのイムノジーンの発
現は、トランスフェクション後12時間という早い段階で
観察され、5日間以上も増加した。 【0060】B4G7モノクローナル抗体が内部移行するこ
とは既に報告している。またレセプター結合とイムノジ
ーンの内部移行は蛍光顕微鏡観察法によって直接検出さ
れたことから、イムノジーン移行は、EGF レセプター媒
介エンドサイトーシスによってなされているものと考え
られる。これらに加えて、イムノポーターは、β-GAL遺
伝子をEGF レセプター欠損マウスA9細胞中には転送しな
いことが判明した。更に、ジフテリアトキシンの非毒性
型をβ-GALイムノジーンと一緒に添加した場合、そのト
ランスフェクション効率は数倍に増加した。この結果か
ら、特にレポーター遺伝子は、EGF レセプター媒介エン
ドサイトーシスによって運搬されているということがで
きる。 【0061】更に、ヘルペス-TK 遺伝子をイムノジーン
の形で用いて、扁平上皮癌由来の2つのヒト腫瘍細胞株
(A431 とNA) を処理して得られた図4 に示す結果から、
イムノポーターが、EGF レセプター媒介エンドサイトー
シスによって種々の遺伝子を運搬しかつ運搬された遺伝
子が活発に発現されていることは明白である。また、ト
ランスフェクションされた遺伝子は、3つの遺伝子、つ
まりCAT 遺伝子、β-GAL遺伝子およびTK遺伝子が効率的
に発現されることから、核に運搬されたものと考えられ
るが、正確な分子機構は未だ解明されていない。 【0062】本発明に係るイムノジーンシステムは、従
来のジーンデリバリーシステムに対して数多くの利点を
持っている。つまり、最初の利点としては、このイムノ
ジーンシステムは、レセプター媒介エンドサイトーシス
である天然の細胞機構を利用していることから、リン酸
カルシウムや、リポフェクション、エレクトロポレーシ
ョンなどに比べて、細胞に対する損傷がほとんどないこ
とが挙げられる。標的に対して特異性を持つモノクロー
ナル抗体を使用する本発明者らの取り組みは、標的に対
して特異性を持つリガンド、例えばアシアログリコプロ
テインやトランスフェリンなどを利用している前回の同
様の取り組みに対する新たな追加となるものである。次
ぎの利点としては、このイムノジーンシステムが、レト
ロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスおよ
びヘルペス・シンプレックス・ウイルスに由来するよう
なウイルスベクターをジーンデリバリーに使用した場合
に起こりうるウイルス遺伝子発現の潜在的問題点を避け
ることができることが挙げられる。更に別の利点として
は、特異的なモノクローナル抗体を、好ましくは、扁平
上皮癌ガンを含むある種類の腫瘍においてしばしば過剰
産生されるEGF レセプターを標的とするために使用する
ことが挙げられる。興味あることに、これらの過剰産生
されたEGF レセプターは低親和性タイプであって、好ま
しくはB4G7モノクローナル抗体によって認識される。更
なる利点としては、DNA(遺伝子)のイムノポーターへの
接合がアフィニテイによる結合に基づいているので、あ
らゆる遺伝子が標的細胞内に移行することができること
にある。また別の利点としては、このイムノジーンによ
る取り組みは、他の膜レセプター特異的モノクローナル
抗体や細胞表面抗原特異的モノクローナル抗体が内部移
行をする傾向を持っていれば、それらのモノクローナル
抗体に対しても適用することができることが挙げられ
る。更に別の利点としては、EGF レセプターを媒介とす
るエンドサイトーシスは、増殖中の腫瘍細胞では最も活
発であるが、通常の静止細胞ではずっと不活発であるこ
とである。このことは腫瘍細胞特異的遺伝子ターゲッテ
イングならびにジーンデリバリーを促進するのに有利で
ある。 【0063】イムノジーン法を用いると、ヘルペス-TK
遺伝子を過剰発現したEGF レセプターを経由してヒト腫
瘍細胞に伝達した後にGCV やACV による細胞自殺効果を
示すことができる( 図4)。GCV とACV とは、細胞DNA の
複製に阻害性の有毒なヌクレオチド類似体に細胞内で変
換されることが知られている。これらの薬剤は本質的に
は細胞毒性を持っているけれども、腫瘍細胞はヘルペス
-TK イムノジーンでのトランスフェクション後には、よ
り一層感受性が高くなっている。この細胞自殺効果は、
TKでトランスフェクションされた細胞ばかりではなく、
隣接するトランスフェクションを受けなかった細胞に
も、バイスタンダー効果として知られるように、発生す
ることが分かった。このバイスタンダー効果は、リン酸
化された有毒なGCV やACV がTKでトランスフェクション
された1つの腫瘍細胞から別のトランスフェクションさ
れなかった細胞にギャップジャンクションを介して転送
されるという機構によって惹起されているということが
できる。このようなバイスタンダー効果は、癌の治療効
果を達成するには非常に有利である。以前は、本発明者
らは、イムノトキシンを構築するために同一のB4G7モノ
クローナル抗体を使用していて、細胞毒性のあるタンパ
クを培養腫瘍細胞ばかりではなく、ヌードマウス中で生
育する固形ガン増殖も抑制することに成功した。これら
の以前の研究と、今回の研究によって、扁平上皮ガン由
来のEGF レセプター過剰発現腫瘍細胞がイムノトキシン
またはイムノジーンの形でB4G7モノクローナル抗体によ
って標的とすることができることが明らかになった。TK
/GCVまたはTK/ ACV のバイスタンダー効果を考えに入
れると、ガン治療に対するイムノジーン法は、イムノト
キシンによる取り組みより好ましいと考えられる。 【0064】本発明において、特にモノクローナル抗体
Fab フラグメントを使用した場合の効果を説明する。イ
ムノジーンシステムを更に改良してより高いトランスフ
ェクション効率を達成するように試みた結果、Fab フラ
グメントのトランスフェクション効率が予期した以上に
はるかに高く、全抗体イムノジーンの場合よりも約100
倍も高いことを見出した。しかしながら、Fab フラグメ
ントの細胞表面への結合は全抗体の2倍しか高くないこ
とがわかった。従って、Fab フラグメントのトランスフ
ェクション効率が顕著に高いことは独特のポストレセプ
ターエンドサイトーシス経路が関与しているといえる。
トランスフェクション効率を、72時間培養後の細胞に対
するトランスフェクション細胞の数で表した場合、0.4%
ないし2%あった(図3)。しかしながら、この値は、発
明者の知る限りでは、非ウイルス性遺伝子伝達システム
のうちでは最高に高いものであり、Fab イムノジーント
ランスフェクションはリポフェクションに比べて20倍、
リン酸カルシウム沈殿法に比べて100 倍も高いものであ
った。 【0065】EGF レセプターは、チロシンキナーゼ活性
を持つ典型的なシグナル誘導レセプターであって、その
リガンドと結合した後急激に細胞内に移行する。このレ
セプター- リガンド複合体は、エンドサイトーシス経路
を経由して処理され、レセプターはリサイクルされない
ことが示されている。 【0066】レセプター媒介ジーンデリバリーシステム
の律速段階の1つはエンドソームからのDNA の放出であ
ると思われる。なぜならば、エンドソーム分解阻害剤が
トランスフェクション効率を増加させることが知られて
いるからである。B4G7イムノジーンのトランスフェクシ
ョン効率は、クロロキンや非毒性ジフテリアトキシンを
使用した場合に、10倍ないし30倍も増加することから、
イムノジーンシステムにおいてエンドソームが関与して
いることが支持される。興味あることに、トランスフェ
クションされた遺伝子のハイブリダイゼイションシグナ
ルは、Fab イムノジーンで処理された細胞の核の実際的
には全てから検出されているが、これに対してβ-Gal遺
伝子発現細胞では、これらのトランスフェクションされ
た細胞の僅か0.4%ないし2%であった。この結果は、EGF
レセプターは細胞核にむしろ円滑に移行されるのに対し
て、その発現はあるレベルに制限されていることを示し
ている。なお、正確な分子機構は明らかになっていな
い。 【0067】以上、本発明について、 上皮細胞増殖因
子(EGF) レセプターに対するモノクローナル抗体および
そのFab フラグメントを例にとって説明したが、本発明
に係るイムノポーターやその作成の技術等は、細胞表面
に存在するEGF レセプター以外の多数のレセプターを標
的にするモノクローナル抗体全てならびにそれらのフラ
グメントに対しても容易に応用することができ、その一
例としてはerbB2 レセプターへの応用を挙げることがで
きる。勿論、このようにして得られたイムノポーター
は、EGF レセプターに対するモノクローナル抗体および
そのFab フラグメントを結合した結合体と同様にして、
遺伝子DNA と複合体(イムノジーン)を容易に作製する
ことができる。したがって、本発明には、細胞表面に存
在する細胞表面レセプターを標的にするモノクローナル
抗体もしくはそれらのフラグメントを結合した結合体、
複合体、それらの製法ならびに用途が包含されることは
当然である。
【図面の簡単な説明】 【図1 】実施例1のモノクローナル抗体を使用した場合
のイムノジーンによるCAT 遺伝子トランスフェクション
を示す図。 【図2】実施例1のモノクローナル抗体を使用した場合
のイムノジーンによるCAT 遺伝子発現の経時的変化を示
す図。図2Aは、pSV2CAT プラスミドDNA を持つイムノポ
ーターでNA細胞を図示した時間処理した場合を示す図。
図2Bは、図2Aで示したCAT 活性をイメージアナライザー
で定量化したグラフ。 【図3】実施例1のモノクローナル抗体を使用した場合
のイムノジーンによるβ-GAL遺伝子発現を示すグラフ。
図3Aは、異なる数のポリリジン鎖(B4G7 分子1個当たり
5本、6本および8本)を持つイムノポーターで処理し
た場合を示している。β-GAL活性に対して陽性に染色さ
れた細胞はトランスフェクション後72時間経過して計数
した。ハッチを引いた棒グラフ、クロスハッチを引いた
棒グラフ、無地の棒グラフはそれぞれ1 μg、2 μgおよ
び4 μgのDNA を有する1 μgのイムノポーターを示して
いる。ゲルパターンは、イムノポーターを種々の量のDN
A で混合して、アガロースゲル上で電気泳動したパター
ンを示している。ゲルパターンにおいて、Complex とは
過剰のDNA を持つイムノジーンを含むDNA 沈殿物を示
す。Free DNAとは、結合してないβ-GALプラスミドDNA
を示す。図3B は、β-GAL遺伝子発現の経時変化を示
す。A431細胞をβ-GALイムノジーンで処理し、β-GAL遺
伝子活性に対して陽性を示した細胞の数を図示した時間
に計数した。 【図4】実施例1のモノクローナル抗体を使用した場合
のイムノジーンによるヘルペス-TK 遺伝子のトランスフ
ェクション後のGCV/ACV の細胞自殺効果を示すグラフ。
図4AはTKイムノジーンとGCV で処理したA431細胞を示
し、図4BはTKイムノジーンとGCV で処理したNA細胞を示
し、図4CはTKイムノジーンとACV で処理したA431細胞を
示す。 【図5 】Fab フラグメントと全抗体B4G7のA431細胞への
結合を示すグラフ。図5AはFabフラグメントを示し、図5
Bは全B4G7抗体を示していて、○印は細胞表面に結合し
たFab フラグメントを示し、□印は細胞に内部移行した
Fab フラグメントを示し、●印は細胞表面に結合した全
抗体を示し、■印は細胞に内部移行した全抗体を示して
いる。 【図6】Fab イムノジーンによるβ-GAL遺伝子発現を示
すグラフ。図6Aは、A431細胞を、次の日( 時間0) に、
アッセイしたβ-Gal活性を示す。図6Bは、A431細胞を、
6時間1 μgのβ-GalDNA 単独、1μg のβ-Gal遺伝子と
5 μgのポリリジン( β-Gal DNA+ ポリリジン) との混
合物、β-Gal/B4G7 イムノジーン(1 μg DNA/4 μg イ
ムノポーター) またはβ-Gal/ Fab イムノジーン(1 μg
DNA/2 μg Fabイムノポーター) のいずれかで処理した
場合のβ-Gal活性を示す。図6Cは、A431細胞を、6時間
異なる量のFab イムノポーターで処理し、72時間培養し
た後のβ-Gal活性を示す。 【図7】TK/FabイムノジーンによるGCV の細胞毒性効果
を示すグラフ。図7AはGCV 濃度に対する残存細胞数(対
照に対する%)を示し、図7BはGCV 処理によるトランス
フェクション後の日数に対する細胞数( x105)を示して
いる。
【手続補正書】 【提出日】平成8年10月30日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0026 【補正方法】変更 【補正内容】 【0026】本発明において、モノクローナル抗体は、
まず、このモノクローナル抗体を他の物質に結合するた
めのスペーサーの役割を担うことができる物質(以下、
単に「スペーサー」ということがある)と結合されて結
合体が形成される。かかる化合物として好ましいものと
しては、例えばポリリジンを挙げることができるが、本
発明の目的に適う性質を持つものであればいずれも使用
することができる。このモノクローナル抗体とスペーサ
ーとは、例えば結合化合物などを介して結合するのが好
ましい。かかる結合化合物としては、例えば、ジチオ結
合やチオエーテル結合を形成する架橋剤であればいずれ
も使用することができ、かかる架橋剤として好ましいも
のとしては、例えば、サクシンイミジル6−3−(2−
ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート
(SPDP)、スルホサクシンイミジル6−[3−(2
−ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノエート
スルホ−SPDP)などのジチオ基含有サクシンイミ
ド化合物、メチル3−(4’−ジチオピリジル)プロピ
オンイミデート、4−サクシンイミジル−オキシカルボ
ニル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエン(SMP
T)、スルホサクシンイミジル−6−[α−メチル−α
−(2−ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサノエート
(スルホ−SMPT)などのジチオ基含有化合物等のジ
スルフィド結合形成化合物ならびにサクシンイミジル4
−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カル
ボキシレート(SMCC)、スルホサクシンイミジル4
−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カル
ボキシレート(スルホ−SMCC)、サクシンイミジル
4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMP
B)、スルホサクシンイミジル4−(p−マレイミドフ
ェニル)ブチレート(スルホ−SMPB)、N−サクシ
ンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート
(SIAB)、スルホサクシンイミジル(4−ヨードア
セチル)アミノベンゾエート(スルホ−SIAB)、m
−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシサクシンイミ
ドエステル(MBS)、m−マレイミドベンゾイル−N
−ヒドロキシスルホサクシンイミドエステル(スルホ−
MBS)、N−(γ−マレイミドブチルリルオキシ)サ
クシンイミドエステル(GMBS)、N−(γ−マレイ
ミドブチルリルオキシ)スルホサクシンイミドエステル
(スルホ−GMBS)などのマレイミドカルボン酸化合
物、スルホサクシンイミジル4−(p−ジドフェニ
ル)ブチレートなどのスルホサクシンイミジル化合物等
のチオエーテル結合形成化合物などが挙げられる。この
目的のためには、前記結合化合物の他に、モノクローナ
ル抗体の性質や活性を損なうことなく、このモノクロー
ナル抗体に、例えば、ジチオ基またはチオエーテル基な
どを介して結合できると共に、スペーサーに対しても該
スペーサーの性質などを損なうことなく結合することが
できる化合物であればいずれも使用することができる。
他方、モノクローナル抗体とのチオエーテル結合を促進
するために、スペーサーは、例えばイミノチオランなど
で修飾するのが好ましい。ただし、スペーサー自体にモ
ノクローナル抗体とチオエーテル結合を介して結合する
ことができる修飾基が具備されている場合には、特にイ
ミノチオランなどの別の化合物で修飾する必要はない。 【手続補正2】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0035 【補正方法】変更 【補正内容】 【0035】実施例1 ヒトEGFレセプターに対するモノクローナル抗体 低アフィニテイー(親和)型EGFレセプターと免疫反
応するlgG2型マウスモノクローナル抗体(ハイブリ
ドーマ細胞株B4G7)を作製した。マウス1匹当たり
約10個のハイブリドーマをプリスタン処置したマウ
ス10匹に対して腹膜腔内注射した。2週間後に、腹水
を採取して、硫酸アンモニウム沈殿法とプロテイン−A
アフィニテイクロマトグラフィーによって精製した。 【手続補正3】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0036 【補正方法】変更 【補正内容】 【0036】モノクローナル抗体の修飾 NaCl(145mM)を含有する100mMリン酸カ
リウムバッファー(pH8.0)0.5mlに溶解した
得られたモノクローナル抗体(MoAb)(2mg/m
l)を、スルホサクシンイミジル4−[N−マレイミド
メチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート(
ホ−SMCC)1mg(100mM HEPESバッフ
ァー(pH7.9)50μl)と混合した後、27℃で
60分間反応すると、目的とする修飾モノクローナル抗
体(MoAb)が得られた。 【手続補正4】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0039 【補正方法】変更 【補正内容】 【0039】イムノポーターの精製 得られた反応生成物を、MonoSHR5/5カラムに
よるイオン交換クロマトグラフィーによって、100m
M HEPESバッファー中のNaCl濃度勾配(0.
5−3M)を用いて分画した。修飾したモノクローナル
抗体B4G7はカラムを通過し、イムノポーターと残存
する修飾ポリリジンとを1.5−2MNaClで溶出さ
れる分画に採取し、次いで修飾ポリリジンをイムノポー
ターからカラムクロマトグラフィーによるゲルろ過によ
って除去した。イムノポーターの収量は約15%であっ
た。 【手続補正5】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0043 【補正方法】変更 【補正内容】 【0043】ヘルペス・シンプレックス・ウイルスチミ
ジンキナーゼによる殺細胞効果 プラスミドpMKからのヘルペス−TK遺伝子をBgl
llとBam Hl消化によって単離した。Klen
owフラグメント充填した後、TK意伝子をプラスミド
pSRDのEco Rl部位に挿入した。pSRD−T
KプラスミドDNAを前述したようにして調製した。N
A細胞をTK遺伝子を搬送するイムノジーンで72時間
処理し、次いで種々の濃度のGCVまたはアシクロビル
(ACV)で更に5日間処理した。生存している細胞を
トリプシン処理してはがして血球計数器で計数した。つ
まり、A431細胞とNA細胞とを12穴プレートにそ
れぞれ1穴当たり1×10個の割合で入れて、TKイ
ムノジーンで72時間処理した後、更に種々の濃度のG
CVまたはACVで処理した。生存していた細胞の数を
薬剤処理5日後に計数し、その平均値を求めた。ヘルペ
ス−TK遺伝子は、イムノジーンの形で、扁平上皮ガン
由来の2つのヒト腫瘍細胞株(A431とNA)を72
時間処理した。次いで、これらのトランスフェクション
された細胞を、GCVもしくはACVで更に5日間処理
した。これら2つの細胞株は、GCVの濃度がA431
細胞に対しては10μMを超した場合ならびにNA細胞
に対しては1μMを超した場合にのみ死滅した(図4A
および図4B)。しかしながら、これらの腫瘍細胞株
は、TKイムノジーンのトランスフェクション後、GC
Vに対してより著しく感受性が高くなった。A431細
胞におけるヘルペス−TK遺伝子の殺細胞効果は、AC
VをGCVに代えて添加したときに、より高くなった
(図4C)。ほとんど細胞毒性効果が見られなかったA
CV濃度が100μMの場合、TKトランスフェクショ
ンされたA431腫瘍細胞の70%以上が死滅した。従
って、このことから、イムノポーターが、EGFセプ
ター媒介エンドサイトーシスによって種々の遺伝子を運
搬しかつ運搬された遺伝子が活発に発現されているとい
える。 【手続補正6】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0047 【補正方法】変更 【補正内容】 【0047】実施例3 モノクローナル抗体(B4G7)とフラグメント化 ヒト低親和タイプEGFレセプターと免疫反応するlg
G2bクラスのマウスモノクローナル抗体(ハイブリド
ーマ細胞株B4G7)を作製し、文献記載の方法で精製
した(Shimizu,N.,Chen,J.,Gam
ou,S.,and Takayanagi,A:Ca
ncer Gene Ther.lnpress,19
95.)。この抗体をパパインで消化して、Godin
gの方法によってFabフラグメントを作製した(Go
ding.J.W.:Monoclonal Anti
bodies:Principles And Pra
ctice;pp.118−122;Academic
Press,1983)。得られたFabフラグメン
トを、Fcフラグメント,Fab/cフラグメント、非
消化の全抗体から、100mM HEPESバッファー
(PH7.0)のNaCl勾配(0M−0.2M)を用
いたDE52カラムによるイオン交換クロマトグラフィ
ーによって分離した。 【手続補正7】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0050 【補正方法】変更 【補正内容】 【0050】Fabイムノポーター(Fabフラグメン
ト/ポリリジン結合体)とFabイムノジーン(Fab
イムノポーター/DNA複合体)の調製 B4G7イムノポーターおよびFabイムノポーターを
前記記載の方法にて調製した。つまり、簡単に説明すれ
ば、全B4G7抗体またはFabフラグメントをスルホ
−SMCCで修飾し、セファデックスG−25のカラム
に通して過剰のスルホ−SMCCを除去した。ポリリジ
ンは2−イミノチオランで修飾し、セファデックスG−
25のカラムに通して過剰の2−イミノチオランを除去
した。修飾B4G7イムノポーターまたは修飾Fabを
等量の修飾ポリリジンと混合して、チオエーテル結合を
介して結合体を作製した。次いで、得られた結合体(そ
れぞれB4G7イムノポーターとFabイムノポーター
と呼ぶ)を、NaCl濃度勾配を用いたMono SH
R5/5カラムでオン交換クロマトグラフィーによっ
て精製した。得られた結合体の分画を0.22μmデユ
ラポール(Durapore)メンブレンでろ過して滅
菌した。得られたイムノポーターは次いで、種々の量の
レポーター遺伝子DNAと混合して、室温で30分間保
温した。得られたイムノポーター/DNA複合体(ここ
ではβ−Gal/Fabイムノジーンと呼ぶ)をレポー
ター遺伝子活性を測定するためにA431細胞に適用し
た。 【手続補正8】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0059 【補正方法】変更 【補正内容】 【0059】 【発明の効果】本発明に係るモノクローナル抗体/ポリ
リジン結合体、つまりチオエーテル結合で結合されたモ
ノクローナル抗体/リリジン結合体からなるイムノポ
ーターは、特願平6−40326号にて得たジスルフィ
ド結合を有するイムノポーター、つまり、SPDP(N
−サクシンイミジル−3−(2−ピリジルチオ)プロピ
オンアミド)ヘキサノエート)を使用してジスルフィド
結合を介して結合された結合体よりもより一層安定なD
NA(遺伝子)のキャリヤーであるといえる。また、本
発明に係るモノクローナル抗体/ポリリジン結合体につ
いては、このイムノジーンによる遺伝子の移行効率が、
CAT遺伝子発現によって示されるように、従来のリン
酸カルシウム沈殿法と同等であることが分かった(図
1)。このイムノポーターとDNAとを混合して得たア
フィニテイ複合体、つまり、DNA/イムノポーター複
合体(イムノジーン)を、EGFレセプターを過剰産生
するNA細胞の培養中で添加し、72時間後にCAT酵
素活性を測定したところ、有意的に高いCAT活性がイ
ムノジーンで処理した細胞には発現されたのに対して、
ポリリジンとDNAで処理した細胞にはCAT活性は検
出されなかった(図1)。このチオエーテル結合を持つ
本発明に係るイムノポーター(スルホ−SMCC−イム
ノポーター)によるCAT遺伝子トランスフェクション
は、従来のリン酸カルシウムトランスフェクション法と
同等に効率的であるのに対して、以前のジスルフィド結
合を持つイムノポーター(SPDP−イムノポーター)
に対してはそのトランスフェクション活性が10倍とい
う強さであった(図1)。更に、SPDP−イムノポー
ターは不安定でかつ産生後1週間以内にそのトランスフ
ェクション活性が失活したのに対して、スルホ−SMC
C−イムノポーターは安定していて、そのトランスフェ
クション活性も少なくとも1カ月は持続した。更に、本
発明に係るモノクローナル抗体/ポリリジン結合体を使
用してのイムノジーンの発現は、トランスフェクション
後12時間という早い段階で観察され、5日間以上も増
加した。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成9年11月7日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】図面の簡単な説明 【補正方法】変更 【補正内容】 【図面の簡単な説明】 【図1】実施例1のモノクローナル抗体を使用した場合
のイムノジーンによるCAT遺伝子トランスフェクシヨ
ンを示す写真。 【図2】実施例1のモノクローナル抗体を使用した場合
のイムノジーンによるCAT遺伝子発現の経時的変化を
示す図。図2Aは、pSV2CATプラスミドDNAを
持つイムノポーターでNA細胞を図示した時間処理した
場合を示す写真。図2Bは、図2Aで示したCAT活性
をイメージアナライザーで定量化したグラフ。 【図3】実施例1のモノクローナル抗体を使用した場合
のイムノジーンによるβ−GAL遺伝子発現を示すグラ
フ。図3Aは、異なる数のポリリジン鎖(B4G7分子
1個当たり5本、6本および8本)を持つイムノポータ
ーで処理した場合を示している。β−GAL活性に対し
て陽性に染色された細胞はトランスフェクション後72
時間経過して計数した。ハッチを引いた棒グラフ、クロ
スハッチを引いた棒グラフ、無地の棒グラフはそれぞれ
1μg、2μgおよび4μgのDNAを有する1μgの
イムノポーターを示している。ゲルパターンは、イムノ
ポーターを種々の量のDNAで混合して、アガロースゲ
ル上で電気泳動したパターンを示す写真である。ゲルパ
ターンを示す写真において、Complexとは、過剰
のDNAを持つイムノジーンを含むDNA沈殿物。Fr
ee DNAとは、結合してないβ−GALプラスミド
DNAを示す。図3Bは、β−GAL遺伝子発現の経時
変化を示す。A431細胞をβ−GALイムノジーンで
処理し、β−GAL遺伝子活性に対して陽性を示した細
胞の数を図示した時間に計数した。 【図4】実施例1のモノクローナル抗体を使用した場合
のイムノジーンによるヘルペス−TK遺伝子のトランス
フェクション後のGCV/ACVの細胞自己不活化効果
を示すグラフ。図5AはTKイムノジーンとGCVで処
理したA431細胞を示し、図5BはTKイムノジーン
とGCVで処理したNA細胞を示し、図5CはTKイム
ノジーンとACVで処理したA431細胞を示す。 【図5】Fabフラグメントと全抗体B4G7のA43
1細胞への結合を示すグラフ。図5AはFabフラグメ
ントを示し、図5Bは全B4G7抗体を示していて、○
印は細胞表面に結合したFabフラグメントを示し、□
印は細胞に内部移行したFabフラグメントを示し、●
印は細胞表面に結合した全抗体を示し、■印は細胞に内
部移行した全抗体を示している。 【図6】Fabイムノジーンによるβ−GAL遺伝子発
現を示すグラフ。図6Aは、A431細胞を、次の日
(時間0)に、アッセイしたβ−Gal活性を示す。図
6Bは、A431細胞を、6時間1μgのβ−Gal
DNA単独、1μgのβ−Gal遺伝子と5μgのポリ
リジン(β−Gal DNA+ポリリジン)との混合
物、β−Gal/B4G7イムノジーン(1μgDNA
/4μgイムノポーター)またはβ−Gal/Fabイ
ムノジーン(1μgDNA/2μgFabイムノポータ
ー)のいずれかで処理した場合のβ−Gal活性を示
す。図6Cは、A431細胞を、6時間異なる量のFa
bイムノポーターで処理し、72時間培養した後のβ−
Gal活性を示す。 【図7】TK/FabイムノジーンによるGCVの細胞
毒性効果を示すグラフ。図7AはGCV濃度に対する残
存細胞数(対照に対する%)を示し、図7BはGCV処
理によるトランスフェクション後の日数に対する細胞数
(X10)を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 C12P 21/08 15/02 C12N 5/00 B C12P 21/08 15/00 C //(C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1 】 細胞表面に存在するレセプターに対する
    モノクローナル抗体またはそのフラグメントと、スペー
    サーとが結合されて結合体を形成していることを特徴と
    する細胞表面レセプターに対するモノクローナル抗体ま
    たはそのフラグメントの結合体。 【請求項2】細胞表面に存在するレセプターに対するモ
    ノクローナル抗体またはそのフラグメントと、スペーサ
    ーとが結合されて得られた結合体と、遺伝子とが結合し
    て複合体を形成していることを特徴とする細胞表面レセ
    プターに対するモノクローナル抗体またはそのフラグメ
    ントの複合体。 【請求項3】 請求項1 または2に記載する細胞表面レ
    セプターに対するモノクローナル抗体またはそのフラグ
    メントの結合体または複合体において、前記スペーサー
    がポリリジンであること。 【請求項4】請求項2または3に記載する細胞表面レセ
    プターに対するモノクローナル抗体またはそのフラグメ
    ントの複合体において、前記遺伝子が正常遺伝子または
    抗癌作用を誘導する遺伝子であること。 【請求項5】 細胞表面に存在するレセプターに対する
    モノクローナル抗体またはそのフラグメントに、スペー
    サーを結合させることを特徴とする細胞表面レセプター
    に対するモノクローナル抗体またはそのフラグメントの
    結合体の製法。 【請求項6】細胞表面レセプターに対するモノクローナ
    ル抗体または前記モノクローナル抗体フラグメントを還
    元してメルカプト基を形成し、前記メルカプト基に結合
    化合物を結合した後、前記結合化合物にスペーサーを結
    合させることもしくは前記モノクローナル抗体または前
    記モノクローナル抗体フラグメントのメルカプト基に、
    前記結合化合物とスペーサーとを結合して得られた化合
    物を結合させることを特徴とする細胞表面レセプターに
    対するモノクローナル抗体または前記モノクローナル抗
    体フラグメントの結合体の製法。 【請求項7】細胞表面レセプターに対するモノクローナ
    ル抗体もしくは前記モノクローナル抗体フラグメントと
    該スペーサーとを結合させて得た結合体と、遺伝子とを
    結合することを特徴とする細胞表面レセプターに対する
    モノクローナル抗体またはそのフラグメントの複合体の
    製法。 【請求項8】 細胞表面レセプターに対するモノクロー
    ナル抗体もしくは前記モノクローナル抗体フラグメント
    と該スペーサーとの結合体と、遺伝子とを結合させて得
    られる細胞表面レセプターに対するモノクローナル抗体
    もしくは前記モノクローナル抗体フラグメントの複合体
    を、細胞表面レセプターを介して細胞内に導入する方
    法。 【請求項9】請求項8に記載する方法において、前記複
    合体が導入される細胞が細胞表面レセプターを過剰産生
    する細胞であること。 【請求項10】請求項8に記載する方法において、前記
    細胞が癌細胞であること。 【請求項11】請求項8に記載する方法において、前記
    細胞に治療用遺伝子をエンドサイトーシスで導入するこ
    と。 【請求項12】細胞表面レセプターに対するモノクロー
    ナル抗体もしくは前記モノクローナル抗体フラグメント
    と該スペーサーとの結合体と、遺伝子とを結合させて得
    られる細胞表面レセプターに対するモノクローナル抗体
    もしくは前記モノクローナル抗体フラグメントの複合体
    を、目的とする細胞に嵌入して該細胞の治療に使用する
    方法。 【請求項13】 請求項1 ないし13のいずれか1項に
    おいて、前記細胞表面レセプターに対するモノクローナ
    ル抗体が上皮細胞増殖因子(EGF) レセプターに対するモ
    ノクローナル抗体であること。 【請求項14】 請求項13において、前記モノクロー
    ナル抗体と、スペーサーとがチオエーテル結合を介して
    結合されていること。
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