JPH1089869A - 温度傾斜型多段冷却器 - Google Patents
温度傾斜型多段冷却器Info
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Abstract
に、従来の気液分離装置と互換性を有し、従来の気液分
離装置の一部を本発明に係る冷却器と置換することによ
り、当該気液分離装置の溶媒回収率を飛躍的に向上させ
ることのできる温度傾斜型多段冷却器を得ることを目的
とする。 【解決手段】 本発明の温度傾斜型多段冷却器は、鉛直
上方に開口を有して寒剤を収納し、所定空間を有する2
重壁により構成された外部冷却筒において第1の冷却工
程がなされ、前記外部冷却筒内の実質的な同軸上に配設
された垂直管路において第2の冷却工程がなされ、前記
垂直管路に貫通された内部冷却筒において第3の冷却工
程がなされる多段冷却構成であり、第1の冷却工程から
徐々に冷却能力を高め、溶媒蒸気が希薄となる第3の冷
却工程において実質的に最も強く冷却するように構成し
た。
Description
レーターや試験管試料濃縮装置等から発生した溶質を含
んだ溶媒蒸気を気液分離して、溶媒を回収する気液分離
装置の温度傾斜型多段冷却器に関するものである。
において使用される各種溶媒等の排出基準が非常に厳し
く規制されており、海外諸国においてもこの排出規制が
強化されてきている。しかしながら、従来の気液分離装
置は溶媒回収率が低く厳しい排出基準をクリアすること
ができなかった。このため、試験研究施設等において
は、厳しい排出規制に対処するために、従来の気液分離
装置に複数のトラップ装置を直列に接続して、複数回の
溶媒回収を行い、溶媒蒸気から溶媒を回収しなければな
らなかった。従来の気液分離装置は、ロータリーエバポ
レーターや試験管試料濃縮装置等から発生した溶媒蒸気
をデュワー瓶型冷却器や蛇管式の縦型冷却器等により冷
却して、気液分離を行っていた。デュワー瓶型冷却器は
非凝固性の低沸点溶媒、例えばジエチルエーテルやジク
ロロメタン等の溶媒回収において使用されており、蛇管
式の縦型冷却器は凝固性溶媒、例えば凝固点が+5.5
℃のベンゼン等の溶媒回収において使用されていた。こ
のため、従来の溶媒回収においては溶媒の種類に応じて
冷却器を選択しなければならなかった。また、従来の気
液分離装置においては、溶媒回収が完全ではないため真
空源としてテフロン弁付隔膜式真空ポンプを用いた方が
好ましいのであるが、テフロン弁付隔膜式真空ポンプは
高価であるためあまり普及しておらず、実際には水流ポ
ンプの方が広く用いられており、環境汚染の点で問題が
あった。
媒回収のシステムを示す系統図である。図11に示す気
液分離装置は、断面にて示したデュワー瓶型冷却器10
1を用いたロータリーエバポレーター100である。こ
のロータリーエバポレーター100は、固定部104に
保持された試料フラスコ102がジャッキにより上下に
移動するように構成されている。この試料フラスコ10
2がバス部103に浸漬され、試料フラスコ102内の
試料が溶媒蒸気となり、デュワー瓶型冷却器101へ導
かれている。デュワー瓶型冷却器101の下方から導入
された溶媒蒸気は、デュワー瓶型冷却器101の側面通
路を通り、上方の排気口101aから排出されるよう構
成されている。デュワー瓶型冷却器101の内部には寒
剤であるドライアイス等が収められている。このデュワ
ー瓶型冷却器において、溶媒蒸気は液化され受フラスコ
105に捕集される。図11に示すように、デュワー瓶
型冷却器101の排気口101aには3つのトラップ装
置110、111、112が直列に接続されている。こ
れらのトラップ装置には、溶媒蒸気から溶媒を留去する
真空トラップ110a、111a、112aと、この真
空トラップ110a、111a、112aを所定温度に
冷却保持するトラップ用デュワー瓶110b、111
b、112bがそれぞれ設けられている。トラップ装置
110、111、112における寒剤にはアセトンとド
ライアイスを使用している。最後のトラップ装置112
の排気口は圧力計113及びT字管を介して真空源であ
る水流ポンプ114に接続されている。また、T字管は
リークバルブ115を介してニードルバルブ116に接
続されている。
気液分離装置においては、回収対象の溶媒に応じて気液
分離装置の冷却器を選択しなければならず、溶媒回収が
非常に繁雑な作業をともなっていた。また、従来の気液
分離装置においては溶媒回収率が低いため、真空源とし
て水流ポンプを用いれば排水を汚染し、テフロン弁付隔
膜式真空ポンプを用いれば研究室内の環境が悪化する等
の恐れがあり安全性の点で問題があった。さらに、この
ような従来の気液分離装置により厳しい排出規制に対処
するためには、従来の気液分離装置に複数のトラップ装
置を直列に接続して、複数回の溶媒回収を行わなければ
ならず、溶媒回収のために多大な時間と費用が掛かり、
このような気液分離システムを設置するために広いスペ
ースが必要であった。
のであり、優れた溶媒回収率を有し、一台の気液分離装
置により各種の溶媒を確実に回収して厳しい排出規制に
対処することのできる、操作性に優れた温度傾斜型多段
冷却器を得ることを目的とする。また、本発明は、従来
の気液分離装置との互換性を有し、従来の気液分離装置
の一部を本発明に係る温度傾斜型多段冷却器と置換する
ことにより、従来の気液分離装置の溶媒回収率を飛躍的
に向上させることのできる気液分離装置を得ることを目
的とする。さらに、本発明は、容易に製造できる構造を
有し、短時間で製造でき、従来の気液分離装置に比べて
製造コストが大幅に削減された気液分離装置を得ること
を目的とする。
冷却器は、鉛直上方に開口を有して寒剤を収納する実質
的な筒状体であり、その側面が所定空間を有する2重壁
により構成され、前記所定空間内に溶媒蒸気を流入させ
る下方端の第1の入口と当該溶媒蒸気を流出する上方端
の第1の出口を有する外部冷却筒と、前記外部冷却筒の
実質的な軸上に配設され、前記第1の出口と接続される
上方端の第2の入口と当該溶媒蒸気を流出する下方端の
第2の出口を有する垂直管路と、前記垂直管路に貫通さ
れて前記垂直管路の外面との間に内部冷却通路を形成
し、当該内部冷却通路の下端が前記外部冷却筒の内面壁
に連なって溶媒溜室を形成し、当該溶媒溜室内に前記垂
直管路の第2の出口が配設され、当該内部冷却通路の上
端が第3の出口となる内部冷却筒と、前記溶媒溜室の底
面に形成され、当該溶媒蒸気の凝縮液が排出される溶媒
排出路と、を具備する。このため、本発明の温度傾斜型
多段冷却器は温度傾斜を持った多段冷却機構を有し、優
れた溶媒回収率により気液分離することができる。
前記外部冷却筒内に第1の冷却工程部が形成され、前記
垂直管路内に第2の冷却工程部が形成され、前記内部冷
却筒内に第3の冷却工程部が形成される冷却手段におい
て、前記第3の冷却工程部が前記第1の冷却工程部及び
前記第2の冷却工程部より実質的に低い冷却温度を有す
る。このため、本発明の温度傾斜型多段冷却器は、簡単
な構成で所望の温度傾斜を有し、優れた溶媒回収率を有
する。
前記内部冷却筒に複数の狭窄部が形成され、前記内部冷
却通路により圧縮、膨張を繰り返すように構成した。こ
のため、本発明の温度傾斜型多段冷却器は、溶媒回収率
の飛躍的な向上を図ることができる。
前記溶媒排出部を有し、溶媒受器と接続される接合部
が、所望のテーパー形状に形成されている。このため、
本発明の温度傾斜型多段冷却器は、従来の気液分離装置
との互換性を持たせることが可能であり、従来の気液分
離装置の溶媒回収率を容易に向上させることが可能であ
り、厳しい排出基準をクリアできる装置に改良すること
ができる。
前記外部冷却筒の第1の入口が前記溶媒留室の壁面近傍
に形成されている。このため、本発明の温度傾斜型多段
冷却器においては、溶媒蒸気の急激な冷却が防止され、
溶媒の凍結による流路の閉塞を防止している。
前記外部冷却筒に断熱材が巻回されている。このため、
本発明の温度傾斜型多段冷却器は、簡単な構成により所
望の冷却温度に保持できるため、製造コストの低減を図
ることができる。
は、前記外部冷却筒、前記垂直管路、及び前記内部冷却
筒が実質的に同一軸心を有し、その軸心に対して左右対
称な形状を有するように形成されている。このため、本
発明の温度傾斜型多段冷却器は、容易に製造することが
可能である。
段冷却器の実施例を図を参照して説明する。 《第1の実施例》図1は本発明の第1の実施例の気液分
離装置における温度傾斜型多段冷却器(以下、単に冷却
器と略称する)10を示す斜視図である。図2は、図1
の冷却器10を示す側面断面図である。図3は図1の冷
却器10の各部位における冷却温度を示すグラフであ
り、図4は図3に示した冷却温度の測定位置を示す冷却
器10の側面断面図である。図5は、図1の冷却器10
をロータリーエバポレーターに用いた場合の気液分離装
置を一部破断して示す側面図である。
ように、第1の実施例の気液分離装置の冷却器10は、
透明なガラス材により一体的に形成され、上部に開口を
有するように配置される。この冷却器10は、下部に接
続ジョイント1を有する円筒状の外部冷却筒2と、この
外部冷却筒2の内部に配設された内部冷却筒6と、この
内部冷却筒6を縦貫する垂直管路5とを有している。外
部冷却筒2、垂直管路5、及び内部冷却筒6は、実質的
に同一の軸心となるように鉛直方向に配設されている。
冷却器10の溶媒蒸気入口14(図2)を有する接続ジ
ョイント1は、従来の気液分離装置において用いられて
いるデュワー瓶型冷却器や縦型蛇管式冷却器の接続ジョ
イントと同じ形状を有している。第1の実施例におい
て、接続ジョイント1は45/40のテーパー形状を用
いている。外部冷却筒2の内部に配設された内部冷却筒
6は、垂直管路5により貫通されており、3つの狭窄部
6a、6a、6aを有している。内部冷却筒6の内壁と
この内部を貫通する垂直管路5の外壁との間は、狭窄部
6aにおいて2mm に設定されており、狭窄部6a以外
の隙間に較べて約1/5となるよう形成されている。
の上端には外部冷却筒出口枝管3が設けられている。ま
た、垂直管路5の上端には垂直管路入口枝管4が設けら
れており、内部冷却筒6の上端には内部冷却筒出口枝管
8が設けられている。前記外部冷却筒出口枝管3と前記
垂直管路入口枝管4は、可撓性のチューブ11により接
続されている。このため、外部冷却筒2の下端にある溶
媒蒸気入口14より流入した溶媒蒸気は、外部冷却筒2
の側面内部を通り、垂直管路入口枝管4から垂直管路5
へ流入するよう構成されている。垂直管路5内を下方へ
流れる溶媒蒸気は、垂直管路出口5aから溶媒溜室12
へ流入する。この溶媒溜室12は内部冷却筒6の下端
(6b)を袴状に広げて、外部冷却筒2の内壁底面2c
に接続して形成した空間である。このため、外部冷却筒
2の内側底面は溶媒溜室12により閉塞されており、寒
剤が外部冷却筒2と内部冷却筒6との間の冷却空間9内
に収納されるよう構成されている。
部6a、6a、6aを有する内部冷却通路13を上昇し
て、内部冷却筒出口枝管8より真空源へ排出される。こ
の内部冷却通路13を上昇する冷却最終過程において、
残存する溶媒蒸気の凝集液が捕集される。溶媒溜室12
の底面には捕集された凝集液が排出される排出口7が設
けられている。内部冷却筒出口枝管8より排出された蒸
気には、液化可能な溶媒成分がほとんど含まれておら
ず、第1の実施例の冷却器10は真空源へ溶媒蒸気を気
体のままで送出することがない。なお、外部冷却筒2に
おいて捕集される凝集液は、外部冷却筒2の内外壁面2
a、2bを伝わって流れ、接続ジョイント1に接続され
た溶媒受器である液溜フラスコ等に滴下される。
したドライアイスを単独で使用し、冷却器10の周りを
エアーパックシートやウレタンフォーム等の簡易断熱材
にて覆い保温している。従来のデュワー瓶型冷却器にお
いてはアセトンとドライアイスを寒剤として使用した
が、第1の実施例の冷却器10においては細砕したドラ
イアイスのみの単独使用により、高い溶媒回収率を得る
ことができる。
明の温度傾斜型多段冷却器は、溶媒蒸気の冷却温度に傾
斜を持たせて多段冷却するように構成したものである。
図3は、第1の実施例の冷却器10における冷却温度傾
斜の一例を示すグラフである。図3において、縦軸は温
度[℃]、横軸は冷却器10における冷却位置(aから
o)を示す。図4は図3に示した複数の冷却位置(aか
らo)を示す冷却器10の側面断面図である。なお、図
3に示した温度測定は、寒剤である細粒ドライアイスを
投入した後、約30分を経過した後の静止状態(気液分
離を行っていない状態)において行ったものである。図
3のグラフは、溶媒蒸気入口付近(a)から内部冷却筒
出口枝管8の冷却器出口(o)に至る各部位の温度変化
を示したものである。図3のグラフに示すように、溶媒
蒸気入口付近(a)から外部冷却筒出口付近(d)まで
の第1の冷却工程においては約−30〜−50℃の冷却
温度であり、垂直管路入口付近(e)から溶媒溜室
(h)までの第2の冷却工程においては約−40〜−7
0℃の冷却温度であった。また、最終冷却工程となる溶
媒溜室12の天井(i)から内部冷却筒出口枝管付近
(o)までの第3の冷却工程においては、約−65〜−
75℃の冷却温度であった。従って、第1の冷却工程、
第2の冷却工程及び第3の冷却工程において、第1の実
施例の冷却器10は、第1の冷却工程から第3の冷却工
程へと実質的に低くなる冷却温度傾斜を有している。
について詳細する。図3のグラフに示したように、外部
冷却筒2内に収納された寒剤であるドライアイスによ
り、外部冷却筒2の溶媒蒸気入口付近(a)から徐々に
冷却温度は低くなり、外部冷却筒2の底部付近(b)で
は外部冷却筒2の内側の壁面を隔ててドライアイスによ
り直接冷却されるため、更に冷却温度は低下する。外部
冷却筒2の中間部分(c)の冷却温度は、底部よりも若
干高く、また外部冷却筒2の出口付近(d)における冷
却温度は、ドライアイス表層における放熱が大きいため
に、一旦冷却温度が高くなる。上記のように、溶媒蒸気
入口付近(a)は、溶媒溜室12によりドライアイスに
より直接的に冷却されていないため、この付近での溶媒
の凍結が防止されている。また、垂直管路内(eから
g)においては、寒剤であるドライアイスが直接的に接
触しないため冷却温度は比較的高く、溶媒溜室内(h)
において一旦冷却温度は上昇する。さらに、内部冷却筒
6の内部冷却通路内(jからo)において、3つの狭窄
部(j、l、n)の冷却温度は急激に低くなる。また、
内部冷却通路13の3つの狭窄部6a、6a、6aにお
いて溶媒蒸気は圧縮され、過飽和状態が繰り返される。
このように、第1の実施例の冷却器10においては、多
段的に必要な部位を急激に冷却して、溶媒蒸気を効果的
に凝縮し、溶媒回収率を高めている。
配を有する冷却温度により多段冷却されており、溶媒蒸
気が希薄となった最終段階において最も強力に冷却され
るように構成されている。このため、ジエチルエーテル
のような低沸点溶媒や、クロロホルムや1,2−ジクロ
ロエタンのように凝固し易い凝固性溶媒においても、第
1の実施例の冷却器10を用いた気液分離装置によれ
ば、ほぼ100%の溶媒回収率となった。この溶媒回収
実験結果は後述する。また、第1の実施例の冷却器10
は、溶媒蒸気入口近傍に溶媒溜室12が形成されている
ため、冷却工程の初期の段階において溶媒溜室12が温
度緩衝作用を果たし、処理する溶媒が凝固性溶媒であっ
ても外部冷却筒2の下部内壁(図4においてaにて示す
部分)に凝固することがない。また、溶媒蒸気入口14
から流入した溶媒蒸気は、流路抵抗の低い外部冷却筒2
内をほぼ垂直に直線的に上昇するため、溶媒が容易に凍
結しないように構成されている。我々の実験によれば、
外部冷却筒2における冷却工程において、溶媒蒸気内の
溶媒の73〜98%が液化され捕集された。
管路5を下降して溶媒溜室12へ導かれる。垂直管路5
は実質的な2重壁を有しているため、急激な冷却は防止
されており、凝固性溶媒が通過しても容易に凝固するこ
とはない。この垂直管路5を通過する溶媒蒸気は、狭い
管内において過飽和状態となり、細かいミスト状で溶媒
溜室12へ導入されている。垂直管路5を通過した溶媒
蒸気は、容積が急激に大きくなる溶媒溜室12へ導かれ
るため、溶媒溜室12内の溶媒蒸気は一定時間滞留す
る。この溶媒溜室12において大部分の溶媒蒸気が熱交
換され、液化される。さらに、上記溶媒溜室12におい
て回収されなかった溶媒蒸気、例えば低沸点溶媒等の極
希薄な残留溶媒蒸気は、冷却器10の冷却工程において
最も冷却温度が低く、狭窄部6aを有する内部冷却通路
13内をゆっくり上昇する。この内部冷却通路13にお
いて、殆どの残留溶媒蒸気は液化され、捕集される。こ
の内部冷却通路13において液化された溶媒は、溶媒溜
室12内を流下して排出口7より溶媒受器内へ排出され
る。
離装置]図5に示すロータリーエバポレーターは、従来
用いられていた直立型のデュワー瓶型冷却器を前述の第
1の実施例における冷却器10に置き換えたものであ
る。第1の実施例のロータリーエバポレーターでは、冷
却器10の接続ジョイント(テーパー形状が45/4
0)1を固定アダプター40の枝管44に摺り合わせ係
合により接続しており、冷却器10は固定アダプター4
0により鉛直に保持されている。この冷却器10の周り
には簡易断熱材15、例えば、エアーパックシートやウ
レタンフォーム、が巻回されて、冷却器10を保温して
いる。図5に示すように、ロータリーエバポレーターの
駆動用モータに連結されたロータリージョイント45に
は試料フラスコ43が摺り合わせ係合により接続されて
いる。また、ロータリーエバポレーターのボールジョイ
ント41には溶媒受器である液溜用フラスコ42が接続
されている。このように、第1の実施例の冷却器10を
従来のロータリーエバポレーターのデュワー瓶型冷却器
と置換して用いることにより、溶媒回収率の高い気液分
離装置に改良することができる。
施例の冷却器10の製作方法について説明する。先ず始
めに、内部冷却筒部分を製作する。図6は、内部冷却筒
部分の製作工程を示す概略側面図である。ガラス管(第
1の実施例においては直径35mm)を旋盤に固定して、
熱したガラス管に所望形状を有するカーボン治具を押し
付けて、複数の狭窄部6aを形成する。次に、袴形状の
内部冷却筒6の底面壁6bを形成し、その周縁(本実施
例においては直径93mm)の部分を溶着部分とする。上
記のように形成された狭窄部6aと底面壁6bとを有す
る内部冷却筒部分に垂直管路5となる細管(本実施例に
おいては直径15mm)が挿入され、その上部において固
着される。この垂直管路5の細管上部には、垂直管路入
口枝管4となりチューブ11(本実施例においては内径
9mm)が接続される接続口が溶着される。また、内部冷
却筒部分の内部冷却通路13の上端には、内部冷却筒出
口枝管8となる接続口が溶着される。
を製作する。図7は、外部冷却筒2の製作工程を示す概
略側面図である。図7に示すように、外部冷却筒2の内
壁2aとなるガラス管(本実施例においては直径95m
m)の上部を直径が約110mm の球体部2dに形成す
る。この球体部2dは、図7における1点鎖線にて示す
位置にて切断される。このように形成された外部冷却筒
2の内壁2a内に、前述の図6に示した内部冷却筒部分
が挿入され、袴形状の底面壁6bの周縁部分が外部冷却
筒2の内壁2aに溶着される。次に、細管(本実施例に
おいては内径が6mm)16が外部冷却筒2の内壁2aの
底面最下部に溶着される。そして、図7に示す外部冷却
筒2の内壁2a等の歪みが除去される。さらに、切断さ
れた球体部2dを所望の形状に切断して、外部冷却筒2
の外壁2bと溶着できるように拡大(本実施例において
は直径110mm)する。
用ガラス管(本実施例においては直径110mm)を所望
の形状に形成して、その底面最下部に接続ジョイント
(本実施例においては45/40のテーパージョイン
ト)1を溶着接続する。上記接続ジョイント1の形状
は、一般的に用いられているロータリーエバポレーター
において通常使用されている接続ジョイントの形状に対
応したものである。接続ジョイント1が溶着された外筒
用ガラス管の上部は、前述のように拡大された内壁2a
の溶着部分に溶着され、2重壁の外部冷却筒2が形成さ
れる。このように形成された外部冷却筒2には、外部冷
却筒出口枝管3となる接続口が溶着される。上記のよう
に、第1の実施例の冷却器10は製造され、前述の図1
に示す形状となる。第1の実施例の冷却器10は一見複
雑な形状を呈しているが、前述の製作方法のように単純
な製作工程の繰り返しにより製作でき、特殊な技量を必
要としない簡単な製作方法である。第1の実施例の冷却
器10は、容易に製作できるため、優れた量産性を有
し、製造コストの大幅な削減が可能である。
施例である気液分離装置の温度傾斜型多段冷却器(以
下、単に冷却器と略称する)50を示す側面断面図であ
る。図9は第2の実施例の冷却器50を用いた溶媒回収
システムを示す系統図である。第2の実施例の気液分離
装置に用いる冷却器50は、前述の第1の実施例におけ
る冷却器10と同様に透明なガラス材により一体的に形
成されている。第2の実施例において、前述の第1の実
施例と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し
てその説明は省略する。第2の実施例の冷却器50にお
いて、前述の第1の実施例と異なるところは、図8の断
面図に示すように、円筒状の外部冷却筒52の側面下部
に溶媒蒸気入口51を設けたことと、接続ジョイント5
3(本実施例においては32/29のテーパージョイン
ト)内に抵抗管54(本実施例においては直径が8mm
、長さが30mm のガラス管)を設けたことである。こ
の溶媒蒸気入口51は、簡易型ロータリーエバポレータ
ーや試験管試料濃縮装置等に接続されて、溶媒蒸気が導
入される接続口である。従って、外部冷却筒52の底面
最下部に形成された接続ジョイント53は、溶媒蒸気の
入口ではなく、図9に示す溶媒受器である受フラスコ2
0等の接続口として機能する。接続ジョイント53内の
抵抗管54は、一度回収した溶媒が溶媒受器20から再
気化して冷却器50内へ導入されるのを抑制する働きを
有する。第2の実施例の冷却器50における他の構成は
前述の第1の実施例の冷却器10と実質的に同じ構成で
あり、第2の実施例の冷却器50を用いた気液分離装置
は、多段冷却方式により溶媒蒸気が気液分離され、第1
の実施例と同じように溶媒を高効率で回収することがで
きる。
た溶媒蒸気濃縮システムの一例を示す系統図である。図
9に示すように、試験管試料濃縮装置30から導出され
た溶媒蒸気は、冷却器50の溶媒蒸気入口51へ導か
れ、前述のように冷却器50において気液分離される。
冷却器50の蒸気排出口である内部冷却筒出口枝管8
は、T字管を経てウルフ緩衝瓶に連結されている。又、
T字管の枝管にはリークバルブ21が設けられている。
また、ウルフ緩衝瓶22は、電磁弁24を介してテフロ
ン隔膜式真空ポンプ25に連結されており、真空コント
ローラ23により吸引系内は所望の真空圧に維持されて
いる。
の第1の実施例の冷却器10を用いた気液分離装置によ
る溶媒回収と、従来の気液分離装置による溶媒回収を行
って、溶媒回収比較実験を行った。また、それぞれの装
置から排出された溶媒蒸気を、第2の実施例の冷却器5
0を用いた気液分離装置により2次の溶媒回収を行っ
た。上記溶媒回収比較実験結果を表1と表2に示す。
1の実施例における冷却器10をロータリーエバポレー
ターに装着した気液分離装置を示している。また、表1
と表2には、気液分離装置Aから排出された溶媒蒸気を
第2の実施例の冷却器50を用いてバックアップする2
次溶媒回収を行った実験結果を示した。気液分離装置B
は従来のデュワー瓶型冷却器を用いたロータリーエバポ
レーターにより溶媒回収を行ったものであり、この気液
分離装置Bから排出された溶媒蒸気を第2の実施例の冷
却器50を用いて2次溶媒回収を行った。図10は、前
記溶媒回収比較実験における2次溶媒回収のシステムを
示す系統図である。図10において、前述の図9の溶媒
蒸気濃縮システムにおける装置と、同じ機能、構成を有
するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
この溶媒回収比較実験において使用したロータリーエバ
ポレーターはビッヒー製のモデルRE121型であり、
回転数200rpmにて溶媒回収実験を行った。また、真
空源としての真空ポンプ25は VACUUBRAND 製のテフロ
ン隔膜式真空ポンプ、モデル MZ2C (排気量=28L/mi
n.)を使用した。真空コントローラ23はビッヒー製の
真空コントローラ、モデル B161 を使用した。バス部1
03は LAUDA 製の循環式恒温水槽、モデル S-1 を使用
した。ウルフ緩衝瓶22は容量が1Lのものを使用し
た。
処理容量は300mL (但し、水は150mL)である。
また、寒剤としてはドライアイスのみを使用した。表1
と表2における回収率[%]は、溶媒の予めの仕込重量
に対する溶媒受器中に回収した溶媒重量から算出したも
のであり、3回の繰り返し実験によりその平均値を回収
率とした。なお、一部の回収溶媒が冷却器内に付着して
残存することから真の回収率を求めることは困難である
ため、当溶媒回収比較実験においては、冷却器内の付着
残存量を考慮して、2〜3回の平衡化実験を行った後の
溶媒回収量から、見掛けの回収率を算出した。
ルやジクロロメタン等の非常に回収が難しいとされてい
た低沸点溶媒でも、ほぼ100%に近い99.8%の高
回収率を得た。また、本発明に係る気液分離装置におけ
る冷却器おいて、+5.5℃の凝固点を有するベンゼン
の処理時においてはベンゼン試料中に等容量のアセトン
を加えて変性した後に処理すれば、冷却器内における凝
固現象は殆ど認められずほぼ100%の高回収率で変性
溶媒が捕集された。
エタン及びアセトニトリル等の凝固性溶媒の場合でも、
本発明に係る気液分離装置における冷却器においては、
冷却器内における凝固現象は殆ど認められず、流路を閉
塞するというような問題は全く発生しなかった。また、
これらの凝固性溶媒は、表1に示すように、ほぼ100
%の溶媒回収であった。その理由は、溶媒蒸気量の多い
冷却初期においては穏やかに冷却し、大部分の溶媒蒸気
が液化した冷却中期においては冷却初期よりやや強く冷
却し、そして溶媒蒸気量が希薄となる冷却終期において
は最も強く冷却するように、本発明に係る冷却器は温度
傾斜型多段冷却機構を有するためと考えられる。
る気液分離を行った後、さらに第2の実施例の冷却器5
0を用いたロータリーエバポレータを使用することによ
り、従来のロータリーエバポレータでは回収できなかっ
た溶媒を確実に回収することができた。また、表1と表
2に示すように、気液分離装置Aの相対標準偏差(R.
S.D)は、従来の気液分離装置Bに比して飛躍的に小
さな値となっている。即ち、本発明の冷却器を用いるこ
とにより、多少の範囲で操作条件が変動した場合におい
ても常に一定した回収率を持って、バラツキのない安定
した溶媒の回収を行うことが理解できる。
に簡単な構成により、従来の気液分離装置では達成でき
なかった高い回収率を成し遂げることができるため、従
来の気液分離装置においては非常に厳しい排出基準に対
処するために複数段の気液分離装置を用いたが、本発明
によれば、1台の気液分離装置により厳しい排出基準を
容易にクリアすることが可能となる。
冷却器においては、冷却温度に傾斜を持たせて多段冷却
を効果的に行っているため、低沸点及び凝固性溶媒を問
わず極めて高い溶媒回収率を達成することができる。し
たがって、本発明によれば、仮に減圧手段に水流ポンプ
を用いた場合においても排水汚染への影響が皆無とな
り、安全性の高い温度傾斜型多段冷却器を得ることがで
きる。また、本発明の温度傾斜型多段冷却器によれば、
製造の容易な構成の冷却器を用いることにより、気液分
離装置の製造コストを大幅に低減することができ、量産
性を有する気液分離装置を得ることができる。また、本
発明の温度傾斜型多段冷却器は、従来の気液分離装置に
用いられるデュワー瓶型冷却器等と同じ接続ジョイント
及びほぼ同様の外観形状を有しているため、従来のデュ
ワー瓶型冷却器等を本発明の冷却器に置き換えるだけ
で、従来の気液分離装置を溶媒回収率の高い装置に容易
に改良することができる。
複数の冷却工程において冷却温度傾斜を付けて段階的に
冷却し、溶媒蒸気が希薄となった最終段階において、最
も強力に冷却するよう構成したため、ジエチルエーテル
のような低沸点溶媒や、クロロフォルムのような凝固性
溶媒においても溶媒回収率をほぼ100%とすることが
できる。また、本発明の温度傾斜型多段冷却器は、冷却
工程に溶媒溜室を設け、この溶媒溜室の近傍に溶媒蒸気
入口を形成したため、溶媒溜室が温度緩衝作用を奏し
て、凝固性溶媒であっても冷却初期において冷却器に凝
固することが防止されており、溶媒の回収率を高めるこ
とができる。また、本発明の温度傾斜型多段冷却器によ
れば、その外部冷却筒を簡単な構成の断熱材を巻回する
ことにより、外部冷却筒表面における空気中水分の結露
や霜の付着を防止するとともに、外部冷却筒外側表面の
保温効果を高めて寒剤の消耗を抑制する等の効果を有す
る。また、このような簡単な構成により所望の冷却温度
が保持されて高い回収率を有するため、本発明の気液分
離装置の製造コストを大幅に低減することができる。さ
らに、本発明の温度傾斜型多段冷却器は、外部冷却筒、
垂直管路、内部冷却筒が実質的に同一軸心を有し、その
軸心に対して左右対称な形状を有するよう構成されてい
るため、製造工程の簡略化が図られ、量産性に優れた装
置となる。
ける温度傾斜型多段冷却器を示す斜視図である。
る。
却温度傾斜を示す図である。
ある。
いた場合を一部破断して示す側面図である。
す概略側面図である。
概略側面図である。
度傾斜型多段冷却器を示す断面図である。
溶媒回収のシステムを示す系統図である。
た溶媒蒸気濃縮システムの一例を示す系統図である。
テムを示す系統図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 鉛直上方に開口を有して寒剤を収納する
実質的な筒状体であり、その側面が所定空間を有する2
重壁により構成され、前記所定空間内に溶媒蒸気を流入
させる下方端の第1の入口と当該溶媒蒸気を流出する上
方端の第1の出口を有する外部冷却筒と、 前記外部冷却筒の実質的な軸上に配設され、前記第1の
出口と接続される上方端の第2の入口と当該溶媒蒸気を
流出する下方端の第2の出口を有する垂直管路と、 前記垂直管路に貫通されて前記垂直管路の外面との間に
内部冷却通路を形成し、当該内部冷却通路の下端が前記
外部冷却筒の内面壁に連なって溶媒溜室を形成し、当該
溶媒溜室内に前記垂直管路の第2の出口が配設され、当
該内部冷却通路の上端が第3の出口となる内部冷却筒
と、 前記溶媒溜室の底面に形成され、当該溶媒蒸気の凝縮液
が排出される溶媒排出路と、 を具備する温度傾斜型多段冷却器。 - 【請求項2】 前記外部冷却筒内に第1の冷却工程部が
形成され、前記垂直管路内に第2の冷却工程部が形成さ
れ、前記内部冷却筒内に第3の冷却工程部が形成される
冷却手段において、 前記第3の冷却工程部が前記第1の冷却工程部及び前記
第2の冷却工程部より実質的に低い冷却温度を有するこ
とを特徴とする請求項1記載の温度傾斜型多段冷却器。 - 【請求項3】 前記内部冷却筒に複数の狭窄部が形成さ
れ、前記内部冷却通路により圧縮、膨張を繰り返すよう
に構成したことを特徴とする請求項1記載の温度傾斜型
多段冷却器。 - 【請求項4】 前記溶媒排出部を有し、溶媒受器と接続
される接合部が、所望のテーパー形状に形成された請求
項1記載の温度傾斜型多段冷却器。 - 【請求項5】 前記外部冷却筒の第1の入口が前記溶媒
留室の壁面近傍に形成された請求項1記載の温度傾斜型
多段冷却器。 - 【請求項6】 前記外部冷却筒に断熱材を巻回した請求
項1記載の温度傾斜型多段冷却器。 - 【請求項7】 前記外部冷却筒、前記垂直管路、及び前
記内部冷却筒が実質的に同一軸心を有し、その軸心に対
して左右対称な形状を有するように形成されたことを特
徴とする請求項1記載の温度傾斜型多段冷却器。
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