JPH1089192A - デポジット低減式燃料噴射弁 - Google Patents

デポジット低減式燃料噴射弁

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JPH1089192A
JPH1089192A JP26256396A JP26256396A JPH1089192A JP H1089192 A JPH1089192 A JP H1089192A JP 26256396 A JP26256396 A JP 26256396A JP 26256396 A JP26256396 A JP 26256396A JP H1089192 A JPH1089192 A JP H1089192A
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JP
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nozzle
injection valve
heat
temperature
engine head
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JP26256396A
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English (en)
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Masao Kinoshita
雅夫 木下
Akinori Saito
昭則 斎藤
Yutaka Niwa
豊 丹羽
Hiroyuki Otani
博幸 大谷
Soichi Matsushita
宗一 松下
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
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    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴口内面におけるデポジットの生成および堆
積を抑制して、流量変化を小さくすること。 【解決手段】 内燃機関の燃焼室2に噴口3を臨ませ
て、燃料を直接燃焼室に噴射供給するように設けられた
燃料噴射弁1において、前記噴口3が配置されているノ
ズル8の先端部の温度を燃料の90%蒸留温度以下に調
整する温度調整手段5が、前記噴口3が配置されている
ノズル8とエンジンヘッド4との間に形成され、前記ノ
ズル8に供給される熱流を前記エンジンヘッド4に放出
する熱流形成手段6とから成るデポジット低減式燃料噴
射弁。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃焼室
に噴口を臨ませて、燃料を直接燃焼室に噴射供給するよ
うに設けられた燃料噴射弁において、前記噴口が配置さ
れているノズルの温度を調整する温度調整手段が、ノズ
ルの先端部の温度を燃料の90%蒸留温度以下に調整す
ることにより、噴口内面におけるデポジットの生成およ
び堆積を抑制して、流量変化を小さくしたデポジット低
減式燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】図12に示される従来の燃料噴射弁Nに
おいて、噴口Oの内面でのデポジットの堆積は、流量低
下という問題をもたらし、後述するように、ノズル先端
部Tの温度に大きく依存する。そのため、噴射弁をエン
ジンEに取り付けた際に、その先端温度を低くすること
が必要となる。
【0003】従来において、噴射弁の温度低減を図る試
みがなされている。しかし、従来における噴射弁の温度
低減の主な目的は、(1) ノズル内でのキャビテーシ
ョンの発生による不整噴射を防止すること、(2) ノ
ズル内を運動するニードルバルブの焼付きや摩耗を防止
すること、(3) 燃焼室にさらされて高温になるノズ
ル表面の酸化を抑制し、ノズル材質の劣化を防止するこ
と、である。
【0004】そのため、ノズル先端部の温度をどの程度
まで下げればよいかという明確な基準は示されておら
ず、ノズル先端温度が低いほど噴射弁の耐久性と信頼性
が向上するという一般論的なものであった。
【0005】従来における第1の具体例として、図13
に示す電磁式燃料噴射弁(特開昭62−103456)
と図14に示す燃料噴射弁(実開昭63−15197
0)があげられる。いずれも、噴射弁Nの先端部に熱伝
導の良好なシュラウドSを設けることにより噴射弁Nの
先端部の放熱性を改善して、噴射弁先端部の温度低減を
図るものであった。
【0006】また従来における第2の具体例として、図
15に示す噴射ノズルの冷却構造(実公平8−533
6)は、ノズルNの近傍に冷却流体を流し込むことがで
きるパッキンPを配置し、ノズルNの冷却を図るもので
あった。
【0007】また従来における第3の具体例として、図
16に示す内燃機関の燃料噴射ノズルの防熱部材(特公
昭63−65823)は、ブッシュ先端部に弾性変形可
能なシールリップLを設け、ノズルNの先端部の防熱性
を高めるものであった。
【0008】また従来における第4の具体例として、図
17に示すディーゼル機関のシリンダヘッド(実公昭5
9−11033)においては、ノズルを遮熱するエンジ
ンヘッドHを提供するものであった。この第4の機具体
例は、直接噴射式高過給ディーゼル機関の噴射弁の耐久
性と信頼性の向上を目的としてあげており、前述の
(1)から(3)の目的を達成するための技術である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の第1の具体
例は、噴射弁Nの先端部に熱伝導の良好なシュラウドS
を設けるものであるが、エンジンに装着された噴射弁N
における熱の流れが明らかにされていないとともに、熱
伝導の良好なシュラウドSを噴射弁Nに設置して、噴射
弁Nの温度低減を図ろうとするものであるが、噴射弁N
をエンジンに取り付ける部位が明確にされていないため
に熱流路が定まっておらず、その改善効果を特定するこ
とができないとともに、噴射弁Nのエンジンの取付状況
によっては、温度低減効果が殆どなかったり、逆に噴射
弁温度の上昇を招くという問題があった。
【0010】また上記従来の第2の具体例は、ノズルN
の近傍に冷却流体を流し込むことができるパッキンPを
配置するものであるが、図15に示される構成では、パ
ッキンPの位置がノズルNの先端部から離れているた
め、ノズルNの先端部の温度低減効果が小さいととも
に、噴射弁近傍にまで冷却通路を設けることは、エンジ
ンヘッドを製作する上で困難を伴うため、実用性が高い
とは言い難いという問題があった。
【0011】さらに上記従来の第3の具体例は、ブッシ
ュ先端部に弾性変形可能なシールリップLを設け、ノズ
ルNの先端部の防熱性を高めるものであるため、簡易な
防熱部品であり、高い実用性を備えているが、その材質
は弾性を持つ金属に限定されているため、この部材の熱
伝導率はノズルと同等かそれより大きく、熱流を流れや
すくする機能は有するものの充分とは言えず、熱を遮断
したり、また、その一部を抑制するような断熱効果を持
っていないという問題があった。
【0012】また、上記従来の第3の具体例の形態は、
ノズルNからエンジンヘッドへの熱流を流れやすくする
機能についても十分なものではない。熱伝導率の大きな
部材を用いてノズル温度の低減を図るうえで最も重要な
ことは、ノズルとエンジンヘッド間の熱抵抗を極力小さ
くすることであるが、ノズルにそれぞれ圧着しており、
熱流路の接触抵抗の低減がなされているが、その他の部
位では、空隙があったり、接触しているのみであったり
して、積極的な熱抵抗の低減が図られていないので、こ
のような形態では効果的にノズルの先端温度の低減を行
うことができない。特に、ノズルの側面はその面積も広
いため、そこでの接触抵抗を低減して放熱性を改善する
ことは、非常に重要である。
【0013】また上記従来の第4の具体例は、前記エン
ジンヘッドHが前記ノズルNを遮熱するものであるが、
噴射弁の噴口内面へのデポジットの堆積による流量低下
現象を防止することを念頭に置いているものではない。
それは、ノズル先端部に設けられている突出部が、遮熱
板を貫通して燃焼室にさらされた状態になっていること
から分かる。この従来の第4の具体例における実施例に
は、噴口の位置が記載されていないが、このような形態
の噴射弁では、ノズル先端の突出部に噴口が配置される
ことは、その機能上、公知であるため、この噴射弁の配
置では、ノズル先端部の温度が燃料の90%蒸留温度よ
り高くなるために、噴口内面にデポジットが堆積して、
噴射弁の流量低下が生じてしまうという問題があった。
【0014】そこで本発明者らは、内燃機関の燃焼室に
噴口を臨ませて、燃料を直接燃焼室に噴射供給するよう
に設けられた燃料噴射弁において、前記噴口が配置され
ているノズルの温度を調整する温度調整手段により、ノ
ズルの先端部の温度を燃料の90%蒸留温度以下に調整
して、燃料噴射の後の前記噴口内面に残留する燃料を液
相状態に保つという本発明の第1の技術的思想に着眼
し、前記ノズルとエンジンヘッドとの間に形成された熱
流形成手段により、前記ノズルに供給される熱流を前記
エンジンヘッドに放出する熱流を形成するという本発明
の第2の技術的思想に着眼するとともに、ノズルに配設
された熱遮蔽部材により、前記燃焼室から前記ノズルに
供給される熱を遮蔽するという本発明の第3の技術的思
想に着眼し、さらに研究開発を重ねた結果、噴口内面に
おけるデポジットの生成および堆積を抑制して、流量変
化を小さくするという目的を達成するものである。
【0015】すなわち、本発明は、上述のように噴射弁
の流量低下の問題の解消を目的とするものであるが、内
燃機関の燃焼室内に噴口を臨ませて燃料を直接噴射供給
するように設けられた燃料噴射弁において、その噴口内
面へのデポジットの堆積にともなって噴口面積が低減
し、燃料流量が低下する現象を、ノズル先端温度を使用
する燃料の90%蒸留温度より低くすることにより、防
止しようとするものである。
【0016】噴射弁のノズル先端温度が燃料の90%蒸
留温度より高くなる条件では、噴射弁に顕著な流量低下
が生ずる。この問題は、軽油に比較して90%蒸留温度
の低いガソリンを燃焼室に噴射供給するガソリン直噴エ
ンジン用の燃料噴射弁において、一層生じ易いものであ
る。
【0017】上記噴射弁の流量低下が発生する状況を以
下に説明する。本発明者らは、90%蒸留温度が150
℃の燃料を用い、エンジン試験開始後30分経過時のノ
ズル先端温度が165℃になる空燃比12の条件で、3
0時間のエンジン試験を行った。その際の噴射弁の流量
低下状況を図9に示す。試験開始から10時間までに、
急激に流量低下が進行する。10時間以降では流量低下
の進行はみられないが、試験終了時には流量低下率は1
0%に達している。
【0018】これらの噴射弁ノズルの噴口内面を観察す
ると、燃料の炭化によるデポジットが堆積しているのが
認められる。このことから、これらのデポジットが噴口
面積を低下させ、噴射弁の流量低下をもたらしているこ
とが分かる。
【0019】さらに本発明者らは、ノズル先端温度を1
65℃より低くした条件で図9と同様の30時間に及ぶ
エンジン試験を行い、噴射弁の流量低下状況を調べた。
その結果を図10に示す。ノズル先端温度が155℃の
条件では流量低下率は3%程度、ノズル先端温度をさら
に下げて100℃にすると、その流量低下率は1%程度
になる。
【0020】上記現象が生ずるメカニズムについて以下
に説明する。その状態を模式的に図3に示す。燃料中に
は、デポジットが生成する際にその核となるデポジット
前駆物質が含まれており、これらのデポジット前駆物質
は、常温では燃料中に分散している。
【0021】燃料噴射の後、噴口内面には微量の燃料が
残留する。ノズル先端温度が燃料の90%蒸留温度(1
50℃)より低い条件では、噴口内に残留する燃料は液
相状態を保っている。そのため、燃料中に含まれている
デポジット前駆物質も、燃料中に分散した状態を保つ。
そして、このような状態のデポジット前駆物質は、次の
噴射で燃料とともに容易に洗い流されるた、噴口内での
デポジットの生成が抑制される。
【0022】一方、ノズル先端温度が燃料の90%蒸留
温度(150℃)より高い条件では、噴口内に残留する
燃料の蒸発が促進されるために、デポジット前駆物質は
燃料中での分散状態を保つことができずに、噴口内壁面
に凝集する。このような状態のデポジット前駆物質は、
つぎの噴射の際に洗い流されることが困難となって、噴
口内に残留する。その結果、デポジットの堆積が進行す
る。
【0023】したがって本発明者らは、噴口内面でのデ
ポジットの生成を抑制するためには、ノズル先端温度を
燃料の90%蒸留温度より低くして、噴口内面に残留す
る燃料を常に液相状態に保ち、デポジット前駆物質を燃
料中に分散させておくことが必要であるという知見を得
た。
【0024】そして、それらを実現するためには、ノズ
ル側面とエンジンヘッドの間に熱伝導率の大きい物質を
挿入して、ノズル側面と熱伝導率の大きい物質の間、お
よび熱伝導率の大きい物質とエンジンヘッドと間の接触
抵抗を極力小さくした形態の熱流路を設けることによ
り、ノズル側面とエンジンヘッド間の熱抵抗を小さくし
て、燃焼ガスの対流や輻射によりノズルに供給される熱
流をエンジンヘッドに放出しやすくすることが有用であ
るとの知見を得た。
【0025】本発明者らは、さらに別の観点からも実験
を行い、噴射弁の流量低下を抑制するための重要な知見
を得ている。図9と同一の条件で、ノズルの先端部の温
度履歴を測定した。さらに、3、7、15、30時間の
時点で噴射弁をエンジンヘッドから取り外し、ノズル表
面に堆積した煤の厚さを測定した。その結果を図11に
示す。
【0026】エンジン試験開始直後に180℃のノズル
先端温度は、試験開始30分経過時には165℃に低下
する。時間経過にともない、さらに、ノズル先端温度は
低下し、15時間経過時には130℃程度になる。一
方、ノズル表面の煤の堆積厚さは、時間経過にともなっ
て増加し、15時間経過時には0.34mmの厚さにな
る。しかし、エンジン運転時間が30時間に至る直前
で、ノズル先端温度が急激に増加する現象が観測され
た。そこでは、ノズル表面に堆積していた煤が脱落して
おり、ノズルの金属素地が露出している状況が認められ
た。これらの結果から、ノズル先端温度の低下はノズル
表面に堆積した煤との関連が強いことがわかる。つま
り、煤が断熱層を形成して、燃焼室からノズルに供給さ
れる熱の流れを抑制していたことになる。
【0027】さらに、エンジン試験を継続すると、再び
ノズル先端温度の低下が認められた。このノズル先端温
度の測定結果から、図9に示した流量変化の状況を考え
る。試験開始8時間以降で流量低下が進行しないのは、
この時点ではすでにノズル先端温度が煤の堆積により下
がっているためと考えられる。このように、ノズル表面
に煤が堆積した場合には、煤が断熱層の役割を果たして
ノズル温度を低下させているため、噴射弁の流量低下の
進行を抑制していることがわかる。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)のデポジット低減式燃料噴射弁は、内燃機
関の燃焼室に噴口を臨ませて、燃料を直接燃焼室に噴射
供給するように設けられた燃料噴射弁において、前記噴
口が配置されているノズルの先端部の温度を燃料の90
%蒸留温度以下に調整する温度調整手段を備えているも
のである。
【0029】本発明(請求項2に記載の第2発明)のデ
ポジット低減式燃料噴射弁は、前記第1発明において、
前記温度調整手段が、前記噴口が配置されているノズル
とエンジンヘッドとの間に形成され、前記ノズルに供給
される熱流を前記エンジンヘッドに放出する熱流形成手
段によって構成されているものである。
【0030】本発明(請求項3に記載の第3発明)のデ
ポジット低減式燃料噴射弁は、前記第2発明において、
前記熱流形成手段が、前記ノズルの外側面と前記エンジ
ンヘッドの内壁面との間に介挿された熱伝導率の大きい
材料より成る熱伝導促進部材より成り、該ノズルとエン
ジンヘッド間の熱抵抗を小さくして、前記ノズルに供給
される熱流の前記エンジンヘッドへの放出を促進するよ
うに構成されているものである。
【0031】すなわち第3発明のデポジット低減式燃料
噴射弁は、内燃機関の燃焼室に噴口を臨ませて、燃料を
直接燃焼室に噴射供給するように設けられた燃料噴射弁
において、その噴射弁の噴口を配置しているノズルに関
して、ノズル側面とエンジンヘッドの間に熱伝導率の大
きい物質を挿入して、ノズル側面と熱伝導率の大きい物
質の間、および熱伝導率の大きい物質とエンジンヘッド
と間の接触抵抗を極力小さくした形態の熱流路を設ける
ことにより、ノズルとエンジンヘッド間の熱抵抗を小さ
くすることによって、燃焼室からノズルに供給される燃
焼ガスの対流および輻射による熱流をエンジンヘッドに
放出しやすくするとともに、そのノズルが燃焼室にさら
される部分、あるいはその一部を熱伝導率の小さい物質
で覆って、燃焼室からノズルに供給される熱流の流入を
遮断または抑制することを特徴とし、ノズル先端温度を
燃料の90%蒸留温度より低くして、燃料噴射の後に、
噴口内面に残留する燃料を液相状態に保つようにしたも
のである。
【0032】本発明(請求項4に記載の第4発明)のデ
ポジット低減式燃料噴射弁は、前記第3発明において、
前記温度調整手段が、 前記ノズルの燃焼室に曝される
部分の少なくとも一部に配設された熱伝導率の小さい材
料より成り、前記燃焼室から前記ノズルに供給される熱
を遮蔽するように構成されている熱遮蔽部材によって構
成されているものである。
【0033】すなわち上記発明における煤の堆積は、エ
ンジンの諸元や運転条件により異なるし、図11に示し
たような煤の脱落が生じる場合もあるため、恒久的な対
策とはならない場合がある。そこで、ノズル先端温度を
さらに安定して燃料の90%蒸留温度より低く保つため
には、ノズル先端部に断熱材を取り付けて、燃焼ガスか
らの対流および輻射による熱のノズル内への侵入を遮断
することが有効な対策となる。
【0034】本発明(請求項5に記載の第5発明)のデ
ポジット低減式燃料噴射弁は、前記第4発明において、
前記熱遮蔽部材を構成する材料の熱伝導率をλ(W/m
m/K)、該熱遮蔽部材の厚さをt(mm)として、そ
のλ/tの値が8.5×10-4より小さくなるように設
定されているものである。
【0035】本発明(請求項6に記載の第6発明)のデ
ポジット低減式燃料噴射弁は、前記第5発明において、
前記熱遮蔽部材が、前記ノズルの下端に配設され、噴口
の周囲に環状に配設されているものである。
【0036】本発明(請求項7に記載の第7発明)のデ
ポジット低減式燃料噴射弁は、前記第6発明において、
前記噴口の出口が、該熱遮蔽部材の最下端より上方に位
置するように配置されているものである。
【0037】
【発明の作用および効果】上記構成より成る第1発明の
デポジット低減式燃料噴射弁は、内燃機関の燃焼室に噴
口を臨ませて、燃料を直接燃焼室に噴射供給するように
設けられた燃料噴射弁において、前記噴口が配置されて
いる前記温度調整手段が、前記ノズルの先端部の温度を
下げて燃料の90%蒸留温度以下に調整するので、噴口
内面におけるデポジットの生成および堆積を抑制して、
流量変化を小さくするという効果を奏する。
【0038】上記構成より成る第2発明のデポジット低
減式燃料噴射弁は、前記第1発明において、前記温度調
整手段を構成する前記噴口が配置されているノズルとエ
ンジンヘッドとの間に形成された前記熱流形成手段が、
前記ノズルに供給される熱流を前記エンジンヘッドに放
出するので、前記ノズルから前記エンジンヘッドへの熱
流を制御して、前記ノズルの先端部の温度を下げて燃料
の90%蒸留温度以下に調整するため、噴口内面におけ
るデポジットの生成および堆積を有効に抑制して、流量
変化を有効に小さくするという効果を奏する。
【0039】上記構成より成る第3発明のデポジット低
減式燃料噴射弁は、前記第2発明において、前記熱流形
成手段を構成する前記ノズルの外側面と前記エンジンヘ
ッドの内壁面との間に介挿された熱伝導率の大きい材料
より成る前記熱伝導促進部材が、該ノズルとエンジンヘ
ッド間の熱抵抗を小さくして、前記ノズルに供給される
熱流の前記エンジンヘッドへの放出を促進するので、前
記ノズルから前記エンジンヘッドへの熱流を促進して、
前記ノズルの先端部の温度を下げて燃料の90%蒸留温
度以下に調整するため、噴口内面におけるデポジットの
生成および堆積を有効に抑制して、流量変化を有効に小
さくするという効果を奏する。
【0040】すなわち、前記ノズル側面と前記エンジン
ヘッドの間に熱伝導率の大きい物質を挿入して、ノズル
側面とエンジンヘッド間の熱抵抗を極力小さくした形態
の熱流路を設けることより、ノズルに流れ込んだ熱流を
エンジンヘッドに容易に放出できるようにした場合の作
用と効果について以下に詳述する。
【0041】燃焼ガスの対流や輻射による熱流は、燃焼
室に曝されるノズルの先端部から供給されて、ノズル先
端温度を上昇させる。そして、それらの熱流は、熱抵抗
が低くなっている部位を経て、温度の低いエンジンヘッ
ドに流れ込む。本発明を適用しない場合には、それらの
熱流は、主に、噴射弁とエンジンヘッドとを固着してい
るネジやガスケットを経由してエンジンヘッドに流れ
る。
【0042】しかし、それらのネジやガスケットは、一
般にノズルの上部に設けられているため、そこでの熱抵
抗の低減を図っても、ノズル先端温度の低減効果は非常
に小さい。そこで、ノズル先端温度を効率よく下げるた
めには、ノズル側面とエンジンヘッド間に熱伝導率の大
きな部材を、接触抵抗が極力小さくなる状態で挿入し、
ノズルからエンジンヘッドに熱流が流れる新たな熱流路
を設けることが必要となる。その結果、ノズルに供給さ
れた熱流が温度の低いエンジンヘッドに流れやすくなっ
て、ノズル先端温度を効果的に下げることが可能にな
る。
【0043】本発明では、ノズルとエンジンヘッド間に
熱伝導率の大きな部材を効果的に挿入する方法につい
て、本発明者らは、数値計算により検討している。図1
は、ノズル8の側面とエンジンヘッド4間に銅スリーブ
60を挿入し、ノズル8の側面と銅スリーブ60、およ
び、銅スリーブ60とエンジンヘッド4との熱的な接触
抵抗を0とした本発明の一形態である。
【0044】一方、図12は、従来の噴射弁を模した形
態を示したものである。これは、図16を模しており、
一点鎖線で示したSの部分に空気層を持っている。そし
て、これらのノズル先端温度を図2において比較する。
本発明においては、ノズル先端温度は135℃となっ
て、銅スリーブ10を挿入しない未対策品(ノズル先端
温度180℃)に比較して、45℃もの低減効果が得ら
れている。一方、従来の噴射弁を模した形態では、図2
から明かなようにノズル先端温度は150℃となり、温
度低減効果は本発明に比べて少ないものである。
【0045】上記構成より成る第4発明のデポジット低
減式燃料噴射弁は、前記第3発明の効果に加え、前記温
度調整手段を構成する、前記ノズルの燃焼室に曝される
部分の少なくとも一部に配設された熱伝導率の小さい材
料より成る前記熱遮蔽部材が、前記燃焼室から前記ノズ
ルに供給される熱を遮蔽するので、前記ノズルの先端部
の温度を下げて燃料の90%蒸留温度以下に調整するた
め、噴口内面におけるデポジットの生成および堆積を一
層有効に抑制して、流量変化を一層有効に小さくすると
いう効果を奏する。
【0046】また第4発明における前記ノズルが燃焼室
にさらされる部分、あるいはその一部を熱伝導率の低い
物質で覆って、燃焼室からノズルへ流れる熱流を遮断ま
たは抑制した場合の作用と効果について述べる。燃料噴
射弁ノズルが燃焼室に曝される部分、あるいはその一部
を熱伝導率の小さい物質で覆うと、ノズル先端部に流れ
込む熱流が少なくなって、ノズル先端部の温度を下げる
ことが出来る。
【0047】上記構成より成る第5発明のデポジット低
減式燃料噴射弁は、前記第4発明において、前記熱遮蔽
部材を構成する材料の熱伝導率をλ(W/mm/K)、
該熱遮蔽部材の厚さをt(mm)として、そのλ/tの
値が8.5×10-4より小さくなるように設定されてい
るので、前記ノズルの先端部の温度を下げて燃料の90
%蒸留温度以下に最適に調整するという効果を奏する。
【0048】すなわち、ノズル先端部の温度低減効果
は、ノズルが燃焼室にさらされる部分、あるいはその一
部に取り付ける部材の熱伝導率とその部材の厚さとに依
存する。そこで、上述した数値計算を用いて、ノズルが
燃焼室に曝される部分に取り付ける部材の熱伝導率とそ
の厚さを変えた場合のノズル先端温度の低減効果を試算
した。その結果を図8に示す。ここでの境界条件は、直
接ノズル先端が燃焼室にさらされる状態にした場合に、
ノズル先端温度が180℃になるように設定している。
【0049】熱伝導率が1×10-3W/mm/Kの部材
を用いると、その厚さが0.35mmの場合には168
℃になるが、1.2mmで150℃、2mmで140
℃、4mmにすると130℃まで下がる。さらに、その
部材の熱伝導率を小さくするほど、その厚さを薄くする
ことができる。そして、ノズルが燃焼室にさらされる部
分に取り付ける部材の熱伝導率λ(W/mm/K)と厚
さt(mm)の関係λ/tが8.5×10-4より小さく
なるようにすると、ノズル先端温度をほぼ150℃以下
にすることができる。この温度は、通常のガソリンの9
0%蒸留温度よりも低く、このような形態の噴射弁で
は、噴口内面でのデポジットの生成および堆積が抑制さ
れて、流量変化の少ない噴射弁を実現することが出来
る。
【0050】上記構成より成る第6発明のデポジット低
減式燃料噴射弁は、前記第5発明において、前記熱遮蔽
部材が、前記ノズルの下端に配設され、噴口の周囲に環
状に配設されているので、前記燃焼室から前記ノズルに
供給される熱を有効に遮蔽するという効果を奏する。
【0051】上記構成より成る第7発明のデポジット低
減式燃料噴射弁は、前記第6発明において、前記噴口の
出口が、該熱遮蔽部材の最下端より上方に位置するよう
に配置されているので、前記噴口の出口の位置が前記燃
焼室に突出することなく、おくまっているため、デポジ
ットの堆積を低減するという効果を奏する。
【0052】さらに、このような熱伝導率の小さい物質
と噴口出口の位置関係にも注意する必要がある。噴口出
口の位置がより燃焼室側に突出することなく、熱伝導の
小さい材料の前記熱遮蔽部材の最下端より上方に位置す
ることにより、該熱遮蔽部材を波から港を守る防波堤の
ように利用して熱に直接曝されないようにして、噴口内
面へのデポジットの堆積を抑制するものである。
【0053】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき、
図面を用いて説明する。
【0054】(第1実施形態)本第1実施形態のデポジ
ット低減式燃料噴射弁は、図5に示されるように内燃機
関の燃焼室2に噴口3を臨ませて、燃料を直接燃焼室に
噴射供給するように設けられた燃料噴射弁1において、
前記噴口3が配置されているノズル8の先端部の温度を
燃料の90%蒸留温度以下に調整する温度調整手段5
が、前記噴口3が配置されているノズル8とエンジンヘ
ッド4との間に形成され、前記ノズル8に供給される熱
流を前記エンジンヘッド4に放出する熱流形成手段6と
から成るものである。
【0055】前記エンジンヘッド4には、冷却水が循環
する冷却通路が設けられており、該エンジンヘッド4の
温度は80℃程度に保たれるように構成されている。
【0056】本第1実施形態においては、前記噴射弁1
はエンジンヘッド4に噴射弁固定治具11を介して固定
される。該固定治具11には複数の穴が開いており、そ
れらの穴にボルトを通し、そのボルトを前記エンジンヘ
ッド4に取り付ける。その結果、ボルトの締め付け力
は、前記固定治具11、噴射弁フランジ12、ガスケッ
ト13を介してエンジンヘッド4に加わり、前記噴射弁
1がエンジンヘッド4に固定される。
【0057】また、燃焼室2は、前記エンジンヘッド4
とシリンダーおよびピストン(図示せず)によって包囲
された空間によって形成され、燃料と空気の混合ガスが
燃焼して多量の熱が発生する。
【0058】前記熱流形成手段6は、前記ノズル8から
前記エンジンヘッド4に流れる新たな熱の流路が確保す
るもので、該ノズル8に流れ込んだ熱流を該エンジンヘ
ッド4に容易に放出できるようにするもので、前記ノズ
ル8の外側面と前記エンジンヘッド4の内壁面との間に
介挿された熱伝導率の大きい材料より成る熱伝導促進部
材60より成り、該ノズル8とエンジンヘッド4間の熱
抵抗を小さくして、前記ノズル8に供給される熱流の前
記エンジンヘッド4への放出を促進するように構成され
ている。
【0059】該熱伝導促進部材60は、前記ノズル8の
外周面81と前記エンジンヘッド4のノズル挿入穴41
の内周面間に熱伝導率の大きい材料である銅を基材とす
る一定の内外径の中空円筒体の銅スリーブ61によって
構成され、前記ノズル8と前記エンジンヘッド4のノズ
ル挿入穴41との間の環状のスペースに挿入される。
【0060】該銅スリーブ61は、その内周面と前記ノ
ズル8の外周面81とを密着させ、それらの接触面にお
ける熱抵抗を極力小さくするように構成されているとと
もに、前記銅スリーブ61の外周面を前記エンジンヘッ
ド4の内周面に密着させて、この接触面におけく熱抵抗
も極力小さくするように構成されている。
【0061】上記構成より成る第1実施形態のデポジッ
ト低減式燃料噴射弁は、前記ノズル側面81と前記エン
ジンヘッド4の間に熱伝導率の大きい材料より成る熱伝
導促進部材60を構成する銅スリーブ61を挿入して、
該ノズル8の側面81と該エンジンヘッド4間の熱抵抗
を極力小さくした形態の熱流路を設けることにより、ノ
ズル8に流れ込んだ熱流をエンジンヘッド4に放出する
ものである。
【0062】上記作用を奏する第1実施形態のデポジッ
ト低減式燃料噴射弁は、前記ノズル8から前記エンジン
ヘッド4に流れる新たな熱の流路を確保して、該ノズル
8に流れこんだ熱流を該エンジンヘッド4に効果的に放
出され、前記ノズル8の前記噴口3が形成された先端部
の温度低減を実現し、該噴口3の内面での燃料の液状化
を実現して、デポジットの生成および堆積が抑制され、
流量変化を減少させるという効果を奏する。
【0063】上記第1実施形態の作用および効果は、噴
射弁1が本第1実施形態のような固定治具11を用いる
ことなく、噴射弁1に設けられたねじを利用して前記エ
ンジンヘッド4に固定する場合にも変わりなく動作す
る。
【0064】(第2実施形態)本第2実施形態のデポジ
ット低減式燃料噴射弁は、図6に示されるように前記ノ
ズル8の側面81に当接する前記銅スリーブ62とエン
ジンヘッド4の内周壁への密着性を高めるために前記銅
スリーブ62の外周面621と前記エンジンヘッド4の
内周壁とをテーパ面にした点が、前記第1実施形態との
相違点であり、以下相違点を中心に説明する。
【0065】前記ノズル8と前記エンジンヘッド4の間
に挿入した前記銅スリーブ61に関して、前記ノズル8
と前記銅スリーブ62および銅スリーブ62とエンジン
ヘッド4との熱的な接触抵抗を極力小さくする必要があ
る。
【0066】前記銅スリーブ62の外周壁および該銅ス
リーブ62を挿入するために設けられた前記エンジンヘ
ッド4のノズル挿入穴41をテーパー状に形成すること
により、噴射弁1をエンジンヘッド4に取り付けた際
に、該銅スリーブ61が該エンジンヘッド4とノズル8
とに挟まれて、楔状に密着するように構成されている。
【0067】上記構成より成る第2実施形態のデポジッ
ト低減式燃料噴射弁は、前記銅スリーブ61と前記エン
ジンヘッド4との接触面をテーパー状にして、楔状に密
着させることにより、前記ノズル8とエンジンヘッド4
間に接触抵抗を極力小さくした形態の熱流路を設け、該
ノズル8に供給される熱流を該エンジンヘッド4に放出
し易くするものである。
【0068】上記作用を奏する第2実施形態のデポジッ
ト低減式燃料噴射弁は、前記ノズル8の外部に配設され
た前記銅スリーブ61と前記エンジンヘッド4との接触
面をテーパ面として、密着状態を改良するとともに接触
面積を増加させることにより、接触面の熱的な接触抵抗
を非常に小さくして、ノズル先端温度の低減を効率よく
実現するという効果を奏する。
【0069】また上記作用は、ノズル8と銅スリーブと
の間の接触面にテーパー面を設けることやノズル8と銅
スリーブ61とエンジンヘッド4の全者の接触面にテー
パー面を設けることでも実現できる。
【0070】(第3実施形態)本第3実施形態のデポジ
ット低減式燃料噴射弁は、図7に示されるようにノズル
8の側面とエンジンヘッド4の間に介挿された熱伝導率
の大きい材料の熱伝導促進部材60に加え、前記ノズル
8の燃焼室2に曝される部分に配設され前記燃焼室2か
ら前記ノズル8に供給される熱を遮蔽するように構成さ
れている熱遮蔽部材7とを備えた点が前記第1実施形態
との相違点であり、以下相違点を中心に説明する。
【0071】前記ノズル8と前記エンジンヘッド4の間
に熱伝導率の大きい材料である銅を基材とする銅スリー
ブ61が挿入された前記ノズル8が、前記燃焼室2に曝
されるテーパ状の先端部分に中央に一定の軸方向長さの
噴口3を構成する円形孔が穿設された環状の熱伝導率の
小さい断熱部材7で覆うものである。
【0072】上記構成より成る第3実施形態において
は、前記熱伝導促進部材60としての前記銅スリーブ6
1による前記ノズル8の側面と前記エンジンヘッド間の
熱抵抗を極力小さくした形態の熱流路を設けることによ
り、ノズルに流れ込んだ熱流を前記エンジンヘッド4に
容易に放出できるようにするとともに、前記ノズル8が
前記燃焼室2に曝される部分に熱伝導率の小さい材料よ
り成る前記断熱部材7によって覆うことにより、前記燃
焼室2から前記ノズル8への熱流を遮断あるいは規制す
るものである。
【0073】上記作用を奏する第3実施形態の燃料噴射
弁は、前記銅スリーブ61をノズル8とエンジンヘッド
4に密着させて、それらの接触面における熱抵抗を極力
小さくするとともに、前記燃焼室2から前記ノズル8の
先端部に供給される熱流の多くを前記断熱部材7により
遮断することができるので、すなわち該ノズル8から熱
を放出するだけでなく該ノズル8に侵入する熱を遮断す
るため、前記ノズル8の先端部の温度を一層効率的に低
減するとともに、前記噴口3の内面でのデポジットの生
成および堆積が有効に抑制されて、流量変化の少ない噴
射弁を実現するという効果を奏する。
【0074】(第4実施形態)本第4実施形態のデポジ
ット低減式燃料噴射弁は、図8に示されるようにノズル
8を基部大径部84と先端小径部85との2段構造と
し、基部大径部84の外周面に接してエンジンヘッド4
のノズル挿入穴の内周壁全体にチューブ状の薄肉の銅ス
リーブ64を当接させ、前記先端小径部85と該銅スリ
ーブ64との間に熱伝導率の小さい断滅部材94を介挿
する点が前記第1実施形態との相違点であり、以下相違
点を中心に説明する。
【0075】前記銅スリーブ64は、エンジンヘッド4
のノズル挿入穴の内周壁の下端に到達した後、前記ノズ
ル8の半径方向内側に曲げられ、ノズル8の噴口3が配
設される円形の穴が中央部に形成されている。
【0076】前記断熱部材94は、前記ノズル8の先端
小径部85の外周壁とテーパ状の下端部に当接して配設
され、下端部中央に噴霧パターンを考慮したテーパ状の
円形穴が形成され、前記ノズル8の噴口3が断熱部材9
4の下端(銅スリーブ64の円形穴部)より一定距離上
方に位置するように構成されている。
【0077】上記構成より成る第4実施形態において
は、前記熱伝導促進部材60としての前記銅スリーブ6
4による前記ノズル8の側面と前記エンジンヘッド間の
熱抵抗を極力小さくした形態の熱流路を設けることによ
り、ノズルに流れ込んだ熱流を前記エンジンヘッド4に
容易に放出できるようにするとともに、前記ノズル8が
前記燃焼室2に曝される部分に熱伝導率の小さい材料よ
り成る前記断熱部材94によって覆うことにより、前記
燃焼室2から前記ノズル8への熱流を遮断あるいは規制
するものである。
【0078】上記作用を奏する第4実施形態の燃料噴射
弁は、前記銅スリーブ64をノズル8とエンジンヘッド
4に密着させて、それらの接触面における熱抵抗を極力
小さくするとともに、前記燃焼室2から前記ノズル8の
先端部に供給される熱流の多くを前記断熱部材94によ
り遮断することができるので、すなわち該ノズル8から
熱を放出するだけでなく該ノズル8に侵入する熱を遮断
するため、前記ノズル8の先端部の温度を一層効率的に
低減するとともに、前記噴口3の内面でのデポジットの
生成および堆積が有効に抑制されて、流量変化の少ない
噴射弁を実現するという効果を奏する。
【0079】また第4実施形態の燃料噴射弁は、前記噴
口3の出口が、該熱遮蔽部材94の最下端より上方に位
置するように配置されているので、前記噴口3の出口の
位置が前記燃焼室2に突出することなく、おくまってい
るため、デポジットの堆積を低減するという効果を奏す
る。
【0080】さらに第4実施形態の燃料噴射弁は、前記
銅スリーブ64が、前記エンジンヘッド4のノズル挿入
穴の内周壁の下端に到達した後、前記ノズル8の半径方
向内側に曲げられ、前記断熱部材94の下端外周部を覆
うので、冷却水によって冷却された前記エンジンヘッド
4によって冷却された銅スリーブ64によって、前記燃
焼室2から前記断熱部材94および前記ノズル8への熱
流を遮断するだけで無く冷却して規制するので、前記ノ
ズル8の先端部の温度を一層効率的に低減するという効
果を奏する。
【0081】本第4実施形態の燃料噴射弁では、従来の
燃料噴射弁に比較して、ノズル先端温度を約60℃低減
できることを、本発明者らが行ったエンジン実験により
検証している。
【0082】上述の実施形態は、説明のために例示した
もので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0083】上記第4実施形態においては、一例として
銅スリーブの下端を内方に曲げてノズルおよび断熱部材
を覆うと同時にエンジンヘッドの冷却水を利用して冷却
する例について説明したが、本発明としてはそれらに限
定されるものでは無く、銅スリーブを内方に曲げること
なくエンジンヘッドのノズル挿入穴の下端の上部に止
め、銅スリーブが燃焼室2に露出しないようにして、燃
焼室2からの熱に曝されることを防止しノズル8からの
熱をエンジンヘッドに放出するための最大限の面積を確
保する態様を採用することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態のデポジット低減式燃料噴射弁
を示す断面図である。
【図2】本発明および従来ノズルのノズル先端温度を示
す線図である。
【図3】燃料噴射弁におけるデポジット生成過程を示す
説明図である。
【図4】熱伝達率とノズル先端温度との関係を示す線図
である。
【図5】本発明の第1実施形態のデポジット低減式燃料
噴射弁を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態のデポジット低減式燃料
噴射弁を示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態のデポジット低減式燃料
噴射弁を示す断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態のデポジット低減式燃料
噴射弁を示す断面図である。
【図9】エンジン運転時間と流量低下率との関係を示す
線図である。
【図10】ノズル先端温度と流量低下率との関係を示す
線図である。
【図11】エンジン運転時間とノズル先端温度および煤
の堆積厚さとの関係を示す線図である。
【図12】本発明と比較するための従来のノズルを示す
断面図である。
【図13】従来の第1の具体例の電磁式燃料噴射弁を示
す断面図である。
【図14】従来の第1の具体例の燃料噴射弁を示す断面
図である。
【図15】従来の第2の具体例の噴射ノズルの冷却構造
を示す断面図である。
【図16】従来の第3の具体例の内燃機関の燃料噴射ノ
ズルの防熱部材を示す断面図である。
【図17】従来の第3の具体例のデイーゼル機関のシリ
ンダヘッドの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射弁 2 燃焼室 3 噴口 4 エンジンヘッド 5 温度調整手段 6 熱流形成手段 8 ノズル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また従来における第4の具体例として、図
17に示すディーゼル機関のシリンダヘッド(実公昭5
9−1103)においては、ノズルを遮熱するエンジン
ヘッドHを提供するものであった。この第4の具体例
は、直接噴射式高過給ディーゼル機関の噴射弁の耐久性
と信頼性の向上を目的としてあげており、前述の(1)
から(3)の目的を達成するための技術である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 61/16 F02M 61/16 V (72)発明者 木下 雅夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 斎藤 昭則 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 丹羽 豊 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 大谷 博幸 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 松下 宗一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼室に噴口を臨ませて、燃
    料を直接燃焼室に噴射供給するように設けられた燃料噴
    射弁において、 前記噴口が配置されているノズルの先端部の温度を燃料
    の90%蒸留温度以下に調整する温度調整手段を備えて
    いることを特徴とするデポジット低減式燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記温度調整手段が、前記噴口が配置されているノズル
    とエンジンヘッドとの間に形成され、前記ノズルに供給
    される熱流を前記エンジンヘッドに放出する熱流形成手
    段によって構成されていることを特徴とするデポジット
    低減式燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記熱流形成手段が、前記ノズルの外側面と前記エンジ
    ンヘッドの内壁面との間に介挿された熱伝導率の大きい
    材料より成る熱伝導促進部材より成り、該ノズルとエン
    ジンヘッド間の熱抵抗を小さくして、前記ノズルに供給
    される熱流の前記エンジンヘッドへの放出を促進するよ
    うに構成されていることを特徴とするデポジット低減式
    燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記温度調整手段が、前記ノズルの燃焼室に曝される部
    分の少なくとも一部に配設された熱伝導率の小さい材料
    より成り、前記燃焼室から前記ノズルに供給される熱を
    遮蔽するように構成されている熱遮蔽部材によって構成
    されていることを特徴とするデポジット低減式燃料噴射
    弁。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記熱遮蔽部材を構成する材料の熱伝導率をλ(W/m
    m/K)、該熱遮蔽部材の厚さをt(mm)として、そ
    のλ/tの値が8.5×10-4より小さくなるように設
    定されていることを特徴とするデポジット低減式燃料噴
    射弁。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記熱遮蔽部材が、
    前記ノズルの下端に配設され、噴口の周囲に環状に配設
    さ れていることを特徴とするデポジット低減式燃料噴射
    弁。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記噴口の出口が、該熱遮蔽部材の最下端より上方に位
    置するように配置されていることを特徴とするデポジッ
    ト低減式燃料噴射弁。
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