JPH1090234A - 構造物の内部欠陥の検知方法 - Google Patents

構造物の内部欠陥の検知方法

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JPH1090234A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熟練者によらずとも簡略な操作で効率よく行う
ことができる構造物の内部欠陥の検出方法を提供する。 【解決手段】測定対象物の表面に打撃装置と集音装置と
を配置し、該打撃装置のハンマーによる打撃により得ら
れるデータにより構造物の内部欠陥を検出する方法にお
いて、ハンマーにより同一箇所において複数回行われる
打撃により発生した打撃音と、測定対象物の表面のハン
マーに対する反発度とを検出して行われることを特徴と
する構造物の内部欠陥の検知方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の内部欠陥
の検知方法に関し、更に詳しくは、構造物の表面を一定
エネルギーで打撃し、その打撃の反発度から推定される
部材強度と、打撃面の近傍の構造物から反射される打撃
音の振幅及びそのばらつきから構造物の内部欠陥を検知
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物、特にコンクリート構造物の危険
個所、劣化箇所、欠陥などを検知する調査技術として様
々な手法が開発されている。例えば、目視による検査は
古くから行われている基本的な検査手法であるが、この
方法は、あくまでも視覚に頼るので、判断が経験的、感
覚的になり経験を積んだ技術者でなければ判断すること
ができず、しかも外部に現れない内部欠陥については検
査不能である。コンクリート構造物の内部欠陥の検査で
は、穿孔サンプリングによる方法が取られる場合もある
が、非常に煩雑であるだけでなく、一部とはいえ構造物
を破壊するものであるから好ましい手法ではなく、サン
プリングを取ることができない箇所の内部欠陥について
は検査不能である。そこで、現在では、構造物を破壊す
ることなく目視不能な内部欠陥などを検査する非破壊検
査の手法が行われている。
【0003】非破壊検査の手法としては、赤外線法、レ
ーダー法、衝撃弾性波法、打音法、反発度法等が知られ
ている。赤外線法は、赤外線カメラを用いて対象物の温
度分布を測定し、温度の異なる点、温度変化の大きな点
を異常箇所として検知する方法であるが、温度変化を与
える要因としての日光、気温変化が自然現象であり、そ
の変化が予測しにくにので再現性が低く、また、風など
の自然現象による影響も受け易い難点がある。更に、機
器も高価である。
【0004】レーダー法は、電磁波を対象物に照射し、
表面及び内部からの反射波を測定することによって内部
空洞などを検知する方法であるが、金属等が内部に存在
する構造物では測定が困難であり、また、測定の際の電
磁波の照射角度を一定に保つ必要があるが、表面に凹凸
等がある構造物では利用するのが困難であるだけでなく
機器も高価である。
【0005】衝撃弾性波法は、対象物の表面を打撃し、
その反射波を振動子(超音波センサー)で測定し、その
周波数特性を評価することによって、内部欠陥や背面空
洞の有無を検知する方法であるが、振動子を対象物の表
面に密着させる必要があり、対象物の表面形状によって
は測定作業に困難性を伴う。
【0006】打音法は、対象物の表面を打撃してその打
撃音を人間の耳で判断する原始的な方法から出発してい
るが、打撃音をマイクロフォンを用いて集音し、その周
波数や振幅などを評価する方法へと発展している。打撃
音を人間の聴覚で判断する原始的な方法は、技術者の経
験に左右されるだけでなく、結果を数値化して表現でき
ない難点もある。マイクロフォンを利用する方法では、
数値的な比較を行うために打撃エネルギーを一定に保つ
機構が重要になるが、打撃点から直接放射される音を測
定する方法をとっているので打撃装置そのものから放射
される音がノイズとなり測定誤差が生じやすい難点があ
るだけでなく、判定基準値が明確にされていないので、
結果的に判断が経験的になっている。
【0007】反発度法は、対象物表面を打撃してその反
発度を測定する装置により、反発度から対象物の強度を
測定する方法であり、打撃時に発生するくぼみによって
反発度が低下する程度を以て強度の評価としている。こ
の方法は、対象物がしっかり固定された状態で使用する
ものであり、背面に空洞があるような構造物では、それ
自体が振動するので適正な測定ができない難点がある。
また、測定結果が対象物の表面性状に左右され易すく再
現性が低い難点もある。反発度法としてシュミットハン
マー法が知られているが、この方法は、対象物の表面性
状に影響を受け易いので、打撃位置を少しずつ移動させ
ながら多数回打撃しなければ十分な精度が得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した非
破壊検査法の長所短所を考慮し、熟練者によらずとも簡
略な操作で効率よく行うことができる構造物の内部欠陥
の検出方法を明らかにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る構造物の内
部欠陥の検知方法は、測定対象物の表面に打撃装置と集
音装置とを配置し、該打撃装置のハンマーによる打撃に
より得られるデータにより構造物の内部欠陥を検出する
方法において、ハンマーにより同一箇所において複数回
行われる打撃により発生した打撃音と、測定対象物の表
面のハンマーに対する反発度とを検出して行われるこ
と、を特徴とする。
【0010】
【発明の具体的構成】次に、本発明の具体的構成を図面
に従って詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明に係る構造物の内部欠陥の
検知方法を説明する概念図である。本発明の方法を実施
する装置は、打撃部A、集音部B、測定部C、ソフトウ
エアDで構成される。以下、順次説明する。
【0012】打撃部Aでは、検査対象構造物の表面に一
定エネルギーの打撃を与える打撃装置10が利用され
る。打撃装置10は、コンクリート強度推定に利用され
ている公知のシュミットハンマーを基本として採用し、
更に、打撃位置及び打撃エネルギーを一定に保つことが
できるように改良が行われている。打撃装置10の具体
例が図2に示されている。即ち、打撃装置10は、位置
固定具11が外部に取り付けられたハウジング12内に
プランジャー固定用バネ13に支持されてプランジャー
14が配置されており、更に、プランジャー14の上部
には、カウンターウエイト15、加力バネ16、モータ
ー17、反発度測定器18が配置されている。この打撃
装置10による反発度の測定は次のようにして行われ
る。位置固定具11の先端を測定対象物の表面に接触
させる。モーター17を作動させてカウンターウエイ
ト15を上方(測定対象物から遠ざかる方向)に引き上
げ、加力バネ16を圧縮させる。加力バネ16の圧縮
が一定の値に達した時点でバネを解放し、カウンターウ
エイト15によりプランジャー14の頭部を打撃し、そ
の先端で測定対象物の表面を打撃する。打撃時におけ
るカウンターウエイト15のプランジャー14の頭部か
らの跳ね返り量(反発度)を反発度測定器18により測
定する。以上の一連の動作を複数回繰り返すことによ
って、測定対象物の強度等を推定する。
【0013】上記した打撃装置10では、加力バネ16
の圧縮をモーター17の作動で行う構成としたが、人力
操作で行う構成としてもよい。
【0014】位置固定具11は、ハウジング12の下端
に取り付けられた三脚或いは四脚などの支持脚で構成さ
れるが、位置固定具11とハウジング12とが独立して
おり位置固定具11から延長されるアームにハウジング
12が回動・上下動可能な状態で固定されるような態様
も本発明に包含される。
【0015】本発明の方法で利用する打撃装置10で
は、測定対象物の違いに対応させるために、打撃エネル
ギー可変機構が備えられている。打撃エネルギーを可変
とするには、バネ定数の異なる加力バネを用いればよ
い。例えば、トンネル覆工コンクリートのように厚さが
60cmもあるようなものではバネ定数の大きなバネを
利用する。また、強度の低い測定対象物を打撃するため
に、プランジャー14の直径が例えば、直径5mm〜3
0mmのものが複数用意されている。即ち、強度の低い
測定対象物では、直径の大きなプランジャーを用いて貫
入抵抗を大きくする。更に、プランジャー14の先端形
状として、例えば、球形・円錐形などのものを用意し、
測定対象物の比較的深部を測定目標とする場合には、先
端が貫入し易い円錐形のものを用いる。
【0016】更に、プランジャー14による打撃の際に
生じる微細な破砕物によって打撃時のクッションとなり
正確な数値が得られなくなるのを防止するためは、図2
に示すように、図示しないコンプレッサーから圧縮空気
吐出口19を介して、プランジャー14の先端付近に圧
縮空気を吹き込み、位置固定具11の空隙から破砕物を
吹き飛ばすように、破砕物を排除する機構を設けること
が好ましい。
【0017】打撃装置10は、公知のシュミットハンマ
ー試験の測定仕様に従った単発の打撃を行う場合と、同
一地点で連続の打撃を行う場合の両者に対応できる。測
定対象物の表面の凹凸が激しい場合、測定対象物付近が
劣化しているなどの場合は、従来のシュミットハンマー
では測定精度が著しく低下するが、本発明の方法で用い
る打撃装置10によれば、同一地点で連続的に打撃を繰
り返すことにより、表面の凹凸を平滑にして測定するこ
とができるので安定的な反発度が得られる。
【0018】本発明の方法で用いられる打撃装置10に
は、得られる反発度を電圧等の形で出力する機構が設け
られている。また、打撃装置10は、ハウジング12の
表面ないしは内面に防音・吸音材などを配置することに
より、ノイズの放出を防止する機構を設けることが好ま
しい。
【0019】集音部Bでは、集音装置20が用いられ
る。集音装置20は、制振ないし共振防止材21が配備
され、下端が防塵防水シート22により被覆されたフー
ド23の内部にマイクロフォン24が配置された構造で
あり、前記した打撃装置10から一定の距離をおいて、
測定面に密着或いは近接した状態で配置する。マイクロ
フォン24の周波数特性は、測定帯域に共振特性を有し
ないものであれば、周波数レンジを問わない。フード2
3の内面には凹凸を設けるなどして可聴域で特別な共振
特性を持たない構造とする。また、フード23に鉛板な
どの防音材を張り付けるなどして周辺の雑音を低減させ
る。
【0020】尚、打撃装置10と集音装置20とは、打
撃時の振動を伝達させないようにするために、基本的に
は分離し、一定の距離を離して配置する構成を採用する
が、例えば、制振材を用いた振動防止機構などを備える
ことにより打撃装置・集音装置一体型として構成するこ
とも可能である。
【0021】測定部Cの測定装置30は次のように構成
される。
【0022】測定装置30には、集音装置20で検出さ
れた打撃音(電圧)及び打撃装置10で検出された反発
度(電圧)の2系統の信号が入力される。入力レンジ
は、入力される打撃音によって数段階に調整できる。但
し、後述のA/D変換を行う場合にはレンジ切り替えに
より増幅された比率の逆数が掛け合わされるので、出力
はレンジ切り替えによって変化しない。打撃音(電圧)
及び反発度(電圧)の信号はA/D変換された後に測定
器のメモリーに蓄えられ、測定終了後ICカードを利用
した情報伝達手段その他の伝達手段を通してパソコンに
転送される。従って測定はパソコンと接続した状態で
も、測定器単独でも可能である。
【0023】測定装置30は、打撃装置10が測定対象
物の同一地点を複数回打撃して、その打撃音の最大振幅
の平均値と標準偏差を出力する機能を持っている。即
ち、測定装置30は、連続測定モードと同一地点測定モ
ードの2種類をもっており、同一地点測定モードでは、
同じ位置で25回程度の打撃を繰り返し、打撃音につい
ては最大振幅の平均値V及び標準偏差αをメモリーに記
憶させる。尚、反発度Rについては所定の判定基準値が
予め入力されている。得られたV、αから判定基準値を
V+α(欠陥の可能性あり)及びV+3α(欠陥あり)
として定め、測定器のメモリーに記憶させる。連続測定
モードでは、打撃音及び反発度のそれぞれの振幅値と判
定基準値を比較し判定基準値を越えたものを判定結果と
して表示窓に出力する。
【0024】測定装置30は、単体及びパソコンと接続
した状態で使用することができる。ソフトウエアDとし
ては、測定装置30に組み込まれた「統計処理による判
定基準値設定の回路」が基本となるが、これに加えてパ
ソコン40上でデータを処理する機能がある。以下に説
明する。
【0025】パソコン40のキーボード操作により、測
定位置、測定順序が入力されると、その順序通りにデー
タ測定を行う指示が出される。その指示に従って打撃装
置10及び集音装置20が操作されると、測定装置30
により打撃音及び反発度のデータの計測が行われて、そ
の結果はパソコン40に転送され格納、保存される。パ
ソコン40の画面には、打撃音最大振幅・反発度の等高
線図(図4のA・B参照)、打撃音により判定された欠
陥位置(図4のC参照)、反発度によって推定された材
料強度分布図(図4のD参照)、打撃音による欠陥位置
推定結果と反発度による材料強度分布図が重ね合わされ
た総合判定図(図4のE参照)、などが表示される。
【0026】本発明の方法による構造物の内部欠陥の検
知は、例えば、吹き付けコンクリート法面における既
存法面の非密着部分や背面空洞の検知、トンネル覆工
背面の空洞探査、耐震補強鋼板巻き立て工事における
裏込材の未充填箇所や一体化不良箇所の検知、構築物外
壁タイルの剥離検知、などに適用される。
【0027】吹き付けコンクリート法面での既存法面の
非密着部分や背面空洞の検知では、図5に示すように、
位置決め用のネットを使用してもよい。また、打撃装置
10及び集音装置20は、人力により配置・移設が行わ
れる外、測定対象物の表面を沿革操作などで移動するロ
ボットに搭載されて利用される。
【0028】以上説明した本発明は、コンクリート表面
を打撃し、打撃音をマイクロフォンにより収録する、集
音部でフードを用いる、などの点で特開昭56−652
号に記載の装置に類似している。然しながら、、同公報
に記載の装置では、打撃部とマイクロフォンとがフード
内に存在するので、ハンマーから放射されるノイズをマ
イクロフォンが拾ってしまう、打撃点近傍の局部的な打
撃音を収録してしまう、打撃により装置全体に振動が発
生してしまう、フード内部に特別な共振防止策が施され
ていないので、フード内部の共振が発生し、測定の妨げ
となる、などの原因で測定誤差が非常に大きくなってし
まう難点がある。これに対し、本発明によれば打撃点で
生じた振動がコンクリート内部を通してフード内部に伝
播される態様によれば、コンクリート内部の情報のみを
得ることができるし、集音部が打撃部と切り離されてい
るので余分な振動がマイクロフォンに伝わらない利点が
あり、フード内部に共振防止策やフード外部に遮音策が
施されている態様によれば、良好な打撃音を得ることが
できる。
【0029】また、本発明は、測定対象物の表面をプラ
ンジャー(受圧板)などを介して打撃する、打撃の反発
度をもって測定対象物の強度を評価する、コンクリート
の若材齢時の評価が可能である、測定に際して反力装置
が不要である、カウンターウエイト(錘体)をバネに蓄
えられた力によりプランジャーに衝突させる、などの点
で特開昭61−90037号公報に記載の装置と共通す
る。然しながら、本発明とは次の点で異なっている。即
ち、本発明では、同一箇所で打撃を複数回行なうに対し
同公報の装置では打撃回数に関する記述がない、同公報
の装置では、対象物の圧縮強度が測定されるのに対し、
本発明では、対象物の表面の圧縮強度、対象物の母材の
圧縮強度、劣化深さが測定される、同公報の装置では、
対象物の若材齢時が測定対象であるのに対し、本発明で
は、標準的な硬化コンクリート、表面の凹凸の激しいコ
ンクリート、表面劣化を生じたコンクリート及びコンク
リート若材齢時である、同公報の装置の測定データが反
発度であるのに対し、本発明では、反発度(初期値、最
終値)、反発度の変化パターンである、等の違いがあ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来では経験的
に用いられてきた打撃音を数値的に表現することがで
き、熟練技術者でなくとも容易に構造物の内部欠陥を検
知することができ、特に、測定対象物の表面に凹凸があ
るような場合でも、同一地点で連続的に打撃を繰り返す
ことにより、表面の凹凸を平滑にして測定することがで
きるので安定的な測定が可能であるので、頭記した課題
が解決される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の概略図
【図2】打撃装置の概略断面図
【図3】集音装置の概略断面図
【図4】パソコン画面表示の概略図
【図5】本発明の実施状況を示す概略図
【符号の説明】
A−打撃部 B−集音部 C−測定部 D−ソフトウエア 10−打撃装置 11−位置固定具 12−ハウジング 13−プランジャー固定用バネ 14−プランジャー 15−カウンターウエイト 16−加力バネ 17−モーター 18−反発度測定器 19−圧縮空気吐出口 20−集音装置 21−制振・共振防止材 22−防塵防水シート 23−フード 24−マイクロフォン 30−測定装置 40−パソコン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象物の表面に打撃装置と集音装置と
    を配置し、該打撃装置のハンマーによる打撃により得ら
    れるデータにより構造物の内部欠陥を検出する方法にお
    いて、ハンマーにより同一箇所において複数回行われる
    打撃により発生した打撃音と、測定対象物の表面のハン
    マーに対する反発度とを検出して行われることを特徴と
    する構造物の内部欠陥の検知方法。
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