JPH1087369A - 窒化珪素焼結体及びその製造方法 - Google Patents

窒化珪素焼結体及びその製造方法

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JPH1087369A
JPH1087369A JP8238955A JP23895596A JPH1087369A JP H1087369 A JPH1087369 A JP H1087369A JP 8238955 A JP8238955 A JP 8238955A JP 23895596 A JP23895596 A JP 23895596A JP H1087369 A JPH1087369 A JP H1087369A
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俊之 橋田
Masahiro Saito
雅弘 斎藤
Yasuo Suzuki
康夫 鈴木
Hiroo Ito
啓雄 伊藤
Chiharu Wada
千春 和田
Masahito Iguchi
真仁 井口
Takeshi Tsuzumi
毅 津々見
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Chichibu Onoda Cement Corp
Miyagi Prefectural Government.
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 焼結体中の焼結助剤の量が3重量%以下
であり、焼結体の相対密度が97%以上であり、かつ焼
結体中に占めるα窒化珪素の割合が30体積%未満であ
る窒化珪素焼結体及び加圧・通電加熱焼結法による該焼
結体の製造法。 【効果】 耐熱性に優れ、工業的に有利に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1200〜140
0℃の高温でも、強度、ヤング率等の機械的性質や耐酸
化性に優れ、かつ原料を超微粉とする必要がない窒化珪
素焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素は耐熱、耐熱衝撃などの熱的性
質、耐摩耗、強度、破壊靱性などの機械的性質に優れた
材料であり、エンジン部品や切削工具など幅広い用途が
期待されている。特に最近では、自動車エンジンやガス
タービンなどの高温構造部材としての用途が注目を集め
ており、1300℃前後における強度、耐熱性、耐酸化
性等についてより高い信頼性が要求されてきている。こ
れに対し現状の窒化珪素の高温特性は、1100〜12
00℃が限界であり、上記用途の仕様を満足するまでに
は至っていない。
【0003】すなわち、例えば、高温においては、製造
方法にもよるが1100〜1200℃で急激な強度低下
を生じるのが一般的である。一部、反応焼結窒化珪素の
ように1400℃まで強度が一定で、高い耐熱性を有す
るものもあるが、これらは多孔質材で強度などの機械的
性質に劣るため、上記用途では対象とならない。
【0004】また、現状の窒化珪素は、一般的に100
0℃程度までは優れた耐酸化性を示すが、これを超える
と酸化増量が著しく、例えば1300℃以上では200
時間で1mg/cm2 の酸化増量を示す。
【0005】このように高温特性が低下する大きな要因
としては、焼結助剤の存在が挙げられる。すなわち、元
来、窒化珪素は極めて難焼結性の材料であり、これを半
ば強制的に焼結させるために焼結助剤を多量に添加しな
ければならないからである。この焼結助剤が焼結温度の
上昇に伴い結晶粒界に液相を形成することで焼結が助長
され、緻密化し各種特性が向上するわけである。しかし
一旦形成された液相は、焼結耐製造時の冷却段階でガラ
ス相として固定されるため、高温において使用する場
合、このガラス相が塑性流動を起こし強度の低下を招く
こととなる。また、こういった焼結助剤添加に伴う液相
焼結では、いわゆる粒成長が避けられず、出発原料粒度
に比し焼結体の結晶粒度が大きく成長するため、高温特
性はもとより室温特性の低下ももたらされる。
【0006】一方、高温においては、酸化の進行によっ
て焼結助剤が表面に拡散するため焼結助剤の添加量が多
いほど耐酸化性が低下する。さらにこの表面酸化皮膜へ
の拡散により、焼結体マトリクス中には助剤拡散後の空
隙が形成される。従って、助剤添加量が増すほど各種高
温特性が低下するなどの悪影響がもたらされることとな
る。
【0007】そこで、助剤添加量を減らして緻密な焼結
体を作製する技術が各種検討されており、一つの手段と
して、原料粉末を超微粉にし焼結性を高める方法が挙げ
られる。この方法によれば、平均粒度が1〜2μmの窒
化珪素粉末において、緻密化に必要な焼結助剤量が3重
量%以上であったものが、サブミクロン粉末では1重量
%以下で十分緻密な焼結体が得られることが確認されて
いる(F.S.Galasso and R.D.Veltri,Comm.Am.Ceram.So
c.,Jun.C-15,1981)。
【0008】このような超微粒子原料の使用により、焼
結助剤の使用量を低減し、耐酸化性を飛躍的に向上させ
ることができるが、それでも1350℃下では90時間
で1.5mg/cm2 と上記用途に使用するには特性的にま
だ十分な域に達しているとは言えない。また、窒化珪素
を始め種々のセラミックス、金属などを超微粒子化し物
理・化学特性を飛躍的に向上せしめることは広く知られ
ているところであるが、問題はむしろ如何にして超微粒
子を量産するかという点に有り、現状では超微粒子の製
造はコスト高を招くため工業的に極めて不利な方法と言
える。
【0009】さらに別の手段として、ホットプレス、H
IP、超高圧ホットプレスなど助剤の力に頼らず外圧に
より焼結を助長する方法が従来から行われてきている。
これらの手段の有効性も広く知られているところである
が、現状では焼結助剤を飛躍的に減ずるまでには至って
いない。また、これらの手段は、高価な装置、ハンドリ
ングの悪さ、生産性の低さなど製造方法が工業的に有利
でない欠点を有し、上記の超微粒子同様、工業的レベル
で用いるには余りにも問題が多い。またもし仮に、超微
粒子原料が安価に量産でき、かつこれを用いて焼結助剤
添加量の低減を図ったとしても、既存の焼結法では窒化
珪素焼結体における結晶粒の大幅な粗大化を招くことに
なり、結果として高温特性の向上は望めない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、原料粉末を超微粉化する必要がなく、焼結助剤を無
添加又はごく少量の添加とすることができ、かつ高温特
性に優れた窒化珪素焼結体及びこの工業的に有利な製造
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み本発明
者らは鋭意研究を行ったところ、放電プラズマ焼結法等
の加圧・通電加熱焼結法により得られ、焼結体中の焼結
助剤の量が3重量%以下であり、焼結体の相対密度が9
7%以上であり、かつ焼結体中に占めるα窒化珪素の割
合が30体積%未満である窒化珪素焼結体が、従来品か
らは考えられない優れた高温強度、高温ヤング率、高温
での耐酸化性を有することを見出し本発明を完成した。
【0012】すなわち本発明は、焼結体中の焼結助剤の
量が3重量%以下であり、焼結体の相対密度が97%以
上であり、かつ焼結体中に占めるα窒化珪素の割合が3
0体積%未満である窒化珪素焼結体を提供するものであ
る。
【0013】また本発明は、加圧・通電加熱焼結法によ
り、温度1300〜1800℃の範囲で、焼結温度
(℃)×焼結時間(秒)/焼結体の体積(cm3)が35
0,000(℃・sec/cm3)以下の条件で焼結を行うこ
とを特徴とする該窒化珪素焼結体の製造方法を提供する
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の窒化珪素焼結体の原料と
なる窒化珪素粉末の粒径は、特に限定されず通常工業的
レベルで市販されている窒化珪素粉末であれば、超微粒
子でなくとも使用できるが、通常平均粒径が0.2〜3
0μmの範囲にあるもの、さらに0.3〜30μmの範
囲にあるもの特に0.3〜1μmの範囲にあるものが好
ましい。
【0015】また本発明の焼結体中の焼結助剤の量は3
重量%以内であり、この量を超えるとガラス相の影響が
顕在化し、高温での強度、ヤング率、耐酸化性が低下す
るため好ましくない。焼結助剤の量は、窒化珪素粉末の
平均粒度との関係で定めるとよい。すなわち、平均粒度
が小さければ焼結性の向上により焼結助剤量は低減さ
れ、粒度が大きければ助剤の量を増やさざるを得ない。
しかし、通常工業的レベルで市販されている窒化珪素粉
末であれば、特別な制約がなく上記の範囲で用いること
ができる。また窒化珪素の焼結助剤としてはMg、Y、
Al、Zr、Ceなどの酸化物や窒化物、あるいはこれ
らの混合物などが用いられ、当然これら焼結助剤の種類
によっても添加量は異なってくるものであるが、3重量
%以下であれば何れのものも問題無く用いることができ
る。高温特性を向上させるための、好ましい焼結助剤添
加量の範囲は、0.01〜3重量%であり、より好まし
くは0.05〜3重量%であり、特に好ましくは0.0
5〜2重量%である。
【0016】また本発明の焼結体は、焼結体の相対密度
が97%以上であることが必要であり、より好ましくは
99%以上である。97%未満の場合、強度など機械的
性質の低下が著しいため用いることができない。
【0017】さらに、窒化珪素焼結体中に占めるα窒化
珪素の割合は、30体積%未満であることが肝要であ
り、好ましくは20%未満、さらに好ましくは10%未
満である。窒化珪素焼結体の機械的性質は、β型針状あ
るいは柱状結晶の絡み合い構造により向上するものであ
り、これ以上の場合には強度などの機械的性質に優れる
焼結体を得ることができない。
【0018】本発明の窒化珪素焼結体は、加圧・通電加
熱焼結法、例えば放電プラズマ焼結法(SPS)又はプラ
ズマ活性化焼結法(PAS)等により、製造することが最
も好ましい。それは次の理由による。すなわち、焼成体
製造において、焼結時の温度が高いほど、かつ焼結時間
が長いほど、助剤が結晶粒界に形成するガラス相は厚く
なり、また粒成長も顕在化するため高温特性に悪影響を
及ぼすようになる。換言すれば低温でかつ短時間の焼結
であれば仮に焼結助剤が添加されていてもガラス相の影
響、粒成長を低減することが可能となる。従って熱効率
の悪い従来の外部加熱では焼結助剤に起因するガラス相
の生成、粒成長を抑制するには限界があり、従来法では
実質的には焼結助剤量の低減が不可能であった。これに
対し、加圧・通電加熱焼結法によれば、原料粉末内部か
らの発熱により急速昇温、短時間焼結が可能となり、ガ
ラス相、粒成長の影響が著しく抑制されること、さらに
は焼結助剤無添加ないしは極めて少量の助剤量であって
も緻密な窒化珪素焼結体を得ることができる。
【0019】加圧・通電加熱焼結が窒化珪素の焼結に対
し効果的に作用するプロセスについて、放電プラズマ焼
結法を例にとり説明する。放電プラズマ焼結法は、直流
電圧のオン/オフ比を任意に変えることが可能な特殊電
源装置を用い、発生した直流パルス電圧をダイス中の原
料粉末に対して負荷するものである。直流電圧がオンの
ときに粉体は急激に体積膨張し、逆にオフのときには体
積収縮するため、オン/オフ繰り返しにより原料粉末表
面に付着していた酸化皮膜などの不純物は脱離し、原料
粉末表面がクリーニングされるため、極めて活性化され
た状態となる。次いで、通電により発生したジュール熱
と粉体間に発生した火花放電による自己発熱作用とによ
り、焼結助剤が軟化温度に到達する。さらに、この焼結
助剤がオン/オフパルス通電に伴う電界効果により極め
て高速・短時間で、活性化された窒化珪素粉末の表面に
体積拡散・表面拡散・粒界拡散していく。
【0020】以上のプロセスにより得られた窒化珪素焼
結体のEPMAによる分析では、焼結体の結晶粒界にお
けるガラス相の厚さが極めて薄く、かつその膜厚が均一
であること、さらにはα窒化珪素粉末を出発原料にした
場合、転移後の針状β窒化珪素結晶において、短軸径の
粒成長が全く認められないないしは極めて僅かであるこ
とが確認されている。従って、放電プラズマ焼結法によ
る窒化珪素焼結体は、焼結時間が非常に短く、結晶粒界
の焼結助剤のコーティング層が極めて薄く・均一であ
り、粒成長が伴わない、結果として従来法と比べ短時間
・極微量助剤添加で緻密な焼結体となるものと考えられ
る。
【0021】加圧・通電加熱焼結法においての焼結条件
は、1300〜1800℃の範囲で、焼結温度(℃)×
焼結時間(sec)/焼結体の体積(cm3)が350,00
0(℃・sec/cm3)以下とすることが好ましい。この温
度範囲以外では、焼結体が緻密化せず焼結助剤を増やさ
ざるを得なくなるか、あるいは逆に緻密化はするが粒成
長を起こす、もしくは結晶粒界のガラス相が厚くなるこ
とで高温特性に劣るものとなることがある。また、この
温度範囲内であったとしても、焼結温度(℃)×焼結時
間(sec)/焼結体の体積(cm3)が上記条件の範囲外の
場合、上と同様、緻密化しないかあるいは緻密化はする
が粒成長を起こす、もしくは結晶粒界のガラス相が厚く
なることで高温特性に劣るものとなることがあり、好ま
しくない。
【0022】また本発明の窒化珪素焼結体は、1200
〜1400℃において、その温度における強度が室温強
度の75%以上(強度低下率25%未満)、ヤング率が
60%以上(低下率40%未満)、高温酸化重量増(mg
/cm2)が0.03√t(ここでtは時間:hr)以下と
いった三条件の少なくとも一つ以上を満たすものである
ことが好ましい。
【0023】高温強度のみを考えた場合、窒化珪素焼結
体よりは炭化珪素焼結体の方が強度低下が少なく、高温
においてより安定している。しかし、強度の絶対値は窒
化珪素の方が大きいため、高温での強度低下が少なけれ
ば、自動車エンジンやガスタービンなどの用途に用いる
ことが可能となる。すなわち、1200〜1400℃の
温度における強度低下率が25%以下であれば炭化珪素
以上の強度となり、上記用途に好ましく使用することが
できる。1200〜1400℃の温度におけるヤング率
の低下率が40%未満の場合も、同様の理由に因る。
【0024】さらに、高温酸化重量増(mg/cm2)が
0.03√t(ここでtは時間:hr)以下のものであれ
ば、長期間にわたって高温において使用することが可能
となる。これを超える場合、高温酸化による酸化皮膜が
厚くなるため、例えば自動車エンジンのように昇降温を
繰り返す用途においては、形成されたクリストバライト
相の熱膨張係数が大きいことに起因して剥離が生じるた
め、酸化に対する保護膜効果が失われることとなり、ま
すます耐酸化性が低下することとなる。また、既述の空
隙形成を考慮した場合、酸化増量がこれ以上では、強度
の低下が著しく高温構造部材として用いることが不可能
となることがある。
【0025】また本発明の窒化珪素焼結体は、1200
〜1400℃において、その温度における強度の90%
以下の応力では塑性流動を示さないものが好ましい。セ
ラミックスは一般には、金属のような塑性変形を殆ど示
さない線形弾性材料であるが、高温においてはガラス相
の軟化により僅かに塑性変形を示すようになる。塑性変
形を示すこと自体は、不安定破壊の防止につながり構造
物の安全性を高めることになるが、その塑性変形量は所
詮金属に比較できるものではなく圧倒的に小さい。しか
も比較的低応力レベルから塑性流動が生じるため、高温
において安定であるというセラミックスの最大の利点そ
のものが損なわれかねない。本発明の窒化珪素焼結体
は、焼結助剤の量、空隙率、強度、ヤング率などを最適
に制御することで、1200〜1400℃において、そ
の温度における強度の90%以下の応力では塑性流動が
起きず、上記のような問題を含まないものとすることが
できる。
【0026】また本発明になる窒化珪素焼結体の製造法
によれば、出発原料として粒度Dμm以下のα窒化珪素
粉末を用いた場合、焼結後のβ窒化珪素針状結晶の短軸
径が1.0〜1.5D、長軸径が1.5〜6.0Dとな
る。窒化珪素の場合、αからβへの転移に伴い針状・柱
状結晶への形態変化が生じるが、この際、β窒化珪素の
結晶粒度が大きくなると各種物理特性が大きく低下する
ため、粒成長が抑制されることが重要である。しかし、
セラミックス材料一般に、焼結時に既述のような液相焼
結を伴うため、出発原料粒度に比し焼結後の焼結体の結
晶粒度が著しく大きくなるのが一般である。ここでは、
加圧・通電加熱焼結により、出発原料である粒度Dμm
以下のα窒化珪素粉末が、焼結後の転移したβ窒化珪素
の状態において短軸径が1.0〜1.5D、長軸径が
1.5〜6.0Dと、長軸方向は成長するが短軸方向へ
の粒成長が極めて少ない、好ましくは全くしないこと
で、各種の特性を飛躍的に向上させることができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げてこの発明を説明する。
【0028】実施例1〜12 窒化珪素粉末として、平均粒径1.01μmの市販品を
用いた(電気化学工業製:SN−9S)。このものは、
不純物としてFe2300ppm、Al 1500ppm、C
a1600ppm、Mg1000ppm 以下、C0.2%、
酸素1.9%を含むα分率91%の窒化珪素である。
【0029】この窒化珪素粉末に焼結助剤として、酸化
イットリウム(Y)又は酸化アルミニウム(A)を所定
量(表1)添加し、ナイロンポット、直径10mmの窒化
珪素ボール、溶媒としてエタノールを用いた湿式ボール
ミルで混合した。粉量100g、ポット容積500ml、
エタノール400mlとし、ボールを嵩で容積の三分の一
程度充填し72時間混合した。この混合による窒化珪素
粉末の平均粒径の変化はほとんど認められなかった。な
お、混合時間が1時間、12時間と短い場合、助剤添加
量が少量のため均一分散がなされず良好な結果が得られ
ないことを確認してある。混合終了後、60℃の乾燥器
中で乾燥し、得られた凝集体を乳鉢で解砕した。
【0030】得られた粉体を下パンチャーがセットされ
ているダイスに充填した後、上パンチャーをセットして
粉を挟み、さらに上下にパンチを挿入し油圧ジャッキで
約100kgf の予備加圧を行った。なお、パンチ・ダイ
ス・パンチャーの材質はグラファイトであり(東洋炭素
製)、ダイス、パンチャーの寸法は、ダイス外径126
mm、内径50.4mm、高さ70mm、パンチャー外径50
mm、板厚35mmである。さらに、焼結体の離型性を確保
するため、原料粉と接触しているダイスの内壁及び上下
パンチャー面には、それぞれ0.2mm厚のカーボンシー
トを設置した。
【0031】以上の前処理の後、パンチ、ダイスごとに
放電プラズマ焼結機(住友石炭鉱業製、SPS−7.4
0)にセットし焼結を行った。本装置は、縦一軸方向の
加圧機構を有する本体と水冷却部内臓の特殊通電機構、
水冷真空チャンバー、真空・大気・ガス雰囲気制御機
構、真空排気装置、特殊DCパルス焼結電源、冷却水制
御ユニット、位置計測機構、変位量計測装置、温度計測
装置及びこれらを制御する操作制御盤から成っている。
以上の装置を用い、真空雰囲気下において所定の圧力を
かけながら、70℃毎分で昇温し、所定の温度で所定時
間保持した後、冷却し500℃で大気開放した。諸条件
は表1に示す通りである。焼結終了後、得られた直径5
0mm、板厚10mmの焼結体を10×10×0.5mmに加
工し、アルキメデス法による密度の算出、強度、ヤング
率、酸化試験を行った。結果を表1に示す。
【0032】強度、ヤング率の測定は、小型パンチ試験
法(斎藤雅弘、高橋秀明、川崎亮、渡辺龍三、日本機械
学会論文集(A編)、Vol.57、p522(199
1))に基づいて、所定の温度下で行った。昇温は20
℃毎分で、20分所定の温度に保持した後試験を開始し
た。酸化試験は、1400℃の大気炉中に試験片をセッ
トし、270時間までの重量増加を測定した。また、焼
結体中のα窒化珪素の割合、α分率は粉末X線回折装置
を用い、回折線の強度比から算出した(Giuseppe Pezzo
tti、日本セラミックス協会誌、Vol.101、No.8、p882
(1993))。
【0033】表1に示すように本発明のものは、いずれ
も従来に無い高い特性を示した。なお、これらのものを
SEMにより組織観察したところ、αからβの転移に伴
う形態変化が認められ針状をなしており、かついずれの
ものもその短軸径は出発原料の1.0〜1.5倍、長軸
径は1.5〜6.0倍の範囲内であり、長軸方向へは成
長するが短軸方向への粒成長が極めて少ないものであっ
た。
【0034】実施例13〜18 焼結助剤として、酸化イットリウム0.1重量%と酸化
アルミニウム1重量%(実施例13)、同0.6重量%
と同1重量%(実施例14)、同1.5重量%と同1.
5重量%(実施例15〜18)を用いた。その他の条件
は表1に示す通りである。表1に示すように本発明のも
のは、いずれも従来に無い高い特性を示し、かつ短軸方
向への粒成長も実施例1〜12同様1.5倍以下であっ
た。
【0035】実施例19〜20 実施例15〜18と同様の配合で、グラファイトダイス
を変更して、それぞれ直径100mm、板厚20mmと直径
200mm、板厚30mmの窒化珪素焼結体を作製した。試
験条件は表1に示す通りである。
【0036】実施例21 窒化珪素粉末として、平均粒径0.5μmの市販品(宇
部興産(株)SN−E10)を用いた。その他の条件は
実施例1〜12と同様である。
【0037】比較例1〜3 焼結法としてホットプレスを用い、焼結助剤10重量
%、焼結温度を1600、1700、1800℃、加圧
力を50MPa で直径50mm、板厚10mmの焼結体を得た
(表1)。比較例のものは密度が低いか又はβ化率が低
く、実施例のものに比し特性の劣るものであった。な
お、焼結助剤10重量%未満では、これらの特性はさら
に低下するものであった。特に、実施例と同様の焼結助
剤3重量%以下では、焼結体が緻密化せず作製が不可能
であった。
【0038】比較例4 焼結法として1MPa の窒素雰囲気下における無加圧焼結
を行い、保持時間を240分としたこと以外は、比較例
3と同様にして焼結体を得た(表1)。このものは、密
度が低いか又はβ化率が低く、実施例のものに比し特性
の劣るものであった。なお、焼結助剤10重量%未満で
は、これらの特性はさらに低下するものであった。特
に、実施例と同様の焼結助剤3重量%以下では、焼結体
が緻密化せず作製が不可能であった。
【0039】実施例22〜27 実施例4、11、13のものについて表2に示す試験温
度下で各種高温特性を評価した。これらのものは、高温
強度、高温ヤング率、塑性変形開始応力、耐酸化性など
いずれの面でも優れた特性を発揮した。
【0040】比較例5〜6 焼結助剤を酸化イットリウム5重量%、酸化アルミニウ
ム5重量%とした以外は実施例5と同様にして得た焼結
体について実施例22〜27と同様の評価を行った。こ
れらのものは、1400℃では何れの特性にも劣るもの
であった(表2)。
【0041】比較例7〜9 比較例3のものについて実施例22〜27と同様の評価
を行った。これらのもは、1400℃下では何れの特性
にも劣るものであった(表2)。
【0042】比較例10〜12 比較例4のものについて実施例22〜27と同様の評価
を行った。これらのものは、1400℃下では何れの特
性にも劣るものであった(表2)。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の窒化珪素焼結体は、高温におい
て、強度、ヤング率、耐酸化性に優れ、塑性変形も少な
く、かつ原料は超微粉体を用いる必要がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋田 俊之 宮城県仙台市太白区三神峯1−3−1− 204 (72)発明者 斎藤 雅弘 宮城県仙台市太白区金剛沢3−19−15 (72)発明者 鈴木 康夫 宮城県宮城郡松島町高城字前田沢68番地 (72)発明者 伊藤 啓雄 宮城県仙台市泉区泉ケ丘4−15−6 (72)発明者 和田 千春 千葉県佐倉市大作二丁目四番二号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 井口 真仁 千葉県佐倉市大作二丁目四番二号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 津々見 毅 千葉県佐倉市大作二丁目四番二号 秩父小 野田株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結体中の焼結助剤の量が3重量%以下
    であり、焼結体の相対密度が97%以上であり、かつ焼
    結体中に占めるα窒化珪素の割合が30体積%未満であ
    る窒化珪素焼結体。
  2. 【請求項2】 出発原料の窒化珪素粉末の平均粒径が
    0.2〜30μmである請求項1記載の窒化珪素焼結
    体。
  3. 【請求項3】 加圧・通電加熱法により得られたもので
    ある請求項1又は2記載の窒化珪素焼結体。
  4. 【請求項4】 加圧・通電加熱焼結法が放電プラズマ法
    又はプラズマ活性焼結法である請求項3記載の窒化珪素
    焼結体。
  5. 【請求項5】 加圧・通電加熱焼結法により、温度13
    00〜1800℃の範囲で、焼結温度(℃)×焼結時間
    (秒)/焼結体の体積(cm3)が350,000(℃・s
    ec/cm3)以下の条件で焼結を行うことを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の窒化珪素焼結体の製造方法。
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