JPH1089088A5 - - Google Patents
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- JPH1089088A5 JPH1089088A5 JP1997247458A JP24745897A JPH1089088A5 JP H1089088 A5 JPH1089088 A5 JP H1089088A5 JP 1997247458 A JP1997247458 A JP 1997247458A JP 24745897 A JP24745897 A JP 24745897A JP H1089088 A5 JPH1089088 A5 JP H1089088A5
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、一般にはガスタービンエンジンの軸受コンパートメントに関し、より詳細には、軸受コンパートメント潤滑材シールに関する。
【0002】
【発明の背景】
近代のガスタービンエンジンは、しばしば、タービン段を圧縮機段及びファン段に接続する複式の同軸スプールを包含する。適用に依存して、これらの同軸スプールは同一の方向へ回転又は逆の方向へ回転をし、かつ回転速度を異ならされることもある。そして、例えば同一の方向へ回転する同軸スプール間の相対的回転速度の差は、ほとんどの場合、逆の方向へ回転する同軸スプール間の相対的回転速度の差よりも小さい。その理由は、後者のスプールは互いに反対方向に回転するからである。したがって、同一方向への回転及び逆方向への回転の適用は、それぞれ、低速回転速度及び高速回転速度の適用であると一般に考えられている。また、2つのスプール間に設けられている軸受が、スプール間の同心性を維持して、相対的運動を容易にしている。そして、オイル又は合成潤滑材が軸受コンパートメント内に供給されて、軸受を潤滑すると共に冷却している。
【0003】
現在の設計プラクティスの下では、オイルはシールと上段の圧縮機段から抽出した高圧空気との組合せによって軸受コンパートメント内に維持され、上記高圧空気は時々“バッファ空気”と称されている。更に詳述すれば、軸受コンパートメントに隣接するコンパートメントは軸受コンパートメントよりも高い圧力に維持され、バッファ空気が軸受コンパートメント内に漏れることができるようになっている。このバッファ空気の流入が、オイルの流出を防止するものである。そして、バッファ空気及びこの空気に乗せられたオイルは、その後、取出されて、オイル/空気分離器を通され、それから軸受コンパートメント内に戻るよう循環される。
【0004】
また、接触シール及びラビリンスシールがスプール用軸受コンパートメントをシールするために広く用いられている。すなわち、接触シールは一般に相対的スプール表面速度が低い(1秒当たり130m(425フィート)よりも小さい)ときに用いられている。この接触シールは、有効なシール特性を有するが、しかし、その接触速度に制限がある。他方、ラビリンスシールは一般に相対的速度が高い(130m.p.s.(425f.p.s.))よりも大きい)ときに用いられる。このラビリンスシールの欠点は、接触シールと同じ程度にシールすることができないことである。実際上、ラビリンスシールが(接触シールに代わるものとして)用いられたときに軸受コンパートメント内に注入しなければならないバッファ空気をシール手段として用いることから、幾つかの欠点が生じる。そのひとつの欠点は、シールの目的のために圧縮機から抽出した空気は初め高圧及び高温であることである。このため、抽出した空気をバッファ空気として用いる前に、該空気を熱交換器を通して冷却しなければならない。すなわち、バッファ空気が熱交換器を通過することによりかなりの圧力降下が生じ、軸受コンパートメント用空気シールを横切る圧力差が最小となる。もし軸受コンパートメントに隣接するコンパートメント内の圧力が軸受コンパートメント内の圧力よりも低い場合には、好ましくない熱い空気が近くのコンパートメントから引き入れられるか、又はオイルが軸受コンパートメントから引き出されるか、若しくはその両方が生じてしまう。
【0005】
シールの目的のためにバッファ空気を用いることの他の欠点は、シールの目的のために圧縮機から抽出した空気を、該空気をエンジンのほかの場所に用いたときと同じ程度に効率よく用いることができないことである。すなわち、圧縮機により空気に与えられた仕事は下流のタービンで行われる仕事及びそれ故タービンの効率を直接増大せしめるものである。これとは反対に、シールの目的のために圧縮機から抽出した空気に与えられた仕事は、シール作用の間相当消費され、それ故タービンで行われる仕事を直接増大せしめるものではない。
【0006】
シールの目的のためにバッファ空気を用いることの更に他の欠点は、熱交換器、オイル/空気分離器及びそれらに関連するハードウエアがエンジンに複雑さを加えると共に重量及びコストを増大せしめることである。
【0007】
以上述べたことから、ガスタービンエンジンのスプール間の液体をシールする装置であって、バッファ空気を使用しないと共に、熱交換器、オイル/空気分離器及びそれらに関連するハードウエアを必要としないシール装置が要望されている。
【0008】
【発明の開示】
本発明は、このような要望に応じてなされたものである。したがって、本発明の目的は、スプール間をシールする装置であって、バッファ空気を使用しないシール装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、スプール間をシールする装置であって、熱交換器及び/又はオイル/空気分離器を必要としないシール装置を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、スプール間をシールする装置であって、エンジンの効率に悪い影響を及ぼさないシール装置を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、スプール間をシールする装置であって、エンジンの信頼性に悪い影響を及ぼさないシール装置を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、スプール間をシールする装置であって、高い相対的回転速度をとる適用にも用いることができるシール装置を提供することにある。
【0013】
以上述べた目的を達成するために、本発明によれば、軸線まわりを回転可能な同軸の内外方スプール用のシールであって、キャッチ表面を有するフランジを包含するシールが提供される。このフランジは、外方スプールに設けられていると共に、内外方スプール間に配置されてキャッチ表面が内方スプールに非常に接近している。キャッチ表面は、シール端と放出端とを包含すると共に、これらのシール端と放出端との間で前記軸線に関して傾斜されている。そして。内方スプールとキャッチ表面との間に存在している液体は、内外方スプールが十分な速度で回転すると、遠心力によりキャッチ表面に対して付勢される。この液体は、その後、傾斜しているキャッチ表面に沿って軸方向にそのシール端から放出端へと軸受コンパートメントに向かって追いやられる。
【0014】
本発明のひとつの態様によれば、バッフルがキャッチ表面の放出端に隣接する内外方スプールの一方に設けられている。そして、このバッフルの端表面が内外方スプールの他方に非常に接近している。
【0015】
本発明の他の態様によれば、ダムがキャッチ表面のシール端に沿ってキャッチ表面から回転軸線に実質的に垂直な方向に延びるようにして設けられている。
【0016】
本発明の更に他の態様によれば、複数のブレードがキャッチ表面から延びてこのキャッチ表面の外周まわりに分配されるようにして設けられている。
【0017】
以上述べた本発明のひとつの利点は、バッファ空気を用いることなしに、液体をスプール間のコンパートメント内に維持することができることである。すなわち、本発明は、内方スプールとキャッチ表面との間に存在している液体を、遠心力を利用して半径方向外向き、それ故キャッチ表面に追いやるものである。そして、シール端から放出端まで半径方向外向きに傾斜しているキャッチ表面の角度が、液体を軸受コンパートメント内に追い戻す。
【0018】
本発明の他の利点は、熱交換器及び/又はオイル/空気分離器を必要とせず、それ故それらに関連するコスト及び重量をなくすことができることである。
【0019】
本発明の更に他の利点は、シール手段としてバッファ空気を必要とせず、それ故シール手段としてバッファ空気を使用することに関連して生じる効率の低下をなくすことができることである。
【0020】
本発明の更に他の利点は、熱交換器及び/又はオイル/空気分離器を必要とせず、それ故エンジンの信頼性に悪い影響を及ぼす要因をなくすことができることである。
【0021】
本発明の更に他の利点は、例えば逆回転スプールを用いるような高い相対的回転速度をとる適用にも用いることができることである。すなわち、接触シールに用いられるカーボン及び他の材料は、しばしば、熱エネルギ及びそれに関連する応力の発生のために回転制限をうけるものである。これに対し、本発明は接触なしにスプール間をシールし、これにより接触によって生じる好ましくない熱エネルギ及び応力を除去するものである。
【0022】
本発明の以上述べた目的、特徴及び利点は添付図面を参照して述べる下記の本発明の最良の形態の実施例についての詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【0023】
【発明を実施するための最良の形態】
図1を参照するに、ガスタービンエンジン10はファンセクション12と、低圧圧縮機14と、高圧圧縮機16と、燃焼器セクション18と、高圧タービン20と、低圧タービン22とを包含する。そして、低速スプール24がファンセクション12と、低圧圧縮機14と、低圧タービン22とを一緒に接続する。低圧タービン22は、ファンセクション12と低圧圧縮機14とを駆動する。また、高速スプール26が高圧圧縮機16と、高圧タービン20とを一緒に接続する。高圧タービン20は、高圧圧縮機16を駆動する。更に、高速スプール26と低速スプール24との間に設けられている軸受28(図1には示されていないので、後述する図2及び図3を参照)が、これらのスプール24,26を同軸関係に保持する。図1は、例示の目的のために円筒形のスプールを有するガスタービンの概略断面を示す。しかし、多くの適用において、これらのスプールは設計パラメータ例えば荷重及び冷却に適応するために複雑な幾何学的形状を有するものである。図2及び図3は、軸受コンパートメント30の付近の高速スプール26と低速スプール24との間の部分の断面を示す。
【0024】
次にこれらの図2及び図3を参照するに、高速スプール26の延長部が低速スプール24のポケット32内に受け入れられていることが示されている。軸受28は、高速スプール26と低速スプール24との間に設けられ、これらの両スプール24,26に接触している。そして、第1及び第2のオイルシール34及び36と、第1及び第2の空気シール38及び40とが、ポケット32の開口42と軸受28との間でポケット32内に設けられ、一緒に軸受コンパートメント30を形成している。オイルシール34,36は、空気シール38,40と軸受28との間に設けられている。また、図示されている空気シール38,40は“コントロールギャップシール”として一般に知られているものである。しかし、他の空気シールを選択的に用いることができるものである。オイル入口44及びドレン管46が、第1及び第2のオイルシール34及び36の軸受28側でポケット32内に設けられている。また、空気通路48がオイルシール34,36と空気シール38,40との間のアニュラス50を隣接するコンパートメント51に接続している。
【0025】
低速スプール24に設けられている第1のオイルシール34及び高速スプール26に設けられている第2のオイルシール36は、各々フランジ52を有し、これらの各フランジ52はシール端56及び放出端58を持つキャッチ表面54を有する。これらの各キャッチ表面54は、スプール24,26の回転軸線60に関して角度59でもって設けられ、その結果キャッチ表面54のシール端56がキャッチ表面54の放出端58よりも回転軸線60に半径方向において接近している。そして、図2に示される実施例においては、ダム62がシール端56に隣接して設けられている。このダム62は、スプール24,26の、オイルシール34,36と向かい合って位置している部分に向かって半径方向に延びている。また、バッフル64がキャッチ表面54の放出端58に隣接して設けられている。このバッフル64は、高速スプール26及び低速スプール24の一方から他方に非常に接近する位置にまで半径方向に延びている。更に、図2及び図4に示される実施例においては、複数のブレード66がキャッチ表面54に設けられている。これらのブレード66は、キャッチ表面54から対向する高速スプール26又は低速スプール24に非常に接近する位置にまで半径方向に延びている。適用に依存して、スプール24,26の回転軸線60に関して一定角度で設けられる平形ブレード又はアーチ形ブレードを用いることは利益あることである。
【0026】
ガスタービンエンジンの作動において、低速スプール24及び高速スプール26は、異なる回転速度で同一の方向へ回転、又は互いに関して逆の方向へ回転することができる。これらの両方の場合において、速度及び/又は回転方向の相違は、軸受コンパートメント30及び隣接するコンパートメント51内に存在しているオイル及び空気に乱流を生じせしめる。これにより、オイルの一部分は空気に乗せられ、軸受コンパートメント30内で不規律に流れる。オイルシール34,36の放出端58に隣接するバッフル64は、相当の量のオイルがオイルシール34,36に到達するのを防止するが、しかし、それでもなお少量のオイルが空気に乗せられてオイルシール34,36に到達してしまう。そして、キャッチ表面54に対向する、回転しているスプール24,26の表面に接触するオイルは遠心力によりキャッチ表面54に向けて飛ばされる。これにより、回転しているキャッチ表面54に接触するオイルは、遠心力によりキャッチ表面54を横切るように付勢される。そして、キャッチ表面54がダム62(図2を参照)を包含する実施例においては、ダム62の半径方向表面68が軸方向に向いた流れを阻止する曲面を形成している。また、キャッチ表面54から延びる複数のブレード66(図2を参照)を包含する実施例においては、ブレード66が空気流れ及びオイルをオイルシール34,36から離して軸受コンパートメント30に向かう方向に付勢するインペラとして機能する。ブレード66は、また、ブレード66に非常に接近する空気を円周方向に加速する。その結果として、空気に乗せられたオイルは遠心力にさらされ、それ故空気から分離される。
【0027】
図2及び図3に示されるいずれの実施例においても、対向するスプール24,26へのキャッチ表面54の接近、スプール24,26の回転軸線60に関してのキャッチ表面54の角度59、及びキャッチ表面54と対向するスプール24,26との間に存在している空気の乱流は、オイルを空気に乗せることを半径方向外側のスプール24,26のキャッチ表面54で終らせしめる。そして、オイルがキャッチ表面54上に位置すれば、回転軸線60に関してのキャッチ表面54の角度59が、オイルがキャッチ表面54上をそのシール端56から放出端58まで半径方向外向きに動くことを生じせしめる。なお、もし必要ならば、ドレン穴71を放出端58の近くに設けることができる。
【0028】
ポケット32の開口42とオイルシール34,36との間に設けている空気シール38,40は、軸受コンパートメント30に隣接するコンパートメント70内の熱い空気が軸受コンパートメント30内に入るのを防止する。そして、かりに熱い空気が空気シール38,40を通過しても、この熱い空気は、軸受コンパートメント30に入る前に、空気シール38,40とオイルシール34,36との間のアニュラス50から隣接するコンパートメント51に通路48を通して排出される。
【0029】
なお、以上述べた説明において、第1のオイルシール34の場合には低速スプール24が外方スプールとなると共に高速スプール26が内方スプールとなり、また第2のオイルシール36の場合には高速スプール26が外方スプールとなると共に低速スプール24が内方スプールとなることを理解されるであろう。
【0030】
以上本発明をその実施例に関して図示し詳述してきたけれども、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、その形態及び詳部においてさまざまな変更ができることは当業者にとって理解されるであろう。
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、一般にはガスタービンエンジンの軸受コンパートメントに関し、より詳細には、軸受コンパートメント潤滑材シールに関する。
【0002】
【発明の背景】
近代のガスタービンエンジンは、しばしば、タービン段を圧縮機段及びファン段に接続する複式の同軸スプールを包含する。適用に依存して、これらの同軸スプールは同一の方向へ回転又は逆の方向へ回転をし、かつ回転速度を異ならされることもある。そして、例えば同一の方向へ回転する同軸スプール間の相対的回転速度の差は、ほとんどの場合、逆の方向へ回転する同軸スプール間の相対的回転速度の差よりも小さい。その理由は、後者のスプールは互いに反対方向に回転するからである。したがって、同一方向への回転及び逆方向への回転の適用は、それぞれ、低速回転速度及び高速回転速度の適用であると一般に考えられている。また、2つのスプール間に設けられている軸受が、スプール間の同心性を維持して、相対的運動を容易にしている。そして、オイル又は合成潤滑材が軸受コンパートメント内に供給されて、軸受を潤滑すると共に冷却している。
【0003】
現在の設計プラクティスの下では、オイルはシールと上段の圧縮機段から抽出した高圧空気との組合せによって軸受コンパートメント内に維持され、上記高圧空気は時々“バッファ空気”と称されている。更に詳述すれば、軸受コンパートメントに隣接するコンパートメントは軸受コンパートメントよりも高い圧力に維持され、バッファ空気が軸受コンパートメント内に漏れることができるようになっている。このバッファ空気の流入が、オイルの流出を防止するものである。そして、バッファ空気及びこの空気に乗せられたオイルは、その後、取出されて、オイル/空気分離器を通され、それから軸受コンパートメント内に戻るよう循環される。
【0004】
また、接触シール及びラビリンスシールがスプール用軸受コンパートメントをシールするために広く用いられている。すなわち、接触シールは一般に相対的スプール表面速度が低い(1秒当たり130m(425フィート)よりも小さい)ときに用いられている。この接触シールは、有効なシール特性を有するが、しかし、その接触速度に制限がある。他方、ラビリンスシールは一般に相対的速度が高い(130m.p.s.(425f.p.s.))よりも大きい)ときに用いられる。このラビリンスシールの欠点は、接触シールと同じ程度にシールすることができないことである。実際上、ラビリンスシールが(接触シールに代わるものとして)用いられたときに軸受コンパートメント内に注入しなければならないバッファ空気をシール手段として用いることから、幾つかの欠点が生じる。そのひとつの欠点は、シールの目的のために圧縮機から抽出した空気は初め高圧及び高温であることである。このため、抽出した空気をバッファ空気として用いる前に、該空気を熱交換器を通して冷却しなければならない。すなわち、バッファ空気が熱交換器を通過することによりかなりの圧力降下が生じ、軸受コンパートメント用空気シールを横切る圧力差が最小となる。もし軸受コンパートメントに隣接するコンパートメント内の圧力が軸受コンパートメント内の圧力よりも低い場合には、好ましくない熱い空気が近くのコンパートメントから引き入れられるか、又はオイルが軸受コンパートメントから引き出されるか、若しくはその両方が生じてしまう。
【0005】
シールの目的のためにバッファ空気を用いることの他の欠点は、シールの目的のために圧縮機から抽出した空気を、該空気をエンジンのほかの場所に用いたときと同じ程度に効率よく用いることができないことである。すなわち、圧縮機により空気に与えられた仕事は下流のタービンで行われる仕事及びそれ故タービンの効率を直接増大せしめるものである。これとは反対に、シールの目的のために圧縮機から抽出した空気に与えられた仕事は、シール作用の間相当消費され、それ故タービンで行われる仕事を直接増大せしめるものではない。
【0006】
シールの目的のためにバッファ空気を用いることの更に他の欠点は、熱交換器、オイル/空気分離器及びそれらに関連するハードウエアがエンジンに複雑さを加えると共に重量及びコストを増大せしめることである。
【0007】
以上述べたことから、ガスタービンエンジンのスプール間の液体をシールする装置であって、バッファ空気を使用しないと共に、熱交換器、オイル/空気分離器及びそれらに関連するハードウエアを必要としないシール装置が要望されている。
【0008】
【発明の開示】
本発明は、このような要望に応じてなされたものである。したがって、本発明の目的は、スプール間をシールする装置であって、バッファ空気を使用しないシール装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、スプール間をシールする装置であって、熱交換器及び/又はオイル/空気分離器を必要としないシール装置を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、スプール間をシールする装置であって、エンジンの効率に悪い影響を及ぼさないシール装置を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、スプール間をシールする装置であって、エンジンの信頼性に悪い影響を及ぼさないシール装置を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、スプール間をシールする装置であって、高い相対的回転速度をとる適用にも用いることができるシール装置を提供することにある。
【0013】
以上述べた目的を達成するために、本発明によれば、軸線まわりを回転可能な同軸の内外方スプール用のシールであって、キャッチ表面を有するフランジを包含するシールが提供される。このフランジは、外方スプールに設けられていると共に、内外方スプール間に配置されてキャッチ表面が内方スプールに非常に接近している。キャッチ表面は、シール端と放出端とを包含すると共に、これらのシール端と放出端との間で前記軸線に関して傾斜されている。そして。内方スプールとキャッチ表面との間に存在している液体は、内外方スプールが十分な速度で回転すると、遠心力によりキャッチ表面に対して付勢される。この液体は、その後、傾斜しているキャッチ表面に沿って軸方向にそのシール端から放出端へと軸受コンパートメントに向かって追いやられる。
【0014】
本発明のひとつの態様によれば、バッフルがキャッチ表面の放出端に隣接する内外方スプールの一方に設けられている。そして、このバッフルの端表面が内外方スプールの他方に非常に接近している。
【0015】
本発明の他の態様によれば、ダムがキャッチ表面のシール端に沿ってキャッチ表面から回転軸線に実質的に垂直な方向に延びるようにして設けられている。
【0016】
本発明の更に他の態様によれば、複数のブレードがキャッチ表面から延びてこのキャッチ表面の外周まわりに分配されるようにして設けられている。
【0017】
以上述べた本発明のひとつの利点は、バッファ空気を用いることなしに、液体をスプール間のコンパートメント内に維持することができることである。すなわち、本発明は、内方スプールとキャッチ表面との間に存在している液体を、遠心力を利用して半径方向外向き、それ故キャッチ表面に追いやるものである。そして、シール端から放出端まで半径方向外向きに傾斜しているキャッチ表面の角度が、液体を軸受コンパートメント内に追い戻す。
【0018】
本発明の他の利点は、熱交換器及び/又はオイル/空気分離器を必要とせず、それ故それらに関連するコスト及び重量をなくすことができることである。
【0019】
本発明の更に他の利点は、シール手段としてバッファ空気を必要とせず、それ故シール手段としてバッファ空気を使用することに関連して生じる効率の低下をなくすことができることである。
【0020】
本発明の更に他の利点は、熱交換器及び/又はオイル/空気分離器を必要とせず、それ故エンジンの信頼性に悪い影響を及ぼす要因をなくすことができることである。
【0021】
本発明の更に他の利点は、例えば逆回転スプールを用いるような高い相対的回転速度をとる適用にも用いることができることである。すなわち、接触シールに用いられるカーボン及び他の材料は、しばしば、熱エネルギ及びそれに関連する応力の発生のために回転制限をうけるものである。これに対し、本発明は接触なしにスプール間をシールし、これにより接触によって生じる好ましくない熱エネルギ及び応力を除去するものである。
【0022】
本発明の以上述べた目的、特徴及び利点は添付図面を参照して述べる下記の本発明の最良の形態の実施例についての詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【0023】
【発明を実施するための最良の形態】
図1を参照するに、ガスタービンエンジン10はファンセクション12と、低圧圧縮機14と、高圧圧縮機16と、燃焼器セクション18と、高圧タービン20と、低圧タービン22とを包含する。そして、低速スプール24がファンセクション12と、低圧圧縮機14と、低圧タービン22とを一緒に接続する。低圧タービン22は、ファンセクション12と低圧圧縮機14とを駆動する。また、高速スプール26が高圧圧縮機16と、高圧タービン20とを一緒に接続する。高圧タービン20は、高圧圧縮機16を駆動する。更に、高速スプール26と低速スプール24との間に設けられている軸受28(図1には示されていないので、後述する図2及び図3を参照)が、これらのスプール24,26を同軸関係に保持する。図1は、例示の目的のために円筒形のスプールを有するガスタービンの概略断面を示す。しかし、多くの適用において、これらのスプールは設計パラメータ例えば荷重及び冷却に適応するために複雑な幾何学的形状を有するものである。図2及び図3は、軸受コンパートメント30の付近の高速スプール26と低速スプール24との間の部分の断面を示す。
【0024】
次にこれらの図2及び図3を参照するに、高速スプール26の延長部が低速スプール24のポケット32内に受け入れられていることが示されている。軸受28は、高速スプール26と低速スプール24との間に設けられ、これらの両スプール24,26に接触している。そして、第1及び第2のオイルシール34及び36と、第1及び第2の空気シール38及び40とが、ポケット32の開口42と軸受28との間でポケット32内に設けられ、一緒に軸受コンパートメント30を形成している。オイルシール34,36は、空気シール38,40と軸受28との間に設けられている。また、図示されている空気シール38,40は“コントロールギャップシール”として一般に知られているものである。しかし、他の空気シールを選択的に用いることができるものである。オイル入口44及びドレン管46が、第1及び第2のオイルシール34及び36の軸受28側でポケット32内に設けられている。また、空気通路48がオイルシール34,36と空気シール38,40との間のアニュラス50を隣接するコンパートメント51に接続している。
【0025】
低速スプール24に設けられている第1のオイルシール34及び高速スプール26に設けられている第2のオイルシール36は、各々フランジ52を有し、これらの各フランジ52はシール端56及び放出端58を持つキャッチ表面54を有する。これらの各キャッチ表面54は、スプール24,26の回転軸線60に関して角度59でもって設けられ、その結果キャッチ表面54のシール端56がキャッチ表面54の放出端58よりも回転軸線60に半径方向において接近している。そして、図2に示される実施例においては、ダム62がシール端56に隣接して設けられている。このダム62は、スプール24,26の、オイルシール34,36と向かい合って位置している部分に向かって半径方向に延びている。また、バッフル64がキャッチ表面54の放出端58に隣接して設けられている。このバッフル64は、高速スプール26及び低速スプール24の一方から他方に非常に接近する位置にまで半径方向に延びている。更に、図2及び図4に示される実施例においては、複数のブレード66がキャッチ表面54に設けられている。これらのブレード66は、キャッチ表面54から対向する高速スプール26又は低速スプール24に非常に接近する位置にまで半径方向に延びている。適用に依存して、スプール24,26の回転軸線60に関して一定角度で設けられる平形ブレード又はアーチ形ブレードを用いることは利益あることである。
【0026】
ガスタービンエンジンの作動において、低速スプール24及び高速スプール26は、異なる回転速度で同一の方向へ回転、又は互いに関して逆の方向へ回転することができる。これらの両方の場合において、速度及び/又は回転方向の相違は、軸受コンパートメント30及び隣接するコンパートメント51内に存在しているオイル及び空気に乱流を生じせしめる。これにより、オイルの一部分は空気に乗せられ、軸受コンパートメント30内で不規律に流れる。オイルシール34,36の放出端58に隣接するバッフル64は、相当の量のオイルがオイルシール34,36に到達するのを防止するが、しかし、それでもなお少量のオイルが空気に乗せられてオイルシール34,36に到達してしまう。そして、キャッチ表面54に対向する、回転しているスプール24,26の表面に接触するオイルは遠心力によりキャッチ表面54に向けて飛ばされる。これにより、回転しているキャッチ表面54に接触するオイルは、遠心力によりキャッチ表面54を横切るように付勢される。そして、キャッチ表面54がダム62(図2を参照)を包含する実施例においては、ダム62の半径方向表面68が軸方向に向いた流れを阻止する曲面を形成している。また、キャッチ表面54から延びる複数のブレード66(図2を参照)を包含する実施例においては、ブレード66が空気流れ及びオイルをオイルシール34,36から離して軸受コンパートメント30に向かう方向に付勢するインペラとして機能する。ブレード66は、また、ブレード66に非常に接近する空気を円周方向に加速する。その結果として、空気に乗せられたオイルは遠心力にさらされ、それ故空気から分離される。
【0027】
図2及び図3に示されるいずれの実施例においても、対向するスプール24,26へのキャッチ表面54の接近、スプール24,26の回転軸線60に関してのキャッチ表面54の角度59、及びキャッチ表面54と対向するスプール24,26との間に存在している空気の乱流は、オイルを空気に乗せることを半径方向外側のスプール24,26のキャッチ表面54で終らせしめる。そして、オイルがキャッチ表面54上に位置すれば、回転軸線60に関してのキャッチ表面54の角度59が、オイルがキャッチ表面54上をそのシール端56から放出端58まで半径方向外向きに動くことを生じせしめる。なお、もし必要ならば、ドレン穴71を放出端58の近くに設けることができる。
【0028】
ポケット32の開口42とオイルシール34,36との間に設けている空気シール38,40は、軸受コンパートメント30に隣接するコンパートメント70内の熱い空気が軸受コンパートメント30内に入るのを防止する。そして、かりに熱い空気が空気シール38,40を通過しても、この熱い空気は、軸受コンパートメント30に入る前に、空気シール38,40とオイルシール34,36との間のアニュラス50から隣接するコンパートメント51に通路48を通して排出される。
【0029】
なお、以上述べた説明において、第1のオイルシール34の場合には低速スプール24が外方スプールとなると共に高速スプール26が内方スプールとなり、また第2のオイルシール36の場合には高速スプール26が外方スプールとなると共に低速スプール24が内方スプールとなることを理解されるであろう。
【0030】
以上本発明をその実施例に関して図示し詳述してきたけれども、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、その形態及び詳部においてさまざまな変更ができることは当業者にとって理解されるであろう。
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