JPH1090281A - ピペッティング方法、ピペッティング装置、および記憶媒体 - Google Patents

ピペッティング方法、ピペッティング装置、および記憶媒体

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JPH1090281A
JPH1090281A JP14075897A JP14075897A JPH1090281A JP H1090281 A JPH1090281 A JP H1090281A JP 14075897 A JP14075897 A JP 14075897A JP 14075897 A JP14075897 A JP 14075897A JP H1090281 A JPH1090281 A JP H1090281A
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浩正 太田
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耕司 高野
Shigeru Kato
茂 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理能力を低下させることなく、被搬送液体
の吸引前にその粘度を判断できるピペッティング方法、
およびそのピペッティング方法を採用したピペッティン
グ装置、ならびにそのピペッティング装置を動作させる
ためのプログラムを格納した記憶媒体を提供する。 【解決手段】 ノズルに連通して被搬送液体をノズルの
開口から吸引および吐出させるポンプと、ポンプとノズ
ルの開口との間の空気流路の圧力を検出する圧力検出手
段とを有するピペッティング装置を用いて、付着試料除
去工程における空気の吐出時に(S8)、ポンプとノズ
ルの開口との間の空気流路の圧力変化を圧力検出手段か
らの出力信号に基づいて検出し(S9)、その圧力変化
に基づいて被搬送液体の粘度を判断する(S10,S1
7)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、容器内の被搬送
液体を吸引して所望の位置にて吐出するピペッティング
作業において、被搬送液体の粘度を検出するピペッティ
ング方法、およびそのピペッティング方法を採用したピ
ペッティング装置、ならびにそのピペッティング装置を
制御するためのプログラムを格納した記憶媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば人間や動物の血清、血液、尿な
どの液体試料、あるいは薬剤、洗浄液、接着剤など、各
種被搬送液体を容器から吸引して所定の位置で吐出する
に際して、被搬送液体の種類が決まっていない場合、1
回の搬送毎にその粘度が大きく異なることがある。そし
て、特に粘度の高い被搬送液体を吸引および吐出するに
際しては、急激な動作を避け、ゆっくりと吸引および吐
出を行うか、あるいは吸引および吐出の後に所定の時間
をおいて、被搬送液体が完全に吸引あるいは吐出される
まで待たないと、所定量の被搬送液体を吸引あるいは吐
出できない。すなわち、一部の動物の血清のように粘度
の非常に高い被搬送液体では、流動抵抗が大きいため、
吸引および吐出にある程度の時間をかける必要がある。
【0003】従来のピペッティング装置においては、被
搬送液体を実際に吸引するときに、ノズル配管内の圧力
変化を監視することによりノズル内の閉塞状態を検知し
て、吸引した被搬送液体が高粘度であるか否かを判断し
ていた。
【0004】しかし、上記従来のピペッティング装置で
は、被搬送液体を実際に吸引するときに粘度を検出して
いたので、被搬送液体の粘度が高いことが判明するのは
吸引中あるいは吸引後であり、粘度に応じた適切な吸引
を行うことができず、吸引量が不正確になるという課題
があった。したがって、たとえばこのようなピペッティ
ング装置を各種の臨床検査装置に採用した場合、適切な
量の被搬送液体を吸引および吐出できないことがあり、
検査結果の信頼性を損なう結果となる。
【0005】このような課題を解決するために、被搬送
液体の粘度が高いことが判明した場合、既に吸引した被
搬送液体を一旦吐出し、粘度に応じた吸引動作を再度実
行することも考えられるが、これでは処理時間を多く必
要とし、処理能力が著しく低下してしまう。しかも、1
回の吸引毎にノズルチップを交換するようにプログラミ
ングされているピペッティング装置では、再度の吸引前
にノズルチップが交換されるので、ノズルチップの消費
量が増加し、そのためにコストが増加してしまう。
【0006】また、全ての被搬送液体の吸引および吐出
を、粘度の高い被搬送液体に合わせてゆっくりと行うこ
とも考えられるが、これでは処理能力がさらに低下して
しまう。
【0007】
【発明の開示】本願発明は、上記した事情のもとで考え
出されたものであって、処理能力を低下させることな
く、被搬送液体の吸引前にその粘度を判断できるピペッ
ティング方法、およびそのピペッティング方法を採用し
たピペッティング装置、ならびにそのピペッティング装
置を動作させるためのプログラムを格納した記憶媒体を
提供することを、その課題とする。
【0008】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0009】本願発明の第1の側面によれば、ノズルに
連通して被搬送液体をノズルの開口から吸引および吐出
させるポンプと、ポンプとノズルの開口との間の空気流
路の圧力を検出する圧力検出手段とを有するピペッティ
ング装置を用いて、ノズルの開口から空気を吸引または
吐出しながらノズルの開口と被搬送液体の液面との距離
を短縮していき、ノズルの開口が被搬送液体の液面に接
することによるポンプとノズルの開口との間の空気流路
の圧力変化を圧力検出手段からの出力信号に基づいて検
出することによって被搬送液体の液面検出を行う液面検
出工程と、ノズルの開口から所定量の被搬送液体を吸引
する吸引工程と、液面検出工程の後でかつ吸引工程の前
に、ノズルの開口を被搬送液体の液面から離間させ、ノ
ズルの開口から空気を吐出することによりノズルの開口
付近に付着した被搬送液体を吹き飛ばす付着試料除去工
程とを含む工程を実行するピペッティング方法であっ
て、付着試料除去工程において、ポンプとノズルの開口
との間の空気流路の圧力変化を圧力検出手段からの出力
信号に基づいて検出し、その圧力変化に基づいて被搬送
液体の粘度を判断することを特徴とする、ピペッティン
グ方法が提供される。
【0010】このピペッティング方法によれば、付着試
料除去工程において、ポンプとノズルの開口との間の空
気流路の圧力変化を圧力検出手段からの出力信号に基づ
いて検出し、その圧力変化に基づいて被搬送液体の粘度
を判断するので、吸引工程において被搬送液体を実際に
吸引する前に被搬送液体の粘度を判断できる。しかも、
この判断は付着試料除去工程と同時に行われるので、処
理時間を延長させることがない。
【0011】したがって、被搬送液体の吸引および吐出
に際して、被搬送液体の粘度に応じた適切な吸引および
吐出動作を行わせることができ、正確に所定量の被搬送
液体を吸引および吐出できる。さらには、処理時間が無
駄に長くなることもなく、処理能力の低下を防止でき
る。また、被搬送液体を1回吸引する毎にノズルチップ
を取り替える場合、ノズルチップを無駄に消費すること
がなく、経済的である。
【0012】本願発明の第2の側面によれば、ノズルに
連通して被搬送液体をノズルの開口から吸引および吐出
させるポンプと、ノズルと被搬送液体を収容した容器と
を相対的に移動させる駆動装置と、ポンプとノズルの開
口との間の空気流路の圧力を検出する圧力検出手段と、
圧力検出手段からの出力信号が入力されてポンプおよび
駆動装置を制御する制御装置とを有し、制御装置によっ
てポンプおよび駆動装置を制御することにより、ノズル
の開口から空気を吸引または吐出しながらノズルの開口
と被搬送液体の液面との距離を短縮していき、ノズルの
開口が被搬送液体の液面に接することによるポンプとノ
ズルの開口との間の空気流路の圧力変化を圧力検出手段
からの出力信号に基づいて検出することによって被搬送
液体の液面検出を行い、この後に、ノズルの開口を被搬
送液体の液面から離間させ、ノズルの開口から空気を吐
出することによりノズルの開口付近に付着した被搬送液
体を吹き飛ばすピペッティング装置であって、制御装置
は、ノズルの開口から空気を吐出することによりノズル
の開口付近に付着した被搬送液体を吹き飛ばすに際し
て、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力変化
を圧力検出手段からの出力信号に基づいて検出し、その
圧力変化に基づいて被搬送液体の粘度を判断する構成と
したことを特徴とする、ピペッティング装置が提供され
る。
【0013】このピペッティング装置によれば、本願発
明のピペッティング方法を採用したので、その方法によ
る効果を享受できる。
【0014】ノズルとポンプとは、直接あるいは接続具
を介して連結され、互いに近接配置されていてもよい
し、あるいは、可撓管を介して連結され、互いに相対移
動可能になされていてもよい。ノズルは、全体が一体に
構成されていてもよいし、複数の部品を接続することに
より構成されていてもよい。ノズルの開口は、一般にノ
ズルの先端に形成されるが、他の位置に形成してもよ
い。ポンプは、たとえばシリンダと、このシリンダのプ
ランジャを往復移動させるパルスモータとからなるシリ
ンジポンプであってもよいし、その他の種類のポンプで
あってもよい。
【0015】被搬送液体としては、たとえば血清や血液
や尿などの液体試料が考えられるが、もちろんこれらに
限定されるものではなく、試薬、洗浄剤、接着剤など、
液体であればいかなる種類であってもよい。
【0016】ノズルと被搬送液体を収容した容器とを相
対的に移動させる駆動装置は、たとえばラック・ピニオ
ン機構と電動機とからなるものであってもよいし、その
他の機構であってもよい。また、ノズルを移動させる場
合、ノズルのみを移動させるものであってもよいし、ノ
ズルとポンプとを一体的に移動させるものであってもよ
い。
【0017】ポンプとノズルの開口との間の空気流路の
圧力を検出する圧力検出手段は、空気流路に直接設置さ
れていてもよいし、ポンプ、ノズル、あるいはポンプと
ノズルとを連結する連結具や可撓管から延設された導管
を介して空気流路に連通するように構成されていてもよ
い。また、この圧力検出手段は、たとえばダイヤフラム
と半導体歪検出素子とを組み合わせてなるものであって
もよく、他の構成のものであってもよい。
【0018】制御装置は、たとえばマイクロコンピュー
タあるいはパーソナルコンピュータなどにより実現でき
る。
【0019】好ましい実施の形態によれば、制御装置
は、ノズルの開口から空気を吐出することによりノズル
の開口付近に付着した被搬送液体を吹き飛ばすに際し
て、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力変化
が予め決められた所定値以上のときに、被搬送液体の粘
度が予め決められた所定値以上であると判断し、被搬送
液体をノズルの開口から吸引および吐出させるに際し
て、ポンプを制御して、吸引および吐出を通常よりも緩
慢に行わせる。
【0020】このようにすれば、粘度の高い被搬送液体
であっても、正確に所定量の被搬送液体を吸引および吐
出できる。また、粘度が高くない被搬送液体の場合に
は、吸引および吐出を緩慢に行わないので、処理能力が
低下することはない。
【0021】吸引および吐出を緩慢に行わせるとは、た
とえばシリンジポンプを用いた場合、プランジャの移動
速度を低速にする場合と、プランジャを移動させた後に
ポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力が予め決
められた所定値になるまで待機する場合と、これら双方
を組み合わせた場合とを全て含む。
【0022】別の好ましい実施の形態によれば、ノズル
は、ノズル本体と、このノズル本体に着脱可能に取り付
けられて開口を有するノズルチップとからなる。
【0023】このようにすれば、吸引した被搬送液体を
ノズルチップの内部にのみ貯留しておくことが可能にな
り、1回の被搬送液体の吸引および吐出毎にノズルチッ
プを交換することによって、他の被搬送液体の混入を良
好に防止できる。したがって、ピペッティング装置をた
とえば臨床検査装置などに採用した場合、正確かつ衛生
的に検査を行える。
【0024】本願発明の第3の側面によれば、ノズルに
連通して被搬送液体をノズルの開口から吸引および吐出
させるポンプと、ポンプとノズルの開口との間の空気流
路の圧力を検出する圧力検出手段とを有するピペッティ
ング装置を動作させるプログラムを格納した記憶媒体で
あって、ノズルの開口から空気を吸引または吐出しなが
らノズルの開口と被搬送液体の液面との距離を短縮して
いき、ノズルの開口が被搬送液体の液面に接することに
よるポンプとノズルの開口との間の空気流路の圧力変化
を圧力検出手段からの出力信号に基づいて検出すること
によって被搬送液体の液面検出を行う液面検出工程を実
行させる液面検出プログラムと、ノズルの開口から所定
量の被搬送液体を吸引する吸引工程を実行させる吸引プ
ログラムと、液面検出工程の後でかつ吸引工程の前に、
ノズルの開口を被搬送液体の液面から離間させ、ノズル
の開口から空気を吐出することによりノズルの開口付近
に付着した被搬送液体を吹き飛ばす付着試料除去工程を
実行させる付着試料除去プログラムと、付着試料除去工
程において、ポンプとノズルの開口との間の空気流路の
圧力変化を圧力検出手段からの出力信号に基づいて検出
し、その圧力変化に基づいて被搬送液体の粘度を判断さ
せる粘度判断プログラムとを含むプログラムが格納され
ていることを特徴とする、記憶媒体が提供される。
【0025】この記憶媒体によれば、格納されているプ
ログラムに基づいてピペッティング装置のCPUなどを
動作させることにより、本願発明のピペッティング方法
を実施できる。
【0026】記憶媒体としては、たとえばROMが考え
られるが、これに限定されるものではなく、フレキシブ
ルディスク、CD−ROM、EEPROMなどであって
もよい。
【0027】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0029】図1は、本願発明に係るピペッティング装
置を備えた試料検査装置の一例を示す外観斜視図であっ
て、この試料検査装置1は、筐体2内に後述のピペッテ
ィング装置3を組み込んだものであり、この筐体2の前
面部には、蓋体4によって開閉可能な開口部5が設けら
れている。蓋体4は、操作スイッチを兼ねたタッチパネ
ルタイプのディスプレイ装置6などを開蓋状態における
前面部に具備し、この試料検査装置1の操作盤としての
機能を有するものである。また、筐体2には、この筐体
2の開口部5の手前位置から筐体2内の奥部へ移動する
ように矢印a方向にスライド自在なスライドテーブル7
が設けられている。このスライドテーブル7の上面に
は、検査対象となる被搬送液体の一例としての液体試料
を収容した複数の容器8を起立保持させるためのホルダ
ー9、液体試料を検査するための複数の試薬パッド1
0、およびこの試薬パッド10に液体試料が点着された
後の呈色度の変化を測定する測定装置(図示略)などが
設けられる。なお、蓋体4には、検査結果などを印字出
力するプリンタ11がディスプレイ装置6に隣接して設
置されている。
【0030】この試料検査装置1では、たとえば液体試
料として血清が用いられ、この血清がピペッティング装
置3の動作によって試薬パッド10に点着されると、そ
の後この試薬パッド10に対して光ファイバを介して単
色光を照射させてから、その反射光をホトダイオードで
読み取るようになっている。そして、周知の方法を用い
て測定データを分析し、血清中の各種の成分をディスプ
レイ装置6の表示画面に表示したり、あるいはプリンタ
11を用いて記録紙に印字出力するようになっている。
【0031】図2はピペッティング装置3の概略全体構
成図であって、ノズル21は、ノズル本体22とノズル
チップ23とにより構成されている。すなわち、ノズル
チップ23は樹脂製であり、ノズル本体22の先端小径
部に挿抜自在に装着されており、先端が開口している。
ノズル本体22のノズルチップ23側とは反対側の端部
には、ジョイント管24を介してシリンジポンプ25が
接続されている。このシリンジポンプ25は、シリンダ
26と、このシリンダ26内を移動するプランジャ27
と、このプランジャ27を往復移動させるパルスモータ
28とにより構成されている。なお、パルスモータ28
の出力軸の回転運動をプランジャ27の直線運動に変換
する機構は、周知であるので説明を省略する。これらノ
ズル21およびシリンジポンプ25は、電動機29によ
りラック・ピニオン機構やベルト・プーリ機構を介して
駆動される移動台(図示せず)に搭載されて、上下方向
および図1の矢印a方向に直交する水平方向に移動可能
なように構成されている。ノズル21とシリンジポンプ
25とを接続するジョイント管24からは分岐管30が
分岐しており、この分岐管30には圧力センサ31が接
続されている。
【0032】ノズル21およびシリンジポンプ25の移
動すなわち電動機29の駆動、ならびにシリンジポンプ
25の駆動すなわちパルスモータ28の駆動は、制御装
置32により制御される。この制御装置32は、CPU
33、ROM34、RAM35、および入出力インター
フェイス36を備えており、入出力インターフェイス3
6には、パルスモータ28、電動機29、圧力センサ3
1、操作部37、表示部38、および印字部39が接続
されている。操作部37および表示部38は、図1のデ
ィスプレイ装置6により構成されており、印字部39
は、図1のプリンタ11により構成されている。
【0033】すなわち、パルスモータ28は、制御装置
32により制御されて、シリンジポンプ25のプランジ
ャ27を移動させることにより、ノズル21に容器8内
の液体試料を吸引および吐出させたり、あるいは空気を
吸引および吐出させたりする。電動機29は、制御装置
32により制御されて、ノズル21およびシリンジポン
プ25を昇降および水平移動させ、ノズルチップ23の
先端開口を容器8内の液体試料中に没入させたり、図1
の試薬パッド10に接触させたりする。圧力センサ31
は、たとえばダイヤフラムと半導体歪検出素子とからな
り、シリンジポンプ25とノズル21の開口との間の空
気流路の圧力を検出し、その圧力に応じた電圧のアナロ
グ信号を出力する。制御装置32は、試料検査装置1の
全体を制御する。CPU33は、予めROM34に格納
されているプログラムに基づいて動作し、圧力センサ3
1や操作部37などからの信号に基づいて、パルスモー
タ28、電動機29、表示部38、および印字部39な
どに制御データを出力する。ROM34は、プログラム
や所定のデータなどを記憶している。RAM35は、図
外の電池により電源バックアップが施されており、各種
のデータを記憶する。入出力インターフェイス36は、
アナログ・ディジタル変換、シリアル・パラレル変換、
あるいはタイミング制御など、CPU33と外部の装置
との信号の授受を制御する。操作部37は、使用者によ
るディスプレイ装置6(図1)の表示画面のタッチ操作
などに応じた指令信号を制御装置32に供給する。表示
部38は、制御装置32により制御されて、各種の文字
あるいは図形などをディスプレイ装置6(図1)の表示
画面に表示する。印字部39は、制御装置32により制
御されて、分析結果などを記録紙に印字出力する。この
印字部39は、実際には図1のプリンタ11である。
【0034】すなわち、シリンジポンプ25は、ノズル
21に連通して液体試料をノズル21の開口から吸引お
よび吐出させるポンプを構成している。電動機29は、
ノズル21を移動させる駆動装置の一部を構成してい
る。圧力センサ31は、シリンジポンプ25とノズル2
1の開口との間の空気流路の圧力を検出する圧力検出手
段を構成している。制御装置32は、圧力センサ31か
らの出力信号が入力されてパルスモータ28および電動
機29を制御する制御装置を構成している。ROM34
は、ノズル21の開口から空気を吸引または吐出しなが
らノズル21の開口と液体試料の液面との距離を短縮し
ていき、ノズル21の開口が液体試料の液面に接するこ
とによるシリンジポンプ25とノズル21の開口との間
の空気流路の圧力変化を圧力センサ31からの出力信号
に基づいて検出することによって液体試料の液面検出を
行う液面検出工程を実行させる液面検出プログラムと、
ノズル21の開口から所定量の液体試料を吸引する吸引
工程を実行させる吸引プログラムと、液面検出工程の後
でかつ吸引工程の前に、ノズル21の開口を液体試料の
液面から離間させ、ノズル21の開口から空気を吐出す
ることによりノズル21の開口付近に付着した液体試料
を吹き飛ばす付着試料除去工程を実行させる付着試料除
去プログラムと、付着試料除去工程において、シリンジ
ポンプ25とノズル21の開口との間の空気流路の圧力
変化を圧力センサ31からの出力信号に基づいて検出
し、その圧力変化に基づいて液体試料の粘度を判断させ
る粘度判断プログラムとを含むプログラムが格納されて
いる記憶媒体を構成している。
【0035】この試料検査装置1は、ノズル21により
容器8内の液体試料を所定量吸引し、その液体試料を試
薬パッド10に点着して、試薬パッド10の呈色度の変
化により液体試料である血清の成分分析を行うものであ
り、これらは全て制御装置32により制御されて自動的
に行われる。このような制御装置32による制御動作の
うち、液体試料の粘度を判断するステップを含む吸引処
理の手順について、図3に示すフローチャートを参照し
ながら説明する。
【0036】いま、ノズルチップ23の先端開口は、液
体試料を収容した容器8の真上の所定高さの位置に存在
しているものとする。先ずCPU33が、パルスモータ
28を制御してシリンジポンプ25のプランジャ27を
吐出側に移動させ、ノズルチップ23の先端開口から空
気を吐出させる(S1)。さらにCPU33が、電動機
29を制御して、ノズル21およびシリンジポンプ25
を下降させる(S2)。そしてCPU33が、圧力セン
サ31からの出力信号を監視して、圧力センサ31によ
る検出圧力が所定値まで上昇したか否かを判断する(S
3)。すなわち、ノズルチップ23の先端開口が容器8
内の液体試料の液面に到達すれば、空気の吐出が液体試
料により妨げられて圧力センサ31による検出圧力が急
激に上昇するので、それにより液体試料の液面を検知し
ようとしているのである。
【0037】圧力センサ31による検出圧力が所定値ま
で上昇すれば(S3:YES)、ノズルチップ23の先
端開口が容器8内の液体試料の液面に到達したというこ
となので、CPU33が、その位置すなわち高さをRA
M35に記憶させる(S4)。この位置は、たとえば電
動機29により回転させられるロータリーエンコーダを
設け、そのロータリーエンコーダからのパルス数をカウ
ントして所定位置からのノズル21の下降距離を演算す
ることにより容易に求められる。さらにCPU33が、
電動機29を制御してノズル21およびシリンジポンプ
25の下降を停止させ(S5)、パルスモータ28を制
御してプランジャ27の移動を停止させることによりノ
ズルチップ23の先端開口からの空気の吐出を停止させ
る(S6)。これらS4〜S6の動作順序は任意であ
る。そしてCPU33が、電動機29を制御してノズル
21およびシリンジポンプ25を所定距離上昇させる
(S7)。もちろん、ノズル21およびシリンジポンプ
25を元の位置まで上昇させてもよい。
【0038】さらにCPU33が、パルスモータ28を
制御することによりシリンジポンプ25のプランジャ2
7を吐出側に移動させてノズルチップ23の先端開口か
ら空気を吐出させて(S8)、液面検出時にノズルチッ
プ23の先端開口付近に付着した液体試料を吹き飛ば
す。そしてこのとき、CPU33が、圧力センサ31か
らの出力信号を監視することにより圧力センサ31によ
る検出圧力が所定値以上に上昇し、かつ振動しているか
否かを判断する(S9)。すなわち、液体試料の粘度が
それほど高くない場合、液面検出時にノズルチップ23
の先端開口が液体試料により閉塞状態になることはない
ので、ノズルチップ23の先端開口に付着した液体試料
を除去するときに圧力センサ31による検出圧力が急激
に大きくなって振動することはないが、液体試料の粘度
が非常に高い場合、液面検出時にノズルチップ23の先
端開口が液体試料により閉塞状態になるので、ノズルチ
ップ23の先端開口に付着した液体試料を除去するとき
に圧力センサ31による検出圧力が急激に大きくなって
振動する。したがって、この圧力変化により液体試料の
粘度を判断しようとしているのである。
【0039】圧力センサ31による検出圧力が所定値以
上に上昇して振動すれば(S9:YES)、液体試料の
粘度が非常に高いということなので、CPU33が、フ
ラグFを1にセットし(S10)、電動機29を制御し
てノズル21およびシリンジポンプ25を下降させ、ノ
ズルチップ23の先端開口を容器8内の液体試料中に没
入させる(S11)。この没入深さは、所定量の液体試
料を確実に吸引できる深さとする。そしてCPU33
が、フラグFが1であるか否かを判断し(S12)、フ
ラグFが1であれば(S12:YES)、液体試料が高
粘度であるということなので、CPU33が、パルスモ
ータ28を制御することによりプランジャ27を低速で
吸引側に所定距離移動させ、ノズルチップ23の先端開
口から液体試料を吸引させる(S13)。低速で吸引さ
せるのは、液体試料の粘度が高いので、通常の速度で吸
引した場合には所定量の液体試料を確実に吸引すること
が困難になるからである。さらにCPU33が、圧力セ
ンサ31からの出力信号を監視することにより、圧力セ
ンサ31による検出圧力が所定圧まで上昇したか否かを
判断する(S14)。すなわち、吸引途中においては圧
力センサ31による検出圧力は負圧であり、所定量の液
体試料が吸引されることにより圧力センサ31による検
出圧力が所定圧まで上昇するので、所定量の液体試料が
確実に吸引されるまで待つのである。圧力センサ31に
よる検出圧力が所定圧まで上昇すれば(S14:YE
S)、所定量の液体試料が吸引されたということである
ので、CPU33が、電動機29を制御してノズル21
およびシリンジポンプ25を所定位置まで上昇させ(S
15)、このルーチンを終了する。
【0040】S14において、圧力センサ31による検
出圧力が所定圧まで上昇していなければ(S14:N
O)、S14に戻って圧力センサ31による検出圧力が
所定圧まで上昇するのを待つ。すなわち、所定量の液体
試料が吸引されるまで待つのである。
【0041】S12において、フラグFが1でなければ
(S12:NO)、フラグFが0であり液体試料の粘度
が高くないということなので、CPU33が、パルスモ
ータ28を制御することによりプランジャ27を通常の
速度で吸引側に所定距離移動させ、ノズルチップ23の
先端開口から液体試料を吸引させて(S16)、S14
に進む。通常の速度で吸引させるのは、液体試料の粘度
が高くないので、低速で吸引しなくても所定量の液体試
料を確実に吸引できるからである。
【0042】S9において、圧力センサ31による検出
圧力が所定値以上に上昇せず、また振動もしなければ
(S9:NO)、液体試料の粘度が高くないので、CP
U33が、フラグFを0にセットして(S17)、S1
1に進む。
【0043】S3において、圧力センサ31による検出
圧力が所定値まで上昇していなければ(S3:NO)、
ノズルチップ23の先端開口が容器8内の液体試料の液
面に到達していないということなので、S3に戻ってノ
ズルチップ23の先端開口が容器8内の液体試料の液面
に到達するのを待つ。
【0044】かくして所定量の液体試料の吸引が完了し
た後、CPU33によって電動機29が制御されて、ノ
ズル21およびシリンジポンプ25が図1の矢印a方向
と直交する水平方向に移動し、さらにCPU33によっ
て電動機29が制御されて、ノズルチップ23の先端開
口が試薬パッド10に接触するまで下降する。この状態
で、CPU33によってパルスモータ28が制御され
て、ノズルチップ23の先端開口から液体試料が吐出さ
れ、試薬パッド10に点着される。この点着は、試薬パ
ッド10に複数の試験片が設けられている場合、各試験
片毎に行われる。このとき、CPU33がフラグFの内
容を調べて、液体試料の粘度が高ければ低速で吐出し、
液体試料の粘度が高くなければ通常の速度で吐出する。
液体試料が点着された試薬パッド10は、液体試料に含
まれる所定の成分の含有量に応じて変色するので、その
反射率が測定され、反射率に基づいて分析が行われる。
そして、分析結果がディスプレイ装置6の表示画面に表
示されるとともに、プリンタ11により印字出力され
る。なお、ノズルチップ23のノズル本体22に対する
着脱は、ノズル21およびシリンジポンプ25の昇降動
作を利用して自動的に行われる。
【0045】図4および図5は上記一連の動作における
圧力センサ31の出力波形およびその微分波形の説明図
である。図4において、実線41は粘度の高くない液体
試料の場合の圧力センサ31の出力波形、実線42は粘
度の高くない液体試料の場合の圧力センサ31の出力の
微分波形を表している。図5において、実線43は粘度
の高い液体試料の場合の圧力センサ31の出力波形、実
線44は粘度の高い液体試料の場合の圧力センサ31の
出力の微分波形を表している。
【0046】図5において、43a,44aで示される
部分に着目すると、明らかに検出圧力が上昇し、かつ変
動している。これは、液体試料の液面検出時にノズルチ
ップ23の先端開口付近に付着した液体試料を除去する
ために、ノズルチップ23の先端開口から空気を吐出し
ているときに生じた圧力変化であって、液体試料の粘度
が高い場合、液体試料によりノズルチップ23の先端開
口が閉塞状態になるので、空気の吐出によりこのような
圧力変化を生じるのである。これに相当する部分が図4
に示す41a,42aの部分であるが、液体試料の粘度
が高くないので、ノズルチップ23の先端開口が閉塞状
態にならず、圧力変化を生じていない。なお、41b,
42b,43b,44bは液体試料の液面検出時の圧力
変化、41c,42c,43c,44cは液体試料の吸
引時の圧力変化、41d,42d,43d,44dは液
体試料の点着時の圧力変化をそれぞれ示している。
【0047】なお、上記実施形態においては、図3のS
9で圧力センサ31による検出圧力が所定値以上に上昇
し、かつ振動したときに液体試料の粘度が高いと判断し
たが、検出圧力が所定値以上に上昇した場合、あるいは
検出圧力が振動した場合に液体試料の粘度が高いと判断
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るピペッティング装置を備えた試
料検査装置の一例を示す外観斜視図である。
【図2】本願発明に係るピペッティング装置の概略全体
構成図である。
【図3】本願発明に係るピペッティング装置による吸引
処理の手順を説明するフローチャートである。
【図4】本願発明に係るピペッティング装置に備えられ
た圧力センサによる、液体試料の粘度が高くない場合に
おける出力波形およびその微分波形の説明図である。
【図5】本願発明に係るピペッティング装置に備えられ
た圧力センサによる、液体試料の粘度が高い場合におけ
る出力波形およびその微分波形の説明図である。
【符号の説明】
1 試料検査装置 3 ピペッティング装置 6 ディスプレイ装置 8 容器 10 試薬パッド 11 プリンタ 21 ノズル 22 ノズル本体 23 ノズルチップ 25 シリンジポンプ 28 パルスモータ 29 電動機 31 圧力センサ 32 制御装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルに連通して被搬送液体を前記ノズ
    ルの開口から吸引および吐出させるポンプと、前記ポン
    プと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力を検出す
    る圧力検出手段とを有するピペッティング装置を用い
    て、 前記ノズルの開口から空気を吸引または吐出しながら前
    記ノズルの開口と前記被搬送液体の液面との距離を短縮
    していき、前記ノズルの開口が前記被搬送液体の液面に
    接することによる前記ポンプと前記ノズルの開口との間
    の空気流路の圧力変化を前記圧力検出手段からの出力信
    号に基づいて検出することによって前記被搬送液体の液
    面検出を行う液面検出工程と、 前記ノズルの開口から所定量の前記被搬送液体を吸引す
    る吸引工程と、 前記液面検出工程の後でかつ前記吸引工程の前に、前記
    ノズルの開口を前記被搬送液体の液面から離間させ、前
    記ノズルの開口から空気を吐出することにより前記ノズ
    ルの開口付近に付着した被搬送液体を吹き飛ばす付着試
    料除去工程とを含む工程を実行するピペッティング方法
    であって、 前記付着試料除去工程において、前記ポンプと前記ノズ
    ルの開口との間の空気流路の圧力変化を前記圧力検出手
    段からの出力信号に基づいて検出し、その圧力変化に基
    づいて前記被搬送液体の粘度を判断することを特徴とす
    る、ピペッティング方法。
  2. 【請求項2】 ノズルに連通して被搬送液体を前記ノズ
    ルの開口から吸引および吐出させるポンプと、前記ノズ
    ルと前記被搬送液体を収容した容器とを相対的に移動さ
    せる駆動装置と、前記ポンプと前記ノズルの開口との間
    の空気流路の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力
    検出手段からの出力信号が入力されて前記ポンプおよび
    前記駆動装置を制御する制御装置とを有し、 前記制御装置によって前記ポンプおよび前記駆動装置を
    制御することにより、前記ノズルの開口から空気を吸引
    または吐出しながら前記ノズルの開口と前記被搬送液体
    の液面との距離を短縮していき、前記ノズルの開口が前
    記被搬送液体の液面に接することによる前記ポンプと前
    記ノズルの開口との間の空気流路の圧力変化を前記圧力
    検出手段からの出力信号に基づいて検出することによっ
    て前記被搬送液体の液面検出を行い、この後に、前記ノ
    ズルの開口を前記被搬送液体の液面から離間させ、前記
    ノズルの開口から空気を吐出することにより前記ノズル
    の開口付近に付着した被搬送液体を吹き飛ばすピペッテ
    ィング装置であって、 前記制御装置は、前記ノズルの開口から空気を吐出する
    ことにより前記ノズルの開口付近に付着した被搬送液体
    を吹き飛ばすに際して、前記ポンプと前記ノズルの開口
    との間の空気流路の圧力変化を前記圧力検出手段からの
    出力信号に基づいて検出し、その圧力変化に基づいて前
    記被搬送液体の粘度を判断する構成としたことを特徴と
    する、ピペッティング装置。
  3. 【請求項3】 前記制御装置は、前記ノズルの開口から
    空気を吐出することにより前記ノズルの開口付近に付着
    した被搬送液体を吹き飛ばすに際して、前記ポンプと前
    記ノズルの開口との間の空気流路の圧力変化が予め決め
    られた所定値以上のときに、前記被搬送液体の粘度が予
    め決められた所定値以上であると判断し、前記被搬送液
    体を前記ノズルの開口から吸引および吐出させるに際し
    て、前記ポンプを制御して、吸引および吐出を通常より
    も緩慢に行わせる、請求項2に記載のピペッティング装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ノズルは、ノズル本体と、このノズ
    ル本体に着脱可能に取り付けられて前記開口を有するノ
    ズルチップとからなる、請求項2または請求項3に記載
    のピペッティング装置。
  5. 【請求項5】 ノズルに連通して被搬送液体を前記ノズ
    ルの開口から吸引および吐出させるポンプと、前記ポン
    プと前記ノズルの開口との間の空気流路の圧力を検出す
    る圧力検出手段とを有するピペッティング装置を動作さ
    せるプログラムを格納した記憶媒体であって、 前記ノズルの開口から空気を吸引または吐出しながら前
    記ノズルの開口と前記被搬送液体の液面との距離を短縮
    していき、前記ノズルの開口が前記被搬送液体の液面に
    接することによる前記ポンプと前記ノズルの開口との間
    の空気流路の圧力変化を前記圧力検出手段からの出力信
    号に基づいて検出することによって前記被搬送液体の液
    面検出を行う液面検出工程を実行させる液面検出プログ
    ラムと、 前記ノズルの開口から所定量の前記被搬送液体を吸引す
    る吸引工程を実行させる吸引プログラムと、 前記液面検出工程の後でかつ前記吸引工程の前に、前記
    ノズルの開口を前記被搬送液体の液面から離間させ、前
    記ノズルの開口から空気を吐出することにより前記ノズ
    ルの開口付近に付着した被搬送液体を吹き飛ばす付着試
    料除去工程を実行させる付着試料除去プログラムと、 前記付着試料除去工程において、前記ポンプと前記ノズ
    ルの開口との間の空気流路の圧力変化を前記圧力検出手
    段からの出力信号に基づいて検出し、その圧力変化に基
    づいて前記被搬送液体の粘度を判断させる粘度判断プロ
    グラムとを含むプログラムが格納されていることを特徴
    とする、記憶媒体。
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