JPH1089223A - グロープラグ - Google Patents

グロープラグ

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JPH1089223A
JPH1089223A JP26367396A JP26367396A JPH1089223A JP H1089223 A JPH1089223 A JP H1089223A JP 26367396 A JP26367396 A JP 26367396A JP 26367396 A JP26367396 A JP 26367396A JP H1089223 A JPH1089223 A JP H1089223A
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23QIGNITION; EXTINGUISHING-DEVICES
    • F23Q7/00Incandescent ignition; Igniters using electrically-produced heat, e.g. lighters for cigarettes; Electrically-heated glowing plugs
    • F23Q7/001Glowing plugs for internal-combustion engines
    • F23Q2007/002Glowing plugs for internal-combustion engines with sensing means

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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボン付着の問題がなく,精度良くイオン
電流を検出することができ,かつイオン検出用電極の損
傷がなく,耐久性に優れたグロープラグを提供するこ
と。 【解決手段】 本体10は,絶縁体11と,この内部に
設けられた通電発熱体2及び一対のリード線21,22
と,イオン検出用電極3とよりなる。イオン検出用電極
3は,少なくとも上記火炎と接触する露出部分30が,
導電性セラミック粒子により絶縁性セラミック粒子を包
んでなる導電性の混合焼結体よりなると共に,その焼結
助剤として希土類元素の酸化物を1種以上含有してい
る。上記混合焼結体の組織は第1結晶相とその間の粒界
相とよりなり,該粒界相の一部又は全部は結晶化して上
記焼結助剤を含む第2結晶相となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,燃料の着火・燃焼を促進するた
めのグロープラグに関する。
【0002】
【従来技術】近年,ガソリンエンジン,ディーゼルエン
ジンにおいては,環境保護の面から,排気ガスや排気煙
をより一層低減させることが要望されている。そして,
こうした要望に応えるべく,各種のエンジン改良や後処
理(触媒浄化等)により排出ガス低減,燃料・潤滑油性
状の改善,各種のエンジン燃焼制御システムの改善など
が検討されている。
【0003】また,最近のエンジン燃焼制御システムに
おいては,エンジンの燃焼状態を検出することが要請さ
れており,筒内圧,燃焼光,イオン電流等を検出するこ
とによってエンジン燃焼状態を検出することが検討され
ている。特に,イオン電流によりエンジン燃焼状態を検
出することは,燃焼に伴う化学反応を直接的に観察でき
ることから極めて有用と考えられており,種々のイオン
電流検出方法が提案されている。
【0004】例えば,特開平7−259597号公報に
は,燃料噴射ノズルの取り付け座部において,当該噴射
ノズル及びエンジンのシリンダヘッドから絶縁されたス
リーブ状のイオン検出用電極を装着し,これを外部の検
出回路に接続することにより燃料の燃焼に伴うイオン電
流を検出する方法が開示されている。また,米国特許第
4,739,731号では,セラミックグロープラグを
用いたイオン電流検出用センサが開示されている。
【0005】これらの技術では,グロープラグのヒータ
(通電発熱体)表面に白金製の導電層を取着すると共
に,この導電層を燃焼室及びグロープラグ取付金具から
絶縁している。そして,導電層に外部からイオン電流測
定用電源(直流250V)を印加して燃料燃焼に伴うイ
オン電流を検出するようにしている。
【0006】
【解決しようとする課題】ところが,上記従来技術にお
いては,いずれも以下に示す問題がある。即ち,前者の
技術(特開平7−259597号公報)では,イオン電
流検出のために,他の部位より絶縁されたスリーブ状の
イオン検出用電極を設置しなくてはならず,その材料の
選択及びその加工において煩雑な作業が強いられる。そ
のため,イオン検出用電極が非常に,高価な構成となる
という問題がある。さらに,燃料噴射ノズルとイオン検
出用電極との間,及びイオン検出用電極とシリンダヘッ
ドとの間が燃焼室内にて発生するカーボンにより短絡
し,早期に使用不能となるという欠点があった。
【0007】また,後者の技術(米国特許第4,73
9,731号)では,イオン検出用電極を通電発熱体と
は別に設けると共に,両者を別々の電源に接続している
ために構造が複雑になるという欠点があった。また,グ
ロープラグ使用時における急激な温度変化によって,イ
オン検出用電極が熱衝撃により破損するおそれがあっ
た。また,イオン検出用電極の耐熱性及び耐消耗性を確
保するために,白金など高価な貴金属を多量に必要とす
ることから,グロープラグ自体が非常に高価なものとな
る欠点があった。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので,カーボン付着の問題がなく,精度良くイオン電流
を検出することができ,かつイオン検出用電極の損傷が
なく,耐久性に優れたグロープラグを提供しようとする
ものである。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,ハウジングと該
ハウジング内に支持された本体とよりなるグロープラグ
において,上記本体は,絶縁体と,該絶縁体の内部に設
けられた通電発熱体及び該通電発熱体の両端部に電気的
に接続されて絶縁体の外部に導出された一対のリード線
と,上記絶縁体の内部に配設された,火炎中のイオン化
の状態を検出するための,イオン検出用電極とよりな
り,かつ,該イオン検出用電極は,少なくとも上記火炎
と接触する露出部分が,導電性セラミック粒子により絶
縁性セラミック粒子を包んでなる導電性の混合焼結体よ
りなると共に,その焼結助剤として希土類元素の酸化物
を1種以上含有しており,上記混合焼結体の組織は第1
結晶相とその間の粒界相とよりなり,該粒界相の一部又
は全部は結晶化して上記焼結助剤を含む第2結晶相とな
っていることを特徴とするグロープラグにある。
【0010】本発明において最も注目すべきことは,上
記絶縁体の内部に通電発熱体とイオン検出用電極とが配
設されており,また,上記イオン検出用電極は,少なく
とも上記火炎と接触する露出部分が,上記の導電性の混
合焼結体よりなると共に,その焼結助剤として希土類元
素の酸化物を1種以上含有しており,上記混合焼結体の
組織は第1結晶相とその間の粒界相とよりなり,該粒界
相の一部又は全部は結晶化して上記焼結助剤を含む第2
結晶相となっていることである。
【0011】即ち,本発明におけるイオン検出用電極
は,導電性セラミック又は絶縁性セラミックあるいは両
者の結晶相である第1結晶相と,その間に存する粒界相
とよりなる(図3〜図6)。この粒界相は,混合焼結体
においては全体的に非晶質のガラス状であることが一般
的である。これに対し,本発明における粒界相は,その
一部又は全部が結晶化して第2結晶相となっていること
に最大の特徴がある(図7)。
【0012】上記通電発熱体及びイオン検出用電極を絶
縁体中に配設するに当たっては,例えば図9,図10に
示すごとく,予め両者の成形品を作製しておき,これを
絶縁体粉末の中に埋め込んで一体成形する。或いは,予
め別途作製しておいた2つ割の絶縁体成形体の間に上記
通電発熱体の成形品とイオン検出用電極の成形品を挟持
配設する。これらの絶縁体,通電発熱体,イオン検出用
電極のそれぞれの成形品は,例えば,これらの材料であ
るセラミック粉末を主成分とし,これにパラフィンワッ
クスとその他の樹脂を混合した混合物を作製し,これを
射出成形することにより作製する。
【0013】そして,上記イオン検出用電極の成形品を
作製するに当たっては,上記導電性セラミック粒子と絶
縁性セラミック粒子の他に上記希土類元素の酸化物より
なる焼結助剤を添加した原料を用いる。これにより,こ
の原料の混合焼結体は,上記のごとく,第1結晶相とそ
の間の粒界相とよりなり,該粒界相の一部又は全部は結
晶化して上記焼結助剤を含む第2結晶相となる。
【0014】なお,上記通電発熱体,或いは絶縁体につ
いても,上記イオン検出用電極と同様に,導電性セラミ
ック粒子と絶縁性セラミック粒子の他に上記希土類元素
の酸化物よりなる焼結助剤を添加した原料を用いること
が好ましい。これにより,上記通電発熱体,或いは絶縁
体も,第1結晶相の間の粒界相の一部又は全部が結晶化
して第2結晶相を有する優れた組織にすることができ
る。
【0015】次に,本発明の作用効果につき説明する。
まず,本発明のグロープラグは,上記通電発熱体に電流
を通すことにより発熱し,その加熱により燃焼室におけ
る着火及び燃焼を促進させる。また,イオン検出用電極
は,燃焼火炎中のイオン化の状態を検出する。即ち,イ
オン電流の検出時において,イオン検出用電極とそれに
近接する燃焼室の内壁(シリンダヘッド)とは,両者間
に存在する燃料燃焼時のプラスイオン及びマイナスイオ
ンを捕獲するための2電極を形成する。
【0016】これにより,精度良くイオン電流を検出す
ることができ,その情報を燃焼制御に有用に活用するこ
とが可能となる。また,グロープラグに,本来の燃焼室
の加熱機能(グロー機能)とイオン電流検出機能とを付
与しているので,構造がコンパクトで,かつ安価に製造
できる。
【0017】また,イオン検出用電極は,燃料燃焼に伴
ってその表面中にカーボンが付着する場合があるが,そ
の付着カーボンは通電発熱体の加熱動作(例えば,エン
ジンの低温始動時におけるグロー動作)によって焼き切
ることができる。そのため,長期間に渡って正確にイオ
ン電流を検出することができる。
【0018】また,本発明においては,上記イオン検出
用電極は,少なくとも上記火炎と接触する露出部分が,
上記組織構成の混合焼結体よりなる。即ち,混合焼結体
の組織は,第1結晶相とその間の粒界相とよりなり(図
6),粒界相の一部又は全部は結晶化して上記焼結助剤
を含む第2結晶相となっている(図7)。
【0019】そのため,上記粒界相が第2結晶相を持た
ずに非晶質のガラス相である従来の場合に比べて,粒界
相の融点の向上及び耐食性の向上等を図ることができ
る。それ故,イオン検出用電極の耐熱衝撃性,耐酸化
性,耐食性が向上してその損傷を防止することができ,
ひいてはイオン検出精度の信頼性・グロープラグの信頼
性の向上を図ることができる。
【0020】また,本発明のグロープラグは,上記通電
発熱体,リード線及びイオン検出用電極を上記絶縁体の
内部に,一体的に設けているので,構造簡単である。し
たがって,本発明によれば,カーボン付着の問題がな
く,精度良くイオン電流を検出することができ,かつイ
オン検出用電極の損傷がなく,耐久性に優れたグロープ
ラグを提供することができる。
【0021】次に,請求項2の発明のように,上記イオ
ン検出用電極における上記焼結助剤の含有総量は,上記
導電性セラミックと上記絶縁性セラミックの総量に対し
て3〜25重量%であることが好ましい。3重量%未満
の場合には,上記混合焼結体の緻密化を促進できず,ま
た上記粒界相において第2結晶相を形成することが困難
であるという問題がある。一方,25重量%を超える場
合には,粒界相が結晶化せずにガラス相を形成し,粒界
相が低融点となり,熱衝撃,耐食性が劣化するという問
題がある。
【0022】また,請求項3の発明のように,上記イオ
ン検出用電極における上記第2結晶相は,上記粒界相中
に5%以上存在することが好ましい。5%未満の場合に
は,第2結晶相の存在による高融点化,耐酸化性及び耐
食性向上等の上記効果があまり発揮されないという問題
がある。
【0023】また,請求項4の発明のように,上記絶縁
性セラミックは窒化珪素であり,上記導電性セラミック
は金属の炭化物,珪化物,窒化物,又はホウ化物の1種
又は2種以上であることが好ましい。この場合には,容
易に上記第2結晶相を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるグロープラグにつき,図1
〜図14を用いて説明する。本例のグロープラグは,デ
ィーゼルエンジンの始動補助装置として用いられる,セ
ラミックグロープラグである。本例のグロープラグ1
は,図1に示すごとく,本体10と該本体10を装着す
るハウジング4とからなる。上記本体10は,絶縁体1
1と,該絶縁体11の内部に設けられた通電発熱体2及
び該通電発熱体2の両端部に電気的に接続されて絶縁体
11の外部に導出された一対のリード線21,22とを
有する。
【0025】また,上記絶縁体11の内部に配設され
た,火炎中のイオン化の状態を検出するための,イオン
検出用電極3を有する。本例のイオン検出用電極3は,
上記火炎と接触する露出部分30を含みその全体が,導
電性セラミック粒子により絶縁性セラミック粒子を包ん
でなる導電性の混合焼結体よりなると共に,その焼結助
剤として希土類元素の酸化物を1種以上含有している。
【0026】そして,図3〜図6に示すごとく,上記混
合焼結体の組織は第1結晶相K(図6)とその間の粒界
相Rよりなる。そして,図7に示すごとく,該粒界相R
の一部又は全部は結晶化して上記焼結助剤を含む第2結
晶相Hとなっている。即ち,図3〜図5は,混合焼結体
の断面組織のSEM写真であってそれぞれ倍率が350
倍,1000倍,2000倍である。この図3〜図5に
おける黒い部分と白い部分が上記第1結晶相Kであり,
黒い部分がSi3 4 結晶相であり,白い部分がMoS
2 結晶相である。そして,黒い部分と白い部分の境界
部分の幅数nmの範囲が粒界相Rである。
【0027】また,図6は,上記の組織を分かりやすく
するための説明図であり,3つのSi3 4 よりなる第
1結晶相Kの間に粒界相Rが存在している状態を示して
ある。また,図7は,図6中におけるM部分を拡大した
状態を示しており,粒界相が結晶化して第2結晶相Hと
して存在することを示している。これらの図に示された
粒界相Rは,X線回折の結果,60%以上が結晶化して
いることが分かった。
【0028】また,その結晶は,本例の焼結助剤がY2
3 であるため,図8に示すSi34 ,SiO2 ,Y
2 3 三元状態図中に示されるA点のアパタイト(Y10
(SiO4 6 2 ),B点のワレストナイト(YSi
2 N),C点のYAM(Y4 Si2 7 2 ),D点
のメリライト(Y2 Si3 3 4 )の4種類の内1種
以上含んでいることが分かった。ここで,SiO2 は,
原料の絶縁性セラミックとしてのSi3 4 中に不純物
として含まれているものである。また,上記結晶は,耐
酸化性に優れているA点のアパタイト(Y10(Si
46 2 )の割合を高くするのが好ましい。尚,結
晶化の有無については,X線回折とTEMにより確認す
ることができる。また,従来においては,上記粒界相R
がガラス相になっている。
【0029】また,上記本体10は,図1,図2に示す
ごとく,金属製のハウジング4内に,金属製の環状支持
体41を介して,固定されている。そして,上記通電発
熱体2の一方のリード線21は,絶縁体11の内部を上
昇して,本体10の側面に設けた導電性の端子部23を
介して内部リード線231に電気的に接続されている。
また,他方のリード線22は,上記環状支持体41を介
してハウジング4に電気的に接続されている。また,上
記イオン検出用電極3の上部は,絶縁体11の上端部に
設けた導電性の端子部31を介して内部リード線33に
電気的に接続されている。
【0030】一方,ハウジング4は,上記環状支持体4
1を有し,図2に示すごとく,その上部に保護筒42を
有している。また,ハウジング4は,エンジンのシリン
ダヘッド45へ装着するための,雄ねじ部43を有す
る。上記保護筒42の上方開口部には,ゴムブッシュ4
21が嵌合されている。また,該ゴムブッシュ421に
は,外部リード線233,333が貫挿され,これらは
それぞれ接続端子232,332を介して,上記内部リ
ード線231,33に接続されている。したがって,外
部リード線233は通電発熱体2の一端に,外部リード
線333はイオン検出用電極3にそれぞれ電気的に導通
されている。
【0031】なお,通電発熱体2の他端は,上記のごと
く,環状支持体41を介してハウジング4に電気的に導
通している(図1)。また,本体10の先端部(下端
部)は,図1に示すごとく,半球面形状に形成されてお
り,イオン検出用電極3の先端30が露出している。
【0032】次に,上記グロープラグ本体10を製造す
るに当たっては,まず図9,図10に示すごとく,U字
状の通電発熱体2の成形品29と棒状のイオン検出用電
極3の成形品39を準備する。これらの成形品29,3
9は,それぞれ通電発熱体2及びイオン検出用電極3用
のセラミック粉末を主成分とし,これにパラフィンワッ
クスとその他の樹脂とを混合し,その混合物を用いて射
出成形する。或いは粉末をそのままプレス成形により作
製する。なお,成形と同時にリード線21,22を接続
する。リード線はタングステン,モリブデン等の高融点
金属又はその合金からなる。
【0033】そして,成形品29,39は,絶縁体11
用のセラミック粉末の中に埋設し,これらをホットプレ
スにて一体的に加圧焼成する。焼成は,1気圧のアルゴ
ンガス雰囲気下,500kgf/cm2 のプレス圧力に
より行い,焼結助剤量の変更による焼成温度条件の変化
に対しては,各々最適な条件で行い,焼成温度は,15
00〜1900℃の範囲で行った。これにより,通電発
熱体2及びイオン検出用電極3を内蔵したグロープラグ
本体10が得られる。
【0034】なお,本例におけるイオン検出用電極3用
の原料としては,絶縁性セラミックとしての窒化珪素
(Si3 4 )と,導電性セラミックとしての珪化モリ
ブデン(MoSi2 )と,焼結助剤としての酸化イット
リウム(Y2 3 )との混合物を用いた。そして,Si
3 4 の粒径をMoSi2 より大きくすることにより,
絶縁性のSi3 4 粒子が,互いに連続する導電性のM
oSi2 粒子で包まれた組織となり,導電性を発揮す
る。具体的には,例えば,平均粒径1μmのMoSi2
と平均粒径13μmのSi3 4 を用いる。また,通電
発熱体2は,上記イオン検出用電極3と同様のものを使
用した。
【0035】絶縁体11は,導電性セラミックであるM
oSi2 と,絶縁性セラミックであるSi3 4 を基本
成分とし,焼結助剤としてY2 3 を添加したセラミッ
ク焼結体よりなる。そして,Si3 4 の粒径を,Mo
Si2 と同じかやや小さくすることにより,導電性のM
oSi2 粒子が絶縁性のSi3 4 粒子で囲まれて分断
された組織となり,絶縁性を発現する。具体的には,例
えば,平均粒径0.9μmのMoSi2 と,平均粒径
0.6μmのSi3 4 を用いることができる。
【0036】上記通電発熱体2,イオン検出用電極3ま
たは絶縁体11における導電性セラミックとしては,上
記したMoSi2 以外の金属の炭化物,珪化物,窒化
物,またはホウ化物を用いてもよく,これらの少なくと
も一種を使用する。導電性セラミックと絶縁性セラミッ
クの配合割合は,例えば10〜40:90〜60(重量
%)の範囲で適宜選択される。
【0037】通電発熱体2,イオン検出用電極3,絶縁
体11で同一またはそれに近い配合割合とすれば熱膨張
計数等の差が小さくなるのでより好ましい。焼結助剤と
しては,Y2 3 以外の希土類元素の酸化物,例えばイ
ッテルビウム,ランタン,ネオジム等の酸化物を用いて
もよく,これらから選ばれる一種以上を使用する。
【0038】次に,上記のごとく本体10とハウジング
4などとによって構成したグロープラグ1は,図11に
示すごとく,エンジンのシリンダヘッド45に対して,
ハウジンク4の雄ねじ部を螺合することにより装着す
る。これにより,グロープラグ本体10の先端部が,シ
リンダヘッド45の燃焼室の一部である渦流室451に
突出した状態で装着される。なお,符号457は主燃焼
室,458はピストン,459は燃料噴射ノズルであ
る。
【0039】また,上記グロープラグ1は,図11に示
すごとく,グロープラグ作動回路に接続される。即ち,
通電発熱体2の一端のリード線21は,外部リード線2
33,グローリレー53,531,及び12ボルトのバ
ッテリ54を介して,金属製のシリンダヘッド45に接
続されている。更に,シリンダヘッド45,ハウジング
4,環状支持体41,本体10のリード線22(図1)
を介して,通電発熱体2の他端に接続されている。これ
により,通電発熱体2の加熱用回路が形成される。
【0040】また,イオン検出用電極3の外部リード線
333は,イオン電流検出用抵抗521,直流電源51
を介してシリンダヘッド45に接続されている。また,
上記イオン電流検出用抵抗521には,イオン電流を検
出するための電位差計522が設けられ,これはECU
(電子制御装置)52に接続されている。また,ECU
52には,上記グローリレー53,531,エンジン冷
却水の水温センサ525,エンジンの回転数センサ52
6が接続されている。
【0041】上記図11に示した,グロープラグ1の使
用に当たっては,まずエンジンの始動時においては,E
CU52により,グローリレー53,531がオンとさ
れる。そのため,バッテリ54とグロープラグの通電発
熱体2との間が閉路となり,グロープラグ本体10の通
電発熱体2が通電され発熱する。そのためグロープラグ
1は加熱状態となり,渦流室451が加熱され,着火温
度に上昇する。そこで,燃料噴射ノズル459から,燃
料が噴射されると,その都度該燃料が着火され,ピスト
ン458が作動し,エンジンが駆動される。
【0042】一方,燃料が燃焼している際には,前記の
ごとく,イオンが発生するので,そのイオン電流をイオ
ン検出用電極3,イオン電流検出用抵抗521及び電位
差計522により検出する。即ち,グロープラグ本体1
0の上記イオン検出用電極3とシリンダヘッド45との
間には12ボルトの直流電源51によって電圧が印加さ
れている。
【0043】そこで,渦流室451内における,燃焼火
炎帯の活性イオンの発生に伴い,イオン電流検出用抵抗
521を含む電流経路にイオン電流が流れる。なお,イ
オン電流検出用抵抗521は,約500kΩで,これを
流れるイオン電流は,その両端の電位差として電位差計
522により検出される。
【0044】ここで,イオン電流の検出原理を略述す
る。燃料噴射ノズル459からの噴射燃料が渦流室45
1で燃焼されると,その燃焼火炎帯ではイオン化された
プラスイオンとマイナスイオンが大量に発生する。この
とき,上記イオン検出用電極3とそれに対面するシリン
ダヘッド45との間にバッテリ電圧が印加されているの
で,イオン検出用電極3にはマイナスイオンが捕獲され
ると共に,シリンダヘッド45にはプラスイオンが捕獲
される。その結果,上記の電流経路が形成され,この電
流経路を流れるイオン電流がイオン電流検出用抵抗52
1の両端の電位差として検出される。
【0045】一方,ECU52は,CPU,ROM,R
AM,入出力回路等からなる周知のマイクロコンピュー
タやA/D変換器(共に図示略)を中心に構成され,前
記電位差計522により検出された検出信号を入力す
る。また,ECU52には,エンジン冷却水の温度を検
出するための水温センサ525の検出信号や,エンジン
クランク角に応じてエンジン回転数を検出するための回
転数センサ526の検出信号が入力され,ECU52は
各検出信号に基づいて水温Tw,エンジン回転数Neを
検知する。
【0046】上記ECU52は,ディーゼルエンジンの
低温始動時において,グロープラグ1の通電発熱体2を
加熱させて燃料の着火及び燃焼を促進させる。また,デ
ィーゼルエンジンの始動直後において,イオン電流を検
出する。なお,エンジン始動当初においては,グローリ
レー53,531がオンの状態にあり,通電発熱体2は
加熱状態に保持されるようになっている。
【0047】以下,図12のフローチャートを用いて,
上記グローリレー53,531のオン,オフ切り替え処
理を説明する。図12は,所定の時間の割り込み処理に
より実行される。まず,図12の処理がスタートする
と,ECU52は,先ずステップ11でエンジン暖機完
了後であり,且つグローリレー53,531がオフであ
るか否かを判別する。エンジン始動当初においては,ス
テップ11が否定判別され,ECU52は続くステップ
12で水温Tw及びエンジン回転数Neを読み込む。
【0048】その後,ステップ13で水温Twが所定の
暖機完了温度(本実施形態例では,60℃)以上である
か否かを判別すると共に,ステップ14でエンジン回転
数Neが所定回転数(本実施形態例では,2000rp
m)以上に達しているか否かを判別する。このときステ
ップ13,14が共に否定判別されれば,エンジンの暖
機が完了しておらず,グロープラグの通電発熱体2によ
る加熱が必要であるとみなし,ステップ15に進む。
【0049】また,ステップ13,14のいずれかが肯
定判別されれば,エンジンの暖機が完了,或いはグロー
プラグ1による加熱が不要であるとみなし,ステップ1
6に進む。
【0050】ステップ15に進んだ場合は,グローリレ
ー53,531はオンのまま維持される。この状態で
は,グロープラグ1の発熱作用によって燃料の着火及び
燃焼が継続される。また,ステップ16に進んだ場合,
ECU52は,グローリレー53,531をオフとす
る。
【0051】次に,図13(A)は,オシロスコープを
用いて燃料燃焼時に発生するイオン電流を観察した際の
電流波形図である。同図において,燃料噴射時期(圧縮
TDC)直後に電圧が急上昇している波形が燃料の燃焼
によるイオン電流波形であり,A点が燃焼の開始位置,
即ち着火時期に相当する。また,このイオン電流波形に
は,2つの山が観測される。つまり,燃焼初期には,拡
散火炎帯の活性イオンにより第1の山B1が観測され,
燃焼中後期には筒内圧上昇による再イオン化により第2
の山B2が観測される。
【0052】この場合,ECU52は,イオン電流波形
の第1の山B1から実際の着火時期を検出すると共に,
検出された実際の着火時期と目標着火時期との差をなく
すべく着火時期のフィードバック制御を実施する。ま
た,ECU52は,イオン電流波形の第2の山B2から
異常燃焼,失火等の燃焼状態を検出し,その検出結果を
燃料噴射制御に反映させる。こうしてイオン電流をエン
ジンの燃料噴射制御に反映させることにより,きめ細か
くエンジンの運転状態を制御することが可能となる。
【0053】次に,グロープラグのイオン検出用電極3
に,燃料燃焼により発生したカーボン(スス)が付着し
た状態,即ち燻りが発生したときには,図13(B)に
示すごとく,イオン電流が燃料噴射時期の前には低く,
その後には上昇していくという現象が発生する(図13
の(A)と(B)を比較)。なお,図13(B)のIt
hは燻り状態を判別しグローリレー53,531をオン
にするか否かを判断するための波高値の判定レベル(し
きい値)を表している。そこで,このような燻り現象が
発生したときには,上記グローリレー53,531をオ
ンとし,通電発熱体2を加熱し,上記の付着カーボンを
焼き切る操作を行なう。
【0054】図14は,このカーボン焼き切り操作を,
上記図11の回路におけるECU52により行なうフロ
ーチャートである。即ち,同図のステップ21におい
て,グローリレー53,531がオフの状態にあると
き,ステップ22において,燃料噴射時期に上記のごと
き異常イオン電流(図13B)が検出されたか否か判定
する。否であれば,ステップ24に進み,グローリレー
53,531はオフのままとする。一方,異常イオン電
流が検出されたときには,ステップ23に進み,グロー
リレー53,531をオンとし,グロープラグの通電発
熱体2を加熱してカーボンを焼失させる。
【0055】上記のごとく,本例のグロープラグにおい
ては,絶縁体11の内部に通電発熱体2とリード線2
1,22とイオン検出用電極3とを設けてあり,これら
は一体的に構成されている。そのため,通電発熱体2に
よるグロー動作(加熱動作)と,イオン検出用電極3に
よるイオン電流検出とを1つのグロープラグにより達成
できる。
【0056】また,イオン検出用電極3にカーボンが付
着した場合にも,該イオン検出用電極3の近くにある通
電発熱体2を通電加熱することにより,上記カーボンを
焼き切り,イオン検出用電極3を正常状態にすることが
できる。そのため,イオン電流を精度良く検出すること
ができる。また,絶縁体11の先端部は,半球形状とし
てあるので,燃焼室内における熱衝撃を吸収することが
できる。
【0057】さらに本例においては,粒界相が結晶化し
て第2結晶相を有する。そのため,本例のイオン検出用
電極の耐久性を向上させることができる。即ち,粒界相
がガラス相である場合には,ガラス相が比較的低融点で
あるため,グロープラグの実使用時の高温状態(最高1
400℃程度)において粒界相が軟化,溶出する場合が
ある。そして,このガラス相に噴霧燃料が直撃すると,
その熱衝撃によりイオン検出用電極表面にクラックが発
生する。
【0058】これに対し,本例においては,上記のごと
く粒界相Rの大部分が結晶化して第2結晶相Hなってい
る。この第2結晶相は,ガラス相よりも高融点であり,
従来のように軟化,溶出をするおそれがない。それ故,
本例のイオン検出用電極は,熱衝撃に強く,損傷するこ
とがない。
【0059】実施形態例2 本例においては,本発明の効果を確認するために次の試
験を行った。まず,以下のようにして試験用の試料を作
製した。絶縁体,通電発熱体,イオン電流検出用電極の
基本成分をいずれも70Si3 4 −30MoSi
2 (重量%)とし,絶縁体は平均粒径が0.9μmのM
oSi2 と平均粒径が0.6μmのSi3 4 を,通電
発熱体及びイオン検出用電極には平均粒径が0.9μm
のMoSi2 と平均粒径が13μmのSi3 4 を使用
した。
【0060】焼結助剤としてはY2 3 を用い,その添
加量を絶縁体と通電発熱体とにおいて同量として,上記
実施形態例1(図2)の構成のイオン電流検出用電極付
きセラミックグロープラグを作製した。Si3 4 とM
oSi2 の総量に対するY23 の添加量を,1〜30
重量%の範囲内において表1に示すように変更し,試料
No.1〜6とした。次いで通電発熱体,イオン電流検
出用電極,絶縁体ともにY2 3 7重量%,Al2 3
3重量%とした従来の組成によるヒータを作製し,比較
用の試料(No.7)とした。
【0061】上記試料No.1〜7を用い,まず,通電
の繰り返しによる抵抗値変化をしらべるため,通電1
分,非通電1分の繰り返しを1サイクルとした冷熱試験
を行った。このときのヒータ温度は初期に通電時の発熱
による飽和温度を1400℃にし,非通電時はファンに
よりヒータ温度を100℃以下に冷却した。評価は各試
料につき4本ずつ同様の試験を実施して,そのうちの1
本が抵抗値上昇により通電時のヒータ飽和温度が100
℃低下して1300℃になったサイクル数を寿命サイク
ルとした。表1に結果を示す。また,この時のガラス相
の溶出の有無を表1に併せて記した。
【0062】次に,クラックの発生に関し,水中スポー
リング試験を行った。まず,グロープラグに通電し,所
定の飽和温度に発熱させた後,20℃の水中に環状支持
体から突出しているグロープラグ本体先端部を浸漬さ
せ,表面に発生するクラックの有無を調査することによ
り評価した。
【0063】具体的には,飽和温度を500℃として水
中スポーリング試験を行い,クラックが発生していなけ
れば,飽和温度を100℃上げ,600℃として水中ス
ポーリング試験を行った。このようにして1400℃ま
で,もしくはクラックが発生するまで,100℃ずつ温
度を上げて評価した。評価は各試料について4本ずつ同
様の試験を実施し,結果を表1に併記した。
【0064】表1より,冷熱試験,ガラス溶出について
は,Y2 3 を単独で添加した試料No.1〜6のいず
れも,従来組成の試料No.7に比べ,寿命が向上して
いる。なお,寿命サイクルは市場での信頼性を考慮する
と10000サイクル以上であることが好ましく,試料
No.1〜6では10000〜15000ダイクルと良
好な結果が得られている。
【0065】また,クラックの発生についても,試料N
o.1〜6ともに試料No.7より改善されており,特
に,Y2 3 の添加量を3〜25重量%とした試料N
o.2〜5では1400℃においてもクラックの発生が
全く見られなかった。以上より,Y2 3 を3〜25重
量%添加することで,1400℃という高温使用におい
て抵抗値変化が小さく,ガラス溶出がなく,耐熱衝撃性
のよいイオン検出用電極付きセラミックグロープラグが
得られることがわかる。
【0066】
【表1】
【0067】実施形態例3 本例においては,焼結助剤としてY2 3 の他に,他の
希土類元素の酸化物を添加した試料を作製した。基本成
分は,実施形態例2と同一とし,焼結助剤の種類と添加
量を表2のように変更した。焼結助剤の添加量は通電発
熱体,イオン検出用電極,と絶縁体において全て同量と
した。そして,実施形態例2と同様にして試料を作製し
(試料No.8〜16),評価を行った。結果を表2に
併記する。
【0068】表2の結果を従来組成の試料No.7(表
1)と比較すると,全試料において冷熱試験結果が向上
しており,ガラス溶出,クラックの発生も見られない。
このように,Y2 3 と他の希土類元素の酸化物を組み
合わせた場合でも,添加総量を3〜25重量%とするこ
とにより,通電発熱体の抵抗値変化が小さく,ガラス溶
出がなく,耐熱衝撃性のよいイオン検出用電極付きセラ
ミックグロープラグが得られる。
【0069】
【表2】
【0070】実施形態例4 本例においては,焼結助剤としてY2 3 以外の希土類
元素の酸化物を1種以上添加した試料を作製した。希土
類元素の酸化物として,Yb2 3 ,La2 3 ,Nd
2 3 ,およびこれらを組み合わせたものを用い,それ
ぞれにつき,焼結助剤の添加総量が3重量%,25重量
%の2種類の試料を作製した。基本成分は実施形態例2
と同一とし,焼結助剤の添加量は通電発熱体,イオン検
出用電極,絶縁体において全て同量とした。そして,実
施形態例2と同様にして試料を作製し(試料No.17
〜26),評価を行った。結果を表3に示す。
【0071】表3の結果を従来組成の試料No.7(表
1)と比較すると,全試料において冷熱試験結果が向上
しており,ガラス溶出,クラックの発生も見られない。
このように,焼結助剤としてはY2 3 以外の他の希土
類元素の酸化物のいずれを使用してもよく,その添加総
量を3〜25重量%とすることで,同様の効果が得られ
ることがわかる。
【0072】
【表3】
【0073】以上実施形態例2〜4の結果より,焼結助
剤として希土類元素の酸化物を1種以上使用し,その添
加総量を3〜25重量%とすることにより,抵抗値変化
が小さく,ガラス溶出がなく,耐熱衝撃性のよいイオン
検出用電極付きグロープラグが実現できることがわか
る。
【0074】実施形態例5 本例は,焼結助剤として10重量%のY2 3 の他に,
Al2 3 を0.01〜7重量%添加して,Si3 4
の粒界相をガラス相と結晶相の混合体とした試料を作製
した(試料No.27〜35)。試料の作製は,実施形
態例2と同様に行った。また,評価方法も実施形態例2
と同様に,冷熱試験と水中スポーリング試験により行っ
た。その結果を表4に示す。なお,粒界相中の結晶相の
割合は結晶化率により表している。結晶化率は,X線回
折装置の結晶相ピーク強度と透過電子顕微鏡の原子構造
との比較を行いながら,算出した。
【0075】表4の結果より,従来組成(試料No.2
7)の結晶化率0%のものより,少しでも結晶化してい
る試料No.28〜35は,いずれも寿命が向上してい
ることがわかる。その中でも,試料No.30〜35の
結晶化率が5%以上のものは,極めて良好な結果が得ら
れた。また,水中スポーリング試験におけるクラック発
生温度についても,試料No.30〜35までの結晶化
率5%以上のものは良好な結果が得られている。
【0076】以上より,特に結晶化率5%以上のもの
は,寿命サイクルが長く,ガラス溶出が無く,耐熱衝撃
性の良い,イオン検出用電極付きセラミックグロープラ
グが実現できる。なお,本例は焼結助剤としてY2 3
とAl2 3 添加の場合を示したが,その他の希土類酸
化物の焼結助剤を利用しても同様の結果が得られる。
【0077】
【表4】
【0078】実施形態例6 上記の実施形態例2〜5においては導電性セラミックと
してMoSi2 を用いた場合について示したが,導電性
セラミックとして他の金属の炭化物,窒化物,ホウ化物
を用いた場合においても同様の効果が得られる。本例に
おいては,これを確認するため,表5に示すごとく,導
電性セラミックをWC,TaC,TiN,ZrB2 に変
更し,それぞれについて,焼結助剤の添加量を上記試料
No.3(Y2 3 :10重量%),試料No.7(Y
2 3 :7重量%,Al2 3 :3重量%)と同じにし
た2種類の試料を作製し(試料No.36〜43),実
施形態例2と同様の試験を行った。
【0079】結果を表5に併記する。表5より明らかな
ように,導電性セラミックの種類を変更した場合におい
ても,Y2 3 添加量を10重量%添加して粒界相に結
晶相を設けることにより,抵抗値変化が小さく,ガラス
溶出がなく,耐熱衝撃性のよいイオン検出用電極付きセ
ラミックグロープラグが得られる。なお,その他の希土
類酸化物1種以上を焼結助剤に利用しても同様の効果が
得られる。
【0080】
【表5】
【0081】実施形態例7 本例は,図15に示すごとく,実施形態例1のグロープ
ラグ作動回路(図11)を変更したもので,実施形態例
1のバッテリ54と直流電源51とを,1個のバッテリ
55のみに代えたものである。なお,イオン電流検出用
抵抗521とバッテリ55との間には,定電流,定電圧
回路524を介在することもできる。この場合には,回
路構成の簡素化とコスト低減の効果がある。
【0082】その他は,実施形態例1と同様である。本
例においても,実施形態例1と同様の効果を得ることが
できる。また,特に,本例においては,定電流・定電圧
回路524を介在する事で1つのバッテリーでも,グロ
ープラグ発熱時に生じるイオン検出用電極への印加電圧
の変動を防止し,安定した検出性能が維持できるという
効果を得ることができる。
【0083】実施形態例8 本例は,図16に示すごとく,イオン検出用電極3を,
U字状の通電発熱体2の下端に一体的に設けた例であ
る。本例におけるイオン検出用電極3は,実施形態例1
と同様に,その粒界相に第2結晶相を有する。また,通
電発熱体2の一方のリード線220を,絶縁体11の上
端に設けた端子部31に接続し,リード線220とイオ
ン検出用電極3との端子部を共用した。
【0084】この場合の作動回路を図17に示す。同図
より知られるように,通電発熱体2の加熱用回路とイオ
ン電流検出回路には,それぞれグローリレー53,53
1,イオンリレー530を設けてあり,これらはECU
52からの指令信号により,スイッチ切替されるよう構
成されている。そして,作動状態としては常に通電発熱
体加熱状態か,イオン電流検出状態のどちらか一方の回
路構成となるようになっている。その他は,実施形態例
1と同様の効果を得ることができる。なお,本例では,
上記端子部31を通電発熱体2とイオン検出用電極3の
端子部として共用しているので,構造が簡単である。
【0085】実施形態例9 本例は,図18に示すごとく,実施形態例4におけるイ
オン検出用電極3の露出部分30を含む先端部分301
だけにおいて,その粒界相を結晶化させた。そして,先
端部分301以外の他部分302は,従来と同様に粒界
相をガラス相とした。その他は実施形態例4と同様であ
る。この場合においても,イオン検出用電極3の露出部
分30の破損がなく,実施形態例4と同様の効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,(A)グロープラグ本
体の断面図,(B)上記(A)のA−A線矢視断面図。
【図2】実施形態例1における,グロープラグの全体説
明図。
【図3】実施形態例1における,イオン検出用電極の混
合焼結体組織を示す図面代用写真(倍率350倍)。
【図4】実施形態例1における,イオン検出用電極の混
合焼結体組織を示す図面代用写真(倍率1000倍)。
【図5】実施形態例1における,イオン検出用電極の混
合焼結体組織を示す図面代用写真(倍率2000倍)。
【図6】実施形態例1における,イオン検出用電極の混
合焼結体組織を示す説明図。
【図7】図6のM部分の拡大説明図。
【図8】Si3 4 −SiO2 −Y2 3 の三元系状態
図における,第2結晶相の組成を示す説明図。
【図9】実施形態例1における,通電発熱体の成形体の
斜視図。
【図10】実施形態例1における,イオン検出用電極の
成形体の斜視図。
【図11】実施形態例1における,グロープラグ作動回
路図。
【図12】実施形態例1における,グロープラグ作動シ
ステムの,グロープラグ始動時のフローチャート。
【図13】実施形態例1における,(A)正常時のイオ
ン電流,(B)燻り時のイオン電流を示す図。
【図14】実施形態例1における,燻り判定フローチャ
ート。
【図15】実施形態例7における,グロープラグ作動回
路図。
【図16】実施形態例8における,(A)グロープラグ
本体の断面図,(B)上記(A)のB−B線矢視断面
図。
【図17】実施形態例8における,グロープラグ作動回
路図。
【図18】実施形態例9における,グロープラグ本体の
断面図。
【符号の説明】
1...グロープラグ, 10...本体, 11...絶縁体, 2...通電発熱体, 21,22,220...リード線, 3...イオン検出用電極, 4...ハウジング, 45...シリンダヘッド, 451...渦流室, K...第1結晶相, R...粒界相, H...第2結晶相,

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと該ハウジング内に支持され
    た本体とよりなるグロープラグにおいて,上記本体は,
    絶縁体と,該絶縁体の内部に設けられた通電発熱体及び
    該通電発熱体の両端部に電気的に接続されて絶縁体の外
    部に導出された一対のリード線と,上記絶縁体の内部に
    配設された,火炎中のイオン化の状態を検出するため
    の,イオン検出用電極とよりなり,かつ,該イオン検出
    用電極は,少なくとも上記火炎と接触する露出部分が,
    導電性セラミック粒子により絶縁性セラミック粒子を包
    んでなる導電性の混合焼結体よりなると共に,その焼結
    助剤として希土類元素の酸化物を1種以上含有してお
    り,上記混合焼結体の組織は第1結晶相とその間の粒界
    相とよりなり,該粒界相の一部又は全部は結晶化して上
    記焼結助剤を含む第2結晶相となっていることを特徴と
    するグロープラグ。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記イオン検出用電
    極における上記焼結助剤の含有総量は,上記導電性セラ
    ミックと上記絶縁性セラミックの総量に対して3〜25
    重量%であることを特徴とするグロープラグ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記イオン検
    出用電極における上記第2結晶相は,上記粒界相中に5
    %以上存在することを特徴とするグロープラグ
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記絶縁性セラミックは窒化珪素であり,上記導電性セ
    ラミックは金属の炭化物,珪化物,窒化物,又はホウ化
    物の1種又は2種以上であることを特徴とするグロープ
    ラグ。
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