JPH1087702A - セルロース誘導体、製造方法、グラフト化セルロースおよび用途 - Google Patents

セルロース誘導体、製造方法、グラフト化セルロースおよび用途

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JPH1087702A
JPH1087702A JP8243449A JP24344996A JPH1087702A JP H1087702 A JPH1087702 A JP H1087702A JP 8243449 A JP8243449 A JP 8243449A JP 24344996 A JP24344996 A JP 24344996A JP H1087702 A JPH1087702 A JP H1087702A
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JP
Japan
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group
cellulose
carbon atoms
general formula
hydrocarbon group
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JP8243449A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sugiyama
一男 杉山
Yoshihiro Hosokawa
芳宏 細川
Tomotaka Ueno
智隆 上野
Kohei Shiraishi
浩平 白石
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NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンパク質の吸着や変性の少ない生体適合性
材料を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表されるアゾ基含有セルロ
ースにラジカル重合性単量体がグラフト重合したグラフ
ト化セルロースからなる生体適合性材料。 【化1】 (R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2および
3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基。mはモル分
率を示し、0.001〜1。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規かつ有用なセ
ルロース誘導体、この製造方法、前記セルロース誘導体
をラジカル開始源としたグラフト化セルロース、および
このグラフト化セルロースからなる生体適合性材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】これまでに、アゾ基を導入したセルロー
スは知られていない。ところで、セルロースのグラフト
化の方法としては、次の(1)〜(4)が知られてい
る。 (1)セルロースのオゾン酸化によってヒドロペルオキ
シド化し、この分解によるメタクリレート系、アクリレ
ート系単量体のグラフト化〔J.Polym.Sci.
C,251(1972年)〕、(2)過硫酸塩、過ヨウ
酸塩、過マンガン酸塩などの開始剤をセルロース繊維に
含浸させて、スチレンや酢酸ビニルなどの一連の単量体
によるグラフト化〔繊学誌、第19巻、第217頁、2
21頁(1963年)〕、(3)典型的なレドックス系
開始剤である過酸化水素−金属塩(Fe2+)の組合せに
よるグラフト化〔J.Chem.Soc.第15巻、
(1949年)、J.Soc.Dyer.Color,
第67巻、第338頁(1951年)〕、(4)セルロ
ースをエチレンサルファイドなどと反応させてメルカプ
ト基を導入し、ラジカル開始剤から発生したラジカルを
連鎖移動させてグラフトさせる方法〔J.Appl.P
olym.Sci.,5,第558巻(1961
年)〕。
【0003】しかしながら、上記(1)〜(3)の方法
では、過酸化物を用いているので、セルロース主鎖から
酸化反応が伴ったり、不要な脱水素反応を伴い、悪影響
を及ぼす。また上記(4)の方法では、イオウ化合物へ
のラジカル連鎖移動によりグラフト重合させているの
で、反応性の低いモノマーへの重合には向かず、使用で
きるモノマーが限定されるという問題点がある。
【0004】また、セルロースにラジカルを導入して反
応させる方法として、次のものが知られている。例え
ば、セリウム塩がセルロースと容易にコンプレックスを
形成し、このコンプレックスが不均斉化してセルロース
ラジカルを生じ、これが活性点となり、単量体のグラフ
ト重合ができることが知られている〔J.Polym.
Sci.31 242(1958)〕。
【0005】しかしながら、上記方法は重合時に酸素が
存在しない条件に置かなければならない。また上記方法
で得られたグラフト化セルロースを生体適合性材料とし
て用いる場合には、重合後セリウムイオンを除去する必
要があり、操作が煩雑とならざるを得ない。
【0006】また、セルロースに生体適合性を付与する
方法として、膜表面をヘパリン化する方法が提案されて
いる(特開昭51−194号)。しかし、十分な効果は
得られていない。また、2−メタクリロイルオキシエチ
ルホスホリルコリンをセルロース膜にグラフト重合させ
る方法〔Bio Industry 第8(6)巻、4
12〜420頁(1991年)〕が知られている。しか
し、この方法は前記と同様にセリウムを用いており、金
属使用のために、生体適合性材料としてそのまま使用す
ることは適していない。また金属除去の操作は煩雑とな
り、好ましくないという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、新規かつ有用なアゾ基含有セルロース誘導体および
その製造方法を提供することである。本発明の第2の目
的は、上記アゾ基含有セルロース誘導体の中間体および
その製造方法を提供することである。本発明の第3の目
的は、上記アゾ基含有セルロースにラジカル重合性単量
体がグラフト重合した新規なグラフト化セルロースであ
って、生体適合性材料として有用なグラフト化セルロー
スを提供することである。本発明の第4の目的は、上記
グラフト化セルロースからなり、タンパク質の吸着や変
性の少ない生体適合性材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の新規かつ
有用なセルロース誘導体、この製造方法、前記セルロー
ス誘導体をラジカル開始源としたグラフト化セルロー
ス、およびこのグラフト化セルロースからなる生体適合
性材料である。 (1) 一般式(1)
【化6】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
およびR3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
す。mはモル分率を示し、0.001〜1の実数であ
る。)で表されるアゾ基含有セルロース誘導体。 (2) 一般式(2)
【化7】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
は炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。)で表さ
れるカルボン酸クロリド基を有するアゾ化合物(a)
に、塩基性化合物の存在下にセルロース(b)を反応さ
せ、一般式(3)
【化8】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
およびR3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
す。mはモル分率を示し、0.001〜1の実数であ
る。)で表される中間体を得、この中間体にアルコール
(c)を反応させることを特徴とする上記(1)記載の
アゾ基含有セルロース誘導体の製造方法。 (3) 一般式(3)
【化9】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
およびR3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
す。mはモル分率を示し、0.001〜1の実数であ
る。)で表されるアゾ基含有セルロース誘導体。 (4) 一般式(2)
【化10】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。)で表さ
れるカルボン酸クロリド基を有するアゾ化合物(a)
に、塩基性化合物の存在下にセルロース(b)を反応さ
せることを特徴とする上記(3)記載のアゾ基含有セル
ロース誘導体の製造方法。 (5) 上記(1)記載のアゾ基含有セルロース誘導体
に、一種以上のラジカル重合性単量体(d)をグラフト
重合してなるグラフト化セルロース。 (6) ラジカル重合性単量体(d)が、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであること
を特徴とする上記(5)記載のグラフト化セルロース。 (7) 上記(5)または(6)記載のグラフト化セル
ロースからなることを特徴とする生体適合性材料。
【0009】本発明において「(メタ)アクリ」は「メ
タクリ」および/または「アクリ」を意味する。
【0010】本発明の一般式(1)で表されるアゾ基含
有セルロース誘導体(以下、単にセルロース誘導体とい
う場合がある)は、アゾ基がエステル結合で結合した構
造の化合物である。一般式(1)のR1は、2価の炭素
数1〜20、好ましくは1〜6の炭化水素基であり、そ
の具体例としてはメチレン基、エチレン基、トリメチレ
ン基、プロピレン基、イソプロピレン基、テトラメチレ
ン基、ブチレン基、イソブチレン基、ヘプタメチレン
基、アミレン基、ヘキサメチレン基、ヘキシレン基、オ
クタメチレン基、デカメチレン基、オクタデカメチレン
基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜6のアルキレン
基などがあげられる。一般式(1)中のR1は同一であ
っても、異なっていてもよい。
【0011】一般式(1)のR2は炭素数1〜20、好
ましくは1〜6の炭化水素基であり、その具体例として
はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、エシコイル基等の炭素数1〜20、好ましくは
1〜6のアルキル基などがあげられる。一般式(1)中
のR2は同一であっても、異なっていてもよい。
【0012】一般式(1)のR3は炭素数1〜20、好
ましくは1〜6の炭化水素基であり、その具体例として
はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、エシコイル基等の炭素数1〜20、好ましくは
1〜6のアルキル基などがあげられる。一般式(1)中
のR2とR3とは同一であっても、異なっていてもよい。
【0013】一般式(1)で表されるセルロース誘導体
の分子量は製造に用いるセルロースにより決定される
が、天然セルロースを用いた場合、通常数千〜百数十万
である。
【0014】一般式(1)で表されるセルロース誘導体
は、次のような方法により製造することができる。まず
一般式(2)で表されるカルボン酸クロリドおよびアゾ
基を有するアゾ化合物(a)に、塩基性化合物の存在下
にセルロース(b)を脱塩酸反応させ、中間体である一
般式(3)で表されるアゾ基含有セルロース誘導体(以
下、中間体という場合がある)を得る。この反応には過
酸化物が使用されていないので、酸化反応が生じたり、
分解して発生したラジカルにより不要な脱水素反応が生
じたりすることはなく、このためセルロースの主鎖が副
反応により化学修飾されることはない。
【0015】一般式(2)のR1およびR2は一般式
(1)の前記R1およびR2と同じものである。一般式
(3)のR1、R2およびmは一般式(1)の前記R1
2およびmと同じものである。一般式(2)で表され
るアゾ化合物(a)の具体的なものとしては、4,4′
−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)などがあげら
れる。なおアゾ化合物(a)は、ベンゼンまたはトルエ
ン等の適当な有機媒体中で、対応するカルボン酸を有す
るアゾ化合物を、五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニ
ル等の塩化剤で反応させる公知の方法によって得ること
ができる。
【0016】アゾ化合物(a)を反応させるセルロース
(b)としては、例えば分子量数千〜百数十万の通常の
天然セルロース、水和セルロース、エーテル化セルロー
ス、エステル化セルロース、これらの一部を変性したも
のなどがあげられ、市販品を使用することもできる。
【0017】前記塩基性化合物としては、ピリジン、ト
リエチルアミン、トリプロピルアミン、N,N−ジメチ
ルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン等の第三アミ
ンなどがあげられる。これらは1種単独で使用すること
もできるし、2種以上を組合せて使用することもでき
る。これらは無水物、あるいは脱水または乾燥したもの
を使用するのが好ましい。
【0018】反応媒体としては、ピリジン、塩化メチレ
ン、クロロホルムおよびこれらの混合液などが使用でき
る。反応は反応温度−30〜+50℃、好ましくは−2
0℃〜室温、反応時間1〜120時間、好ましくは2〜
100時間の条件で行うのが望ましい。
【0019】アゾ化合物(a)とセルロース(b)との
好ましい反応としては、次の方法があげられる。すなわ
ち、セルロース(b)中に無水ピリジン等の無水の第三
アミンを含浸させた後、−30〜50℃、好ましくは−
20〜0℃の温度で脱水塩化メチレン、脱水クロロホル
ム等のハロゲン系媒体に溶解したアゾ化合物(a)を滴
下攪拌し、滴下終了後さらに室温で2〜100時間攪拌
反応させる。
【0020】次に、上記のようにして得た一般式(3)
で表される中間体に、R3−OH(R3は前記と同じであ
る)で表されるアルコール(c)を加えて残存するアゾ
化合物(a)および2個のうち1個反応し残ったクロリ
ドを脱塩酸反応させ、一般式(1)で表されるセルロー
ス誘導体を得る。
【0021】上記アルコール(c)としては、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチ
ルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコー
ル、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシ
ルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルア
ルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアル
コール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコ
ール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコールな
どの炭素数1〜20のものがあげられる。これらの中で
は炭素数1〜6のアルコールが好ましい。
【0022】反応は反応温度0〜100℃、好ましくは
室温〜50℃、反応時間1分間〜10時間の条件で行う
ことができるが、一般式(3)で表される中間体を濾取
してアルコール(c)で洗浄するだけで反応は十分に進
行する。反応終了後は反応液を濾過することにより、一
般式(1)で表されるセルロース誘導体が得られる。
【0023】一般式(1)で表されるセルロース誘導体
の具体的なものとして下式(4)で表されるものがあげ
られる。
【化11】
【0024】本発明のグラフト化セルロースは、上記の
ようにして得られる一般式(1)で表されるセルロース
誘導体に、セルロース誘導体のアゾ基をラジカル開始源
としてラジカル重合性単量体(d)をグラフト重化させ
てなるものであり、下記一般式(5)で表される化合物
である。
【化12】 (式中、R1、R2およびmは一般式(1)のものと同じ
である。Xはラジカル重合性単量体(d)の重合した基
を示す。)
【0025】前記ラジカル重合性単量体(d)の具体的
なものとしては、例えば2−メタクリロイルオキシエチ
ルホスホリルコリン(以下、MPCと略記する場合があ
る)、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリ
ン、メタクリル酸メチル(以下MMAと略記する場合が
ある)、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メ
タ)アクリル酸メチルアミド、(メタ)アクリル酸エチ
ルアミド、(メタ)アクリル酸プロピルアミド、(メ
タ)アクリル酸ブチルアミド、(メタ)アクリル酸ヘキ
シルアミド、(メタ)アクリル酸ラウリルアミド、(メ
タ)アクリル酸ステアリルアミド、スチレン、グリコ−
2−ヒドロキシエチルモノメタクリレート(GEM
A)、オリゴエチレングリコールメタクリレート、ポリ
エチレングリコールモノメタクリレートおよびこれらの
混合物などがあげられる。
【0026】セルロースにグラフトさせるラジカル重合
性単量体(d)を選択することにより、セルロースの性
質を改良することができる。例えば、MPCまたはMP
CとMMAとをグラフトしたグラフト化セルロースはタ
ンパク質の吸着や変性が少なく、特に生体適合性材料に
好適である。
【0027】一般式(1)で表されるセルロース誘導体
として一般式(4)で表される化合物を用い、またラジ
カル重合性単量体(d)としてMPCを用いた場合下記
一般式(6−1)、MMAを用いた場合下記一般式(6
−2)、MPCとMMAとの混合物を用いた場合下記一
般式(6−3)で表されるグラフト化セルロースが得ら
れる。式中、PMPCはMPCが重合した基、PMMC
はMMAが重合した基、P(MPC/MMA)はMPC
とMMAとが重合した基を示す。
【化13】
【0028】本発明のグラフト化セルロースは次のよう
な製造方法により製造することができる。すなわち、一
般式(1)で表されるセルロース誘導体を、反応媒体中
で、ラジカル重合性単量体(d)とともに重合容器中に
仕込み、脱気または不活性ガス封入または不活性ガス通
気下で、40〜100℃、好ましくは50〜80℃の温
度で、0.5〜50時間、好ましくは3〜20時間攪拌
しながら反応させる。
【0029】上記反応媒体としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール等のアルコール類;ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等の
エーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;およびこれらの混合物などがあげられる。これらは
無水物、あるいは脱水または乾燥したものを使用するの
が好ましい。
【0030】反応終了後は、メタノールなどの媒体中に
注入、沈殿させることによりグラフト化セルロースとし
て生成物を得ることができる。さらに反応生成物を、エ
タノール、ベンゼン等の媒体でソックスレー抽出して、
ラジカル重合性単量体(d)の単独重合体を除去するな
ど、公知の方法により精製することができる。
【0031】このようにして得られるグラフト化セルロ
ースは生体適合性材料として使用することが可能であ
る。特にMPCをグラフト化したセルロースは、特に生
体適合性に優れ、医用材料として有用である。
【0032】本発明のグラフト化セルロースは、そのま
ま成形して使用してもよいし、酸化安定剤、紫外線吸収
剤、着色剤、可塑剤等の添加剤とともに溶融成型法、溶
媒キャスト法等の成形法により、シート、フィルム、繊
維状、チューブ等の所望の形状に成形して用いることも
できる。特に、生体適合性材料としては、例えばカテー
テル、透析膜、人工臓器、血液回路、人工透析用ダイア
ライザー等の医療デバイスなどの可能性があげられる。
【0033】
【発明の効果】本発明の一般式(1)で表されるアゾ基
含有セルロース誘導体は新規な化合物であり、生体適合
性材料として好適なグラフト化セルロースの原料として
有用である。本発明の一般式(1)で表されるアゾ基含
有セルロース誘導体の製造方法は、上記セルロース誘導
体を、容易に製造することができる。
【0034】本発明の一般式(3)で表されるアゾ基含
有セルロース誘導体は新規な化合物であり、上記セルロ
ース誘導体の中間体として有用である。本発明の上記中
間体の製造方法は、上記中間体を容易に製造することが
できる。
【0035】本発明のグラフト化セルロースは新規な化
合物であり、生体適合性材料として有用である。本発明
の生体適合性材料はタンパク質や変性が少ないなど、生
体適合性に優れている。
【0036】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例に基づいて説
明する。 合成例1《4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロ
リド)の合成》 攪拌装置、液化カルシウム管を接続したジムロートを付
けた500mLのフラスコ中に4,4′−アゾビス(4
−シアノ吉草酸)14.0g(0.05mol)とベン
ゼン200mLとを加え、冷却下でかき混ぜながら、五
塩化リン31.2g(0.15mol)を少量ずつ加え
た。その後室温まで戻し、さらに7時間かき混ぜた。反
応終了後、反応液を約30℃、減圧下で約50mLまで
濃縮し、それをn−ヘキサン/ジエチルエーテル(=3
/1,V/V)に注入して結晶を析出させた。得られた
結晶は塩化メチレンに溶解した後、n−ヘキサン中に注
入して再沈殿させる操作を2回繰返して精製し、4,
4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)の淡黄白
色結晶12.10gを得た。収率は、74.1%であっ
た。赤外線吸収スペクトル(IR)分析の結果を次に示
した。
【0037】 IR(KBr Tablet、[ν cm-1]) 2260 −CN 1800 −COCl
【0038】実施例1《4,4′−アゾビス(4−シア
ノ吉草酸)−セルロース(V−501−Cell)の合
成》 攪拌装置、ジムロートを付けた500mLのフラスコ中
に乾燥セルロース50gを入れ、300mLのピリジン
と100mLの水との混合液を加え、一晩浸漬し、かき
混ぜて活性化した。17G−4のグラスフィルターで濾
過してピリジンを除き、さらにセルロースを無水ピリジ
ンに2〜3時間浸漬した。この操作を3回繰返した。
【0039】次に攪拌装置、塩化カルシウム管の付いた
ジムロートおよび滴下ロートを備えた200mLのフラ
スコに、ピリジン処理した上記セルロース50.0g
(0.3mol)および乾燥ピリジン400mLを入
れ、氷冷下でかき混ぜた。次いで乾燥塩化メチレン50
mLに溶解した4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸
クロリド)14.7g(46.2mmol)を0.5時
間かけて滴下した後、さらに室温で72時間かき混ぜ
た。反応終了後、反応液をグラスフィルターで濾過し、
得られた粉末をメタノール、塩化メチレンで十分洗浄
し、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)−セルロ
ース(以下、V−501−Cellと略記する)の白色
粉末52.6gを得た。収率は、81.2%であった。
赤外線吸収スペクトル分析の結果を下記および図1に示
した。
【0040】 IR(KBr Tablet、[ν cm-1]) 3350 −OH 2260 −CN 1830 −COO− 1750 −COO−
【0041】また、元素分析の結果を次に示した。 元素分析値; C:H:N=43.73%:5.91%:1.13% アゾ基導入率(%)=8.82% なお、計算式は次の通りである。 アゾ基導入率(%)=(元素分析のN%)/12.81
【0042】実施例2《PMPCグラフト化セルロース
(PMPC−g−Cell)の合成》 実施例1で合成したV−501−Cell 1.00g
およびPMC 5.90g(19.2mmol)を無水
エタノール/無水THF(=9/1、V/V)の混合媒
体10mLに混合し、ガラス製重合管に注入した。重合
管は液体窒素浴で凍結、脱気、窒素ガス置換を繰返した
後、真空下で溶封した。重合管は50℃、12時間、振
盪しながら重合させた。その後、開封して封管内容物を
取出し、多量のメタノールに注入し、次いでメタノール
で洗浄し、恒温になるまで真空乾燥し、PMPCグラフ
ト化セルロース(以下、PMPC−g−Cellと略記
する)を得た。その後、エタノールで20時間ソックス
レー抽出を行ってMPCホモポリマーを取除いた。結果
を次に示した。
【0043】 グラフトポリマー ; 4.75g MPCホモポリマー; 0.15g グラフト効率 ;95.43%
【数1】グラフト効率(%)={(総ポリマー重量)−
(抽出されたポリマー重量)}×100/(総ポリマー
重量)
【0044】次に得られたグラフトポリマーの元素分析
の結果を示した。また赤外線吸収スペクトルを図2、13
C CP/MAS固体NMRスペクトルを図3、Run
2のDSCサーモグラム(thermogram)を図
4に示した。 元素分析値; C:H:N=41.73%:7.46%:3.40%
【0045】実施例3−1《PMMAグラフト化セルロ
ース(PMMA−g−Cell)の合成》 実施例1で合成したV−501−Cell 1.00g
およびMMA 2.00g(0.02mol)を無水エ
タノール/無水THF(=9/1、V/V)の混合媒体
10mLに混合し、ガラス製重合管に注入した。重合管
は液体窒素浴で凍結、脱気、窒素ガス置換を繰返した
後、真空下で溶封した。重合管は50℃、12時間、振
盪しながら重合させた。その後、開封して封管内容物を
取出し、多量のメタノールに注入し、次いでメタノール
で洗浄し、恒温になるまで真空乾燥し、PMMAグラフ
ト化セルロース(以下、PMMA−g−Cellと略記
する)を得た。その後、ベンゼンで20時間ソックスレ
ー抽出を行ってMMAホモポリマーを取除いた。結果を
次に示した。また赤外線吸収スペクトルを図2に示し
た。
【0046】 グラフトポリマー ; 0.52g MMAホモポリマー; 0.37g グラフト効率 ;57.82% 元素分析値; C:H:N=48.89%:6.80%:0%
【0047】実施例3−2《P(MPC/MMA)グラ
フト化セルロース(P(MPC/MMA)−g−Cel
l)の合成》 実施例1で合成したV−501−Cell 1.00
g、MPC 1.48g(4.8mmol)およびMM
A 1.50g(0.15mol)を無水エタノール/
無水THF(=9/1、V/V)の混合媒体10mLに
混合し、ガラス製重合管に注入した。重合管は液体窒素
浴で凍結、脱気、窒素ガス置換を繰返した後、真空下で
溶封した。重合管は50℃、12時間、振盪しながら重
合させた。その後、開封して封管内容物を取出し、多量
のメタノールに注入し、次いでメタノールで洗浄し恒温
になるまで真空乾燥し、P(MPC/MMA)グラフト
化セルロース〔以下、P(MPC/MMA)−g−Ce
llと略記する〕を得た。その後、エタノール、ついで
ベンゼンで20時間ソックスレー抽出を行ってMPCと
MMAとのポリマーなどの他のポリマーを取除いた。結
果を次に示した。また赤外線吸収スペクトルを図2に示
した。
【0048】 グラフトポリマー ; 1.22g 他のポリマー ; 0.46g グラフト効率 ;72.63% 元素分析値; C:H:N=48.16%:7.16%:1.47%
【0049】実施例4《タンパク質の吸着試験》 50mg/Lのタンパク質(アルブミン;Alb、グロ
ブリン;Glo)溶液10mL、および直径をふるいで
約112.5μmにそろえた実施例3−1のPMPC−
g−Cellまたは実施例3−2のP(MPC/MM
A)−g−Cellの粉末0.3gを試験管に入れた。
試験管は25℃の恒温槽に入れ、吸着平衡に達する時間
を2時間とした。混合液を10mL採取し、遠心分離
(12500rpm)を15分間行い、その上澄み液を
2mL採取して上澄み液中のタンパク質濃度を決定し
た。すなわち、採取した2mLの上澄み液に試薬Aを2
mL加え、10分静置した。試薬Bを加え、さらに30
分静置した後、UV測定に供した。上澄み液中のタンパ
ク質の濃度は、750nmにおける吸収強度からの検量
線を用いて決定した。ポリマー粉末へのタンパク質の吸
着量は、仕込みタンパク質量と上澄み液中のタンパク質
量との差から求めた。
【0050】なお、試薬Aは2%Na2CO3溶液(0.
2N−NaOH水溶液中)20mLと1%CuSO4
溶液0.4mLと2%酒石酸カリウム0.4mLとの混
合溶液であり、また試薬Bは水で2倍に希釈したFol
in−Ciocalteu’s試薬〔フォリン・シオカ
ルテュ試験(タングステン酸ソーダ100g、モリブデ
ン酸ソーダ25g、85%リン酸50mL、濃塩酸10
mLを水700mLに溶解したもので、血中アルカリフ
ォスファターゼ定量試薬〕である。図5に、各ポリマー
のタンパク質吸着量を示した。
【0051】図5の結果からわかるように、未処理のセ
ルロース、PMMA−g−Cellに比べPMPC−g
−Cell、P(MMA/MPC)−g−Cellはア
ルブミン(Alb)の吸着を大きく抑制した。グロブリ
ン(Glo)の吸着量は未処理セルロースに比べ減少が
観測された。
【0052】参考例1《含水率の測定》 表1に示す各種ポリマーの平衡含水率を求めた。結果を
表1に示した。なお平衡含水率は、各種ポリマーを蒸留
水に25℃で24時間浸漬し、浸漬前後のポリマーの重
量増加を超微量天秤で測定し、下式から求めた。 平衡含水率(%)=〔(Ws−Wd)/Ws〕×100 ここでWdは水に浸漬前のポリマー重量、Wsは水に浸
漬後のポリマー重量である。
【0053】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアゾ基含有セルロース誘導
体およびセルロースの赤外線吸収スペクトルである。
【図2】実施例2、実施例3−1および実施例3−2で
得られたグラフト化セルロースの赤外線吸収スペクトル
である。
【図3】実施例2で得られたグラフト化セルロースおよ
びセルロースの13C CP/MAS固体NMRスペクト
ルである。
【図4】実施例2で得られたグラフト化セルロース、セ
ルロースおよびMPCポリマーのRun2のDSCサー
モグラムである。
【図5】実施例4のタンパク質の吸着試験の結果を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08F 251/02 230:02)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
    およびR3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
    す。mはモル分率を示し、0.001〜1の実数であ
    る。)で表されるアゾ基含有セルロース誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
    は炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。)で表さ
    れるカルボン酸クロリド基を有するアゾ化合物(a)
    に、塩基性化合物の存在下にセルロース(b)を反応さ
    せ、一般式(3) 【化3】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
    およびR3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
    す。mはモル分率を示し、0.001〜1の実数であ
    る。)で表される中間体を得、この中間体にアルコール
    (c)を反応させることを特徴とする請求項1記載のア
    ゾ基含有セルロース誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化4】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
    およびR3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
    す。mはモル分率を示し、0.001〜1の実数であ
    る。)で表されるアゾ基含有セルロース誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化5】 (式中、R1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、R2
    は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。)で表さ
    れるカルボン酸クロリド基を有するアゾ化合物(a)
    に、塩基性化合物の存在下にセルロース(b)を反応さ
    せることを特徴とする請求項3記載のアゾ基含有セルロ
    ース誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のアゾ基含有セルロース誘
    導体に、一種以上のラジカル重合性単量体(d)をグラ
    フト重合してなるグラフト化セルロース。
  6. 【請求項6】 ラジカル重合性単量体(d)が、2−
    (メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンで
    あることを特徴とする請求項5記載のグラフト化セルロ
    ース。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載のグラフト化セル
    ロースからなることを特徴とする生体適合性材料。
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