JPH1086547A - 印刷版用アルミニウム帯板の電解処理装置および電解処理方法 - Google Patents

印刷版用アルミニウム帯板の電解処理装置および電解処理方法

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JPH1086547A
JPH1086547A JP24795096A JP24795096A JPH1086547A JP H1086547 A JPH1086547 A JP H1086547A JP 24795096 A JP24795096 A JP 24795096A JP 24795096 A JP24795096 A JP 24795096A JP H1086547 A JPH1086547 A JP H1086547A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解不要面への処理を抑制し、かつ電解不要
面へのキズが発生しにくく、電解処理面を均質に処理す
ることができ、絶縁プレートの劣化を抑制した、帯板の
連続電解処理装置及び電解処理法を提供する。 【解決手段】 電解液と、該電解液中に設けられた電極
及び絶縁体を有し、電極と絶縁体との間で絶縁体に近接
させて長尺のアルミニウム又はその合金製の帯板を走行
させて帯板を連続的に電解処理する電解処理装置におい
て、該絶縁体と帯板との間に循環電解液の一部を供給す
る供給孔を設けたことを特徴とする電解処理装置、及
び、前記連続電解処理装置を用い、帯板を、一定の張力
を保ち且つ絶縁体に近接させ、さらに供給孔より、循環
電解液の一部を絶縁体と帯板との間に供給し、絶縁体と
帯板との間隔を一定に保ちながら帯板を走行させること
を特徴とした電解処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム又はそ
の合金製の帯板を連続的に電解表面処理する装置及び方
法に関する。さらに詳しくは、帯板の一方の面を絶縁体
で電気的に遮蔽して片面(絶縁体で遮蔽いていない面)
を処理する印刷版用アルミニウム帯板の電解処理装置及
び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料の表面処理には脱脂、酸エッチ
ング、アルカリエッチング等の無電解処理とカソード処
理、電解研磨、電解着色等の電解処理等があって広範に
実用化されている。これらの処理においては生産性を向
上させるために金属材料を帯状に製造し、これを各種表
面処理槽に搬入し、薬液浸漬、又はスプレー供給により
薬液(電解処理においては電解液)に接触させる連続処
理が通例であり、印刷版用支持体として使用するための
アルミニウムまたはその合金の表面加工工程においても
長尺のアルミニウム又はその合金製の帯板(以下、単に
帯板と称す)を用いた連続処理が一般的におこなわれて
いる。印刷用の帯板の連続電解処理を実施するための装
置の具体例の模式的断面図を図1及び図2に示す。
【0003】図1においてアルミニウムコイルより送り
出された帯板1は先ずロール10及び11によって電解
槽20の中へ導かれ電解液30の中を移送させられたの
ち、ロール12及び13によって電解槽20から取り出
される。電解槽20には、ロール11及び12の間を走
行する帯板1に対向して電源極40が配設されており、
給電ロール10から電気が供給された帯板と電極40と
の間で電解液30を介して電解処理がおこなわれるもの
である。また、図2は図1と異なる構造の装置を示すも
のであり、図2中帯板1はロール10及び11にてニッ
プされ、電解槽20の槽側面のスリット孔より槽内部へ
導かれ、反対側面のスリット孔より搬出された後、ロー
ル12及び13にニップされて送り出される。電解槽2
0内では走行する帯板1に対向して電極40、41が配
置されており、電極40及び41と電極から電気が供給
された帯板との間で電解液30を介して電解処理がおこ
なわれるものである。交流電解の場合は電解槽中央部に
スリットを設け、2室に分かれた電解槽の各室に配置さ
れた電極40及び41に正、負極を交互に印加し、電気
の供給と電解が交互におこなわれるものである。また、
第1図、第2図のように一般に電解液の貯槽21を設
け、そこからポンプ50により電解液を電解槽へ供給す
る循環設備を設けることが通例であり、この循環ライン
に熱交換器を設けて電解液の温度を一定になるように調
整したり、液の一部を採取し、連続的にあるいは定期的
に電解液組成、濃度計測する分析装置を設けて監視する
ことが従来より行われている。
【0004】このような連続電解処理法においては電解
液の組成や温度を管理することが一定の品質を得るため
に必要である。また、電極における帯板に対向する表面
と帯板の電解処理表面(以下、単に電解処理面と称す)
とが平行関係を維持していることが、均質な電解処理を
達成する上で重要である。電極と電解処理面とを平行に
保つ方法としては、例えば、電解処理面を平面としてお
き、かつ槽入口部と出口部の間にある帯板が張り(張
力)が働いている状態で走行させる方法(例えば、特開
昭54−81134号)が知られている。しかし、単に
板の張りだけでは、図1や図2に示されているようにタ
ンク21に貯蔵された電解液をポンプ50により電解槽
へ送り込む一方、電解液排出口より電解液を排出させて
タンクへ回収することにより、電解液を循環させ、電解
液の組成、濃度、温度などを一定に維持させている関係
上、電解槽内の液の流れの乱れなどにより槽入口と出口
のロール間の帯板が揺れや傾斜を生じてしまうために電
解処理面と電極表面とを平行関係に維持するのは困難で
あった。
【0005】また、電解処理されるべき処理面が電極に
対向する面(電解処理面)のみの場合でも、電解処理が
不要な、電極に対向する面と反対側の面(以下、電解不
要面と称す)への電流の廻り込みによって電解不要面も
同時に電解処理されてしまうのが普通であり、そのため
に本来処理されるべき面の処理効率が電解不要面に廻る
分低下し不経済であるばかりでなく、電解不要面が電解
処理されることによって外観上不均質な色ムラ等が発生
して製品の仕上がり品質が悪くなるという問題があっ
た。必要な面だけを電解処理する容易に且つ実用的な方
法及び装置として、例えば帯板の電解不要面に絶縁体を
近接させ、処理する方法(特開昭57−47894号)
がある。これによって電解不要面への電気的遮蔽効果が
得られ、処理が抑制されるとともに、帯板が該絶縁体に
接触するため、帯板の位置が比較的固定し、電解処理面
と電極表面とを平行関係に維持することが可能となっ
た。
【0006】このような絶縁体を用いた電解処理装置と
しては、図3に示す通り、槽内において電極配置部分近
傍の帯板び電極に対向する面と反対の面に近接させるよ
うに絶縁体を固定したものや、図4のように絶縁体と槽
本体構造物を兼ねた構造とするものがあった。しかしな
がら、このような絶縁体を電解不要面に近接させるよう
に配置させただけでは、微妙な帯板の揺れなどにより、
電解不要面と絶縁体が接触し、帯板の電解不要面にキズ
がついたり、逆に絶縁体にキズが付き、磨耗劣化して装
置寿命が短くなることや、絶縁体表面が剥離し、その剥
離物が帯板に付着し、電解処理後の後工程に混入した
り、また、槽内に微量に存在する固形物が帯板の電解不
要面と絶縁体の間に停滞し、その固形物と帯板の電解不
要面とが接触して、キズがつくといった問題が生じてい
た。さらに、帯板と絶縁体が接触するために、電解処理
によって帯板に発生した熱が絶縁帯に伝わり、あるい
は、帯板と絶縁体との摩擦によって熱が生ずるため、長
時間通電された場合には絶縁体に部分的な熱変形が発生
し、絶縁体の寿命が短くなるといった問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電解
不要面への処理を抑制し、かつ電解不要面へのキズが発
生しにくい帯板の連続電解処理装置及び電解処理法を提
供することにある。本発明の他の目的は、電解処理面を
均質に処理することができる帯板の連続電解処理装置及
び電解処理法を提供することにある。また、本発明の他
の目的は、絶縁プレートの劣化を抑制した、帯板の連続
電解処理装置及び電解処理法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、電解液
と、該電解液中に設けられた電極及び絶縁体を有し、電
極と絶縁体との間で絶縁体に近接させて長尺のアルミニ
ウム又はその合金製の帯板を走行させて帯板を連続的に
電解処理する電解処理装置において、該絶縁体と帯板と
の間に循環電解液の一部を供給する供給孔を設けたこと
を特徴とする電解処理装置に存する。また、本発明の他
の要旨は、前記連続電解処理装置を用い、帯板を、一定
の張力を保ち且つ絶縁体に近接させ、さらに供給孔よ
り、循環電解液の一部を絶縁体と帯板との間に供給し、
絶縁体と帯板との間隔を一定に保ちながら帯板を走行さ
せることを特徴とした電解処理方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電解処理装置は、電解処理槽に、電解液と、該
電解液中に設けられた電極と、絶縁体及び供給孔を有し
ている。また、電解処理にあたっては、帯板は、電極と
絶縁体との間で、かつ絶縁体に近接させて走行させるこ
とにより、帯板の片面(電極側の面)のみを電解処理す
るものである。
【0010】本発明の電解処理装置において、供給孔
は、絶縁体と帯板との間部に設けられており、この供給
孔によって、電解処理に循環使用する電解液(以下、循
環電解液と称す)の一部を絶縁体と帯板との間隙に供給
できることが特徴である。供給孔から循環電解液の一部
を帯板と絶縁体の間隙に供給することによって間隙内に
一定の静圧がかかり、帯板と絶縁体との間隙を調整する
ことができ、帯板と該絶縁体が接触することがなくな
り、帯板のキズの発生や絶縁体の磨耗を防ぐことができ
る。また、間隙部に連続的に循環液の一部を供給するこ
とによって、電解液の局部的な組成の変化が抑えられ、
従って電解処理反応に影響することなく、間隙部の除熱
冷却効果を得ることができ、絶縁体の熱的変化による劣
化が抑えられ、該絶縁体の寿命を延長させることができ
る。
【0011】本発明に用いられる供給孔は、絶縁体と帯
板との間隙に循環電解液を供給可能なものであれば、電
解液により劣化する等の不都合がない限り、その材質に
制限はなく、また、絶縁体の一部開口させ、その開口部
自体を供給孔として使用することもできる。また、供給
孔の形状も特に制限されるものではなく、三角錘台、四
角錘台等の多角錘台、三角柱、四角柱等の多角柱、円錐
台、円柱等の形状が挙げられるが、これらの内、四角錐
台及び四角柱が好ましく、四角錘台がさらに好ましい。
また、供給孔の大きさは、開口部が非処理面の遮蔽効果
に影響しない程度の広い開口部であればよい。開口面積
が著しく小さいと噴出部の流速が速くなり、該部分の動
圧が高まり、間隙部の圧力分布がくずれ、電極と帯板の
間隙が一定に保てなくなるという問題が発生することが
考えられる。また、循環電解液の供給にあたっては、幅
手方向に対して均一な流量が供給されることが好ましい
ので、例えば、幅手方向に長い形状の供給孔を設けた
り、あるいは、比較的小さい供給孔を幅手方向に複数個
設けることもできる。
【0012】また、供給孔の設置場所としては、絶縁体
と帯板と間隙部であれば、本願効果が達成される限り特
に制限はないが、少なくとも走行する帯板の入口部に設
けた場合が、供給された循環電解液が効率よく絶縁体と
帯板と間隙部に滞留するため好ましい。さらに、該供給
孔を少なくとも帯板と絶縁体の間隙の走行する帯板の入
口部に設け、かつ帯板の幅手方向に複数個配置させた場
合には、個々の供給孔より電解液を供給することによっ
て、間隙外の液の流れの乱れなどの影響を受けなくな
り、かつ、帯板と絶縁体とを所定の間隙をさらに効果的
に調整することができるため好ましい。
【0013】さらにまた、本発明の特に好ましい実施形
態では、該絶縁体の幅手方向に複数個配置させた個々供
給孔からの供給量を独立コントロールして、調整するこ
とが出来ることを特徴として構成される。このことによ
って、局部的に帯板電解処理面と電極表面の距離や帯板
と絶縁体との間隙を調整したいような場合は該部分にあ
る液供給孔からの供給量を他の部分との流量を変更する
ことによって達成される。例えば、電極と帯板との距離
を狭めたい場合は噴出量を多くすればよく精密に間隙調
整が可能である。また電極と絶縁プレートの間隙が精密
にとれていても使用される帯板は幅手方向で必ずしも処
理方向の長さが一定ものが使われるとは限らず、一般に
幅手方向で帯板の中央部が長い傾向にあり、この中央部
が長く、板を張ったときに中央部が長いために波打つ状
態になり、これは一般的にセンターバッフルと呼ばれる
が、このような形状の帯板が使用されることがある。こ
のようなものを処理した際には幅手方向の電極と帯板処
理面との間隙、絶縁プレートと帯板との間隙が変わるこ
とによって、不満足な目的の達成となるがこのような場
合を解決するためにはその帯板の形状にあわせ、幅手方
向の各ノズルの流量を調整することよって処理均一化出
来うる。
【0014】本発明の電解処理方法において、帯板と絶
縁体との間隔は液の供給量や電解液の組成にもよるが、
電解不要面(裏面)への電解処理、裏廻りを所望に抑え
るには3mm以下が望ましい。また、供給孔からの電解
液の供給量(時間当たりの容積(m3/分))は、帯板の
張力にもよるが、通常、「走行する帯板の走行速度(m
/分)の1/2」×「帯板の幅(m)」×「設定間隙
(m)」が目安である。また、本発明においては循環電
解液の電解槽への主たる供給は、帯板と絶縁体との間以
外の場所で行われるが、処理槽内の帯板の電解処理面
側、即ち、電極と帯板の間で行われることが好ましい。
【0015】本発明の一実施態様について図5を用いて
説明する。図5に示すように帯板1は先ずロール10及
び11によって電解槽20の中へ導かれ電解液30の中
を移送させられたのち、ロール12及び13によって電
解槽20から取り出される。電解槽20には、ロール1
1及び12の間を走行する帯板1に対向して電極40が
配設されており、給電ロール10から電気が供給された
帯板1と電極40との間で電解液30を介して電解処理
がおこなわれる。また、入口ロール11と出口ロール1
2の間部には、帯板の非電解処理面に近接した位置に絶
縁体22が設けられている。
【0016】タンク21に貯蔵された循環電解液はポン
プ50により圧送し、電解槽の内部の帯板の電解処理面
側に主として供給するが、循環電解液の一部は該絶縁体
22に設けた供給孔23に送られる。絶縁体22に設け
た供給孔23に循環電解液を送るには主循環系の配管よ
り分岐させて、主循環ポンプ圧により送られ、その送る
量は個々に配置された供給孔への配管部分に流量調節用
バルブが設けられ、そのバルブの調整によって流量が設
定される。また、分岐された配管に更に定量ポンプを挿
入し、また、タンクより直接導いた電解液を定量ポンプ
により供給孔へ液を供給することは流量を精度よく制御
するのに良好な方法である。
【0017】また、図6は図5と異なる本発明の電解処
理装置を示すものである。図6に示された電解処理装置
においては、絶縁体22は槽本体の底板部分自体であ
り、この底板部分に供給孔23及び24が設けられてい
る。また、主たる循環電解液の供給は電解槽の内部の帯
板の電解処理面側であり、循環電解液の一部が該供給孔
23及び24に送られる。供給の方法は図5に示された
電解処理装置と同様であり、主循環経路からの分岐液を
直接または定量ポンプを介して供給するか、タンクより
直接ポンプにより該供給孔に供給してもよい。
【0018】また、図7〜12は本発明の図6の電解処
理槽内の絶縁体に供給機構を設けた装置の詳細例を説明
したものである。図7は電解処理槽の上面からの透視図
であり、絶縁体22上を帯板1が右から左方向に搬送さ
れ、該絶縁体上に設けた供給孔23及び24から循環電
解液が供給され、帯板1の走行による同伴流によって、
供給された循環電解液が右から左方向(帯板の入口から
出口方向)に帯板1と絶縁体22との間を流れる。該供
給孔は少なくとも絶縁板22の入口部に幅手方向に複数
個並べたものであり、その配置は特に絶縁体上であり走
行する帯板の下面部分にあればよいが幅手方向に複数個
並べてた供給孔群を複数群搬送方向に設けた方が製作等
容易である。図8は図7のA部断面(液供給孔断面部)
及び該供給孔に液を供給するラインを示す図である。電
解槽へ供給される電解循環液は主として帯板の電解処理
面側へ供給されるが、その一部の液は分岐し、定量ポン
プ51により圧送され、異物などが流入しないようにフ
ィルター52を介して一旦均圧管の役目をするヘッダー
54へ送られる。ヘッダー54には複数の配管が接続さ
れ、該複数配管から絶縁体に設けている供給孔群23の
個々の噴出孔に流量調整弁53、流量計55を通して一
定流量にコントロールされた状態で送られる。このと
き、定量ポンプ51は本循環流の圧力が高くて圧力の変
動がなく、供給孔23からの所望の供給量が得られるも
のであれば設ける必要はなく、分岐後直接フィルターを
介してヘッダーに送液しても良い。
【0019】また、槽中央部に設けている供給孔群24
にも同様ヘッダー、流量調整弁、流量計を介して送られ
る。また、流量調節弁53は流量計55により検知され
た流量値を常に一定にするように制御機構を付帯した
り、流量値を監視する設備を付帯するなどして精密な管
理をすることができる。図9は図7及び図8の供給孔群
23を斜め上方より見たものであり、該供給孔23の形
態例の詳細を示したものである。絶縁板の帯板と面する
と反対面から絶縁板上に加工された帯板と面する側の開
口部がひろい四角錐台形の溝に液が供給され、該開口面
から液が絶縁板と帯板間隙へ供給される。
【0020】本発明の電解処理装置によって電解処理さ
れる印刷版用アルミニウム帯板は純アルミニウム及びア
ルミニウム合金で形成されおり、このアルミニウム合金
としては例えば、珪素、鉄、銅、マンガン、マグネシウ
ム、クロム、亜鉛、ビスマスニッケル、などの金属との
アルミニウム合金がある。帯板の厚みは通常、0.1〜
0.5mmの範囲である。本発明に用いられる電解液と
しては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸またはそれ
らの塩の水溶液、あるいはそれらの混合液があるが、そ
れぞれの表面加工の目的や所望の品質を得るために最適
なものを選べばよい。また、電源波形は表面加工の目的
や所望の品質によって交流波形や直流波形が選択され
る。一般的には表面の粗面化(電解粗面化)を目的とし
た場合は商用交流波形や波形制御された交流波形を用
い、陽極酸化を目的とした場合はは直流やパルス波形を
用いる。
【0021】また、本発明に用いられる絶縁体として
は、電気的絶縁体であればいずれの材質であっても用い
ることができるが、電解液に対しても耐久性が必要とさ
れるため、例えば塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、フッ素系樹脂等の樹脂が好ましい。また、
本発明に用いられる絶縁体には、その表面に、絶縁体と
帯板が接触した際の摩擦を低減する目的で、曲面で構成
される突起物を設けることもできる。本発明の電解処理
装置及び電解処理方法は主にアルミニウム板の表面粗面
化の工程や陽極酸化処理に適用することができるが、こ
れらの電解処理工程の前段階として、圧延処理された帯
板は通常アルカリ水溶液等による脱脂、酸での中和処理
などを、適宜選択し、また複合して実施することができ
る。その後、電解処理による粗面化処理された後、アル
カリ水溶液等によるデスマット処理、酸での中和処理が
おこなわれる。さらに、陽極酸化処理され、必要によ
り、熱水による封孔処理、アルカリ金属シリケート水溶
液処理、水溶性金属塩を含む親水性セルロース溶液処理
等を後処理として所望の品質を得るために適宜選択して
実施することができる。
【0022】本発明により製造された印刷用アルミニウ
ム支持体はアルミ表面処理後、その表面に感光層を設け
て感光性平版印刷板とすることができる。この感光層の
組成物としては公知のものから適宜選択できるが、例え
ばジアゾ樹脂と疎水性樹脂からなるもの、o−キノンジ
アジド化合物とノボラック樹脂等からなるもの、付加重
合性不飽和モノマーと光重合開始剤及び有機高分子化合
物等からなる感光層を用いることができる。
【0023】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限
定されるものではない。実施例1 厚さ約0.3mm、板幅1030mmの帯板を、ユニッ
ト張力1.5kg/mm2にて搬送させ、常法に従い連続
的に脱脂処理処理したのち、本発明電解槽図10におい
て、表面を約Ra0.6μmになるように交流にて電解
粗面化処理した。その後、常法にてデスマットされ、陽
極酸化処理後、熱水処理し、乾燥させ、平版印刷板の基
板である砂目板を作成した。
【0024】このとき、電解槽内の絶縁プレート上にあ
る帯板搬入入口部23、中央部24の各幅手方向に設け
られた各々13個、計26個の供給孔より、トータル
0.1m3/分の液量を、それぞれの供給孔から均一にな
るよう供給した。比較例1 実施例1の槽構造と同一槽において、ただし、該供給孔
がない状態(該供給孔を設ける前の状態で、該供給孔の
ある部分は平坦な表面状態)で実施例1と同条件にて電
解処理をおこなった。
【0025】比較例2 実施例1の槽において、供給孔より液を供給しない状態
で実施例1と同条件にて電解処理をおこなった。そして
実施例1、比較例1、2により作成した砂目板を下記の
ように評価した。その結果を表1に示す。評価項目 イ)非処理面のキズの発生有無 電解処理槽から搬出されたの帯板の非処理面を目視にて
キズの発生有無を確認した。またキズの発生は連続的に
接触により発生し、幅手方向に線状に多数発生するもの
であり、この発生本数を数え、その接触程度を判断し
た。
【0026】ロ)帯板と絶縁プレート間の圧力変化 図10の絶縁体22の60及び61の部分に貫通した3m
mφの孔を合計6ヶ設け、その孔に樹脂性配管を介して
圧力検知器(マノメータ)を図11及び図12に示すよ
うに接続して、処理時の間隙部の圧力を測定した。そし
て絶縁プレートに設けた液供給孔からの供給がない場合
(比較例2を実施時)の測定値を0基準として、液供給
した時に処理された時の圧力を測定し、その差圧を求め
た。 ハ)幅手方向の粗さRaのバラツキ 電解処理均一性を測る指標としてアルミニウム表面の粗
面化状態を確認すべく、表面粗さ計(小坂製SE−30
H)粗さRaを測定した。電解処理槽より搬出された砂
目板を切り取り、帯板の幅手方向に100mm間隔で9
点測定し、その9点の中で最大値と最小値の差を求め
た。この数値が小さければ均一な処理といえる。
【0027】ニ)非処理面への回り込み量 電解処理槽より搬出された砂目板を切り取り、電解不要
面(裏面)両端部のエッチングされた幅(粗面化される
ため白く変色した部分)を計測した。
【0028】
【表1】
【0029】間隙部への液供給有無に関わらず、粗さの
幅手方向のバラツキ、非処理面への回り込み幅はあまり
差がないが、供給することによってキズが発生していな
いことがわかる。そのときの間隙部の圧力は供給しない
状態より高くなっており、間隙間が所定に広がっている
と判断される。
【0030】
【発明の効果】本発明の帯板の電解処理方法及び電解処
理装置を用いることにより、電解処理時の電解非処理面
への処理抑制を目的とした非処理面近傍に配置した絶縁
体との接触による製品である帯板へのキズが発生せず、
かつ電解処理面の均質化と電解不要面への処理抑制が保
つことができ、品質的に良好な平版印刷版を工業的に提
供できる。しかも、本発明の方法によれば、該絶縁体の
電解発熱による熱的影響が受けにくくなり、熱変形がお
こりにくくなり、装置寿命が著しく延長することとな
り、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷用帯板の電解処理装置の模式的断面図 タ
イプ1
【図2】印刷用帯板の電解処理装置の模式的断面図 タ
イプ2
【図3】印刷用帯板の電解処理装置における電解非処理
面への処理抑制のための絶縁体を組み込んだ装置の模式
的断面図 タイプ1
【図4】印刷用帯板の電解処理装置における電解非処理
面への処理抑制のための絶縁体を組み込んだ装置の模式
的断面図 タイプ2(槽底板と絶縁体を併用)
【図5】本発明の電解処理装置の一例;電解処理装置内
の絶縁版に液供給機構を設けた装置の模式的断面図 タ
イプ1
【図6】本発明の電解処理装置の一例;電解処理装置内
の絶縁板に液供給機構を設けた装置の模式的断面図 タ
イプ2(槽底板と絶縁体を併用)
【図7】本発明の電解処理装置の一例;電解処理装置内
の絶縁板に液供給機構を設けた装置(図6)の電解処理
槽上面からの透視図
【図8】第7図のA部断面図(液供給部分の詳細)
【図9】第8図のB部からの透視図(液供給部分の詳
細)
【図10】本発明の電解処理装置の一例のうち実施例1
で使用したものの電解処理槽断面図a、液供給孔を電解
槽内の絶縁プレート上に帯板搬入入口部23及び中央部
24に設け、各部分には幅手方向にそれぞれ13個の液
供給孔を設けていて、各孔個々より独立して液が供給で
きる。b、槽底板(絶縁板を兼ねる)上に貫通した3m
mφの孔を合計6個設け、その孔に樹脂性配管を介して
圧力差検知器(マノメータ)を接続して帯板と絶縁板と
の間隙部の圧力を測定できるものとした。
【図11】第10図の電解処理装置における圧力検知器
接続状態説明図
【図12】第10図の電解処理装置における電解槽内圧
力検知用貫通孔配置図
【符号の説明】
1 帯板 10,11,12,13 搬送用ロール 20 電解槽 21 電解液貯槽(ドラム) 22 絶縁板(プレート)または電解槽底板(併用
時) 23 絶縁板上液供給孔(槽入口部) 24 絶縁板上液供給孔(槽中央部) 30 電解液 40,41 電極 42 電源 50 主循環ポンプ 51 帯板と絶縁板間の間隙への液供給ポンプ 52 フィルター 53 流量調整弁 54 ヘッダー 55 流量計 60,61 マノメータ(圧力検知器)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液と、該電解液中に設けられた電極
    及び絶縁体を有し、電極と絶縁体との間で絶縁体に近接
    させて長尺のアルミニウム又はその合金製の帯板を走行
    させて帯板を連続的に電解処理する電解処理装置におい
    て、該絶縁体と帯板との間隙に循環電解液の一部を供給
    する供給孔を設けたことを特徴とする印刷版用アルミニ
    ウム帯板の電解処理装置。
  2. 【請求項2】 絶縁体の幅が、帯板の幅よりも広いこと
    を特徴とする請求項1に記載の連続電解処理装置。
  3. 【請求項3】 絶縁体の帯板側の面に、曲面で構成され
    る突起物を設けたことを特徴とする請求項1及び2に記
    載の電解処理装置。
  4. 【請求項4】 循環電解液の一部を供給する供給孔を、
    絶縁体と帯板との間隙の少なくとも走行する帯板の入口
    部に設け、かつ、走行する帯板の幅手方向に複数設けた
    ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の電解処理装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の電解処理装置を用い、
    帯板を、一定の張力を保ち且つ絶縁体に近接させ、さら
    に絶縁体と帯板との間隙に設けた供給孔より、循環電解
    液の一部を絶縁体を帯板の間に供給しつつ帯板を走行さ
    せることを特徴とした印刷版用アルミニウム帯板の電解
    処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項4の電解処理装置を用い、帯板
    を、一定の張力を保ち且つ絶縁体に近接させ、さらに絶
    縁体と帯板との間隙に設けた複数の供給孔より、循環電
    解液の一部を絶縁体を帯板の間に供給する際、それぞれ
    の供給孔から供給される電解液の量を、独立してコント
    ロールすることを特徴とした印刷版用アルミニウム帯板
    の電解処理方法。
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